説明

発光装置及び入力装置

【課題】環状の意匠面を有する発光部材を少ない輝度ムラで発光させることができる発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置50は、輪状の出光面5hを有する環状の基部5kと、基部5kの中央の開口部5k1内に配置され、径の外方向に向けて出光する光源71〜74と、基部5kから光源71〜74に向けて延出し、光源71〜74からの光を導入して基部5内に誘導する導光片5a〜5dと、を備える。導光片5a〜5dは、導入された光源71〜74からの光の一部を基部5の内部に拡散するよう反射する反射部5a3s〜5d3sを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状の意匠面を発光させる発光装置、及び、入力ボタンと環状の発光意匠面を有する枠体とを備えた入力装置に係り、特に、意匠面の発光輝度のむらが少ない発光装置及び入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノブを有するスイッチやオーディオ装置における電源の入切を示すインジケータなどにおいて、LEDなどの光源からの光を透明樹脂で形成された導光部材の内部に導光すると共に誘導して所定の端面から出光させ、その出光した光をノブやインジケータに照射してそれらを発光させる発光装置が知られている。
また、発光させる部材が動きを伴わない場合は、導光部材の端面を発光面とした発光装置もある。
【0003】
また、発光する意匠面の形状を環状や弧状にしたものがあり、環状にした例として特許文献1に記載された発光装置がある。
特許文献1に記載された発光装置は、リング状の意匠面を有する導光体と、その導光体に光を導入する光源手段を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−207372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像表示部を備えた機器においては、画像表示部の画面に複数のアイコンを表示し、そのアイコンをカーソルなどで使用者に選択させる入力方法が多用される。
この場合、通常、選択位置を上下左右に移動させ、その後に決定する、という手順で入力を行える入力装置が好適である。
そして、そのような入力装置において、上下左右の入力をする操作子を環状とし、その環状の操作子の中心位置に決定ボタンを配設することが一般に行われる。
【0006】
入力装置は、発光装置を備えて、意匠性や薄暗所での操作性の向上のために、操作子近傍に表面を意匠面として発光する例えば環状の部材を配置することが有効であり、この発光機能は市場からも要望されている。
【0007】
環状の意匠面を発光させる方法としては、例えば、特許文献1に記載された方法が適用できる。
具体的には、円板状の導光体をその外周部側の表面が環状部材に対して対向するように配置し、環状部材よりも内側において周方向に複数配設したLEDからの光を、導光体の表面から内部に導入して外周部側に誘導し、導光板の外周部に設けられた反射部での反射により90°偏向して外周部側の表面から外部に向け環状に出光させ、その環状の出光を環状部材に照射する、という方法である。
【0008】
しかしながら、この方法では、環状部材の発光輝度が、LEDを配設した角度方向については高くなり、隣接するLEDの間の範囲については低くなるので、周方向の輝度ムラが認められ易い。
【0009】
この輝度ムラを抑えてより均一な発光輝度を得るには、LEDの周方向の配設角度間隔を狭くして多くのLEDを配設すればよいが、部品点数が増加してコストアップになり、また、小型の入力装置ではスペース的に限界があるので実現が難しいという問題が生じる。
【0010】
この問題は、環状部材の意匠面が連続した環状ではなく、環の一部が欠落したC字状や弓状などである弧状の場合にも同様に生じる。
また、この問題は、入力装置に限らず、発光意匠面を有する発光部材が環状又は弧状のインジケータなどでも同様に生じる。
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、環状の意匠面を有する発光部材を少ない輝度ムラで発光させることができる発光装置及び入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本願発明は次の構成を有する。
1) 輪状の出光面(5g)を有する環状の基部(5k)と、前記基部(5k)の中央の開口部(5k1)内に配置され、径の外方向に向けて出光する光源(71〜74)と、前記基部(5k)から前記光源(71〜74)に向けて延出し、前記光源(71〜74)からの光を導入して前記基部内に誘導する導光片(5a〜5d)と、を備え、前記導光片(5a〜5d)は、前記導入した前記光源(71〜74)からの光の一部を前記基部(5)の内部に拡散するよう反射する反射部(5a3s〜5d3s)を備えていることを特徴とする発光装置(50)である。
2) 前記導光片(5a〜5d)を、前記基部(5k)の延在方向に所定の間隔で複数備えたことを特徴とする1)に記載の発光装置(50)である。
3) 輪状の出光面(5g)を有する環状の基部と、前記基部(5k)の中央の開口部(5k1)内において前記基部(5k)の中心(5CT)の周りに所定の角度間隔で配置され、径の外方向に向けて出光する複数の光源(71〜74)と、前記基部(5k)から前記複数の光源(71〜74)に向けてそれぞれ延出し、前記光源側の端部(5a1〜5d1)から前記光源(71〜74)からの光を導入して前記基部(5k)内に誘導する複数の導光片(5a〜5d)と、前記出光面(5g)に対向して前記出光面(5g)からの光を入光する入光面を有する環状の枠体(1)と、前記枠体(1)の内側の開口範囲内に配設され、前記基部(5k)側に押し込み可能に設けられた入力ボタン(2)と、前記入力ボタン(2)の押し込みによる押圧力で動作するプッシュスイッチ(81〜84)と、前記プッシュスイッチ(81〜84)及び前記光源(71〜74)が実装された基板(6)
