説明

発光装置および照明器具

【課題】フレキシブル基板にLEDチップを実装する発光体のコスト低減が可能な発光装置および照明器具を提供する。
【解決手段】発光装置1は、一面に配線パターンが形成されたフレキシブル基板8、この基板8の一端側8aにLEDチップ9、他端側8bにコネクタ10およびLEDチップ9を封止している透光性の封止樹脂11を有する発光体2と、一方側7aにフレキシブル基板8の一端側8aが取り付けられ、他方側7bに口金30を有し、内部空間にフレキシブル基板8の他端側8bが導入されている装置本体3と、回路基板36に発光体2のコネクタ10が接続される接続部39を有してなり、装置本体3に収容され、口金30を介して給電されて動作しLEDチップ9を点灯させる点灯装置4と、発光体2を覆うように装置本体3の一方側6aに取り付けられた透光性の包囲体5とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発光ダイオードを光源とし、その放射光を照明に利用する発光装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードを光源とする照明器具には、基板にLEDチップを実装し、このLEDチップを封止樹脂で充填した所謂COB(Chip on board)タイプの発光体(LEDモジュール)を用いているものがある。当該発光体は、LEDチップの周囲にシリコーン樹脂などにより土手からなる囲いを形成し、その囲いの内側に所定量の封止樹脂を充填している。
【0003】
また、基板に複数個の表面実装型LEDパッケージを実装した発光体が用いられている。そして、基板がフレキシブル基板である発光体が提案されている(例えば特許文献1参照。)。当該発光体は、フレキシブル基板により、器具本体の形状が異なる種々の照明器具の光源として用いることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−267066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
COBタイプの発光体は、所定量の封止樹脂を囲いの内側に充填するために、囲いの高さなどを厳密に管理する必要がある。そして、囲いは、シリコーン樹脂などを基板に塗布し、硬化させて形成するので、その製造工程が必要である。このため、発光体のコスト低減を図りにくいものであった。
【0006】
本発明は、フレキシブル基板にLEDチップを実装する発光体のコスト低減が可能な発光装置および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の発光装置は、発光体、装置本体、点灯装置および包囲体を有して構成される。
【0008】
発光体は、フレキシブル基板、LEDチップ、封止樹脂およびコネクタを有して形成される。フレキシブル基板は、その一面に配線パターンが形成されるともに、一端側にLEDチップ、他端側にコネクタがそれぞれ配線パターンに電気接続されるように実装される。封止樹脂は、透光性を有し、LEDチップを封止し、LEDチップの放射光の一部を波長変換する蛍光体を包含している。LEDチップの放射光と蛍光体により波長変換された光とが混光して、発光体から照明光が放射される。
【0009】
また、フレキシブル基板は、平面状の両面を貫通した孔を有するリジット基板を実装する。このリジット基板は、その孔にLEDチップが内包されるようにフレキシブル基板に実装される。そして、孔に封止樹脂が充填されることにより、LEDチップが封止樹脂により封止される。リジット基板は、部品を搭載可能な基板をいう。
【0010】
リジット基板は、フレキシブル基板に載置し、封止樹脂の仮硬化にフレキシブル基板から取り外すようにしてもよい。
【0011】
装置本体は、一方側にフレキシブル基板の一端側すなわちフレキシブル基板のLEDチップの実装領域が取り付けられるとともに、他端側にGX53形またはE形などの口金を有して形成される。ここで、口金の形状は、前記のGX53形またはE形のものに限られるものではない。フレキシブル基板の他端側は、装置本体の一方側よりも他方側の内部空間に導入される。
【0012】
また、装置本体は、その全体が樹脂で形成されてもよく、口金と電気絶縁して金属で形成されてもよい。樹脂、金属のいずれの場合でも、放熱性が大きいほど好ましい。
【0013】
点灯装置は、回路基板、この回路基板に実装された点灯回路部品および発光体のコネクタが接続される接続部を有して形成される。そして、装置本体に収容され、電気的関係においては、その入力側が装置本体の口金に接続され、その出力側が発光体のLEDチップに接続される。点灯装置は、口金を介して外部から例えば商用電源が給電されると、動作し、所望の電力に変換し、LEDチップを安定に点灯するように形成される。
