説明

発光ダイオードチップおよびその製造方法

【課題】生成された出力結合すべきビームの特性を従来方式のチップよりも向上させ、かつ従来形のLEDケーシング構造の中にも十分に組み込める、発光ダイオードチップを提供することである。またそれと同時にその製造方法についても従来の発光ダイオードチップの製造方法に比べて技術的に増える手間がごく僅かで済むように改善を行うこと。
【解決手段】横断面積がFLのビーム発光アクティブ領域(32)と、照射方向で該ビーム発光アクティブ領域(32)に後置接続されている屈折率nsのビーム透過性ウインドウ層(2)を有し、該ウインドウ層は光出力結合のためにFCの横断面積を有し、さらに屈折率nMの媒体が接している出力結合面を有し、前記ns>nMであり、前記ビーム発光アクティブ領域(32)の横断面積FLを、出力結合面の横断面積FCよりも小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による発光ダイオードチップ並びにその製造方法に関している。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードチップのための半導体材料の一部は、明らかに3以上の屈折率を有している。従来の発光ダイオード構成素子のもとでチップに当接している媒体(通常は空気やプラスチック)は、明らかに低い屈折率を有している。それに伴って発光ダイオードチップと当接する媒体の間の境界面における屈折率の跳躍的変化(屈折率ジャンプ)は、全反射のうちの比較的小さな臨界角に結び付き、そのためチップのアクティブ領域内で誘起される電磁ビームの大半が当該の境界面からチップ内へフィードバック反射される。
【0003】
このような理由からアクティブ領域内で誘起されたビームの非常に僅かな成分のみが直接チップから出力結合される。従来の発光ダイオードチップのもとではフラットな出力結合面毎に僅かなパーセントの出力結合成分が算出される。
【0004】
米国特許出願 US 5 233 204 明細書では、発光ダイオードチップからの光出力結合の改善のために分厚い透過層が提案されている。これは発光層に対して付加的にエピタキシャルに被着され、光出力結合成分をチップのフロント側によって高めている。
【0005】
さらに高屈折で透過性の注形コンパウンドの適用も公知であるが、しかしながらこれはとりわけ予算の関係で発展的利用が困難である。その上さらにこれまでに入手可能な最良の注形コンパウンドも最大でn=1.6の屈折率しか有さず、このことはさらに発光性半導体素子の出力結合面における過度に高い跳躍的変化と反射ロスを引き起こす。さらに高透過性の注形コンパウンドは、不所望な化学的特性と機械的特性を有しており、このこともその技術の汎用的な利用に対する制約になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願 US 5 233 204 明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、生成された出力結合すべきビームの特性を従来方式のチップよりも向上させ、かつ従来形のLEDケーシング構造の中にも十分に組み込める、発光ダイオードチップを提供することである。またそれと同時にその製造方法についても従来の発光ダイオードチップの製造方法に比べて技術的に増える手間がごく僅かで済むように改善を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、請求項1の特徴部分に記載の本発明の発光ダイオードチップによって並びに請求項22の特徴部分に記載の本発明の方法によって解決される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるアクティブ層に発光領域を有する発光ダイオードの有利な実施例の概略的な断面図
【図1a】図1の実施例の符号Xの方向から見た横断面図
【図2】フレネルレンズ構造部を備えた本発明による発光ダイオードの別の有利な実施例の概略的な断面図
【図3】フレネルレンズ構造部を備えた本発明による発光ダイオードのさらに別の有利な実施例の概略的な断面図
【図4】多数の部分発光領域と多重のレンズ構造部を備えた本発明による発光ダイオードの別の有利な実施例の概略的な断面図
【図5】既に分離された発光半導体素子とまだこれから分離される発光半導体素子を有するウエハの断面とこれに用いるソーイングプレートを概略的に示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の発光ダイオードチップの別の有利な実施例は、従属請求項2〜21に記載されており、本発明の方法の別の有利な実施例は、従属請求項23〜25に記載されている。
【0011】
本発明によれば、発光ダイオードチップにおけるビーム効率(歩留まり)が、発光領域を発光ダイオードチップの横断面積よりも小さい面積に狭めることによって高められる。
【0012】
さらに、発光面が発光ダイオードチップの全横断面に亘る通常構成に比べて出力結合の向上は30%以上である。
【0013】
本発明によれば、横断面積がFLのビーム発光アクティブ領域と、照射方向で該ビーム発光アクティブ領域に後置接続されている屈折率nsのビーム透過性ウインドウ層を有し、該ウインドウ層は光出力結合のためにFCの横断面積を有し、さらに屈折率nMの媒体が接している出力結合面を有している、発光ダイオードチップが設けられており、この場合、前記ビーム発光アクティブ領域の横断面積FLは、出力結合面の横断面積FCよりも小さく、以下の式、
【数1】

