発光素子
【課題】生産性を向上させることができ、光の反射効率の最大化によって光抽出効率を向上できる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子200は、第1の導電型半導体層236、活性層234及び第2の導電型半導体層232を含む発光構造物と、第1の電極層210と、発光構造物と第1の電極層との間に配置された第2の電極層220と、第2の導電型半導体層の下側で第2の電極層の縁部を取り囲み、第2の電極層と第1の電極層との間に配置された絶縁層240とを含み、第2の電極層は、第2の導電型半導体層と接し、互いに所定間隔だけ離隔するように配置された複数の第1の反射層222を有し、第1の電極層は、第2の電極層、第2の導電型半導体層及び活性層を貫通して第1の導電型半導体層に接する。
【解決手段】発光素子200は、第1の導電型半導体層236、活性層234及び第2の導電型半導体層232を含む発光構造物と、第1の電極層210と、発光構造物と第1の電極層との間に配置された第2の電極層220と、第2の導電型半導体層の下側で第2の電極層の縁部を取り囲み、第2の電極層と第1の電極層との間に配置された絶縁層240とを含み、第2の電極層は、第2の導電型半導体層と接し、互いに所定間隔だけ離隔するように配置された複数の第1の反射層222を有し、第1の電極層は、第2の電極層、第2の導電型半導体層及び活性層を貫通して第1の導電型半導体層に接する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、化合物半導体の特性を用いて電気を赤外線又は光に変換させて信号を取り交わしたり、光源として使用される半導体素子の一種である。
【0003】
III―V族窒化物半導体(group III―V nitride semiconductor)は、物理的及び化学的特性によって発光ダイオード(LED)又はレーザーダイオード(LD)などの発光素子の核心素材として脚光を浴びている。
【0004】
このような発光ダイオードは、白熱灯及び蛍光灯などの既存の照明器具に使用される水銀(Hg)などの環境有害物質を含んでいないので、優れた親環境性を有し、長い寿命と低電力消費特性などの長所があり、既存の各光源に取って代わるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例は、生産性を向上させることができ、光の反射効率の最大化によって光抽出効率を向上できる発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例の発光素子は、第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;第1の電極層;前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置された第2の電極層;及び前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接し、前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と接し、互いに所定間隔だけ離隔して配置された複数の第1の反射層を有する。
【0007】
前記第1の反射層は、無指向性反射層であり、前記絶縁層と同一の物質で形成することができる。例えば、前記第1の反射層は、SiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3を含むことができる。前記無指向性反射層の屈折率は前記第2の導電型半導体層の屈折率より小さく、前記無指向性反射層は真空、空気、水、SiO2又はSi3N4を含むことができる。
【0008】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含み、前記無指向性反射層は、前記伝導性透明層の間に配置することができる。前記伝導性透明層はパターンを有することができる。第2の電極層は、前記無指向性反射層の下部に配置された第2の反射層をさらに含むことができる。前記伝導性透明層は、前記第2の導電型半導体層と接することができる。
【0009】
前記第2の反射層は前記伝導性透明層の下部に配置することができる。前記無指向性反射層と前記伝導性透明層は、前記第2の反射層の上部の同一平面上に配置される。
【0010】
発光素子は、前記伝導性透明層の開放された一側領域の上部に配置された電極パッドをさらに含むことができる。
【0011】
他の実施例による発光素子は、第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;第1の電極層;前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置され、前記第2の導電型半導体層と接する第2の電極層;及び前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接することができる。
【0012】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含むことができ、前記伝導性透明層と前記絶縁層との間に配置された第1の反射層をさらに含むことができる。
【0013】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層とオーミック接触する物質を含むことができる。前記伝導性透明層は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)又はGZO(gallium zinc oxide)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
前記伝導性透明層の強度は、前記第2の導電型半導体層の強度と同一であって、前記絶縁層の強度と同一であり得る。
【発明の効果】
【0015】
実施例によると、発光構造物の第2の導電型半導体層と接する第2の電極層に、第2の導電型半導体層との間に大きな屈折率差を有する媒質からなるODR層を所定間隔だけ離隔するように複数設けるので、第2の電極層に向かって発光する光を最大限に反射させ、第2の電極層の吸収又は散乱されて消滅される光を確保することによって光抽出効率を向上させることができ、絶縁層が第2の電極層の縁部を取り囲むようにすることによってチップの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【図2A】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2B】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2C】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2D】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2E】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2F】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図3】他の実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【図4A】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4B】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4C】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4D】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4E】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4F】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図5】実施例に係る発光素子パッケージを示す図である。
【図6】発光モジュールを有する照明装置の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0018】
本実施例の説明において、各構成要素の「上」又は「下」(on or under)に形成されると記載される場合、上又は下(on or under)は、二つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、一つ以上の他の構成要素が前記二つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、「上」又は「下」(on or under)と表現される場合、一つの構成要素を基準にして上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0019】
図面において、各構成要素の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張又は省略したり、又は概略的に示しており、実際の大きさを必ずしも完全に反映するものではない。
【0020】
第1の実施例
【0021】
図1は、実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【0022】
発光素子200は、支持基板201、第1の電極層210、第2の電極層220、発光構造物230、絶縁層240、保護層270及び電極パッド290を含む。
【0023】
発光素子200は、複数の化合物半導体層、例えば、3族―5族元素の化合物半導体層を用いたLEDを含み、LEDは、青色、緑色又は赤色などの光を放出する有色LEDであるか、紫外線(UV:UltraViolet)LEDであり得る。LEDの放出光は多様な半導体を用いて具現することができ、これについて限定することはない。