【0014】
包囲体は、グローブやカバーなどを総称し、透光性を有し、発光体を覆うように装置本体の一方側に取り付けられる。
【0015】
本発明の実施形態の照明器具は、前記発光装置および前記発光装置の口金が電気接続されるソケットを有する照明器具を備えて構成される。
【0016】
また、本発明の実施形態の照明器具は、発光体、器具本体、点灯装置および包囲体を有して構成される。発光体、点灯装置および包囲体は、形状や大きさなどは異なるが、前記発光装置と同様の構成要素で構成される。
【0017】
そして、器具本体は、一方側にフレキシブル基板の一端側すなわちフレキシブル基板のLEDチップの実装領域が取り付けられるとともに、他方側に外部電源に接続されている給電部を有して形成される。フレキシブル基板の他端側は、装置本体の一方側よりも他方側の内部空間に導入される。器具本体は、樹脂、金属のいずれで形成されてもよく、いずれの場合でも、放熱性が大きいほど好ましい。給電部は、端子台、中継端子、コネクタなどにて形成される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発光体は、フレキシブル基板の一端側にLEDチップ、他端側にコネクタをそれぞれ実装し、当該コネクタが点灯装置側に導かれて点灯装置の接続部に接続されるので、リード線を引き回して発光体と点灯装置を電気接続しなくすることができ、発光体と点灯装置の電気接続の省力化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1を示す発光装置の概略正面図である。
【図2】同じく、発光装置の概略縦断面図である。
【図3】同じく、発光体の概略斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示す照明器具の一部切り欠き概略正面図である。
【図5】本発明の実施例3を示す照明器具の一部切り欠き概略正面図である。
【図6】同じく、照明器具の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1を示す発光装置1は、図1ないし図3に示すように構成される。図2において、発光装置1は、電球用ソケットに着脱されるミニクリプトン電球形のLED電球であり、発光体2、装置本体3、点灯装置4および包囲体5を有して構成されている。そして、装置本体3は、金属ケース6および樹脂ケース7に形成されている。
【0022】
発光体2は、図3に示すように、フレキシブル基板8、LEDチップ9、コネクタ10、封止樹脂11およびリジット基板12を有して形成されている。
【0023】
フレキシブル基板8は、例えばポリイミド樹脂から成形されており、長尺状に形成されている。そして、長手方向の一端側8aが幅広の略六角形状に、長手方向の他端側8bが幅小形状に形成されている。そして、一面8cに銅箔からなる一対の配線パターン13,13が長手方向の一端側8aから他端側8bに亘って形成されている。また、一端側8aの一面8cにリジット基板12を設けている。
【0024】
リジット基板12は、所定の肉厚を有する例えばガラスエポキシ材からなり、平面状の両面12a,12bを有する略正四角形に形成されている。そして、両面12a,12を貫通する孔14が形成されている。この孔14は、上面12a側が下面12b側よりも幾分径大の円錐台状に形成されている。リジット基板12は、その下面12bが接着材によりフレキシブル基板8の一面8cに密着されている。
【0025】
LEDチップ9は、例えば青色光を放射するように形成されている。そして、複数個のLEDチップ9がフレキシブル基板8の長手方向の一端側8aの一面8cであって、リジット基板12の孔14の内側に位置するようにして、COB(Chip On board)方式によって実装されている。複数個のLEDチップ9は、直列接続され、一対の配線パターン13,13に電気接続されている。
【0026】
コネクタ10は、フレキシブル基板8の長手方向の他端側8bの一面8c側に設けられている。他端側8bの一面8cには、直方体に形成されたリジット基板15が実装され、このリジット基板15の上面15aにコネクタ10が配設されている。コネクタ10は、少なくとも2つの接続ピンを有し、2つの接続ピンがリジット基板15を介して一対の配線パターン13,13に電気接続されている。
【0027】
封止樹脂11は、透光性を有する例えばシリコーン樹脂からなり、リジット基板12の孔14にリジット基板12の上面12aに面一となるように充填されている。封止樹脂11は、硬化してLEDチップ9を封止している。そして、封止樹脂11は、図2に示すように、黄色蛍光体16を含有している。
【0028】
