説明

発光フレーム部材

【課題】電源がなくても発光して対象物の位置を認識させる発光フレーム部材を提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態における発光フレーム部材100は、例えばスイッチパネル1の外周に取り付けるフレーム部材である。そして、発光フレーム部材100は、フレーム本体部10と、発光部20と、固定部30とを備える。フレーム本体部10は、スイッチパネル1の外周を囲む形状をしたフレーム部材本体である。フレーム本体部10は、取り付け対象物の外周形状に応じて様々な形状にすることが想定される。発光部20は、蓄光性を有する材質により構成されたものであり、フレーム本体部10の上面側に設けられることが想定される。固定部30は、フレーム本体部10及び発光部20をスイッチパネル1の周囲に固定するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り付け対象物の周囲を発光させるフレーム部材である発光フレーム部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の照明スイッチには、照明スイッチパネル内部にLED等が組み込まれており、そのLEDの点灯状態は外部から視認することができる。そして、照明スイッチがオフで照明が消灯している際にそのLEDを点灯させ、照明スイッチがオンで照明が点灯している際にそのLEDを消灯させるように制御されている(例えば、特許文献1参照。)。このように制御すれば、夜間、真っ暗の状態でも、照明スイッチ内部のLEDが点灯しているため、その照明スイッチの設置位置が分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007―280853号公報(段落0002〜段落0003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記照明スイッチはLEDを発光させるため、電源が必要である。しかしながら、停電等の予期しない自体が生じた場合、LEDは発光しないため、照明スイッチの設置位置が把握できない。これでは夜間の停電時に、建物内部における通路の位置等の位置関係をおおまかに把握するのに、照明スイッチの設置位置を基準にすることができない。また、照明スイッチに限らず、建物内部における通路の位置等の位置関係を把握する基準になる対象物の位置を、停電時の夜間の暗い時にでも認識できることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、電源がなくても発光して対象物の位置を認識させる発光フレーム部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の発光フレーム部材は、取り付け対象物の外周を囲む形状をしたフレーム本体部と、上記フレーム本体部上に設けられ、蓄光性を有する材質により形成された発光部と、上記フレーム本体部及び発光部を上記取り付け対象物の周囲に固定する固定部とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の発光フレーム部材において、上記発光部は、文字、文字列、図形などの表示物も含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の発光フレーム部材において、上記フレーム本体部及び発光部は、樹脂及び蓄光性を有する樹脂による二色成形により、上記取り付け対象物の外周に応じた形状に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取り付け対象物に取り付けることにより、電源がなくても発光して取り付け対象物の位置を認識させるという優れた効果を奏し得る。これにより、建物内部における通路の位置等の位置関係を把握する基準を上記取り付け対象物とすれば、停電時の夜間の暗い時にでも、建物内部における通路の位置等の位置関係を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における発光フレーム部材100をスイッチパネル1に取り付ける様子を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材200及び300を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材400を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態における発光フレーム部材100をスイッチパネル1に取り付ける様子を示す図である。図1(a)は、本発明の実施の形態における発光フレーム部材100をスイッチパネル1に取り付ける前の図である。また、図1(b)は、図1(a)における発光フレーム部材100のA−A断面図である。また、図1(c)は、本発明の実施の形態における発光フレーム部材100をスイッチパネル1に取り付けた後の図である。なお、スイッチパネル1は建物の壁に取り付けられており、図1において紙面が壁面となる。
【0013】
本発明の実施の形態における発光フレーム部材100は、例えばスイッチパネルやドアノブ等の外周に取り付けるフレーム部材である。そして、発光フレーム部材100は、フレーム本体部10と、発光部20と、固定部30とを備える。
【0014】
