発光ディスプレイのための回路および制御方法
発光ディスプレイの素子3のための回路が提案される。この素子は、電流制御手段4と、第1および第2のスイッチング手段10、12と、発光手段8とを含む。一実施の形態においては、信号保持手段6が提供される。素子3の第1および第2のスイッチング手段の構成により、動作中の電流制御手段4および発光手段8の電気的パラメータを測定することが可能となる。さらに、複数の素子3を有する発光ディスプレイ100が提案される。発光ディスプレイ100は、制御回路104とメモリ106とを有する。素子3の電流制御手段4および発光手段8の電気的パラメータの測定値は、素子3を駆動するのに使用される制御信号Sを補正するために使用される。これにより、電圧駆動の場合に均一な輝度分布が達成され、発光手段8における経時的な変化を補償することができる。さらに、素子3および発光ディスプレイ100を駆動するための方法が提案される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ディスプレイの素子のための回路、さらに、複数の素子を有する発光ディスプレイのための回路に関する。さらに、本発明は、発光ディスプレイの素子を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ディスプレイは、電流が流れる発光素子を用いて光を発生させる。発光ディスプレイは、適切に配列された複数の発光素子を含む。この場合、発光素子は、この発光素子を流れる電流に依存した光束を発する。用語「光束」は、光源の照射パワーの合計を指す。以下において、用語「電流(currrent)」は、電流(electrical current)を表すために使用される。複数の発光素子が格子状に配列されている場合、複数の画素を有する単色、または多色の画像が表示される。単色の画像の場合は、画像は、各画素のための個々のグレイスケール値に分解される。この場合、グレイスケール値は、様々な光束値である。この様々な光束値は、発光素子を通る対応する電流により生成される。多色発光ディスプレイの場合には、通常、複数の異なる色の複数の発光素子が相互作用する。発光素子の原色から、様々な色が加法混色により作成できる。特に、発光素子は、発光ダイオードからなる。発光ダイオードは、半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム)に基づいて作製されるが、有機材料に基づく発光ダイオード(OLED:Organic Light‐Emitting Diode)を利用することもできる。これらの発光ダイオードの共通の特徴は、出力される光束が発光素子を通る電流に依存することである。
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)の場合には、特に、電流/電圧特性曲線は、経時的な変化および製造の際の工程パラメータに大きく依存する。
【0004】
有機発光ダイオードにおいては、有機ダイオード材料に直流電流を通すと、光が発生する。この場合、有機発光ダイオードは、順方向にバイアスされる。OLEDの順方向電圧は、画素毎に異なり、時間の経過により増加することが分かっている。また、特定の光束を発生させる電流は時間の経過に対して比較的安定していることが分かっている。
【0005】
今日の発光ディスプレイは、格子状に配列された複数の発光素子を含み、発光素子は、個々の電流制御手段を有する。個々の発光素子は、行または列で連続して駆動される。図1は、このタイプの駆動を行う発光素子を示している。電流制御手段4は、動作電圧VDDおよびグラウンドとの間で発光素子8と直列に接続される。制御信号は、スイッチ10を介して電流制御手段4の制御入力に供給される。この場合、制御信号は、制御電圧USetである。この場合、発光素子の配列における1個の発光素子のみをそれぞれ駆動するようにスイッチ10は制御される。この回路に必要な駆動方式の場合、発光ダイオードが照射する期間は比較的短い。発光ディスプレイに配列されている発光素子の数に依存して、アクティブな期間が減少する。人間の眼は、ローパス・フィルタ応答を有する自然なシステムであるため、アクティブな期間が短くなることを、アクティブな期間に光束を適切に増加させることによって補償することができる。
【0006】
また、各電流制御手段が制御信号によって永久的に駆動される発光ディスプレイも想定される。この場合スイッチ10を不要とすることができる。しかしながら、必要な制御線が複数存在することにより、スクリーン上で光が発生するために利用可能な領域が少なくなる。
【0007】
図2に示す発光素子の場合、信号保持手段6が、上述した回路の電流制御手段4の制御電極と動作電圧VDDとの間に追加される。スイッチが閉じたときに供給される制御信号USetは、スイッチが開いたときにも、新たな制御信号USetが供給されるまで、信号保持手段6により一定に維持される。これにより、発光素子8が光を照射するアクティブ期間を延長することができる。これでアクティブな期間は、画像が合成される期間のほぼ全体をカバーする。これにより、アクティブ期間に放射されなければならない必要な光束が少なくなる。ここで、観察者の眼は、長時間に渡って小さな光束を統合しているため、図1を参照して説明されたものと同一の量の光束がピックアップされ、同一の画像の印象が得られる。OLEDの電気光学特性における経時的な変化は、OLEDを流れる電流密度に大きく依存するため、この回路により、特性の変化が遅くなるという効果が得られる。
【0008】
しかしながら、制御電圧が駆動のために使用される場合、一般的に、OLEDの順方向電圧において、経時的な変化を考慮する必要がある。
【0009】
時間に依存する電気光学特性を補償するための別の方法は、制御電流を使用して実行される駆動に関する。この目的のため、第1の電流制御手段は、各発光素子、つまり、例えば、各有機発光ダイオードの上流に接続されている。第1の電流制御手段は、電流ミラー回路が形成されるように、第2の電流制御手段に接続される。電流ミラー回路の場合、基準電流は、第2の電流制御手段を流れ、対応する制御信号が第2の制御手段の制御電極上に形成される。制御信号は、第1の信号制御手段の制御電極に供給される。第1および第2の電流制御手段は、本質的には、同一の電流特性を有し、第1の電流制御手段を流れる電流は第2の電流制御手段を流れる電流に対応する。2つの電流制御手段が同一の特性を有することにより、温度に係る変化、製造に係る変化、および経時的な変化が補償される。
【0010】
しかしながら、電流を用いた駆動方法は、回路の点では複雑であり、他の公知の方法と比べると、より多くのコンポーネントを必要とする。コンポーネントの数が多くなると、光を発生させるために利用可能な領域が小さくなり、または、光が通ることのできない受動的な領域が形成される。
【0011】
駆動に使用される電流は、広い範囲の値をカバーしなければならない。特に、小さな光束のために非常に小さい電流値が設定される場合に、再現性が悪い状態になり得る。さらに、寄生容量は、電流によって反転されなければならないが、この寄生容量は、各接続線によって形成される。動画、例えば、テレビジョン・ピクチャを表示する場合には、使用するテレビジョンの規格に依存して一秒当たり、電荷が50回から60回反転される。コンピュータ・モニタでは、画像のリフレッシュ・レートをより高めることが可能である。従って、小さな制御電流は、画像合成の遅延、画像の輝度分布が不均一である等の理由により、画質を低下させることがある。さらに、例えば、ナノアンペア(nA)レンジの非常に小さな電流では、再現性が非常に困難になる。
【0012】
適切な電流ミラーを使用することにより、制御に必要な電流および発光素子を流れる電流を互いに独立して選択することが可能となる。このようにすれば、例えば、発光素子を流れる電流が有用な範囲で制御に必要な電流を増加させることができる。しかしながら、全体として、これにより駆動に必要な制御パワーが増加する。
【0013】
図3は、図2において上述した発光ディスプレイの素子を示している。この素子は、点線枠1によって印が付けられている。この場合、制御信号Sは、電流制御手段2の制御電極から取り出される。スイッチ10が閉じたとき、電流制御手段2は、素子1の電流制御手段4との電流ミラー回路を形成する。格子状に配列された複数の素子1を含む発光ディスプレイにおいては、個々の制御信号は、画像内容に応じて各素子1に供給される。この目的のため、各制御電流iprogは、強制的に電流制御手段2に流される。この場合、制御回路(図3において図示せず。)は、発光ディスプレイの様々な素子1のスイッチを連続的に駆動する。この回路は図1および図2における回路をと比較して、明らかに複雑である。
【0014】
有機発光ダイオードのための特定の製造方法の場合、幾つかの領域において、個々の発光素子の電気光学的特性は、本質的に同じであることが分かっている。この場合、用語「電気光学的特性」は、電流/電圧特性曲線およびそれに関連する光束を意味する。製造方法の適切な制御により、本質的に同一の電気光学的特性を有するこれらの領域は、行および/または列に配列される発光素子に亘って延在するように形成される。従って、駆動中に、本質的に同一の電気光学的特性を有する各領域毎に補正値が提供される。しかしながら、個々の素子毎に補正値を提供することも可能である。補正値を用いて補正された制御信号は、次に、素子を駆動するために駆動中に使用される。この方法は、制御電圧を使用して素子を駆動することと組み合わせるのに特に適しており、例えば、所望の光束を高速に設定することなど、電圧駆動の利点を使用することが可能となる。
【0015】
そこで、上述したタイプの発光素子を有する発光ディスプレイの駆動を改良することが望ましい。この目的のため、発光ディスプレイのための改良された素子を得ることが望ましい。さらに、本発明に従って、発光素子および発光素子を有する発光ディスプレイのキャリブレーションを行うための改良された方法を得ることが望ましい。
【発明の開示】
【0016】
請求項1に記載された素子は、この目的の一部を達成する。請求項8に記載された発光ディスプレイおよび請求項11に記載された方法は、この目的の別の部分を達成する。本発明の他の発展した形態は、各従属請求項に記載されている。
【0017】
