発光ダイオード光源の製造方法及び該製造方法により得られた発光ダイオード光源
【課題】色変換されたLEDを生産する上で、バラツキの発生に起因する低い歩留まり率等の生産性の問題点を解決したり、色変換する際の色調整の制御を容易にするために研究開発されたものであり、LEDの発光色を簡単に所望の色に調整変化することができる色変換された発光ダイオード光源の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】蛍光物質が分散された透光性被覆材を、発光ダイオードに装着することにより色変換された発光ダイオード光源を製造する方法であって、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることを特徴とする色変換された発光ダイオード光源を製造する方法。
【解決手段】蛍光物質が分散された透光性被覆材を、発光ダイオードに装着することにより色変換された発光ダイオード光源を製造する方法であって、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることを特徴とする色変換された発光ダイオード光源を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(以下LEDと呼称する)に所定の発光ダイオード用透光性被覆材を装着してなる発光ダイオード光源の製造方法、当該被覆材をLEDに装着してLEDの発光色を可変せしめた光源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のようにLEDはPN接合を持つ結晶体で、順電圧を印加するとN領域から電子が、P領域から正孔がPN接合に移動して、電子と正孔が再結合する際に光を発する。従って、自由な電子が結合状態になり、この際放出されたエネルギーが光となって放射されるため、限られた色調のLEDしか存在しない。つまり、赤色LEDチップを有するLEDは赤色、緑色LEDチップを有するLEDは緑色、青色LEDチップを有するLEDは青色の発光のみであった。
【0003】
しかしながら、最近においては多目的の用途に応じて、色変化させ得る発光ダイオードが強く求められている。このような要望を充足させる色変化の方法として、例えば発光ダイオードの中に赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを有機的に組み合わせてセットし、それぞれのチップの組み合わせを変えて発光させることにより、色変化を実現させていた。
【0004】
このような、発光ダイオードでは、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップの異なるアノード端子とカソード端子合わせて4つの端子が必要であるため、構造的に複雑な設計となる。そして、最も致命的な問題点は発光ダイオード中に3つの異なるチップがセットされるため、その内のいずれか1つのチップが破損すると色調のバランスが崩れ、目的とする発光色が得られなくなってしまうことがある。
【0005】
また最近においては、青色発光ダイオードのチップ上にYAG(アルミン酸イットリウム)系蛍光体の層を設けた白色LEDランプが提案された(日経産業新聞、平成3年9月13日発行)。この白色LEDランプは、蛍光体の層によって励起された光と青色発光ダイオードの残光により白色光を作り出すものである。かかる白色LEDランプ上に、着色剤を含有させたキャップやシートを装着すれば、所望の発光色を得ることができる。
【0006】
しかしながら、上記の白色LEDランプは青色発光ダイオードのチップ上の蛍光物質量が微量であること、そしてまた、微量な誤差で色調が大きく変化すること、更に微量塗布のために高度な塗布技術が要求されると共にランプ1個当たりの価格が非常に高価となること等種々の問題点があった。
【0007】
一方、LEDを生産する上で、均一なLEDを生産することは現実には困難で、色や輝度などのバラツキが不可避的に発生する。かかるバラツキをいかに少なくするかがコストにおいて非常に重要な問題となるが、未だ十分にはバラツキを抑えることはできていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような色変換されたLEDを生産する上で、バラツキの発生に起因する低い歩留まり率等の生産性の問題点を解決したり、色変換する際の色調整の制御を容易にするために研究開発されたものであり、LEDの発光色を簡単に所望の色に調整することができる色変換された発光ダイオード光源の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
また本発明は、変色が簡単な操作で行え、安定した色調を高輝度で拡散せしめ得るようにした、管理が容易でかつ安価な発光ダイオード光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、蛍光物質が分散された透光性被覆材を発光ダイオードに装着することにより、色変換された発光ダイオード光源を製造する方法であって、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることを特徴とする色変換された発光ダイオード光源を製造する方法が提供される。ここで蛍光物質はアルミン酸イットリウム系蛍光体又はペリレン系蛍光体であることが好ましい。また当該被覆材はキャップ形状又はシート形状であることが好ましく、キャップ形状の先端部分に集光機構を有していてもよい。
【0011】
本発明によれば、蛍光物質を含有する透光性被覆材を発光ダイオードに被覆することによって、又は蛍光物質を含有した被覆層を発光ダイオード表面に形成することによって、該被覆材又は該被覆層に含有される蛍光物質が発光ダイオードに固有の発光波長を変化して発光色を変化せしめて発光する発光ダイオード光源が提供される。得られる発光ダイオード光源は、該被覆材又は該被覆層を通して拡散発光される発光色が、色度座標でx=0.148,y=0.123、x=0.199,y=0.718、x=0.651,y=0.341及びx=0.343,y=0.623で囲まれた範囲の発光であるのがよく、より好ましくは色度座標でx=0.27,y=0.19、x=0.19,y=0.24、x=0.35,y=0.48及びx=0.48,y=0.37で囲まれた範囲の発光である。また発光ダイオード光源の製造においては、発光ダイオードに装着される被覆材に着色剤をさらに含有させて色調整したり、さらに着色剤を含有する別の被覆材又は被覆層をさらに装着又は形成したものであってもよい。発光ダイオードと被覆材との装着面の任意の箇所に係脱部が設けられているのがよい。また被覆材が装着される発光ダイオードがエネルギーの高い青色発光ダイオード又は緑色発光ダイオードであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることにより、白色を含めLEDの発光色を所望の色に変化させることが容易になる。そのために、LEDを生産する上でのバラツキの発生を原因とする歩留まり率が低いという生産性の問題や、色変換のコントロールが困難であるという問題点を解決することができる。
【0013】
また、LEDから放射される波長を蛍光物質によって励起させて発光色を変化させるため、単一のLEDで安定した色調バランスを得ることができ、かつキャップ形状の被覆材は成型品であるため寸法精度がよく、維持管理も容易であり、かつ当該キャップはLEDに直接装着するため、特別のスペースも不要で、発光ダイオードの形状に左右されることなく装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本願請求項1に係る発光ダイオード光源を製造する方法の大きな特徴は、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させる点にある。LEDのチップ上に蛍光物質を微量塗布し所望の発光色を作り出す従来のやり方に対し、本発明の発光ダイオード用透光性被覆材によれば、LEDチップ上に蛍光物質を微量塗布するといった高度な技術は要求されず、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択してLEDへ装着することにより所望の発光色を容易に作り出すことができる。
【0015】
当該選択される被覆材を用いた場合には、それに含まれる蛍光物質の濃度を部分的に変化させることにより、予め色度座標が特定された該発光ダイオードの色度座標に応じて、目的とする色度座標を発光させることができる被覆材色を選択することにより容易に色調整することができる。例えば後述する製造例33を参照して、蛍光物質を蛍光カラーキャップ中に均一に分散混合した場合、該キャップの先端部分を通して発光される光はx=0.2346,y=0.2365で、側面部分を通して発光される光はx=0.3095,y=0.3389と該キャップの先端部分と側面部分とでは発光色が異なるが、特定量の蛍光物質を含有したキャップを先端部分にさらに装着する、すなわち先端部分と側面部分とで蛍光物質濃度を変化させると、先端部分を通して発光される光はx=0.3060,y=0.3355となり側面部分からの発光色と同色となることがわかる。このように、予め色度座標が特定された該発光ダイオードの色度座標に応じて、該蛍光物質の配合組成を変化させるだけで、目的とする色度座標の発光色を容易に得ることができる。
【0016】
本発明の発光ダイオード用透光性被覆材に使用できる蛍光物質としては、蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料等公知の蛍光物質を使用することができる。有機蛍光体としては、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体としては、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。この中でも長期間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、アルミン酸イットリウムが特に好ましい。
【0017】
蛍光体に添加する付活剤としては、例えばセリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0018】
蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、アルミン酸イットリウムとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0019】
本発明に用いられる透光性被覆材の形態としては、特に限定はなく、例えば発光ダイオード形状に合わせたキャップ形状やシート形状等を挙げることができる。被覆材をキャップ形状とするには、例えば上記蛍光物質と結着樹脂とを混合し、金型と加熱プレスを用いることにより成形すればよい。またシート形状とするには、蛍光物質と結着樹脂とを溶融混練し、インフレーション法、T形ダイス法、溶液流延法、カレンダー法等により成形すればよい。またプラスチックフィルム等からなる基材シート上に蛍光物質をコーティングしてシート形状としてもよい。かかるコーティング法としては、蛍光物質を有機溶剤に溶解したものを塗布し熱風で乾燥することによりコーティングする方法や、合成樹脂エマルジョンを塗布し、乾燥して基材シート上にポリマー皮膜を形成する方法等を使用することができる。
