発光装置及び多面取り用基板
【課題】1枚の基板形成用部材から形成できる基板の枚数を増やし、製造コストを低減すること。
【解決手段】発光装置100は、帯状の基板101と、基板101に実装される発光素子102と、基板101に実装される光束制御部材103と、を有する。基板101は、長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに長手方向において隣り合う光束制御部材103の間で幅方向の両端に一対ずつ形成された破断面121を有し、一対の破断面121間の幅方向における寸法W1、W2が光束制御部材103の幅方向の寸法より小さいとともに、平面視した際に光束制御部材103と重なり合う部分の幅方向の寸法W2が、一対の破断面121間の幅方向における寸法W1よりも小さい。
【解決手段】発光装置100は、帯状の基板101と、基板101に実装される発光素子102と、基板101に実装される光束制御部材103と、を有する。基板101は、長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに長手方向において隣り合う光束制御部材103の間で幅方向の両端に一対ずつ形成された破断面121を有し、一対の破断面121間の幅方向における寸法W1、W2が光束制御部材103の幅方向の寸法より小さいとともに、平面視した際に光束制御部材103と重なり合う部分の幅方向の寸法W2が、一対の破断面121間の幅方向における寸法W1よりも小さい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に被照射面を照射する発光装置及び多面取り用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告用の文字若しくは絵を描いた看板、または液晶テレビの液晶等の被照射面を照射する照明装置が知られている。このような照明装置は、複数の発光ダイオード等の発光素子と、発光素子から出射された光を入射し、入射した光の配光を制御して出射する光束制御部材とを基板に実装した発光装置を備える(例えば、特許文献1)。この発光装置は、発光素子と光束制御部材とを多面取り用基板に実装した後に、多面取り用基板を所定の箇所で切断することにより形成される。この場合、発光装置を構成する製品基板の幅は、発光装置を構成する光束制御部材の最外径寸法よりも広くなるように形成される。なお、製品基板とは、多面取り用基板を所定の箇所で切断して形成した基板である。
【0003】
このような従来の発光装置を形成するための多面取り用基板においては、隣接する発光装置の発光素子および光束制御部材が隣り合ってマトリックス状に配置されている。また、製品基板の幅が光束制御部材の最外径寸法よりも十分広く設計されており、光束制御部材同士が隙間を形成して配列されているため、多面取り用基板を切断して製品基板を形成する際に、光束制御部材が邪魔になって切断できないという問題は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−48883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、1枚の多面取り用基板から形成される製品基板の枚数を多くするために製品基板の幅を細くすると、従来と同じ大きさの光束制御部材を従来と同じマトリックス状に配置する場合には、隣り合う光束制御部材が干渉しあうため実装することができない。また、1つの発光装置の製品基板の幅を細くして多面取り用基板から切断しようとした場合には、光束制御部材を基板に実装した際に、光束制御部材が邪魔になって切断できない。したがって、製品基板の幅を細くすることができず、照明装置における製造コストの低減を図ることができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、多面取り用基板を切断加工して、光束制御部材が基板から側方に突出するような幅の細い基板を有する発光装置を形成可能にすることにより、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる発光装置及び多面取り用基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は、被照射面を照射する発光装置であって、前記発光装置は、帯状の基板と、前記基板の長手方向に沿って所定の間隔で前記基板の実装面に実装される複数の発光素子と、前記長手方向に沿って前記所定の間隔で前記実装面に実装され、各々の前記発光素子から出射される光を各々入射するとともに、入射した光の配光を制御して入射した光を照射方向に向けて出射する複数の光束制御部材と、を有し、前記基板は、前記長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに前記長手方向において隣り合う前記光束制御部材の間で幅方向の両端に一対ずつ形成された破断面を有し、前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法が前記光束制御部材の前記幅方向の寸法より小さいとともに、平面視した際に前記光束制御部材と重なり合う部分の前記幅方向の寸法が、前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法よりも小さい構成を採る。
【0008】
本発明の多面取り用基板は、複数に分離することにより発光素子及び光束制御部材を実装する複数の帯状の基板が形成される多面取り用基板であって、前記発光素子及び前記光束制御部材を実装する実装面と、前記分離の境となる各分離線上に所定の間隔で設けられるとともに厚み方向に貫通する貫通孔と、前記分離線の各々において隣り合う前記貫通孔の間の前記分離線上に設けられ、前記多面取り用基板の表面である前記実装面及び裏面の少なくとも一方から所定の深さまでの溝である切断ガイド部と、を有する構成を採る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多面取り用基板を切断加工して、光束制御部材が基板から側方に突出するような幅の細い基板を有する発光装置を形成可能にすることにより、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る発光装置の平面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る多面取り用基板の平面図
【図4】図3のS部分の拡大平面図
【図5】図4のB−B線断面図
【図6】本発明の実施の形態1における発光素子を実装した多面取り用基板の平面図
【図7】本発明の実施の形態1における発光素子及び光束制御部材を実装した多面取り用基板の平面図
【図8】図7のT部分の拡大平面図
【図9】本発明の実施の形態1における照明装置の平面図
【図10】図11のE−E線断面図
【図11】本発明の実施の形態1における切断ガイド部の変形例における図3のS部分に相当する部分の拡大平面図
【図12】本発明の実施の形態1における照明装置の変形例を示す図9のE−E線断面図に相当する断面図
【図13】本発明の実施の形態2に係る多面取り用基板の平面図
【図14】本発明の実施の形態2における発光素子を実装した多面取り用基板の平面図
【図15】本発明の実施の形態2における発光素子及び光束制御部材を実装した多面取り用基板の平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
(発光装置の構成)
以下に、発光装置100の構成について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る発光装置100の平面図である。また、図2は、図1のA−A線断面図である。また、図1及び図2において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。