と、備え、前記複数の導光片(5a〜5d)は、それぞれ前記導入した前記光源(71〜74)からの光の一部を前記基部(5k)の内部に拡散するよう反射する反射部(5a3s〜5d3s)を備え、前記プッシュスイッチ(81〜84)は、前記複数の導光片(5a〜5d)の間に配設されていることを特徴とする入力装置(51)である。
4) 輪状の出光面を有する環状の基部(10k)と、前記基部(10k)の外周面から径の外方向に向けて突出する導光片(10f)と、前記導光片(10f)を介し前記基部(10k)の内部に向け前記基部(10k)の接線方向に入光する光を出射する光源(123)と、前記光源(123)と対向する反射面(10b1)を有して前記基部(10k)の内周面から径の内方向に向けて突出する突出部(10b)と、を備えたことを特徴とする発光装置(100)である。
5) 前記反射面(10b1)は、前記光源からの光(123)を、前記導光片(10f)または前記基部(10k)の延在方向に向けて反射することを特徴とする4)に記載の発光装置(100)である。
6) 輪状の出光面(10sk)を有する環状の基部(10k)と、前記基部(10k)の外周面に互いに離隔して設けられ前記外周面から径の外方向に向けて突出する複数の導光片(10e〜10h)と、前記複数の導光片(10e〜10h)を介し前記基部(10k)の内部に向け前記基部(10k)の延在方向に入光する光を出射する複数の光源(121〜124)と、前記複数の光源(121〜124)それぞれに対向する反射面(10b1)を有して前記基部(10k)の内周面に互いに離隔して設けられ前記内周面から径の内方向に向けて突出する複数の突出部(10a〜10d)と、前記出光面(10sk)に対向して前記出光面(10sk)からの光を入光する入光面を有する環状の枠体(1)と、前記枠体(1)の内側の開口範囲内に配設され、前記基部(10k)側に押し込み可能に設けられた入力ボタン(2)と、前記複数の突出部(10a〜10d)の間に配設され前記入力ボタン(131〜134)の押し込みによる押圧力で動作するプッシュスイッチ(131〜134)と、プッシュスイッチ(131〜134)及び前記光源(121〜124)が実装された基板と(11)と、を備えたことを特徴とする入力装置(101)である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、環状の意匠面を少ない輝度ムラで発光させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の入力装置の第1実施例を備えたビデオカメラを示す図である。
【図2】本発明の入力装置の第1実施例における可視範囲について説明する図である。
【図3】本発明の発光装置及び入力装置の第1実施例を説明するための分解斜視図である。
【図4】本発明の発光装置及び入力装置の第1実施例におけるLED及びスイッチの配置などを説明するための平面図である。
【図5】本発明の発光装置の第1実施例における導光板を説明するための図である。
【図6】本発明の入力装置の第1実施例における緩衝板を説明するための図である。
【図7】本発明の入力装置の第1実施例における決定ボタンを説明するための図である。
【図8】本発明の入力装置の第1実施例における選択ボタンを説明するための図である。
【図9】本発明の入力装置の第1実施例における枠体を説明するための図である。
【図10】本発明の発光装置及び入力装置の第1実施例の構造を説明するための半断面図である。
【図11】本発明の発光装置の第1実施例における要部を説明するための平面図である。
【図12】本発明の発光装置の第1実施例における光の経路を説明するための斜視的部分断面図である。
【図13】本発明の発光装置の第1実施例における光の経路を説明するための別の角度から見た斜視的部分断面図である。
【図14】本発明の発光装置の第1実施例における要部の変形例を説明するための図である。
【図15】本発明の発光装置及び入力装置の第2実施例を説明するための分解斜視図である。
【図16】本発明の発光装置及び入力装置の第2実施例におけるLED及びスイッチの配置などを説明するための平面図である。
【図17】本発明の発光装置の第2実施例における導光板を説明するための図である。
【図18】本発明の発光装置及び入力装置の第2実施例の概略構造を説明するための半断面図である。
【図19】本発明の発光装置の第1実施例における要部を説明するための平面図である。
【図20】本発明の発光装置の第1実施例における光の経路を説明するための斜視的部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図20を用いて説明する。
<第1実施例>
本発明の実施例として、発光装置50を備えた入力装置51を説明する。
図1に示すように、実施例の入力装置50は、業務用のビデオカメラ52の本体52Aの側面に配置される。ビデオカメラ52は、レンズ52B,ハンドル52C,ビューファインダ52Dなどを備え、入力装置50などを介して使用者により操作される。
【0016】
図2は、入力装置50の可視範囲を示す平面図である。
図2において、入力装置51は、環状の枠体1と、その内側の開口範囲内に配設され中央部に開口部2aを有する輪板状の選択ボタン2と、開口部2a内に配設された円板状の決定ボタン3と、を備えている。
入力装置50は、ビデオカメラ52の本体側面に取り付けられた状態で、枠体1,選択ボタン2,及び決定ボタン3が外部から視認される。
【0017】
枠体1は、円輪状の可視範囲を意匠面1aとされている。
入力装置51は、この意匠面1aを発光させるように内部に発光装置50を備えている。発光装置50の詳細については後述する。
【0018】
選択ボタン2は、図2に示す上下左右の4方向の縁部側において、図2の紙面奥側に押し込めるようになっており、この押し込みによって入力の選択操作が実行される。
選択ボタン2には、使用者が指で押し込む際の当接感触を良好にするように、上下左右の4方向側に、外縁から中心側に向かう所定の範囲を指の形状に合わせて凹ませた凹部2c1〜2c4が形成されている。