【0024】
まず、支持基板201は、伝導性基板であり、発光構造物230を支持し、発光素子200の作動時に発生する熱を十分に発散させなければならないので、熱伝導度の高い金属を使用して形成することができる。
【0025】
例えば、支持基板201は、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)で構成される群より選ばれる物質又はこれらの合金からなり、また、金(Au)、銅合金(Cu Alloy)、ニッケル(Ni)、銅―タングステン(Cu―W)、キャリアウェハー(例えば、GaN、Si、Ge、GaAs、ZnO、SiGe、SiC、SiGe、Ga2O3など)などを選択的に含むことができる。
【0026】
また、支持基板201は、全体の窒化物半導体に反りを発生させず、スクライビング(scribing)工程及びブレイキング(breaking)工程を通して別個のチップによく分離させる程度の機械的強度を有することができる。
【0027】
次に、第1の電極層210は支持基板201上に形成される。第1の電極層210は、第2の電極層220、第2の導電型半導体層232及び活性層234を貫通して第1の導電型半導体層236と接触する。すなわち、第1の電極層210は、支持基板201と接する下部電極層と、下部電極層から分岐して第1の導電型半導体層236に電気的に接触する少なくとも一つの接触電極211とを有する。
【0028】
第1の電極層210の接触電極211は、第1の導電型半導体層236に電流を円滑に供給できるように複数が互いに離隔するように形成することができる。接触電極211は、放射状パターン、十字状パターン、ライン状パターン、曲線状パターン、ループパターン、輪状パターン、及びリングパターンのうち少なくとも一つのパターンであり得るが、これに限定されるものではない。
【0029】
第1の電極層210は金属で形成することができる。例えば、第1の電極層210は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びこれらの選択的な組み合わせからなり得る。また、第1の電極層210は、オーミック特性を有する反射電極材料で単層又は多層に形成することができる。
【0030】
例えば、第1の電極層210は、上述した金属物質と、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrOx、RuOx、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITOのうち少なくとも一つを含むことができ、このような材料に限定されることはない。第1の電極層210がオーミック層としての役割をする場合、別途のオーミック層(図示せず)は形成されなくてもよい。
【0031】
次に、第2の電極層220は、発光構造物230と絶縁層240との間に形成され、第2の導電型半導体層232と接する。
【0032】
実施例によると、第2の電極層220は、第2の導電型半導体層232と絶縁層240との間に形成される伝導性透明層224を含むことができる。
【0033】
もし、第2の電極層220をソフトな金属で具現し、絶縁層240を堅固な酸化膜で具現する場合、第2の電極層220と絶縁層240は、その物質特性が非常に異なるので、熱膨張係数、強度及び信頼性が脆弱になり得る。また、第2の電極層220の役割は、基本的にオーミックを形成する目的を有するので、高い反射度を得るのに適切でない場合もある。
【0034】
したがって、本実施例では、強度において第2の導電型半導体層232及び絶縁層240と類似し、第2の導電型半導体層232とオーミック接触する物質を含み、反射率を極大化できる伝導性透明層224を第2の電極層220として使用する。このために、実施例による伝導性透明層224は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)又はGZO(gallium zinc oxide)のうち少なくとも一つを含んで構成することができる。
【0035】
また、第2の電極層220は、図1に示したように、伝導性透明層224と絶縁層240との間に形成される第1の反射層222をさらに含むことができる。すなわち、第2の電極層220は、絶縁層240上に第1の反射層222及び伝導性透明層224が順次積層された形態であってもよい。
【0036】
第1の反射層222は、伝導性透明層224の下側に接触し、反射率が50%以上の反射物質で形成することができる。第1の反射層222は、金属物質からなり、例えば、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びこれらの選択的な組み合わせで構成された金属物質で形成することができる。
【0037】
次に、絶縁層240は、第2の電極層220と第1の電極層210との間に形成され、第1の電極層210と第2の電極層220を電気的に絶縁させる。図示した状態で、絶縁層240は、第1の電極層210と第2の電極層220の第1の反射層222との間に形成される。
【0038】
また、絶縁層240は、第1の電極層210の周囲に形成され、第1の電極層210と他の層220、232、234との電気的なショートを遮断するようになる。すなわち、第1の電極層210が他の層220、232及び234を貫通して第1の導電型半導体層236と連結されるとき、絶縁層240は、第1の電極層210を他の層220、232及び234から絶縁させる役割をする。
【0039】
また、実施例によると、絶縁層242は、第2の導電型半導体層232の下側で第2の電極層220の縁部(又は、側壁)を取り囲み、第2の導電型半導体層232の側面ラインより突出しないように形成されている。
【0040】
このように、絶縁層242が第2の電極層220の縁部を取り囲む理由は、発光素子を単位チップに分離するとき、活性層234が第2の電極層220に含まれ得る金属成分によって汚染されることを防止するためである。したがって、単位チップに発光素子を分離するとき、発光構造物230の短絡を防止し、チップ生産の信頼性を向上させることができる。
【0041】
絶縁層240、242はSiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3で形成できるが、これについて限定することはない。
【0042】
上述した第2の電極層220と絶縁層240の厚さは、次の数式1のように表現することができる。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、dは、第2の電極層220又は絶縁層240の厚さを示し、mは整数で、λは、各層220又は240を通過する光の波長を示し、Nは、各層220又は240の屈折率を示す。
【0045】
次に、発光構造物230は第2の電極層220上に形成される。発光構造物230は、第2の導電型半導体層232、活性層234及び第1の導電型半導体層236が順次積層された形態であり得る。
【0046】
第2の導電型半導体層232は、第2の電極層220の上部面である伝導性透明層224上に形成することができる。
【0047】
第2の導電型半導体層232は半導体化合物で形成することができる。第2の導電型半導体層232は3族―5族、2族―6族などの化合物半導体で具現することができ、これには第2の導電型ドーパントをドーピングすることができる。例えば、第2の導電型半導体層232は、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質又はAlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうちいずれか一つ以上で形成することができる。第2の導電型半導体層232がP型半導体層である場合、第2の導電型ドーパントはMg、Zn、Ca、Sr、BaなどのP型ドーパントであり得る。第2の導電型半導体層232は単層又は多層に形成することができ、これについて限定することはない。
【0048】
活性層234は第2の導電型半導体層232上に形成され、単一井戸構造(Double Hetero Structure)、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子点構造又は量子線構造のうちいずれか一つを含むことができる。活性層234は、3族―5族元素の化合物半導体材料を用いて井戸層と障壁層、例えば、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN、InAlGaN/GaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのうちいずれか一つ以上のペア構造で形成できるが、これに限定されることはない。井戸層は、障壁層のバンドギャップより小さいバンドギャップを有する物質で形成することができる。
【0049】
活性層234と第1の導電型半導体層236との間又は活性層234と第2の導電型半導体層232との間には、導電型クラッド層(図示せず)を形成することもできる。
【0050】
導電型クラッド層は、活性層234の障壁層のバンドギャップより広いバンドギャップを有する半導体で形成することができる。例えば、導電型クラッド層は、GaN、AlGaN、InAlGaN又は超格子構造などを含むことができる。また、導電型クラッド層はn型又はp型ドーパントでドーピングすることができる。
【0051】