【0013】
発光装置100は、基板101と、発光素子102と、光束制御部材103とから主に構成される。
【0014】
製品基板(以下、「基板」と記載する)101は、細長い帯状である。また、基板101は、絶縁性を有する材料により形成される。また、基板101には、発光素子102の図示しない導電性端子と電気的に接続する図示しない導電性の回路パターンが形成される。
【0015】
また、基板101には、破断面121が形成される。破断面121は、発光素子102及び光束制御部材103が実装される実装面122に対して垂直方向に位置する基板101の側面である。また、破断面121は、基板101の幅方向(図1のY軸に平行な方向)の両端に形成される。また、破断面121は、発光素子102及び光束制御部材103を基板101に実装した際に、基板101の長手方向に沿って所定の間隔で、基板101の長手方向(図1のX軸に平行な方向)において隣り合う光束制御部材103の間に基板101の側面に形成される。また、破断面121は、後述する多面取り用基板において隣の基板101と一体に接続している部分を切断することにより形成される。また、基板101は、幅方向における寸法W1及び寸法W2が、光束制御部材103の基板101の幅方向に沿った寸法r1よりも小さくなるように形成される(W1<r1及びW2<r1)。また、基板101は、平面視した際に光束制御部材103と重なり合う部分の幅方向における寸法W2が、破断面121を形成した部分の幅方向の長さW1よりも小さくなるように形成される(W1>W2)。
【0016】
発光素子102は、基板101の長手方向に沿って所定の間隔で基板101の実装面122に実装される。また、発光素子102は、図示しない導電性端子が基板101の導電性の回路パターンに半田付けされることにより、基板101に実装される。また、発光素子102は、基板101の回路パターンを介して電源を供給されて発光する。発光素子102は、例えば発光ダイオードである。
【0017】
光束制御部材103は、基板101の長手方向(図1のX軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で基板101の実装面122に実装される。また、光束制御部材103は、平面形状が中心軸P1(図2参照)上に中心を有する円形形状である。また、光束制御部材103は、中心軸P1が発光素子102の光軸と合致するように基板101に実装される。また、光束制御部材103には、底面112上における二等辺三角形の各頂点の位置において、底面112から図1のZ軸に平行な方向に突出する脚部111が形成される。また、光束制御部材103は、脚部111を基板101に固定することにより、底面112が基板101の実装面122に対して平行かつ所定の間隔を保った状態で基板101に実装される。光束制御部材103は、脚部111の先端を例えば接着剤により基板101の実装面122に接着することにより基板101に実装される。
【0018】
また、光束制御部材103は、図2に示すように、発光素子102に対向する底面112を内部に凹ませることにより形成される凹部113を有する。また、光束制御部材103は、凹部113の内面において、中心軸P1の回りに回転対称となるように形成された入射面114を有する。また、光束制御部材103は、第1の出射面115aと、第1の出射面115aの周囲に連続して形成される第2の出射面115bと、第2の出射面115bと鍔部116とを接続する第3の出射面115cとからなる出射面115を有する。
【0019】
第1の出射面115aは、下に凸の滑らかな曲面形状であり、球の一部を切り取ったような凹み形状になっている。また、第2の出射面115bは、第1の出射面115aに連続して形成される上に凸の滑らかな曲面形状であり、平面形状が第1の出射面115aを取り囲む略中空円板形状に形成されている。第3の出射面115cは、第2の出射面115bに連続して形成される。
【0020】
また、光束制御部材103は、発光素子102から出射された光を入射面114に入射する。また、光束制御部材103は、後述する照明装置900の光拡散部材400上で求められる照度分布となるように、発光素子102からの出射光を、発光素子102の出射光とは異なる配光に制御して照射方向に向けて出射面115から出射する。
【0021】
(多面取り用基板の構成)
以下に、多面取り用基板200の構成について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、多面取り用基板200の平面図である。また、図3において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図3において、図1及び図2と同一構成である部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0022】
多面取り用基板200には、複数の貫通孔201が形成される。貫通孔201は、実装面122上の各行G1〜G4において、多面取り用基板200の長手方向(図3のX軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、実装面122上の各列L1〜L8において、多面取り用基板200の長手方向に対して垂直な方向(図3のY軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、多面取り用基板200を図3のZ軸に平行な方向に貫通して形成される。また、貫通孔201は、長手方向(図3のX軸に平行な方向)が長径であり、長手方向に対して垂直な方向(図3のY軸に平行な方向)が短径である長孔形状に形成される。また、多面取り用基板200には、各行G1〜G4において隣り合う貫通孔201の間の各行G1〜G4上に、切断の際のガイドとなる切断ガイド部202が形成される。切断ガイド部202は、実装面122から所定の深さまで形成した溝である。また、多面取り用基板200は、切断ガイド部202により互いに一体に接続される複数の基板101を有する。また、多面取り用基板200は、長手方向(図3のX軸に平行な方向)に所定の長さL(図3参照)だけ交互に基板101をずらすことにより、長手方向の両端部を千鳥状に形成する。
【0023】
上記の構成を有する多面取り用基板200において、各行G1〜G4を境に分離することにより、複数の基板101が形成される。また、多面取り用基板200において、切断ガイド部202が切断されることにより、各基板101の破断面121(図1及び図2参照)が形成される。
【0024】
図4は、図3のS部分の拡大平面図である。また、図5は、図4のB−B線断面図である。
【0025】
図4及び図5より、切断ガイド部202は、実装面122から図3のZ軸に平行な方向(多面取り用基板200の厚み方向)に所定の深さで形成したV溝である。
【0026】
(発光装置の組み立て方法)
以下に、本実施の形態に係る発光装置100の組み立て方法について、図6〜図8を用いて説明する。図6は、発光素子102を実装した多面取り用基板200の平面図である。また、図7は、発光素子102及び光束制御部材103を実装した多面取り用基板200の平面図である。また、図8は、図7のT部分の拡大平面図である。また、図6及び図7において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図6〜図8において、図1〜図5と同一構成の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
