説明

発光装置、および発光装置を備えた光照射装置

【課題】設置面積が小さく、複数色の混色が良好な発光装置と照射装置とを提供する。
【解決手段】発光装置1は、表面実装型発光部10aと、その光出射側に配されたレンズ部30と、レンズ部30の周囲を固定する枠体部40とを備え、表面実装型発光部10aは、赤蛍光体17bを含有する樹脂層17が、少なくとも1個の青色LEDチップ14aを覆っているので、短波長域と長波長域の各ピーク波長にそれぞれ対応した光を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の表面に実装された表面実装型発光部を備えた発光装置、およびこの発光装置を備えた光照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人工光源による植物育成が盛んに研究されている。特に、単色性に優れており、省エネルギー、長寿命および小型化が可能な発光装置(例えば発光ダイオード:LED)による照明を用いた栽培方法が注目されている。
【0003】
生物の栽培または培養などの育成を行う工場等に使用することができる従来の発光装置の一例として、例えば植物伸長装置が、下掲の特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された植物伸長装置100は、図10に示すように、植物伸長のための光を射出する光射出部110と、その光射出部110に対して射出される光のスペクトルを変更可能に電力を供給する電力供給部120と、育成対象となる植物101の種類を判別する判別部131と、その判別部131で判別した植物101の種類に応じて上記電力供給部120を制御することにより、光のスペクトルを設定する育成光設定部132とを備えている。
【0005】
また、図11に示すように、上記光射出部110は、平板状の基板111を備え、基板111の一方の面には、異なるスペクトル光を発する複数種類のLED112が多数敷設されている。LED112から射出される光は、図10に示すように、植物101に照射される。LED112の形態は、例えば砲弾型である。
【0006】
また、下掲の特許文献2には、植物栽培用LED光源および個別LED光源装着型植物培養容器が開示されている。具体的には、図12に示すように、赤色LED210と青色LED220を1枚のプリント基板(10cm×10cm、厚み1.6mm)上に配置し、これを図示のように培養容器の蓋200(11cm×11cm、高さ17mm)に取り付けて、蓋200そのものを光源とした。また、容器全体は、図13に示すように、プラスチックフレーム240と、通気性を備え且つ透明な樹脂フィルム230とで構成され、内部にロックウール培地250が収容されている。蓋200は、固定レバー260によりプラスチックフレーム240に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−344114号公報(2004年12月9日公開)
【特許文献2】特開平9−252651号公報(1997年9月30日公開)
【特許文献3】特開2011−80248号公報(2011年4月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1および2に記載された構成では、生物の栽培または培養などの育成に適した光源を実現するためには、青LEDと赤LEDとを基板上に二次元的に配置する必要があるので、光源の面積が大きくなるという課題がある。
・ また、基板上に二次元的に配置された青LEDと赤LEDは、個々の距離が互いに離れており、このために混色が良好ではない。つまり、被照射体において色ムラ(青色光と赤色光を合成した光の強度ムラ)が生じる。これにより、例えば、光合成光量子束の比が、所望の比にならないという問題が生じる。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置面積を増大させることなく、青色光および赤色光の混色が良好な発光装置、および発光装置を備えた光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発光装置は、上記課題を解決するために、配線基板の表面に実装された表面実装型発光部と、上記表面実装型発光部の光出射側に配されたレンズ部と、上記レンズ部の周囲を固定する枠体部とを備え、上記表面実装型発光部は、生育に光を必要とする生物によって吸収される光の複数のピーク波長のうち、相対的に短波長域の第1のピーク波長に対応した第1光を発する、少なくとも1個の第1のLEDチップと、上記第1のLEDチップを覆う蛍光体含有封止樹脂とを備え、上記蛍光体含有封止樹脂に含有された蛍光体は、上記第1のLEDチップが出射する第1光を吸収することにより、上記複数のピーク波長のうち、相対的に長波長域のピーク波長に対応した第3光を発することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、本発明の発光装置は、表面実装型発光部と、上記表面実装型発光部の光出射側に配されたレンズ部と、上記レンズ部の周囲を固定する枠体部とからなっている。さらに、上記表面実装型発光部は、少なくとも1個のLEDチップとこのLEDチップを覆う蛍光体を分散した蛍光体含有封止樹脂とからなっている。そして、この構成において、当該LEDチップにて短波長域(例えば、青色域)の第1のピーク波長に対応した第1光を発光する。そして、蛍光体は、上記LEDチップが出射する第1光により、長波長域(例えば、赤色域)のピーク波長に対応した第3光を発光する。さらに、上記第1光および第3光を、レンズ正面での光度を向上させるように上記レンズにて集光させて、出力することができる。
【0012】
この結果、独立した青色LEDチップと、独立した赤色LEDチップとの2種類のLEDチップを使用しなくても、1種類のLEDチップにて生物の生育に必要な短波長域の第1のピーク波長と長波長域のピーク波長とに対応する光(第1光および第3光)を出射することができる。このため、以下の効果を奏することができる。
(1)1種類のLEDチップのみを使用するため、従来の2種類のLEDチップを使用したときに比べて、表面実装型発光部の面積が小さくて済む。
(2)蛍光体は蛍光体含有封止樹脂に分散され、かつ、第1のLEDチップを覆っていることから、従来に比べて、第1光および第3光の混色が良好である。この結果、従来の各種のLEDチップの個々の距離が離れているために、被照射体において色ムラ(第1光および第3光を合成した光の強度ムラ)が生じることを効果的に抑えることができる。例えば、光合成光量子束の比が求めた比にならないという問題を容易に解決できる。
(3)蛍光体を樹脂に所定の配合比にて分散させることが可能であり、その配合比に応じて短波長域と長波長域における光量を変化させることができる。
【0013】
また、本発明に係る発光装置は、レンズを備え、上記第1光および第3光を上記レンズにて集光させて出力することができる。この結果、レンズ表面での光度を向上させることができ、従来の発光装置では正面での光度が不十分という問題を解決できる。
【0014】
したがって、設定面積を増大させることなく、簡単な構成で青色光および赤色光の混色が良好な発光装置および発光装置を備えた光照射装置を提供することができる。
【0015】
本発明の発光装置では、上記表面実装型発光部は、上記複数のピーク波長のうち、上記短波長域の第2のピーク波長であって、上記第1のピーク波長とは異なる第2のピーク波長に対応した第2光を発する、少なくとも1個の第2のLEDチップを備えていることが好ましい。
【0016】
生育に光を必要とする生物の中でも、例えば、クロロフィルaとクロロフィルbとを有した生物が知られている。クロロフィルaとクロロフィルbとは短波長域(例えば、青色域)における光吸収特性がそれぞれ異なっている。具体的には、例えば、クロロフィルaは短波長域において第2のピーク波長に吸収ピークを有し、クロロフィルbは短波長域において第1のピーク波長に吸収ピークを有している。