第1の導電型半導体層236は、活性層234上に半導体化合物で形成することができる。第1の導電型半導体層236は3族―5族、2族―6族などの化合物半導体で具現することができ、これには第1の導電型ドーパントをドーピングすることができる。例えば、第1の導電型半導体層236は、AlxInyGa(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質、InAlGaN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうちいずれか一つ以上で形成することができる。第1の導電型半導体層236がN型半導体層である場合、第1の導電型ドーパントはSi、Ge、Sn、Se、TeなどのN型ドーパントを含むことができる。第1の導電型半導体層236は単層又は多層に形成することができ、これについて限定することはない。
【0052】
第1の導電型半導体層236の上面には、光抽出効率を増加させるためにラフネス(roughness)250を形成することができる。
【0053】
次に、保護層270が発光構造物230の側面に形成される。また、保護層270は絶縁層242の側壁と第1の導電型半導体層236の上面にも形成できるが、これについて限定することはない。保護層270は、発光構造物230を電気的に保護するために絶縁物質で形成される。保護層270は、SiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3で形成できるが、これについて限定することはない。
【0054】
伝導性透明層224及び/又は第1の反射層222の一側領域は開放することができ、電極パッド290は、開放された一側領域上に形成される。電極パッド290は電極形態であり得る。
【0055】
図2A〜図2Fは、実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す。
【0056】
図2Aを参照すると、成長基板280上に発光構造物230を成長させる。成長基板280は、サファイア(Al2O3)、SiC、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Geのうち少なくとも一つで形成することができ、これについて限定することはない。
【0057】
発光構造物230は、成長基板280上に第1の導電型半導体層236、活性層234及び第2の導電型半導体層232を順次成長させることによって形成することができる。発光構造物230は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma―Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成することができ、これについて限定することはない。
【0058】
発光構造物230と成長基板280との間には、格子定数差を緩和するためにバッファー層(図示せず)及び/又はアンドープ窒化物層(図示せず)を形成することもできる。
【0059】
次に、図2Bを参照すると、単位チップ領域を基準にして第2の導電型半導体層232の側面と活性層234の側面が露出するように第2の導電型半導体層232及び活性層234を除去し、複数の離隔したチャンネルCを形成する。このとき、第1の導電型半導体層236も一部除去することができる。
【0060】
また、第2の導電型半導体層232及び活性層234を貫通して第1の導電型半導体層236を露出させる少なくとも一つの穴412及び414を形成する。このために、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いることができる。
【0061】
次に、図2Cを参照すると、図2Bに示した第2の導電型半導体層232の上部に、第2の電極層220を構成する伝導性透明層224と第1の反射層222を順次積層して形成する。このために、穴412及び414部分はフォトレジストで充填され、伝導性透明層224と第1の反射層222を形成した後、フォトレジストは除去される。
【0062】
次に、図2Dを参照すると、第2の電極層220の上部と穴412及び414の側面上に絶縁層240を形成する。このとき、絶縁層240は、穴412及び414の底には形成されない。また、第2の導電型半導体層232の上部で、第2の電極層220の縁部を取り囲むように絶縁層240, 242を形成する。
【0063】
次に、図2Eを参照すると、穴412及び414を導電性物質で充填し、第1の導電型半導体層236と接するように絶縁層240上に第1の電極層210を形成する。このとき、穴412及び414に充填されて第1の導電型半導体層236と接する第1の電極層210部分は接触電極211(図1参照)になる。そして、第1の電極層210上に支持基板201を形成する。支持基板201は、ボンディング方式、めっき方式又は蒸着方式で形成することができる。
【0064】
次に、図2Fを参照すると、レーザーリフトオフ方法又は化学的リフトオフ方法を用いて成長基板280を発光構造物230から除去する。図2Fは、成長基板280を除去した後、図2Eに示した構造物を裏返した状態を示す。
【0065】
次に、発光構造物230を単位チップ領域によって分離するアイソレーションエッチングを実施する。このとき、アイソレーションエッチングを実施する間、図2Fに示したように、第2の電極層220は、露出せずに絶縁層242によって十分に保護することができる。例えば、アイソレーションエッチングは、ICP(Inductively Coupled Plasma)のような乾式エッチング方法によって実施することができる。
【0066】
すなわち、絶縁層242は、アイソレーションエッチングを実施するときに、第2の電極層220に含まれた金属物質が活性層234に付着されることを防止する役割をする。絶縁層242が第2の電極層220の縁部を取り囲まない場合、アイソレーションエッチング過程で第2の電極層220の金属物質が活性層234に付着され、第2の電極層220と第1の電極層210にショートが発生し得る。アイソレーションエッチング過程で活性層234が金属物質で汚染されると、発光素子を廃棄しなければならないので、これが生産性低下の原因になる。しかし、本実施例では、アイソレーションエッチング過程で活性層234が金属物質で汚染される危険を根本的に防止し、生産性を向上させることができる。
【0067】
次に、図1に示したように、第1の導電型半導体層236の上面にラフネスパターン250を形成する。また、発光構造物230の側面と絶縁層242の側壁を覆う保護層270を形成する。保護層270は第1の導電型半導体層236の上面を覆うことができる。
【0068】
その後、チップ切断工程を通して構造物を単位チップ形態に切断する。チップ切断工程は、例えば、ブレード(blade)を用いて物理的な力を加えて分離させるブレイキング工程、チップ境界にレーザーを照射してチップを分離させるレーザースクライビング工程、湿式エッチング又は乾式エッチングを含むエッチング工程などを含むことができるが、これについて限定することはない。
【0069】
図1に示した発光素子は、図2A〜図2Fに示した製造方法によって限定されるものではなく、多様な製造方法によって製造することができる。
【0070】
第2の実施例
【0071】
図3は、他の実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【0072】
発光素子300は、支持基板201、第1の電極層210、第2の電極層320、発光構造物230、絶縁層240、保護層270及び電極パッド290を含む。
【0073】
図1と図3に示した支持基板201、第1の電極層210、発光構造物230、絶縁層240、保護層270及び電極パッド290はほぼ類似するので、これについての詳細な説明は省略する。
【0074】
図3に示した発光素子の第2の電極層320は、発光構造物230と絶縁層240との間に形成され、第2の導電型半導体層232と接し、所定間隔だけ互いに離隔して形成された複数の第2の反射層326を有する。
【0075】
図示したように、第2の電極層320は、第2の導電型半導体層232と絶縁層240との間に形成されるパターニングされた伝導性透明層324を含むことができる。このとき、複数の第2の反射層326は、パターニングされた伝導性透明層324の間に所定間隔だけ離隔して形成される。
【0076】
図3に示した伝導性透明層324は、図1に示した伝導性透明層224と同一の役割をし、同一の物質で具現することができる。第2の反射層326は、無指向性反射層(ODR:OmniDirectional Reflective)であって、例えば、絶縁層240と同一の物質で具現することができる。
【0077】
無指向性反射層326の屈折率は、第2の導電型半導体層232の屈折率より小さい。例えば、第2の導電型半導体層232が屈折率2.4のGaNで具現される場合、無指向性反射層326は、GaNより小さい屈折率を有する媒質である真空、空気、水、SiO2、Si3N4で具現することができる。
【0078】
したがって、本実施例による発光素子は、図3に示したように、第2の電極層320に向かって放出される全ての光のうち一部は第2の反射層326、すなわち、ODR層を通して全方位の角度で反射させることによって、従来の第2の電極層を通して吸収されて消滅された光の一部を反射させて発光効率を向上させることができ、パターニングされた伝導性透明層324はチップの電流分散効果をもたらすこともある。
【0079】
また、第2の電極層320は、パターニングされた伝導性透明層324と絶縁層240との間及び第2の反射層326と絶縁層240との間に形成された第1の反射層322をさらに含むことができる。第1の反射層322は、図1に示した第1の反射層222と同一の機能を行い、同一の物質で具現できるので、同一の部分についての詳細な説明は省略する。第1の反射層322は、伝導性透明層324を透過した光を反射させる役割をする。
【0080】
図4A〜図4Fは、実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す。
【0081】
図4A及び図4Bは、図2A及び図2Bとそれぞれ同一の工程であるので、これらについての説明は省略する。
【0082】
