説明

発光表示装置

【課題】均一な輝度の映像を表示することができる発光表示装置を提供する。
【解決手段】互いに平行に形成される走査線および発光制御線を駆動する走査駆動部110と,前記走査線および発光制御線と交差する方向に形成されるデータ線を駆動するデータ駆動部120と,前記走査線,発光制御線およびデータ線に接続される画素140と,前記データ線と平行に形成され,一側は基準電源に接続され,他側は電流源に接続される補助ラインと,前記補助ラインと前記走査線との交差部に近接する位置に配置される連結部310と,前記連結部に接続され,前記連結部から供給される電圧を前記データ駆動部に伝達する電圧伝達部320と,を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,本発明は発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,CRT(Cathode Ray Tube)方式の表示装置の短所である重さと体積を減少させた各種平板表示装置が開発されている。平板表示装置としては,液晶表示装置(Liquid Crystal Display),電界放出表示装置(Field Emission Display),プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel)および発光表示装置(Light Emitting Display)などが挙げられる。平板表示装置のうちで,発光表示装置は,電子と正孔の再結合によって光を発生する発光素子を利用して映像を表示する。このような発光表示装置は,信号の入力から映像を表示するまでの応答速度が速く,同時に低い消費電力で駆動されるという長所がある。
【0003】
図1は,従来の発光表示装置の構成を示したブロック図である。
【0004】
図1を参照すると,従来の発光表示装置は,走査線S1〜Sおよびデータ線D1〜Dmに接続された,複数の画素40を含む画素部30と,走査線S1〜Sを駆動する走査駆動部10と,データ線D1〜Dmを駆動するデータ駆動部20と,走査駆動部10およびデータ駆動部20を制御するタイミング制御部50とを備える。
【0005】
タイミング制御部50は,外部から供給(入力)される同期信号に基づいて,データ駆動制御信号DCSおよび走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部50により生成されたデータ駆動制御信号DCSはデータ駆動部20に出力され,走査駆動制御信号SCSは走査駆動部10に出力される。そして,タイミング制御部50は外部から供給されるデータをデータ駆動部20に出力する。
【0006】
走査駆動部10は,タイミング制御部50から走査駆動制御信号SCSの入力を受ける。走査駆動部10は,走査駆動制御信号SCSが入力されると走査信号を生成し,生成した走査信号を走査線S1〜Sに順次供給する。
【0007】
データ駆動部20は,タイミング制御部50からデータ駆動制御信号DCSの入力を受ける。データ駆動部20は,データ駆動制御信号DCSの入力を受けるとデータ信号を生成し,生成したデータ信号を走査信号と同期するようにデータ線D1〜Dmに出力する。
【0008】
画素部30は,外部から第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSの供給を受け,これを各画素40に供給する。各画素40は,第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSを供給されると,データ信号に基づいて第1電源ELVDDから発光素子を介して第2電源ELVSSに流れる電流を制御し,発光素子を発光させる。
【0009】
すなわち,従来の発光表示装置の各画素40は,データ信号に基づいて所定輝度の光を生成する。しかし,従来の発光表示装置では,各画素40に含まれるトランジスタの閾値電圧の不均一性および電子移動度(electron mobility)の偏差により,所望する輝度の映像を表示することができないという問題点があった。
【0010】
上述した各画素40に含まれるトランジスタの閾値電圧の不均一性は,画素40に含まれる画素回路の構造を制御することである程度補償することができるが,電子移動度の偏差を補償することはできない。したがって,電子移動度の偏差と無関係に所望する輝度の画像を表示できる発光表示装置の開発が要求されている。
【0011】
一方,前記従来の発光表示装置に関する技術を記載した文献として,下記特許文献1等が挙げられる。
【0012】
【特許文献1】特開第2003−186457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,画素毎の輝度特性の不均一性を解消した映像を表示することが可能な,新規かつ改良された発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,走査線と,走査線に平行して形成される発光制御線を駆動する走査駆動部と;走査線および発光制御線と交差する方向に形成されるデータ線を駆動するデータ駆動部と;走査線,発光制御線およびデータ線に接続される画素と;データ線と平行に形成され,一側は基準電源に接続され,他側は電流源に接続される補助ラインと;補助ラインと走査線との交差部に近接する位置に配置される連結部と;連結部に接続され,連結部から供給される電圧をデータ駆動部に伝達する電圧伝達部と;を備えることを特徴とする,発光表示装置が提供される。
【0015】
走査駆動部は,走査線に走査信号を順次供給し,発光制御線に発光制御信号を順次供給し,データ駆動部は,各水平期間の第1期間は,データ線を介して走査信号によって選択された画素から所定の電流の供給を受け,所定の電流が供給される期間に生成される補償電圧を利用し,データ信号の電圧値を設定して,水平期間の第1期間を除いた第2期間に,電圧値を設定したデータ信号を画素に供給するとしてもよい。
【0016】
電流源は,基準電源から,補助ラインに所定の電流と同じ電流値の電流を供給するとしてもよい。
【0017】
所定の電流の電流値は,画素が最大輝度で発光する時に発光素子に流れるべき電流の電流値と同一の値に設定されるとしてもよい。
【0018】
連結部は,走査線に走査信号が供給される時にターンオンされ,補助ラインと電圧伝達部とを電気的に接続する,少なくとも一つのトランジスタを備えるとしてもよい。
【0019】
電圧伝達部は,少なくとも一つのバッファを備えるとしてもよい。
【0020】
電圧伝達部からデータ駆動部に供給される電圧の電圧値は,基準電源の電圧値から補助ラインの電圧降下電圧を減算した値に設定されるとしてもよい。
【0021】
データ駆動部は,電圧伝達部から供給される電圧と基準電源との電位差に基づいて補償電圧を昇圧するとしてもよい。
【0022】
補助ラインは,データ線の左側または右側に形成されるとしてもよい。
【0023】
画素は,第1電源と;第1電源から電流の供給を受ける発光素子と;データ線に接続され,現在走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第1トランジスタおよび第2トランジスタと;第1トランジスタの第2電極と基準電源の間に接続され,以前走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第3トランジスタと;発光素子に供給される電流量を制御する第4トランジスタと;第4トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続されて以前走査線に走査信号が供給される時ターンオンされて第4トランジスタをダイオード形態で接続する第5トランジスタと;を備えるとしてもよい。
【0024】
画素は,第1トランジスタの第2電極と第1電源との間に接続される第1キャパシタと;第1トランジスタの第2電極と第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;を備えるとしてもよい。
【0025】
画素は,第4トランジスタのゲート電極と第1電源との間に接続される第1キャパシタと;第1トランジスタの第2電極と第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;を備えるとしてもよい。
【0026】
画素は,第4トランジスタの第2電極と発光素子の間に接続され,発光制御信号が供給されている期間ではターンオフされて,それ以外の期間ではターンオンされる第6トランジスタを備えるとしてもよい。