黄色蛍光体16は、LEDチップ9から放射された青色光が入射すると、青色光を黄色光に波長変換する。LEDチップ9から放射された青色光と、黄色蛍光体16により波長変換された黄色光とが封止樹脂11を透過して、リジット基板12の孔14からそれぞれ放射し、混光することにより、リジット基板12の孔14から白色光が放射しているように見える。すなわち、発光体2は、白色光を放射する。
【0029】
そして、フレキシブル基板8は、その長手方向の一端側8aの他面8dに放熱板17を取り付けている。放熱板17は、高熱伝導性を有する金属板例えばアルミニウム(Al)板からなり、例えば円形に形成され、高熱伝導性の接着材によりフレキシブル基板8に固着されている。放熱板17は、LEDチップ9の点灯(発光)に伴って発生した熱がフレキシブル基板8から伝熱され、当該熱を装置本体3の金属ケース6に伝熱させる。
【0030】
そして、放熱板17には、スリット状の孔17aが形成されている。この孔17aは、リジット基板12を実装したフレキシブル基板8の長手方向の一端側8aを挿通可能に形成されている。フレキシブル基板8は、その孔17aを挿通した後に、放熱板17を取り付けている。
【0031】
装置本体3は、金属ケース6および樹脂ケース7からなっている。金属ケース6は、高熱伝導率を有する金属材料からなり、他方側(他端側)6bから一方側(一端側)6aに向かって拡径するように形成されている。ここでは、金属ケース6は、アルミニウム(Al)により形成されている。
【0032】
また、金属ケース6は、外面6cに一方側6aから他方側6bの方向に沿った複数の放熱フィン18が放射状に突出形成されている。そして、一方側6aの上面には、放熱板17が面接触して取り付けられる平面状の発光体2の取付け部19が形成されているとともに、包囲体5を取り付ける環状の包囲体取付部20が取付け部19よりも外方に突出するように形成されている。この包囲体取付部20は、装置本体3の最大外径部となっている。
【0033】
そして、取付け部19の中央部には、取付け部19から他方側6bの外面6cに貫通する貫通孔21が形成されている。この貫通孔21は、取付け部19から他方側6bに向かうにつれ次第に縮径する先細りの略円錐台状に形成されている。そして、取付け部19の貫通孔21の縁部には、四角状の嵌合凹部22が形成されている。嵌合凹部22は、貫通孔21の周回に等間隔に複数個が形成されている。また、取付け部19には、放熱板17をねじ止めするための図示しないねじ孔が複数個形成されている。さらに、取付け部19には、包囲体取付部20の周壁部に沿う環状の溝23が形成されている。
【0034】
取付け部19には、図示しないねじ孔に放熱板17を介して図示しないねじが螺着されることにより、放熱板17が取り付けられている。ここで、放熱板17は、貫通孔21を塞ぐとともに、嵌合凹部22に被さる大きさに形成されている。すなわち、取付け部19には、放熱板17を介して発光体2のフレキシブル基板8の一端側8aの他面8dが取り付けられて、発光体2が取り付けられている。このように、金属ケース6は、その一方側6aに発光体2のフレキシブル基板8の長手方向の一端側8aを取り付けている。なお、放熱板17は、嵌合凹部22の全域を被さる大きさに形成されていることが好ましいが、嵌合凹部22の一部に被さる大きさに形成されていてもよい。
【0035】
また、取付け部19の溝23には、発光体2および放熱板17を包囲する取付板24が嵌合されている。取付板24と包囲体取付部20の周壁部との間には、隙間25が形成されている。取付板24の上面と包囲体取付部20の上面は、ほぼ同一面状となっている。
【0036】
放熱フィン18は、金属ケース6の他方側6bから一方側6aへと径方向の突出量が大きくなるように滑らかに傾斜して形成されている。また、放熱フィン18は、図1に示すように、金属ケース6の周方向に互いに略等間隔で放射状に形成され、放熱フィン18,18間に間隙26が形成されている。間隙26は、金属ケース6の他方側6bおよび周囲へ向けて開口され、金属ケース6の一方側6aでは閉塞されている。放熱フィン18および間隙26の一端側には、環状の包囲体取付部20が形成されている。金属ケース6は、例えばアルミダイキャストにより、上述のように成型されたものである。そして、環状の包囲体取付部20に、包囲体5が取り付けられている。
【0037】
包囲体5は、透光性を有する例えばポリカーボネート(PC)樹脂からなり、発光体2の長手方向の一端側8aを覆うように略球面状に成型されている。
【0038】
また、包囲体5は、図2に示すように、その他端側5bは開口され、この開口縁部に金属ケース6の包囲体取付部20および取付板24の間の隙間25に嵌合される嵌合部27が形成されている。包囲体5は、その嵌合部27が前記隙間25に嵌合されているとともに、接着材などで固定されている。こうして、包囲体5は、発光体2を覆うように金属ケース6の一方側6aに取り付けられている。