【0017】
上記構成によれば、これらのクロロフィルaとクロロフィルbとの短波長域における2種類の光吸収特性にそれぞれ対応するように、上記第1のピーク波長に対応した第1光を発するとともに、上記第1のピーク波長とは異なる第2のピーク波長に対応した第2光を発することができる。
【0018】
この結果、一例として、クロロフィルaおよびクロロフィルbを有する生物を育成するために、より適した発光装置を提供することができる。
【0019】
以上の例示を一般化して言い換えると、光を吸収して生育する生物の中でも、短波長域に複数の吸収ピークを示す生物に、より適した発光装置を提供することができる。
【0020】
本発明の発光装置では、上記レンズ部と上記枠体部とは、レンズモジュールとして一体的に構成されていることが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、レンズ部と枠体部とは、一体になっている。この結果、接続構造を簡単にすることができる。よって、接続(実装)またはメンテナンスのための交換の作業性を向上させることができる。また、接続作業が簡単であることから、誤操作の可能性を低減させることができ、信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
【0022】
本発明の発光装置では、上記表面実装型発光部を含む複数の表面実装型発光部が、行列状に配置され、上記枠体部は、上記複数の表面実装型発光部に対応して、格子状の形状を備え、格子状の上記枠体部の1マス毎に、上記レンズ部が設けられていることが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、表面実装型発光部の面積は、従来より小さいという利点があるので、このような表面実装型発光部を行列状に配置して得られる発光装置は、小型化されるという効果を奏する。
【0024】
本発明の発光装置では、上記複数の表面実装型発光部のうち、列方向に沿って隣接する表面実装型発光部の各間に、上記枠体部に対して、光出射側に立ち上がる立壁部が、上記列方向と交差する行方向に連続して設けられていることが好ましい。
【0025】
上記構成において、「列方向に沿って隣接する表面実装型発光部」とは、例えば、1列目の1行目に配置された表面実装型発光部と、1列目の2行目に配置された表面実装型発光部のことである。これら2つの表面実装型発光部は、列方向に隣接している。
【0026】
上記立壁部は、列方向に沿って隣接する表面実装型発光部の各間に、行方向に連続して設けられている。これにより、例えば、上記列方向が鉛直方向に平行になるように、発光装置を設置する場合、上記行方向は水平方向に平行になる。この場合、上記立壁部は、各行方向に配列された表面実装型発光部に対して、ひさし状の構造物となる。
【0027】
すなわち、上記立壁部は、発光装置の正面方向に光をより多く出射させ、正面方向に対する光の指向性を高める役割をする。
【0028】
なお、上記列方向が鉛直方向に平行になる場合を例として説明したが、上記列方向が任意の方向に平行になるように、発光装置を設けてもよい。発光装置をどのように設けたとしても、発光装置の正面方向に対する光の指向性を高めることができるという効果を奏する。
【0029】
本発明の発光装置では、上記立壁部は、上記配線基板の表面に対して、垂直な状態と傾斜した状態との間で回動可能に構成されていることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、立壁部は垂直な状態と傾斜した状態との間で角度を調整できる。この結果、光の照射角度を、例えば植物の立体的な成長に合わせて適宜調整することができる。よって、植物の成長の各段階のいずれにおいても、光の照射強度を向上させる効果を期待できる。
【0031】
また、育成対象の複数の生物を水平面に多数並べた状態で、光を照射する場合にも、生物の配置のレイアウトに応じて、光の照射角度を適宜調整することができる。
【0032】
本発明の発光装置では、上記第1のピーク波長に対応した第1光の波長は、400nm以上480nm以下の範囲を有し、上記長波長域のピーク波長に対応した第3光の波長は、620nm以上700nm以下の範囲を有していることが好ましい。
【0033】
クロロフィルの青色域吸収ピークに対応すべく波長が400nm〜480nmの範囲で、上記第1のLEDチップは発光ピークを有する。また、クロロフィルの赤色域吸収ピークに対応すべく波長が620nm〜700nmの範囲で、上記蛍光体は発光ピークを有する。
【0034】
上記構成によれば、本発明の発光装置は、クロロフィルを有する生物の成長に必要な光、すなわちクロロフィルの青色域吸収ピークと赤色域吸収ピークとに対応する光を出射することができる。
【0035】
本発明の発光装置では、上記第2のピーク波長に対応した第2光の波長は、400nm以上450nm以下の範囲を有していることが好ましい。
【0036】
クロロフィルaは青色域において400nm〜450nmに吸収ピークを有し、クロロフィルbは青色域において400nm〜480nmに吸収ピークを有する。
【0037】
上記構成によれば、クロロフィルaと、クロロフィルbとの青色域における2種類の光吸収特性にそれぞれ対応する光を発することができる。この結果、クロロフィルaおよびクロロフィルbを有する生物の育成に、より適した発光装置を提供することができる。
【0038】
本発明の発光装置では、上記表面実装型発光部において、上記第1光および第3光を含む光が出射される開口部は、短辺および長辺を有した長方形の形状を有することが好ましい。
【0039】
上記構成によれば、長辺に平行な方向の光量が増え、かつ長辺に平行な方向の光の混色も良好になる。例えば、長辺に平行な方向が、鉛直方向に平行になるように、発光装置を設けた場合、光が照射される植物の上下に、光量が多く、混色の良い光を照射することができるので、植物の成長に有利になるという効果を奏する。
【0040】
本発明の光照射装置は、上記課題を解決するために、上記記載の発光装置を、栽培または培養を含む生物育成用の光源として備えていることを特徴としている。
【0041】
上記構成によれば、設置面積を増大させることなく、簡単な構成で青色光および赤色光の混色が良好な発光装置を備えた光照射装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の発光装置は、以上のように、配線基板の表面に実装された表面実装型発光部と、上記表面実装型発光部の光出射側に配されたレンズ部と、上記レンズ部の周囲を固定する枠体部とを備え、上記表面実装型発光部は、植物の光合成によって吸収される光の複数のピーク波長のうち、短波長域の第1のピーク波長に対応した第1光を発する、少なくとも1個の第1のLEDチップと、上記第1のLEDチップを覆う蛍光体含有封止樹脂とを備え、上記蛍光体含有封止樹脂に含有された蛍光体は、上記第1のLEDチップが出射する第1光を吸収することにより、上記複数のピーク波長のうち、長波長域のピーク波長に対応した第3光を発するものである。
【0043】
本発明の光照射装置は、以上のように、上記記載の発光装置を、栽培または培養を含む生物育成用の光源として備えているものである。
【0044】
それゆえ、設置面積を増大させることなく、簡単な構成で青色光および赤色光の混色が良好な発光装置および発光装置を備えた光照射装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施の形態1に係る発光装置の構成を示す説明図であって、(a)は要部構成を示す正面図であり、(b)は(a)の矢符B方向から見た側面図であり、(c)は(a)の矢符C方向から見た側面図である。
