説明

発光照明を備えたオンボードインジケータ針

本発明は、発光針(10)を備える、ダッシュボード電子カード(21)に取り付けられるオンボードインジケータ(1)に関し、この針は、光源(13)及びカードと共に回動可能なアームと、及び光源に通電する源(22)とを具備する。この光源は、エネルギー源からの電圧が供給される発光体(13)で被覆される第1の部分(30’)を備える可撓性材料(30)の支持体を具備し、エネルギー源は、少なくとも2つの導電トラック(31,32)用の基板となる絶縁された可撓性支持体(30)の第2の部分(30”)により形成される、可撓性電気接点(30、31、32)によって、電気的に接続されることを特徴とする。本発明の解決手段により、最小のコンポーネントで非常に平坦なインジケータを製造することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ダッシュボード用の発光針を備えたオンボードインジケータの分野に関し、特に、これらの発光針の取り付け及び接続に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の発光針は、多数の自動車ダッシュボードインジケータダイヤル上に存在する。これらは、ダイヤルの所定のセクタ上のそれらの角旋回の機能として、車輌の運転に関する物理量を示すよう設計される。
【0003】
その回転スピンドルに近接する固定光源に基づいて、この発光針は、そのハブ内に備えられる光ガイドにより、受光し、その全長に亘り拡散するように配置される。この場合、物理量を示すその回転運動において、光源は、固定されたままであり、その電気的印加においては、何の問題もない。しかしながら、このモードの光は、複雑な設計のハブを必要とし、針の輝度は、最適でない。
【0004】
発光針はまた、それら自身の光源を含み、この光源は、ハブ内に備えられる導体によって、電気的に印加される。この方法は、上記の欠点を解消し、電気的印加源は、ダッシュボードの電子カード上に必然的に固定され、2つの源の間の電気的接続は、必然的に動的となる。
【0005】
例えば、米国特許文献US5797345において、提案がされたのは、針のハブ上に、光源に接続される滑り接触を取り付け、この滑り接触と接触して、固定された接点を印加源に接続することである。
【0006】
この第2の解決手段は、しかしながら、他方で、滑り接触の存在を必要とするという欠点を有し、摩擦により磨耗する傾向があり、汚れが付着し、光源へのエネルギー供給をカットオフするという点で、欠点を有する。他方、電気回路の取り付けの複雑さは、多額のコストを生じさせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、この第2の解決手段を改良し、針の取り付けの簡略さを確保しつつ、滑り接触の存在を排除する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明は、発光針を備えるオンボードインジケータに関し、このインジケータは、ダッシュボード電子カード上に取り付けられ、この針は、光源及びカードとともに回動可能なアームと、光源に印加するための印加源を具備する。このインジケータの特徴は、光源が、印加源からの電圧が供給される発光体により被覆される可撓性材料の支持体の第1の部分を具備し、この印加源は、少なくとも2つの導電トラック用の基板となる絶縁可撓性支持体の第2の部分により形成される可撓性電気接続によって、電気的に接続される。
【0009】
特に、柔軟性支持体の第2の部分は、電子カードに取り付けられる電気接点内にそれぞれ嵌合され得る少なくとも2つのピンに取り付けられ、このピンのそれぞれは、2つの導電トラックの一方或いは他方と接触する。
【0010】
インジケータが物理量の指示を要求された場合、その針は、そのスピンドル周囲を旋回し、電気的接続は、針のハブ周囲を巻き戻る。あらゆる滑り接触は、こうして、排除される。
【0011】
この針は、最小のスペースに取り付けられるべき最小のコンポーネントを具備する。
【0012】
好適にはまた、電子カードに取り付けられるその端部において、可撓性フィルムが、電子カードに取り付けられる電気接点内部にそれぞれ嵌合され得る少なくとも2つのピンに取り付けられ、ピンのそれぞれは、2つの導電トラックの一方又は他方と接触する。
【0013】
この配置により、単一の操作において、プラグインによって、そのエネルギー供給及び駆動モータ上の針のスピンドルの機構とともに、インジケータの取り付け及び針の光源の電気的接続が可能となる。
【0014】
有利なことに、ピンは、針内に備えられるピン支持体を保持するためのハウジング内に固定され得るピンの支持体上に組み立てられ、取付けを容易化する。
【0015】