【0019】
決定ボタン3は、図2の紙面奥側に押し込めるようになっており、この押し込みにより選択ボタン2で選択された項目を決定することができる。
【0020】
使用者は、選択ボタン2及び決定ボタン3の押し下げ操作に機能を割り付けて、ビデオカメラ51の動作,モード(再生/録画/スタンバイ等)などを選択し決定することができる。
例としては、選択ボタン2の上下左右の各縁部の押し下げを、画面上のハイライト領域の上下左右の移動に割り当て、表示された複数のアイコンの中の所望のアイコンにハイライトを合わせることでアイコンを選択させる。あるいは、記録した映像の再生操作に用い、選択ボタン2の右側の押し下げを再生、左側の押し下げを逆再生、上側の押し下げを早送り、下側の押し下げを早戻し、決定ボタン3の押し下げで停止、と割り当てる。
【0021】
入力装置51は、選択ボタン2及び決定ボタン3で選択決定した際に、決定した動作やモードに対応した色で枠体1の意匠面1aが発光装置50によって発光するようになっている。この発光の制御は、ビデオカメラ52側に搭載された制御部により行なわれる。
【0022】
次に、入力装置51と入力装置51が備える発光装置50との具体的構成について説明する。まず図3を用いて構成の概略を説明する。
【0023】
図3は、発光装置50を含む入力装置51の分解斜視図である。
【0024】
図3において、入力装置51は、光源としての複数のLED71〜74及び複数の小型プッシュスイッチ(以下、単にスイッチと称する)81〜85とが実装され、所定位置に係合角孔6aと係合丸孔6bとが各4個ずつ設けられた基板6と、基板6上に配置される導光板5と、導光板5上に配置される緩衝板4と、緩衝板4上に配置される決定ボタン3,選択ボタン2,及び枠体1と、を備えている。
【0025】
この構成において、選択ボタン2は、図3における下側となる面に、下方に突出する四つの係合腕2bを備えており、選択ボタン2は、この係合腕2bの先端に設けられた爪部2b1が基板6の係合角孔6aに係合することで、決定ボタン3,緩衝板4,及び導光板5を基板6との間に挟持するようにして基板6に装着されている。
【0026】
また、導光板5は、図3における下側となる面に、図3の下方に突出する四つの突起5f(図3には図示せず。図5に図示)を備えており、導光板5は、この突起5fが基板6の係合丸孔6bに係合することで、基板6上に配設されたLED71〜74に対する位置決めがされている。
【0027】
次に、各部材について詳述する。
【0028】
まず図4を用いて基板6について説明する。図4(a)は基板4の平面図であり、図4(b)は基板6の側面図である。
【0029】
基板6上には、スイッチ85を中心として他の四つのスイッチ81〜84の中心がスイッチ85の中心CTから半径R1の円弧上に位置するように十字状に配設されている。
すなわち、スイッチ81〜84は、中心CTの周りに互いに90°ずつ離隔して中心CTからの距離R1の位置に配設されている。
この十字状に軸を設定して図4(a)のように上下軸、左右軸とすると、図4(a)は、図2に示した選択ボタン2の上下左右の向きに対応する。
【0030】
また、基板6上には、四つのLED71〜74が、中心CTの周りにスイッチ81〜84に対して周方向で45°ずれて配設されている。
各LED71〜74は外側となる面が発光面71a〜74aであり、各LED71〜74はその発光面が中心CTから半径R2の円に接するように配設されている。半径R2と半径R1とは、R2<R1として設定される。
【0031】
LED71〜74は、例えば赤色,青色,及び緑色の単独又は混合発光が可能な3色LEDを使用することができる。
基板6には、コネクタ6cが装着され、このコネクタ6cを介して外部(ビデオカメラ52の制御部側)との信号授受が行われる。
【0032】
図5は導光板5を示し、図5(a)は天面図、図5(b)は正面(側面)図、図5(c)は底面図、図5(d)は図6(a)におけるS5−S5断面図である。
【0033】
この導光板5は、透明の熱可塑性樹脂を射出成形して形成される。用いる樹脂の例としては、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)やPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)などがある。
【0034】
この導光板5は、リング状の基部5kと、基部5kの中央の開口部5k1内において、基部5kの内周面から中心5CTに向かい、周方向に互いに90°ずれた位置において突出する導光片5a〜5dと、を備えて形成されている。
【0035】
基部5kは、底面側の隅部が所定の角度θで傾斜する面取り部5eとされている。実施例では、θ=45°と設定されている。
この角度θは45°に限定されるものではない。また、面取り部5eの面も、断面において直線となる周面に限らず、断面において曲線となる周面であってもよい。
また、面取り部5eの高さt1は、基部5kの厚さをt0としたときに、
0.7≦t1/t0≦1.0の範囲に設定するとよい。
【0036】
導光片5a〜5dの底面側には、上述したように、基板6の係合丸孔6bに係合して導光板5の位置決めとなる突起5fが4箇所形成されている。
【0037】
導光片5a〜5dの天面側にも、円筒状の突起5gが4箇所形成されている。
この突起5gは、後述する緩衝板4の係合丸孔4iに係合して緩衝板4の位置決めがされる。
【0038】
ここで、導光片5a〜5dについて詳述する。各導光片5a〜5dは、それぞれ同じ形状であるので、以下、いずれかの導光片を代表として説明する場合もある。
【0039】
導光片5a〜5dは、図5(a)において、導光板5の中心軸5CTZ(中心5CTを通る紙面に垂直な線)から半径R3となる円筒面を設定した際に、この円筒面と、中心軸5CTZ及び図5(a)のように上下軸及び左右軸を設定した際の各軸に対して45°で交わる線L1,L2を含む紙面に垂直な平面と、の交線PL1〜PL4を中心軸とする半円筒面を光の導入面5a1〜5d1として有している。後述するように、この導入面5a1〜5d1と通してLED71〜74からの光が導光板5内に導入される。