【0027】
また,本発明の別の観点によれば,走査線,発光制御線およびデータ線に接続される画素を備える画素部と,走査線に走査信号を順次供給し,発光制御線に発光制御信号を順次供給する走査駆動部と;各水平期間の第1期間ではデータ線を介して走査信号によって選択された画素から所定の電流の供給を受け,所定の電流が供給される時に生成される補償電圧を利用してデータ信号の電圧値を設定し,水平期間の第1期間を除いた第2期間に,電圧値を設定したデータ信号を画素に供給するためのデータ駆動部と;走査信号が供給される水平期間ごとに所定電圧ずつ上昇させた電圧を生成し,生成した電圧をデータ駆動部に供給する電圧発生部と;を備えることを特徴とする,発光表示装置が提供される。
【0028】
電圧発生部は,外部から水平同期信号が供給される度に所定電圧ずつ上昇させた電圧をデータ駆動部に供給し,外部から垂直同期信号が供給されると,生成した電圧の電圧値が初期化されるとしてもよい。
【0029】
電圧発生部により生成される電圧は,データ線で発生する補償電圧の電圧降下電圧と同一の電圧値に設定されるとしてもよい。
【0030】
データ駆動部は,補償電圧の電圧値を,電圧発生部から生成される電圧の電圧値ほど昇圧するとしてもよい。
【0031】
電圧発生部とデータ駆動部との間に接続され,外部より供給される基準電源の電圧値から,電圧発生部より供給される電圧を減算して生成される第2基準電源をデータ駆動部に供給する減算部をさらに備えるとしてもよい。
【0032】
データ駆動部は,補償電源の電圧値を,基準電源と第2基準電源の電位差ほど昇圧するとしてもよい。
【0033】
画素は,第1電源と;第1電源から電流の供給を受ける発光素子と;データ線に接続され,現在走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第1トランジスタおよび第2トランジスタと;第1トランジスタの第2電極と基準電源との間に接続され,以前走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第3トランジスタと;発光素子に供給される電流量を制御する第4トランジスタと;第4トランジスタのゲート電極と第2電極との間に接続され,以前走査線に走査信号が供給される時にターンオンされて第4トランジスタをダイオード形態で接続させる第5トランジスタと:を備えるとしてもよい。
【0034】
画素は,第1トランジスタの第2電極と第1電源との間に接続される第1キャパシタと;第1トランジスタの第2電極と第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;を備えるとしてもよい。
【0035】
画素は,第4トランジスタのゲート電極と第1電源との間に接続される第1キャパシタと;第1トランジスタの第2電極と第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;を備えるとしてもよい。
【0036】
画素は,第4トランジスタの第2電極と発光素子の間に接続され,発光制御信号が供給されている期間ではターンオフされ,それ以外の期間ではターンオンされる第6トランジスタをさらに備えるとしてもよい。
【発明の効果】
【0037】
上述したように,本発明の一実施形態による発光表示装置によれば,画素毎の輝度特性の不均一性を解消した映像を表示することができる。
【0038】
また,本発明の他の一実施形態による発光表示装置によれば,データ線の電圧降下を補償し,所望する輝度の映像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0040】
図2は,本発明の一実施形態による発光表示装置の構成を示したブロック図である。図2を参照すると,本発明の一実施形態による発光表示装置は,走査線S1〜Snと発光制御線E1〜Enおよびデータ線D1〜Dmに接続され,複数の画素140を含む画素部130と,走査線S1〜Snおよび発光制御線E1〜Enを駆動する走査駆動部110と,データ線D1〜Dmを駆動するデータ駆動部120と,走査駆動部110およびデータ駆動部120を制御するタイミング制御部150とを備える。
【0041】
画素部130は,走査線S1〜S,発光制御線E1〜Enおよびデータ線D1〜Dmによって区画された領域に形成される画素140を備える。画素140は,外部から第1電源ELVDD,第2電源ELVSSおよび基準電源Vrefの供給を受ける。基準電源Vrefの供給を受けた各画素140は,基準電源Vrefと第1電源ELVDDとの差値を利用して第1電源ELVDDの電圧降下を補償する。
【0042】
そして,各画素140は,データ線D1〜Dmを介して入力されたデータ信号に基づいて第1電源ELVDDから発光素子(図示せず。)を介して第2電源ELVSSに所定の電流を供給(出力)する。具体的には,各画素140は図3または図5のように構成することができる。図3または図5に図示された画素140の詳細な構造は後述する。
【0043】
タイミング制御部150は,外部から入力される同期信号に基づいてデータ駆動制御信号DCSおよび走査駆動制御信号SCSを生成する。タイミング制御部150により生成されたデータ駆動制御信号DCSはデータ駆動部120に出力され,走査駆動制御信号SCSは走査駆動部110に出力される。そして,タイミング制御部150は,外部から入力されるデータをデータ駆動部120に出力する。
【0044】
走査駆動部110は,走査駆動制御信号SCSが入力されると,走査線S1〜Snに走査信号を順次出力する。また,走査駆動部110は,走査駆動制御信号SCSが入力されると,発光制御線E1〜Enに発光制御信号を順次出力する。ここで,発光制御信号は2個の連続する走査信号に基づいて生成され,出力される。すなわち,発光制御信号の幅は,走査信号の幅と同じか,または走査信号の幅より広く設定される。
【0045】
データ駆動部120は,タイミング制御部150からデータ駆動制御信号DCSが入力されると,データ駆動部120はデータ信号を生成し,生成したデータ信号をデータ線D1〜Dmに供給する。ここで,データ駆動部120は,少なくとも一つのデータ駆動回路200を備え,1水平期間(1H)のうち第1期間では,データ線D1〜Dmに所定の電流を供給し,1水平期間のうち第1期間を除いた第2期間では,データ線D1〜Dmに所定の電圧を供給する。以後,説明の便宜性のために,第2期間にデータ線D1〜Dmに供給される電圧をデータ信号と言う。
【0046】
図3は,図2に図示された画素の一例を現わす説明図である。図3では説明の便宜性のために,第mデータ線Dm,第n−1走査線Sn−1(以下,Sn−1と表す。),と第n走査線Sn(以下,Sと表す。)および第n発光制御線Enに接続された画素を図示する。
【0047】
図3を参照すると,本実施形態における画素140は発光素子OLED,発光素子OLEDに電流を供給するための画素回路142を備える。
【0048】
発光素子OLEDは,有機物質,燐鉱物質および/または無機物質などで形成され,画素回路142から供給される電流に基づいて所定の光を生成する。
【0049】
画素回路142は,第n−1走査線Sn−1(以前走査線)に走査信号が供給されるとき,第1電源ELVDDの電圧降下と第4トランジスタM4の閾値電圧を補償し,第n走査線S(現在走査線)に走査信号が供給されるとき,データ信号に対応する電圧を充電する。ここで,現在走査線と以前走査線は,共に任意の画素回路142に走査信号を供給し,以前走査線を介して該画素回路142に走査信号が供給された後に,現在走査線を介して該画素回路142に次の走査信号が供給されることとなる。画素回路142は,第1トランジスタM1〜第6トランジスタM6と,第1キャパシタC1と,第2キャパシタC2とを備える。
【0050】
第1トランジスタM1の第1電極はデータ線Dmに接続され,第2電極は第1ノードN1に接続される。そして,第1トランジスタM1のゲート電極は第n走査線Sに接続される。このような第1トランジスタM1は,第n走査線Sに走査信号が供給されるとターンオンされ,データ線Dmと第1ノードN1とを電気的に接続させる。
【0051】
第2トランジスタM2の第1電極はデータ線Dmに接続さ,第2電極は第4トランジスタM4の第2電極に接続される。そして,第2トランジスタM2のゲート電極は第n走査線Sに接続される。このような第2トランジスタM2は,第n走査線Sに走査信号が供給されるとターンオンされ,データ線Dmと第4トランジスタM4の第2電極とを電気的に接続させる。