フレーム本体部10は、取り付け対象物の外周を囲む形状をしたフレーム部材本体である。フレーム本体部10は、取り付け対象物の外周形状に応じて様々な形状にすることが想定される。その一例として、図1(c)に示すように、フレーム本体部10の形状を取り付け対象であるスイッチパネル1の外周に沿う形状とすることが挙げられる。また、フレーム本体部10は、取り付け対象物の外周を一周する態様でなくてもよい(図2(b)参照)。さらに、フレーム本体部10を構成する材質として、例えばABS樹脂等の樹脂が想定されるが、これに限るものではなく、その他の材質であってもよい。
【0015】
発光部20は、蓄光性を有する材質により構成されたものである。蓄光性を有する材質として、例えば蓄光性蛍光物質が含まれる蓄光樹脂が想定されるが、これに限るものではない。なお、蓄光樹脂は、光の照射を受けてこれを樹脂内に蓄光し、発光する樹脂である。発光部20の材質として、蓄光樹脂を用いれば、電源がなくても発光させることができる。このことは、省エネルギーやエコロジーの観点から見ても好ましい。
【0016】
そして、発光部20は、図1(b)における発光フレーム部材100のA−A断面図に示すようにフレーム本体部10の上面側に設けられることが想定されるが、これに限るものではない。すなわち、発光部20を設ける位置は、発光フレーム部材100を取り付け対象物に取り付けた際に、外部から発光部20を視認することができる位置であれば、フレーム本体部10上のいずれの位置であってもよい。
【0017】
フレーム本体部10と発光部20とは、二色成型により製造することが想定される。この際、フレーム本体部10としてABS樹脂を用い、発光部20として蓄光性蛍光物質が含まれるABS樹脂を用いることが一例として想定される。
【0018】
また、フレーム本体部10の上面の発光部20が設けられていない部分である上面部10aに装飾を施して、発光フレーム部材100にデザイン性を持たせてもよい。図1(a)において上面部10aは発光部20の外側を一周しており、発光部20の外側一周に複数の細かいクリスタルガラスを散りばめた態様にしてもよい。
【0019】
固定部30は、フレーム本体部10及び発光部20を取り付け対象物の周囲に固定するものである。固定部30として、例えば、図1(b)に示すように、粘着性のある粘着部材31及び32の両方又はいずれか一方が想定されるが、これに限るものではない。粘着部材31及び32として、例えば両面テープが想定される。この場合、粘着部材31はフレーム本体部10の下面に貼り付けられ、取り付け面である壁面に貼着してフレーム本体部10及び発光部20を固定する。粘着部材32はフレーム本体部10の側面に貼り付けられ、取り付け対象物の外周面に貼着してフレーム本体部10及び発光部20を固定する。
【0020】
本発明の実施の形態における発光フレーム部材100によれば、発光フレーム部材100は発光するため、停電時の真っ暗な中でもスイッチパネル1の設置位置を把握することができる。そして、建物に取り付けられたスイッチパネル全てに発光フレーム部材100を取り付ければ、停電時の真っ暗な中でも発光フレーム部材100が発光するため、建物内部のおおまかな位置を把握することができ、建物内部にいる人の安全を確保することができる。これにより、停電しても安全を確保することができるという安心感を建物内部にいる人に与えることができる。
【0021】
また、本発明の実施の形態における発光フレーム部材100は、取り付け対象物へ容易に取り付けたり、外したりすることができる。さらに、本発明の実施の形態における発光フレーム部材100は、取り付け対象物の周囲にフレーム部材として取り付けるため、取り付け対象物の元々のデザインを損なうことなく、上記の効果を奏することができる。
【0022】
図2は、本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材200及び300を示す図である。図2(a)は、本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材200を示す図である。本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材200は、発光フレーム部材100とほぼ同じ構成である。発光フレーム部材200と発光フレーム部材100との相違点は表示部の有無である。すなわち、発光フレーム部材200は、フレーム本体部210と、発光部220と、固定部230、表示部240とを備える。フレーム本体部210と、発光部220と、固定部230については、それぞれフレーム本体部10と、発光部20と、固定部30と同様であり、上記において既に説明済みであるため、説明を省略する。また、固定部230は図2(a)においては図示しない。
【0023】
表示部240は、フレーム本体部10上面側において文字、文字列、図形、記号等何らかの表示である表示物(以下においても、文字、文字列、図形、記号等何らかの表示を総称して表示物と呼ぶ。)を表示させた部分である。図2(a)においては、表示部240における表示物の一例として「LIVING」なる文字列が表示されている。なお、フレーム本体部10の上面側でなくとも発光フレーム部材200を取り付け対象物に取り付けた際に、外部から表示部240を視認することができる位置であれば、表示物を表示させる位置はフレーム本体部10上のいずれの位置であってもよい。
【0024】