最初に、図6に示すように、多面取り用基板200に発光素子102を実装する。この際、発光素子102は、各列L1〜L8(図3参照)において、多面取り用基板200の長手方向(図6のX軸に平行な方向)と直交する方向(図6のY軸に平行な方向)において隣り合う貫通孔201によって挟まれる領域P(図6において破線で囲んだ領域)に各々実装される。
【0028】
次に、図7に示すように、発光素子102を被うように、発光素子102を実装した多面取り用基板200の領域P(図6参照)に光束制御部材103を実装する。この場合、発光素子102及び光束制御部材103は、平面視した際に、多面取り用基板200上において千鳥状に配置される。例えば、光束制御部材103は、多面取り用基板200の長手方向に沿って50mm間隔で多面取り用基板200に実装される。
【0029】
これにより、図8に示すように、平面視した際に、貫通孔201の中央部分が光束制御部材103と重なり合うとともに、貫通孔201の長手方向の両端部が光束制御部材103より露出する。
【0030】
次に、図7に示す状態の多面取り用基板200を、各行G1〜G4(図3参照)上の切断ガイド部202を長刃カッターを用いて切断することにより、図1及び図2に示す発光装置100を形成する。この際、貫通孔201は、多面取り用基板200において図6及び図7のZ軸と平行な方向に貫通していることから、切断する必要はない。従って、光束制御部材103の円形形状の円の直径が基板101の幅方向の長さよりも大きい場合であっても、多面取り用基板200から各基板101を切断することができる。
【0031】
(照明装置の構成)
以下に、照明装置900の構成について、図9及び図10を用いて詳細に説明する。図9は、照明装置900の平面図である。また、図10は、図9のE−E線断面図である。なお、図9は、後述する拡散板1001、拡散シート1002、第1の光学シート1003、第2の光学シート1004及び液晶1005を取り除いた状態を示す。
【0032】
照明装置900は、図9に示すように、複数の上記の発光装置100を所定の間隔で内部に配置する。
【0033】
また、照明装置900では、発光装置100の上方において、拡散板1001、拡散シート1002、第1の光学シート1003、第2の光学シート1004及び液晶1005等が積層して配置される。
【0034】
上記の構成を有する照明装置900では、発光装置100の発光素子102から出射された光が、光束制御部材103により配光を制御されて光束制御部材103より出射される。そして、光束制御部材103より出射された光が、拡散板1001及び拡散シート1002で拡散されるとともに、第1の光学シート1003及び第2の光学シート1004で光学特性を制御されて被照射面である液晶1005の背面を照射する。
【0035】
(切断ガイド部の変形例)
多面取り用基板200の厚み方向に形成した切断ガイド部202は、直線状に形成したV溝のみに限らず、貫通穴等の任意の形状を加えることができる。図11は、本実施の形態における切断ガイド部202の変形例における図3のS部分に相当する部分の拡大平面図である。例えば、切断ガイド部202は、図11に示すように、直線状に形成したV溝に加えて複数の貫通孔1100を直線上に形成したものであるとともに、各貫通孔1100の平面形状を四角形の四隅を丸くした形状である角丸四角形にしたものであってもよい。また、切断ガイド部202は、図11の形状に限らず、直線状に形成したV溝に加えて複数の貫通孔を直線上に形成したものであるとともに、各貫通孔の平面形状を長方形にしたものであってもよい。また、切断ガイド部202は、図11の形状に限らず、直線状に形成したV溝に加えて複数の貫通孔を直線上に形成したものであるとともに、各貫通孔の平面形状を楕円形にしたものであってもよい。また、これら貫通孔を狭いピッチで形成して、多面取り用基板200において容易に切断ができる程度に隣接する基板101同士の接続面積を減少可能な場合には、直線状のV溝を形成しなくてもよい。すなわち、切断ガイド部202は、隣接する基板101どうしの接続面積を減少させる構成であればよく、形状および溝深さは限定されない。
【0036】
(照明装置の変形例)
図12は、照明装置の変形例を示す図9のE−E線断面図に相当する断面図である。なお、図12において、図1〜図10と同一構成である部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図12において、説明の便宜上、拡散板1001、拡散シート1002、第1の光学シート1003、第2の光学シート1004及び液晶1005の記載を省略する。
【0037】
図12に示すように、照明装置1200は、発光装置100を被う白色の反射シート1201を設ける構成が図9及び図10と異なる。反射シート1201は、発光素子102及び光束制御部材103が実装される箇所を除く基板101の実装面122の上方を被う。これにより、反射シート1201は、発光素子102から出射した光のうち、光束制御部材103の入射面114に入射しなかった光、及び光束制御部材103に入射した光のうち、出射面115以外から漏れた光を、液晶1005を設けた方向に反射することができる。
【0038】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態では、多面取り用基板の各行において、光束制御部材を実装する箇所に貫通孔を形成することにより、基板の幅を細くしても多面取り用基板を切断加工して基板を形成することを可能にする。これにより、本実施の形態によれば、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態によれば、多面取り用基板に光束制御部材を千鳥状に実装することにより、光束制御部材を実装する際に光束制御部材同士が緩衝することを防ぐことができる。
【0040】
(実施の形態2)
(多面取り用基板の構成)
図13は、本発明の実施の形態2に係る多面取り用基板1300の平面図である。また、図13において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図13において、図3と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
多面取り用基板1300には、複数の貫通孔201が形成される。貫通孔201は、実装面122上の各行G1〜G4において、多面取り用基板1300の長手方向(図13のX軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、実装面122上の各列L1〜L10において、多面取り用基板1300の長手方向に対して垂直な方向(図13のY軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、実装面122を実装方向(図13のZ軸に平行な方向)に貫通して形成される。また、貫通孔201は、長手方向(図13のX軸に平行な方向)が長径であり、長手方向に対して垂直な方向(図13のY軸に平行な方向)が短径である長孔形状に形成される。また、多面取り用基板1300には、各行G1〜G4において隣り合う貫通孔201の間の各行G1〜G4上に、切断の際のガイドとなる切断ガイド部202が形成される。切断ガイド部202は、実装面122から所定の深さまで形成した溝である。また、多面取り用基板1300は、切断ガイド部202により互いに一体に接続される複数の基板101を有する。また、多面取り用基板1300は、長手方向の両端が各基板101において一致するように形成する。
【0042】
上記の構成を有する多面取り用基板1300において、各行G1〜G4を境に分離することにより、複数の基板101を形成する。また、多面取り用基板1300において、切断ガイド部202が切断されることにより、各基板101の破断面121(図1参照)が形成される。