図4Cを参照すると、図4Bに示した第2の導電型半導体層232の上部に、第2の電極層320を構成する伝導性透明層324のパターンを形成し、形成されたパターンの間に第2の反射層326を形成する。次に、伝導性透明層324のパターンと第2の反射層326の上部に第1の反射層322を形成する。このために、穴412及び414部分はフォトレジストで充填され、第1の反射層322を形成した後、フォトレジストは除去される。
【0083】
次に、図4D〜図4Fは、図2D〜図2Fと同一の工程であるので、これらについての説明は省略する。
【0084】
図3に示した発光素子は、図4A〜図4Fに示した製造方法によって限定されるものではなく、多様な製造方法によって製造することができる。
【0085】
上述した発光素子の製造方法の実施例において、それぞれの工程の順序は変更可能であり、それぞれの工程の間に他の工程を追加したり、一部の工程を省略することもできる。
【0086】
図5は、実施例に係る発光素子パッケージを示す。
【0087】
発光素子パッケージ500は、パッケージ本体510、リードフレーム512、514、発光素子520、反射板525、ワイヤ530及び樹脂層540を含む。
【0088】
パッケージ本体510の上面にはキャビティを形成することができる。キャビティの側壁は傾斜するように形成することができる。パッケージ本体510は、シリコン基盤のウェハーレベルパッケージ、シリコン基板、シリコンカーバイド(SiC)、窒化アルミニウム(aluminum nitride、AlN)などのように絶縁性又は熱伝導度の良い基板で形成することができ、複数の基板が積層される構造であってもよい。実施例は、パッケージ本体510の材質、構造及び形状に限定されない。
【0089】
リードフレーム512及び514は、熱の排出や発光素子520の装着を考慮して互いに電気的に分離されるようにパッケージ本体510に配置される。発光素子520は、リードフレーム512及び514と電気的に連結される。発光素子520は、図1及び図3の実施例に示した発光素子であり得る。
【0090】
反射板525は、発光素子520から放出された光を所定の方向に指向させるようにパッケージ本体510のキャビティの側壁に形成される。反射板525は光反射物質からなり、例えば、金属コーティング又は金属薄片であり得る。
【0091】
樹脂層540は、パッケージ本体510のキャビティ内に位置する発光素子520を包囲し、発光素子520を外部環境から保護する。樹脂層540は、エポキシ又はシリコンなどの無色透明な高分子樹脂材質からなり得る。樹脂層540には、発光素子520から放出された光の波長を変化させるように蛍光体を含ませることができる。
【0092】
実施例に係る発光素子パッケージは、複数が基板上に配列され、発光素子パッケージの光経路上には、光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどを配置することができる。
【0093】
更に他の実施例は、上述した各実施例に記載した発光素子又は発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムに具現することができ、例えば、照明システムは、ランプ、街路灯を含むことができる。
【0094】
図6は、発光モジュールを有する照明装置の一実施例を示す図である。
【0095】
このような照明装置は、発光モジュール20と、発光モジュール20から発光された光の出射指向角を案内する光ガイド30とを含んで構成することができる。
【0096】
発光モジュール20は、回路基板(printed circuit board;PCB)21上に備えられる少なくとも一つの発光素子22を含むことができ、多数の発光素子22を回路基板21上に離隔するように配列することができる。発光素子22は、例えば、LED(light emitting diode)であって、図1及び図3の実施例に示した発光素子であり得る。
【0097】
光ガイド30は、発光モジュール20から発光される光を収束し、一定の指向角を有して開口部を介して出射できるようにし、内側面にはミラー面を有することができる。ここで、発光モジュール20と光ガイド30は、一定の間隔dだけ離隔するように設置することができる。
【0098】
このような照明装置は、上述したように、多数の発光素子22を収束して光を得る照明灯として使用できるものであって、特に、建物の天井や壁体内に埋め込まれて光ガイド30の開口部側が露出する埋込灯(ダウンライト)として用いることができる。
【0099】
以上では実施例を中心に説明したが、これは例示に過ぎないもので、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上で例示していない多様な変形と応用が可能であることが分かる。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施することができる。そして、このような変形と応用と関係した相違点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0100】
200 発光素子
201 支持基板
210 第1の電極層
220 第2の電極層
230 発光構造物
240 絶縁層
270 保護層
290 電極パッド
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、化合物半導体の特性を用いて電気を赤外線又は光に変換させて信号を取り交わしたり、光源として使用される半導体素子の一種である。
【0003】
III―V族窒化物半導体(group III―V nitride semiconductor)は、物理的及び化学的特性によって発光ダイオード(LED)又はレーザーダイオード(LD)などの発光素子の核心素材として脚光を浴びている。
【0004】
このような発光ダイオードは、白熱灯及び蛍光灯などの既存の照明器具に使用される水銀(Hg)などの環境有害物質を含んでいないので、優れた親環境性を有し、長い寿命と低電力消費特性などの長所があり、既存の各光源に取って代わるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例は、生産性を向上させることができ、光の反射効率の最大化によって光抽出効率を向上できる発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例の発光素子は、第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;第1の電極層;前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置された第2の電極層;及び前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接し、前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と接し、互いに所定間隔だけ離隔して配置された複数の第1の反射層を有する。
【0007】
前記第1の反射層は、無指向性反射層であり、前記絶縁層と同一の物質で形成することができる。例えば、前記第1の反射層は、SiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3を含むことができる。前記無指向性反射層の屈折率は前記第2の導電型半導体層の屈折率より小さく、前記無指向性反射層は真空、空気、水、SiO2又はSi3N4を含むことができる。
【0008】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含み、前記無指向性反射層は、前記伝導性透明層の間に配置することができる。前記伝導性透明層はパターンを有することができる。第2の電極層は、前記無指向性反射層の下部に配置された第2の反射層をさらに含むことができる。前記伝導性透明層は、前記第2の導電型半導体層と接することができる。
【0009】
前記第2の反射層は前記伝導性透明層の下部に配置することができる。前記無指向性反射層と前記伝導性透明層は、前記第2の反射層の上部の同一平面上に配置される。
【0010】
発光素子は、前記伝導性透明層の開放された一側領域の上部に配置された電極パッドをさらに含むことができる。
【0011】
他の実施例による発光素子は、第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;第1の電極層;前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置され、前記第2の導電型半導体層と接する第2の電極層;及び前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接することができる。
【0012】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含むことができ、前記伝導性透明層と前記絶縁層との間に配置された第1の反射層をさらに含むことができる。
【0013】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層とオーミック接触する物質を含むことができる。前記伝導性透明層は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)又はGZO(gallium zinc oxide)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
前記伝導性透明層の強度は、前記第2の導電型半導体層の強度と同一であって、前記絶縁層の強度と同一であり得る。
【発明の効果】
【0015】