【0052】
第3トランジスタM3の第1電極は基準電源Vrefに接続されて,第2電極は第1ノードN1に接続される。そして,第3トランジスタM3のゲート電極は第n−1走査線Sn−1に接続される。このような第3トランジスタM3は,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されるとターンオンされ,基準電源Vrefと第1ノードN1とを電気的に接続させる。
【0053】
第4トランジスタM4の第1電極は第1電源ELVDDに接続され,第2電極は第6トランジスタM6の第1電極に接続される。そして,第4トランジスタM4のゲート電極は第2ノードN2に接続される。このような第4トランジスタM4は,第2ノードN2に印加される電圧,すなわち,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2に充電された電圧に対応する電流を,第6トランジスタM6の第1電極に供給する。
【0054】
第5トランジスタM5の第2電極は第2ノードN2に接続され,第1電極は第4トランジスタM4の第2電極に接続される。そして,第5トランジスタM5のゲート電極は第n−1走査線Sn−1に接続される。このような第5トランジスタM5は,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されるとターンオンされ,第4トランジスタM4をダイオード形態で接続させる。
【0055】
第6トランジスタM6の第1電極は第4トランジスタM4の第2電極に接続され,第2電極は発光素子OLEDのアノード電極に接続される。そして,第6トランジスタM6のゲート電極は第n発光制御線Enに接続される。このような第6トランジスタM6は,第n発光制御線Enに発光制御信号が供給されるとターンオフされて,発光制御信号が供給されていないとターンオンされる。ここで,第n発光制御線Enに供給される発光制御信号は,第n−1走査線Sn−1および第n走査線Sに供給される走査信号と対応するように供給される。
【0056】
したがって,第6トランジスタM6は,第n−1走査線Sn−1および第n走査線Sに走査信号が供給されて第1キャパシタC1および第2キャパシタC2に所定の電圧が充電される時ターンオフされ,それ以外の場合にターンオンされて第4トランジスタM4と発光素子OLEDとを電気的に接続する。一方,図3では説明の便宜性のためにトランジスタM1〜M6をPMOSタイプに図示したが,本実施形態はこれに限定されない。
【0057】
そして,図3に示した画素140において,基準電源Vrefは発光素子OLEDに電流を供給しない。すなわち,基準電源Vrefは画素140に電流を供給しないため,電圧降下が生じず,画素140の位置と無関係に同じ電圧値を維持することができる。ここで,基準電源Vrefの電圧値は第1電源ELVDDと同一の値に設定しても,異なる値に設定してもよい。
【0058】
図4は,図3に図示された画素の駆動方法を現わす波形図である。図4において,1水平期間(1H)は第1期間および第2期間に分けられる。第1期間では,データ線D1〜Dmには所定の電流(PC:Predetermined Current)が流れ,第2期間では,データ信号DSが供給される。すなわち,第1期間では,画素140からデータ駆動回路200に所定の電流PCが供給される(Current Sink)。そして,第2期間では,データ駆動回路200から画素140にデータ信号DSが供給される。以後,説明の便宜性のために基準電源Vrefと第1電源ELVDDの初期電圧値が同一の値に設定されると仮定する。
【0059】
図3および図4を用いて動作過程を詳しく説明すると,まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される。第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されると,第3トランジスタM3および第5トランジスタM5がターンオンされる。第5トランジスタM5がターンオンされると,第4トランジスタM4がダイオード形態に接続される。第4トランジスタM4がダイオード形態に接続されると,第2ノードN2には第1電源ELVDDから第4トランジスタM4の閾値電圧を差し引いた電圧値が印加される。
【0060】
そして,第3トランジスタM3がターンオンされると,基準電源Vrefの電圧が第1ノードN1に印加される。このとき,第2キャパシタC2は,第1ノードN1と第2ノードN2の差に対応する電圧を充電する。また,基準電源Vrefと第1電源ELVDDの電圧値が同一の値であると仮定すると,第2キャパシタC2には第4トランジスタM4の閾値電圧に対応する電圧が充電される。そして,第1電源ELVDDで所定の電圧降下が発生した場合,第2キャパシタC2には第4トランジスタM4の閾値電圧および第1電源ELVDDの電圧降下電圧が充電される。
【0061】
すなわち,本実施形態では第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される期間,第1電源ELVDDの電圧降下電圧および第4トランジスタM4の閾値電圧が第2キャパシタC2に充電され,第1電源ELVDDの電圧降下を補償することができる。
【0062】
第2キャパシタC2に所定の電圧が充電された後,第n走査線Sに走査信号が供給される。第n走査線Sに走査信号が供給されると,第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオンされる。第2トランジスタM2がターンオンされると,1水平期間の第1期間に所定の電流PCが画素140からデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。
【0063】
すなわち,所定の電流PCは第1電源ELVDD,第4トランジスタM4,第2トランジスタM2およびデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。この時,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2には所定の電流PCの電流値に基づいて所定の電圧が充電される。
【0064】
一方,データ駆動回路200は所定の電流PCがシンクされる際発生する所定の電圧値(以後,補償電圧,という。)を利用してガンマ電圧部(図示せず)の電圧を設定し,設定されたガンマ電圧部の電圧を利用してデータ信号DSを生成する。そして,1水平期間の第2期間にデータ信号DSが第1トランジスタM1を経由して第1ノードN1に供給される。
【0065】
すると,第1キャパシタC1にはデータ信号DSと第1電源ELVDD1との差値に対応する電圧が充電される。この時,第2ノードN2はフローティング状態となっているため,第2キャパシタC2は以前に充電された電圧を維持する。すなわち,本実施形態では以前走査線に走査信号が供給される期間に,第2キャパシタC2に第4トランジスタM4の閾値電圧および第1電源ELVDDの電圧降下に対応する電圧を充電することで,第1電源ELVDDの電圧降下および第4トランジスタM4の閾値電圧を補償することができる。
【0066】
そして,本実施形態によると現在走査線に走査信号が供給される期間では,画素140に含まれたトランジスタの移動度などが補償されるように,ガンマ電圧部の電圧を再設定し,再設定されたガンマ電圧を利用して生成されたデータ信号をデータ線に供給する。したがって,本実施形態ではトランジスタの閾値電圧,移動度などの不均一性を補償して所望する輝度の画像を表示することができる。なお,ガンマ電圧部の電圧が再設定される過程等は後述する。
【0067】
図5は,図2に図示された画素140の他の例を現わす図面である。第1キャパシタC1が,第2ノードN2と第1電源ELVDDとの間に設置されることを除き,図5は図3と同じ構成で設定される。
【0068】
図4および図5を参照して動作過程を詳しく説明する。まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される。第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されると,第3トランジスタM3および第5トランジスタM5がターンオンされる。第5トランジスタM5がターンオンされると,第4トランジスタM4がダイオード形態に接続される。第4トランジスタM4がダイオード形態に接続されると,第2ノードN2には第1電源ELVDDから第4トランジスタM4の閾値電圧を差し引いた電圧値が印加される。したがって,第1キャパシタC1には,第4トランジスタM4の閾値電圧に対応される電圧が充電される。