【0043】
なお、切断ガイド部202の構成は図4及び図5と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0044】
(発光装置の組み立て方法)
以下に、本実施の形態に係る発光装置100の組み立て方法について、図14及び図15を用いて説明する。図14は、発光素子102を実装した多面取り用基板1300の平面図である。また、図15は、発光素子102及び光束制御部材103を実装した多面取り用基板1300の平面図である。また、図14及び図15において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図14及び図15において、図13と同一構成の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
最初に、図14に示すように、多面取り用基板1300に発光素子102を実装する。この際、発光素子102は、図14に示すように、各列L1〜L10において、多面取り用基板1300の長手方向(図14のX軸に平行な方向)と直交する方向(図14のY軸に平行な方向)において隣り合う貫通孔201によって挟まれる領域P(図14において破線で囲んだ領域)に各々実装される。
【0046】
次に、図15に示すように、発光素子102を被うように、発光素子102を実装した多面取り用基板1300の領域Pに光束制御部材103を実装する。この場合、発光素子102及び光束制御部材103は、平面視した際に、多面取り用基板1300上において千鳥状に配置される。
【0047】
次に、図15に示す状態の多面取り用基板1300を、図15各行G1〜G4上の切断ガイド部202を長刃カッターを用いて切断することにより、図1及び図2に示す発光装置100を形成する。この際、貫通孔201は、多面取り用基板1300において図14及び図15のZ軸と平行な方向に貫通していることから、切断する必要はない。従って、光束制御部材103の円形形状の円の直径が基板101の幅方向の長さよりも大きい場合であっても、多面取り用基板1300から各基板101を切断することができる。
【0048】
なお、1枚の基板形成用部材から形成する基板の数は、図13に限らず、任意の数にすることができる。
【0049】
また、照明装置の構成は図9及び図10と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0050】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態では、多面取り用基板の各行において、光束制御部材を実装する箇所に貫通孔を形成することにより、基板の幅を細くしても多面取り用基板を切断加工して基板を形成することを可能にする。これにより、本実施の形態によれば、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、多面取り用基板を切断ガイド部の長さに合ったカッターにより切断加工して基板を形成することができるので、各基板を切断する工程を自動化することができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、多面取り用基板に光束制御部材を千鳥状に実装することにより、光束制御部材を実装する際に光束制御部材同士が緩衝することを防ぐことができる。
【0053】
(実施の形態1及び実施の形態2に共通の変形例)
上記の実施の形態1及び実施の形態2において、基板に実装する発光素子及び光束制御部材は、任意の数にすることができる。
【0054】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、光束制御部材に設ける脚部の位置を二等辺三角形の頂点とする場合について示したが、本発明はこれに限らず、正三角形や他の三角形の頂点としてもよい。
【0055】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、光束制御部材に設ける脚部の数を3つにしたが、本発明はこれに限らず、1以外の任意の数にすることができる。
【0056】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、液晶の背面を照射したが、本発明はこれに限らず、文字または絵が描かれた看板等の被照射面を内側または外側から照射するようにしてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、切断ガイド部を実装面から所定の深さまでの溝にした。しかしながら、本発明はこれに限らず、実装面と反対側の面にも溝を設けてもよいし、多面取り用基板を切断する際のガイドとなる形状であれば任意の形状にすることができる。
【0058】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、光束制御部材を多面取り用基板に実装した場合において、平面視した際に光束制御部材の外周端部から貫通孔の端部が突出するようにした。しかしながら、本発明はこれに限らず、平面視した際に光束制御部材の外周端部まで貫通孔が形成されていれば、光束制御部材の外周端部から貫通孔が突出していなくてもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、基板の幅方向の長さをW1とW2の2つの異なる長さのみにした。しかしながら、本発明はこれに限らず、基板の幅方向の長さにおいて、全ての長さが光束制御部材の円形形状の円の直径以下であれば、3つ以上の異なる長さを有する基板であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明にかかる発光装置及び多面取り用基板は、特に被照射面を照射するのに好適である。
【符号の説明】
【0061】
100 発光装置
101 基板
102 発光素子
103 光束制御部材
111 脚部
112 底面
121 破断面
122 実装面
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に被照射面を照射する発光装置及び多面取り用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告用の文字若しくは絵を描いた看板、または液晶テレビの液晶等の被照射面を照射する照明装置が知られている。このような照明装置は、複数の発光ダイオード等の発光素子と、発光素子から出射された光を入射し、入射した光の配光を制御して出射する光束制御部材とを基板に実装した発光装置を備える(例えば、特許文献1)。この発光装置は、発光素子と光束制御部材とを多面取り用基板に実装した後に、多面取り用基板を所定の箇所で切断することにより形成される。この場合、発光装置を構成する製品基板の幅は、発光装置を構成する光束制御部材の最外径寸法よりも広くなるように形成される。なお、製品基板とは、多面取り用基板を所定の箇所で切断して形成した基板である。
【0003】
