説明

発光分光分析装置

【課題】 スパッタリングによって発生する金属粉が、放電電極の先端に付着することを少なくして、メンテナンス間隔を著しく延ばすようにした発光分光分析装置を提供する。
【解決手段】 放電室と、固体金属試料の分析面に対向させた状態で放電室内に配置された電極と、放電室にガス供給源からの不活性ガスを供給するガス吹出口と、固体金属試料の分析面と電極との間で放電を行うことにより発生した発光光を分析する分析制御部を備えた発光分光分析装置であって、放電室内に、回転によって室内のガス流を遠心方向に押し流す作用をなすロータが配置されており、このロータの中心部を貫通した穴に前記電極が配置され、該電極の周面とロータとの隙間に前記ガス吹出口が形成されており、放電室の外周壁にガス排出口が設けられている構成にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパーク放電、アーク放電等の各種放電法やレーザ励起法等により、固体金属試料中の成分を定量分析する発光分光分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼品種の多様化や高品質化、鉄鋼加工技術の発展に伴い、鉄鋼中に含まれる微量成分、特に窒素、酸素、硫黄、炭素等の成分の量を厳密にコントロールすることが要求されてきており、鉄鋼材や非鉄金属材等の生産工場での鉄鋼製錬工程において、鉄鋼中に含まれる微量成分を定量分析することが重要である。
【0003】
そこで従来、鉄鋼中に含まれる他種類の微量成分の定量分析を迅速に行うことができる発光分光分析方法が広く利用されている。
このような発光分光分析方法を利用する発光分光分析装置では、鉄鋼等の固体金属試料の切断面を研磨した後、この研磨面を分析面としてこの分析面に電極を対向させてアーク放電したりスパーク放電したりすることによって発光させ、その発光光を分光器に導入して各元素に特有な波長スペクトルを取り出して検出する。そして、そのスペクトルの強度から成分濃度(窒素、酸素、硫黄、炭素等の成分の量)を算出している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
固体金属試料の分析面と対向電極との間での放電を安定化させるために、放電室の内部をアルゴンガス等の不活性ガスで満たす必要がある。しかし、放電室の室外に設置した固体金属試料の分析面を放電室に露出させるための開孔部等の隙間から外部の空気が侵入してくることになる。このため、特許文献1のように、アルゴンガスを入り口18から放電室1内に一定の量を供給し続け、排出口19からガスを排出し続ける構造として常に放電室1の内部を不活性ガスで満たす構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−103897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スパーク放電の電極には、例えばタングステン電極が用いられ、固体金属試料の表面(分析面)をスパッタリングして分析が行われている。このとき、固体金属表面の表面が削られ、帯電した金属粉が放電電極に引き寄せられて電極の先端部に付着していく。放電電極に金属粉が積もっていくと、次第に放電効果が悪くなり、その結果、分析精度が劣化する。
そこで従来では、次回の分析を行う前に、若しくは一定の間隔をあけて、放電電極の表面を研磨して付着した金属粉を取り除くメンテナンス作業が行われている。このようなメンテナンス作業は面倒であり、時間と手間を必要とした。
【0007】
他方において、先に述べたように、従来では、固体金属試料の分析面と対向電極との間での放電を安定化させるために、放電室の内部をアルゴンガス等の不活性ガスで満たす必要があるが、固体金属試料を露出させるための開孔部等の隙間から外部の空気が侵入してくるので、アルゴンガスを放電室内に一定の量を供給し続け、排出口からガスを排出し続ける構造として常に放電室の内部を不活性ガスで満たす構造となっている。このため、アルゴンガスの消費量が増えてランニングコストが高くつく、といった課題があった。
【0008】