【0040】
また、導光片5a〜5dは、光源であるLED71〜74側から外周側に向かうに従って互いの間隔が広がって八字状なる一対の側面5a2〜5d2,5a2〜5d2を有している。
【0041】
また、導光片5a〜5dは、その底面側に、内側に向かって凹となる凹部5a3〜5d3を有している。
この凹部5a3〜5d3は、図5(c)の底面図において、頂点が線L1または線L2上にありその線L1,L2に対して線対称なる概ね三角形状として形成されている。
実施例において、頂角は90°に設定されている。
【0042】
凹部5a3〜5d3の深さt2は、面取り部5eの高さt1に対して、
0.3≦t2/t1≦0.7の範囲に設定するとよい。
【0043】
図6は緩衝板4を示し、図6(a)は天面図、図6(b)は正面(側面)図、図6(c)は底面図、図6(d)は図6(a)におけるS6−S6断面図である。
【0044】
この緩衝板4は、シリコンゴムにより半透明に形成される。
緩衝板4は、円板状の基部4kと、基部4kの天面4t及び底面4btにおける縁部に設けられ各面4k,4btからそれぞれ立ち上がるフランジ4g,4hと、を有している。
【0045】
緩衝板4の中心4CTには突起4eが形成され、この突起4eを基板6のスイッチ85に当接するように位置させた際のスイッチ81〜84に対応する位置に、突起4a〜4dが形成されている。すなわち、突起4a〜4dは、半径R1の円周上に、十字状に配設されている。
また、突起4a〜4dの中心4CT側の近傍には、角孔4f1〜4f4が貫通して形成されている。
また、突起4eの近傍において、互いに周方向90°間隔で丸孔4jが三箇所貫通して形成されている。
この角孔4f1〜4f4は、選択ボタン2の係合腕2bを挿通させる孔である。
【0046】
図7は決定ボタン3を示し、図7(a)は天面図、図7(b)は正面(側面)図、図7(c)は底面図である。
【0047】
決定ボタン3は、熱可塑性樹脂の射出成形により概ね扁平の円筒状に形成される。用いる樹脂の例としては、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)などがある。
決定ボタン3は、円筒状の基部3kと、基部3kの底面側において径方向に鍔状に突出するフランジ3aと、底面側に突出した三つの突起3bと、を有している。
三つの突起3bは、緩衝板4の丸孔4jに係合して、決定ボタン3の緩衝板4に対する位置が決められる。
【0048】
図8は選択ボタン2を示し、図8(a)は天面図、図8(b)は正面(側面)図、図8(c)は底面図である。
【0049】
選択ボタン2は、熱可塑性樹脂の射出成形により形成される。用いる樹脂の例としては、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)などがある。
【0050】
選択ボタン2は、中央に開口部2aが形成された輪板状に形成されている。
選択ボタン2の天面側には、中心2CT周りで90°角度間隔に4つの凹部2c1〜2c4が形成されている。
選択ボタン2の底面側には、中心2CT周りで90°角度間隔に、4つの係合腕2bが立設されている。そして、係合腕2bの先端側には、鍵状の爪部2b1が形成されている。
【0051】
図9は枠体1を示し、図1(a)は天面図、図1(b)は正面(側面)図である。
【0052】
枠体1は、透明の熱可塑性樹脂を射出成形してリング状に形成される。用いる樹脂の例としては、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)やPC樹脂(ポリカーボネート樹脂)などがある。
【0053】
枠体1は、開口部1bを有してリング状を呈する基部1kと、基部1kの外周面において径方向外側に鍔状に突出するフランジ1cと、を有して形成されている。
基部1kの天面側の可視範囲である図1(a)における点描範囲は意匠面1aである。
【0054】
上述した各部材は、図3に基づいて入力装置51として組み立てられる。組み立て後の入力装置51の半断面図を、図10に示す
【0055】
ここで、選択ボタン2の係合腕2bは、基板6の係合角孔6aに対して軸方向に若干の余裕をもって係合している。また、緩衝板4において選択ボタン2に対応する範囲には、緩衝板4と導光板5との間に隙間SPが形成されているので、選択ボタン2の凹部2c1〜2c4近傍及び決定ボタン3を指などで基板4側に押し込むと、緩衝板4が基板6側に弾性変形することが可能になっている。
具体的には、凹部2c1〜2c4に対応した位置にある緩衝板4の突起4a〜4dと、決定ボタン3に対応した位置(中央)にある突起4eが基板側に移動するように弾性変形する。
【0056】
そして、この移動した突起4a〜4eにより、各突起の位置に対応して基板4上に配設されているスイッチ81〜85の稼働部が押し込まれてスイッチとして動作するようになっている。
指などの押し込み作用が解除されると、緩衝板4の弾性反発力により各突起4aから4dは元の位置に復帰し、それに伴い、選択ボタン2及び決定ボタン3も、元の位置に復帰する。
【0057】
次に、図11を用い、基板6に導光板5を載置した状態について詳述する。基板6とLED71〜74と導光板5とを有して発光装置50は構成される。
【0058】
図11において、導光片5a〜5dの各導入面5a1〜5d1に対向するようそれぞれLED71〜72が位置している。
【0059】
ここで、3色LEDは、通常各色の出射位置が幅方向にずれているものであるが、出射面が拡散面とされているので、以下に説明する実施例においてそのずれは無視できるものである。従って、以下の説明では、便宜的に、幅方向の中心から光が出射するものとして説明する。
【0060】
図11,図12,及び図13を用いて説明する。
【0061】
図12は、導光片5bについて線L2における軸方向断面を天面側から斜視的に示した図である。
図13は、導光片5bについて線L2における軸方向断面を底面側から斜視的に示した図である。