【0020】
発光ダイオード用透光性被覆材がキャップ形状の場合には、その先端部分に集光機構を有していてもよい。かかる機構によって輝度を大きくすることができ、少ないエネルギーで効率的に照明作用を果たすことができる。集光機構としては、例えばレンズ構造を挙げることができる。図5に具体的構造例を示す。キャップの先端部分に集光部分を設けるには、先端部分の肉厚を他の部分よりも厚くした金型を用いて他の部分と一体成型してもよいし、別途製造した集光部分をキャップ先端に貼着又は嵌着してもよい。
【0021】
被覆材中の蛍光物質の使用量としては、結着樹脂100重量部当たり、有機蛍光体の場合は0.0001〜10重量部、無機蛍光体の場合は0.5〜70重量部の範囲が好ましい。
【0022】
本発明の被覆材に用いる樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン系エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフイン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の樹脂を使用することができ、この中でもシリコーン系エラストマー等が好適に使用される。
【0023】
本発明で使用するLEDとしては、公知のいずれのLEDでも使用することができ、例えばGa:ZnO赤色LED、GaP:N緑色LED、GaAsP系赤色LED、GaAsP系橙色・黄色LED、GaAlAs系LED、InGaAlP系橙・黄色LED、GaN系青色LED、SiC青色LED、II−VI族青色LED等を挙げることができる。
【0024】
またLEDの形態はいずれの形態であってもよく、例えばLEDランプやチップタイプLED、セグメントタイプLED等が好適に使用できる。
【0025】
本願発明に関し、上記被覆材をLEDに装着することによって、又は蛍光物質を含有した被覆層をLED表面に形成することによって、LEDの発光波長を所望の波長に変換することができる。
【0026】
当該被覆材をLEDに装着するには、例えば被覆材がキャップ形状の場合には、当該キャップ形状の被覆材をLEDに嵌合させればよく、このとき装着をより確実なものとするため被覆材周縁部に係合部を設けておいてもよい。図1を参照して、本発明による蛍光物質を含む被覆材(キャップ)1は発光ダイオード2に着脱可能に直接装着される。図2に示したキャップ10の場合は比較的硬質であるため、キャップ10を発光ダイオード2に装着した際、相対的なずれとか離脱を防止するためにキャップ10側に凹部11を形成し、発光ダイオード2側に凸部12を形成して、これらをワンタッチ操作で係脱可能に係合する。これらの凹部11と凸部12とはキャップの円周方向に沿った環状構造でもよく、また円周方向の複数箇所に任意の間隔を保って設けた構造でもよく、更に凹部11と凸部12との関係を前記の場合と逆にしてもよい。
【0027】
また被覆材がシート状物の場合には、当該シート状物をLEDの表面に載置すればよく、このときシート状物をLEDに接着しておくのが好ましい。接着の方法としては、公知の方法が使用でき、例えば熱接着、超音波接着、高周波接着、あるいは接着剤を使用した糊接着等が使用できる。ここで接着性改善のためシート状物の表面を、化学薬品で酸化したり、ガス火炎にさらして酸化したり、表面電極に接触させてコロナ放電を行う等の表面処理を行ってもよい。例えば図3は、LEDにシート状の被覆材を取り付けた蛍光カラー光源の側断面図であって、図3(a)はチップタイプLEDにシート形状の被覆材3を取り付けた図であり、(b)はセグメントタイプLEDにシート形状の被覆材3を取り付けた図である。
【0028】
蛍光物質を含有した被覆層をLED表面に形成するには、樹脂コート法や印刷法といった公知の方法を使用することができる。例えば結着樹脂を溶剤に溶解し、そこへ蛍光物質を添加した後、LED表面にバーコートすればよい。
【0029】
被覆材を装着した、または被覆層を形成したLEDから拡散発光される発光色は、色度座標でx=0.148,y=0.123、x=0.199,y=0.718、x=0.651,y=0.341及びx=0.343,y=0.623で囲まれた範囲の発光がよい。かかる範囲の発光であれば、様々な照明バリエーションに対応することができ、映像としての色再現としても十分と考えられるからである。さらに色度座標でx=0.27,y=0.19、x=0.19,y=0.24、x=0.35,y=0.48及びx=0.48,y=0.37で囲まれた範囲の発光、つまり白色近傍の発光色とすると後処理によって発光色を所望の色に調整しやすくなる。
【0030】
すなわち被覆材又は被覆層を装着・形成してLED発光色を白色に調整すれば、着色剤を使用することによって発光を所望の発光色とすることができる。この場合、着色剤は、被覆材又は被覆層中に蛍光物質と共に含有させてもよいし、着色剤を含有させた別の被覆材又は被覆層をその上にさらに装着・形成してもよい。
【0031】
着色剤としては、例えば、黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料として、縮合アゾ顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料として、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛;白色顔料として、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。上記着色剤は、結着樹脂100重量部当り0.001乃至0.1重量部、特に0.01乃至0.05重量部の範囲で使用するのがよい。
【0032】
上記被覆材又は被覆層が装着・形成される発光ダイオードは、エネルギーの高い青色発光ダイオードが好ましいが、緑色の発光ダイオードあるいはその他の発光ダイオードであるのが好ましい。
【0033】
本発明によれば、被覆材を使用することによって発光色の微調整を行うことができ、例えば製造バラツキによって生じた許容範囲外のLEDを許容範囲内のものとすることができる。製造例34を参照して、例えば青色LEDに流す電流が5mAのときにはYAG蛍光体を10.0部、同様に電流が10mAのときには10.5部、電流が20mAのときには11.0部、電流が30mAのときには11.5部をそれぞれ含有する蛍光カラーキャップをLEDに装着しさえすれば、色度座標でx=0.2886〜0.3046、y=0.3102〜0.3165の範囲の要望通りの発光色を得ることができる。本発明によれば、このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【実施例】
【0034】
製造例1
シリコーンゴムに蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。また青色発光ダイオードとしてはCIE(国際照明委員会)標準表色系:The ICI standard colorimetric system(以下、色度座標と呼称する)に従って、色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードを用いた。この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して発光させたところ、色度座標でx=0.3912、y=0.4322の黄味かかった拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0035】
上記の場合、青色発光ダイオード単体の輝度は32cd/m2 であったが、本発明による蛍光カラーキャップを装着し色調を変化させることで輝度が66cd/m2 と高められ、発光ダイオード特有の指向性が低減され、発光色は蛍光カラーキャップの全面から拡散された。
【0036】
製造例2
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)の添加量を1.25部、1.07部、0.94部、0.83部および0.75部と変化させて、シリコーンゴムに分散し、実施例1と同様の金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップをそれぞれ成型した。これらの蛍光カラーキャップを色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着して発光させたところ、下記表1に示す拡散発光色の結果が得られた。
【0037】
【表1】
【0038】
表1の結果から明らかなように、蛍光物質の添加量により発光色をコントロールできることが確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。特に上記の場合において、蛍光物質を1.25部分散させた時の発光色が、最も高い輝度70cd/m2であることが観測された。尚、本発明による蛍光カラーキャップの肉厚は均一であっても良く、また部分的に肉厚を変化させて発光色を拡散、または色調を変えることも可能であり、目的に応じた設計をすることができる。
【0039】
製造例3
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:2の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.2971、y=0.3485の青みを帯びた拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0040】
製造例4
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:4の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.2985、y=0.3529の青みを帯びた拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0041】
製造例5
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:6の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.3090、y=0.3679の拡散白光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0042】
製造例6
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:8の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.3138、y=0.3734の拡散白光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0043】