そこで本発明は、スパッタリングによって発生する金属粉が、放電電極の先端に付着することを少なくして、メンテナンス間隔を著しく延ばすことが可能な発光分光分析装置を提供することを主たる目的とする。
【0009】
また、本発明の他の目的は、放電室内の金属粉を含むアルゴンガスを装置内で濾過循環して再利用させることによって、アルゴンガスの消費量を著しく削減することができる機能を備えた発光分光分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発明の請求項1にかかる発光分光分析装置にあっては、固体金属試料の分析面を露出させる開孔を備えた放電室と、前記固体金属試料の分析面に対向させた状態で放電室内に配置された電極と、前記放電室にガス供給源からの不活性ガスを供給するガス吹出口と、前記固体金属試料の分析面と電極との間で放電を行うことにより発生した発光光を分析する分析制御部を備えた発光分光分析装置であって、前記放電室内に、回転によって室内のガス流を遠心方向に押し流す作用をなすロータが配置されており、このロータの中心部を貫通した穴に前記電極が配置され、該電極の周面とロータとの隙間に前記ガス吹出口が形成されており、放電室の外周壁にガス排出口が設けられている構成としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記発光分光分析装置によれば、電極の周囲に形成されたガス吹出口から放電室に供給された不活性ガスの一部は、ロータの回転によって渦巻き状となって遠心方向に押しやられるので、電極と固体金属試料との間の放電部分の気圧は低下して放電が行い易くなるとともに、電極の周囲は常に吹出口からの新鮮なガス流に晒されるので、電極の先端部分への金属粉の付着を著しくおさえることができる、といった効果がある。
【0012】
また本発明にかかる発光分光分析装置は、請求項2に記載のように、固体金属試料の分析面を露出させる開孔を備えた放電室と、前記固体金属試料の分析面に対向させた状態で放電室内に配置された電極と、前記放電室にガス供給源からの不活性ガスを供給するガス吹出口と、前記固体金属試料の分析面と電極との間で放電を行うことにより発生した発光光を分析する分析制御部を備えた発光分光分析装置であって、前記放電室内に、回転によって室内のガス流を遠心方向に押し流す作用をなす第1のロータが配置され、この第1のロータの中心部を貫通した穴に前記電極が配置され、該電極の周面と第1のロータとの隙間に前記ガス吹出口が形成されており、第1のロータの下方に第2のロータを収納するガス還流室が設けられ、該ガス還流室と前記放電室とは第1のロータの周辺部分で連通穴並びにフイルタを介して連通されており、前記第2のロータは回転によりガス還流室内のガス流が求心方向に向かうように形成され、且つ第1のロータと同軸的に回転するように形成されており、更に第2のロータの中心部に前記ガス吹出口に連なる還流口が設けられ、還流室若しくは放電室の何れかにガスを外部に排出する排出口が設けられている構成とすることもできる。
【0013】
これにより、上記請求項1に記載の発光分光分析装置で奏功する効果、即ち、電極の周囲に形成されたガス吹出口から放電室に供給された不活性ガスの一部が、ロータの回転によって渦巻き状となって遠心方向に押しやられることにより、電極と固体金属試料との間の放電部分の気圧が低下して放電が行い易くなるとともに、電極の周囲は常に吹出口からの新鮮なガス流に晒されて、電極の先端部分への金属粉の付着を著しくおさえることができるといった効果に加えて、不活性ガスの再利用によって不活性ガスの消費量を軽減することができ、ランニングコストを下げることができるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる発光分光分析装置の第1の実施例を示す断面図。
【図2】上記第1実施例のロータ部分のみを示す斜視図。
【図3】上記第1実施例のロータ部分のみの平面図。
【図4】本発明にかかる発光分光分析装置の第2の実施例を示す断面図。
【図5】上記第2実施例のロータ部分を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において本発明にかかる発光分光分析装置について図面に示した実施例に基づき説明する。