このような従来の発光装置を形成するための多面取り用基板においては、隣接する発光装置の発光素子および光束制御部材が隣り合ってマトリックス状に配置されている。また、製品基板の幅が光束制御部材の最外径寸法よりも十分広く設計されており、光束制御部材同士が隙間を形成して配列されているため、多面取り用基板を切断して製品基板を形成する際に、光束制御部材が邪魔になって切断できないという問題は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−48883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、1枚の多面取り用基板から形成される製品基板の枚数を多くするために製品基板の幅を細くすると、従来と同じ大きさの光束制御部材を従来と同じマトリックス状に配置する場合には、隣り合う光束制御部材が干渉しあうため実装することができない。また、1つの発光装置の製品基板の幅を細くして多面取り用基板から切断しようとした場合には、光束制御部材を基板に実装した際に、光束制御部材が邪魔になって切断できない。したがって、製品基板の幅を細くすることができず、照明装置における製造コストの低減を図ることができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、多面取り用基板を切断加工して、光束制御部材が基板から側方に突出するような幅の細い基板を有する発光装置を形成可能にすることにより、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる発光装置及び多面取り用基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は、被照射面を照射する発光装置であって、前記発光装置は、帯状の基板と、前記基板の長手方向に沿って所定の間隔で前記基板の実装面に実装される複数の発光素子と、前記長手方向に沿って前記所定の間隔で前記実装面に実装され、各々の前記発光素子から出射される光を各々入射するとともに、入射した光の配光を制御して入射した光を照射方向に向けて出射する複数の光束制御部材と、を有し、前記基板は、前記長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに前記長手方向において隣り合う前記光束制御部材の間で幅方向の両端に一対ずつ形成された破断面を有し、前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法が前記光束制御部材の前記幅方向の寸法より小さいとともに、平面視した際に前記光束制御部材と重なり合う部分の前記幅方向の寸法が、前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法よりも小さい構成を採る。
【0008】
本発明の多面取り用基板は、複数に分離することにより発光素子及び光束制御部材を実装する複数の帯状の基板が形成される多面取り用基板であって、前記発光素子及び前記光束制御部材を実装する実装面と、前記分離の境となる各分離線上に所定の間隔で設けられるとともに厚み方向に貫通する貫通孔と、前記分離線の各々において隣り合う前記貫通孔の間の前記分離線上に設けられ、前記多面取り用基板の表面である前記実装面及び裏面の少なくとも一方から所定の深さまでの溝である切断ガイド部と、を有する構成を採る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多面取り用基板を切断加工して、光束制御部材が基板から側方に突出するような幅の細い基板を有する発光装置を形成可能にすることにより、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1に係る発光装置の平面図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】本発明の実施の形態1に係る多面取り用基板の平面図
【図4】図3のS部分の拡大平面図
【図5】図4のB−B線断面図
【図6】本発明の実施の形態1における発光素子を実装した多面取り用基板の平面図
【図7】本発明の実施の形態1における発光素子及び光束制御部材を実装した多面取り用基板の平面図
【図8】図7のT部分の拡大平面図
【図9】本発明の実施の形態1における照明装置の平面図
【図10】図11のE−E線断面図
【図11】本発明の実施の形態1における切断ガイド部の変形例における図3のS部分に相当する部分の拡大平面図
【図12】本発明の実施の形態1における照明装置の変形例を示す図9のE−E線断面図に相当する断面図
【図13】本発明の実施の形態2に係る多面取り用基板の平面図
【図14】本発明の実施の形態2における発光素子を実装した多面取り用基板の平面図
【図15】本発明の実施の形態2における発光素子及び光束制御部材を実装した多面取り用基板の平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
(発光装置の構成)
以下に、発光装置100の構成について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る発光装置100の平面図である。また、図2は、図1のA−A線断面図である。また、図1及び図2において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。
【0013】
発光装置100は、基板101と、発光素子102と、光束制御部材103とから主に構成される。
【0014】
製品基板(以下、「基板」と記載する)101は、細長い帯状である。また、基板101は、絶縁性を有する材料により形成される。また、基板101には、発光素子102の図示しない導電性端子と電気的に接続する図示しない導電性の回路パターンが形成される。
【0015】
また、基板101には、破断面121が形成される。破断面121は、発光素子102及び光束制御部材103が実装される実装面122に対して垂直方向に位置する基板101の側面である。また、破断面121は、基板101の幅方向(図1のY軸に平行な方向)の両端に形成される。また、破断面121は、発光素子102及び光束制御部材103を基板101に実装した際に、基板101の長手方向に沿って所定の間隔で、基板101の長手方向(図1のX軸に平行な方向)において隣り合う光束制御部材103の間に基板101の側面に形成される。また、破断面121は、後述する多面取り用基板において隣の基板101と一体に接続している部分を切断することにより形成される。また、基板101は、幅方向における寸法W1及び寸法W2が、光束制御部材103の基板101の幅方向に沿った寸法r1よりも小さくなるように形成される(W1<r1及びW2<r1)。また、基板101は、平面視した際に光束制御部材103と重なり合う部分の幅方向における寸法W2が、破断面121を形成した部分の幅方向の長さW1よりも小さくなるように形成される(W1>W2)。
【0016】
発光素子102は、基板101の長手方向に沿って所定の間隔で基板101の実装面122に実装される。また、発光素子102は、図示しない導電性端子が基板101の導電性の回路パターンに半田付けされることにより、基板101に実装される。また、発光素子102は、基板101の回路パターンを介して電源を供給されて発光する。発光素子102は、例えば発光ダイオードである。
【0017】
光束制御部材103は、基板101の長手方向(図1のX軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で基板101の実装面122に実装される。また、光束制御部材103は、平面形状が中心軸P1(図2参照)上に中心を有する円形形状である。また、光束制御部材103は、中心軸P1が発光素子102の光軸と合致するように基板101に実装される。また、光束制御部材103には、底面112上における二等辺三角形の各頂点の位置において、底面112から図1のZ軸に平行な方向に突出する脚部111が形成される。また、光束制御部材103は、脚部111を基板101に固定することにより、底面112が基板101の実装面122に対して平行かつ所定の間隔を保った状態で基板101に実装される。光束制御部材103は、脚部111の先端を例えば接着剤により基板101の実装面122に接着することにより基板101に実装される。
【0018】