本発明に係る発光ディスプレイの素子は、発光手段に直列に接続された電流制御手段を有する。第1のスイッチング手段は、制御線と電流制御手段の制御電極との間に配列される。別の実施の形態においては、さらに、電流制御手段には、信号保持手段が関連付けられている。第1のスイッチング手段が閉じると、制御線を介して制御信号が第1の電流制御手段に供給される。列および行のラスタに配列された素子の場合、例えば、第1のスイッチング手段は、素子が配列された行を選択し、一方、列に配列された素子のために制御線が提供される。電流制御手段は、発光手段を流れる電流を制御する。発光手段は、電流に依存した光束を発する。光束が所望の大きさに設定されたとき、第1のスイッチング手段が開き、同じ制御線に次の素子が接続され、切り替えられたものが駆動される。この場合、制御信号の大きさは、各素子または素子のグループ毎に格納された補正値に従って補正される。補正値を格納するために、各素子または素子のグループ毎に、メモリが提供される。以下に説明するキャリブレーションまたは測定の方法を実行するために、第2のスイッチング手段が提供され、この第2のスイッチング手段は、切り替え可能に制御線を発光手段の接続端子に接続する。
【0018】
補正は、素子のグループ毎、または、個々の素子毎に格納された値を使用して様々な動作ポイントにおける電気的特性を示す特性曲線を計算するように行われる。電流制御手段のために、これは、例えば、トランジスタの特性曲線である。トランジスタの特性曲線が既知である場合には、所望の電流を設定するのに使用される電圧を用いて駆動が行われる。上述したように、発光手段による光束の出力は、本質的に、発光手段を流れる電流のみに依存している。適切な電圧を使用して電流制御手段を駆動することにより、再現性かつ正確性が確保されるように所望の光束が設定される。
【0019】
しかしながら、さらに、この素子のための本発明に係る回路は、発光手段の電気的特性を測定することを可能とする。画像のレンダリングに必須である発光ディスプレイ素子のこれらのコンポーネントの電気的特性は、このように好適に決定され、組み合わされて、1セットの補正値を形成する。
【0020】
素子の回路は、キャリブレーション・モードの間または動作中に補正値を再決定することを可能にする。この目的のため、第2のスイッチング手段が制御線と、第1の電流手段および発光手段の共通回路ポイントとの間に接続される。制御線は、電流測定手段および/または電圧測定手段に接続される。電流制御手段または発光手段の電気的特性は、第1および第2のスイッチング手段および制御線のスイッチング状態に依存して決定される。確認された特性は、メモリに格納され、上述した方法での駆動中の補正に使用される。
【0021】
大きな領域の画像のレンダリングを行うための発光ディスプレイの場合、例えば、テレビジョン・セットにおいては、画像は、ノンインターレース形式、または、インターレース形式で作成される。ノンインターレース画像、または、インターレース画像は、「フレーム」、または、「フィールド」とも言及される。この場合、画像領域は、実質的、および/または、物理的に、各行および/または列に分割される。インターレース画像を使用して画像のレンダリングを行う場合には、まず、例えば、全体の画像の奇数の行または偶数の行のみからなる部分的な画像のレンダリングが行われる。次に、他のインターレース画像がレンダリングされる。ノンインターレースのレンダリングの場合には、画像全体が合成される。インターレースのレンダリングは、「インターレース・スキャン」とも言及され、ノンインターレースのレンダリングは、「プログレッシブ・スキャン」とも言及される。動画をレンダリングする際、ノンインターレース画像、またはインターレース画像は、規則的な間隔で変更された画像内容を有する他の画像に置換され、結果として、流れるような動きの印象を生じさせる。この場合、画像のリフレッシュ・レートは、例えば、各テレビジョンの規格に依存する。
【0022】
例えば、素子の電気的特性は、2つの連続したインターレース画像、またはノンインターレース画像をレンダリングする間に測定することができる。第1および第2のスイッチング手段を適切に切り替えることにより、発光手段をブリッジすることができ、結果として、各測定の間に視認可能な干渉効果が発生しない。
【0023】
制御電圧を用いて発光ディスプレイの素子を駆動することにより、制御電流を使用して駆動した場合に不可避的に生じる寄生容量による影響を回避できるという利点が得られる。電流源と比較して、電圧源は、低インピーダンスを有し、寄生容量のチャージ、または寄生容量のチャージの反転をより高速に行うことができる。本発明に係る素子を有する発光ディスプレイのための設定時間は、従来の素子を有する発光ディスプレイと比較して短くなる。
【0024】
本発明に係る発光ディスプレイは、列および行に配列された素子を有する。電流制御手段およびスイッチング手段のための制御線は、列および行に配列された1つ以上の素子に接続され、結果として、各素子を駆動することができる。通常の動作中、即ち、発光ディスプレイによって画像を表示させるための動作中に、制御線は、電圧が制御可能な直流電圧源に接続される。第1のスイッチング手段が閉じるとき、結果として、電圧が制御可能な直流電圧源は、電流制御手段の制御電極の制御電圧を設定する。
【0025】
また、本発明に係る素子を有する発光ディスプレイは、初期値から最終値まで連続的に増加する制御信号を用いて、特に有用に使用することができる。このような制御信号は、例えば、鋸歯状電圧である。この場合、制御信号を複数の素子に並列に供給することができる。素子の所望の光束に適した電圧に到達すると、各素子に関連付けられた第1のスイッチング手段が開く。このような信号を用いて、列および/または行に並列に配列された複数の素子を駆動することができる。このタイプの信号は、独国特許出願公開第10360816号に記載されている。
【0026】
本発明の場合には、電流制御手段および発光手段の電気的特性は、どの時点においても既知である。従って、所望の最大の光束を発生させるのに必要な最大の電圧が提供されるように発光ディスプレイのための電圧供給が調節される。経時的な変化に関連して時が経過するにつれて必要な電圧が増加する。これにより、当初より比較的に高い電圧を使用するために設計され、想定される経時的な影響を考慮している発光ディスプレイと比較してエネルギーの量を大幅に節約することができる。固定された供給電圧が予め高い値で設定されているような場合には、電流制御手段において、駆動に必要でない過度の電圧は、散逸されなければならない熱損失に変換される。従って、本発明に係る発光ディスプレイは、耐用年数全体に渡って経済的な動作を行うことを可能とする。
【0027】
動作中に、発光ディスプレイの素子のコンポーネントの電気的な特性を測定し、格納することが可能であるため、発光ディスプレイの製造における利点も得られる。今日、特定の発光ディスプレイのスイッチングおよび電流制御の手段は、通常、いわゆる薄膜トランジスタ、即ち、TFTであり、最初の処理工程で製造される。特定の発光ディスプレイの発光手段は、最初の処理工程とのは別の処理工程に適用される。第1および第2のスイッチング手段の構成により、素子のコンポーネントの各特性は、発光ディスプレイの製造の初期の段階で既に測定されている。次に、測定値は、開始値としてメモリに書き込むことができ、結果として、最初に発光ディスプレイの動作を開始したときには、発光ディスプレイの所望の品質は既に確保されている。さらには、物理的に製造工程を分割することが可能である。なぜならば、各特性のデータは既に格納されているか、測定によって簡単に確認できるからである。第1の測定値が発光ディスプレイの完成前の個々の処理工程の段階で欠陥があることを示している場合、欠陥のあるパーツは適切な時期に特定され、更なる処理工程が停止される。従って、リソースの使用が低減される。
【0028】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
各図面において、同一、または同様のコンポーネント、素子には、同じ参照符号が付けられている。
【0030】
図1〜図3については、明細書の導入部分で既に説明したため、これ以上の説明は行わない。
【0031】
図4は、本発明に係る発光ディスプレイの素子の一実施の形態を概略的に示している。電流制御手段4の1つの接続端子は、動作電圧VDDに接続されている。電流制御手段4の別の接続端子は、発光手段8の第1の接続端子に接続されている。発光手段8の第2の接続端子は、基準電位に接続されている。例えば、図示するように、基準電位は、グラウンドでもよい。例えば、電流制御手段4は、トランジスタである。この例示的な実施の形態においては、発光手段8は、発光ダイオードであるが、本発明は、発光ダイオードの使用に限定されるものではない。光束に対する電流の特性曲線の使用により明確になる発光手段は全て、本発明の範囲内で使用することが可能である。第1の切り替え手段10は、電流制御手段4の制御電極を制御線Sに切り替え可能に接続するために使用される。制御線Sは、制御信号、例えば、制御電圧を制御電極に印加するために使用される。点線枠3は、上述した各コンポーネントが、本発明に係る発光ディスプレイの素子を形成することを示している。さらに、第2のスイッチング手段12は、電流制御手段4および発光手段8の共通の接続部を制御線Sに切り替え可能に接続するために使用される。さらに、制御線Sは、電圧および/または電流を測定する手段(図示せず。)に接続される。
【0032】
図5は、発光ディスプレイの素子3の別の実施の形態を示している。この実施の形態は、図4の実施の形態と比較すると、信号保持手段6が追加されている。電流制御手段4の制御電極に供給された信号は、第1のスイッチング手段が開いているときには、信号保持手段6によって保持される。信号保持手段6は、例えば、コンデンサである。上述したように、信号保持手段6は、素子のアクティブ時間、つまり、発光手段による照射時間を延長するために使用される。従って、発光手段に対するピーク電流負荷を低減することができる。
【0033】
図6は、発光ディスプレイの本発明に係る素子3の具体的な例示的な実施の形態を示している。図5と比較すると、第1および第2のスイッチング手段(10、12)は、トランジスタによって形成されている。第1および第2のスイッチング手段(10、12)は、それぞれ制御線Z、MZによって制御されている。
