説明

発光団

式Iの錯体を含む新規の有機白金発光団が記載される。発光団は、有機発光ダイオードにおける発光構成成分としての適用を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオードにて発光構成成分としての適用を持つ新規の有機白金発光団、その調製方法及びその使用方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、発光物質でもある新規の液晶に関する。従って、本発明はそのような液晶を含む物質、及びたとえば、表示装置におけるそのような物質の使用にも関する。本発明はまた、そのような有機白金発光団における配位子の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる有機発光ダイオード(OLED)は実質的に最近の注目の的となっている。OLEDは、新世代の低電力、フラットパネル(及びフレキシブル)ディスプレイで広く使用される。OLEDによって提供される利点は、整合性パネル又は繊維製品に対するコーティングのような新規の構成で非常にフレキシブルなディスプレイを調製する可能性、及びバックライトを必要としないのでエネルギー消費が減るという事実である。
【0003】
多大な尽力が純粋な有機システム(特に発光高分子に関して)の方に向けられている一方で、さらに最近、特に第三周期遷移元素を採用する金属有機システムがOLEDディスプレイでの使用に関して関心を引いているi)。この理由は、電荷が素子に注入されると生じる三重項励起状態の短い寿命にある。OLED素子で生じる有機物質の三重項状態は発光がスピン禁制過程だということで、通常長く続くので、発光は、生成された4つ(一重項に加えて三重項)の励起状態の1つ(一重項)のみからである。しかしながら、重い遷移元素の存在は、効率的なスピン軌道カップリングを促進し、三重項状態の寿命を短くし、生成された4つの励起状態すべてからの発光を可能にする。機能的観点から、このことは、金属錯体から製造されたOLEDは原則として従来のOLEDの4倍まで多い光を放出できるであろうことを意味する。
【0004】
三重項状態から発光する既知の金属−有機発光団は、たとえば、
・2つのN−Cキレートを含有するイリジウム(III)の8面体錯体;
・単一のN−C−Nキレートに結合する白金(II)の四角平面錯体;及び
・N−Cキレートに結合する白金(II)の四角平面錯体
に基づく。
【0005】
一般に、既存のOLED物質は、素子の中での層として真空蒸着されるか又はスピンコーティングされ、そのまま非晶性状態で存在し、すなわち、長期の構造的秩序を有さない。それに対して、液晶は、中間相で配置されると長期の構造的秩序を有する。液晶中間相の魅力的で中心的な特徴は、その中の分子の組織化が結果として物性の付随する異方性を生じることである。
【0006】
発光性の金属錯体に基づくOLEDディスプレイは既存の技術に比べてエネルギー効率が良いと思われるが、長期の秩序及び異方性特性を使用される物質の薄膜に組み入れて金属−有機OLEDディスプレイを作製することがエネルギー効率における有意なさらなる上昇を生じるだろう。
【0007】
従って、単一の化合物/錯体における液晶特性と発光特性の組み合わせは非常に望ましいだろう。たとえば、カラミティック(棒状)の液晶を並べた層からの発光は偏光した発光をもたらす。ディスプレイからの偏光した光の発光は散乱を減らし、ディスプレイを明るく見せる。或いは、柱状相を形成することが可能である物質は非晶性の物質に比べて非常に大きな電荷キャリアの移動性をもたらし得るii)。このことはディスプレイに動力を供給するのに必要とされる電気の量を減らすだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの特性を用いてディスプレイの品質を改善し、ディスプレイが作動するのに必要とされる電力を減らすことができるので、携帯電話や携帯可能なコンピュータのような携帯できる装置の電池の寿命を延ばすことができる。液晶特性を金属−有機OLEDディスプレイに組み入れることのそのほかの利点が考えられ得る。
【0009】
驚くべきことに今や本発明者らは、燐光性を持ち、場合によっては、中間相での発光特性を非晶性の物質とは全く異なるように制御することができる液晶である新規の有機−白金錯体の群を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、発光性である新規の物質、さらに詳しくは、液晶と発光の双方の特性を兼ね備える物質、たとえば、燐光性の金属−有機錯体の発見に基づく。
【0011】
従って、本発明の第1の態様によれば、本発明者らは式Iの錯体を含む金属−配位子錯体を提供する。
[化1]

式中、同一であっても異なっていてもよいR1及びR8はそれぞれ式IIの基であり;
[化2]

Zは、シグマ結合、−C=C−、−C≡C−、−(CH2X−、−COO−、−OC(=O)−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−(CH2qO−、−O−(CH2W−又は−OC(=O)X114−であり;
12は、C1〜C18のアルキル又は式VIIIの基であり;
[化3]