製造例7
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:10の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.3254、y=0.3890の拡散白光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0044】
以上に説明した実施例3乃至実施例7の発光色の結果から明らかなように、酸化カドリニウムの添加量の増加により、青色発光ダイオードの波長をより効果的に励起させることが確認された。
【0045】
製造例8
蛍光物質としてStellarGreen E−8(蛍光体名、Swada社製)を用い、これをシリコーンゴムに5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.1935、y=0.7179の鮮明な緑色の拡散発光色が観測された。
【0046】
製造例9
蛍光物質としてStellarGreen E−8(蛍光体名、Swada社製)を用い、これをシリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.1928、y=0.5244の青緑の拡散発光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0047】
製造例10
蛍光物質としてBlaze E−5(蛍光体名、Swada社製)を用い、これをシリコーンゴムに5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて、肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.6505、y=0.3414の赤色の拡散発光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0048】
製造例11
蛍光物質としてLunaryYellow E−27(蛍光体名、Swada社製)を用い、シリコーンゴムに5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて、肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.3475、y=0.6231の黄緑の拡散発光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0049】
製造例12
蛍光物質としてNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が、色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.5165、y=0.3536のピンクの拡散発光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0050】
製造例13
蛍光物質としてNKP−8301(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.4730、y=0.2890の赤紫の拡散発光色が確認された。
【0051】
製造例14
蛍光物質としてNKP−8301(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.4686、y=0.5282の緑色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.5720、y=0.4253の拡散橙色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0052】
製造例15
蛍光物質としてNPK−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色がx=0.4686、y=0.5282の緑色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.5457、y=0.4522の黄みを帯びた拡散橙色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0053】
製造例16
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:1の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたとろ、色度座標でx=0.3486、y=0.4595の緑みを帯びた拡散白光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0054】
製造例17
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:3の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.4107、y=0.4198の黄みを帯びた拡散白色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0055】
製造例18
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:5の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.4445、y=0.4070の橙みを帯びた拡散白色発が確認された。
【0056】
製造例19
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:10の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.4634、y=0.3839の赤みを帯びた拡散白色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0057】
上記製造例16乃至製造例19の拡散発光の結果から明らかなように、種々の蛍光物質を組み合せ、しかも混合割合や濃度を任意に変化せしめることで、発光ダイオードの色調を自由に変化させることができた。
【0058】
製造例20
アクリル樹脂であるアクリペットMD(三菱レイヨン社製)に蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0059】
製造例21
高密度ポリエチレンである三菱ポリエチ−HD HJ390(三菱化学社製)に蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0060】
製造例22
熱可塑性エラストマーとしてスチレン系熱可塑性エラストマーであるセプトン2043(クラレ社製)に蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0・5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0061】
製造例23
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を40部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.6mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0062】
また青色発光ダイオードとしてはCIE(国際照明委員会)標準表色系:The ICI standard colorimetric system(以下、色度座標と呼称する)に従って、色度座標でx=0.1275、y=0.0883、輝度28.95cd/m2 の青色発光ダイオードを用いた。図6にこの青色発光ダイオードの分光波長を示す。この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して発光させたところ、色度座標でx=0.3192、y=0.3375、輝度が66.36cd/m2 の拡散白色光が観測された。このときの分光波長を図7に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0063】
製造例24
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を12.5部分散させて、肉厚0.5mmの弾性シートを作成した。
【0064】
青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードから5mm離れた位置に該弾性シートを装着し、20mAの電流で発光ダイオードを点灯させた。該弾性シートを通して拡散された光を分光放射輝度計「PR−704」で測定したところ、色度座標でx=0.2667、y=0.2725、輝度が1629cd/m2 の拡散白色光が観測された。このときの分光波長を図8に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0065】
製造例25
シリコーンゴムに蛍光物質としてペリレン系集光性蛍光染料である「Lumogen ORANGE F」(BASF社製)を0.2部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0066】
また青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して20mAの電流で発光させたところ、色度座標でx=0.3405、y=0.3235、輝度が2.124cd/m2 の拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0067】
製造例26
シリコーンゴムに蛍光物質としてペリレン系集光性蛍光染料である「Lumogen Yellow F」(BASF社製)を0.2部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0068】
また青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して20mAの電流で発光させたところ、色度座標でx=0.1859、y=0.6108、輝度が2.708cd/m2 の黄緑色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0069】
製造例27
製造例23で使用したYAG蛍光体40部をシリコーンゴムに配合分散させて、金型と加熱プレスを用い、肉厚0.6mmの蛍光カラーキャップを作成した。この蛍光カラーキャップに透光率80%以上のシリコーンゴムを用いてレンズ状に成形したキャップを先端部に被せた。この蛍光カラーキャップを青色LEDに装着し、青色LEDを20mAで点灯させて、LEDの先端部正面から色度座標及び輝度を測定した。測定結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
蛍光カラーキャップの先端部にレンズを設けることにより、発光色を変化させることなく、正面から発せられる輝度を約1.7倍上げることができた。
