説明

発光ダイオード保護回路

【課題】発光ダイオードの回路を応用し、過電圧、過電流、過温度または雷サージ等の原因による製品の損壊を回避し、製品の信頼性と使用寿命を向上する、発光ダイオード保護回路を提供する。
【解決手段】発光ダイオード保護回路は、2つのヒューズエレメント12,14がそれぞれ発光ダイオードモジュール10に接続し、放電保護素子16が発光ダイオードモジュール10および2つのヒューズエレメント12,14に接続すると、ヒューズエレメント12,14上に過電流が流れ保護電流値を超えたとき、開路状態になり、発光ダイオードモジュール10に流れた大電流を切断して、損壊を回避する。また、例えば開閉サージまたは雷撃発生等、瞬間的に高圧が発生したとき、放電保護素子16を大電流放電経路として利用し、発光ダイオードモジュール10の電流バイパス経路を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光ダイオード保護回路に関するものであって、特にヒューズエレメントと放電保護素子を利用した発光ダイオードの過電圧保護(Over Voltage Protection,OVP)、過電流保護(Over Current Protection,OCP)、過温度保護(Over Temperature Protection,OTP)および雷撃保護(Lightning Protection)等の多機能を実現する保護回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日世界の石油価格は徐々に高騰し、エネルギーと原料の供給は最重要課題となっており、いかに節電し消耗材を節約するかが産業技術のキーとなる目標である。中でもエネルギー消費の大きな割合を占める照明設備はエネルギー節約の重要項目である。現在、発光ダイオードは従来の白熱灯と蛍光灯に比べ、小さい体積(複数、多様な組合せ)、少ない発熱量(熱放射が少ない)、少ない消費電力(低電圧、低電流起動)、長い寿命(10万時間以上)、速い反応速度(高周波操作可能)、環境に優しい(耐震、耐衝撃性で壊れ難い、リサイクル可能廃棄物、無汚染)、平面パッケージング、軽量薄型コンパクトな製品等多くの長所を有する。このため、発光ダイオードの明るさが増すにつれてコストは減る。発光ダイオードの用途もそれに伴い増加し、白色光照明装置、指示灯、車用信号灯、車のヘッドライト、フラッシュライト、液晶ディスプレイのバックライトモジュール、プロジェクタの光源、屋外ディスプレイユニット等に広く応用される。
【0003】
現在大部分の電器または電子製品が提供する電源は商用電源から来ており、その大部分は電源輸送のための金属等の導電体を含み、雷撃を受ける可能性は非常に大きく、雷撃は高電流を発生させる他にも、高電圧は往々にして電器または電子製品の損壊の主因である。発光ダイオード製品を例に挙げると、発光ダイオード製品は、交流駆動(商用電源)により、駆動時に瞬間的高電圧(サージ)が瞬間的大電流を発生させやすく、交流発光ダイオードは損傷し、損壊または寿命短縮を招く。このため、発光ダイオード製品の過電流、過電圧、サージ、雷撃等の原因による損害をどのように回避するかが問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題に鑑みて、本発明では上述の先行技術の欠点に対し、上述の問題を克服すべく、発光ダイオード保護回路を提案する。本発明の主な目的は、発光ダイオードの回路を応用し、過電圧、過電流、過温度または雷サージ等の原因により起こる製品の損壊を回避し、製品の信頼性と使用寿命を向上させる発光ダイオード保護回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明の提供する発光ダイオード保護回路は、発光ダイオードモジュールと、発光ダイオードモジュールにそれぞれ接続し、流れる過電流が保護電流値を超えたとき開路状態になり発光ダイオードモジュールを流れる大電流を切断する2つのヒューズエレメントと、発光ダイオードモジュールと2つのヒューズエレメントに接続し発光ダイオードモジュールの電流バイパス経路を提供する放電保護素子を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、ヒューズエレメントと放電保護素子を利用し、発光ダイオードの過電圧、過電流、過温度および雷撃の保護等の多機能の保護回路を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を直流電源で操作したときの第一実施例。