同一であっても異なっていてもよいR2、R3、R6及びR7は、それぞれ水素であり、又は一緒になってR2とR3及び/又はR6とR7の対が−(CH2m−環を形成し;
同一であっても異なっていてもよいR4及びR5は、それぞれ水素又はハロゲンであり;
Xは、それぞれ任意でC1〜C30のアルキルによって置換されてもよいフェネート、チオレート、アセチリド、フェニル、アルキル、ビニルであってもよいアニオン機能又はXはハロゲン化合物であり;
1は、C5又はC6のシクロアルキルであり;
Yは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のハロアルキル、C1〜C6のアルコキシ、−COOR13、シアノ又はイソチオシアネートであり;
同一であっても異なっていてもよいR9及びR11は、それぞれ水素又は−OCn2n+1であり;
10は、水素、−OCy2y+1であり;
13は、水素又はC1〜C18のアルキルであり;
14は、C1〜C12のアルキルであり;
mは、3〜8の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいn及びyはそれぞれ、1〜30の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいx、q及びwはそれぞれ、1〜12の整数である。
【0012】
式Iの錯体における白金はPtIIであることが当業者によって理解されるであろう。
【0013】
本発明の態様の1つでは、R2、R3、R6及びR7はそれぞれ水素である。本発明のさらなる態様では、R2とR3又はR6とR7の対が−(CH2m−環を形成する場合、mは3である。本発明のその上さらなる態様では、R2とR3の対及びR6とR7の対が−(CH23−環を形成する。
4及びR5は、それぞれ好ましくはFである。
【0014】
Xは好ましくはClである。
9、R10及びR11のそれぞれは好ましくは−OCn2n+1である。本発明のさらなる態様では、R9とR11は同一であり、R10は異なる。本発明のさらなる態様では、R9とR10は同一であり、R11は異なる。本発明のさらなる態様では、R10とR11は同一であり、R9は異なる。
【0015】
本発明の態様の1つでは、nは5〜15であり、或いは9〜14であり、或いは12である。
【0016】
本発明は具体的には、上文で記載したように式Iの金属錯体に関係するが、有機部分はそれ自体新規である。従って、本発明のさらなる態様によれば、本発明者らは式IIIの化合物を提供する。
[化4]

式中、R1及びR8の一方又は両方が水素ではないという条件で、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、Y、m及びnはそれぞれ上文で記載されたとおりである。
【0017】
本発明のその上さらなる態様によれば、本発明者らは、上文で記載されたような式IIIの化合物をPtII塩と反応させることを含む式Iの錯体を製造する方法を提供する。
【0018】
様々なPtII塩を使用してもよいが、好ましい塩はたとえば、塩化物のようなPtIIハロゲン化合物である。特に好ましいのは、1族の金属の相互塩(co−salt)、たとえば、K2[PtCl4]である。
【0019】
本発明のその上さらなる態様によれば、本発明者らは、式IVの化合物をアルキル化することを含む式IIIの化合物の製造のための工程を提供する。
[化5]

式中、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びYはそれぞれ上文で記載されたとおりであり、同一であっても異なっていてもよいR1a及びR8aはそれぞれ式Vの基である。
[化6]

式中、同一であっても異なっていてもよいR9a、R10a及びR11aは、R9a、R10a及びR11aの少なくとも1つが水素ではないという条件でそれぞれ水素又は−OHであり、Zaは結合である。
【0020】
式IVの化合物は、式VIの化合物を還元することによって調製されてもよく;
[化7]

式中、R4,R5及びYはそれぞれ上文で記載されたとおりであり、同一であっても異なっていてもよいR1b及びR8bはそれぞれ式VIIの基であり;
[化8]

式中、同一であっても異なっていてもよいR9b、R10b及びR11bは、それぞれ水素又はC1〜C12のアルコキシであり、Zbは結合である。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、本発明者らは、上文で記載されたような燐光性の有機−白金液晶を含む物質を提供する。従って、そのような物質は、とりわけ、それが発光団であり、且つ液晶であり得るという点で有利である。
【0022】
従って、本発明者らはまた、電子装置の製造における上文で記載されたような物質の使用を提供する。物質は、とりわけ、従来既知の装置より、そのような電子装置のエネルギー効率がさらに良く、且つ/又はさらに明るい場合があるという点で有利である。
【0023】
1以上の既知の液晶との組み合わせにて上文で記載されたような有機−白金発光団を含む物質を提供することは本発明の範囲内である。
【0024】
1,3−ジ(ピリジン−2−イル)ベンゼンのPtII錯体は、およそ7.2ミリ秒の励起状態寿命及び0.6の発光量子収量を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1aは、ガラス質状態での柱状中間相の顕微鏡写真であり、図1bは、同一錯体を等方性融解から迅速に直接冷却した場合に得られる顕微鏡写真である。
【図2】ガラス基板上にスピンコーティングした試料から得たスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以降、例証としてのみ、添付の図面を参照して本発明を説明する。
【0027】
本発明のさらなる態様では、本発明者らは、以下の実施例1〜23にて本明細書で記載される錯体のそれぞれ及びそれに関係する配位子も提供する。
【実施例】
【0028】
これらの実施例では、柱状の液晶中間相を示す発光性白金(II)錯体の合成及び特性を説明する。
【0029】
配位子は3,5−ビス(2’−ピリジル)ベンゼン部分に基づき、以下のスキームで示す環化/逆ディールス・アルダー経路を用いて調製する。完全な詳細は実験の節で示す。
【0030】
具体的には、X=Cl及びn=12での最終錯体を考慮して本発明者らは以下の相挙動を見出す。
[化9]

さらに光化学測定は、錯体がCH2Cl2における溶液にて固体の状態で発光することを示す。発光特性は、ウイリアムズによって報告されたiii)高度に発光するPt錯体に類似する。
【0031】
本発明の錯体は、以下の一般反応スキームを用いて調製してもよい。
[化10]

【0032】
実験
実施例1
1,3−[5−(3,4,5−トリ{ヘキサデシルオキシ}フェニル)ピリジン−2−イル]−ベンゼン(n=16)
1.1:1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2−エタンジオン−2−オキシムiv
[化11]