【0072】
製造例28
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を12.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.6mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0073】
青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを使用し、この青色発光ダイオードに、上記の蛍光カラーキャップを装着して20mAで発光させたところ、色度座標でx=0.3192、y=0.3375、輝度が66.36cd/m2 の拡散白色光が観測された。
【0074】
一方、シリコーンゴムに赤色の着色剤として縮合アゾ顔料を0.03部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色キャップを成型した。
【0075】
この着色キャップを、上記蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、色度座標でx=0.5997、y=0.3081、輝度が9.813cd/m2 の拡散赤色光となった。このときの分光波長を図9に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0076】
製造例29
シリコーンゴムに緑色の着色剤としてフタロシアニングリーンを0.03部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色キャップを成型した。製造例28と同様にして、この着色キャップを蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、x=0.2127、y=0.3702、輝度が32.38cd/m2 の拡散緑色光となった。このときの分光波長を図10に示す。
【0077】
製造例30
緑色の着色剤の使用量を40部から80部にした以外は、製造例29と同様にして、着色キャップを成型し、これを蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、x=0.1859、y=0.3971、輝度が22.34cd/m2 の拡散緑色光となった。
【0078】
製造例31
シリコーンゴムに青色の着色剤としてフタロシアニンブルーを0.03部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色キャップを成型した。
【0079】
製造例28と同様にして、この着色キャップを蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、x=0.1236、y=0.1585、輝度が10.19cd/m2 の拡散青色光となった。
【0080】
上記製造例28乃至31の結果から明らかなように、予め該発光ダイオードの色度座標を特定した後、蛍光カラーキャップを装着して発光色を白色としたLEDに、所望する色の着色剤を含有する着色キャップをさらに装着すれば、目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0081】
製造例32
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を40部と、赤色の着色剤として縮合アゾ顔料を0.03部とを分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色剤を含有した蛍光カラーキャップを成型した。
【0082】
この蛍光カラーキャップを、青色LEDに装着して発光させたところ、色度座標でx=0.1275、y=0.0883、輝度が2.895cd/m2 の青色の発光色が、当該キャップ装着後は色度座標でx=0.5289、y=0.2542、輝度が0.9259cd/m2 の拡散赤色光となった。このときの分光波長を図11に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所望の着色剤を含有させた透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0083】
製造例33
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を23部分散させて、肉厚0.35mmの蛍光カラーキャップを作成した。
【0084】
青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードに該キャップを装着し、20mAの電流で発光ダイオードを点灯させて、キャップの先端部分と側面部分とから出る光を前記分光光度計で測定した。結果を表3に示す。
【0085】
次に、シリコーンゴムに、蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を12部分散させた肉厚0.35mmのシート片を前記キャップの先端部分に装着し、再度色度を分光光度計で測定した。結果を表4に示す。
【0086】
上記結果から、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて、被覆材中の蛍光物質の濃度を変化させた透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
製造例34
直径3mmの青色LEDを用いて、LEDに流す電流値を変化させて、LED発光色を変化させ、かかるLEDに特定量のYAG蛍光体を含有した蛍光カラーキャップ(肉厚0.6mm)を装着して、該キャップ装着後の発光色及び輝度を前記分光光度計で測定した。測定治具には積分球を使用した。測定結果を表5に示す。
【0090】
表5から、発光色にバラツキがあるLEDであっても、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて特定量の蛍光物質を含有した透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に調整することができることがわかる。
【0091】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の被覆材(キャップ形状)の実施例を示すものであって、蛍光カラーキャップをランプタイプ発光ダイオードに装着した状態を略図的に示した蛍光カラー光源の断面図である。
【図2】本発明の被覆材(キャップ形状)の実施例を示すものであって、蛍光カラーキャップをランプタイプ発光ダイオードに装着した状態を略図的に示した蛍光カラー光源の断面図である。
【図3】本発明の被覆材(シート形状)の実施例を示すものであって、チップタイプ発光ダイオード及びセグメントタイプ発光ダイオードに被覆材をそれぞれ装着した状態を略図的に示した蛍光カラー光源の断面図である。
【図4】CIE(国際照明委員会)標準表色系により本発明の蛍光カラー光源から拡散発光される発光色の変色範囲を示した説明図である。
【図5】本発明の蛍光カラーキャップにおいて、その先端部分に集光機構を有している蛍光カラーキャップの断面図である。
【図6】製造例23で使用する青色発光ダイオードの分光波長を示す図である。
【図7】製造例23で青色発光ダイオードに蛍光カラーキャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【図8】製造例24で青色発光ダイオードに蛍光物質を含有した弾性シートを装着したときの分光波長を示す図である。
【図9】製造例28で着色キャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【図10】製造例29で着色キャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【図11】製造例32で蛍光カラーキャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
1、10、20 蛍光カラーキャップ
2 発光ダイオード
3 シート形状被覆材
4 LEDチップ
5 樹脂
6 基板
7 反射枠
11 凹部
12 凸部
13 レンズ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(以下LEDと呼称する)に所定の発光ダイオード用透光性被覆材を装着してなる発光ダイオード光源の製造方法、当該被覆材をLEDに装着してLEDの発光色を可変せしめた光源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のようにLEDはPN接合を持つ結晶体で、順電圧を印加するとN領域から電子が、P領域から正孔がPN接合に移動して、電子と正孔が再結合する際に光を発する。従って、自由な電子が結合状態になり、この際放出されたエネルギーが光となって放射されるため、限られた色調のLEDしか存在しない。つまり、赤色LEDチップを有するLEDは赤色、緑色LEDチップを有するLEDは緑色、青色LEDチップを有するLEDは青色の発光のみであった。
【0003】
しかしながら、最近においては多目的の用途に応じて、色変化させ得る発光ダイオードが強く求められている。このような要望を充足させる色変化の方法として、例えば発光ダイオードの中に赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップを有機的に組み合わせてセットし、それぞれのチップの組み合わせを変えて発光させることにより、色変化を実現させていた。
【0004】
このような、発光ダイオードでは、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップの異なるアノード端子とカソード端子合わせて4つの端子が必要であるため、構造的に複雑な設計となる。そして、最も致命的な問題点は発光ダイオード中に3つの異なるチップがセットされるため、その内のいずれか1つのチップが破損すると色調のバランスが崩れ、目的とする発光色が得られなくなってしまうことがある。
【0005】
また最近においては、青色発光ダイオードのチップ上にYAG(アルミン酸イットリウム)系蛍光体の層を設けた白色LEDランプが提案された(日経産業新聞、平成3年9月13日発行)。この白色LEDランプは、蛍光体の層によって励起された光と青色発光ダイオードの残光により白色光を作り出すものである。かかる白色LEDランプ上に、着色剤を含有させたキャップやシートを装着すれば、所望の発光色を得ることができる。
【0006】
しかしながら、上記の白色LEDランプは青色発光ダイオードのチップ上の蛍光物質量が微量であること、そしてまた、微量な誤差で色調が大きく変化すること、更に微量塗布のために高度な塗布技術が要求されると共にランプ1個当たりの価格が非常に高価となること等種々の問題点があった。
【0007】