実施例によると、発光構造物の第2の導電型半導体層と接する第2の電極層に、第2の導電型半導体層との間に大きな屈折率差を有する媒質からなるODR層を所定間隔だけ離隔するように複数設けるので、第2の電極層に向かって発光する光を最大限に反射させ、第2の電極層の吸収又は散乱されて消滅される光を確保することによって光抽出効率を向上させることができ、絶縁層が第2の電極層の縁部を取り囲むようにすることによってチップの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【図2A】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2B】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2C】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2D】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2E】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図2F】実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す図である。
【図3】他の実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【図4A】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4B】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4C】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4D】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4E】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図4F】実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す図である。
【図5】実施例に係る発光素子パッケージを示す図である。
【図6】発光モジュールを有する照明装置の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、各実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0018】
本実施例の説明において、各構成要素の「上」又は「下」(on or under)に形成されると記載される場合、上又は下(on or under)は、二つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、一つ以上の他の構成要素が前記二つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、「上」又は「下」(on or under)と表現される場合、一つの構成要素を基準にして上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0019】
図面において、各構成要素の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張又は省略したり、又は概略的に示しており、実際の大きさを必ずしも完全に反映するものではない。
【0020】
第1の実施例
【0021】
図1は、実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【0022】
発光素子200は、支持基板201、第1の電極層210、第2の電極層220、発光構造物230、絶縁層240、保護層270及び電極パッド290を含む。
【0023】
発光素子200は、複数の化合物半導体層、例えば、3族―5族元素の化合物半導体層を用いたLEDを含み、LEDは、青色、緑色又は赤色などの光を放出する有色LEDであるか、紫外線(UV:UltraViolet)LEDであり得る。LEDの放出光は多様な半導体を用いて具現することができ、これについて限定することはない。
【0024】
まず、支持基板201は、伝導性基板であり、発光構造物230を支持し、発光素子200の作動時に発生する熱を十分に発散させなければならないので、熱伝導度の高い金属を使用して形成することができる。
【0025】
例えば、支持基板201は、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タングステン(W)、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)で構成される群より選ばれる物質又はこれらの合金からなり、また、金(Au)、銅合金(Cu Alloy)、ニッケル(Ni)、銅―タングステン(Cu―W)、キャリアウェハー(例えば、GaN、Si、Ge、GaAs、ZnO、SiGe、SiC、SiGe、Ga2O3など)などを選択的に含むことができる。
【0026】
また、支持基板201は、全体の窒化物半導体に反りを発生させず、スクライビング(scribing)工程及びブレイキング(breaking)工程を通して別個のチップによく分離させる程度の機械的強度を有することができる。
【0027】
次に、第1の電極層210は支持基板201上に形成される。第1の電極層210は、第2の電極層220、第2の導電型半導体層232及び活性層234を貫通して第1の導電型半導体層236と接触する。すなわち、第1の電極層210は、支持基板201と接する下部電極層と、下部電極層から分岐して第1の導電型半導体層236に電気的に接触する少なくとも一つの接触電極211とを有する。
【0028】
第1の電極層210の接触電極211は、第1の導電型半導体層236に電流を円滑に供給できるように複数が互いに離隔するように形成することができる。接触電極211は、放射状パターン、十字状パターン、ライン状パターン、曲線状パターン、ループパターン、輪状パターン、及びリングパターンのうち少なくとも一つのパターンであり得るが、これに限定されるものではない。
【0029】
第1の電極層210は金属で形成することができる。例えば、第1の電極層210は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びこれらの選択的な組み合わせからなり得る。また、第1の電極層210は、オーミック特性を有する反射電極材料で単層又は多層に形成することができる。
【0030】
例えば、第1の電極層210は、上述した金属物質と、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrOx、RuOx、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、及びNi/IrOx/Au/ITOのうち少なくとも一つを含むことができ、このような材料に限定されることはない。第1の電極層210がオーミック層としての役割をする場合、別途のオーミック層(図示せず)は形成されなくてもよい。
【0031】
次に、第2の電極層220は、発光構造物230と絶縁層240との間に形成され、第2の導電型半導体層232と接する。
【0032】
実施例によると、第2の電極層220は、第2の導電型半導体層232と絶縁層240との間に形成される伝導性透明層224を含むことができる。
【0033】
もし、第2の電極層220をソフトな金属で具現し、絶縁層240を堅固な酸化膜で具現する場合、第2の電極層220と絶縁層240は、その物質特性が非常に異なるので、熱膨張係数、強度及び信頼性が脆弱になり得る。また、第2の電極層220の役割は、基本的にオーミックを形成する目的を有するので、高い反射度を得るのに適切でない場合もある。
【0034】
したがって、本実施例では、強度において第2の導電型半導体層232及び絶縁層240と類似し、第2の導電型半導体層232とオーミック接触する物質を含み、反射率を極大化できる伝導性透明層224を第2の電極層220として使用する。このために、実施例による伝導性透明層224は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)又はGZO(gallium zinc oxide)のうち少なくとも一つを含んで構成することができる。
【0035】
また、第2の電極層220は、図1に示したように、伝導性透明層224と絶縁層240との間に形成される第1の反射層222をさらに含むことができる。すなわち、第2の電極層220は、絶縁層240上に第1の反射層222及び伝導性透明層224が順次積層された形態であってもよい。
【0036】
第1の反射層222は、伝導性透明層224の下側に接触し、反射率が50%以上の反射物質で形成することができる。第1の反射層222は、金属物質からなり、例えば、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びこれらの選択的な組み合わせで構成された金属物質で形成することができる。
【0037】
次に、絶縁層240は、第2の電極層220と第1の電極層210との間に形成され、第1の電極層210と第2の電極層220を電気的に絶縁させる。図示した状態で、絶縁層240は、第1の電極層210と第2の電極層220の第1の反射層222との間に形成される。
【0038】
また、絶縁層240は、第1の電極層210の周囲に形成され、第1の電極層210と他の層220、232、234との電気的なショートを遮断するようになる。すなわち、第1の電極層210が他の層220、232及び234を貫通して第1の導電型半導体層236と連結されるとき、絶縁層240は、第1の電極層210を他の層220、232及び234から絶縁させる役割をする。
【0039】
また、実施例によると、絶縁層242は、第2の導電型半導体層232の下側で第2の電極層220の縁部(又は、側壁)を取り囲み、第2の導電型半導体層232の側面ラインより突出しないように形成されている。
【0040】