無水エタノール(300cm3)にナトリウム(6.9g、0.3モル)を加えることによって調製したナトリウムエトキシドの溶液に、3,4,5−トリメトキシアセトフェノン(50g、0.24モル)とエタノール(100cm3)と亜硝酸イソプロピル(42cm3、0.4モル)の混合物を加えた。反応混合物を室温にて20時間撹拌した。沈殿した固形物を濾過によって分離し、エタノール(50cm3)とジエチルエーテル(100cm3)で洗浄し、真空にて乾燥させ、次いで水(300cm3)に溶解した。この溶液に酢酸(14cm3、0.24モル)を加え、それは沈殿を生じた。固形物を濾過によって分離し、水で洗浄し、乾燥させて標題の化合物を得た。収量31g(54%)、融点87〜89℃;δH(CDCl3):3.87(s,6H),3.91(s,3H),7.33(s,2H),8.12(s,1H)。
【0033】
1.2:1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2−エタンジオン−1−ヒドラゾン−2−オキシムv
[化12]

1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2−エタンジオン−2−オキシム(24g、0.1モル)のエタノール(100mL)溶液にヒドラジン水和物(10g、0.2モル)を加え、室温にて5時間、反応混合物を撹拌した。水を加え、沈殿した固形物を濾別し、水で洗浄して乾燥させた。収量10.8g(43%);δH(DMSC−d6):3.65(s,3H),3.81(s,6H),6.81(s,2H),8.32(s,1H),8.94(s,2H),11.6(s,1H)。
【0034】
1.3:1,3−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン−4−オキシド−2−イル]−ベンゼン
[化13]

酢酸(100cm3)中の1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2−エタンジオン−1−ヒドラゾン−2−オキシム(15.2g、60ミリモル)の撹拌した溶液に、イソフタル酸ジカルボキシアルデヒド(4.02g、30ミリモル)の酢酸(50cm3)溶液を加え、50℃にて6時間、反応混合物を撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、Pb34(41.1g、60ミリモル)を2時間かけて少しずつ加えた。室温にて4時間、反応混合物を撹拌した。沈殿した固形物を濾別し、酢酸で洗浄し、酢酸から再結晶化させて標題の化合物を得た。収量18g、56%;δH(CDCl3):3.97(s,3H),4.00(s,6H),7.32(S5,2H),7.76(t,3HH7.7Hz,1H),8.64(s,2H),8.65(dd,3HH7.7Hz,4HH1.8Hz,2H),9.58(t,4HH1.8Hz,1H)。
【0035】
1.4:1,3−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン−2−イル]−ベンゼン
[化14]

トリエチルホスファイト(50cm3)中の1,3−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン−4−オキシド−2−イル]−ベンゼン(15g、25ミリモル)の懸濁液を還流下にて12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、固形物を濾別し、エタノールで洗浄して必要とされる化合物を得た。収量13.9g、98%;δH(CDCl3):3.95(s,3H),4.04(s,6H),7.43(s,2H),7.75(t,3HH7.7Hz,1H),8.79(dd,3HH7.7Hz,4HH1.8Hz,2H),9.07(s,2H),9.76(t,4HH1.8Hz,1H)。
【0036】
1.5:1,3−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−2−イル]ベンゼン
[化15]

撹拌棒を備えたオートクレーブに、1,3−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン−2−イル]−ベンゼン(3g、5.3ミリモル)とキシレン(50cm3)とノルボルナジエン(5.4cm3、53ミリモル)を充填した。オートクレーブを密封し、油浴に入れて24時間200℃(浴)で加熱した。熱い間にシリカゲルの小さなパッドを通して反応混合物を濾過し、濾液に生成物が存在しなくなる(TLCによって確認する)までシリカゲルをDCMで洗浄した。濾液をすべて合わせて、減圧下で溶媒を除去した。残留物をエタノールで粉砕し、形成された固形物を濾別し、エタノールで洗浄して所望の生成物を得た。収量2.6g、87%;δH(CDCl3):3.91(s,3H),3.98(s,6H),6.82(s,2H),7.63(t,3HH7.7Hz,1H),7.94(br.s,4H),8.11(dd,3HH7.7Hz,4HH1.8Hz,2H),8.74(t,4HH1.8Hz,1H),8.93(br.s,2H)。
【0037】
1.6:1,3−[5−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル]ベンゼン
[化16]

無水塩酸ピリジンvi(35.0g)と1,3−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン−2−イル]−ベンゼン(7g、12.4ミリモル)の混合物を200℃にて12時間撹拌した。熱い溶液の反応を水(50cm3)で慎重に止めた。得られた沈殿物を濾別し、入念に水、熱いアセトンで洗浄し、真空で乾燥させて所望の生成物を得た(5.3g、89%)。δH(DMSO−d6)=6.74(s,4H),7.73(t,3HH7.7Hz,1H),8.21(br.d,3HH7.7Hz,2H),8.26(br.s,4H),8.81(br.s,1H),8.87(br.s,2H)。
【0038】
1.7:1,3−[5−(3,4,5−トリ{ヘキサデシルオキシ}フェニル)ピリジン−2−イル]−ベンゼン(n=16)
[化17]

1,3−[5−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル]ベンゼン(mg、ミリモル)と炭酸カリウム(207mg、1.5ミリモル)と1−ブロモアルカン(0.51ミリモル)とDMF(10cm3)を100℃にて12時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM/石油エタノール/酢酸エチル10/10/1)によって精製して必要とされる生成物を得た。収率は65〜85%までの範囲であった。
式1.7の化合物:−OC1633の置換の化合物の分析データ
δH(CDCl3):0.81(m,18H),1.20(m,144H),1.43(m,12H),1.5(m,12H),3.94(t,3HH6.7Hz,4H),4.00(t,3HH6.7Hz,8H),6.73(s,2H),7.54(t,3HH7.7Hz,1H),7.85(m,4H),8.07(dd,3HH7.7Hz,4HH1.8Hz,2H),8.64(t,4HH1.8Hz,1H),8.85(d,4HH2.1Hz,2H)。
【0039】
実施例2
白金(II)錯体[PtClLn]の調製
[化18]