【0039】
そして、装置本体3の樹脂ケース7は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの電気絶縁性の合成樹脂により形成されている。そして、外周面7cが金属ケース6の貫通孔21の内壁面21aに近接するようにかつ貫通孔21の内壁面21aに沿う形状に形成されている。すなわち、外周面7cを有する部分が略円錐台状の筒状に形成されている。そして、外周面7cの一方側7aの縁部に、外周面7cから外方に突出する嵌合凸部28が形成されている。この嵌合凸部28は、所定の厚さを有する例えば四角形に形成され、外周面7cの開口縁部の周回で180°間隔で、互いに対向するように2個が形成されているものである。すなわち、嵌合凸部28は、金属ケース6の嵌合凹部22に対応して設けられ、嵌合凹部22に嵌め込まれている。嵌合凸部28および嵌合凹部22が互いに嵌合することにより、樹脂ケース7は、金属ケース6の貫通孔21の内部に配置される。
【0040】
嵌合凸部28は、嵌合凹部22に嵌め込まれる形状や大きさに形成されているとともに、放熱板17が乗り上げないように形成されている。すなわち、嵌合凸部28が嵌合凹部22から取付け部19に突出しない形状や大きさに形成されている。樹脂ケース7は、嵌合凸部28が金属ケース6の嵌合凹部22に嵌め込まれ、嵌合凸部28および嵌合凹部22が互いに嵌合して相互の回動を規制することにより、金属ケース6に固定される。
【0041】
そして、樹脂ケース7は、外周面7cの他方側7bが金属ケース6の他方側6bの外面6cから外方に突出しているとともに、他方側7bに有底の円筒状の突出部29が形成されている。突出部29の外径は、樹脂ケース7の他方側7bよりも幾分縮径している。突出部29には、例えばカシメによりE17形の口金30が設けられている。このように、装置本体3は、金属ケース6の他方側6bに突出部29を介して口金30を有している。
【0042】
また、突出部29の底板部31には、溝32が形成されており、この溝32に点灯装置4が支持されている。さらに、底板部31には、点灯装置4および口金30を電気接続する図示しないリード線が挿通される図示しない挿通孔が設けられている。
【0043】
口金30は、E17形の一般照明電球用のソケットに接続可能なものである。そして、口金30は、樹脂ケース7の突出部29に嵌合されてかしめられて固定されるシェル部33、このシェル部33の他端側に設けられる絶縁部34およびこの絶縁部34の頂部に設けられるアイレット部35を有して構成されている。シェル部33およびアイレット部35には、図示しないリード線が接続されている。このリード線は、突出部29の底板部31に設けられた図示しない挿通孔から樹脂ケース7の内部に導入されて、点灯装置4に電気接続されている。
【0044】
点灯装置4は、発光体2のLEDチップ9を点灯させるものであり、樹脂ケース7の内部に収納されている。すなわち、装置本体3の内側に収容されている。そして、点灯装置4は、回路基板36、この回路基板36に実装されたトランスT1や電子部品37などの点灯回路部品38および接続部39を有して形成されている。回路基板36は、ガラスエポキシ材などの合成樹脂板やアルミニウム(Al)などの金属板からなっている。金属板の場合、絶縁層が形成されて、点灯回路部品38が実装されている。そして、樹脂ケース7の外周面7cが一方側7aから他方側7bに向かうにつれ次第に縮径する先細りの略円錐台状に形成されているので、回路基板36は、一端側36aから他端側36bに向かうにつれ段階的に幅狭に形成されている。
【0045】
そして、回路基板36は、樹脂ケース7の底板部31の溝32に嵌入されて底板部31に支持されている。また、回路基板36には、支持板40a〜40dが取り付けられている。この支持板40a〜40dは、樹脂ケース7の内壁面7dに接着材により固着されている。こうして、点灯装置4は、樹脂ケース7の内部に収納されているとともに、樹脂ケース7に固定されている。
【0046】
点灯装置4は、口金30に図示しないリード線で接続されている。そして、接続部39には、発光体2のコネクタ10が接続されている。すなわち、接続部39は、コネクタ10が装着されるコネクタにて形成されている。
【0047】
点灯装置4は、口金30および図示しないリード線を介して外部電源から給電されて動作し、外部電源の交流電圧を整流平滑して、定電流を発光体2に供給するように構成されている。LEDチップ9は、定電流が供給されることにより点灯(発光)する。そして、発光体2から白色光が放射される。
【0048】
次に、本発明の実施例1の作用について述べる。