【図2】実施の形態1に係る表面実装型発光部の構成を示す説明図であって、(a)は要部構成を示す平面図であり、(b)は要部構成を示す透視側面図である。
【図3】上記表面実装型発光部の発光スペクトルを示すグラフであり、(a)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.05としたときの発光スペクトルを示し、(b)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.10としたときの発光スペクトルを示す。
【図4】上記表面実装型発光部の発光スペクトルを示すグラフであり、(a)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.15としたときの発光スペクトルを示し、(b)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.20としたときの発光スペクトルを示す。
【図5】クロロフィルの光吸収特性と実施の形態1に係る表面実装型発光部の発光スペクトルを示す図である。
【図6】実施の形態1に係る表面実装型発光部を配線基板に実装した状態の一例を部分的に拡大して示す部分拡大断面図である。
【図7】変形例に係る表面実装型発光部の一例を示す平面図である。
【図8】実施の形態2に係る発光装置の概要を示す正面図である。
【図9】実施の形態2に係る表面実装型発光部の平面図である。
【図10】従来の植物伸長装置を示す模式的構成図である。
【図11】上記植物伸長装置における光照射部を示す平面図である。
【図12】従来の植物栽培用LED光源を示す平面図である。
【図13】上記植物栽培用LED光源を装着した培養容器を示す斜視図である。
【図14】従来の可動ルーバー装置の構成を示す説明図であって、(a)は室外側から見た正面図であり、(b)は(a)のX−X線断面図であり、(c)は(a)のY−Y線断面図であり、(d)は(a)の矢印Zで示す部分の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0047】
(発光装置)
本実施の形態の発光装置1の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る発光装置1の構成を示す説明図である。図1の(a)は本実施の形態に係る発光装置1の要部構成を示す正面図である。また、図1の(b)は図1の(a)の矢符B方向から見た側面図である。また、図1の(c)は図1の(a)の矢符C方向から見た側面図である。
【0048】
本実施の形態に係る発光装置1は、一般的な表面実装型の発光装置の形状(例えば、四角形など)を有している。発光装置1は、図示のように、表面実装型発光部10aと、配線基板20と、レンズ部30と、枠体部40と、筐体50と、立壁部(ひさし部)60とを備えている。
【0049】
配線基板20には、複数の表面実装型発光部10aが行列状に配置されて実装されている。
【0050】
レンズ部30は、各表面実装型発光部10aの光出射側(正面側)に(すわなち、各表面実装型発光部10aに対向して)配置される。光がレンズ部30に入り、表面実装型発光部10aの正面方向に集光されてレンズ部30から照射される。よって、発光装置1は、表面実装型発光部10aから発光された光を集光して、レンズ部30の正面での光度を向上させることができるという効果を奏する。したがって、発光装置1は、点灯、非点灯を明瞭に区別して照射することが可能となる。
【0051】
枠体部40は、複数の表面実装型発光部10aに対応して、格子状の形状を有し、レンズ部30の周囲を囲んで固定するように配置される。また、枠体部40の1マス毎に、レンズ部30が設けられている。
【0052】
なお、レンズ部30と、枠体部40とは、レンズモジュールとして一体的に構成されてもよい。これによって、接続構造を簡単にすることができ、接続(実装)またはメンテナンスのための交換の作業性させ、信頼性を向上させることができる。
【0053】
ここで、レンズ部30と枠体部40とが一体的に構成される方式としては、特に限定されず、レンズモジュールとして構成されればよく、例えば、レンズ部30と枠体部40とを同一の樹脂材料の一体成型によって形成してもよいし、枠体部40の各マスごとに、レンズ部30を個々に嵌め込むようにしてもよい。
【0054】
筐体50には、配線基板20が取り付けられる。
【0055】
立壁部60は、上記枠体部40に対して、光出射側に立ち上がった薄板状の構造体である。また、立壁部60は、複数の表面実装型発光部10aのうち、列方向に沿って隣接する表面実装型発光部10aの各間に、枠体部40に対して、光出射側(レンズ部30の正面側)に配置され、上記列方向と交差する行方向に連続して設けられている。また、立壁部60は、配線基板20の表面に対して、垂直な状態と傾斜した状態との間で回動可能に配置される(図14を参照、詳細は後述する)。したがって、例えば、植物の立体的な成長に合わせて、照射する光の角度を調整することができる。これによって、植物の成長の各段階のいずれにおいても、光の照射強度を向上させる効果を期待できる。また、育成対象の複数の生物を水平面に多数並べた状態で、光を照射する場合にも、生物の配置のレイアウトに応じて、光の照射角度を適宜調整することができる。なお、立壁部60の角度の調整方式については、特に限定されず、植物の成長特徴に基づいて手動で調整してもよい。また、数日単位くらいで角度を変更することが好ましい。
【0056】
さらに、筐体50は、発光装置1が設置される電子機器への取り付けを容易にする係合部(不図示)を備えてもよい。
【0057】
なお、表面実装型発光部10aの詳細については、後述する。
【0058】
図1の(a)に示すように、本実施の形態では、表面実装型発光部10aは、縦16個(16行)、横16個(16列)のドットマトリックス状に配置され、合計で256個の表面実装型発光部10aが配線基板20に実装されている。また、立壁部60は、1行目に配列された表面実装型発光部10aの外側の端部に設けられているとともに、各行間に1つずつ配置されている。したがって、立壁部60は、全体として、16行に対応させて16個配置されている。
【0059】
なお、本発明においては、表面実装型発光部10aの個数は必ずしも複数に限らず、1個でもよく、また、複数においても256個に限らない。さらに、複数個における並べ方についても、ドットマトリックス状に限らず、適用される発光装置の照射仕様に応じて任意のパターンとすることができる。
【0060】
(表面実装型発光部)
次に、発光装置1が備える本実施の形態の表面実装型発光部10aについて、図2に基づいて説明する。
【0061】
図2は、本実施の形態に係る表面実装型発光部10aの構成を示す説明図であって、(a)は要部構成を示す平面図であり、(b)は要部構成を示す透視側面図である。
【0062】
表面実装型発光部10aは、図示のように、表面実装用の外部端子としてのカソード電極ランド11aと、表面実装用の外部端子としてのアノード電極ランド11bと、(表面実装型発光部10aの形状と後述の凹部13の開口形状とに合わせて)適宜の形状に形成されたパッケージ部16と、パッケージ部16に形成された凹部13と、凹部13に搭載された、赤蛍光体17b(蛍光体)を含有したシリコーンの樹脂17aからなる樹脂層17(蛍光体含有封止樹脂)と、同じスペクトルの青色光を発光する複数(例えば3個)の青色LEDチップ14a(第1のLEDチップ)とを備えている。前記樹脂層17は、凹部13の内側に充填されて、前記複数の青色LEDチップ14aの上側を被覆している。
【0063】