100℃で撹拌した配位子HLn(通常0.2ミリモル)の酢酸(50cm3)溶液に、K2[PtCl4]の水(1cm3)溶液を加え、窒素雰囲気下にて24時間還流下で反応混合物を加熱した。回転蒸発によって真空で溶媒を除いた。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM、Rf約0.8)によって生成物を精製し、必要とされる生成物を得た。収率は45〜60%の範囲だった。
[PtClL16]の分析データ
収率67%、δH(CDCl3):0.85(m,18H),1.25(m,144H),1.45(m,12H),1.8(m,12H),3.99(t,3HH6.7Hz,4H),4.04(t,3HH6.7Hz,8H),6.77(s,4H),7.25(t,3HH7.7Hz,1H),7.45(d,3HH7.7Hz,2H),7.68(d,3HH8.5Hz,2H),8.05(dd,3HH8.5Hz,4HH2.2Hz,2H),9.59(d,1H,3HH2.2Hz,3HPt37.4Hz)。
【0040】
実施例3〜13
類似の方法を用いて以下の化合物を調製した。
実施例3
実施例4
実施例5
実施例6
[化19]

【0041】
実施例7
[化20−1]

【0042】
7.1:1,3−ジ(5−メチル−2−ピリジル)ベンゼン
[化20−2]

15分間混合物にアルゴンガスを通すことによって、1,3−ジブロモベンゼン(1.88g、8ミリモル)と5−メチル−2−トリ−n−ブチルスタンニルピリジン(7.18g、18.8ミリモル)と塩化リチウム(28g、0.67モル)と二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(360mg、0.5ミリモル)とトルエン(150cm3)の混合物を脱気した。還流下にて24時間、反応混合物を加熱した。次いで混合物を室温まで冷却し、シリカゲルの小型パッドを通して濾過し、次いでそれを酢酸エチルで洗浄した。濾液を乾燥するまで蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル、1/1)で精製して無色の固形物として標題の生成物を得た。収量728mg、35%。δH(270MHz;CDCl3):2.36(6H,s,2×CH3),7.54(1H,t,J8.0,5−H),7.56(2H,dd,J8.2及び2.1,2×py4−H),7.72(2H,d,J8.2,2×py3−H),7.99(2H,dd,J8.0及び1.8,4−H,6−H),8.52(2H,d,J2.1,2×py6−H),8.54(1H,1,J1.8,2−H)。
【0043】
7.2:1,3−ジ(5−カルボキシ−2−ピリジル)ベンゼン
[化21]

1,3−ジ(5−メチル−2−ピリジル)ベンゼン(3g、11.5ミリモル)をピリジン(50cm3)に溶解した。溶液を水(100cm3)で希釈し、加熱して還流した。この溶液に、激しく撹拌しながら過マンガン酸カリウム(21.9g、138ミリモル)を6時間かけて3gずつ慎重に加えた。この時間の間、反応混合物を還流下にて加熱した。混合物を濾過し、濾紙上の固形物を熱湯で洗浄した。2Mの塩酸の添加によって合わせた濾液を中和した。沈殿した固形物を濾別し、水で洗浄し、DMFから再結晶化させて標題の生成物を得た。収量2.1g、57%。δH(270MHz;DMS)−d6):7.70(1H,t,J8.0,5−H),8.25(2H,d,J8.2 2×py3−H),8.31(2H,dd,J8.0及び1.8,4−H,6−H),8.37(2H,dd,J8.2及び2.1,2×py4−H),8.96(1H,t,J1.8,2−H),9.19(2H,d,J2.1,2×py6−H)。
【0044】
7.3:配位子
[化22]

1,3−ジ(5−カルボキシ−2−ピリジル)ベンゼン7.2(320mg、1ミリモル)と塩化チオニル(3cm3)の混合物を還流下にて12時間加熱した。揮発性成分をすべて除去し、残留物を無水DCM(10cm3)に溶解し、フェノール(1674mg、2.2ミリモル)とDMAP(70mg、0.57ミリモル、触媒)とTEA(3cm3)の無水DCM(20cm3)溶液に加えた。還流下にて24時間、反応混合物を加熱した。減圧下で回転蒸発によって溶媒を除いた。残留物をアセトン(10cm3)に懸濁し、濾過によって固形物を分離し、アセトン(3cm3)、水(20cm3)、アセトン(3cm3)で順に洗浄した。アセトンからの再結晶化によって最終的に生成物を精製した。収量1024mg、57%。δH(400MHz;CDCl3):0.81(18H,t,J7.4,6×CH3),1.14−1.32(96H,m),1.42(12H,q,J8.0),1.70(4H,q,J7.8),1.77(8H,q,J7.8),3.99(8H,t,J5.1,4×OCH2),4.00(4H,t,J5.1,2×OCH2),7.22(4H,AA’XX’,J9.1),7.27(4H,AA’XX’,J9.1),7.32(4H,s,Ar),7.92(2H,br,d,J8.2 2×py3−H),8.61(2H,dd,J8.2及び2.1,2×py4−H),9.80(2H,dd,J2.2,及び0.9,2×py6−H)。
【0045】
7.4:白金II錯体
[化23]