【0034】
図7は、第1の動作モードにおける発光ディスプレイの本発明に係る素子3を示している。電圧源14は、閉じた第1のスイッチング手段10および制御線Sを介して電流制御手段4の制御電極に接続されている。電圧源は、基準電圧URに関連がある。基準電圧URは、例えば、供給電圧でもよく、グラウンドでもよい。制御線Sの別の接続端子は、接続されていないように示されている。この場合、例えば、別の素子3または電流測定手段または電圧測定手段が切り替え可能に接続される。信号保持手段6は、制御信号を保持し、所望の制御信号が電流制御手段4の制御電極に供給されるとすぐに、第1のスイッチング手段10が再び開く。その後、同じ制御線Sを用いて発光ディスプレイの別の素子3を駆動することができる。駆動は素子毎にサイクルで行うことができ、結果として、本発明に係る各素子を備える発光ディスプレイの画像内容を変更することができる。
【0035】
図8は、第2の動作モードにおける発光ディスプレイの本発明に係る素子3を示している。第1および第2のスイッチング手段10、12は閉じている。電流制御手段4は、第1の電流を搬送する接続端子での電位よりも制御電極での電位が低いときに完全にオンになる性質を有する。さらに、この電流制御手段4は、制御電極に本質的に電流が流れないような性質を有する。電流制御手段4の第1の電流を搬送する接続端子は、供給電圧VDDに接続されている。制御線Sは、電流を測定する手段16を介して基準電位に接続されている。基準電位は、第1の電流を搬送する接続端子の電位よりも小さく、例えば、グラウンド電位である。従って、電流制御手段4は、完全にオンになる。発光手段8は、閉じた第2のスイッチング手段12および制御線によってブリッジされる。この回路構成では、電流制御手段4の短絡電流を測定することが可能である。短絡電流は、電流制御手段4の特性曲線を計算するために必要であり、このデータは、素子に関連付けられたメモリ(図示せず)に格納される。
【0036】
図9は、第3の動作モードにおける発光ディスプレイの発明に係る素子3を示している。この動作モードにおいては、信号は、まず、図7を参照して説明された信号保持手段6に保持されている。第1のスイッチング手段10は開いており、所定の電流が電流制御手段4および発光手段8を流れる。第2のスイッチング手段12は閉じており、電流制御手段4と発光手段8の共通の回路ポイントを制御線Sに接続する。制御線Sは、電流測定手段16を介して基準電位に接続される。この動作モードにおいては、特定の既知の電流、または、特定の既知の電圧で電流制御手段4の電気特性を測定することができる。測定された値は保存され、電流制御手段4の特性曲線を決定するために使用される。この動作モードにおける異なる電流について複数の測定を行って、電流制御手段4の特性曲線全体を得る。電流制御手段4が電界効果トランジスタである場合には、このトランジスタの閾値電圧も決定される。第3の動作モードは、例えば、通常動作中に設定することができる。そして、各測定は、例えば、2つの連続したインターレース表示、またはノンインターレース表示の間に行われる。電流制御手段4は、電流源として動作するため、第2のスイッチング手段12が閉じているときに制御線Sおよび電流を測定する手段16を通る電流の大きさは、第2のスイッチング手段12が開いているときに発光手段8を通る電流と全く同じである。
【0037】
図8および図9の回路の別の発展例(図示せず。)においては、発光手段8は、基準電位に固定して接続されているのではなく、接続ネットワークに切り替え可能に接続されている。従って、接続ネットワークが接続されていないときには、各測定の間に電流が発光素子8を流れない。ダイオード特性を有する発光素子の場合には、接続ネットワークとの接続を切るのではなく、より高い電位、例えば、動作電圧VDDに接続させることが可能である。このタイプの回路は、各測定の間、発光素子によって発生する寄生効果を回避することが可能である。並列電流(parallel current)が発光手段を流れないため、測定精度が向上する。さらに、測定電流を発光手段のカソード接続端子の電位に流す必要がなくなる。
【0038】
図10は、第4の動作モードにおける発光ディスプレイの発明に係る素子を示している。上述したように、図9に関する説明では、信号は、まず、信号保持手段6に保持されている。第1のスイッチング手段10は開いており、電流は、電流制御手段4および発光手段8を流れる。第2のスイッチング手段12は閉じており、電流制御手段4および発光手段8の共通の回路ポイントを制御線Sに接続する。制御線Sは、電圧測定手段18に接続されている。この動作モードにおいては、発光手段8の電気特性を判定することが可能である。異なる電流について測定を繰り返すことにより、この場合、発光手段8の特性曲線全体を得ることができる。さらに、経時的な影響による発光手段8の電気特性の変化を確かめ、これに応じて駆動を調節、または補正することが可能である。測定値は、素子に関連付けられたメモリ(図示せず。)に格納され、駆動信号を補正するために使用される。
【0039】
発光ディスプレイの全ての発光手段の最大の電圧が既知である場合には、所望の最大の光束を得るために、この最大の電圧が必要である。供給電圧は、エネルギーを節約するためにこの値まで低減される。この処理は、発光ディスプレイの全体で、また、個々の素子毎または素子のグループ毎に行われる。素子の各グループ、または、個々の素子に対して供給電圧を設定することにより、動作に必要なエネルギーを最小限に低減することができる。
【0040】
図11は、トランジスタ特性曲線の例示的なファミリーを示している。発光ディスプレイの電流制御手段4の特性曲線のファミリーが既知である場合には、電流制御手段4の動作ポイントを非線形範囲に移動させ、結果として、動作電圧をさらに減少させることができる。特性曲線A1は、発光手段8の例示的な特性曲線である。トランジスタが線形範囲で動作する場合には、7mAの電流のために、少なくとも約3Vのドレイン−ソース電圧UDSで−0.5Vのゲート電圧UGSが必要となる。トランジスタ特性曲線が既知である場合には、図中の特性曲線A2に示すように、動作ポイントを非線形範囲にシフトさせることができる。より高いゲート電圧UGSが与えられている場合には、7mAの電流に対して約1Vのドレイン‐ソース電圧UDSのみが必要である。これに伴う動作電圧VDDの低下により、発光ディスプレイの熱損失が低減される。本図における各値は、単に例示的な目的で選定されているに過ぎず、実際には異なることがある。しかしながら、この原理は一般的に適用される。
【0041】
図12は、本発明に係る発光ディスプレイの概略的なブロック図である。発光ディスプレイ100は、多数の画素101を有する。各画素101は、上述した素子3に対応する。カラー画像をレンダリングするための発光ディスプレイの場合には、画素101は、複数の異なるカラー、例えば、加法混色のための原色である赤、緑、青をそれぞれレンダリングするための複数の素子3のグループからなる。所望の印象に応じて、他の色の組み合わせも想定可能である。いずれの場合も、画素の対応する素子3のグループは、混色によって各画素のために望ましい色が得られるように駆動される。複数の画素の代表として、1つの画素101のみが図示されている。画素101には、行ドライバ102および列ドライバ103が接続されている。行ドライバ102は、制御信号を制御線ZおよびMZ(図示せず。)に供給する。列ドライバ103は、制御線Sに接続されている。さらに、列ドライバ103は、制御線Sを電圧測定手段および/または電流測定手段に接続することができる。行ドライバ102および列ドライバ103を制御するために制御回路104が設けられる。さらに、制御回路104は、読み出し可能に測定値を格納するメモリ106に接続されている。動作の際、制御回路104は、表示される画像データを受信し、このデータを各画素、または、画素のグループ毎に、電流制御手段4および/または発光手段8のメモリ106に格納された特性曲線に基づいて補正する。
【0042】
図13は、例示的な列ドライバの一部を概略的に示している。制御線S_n、S_n+1およびS_n+2は、電流を測定し、制御信号を供給する手段201に接続されている。電流を測定し、制御信号201を供給する手段は、サンプル&ホールド(sample‐and‐hold)素子204、演算増幅器202、および電流制御手段203を備える。例えば、電流制御手段203は、抵抗器である。第1の動作モードにおいては、データ値は、D/A変換器206によって電圧値に変換され、1つ以上の電流を測定し、制御信号を供給する手段201に供給される。電圧値は、サンプル&ホールド素子204によって保持され、演算増幅器202および電流制限手段203を介して各制御線に供給される。制御線S_nは、素子3または画素101(図示せず。)に接続される。別の動作モードにおいては、制御線S_nを介して電流を測定することが可能である。この目的のため、スイッチング手段207、208が閉じられる。スイッチング手段207、208を閉じることにより、電流制限手段203がA/D変換器209に接続され、各制御線における電流を測定することが可能となる。この場合、スイッチング手段207に接続された接続ネットワークは、基準電位に接続される。スイッチング手段208のみが閉じ、A/D変換器の1つの入力のみが基準電位に接続されている場合には制御線の電圧を測定することが可能である。
【0043】
理解を助けるために、図13は、幾つかの制御線および接続された回路部品のみを示している。さらに、想定されるスイッチング手段およびその状態の全てが図示されているものではない。本発明のために、電流や電圧を測定するための他の手段を用いることも可能であり、後者を別の方法で制御線S_nに接続することも可能である。発光ディスプレイの本発明に係る素子は、図示している回路のうちの1つを使用することに限定されない。
【0044】
1つの制御信号のみを発生させ、例えば、マルチプレクサを介して個々の制御線S_nに供給することも可能である。その場合、素子3または画素101は、例えば、列や行において並列に駆動するのではなく、列や行において連続的に(sequential manner)駆動される。
【0045】