【図2】本発明を直流電源で操作したときの第二実施例。
【図3】本発明を直流電源で操作したときの第三実施例。
【図4】本発明を交流電源で操作したときの第四実施例。
【図5】本発明が過電流保護後に測定したオシロスコープの波形図。
【図6】本発明が過電圧保護後に測定したオシロスコープの波形図。
【図7】本発明を交流電源で操作したときの第五実施例。
【図8】本発明を交流電源で操作したときの第六実施例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の目的、技術内容、特徴、その他達成される効果の更なる理解のために、以下の具体実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0009】
本発明の発光ダイオード保護回路は、交流電源および直流電源で操作でき、また交流電源および直流電源での操作で生じる過電流、過電圧、過温度およびサージまたは雷撃による損傷を回避できる。直流電源での操作を例としてこの先に説明する。図1は発明を直流電源で操作したときの第一実施例であり、図が示すのは、LED照明、バックライトディスプレイ等の電子装置に応用される発光ダイオード保護回路である。発光ダイオード保護回路は、発光ダイオードモジュール10と、第一ヒューズエレメント12および第二ヒューズエレメント14からなる2つのヒューズエレメントと、放電保護素子16を備える。
【0010】
発光ダイオードモジュール10は、複数の直列接続の発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)を備えてLEDストリングを形成する、または複数個のLEDストリングを並列させたものである。第一ヒューズエレメント12の両端は直流電源の正電圧端子および発光ダイオードモジュール10の正極にそれぞれ接続する。第二ヒューズエレメント14の両端は直流電源の負電圧端子および発光ダイオードモジュール10の負極にそれぞれ接続する。第一ヒューズエレメント12および第二ヒューズエレメント14は、リセッタブル電子ヒューズであることが好ましく、高重合体正温度係数(PTC)サーミスタと呼ばれ、重合体と導電粒子等により構成されており、特殊加工を施した後、導電粒子は高重合体中にチェーン状の導電通路を構成する。放電保護素子16の両端は直流電源の正電圧端子および負電圧端子にそれぞれ接続する。
【0011】
正常操作電流が第一ヒューズエレメント12および第二ヒューズエレメント14を通過するとき、極めて低い抵抗値を維持して発光ダイオード10を正常作動させる。過電流と過電圧の二者が同時に発生したとき、またはどちらかの状況が単独で発生したとき、第一ヒューズエレメント12と第二ヒューズエレメント14は電流が流れ、電流と抵抗の関係(I2R)は熱(エネルギーE=電流I×電圧V)を発生させ、発生した熱は全体的または部分的に環境中に発散される。言い換えると、大電流が第一ヒューズエレメント12を流れ、かつ保護電流値を超えたとき、第一ヒューズエレメント12により生じる熱は発散する熱より大きく、保護状態が起動し、開路状態になり、発光ダイオードモジュール10を流れる大電流を切断する。つまり、大電流により生じた熱エネルギーは重合体を迅速に膨張させ、導電粒子が構成する導電通路を切断し、リセッタブル電子ヒューズは高抵抗状態(開路状態)になり、発光ダイオード10が損壊するのを回避する効果が達成される。本発明で使用するリセッタブル電子ヒューズの長所は、回路中の過電流(温度超過状態)を解消した後、重合体を冷却し、体積を正常に戻し、導電粒子または新たに構成された導電通路はもとの低抵抗状態になり、使用が継続される。
【0012】