このように、絶縁層242が第2の電極層220の縁部を取り囲む理由は、発光素子を単位チップに分離するとき、活性層234が第2の電極層220に含まれ得る金属成分によって汚染されることを防止するためである。したがって、単位チップに発光素子を分離するとき、発光構造物230の短絡を防止し、チップ生産の信頼性を向上させることができる。
【0041】
絶縁層240、242はSiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3で形成できるが、これについて限定することはない。
【0042】
上述した第2の電極層220と絶縁層240の厚さは、次の数式1のように表現することができる。
【0043】
【数1】
【0044】
ここで、dは、第2の電極層220又は絶縁層240の厚さを示し、mは整数で、λは、各層220又は240を通過する光の波長を示し、Nは、各層220又は240の屈折率を示す。
【0045】
次に、発光構造物230は第2の電極層220上に形成される。発光構造物230は、第2の導電型半導体層232、活性層234及び第1の導電型半導体層236が順次積層された形態であり得る。
【0046】
第2の導電型半導体層232は、第2の電極層220の上部面である伝導性透明層224上に形成することができる。
【0047】
第2の導電型半導体層232は半導体化合物で形成することができる。第2の導電型半導体層232は3族―5族、2族―6族などの化合物半導体で具現することができ、これには第2の導電型ドーパントをドーピングすることができる。例えば、第2の導電型半導体層232は、InxAlyGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質又はAlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうちいずれか一つ以上で形成することができる。第2の導電型半導体層232がP型半導体層である場合、第2の導電型ドーパントはMg、Zn、Ca、Sr、BaなどのP型ドーパントであり得る。第2の導電型半導体層232は単層又は多層に形成することができ、これについて限定することはない。
【0048】
活性層234は第2の導電型半導体層232上に形成され、単一井戸構造(Double Hetero Structure)、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造、量子点構造又は量子線構造のうちいずれか一つを含むことができる。活性層234は、3族―5族元素の化合物半導体材料を用いて井戸層と障壁層、例えば、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN、InAlGaN/GaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのうちいずれか一つ以上のペア構造で形成できるが、これに限定されることはない。井戸層は、障壁層のバンドギャップより小さいバンドギャップを有する物質で形成することができる。
【0049】
活性層234と第1の導電型半導体層236との間又は活性層234と第2の導電型半導体層232との間には、導電型クラッド層(図示せず)を形成することもできる。
【0050】
導電型クラッド層は、活性層234の障壁層のバンドギャップより広いバンドギャップを有する半導体で形成することができる。例えば、導電型クラッド層は、GaN、AlGaN、InAlGaN又は超格子構造などを含むことができる。また、導電型クラッド層はn型又はp型ドーパントでドーピングすることができる。
【0051】
第1の導電型半導体層236は、活性層234上に半導体化合物で形成することができる。第1の導電型半導体層236は3族―5族、2族―6族などの化合物半導体で具現することができ、これには第1の導電型ドーパントをドーピングすることができる。例えば、第1の導電型半導体層236は、AlxInyGa(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質、InAlGaN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうちいずれか一つ以上で形成することができる。第1の導電型半導体層236がN型半導体層である場合、第1の導電型ドーパントはSi、Ge、Sn、Se、TeなどのN型ドーパントを含むことができる。第1の導電型半導体層236は単層又は多層に形成することができ、これについて限定することはない。
【0052】
第1の導電型半導体層236の上面には、光抽出効率を増加させるためにラフネス(roughness)250を形成することができる。
【0053】
次に、保護層270が発光構造物230の側面に形成される。また、保護層270は絶縁層242の側壁と第1の導電型半導体層236の上面にも形成できるが、これについて限定することはない。保護層270は、発光構造物230を電気的に保護するために絶縁物質で形成される。保護層270は、SiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3で形成できるが、これについて限定することはない。
【0054】
伝導性透明層224及び/又は第1の反射層222の一側領域は開放することができ、電極パッド290は、開放された一側領域上に形成される。電極パッド290は電極形態であり得る。
【0055】
図2A〜図2Fは、実施例に係る図1の発光素子の製造方法を示す。
【0056】
図2Aを参照すると、成長基板280上に発光構造物230を成長させる。成長基板280は、サファイア(Al2O3)、SiC、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Geのうち少なくとも一つで形成することができ、これについて限定することはない。
【0057】
発光構造物230は、成長基板280上に第1の導電型半導体層236、活性層234及び第2の導電型半導体層232を順次成長させることによって形成することができる。発光構造物230は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma―Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成することができ、これについて限定することはない。
【0058】
発光構造物230と成長基板280との間には、格子定数差を緩和するためにバッファー層(図示せず)及び/又はアンドープ窒化物層(図示せず)を形成することもできる。
【0059】
次に、図2Bを参照すると、単位チップ領域を基準にして第2の導電型半導体層232の側面と活性層234の側面が露出するように第2の導電型半導体層232及び活性層234を除去し、複数の離隔したチャンネルCを形成する。このとき、第1の導電型半導体層236も一部除去することができる。
【0060】
また、第2の導電型半導体層232及び活性層234を貫通して第1の導電型半導体層236を露出させる少なくとも一つの穴412及び414を形成する。このために、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程を用いることができる。
【0061】
次に、図2Cを参照すると、図2Bに示した第2の導電型半導体層232の上部に、第2の電極層220を構成する伝導性透明層224と第1の反射層222を順次積層して形成する。このために、穴412及び414部分はフォトレジストで充填され、伝導性透明層224と第1の反射層222を形成した後、フォトレジストは除去される。
【0062】
次に、図2Dを参照すると、第2の電極層220の上部と穴412及び414の側面上に絶縁層240を形成する。このとき、絶縁層240は、穴412及び414の底には形成されない。また、第2の導電型半導体層232の上部で、第2の電極層220の縁部を取り囲むように絶縁層240, 242を形成する。
【0063】
次に、図2Eを参照すると、穴412及び414を導電性物質で充填し、第1の導電型半導体層236と接するように絶縁層240上に第1の電極層210を形成する。このとき、穴412及び414に充填されて第1の導電型半導体層236と接する第1の電極層210部分は接触電極211(図1参照)になる。そして、第1の電極層210上に支持基板201を形成する。支持基板201は、ボンディング方式、めっき方式又は蒸着方式で形成することができる。
【0064】
次に、図2Fを参照すると、レーザーリフトオフ方法又は化学的リフトオフ方法を用いて成長基板280を発光構造物230から除去する。図2Fは、成長基板280を除去した後、図2Eに示した構造物を裏返した状態を示す。
【0065】
次に、発光構造物230を単位チップ領域によって分離するアイソレーションエッチングを実施する。このとき、アイソレーションエッチングを実施する間、図2Fに示したように、第2の電極層220は、露出せずに絶縁層242によって十分に保護することができる。例えば、アイソレーションエッチングは、ICP(Inductively Coupled Plasma)のような乾式エッチング方法によって実施することができる。
【0066】
すなわち、絶縁層242は、アイソレーションエッチングを実施するときに、第2の電極層220に含まれた金属物質が活性層234に付着されることを防止する役割をする。絶縁層242が第2の電極層220の縁部を取り囲まない場合、アイソレーションエッチング過程で第2の電極層220の金属物質が活性層234に付着され、第2の電極層220と第1の電極層210にショートが発生し得る。アイソレーションエッチング過程で活性層234が金属物質で汚染されると、発光素子を廃棄しなければならないので、これが生産性低下の原因になる。しかし、本実施例では、アイソレーションエッチング過程で活性層234が金属物質で汚染される危険を根本的に防止し、生産性を向上させることができる。
【0067】