発光ディスプレイの素子、発光ディスプレイ、および関連する方法のための上述した回路およびその変形例は、行や列を連続的に駆動する際に適合しているだけでなく、駆動のために、行インターレーシング(line interlacing)による方法を用いることもできる。この方法では、画像転送のための既存の規格とも適合するという利点が得られ、画像が部分的にバッファに格納されるということがない。例えば、両側から中心に向かって同時に列などを駆動させるなど、さらなる特定の駆動パターンも想定可能である。
【0046】
図面を参照して上述した回路の電流制御手段4の実施の形態は、pチャネル電界効果トランジスタを使用して設計されている。しかしながら、nチャネル電界効果トランジスタを使用して回路を設計することも可能である。その場合、制御信号、さらに、電流制御手段に対する信号保持手段6および発光手段8の構成は、公知の方法に適合することが必要である。
【0047】
例えば、信号保持手段6がコンデンサである場合には、電流制御手段4のために電界効果トランジスタを使用すると好適である。このタイプの信号保持手段6を設けない場合には、バイポーラ・トランジスタを使用することも考えられる。
【0048】
上述した実施の形態においては、スイッチング手段10、12のためにトランジスタが使用され、バイポーラ・トランジスタおよび電界効果トランジスタの両方をスイッチングのために使用することが可能である。しかしながら、本発明に係る回路は、トランジスタをスイッチとして使用することに限定されない。メカニカル・スイッチ、マイクロメカニカル・スイッチ、磁気スイッチ、または光学スイッチを使用することも考えられる。
【0049】
原則として、この回路および装置は、電流を使用して明確に光束が制御される、いかなる所望の発光手段にも適している。本発明は、実施の形態の説明において言及したOLEDや発光ダイオード(LED)に限定されない。
【0050】
以上、特に、制御電圧を使用した駆動に関して本発明の効果について説明した。しかしながら、本発明は、制御電流を使用した駆動の場合にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来技術において公知の発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図2】別の公知の発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図3】第3の公知の発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図4】本発明に係る第1の実施の形態の発光ディスプレイの素子の回路を概略的に示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の発光ディスプレイの素子を概略的に示す図である。
【図6】本発明に係る特定の実施の形態の発光ディスプレイの素子を示す図である。
【図7】第1の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図8】第2の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図9】第3の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図10】第4の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図11】動作ポイントを有する例示的なトランジスタの特性曲線を示す図である。
【図12】本発明に係る発光ディスプレイの概略的なブロック図である。
【図13】列ドライバまたは行ドライバの例示的な実施の形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ディスプレイの素子のための回路、さらに、複数の素子を有する発光ディスプレイのための回路に関する。さらに、本発明は、発光ディスプレイの素子を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ディスプレイは、電流が流れる発光素子を用いて光を発生させる。発光ディスプレイは、適切に配列された複数の発光素子を含む。この場合、発光素子は、この発光素子を流れる電流に依存した光束を発する。用語「光束」は、光源の照射パワーの合計を指す。以下において、用語「電流(currrent)」は、電流(electrical current)を表すために使用される。複数の発光素子が格子状に配列されている場合、複数の画素を有する単色、または多色の画像が表示される。単色の画像の場合は、画像は、各画素のための個々のグレイスケール値に分解される。この場合、グレイスケール値は、様々な光束値である。この様々な光束値は、発光素子を通る対応する電流により生成される。多色発光ディスプレイの場合には、通常、複数の異なる色の複数の発光素子が相互作用する。発光素子の原色から、様々な色が加法混色により作成できる。特に、発光素子は、発光ダイオードからなる。発光ダイオードは、半導体材料(例えば、シリコン、ゲルマニウム)に基づいて作製されるが、有機材料に基づく発光ダイオード(OLED:Organic Light‐Emitting Diode)を利用することもできる。これらの発光ダイオードの共通の特徴は、出力される光束が発光素子を通る電流に依存することである。
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)の場合には、特に、電流/電圧特性曲線は、経時的な変化および製造の際の工程パラメータに大きく依存する。
【0004】
有機発光ダイオードにおいては、有機ダイオード材料に直流電流を通すと、光が発生する。この場合、有機発光ダイオードは、順方向にバイアスされる。OLEDの順方向電圧は、画素毎に異なり、時間の経過により増加することが分かっている。また、特定の光束を発生させる電流は時間の経過に対して比較的安定していることが分かっている。
【0005】
今日の発光ディスプレイは、格子状に配列された複数の発光素子を含み、発光素子は、個々の電流制御手段を有する。個々の発光素子は、行または列で連続して駆動される。図1は、このタイプの駆動を行う発光素子を示している。電流制御手段4は、動作電圧VDDおよびグラウンドとの間で発光素子8と直列に接続される。制御信号は、スイッチ10を介して電流制御手段4の制御入力に供給される。この場合、制御信号は、制御電圧USetである。この場合、発光素子の配列における1個の発光素子のみをそれぞれ駆動するようにスイッチ10は制御される。この回路に必要な駆動方式の場合、発光ダイオードが照射する期間は比較的短い。発光ディスプレイに配列されている発光素子の数に依存して、アクティブな期間が減少する。人間の眼は、ローパス・フィルタ応答を有する自然なシステムであるため、アクティブな期間が短くなることを、アクティブな期間に光束を適切に増加させることによって補償することができる。
【0006】
また、各電流制御手段が制御信号によって永久的に駆動される発光ディスプレイも想定される。この場合スイッチ10を不要とすることができる。しかしながら、必要な制御線が複数存在することにより、スクリーン上で光が発生するために利用可能な領域が少なくなる。
【0007】
図2に示す発光素子の場合、信号保持手段6が、上述した回路の電流制御手段4の制御電極と動作電圧VDDとの間に追加される。スイッチが閉じたときに供給される制御信号USetは、スイッチが開いたときにも、新たな制御信号USetが供給されるまで、信号保持手段6により一定に維持される。これにより、発光素子8が光を照射するアクティブ期間を延長することができる。これでアクティブな期間は、画像が合成される期間のほぼ全体をカバーする。これにより、アクティブ期間に放射されなければならない必要な光束が少なくなる。ここで、観察者の眼は、長時間に渡って小さな光束を統合しているため、図1を参照して説明されたものと同一の量の光束がピックアップされ、同一の画像の印象が得られる。OLEDの電気光学特性における経時的な変化は、OLEDを流れる電流密度に大きく依存するため、この回路により、特性の変化が遅くなるという効果が得られる。
【0008】
しかしながら、制御電圧が駆動のために使用される場合、一般的に、OLEDの順方向電圧において、経時的な変化を考慮する必要がある。
【0009】
時間に依存する電気光学特性を補償するための別の方法は、制御電流を使用して実行される駆動に関する。この目的のため、第1の電流制御手段は、各発光素子、つまり、例えば、各有機発光ダイオードの上流に接続されている。第1の電流制御手段は、電流ミラー回路が形成されるように、第2の電流制御手段に接続される。電流ミラー回路の場合、基準電流は、第2の電流制御手段を流れ、対応する制御信号が第2の制御手段の制御電極上に形成される。制御信号は、第1の信号制御手段の制御電極に供給される。第1および第2の電流制御手段は、本質的には、同一の電流特性を有し、第1の電流制御手段を流れる電流は第2の電流制御手段を流れる電流に対応する。2つの電流制御手段が同一の特性を有することにより、温度に係る変化、製造に係る変化、および経時的な変化が補償される。
【0010】
しかしながら、電流を用いた駆動方法は、回路の点では複雑であり、他の公知の方法と比べると、より多くのコンポーネントを必要とする。コンポーネントの数が多くなると、光を発生させるために利用可能な領域が小さくなり、または、光が通ることのできない受動的な領域が形成される。
【0011】
駆動に使用される電流は、広い範囲の値をカバーしなければならない。特に、小さな光束のために非常に小さい電流値が設定される場合に、再現性が悪い状態になり得る。さらに、寄生容量は、電流によって反転されなければならないが、この寄生容量は、各接続線によって形成される。動画、例えば、テレビジョン・ピクチャを表示する場合には、使用するテレビジョンの規格に依存して一秒当たり、電荷が50回から60回反転される。コンピュータ・モニタでは、画像のリフレッシュ・レートをより高めることが可能である。従って、小さな制御電流は、画像合成の遅延、画像の輝度分布が不均一である等の理由により、画質を低下させることがある。さらに、例えば、ナノアンペア(nA)レンジの非常に小さな電流では、再現性が非常に困難になる。
【0012】
