説明

発光装置

【課題】 小型であり、かつ、色度を容易に調整できる発光装置を提供する。
【解決手段】 発光ダイオード12と発光ダイオード13とはノードW1とノードW2との間に並列に接続される。2つの発光ダイオードは、互いに一方の発光ダイオードのアノードが他方の発光ダイオードのカソードと電気的に接続される。駆動部11から発光ダイオード12,13の各々に対して交流電圧が印加されるので発光装置10は、2色(青色と緑色)の光と1色(赤色)の光とを交互に発することができる。よって1つの駆動回路で白色光を作り出すことが可能になるので発光装置の小型化や低コスト化が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、より特定的には複数の発振波長の光を混合して白色光を作り出す発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED(Light Emitting Diode)とも称する)を用いて高品質な白色光源を作り出す研究開発が進められている。発光ダイオードを用いた白色光源は、たとえば、液晶表示装置のバックライト、照明装置、画像読取装置などに使用される。
【0003】
発光ダイオードにより白色光源を作る方法は、蛍光材を用いる方法と、複数の発振波長を用いる方法とに大別される。蛍光材を用いる方法では、紫外から青色の発光ダイオードの放射光を黄色、緑色および赤色等に変換する蛍光材を使用して白色を作り出す。複数の発振波長を用いる方法では、2または3種類以上の異なる発振波長を有する複数の発光ダイオードを点灯させて白色を作り出す。
【0004】
しかしながら、どちらの方法においても、所望の色度および発光強度を得ることは実際には困難である。
【0005】
前者の蛍光材を用いる方法では、紫外から青色の発光ダイオードの輝度にバラツキがあるのに加えて、蛍光材の塗布バラツキによって色度が大きく異なってくる。さらに、蛍光材を用いた白色光源がいったん製品化されると、色度の調整は事実上不可能である。
【0006】
後者の複数の発振波長を用いる方法については、従来、様々な技術が提案されている。たとえば特開2001−144332号公報(特許文献1)には、駆動電流値により発光色が変化するLED素子において、LED素子を駆動するためのパルス電流の電流値が発光波長に対応して設定されるか、または、パルス電流のデューティが発光強度に対応して設定されることによって、光強度を変化させても発光色が変化しないLED駆動方法およびLED装置ならびにLEDランプ、LEDランプ駆動方法と表示装置とが開示されている。
【0007】
特開2004−86081号公報(特許文献2)には、複数個の発光ダイオードの発光時間を記憶する時間メモリ回路と、時間メモリ回路の記憶情報に基づいて発光ダイオードの発光時間を可変する制御部とを含み、複数個の発光素子が発光して得られる光の白色バランスを時間メモリ回路の記憶情報を書き換えることによって調整するカラー表示装置について開示されている。
【0008】
このように従来の技術では、発光素子ごとに流れる電流量すなわち発光強度を変化させて所望の色度を作り出し、駆動電圧のパルス幅またはデューティ比を変化させて発光強度を調整している。これは、一般的な発光ダイオードの特性として、流れる電流量が変化すると発振波長の変動が起こり、その結果として色度が変化するためである。そのため、いったん色度を決めると電流値は変化させず、代わりに、点灯時間を変化させて発光素子の輝度を変えるのが一般的である。
【0009】
特に、上述の特開2001−144332号公報(特許文献1)に開示されているLED駆動方法では、積極的に電流値を変化させることでLEDから発せられる光の色をブルーシフトさせて蛍光体から効率よく蛍光を生じさせている。しかし、このLED駆動方法は他の発光ダイオードと組み合わせることにより色度を調整する方法ではない。
【0010】
なお、発光強度を無調整で色度の調整だけを行なうのであれば、各発振波長の発光ダイオードの点灯時間の割合を変えることによっても可能である。
【特許文献1】特開2001−144332号公報
【特許文献2】特開2004−86081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
白色光源を複数個並べて、液晶のバックライトや照明光源とする場合に、個々の白色光源の間にわずかな色度の違いであっても、人間の目には比較によって色の違いが大きく感じられるため、違和感を生じてしまう。そのため、白色光源の色度を可能な限り揃える必要がある。
【0012】
従来技術による複数の発振波長で白色光源を作り出す方法では、各発光素子に流れる電流を独立して制御するため、発光素子または発振波長の数だけ独立した調整機能が必要となる。そのため駆動回路全体が大きく複雑となり、コストアップにつながる。また、発振波長ごとに色度の調整が必要になり、調整作業が複雑になる。
【0013】