一方、LEDを生産する上で、均一なLEDを生産することは現実には困難で、色や輝度などのバラツキが不可避的に発生する。かかるバラツキをいかに少なくするかがコストにおいて非常に重要な問題となるが、未だ十分にはバラツキを抑えることはできていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような色変換されたLEDを生産する上で、バラツキの発生に起因する低い歩留まり率等の生産性の問題点を解決したり、色変換する際の色調整の制御を容易にするために研究開発されたものであり、LEDの発光色を簡単に所望の色に調整することができる色変換された発光ダイオード光源の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
また本発明は、変色が簡単な操作で行え、安定した色調を高輝度で拡散せしめ得るようにした、管理が容易でかつ安価な発光ダイオード光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、蛍光物質が分散された透光性被覆材を発光ダイオードに装着することにより、色変換された発光ダイオード光源を製造する方法であって、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることを特徴とする色変換された発光ダイオード光源を製造する方法が提供される。ここで蛍光物質はアルミン酸イットリウム系蛍光体又はペリレン系蛍光体であることが好ましい。また当該被覆材はキャップ形状又はシート形状であることが好ましく、キャップ形状の先端部分に集光機構を有していてもよい。
【0011】
本発明によれば、蛍光物質を含有する透光性被覆材を発光ダイオードに被覆することによって、又は蛍光物質を含有した被覆層を発光ダイオード表面に形成することによって、該被覆材又は該被覆層に含有される蛍光物質が発光ダイオードに固有の発光波長を変化して発光色を変化せしめて発光する発光ダイオード光源が提供される。得られる発光ダイオード光源は、該被覆材又は該被覆層を通して拡散発光される発光色が、色度座標でx=0.148,y=0.123、x=0.199,y=0.718、x=0.651,y=0.341及びx=0.343,y=0.623で囲まれた範囲の発光であるのがよく、より好ましくは色度座標でx=0.27,y=0.19、x=0.19,y=0.24、x=0.35,y=0.48及びx=0.48,y=0.37で囲まれた範囲の発光である。また発光ダイオード光源の製造においては、発光ダイオードに装着される被覆材に着色剤をさらに含有させて色調整したり、さらに着色剤を含有する別の被覆材又は被覆層をさらに装着又は形成したものであってもよい。発光ダイオードと被覆材との装着面の任意の箇所に係脱部が設けられているのがよい。また被覆材が装着される発光ダイオードがエネルギーの高い青色発光ダイオード又は緑色発光ダイオードであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることにより、白色を含めLEDの発光色を所望の色に変化させることが容易になる。そのために、LEDを生産する上でのバラツキの発生を原因とする歩留まり率が低いという生産性の問題や、色変換のコントロールが困難であるという問題点を解決することができる。
【0013】
また、LEDから放射される波長を蛍光物質によって励起させて発光色を変化させるため、単一のLEDで安定した色調バランスを得ることができ、かつキャップ形状の被覆材は成型品であるため寸法精度がよく、維持管理も容易であり、かつ当該キャップはLEDに直接装着するため、特別のスペースも不要で、発光ダイオードの形状に左右されることなく装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本願請求項1に係る発光ダイオード光源を製造する方法の大きな特徴は、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させる点にある。LEDのチップ上に蛍光物質を微量塗布し所望の発光色を作り出す従来のやり方に対し、本発明の発光ダイオード用透光性被覆材によれば、LEDチップ上に蛍光物質を微量塗布するといった高度な技術は要求されず、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択してLEDへ装着することにより所望の発光色を容易に作り出すことができる。
【0015】
当該選択される被覆材を用いた場合には、それに含まれる蛍光物質の濃度を部分的に変化させることにより、予め色度座標が特定された該発光ダイオードの色度座標に応じて、目的とする色度座標を発光させることができる被覆材色を選択することにより容易に色調整することができる。例えば後述する製造例33を参照して、蛍光物質を蛍光カラーキャップ中に均一に分散混合した場合、該キャップの先端部分を通して発光される光はx=0.2346,y=0.2365で、側面部分を通して発光される光はx=0.3095,y=0.3389と該キャップの先端部分と側面部分とでは発光色が異なるが、特定量の蛍光物質を含有したキャップを先端部分にさらに装着する、すなわち先端部分と側面部分とで蛍光物質濃度を変化させると、先端部分を通して発光される光はx=0.3060,y=0.3355となり側面部分からの発光色と同色となることがわかる。このように、予め色度座標が特定された該発光ダイオードの色度座標に応じて、該蛍光物質の配合組成を変化させるだけで、目的とする色度座標の発光色を容易に得ることができる。
【0016】
本発明の発光ダイオード用透光性被覆材に使用できる蛍光物質としては、蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料等公知の蛍光物質を使用することができる。有機蛍光体としては、アリルスルホアミド・メラミンホルムアルデヒド共縮合染色物やペリレン系蛍光体等を挙げることができ、無機蛍光体としては、アルミン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩等を挙げることができる。この中でも長期間使用可能な点から、ペリレン系蛍光体、アルミン酸イットリウムが特に好ましい。
【0017】
蛍光体に添加する付活剤としては、例えばセリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、クロム等の元素を挙げることができる。この中でもセリウムが好ましい。付活剤の添加量は、蛍光体に対して0.1〜10mol%の範囲が好ましい。
【0018】
蛍光体と付活剤との組み合わせとしては、アルミン酸イットリウムとセリウムとの組み合わせが好ましい。
【0019】
本発明に用いられる透光性被覆材の形態としては、特に限定はなく、例えば発光ダイオード形状に合わせたキャップ形状やシート形状等を挙げることができる。被覆材をキャップ形状とするには、例えば上記蛍光物質と結着樹脂とを混合し、金型と加熱プレスを用いることにより成形すればよい。またシート形状とするには、蛍光物質と結着樹脂とを溶融混練し、インフレーション法、T形ダイス法、溶液流延法、カレンダー法等により成形すればよい。またプラスチックフィルム等からなる基材シート上に蛍光物質をコーティングしてシート形状としてもよい。かかるコーティング法としては、蛍光物質を有機溶剤に溶解したものを塗布し熱風で乾燥することによりコーティングする方法や、合成樹脂エマルジョンを塗布し、乾燥して基材シート上にポリマー皮膜を形成する方法等を使用することができる。
【0020】
発光ダイオード用透光性被覆材がキャップ形状の場合には、その先端部分に集光機構を有していてもよい。かかる機構によって輝度を大きくすることができ、少ないエネルギーで効率的に照明作用を果たすことができる。集光機構としては、例えばレンズ構造を挙げることができる。図5に具体的構造例を示す。キャップの先端部分に集光部分を設けるには、先端部分の肉厚を他の部分よりも厚くした金型を用いて他の部分と一体成型してもよいし、別途製造した集光部分をキャップ先端に貼着又は嵌着してもよい。
【0021】
被覆材中の蛍光物質の使用量としては、結着樹脂100重量部当たり、有機蛍光体の場合は0.0001〜10重量部、無機蛍光体の場合は0.5〜70重量部の範囲が好ましい。
【0022】
本発明の被覆材に用いる樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン系エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフイン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の樹脂を使用することができ、この中でもシリコーン系エラストマー等が好適に使用される。
【0023】
本発明で使用するLEDとしては、公知のいずれのLEDでも使用することができ、例えばGa:ZnO赤色LED、GaP:N緑色LED、GaAsP系赤色LED、GaAsP系橙色・黄色LED、GaAlAs系LED、InGaAlP系橙・黄色LED、GaN系青色LED、SiC青色LED、II−VI族青色LED等を挙げることができる。
【0024】
またLEDの形態はいずれの形態であってもよく、例えばLEDランプやチップタイプLED、セグメントタイプLED等が好適に使用できる。
【0025】
本願発明に関し、上記被覆材をLEDに装着することによって、又は蛍光物質を含有した被覆層をLED表面に形成することによって、LEDの発光波長を所望の波長に変換することができる。
【0026】
当該被覆材をLEDに装着するには、例えば被覆材がキャップ形状の場合には、当該キャップ形状の被覆材をLEDに嵌合させればよく、このとき装着をより確実なものとするため被覆材周縁部に係合部を設けておいてもよい。図1を参照して、本発明による蛍光物質を含む被覆材(キャップ)1は発光ダイオード2に着脱可能に直接装着される。図2に示したキャップ10の場合は比較的硬質であるため、キャップ10を発光ダイオード2に装着した際、相対的なずれとか離脱を防止するためにキャップ10側に凹部11を形成し、発光ダイオード2側に凸部12を形成して、これらをワンタッチ操作で係脱可能に係合する。これらの凹部11と凸部12とはキャップの円周方向に沿った環状構造でもよく、また円周方向の複数箇所に任意の間隔を保って設けた構造でもよく、更に凹部11と凸部12との関係を前記の場合と逆にしてもよい。
【0027】
また被覆材がシート状物の場合には、当該シート状物をLEDの表面に載置すればよく、このときシート状物をLEDに接着しておくのが好ましい。接着の方法としては、公知の方法が使用でき、例えば熱接着、超音波接着、高周波接着、あるいは接着剤を使用した糊接着等が使用できる。ここで接着性改善のためシート状物の表面を、化学薬品で酸化したり、ガス火炎にさらして酸化したり、表面電極に接触させてコロナ放電を行う等の表面処理を行ってもよい。例えば図3は、LEDにシート状の被覆材を取り付けた蛍光カラー光源の側断面図であって、図3(a)はチップタイプLEDにシート形状の被覆材3を取り付けた図であり、(b)はセグメントタイプLEDにシート形状の被覆材3を取り付けた図である。
【0028】