適切な電流ミラーを使用することにより、制御に必要な電流および発光素子を流れる電流を互いに独立して選択することが可能となる。このようにすれば、例えば、発光素子を流れる電流が有用な範囲で制御に必要な電流を増加させることができる。しかしながら、全体として、これにより駆動に必要な制御パワーが増加する。
【0013】
図3は、図2において上述した発光ディスプレイの素子を示している。この素子は、点線枠1によって印が付けられている。この場合、制御信号Sは、電流制御手段2の制御電極から取り出される。スイッチ10が閉じたとき、電流制御手段2は、素子1の電流制御手段4との電流ミラー回路を形成する。格子状に配列された複数の素子1を含む発光ディスプレイにおいては、個々の制御信号は、画像内容に応じて各素子1に供給される。この目的のため、各制御電流iprogは、強制的に電流制御手段2に流される。この場合、制御回路(図3において図示せず。)は、発光ディスプレイの様々な素子1のスイッチを連続的に駆動する。この回路は図1および図2における回路をと比較して、明らかに複雑である。
【0014】
有機発光ダイオードのための特定の製造方法の場合、幾つかの領域において、個々の発光素子の電気光学的特性は、本質的に同じであることが分かっている。この場合、用語「電気光学的特性」は、電流/電圧特性曲線およびそれに関連する光束を意味する。製造方法の適切な制御により、本質的に同一の電気光学的特性を有するこれらの領域は、行および/または列に配列される発光素子に亘って延在するように形成される。従って、駆動中に、本質的に同一の電気光学的特性を有する各領域毎に補正値が提供される。しかしながら、個々の素子毎に補正値を提供することも可能である。補正値を用いて補正された制御信号は、次に、素子を駆動するために駆動中に使用される。この方法は、制御電圧を使用して素子を駆動することと組み合わせるのに特に適しており、例えば、所望の光束を高速に設定することなど、電圧駆動の利点を使用することが可能となる。
【0015】
そこで、上述したタイプの発光素子を有する発光ディスプレイの駆動を改良することが望ましい。この目的のため、発光ディスプレイのための改良された素子を得ることが望ましい。さらに、本発明に従って、発光素子および発光素子を有する発光ディスプレイのキャリブレーションを行うための改良された方法を得ることが望ましい。
【発明の開示】
【0016】
請求項1に記載された素子は、この目的の一部を達成する。請求項8に記載された発光ディスプレイおよび請求項11に記載された方法は、この目的の別の部分を達成する。本発明の他の発展した形態は、各従属請求項に記載されている。
【0017】
本発明に係る発光ディスプレイの素子は、発光手段に直列に接続された電流制御手段を有する。第1のスイッチング手段は、制御線と電流制御手段の制御電極との間に配列される。別の実施の形態においては、さらに、電流制御手段には、信号保持手段が関連付けられている。第1のスイッチング手段が閉じると、制御線を介して制御信号が第1の電流制御手段に供給される。列および行のラスタに配列された素子の場合、例えば、第1のスイッチング手段は、素子が配列された行を選択し、一方、列に配列された素子のために制御線が提供される。電流制御手段は、発光手段を流れる電流を制御する。発光手段は、電流に依存した光束を発する。光束が所望の大きさに設定されたとき、第1のスイッチング手段が開き、同じ制御線に次の素子が接続され、切り替えられたものが駆動される。この場合、制御信号の大きさは、各素子または素子のグループ毎に格納された補正値に従って補正される。補正値を格納するために、各素子または素子のグループ毎に、メモリが提供される。以下に説明するキャリブレーションまたは測定の方法を実行するために、第2のスイッチング手段が提供され、この第2のスイッチング手段は、切り替え可能に制御線を発光手段の接続端子に接続する。
【0018】
補正は、素子のグループ毎、または、個々の素子毎に格納された値を使用して様々な動作ポイントにおける電気的特性を示す特性曲線を計算するように行われる。電流制御手段のために、これは、例えば、トランジスタの特性曲線である。トランジスタの特性曲線が既知である場合には、所望の電流を設定するのに使用される電圧を用いて駆動が行われる。上述したように、発光手段による光束の出力は、本質的に、発光手段を流れる電流のみに依存している。適切な電圧を使用して電流制御手段を駆動することにより、再現性かつ正確性が確保されるように所望の光束が設定される。
【0019】
しかしながら、さらに、この素子のための本発明に係る回路は、発光手段の電気的特性を測定することを可能とする。画像のレンダリングに必須である発光ディスプレイ素子のこれらのコンポーネントの電気的特性は、このように好適に決定され、組み合わされて、1セットの補正値を形成する。
【0020】
素子の回路は、キャリブレーション・モードの間または動作中に補正値を再決定することを可能にする。この目的のため、第2のスイッチング手段が制御線と、第1の電流手段および発光手段の共通回路ポイントとの間に接続される。制御線は、電流測定手段および/または電圧測定手段に接続される。電流制御手段または発光手段の電気的特性は、第1および第2のスイッチング手段および制御線のスイッチング状態に依存して決定される。確認された特性は、メモリに格納され、上述した方法での駆動中の補正に使用される。
【0021】
大きな領域の画像のレンダリングを行うための発光ディスプレイの場合、例えば、テレビジョン・セットにおいては、画像は、ノンインターレース形式、または、インターレース形式で作成される。ノンインターレース画像、または、インターレース画像は、「フレーム」、または、「フィールド」とも言及される。この場合、画像領域は、実質的、および/または、物理的に、各行および/または列に分割される。インターレース画像を使用して画像のレンダリングを行う場合には、まず、例えば、全体の画像の奇数の行または偶数の行のみからなる部分的な画像のレンダリングが行われる。次に、他のインターレース画像がレンダリングされる。ノンインターレースのレンダリングの場合には、画像全体が合成される。インターレースのレンダリングは、「インターレース・スキャン」とも言及され、ノンインターレースのレンダリングは、「プログレッシブ・スキャン」とも言及される。動画をレンダリングする際、ノンインターレース画像、またはインターレース画像は、規則的な間隔で変更された画像内容を有する他の画像に置換され、結果として、流れるような動きの印象を生じさせる。この場合、画像のリフレッシュ・レートは、例えば、各テレビジョンの規格に依存する。
【0022】
例えば、素子の電気的特性は、2つの連続したインターレース画像、またはノンインターレース画像をレンダリングする間に測定することができる。第1および第2のスイッチング手段を適切に切り替えることにより、発光手段をブリッジすることができ、結果として、各測定の間に視認可能な干渉効果が発生しない。
【0023】
制御電圧を用いて発光ディスプレイの素子を駆動することにより、制御電流を使用して駆動した場合に不可避的に生じる寄生容量による影響を回避できるという利点が得られる。電流源と比較して、電圧源は、低インピーダンスを有し、寄生容量のチャージ、または寄生容量のチャージの反転をより高速に行うことができる。本発明に係る素子を有する発光ディスプレイのための設定時間は、従来の素子を有する発光ディスプレイと比較して短くなる。
【0024】
本発明に係る発光ディスプレイは、列および行に配列された素子を有する。電流制御手段およびスイッチング手段のための制御線は、列および行に配列された1つ以上の素子に接続され、結果として、各素子を駆動することができる。通常の動作中、即ち、発光ディスプレイによって画像を表示させるための動作中に、制御線は、電圧が制御可能な直流電圧源に接続される。第1のスイッチング手段が閉じるとき、結果として、電圧が制御可能な直流電圧源は、電流制御手段の制御電極の制御電圧を設定する。
【0025】
また、本発明に係る素子を有する発光ディスプレイは、初期値から最終値まで連続的に増加する制御信号を用いて、特に有用に使用することができる。このような制御信号は、例えば、鋸歯状電圧である。この場合、制御信号を複数の素子に並列に供給することができる。素子の所望の光束に適した電圧に到達すると、各素子に関連付けられた第1のスイッチング手段が開く。このような信号を用いて、列および/または行に並列に配列された複数の素子を駆動することができる。このタイプの信号は、独国特許出願公開第10360816号に記載されている。
【0026】
本発明の場合には、電流制御手段および発光手段の電気的特性は、どの時点においても既知である。従って、所望の最大の光束を発生させるのに必要な最大の電圧が提供されるように発光ディスプレイのための電圧供給が調節される。経時的な変化に関連して時が経過するにつれて必要な電圧が増加する。これにより、当初より比較的に高い電圧を使用するために設計され、想定される経時的な影響を考慮している発光ディスプレイと比較してエネルギーの量を大幅に節約することができる。固定された供給電圧が予め高い値で設定されているような場合には、電流制御手段において、駆動に必要でない過度の電圧は、散逸されなければならない熱損失に変換される。従って、本発明に係る発光ディスプレイは、耐用年数全体に渡って経済的な動作を行うことを可能とする。
【0027】
動作中に、発光ディスプレイの素子のコンポーネントの電気的な特性を測定し、格納することが可能であるため、発光ディスプレイの製造における利点も得られる。今日、特定の発光ディスプレイのスイッチングおよび電流制御の手段は、通常、いわゆる薄膜トランジスタ、即ち、TFTであり、最初の処理工程で製造される。特定の発光ディスプレイの発光手段は、最初の処理工程とのは別の処理工程に適用される。第1および第2のスイッチング手段の構成により、素子のコンポーネントの各特性は、発光ディスプレイの製造の初期の段階で既に測定されている。次に、測定値は、開始値としてメモリに書き込むことができ、結果として、最初に発光ディスプレイの動作を開始したときには、発光ディスプレイの所望の品質は既に確保されている。さらには、物理的に製造工程を分割することが可能である。なぜならば、各特性のデータは既に格納されているか、測定によって簡単に確認できるからである。第1の測定値が発光ディスプレイの完成前の個々の処理工程の段階で欠陥があることを示している場合、欠陥のあるパーツは適切な時期に特定され、更なる処理工程が停止される。従って、リソースの使用が低減される。