であらわされる関係を充たしている。この場合の横断面積FCは、ウインドウ層における光出力結合のために可用な領域かまたは光出力結合のために設けられている領域を指している。またウインドウ層とはこの場合個々の層も、全体で1つのウインドウ層の機能を充たしている多層も指しているものと理解されたい。
【0014】
本発明の特に有利な構成によれば、発光制限装置が次のように構成されている。すなわち発光ダイオードチップ内部の電流通流、特にアクティブ層内および/またはアクティブ層を通る電流通流が発光領域に限定される。これにより本発明によれば非常に簡単に光の発光をより小さな領域に限定することができる。
【0015】
本発明の別の構成によれば、ウインドウ層の厚さHが以下の式
【数2】

に当て嵌められる。この場合前記Cは、ウインドウ層ないし光出射面の横断面長であり、前記nsは、アクティブ層ないしウインドウ層の屈折率であり、前記nMは、ウインドウ層に接している材料の屈折率である。この場合に得られる利点は、出力結合される光量のさらなる増加である。
【0016】
前記横断面長とは、ここおよび以下では、相応する横断面の特徴的な広がりの長さを意味するものと理解されたい。例えばそれが正方形の面ならば辺の長さを指し、円形の面ならば直径を意味する。その他の面形状の場合には、横断面長として次のような値が用いられる。すなわち面の重心を通る直径の最大値と最小値の間の値である。
【0017】
有利には、アクティブ層に接するウインドウ層の厚さHに対しては、以下の式
【数3】

が有効である。この場合、前記Cはウインドウ層の横断面長であり、前記Dは、アクティブ層のビーム発光領域の横断長であり、前記nsは、照射されるウインドウ層の屈折率であり、前記nMは、ウインドウ層に接している材料の屈折率である。この高さ(厚さ)までは、ウインドウ層の側面における全反射が十分に避けられ、そのため側面による生成ビームの出力結合が可能である。
【0018】
本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、発光領域は、アクティブ層の、相互に規則的な間隔をおいて配置された多数の部分発光領域からなり、この場合部分発光領域の全体面積FLに対しては以下の式、
【数4】