次に、図1に示したように、第1の導電型半導体層236の上面にラフネスパターン250を形成する。また、発光構造物230の側面と絶縁層242の側壁を覆う保護層270を形成する。保護層270は第1の導電型半導体層236の上面を覆うことができる。
【0068】
その後、チップ切断工程を通して構造物を単位チップ形態に切断する。チップ切断工程は、例えば、ブレード(blade)を用いて物理的な力を加えて分離させるブレイキング工程、チップ境界にレーザーを照射してチップを分離させるレーザースクライビング工程、湿式エッチング又は乾式エッチングを含むエッチング工程などを含むことができるが、これについて限定することはない。
【0069】
図1に示した発光素子は、図2A〜図2Fに示した製造方法によって限定されるものではなく、多様な製造方法によって製造することができる。
【0070】
第2の実施例
【0071】
図3は、他の実施例に係る発光素子を示す断面図である。
【0072】
発光素子300は、支持基板201、第1の電極層210、第2の電極層320、発光構造物230、絶縁層240、保護層270及び電極パッド290を含む。
【0073】
図1と図3に示した支持基板201、第1の電極層210、発光構造物230、絶縁層240、保護層270及び電極パッド290はほぼ類似するので、これについての詳細な説明は省略する。
【0074】
図3に示した発光素子の第2の電極層320は、発光構造物230と絶縁層240との間に形成され、第2の導電型半導体層232と接し、所定間隔だけ互いに離隔して形成された複数の第2の反射層326を有する。
【0075】
図示したように、第2の電極層320は、第2の導電型半導体層232と絶縁層240との間に形成されるパターニングされた伝導性透明層324を含むことができる。このとき、複数の第2の反射層326は、パターニングされた伝導性透明層324の間に所定間隔だけ離隔して形成される。
【0076】
図3に示した伝導性透明層324は、図1に示した伝導性透明層224と同一の役割をし、同一の物質で具現することができる。第2の反射層326は、無指向性反射層(ODR:OmniDirectional Reflective)であって、例えば、絶縁層240と同一の物質で具現することができる。
【0077】
無指向性反射層326の屈折率は、第2の導電型半導体層232の屈折率より小さい。例えば、第2の導電型半導体層232が屈折率2.4のGaNで具現される場合、無指向性反射層326は、GaNより小さい屈折率を有する媒質である真空、空気、水、SiO2、Si3N4で具現することができる。
【0078】
したがって、本実施例による発光素子は、図3に示したように、第2の電極層320に向かって放出される全ての光のうち一部は第2の反射層326、すなわち、ODR層を通して全方位の角度で反射させることによって、従来の第2の電極層を通して吸収されて消滅された光の一部を反射させて発光効率を向上させることができ、パターニングされた伝導性透明層324はチップの電流分散効果をもたらすこともある。
【0079】
また、第2の電極層320は、パターニングされた伝導性透明層324と絶縁層240との間及び第2の反射層326と絶縁層240との間に形成された第1の反射層322をさらに含むことができる。第1の反射層322は、図1に示した第1の反射層222と同一の機能を行い、同一の物質で具現できるので、同一の部分についての詳細な説明は省略する。第1の反射層322は、伝導性透明層324を透過した光を反射させる役割をする。
【0080】
図4A〜図4Fは、実施例に係る図3の発光素子の製造方法を示す。
【0081】
図4A及び図4Bは、図2A及び図2Bとそれぞれ同一の工程であるので、これらについての説明は省略する。
【0082】
図4Cを参照すると、図4Bに示した第2の導電型半導体層232の上部に、第2の電極層320を構成する伝導性透明層324のパターンを形成し、形成されたパターンの間に第2の反射層326を形成する。次に、伝導性透明層324のパターンと第2の反射層326の上部に第1の反射層322を形成する。このために、穴412及び414部分はフォトレジストで充填され、第1の反射層322を形成した後、フォトレジストは除去される。
【0083】
次に、図4D〜図4Fは、図2D〜図2Fと同一の工程であるので、これらについての説明は省略する。
【0084】
図3に示した発光素子は、図4A〜図4Fに示した製造方法によって限定されるものではなく、多様な製造方法によって製造することができる。
【0085】
上述した発光素子の製造方法の実施例において、それぞれの工程の順序は変更可能であり、それぞれの工程の間に他の工程を追加したり、一部の工程を省略することもできる。
【0086】
図5は、実施例に係る発光素子パッケージを示す。
【0087】
発光素子パッケージ500は、パッケージ本体510、リードフレーム512、514、発光素子520、反射板525、ワイヤ530及び樹脂層540を含む。
【0088】
パッケージ本体510の上面にはキャビティを形成することができる。キャビティの側壁は傾斜するように形成することができる。パッケージ本体510は、シリコン基盤のウェハーレベルパッケージ、シリコン基板、シリコンカーバイド(SiC)、窒化アルミニウム(aluminum nitride、AlN)などのように絶縁性又は熱伝導度の良い基板で形成することができ、複数の基板が積層される構造であってもよい。実施例は、パッケージ本体510の材質、構造及び形状に限定されない。
【0089】
リードフレーム512及び514は、熱の排出や発光素子520の装着を考慮して互いに電気的に分離されるようにパッケージ本体510に配置される。発光素子520は、リードフレーム512及び514と電気的に連結される。発光素子520は、図1及び図3の実施例に示した発光素子であり得る。
【0090】
反射板525は、発光素子520から放出された光を所定の方向に指向させるようにパッケージ本体510のキャビティの側壁に形成される。反射板525は光反射物質からなり、例えば、金属コーティング又は金属薄片であり得る。
【0091】
樹脂層540は、パッケージ本体510のキャビティ内に位置する発光素子520を包囲し、発光素子520を外部環境から保護する。樹脂層540は、エポキシ又はシリコンなどの無色透明な高分子樹脂材質からなり得る。樹脂層540には、発光素子520から放出された光の波長を変化させるように蛍光体を含ませることができる。
【0092】
実施例に係る発光素子パッケージは、複数が基板上に配列され、発光素子パッケージの光経路上には、光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどを配置することができる。
【0093】
更に他の実施例は、上述した各実施例に記載した発光素子又は発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムに具現することができ、例えば、照明システムは、ランプ、街路灯を含むことができる。
【0094】
図6は、発光モジュールを有する照明装置の一実施例を示す図である。
【0095】
このような照明装置は、発光モジュール20と、発光モジュール20から発光された光の出射指向角を案内する光ガイド30とを含んで構成することができる。
【0096】
発光モジュール20は、回路基板(printed circuit board;PCB)21上に備えられる少なくとも一つの発光素子22を含むことができ、多数の発光素子22を回路基板21上に離隔するように配列することができる。発光素子22は、例えば、LED(light emitting diode)であって、図1及び図3の実施例に示した発光素子であり得る。
【0097】
光ガイド30は、発光モジュール20から発光される光を収束し、一定の指向角を有して開口部を介して出射できるようにし、内側面にはミラー面を有することができる。ここで、発光モジュール20と光ガイド30は、一定の間隔dだけ離隔するように設置することができる。
【0098】
このような照明装置は、上述したように、多数の発光素子22を収束して光を得る照明灯として使用できるものであって、特に、建物の天井や壁体内に埋め込まれて光ガイド30の開口部側が露出する埋込灯(ダウンライト)として用いることができる。
【0099】
以上では実施例を中心に説明したが、これは例示に過ぎないもので、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上で例示していない多様な変形と応用が可能であることが分かる。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施することができる。そして、このような変形と応用と関係した相違点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【符号の説明】
【0100】
200 発光素子
201 支持基板
210 第1の電極層
220 第2の電極層
230 発光構造物
240 絶縁層
270 保護層
290 電極パッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;
第1の電極層;
前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置された第2の電極層;及び
前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、
前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接し、
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と接し、互いに所定間隔だけ離隔して配置された複数の第1の反射層を有する発光素子。
【請求項2】