【0028】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
各図面において、同一、または同様のコンポーネント、素子には、同じ参照符号が付けられている。
【0030】
図1〜図3については、明細書の導入部分で既に説明したため、これ以上の説明は行わない。
【0031】
図4は、本発明に係る発光ディスプレイの素子の一実施の形態を概略的に示している。電流制御手段4の1つの接続端子は、動作電圧VDDに接続されている。電流制御手段4の別の接続端子は、発光手段8の第1の接続端子に接続されている。発光手段8の第2の接続端子は、基準電位に接続されている。例えば、図示するように、基準電位は、グラウンドでもよい。例えば、電流制御手段4は、トランジスタである。この例示的な実施の形態においては、発光手段8は、発光ダイオードであるが、本発明は、発光ダイオードの使用に限定されるものではない。光束に対する電流の特性曲線の使用により明確になる発光手段は全て、本発明の範囲内で使用することが可能である。第1の切り替え手段10は、電流制御手段4の制御電極を制御線Sに切り替え可能に接続するために使用される。制御線Sは、制御信号、例えば、制御電圧を制御電極に印加するために使用される。点線枠3は、上述した各コンポーネントが、本発明に係る発光ディスプレイの素子を形成することを示している。さらに、第2のスイッチング手段12は、電流制御手段4および発光手段8の共通の接続部を制御線Sに切り替え可能に接続するために使用される。さらに、制御線Sは、電圧および/または電流を測定する手段(図示せず。)に接続される。
【0032】
図5は、発光ディスプレイの素子3の別の実施の形態を示している。この実施の形態は、図4の実施の形態と比較すると、信号保持手段6が追加されている。電流制御手段4の制御電極に供給された信号は、第1のスイッチング手段が開いているときには、信号保持手段6によって保持される。信号保持手段6は、例えば、コンデンサである。上述したように、信号保持手段6は、素子のアクティブ時間、つまり、発光手段による照射時間を延長するために使用される。従って、発光手段に対するピーク電流負荷を低減することができる。
【0033】
図6は、発光ディスプレイの本発明に係る素子3の具体的な例示的な実施の形態を示している。図5と比較すると、第1および第2のスイッチング手段(10、12)は、トランジスタによって形成されている。第1および第2のスイッチング手段(10、12)は、それぞれ制御線Z、MZによって制御されている。
【0034】
図7は、第1の動作モードにおける発光ディスプレイの本発明に係る素子3を示している。電圧源14は、閉じた第1のスイッチング手段10および制御線Sを介して電流制御手段4の制御電極に接続されている。電圧源は、基準電圧URに関連がある。基準電圧URは、例えば、供給電圧でもよく、グラウンドでもよい。制御線Sの別の接続端子は、接続されていないように示されている。この場合、例えば、別の素子3または電流測定手段または電圧測定手段が切り替え可能に接続される。信号保持手段6は、制御信号を保持し、所望の制御信号が電流制御手段4の制御電極に供給されるとすぐに、第1のスイッチング手段10が再び開く。その後、同じ制御線Sを用いて発光ディスプレイの別の素子3を駆動することができる。駆動は素子毎にサイクルで行うことができ、結果として、本発明に係る各素子を備える発光ディスプレイの画像内容を変更することができる。
【0035】
図8は、第2の動作モードにおける発光ディスプレイの本発明に係る素子3を示している。第1および第2のスイッチング手段10、12は閉じている。電流制御手段4は、第1の電流を搬送する接続端子での電位よりも制御電極での電位が低いときに完全にオンになる性質を有する。さらに、この電流制御手段4は、制御電極に本質的に電流が流れないような性質を有する。電流制御手段4の第1の電流を搬送する接続端子は、供給電圧VDDに接続されている。制御線Sは、電流を測定する手段16を介して基準電位に接続されている。基準電位は、第1の電流を搬送する接続端子の電位よりも小さく、例えば、グラウンド電位である。従って、電流制御手段4は、完全にオンになる。発光手段8は、閉じた第2のスイッチング手段12および制御線によってブリッジされる。この回路構成では、電流制御手段4の短絡電流を測定することが可能である。短絡電流は、電流制御手段4の特性曲線を計算するために必要であり、このデータは、素子に関連付けられたメモリ(図示せず)に格納される。
【0036】
図9は、第3の動作モードにおける発光ディスプレイの発明に係る素子3を示している。この動作モードにおいては、信号は、まず、図7を参照して説明された信号保持手段6に保持されている。第1のスイッチング手段10は開いており、所定の電流が電流制御手段4および発光手段8を流れる。第2のスイッチング手段12は閉じており、電流制御手段4と発光手段8の共通の回路ポイントを制御線Sに接続する。制御線Sは、電流測定手段16を介して基準電位に接続される。この動作モードにおいては、特定の既知の電流、または、特定の既知の電圧で電流制御手段4の電気特性を測定することができる。測定された値は保存され、電流制御手段4の特性曲線を決定するために使用される。この動作モードにおける異なる電流について複数の測定を行って、電流制御手段4の特性曲線全体を得る。電流制御手段4が電界効果トランジスタである場合には、このトランジスタの閾値電圧も決定される。第3の動作モードは、例えば、通常動作中に設定することができる。そして、各測定は、例えば、2つの連続したインターレース表示、またはノンインターレース表示の間に行われる。電流制御手段4は、電流源として動作するため、第2のスイッチング手段12が閉じているときに制御線Sおよび電流を測定する手段16を通る電流の大きさは、第2のスイッチング手段12が開いているときに発光手段8を通る電流と全く同じである。
【0037】
図8および図9の回路の別の発展例(図示せず。)においては、発光手段8は、基準電位に固定して接続されているのではなく、接続ネットワークに切り替え可能に接続されている。従って、接続ネットワークが接続されていないときには、各測定の間に電流が発光素子8を流れない。ダイオード特性を有する発光素子の場合には、接続ネットワークとの接続を切るのではなく、より高い電位、例えば、動作電圧VDDに接続させることが可能である。このタイプの回路は、各測定の間、発光素子によって発生する寄生効果を回避することが可能である。並列電流(parallel current)が発光手段を流れないため、測定精度が向上する。さらに、測定電流を発光手段のカソード接続端子の電位に流す必要がなくなる。
【0038】
図10は、第4の動作モードにおける発光ディスプレイの発明に係る素子を示している。上述したように、図9に関する説明では、信号は、まず、信号保持手段6に保持されている。第1のスイッチング手段10は開いており、電流は、電流制御手段4および発光手段8を流れる。第2のスイッチング手段12は閉じており、電流制御手段4および発光手段8の共通の回路ポイントを制御線Sに接続する。制御線Sは、電圧測定手段18に接続されている。この動作モードにおいては、発光手段8の電気特性を判定することが可能である。異なる電流について測定を繰り返すことにより、この場合、発光手段8の特性曲線全体を得ることができる。さらに、経時的な影響による発光手段8の電気特性の変化を確かめ、これに応じて駆動を調節、または補正することが可能である。測定値は、素子に関連付けられたメモリ(図示せず。)に格納され、駆動信号を補正するために使用される。
【0039】
発光ディスプレイの全ての発光手段の最大の電圧が既知である場合には、所望の最大の光束を得るために、この最大の電圧が必要である。供給電圧は、エネルギーを節約するためにこの値まで低減される。この処理は、発光ディスプレイの全体で、また、個々の素子毎または素子のグループ毎に行われる。素子の各グループ、または、個々の素子に対して供給電圧を設定することにより、動作に必要なエネルギーを最小限に低減することができる。
【0040】
図11は、トランジスタ特性曲線の例示的なファミリーを示している。発光ディスプレイの電流制御手段4の特性曲線のファミリーが既知である場合には、電流制御手段4の動作ポイントを非線形範囲に移動させ、結果として、動作電圧をさらに減少させることができる。特性曲線A1は、発光手段8の例示的な特性曲線である。トランジスタが線形範囲で動作する場合には、7mAの電流のために、少なくとも約3Vのドレイン−ソース電圧UDSで−0.5Vのゲート電圧UGSが必要となる。トランジスタ特性曲線が既知である場合には、図中の特性曲線A2に示すように、動作ポイントを非線形範囲にシフトさせることができる。より高いゲート電圧UGSが与えられている場合には、7mAの電流に対して約1Vのドレイン‐ソース電圧UDSのみが必要である。これに伴う動作電圧VDDの低下により、発光ディスプレイの熱損失が低減される。本図における各値は、単に例示的な目的で選定されているに過ぎず、実際には異なることがある。しかしながら、この原理は一般的に適用される。
【0041】
図12は、本発明に係る発光ディスプレイの概略的なブロック図である。発光ディスプレイ100は、多数の画素101を有する。各画素101は、上述した素子3に対応する。カラー画像をレンダリングするための発光ディスプレイの場合には、画素101は、複数の異なるカラー、例えば、加法混色のための原色である赤、緑、青をそれぞれレンダリングするための複数の素子3のグループからなる。所望の印象に応じて、他の色の組み合わせも想定可能である。いずれの場合も、画素の対応する素子3のグループは、混色によって各画素のために望ましい色が得られるように駆動される。複数の画素の代表として、1つの画素101のみが図示されている。画素101には、行ドライバ102および列ドライバ103が接続されている。行ドライバ102は、制御信号を制御線ZおよびMZ(図示せず。)に供給する。列ドライバ103は、制御線Sに接続されている。さらに、列ドライバ103は、制御線Sを電圧測定手段および/または電流測定手段に接続することができる。行ドライバ102および列ドライバ103を制御するために制御回路104が設けられる。さらに、制御回路104は、読み出し可能に測定値を格納するメモリ106に接続されている。動作の際、制御回路104は、表示される画像データを受信し、このデータを各画素、または、画素のグループ毎に、電流制御手段4および/または発光手段8のメモリ106に格納された特性曲線に基づいて補正する。