混合物にアルゴンガスを10分間通すことによって、配位子7.3(181mg、0.1ミリモル)と酢酸(50cm3)の混合物を脱気した。ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金(II)(48mg、0.1ミリモル)を加え、還流下にて3日間、反応混合物を加熱した。減圧下で溶媒を除いた。DMSOを加え、還流下にて5分間、混合物を加熱した。真空にて溶媒を除き、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM)によって生成物を精製し、錯体を得た。収量8mg、4%。δH(400MHz;CDCl3):0.81(18H,t,J7.4),1.14−1.32(96H,m),1.42(12H,m),1.70(4H,q,J7.8),1.77(8H,q,J7.8),3.98(8H,t,J5.1),4.00(4H,t,J5.I),7.19(1H,t,J8.0),7.20(4H,AA’XX’,J9.1),7.26(4H,AA’XX’,J9.1),7.34(4H,s),7.58(2H,d,J8.0),7.81(2H,br,d,J8.2),8.64(2H,dd,J8.2及び2.1),10.04(2H,d,J2.1)。
【0046】
実施例8〜11
実施例7と類似の方法によって以下の化合物を調製した。
[化24−1]

【0047】
実施例12
[化24−2]

【0048】
12.1:4,6−ジフルオロベンゼン−1,3−二ボロン酸ジピナコールエステル
[化24−3]

混合物にアルゴンガスを10分間通すことによって、1,5−ジブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(2.72g、10ミリモル)とビスピナコールアトジボロン(6.6g、22ミリモル)と酢酸カリウム(4.9g、50ミリモル)と[PdCl2(PPh32]と無水DMSO(30cm3)の混合物を脱気した。80℃にて10時間、反応混合物を撹拌し、濾過した。濾紙上の固形物をクロロホルム(2×50cm3)で洗浄した。濾液を水(3×50cm3)で洗浄した。有機層をMgSO4のもとで乾燥させ、減圧下で溶媒を除いた。残留物を熱した石油エーテル(50cm2)に溶解し、濾過した。濾液を乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル、10/1)によって生成物を精製し、無色の固形物として標題の生成物を得た。収量2.6g、71%。δH(270MHz;CDCl3;溶媒):1.34(24H,s,8×CH3),6.71(1H,t,J9.8,5−H),8.11(1H,t,J7.5,2−H)。
【0049】
12.2:4,6−ジフルオロ−1,3−ジ(5−ブロモ−2−ピリジル)ベンゼン
[化25]

混合物にアルゴンガスを10分間通すことによって、2−ブロモ−5−ヨードピリジン(6.81g、24ミリモル)と4,6−ジフルオロベンゼン−1,3−二ボロン酸ジピナコールエステル12.1(3.66g、10ミリモル)とK3PO4(6.36g、30ミリモル)と無水DMF(150cm3)の混合物を脱気した。[Pd(PPh34](693mg、0.6ミリモル)を加え、さらに15分間、混合物を脱気した。次いでアルゴン雰囲気下にて100℃で14時間、反応混合物を撹拌した。減圧下で溶媒を除いた。残留物をメタノール(100cm3)で処理し、濾過した。固形物をビーカーに入れ、水(100cm3)と共に5分間撹拌し、濾過し、水(50cm3)とメタノール(20cm3)で洗浄した。次いで固形物を加熱し、メタノール(100cm3)で還流し、室温に冷却し、濾過して標題の生成物を得た。収量2.95g、69%。
【0050】
実施例12.3
[化26]

混合物に15分間アルゴンガスを通すことによって、ジブロモ化合物12.2(190mg、0.45ミリモル)とCuI(0.15ミリモル=29mg)と4−オクチル−1−エチニルベンゼン(290mg、1.35ミリモル)と無水トリエチルアミン(30cm3)と無水DMF(30cm3)の混合物を脱気した。触媒[Pd(PPh34](Br0.045モル=51mgごとに5モル%)を加え、還流下にて2日間、反応混合物を加熱した。回転蒸発によってほとんどの溶媒を除いた。残留物をエタノールで粉砕し、沈殿した固形物を濾別し、エタノール(5cm3)、水(5cm3)、再びエタノール(5cm3)で洗浄した。濾紙からの固形物をクロロホルム(20cm3)に溶解し、マイクロフィルターで濾過した。濾液を乾燥するまで蒸発させ、残留物をアセトンから結晶化させて、無色の結晶状の固形物を得た。収量180mg、58%。δH(400MHz;CDCl3):0.81(6H,t,J6.9),1.1−1.3(20H,m),1.55(4H,q,J6.6),2.56(4H,t,J7.7),6.98(1H,t,J10.6),7.12(4H,AA’XX’,J9.0),7.46(4H,AA’XX’,J9.0),7.72(2H,br,d,J8.6),8.68(t,1H,J9.2),7.84(2H,dd,J8.3,2.1),8.78(2H,dd,J2.2,0.7)。
【0051】
実施例12.4
[化27]

配位子(110mg、0.159ミリモル)とK2[PtCl4](65mg、0.159ミリモル)と酢酸の混合物を還流下にて3日間加熱した。減圧下で溶媒を除き、残留物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM)によって精製し、錯体を得た。収量180mg、62%。δH(400MHz;CDCl3):0.81(6H,t,J6.9),1.1−1.3(20H,m),1.55(4H,q,J6.6),2.56(4H,t,J7.7),6.52(1H,t,J10.6),7.10(4H,AA’XX’,J9.0),7.40(4H,AA’XX’,J9.0),7.68(2H,br,d,J8.4),7.87(2H,dd,J8.3,2.1),9.18(2H,d,J2.0,3HPt38.1)。
【0052】
実施例13〜19
実施例7と類似の方法によって以下の化合物を調製した。
[化28−1]