【0062】
LED72からの出光について、代表的な2つの光路K1及びK2を説明する。
また、導光片5a〜5dの代表として導光片5bを代表として説明するが、他の導光片5a,5c,及び5dについても同様に適用される。
【0063】
第1の光路K1は、導入面5b1にその天面側の入射点K1aから入射する光路である(図10及び図12参照)。
導入面5b1に入射点K1aから入射した光は、凹部5b3に当たることなく、導光板5内を進行して面取り部5eの点k1bに到達して反射する。
ここで、面取り部5eは傾斜しているので、反射すると共に偏向し、天面側の出光面5hを点k1cで通過して外部に出射する。出光面5hは円輪状である。
【0064】
第2の光路K2は、導入面5b1にその底面側の入射点K2aから入射する光路である(図13参照)。
導入面5b1に入射点K2aから入射した光は、凹部5b3の側面5b3sにおける点K2bに当たり、軸L2から離れる方向に反射する。この側面5b3sは、LED72からの光を反射する角度に形成されている。
点k2bで反射した光は、導光片5b内を進行し、面取り部5eに対して斜め方向から入射して点K2cで反射する。
ここで、面取り部5eは傾斜しているので、この反射と共に偏向し、天面側の出光面5hを点K2dで通過して外部に出射する。出光面5hは円輪状である。
出光面5hへの入射角度によっては内部に向け反射し、さらに軸L2から離れるように拡散する。
【0065】
このように、発光装置50は、導光板5に凹部5a3〜5d3を有しており、凹部5a3〜5d3の側面5a3s〜5d3sがLED71〜74から出射した光を反射する角度に形成されている。
【0066】
また、凹部5a3〜5d3の深さt2は、導光片5a〜5dにおける面取り部5eの厚さt1に対して上述した所定比率で形成されている。
従って、LED71〜74から出射した光量の内の、概ね所定比率に応じた光量が、凹部5a3〜5d3の側面で5a3s〜5d3s反射し、LED71〜74の出射軸から離れる方向に拡散する。
すなわち、リング状の基部5k内にLED71〜74からの光が良好に拡散し、出光面5hから輝度ムラの少ない光が外部に出射する。
【0067】
出光面5hを拡散面としてシボ加工など施すと、出射光が外部への出射時にも拡散するので輝度ムラはより減少する。
【0068】
このように、実施例の発光装置50は、その導光板5の出光面5hからリング状に輝度ムラの少ない光が出射するので、実施例の入力装置51は、このリング状の光を枠体1に導入して意匠面1aを光らせるように構成されている。
【0069】
すなわち、図10にも示されるように、導光板5の出光面5hは、緩衝板4のフランジ4hの内壁の内側に位置するように配設される。一方、枠体1は、緩衝板4のフランジ4gの内壁に嵌合するように配設される。
そして、枠体1は、その底面が緩衝板4の基部4kを挟んで出光面5hと対向するように配設されているので、出光面5hからの出光を無駄なく枠体1内に導入することができる。
【0070】
すなわち、枠体1と導光板5の出光面5hとの対向範囲が、ほぼ同じになるように形状が設定されているので、出光はより無駄なく枠体1内に導入される。
枠体1に底面から導入された光は、天面側の意匠面1aに到達して外部に出射する。すなわち、意匠面1aが発光する。
【0071】
実施例では、選択ボタン2の入力位置となる互いに90°離れた位置に配設されたスイッチ間に、LEDを配設している。
スイッチの配設角度間隔は90°に限定されるもではなく、周方向に配設された複数のスイッチの間にLEDを配設すればよいものである。
【0072】
このように、周方向にスイッチ81〜85とLED71〜74とを周方向に重ならないように配設することで、
入力装置を大型にすることなく、発光装置を内蔵することができている。
【0073】
また、LEDの配設半径R2をスイッチの配設半径R1(図4参照)よりも小さくしてある。
これにより、スイッチ81〜84の配設半径R1なる円周上における各スイッチ間に、LEDから径の外方向に向けて出射された光を周方向に拡散する凹部5a3〜5d3を備えた導光片5a〜5dを、配設することができている。
【0074】
凹部5a3〜5d3の側面5a3s〜5d3sは、上述のような平面でなくてもよい。
図14に示すように、種々の面に形成してよい。図14は、凹部5a3〜5d3を導光板5の底面側から見た図である。
図14(a)は、側面5a3s〜5d3sを内側にへこむ曲面として形成した例である。
図14(b)は、側面5a3s〜5d3sを外側に突出する曲面として形成した例である。
図14(c)は、側面5a3s〜5d3sを、頂点側を平面に形成し、外周側を内側にへこむ曲面として形成した例である。
図14(d)は、側面5a3s〜5d3sを、頂点側を内側にへこむ曲面として形成し、外周側を外側に突出する曲面として形成した例である。
側面5a3s〜5d3sの形状は、形成し得る凹部5a3〜5d3の位置や大きさ、及び拡散すべき意匠面1aの径や幅などに応じて適宜設定するとよい。
【0075】
また、凹部5a3〜5d3の深さt2は、一定のものに限らず、LED71〜74側と外周側とで異ならせてもよい。例えば、LED側(頂点側)を深く、外周側を浅くする。これは、LED71〜74の指向特定が特に正面が強い場合に、正面近傍の反射比率を高くして、意匠面1aの発光輝度を平均化することができるので好ましい。
【0076】
すなわち、凹部5a3〜5d3の側面形状は、発光装置や入力装置の主に形状に対応して最適化することが望まれ、凹部5a3〜5d3深さは、用いるLED71〜74の指向特性に応じて最適化することが望まれる。
【0077】
<第2実施例>
次に本発明の実施の形態の第2実施例を図15〜図20を用いて説明する。
本発明の第2実施例として、発光装置100を備えた入力装置101を、第1実施例との相違点を中心に説明する。なお第1実施例と同じ部分は説明を省略する。
【0078】
第2実施例である入力装置101と入力装置101が備える発光装置100との具体的構成について説明する。まず、図15を用いて構成の概略を説明する。