【0042】
図13は、例示的な列ドライバの一部を概略的に示している。制御線S_n、S_n+1およびS_n+2は、電流を測定し、制御信号を供給する手段201に接続されている。電流を測定し、制御信号201を供給する手段は、サンプル&ホールド(sample‐and‐hold)素子204、演算増幅器202、および電流制御手段203を備える。例えば、電流制御手段203は、抵抗器である。第1の動作モードにおいては、データ値は、D/A変換器206によって電圧値に変換され、1つ以上の電流を測定し、制御信号を供給する手段201に供給される。電圧値は、サンプル&ホールド素子204によって保持され、演算増幅器202および電流制限手段203を介して各制御線に供給される。制御線S_nは、素子3または画素101(図示せず。)に接続される。別の動作モードにおいては、制御線S_nを介して電流を測定することが可能である。この目的のため、スイッチング手段207、208が閉じられる。スイッチング手段207、208を閉じることにより、電流制限手段203がA/D変換器209に接続され、各制御線における電流を測定することが可能となる。この場合、スイッチング手段207に接続された接続ネットワークは、基準電位に接続される。スイッチング手段208のみが閉じ、A/D変換器の1つの入力のみが基準電位に接続されている場合には制御線の電圧を測定することが可能である。
【0043】
理解を助けるために、図13は、幾つかの制御線および接続された回路部品のみを示している。さらに、想定されるスイッチング手段およびその状態の全てが図示されているものではない。本発明のために、電流や電圧を測定するための他の手段を用いることも可能であり、後者を別の方法で制御線S_nに接続することも可能である。発光ディスプレイの本発明に係る素子は、図示している回路のうちの1つを使用することに限定されない。
【0044】
1つの制御信号のみを発生させ、例えば、マルチプレクサを介して個々の制御線S_nに供給することも可能である。その場合、素子3または画素101は、例えば、列や行において並列に駆動するのではなく、列や行において連続的に(sequential manner)駆動される。
【0045】
発光ディスプレイの素子、発光ディスプレイ、および関連する方法のための上述した回路およびその変形例は、行や列を連続的に駆動する際に適合しているだけでなく、駆動のために、行インターレーシング(line interlacing)による方法を用いることもできる。この方法では、画像転送のための既存の規格とも適合するという利点が得られ、画像が部分的にバッファに格納されるということがない。例えば、両側から中心に向かって同時に列などを駆動させるなど、さらなる特定の駆動パターンも想定可能である。
【0046】
図面を参照して上述した回路の電流制御手段4の実施の形態は、pチャネル電界効果トランジスタを使用して設計されている。しかしながら、nチャネル電界効果トランジスタを使用して回路を設計することも可能である。その場合、制御信号、さらに、電流制御手段に対する信号保持手段6および発光手段8の構成は、公知の方法に適合することが必要である。
【0047】
例えば、信号保持手段6がコンデンサである場合には、電流制御手段4のために電界効果トランジスタを使用すると好適である。このタイプの信号保持手段6を設けない場合には、バイポーラ・トランジスタを使用することも考えられる。
【0048】
上述した実施の形態においては、スイッチング手段10、12のためにトランジスタが使用され、バイポーラ・トランジスタおよび電界効果トランジスタの両方をスイッチングのために使用することが可能である。しかしながら、本発明に係る回路は、トランジスタをスイッチとして使用することに限定されない。メカニカル・スイッチ、マイクロメカニカル・スイッチ、磁気スイッチ、または光学スイッチを使用することも考えられる。
【0049】
原則として、この回路および装置は、電流を使用して明確に光束が制御される、いかなる所望の発光手段にも適している。本発明は、実施の形態の説明において言及したOLEDや発光ダイオード(LED)に限定されない。
【0050】
以上、特に、制御電圧を使用した駆動に関して本発明の効果について説明した。しかしながら、本発明は、制御電流を使用した駆動の場合にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来技術において公知の発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図2】別の公知の発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図3】第3の公知の発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図4】本発明に係る第1の実施の形態の発光ディスプレイの素子の回路を概略的に示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の発光ディスプレイの素子を概略的に示す図である。
【図6】本発明に係る特定の実施の形態の発光ディスプレイの素子を示す図である。
【図7】第1の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図8】第2の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図9】第3の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図10】第4の動作モードにおける本発明に係る発光ディスプレイの素子の回路を示す図である。
【図11】動作ポイントを有する例示的なトランジスタの特性曲線を示す図である。
【図12】本発明に係る発光ディスプレイの概略的なブロック図である。
【図13】列ドライバまたは行ドライバの例示的な実施の形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流(iOLED)が流れる際に発光する発光手段(8)と、
前記発光手段(8)と直列に接続される電流制御手段(4)と、
第1のスイッチング信号によって制御される第1のスイッチング手段(10)を介して前記電流制御手段(4)の制御電極に接続される制御線(S)と、
を備える発光ディスプレイの素子であって、
前記制御線(S)が、第2のスイッチング信号によって制御される第2のスイッチング手段(12)を介して電流制御手段(4)および発光手段(8)の共通の回路ポイントに接続されてなる、前記発光ディスプレイの素子。
【請求項2】
前記第1のスイッチング手段(10)は、制御線(S)と電流制御手段(4)の前記制御電極との接続を解除する場合には、前記制御信号が保持される信号保持手段(6)が電流制御手段(4)の制御電極に接続される、請求項1に記載の素子。
【請求項3】
前記制御線(S)は、第1の動作モードにおいて前記制御信号を電流制御手段(4)に供給し、さらに、第2の動作モードにおいて電流制御手段(4)および/または発光手段(8)の電気的パラメータを測定するように、使用される、請求項1または2に記載の素子。
【請求項4】
前記制御線(S)は、電流測定手段および/または電圧測定手段(16、18)、および直流電流供給手段および/または直流電圧供給手段にそれぞれ切り替え可能に接続される、請求項3に記載の素子。
【請求項5】
測定された電気的パラメータを検索可能に保持し、関連付けられたメモリを有する、請求項3または4に記載の素子。
【請求項6】
格納された値を評価し、格納された電気的パラメータを用いて生成した制御信号を前記制御線(S)に供給する制御回路が設けられる、請求項5に記載の素子。
【請求項7】
請求項1〜6のうちの一項以上に記載の素子が行および/または列に配列されてなる、発光ディスプレイ。
【請求項8】
前記制御線(S)が、行および/または列に配列された複数の素子に接続されてなる、請求項7に記載の発光ディスプレイ。
【請求項9】
共通の第1および/または第2のスイッチング信号が、行および/または列に配列された素子の複数の第1および/または第2のスイッチング手段(10、12)に供給される、請求項8に記載の発光ディスプレイ。
【請求項10】
前記制御線が、当該制御線に直流電圧または直流電流を供給する制御回路に直流電圧の点において接続される請求項7〜9のうちの一項に記載の発光ディスプレイ。
【請求項11】
請求項1〜6のうちの一項に記載の発光ディスプレイの素子を動作させる方法であって、
第1の動作モードにおいて前記発光手段(8)による光の照射を発生させる制御信号が前記素子に供給され、第2の動作モードにおいて前記素子の各コンポーネント(4、8)の電気的パラメータが測定される、前記方法。
【請求項12】
前記第1のスイッチング手段をサイクルの最初に閉じるステップと、
前記格納された電気的パラメータを考慮して生成した、所望の光束に対応する制御信号を前記制御線(S)を介して前記電流制御手段(4)に供給するステップと、
第1のスイッチング手段(10)をサイクルの最後に開くステップと、
を含む、第1の動作モードにおいて発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2のスイッチング手段(10、12)を閉じるステップと、
電流測定手段を介して前記制御線(S)を基準電位に接続するステップと、
前記電流制御手段(4)を介して短絡電流を測定するステップと、
前記測定された電流をメモリに格納するステップと
前記第2のスイッチング手段(12)を開くステップと、
を含む、第2の動作モードにおいて電流制御手段(4)の電気的パラメータを測定し、発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のスイッチング手段(10)を閉じるステップと、
前記電流制御手段(4)の信号保持手段(6)に所定の制御信号を格納するステップと、