また、表示部240における表示物は、発光部20と同様に蓄光性を有する材質により形成される。蓄光性を有する材質により形成された表示部240は発光するため、表示部240は発光部20と伴に発光部を形成していると捉えることができる。蓄光性を有する材質として、例えば蓄光性蛍光物質が含まれる蓄光樹脂が想定されるが、これに限るものではない。フレーム本体部10におけるABS樹脂と蓄光樹脂(例えば、蓄光性蛍光物質が含まれるABS樹脂)との二色成型により表示部240を製造することが想定される。これにより、表示部240における表示物は、発光した状態になり、停電時の真っ暗な中でも表示部240における表示物は外部から視認することができる。
【0025】
図2(b)は、本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材300を示す図である。本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材300は、発光フレーム部材100とほぼ同じ構成である。発光フレーム部材300と発光フレーム部材100との相違点は、取り付け対象物の周囲を一周する態様でないことである。このようなものも本発明の範囲に含まれる。
【0026】
図3は、本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材400を示す図である。図3(a)は、本発明の他の実施の形態における発光フレーム部材400をドアノブ2に取り付ける前の図である。また、図3(b)は、本発明の実施の形態における発光フレーム部材400をドアノブ2に取り付けた後の図である。
【0027】
発光フレーム部材100乃至300においては、スイッチパネル1が取り付け対象物であったが、本発明の発光フレーム部材の取り付け対象物はその他のものでもよい。図3においては、ドアノブ2に発光フレーム部材400を取り付けている。発光フレーム部材400は、図3(a)及び図3(b)に示すように、ドアノブ2の支持部2aの外周に沿う形状(円形状)になっている。そして、発光フレーム部材400は、図3(b)に示すように、支持部2aの外周に取り付けられる。それ以外は、発光フレーム部材100乃至300において説明したことが発光フレーム部材400においても適用することができる。
【0028】
本発明の発光フレーム部材は、様々な取り付け対象物に適用することができる。本発明における発光フレーム部材の取り付け場所は、取り付け対象物(スイッチパネルやドア等)が取り付けられた壁面が想定される。発光フレーム部材の形状は、その壁面において取り付け対象物がどのような態様で取り付けられているかによって様々な形状が想定される。そのような想定される全ての形状を本発明の発光フレーム部材は含む。
【0029】
以上のように、本発明の発光フレーム部材によれば、停電時の真っ暗な中でも発光フレーム部材の取り付け対象物の設置位置を把握することができる。取り付け対象物が建物内部のスイッチパネルやドアノブである場合、建物内部のおおまかな位置を把握することができ、建物内部にいる人の安全を確保することができる。これにより、停電しても安全を確保することができるという安心感を建物内部にいる人に与えることができる。
【0030】
また、発光部の材質として、蓄光樹脂を用いれば、電源がなくても発光させることができるため、省エネルギーやエコロジーの観点から見ても好ましい。また、本発明の発光フレーム部材は、取り付け対象物へ容易に取り付けたり、外したりすることができる。さらに、本発明の発光フレーム部材は、取り付け対象物の周囲にフレーム部材として取り付けるため、取り付け対象物の元々のデザインを損なうことなく、上記の効果を奏することができる。
【0031】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【符号の説明】
【0032】
1 スイッチパネル
2 ドアノブ
100、200、300、400 発光フレーム部材
2a 支持部
10、210 フレーム本体部
20、220 発光部
30、230 固定部
31、32 粘着部材
240 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け対象物の外周を囲む形状をしたフレーム本体部と、
前記フレーム本体部上に設けられ、蓄光性を有する材質により形成された発光部と、
前記フレーム本体部及び発光部を前記取り付け対象物の周囲に固定する固定部と
を具備することを特徴とする発光フレーム部材。
【請求項2】
前記発光部は、文字、文字列、図形、記号などの表示物も含むことを特徴とする請求項1に記載の発光フレーム部材。
【請求項3】
前記フレーム本体部及び発光部は、樹脂及び蓄光性を有する樹脂による二色成形により、前記取り付け対象物の外周に応じた形状に形成されたことを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載の発光フレーム部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−230308(P2012−230308A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99471(P2011−99471)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(509062424)
【Fターム(参考)】