また、サージ、雷撃が発生したとき、瞬間的高圧により生じる大電流は直流電源の正電圧端子にそのまま突き進み(正方向の雷撃現象が発生した場合)、またはアース端子から直流電源の負電圧端子にそのまま突き進み(負方向の雷撃現象が発生した場合)、放電保護素子16の両端は直流電源の正電圧端子および負電圧端子にそれぞれ接続するので、放電保護素子16の未起動時は、高抵抗状態となり、過電圧が発生したとき、瞬間的に低抵抗状態に変換され、大電流の放電経路となり、発光ダイオードモジュール10の電流バイパス(bypass)経路を提供する。このように発光ダイオードモジュール10の完全な保護が達成される。放電保護素子16は、セラミックガス放電管と半導体過圧保護器の長所を兼ね備えている超小型放電管(BLSA)であることが好ましい。その長所とは、高い絶縁抵抗、小さい極間電気容量、比較的大きい放電電流(最大3kA)、双方対照性、速い反応速度(インパルス破壊の履歴現象がない)、安定性信頼性を有する性能、導通後の比較的低い電圧であり、この他にも、高い直流破壊電圧(最高5000Vに達する)、小さい体積、長い寿命等がある。
【0013】
図2は本発明を直流電源で操作したときの第二実施例であり、図1との差異は、放電保護素子16の接続方式が異なる点だけであるため、ここでは差異点の説明のみに止める。図1の第一実施例と併せて参照し、ここでは図1について再度述べない。第二実施例と第一実施例の差異は、放電保護素子16の一端は第一ヒューズエレメント12と発光ダイオードモジュール10の正極の間に接続し、もう一端は直流電源の負電圧端子に接続するところである。この目的は、正方向の雷撃が発生したとき、瞬間的高圧は発光ダイオードモジュール10上を跨いで接続し、この時放電保護素子16は瞬間的に高抵抗から低抵抗状態へ変換され、放電保護素子16により正方向の雷撃から生じた大電流の放電が進められ、大電流はアース端子まで直接引かれ、雷撃により発生した大電流を吸収するのに有効となるようにすることである。また、正方向の雷撃により発生した高圧は放電保護素子16を作動させ、同時に大電流は第一ヒューズエレメント12を流れ、第一ヒューズエレメント12に流入した電流は保護電流値より大きく、保護状態が起動する。第一ヒューズエレメント12は温度変化に対してかなり敏感であり、大電流により生じた高温は、瞬間的に第一ヒューズエレメント12を高抵抗状態にし、大電流が放電保護素子16に流れるのを直接制限し、発光ダイオード−モジュール10と放電保護素子16は保護され、二重の保護効果が達成される。
【0014】
図3は本発明を直流電源で操作したときの第三実施例である。図1との差異は放電保護素子16の接続方式が異なる点だけなので、ここではその差異点の説明のみに止める。図1の第一実施例と併せて参照するが、図1についてここでは再度述べない。第三実施例と第一実施例の差異は、放電保護素子16の一端は第一ヒューズエレメント12と発光ダイオードモジュール10の正極の間に接続し、もう一端は第二ヒューズエレメント14と発光ダイオードモジュール10の負極の間に接続するところである。雷撃発生時は正負方向を問わず、瞬間的な高圧により生じた大電流は直接直流電源の正電圧端子または負電圧端子に突き進み、この時、放電保護素子16は短絡状態なり大電流の放電を行うが、大電流は発光ダイオードモジュール10を通らない。また、第一ヒューズエレメント12または第二ヒューズエレメント14を流れる電流は保護電流値より大きく、保護状態が起動する。例えば、正方向の雷撃が発生したとき、瞬間的高圧により放電保護素子16は短絡状態になるとともに大電流の放電を行うが、大電流は発光ダイオードモジュール10には流入しないので、発光ダイオードモジュール10は保護される。また、瞬間的高圧により発生した大電流は第一ヒューズエレメント12を流れ、この大電流により第一ヒューズエレメント12は開路状態になるので、発光ダイオードモジュール10が過電圧または過電流を受けて損壊する事態が回避される。負方向の雷撃が発生したとき、放電保護素子16はまず放電保護を行い、同時に第二ヒューズエレメント14は開路状態になるので、発光ダイオードモジュール10は過電圧または過電流を受けて損壊しないよう保護される。
【0015】
上述の直流電源で操作する第一ヒューズエレメント14は一般的ヒューズエレメントにも用いることができる。その目的は、リセッタブル電子ヒューズをマイナスの温度で使用するとき、温度低下に伴い過電流保護値が上昇し、効果はより低くなるので、一般のヒューズを使用することでマイナス温度下におけるリセッタブル電子ヒューズの特性の欠点を補うことにある。
【0016】