蛍光物質を含有した被覆層をLED表面に形成するには、樹脂コート法や印刷法といった公知の方法を使用することができる。例えば結着樹脂を溶剤に溶解し、そこへ蛍光物質を添加した後、LED表面にバーコートすればよい。
【0029】
被覆材を装着した、または被覆層を形成したLEDから拡散発光される発光色は、色度座標でx=0.148,y=0.123、x=0.199,y=0.718、x=0.651,y=0.341及びx=0.343,y=0.623で囲まれた範囲の発光がよい。かかる範囲の発光であれば、様々な照明バリエーションに対応することができ、映像としての色再現としても十分と考えられるからである。さらに色度座標でx=0.27,y=0.19、x=0.19,y=0.24、x=0.35,y=0.48及びx=0.48,y=0.37で囲まれた範囲の発光、つまり白色近傍の発光色とすると後処理によって発光色を所望の色に調整しやすくなる。
【0030】
すなわち被覆材又は被覆層を装着・形成してLED発光色を白色に調整すれば、着色剤を使用することによって発光を所望の発光色とすることができる。この場合、着色剤は、被覆材又は被覆層中に蛍光物質と共に含有させてもよいし、着色剤を含有させた別の被覆材又は被覆層をその上にさらに装着・形成してもよい。
【0031】
着色剤としては、例えば、黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料として、縮合アゾ顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料として、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛;白色顔料として、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。上記着色剤は、結着樹脂100重量部当り0.001乃至0.1重量部、特に0.01乃至0.05重量部の範囲で使用するのがよい。
【0032】
上記被覆材又は被覆層が装着・形成される発光ダイオードは、エネルギーの高い青色発光ダイオードが好ましいが、緑色の発光ダイオードあるいはその他の発光ダイオードであるのが好ましい。
【0033】
本発明によれば、被覆材を使用することによって発光色の微調整を行うことができ、例えば製造バラツキによって生じた許容範囲外のLEDを許容範囲内のものとすることができる。製造例34を参照して、例えば青色LEDに流す電流が5mAのときにはYAG蛍光体を10.0部、同様に電流が10mAのときには10.5部、電流が20mAのときには11.0部、電流が30mAのときには11.5部をそれぞれ含有する蛍光カラーキャップをLEDに装着しさえすれば、色度座標でx=0.2886〜0.3046、y=0.3102〜0.3165の範囲の要望通りの発光色を得ることができる。本発明によれば、このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【実施例】
【0034】
製造例1
シリコーンゴムに蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。また青色発光ダイオードとしてはCIE(国際照明委員会)標準表色系:The ICI standard colorimetric system(以下、色度座標と呼称する)に従って、色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードを用いた。この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して発光させたところ、色度座標でx=0.3912、y=0.4322の黄味かかった拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0035】
上記の場合、青色発光ダイオード単体の輝度は32cd/m2 であったが、本発明による蛍光カラーキャップを装着し色調を変化させることで輝度が66cd/m2 と高められ、発光ダイオード特有の指向性が低減され、発光色は蛍光カラーキャップの全面から拡散された。
【0036】
製造例2
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)の添加量を1.25部、1.07部、0.94部、0.83部および0.75部と変化させて、シリコーンゴムに分散し、実施例1と同様の金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップをそれぞれ成型した。これらの蛍光カラーキャップを色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着して発光させたところ、下記表1に示す拡散発光色の結果が得られた。
【0037】
【表1】
【0038】
表1の結果から明らかなように、蛍光物質の添加量により発光色をコントロールできることが確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。特に上記の場合において、蛍光物質を1.25部分散させた時の発光色が、最も高い輝度70cd/m2であることが観測された。尚、本発明による蛍光カラーキャップの肉厚は均一であっても良く、また部分的に肉厚を変化させて発光色を拡散、または色調を変えることも可能であり、目的に応じた設計をすることができる。
【0039】
製造例3
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:2の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.2971、y=0.3485の青みを帯びた拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0040】
製造例4
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:4の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.2985、y=0.3529の青みを帯びた拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0041】
製造例5
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:6の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.3090、y=0.3679の拡散白光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0042】
製造例6
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:8の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.3138、y=0.3734の拡散白光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0043】
製造例7
蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての酸化ガドリニウムとを10:10の割合で混合した。この混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.3254、y=0.3890の拡散白光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0044】
以上に説明した実施例3乃至実施例7の発光色の結果から明らかなように、酸化カドリニウムの添加量の増加により、青色発光ダイオードの波長をより効果的に励起させることが確認された。
【0045】
製造例8
蛍光物質としてStellarGreen E−8(蛍光体名、Swada社製)を用い、これをシリコーンゴムに5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.1935、y=0.7179の鮮明な緑色の拡散発光色が観測された。
【0046】
製造例9
蛍光物質としてStellarGreen E−8(蛍光体名、Swada社製)を用い、これをシリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.1928、y=0.5244の青緑の拡散発光色が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0047】
製造例10
蛍光物質としてBlaze E−5(蛍光体名、Swada社製)を用い、これをシリコーンゴムに5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて、肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.6505、y=0.3414の赤色の拡散発光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0048】
製造例11
蛍光物質としてLunaryYellow E−27(蛍光体名、Swada社製)を用い、シリコーンゴムに5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて、肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.3475、y=0.6231の黄緑の拡散発光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0049】
製造例12
蛍光物質としてNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が、色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.5165、y=0.3536のピンクの拡散発光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0050】
製造例13
蛍光物質としてNKP−8301(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.4730、y=0.2890の赤紫の拡散発光色が確認された。
【0051】
製造例14
蛍光物質としてNKP−8301(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.4686、y=0.5282の緑色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.5720、y=0.4253の拡散橙色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0052】
製造例15