青色LEDチップ14aは、植物の光合成によって吸収される光の複数のピーク波長のうち、短波長域400nm〜480nmのピーク波長(第1のピーク波長)に対応した第1光を発生する。当該第1光は、クロロフィルの青色域吸収ピークに対応する。一方、赤蛍光体17bは、青色LEDチップ14aが出射する光を吸収して、複数のピーク波長のうち、長波長域620nm〜700nmのピーク波長(発光ピーク)に対応した第3光を発生する。当該第3光がクロロフィルの赤色域吸収ピークに対応する。
【0064】
よって、表面実装型発光部10aにて、クロロフィルの吸収ピークに対応できる発光装置が実現可能となった。
【0065】
この結果、独立した青色LEDチップと、独立した赤色LEDチップとの2種類のLEDチップを使用しなくても、1種類のLEDチップにて植物の成長に必要な短波長域の第1のピーク波長と長波長域のピーク波長とに対応する光(第1光および第3光)を出射することができる。このため、以下の効果を奏することができる。
(1)1種類のLEDチップのみを使用するため、従来の2種類のLEDチップを使用したときに比べて、表面実装型発光部の面積が小さくて済む。
(2)蛍光体は蛍光体含有封止樹脂に分散され、かつ、第1のLEDチップを覆っていることから、従来に比べて、第1光および第3光の混色が良好である。この結果、従来の各種のLEDチップの個々の距離が離れているために、被照射体において色ムラ(第1光および第3光を合成した光の強度ムラ)が生じることを効果的に抑えることができる。例えば、光合成光量子束の比が求めた比にならないという問題を容易に解決できる。
(3)蛍光体を樹脂に所定の配合比にて分散させることが可能であり、その配合比に応じて短波長域と長波長域における光量を変化させることができる。
【0066】
なお、青色LEDチップ14aは、青色域吸収ピークに対応する、400nm〜480nmの範囲でのピーク波長に対応した第1光を発生するのみでなく、紫外色を含む青紫外色領域まで出力するものであってもよい。
【0067】
また、前記の説明では、表面実装型発光部10aには、青色LEDチップ14aが、3個搭載されているが、必ずしもこれに限らず、少なくとも1個の青色LEDチップ14aが搭載されればよい。
【0068】
さらに、表面実装型発光部10aにおいて、上記第1光および第3光を含む光が出射される開口部としての凹部13の開口形状は、図示したようにやや縦長(短辺および長辺を備えた長方形)の形状を有することが好ましい。縦長の形状にすることにより、凹部13の開口形状を正方形または円形のような等方性の高い形状とした場合に比較して、長辺に平行な方向の光量が増え、かつ長辺に平行な方向の光の混色も良好になるという効果を奏する。また、光取り出し効率を向上させることもできる。
【0069】
これにより、例えば、長辺に平行な方向が、鉛直方向に平行になるように、発光装置1を設けた場合、光を照射する植物の上下に、光量が多く、混色の良い光を照射することができるので、植物の成長に有利になる。
【0070】
(青色域と赤色域との光量割合の調整)
本実施の形態の表面実装型発光部10aにおける青色域と赤色域との光量割合の調整について、図3および図4に基づいて説明する。
【0071】
図3は、表面実装型発光部10aの発光スペクトルを示すグラフであり、(a)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.05としたときの発光スペクトルを示し、(b)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.10としたときの発光スペクトルを示す。
【0072】
図4は、表面実装型発光部10aの発光スペクトルを示すグラフであり、(a)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.15としたときの発光スペクトルを示し、(b)は、配合比を樹脂:赤蛍光体=1:0.20としたときの発光スペクトルを示す。
【0073】
なお、各グラフの縦軸は、発光強度の相対的な比率を表している。
【0074】
前記図2に示すように、本実施の形態の表面実装型発光部10aでは、樹脂層17は樹脂としてのシリコーン樹脂からなる樹脂17aに赤蛍光体17bが含有されたものからなっている。したがって、この樹脂17aに対する赤蛍光体17bの割合を変更することによって、互いに異なる波長の光が出射できるものとなる。
【0075】
例えば、赤蛍光体17bとして、CaAlSiN:Euを使用する。前述したように、青色LEDチップ14aから波長が400〜480nmの範囲でピーク波長を有する第1光を出射する。また、赤蛍光体17bの割合を調整することによって、波長620〜700nmの範囲でピーク波長を有する第3光を出射する。尚、CaAlSiN:Euは、2価のユーロピウム(Eu)を賦活材とする窒化物赤色蛍光体であり、温度特性が安定かつ高発光効率の蛍光体の1つである。
【0076】
具体的には、図3の(a)に示すように、配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.05とした表面実装型発光部10aの場合には、波長440nmに発光強度1.0のピーク波長と波長640nmに発光強度0.3のピーク波長とを有する発光スペクトルが得られる。
【0077】
配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.10とした表面実装型発光部10aの場合には、図3の(b)に示すように、波長440nmに発光強度1.0のピーク波長と波長640nmに発光強度0.8のピーク波長とを有する発光スペクトルが得られる。
【0078】
また、配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.15とした表面実装型発光部10aの場合には、図4の(a)に示すように、波長440nmに発光強度0.56のピーク波長と波長640nmに発光強度1.0のピーク波長とを有する発光スペクトルが得られる。
【0079】
そして、図4の(b)に示すように、配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.20とした表面実装型発光部10aとした場合には、波長440nmに発光強度0.4のピーク波長と波長640nmに発光強度1.0のピーク波長とを有する発光スペクトルが得られる。
【0080】
表面実装型発光部10aは、配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.05とした場合には、発光スペクトルはクロロフィルの青色域吸収ピークに対応しているので、発芽・育苗用に使用するのが好ましい。ただし、必ずしもこれに限らず、例えば、樹脂17aと赤蛍光体17bとの配合比が1:0.10〜1:0.15とした表面実装型発光部10aを採用することも可能である。
【0081】
また、表面実装型発光部10aは、配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.20とした場合には、発光スペクトルはクロロフィルの赤色域吸収ピークに対応しているので、栽培用に使用するのが好ましい。ただし、必ずしもこれに限らず、例えば、樹脂17aと赤蛍光体17bとの配合比が1:0.40とした表面実装型発光部10aを採用することも可能である。
【0082】
このように樹脂17aと赤蛍光体17bとの配合比を変更することによって、容易に青色域と赤色域との光量割合を調整することが可能となる。
【0083】
(植物の成長において必要な光の波長)
次に、植物の成長においてどのような波長の光を照射すればよいのかについて、図5に基づいて説明する。図5は、クロロフィルの光吸収特性と本実施の形態の表面実装型発光部10aの発光スペクトルを示す図である。
【0084】
まず、植物の光合成において中心的な役割を担う葉緑素(クロロフィル)は、光を一様に吸収するのではなく、図5に示すように、赤色660nm付近と青色450nm付近とに明確な吸収ピークを示し、これに関係して、光合成の波長特性は660nm付近に第一のピークを有すると共に、450nm付近に第二のピークを有している。