続いて、本発明の交流電源での操作について次の実施例の説明を更に進める。図4は本発明を交流電源で操作したときの第四実施例であり、LED照明やバックライトディスプレイ等の電子装置の発光ダイオード保護回路に応用される。発光ダイオード保護回路は、発光ダイオードモジュール10と、第一ヒューズエレメント12および第二ヒューズエレメント14からなる2つのヒューズエレメントと、放電保護素子16を備える。発光ダイオードモジュール10は複数の直列接続する第一極性発光ダイオード18と複数の直列接続する第二極性発光ダイオード20が並列したものを備え、かつ、これらの第一極性発光ダイオード18と第二極性発光ダイオード20の極性は相反する。第一ヒューズエレメント12の両端は交流電源の正電圧基準点および発光ダイオードモジュール10にそれぞれ接続し、第二ヒューズエレメント14の両端は交流電源の負電圧端子および発光ダイオードモジュール10にそれぞれ接続し、放電保護素子16の両端は交流電源の正電圧基準点および負電圧端子にそれぞれ接続する。
【0017】
この先では回路の正常作動状態時の実施方式を説明する。交流電流入力の正電圧基準点が正方向でかつ正常操作電流であるとき、電流は順に第一ヒューズエレメント12、発光ダイオードモジュール10のこれらの第一極性発光ダイオード18および第二ヒューズエレメント14を通過し、第一ヒューズエレメント12および第二ヒューズエレメント14はこのとき極めて低い抵抗値を維持するので、これらの第一極性発光ダイオード18は正常作動する(正常点灯の場合)。交流電流入力の正電圧基準点が負方向でかつ正常操作電流であるとき、電流は順に第二ヒューズエレメント14、発光ダイオードモジュール10のこれらの第二極性発光ダイオード20および第一ヒューズエレメント12を通過し、第一ヒューズエレメント12および第二ヒューズエレメント14はこのとき極めて低い抵抗値を維持するので、これらの第二極性発光ダイオード20は正常作動する。
【0018】
言い換えると、過電流と過電圧の両者が同時に発生するとき、またはどちらか1つの状況が単独で発生するとき、交流電源は第一極性発光ダイオード18および第二極性発光ダイオード20を交替で駆動するので、第一ヒューズエレメント12と第二ヒューズエレメント14には大電流が流れ、かつ保護電流値を超えたとき、第一ヒューズエレメント12と第二ヒューズエレメント14により発生した熱は発散して出て行く熱より大きく、このときそれぞれ保護状態が起動し、開路状態になり、発光ダイオードモジュール10を流れる大電流を切断する。図5に示す本発明の過電流保護後に測定したオシロスコープの波形図を参照すると、発光ダイオードモジュール10の損壊を回避する効果が達成されることがわかる。回路中の過電流が消失した後、第一ヒューズエレメント12と第二ヒューズエレメント14はもとの低抵抗状態になり、過電圧と過電流からの保護効果が持続される。
【0019】
また、サージや雷撃の発生時、瞬間的高圧により発生した大電流は交流電源の正電圧基準点にそのまま突き進み(正方向雷撃の現象が発生した場合)、またはアース端子から交流電源の負電圧端子にそのまま突き進み(負方向雷撃の現象が発生した場合)、放電保護素子16の両端は交流電源の正電圧基準点および負電圧端子にそれぞれ接続するので、放電保護素子16が未起動のとき、高抵抗状態になり、過電圧が発生したとき、瞬間的に低抵抗状態に変換され、大電流の放電経路となり、発光ダイオードモジュール10の電流バイパス経路が提供される。図6に示す本発明が過電圧保護後に測定したオシロスコープの波形図を同時に参照すると、放電保護素子16は電流の放電を実行した後、電流は0に向かい、発光ダイオードモジュール10の完全な保護が達成されることがわかる。
【0020】