蛍光物質としてNPK−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を用い、シリコーンゴムに1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色がx=0.4686、y=0.5282の緑色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.5457、y=0.4522の黄みを帯びた拡散橙色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0053】
製造例16
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:1の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたとろ、色度座標でx=0.3486、y=0.4595の緑みを帯びた拡散白光色が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0054】
製造例17
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:3の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着させたところ、色度座標でx=0.4107、y=0.4198の黄みを帯びた拡散白色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0055】
製造例18
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:5の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.4445、y=0.4070の橙みを帯びた拡散白色発が確認された。
【0056】
製造例19
蛍光物質としてNKP−8315(蛍光体名、日本蛍光化学社製)とNKP−8304(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を10:10の割合で混合した。混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、色度座標でx=0.4634、y=0.3839の赤みを帯びた拡散白色光が確認された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0057】
上記製造例16乃至製造例19の拡散発光の結果から明らかなように、種々の蛍光物質を組み合せ、しかも混合割合や濃度を任意に変化せしめることで、発光ダイオードの色調を自由に変化させることができた。
【0058】
製造例20
アクリル樹脂であるアクリペットMD(三菱レイヨン社製)に蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0059】
製造例21
高密度ポリエチレンである三菱ポリエチ−HD HJ390(三菱化学社製)に蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0060】
製造例22
熱可塑性エラストマーとしてスチレン系熱可塑性エラストマーであるセプトン2043(クラレ社製)に蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0・5mmの蛍光カラーキャップを成型した。このカラーキャップを発光色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青色発光ダイオードに装着したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0061】
製造例23
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を40部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.6mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0062】
また青色発光ダイオードとしてはCIE(国際照明委員会)標準表色系:The ICI standard colorimetric system(以下、色度座標と呼称する)に従って、色度座標でx=0.1275、y=0.0883、輝度28.95cd/m2 の青色発光ダイオードを用いた。図6にこの青色発光ダイオードの分光波長を示す。この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して発光させたところ、色度座標でx=0.3192、y=0.3375、輝度が66.36cd/m2 の拡散白色光が観測された。このときの分光波長を図7に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0063】
製造例24
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を12.5部分散させて、肉厚0.5mmの弾性シートを作成した。
【0064】
青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードから5mm離れた位置に該弾性シートを装着し、20mAの電流で発光ダイオードを点灯させた。該弾性シートを通して拡散された光を分光放射輝度計「PR−704」で測定したところ、色度座標でx=0.2667、y=0.2725、輝度が1629cd/m2 の拡散白色光が観測された。このときの分光波長を図8に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0065】
製造例25
シリコーンゴムに蛍光物質としてペリレン系集光性蛍光染料である「Lumogen ORANGE F」(BASF社製)を0.2部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0066】
また青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して20mAの電流で発光させたところ、色度座標でx=0.3405、y=0.3235、輝度が2.124cd/m2 の拡散白色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0067】
製造例26
シリコーンゴムに蛍光物質としてペリレン系集光性蛍光染料である「Lumogen Yellow F」(BASF社製)を0.2部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0068】
また青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードに前記の蛍光カラーキャップを装着して20mAの電流で発光させたところ、色度座標でx=0.1859、y=0.6108、輝度が2.708cd/m2 の黄緑色光が観測された。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0069】
製造例27
製造例23で使用したYAG蛍光体40部をシリコーンゴムに配合分散させて、金型と加熱プレスを用い、肉厚0.6mmの蛍光カラーキャップを作成した。この蛍光カラーキャップに透光率80%以上のシリコーンゴムを用いてレンズ状に成形したキャップを先端部に被せた。この蛍光カラーキャップを青色LEDに装着し、青色LEDを20mAで点灯させて、LEDの先端部正面から色度座標及び輝度を測定した。測定結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
蛍光カラーキャップの先端部にレンズを設けることにより、発光色を変化させることなく、正面から発せられる輝度を約1.7倍上げることができた。
【0072】
製造例28
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を12.5部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.6mmの蛍光カラーキャップを成型した。
【0073】
青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを使用し、この青色発光ダイオードに、上記の蛍光カラーキャップを装着して20mAで発光させたところ、色度座標でx=0.3192、y=0.3375、輝度が66.36cd/m2 の拡散白色光が観測された。
【0074】
一方、シリコーンゴムに赤色の着色剤として縮合アゾ顔料を0.03部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色キャップを成型した。
【0075】
この着色キャップを、上記蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、色度座標でx=0.5997、y=0.3081、輝度が9.813cd/m2 の拡散赤色光となった。このときの分光波長を図9に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0076】
製造例29
シリコーンゴムに緑色の着色剤としてフタロシアニングリーンを0.03部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色キャップを成型した。製造例28と同様にして、この着色キャップを蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、x=0.2127、y=0.3702、輝度が32.38cd/m2 の拡散緑色光となった。このときの分光波長を図10に示す。
【0077】
製造例30
緑色の着色剤の使用量を40部から80部にした以外は、製造例29と同様にして、着色キャップを成型し、これを蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、x=0.1859、y=0.3971、輝度が22.34cd/m2 の拡散緑色光となった。
【0078】
製造例31
シリコーンゴムに青色の着色剤としてフタロシアニンブルーを0.03部分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色キャップを成型した。
【0079】
製造例28と同様にして、この着色キャップを蛍光カラーキャップ付きLEDの上にさらに装着して発光させたところ、x=0.1236、y=0.1585、輝度が10.19cd/m2 の拡散青色光となった。
【0080】
上記製造例28乃至31の結果から明らかなように、予め該発光ダイオードの色度座標を特定した後、蛍光カラーキャップを装着して発光色を白色としたLEDに、所望する色の着色剤を含有する着色キャップをさらに装着すれば、目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0081】
製造例32