【0079】
図15は、発光装置100を含む入力装置101の分解斜視図である。
【0080】
図15において、入力装置101は、光源としての複数のLED121〜124と複数の小型プッシュスイッチ(以下、単にスイッチと称する)131〜135とが実装され、所定位置に係合角孔11aと係合丸孔11bとが各4個ずつ設けられた基板11と、基板11上に配置される導光板10と、導光板10上に配置される緩衝板4と、緩衝板4上に配置される決定ボタン3,選択ボタン2,及び枠体1と、を備えている。
この実施例では、LED121〜124及びスイッチ131〜135はそれぞれ4個実装されている。
【0081】
導光板10は、第1実施例と同様に、図15において下側となる面に、図15において下方に突出する四つの突起10i(図15には図示せず。図17に図示)を備えている。
導光板10は、この突起10iが基板11の係合丸孔11bに係合することで、基板11上に配設されたLED121〜124に対する位置決めがされている。
【0082】
次に、各部材について詳述する。
まず図16を用いて基板11について説明する。図16(a)は基板11の平面図であり、図16(b)は基板11の側面図である。
基板11上には、第1実施例と同じく、スイッチ135と4つのスイッチ131〜134が配設されている。
【0083】
また、基板11上には、4個のLED121〜124が配設されている。図16において、LED121〜124は、それぞれが単体のLEDである例を示しているが、それぞれをサイズが小さいLEDを複数並べたものとし、発光位置を分散させるようにしてもよい。
【0084】
図17に導光板10を示す。図17(a)は天面図であり、図17(b)は正面(側面)図であり、図17(c)は底面図である。
導光板10は、リング状の基部10kと、基部10kの開口部10k1の内周面における周方向に互いに90°離隔した位置において中心10CTに向かって突出する位置決め部10a〜10dと、基部10kの外周面における周方向に互いに90°離隔した位置において径方向の外方に向かって山形に突出する導光片10e〜10hと、を備えて形成されている。
基部10kの天面側の環状面は、外部に光が出光する出光面10skとされる。
【0085】
基部10kの底面10mは粗面とされている。この粗面とした面でLEDからの光や導光板10内で反射した光を反射させる。
底面10mを粗面とする方法として、基部10kを成形後に底面10mに対してブラスト処理を施す方法、また、成形の金型における底面10mに対応する範囲にブラスト処理やエッチング処理などを行って梨地処理を施す方法、などがある。
【0086】
この実施例では、基部10kの底面10mに加えて、導光片10e〜10hの底面10m1を粗面としている。
粗面とする領域は、基部10kの底面10mに限定してもよいが、位置決め部10a〜10dや導光片10e〜10hを含む底面全体としてもよい。
【0087】
位置決め部10a〜10dそれぞれの底面側には、上述したように、基板11の係合丸孔11bに係合して導光板10の位置決めとなる突起10iが形成されている。
位置決め部10a〜10dそれぞれの天面側にも、第1実施例と同様、緩衝板4の係合丸孔4iに係合する円筒状の突起10jが形成されている。
【0088】
次に、導光片10e〜10hについて詳述する。導光片10e〜10hは、それぞれ同じ形状であるので、以下、いずれかの導光片を代表として説明する場合もある。
【0089】
図17(a)において、導光片10e〜10hは略直角三角形形状を呈する。
具体的には、導光板10の環状の基部10kに外接する正方形SH(一点鎖線で示す)を想定した際の、正方形SHの各辺とほぼ重なる位置にある長辺面10en〜10hnと正方形SHの各辺より内側に位置し長辺面10en〜10hnと直交する短辺面10et〜10htとを有して形成されている。
短辺面10et〜10htは、LED121〜124からの光が導光片10e〜10hの内部に導入される導入面である。
また、図17(a)において、位置決め部10a〜10dは、基部10kの内周面から中心10CTに向かって突出し、側面部10b1が、円弧状部10ekと円弧状部10ekから内周面に連結するR状部10erとを有して形成されている。
側面部10b1は、円弧状部10ekを有して曲面になっているものに限らず、例えば図20に示すように、平面とされているものでもよい。
【0090】
上述した各部材は、図15に示すように入力装置101として組み立てられる。図18は、組み立て後の入力装置101の半断面図である。
【0091】
次に、基板11に導光板10を載置した状態について図19を用いて詳述する。
図19は、導光板10が載置された基板11の平面図である。
【0092】
図19において、発光装置10は、基板11とLED121〜124とを有して構成される。
LED121〜124は、それぞれが導光片10e〜10hの各導入面10e1〜10h1に対向するよう基板11に配置されている。
【0093】
図20は、導光片10e〜10hの内、導光片10fを代表としてその近傍を含めて天面側から斜視的に示した図であり、この図20を用い、LED123からの出光について、代表的な4つの光路である第1〜第4の光路L1、L2、L3及びL4を説明する。
また、各光路についての平面的な経路は、図17に破線を用いて示している。
4つの光路L1〜L4については、他の導光片10e,10g,及び10hについても同様に適用される。
以下の説明において、理解容易のため、便宜的に、LED123からの出光は、その出光面おける出光点PTから出光するものとする。
【0094】
図20において、第1の光路L1は、LED123の出光点PTから出光し、導入面10f1にその入射点L1aから入光する光路である。
第1の光路L1において、導入面10f1に入光した光は、導光板10内を進行し、導光片10fの底面10mの点L1bに到達して反射する。
ここで、底面10mは粗面となっているので光は乱反射し、導光板10の天面を出光点L1c1、L1c2、L1c3で通過して外部に出光する。