【0085】
これに対して、本実施の形態の表面実装型発光部10aにおいては、図5に示すように、クロロフィルの青色域吸収帯には本実施の形態の配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.05とした表面実装型発光部10a(図3の(a)を参照)が適していると共に、クロロフィルの赤色域吸収帯には本実施の形態の配合比を樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.20とした表面実装型発光部10a(図4の(b)を参照)が適していることが分かる。なお、上記はあくまでも一例であり、ほかの適用する例としては、例えば、図3および図4に示すように、クロロフィルの青色域吸収帯に対して、図3の(a)に示す表面実装型発光部10aのほかに、図3の(b)に示す表面実装型発光部10a(配合比は樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.10)も適していることが分かる。また、クロロフィルの赤色域吸収帯に対して、図4の(b)に示す表面実装型発光部10aのほかに、図3の(b)および図4の(a)に示す表面実装型発光部10a(配合比は樹脂17a:赤蛍光体17b=1:0.10〜0.15)も適していることが分かる。
【0086】
このように、本実施の形態の表面実装型発光部10aにおいては、樹脂17aと赤蛍光体17bとの配合比を変更するのみでクロロフィルの光吸収特性に容易に合わせることができることが分かる。
【0087】
ところで、光の分野では、光量の単位として例えば光量子束密度が用いられる。ここで、光量子束密度は、ある物質を太陽の光が照射している場合に、1秒間に照射される光子の数をその物質の受光面積で割った値をいう。しかし、光量子束密度という場合には、光子の数を数えるので、赤外光または紫外光のいずれが来ても1個は1個である。
【0088】
一方、光化学反応は、色素が吸収できる光子が来たときだけに引き起こされる。例えば、植物の場合、クロロフィルに吸収されない光がいくら来ても、それは存在しないのと同じである。
【0089】
そこで、光合成の分野では、クロロフィルが吸収できる400nm〜700nmまでの波長領域だけの光合成有効光量子束密度または光合成光量子束が定義されている。
【0090】
なお、光合成光量子束とは、光合成有効光量子束密度(PPFD:photosynthetic photon flux density)に光照射面積をかけたものをいう。この値は、単にクロロフィルの赤色域および青色域の吸収ピーク波長のエネルギーで表現した値ではなく、植物の成長に必要な光強度を求めるために、赤色域および青色域の各吸収スペクトルに対応するエネルギー(すなわち、光合成に必要なエネルギー)を光量子の量で表現した値である。また、光合成光量子束は、表面実装型発光部10aからのスペクトル特性と、各波長の光量子1個のエネルギーとから求めることができる。
【0091】
したがって、光合成光量子束を用いて表面実装型発光部10aを表すと、図3の(a)に示す表面実装型発光部10aについては、光合成光量子束が波長400nm〜480nmの青色域では、1μmol/sであり、波長620nm〜700nmの赤色域では、1.3μmol/sとなっている。尚、この値は、波長400nm〜480nmおよび波長620nm〜700nmの発光スペクトルのグラフの面積から求める値である。そして、これを比率で表すと、波長400nm〜480nmの青色域における光合成光量子束と、波長620nm〜700nmの赤色域における光合成光量子束との比が、1:1.3となる。
【0092】
また、図4の(b)に示す表面実装型発光部10aについては、光合成光量子束が波長400nm〜480nmの青色域では、0.2μmol/sであり、波長620nm〜700nmの赤色域では、2.0μmol/sとなっている。そして、これを比率で表すと、波長400nm〜480nmの青色域における光合成光量子束と、波長620nm〜700nmの赤色域における光合成光量子束との比が、1:10となる。この場合には、表面実装型発光部10aは赤の多い光を発生し、藻類の生長促進に適している。
【0093】
尚、図3の(b)に示す表面実装型発光部10aについては、波長400nm〜480nmの青色域における光合成光量子束と、波長620nm〜700nmの赤色域における光合成光量子束との比が、1:3.5となる。また、図4の(a)に示す表面実装型発光部10aについては、波長400nm〜480nmの青色域における光合成光量子束と、波長620nm〜700nmの赤色域における光合成光量子束との比が、1:7.5となる。
【0094】
したがって、本実施の形態では、波長400nm〜480nmの青色域における光合成光量子束と、波長620nm〜700nmの赤色域における光合成光量子束との比が、1:1.3〜1:10となっている。この結果、植物の発芽・育苗および栽培に適した表面実装型発光部10aとすることができる。
【0095】
(実装例)
次に、図6に基づいて、表面実装型発光部10aを配線基板20に実装する一例について説明する。
【0096】
図6は、表面実装型発光部10aを配線基板20に実装した状態の一例を部分的に拡大して示す部分拡大断面図である。
【0097】
(1.表面実装型発光部10a)
表面実装型発光部10aは、図2に示すように、表面実装用の外部端子であるカソード電極ランド11aおよびアノード電極ランド11bを有するので、配線基板20の表面にそのまま載置され実装(接続)される。したがって、接続構造を簡単にすることができ、接続(実装)の作業性、信頼性を向上させることができる。
【0098】
また、表面実装型発光部10aは、表面実装型であるので、配線基板20での表面実装型発光部10aの高さは、表面実装型発光部10aのパッケージ部16(図2の(b)を参照)の高さとなる。したがって、薄型化が可能となる。
【0099】
一例として、表面実装型発光部10aの高さは、例えば1.4mmとされている。したがって、表面実装型発光部10aを配線基板20に搭載したときの基板表面からの高さは、1.4mmとすることができる。つまり、表面実装型発光部10aを採用することによって、発光装置1を薄型化することができる。
【0100】
また、表面実装型発光部10aの重量は、例えば0.025g(グラム)である。つまり、表面実装型発光部10aを採用することによって発光装置1を軽量化することができる。
【0101】
また、後述の表1に示すように、表面実装型発光部10aは、コストメリットがあるため、発光装置1を低価格化することが可能となる。よって、発光装置1を発光装置として採用した場合は、発光装置に関する設置費を低減することができる。
【0102】
なお、図6において、配線基板20は、各表面実装型発光部10aごとに分離しているわけではなく、発光装置1の全体にわたって連続した一体物である。
【0103】
(2.配線基板20)
配線基板20の平面形状は、例えば160mm×160mmの矩形である。また、配線基板20の厚さは、例えば1mmである。また、16行×16列のドットマトリックス状に配置された表面実装型発光部10aは、列方向の配置ピッチが10mm、行方向の配置ピッチが10mmである。
【0104】
配線基板20は、表面実装型発光部10aを配列して固定(接続)するための配線パターン(不図示)を有する。つまり、表面実装型発光部10aの外部端子であるカソード電極ランド11aおよびアノード電極ランド11bは、半田などの導電性部材により、配線基板20(配線パターン)に対して電気的および機械的に接続される。また、表面実装型発光部10aへ配線パターンを介して電力を供給する駆動回路(不図示)が照射面の反対側の裏面20cに実装される。
【0105】