【0069】
そして,第3トランジスタM3がターンオンされれば基準電源Vrefの電圧が第1ノードN1に印加される。すると,第2キャパシタC2は,第1ノードN1と第2ノードN2の電位差に対応される電圧が充電される。ここで,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される期間は,第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオフされるため,データ信号DSは画素140に供給されない。
【0070】
以後,第n走査線Sに走査信号が供給され,第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオンされる。第2トランジスタM2がターンオンされると,1水平期間の第1期間には,所定の電流PCが画素140からデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。
【0071】
すなわち,所定の電流PCは,第1電源ELVDD,第4トランジスタM4,第2トランジスタM2およびデータ線Dmを経由してデータ駆動回路200に供給される。この時,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2は,所定の電流PCに基づいて所定の電圧が充電される。
【0072】
一方,データ駆動回路200は,所定の電流PCに基づいて印加される補償電圧を利用してガンマ電圧部の電圧を再設定し,再設定されたガンマ電圧部の電圧を利用してデータ信号DSを生成する。
【0073】
以後,1水平期間の第2期間の間データ信号DSが第1ノードN1に供給される。すると,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2は,データ信号DSに基づいて所定の電圧が充電される。
【0074】
すなわち,第1ノードN1にデータ信号DSが供給されれば,第1ノードN1の電圧は,基準電源Vrefからデータ信号DSの電圧に下降する。この時,第2ノードN2はフローティングされているため,第2ノードN2の電圧値も第1ノードN1の電圧下降量に対応して下降する。この場合,第2ノードN2で下降する電圧値は,第1キャパシタC1および第2キャパシタC2の容量によって決定される。
【0075】
第2ノードN2の電圧が下降すると,第1キャパシタC1には,第2ノードN2の電圧値に基づいて所定の電圧が充電される。ここで,基準電源Vrefの電圧値は一定であるから第1キャパシタC1に充電される電圧は,データ信号DSによって決定される。つまり,図5に図示された画素140のキャパシタC1,C2には,基準電源Vrefとデータ信号DSによって決定される電圧が充電されるため,第1電源ELVDDの電圧降下に無関係に所望の電圧を充電されることとなる。
【0076】
そして,本実施形態では,画素140に含まれたトランジスタの移動度などが補償されるようにガンマ電圧部の電圧を再設定して,再設定したガンマ電圧を利用して生成したデータ信号を画素140に供給することができる。したがって,本実施形態では,トランジスタの閾値電圧,移動度などのバラ付きを補償して均一な画像を表示することが可能である。
【0077】
図6は,図2に図示されたデータ駆動回路の第1実施形態を現わすブロック図である。図6では説明の便宜性のために,データ駆動回路200がj(jは2以上の自然数)個のチャンネルを持つと仮定する。
【0078】
図6を参照すると,本発明の第1実施形態によるデータ駆動回路200は,シフトレジスター部210,サンプリングラッチ部220,ホルディングラッチ部230,ガンマ電圧部240,デジタル−アナログ変換部250(以下,DAC部,とする。),第1バッファ部270,第2バッファ部260,電流供給部280および選択部290を備える。
【0079】
シフトレジスター部210は,タイミング制御部150からソースシフトクロックSSCおよびソーススタートパルスSSPの供給を受ける。タイミング制御部150からソースシフトクロックSSCおよびソーススタートパルスSSPの供給を受けたシフトレジスター部210は,ソースシフトクロックSSCの1周期ごとにソーススタートパルスSSPをシフトさせながら順次j個のサンプリング信号を生成する。このために,シフトレジスター部210はj個のシフトレジスター2101〜210jを備える。
【0080】
サンプリングラッチ部220は,シフトレジスター部210から順次供給されるサンプリング信号に応答してデータを順次格納する。ここで,サンプリングラッチ部220は,j個のデータを格納するためにj個のサンプリングラッチ2201〜220jを備える。そして,それぞれのサンプリングラッチ2201〜220jは,データのビット数に対応するデータ容量を持つ。例えば,データがkビットで構成される場合,サンプリングラッチ2201〜220iそれぞれはkビットのデータ容量に設定される。
【0081】
ホルディングラッチ部230は,ソース出力イネーブルSOE信号が入力される時,サンプリングラッチ部220からデータの入力を受けて格納する。そして,ホルディングラッチ部230は,ソース出力イネーブルSOEが入力される時,自分に格納されたデータをDAC部250に供給する。ここで,ホルディングラッチ部230は,j個のデータを格納するためにj個のホルディングラッチ2301〜230jを備える。そして,それぞれのホルディングラッチ2301〜230jは,データのビット数に対応するデータ容量を有する。例えば,ホルディングラッチ2301〜230jのそれぞれは,データを格納することができるようにkビットに設定される。
【0082】
ガンマ電圧部240は,kビットのデータに基づいて所定の階調電圧を生成するため,j個の電圧生成部2401〜240jを備える。それぞれの電圧生成部2401〜240jは,図8に図示されたように複数の分圧抵抗R1〜Rlで構成されて2個の階調電圧を生成する。ここで,電圧生成部2401〜240jそれぞれは,第2バッファ部260から供給される補償電圧を利用して階調電圧の電圧値を再設定し,再設定された階調電圧をDAC2501〜250jに供給する。
【0083】
DAC部250は,データのビット値に基づいてデータ信号DSを生成するj個のDAC2501〜250jを備える。DAC2501〜250jそれぞれは,ホルディングラッチ部230から供給されるデータのビット値に基づいて複数の階調電圧の中でいずれか一つを選択し,データ信号DSを生成する。
【0084】
第1バッファ部270は,DAC部250から供給されるデータ信号DSを選択部290に供給する。このために,第1バッファ部270はj個の第1バッファ2701〜270jを備える。
【0085】
選択部290はデータ線D1〜Djと第1バッファ2701〜270jの電気的連結を制御する。すなわち,選択部290は,1水平期間の第2期間にのみデータ線D1〜Djと第1バッファ2701〜270jを電気的に接続させ,それ以外にはデータ線D1〜Djと第1バッファ2701〜270jを接続させない。このために,選択部290はj個のスイッチング部2901〜290jを備える。
【0086】
電流供給部280は,1水平期間の第1期間に,データ線D1〜Djに接続された画素140から所定の電流PCをシンクする。すなわち,電流供給部280は,各画素140が流すことができるマキシマム電流であり,画素140が最大輝度に発光される時発光素子OLEDに供給されるべき電流をシンクする。そして,電流供給部280は,電流がシンクされる時生成される所定の補償電圧を第2バッファ部260に供給する。このために,電流供給部280はj個の電流シンク部2801〜280jを備える。
【0087】
第2バッファ部260は,ボルテージホロアとしての機能を有し,電流供給部280から供給される補償電圧をガンマ電圧部240に供給する。このために,第2バッファ部260はj個の第2バッファ2601〜260jを備える。
【0088】