が有効であり、この場合前記Fは、ウインドウ層の横断面積ないし基準面積すなわち光出射面積であり、前記FLiは、個々の部分発光領域の面積であり、前記nsは、アクティブ層ないしウインドウ層の屈折率であり、前記nMは、ウインドウ層に接している材料の屈折率である。これによって中央のアクティブ層発光領域と同じように有利な形態で、発光ダイオードチップからの光出力結合が最適化される。それに続いてさらに有利には、ウインドウ層の厚さHに対して、以下の式、
H=p・A
が有効である。この場合前記Aは、個々の部分発光領域の規則的な間隔であり、前記pは、0.5〜5の間で選択可能な係数である。
【0019】
有利には、発光ダイオードチップから出射する光を収束させる光学装置が設けられ、この装置はウインドウ層の表面に構成される。これにより、出射される光束の形状が定められ、ひいては出力結合が適切な材料選択と形状選択によってさらに向上される。
【0020】
本発明の有利な実施形態によれば、前記光学装置が1つまたは複数の有利には球面レンズnによって構成され、その中心点は発光領域の重心上かまたは個々の部分発光領域のそれぞれの重心上に存在する。
【0021】
同様に有利には、前記光学装置は1つまたは複数のフレネルレンズによって構成されており、それらの中心点は発光領域の重心上かまたは個々の部分発光領域のそれぞれの重心上に存在する。
【0022】
有利には前記光学装置は、ウインドウ層の表面に載置されるかまたは成形される、あるいはウインドウ層自体から構成されるかまたは成形されている。
【0023】
本発明のさらに別の構成によれば、発光制限装置がアクティブ層の制限によって形成され、この場合アクティブ層の発光能力は、発光領域に限定される。
【0024】
本発明の有利な実施形態によれば、発光制限装置が、アクティブ層上またはアクティブ層において形成された、アクティブ層の発光を少なくとも部分的に不透過にさせる材料および/または限定的にしか透過させない材料からなる絶縁層によって形成されている。これによりアクティブ層は、これまでの通常のように貫通層としてさらに多くの個別の発光半導体素子を含んだウエハ内を延在し得る。
【0025】
本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、前記発行制限装置は、アクティブ層上またはアクティブ層において並びにアクティブ層と給電部の間において形成される絶縁層によって形成されており、該絶縁層は、アクティブ層に対する給電ないしアクティブ層を通る通電を、発光領域外の領域において最小化する。これによってもアクティブ層は、貫通層としてさらに多くの個別の発光半導体素子を含んだウエハ内を延在し得る。
【0026】
有利には、前記絶縁層は、非導電性の酸化膜からなり、これはウインドウ層の光出射面の対向側に被着されている。これにより、給電ないし通電のマスキングが特に簡単にかつ低コストに実現できる。この利点は、酸化被膜が既存の材料の酸化によって形成可能なことである。
【0027】
同様に有利には、発光制限装置が給電部ないし通電部の形状構成によって次のように形成される。すなわち当該給電部がコンタクト領域においてのみ、アクティブ層と導電接続されるように形成される。
【0028】
本発明の別の有利な実施形態によれば、第2の給電ないし給電部が光出射面または光学装置上でこれを不完全に覆った電気的コンタクトによって形成される。この上では通常の手法のようにコンタクト用のボンディングワイヤで固定されてもよい。
【0029】