図1は本発明にかかる発光分光分析装置の第1の実施例を示す断面図であり、図2はそのロータ部分の斜視図であり、図3はロータ部分のみの平面図であり、図4は第2の実施例を示す断面図であり、図5はロータ部分の分解斜視図である。
【0016】
図1〜図3で示す第1実施例の発光分光分析装置は、放電室1と、この放電室1にアルゴンガス(不活性ガス)を供給するガス吹出口2と、放電室1の上部に配置された固体金属試料3と、固体金属試料3の分析面3aに対向させた状態で放電室1内に下方から突出した状態で配置された電極4と、放電によって発生した発光光を分析制御部5に導入する集光レンズ6とを備え、分析制御部4で各元素に特有な波長スペクトルを取り出して検出し、そのスペクトルの強度から成分濃度(窒素、酸素、硫黄、炭素等の成分の量)を算出するようにしている。尚、前記固体金属試料4の分析面4aは、放電室1の上壁1aに設けられた開孔7から放電室に向かって露出されている。
【0017】
前記放電室1内にロータ8が配置されている。このロータ8は、回転によって室内のガスを渦巻き状に遠心方向に押し流す作用をなす複数の羽根8aを備え、筒状の回転軸9に固定されており、該回転軸9は放電室1を構成する枠体10に回転自在に保持されている。更に、回転軸9はプーリ11を備え、ベルトまたはチェン等の帯状体12を介してモータMに連結されており、このモータMの駆動によって、ロータ8が回転するように構成されている。なお、回転軸9とモータMとの動力伝達はギヤ方式などであってもよい。
【0018】
放電室1のロータ8を収納する部分の外周壁は円筒形で形成され、この外周壁にガス排出口13が設けられており、ロータ8によって遠心方向に押し流されたアルゴンガスの一部がこの排出口13から排出管14を介して室外に排出するように形成されている。
【0019】
ロータ8の中心部を貫通する穴、即ち、筒状の回転軸9の軸芯部分に前記電極4が配置され、該電極4の周囲とロータ8との隙間、即ち、電極4の周囲と筒状の回転軸9の内周面との間に形成される隙間に前記ガス吹出口2が設けられている。電極4はロータ8と一緒に回転しないように、その延長した下方部分で本発光分光分析装置の固定部分(図示外)に保持されている。
【0020】
前記ガス吹出口2は、筒状の回転軸9の内側に配置された筒部材19と電極4との間の流通路15からガス導入管16に接続され、更にガス導入管16は、コンピュータ制御されるガス流量調整弁17を介してガス供給源18に接続されており、コンピュータによってコントロールされた流量のアルゴンガスがガス吹出口2から放電室1内に供給されるようになっている。前記筒部材19は、回転軸9と共に回転しないように、その下方部分で本発光分光分析装置の固定部分(図示せず)に保持されている。
なお、ガスの流量調節はコンピュータ制御に代えて、減圧弁により一定流量に保つようにして放電室に供給するように構成することも可能である。
【0021】
上記の如く構成された分光分析装置1において、電極4の周囲に形成されたガス吹出口2から放電室1に供給されたアルゴンガスの一部は、ロータ8の回転によって渦巻き状となって遠心方向に押しやられ、電極4と固体金属試料3との間の放電部分の気圧は低下して放電がし易くなる。またガス吹出口2から吹き出たアルゴンガスの一部は気圧の低い電極部分に沿って上方に進み、固体金属試料3の分析面3aに到達したあと、放電室1の外周方向に押しやられる。これにより、電極4の周囲は常に吹出口2からの新鮮なアルゴンガス流に晒され、放電によって発生した金属粉を含むアルゴンガスは放電室1の外周方向に押しやられるので、電極4の先端部分への金属粉の付着を著しくおさえることができる。
遠心方向に押し流された金属粉を含むアルゴンガスの一部は、ロータ8の外周壁に設けた排出口13から排出管14を介して室外に排出されるが、吹出口2からの供給される新鮮なアルゴンガスとのバランスによって放電室1内は常に一定量のアルゴンガスで満たされる。
【0022】
図4〜図5は本発明に係る分光分析装置の第2実施例を示すものである。この第2実施例において、上記した第1実施例と同様の構成部材は同じ符号を付けて説明する。