一方,本実施形態のデータ駆動回路200は,図7のように,ホルディングラッチ部230の次の段にレベルシフター部300をさらに含むことができる(第2実施形態)。レベルシフター部300は,ホルディングラッチ部230から供給されるデータの電圧レベルを上昇させてDAC部250に供給する。外部システムからデータ駆動回路200に高い電圧レベルを持つデータが供給されれば,電圧レベルに対応して高い耐圧を持つ回路部品が設置されなければならないため,製造コストが増加される。したがって,データ駆動回路200の外部からは低い電圧レベルを持つデータを供給し,この低い電圧レベルを持つデータをレベルシフター部300で高い電圧レベルに昇圧させるとしてもよい。
【0089】
図8は,特定チャンネルに設置される電圧生成部,DAC,第1バッファ,第2バッファ,スイッチング部,電流シンク部および画素の連結関係を現わす図面である。図8では説明の便宜性のためにj番目チャンネルを図示し,データ線Djが図3に図示された画素140に接続されると仮定する。
【0090】
図8を参照すると,電圧生成部240jは複数の分圧抵抗R1〜Rlを備える。分圧抵抗R1〜Rlは,基準電源Vrefと第2バッファ260jの間に配置されて電圧を分圧する。すなわち,分圧抵抗R1〜Rlは,基準電源Vrefと第2バッファ260jから供給される補償電圧の間の電圧を分圧して,複数の階調電圧V〜V−1を生成し,生成した階調電圧V〜V−1をDAC250jに供給する。
【0091】
DAC250jは,データのビット値に応答して階調電圧V〜V−1のうち,いずれか一つの階調電圧を選択し,選択された階調電圧を第1バッファ270jに供給する。ここで,DAC250jで選択された階調電圧はデータ信号DSとして利用される。
【0092】
第1バッファ270jは,ボルテージホロアとしての機能を有し,DAC250jから供給されるデータ信号DSをスイッチング部290jに伝達する。
【0093】
スイッチング部290jは,第11トランジスタM11を備える。このような第11トランジスタM11は,図9に図示された第1制御信号CS1によって制御される。すなわち,第11トランジスタM11は,1水平期間1Hの第2期間の間ターンオンされ,第1期間の間ターンオフされる。したがって,データ信号DSは,1水平期間1H中第2期間にデータ線Djに供給され,それ以外の期間には供給されない。
【0094】
電流シンク部280jは,第2制御信号CS2によって制御される第12トランジスタM12および第13トランジスタM13と,第13トランジスタM13の第1電極に接続される電流源Imaxと,第3ノードN3と基底電圧源GNDの間に接続される第3キャパシタC3とを備える。
【0095】
第12トランジスタM12のゲート電極は,第13トランジスタM13のゲート電極に接続されて,第2電極は,第13トランジスタM13の第2電極とデータ線Djとに接続される。そして,第12トランジスタM12の第1電極は,第2バッファ260jに接続される。このような第12トランジスタM12は,第2制御信号CS2によって1水平期間1Hの第1期間の間ターンオンされ,第2期間の間ターンオフされる。
【0096】
第13トランジスタM13のゲート電極は,第12トランジスタM12のゲート電極に接続され,第2電極は,データ線Djに接続される。そして,第13トランジスタM13の第1電極は,電流源Imaxに接続される。このような第13トランジスタM13は,第2制御信号CS2に基づいて,1水平期間1Hの第1期間の間ターンオンされて第2期間の間ターンオフされる。
【0097】
電流源Imaxは,画素140が最大輝度に発光する際に発光素子OLEDに供給されるべき電流を,第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオンされる第1期間に画素140やデータ線Djなどに供給する。
【0098】
第3キャパシタC3は,補償電圧を格納する。補償電圧は,電流源Imaxによって画素140から電流をシンクする時,第3ノードN3に印加される電圧を意味する。すなわち,第3キャパシタC3は,第1期間に第3ノードN3に印加される補償電圧を充電し,第12トランジスタM12,および第13トランジスタM13がターンオフされても第3ノードN3の補償電圧を一定に維持する。
【0099】
第2バッファ260jは,第3ノードN3に印加される補償電圧,すなわち,第3キャパシタC3に充電された電圧を電圧生成部240jに供給する。すると,電圧生成部240jは基準電源Vrefと第2バッファ260jから供給される補償電圧の間の電圧を分圧する。ここで,第3ノードN3に印加される補償電圧は,画素140に含まれたトランジスタの移動度などによって画素140ごとに設定される。該補償電圧は,各画素140ごとに異なることも,同一であることもある。すなわち,j個の電圧生成部2401〜240jのそれぞれに供給される補償電圧は,現在接続されている画素140によって決定される。
【0100】
一方,j個の電圧生成部2401〜240jに互いに異なる補償電圧が供給されれば,j個のチャンネルごとに設置されるDAC2501〜250jに供給される階調電圧V〜V−1の電圧値も相異なるように設定される。ここで,階調電圧V〜V−1は,それぞれのデータ線D1〜Djが現在接続されている画素140によって制御されるため,各画素140に含まれたトランジスタの電子移動度などが不均一であっても,画素部130では,各画素140に含まれたトランジスタの電子移動度が均一であるのと同様な画像を表示することができる。
【0101】
図9は,図8に図示されたスイッチング部,電流シンク部および画素に供給される駆動波形を現わす図面である。
【0102】
図8および図9を参照して画素140に供給されるデータ信号DSの電圧値を詳しく説明する。まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給される。第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されると,第3トランジスタM3および第5トランジスタM5がターンオンされる。すると,第2ノードN2には第1電源ELVDDで第4トランジスタM4の閾値電圧を差し引いた電圧値が印加され,第1ノードN1には基準電源Vrefの電圧が印加される。この時,第2キャパシタC2には第1電源ELVDDの電圧降下電圧および第4トランジスタM4の閾値電圧に対応する電圧が充電される。
【0103】
すなわち,第1ノードN1および第2ノードN2それぞれに印加される電圧は,数式1のように表現することができる。
【数1】

【0104】
数式1の,VN1は第1ノードN1に印加される電圧,VN2は第2ノードN2に印加される電圧,VthM4は第4トランジスタM4の閾値電圧を表す。
【0105】
一方,第n−1走査線Sn−1に供給される走査信号がオフされてから,第n走査線Sに走査信号が供給されるまでの期間は,第1ノードN1および第2ノードN2は,フローティング状態に設定される。したがって,第2キャパシタC2に充電される電圧値は変化しない。
【0106】
以後,第n走査線Sに走査信号が供給され,第1トランジスタM1および第2トランジスタM2がターンオンされる。そして,第n走査線Sに走査信号が供給される期間の第1期間は,第12トランジスタM12,および第13トランジスタM13がターンオンされる。第12トランジスタM12,および第13トランジスタM13がターンオンされると,第1電源ELVDD,第4トランジスタM4,第2トランジスタM2,データ線Djおよび第13トランジスタM13を経由して電流源Imaxに対応する電流が,電流供給部280にシンクされる。
【0107】
この時,第4トランジスタM4には電流源Imaxの電流が流れるため,電流源Imaxを数式2のように表現することができる。
【数2】

【0108】
数式2の,upは移動度を現わし,Coxは酸化層の容量,Wはチャンネルの幅,Lはチャンネルの長さを現わす。
【0109】
数式2のような電流が第4トランジスタM4に流れる際,第2ノードN2に印加される電圧は数式3のように表現することができる。
【数3】

【0110】
そして,第2キャパシタC2のカップリングによって第1ノードN1に印加される電圧は,数式4のように表現することができる。
【数4】

【0111】
ここで,第1ノードN1に印加される電圧VN1は,理想的に第3ノードN3に印加される電圧VN3および第4ノードN4に印加される電圧VN4と同じ値に設定される。すなわち,電流源Imaxによって電流がシンクされる時,第4ノードN4には数式4のような電圧が印加される。
【0112】