また、発光装置1の全体にわたって連続した格子形状となっている枠体部40を配線基板20に固定するためには、ネジ80を用いることができる。なお、より確実にかつ安定して固定するためには、図6に示すように、ネジ80を用いた固定方法に加えて、嵌め込み部90を配線基板20に嵌め込むようにしてもよい。
【0106】
配線基板20は、機械的強度が高く熱変形の少ないものが好ましい。具体的には絶縁性合成樹脂、セラミックス、ガラス、アルミニウム合金等を用いたプリント基板、すなわち、リジッド基板を好適に利用することができる。
【0107】
(3.レンズ部30)
また、本実施の形態に係るレンズ部30は、凸レンズとしての集光特性を有する曲面部(曲面を有する部材)30aと、曲面部30aから枠体部40まで延長され曲面部30aを保持する保持部30bとを備えている。図6に示す例では、保持部30bが、曲面部30aの周囲に突出して形成され、枠体部40の1マス毎に、矩形の輪状に形成された溝部に嵌め込まれるようになっている。
【0108】
レンズ部30のレンズ材質は、例えば、ポリカーボネート(Polycarbonate)樹脂である。なお、これに限定されず、レンズ材質としては、アクリル等の成形加工が可能な樹脂材料を用いることが可能である。また、前述したように、レンズ部30と枠体部40とを、同じ樹脂材料の成型によって、一体物として形成してもよい。
【0109】
ポリカーボネートは、耐候性タイプのポリカーボネートを適用することが好ましい。
【0110】
(4.立壁部60)
各表面実装型発光部10a(より具体的には、各表面実装型発光部10aと、レンズ部30と、枠体部40と)に対応させて立壁部60が配置される。立壁部60は、枠体部40の行方向に対応させて配置されている。つまり、立壁部60は、図1で示したとおり、発光装置1が備える表面実装型発光部10aの16行に対応させて16個配置されている。
【0111】
なお、立壁部60を行方向に対応させて配置することに限られず、列方向に対応させて配置してもよい。いずれの形態であっても、発光装置1の正面方向の照度を向上させることができる。ただし、後述するように、立壁部60を回動可能に構成した場合、立壁部60の先端が向く方向の照度を向上させることができる。したがって、立壁部60を行方向に対応させて配置すると、例えば、植物の高さ方向(上下方向)の照度を、部位によって変化させることができる。一方、立壁部60を列方向に対応させて配置すると、例えば、植物の幅方向(左右方向)の照度を、部位によって変化させることができる。
【0112】
立壁部60は、照射効率を向上させるために、反射率を高める表面処理、例えば白色系などで着色することが好ましく、白色ポリカーボネート樹脂を適用することもできる。
【0113】
また、図6に示すように、立壁部60の高さhは10mmとしている。したがって、発光装置1は、広い範囲を照射することが可能となる。
【0114】
立壁部60は、枠体部40に嵌め込まれるように突出した突起部60aが設けられ、突起部60aは、枠体部40に回動可能に固定されている。
【0115】
なお、立壁部60を回動可能にする構成としては、一般的なルーバーと同様な構成を用いることができる。例えば、前記特許文献3に記載された可動ルーバー装置を立壁部60に適用することができる。以下では、図14に基づいて、前記特許文献3に記載された可動ルーバー装置について簡単に説明する。
【0116】
図14に示すように、特許文献3に記載された可動ルーバー装置は、左右の縦枠301,301間にルーバー302を多段状に配している。そのルーバー302の両端部を支軸303を介して両縦枠301,301に回転可能に取り付けている。また、各ルーバー302の一端面に固着したアームプレート304をルーバー302の幅方向一端部から所要長さ突出させている。その突出端部をルーバー連動杆305に枢支連結している。ルーバー連動杆305の下端側所要位置には、把手部306oが室内側へ延出したルーバー回転操作用ハンドル306を枢着している。さらに、ハンドル306の先端部をルーバー302の支軸303より室外側へ寄った位置で縦枠301に枢着している。
【0117】
ハンドル306を先端枢着部307を中心に上下方向に回動させることにより、ルーバー302を一斉に回転させることができる。なお、ハンドル306と縦枠301との間に、ハンドル306を所要角度回動させた位置に固定するロック手段を設けている。
【0118】
〔変形例〕
なお、本実施の形態に記載された発光装置1が備える表面実装型発光部は、前記表面実装型発光部10aに限定することなく、例えば、図7に記載された表面実装型発光部10bに置き換えてもよい。
【0119】
本変形例では、表面実装型発光部10aを表面実装型発光部10bに置き換えたこと以外は、すべて実施の形態1と同様である。なお、本変形例において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
(表面実装型発光部)
前記実施の形態1にて説明した表面実装型発光部10aは、クロロフィルの青色域吸収ピークに対応すべく短波長域400nm〜480nmの範囲でピーク波長を有する少なくとも1個の青色LEDチップ14aを有していた。
【0121】
これに対して、本変形例の表面実装型発光部10bでは、植物の光合成によって吸収される光の複数のピーク波長のうち、短波長域において、互いに異なるピーク波長を有した少なくとも2種類の青色LEDチップを用いている。すなわち、青色LEDチップ14aは、クロロフィルbの青色域吸収ピークに対応すべく、短波長域400nm〜480nmの範囲でピーク波長(第1のピーク波長)を有する第1光を発生する。クロロフィルa用青色LEDチップ14bは、クロロフィルaの青色域吸収ピークに対応すべく、短波長域400〜450nmの範囲でピーク波長(第2のピーク波長)を有する第2光を発生する。
【0122】
次に、図7に基づいて、表面実装型発光部10bの一例について説明する。
【0123】
図7は、表面実装型発光部10bの一例を示す平面図である。図7に示すように、表面実装型発光部10bは、表面実装用の外部端子であるカソード電極ランド11aおよびアノード電極ランド11bと、(表面実装型発光部10bの形状と凹部13の開口形状とに合わせて)適宜の形状に形成されたパッケージ部16と、パッケージ部16に形成された凹部13と、凹部13に搭載された、赤蛍光体17bを含有したシリコーン樹脂17aからなる樹脂層17(蛍光体含有封止樹脂)と、青色LEDチップ14aが2個と、青色LEDチップ14bが1個とを備える。前記樹脂層17は、凹部13の内側に充填されて前記3個の青色LEDチップ14aおよび14bの上側を被覆する。
【0124】
また、赤蛍光体17bは、青色LEDチップ14aおよび青色LEDチップ14bの光を吸収して、複数のピーク波長のうち、長波長域620nm〜700nmのピーク波長に対応した第3光を発生する。当該第3光は、クロロフィルbおよびクロロフィルaの赤色域吸収ピークに対応する。
【0125】
なお、前記の説明では、表面実装型発光部10bには、青色LEDチップ14aが2個搭載され、青色LEDチップ14bが1個搭載されているが、必ずしもこれに限らず、上述のように、少なくとも1個の青色LEDチップ14aと、1個の青色LEDチップ14bとが搭載されればよい。
【0126】
次に、前記クロロフィルaおよびクロロフィルbについて説明する。
【0127】
植物は、クロロフィルaとクロロフィルbとを有している。具体的には、クロロフィルの青色域にはクロロフィルaとクロロフィルbとがあり、赤色域にもクロロフィルaとクロロフィルbとがある。
【0128】