【0053】
実施例20
[化28−2]

【0054】
実施例20.1
[化28−3]

混合物に10分間アルゴンガスを通すことによって、2−ブロモ−5−メトキシピリジン(1g、5.3ミリモル)と4,6−ジフルオロベンゼン−1,3−二ボロン酸ジピナコールエステル(811mg、2.2ミリモル)とK3PO4(1.40g、6.6ミリモル)と無水DMF(50cm3)の混合物を脱気した。[Pd(PPh34](152mg、0.132ミリモル)を加え、さらに15分間混合物を脱気した。次いでアルゴン雰囲気下にて100℃で14時間、反応混合物を撹拌した。減圧下で溶媒を除き、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、酢酸エチル)によって生成物を精製した。収量550mg、45%。δH(270MHz;CDCl3;溶媒):3.89(6H,s),6.98(1H,t,J10.7),7.26(2H,dd,J8.7,2.3),7.70(2H,d,J8.6),8.40(2H,d,J2.6),8.49(1H,t,J9.1)。
【0055】
実施例20.2
[化29]

配位子(62mg、0.189ミリモル)とテトラクロロ白金酸カリウム(78mg、0.189ミリモル)と酢酸(25cm3)の混合物を窒素雰囲気下で還流下にて24時間加熱した。沈殿した固形物を濾別し、アセトン(10cm3)、水(10cm3)、アセトン(10cm3)で洗浄し、Pt錯体を得た。収量77mg、73%。δH(270MHz;CDCl3;溶媒):3.94(6H,s),6.58(1H,t,J11.2),7.44(2H,dd,J8.9,2.8),7.73(2H,d,J9.1),9.00(2H,d,J2.9,JH-Pt23)。
【0056】
実施例21〜22
実施例20と類似の方法によって以下の化合物を調製した。
[化30]

【0057】
実施例23
1−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−3,4−シクロペンテノピリジン−2−イル]−3−(5−メチルピリジン−2−イル)ベンゼン
[化31−1]

【0058】
23.1:3−(3−ブロモフェニル)−6−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン
[化31−2]

2−ブロモ−3’,4’,5’−トリメトキシアセトフェノン(2.9g、10ミリモル)と3−ブロモ安息香酸ヒドラジド(4.3g、20ミリモル)と酢酸ナトリウム(1.0g、12ミリモル)とエタノール(30mL)と酢酸(10mL)の混合物を還流下にて12時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、沈殿した固形物を濾別し、エタノールで洗浄し、乾燥させた。さらに精製することなく生成物を次の工程で使用した。収量1.8g、45%。δH(400MHz;CDCl3):2.36(3H,s),3.98(6H,s),7.39(2H,s),7.42(1H,t,J8.0),7.66(1H,ddd,J8.0,2.0,1.0),8.50(1H,ddd,J8.0,2.0,1.0),8.71(1H,t,J2.0),9.01(1H,s);δC(CDCl3):56.37,61.03,103.87,123.13,126.49,128.12,130.43,131.02,134.46,136.52,140.84,146.18,154.02,154.81,160.90
【0059】
23.2:2−(3−ブロモフェニル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピリジン
[化32]

撹拌棒を備えたオートクレーブにトリアジン23.1(1g、2.5ミリモル)とキシレン(30cm3)とノルボルナジエン(2.3g、25ミリモル)を充填した。オートクレーブを密封し、油浴に入れ、200℃(浴)で24時間加熱した。熱い間にシリカゲルの小型パッドを通して反応混合物を濾過し、シリカゲルをDCM(50cm3)で洗浄した。濾液をすべて合わせて、減圧下で溶媒を除いた。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル、1/1)によって生成物を精製し、標題の化合物を得た。収量2.6g、71%。収量288mg、72%。δH(400MHz;CDCl3):3.84(3H,s),3.88(6H,s),6.73(2H,s),7.29(1H,t,J8.0),7.48(1H,ddd,J8.0,2.0,1.0),7.69(1H,dd,J8.3,0.8),7.85(1H,dd,J8.3,2.4),7.89(1H,ddd,J8.0,2.0,1.0),8.15(1H,t,J2.0),8.82(1H,dd,J2.4,0.8)。
【0060】
23.3:1−[5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−3,4−シクロペンテノピリジン−2−イル]−3−(5−メチルピリジン−2−イル)ベンゼン
[化33]

混合物に15分間アルゴンガスを通すことによって、ブロモ誘導体23.2(220mg、0.5ミリモル)と5−メチル−2−トリ−n−ブチルスタンニルピリジン(287mg、0.75ミリモル)と塩化リチウム(424mg、10モル)と二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(36mg、0.05ミリモル)とトルエン(15cm3)の混合物を脱気した。還流下にて24時間、反応混合物を加熱した。減圧下で回転蒸発によって溶媒を除いた。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM/酢酸エチル/ヘキサン、1/1/1)によって生成物を精製し、標題の化合物を得た。収量116mg、51%。δH(270MHz;CDCl3):2.39(3H,s),3.90(3H,s),3.95(6H,s),6.81(2H,s),7.59(2H,m),7.74(1H,br,d,J8.1),7.91(2H,br,s),8.0−8.1(2H,m),8.54(1H,br,s),8.64(1H,br,s),8.91(1H,br,s)。
【0061】
実施例23は、上文で記載された化学反応と共にこのアプローチを用いて調製した。
[化34]