一方,数式4に図示されたように第3ノードN3および第4ノードN4に印加される電圧は,現在電流がシンクされる画素140に含まれたトランジスタの移動度などの影響を受けるようになる。したがって,電流源Imaxによって電流がシンクされる時,第3ノードN3および第4ノードN4に印加される電圧値は,各画素140ごとに相異なる(移動度が相異なる場合)。
【0113】
一方,数式4によって具現された電圧が第4ノードN4に印加される時,電圧生成部240jの電圧Vdiffは数式5のように表現することができる。
【数5】

【0114】
そして,DAC250jからデータに基づいてf(fは自然数)個の階調電圧の中でh(hはf以下の自然数)番目階調電圧を選択したならば第1バッファ270jに供給される電圧Vbは数式6のように表現することができる。なお,hは電圧の大きい方から数えるとしても,小さい方から数えるとしてもよい。
【数6】

【0115】
一方,第1期間に電流がシンクされて第3キャパシタC3に数式4のような電圧が充電された後,第2期間に第12トランジスタM12,および第13トランジスタM13がオフされて,第11トランジスタM11がターンオンされる。この時,第3キャパシタC3は充電された電圧値を維持する。したがって,第3ノードN3の電圧値は数式4のように示され,これを維持することができる。
【0116】
そして,第2期間は第11トランジスタM11がターンオンされるため,第1バッファ270jに供給された電圧は,第11トランジスタM11,データ線Djおよび第1トランジスタM1を経由して第1ノードN1に供給される。すなわち,第1ノードN1には数式6のような電圧が供給される。そして,第2キャパシタC2のカップリングによって第2ノードN2に印加される電圧は数式7のように表現することができる。
【数7】

【0117】
この時,第4トランジスタM4を経由して流れる電流は数式8のように表すことができる。
【数8】

【0118】
数式8を参照すると,本実施形態において,第4トランジスタM4に流れる電流は電圧生成部240jにより生成された階調電圧によって異なる。すなわち,本実施形態では第4トランジスタM4の閾値電圧,移動度などと無関係に階調電圧によって決まる電流が第4トランジスタM4に流れ,これによって均一な画像を表示することができる。
【0119】
一方,本実施形態において,スイッチング部290jの構成は多様に設定することができる。例えば,スイッチング部290jは,図10のように第11トランジスタM11および第14トランジスタM14をトランスミッションゲート(Transmission Gate)形態に接続することができる。PMOSタイプに形成された第14トランジスタM14は第2制御信号CS2の供給を受け,NMOSタイプに形成された第11トランジスタM11は第1制御信号CS1の供給を受ける。
【0120】
ここで,第1制御信号CS1および第2制御信号CS2は,互いに反対の極性を持つため,第11トランジスタM11および第14トランジスタM14は同じ時間にターンオンおよびターンオフされる。
【0121】
一方,第11トランジスタM11および第14トランジスタM14がトランスミッションゲート形態に接続されれば,電圧−電流特性曲線がおおよそ直線形態に設定されるからスイッチングエラーを最小化することができる。
【0122】
図11は,特定チャンネルに設置される電圧生成部,DAC,第1バッファ,第2バッファ,スイッチング部,電流シンク部および画素の連結関係を現わす他の例である。図11ではデータ線Djに接続された画素140のみが図8から変更されただけで,それ以外の構造は図8と同じく設定される。したがって,画素140に供給される電圧のみについて簡単に説明する。
【0123】
図9および図11を参照すると,まず,第n−1走査線Sn−1に走査信号が供給されると,第1ノードN1および第2ノードN2には数式1に記載した電圧が印加される。そして,第n走査線Sに走査信号が供給されて,第12トランジスタM12および第13トランジスタM13がターンオンされる第1期間は,第4トランジスタM4に流れる電流は数式2のように表現され,第2ノードN2に印加される電圧は数式3のように表現される。
【0124】
そして,第2キャパシタC2のカップリングによって第1ノードN1に印加される電圧は数式9のように表現することができる。
【数9】

【0125】
ここで,C1は第1キャパシタC1の容量を,C2は第1キャパシタC2の容量を意味する。そして,第1ノードN1に印加される電圧は第3ノードN3および第4ノードN4に供給されるため,電圧生成部240jの電圧Vdiffは数式10のように表現することができる。
【数10】

【0126】
そして,DAC250jからf個の階調電圧の中でh番目の階調電圧を選択したならば,第1バッファ270jに供給される電圧Vbは数式11のように表現することができる。
【数11】

【0127】
第1バッファ270jに供給される電圧は,第1ノードN1に供給される。この時,第2ノードN2に印加される電圧は数式7のように表現することができる。したがって,第4トランジスタM4を経由して流れる電流は,数式8のように表すことができる。
【0128】
すなわち,本実施形態において,第4トランジスタM4を経由して発光素子OLEDに供給される電流は,第4トランジスタM4の閾値電圧,移動度などと無関係に階調電圧によって決まるから均一な画像を表示することができる。
【0129】
一方,図5に図示されたような画素140は,第1ノードN1の電圧が大きく変わっても第2ノードN2の電圧の変化は小さくなる(すなわち,C1+C2/C2。)。したがって,図5に図示された画素140が適用されれば図3に図示した画素140が適用される場合より,電圧生成部240jの電圧範囲を広く設定することができる。このように,電圧生成部240jの電圧範囲が広く設定されれば,第11トランジスタM11および第1トランジスタM1などのスイッチングエラーに伴う弊害を抑制することができるという長所がある。
【0130】
一方,上述した図8および図11の説明は,データ線Djの負荷を考慮しない理想的な場合である。現実には,所定の電流PCがシンクされる時に第1ノードN1および第3ノードN3に印加される電圧値は,データ線Djの電圧降下によって相異なる。すなわち,所定の電流PCがシンクされる時データ線Djの電圧降下によって第3ノードN3の電圧値は,第1ノードN1の電圧値より低く設定され,これによって所望の階調の映像を表示することができない虞がある。
【0131】
このような問題点に鑑みると,第3ノードN3に印加される補償電圧をデータ線Djの電圧降下電圧ほど昇圧するとしてもよい。このようなデータ駆動回路200に昇圧部を設置してデータ線Djの電圧降下電圧を補償する構成は,本願出願人によって本願と同一日付をもって出願された。したがって,本発明ではデータ線Djの電圧降下電圧を昇圧部に供給することができる装置を提供する。
【0132】
図12は,本発明の他の実施形態による発光表示装置を表す図面である。ここで,図1図2と実質的に同一である構成は,同一の図面符号を割り当てると同時に詳細な説明を略する。
【0133】
図12を参照すると,本発明の他の実施形態による発光表示装置は,データ線D1〜Dmと平行に形成される補助ラインALと,補助ラインALと走査線S1〜Sの交差部に近接する位置(補助ラインALと走査線S1〜Sとの交差部周辺)ごとに形成される連結部310と,連結部310とデータ駆動部120の間に接続される電圧伝達部320とを備える。
【0134】
補助ラインALは,データ線D1〜Dmと同一または類似する幅および厚さで画素部130に形成される。このような補助ラインALの一側は基準電源Vrefに接続され,他側は電流源Imaxに接続される。電流源Imaxは,画素140が最大輝度に発光する時に発光素子OLEDに流れるべき電流を,基準電源Vrefから補助ラインALに供給する。
【0135】
一方,補助ラインALは,データ線D1〜Dmと平行に画素部130の特定位置に形成される。例えば,補助ラインALは,図12のように画素部130の左側端に形成することも,図13のように画素部130の右側端に形成することができる。
【0136】
連結部310は,該連結部310に接続された走査線(S1〜Sの中でいずれか一つ)に走査信号が供給される時,補助ラインALと電圧伝達部320を電気的に接続させる。このために,連結部310は,走査信号が供給される時にターンオンされる少なくとも一つのトランジスタM31を備える。
【0137】
すなわち,連結部310は,トランジスタM31を備え,トランジスタM31の第1電極は補助ラインALに接続されて,第2電極は電圧伝達部320に接続される。