ここで、図5に示すように、クロロフィルaとクロロフィルbとは、青色域における光吸収特性がそれぞれ異なっている。具体的には、クロロフィルaは、400〜450nmにおいて、420nm付近で最大となる吸収ピークを有し、クロロフィルbは、400〜480nmにおいて、460nm付近で最大となる吸収ピークを有している。青色LEDの波長スペクトルは鋭いので、青色LED1種類では青色吸収域をカバーできない。そこで、青色域のクロロフィルaとクロロフィルbとに対応する2種類の青色LEDを(第1光および第2光を発するものとして)形成することが好ましい。
【0129】
また、クロロフィルaおよびクロロフィルbは、赤色域においては、620〜700nmに、互いに異なる吸収ピークを有している。なお、蛍光体のスペクトルはブロードなので赤色吸収域をカバーすることができる。
【0130】
以上のことから、表面実装型発光素子10bにてクロロフィルの吸収ピークに、一層適合した発光装置が実現可能となった。
【0131】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0132】
(発光装置)
図8は、本発明の実施の形態2に係る発光装置1’の概要を示す正面図である。
【0133】
図示のように、本実施の形態に係る発光装置1’では、二次元的に配置された複数の表面実装型発光部10aの一部を置き換えるように、表面実装型発光部10c(詳細は図9を参照)が分散して配置されている。この点以外の構成は、すべて図1に示した発光装置1と同様である。
【0134】
(表面実装型発光部)
発光装置1’が備える表面実装型発光部10aの構成は、実施の形態1に説明したものと同様であるため、その説明を省略する。ここで、図9に基づいて、表面実装型発光部10cの構成についてのみ説明する。
【0135】
図9は、本発明の実施の形態2に係る発光装置1’に実装される表面実装型発光部10cの平面図である。
【0136】
表面実装型発光部10cは、図示のように、表面実装用の外部端子であるカソード電極ランド11aおよびアノード電極ランド11bと、(表面実装型発光部10aおよび10bの形状と凹部13の開口形状とに合わせて)適宜の形状に形成されたパッケージ部16と、パッケージ部16に形成された凹部13と、凹部13に搭載された、シリコーン樹脂からなる封止樹脂44と、3個の青色光を発生する青色LEDチップ14bとを備える。前記封止樹脂44は、凹部13の内側に充填されて前記3個の青色LEDチップ14bの上側を被覆する。
【0137】
青色LEDチップ14bは、既に説明したとおり、複数のピーク波長のうち、短波長域400nm〜450nmのピーク波長に対応した第2光を発生する。当該第2光は、クロロフィルaの青色域吸収ピークに対応する。したがって、青色域400nm〜450nmの範囲用の青色LEDチップ14bは、本発明のクロロフィルa用青色LEDチップとして機能している。
【0138】
また、生物(植物等)によって青色域の吸収ピーク(吸収効率)が異なる。本実施形態において、その補間としての第2光を発する青色LEDチップ14bを独立させることによって、青色域においてクロロフィルaとクロロフィルbとの吸収ピークに合わせて第2光を容易に調整することができるという効果を奏する。
【0139】
よって、表面実装型発光部10aおよび表面実装型発光部10cにて、クロロフィルの吸収ピークに適切に対応できる発光装置が実現可能となった。
【0140】
なお、前記の説明では、表面実装型発光部10cには、青色LEDチップ14bが3個搭載されているが、必ずしもこれに限らず、少なくとも1個の青色LEDチップ14bが搭載されればよい。
【0141】
〔従来技術との比較〕
特許文献1および2に記載された光源の構成では、光源の正面における照度が不十分になるという問題が有る。
【0142】
また、特許文献1に記載の植物伸長装置は、光照射対象となる植物の種類を判別し、判別した植物の種類に応じて射出される光のスペクトルを設定するものである。また、各種類の植物に対して、適切な光のスペクトルを設定するために、複数種類のLEDを備えることが開示されている。よって、LEDの搭載数が多くなり、設置面積が大きくなり、コストが高くなってしまう。
【0143】
特許文献2に記載の植物栽培用LED光源は、赤色LEDと青色LEDとを備えている。
【0144】
そして、特許文献2においては、青色LEDの光量は、赤色LEDの光量における50%以下の割合となるように用いられている。通常、青色LED光の光量を赤色LED光の光量における50%以下の割合とするには、
(A)赤色LEDを高輝度発光させる(駆動電流を増加する)か、
(B)各LEDに搭載する赤LEDチップ数を増やすか、
(C)赤色LEDの個数を増やすか、
等の措置が必要となる。
【0145】
よって、以下の課題を有している。
【0146】
(1)青色LEDと赤色LEDとの個別の素子を複数使用する場合に、所定の光量割合を満足し、かつ同時に空間的に色むらなく一様な混色光を実現するのは非常に難しく、植物栽培に必要な混合色を得ることは困難である。
【0147】
また、従来の発光装置では、発光装置の正面での光度が不十分という課題があった。
【0148】
つまり、従来の発光装置では、照射性がよくない。
【0149】
(2)前記(A)の場合には、青/赤LEDチップ間の劣化特性差が助長され、長期的な駆動時に、赤色LEDが劣化しやすくなる。
【0150】
また、青色域と赤色域との光量割合を調整する必要があるが、青色LEDまたは赤色LEDの個数の調整によって光量割合を合わせる場合には、長期的な駆動を考慮すると劣化特性の違いにより光量割合のずれが生じる。
【0151】
つまり、従来の発光装置では、耐候性がよくない。
【0152】
(3)前記(B)または(C)の場合には、赤LEDチップまたは赤色LEDを多く設置する必要がある。しかし、赤LEDチップは、コストが高く、また、温度特性がよくないため、発光効率が温度によって変わり、温度が高いほど効率が悪くなる。
【0153】
さらに、短波長の光は、樹脂透過率が劣化するため、エポキシ樹脂レンズを備える特許文献2に記載の植物栽培用LED光源は、短波長の光(例えば、青色光)に対して劣化する。
【0154】
つまり、従来の発光装置では、信頼性がよくない。
【0155】
以下では、本発明が従来技術に比べて優れた点について説明する。まず、前記各実施の形態に係る表面実装型発光部10a、10b、10cと、従来の赤色砲弾型LEDランプと青色砲弾型LEDランプとを組み合わせたもの(例えば、LED112(図10および図11を参照)、LED210およびLED220(図12および図13を参照))との比較を、表1に基づいて説明する。
【0156】
【表1】

【0157】
表1に示すように、前記各実施の形態に係る表面実装型発光部10a、10b、10cは、従来の赤色砲弾型LEDランプと青色砲弾型LEDランプとを組み合わせたものと比べて、信頼性、コスト、特性、設置面積、寿命の全ての点で優れていることが把握される。
【0158】
具体的には、信頼性については、エポキシ樹脂を使わないため、樹脂劣化が少ないという効果がある。
【0159】
また、コストについても、本実施の形態の表面実装型発光部10a、10b、10cでは、表1に示すように、従来に比べてコストメリットがあることが明らかである。
【0160】
特性については、赤色LEDチップを使用しないため、温度特性を約10%改善することができる。
【0161】
また、設置面積については、従来技術である青色砲弾型LEDランプと赤色砲弾型LEDランプとを組み合わせたときの設置面積を1とすると、表面実装型発光部10a、10b、10cでは1/6となる。このため、本実施の形態の表面実装型発光部10a、10b、10cでは、設置面積が少なくてすむという特徴がある。
【0162】
さらに、寿命については、表面実装型発光部10a、10b、10cの寿命は3〜4万時間なので、電熱型ランプ(電球)はいうまでもなく、蛍光灯ランプに比べても十倍以上も長寿命である。
【0163】
〔補足〕