また有利なことに、ピン支持体保持ハウジング及び電子カードの電気的接続は、インジケータの取り付け位置において、ピンが接点内にプラグインするのを許容するよう配置され、インジケータの操作位置において、ピン支持体を保持するためのハウジングが、ピン支持体と衝突するのを回避するよう配置され、こうすることにより、その操作を阻止せず、或いはその揺動が妨げられないことを目的とする。
【0016】
さらに有利なことに、ピン支持体及び保持ハウジングは、インジケータのモータのパワーアップの際に取り外されるよう配置される。
【0017】
本発明は、以下において、本発明に係るオンボードインジケータに関する以下の記述及び付随の図面を参照してより詳細に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1を参照して、車輌ダッシュボードのオンボードインジケータ1は、その中央に、車輌の進行に関する物理量を示す目盛りを支える、例えばポリカーボネートからなるダイヤル14と、それを介して、電子カード21に取り付けられるモータ20、例えばステッピングモータのスピンドル19に取り付けられるハブ15が通過する開口部40とを具備する。
【0019】
このハブは、透明フェアリング12によって完全に被覆されるアーム11を介してダイヤル14の目盛り方向に走る針10によって、延長する。ステッピングモータ20は、針が、ダイヤル上に表示される物理量の関数として旋回するよう、配置される。
【0020】
アーム11の可視部分及びフェアリング12の間は、アーム上で接着され、支持体の第1の部分30’は、所定の領域に亘り、発光体材料、例えばエレクトロルミネセントインクの層で被覆され、針のポインタ(図示されず)を形成する。
【0021】
本発明によれば、支持体30は、針10のアーム11上を、ハブ15に沿って延長する第2の帯状部分30”を通じて走るが、自由に、開口部40を介してダイヤル14を貫通し、ダイヤルの下、ハブを囲繞するスパイラルSに沿って、後に特定される十分な長さ分、ハブ15周囲に及ぶ。
【0022】
こうすることにより、支持体30は、90°で自身上に折り重なり、ハブの高さで、折り曲げ部分45を形成する。
【0023】
支持体30は、その第2の部分で、電気的に絶縁され、ポインタの側部のいずれかに接続される2つの並行導電トラック31及び32を具備し、好適な方法で、これを電気的に印加し、その自由端まで遮断されることなく、延長する。支持体30の第1の部分30’において、これら2つの導電トラックは、針の有効長全体、或いは少なくともその可視部分に亘り、電極として作用し、エレクトロルミネセントインクの励起をもたらす。1つのトラック31は、支持体30に取り付けられるピン23と接触41し、他のトラック32は、後者に取り付けられるピン24と接触する。接点は、支持体30から極めて離隔しており、これにより、さらに後述されるプラグイン取り付けをもたらす。
【0024】
図2は、ハブ15周囲でバンド30”により形成されるスパイラルS、及びその自由端に取り付けられるピン23及び24のレイアウトを示す。
【0025】
バンド30”は可撓性があるので、ピン23、24は、相互に並行に、図3に示されるように、ピン支持体25によって、通常の電気プラグのピンの方式で、保持される。
【0026】
ピン支持体25は、中央差し込み部26と、ピン23及び24の端部33及び34が挿入される、2つの等距離穴43及び44とを具備する。ピンは、中央差し込み部26から離れて、支持体25から外へ走る。
【0027】
バンド30”は、ピン23及び24に接着され、電気的ショートを回避するため、絶縁ブッシング51及び52が、ピン23及び25上に配置されて、ピン23をトラック32から、ピン24をトラック31から、それぞれ絶縁する。こうして、ピン23は、トラック31とのみ電気的に接触41し、ピン24は、トラック32とのみ電気的に接触する。
【0028】
針10の下、差し込み部16は、ハブ15に極めて近接するよう提供されて、開口部40に至り、ここでピン23及び24の支持部25を保持するハウジングが構成される。
【0029】
ピン支持部25の差し込み部26がハウジング17に係合する場合、針10の差し込み部16は、ピン23及び24が電子カード21に取り付けられる電気接点22にプラグインし得るような長さである。ハウジング17は、図5から理解されるように、側方スナップ締結により差し込み部26を保持する。
【0030】
針の取り付け位置において、差し込み部16及び26が位置合わせされ、ピンが接点22内にプラグインされる場合、針は、ダイヤル上の操作範囲外に位置付けられる。
【0031】
結果的に、バンド30”の長さは、針が、上記操作範囲の全体に亘るだけでなく、これを超えて、予め規定された針の取り付け位置まで回動するのを許容するのに十分なものである。
【0032】