また、光束制御部材103は、図2に示すように、発光素子102に対向する底面112を内部に凹ませることにより形成される凹部113を有する。また、光束制御部材103は、凹部113の内面において、中心軸P1の回りに回転対称となるように形成された入射面114を有する。また、光束制御部材103は、第1の出射面115aと、第1の出射面115aの周囲に連続して形成される第2の出射面115bと、第2の出射面115bと鍔部116とを接続する第3の出射面115cとからなる出射面115を有する。
【0019】
第1の出射面115aは、下に凸の滑らかな曲面形状であり、球の一部を切り取ったような凹み形状になっている。また、第2の出射面115bは、第1の出射面115aに連続して形成される上に凸の滑らかな曲面形状であり、平面形状が第1の出射面115aを取り囲む略中空円板形状に形成されている。第3の出射面115cは、第2の出射面115bに連続して形成される。
【0020】
また、光束制御部材103は、発光素子102から出射された光を入射面114に入射する。また、光束制御部材103は、後述する照明装置900の光拡散部材400上で求められる照度分布となるように、発光素子102からの出射光を、発光素子102の出射光とは異なる配光に制御して照射方向に向けて出射面115から出射する。
【0021】
(多面取り用基板の構成)
以下に、多面取り用基板200の構成について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、多面取り用基板200の平面図である。また、図3において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図3において、図1及び図2と同一構成である部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0022】
多面取り用基板200には、複数の貫通孔201が形成される。貫通孔201は、実装面122上の各行G1〜G4において、多面取り用基板200の長手方向(図3のX軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、実装面122上の各列L1〜L8において、多面取り用基板200の長手方向に対して垂直な方向(図3のY軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、多面取り用基板200を図3のZ軸に平行な方向に貫通して形成される。また、貫通孔201は、長手方向(図3のX軸に平行な方向)が長径であり、長手方向に対して垂直な方向(図3のY軸に平行な方向)が短径である長孔形状に形成される。また、多面取り用基板200には、各行G1〜G4において隣り合う貫通孔201の間の各行G1〜G4上に、切断の際のガイドとなる切断ガイド部202が形成される。切断ガイド部202は、実装面122から所定の深さまで形成した溝である。また、多面取り用基板200は、切断ガイド部202により互いに一体に接続される複数の基板101を有する。また、多面取り用基板200は、長手方向(図3のX軸に平行な方向)に所定の長さL(図3参照)だけ交互に基板101をずらすことにより、長手方向の両端部を千鳥状に形成する。
【0023】
上記の構成を有する多面取り用基板200において、各行G1〜G4を境に分離することにより、複数の基板101が形成される。また、多面取り用基板200において、切断ガイド部202が切断されることにより、各基板101の破断面121(図1及び図2参照)が形成される。
【0024】
図4は、図3のS部分の拡大平面図である。また、図5は、図4のB−B線断面図である。
【0025】
図4及び図5より、切断ガイド部202は、実装面122から図3のZ軸に平行な方向(多面取り用基板200の厚み方向)に所定の深さで形成したV溝である。
【0026】
(発光装置の組み立て方法)
以下に、本実施の形態に係る発光装置100の組み立て方法について、図6〜図8を用いて説明する。図6は、発光素子102を実装した多面取り用基板200の平面図である。また、図7は、発光素子102及び光束制御部材103を実装した多面取り用基板200の平面図である。また、図8は、図7のT部分の拡大平面図である。また、図6及び図7において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図6〜図8において、図1〜図5と同一構成の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
最初に、図6に示すように、多面取り用基板200に発光素子102を実装する。この際、発光素子102は、各列L1〜L8(図3参照)において、多面取り用基板200の長手方向(図6のX軸に平行な方向)と直交する方向(図6のY軸に平行な方向)において隣り合う貫通孔201によって挟まれる領域P(図6において破線で囲んだ領域)に各々実装される。
【0028】
次に、図7に示すように、発光素子102を被うように、発光素子102を実装した多面取り用基板200の領域P(図6参照)に光束制御部材103を実装する。この場合、発光素子102及び光束制御部材103は、平面視した際に、多面取り用基板200上において千鳥状に配置される。例えば、光束制御部材103は、多面取り用基板200の長手方向に沿って50mm間隔で多面取り用基板200に実装される。
【0029】
これにより、図8に示すように、平面視した際に、貫通孔201の中央部分が光束制御部材103と重なり合うとともに、貫通孔201の長手方向の両端部が光束制御部材103より露出する。
【0030】
次に、図7に示す状態の多面取り用基板200を、各行G1〜G4(図3参照)上の切断ガイド部202を長刃カッターを用いて切断することにより、図1及び図2に示す発光装置100を形成する。この際、貫通孔201は、多面取り用基板200において図6及び図7のZ軸と平行な方向に貫通していることから、切断する必要はない。従って、光束制御部材103の円形形状の円の直径が基板101の幅方向の長さよりも大きい場合であっても、多面取り用基板200から各基板101を切断することができる。
【0031】
(照明装置の構成)
以下に、照明装置900の構成について、図9及び図10を用いて詳細に説明する。図9は、照明装置900の平面図である。また、図10は、図9のE−E線断面図である。なお、図9は、後述する拡散板1001、拡散シート1002、第1の光学シート1003、第2の光学シート1004及び液晶1005を取り除いた状態を示す。
【0032】
照明装置900は、図9に示すように、複数の上記の発光装置100を所定の間隔で内部に配置する。
【0033】
また、照明装置900では、発光装置100の上方において、拡散板1001、拡散シート1002、第1の光学シート1003、第2の光学シート1004及び液晶1005等が積層して配置される。
【0034】
上記の構成を有する照明装置900では、発光装置100の発光素子102から出射された光が、光束制御部材103により配光を制御されて光束制御部材103より出射される。そして、光束制御部材103より出射された光が、拡散板1001及び拡散シート1002で拡散されるとともに、第1の光学シート1003及び第2の光学シート1004で光学特性を制御されて被照射面である液晶1005の背面を照射する。
【0035】
(切断ガイド部の変形例)