同様に有利には、第2の給電部が、アクティブ層と光出射面の間のウインドウ層に接続する電気的コンタクトによって形成される。
【0030】
さらに別の構成例によれば、第2の給電部が、アクティブ層に接続する電気的コンタクトによって形成される。
【0031】
有利には前記給電部および/または絶縁層は、発光ビームに対して反射的である。これにより、発光効率がさらに損失の回避によって高められる。
【0032】
有利には、光出射面とは離れているアクティブ層側におけるウインドウ層またはアクティブ層の層内または層面に、発光ビームに対する反射装置が形成される。これにより光効率もさらなるロスの回避によって高まる。さらに有利には反射装置はブラッグ格子である。
【0033】
さらに本発明の別の構成例によれば、前記ウインドウ層および/または光学装置は、少なくとも部分的に発光ビームを透過させる被覆を備える。これにより、発光半導体素子は、環境の影響から保護される。それにより多岐にわたる適用に応じた対外的な形状構成が可能となる。
【0034】
発光ダイオードチップの表面にレンズ構造部を作製するための本発明による方法によれば、光の出射ないし透過のために設けられた発光素子の外側表面に、レンズ構造部がフライスツールまたはエッチング手法を用いて、発光素子から外側表面に成形される。
【0035】
別の有利な方法ステップによれば、前記レンズ構造部として球面レンズまたはフレネルレンズが作製される。
【0036】
特に有利な方法ステップによれば、ウエハ帯内にまだ存在している発光素子の分断のために適切に成形された装置を用いて、発光素子の分離のもとで、レンズ構造部が個別化されると同時に作製される。
【0037】
さらに本発明のさらなる利点、特性、別の有利な構成例は従属請求項に記載されている。
【実施例】
【0038】
以下の明細書では本発明を図面に基づいて詳細に説明する。なお図1から図5において同じ構成要素ないし同じ作用の構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0039】
図1には、本発明による発光ダイオードチップ1が断面図で示されている。この半導体素子は、発光ビームを透過させるウインドウ層2と、この光を発光するアクティブ層3と、出射光束を成形するレンズ41の形態の光学装置と、発光制限装置としての絶縁層5と、第1の給電ないし通電部71と第2の給電ないし通電部6で構成されている。この場合ウインドウ層2は、同時に当該発光ダイオードチップ1の基板としても用いられている。
【0040】
アクティブ層3の発光領域32は、絶縁層5のマスキングによってその形状とサイズに制限され規定されている。この電気的な絶縁部の形状によって、光出射面8に対向する、発光半導体素子1の下側でフラットに形成された給電部6のコンタクトが、チップないしアクティブ層との接触箇所上方に発光領域32が存在することを可能にしている。例えば絶縁層の材料として酸化被膜が用いられる。この場合給電部6は、絶縁層5の上にフラットに被着された金属膜で構成されてもよい。これによりアクティブ層3の発光のために設けられているのではない領域31には電流が流れない。従ってこの領域では発光が生じない。第2の給電は、導電性レンズ41の上に電気的なコンタクト(パッド)の形状で形成された第1の給電部71によって行われる。この給電部の上にはボンディングワイヤが通常の形態で固定されていてもよい。
【0041】
アクティブ層3の発光領域32から発光される光ビームは、その総面積FLが以下の式、
【数5】