ここで、色素クロロフィルについて記載したがそれに限定することなく、光合成色素であればよく、例えば、カロテノイド、フィコピリンなどが挙げられる。さらに生物、植物としてラン藻類、紅藻類、ケイ藻類、褐藻類、緑藻類、種子植物(コケ、シダ)、光合成細菌などの光従属栄養的生物全般が挙げられる。
【0164】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0165】
本発明に係る発光装置は、枠体部とレンズ部とは、一体に形成されてレンズアレイモジュールとされることが好ましい。
【0166】
また、本発明に係る発光装置では、前記レンズ部はドットマトリックス状に配置され、前記枠体部は格子状に形成されることが好ましい。
【0167】
また、本発明に係る発光装置は、前記枠体部に対応するように配置された立壁部を備え、前記立壁部の突起部が前記枠体部に嵌め込まれ、前記立壁部は可変にすることが好ましい。
【0168】
また、本発明に係る表面実装型発光部は、表面実装型発光部内にクロロフィルの青色域吸収ピークに対応すべく波長が400〜450nmの範囲でピーク波長を有する少なくとも1個の青色LEDチップと、クロロフィルの青色域吸収ピークに対応すべく波長が400〜480nmの範囲でピーク波長を有する少なくとも1個の青色LEDチップと、上記青色LEDチップからの励起光により、クロロフィルの赤色域吸収ピークに対応すべくピーク波長が波長620〜700nmの光を発光する赤蛍光体と、上記赤蛍光体を分散して上記少なくとも1個の青色LEDチップを覆う樹脂層とが設けられることが好ましい。
【0169】
さらに、本発明に係る表面実装型発光部は、表面実装型発光部内に透光性封止樹脂で覆われたクロロフィルの青色域吸収ピークに対応すべく波長が400〜450nmの青色LEDチップと赤蛍光体が異なることが好ましい。
【0170】
また、本発明に係る表面実装型発光部は、波長400nm〜480nmの青色域における光合成光量子束と、波長620nm〜700nmの赤色域における光合成光量子束との比が、1:1.3〜1:10となっていることが好ましい。この結果、植物の発芽・育苗および栽培に適した表面実装型発光部とすることが可能となる。
【0171】
また、本発明に係る表面実装型発光部は、ピーク波長である波長400〜480nmの第1光と波長620〜700nmの第3光とが出射されることが好ましい。
【0172】
また、本発明に係る表面実装型発光部は、植物の光合成によって吸収される光の複数のピーク波長のうち、短波長域400〜450nmのピーク波長に対応した第2光を発する、少なくとも1個のLEDチップと、上記LEDチップを覆う封止樹脂とを備えてもよい。なお、上記封止樹脂は、シリコーン樹脂からなってもよい。
【0173】
また、本発明に係る発光装置は、配線基板の表面に実装された、少なくとも1個の第1光および第3光を発する表面実装型発光部と、少なくとも1個の第2光を発する表面実装型発光部と、上記表面実装型発光部の光出射側に配されたレンズ部と、上記レンズ部の周囲を固定する枠体部とを備えてもよい。
【0174】
なお、本発明に係る発光装置を栽培または培養を含む生物育成用の光源として備えている光照射装置についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0175】
なお、光照射装置として、図10または図13に示す構成を採用することができるが、高さのある植物に対し、側面から光を照射するように光照射装置を構成するなどの様々な変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、真核生物栽培工場、光合成細菌栽培工場等に使用することができる栽培または培養などの育成用光照射装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0177】
1、1’ 発光装置
10a、10b、10c 表面実装型発光部
14a 青色LEDチップ(第1のLEDチップ)
14b 青色LEDチップ(第2のLEDチップ)
17 樹脂層(蛍光体含有封止樹脂)
17b 赤蛍光体(蛍光体)
20 配線基板
30 レンズ部
40 枠体部
60 立壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板の表面に実装された表面実装型発光部と、
上記表面実装型発光部の光出射側に配されたレンズ部と、
上記レンズ部の周囲を固定する枠体部とを備え、
上記表面実装型発光部は、
生育に光を必要とする生物によって吸収される光の複数のピーク波長のうち、相対的に短波長域の第1のピーク波長に対応した第1光を発する、少なくとも1個の第1のLEDチップと、
上記第1のLEDチップを覆う蛍光体含有封止樹脂とを備え、
上記蛍光体含有封止樹脂に含有された蛍光体は、上記第1のLEDチップが出射する第1光を吸収することにより、上記複数のピーク波長のうち、相対的に長波長域のピーク波長に対応した第3光を発すること
を特徴とする発光装置。
【請求項2】
上記表面実装型発光部は、
上記複数のピーク波長のうち、上記短波長域の第2のピーク波長であって、上記第1のピーク波長とは異なる第2のピーク波長に対応した第2光を発する、少なくとも1個の第2のLEDチップを備えていること
を特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
上記レンズ部と上記枠体部とは、レンズモジュールとして一体的に構成されていること
を特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
上記表面実装型発光部を含む複数の表面実装型発光部が、行列状に配置され、
上記枠体部は、上記複数の表面実装型発光部に対応して、格子状の形状を備え、
格子状の上記枠体部の1マス毎に、上記レンズ部が設けられていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
上記複数の表面実装型発光部のうち、列方向に沿って隣接する表面実装型発光部の各間に、上記枠体部に対して、光出射側に立ち上がる立壁部が、上記列方向と交差する行方向に連続して設けられていること
を特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
上記立壁部は、上記配線基板の表面に対して、垂直な状態と傾斜した状態との間で回動可能に構成されていること
を特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
上記第1のピーク波長に対応した第1光の波長は、400nm以上480nm以下の範囲を有し、
上記長波長域のピーク波長に対応した第3光の波長は、620nm以上700nm以下の範囲を有していること
を特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項8】
上記第2のピーク波長に対応した第2光の波長は、400nm以上450nm以下の範囲を有していること
を特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項9】
上記表面実装型発光部において、上記第1光および第3光を含む光が出射される開口部は、短辺および長辺を有した長方形の形状を有すること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光装置を、栽培または培養を含む生物育成用の光源として備えていることを特徴とする光照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−65709(P2013−65709A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203663(P2011−203663)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】