インジケータ1の正常動作中、図4を参照して、針10は、通常は180°或いはそれ以上であるが、完全な1回転よりは少ない、そのスピンドル19周囲の揺動により決定されるセクタのどこかに位置付けられる操作位置にあるが、この場合、接点22内にプラグインされるピン23、24の支持部25は、上記セクタに位置付けられない。これは、そのインジケータ動作に妨害されない針10の差し込み部16の届く範囲の外に留まる。
【0033】
針の取り付けについて、ピン23、24の支持部25の差し込み部26は、ハウジング17内部に係合し、ハブ15がモータ20のスピンドル19内部にプラグインするのと同時に、ピンは、接点22内部にプラグインする。針は、図1に示す取り付け位置において、動作中そのスイープにより決定されるセクタの外側にある。
【0034】
操作位置における配置について、針10は、手動或いはモータ20の起動により、セクタに至るように回転を強制される。この作用を通じて、差し込み部26は、差し込み部16を開放するよう強制される。
【0035】
操作中、支持部の第1の部分30’の電極は、発光する発光材料の励起をもたらす。針の位置に関わりなく、支持部30”が可撓性を有するために、電源に接続されたまま、その動作に追従する第2の部分の電極によって、第1の部分の通電がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明に係るオンボードインジケータの針の断面を示す図であり、この針は、取り付け位置にある。
【図2】図2は、この針の同じ位置における下方からみた図であり、電子カード及びダイヤルが取り除かれている。
【図3】図3は、ピン支持体の斜視図である。
【図4】図4は、本発明に係るオンボードインジケータの針の断面を示す図であり、この針は、操作位置にある。
【図5】図5は、この針の同じ位置における下方から見た図であり、可撓性フィルム及びダイヤルが取り除かれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光針(10)を備える、ダッシュボード電子カード(21)に取り付けられるオンボードインジケータ(1)であって、
前記針は、光源(13)及び前記カードと共に回動可能なアームと、及び前記光源に印加する印加源(22)とを具備し、
前記光源は、前記印加源からの電圧が供給される発光体(13)で被覆される第1の部分(30’)を備える可撓性材料(30)の支持体を具備し、
前記印加源は、少なくとも2つの導電トラック(31,32)用の基板となる絶縁された前記可撓性支持体(30)の第2の部分(30”)により形成される、可撓性電気接点(30、31、32)によって、電気的に接続される
ことを特徴とするインジケータ。
【請求項2】
前記可撓性支持体(30)の前記第2の部分(30”)は、それぞれが、前記電子カード(21)に取り付けられる電気接点(22)に嵌合され得る少なくとも2つのピン(23,24)に取り付けられ、
それぞれのピンは、前記2つの導電トラックの一方(31)或いは他方(32)と接触する
ことを特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記ピン(23、24)は、ハウジング(17)内に固定されて、前記針(10)内に備えられる前記ピン支持体を保持し得るピンの支持体(25)上に組み立てられる
ことを特徴とする請求項2に記載のインジケータ。
【請求項4】
前記ピン支持体保持ハウジング(17)及び前記電子カード(21)の前記電気接点(22)は、前記針の取り付け位置において、前記ピン(23,24)が、前記接点(22)内にプラグインされるのを許容し、前記針の操作位置において、前記ピン支持体(25)を保持する前記ハウジング(16,17)が、前記ピン支持体(25)と衝突するのを回避する
ことを特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
【請求項5】
前記ピン支持体(25)及び前記保持ハウジング(17)は、前記インジケータのモータ(20)のパワーアップの際に、取り外されるよう配置される
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のインジケータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516420(P2007−516420A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519955(P2006−519955)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001837
【国際公開番号】WO2005/008185
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(502427404)ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス (2)
【Fターム(参考)】