【0062】
図面の説明文
図1.
実施例2、n=6
等方性融解からLC相にゆっくりと冷却し、次いで室温に迅速に冷却することによって大きなよく発現した領域が得られた。発光スペクトル(並んで)は575nm及び624nmにて構造化されたモノマーの発光を示す。図1(b)は、同一の錯体を等方性融解から迅速に直接冷却した場合に得られる顕微鏡写真を示す。ここでは領域は非常に小さく、それは、高濃度の(等方性の)粒界が存在することを意味し;モノマーの発光は認められず、むしろエキシマ様の発光(690nm)が認められ、それは通常、これらの物質を特徴付ける。柱状相では、X線による証拠は、錯体はそれらが独立して挙動する(モノマー)逆平行の配置に制約されることを示唆している。しかしながら、図1bでは、試料は、さらに長い波長が認められるエキシマ様の構造に錯体が自由になれる等方性の粒界が優勢である。従って、LC相への組織化は、程度に制御を与え、通常これらの物質を特徴付けるエキシマ様の発光とは非常に異なるモノマー様の発光型にアクセスする。
【0063】
図2
図2はガラス基板にスピンコーティングした実施例2、n=6からのスペクトルを示す。調製されたように、膜はエキシマ様の発光のみ(λ=660nm)を示す。しかしながら、110℃で加熱し、続いて室温に冷却した後では、発光色でエキシマの赤からモノマーとエキシマからの同時発光の黄色に大幅な変化がある。しかしながら、摩擦のような機械的妨害に今や膜を供すると、エキシマの赤発光は回復する。さらなる加熱−冷却のサイクルはモノマーの発光を再確認する。従って、発光特性は容易にさらに制御することができ、しかもそれだけではなく、外的な機械的な刺激によって左右されるが、熱サイクルによって元の状態に回復することができる。これの可能性のある応用の1つは、柔軟な基板にOLEDをプリントし、それを使って溶接不良を検出することである。モノマーとエキシマからの同時発光は広いスペクトル領域を網羅し、少し青にシフトすれば、白の発光を生じ、照明の応用で関心が持たれる。
【0064】
参考文献
i)R.C.Evans,P.Douglas,C.J.Winscom,Coord.Chem.Rev.,2006,250,2093.
ii)D.Adam,P.Schumacher,J.Simmerer,L.Haeussling,K.Siemensmeyer,K.H.Etzbach,H.Ringsdorf,D.Haarer,Nature,1994,371,141.
iii)S.J.Farley,D.L.Rochester,A.L.Thompson,J.A.K.Howard,J.A.G.Williams,Inorg.Chem.,2005,44,9690.
iv)B.B.Dey,J.Chem.Soc.,1914,105,1039.
v)G.B.Bennett,R.B.Mason,L.J.Alden,J.B.Roach,J.Med.Chem.,1978,21,623.
vi)塩酸ピリジニウムは、強い酸性条件又は塩基性条件を回避して200〜220℃にてアリールメチルエーテルを切断する伝統的な試薬である(Pyridinium hydrochloride is a classical reagent for cleavage of aryl methyl ethers at 200−220℃ avoiding strongly acidic or basic conditions):V.Prey,Chem.Ber.,1942,75B,350.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの錯体を含む金属−配位子錯体;
【化1】

(式中、同一であっても異なっていてもよいR1及びR8はそれぞれ式IIの基であり;
【化2】

Zは、シグマ結合、−C=C−、−C≡C−、−(CH2X−、−COO−、−OC(=O)−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−(CH2qO−、−O−(CH2W−又は−OC(=O)X114−であり;
12は、C1〜C18のアルキル又は式VIIIの基であり;
【化3】

同一であっても異なっていてもよいR2、R3、R6及びR7は、それぞれ水素であり、又は一緒になってR2とR3又はR6とR7の対が−(CH2m−環を形成し;
同一であっても異なっていてもよいR4及びR5は、それぞれ水素又はハロゲンであり;
Xは、それぞれ任意でC1〜C30のアルキルによって置換されてもよいフェネート、チオレート、アセチリド、フェニル、アルキル、ビニルであってもよいアニオン機能であり、又はXはハロゲン化合物であり;
1は、C5又はC6のシクロアルキルであり;
Yは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のハロアルキル、C1〜C6のアルコキシ、−COOR13、シアノ又はイソチオシアネートであり;
同一であっても異なっていてもよいR9及びR11は、それぞれ水素又は−OCn2n+1であり;
10は、水素、−OCy2y+1であり;
13は、水素又はC1〜C18のアルキルであり;
14は、C1〜C12のアルキルであり;
mは、3〜8の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいn及びyはそれぞれ、1〜30の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいx、q及びwはそれぞれ、1〜12の整数である)。
【請求項2】
錯体中の白金がPtIIである請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項3】
2、R3、R6及びR7のそれぞれが水素である請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項4】
2とR3及びR6とR7の少なくとも一対が−(CH2m−環を形成し、mが3である請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項5】
4及びR5がそれぞれ水素である請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項6】
XがClである請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項7】
9、R10及びR11が、それぞれ−OCn2n+1である請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項8】
nが、5〜15である請求項7記載の金属−配位子錯体。
【請求項9】
nが、9〜14である請求項8記載の金属−配位子錯体。
【請求項10】
nが12である請求項9記載の金属−配位子錯体。
【請求項11】
式IIIの化合物;
【化4】

(式中、同一であっても異なっていてもよいR1及びR8はそれぞれ式IIの基であり;
【化5】

Zは、結合、−C=C−、−C≡C−、−(CH2X−、−COO−、−OC(=O)−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−(CH2qO−、−O−(CH2W−又は−OC(=O)X114−であり;
12は、C1〜C18のアルキル又は式VIIIの基であり;
【化6】