で表わされる関係を充たしており、これは屈折率nsで厚さHのウインドウ層2を透過する。これに関しては以下の式、
【数6】

が有効とされる。
【0042】
それに続いて発光ビームは、光出射面8からレンズ体41内部へ入力結合され、その出射光束はこのレンズ形状に応じて形成される。
【0043】
前記ウインドウ層の厚さに対しては例えば、側面長C=300μm、ns/nM=3.5のチップの場合、理想的にはD=100μmでH=30μmである。あるいは以下の条件式
【数7】

に従えば、H=500μmであり、これは最大限の許容値を表わす。
【0044】
この場合有利には、ウインドウ層2とレンズ体41の材料の屈折率は、前述した反射ロスを避けるためにできるだけ類似させられる。最もベストなのは光学装置がウインドウ層2自体から作製されることである。
【0045】
図1aには、図1の発光半導体素子1が符号Xの方向からみた断面図で示されている。この場合アクティブ層3は、半導体素子の総横断面積FC(前述の計算式の例では90.000μm2)をとる。発光領域32は、総面積FL(前述の計算例では10.000μm2を有する。
図2には、ボード10上にろう付けされた本発明による発光半導体素子1の断面が示されている。この場合給電部6と72の双方は、当該半導体素子1の下側に被着されている。これにより、発光半導体素子1と、ボード10上に形成されたろう付け面101,102との間のろう9を用いた簡単なろう付けが可能となる。これによって光源は、いわゆるSMD構造形式で可能となる。その場合発光半導体素子1はチップ自体よりも大きくなることはほとんどない。アクティブ層3はフラットに形成されており発光領域32は、発光制限装置としての絶縁層5によって規定される。図1におけるレンズ41の代わりに、ここでは出射光束を変形させる光学装置としていわゆるフレネルレンズ42が適用されている。これは、本発明による方法を用いて、高速回転するフライスツールか適切なエッチング技法によって発光領域32の上方でウインドウ層2の光出射表面に形成される。
【0046】
図3には、ろう付けされたさらなる発光ダイオードチップ1の断面が示されている。この場合は、給電部73を用いてアクティブ層3内で電流給電が行われる。光学装置としてここでは追加構成されたフレネルレンズ43が用いられている。
【0047】
図4には、さらに別の発光ダイオードチップ1の断面図が示されている。この場合は多数の発光領域33〜35が設けられており、それらの個々の面積FLiの総面積は、発光領域の総面積FLを示している。これも前述した、チップ基準面積FC、すなわち光出射面の面積とFLの比に対する条件式を充たす。
【0048】
透過されるウインドウ層2の高さHは、この場合個々の部分発光領域33〜35の間隔距離Aの0.5〜5倍の値で選択される。図示の例では、光束特性を変更させる光学装置として多数の球面レンズ44が設けられており、それらの中心それぞれ部分発光領域33〜35の重心上に存在している。ここではレンズ44の代わりに多数のフレネルレンズも可能である。
【0049】
ウインドウ層2は有利には、光透過性の材料からのエピタキシャル成長層であってもよい。個々のエピタキシャル成長層も、その元の材料も(これは狭義のエピタキシャル技法においては"基板"とも称される)エッチング技法などの公知の手法で完全にあるいは部分的に除去できる。同じように、処理技術的に可能な様々な材料層を機械的にそしてとりわけ光学的な"ギャップ"なしで相互に結合させることも可能である(例えば非常に平らな表面のアノードボンディングや相互プレスなど)。
【0050】
これまでに前述してきた構造は、非常に様々な手法で形成可能である。
【0051】
図5には、既に分離された発光ダイオードチップ502〜504とまだこれから分離される発光ダイオードチップ505〜507を有するウエハの概略的な断面図が示されている。これらの光学レンズ41は、軸511を中心に回転する相応に成形されたソーイングプレート510によって、ウエハ501の表面508内で同時に分離される。
【0052】
ソーイングプレート510は、その断面構造において先端に向けた薄肉部分512と、作製すべきレンズ形状(ネガティブ)に相応した拡幅部分513を有している。このソーイングプレートは、先端に向けた部分512を短めに構成してもよい。それにより発光ダイオードチップの表面内へ多重レンズ構造を設けることが可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1 発光ダイオードチップ
2 ウインドウ層
3 アクティブ層
5 絶縁層
6 第2の給電部
8 光出射面
9 ろう
10 ボード
32 ビーム発光アクティブ領域
42 光学装置
71 第2の給電部
101 蝋付け面
102 蝋付け面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面積がFLのビーム発光アクティブ領域(32)と、照射方向で該ビーム発光アクティブ領域(32)に後置接続されている屈折率nsのビーム透過性ウインドウ層(2)を有し、該ウインドウ層は光出力結合のためにFCの横断面積を有し、さらに屈折率nMの媒体が接している出力結合面を有しており、前記ns>nMである、発光ダイオードチップにおいて、
前記ビーム発光アクティブ領域(32)の横断面積FLが、出力結合面の横断面積FCよりも小さく、以下の式
【数1】

に当て嵌まるように構成されていることを特徴とする、発光ダイオードチップ。
【請求項2】
前記発光ダイオードチップの出力結合面に接している媒体は、空気又はプラスチックである、請求項1記載の発光ダイオードチップ。
【請求項3】
前記ビーム発光アクティブ領域(32)は、当該ビーム発光アクティブ領域(32)の面積FLに対する通流制限を用いて規定される、請求項1または2記載の発光ダイオードチップ。
【請求項4】
前記ウインドウ層(2)の厚さHは、以下の式
【数2】

に当て嵌まり、この場合前記Cは、当該ウインドウ層(2)の光出射面の横断面長である、請求項1から3いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項5】
前記ウインドウ層(2)の厚さHは、以下の式
【数3】

に当て嵌まり、この場合前記Dは、前記ビーム発光アクティブ領域(32)の横断長である、請求項1から4いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項6】
前記ビーム発光アクティブ領域は、相互に規則的な間隔をおいて配置された多数のアクティブな部分領域からなり、この場合部分領域の全体面積FLに対しては以下の式、
【数4】