【0023】
この第2実施例で示す発光分光分析装置は、放電室1と、この放電室1にアルゴンガスを供給するガス吹出口2と、放電室1の上部に配置された固体金属試料3と、固体金属試料3の分析面3aに対向させた状態で放電室1内に下方から突出した状態で配置された電極4と、放電によって発生した発光光を分析制御部5に導入する集光レンズ6とを備え、分析制御部4で各元素に特有な波長スペクトルを取り出して検出し、そのスペクトルの強度から成分濃度(窒素、酸素、硫黄、炭素等の成分の量)を算出するようにしている。尚、前記固体金属試料4の分析面4aは、放電室1の上壁1aに設けられた開孔7から放電室に向かって露出されている。
【0024】
前記放電室1内に第1のロータ8が配置されている。この第1のロータは、回転によって室内のガスを渦巻き状に遠心方向に押し流す作用をなす複数の羽根8aを備え、筒状の回転軸9に固定されており、該回転軸9は放電室1を構成する枠体10に回転自在に保持されている。更に、回転軸9はプーリ11を備え、ベルトまたはチェン12を介してモータMに連結され、このモータMの駆動によって第1のロータ8が回転するように構成されている。なお、回転軸9とモータMとの動力伝達はギヤ方式であってもよい。
【0025】
また、ロータ8の中心部を貫通する穴、即ち、筒状の回転軸9の軸芯部分に前記電極4が配置され、該電極4の周囲とロータ8との隙間、即ち、電極4の周囲と筒状の回転軸9の内周面との間に形成される隙間に前記ガス吹出口2が設けられている。電極4はロータ8と一緒に回転しないように、その延長した下方部分で本発光分光分析装置の固定部分(図示外)に保持されている。
【0026】
前記ガス吹出口2は、筒状の回転軸9の内側に配置された筒部材19と電極4との間の流通路15からガス導入管16に接続され、更にガス導入管16はガス流量調整弁17を介してガス供給源18に接続されており、コンピュータ19によってガス流量調整弁17でコントロールされた流量のアルゴンガスがガス吹出口2から放電室1内に供給されるようになっている。前記筒部材19は、回転軸9と共に回転しないように、その下方部分で本発光分光分析装置の固定部分(図示せず)に保持されている。
なお、ガスの流量調節はコンピュータ制御に代えて、減圧弁により一定流量に保つようにして放電室に供給するように構成することも可能である。
【0027】
更に、第1のロータ8の下方に還流室20が設けられ、この還流室20に第2のロータ21が配置されている。この第2のロータ21は、第1のロータ8を上下反転させた形態で構成され、前記回転軸9に固定されている。該第2のロータ21は、回転によって還流室20内のガスを求心方向に押し流す作用をなす複数の羽根21aが設けられている。第1のロータ8と第2のロータ21の相対する基板8d、21bの周辺部分に放電室1と還流室20とをフイルタ22を介して連通する連通孔23a、23bが設けられている。フイルタ22はアルゴンガスに含まれる金属粉を取り除くためのもので厚いシート材で形成され、両基板8d、21bの間に介在されている。
【0028】
第1のロータ8並びに第2のロータ21を収納する放電室1並びに還流室20の外周壁部分は円筒形で形成され、還流室20の中心部にある筒状の回転軸9に還流口25が設けられている。これにより、還流室20内のアルゴンガスが還流口25から回転軸9内の流通路15に入ってガス供給源18からの新鮮なアルゴンガスと共にガス吹出口2から放電室1内に供給されるようになっている。また、還流室20の外周壁に排出口24が設けられ、オーバーフローする還流室20内のガスの一部を外部に排出するように形成されている。
【0029】
この第2実施例で示した分光分析装置1において、電極4の周囲に形成されたガス吹出口2から放電室1に供給されたアルゴンガスの一部は、ロータ8の回転によって渦巻き状となって遠心方向に押しやられ、電極4と固体金属試料3との間の放電部分の気圧は低下して放電がし易くなる。またガス吹出口2から吹き出たアルゴンガスの一部は気圧の低い電極部分に沿って上方に進み、固体金属試料3の分析面3aに到達したあと、放電室1の外周方向に押しやられる。これにより、電極4の周囲は常に吹出口2からの新鮮なアルゴンガス流に晒されると共に、放電によって発生した金属粉を含むアルゴンガスは放電室1の外周方向に押しやられるので、電極4の先端部分に金属粉が付着するのを著しく低下させることができる。