前記第1のスイッチング手段(10)を開くステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を閉じるステップと、
電流測定手段を介して前記制御線(S)を基準電位に接続するステップと、
前記測定された電流をメモリに格納するステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を開くステップと、
を含む、第2の動作モードにおいて電流制御手段(4)の電気的パラメータを測定し、発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のスイッチング手段(10)を閉じるステップと、
前記電流制御手段(4)の信号保持手段(6)に所定の制御信号を格納するステップと、
前記第1のスイッチング手段(10)を開くステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を閉じるステップと、
前記制御線(S)を電圧測定手段に接続するステップと、
前記測定された電圧をメモリに格納するステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を開くステップと、
を含む、第2の動作モードにおいて前記発光手段(8)の電気的パラメータを測定し、発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記制御信号の様々な所定値ついて当該方法を繰り返して実行する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記測定された電気的パラメータが制御回路に供給され、該制御回路が測定された電気的パラメータを用いて第1のスイッチング手段(4)および/または発光手段(8)の特性曲線のファミリーを計算する、請求項13〜16のうちの一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2のスイッチング手段(10、12)は、列または行に配列された複数の素子から、素子を選択するために使用される、請求項11〜17のうちの一項に記載の方法。
【請求項19】
列または行に配列された複数の発光素子は、並列に駆動され、各行または列が連続的に駆動される、請求項11〜18のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項20】
前記発光ディスプレイ(100)の個々の素子または素子のグループのための供給電圧が、個々のコンポーネントまたはコンポーネント(4、8)のグループの測定された電気的パラメータに依存して設定される、請求項11〜19のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項1】
電流(iOLED)が流れる際に発光する発光手段(8)と、
前記発光手段(8)と直列に接続される電流制御手段(4)と、
第1のスイッチング信号によって制御される第1のスイッチング手段(10)を介して前記電流制御手段(4)の制御電極に接続される制御線(S)と、
を備える発光ディスプレイの素子であって、
前記制御線(S)が、第2のスイッチング信号によって制御される第2のスイッチング手段(12)を介して電流制御手段(4)および発光手段(8)の共通の回路ポイントに接続されてなる、前記発光ディスプレイの素子。
【請求項2】
前記第1のスイッチング手段(10)は、制御線(S)と電流制御手段(4)の前記制御電極との接続を解除する場合には、前記制御信号が保持される信号保持手段(6)が電流制御手段(4)の制御電極に接続される、請求項1に記載の素子。
【請求項3】
前記制御線(S)は、第1の動作モードにおいて前記制御信号を電流制御手段(4)に供給し、さらに、第2の動作モードにおいて電流制御手段(4)および/または発光手段(8)の電気的パラメータを測定するように、使用される、請求項1または2に記載の素子。
【請求項4】
前記制御線(S)は、電流測定手段および/または電圧測定手段(16、18)、および直流電流供給手段および/または直流電圧供給手段にそれぞれ切り替え可能に接続される、請求項3に記載の素子。
【請求項5】
測定された電気的パラメータを検索可能に保持し、関連付けられたメモリを有する、請求項3または4に記載の素子。
【請求項6】
格納された値を評価し、格納された電気的パラメータを用いて生成した制御信号を前記制御線(S)に供給する制御回路が設けられる、請求項5に記載の素子。
【請求項7】
請求項1〜6のうちの一項以上に記載の素子が行および/または列に配列されてなる、発光ディスプレイ。
【請求項8】
前記制御線(S)が、行および/または列に配列された複数の素子に接続されてなる、請求項7に記載の発光ディスプレイ。
【請求項9】
共通の第1および/または第2のスイッチング信号が、行および/または列に配列された素子の複数の第1および/または第2のスイッチング手段(10、12)に供給される、請求項8に記載の発光ディスプレイ。
【請求項10】
前記制御線が、当該制御線に直流電圧または直流電流を供給する制御回路に直流電圧の点において接続される請求項7〜9のうちの一項に記載の発光ディスプレイ。
【請求項11】
請求項1〜6のうちの一項に記載の発光ディスプレイの素子を動作させる方法であって、
第1の動作モードにおいて前記発光手段(8)による光の照射を発生させる制御信号が前記素子に供給され、第2の動作モードにおいて前記素子の各コンポーネント(4、8)の電気的パラメータが測定される、前記方法。
【請求項12】
前記第1のスイッチング手段をサイクルの最初に閉じるステップと、
前記格納された電気的パラメータを考慮して生成した、所望の光束に対応する制御信号を前記制御線(S)を介して前記電流制御手段(4)に供給するステップと、
第1のスイッチング手段(10)をサイクルの最後に開くステップと、
を含む、第1の動作モードにおいて発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2のスイッチング手段(10、12)を閉じるステップと、
電流測定手段を介して前記制御線(S)を基準電位に接続するステップと、
前記電流制御手段(4)を介して短絡電流を測定するステップと、
前記測定された電流をメモリに格納するステップと
前記第2のスイッチング手段(12)を開くステップと、
を含む、第2の動作モードにおいて電流制御手段(4)の電気的パラメータを測定し、発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のスイッチング手段(10)を閉じるステップと、
前記電流制御手段(4)の信号保持手段(6)に所定の制御信号を格納するステップと、
前記第1のスイッチング手段(10)を開くステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を閉じるステップと、
電流測定手段を介して前記制御線(S)を基準電位に接続するステップと、
前記測定された電流をメモリに格納するステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を開くステップと、
を含む、第2の動作モードにおいて電流制御手段(4)の電気的パラメータを測定し、発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のスイッチング手段(10)を閉じるステップと、
前記電流制御手段(4)の信号保持手段(6)に所定の制御信号を格納するステップと、
前記第1のスイッチング手段(10)を開くステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を閉じるステップと、
前記制御線(S)を電圧測定手段に接続するステップと、
前記測定された電圧をメモリに格納するステップと、
前記第2のスイッチング手段(12)を開くステップと、
を含む、第2の動作モードにおいて前記発光手段(8)の電気的パラメータを測定し、発光ディスプレイの素子を動作させる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記制御信号の様々な所定値ついて当該方法を繰り返して実行する、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記測定された電気的パラメータが制御回路に供給され、該制御回路が測定された電気的パラメータを用いて第1のスイッチング手段(4)および/または発光手段(8)の特性曲線のファミリーを計算する、請求項13〜16のうちの一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第2のスイッチング手段(10、12)は、列または行に配列された複数の素子から、素子を選択するために使用される、請求項11〜17のうちの一項に記載の方法。
【請求項19】
列または行に配列された複数の発光素子は、並列に駆動され、各行または列が連続的に駆動される、請求項11〜18のうちの一項以上に記載の方法。
【請求項20】
前記発光ディスプレイ(100)の個々の素子または素子のグループのための供給電圧が、個々のコンポーネントまたはコンポーネント(4、8)のグループの測定された電気的パラメータに依存して設定される、請求項11〜19のうちの一項以上に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−536585(P2007−536585A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511917(P2007−511917)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004130
【国際公開番号】WO2005/109389
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004130
【国際公開番号】WO2005/109389
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
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