が有効であり、この場合前記FLiは、個々の部分領域面積を表わしている、請求項1から4いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項7】
前記ウインドウ層(2)の厚さHに対して、以下の式、
H=p・A
が当て嵌まり、この場合前記Aは、個々の部分領域の規則的な間隔であり、0.5〜5の間で選択可能な係数である、請求項1から5いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項8】
前記ウインドウ層(2)上に電磁ビームを集束させるための光学装置(41,42,43,44)が設けられている、請求項1から7いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項9】
前記光学装置は、その重心がビーム発光アクティブ領域(32)上に存在する1つのレンズ(41)によって構成されるか又は、その中心点がそれぞれの対応するアクティブ部分領域(33〜55)の重心上に存在する複数のレンズ(44)によって構成されている、請求項1から8いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項10】
前記レンズ(41,44)は、少なくとも部分的にフレネルレンズ(42,43)または球面レンズとして構成される、請求項1から9いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項11】
前記ビーム発光アクティブ領域(32,33〜35)の面積F1ないし面積FLiは、アクティブ層(3)の発光能力を当該ビーム発光アクティブ領域(32,33〜35)の面積F1ないし面積FLiに絞ることによって定められている、請求項1から10いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項12】
前記ビーム発光アクティブ領域(32,33〜35)の面積F1ないし面積FLiは、アクティブ層(3)上またはアクティブ層(3)において形成される絶縁層によって定められ、該絶縁層は、アクティブ層の発光を部分的に不透過にさせる材料および/または限定的にしか透過させない材料から形成されている、請求項1から10いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項13】
前記ビーム発光アクティブ領域(32,33〜35)の面積F1ないし面積FLiは、アクティブ層(3)上またはアクティブ層(3)において並びにアクティブ層(3)と給電部(6)の間において形成される絶縁層(5)によって定められ、該絶縁層は、アクティブ層(3)に対する給電ないしアクティブ層(3)を通る通電を、前記発光領域(32,33〜35)外の領域(31)において最小化する、請求項1から10いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項14】
前記絶縁層(5)は、非導電性の酸化膜からなり、当該チップの光出射面(8)の対向側に被着されている、請求項1から13いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項15】
第2の給電部(71)が、光出射面(8)または光学装置(41,42,43,44)上でこれを不完全に覆っている電気的コンタクトによって形成されている、請求項1から14いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項16】
第2の給電部(72)は、ウインドウ層(2)に接続しかつ該ウインドウ層(2)の光出射面(8)とは離れている側に配置された電気的なコンタクトによって形成されている、請求項1から15いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項17】
第2の給電部(73)は、アクティブ層と接続する電気的なコンタクトによって形成されている、請求項1から16いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項18】
前記給電部(6,71,72,73,74)および/または絶縁層(5)は、発光ビームに対して反射的である、請求項1から17いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項19】
光出射面(8)とは離れているアクティブ層(3)側におけるウインドウ層(2)またはアクティブ層(3)の層内または層面に、発光ビームに対する反射装置が形成されている、請求項1から18いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項20】
前記反射装置は、ブラッグ格子である、請求項1から19いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項21】
前記ウインドウ層(2)および/または光学装置(41,42,43,44)は、少なくとも部分的に発光ビームを透過させる被覆を備えている、請求項1から20いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項22】
前記チップは、発光ダイオード(LED)である、請求項1から21いずれか1項記載の発光ダイオードチップ。
【請求項23】
発光素子、特に請求項1〜22に記載の発光素子表面にレンズ構造部を作製するための方法において、
光の出射ないし透過のために設けられた、発光素子(1)の外側表面(8)に、レンズ構造部(42,43)をフライスないしソーイングツールまたはエッチング手法を用いて、発光素子(1)から外側表面(8)に成形するようにしたことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記レンズ構造部として球面レンズ(41)またはフレネルレンズ(42,43)を作製する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記レンズ構造部は、ソーイングツール(510)またはフライスツールを用いたウエハ帯内にまだ存在している個々の発光素子の分離のもとで作製される、請求項23または24記載の方法。
【請求項26】
前記ソーイングツール(510)またはフライスツールは、ウエハ帯(501)からの個々の半導体素子(502〜507)の分離ための狭幅部(512)と、作製すべきレンズ(41)形状に相応して成形されたレンズ(41)作製用成形部(513)を有している、請求項25記載の方法。

【図1】
image rotate

【図1a】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−49571(P2012−49571A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−265941(P2011−265941)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【分割の表示】特願2001−577616(P2001−577616)の分割
【原出願日】平成13年4月19日(2001.4.19)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】