多面取り用基板200の厚み方向に形成した切断ガイド部202は、直線状に形成したV溝のみに限らず、貫通穴等の任意の形状を加えることができる。図11は、本実施の形態における切断ガイド部202の変形例における図3のS部分に相当する部分の拡大平面図である。例えば、切断ガイド部202は、図11に示すように、直線状に形成したV溝に加えて複数の貫通孔1100を直線上に形成したものであるとともに、各貫通孔1100の平面形状を四角形の四隅を丸くした形状である角丸四角形にしたものであってもよい。また、切断ガイド部202は、図11の形状に限らず、直線状に形成したV溝に加えて複数の貫通孔を直線上に形成したものであるとともに、各貫通孔の平面形状を長方形にしたものであってもよい。また、切断ガイド部202は、図11の形状に限らず、直線状に形成したV溝に加えて複数の貫通孔を直線上に形成したものであるとともに、各貫通孔の平面形状を楕円形にしたものであってもよい。また、これら貫通孔を狭いピッチで形成して、多面取り用基板200において容易に切断ができる程度に隣接する基板101同士の接続面積を減少可能な場合には、直線状のV溝を形成しなくてもよい。すなわち、切断ガイド部202は、隣接する基板101どうしの接続面積を減少させる構成であればよく、形状および溝深さは限定されない。
【0036】
(照明装置の変形例)
図12は、照明装置の変形例を示す図9のE−E線断面図に相当する断面図である。なお、図12において、図1〜図10と同一構成である部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図12において、説明の便宜上、拡散板1001、拡散シート1002、第1の光学シート1003、第2の光学シート1004及び液晶1005の記載を省略する。
【0037】
図12に示すように、照明装置1200は、発光装置100を被う白色の反射シート1201を設ける構成が図9及び図10と異なる。反射シート1201は、発光素子102及び光束制御部材103が実装される箇所を除く基板101の実装面122の上方を被う。これにより、反射シート1201は、発光素子102から出射した光のうち、光束制御部材103の入射面114に入射しなかった光、及び光束制御部材103に入射した光のうち、出射面115以外から漏れた光を、液晶1005を設けた方向に反射することができる。
【0038】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態では、多面取り用基板の各行において、光束制御部材を実装する箇所に貫通孔を形成することにより、基板の幅を細くしても多面取り用基板を切断加工して基板を形成することを可能にする。これにより、本実施の形態によれば、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態によれば、多面取り用基板に光束制御部材を千鳥状に実装することにより、光束制御部材を実装する際に光束制御部材同士が緩衝することを防ぐことができる。
【0040】
(実施の形態2)
(多面取り用基板の構成)
図13は、本発明の実施の形態2に係る多面取り用基板1300の平面図である。また、図13において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図13において、図3と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
多面取り用基板1300には、複数の貫通孔201が形成される。貫通孔201は、実装面122上の各行G1〜G4において、多面取り用基板1300の長手方向(図13のX軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、実装面122上の各列L1〜L10において、多面取り用基板1300の長手方向に対して垂直な方向(図13のY軸に平行な方向)に沿って所定の間隔で複数形成される。また、貫通孔201は、実装面122を実装方向(図13のZ軸に平行な方向)に貫通して形成される。また、貫通孔201は、長手方向(図13のX軸に平行な方向)が長径であり、長手方向に対して垂直な方向(図13のY軸に平行な方向)が短径である長孔形状に形成される。また、多面取り用基板1300には、各行G1〜G4において隣り合う貫通孔201の間の各行G1〜G4上に、切断の際のガイドとなる切断ガイド部202が形成される。切断ガイド部202は、実装面122から所定の深さまで形成した溝である。また、多面取り用基板1300は、切断ガイド部202により互いに一体に接続される複数の基板101を有する。また、多面取り用基板1300は、長手方向の両端が各基板101において一致するように形成する。
【0042】
上記の構成を有する多面取り用基板1300において、各行G1〜G4を境に分離することにより、複数の基板101を形成する。また、多面取り用基板1300において、切断ガイド部202が切断されることにより、各基板101の破断面121(図1参照)が形成される。
【0043】
なお、切断ガイド部202の構成は図4及び図5と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0044】
(発光装置の組み立て方法)
以下に、本実施の形態に係る発光装置100の組み立て方法について、図14及び図15を用いて説明する。図14は、発光素子102を実装した多面取り用基板1300の平面図である。また、図15は、発光素子102及び光束制御部材103を実装した多面取り用基板1300の平面図である。また、図14及び図15において、X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。なお、図14及び図15において、図13と同一構成の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
最初に、図14に示すように、多面取り用基板1300に発光素子102を実装する。この際、発光素子102は、図14に示すように、各列L1〜L10において、多面取り用基板1300の長手方向(図14のX軸に平行な方向)と直交する方向(図14のY軸に平行な方向)において隣り合う貫通孔201によって挟まれる領域P(図14において破線で囲んだ領域)に各々実装される。
【0046】
次に、図15に示すように、発光素子102を被うように、発光素子102を実装した多面取り用基板1300の領域Pに光束制御部材103を実装する。この場合、発光素子102及び光束制御部材103は、平面視した際に、多面取り用基板1300上において千鳥状に配置される。
【0047】
次に、図15に示す状態の多面取り用基板1300を、図15各行G1〜G4上の切断ガイド部202を長刃カッターを用いて切断することにより、図1及び図2に示す発光装置100を形成する。この際、貫通孔201は、多面取り用基板1300において図14及び図15のZ軸と平行な方向に貫通していることから、切断する必要はない。従って、光束制御部材103の円形形状の円の直径が基板101の幅方向の長さよりも大きい場合であっても、多面取り用基板1300から各基板101を切断することができる。
【0048】
なお、1枚の基板形成用部材から形成する基板の数は、図13に限らず、任意の数にすることができる。
【0049】
また、照明装置の構成は図9及び図10と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0050】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態では、多面取り用基板の各行において、光束制御部材を実装する箇所に貫通孔を形成することにより、基板の幅を細くしても多面取り用基板を切断加工して基板を形成することを可能にする。これにより、本実施の形態によれば、1枚の多面取り用基板から形成できる基板の枚数を増やすことができ、製造コストを低減することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、多面取り用基板を切断ガイド部の長さに合ったカッターにより切断加工して基板を形成することができるので、各基板を切断する工程を自動化することができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、多面取り用基板に光束制御部材を千鳥状に実装することにより、光束制御部材を実装する際に光束制御部材同士が緩衝することを防ぐことができる。