実際には3つの点のみを通過するではなく拡散した光として出光する。
図20においては、3つの点を代表点として示す。以下の説明についても同様に代表点について説明する場合がある。
図20において、出光点L1c1,L1c2,L1c3の内、出光点L1c2,L1c3が出光面10skにおける出光点を代表している。
【0095】
第2の光路L2は、LED123の出光点PTから出光し、導入面10f1にその入射点L2aから入光る光路である。
第2の光路L2において、導入面10f1に入光した光は、導光板10内を進行し、導光片10fの底面10mの点L2bに到達して反射する。
ここで、底面10mは粗面となっているので光は乱反射し、導光板10の出光面10skを出光点L2c1、L2c2、L2c3で通過して外部に出光する。
【0096】
図20において、第3の光路L3は、LED123の出光点んPTから出光し、導入面10f1にその入射点L3aから入射する光路である。
第3の光路L3において、導入面10f1に入光した光は、導光板10内を進行し、導光片10fの底面10mの点L3bに到達して反射する。
ここで底面10mは粗面となっているので光は乱反射し、導光板10の出光面10skを出光点L3c1、L3c2、L3c3で通過して外部に出光する。
【0097】
第3の光路L3は、LED123の真正面に対して傾いた角度で出光する経路であるので、LEDの配光特性上、光量は少ないが、後述するように、図20の上方で隣接するLEDからの第4の光路L4aによる光も到達するので、この光を合わせて十分な光量を確保できる。
【0098】
LED123における第4の光路L4は、第1の光路L1と第2の光路L2との間に位置する光路であって、基部10kに対してその延在方向に光が入光する経路である。換言するならば、導光片10fを介し基部10kの概ね接線方向にLED123からの光を入光させる光路である。
LED123の出光点PTから出光し、導入面10f1にその入射点L4aから入射する光路である。
第4の光路L4において、導入面10f1に入光した光は、導光板10内を進行し、基部10kの底面10mの点L4bに到達し天面側に向けて反射する。
第4の光路はLEDのほぼ正面に進む進路なので、配光特性から光量が多いが、基部10kの内部を進行する距離が長く、底面10mに到達したときの光量は他の光路の場合と比較して少なくなっている。
しかしながら、この実施例において、第4の光路L4を進行した光は、隣接するLEDからの第3の光路を進行した光L3aと合わされて出光面skからの出光に供され、出光面skからの出光は十分な光量となる。
【0099】
基部10kの内周面に設けた位置決め部10a〜10dと、外周面に設けた導光片10e〜10hとの周方向の位置関係は、任意に設定することができる。
この位置関係を、図17,図19,及び図20に示すように設定した場合、第5の光路が得られるので、以下に説明する。
【0100】
図20において(図17も参照)、第5の光路L5は、LED123の出光点PTから出光し、導入面10f1にその入射点L5aから入光する光路である。
第5の光路L5において、導入面10f1に入光した光は、導光片10f内を進行し、基部10kを通過し、位置決め部10bの側面部10b1における点10b1aに到達して反射する。
ここで、側面部10b1を粗面としておけば、光は乱反射する。また、側面10b1をLED123と対向するように配置し、その面をLED123からの光が反射して導光片10fへ戻るように設定しておけば、LED123からの光を、より効率よく意匠面1aから出光させることができる。すなわち、側面部10b1が曲面の場合は曲率を、平面の場合は角度をそのように設定すればよい。
【0101】
また、側面部10b1を、点10b1aで反射した光が、基部10kの内部を図20の上方側に進行するような面を有して形成しておけば、意匠面1aからの出光を、輝度ムラの極めて少ない光にすることができる。
すなわち、位置決め部10bを、LED123と対向する側面部10b1を有するように配設するとよい。
【0102】
また、側面部10b1を、LED123からの光が導光片10fに戻るように反射する面を有するように形成するとよい。
また、側面部10b1を、LED123からの光が隣接するLED側に向かうように反射させる面を有するように形成するとよい。
【0103】
このように、LED121〜124からの光は、第1〜第4の光路を代表とする光路で進行し、広い底面10mで乱反射して拡散し、最終的に意匠面1aから外部に出光する。この意匠面1aからの出光が外部から発光として視認される。
また、LED121〜124からの光を、第5の光路を進行するように、導光片10e〜10hと位置決め部10a〜10dとの相対位置関係を設定すると共に位置決め部10a〜10dの形状を設定することで、LED121〜124からの光の利用効率を高め、意匠面1aからの出光光量をより均一化することができる。
【0104】
上述したように、各実施例によれば、リング状の基部5k,10k内にLED71〜74,121〜124からの光が良好に拡散し、出光面5h,10hから輝度ムラの少ない光が外部に出射する。
このように、各実施例の発光装置50,100は、その導光板5,10の出光面5h,10hからリング状に輝度ムラの少ない光が出射するので、各実施例の入力装置51,101とも、このリング状の光を枠体1に導入して意匠面1aを光らせるように構成されている。
【0105】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0106】
光源はLEDに限るものではない。電球や有機ELなど他の発光素子を用いることができる。
【0107】
入力装置の変形例として決定ボタン3を備えていない入力装置であってもよい。
この場合、スイッチ85の位置に光源を配置してもよい。この光源は、電球のように360°の指向性を有するものが好適であるが、複数の放線方向に出光できる光源であってもよい。
【0108】