【0138】
電圧伝達部320は,ボルテージホロアとしてのバッファ321を備え,第31トランジスタM31がターンオンされた時,補助ラインALから供給される電圧値をデータ駆動回路200に伝達することができる。なお,電圧伝達部320は,必ずしもバッファ321を備えなくてもよく,連結部310とデータ駆動部120を単に電気的に接続するラインからのみからなるとしてもよい。
【0139】
次に,本実施形態の動作過程を説明する。まず,第1走査線S1に走査信号が供給されると,第1走査線S1に接続された第31トランジスタM31がターンオンされる。第31トランジスタM31がターンオンされると,補助ラインALによって電圧降下した第2基準電源Vref2の電圧がバッファ321に供給される。ここで,第2基準電源Vref2の電圧値は,基準電源Vrefの電圧値から補助ラインALにより発生する電圧降下電圧を差し引いた値となる。
【0140】
バッファ321は,第31トランジスタM31から供給された第2基準電源Vref2をデータ駆動回路200に伝達する。
【0141】
一方,第1走査線S1に走査信号が供給される期間のうち第1期間は,各画素140からデータ駆動回路200に所定の電流が供給され,これによってデータ駆動回路200には各画素140に対応する補償電圧が印加される。補償電圧および第2基準電源Vref2の供給を受けたデータ駆動回路200は,第2基準電源Vref2の電圧値を利用して補償電圧の電圧値を昇圧する。
【0142】
すなわち,データ駆動回路200は,基準電源Vrefと第2基準電源Vref2との電位差分ほど補償電圧の電圧値を昇圧する。このように補償電圧の電圧値が基準電源Vrefと第2基準電源Vref2との差値ほど昇圧されれば,データ線D1〜Dmの負荷によって電圧降下した補償電圧の電圧値が減殺される。
【0143】
つまり,基準電源Vrefと第2基準電源Vref2の差値はデータ線D1〜Dmの電圧降下電圧とおおよそ類似するため,補償電圧を昇圧することでデータ線D1〜Dmの電圧降下電圧を補償することができ,これによって画素140で所望の階調の映像を表示することができる。
【0144】
以後,第2走査線S2〜第n走査線Sに順次走査信号が供給される度に,第2基準電源Vref2がデータ駆動回路120に供給されるため,データ線D1〜Dmの電圧降下電圧に基づいて補償電圧の電圧が安定的に補償される。
【0145】
つまり,それぞれの走査線S1〜Sに接続された連結部310は,補助ラインALと互いに異なる長さで接続されるため,補助ラインALの電圧降下電圧に基づいて生成される第2基準電源Vref2の電圧値は,走査線S1〜Sに走査信号が供給される度に互いに異なる電圧値となる。
【0146】
したがって,それぞれの走査線S1〜Sに走査信号が供給される度に,選択される画素140から生成される補償電圧の電圧値は安定的に補償される。なお,上記では補償電圧を昇圧する場合のみを述べたが,減圧し,昇圧部を変圧部として機能させる場合があってもよい。すなわち,画素140の位置によるデータ線D1〜Dmの電圧降下電圧の不均一性を減殺するには,データ駆動回路200に近い画素140の補償電圧を減圧し,遠い画素140の補償電圧を昇圧してもよい。
【0147】
図14は,本発明の他の実施形態による発光表示装置を表す図面である。ここで,図1図2と実質的に同一である構成は,同一の図面符号を割り当てると同時に詳細な説明を略する。
【0148】
図14を参照すると,本発明の他の実施形態による発光表示装置は電圧発生部330および減算部332を備える。
【0149】
電圧発生部330は,垂直同期信号Vsyncおよび水平同期信号Hsyncの供給を受ける。水平同期信号Hsyncの供給を受ける電圧発生部330は,水平同期信号Hsyncが入力される度に階段状に上昇する電圧を生成し,これを減算部332に供給する。 そして,垂直同期信号Vsyncが供給される時,電圧発生部330は初期化される。
【0150】
このような電圧発生部330の動作過程を図15を参照して詳しく説明する。まず,電圧発生部330は,垂直同期信号Vsyncが入力される度に所定の電圧に初期化される。そして,電圧発生部330は水平同期信号Hsyncが入力される度に所定電圧ずつ上昇した電圧を生成し,生成された電圧を減算部332に供給する。
【0151】
ここで,電圧発生部330から生成される電圧は,データ線D1〜Dmの負荷によって電圧降下する電圧と同じく設定される。
【0152】
実際に,電圧発生部330に水平同期信号Hsyncが入力される度に上昇される電圧の電圧値は,データ線D1〜Dmの負荷によって電圧降下する電圧,すなわち,補償電圧の電圧降下電圧と同一または類似するよう実験的に求めることができる。
【0153】
つまり,上記の上昇される電圧の電圧値には,第1走査線S1〜第n走査線Sそれぞれに走査信号が順次供給される時に発生する補償電圧の電圧降下電圧と同一また類似する電圧値が設定される。
【0154】
減算部332は,基準電源Vrefと電圧発生部330から供給される電圧とを供給される。上記減算部332は,基準電源Vrefで電圧発生部330から供給される電圧を差し引いて第2基準電源Vref2を生成し,生成した第2基準電源Vref2をデータ駆動回路200に供給する。
【0155】
すると,データ駆動回路200は基準電源Vrefと第2基準電源Vref2との電位差分ほど補償電圧の電圧値を昇圧する。一方,本実施形態では電圧発生部330で生成された電圧をデータ駆動回路200に直接供給することも可能である。この場合,データ駆動回路200は,電圧発生部330から供給される電圧値ほど補償前の電圧値を昇圧する。
【0156】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】従来の発光表示装置を現わす図面である。
【図2】本発明の一実施形態による発光表示装置を現わす図面である。
【図3】図2に図示された画素の一例を現わす回路図である。
【図4】図3に図示された画素の駆動方法を現わす波形図である。
【図5】図2に図示された画素の他の例を現わす回路図である。
【図6】図2に図示されたデータ駆動回路の第1実施形態を現わすブロック図である。
【図7】図2に図示されたデータ駆動回路の第2実施形態を現わすブロック図である。
【図8】図6に図示された電圧生成部,デジタル−アナログ変換器,第1バッファ,第2バッファ,スイッチング部,電流シンク部および画素の連結関係の第1実施形態を現わす図面である。
【図9】図8に図示された画素,スイッチング部および電流シンク部の駆動方法を現わす波形図である。
【図10】図8に図示されたスイッチング部の他の例を現わす図面である。
【図11】図6に図示された電圧生成部,デジタル−アナログ変換器,第1バッファ,第2バッファ,スイッチング部,電流シンク部および画素の連結関係の第2実施形態を現わす図面である。
【図12】本発明の他の実施形態による発光表示装置を現わす図面である。
【図13】図12に図示された補助ラインが他の位置に形成された例を現わす図面である。
【図14】本発明のまた他の実施形態による発光表示装置を現わす図面である。
【図15】図14に図示された電圧発生部の動作過程を現わす図面である。
【符号の説明】
【0158】
110 走査駆動部 120 データ駆動部
130 画素部 140 画素
142 画素回路 150 タイミング制御部
200 データ駆動回路 210 シフトレジスター部
220 サンプリングラッチ部 230 ホルディングラッチ部
240 ガンマ電圧部 250 デジタル−アナログ変換部
260,270 バッファ部 280 電流供給部
290 選択部 300 レベルシフター部
310 連結部 320 電圧伝達部
321 バッファ 330 電圧発生部
332 減算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線と,走査線に平行して形成される発光制御線を駆動する走査駆動部と;
前記走査線および発光制御線と交差する方向に形成されるデータ線を駆動するデータ駆動部と;
前記走査線,発光制御線およびデータ線に接続される画素と;
前記データ線と平行に形成され,一側は基準電源に接続され,他側は電流源に接続される補助ラインと;
前記補助ラインと前記走査線との交差部に近接する位置に配置される連結部と;
前記連結部に接続され,前記連結部から供給される電圧を前記データ駆動部に伝達する電圧伝達部と;
を備えることを特徴とする,発光表示装置。
【請求項2】
前記走査駆動部は,