【0053】
(実施の形態1及び実施の形態2に共通の変形例)
上記の実施の形態1及び実施の形態2において、基板に実装する発光素子及び光束制御部材は、任意の数にすることができる。
【0054】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、光束制御部材に設ける脚部の位置を二等辺三角形の頂点とする場合について示したが、本発明はこれに限らず、正三角形や他の三角形の頂点としてもよい。
【0055】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、光束制御部材に設ける脚部の数を3つにしたが、本発明はこれに限らず、1以外の任意の数にすることができる。
【0056】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、液晶の背面を照射したが、本発明はこれに限らず、文字または絵が描かれた看板等の被照射面を内側または外側から照射するようにしてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、切断ガイド部を実装面から所定の深さまでの溝にした。しかしながら、本発明はこれに限らず、実装面と反対側の面にも溝を設けてもよいし、多面取り用基板を切断する際のガイドとなる形状であれば任意の形状にすることができる。
【0058】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、光束制御部材を多面取り用基板に実装した場合において、平面視した際に光束制御部材の外周端部から貫通孔の端部が突出するようにした。しかしながら、本発明はこれに限らず、平面視した際に光束制御部材の外周端部まで貫通孔が形成されていれば、光束制御部材の外周端部から貫通孔が突出していなくてもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態1及び実施の形態2において、基板の幅方向の長さをW1とW2の2つの異なる長さのみにした。しかしながら、本発明はこれに限らず、基板の幅方向の長さにおいて、全ての長さが光束制御部材の円形形状の円の直径以下であれば、3つ以上の異なる長さを有する基板であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明にかかる発光装置及び多面取り用基板は、特に被照射面を照射するのに好適である。
【符号の説明】
【0061】
100 発光装置
101 基板
102 発光素子
103 光束制御部材
111 脚部
112 底面
121 破断面
122 実装面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射面を照射する発光装置であって、
前記発光装置は、
帯状の基板と、
前記基板の長手方向に沿って所定の間隔で前記基板の実装面に実装される複数の発光素子と、
前記長手方向に沿って前記所定の間隔で前記実装面に実装され、各々の前記発光素子から出射される光を各々入射するとともに、入射した光の配光を制御して入射した光を照射方向に向けて出射する複数の光束制御部材と、
を有し、
前記基板は、
前記長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに前記長手方向において隣り合う前記光束制御部材の間で幅方向の両端に一対ずつ形成された破断面を有し、
前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法が前記光束制御部材の前記幅方向の寸法より小さいとともに、平面視した際に前記光束制御部材と重なり合う部分の前記幅方向の寸法が、前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法よりも小さい発光装置。
【請求項2】
請求項1記載の発光装置と、
前記発光装置の前記光束制御部材より出射された光により照射される被照射面と、
を有する照明装置。
【請求項3】
複数に分離することにより発光素子及び光束制御部材を実装する複数の帯状の基板が形成される多面取り用基板であって、
前記発光素子及び前記光束制御部材を実装する実装面と、
前記分離の境となる各分離線上に所定の間隔で設けられるとともに厚み方向に貫通する貫通孔と、
前記分離線の各々において隣り合う前記貫通孔の間の前記分離線上に設けられ、前記多面取り用基板の表面である前記実装面及び裏面の少なくとも一方から所定の深さまでの溝である切断ガイド部と、
を有する多面取り用基板。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記分離線に対して垂直な線上に所定の間隔で設けられ、
前記実装面は、前記垂直な線上において隣り合う前記貫通孔により挟まれる領域において、平面視した際に前記貫通孔の全部または一部と重なり合うように前記光束制御部材が実装される請求項3記載の多面取り用基板。
【請求項1】
被照射面を照射する発光装置であって、
前記発光装置は、
帯状の基板と、
前記基板の長手方向に沿って所定の間隔で前記基板の実装面に実装される複数の発光素子と、
前記長手方向に沿って前記所定の間隔で前記実装面に実装され、各々の前記発光素子から出射される光を各々入射するとともに、入射した光の配光を制御して入射した光を照射方向に向けて出射する複数の光束制御部材と、
を有し、
前記基板は、
前記長手方向に沿って所定の間隔で形成されるとともに前記長手方向において隣り合う前記光束制御部材の間で幅方向の両端に一対ずつ形成された破断面を有し、
前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法が前記光束制御部材の前記幅方向の寸法より小さいとともに、平面視した際に前記光束制御部材と重なり合う部分の前記幅方向の寸法が、前記一対の破断面間の前記幅方向における寸法よりも小さい発光装置。
【請求項2】
請求項1記載の発光装置と、
前記発光装置の前記光束制御部材より出射された光により照射される被照射面と、
を有する照明装置。
【請求項3】
複数に分離することにより発光素子及び光束制御部材を実装する複数の帯状の基板が形成される多面取り用基板であって、
前記発光素子及び前記光束制御部材を実装する実装面と、
前記分離の境となる各分離線上に所定の間隔で設けられるとともに厚み方向に貫通する貫通孔と、
前記分離線の各々において隣り合う前記貫通孔の間の前記分離線上に設けられ、前記多面取り用基板の表面である前記実装面及び裏面の少なくとも一方から所定の深さまでの溝である切断ガイド部と、
を有する多面取り用基板。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記分離線に対して垂直な線上に所定の間隔で設けられ、
前記実装面は、前記垂直な線上において隣り合う前記貫通孔により挟まれる領域において、平面視した際に前記貫通孔の全部または一部と重なり合うように前記光束制御部材が実装される請求項3記載の多面取り用基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−54456(P2012−54456A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196766(P2010−196766)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】
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