図7は本発明を交流電源で操作したときの第五実施例示であり、図4との差異は、放電保護素子16の接続方式が異なる点だけであるので、ここでは差異点のみを説明する。図4の第四実施例を併せて参照するが、図4についてはここでは再度述べない。第五実施例と第四実施例の差異は、放電保護素子16の一端は第一ヒューズエレメント12と発光ダイオードモジュール10の間に接続し、もう一端は交流電源の負電圧端子に接続する点である。その目的は、正方向の雷撃発生時、瞬間的高圧が発光ダイオードモジュール10のこれらの第一極性発光ダイオード18上を跨ぎ、また、これらの第二極性発光ダイオード20は、入力電圧が逆バイアスであるため、点灯しないようにすることである。このとき、放電保護素子16は瞬間的に高抵抗から低抵抗の状態に変換され、同時に、発光ダイオードモジュール10のこれらの第一極性発光ダイオード18は、放電保護素子16が低抵抗に変わって消灯したため、放電保護素子16は直接正方向の雷撃により発生した大電流を放電させ、電流はそのままアース端子まで引かれ、雷撃により発生した大電流を効果的に吸収する。それに伴い、回路中の正方向の雷撃または過電流の消失後、交流電源によりこれらの第一極性発光ダイオード18とこれらの第二極性発光ダイオード20を交替で駆動する。これにより発光ダイオードモジュール10が正方向の雷撃または過電流を受けて損壊することから保護され、第一極性発光ダイオード18が過電圧または過電流を受けて損壊することからも保護される。他にも、正方向の雷撃により生じた高圧により放電保護素子16は作動し、同時に大電流が第一ヒューズエレメント12を流れ、第一ヒューズエレメント12に流入した電流が保護電流値より大きいとき、保護状態が起動する。第一ヒューズエレメント12は温度変化に対して相当敏感なため、大電流から生じる高温によって瞬間的に第一ヒューズエレメント12は高抵抗状態になり、大電流が放電保護素子16に流れるのが直接制限され、発光ダイオードモジュール10と放電保護素子16は保護され、二重の保護効果が達成される。
【0021】
図8は本発明を交流電源で操作したときの第六実施例であり、図4との差異は放電保護素子16の接続方式が異なる点だけであり、ここではその差異点の説明のみに止める。図4の第四実施例を併せて参照するが、図4についてはここでは再度述べない。第六実施例と第四実施例の差異は、放電保護素子16の一端は第一ヒューズエレメント12と発光ダイオードモジュール10の間に接続し、もう一端は第二ヒューズエレメント14と発光ダイオードモジュール10の間に接続する点である。雷撃発生時は正負方向を問わず、瞬間的高圧により生じた大電流は電源の正電圧基準点または負電圧端子に直接突き進む。放電保護素子16はまず短絡状態になり大電流の放電を行い、大電流が発光ダイオードモジュール10に流れないようにする。また、第一ヒューズエレメント12または第二ヒューズエレメント14上を流れる過電流が保護電流値より大きいとき、保護状態が起動する。例えば、正方向の雷撃が発生したとき、瞬間的高圧が放電保護素子16を短絡状態にするとともに大電流の放電を行い、大電流が発光ダイオードモジュール10に流れないようにすることで、発光ダイオードモジュール10は保護される。同時に、瞬間的高圧により生じた大電流は第一ヒューズエレメント12を流れ、この大電流により第一ヒューズエレメント12は開路状態になり、発光ダイオードモジュール10が過電圧または過電流を受けて損壊する事態が回避される。負方向の雷撃が発生したとき、放電保護素子16はまず放電保護を行い、同時に、第二ヒューズエレメント14は開路状態となり、発光ダイオードモジュール10は過電圧または過電流を受けて損壊することから保護される。
【0022】
上述の内容は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。本発明の精神から離れない範囲で加えた変更や潤色は全て、本発明の特許保護範囲内に属するものとする。
【符号の説明】
【0023】
10 発光ダイオードモジュール
12 第一ヒューズエレメント
14 第二ヒューズエレメント
16 放電保護素子
18 第一極性発光ダイオード
20 第二極性発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードモジュールと、
前記発光ダイオードモジュールにそれぞれ接続し、流れた電流が保護電流値を超えたとき、開路状態になり、前記発光ダイオードモジュールを流れる大電流を切断する2つのヒューズエレメントと、
前記発光ダイオードモジュールと前記2つのヒューズエレメントに接続し、前記発光ダイオードモジュールの電流バイパス経路を提供する放電保護素子と、を備えることを特徴とする発光ダイオード保護回路。
【請求項2】