前記第1の反射層は無指向性反射層である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の反射層は前記絶縁層と同一の物質で形成される、請求項1又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1の反射層はSiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項5】
前記無指向性反射層の屈折率は前記第2の導電型半導体層の屈折率より小さい、請求項2〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記無指向性反射層は真空、空気、水、SiO2又はSi3N4を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含み、
前記無指向性反射層は前記伝導性透明層の間に配置された、請求項2〜6のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記伝導性透明層はパターンを有する、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記第2の電極層は、前記無指向性反射層の下部に配置された第2の反射層をさらに含む、請求項2〜8のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項10】
前記伝導性透明層は前記第2の導電型半導体層と接する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項11】
前記第2の反射層は前記伝導性透明層の下部に配置された、請求項9又は10に記載の発光素子。
【請求項12】
前記無指向性反射層と前記伝導性透明層は、前記第2の反射層の上部の同一平面上に配置された、請求項9〜11のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記伝導性透明層の開放された一側領域の上部に配置された電極パッドをさらに含む、請求項7〜12のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項14】
第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;
第1の電極層;
前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置され、前記第2の導電型半導体層と接する第2の電極層;及び
前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、
前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接する発光素子。
【請求項15】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含む、請求項14に記載の発光素子。
【請求項16】
前記第2の電極層は、前記伝導性透明層と前記絶縁層との間に配置された第1の反射層をさらに含む、請求項15に記載の発光素子。
【請求項17】
前記第2の電極層は前記第2の導電型半導体層とオーミック接触する物質を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項18】
前記伝導性透明層は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)又はGZO(gallium zinc oxide)のうち少なくとも一つを含む、請求項7〜13及び請求項15〜17のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項19】
前記伝導性透明層の強度は前記第2の導電型半導体層の強度と同一である、請求項7〜13及び請求項15〜18のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項20】
前記伝導性透明層の強度は前記絶縁層の強度と同一である、請求項7〜13及び請求項15〜19のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項1】
第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;
第1の電極層;
前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置された第2の電極層;及び
前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、
前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接し、
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と接し、互いに所定間隔だけ離隔して配置された複数の第1の反射層を有する発光素子。
【請求項2】
前記第1の反射層は無指向性反射層である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の反射層は前記絶縁層と同一の物質で形成される、請求項1又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第1の反射層はSiO2、SiOx、SiOxNy、Si3N4、Al2O3を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項5】
前記無指向性反射層の屈折率は前記第2の導電型半導体層の屈折率より小さい、請求項2〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記無指向性反射層は真空、空気、水、SiO2又はSi3N4を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含み、
前記無指向性反射層は前記伝導性透明層の間に配置された、請求項2〜6のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記伝導性透明層はパターンを有する、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記第2の電極層は、前記無指向性反射層の下部に配置された第2の反射層をさらに含む、請求項2〜8のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項10】
前記伝導性透明層は前記第2の導電型半導体層と接する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項11】
前記第2の反射層は前記伝導性透明層の下部に配置された、請求項9又は10に記載の発光素子。
【請求項12】
前記無指向性反射層と前記伝導性透明層は、前記第2の反射層の上部の同一平面上に配置された、請求項9〜11のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記伝導性透明層の開放された一側領域の上部に配置された電極パッドをさらに含む、請求項7〜12のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項14】
第1の導電型半導体層、活性層及び第2の導電型半導体層を含む発光構造物;
第1の電極層;
前記発光構造物と前記第1の電極層との間に配置され、前記第2の導電型半導体層と接する第2の電極層;及び
前記第2の導電型半導体層の下側で前記第2の電極層の縁部を取り囲み、前記第2の電極層と前記第1の電極層との間に配置された絶縁層;を含み、
前記第1の電極層は、前記第2の電極層、前記第2の導電型半導体層及び前記活性層を貫通して前記第1の導電型半導体層に接する発光素子。
【請求項15】
前記第2の電極層は、前記第2の導電型半導体層と前記絶縁層との間に配置された伝導性透明層を含む、請求項14に記載の発光素子。
【請求項16】
前記第2の電極層は、前記伝導性透明層と前記絶縁層との間に配置された第1の反射層をさらに含む、請求項15に記載の発光素子。
【請求項17】
前記第2の電極層は前記第2の導電型半導体層とオーミック接触する物質を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項18】
前記伝導性透明層は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)又はGZO(gallium zinc oxide)のうち少なくとも一つを含む、請求項7〜13及び請求項15〜17のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項19】
前記伝導性透明層の強度は前記第2の導電型半導体層の強度と同一である、請求項7〜13及び請求項15〜18のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項20】
前記伝導性透明層の強度は前記絶縁層の強度と同一である、請求項7〜13及び請求項15〜19のいずれか1項に記載の発光素子。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−102162(P2013−102162A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245060(P2012−245060)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(510039426)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (279)
【Fターム(参考)】
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