第1実施例において意匠面が弧状の場合は、例えば、弧状の出光面を有する弧状の基部と、前記基部の曲率中心、又は、前記基部と前記曲率中心との間に配置され、径の外方向に向けて出光する光源と、前記基部から前記光源に向けて延出し、前記光源側の端部から前記光源からの光を導入して前記基部内に誘導する導光片と、を備え、
前記導光片は、前記導入した前記光源からの光の一部を前記基部の延在方向に拡散するよう反射する反射部を備えていることを特徴とする発光装置とすればよい。
【0109】
第2実施例において意匠面が弧状の場合は、例えば、弧状の出光面を有する弧状の基部と、前記基部の外周面から径方向外側に突出する導光片と、前記基部の接線方向に向けて出光する光源と、を備え、基部の出光面とは反対側の面を粗面として前記光源からの光を基部内部に向け反射させるように構成した発光装置とすればよい。
また、さらに、基部の内周面から径方向内側に突出し光源と対向する面を有する位置決め部を備え、光源からの光の一部を光源と対向する面で反射させて、導光部に向けまたは基部の延在方向に進行させるように構成すればよい。
【0110】
第2実施例における位置決め部10a〜10dは、位置決めの機能を有していないものであってもよい。説明では便宜的に位置決め部と称しているが、位置決め部は、基部10kの内周面から径方向の内側に向けて突出する突出部である。
【符号の説明】
【0111】
1 枠体
1a 意匠面
1b 開口部
1c フランジ
1k 基部
2 選択ボタン
2a 開口部
2b 係合腕
2b1 爪部
2c1〜2c4 凹部
3 決定ボタン
4 緩衝板
4CT 中心
4a〜4e 突起
4f1〜4f4,11a 角孔
4k 基部
4g,4h フランジ
4i,11b 係合丸孔
4j 丸孔
5,10 導光板
5a〜5d 導光片
5a1〜5d1 導入面
5a2〜5d2 側面
5a3〜5d3 凹部
5a3s〜5d3s 側面(反射面)
5e 面取り部
5f,5g,10i,10j 突起
5h 出光面
5k,10k 基部
5k1,10k1 開口部
6,11 基板
6a 係合角孔
6b 係合丸孔
6c コネクタ
10a〜10d 位置決め部
10b1 側面部
10e〜10h 導光片
10en〜10hn 長辺面
10et〜10ht 端辺面
10f1 導入面
10m,10m1 底面
10sk 出光面
11 基板
50,100 発光装置
51,101 入力装置
52 ビデオカメラ
71〜74,121〜124 LED(光源)
81〜85,131〜135 スイッチ(小型プッシュスイッチ)
CT 中心
L1〜L5 光路
L1a 入射点
PT 出光点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪状の出光面を有する環状の基部と、
前記基部の中央の開口部内に配置され、径の外方向に向けて出光する光源と、
前記基部から前記光源に向けて延出し、前記光源からの光を導入して前記基部内に誘導する導光片と、を備え、
前記導光片は、前記導入した前記光源からの光の一部を前記基部の内部に拡散するよう反射する反射部を備えていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記導光片を、前記基部の延在方向に所定の間隔で複数備えたことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
輪状の出光面を有する環状の基部と、
前記基部の中央の開口部内において前記基部の中心の周りに所定の角度間隔で配置され、径の外方向に向けて出光する複数の光源と、
前記基部から前記複数の光源に向けてそれぞれ延出し、前記光源からの光を導入して前記基部内に誘導する複数の導光片と、
前記出光面に対向して前記出光面からの光を入光する入光面を有する環状の枠体と、
前記枠体の内側の開口範囲内に配設され、前記基部側に押し込み可能に設けられた入力ボタンと、
前記入力ボタンの押し込みによる押圧力で動作するプッシュスイッチと、
前記プッシュスイッチ及び前記光源が実装された基板と、
を備え、
前記複数の導光片は、それぞれ前記導入した前記光源からの光の一部を前記基部の内部に拡散するよう反射する反射部を備え、
前記プッシュスイッチは、前記複数の導光片の間に配設されていることを特徴とする入力装置。
【請求項4】
輪状の出光面を有する環状の基部と、
前記基部の外周面から径の外方向に向けて突出する導光片と、
前記導光片を介し前記基部の内部に向け前記基部の接線方向に入光する光を出射する光源と、
前記光源と対向する反射面を有して前記基部の内周面から径の内方向に向けて突出する突出部と、
を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
前記反射面は、前記光源からの光を、前記導光片または前記基部の延在方向に向けて反射することを特徴とする請求項4記載の発光装置。
【請求項6】
輪状の出光面を有する環状の基部と、
前記基部の外周面に互いに離隔して設けられ前記外周面から径の外方向に向けて突出する複数の導光片と、
前記複数の導光片を介し前記基部の内部に向け前記基部の接線方向に入光する光を出射する複数の光源と、
前記複数の光源それぞれに対向する反射面を有して前記基部の内周面に互いに離隔して設けられ前記内周面から径の内方向に向けて突出する複数の突出部と、
前記出光面に対向して前記出光面からの光を入光する入光面を有する環状の枠体と、
前記枠体の内側の開口範囲内に配設され、前記基部側に押し込み可能に設けられた入力ボタンと、
前記複数の突出部の間に配設され前記入力ボタンの押し込みによる押圧力で動作するプッシュスイッチと、
前記プッシュスイッチ及び前記光源が実装された基板と、
を備えたことを特徴とする入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−56065(P2010−56065A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64362(P2009−64362)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】