前記走査線に走査信号を順次供給し,前記発光制御線に発光制御信号を順次供給し,
前記データ駆動部は,
各水平期間の第1期間は,データ線を介して前記走査信号によって選択された画素から所定の電流の供給を受け,前記所定の電流が供給される期間に生成される補償電圧を利用し,データ信号の電圧値を設定して,前記水平期間の第1期間を除いた第2期間に,前記電圧値を設定したデータ信号を前記画素に供給することを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記電流源は,前記基準電源から,前記補助ラインに前記所定の電流と同じ電流値の電流を供給することを特徴とする,請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記所定の電流の電流値は,前記画素が最大輝度で発光する時に発光素子に流れるべき電流の電流値と同一の値に設定されることを特徴とする,請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記連結部は,前記走査線に前記走査信号が供給される時にターンオンされ,前記補助ラインと前記電圧伝達部とを電気的に接続する,少なくとも一つのトランジスタを備えることを特徴とする,請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記電圧伝達部は,少なくとも一つのバッファを備えることを特徴とする,請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記電圧伝達部から前記データ駆動部に供給される電圧の電圧値は,前記基準電源の電圧値から前記補助ラインの電圧降下電圧を減算した値に設定されることを特徴とする,請求項2に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記データ駆動部は,前記電圧伝達部から供給される電圧と前記基準電源との電位差に基づいて前記補償電圧を昇圧することを特徴とする,請求項7に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記補助ラインは,前記データ線の左側または右側に形成されることを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項10】
前記画素は,
第1電源と;
前記第1電源から電流の供給を受ける発光素子と;
前記データ線に接続され,現在走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第1トランジスタおよび第2トランジスタと;
前記第1トランジスタの第2電極と前記基準電源の間に接続され,以前走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第3トランジスタと;
前記発光素子に供給される電流量を制御する第4トランジスタと;
前記第4トランジスタのゲート電極と第2電極の間に接続されて前記以前走査線に走査信号が供給される時ターンオンされて第4トランジスタをダイオード形態で接続する第5トランジスタと;
を備えることを特徴とする,請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項11】
前記画素は,
前記第1トランジスタの第2電極と前記第1電源との間に接続される第1キャパシタと;
前記第1トランジスタの第2電極と前記第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項12】
前記画素は,
前記第4トランジスタのゲート電極と前記第1電源との間に接続される第1キャパシタと;
前記第1トランジスタの第2電極と前記第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;
を備えることを特徴とする請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項13】
前記画素は,前記第4トランジスタの第2電極と前記発光素子の間に接続され,前記発光制御信号が供給されている期間ではターンオフされて,それ以外の期間ではターンオンされる第6トランジスタを備えることを特徴とする,請求項10に記載の発光表示装置。
【請求項14】
走査線,発光制御線およびデータ線に接続される画素を備える画素部と,
前記走査線に走査信号を順次供給し,前記発光制御線に発光制御信号を順次供給する走査駆動部と;
各水平期間の第1期間ではデータ線を介して前記走査信号によって選択された画素から所定の電流の供給を受け,前記所定の電流が供給される時に生成される補償電圧を利用してデータ信号の電圧値を設定し,前記水平期間の第1期間を除いた第2期間に,前記電圧値を設定したデータ信号を前記画素に供給するためのデータ駆動部と;
前記走査信号が供給される水平期間ごとに所定電圧ずつ上昇させた電圧を生成し,前記生成した電圧を前記データ駆動部に供給する電圧発生部と;
を備えることを特徴とする,発光表示装置。
【請求項15】
前記電圧発生部は,外部から水平同期信号が供給される度に前記所定電圧ずつ上昇させた電圧をデータ駆動部に供給し,前記外部から垂直同期信号が供給されると,前記生成した電圧の電圧値が初期化されることを特徴とする,請求項14に記載の発光表示装置。
【請求項16】
前記電圧発生部により生成される電圧は,前記データ線で発生する前記補償電圧の電圧降下電圧と同一の電圧値に設定されることを特徴とする,請求項14に記載の発光表示装置。
【請求項17】
前記データ駆動部は,前記補償電圧の電圧値を,前記電圧発生部から生成される電圧の電圧値ほど昇圧することを特徴とする,請求項16に記載の発光表示装置。
【請求項18】
前記電圧発生部と前記データ駆動部との間に接続され,外部より供給される基準電源の電圧値から,前記電圧発生部より供給される電圧を減算して生成される第2基準電源を前記データ駆動部に供給する減算部をさらに備えることを特徴とする,請求項16に記載の発光表示装置。
【請求項19】
前記データ駆動部は,前記補償電源の電圧値を,前記基準電源と前記第2基準電源の電位差ほど昇圧することを特徴とする,請求項18に記載の発光表示装置。
【請求項20】
前記画素は,
第1電源と;
前記第1電源から電流の供給を受ける発光素子と;
前記データ線に接続され,現在走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第1トランジスタおよび第2トランジスタと;
前記第1トランジスタの第2電極と前記基準電源との間に接続され,以前走査線に走査信号が供給される時にターンオンされる第3トランジスタと;
前記発光素子に供給される電流量を制御する第4トランジスタと;
前記第4トランジスタのゲート電極と第2電極との間に接続され,前記以前走査線に走査信号が供給される時にターンオンされて第4トランジスタをダイオード形態で接続させる第5トランジスタと:
を備えることを特徴とする,請求項19に記載の発光表示装置。
【請求項21】
前記画素は,
前記第1トランジスタの第2電極と前記第1電源との間に接続される第1キャパシタと;
前記第1トランジスタの第2電極と前記第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項20に記載の発光表示装置。
【請求項22】
前記画素は,
前記第4トランジスタのゲート電極と前記第1電源との間に接続される第1キャパシタと;
前記第1トランジスタの第2電極と前記第4トランジスタのゲート電極との間に接続される第2キャパシタと;
を備えることを特徴とする,請求項20に記載の発光表示装置。
【請求項23】
前記画素は,前記第4トランジスタの第2電極と前記発光素子の間に接続され,前記発光制御信号が供給されている期間ではターンオフされ,それ以外の期間ではターンオンされる第6トランジスタをさらに備えることを特徴とする,請求項20に記載の発光表示装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−41506(P2007−41506A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36913(P2006−36913)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(506051876)
【氏名又は名称原語表記】IUCF−HYU
【Fターム(参考)】