【0049】
発光装置(LED電球)1は、例えば照明器具のE17形の電球用ソケットに装着される。そして、口金30に外部電源が給電されると、点灯装置4が動作し、点灯装置4から発光体2の複数個のLEDチップ9に定電流(電力)が供給される。複数個のLEDチップ9は、点灯し、発光体2から白色光が放射される。
【0050】
当該放射光は、発光体2を覆っている包囲体5を透過して包囲体5の外方に放射され、被照射面や被照射物などを照射する。
【0051】
本実施形態の発光装置1において、発光体2は、平面状の両面12a,12bを貫通した孔14を有するリジット基板12を、LEDチップ9がリジット基板12の孔14の内側に位置するようにフレキシブル基板8の一面8cに設けて、リジット基板12の孔14に封止樹脂11を充填するので、封止樹脂11の充填をリジット基板12の上面12aまで充填することにより所定量を充填する管理を容易にすることができて、充填するための囲いを不要にできて、発光体2を安価に形成することができる。
【0052】
また、発光体2は、フレキシブル基板8の長手方向の他端側8bにコネクタ10を設け、このコネクタ10が点灯装置4側に導かれて点灯装置4の接続部39に接続されるので、発光体2と点灯装置4との電気接続において、リード線を引き回す必要がなく、発光体2と点灯装置4の電気接続の省力化を図ることができる。
【0053】
なお、発光体2は、封止樹脂11を充填した後、例えば封止樹脂11が仮硬化したときに、リジット基板12をフレキシブル基板8から取り外して構成してもよい。
【0054】
また、装置本体3は、金属ケース6および樹脂ケース7に形成したが、これらを例えばアルミダイキャストにより一体成型してもよい。この場合、装置本体3と、点灯装置4および口金30とを絶縁材等により電気絶縁すればよい。また、装置本体3は、一方側6aおよび他方側6bが同径または略同径の筒状に形成されてもよく、包囲体5は、装置本体3の最大外径部よりも径大に形成されていてもよい。
【実施例2】
【0055】
図4は、本発明の実施例2を示す照明器具の一部切り欠き概略正面図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0056】
図4に示す照明器具41は、図1に示す発光装置(LED電球)1を使用するダウンライトであり、天井42に埋設されている。そして、外形が有底の略円筒状に形成された器具本体43にソケットとしての電球用ソケット44が配設されている。器具本体43は、器具本体43と一体的に設けられているカバー体45と板バネ46,46により、天井42に挟持されて、天井42に固定されている。そして、電球用ソケット44に、発光装置1が取り付けられている。
【0057】
電球用ソケット44が通電されると、発光装置1の点灯装置4(図示しない。)が動作し、発光体2(図示しない。)の各LEDチップ9(図示しない。)に電力が供給される。これにより、複数個のLEDチップ9が点灯し、包囲体5から白色光が放射される。当該白色光は、カバー体45の開口47から床面側に出射される。
【0058】
発光装置1は、安価に形成されるとともに、光源としてLEDチップ9(発光体2)を有するので、照明器具41は、ランニング費用を安くできるという効果を有する。
【実施例3】
【0059】
図5および図6は、本発明の実施例3を示し、図5は照明器具の一部切り欠き概略正面図、図6は照明器具の概略上面図である。なお、図2および図3と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0060】
図5に示す照明器具48は、天井面等に埋設されるダウンライトであり、器具本体49および化粧枠50を有して形成されている。器具本体49は、アルミダイキャストによって成型されており、内部に発光体2および点灯装置51などを収納する内部空間52を有する略円柱状に形成されている。そして、他方側としての上部側49aの内側に内部空間52を閉塞する天板53をリベット54により取り付け、一方側としての下部側49bの内側に発光体2を取り付け、中間部側49cの内側に点灯装置51を取り付けて収容している。
【0061】
天板53には、給電部としての端子台55が配設されている。この端子台55は、図示しない電源線により外部電源に接続されている。図6に示すように、端子台55からリード線56,56が内部空間52に導入され、点灯装置51に接続されている。これにより、点灯装置51は、外部電源に接続される。
【0062】
図5において、点灯装置51は、端子台55を介して給電して動作し発光体2のLEDチップ9を点灯させるように、図2に示す点灯装置4と同様にして、図示しない回路基板および点灯回路部品を有してユニットに形成されている。そして、内部空間52において、その接続部39に内部空間52に導入された発光体2のコネクタ10が接続されている。