前記2つのヒューズエレメントはそれぞれ第一ヒューズエレメントおよび第二ヒューズエレメントであり、前記第一ヒューズエレメントの両端は直流電源の正電圧端子および前記発光ダイオードモジュールの正極にそれぞれ接続し、前記第二ヒューズエレメントの両端は前記直流電源の負電圧端子および前記発光ダイオードモジュールの負極にそれぞれ接続し、前記放電保護素子の両端は前記直流電源の前記正電圧端子および前記負電圧端子にそれぞれ接続することを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項3】
前記放電保護素子の一端は前記第一ヒューズエレメントと前記発光ダイオードモジュールの前記正極の間に接続し、もう一端は前記直流電源の前記負電圧端子に接続することを特徴とする、請求項2に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項4】
前記放電保護素子の一端は前記第一ヒューズエレメントと前記発光ダイオードモジュールの前記正極の間に接続し、もう一端は前記第二ヒューズエレメントと前記発光ダイオードモジュールの前記負極の間に接続することを特徴とする、請求項2に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項5】
前記第一ヒューズエレメントは一般的なヒューズまたはリセッタブル電子ヒューズであり、前記第二ヒューズエレメントはリセッタブル電子ヒューズであることを特徴とする、請求項2に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項6】
前記発光ダイオードモジュールを交流電源で操作するとき、並列した複数の第一極性発光ダイオードと第二極性発光ダイオードを備え、前記第一極性発光ダイオードと前記第二極性発光ダイオードの極性は相反することを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項7】
前記2つのヒューズエレメントはそれぞれ第一ヒューズエレメントおよび第二ヒューズエレメントであり、前記第一ヒューズエレメントの両端は交流電源の正電圧基準点および前記発光ダイオードモジュールにそれぞれ接続し、前記第二ヒューズエレメントの両端は前記交流電源の負電圧端子および前記発光ダイオードモジュールにそれぞれ接続し、前記放電保護素子の両端は前記交流電源の前記正電圧基準点および前記発光ダイオードモジュールにそれぞれ接続し、前記放電保護素子の両端は前記交流電源の前記正電圧基準点および前記負電圧端子にそれぞれ接続することを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項8】
前記放電保護素子の一端は前記第一ヒューズエレメントと前記発光ダイオードモジュールの間に接続し、もう一端は前記交流電源の前記負電圧端子に接続することを特徴とする、請求項7に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項9】
前記放電保護素子の一端は前記第一ヒューズエレメントと前記発光ダイオードモジュールの間に接続し、もう一端は前記第二ヒューズエレメントと前記発光ダイオードモジュールの間に接続することを特徴とする、請求項7に記載の発光ダイオード保護回路。
【請求項10】
前記放電保護素子は超小型放電管であることを特徴とする、請求項1に記載の発光ダイオード保護回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−160448(P2012−160448A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15579(P2012−15579)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(504348415)金威貿易有限公司 (7)
【出願人】(504348426)チャンピオン エライト カンパニー リミテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】CHAMPION ELITE COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Skelton Building, Road Town, Tortola, British Virgin Islands
【Fターム(参考)】