【0030】
遠心方向に押し流された金属粉を含むアルゴンガスは、連通孔23a、フイルタ22、連通孔23bを通って還流室20に流入する。フイルタ22によって金属粉が取り除かれたアルゴンガスは還流口25から回転軸9内の流通路15に入り、ガス供給源18からの新鮮なアルゴンガスと共にガス吹出口2から放電室1内に供給されて再利用される。ガス供給源18からの供給によって還流室20内でオーバーフローするアルゴンガスの一部は、排出口24から室外に排出される。このように、アルゴンガスの再利用によってアルゴンガスの消費量を著しく軽減することができる。
【0031】
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものではない。例えば、ロータの駆動部はロータを回転できる構造のものであればどのような機構であってもよい。その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、スパーク放電、アーク放電等の各種放電法やレーザ励起法等により、固体金属試料中の成分を定量分析する発光分光分析装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 放電室
2 ガス吹出口
3 固体金属試料
3a 固体金属試料の分析面
4 電極
5 分析制御部
7 開孔
8 ロータ(第1のロータ)
18 ガス供給源
20 還流室
21 第2のロータ
22 フイルタ
23a、23b 連通孔
24 ガス排出口
25 還流口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体金属試料の分析面を露出させる開孔を備えた放電室と、
前記固体金属試料の分析面に対向させた状態で放電室内に配置された電極と、
前記放電室にガス供給源からの不活性ガスを供給するガス吹出口と、
前記固体金属試料の分析面と電極との間で放電を行うことにより発生した発光光を分析する分析制御部を備えた発光分光分析装置であって、
前記放電室内に、回転によって室内のガス流を遠心方向に押し流す作用をなすロータが配置されており、このロータの中心部を貫通した穴に前記電極が配置され、該電極の周面とロータとの隙間に前記ガス吹出口が形成されており、放電室の外周壁にガス排出口が設けられている発光分光分析装置。
【請求項2】
固体金属試料の分析面を露出させる開孔を備えた放電室と、
前記固体金属試料の分析面に対向させた状態で放電室内に配置された電極と、
前記放電室にガス供給源からの不活性ガスを供給するガス吹出口と、
前記固体金属試料の分析面と電極との間で放電を行うことにより発生した発光光を分析する分析制御部を備えた発光分光分析装置であって、
前記放電室内に、回転によって室内のガス流を遠心方向に押し流す作用をなす第1のロータが配置され、この第1のロータの中心部を貫通した穴に前記電極が配置され、該電極の周面と第1のロータとの隙間に前記ガス吹出口が形成されており、
第1のロータの下方に第2のロータを収納するガス還流室が設けられ、該ガス還流室と前記放電室とは第1のロータの周辺部分で連通穴並びにフイルタを介して連通されており、前記第2のロータは回転によりガス還流室内のガス流が求心方向に向かうように形成され、且つ第1のロータと同軸的に回転するように形成されており、更に第2のロータの中心部に前記ガス吹出口に連なる還流口が設けられ、還流室若しくは放電室の何れかにガスを外部に排出する排出口が設けられている発光分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−159993(P2010−159993A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−898(P2009−898)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】