【0063】
また、器具本体49は、上部側49aの外面に、化粧枠50との間で天井面等を挟持することにより照明器具48を天井等に固定する一対の取付けばね57,57がリベット58により取り付けられている。
【0064】
化粧枠50は、ABS樹脂からなり、外面側に補強片59および円形状のフランジ部60を有する略椀状に形成されている。化粧枠50は、器具本体49にリベット61により取り付けられて、器具本体49と一体化している。
【0065】
そして、化粧枠50と発光体2の間には、略楕円形の反射板62が固定されなく設置されている。また、化粧枠50のフランジ部60の内側は、開口されていて、環状の段部63を有するように形成されている。この段部63の最奥側に、透光性の包囲体64が反射板62と段部63とにより挟まれるようにして固定されることなく設けられている。包囲体64は、例えばアクリル樹脂からなり、円板状に形成されている。こうして、包囲体64は、器具本体49の一方側である下部側49bに取り付けられている。
【0066】
本実施形態の照明器具48は、安価に形成可能な発光体2を備えるとともに、発光体2と点灯装置51との電気接続が発光体2のコネクタ10と点灯装置51の接続部39との接続により容易に行えて省力化が図られるので、安価にすることが期待できる。
【0067】
なお、実施例2および実施例3において、照明器具41,44は、ダウンライト(埋込形照明器具)に構成したが、本実施形態の照明器具は、これに限らず、直付け照明器具や吊り下げ照明器具など、多様な照明器具に構成することができるものである。
【符号の説明】
【0068】
1…発光装置、 2…発光体、 3…装置本体、 4…点灯装置、 5,64…包囲体、 41,48…照明器具、 43,49…器具本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に配線パターンが形成されたフレキシブル基板、この基板の一端側に前記配線パターンに電気接続するように実装されたLEDチップ、このLEDチップを封止している透光性の封止樹脂および前記基板の他端側に前記配線パターンに電気接続するように設けられたコネクタを有する発光体と;
一方側に前記フレキシブル基板の一端側が取り付けられ、他方側に口金を有し、内部空間に前記フレキシブル基板の他端側が導入されている装置本体と;
回路基板、この回路基板に実装された点灯回路部品および前記発光体のコネクタが接続される接続部を有してなり、前記装置本体に収容され、前記口金を介して給電されて動作し前記発光体のLEDチップを点灯させる点灯装置と;
前記発光体を覆うように前記装置本体の一方側に取り付けられた透光性の包囲体と;
を具備していることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記発光体は、平面状の両面を貫通した孔を有するリジット基板を有し、前記LEDチップが前記リジット基板の孔の内側に位置するように前記リジット基板を前記フレキシブル基板の一面に設けているともに、前記孔に封止樹脂を充填していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の発光装置と;
この発光装置の口金が電気接続されるソケットを有する器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項4】
一面に配線パターンが形成されたフレキシブル基板、この基板の一端側に前記配線パターンに電気接続するように実装されたLEDチップ、このLEDチップを封止している透光性の封止樹脂および前記基板の他端側に前記配線パターンに電気接続するように設けられたコネクタを有する発光体と;
一方側に前記フレキシブル基板の一端側が取り付けられ、他方側に外部電源に接続されている給電部を有し、内部空間に前記フレキシブル基板の他端側が導入されている器具本体と;
回路基板、この回路基板に実装された点灯回路部品および前記発光体のコネクタが接続される接続部を有してなり、前記器具本体に収容され、前記給電部を介して給電されて動作し前記発光体のLEDチップを点灯させる点灯装置と;
前記発光体を覆うように前記器具本体の一方側に取り付けられた透光性の包囲体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−9390(P2012−9390A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146542(P2010−146542)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】