同一であっても異なっていてもよいR2、R3、R6及びR7は、それぞれ水素であり、又は一緒になってR2とR3又はR6とR7の対が−(CH2m−環を形成し;
同一であっても異なっていてもよいR4及びR5は、それぞれ水素又はハロゲンであり;
Xは、ハロゲン化合物、フェネート、チオレート、アセチリド、フェニル、アルキル、ビニルであってもよいアニオン機能であり;
1は、C5又はC6のシクロアルキルであり;
Yは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のハロアルキル、C1〜C6のアルコキシ、−COOR13、シアノ又はイソチオシアネートであり;
同一であっても異なっていてもよいR9及びR11は、それぞれ水素又は−OCn2n+1であり;
10は、水素、−OCy2y+1であり;
13は、水素又はC1〜C18のアルキルであり;
14は、C1〜C12のアルキルであり;
mは、3〜8の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいn及びyは、それぞれ1〜30の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいx、q及びwは、それぞれ1〜12の整数であり、R1及びR8の1つが水素ではないという条件がある)。
【請求項12】
式Iの錯体を製造する方法であって、
【化7】

(式中、同一であっても異なっていてもよいR1及びR8はそれぞれ式IIの基であり;
【化8】

Zは、結合、−C=C−、−C≡C−、−(CH2X−、−COO−、−OC(=O)−、−CH=N−、−N=CH−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−(CH2qO−、−O−(CH2W−又は−OC(=O)X114−であり;
12は、C1〜C18のアルキル又は式VIIIの基であり;
【化9】

同一であっても異なっていてもよいR2、R3、R6及びR7は、それぞれ水素であり、又は一緒になってR2とR3又はR6とR7の対が−(CH2m−環を形成し;
同一であっても異なっていてもよいR4及びR5は、それぞれ水素又はハロゲンであり;
Xは、ハロゲン化合物、フェネート、チオレート、アセチリド、フェニル、アルキル、ビニルであってもよいアニオン機能であり;
1は、C5又はC6のシクロアルキルであり;
Yは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のハロアルキル、C1〜C6のアルコキシ、−COOR13、シアノ又はイソチオシアネートであり;
同一であっても異なっていてもよいR9及びR11は、それぞれ水素又は−OCn2n+1であり;
10は、水素、−OCy2y+1であり;
13は、水素又はC1〜C18のアルキルであり;
14は、C1〜C12のアルキルであり;
mは、3〜8の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいn及びyは、それぞれ1〜30の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいx、q及びwは、それぞれ1〜12の整数である)
式IIIの化合物を
【化10】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びYはそれぞれ上文で定義したとおりである)
PtII塩と反応させることを含む方法。
【請求項13】
PtII塩がPtIIハロゲン化合物である請求項12記載の方法。
【請求項14】
PtIIハロゲン化合物が1族金属の相互塩である請求項13記載の方法。
【請求項15】
式IIIの化合物を製造する方法であって、式IVの化合物をアルキル化することを含む方法;
【化11】

(式中、同一であっても異なっていてもよいR1a及びR8aはそれぞれ式Vの基であり;
【化12】

式中、同一であっても異なっていてもよいR9a、R1Oa及びR11aは、それぞれ水素又は−OHであり、
Zaは結合である;
同一であっても異なっていてもよいR2、R3、R6及びR7は、それぞれ水素であり、又は一緒になってR2とR3又はR6とR7の対が−(CH2m−環を形成し;
同一であっても異なっていてもよいR4及びR5は、それぞれ水素又はハロゲンであり;
Xは、ハロゲン化合物、フェネート、チオレート、アセチリド、フェニル、アルキル、ビニルであってもよいアニオン機能であり;
1は、C5又はC6のシクロアルキルであり;
Yは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のハロアルキル、C1〜C6のアルコキシ、−COOR13、シアノ又はイソチオシアネートであり;
同一であっても異なっていてもよいR9及びR11は、それぞれ水素又は−OCn2n+1であり;
10は、水素、−OCy2y+1であり;
13は、水素又はC1〜C18のアルキルであり;
14は、C1〜C12のアルキルであり;
mは、3〜8の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいn及びyは、それぞれ1〜30の整数であり;
同一であっても異なっていてもよいx、q及びwは、それぞれ1〜12の整数である)。
【請求項16】
式IVの化合物;
【化13】

(式中、R4、R5及びYはそれぞれ上文で定義されたとおりであり、
同一であっても異なっていてもよいR1b及びR8bはそれぞれ式VIIの基であり;
【化14】

式中、同一であっても異なっていてもよいR9b、R10b及びR11bは、それぞれ水素又はC1〜C6のアルコキシであり、
Zbは結合である)。
【請求項17】
錯体が本明細書の実施例1〜23に記載される請求項1記載の金属−配位子錯体。
【請求項18】
配位子が本明細書の実施例1〜23に記載される請求項11記載の配位子。
【請求項19】
液晶特性を持つ請求項1記載の有機白金を含む物質。
【請求項20】
電子装置の製造における請求項19記載の物質の使用。
【請求項21】
電子装置が電子表示装置である請求項20記載の使用。
【請求項22】
添付の実施例を参照して実質的に上文で記載されたような錯体、化合物、使用方法又は物質。

【図2】
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【図1】
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【公表番号】特表2011−508723(P2011−508723A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526361(P2010−526361)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003285
【国際公開番号】WO2009/040551
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(509002497)ユニバーシティー オブ ヨーク (3)
【Fターム(参考)】