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を40部と、赤色の着色剤として縮合アゾ顔料を0.03部とを分散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの着色剤を含有した蛍光カラーキャップを成型した。
【0082】
この蛍光カラーキャップを、青色LEDに装着して発光させたところ、色度座標でx=0.1275、y=0.0883、輝度が2.895cd/m2 の青色の発光色が、当該キャップ装着後は色度座標でx=0.5289、y=0.2542、輝度が0.9259cd/m2 の拡散赤色光となった。このときの分光波長を図11に示す。このように予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所望の着色剤を含有させた透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0083】
製造例33
シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を23部分散させて、肉厚0.35mmの蛍光カラーキャップを作成した。
【0084】
青色発光ダイオードとして製造例23で使用したものを用いて、この青色発光ダイオードに該キャップを装着し、20mAの電流で発光ダイオードを点灯させて、キャップの先端部分と側面部分とから出る光を前記分光光度計で測定した。結果を表3に示す。
【0085】
次に、シリコーンゴムに、蛍光物質としてYAG蛍光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム13.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウム1.23wt%)を12部分散させた肉厚0.35mmのシート片を前記キャップの先端部分に装着し、再度色度を分光光度計で測定した。結果を表4に示す。
【0086】
上記結果から、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて、被覆材中の蛍光物質の濃度を変化させた透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に変化させることができる。
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
製造例34
直径3mmの青色LEDを用いて、LEDに流す電流値を変化させて、LED発光色を変化させ、かかるLEDに特定量のYAG蛍光体を含有した蛍光カラーキャップ(肉厚0.6mm)を装着して、該キャップ装着後の発光色及び輝度を前記分光光度計で測定した。測定治具には積分球を使用した。測定結果を表5に示す。
【0090】
表5から、発光色にバラツキがあるLEDであっても、予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて特定量の蛍光物質を含有した透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に容易に調整することができることがわかる。
【0091】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の被覆材(キャップ形状)の実施例を示すものであって、蛍光カラーキャップをランプタイプ発光ダイオードに装着した状態を略図的に示した蛍光カラー光源の断面図である。
【図2】本発明の被覆材(キャップ形状)の実施例を示すものであって、蛍光カラーキャップをランプタイプ発光ダイオードに装着した状態を略図的に示した蛍光カラー光源の断面図である。
【図3】本発明の被覆材(シート形状)の実施例を示すものであって、チップタイプ発光ダイオード及びセグメントタイプ発光ダイオードに被覆材をそれぞれ装着した状態を略図的に示した蛍光カラー光源の断面図である。
【図4】CIE(国際照明委員会)標準表色系により本発明の蛍光カラー光源から拡散発光される発光色の変色範囲を示した説明図である。
【図5】本発明の蛍光カラーキャップにおいて、その先端部分に集光機構を有している蛍光カラーキャップの断面図である。
【図6】製造例23で使用する青色発光ダイオードの分光波長を示す図である。
【図7】製造例23で青色発光ダイオードに蛍光カラーキャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【図8】製造例24で青色発光ダイオードに蛍光物質を含有した弾性シートを装着したときの分光波長を示す図である。
【図9】製造例28で着色キャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【図10】製造例29で着色キャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【図11】製造例32で蛍光カラーキャップを装着したときの分光波長を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
1、10、20 蛍光カラーキャップ
2 発光ダイオード
3 シート形状被覆材
4 LEDチップ
5 樹脂
6 基板
7 反射枠
11 凹部
12 凸部
13 レンズ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光物質が分散された透光性被覆材を発光ダイオードに装着することにより、色変換された発光ダイオード光源を製造する方法であって、
予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることを特徴とする色変換された発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項2】
該蛍光物質の配合組成を変化させることにより、目的とする色度座標の発光色に変化させる請求項1に記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項3】
さらに、該透光性被覆材中に着色剤を分散させ、該着色剤の配合組成を変化させることにより、目的とする色度座標の発光色に変化させる請求項1または2に記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項4】
前記発光ダイオードが青色または緑色発光ダイオードである請求項1乃至3のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項5】
該蛍光物質がアルミン酸イットリウム系蛍光体又はペリレン系である請求項1乃至4のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項6】
該蛍光物質に対する該付活剤として、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、及びクロムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法により得られたことを特徴とする発光ダイオード光源。
【請求項8】
発光色が、色度座標でx=0.148,y=0.123、x=0.199,y=0.718、x=0.651,y=0.341及びx=0.348,y=0.623で囲まれた範囲の発光であることを特徴とする請求項7記載の発光ダイオード光源。
【請求項9】
発光色が、色度座標でx=0.27,y=0.19、x=0.19,y=0.24、x=0.35,y=0.48及びx=0.48,y=0.37で囲まれた範囲の発光であることを特徴とする請求項7記載の発光ダイオード光源。
【請求項1】
蛍光物質が分散された透光性被覆材を発光ダイオードに装着することにより、色変換された発光ダイオード光源を製造する方法であって、
予め該発光ダイオードの色度座標を特定し、特定された色度座標に応じて所定の透光性被覆材を選択することにより目的とする色度座標の発光色に変化させることを特徴とする色変換された発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項2】
該蛍光物質の配合組成を変化させることにより、目的とする色度座標の発光色に変化させる請求項1に記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項3】
さらに、該透光性被覆材中に着色剤を分散させ、該着色剤の配合組成を変化させることにより、目的とする色度座標の発光色に変化させる請求項1または2に記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項4】
前記発光ダイオードが青色または緑色発光ダイオードである請求項1乃至3のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項5】
該蛍光物質がアルミン酸イットリウム系蛍光体又はペリレン系である請求項1乃至4のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項6】
該蛍光物質に対する該付活剤として、セリウム、ユウロピウム、マンガン、ガドリニウム、サマリウム、テルビウム、スズ、及びクロムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の発光ダイオード光源を製造する方法により得られたことを特徴とする発光ダイオード光源。
【請求項8】
発光色が、色度座標でx=0.148,y=0.123、x=0.199,y=0.718、x=0.651,y=0.341及びx=0.348,y=0.623で囲まれた範囲の発光であることを特徴とする請求項7記載の発光ダイオード光源。
【請求項9】
発光色が、色度座標でx=0.27,y=0.19、x=0.19,y=0.24、x=0.35,y=0.48及びx=0.48,y=0.37で囲まれた範囲の発光であることを特徴とする請求項7記載の発光ダイオード光源。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−270831(P2008−270831A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150587(P2008−150587)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【分割の表示】特願平10−165598の分割
【原出願日】平成10年6月12日(1998.6.12)
【出願人】(597096161)株式会社朝日ラバー (74)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【分割の表示】特願平10−165598の分割
【原出願日】平成10年6月12日(1998.6.12)
【出願人】(597096161)株式会社朝日ラバー (74)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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