本発明の目的は、小型であり、かつ、色度を容易に調整できる発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は要約すれば、複数の光を混合して白色光を作り出す発光装置であって、第1の駆動電流に応じて、第1および第2の発振ピーク波長を有する第1の光を発する第1の発光素子部と、第1の駆動電流と異なる第2の駆動電流に応じて、第3の発振ピーク波長を有し、かつ、第1の光の色の補色となる第2の光を発する、第2の発光素子部と、第1、第2の発光素子部に第1、第2の駆動電流をそれぞれ供給するための駆動部とを備える。
【0015】
好ましくは、駆動部は、第1の駆動電流と第2の駆動電流とを交互に出力する。
【0016】
より好ましくは、第2の発振ピーク波長は、第1の駆動電流の大きさの変化に対し、第1の発振ピーク波長よりも大きく変化する。
【0017】
さらに好ましくは、第1の発振ピーク波長は、青色光の範囲にあり、第2の発振ピーク波長は、緑色光の範囲にあり、第3の発振ピーク波長は、赤色光の範囲にある。
【0018】
さらに好ましくは、第1、第2の発光素子部の各々は、並列に、かつ、電気的極性が互いに逆になるように第1、第2のノード間に接続される発光ダイオードであり、駆動部は、第1、第2のノード間に極性が周期的に変化する交流電流を印加する。
【0019】
さらに好ましくは、第1の駆動電流の波形と第2の駆動電流の波形とは、ともに矩形波である。
【0020】
さらに好ましくは、第1の駆動電流が流れる期間と第2の駆動電流が流れる期間とは、白色光の色度に応じて各々定められる。
【0021】
さらに好ましくは、交流電流の周波数は、30Hzから100kHzまでの間にある。
【0022】
好ましくは、駆動部は、第1の駆動電流としてパルス電流を出力し、第2の駆動電流として定電流を出力する。
【0023】
より好ましくは、第2の発振ピーク波長は、パルス電流の大きさの変化に対し、第1の発振ピーク波長よりも大きく変化する。
【0024】
さらに好ましくは、第1の発振ピーク波長は、青色光の範囲にあり、第2の発振ピーク波長は、緑色光の範囲にあり、第3の発振ピーク波長は、赤色光の範囲にある。
【発明の効果】
【0025】
本発明の発光装置によれば、複数の発光素子のそれぞれに駆動電流を制御するための制御回路を設ける必要がなくなるので、発光装置の小型化や低コスト化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0027】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の発光装置の回路構成を示す図である。図1を参照して、発光装置10は青、緑、赤の3色の光を混合して白色光を作り出す。発光装置10は駆動部11と発光ダイオード12,13と、抵抗14,15とを備える。
【0028】
駆動部11はノードW1とノードW2との間に接続され、交流電圧を出力する。ノードW1からノードW2に向けて流れる電流If1は正極性の電流であり、ノードW1からノードW2に向けて流れる電流If2は負極性の電流である。
【0029】
発光ダイオード12は青色の発振ピーク波長と、緑色の発振ピーク波長とを有し、第1の駆動電流である電流If1に応じて青色の光と緑色の光との混合光を発する。発光ダイオード12は、青色の光と緑色の光とを発する1つの発光素子(LEDチップ)を含む。
【0030】
電流If1が増加するにつれて、緑色の発振ピーク波長と青色の発振ピーク波長とはともに長波長側から短波長側へと変化する。電流量の大きさの変化に対し、緑色の発振ピーク波長は青色の発振ピーク波長よりも大きく変化する。電流量の増加にともなって波長変動の大きい緑色の発振ピーク波長が長波長側から短波長側へと変化することで、青色の光と緑色の光とを混合した混合光の色度が変化する。
【0031】
このように、複数の異なる発振ピーク波長で発光する1つの発光素子を発光装置に備えることにより、発光素子を駆動するための回路の数を減らすことができるので、発光装置10を小型化することができる。
【0032】
なお、発光ダイオード12において、青色の光よりも波長変動が大きい光は緑色の光であると限定される必要はなく、たとえば黄緑色、黄色や橙色などの光であってもよい。
【0033】
発光ダイオード13は第3の発振ピーク波長を有し、第2の駆動電流である電流If2に応じて、青色の光と緑色の光とを混合した光の色の補色である赤色の光を発する。青色光と緑色光とを組み合わせた場合、実用上の面からは十分な白色光であるが、光の3原色の1つである赤色光が欠けているためやや青みがかかった白色になる。発光ダイオード13から赤色の光が発せられることにより色度の調整範囲が広がるという効果が得られる。
【0034】
抵抗14、抵抗15はそれぞれ電流If1、If2の値を決定するために設けられる。
抵抗14、抵抗15の各々は固定抵抗である。固定抵抗の抵抗値は、所望の色度の白色光が得られるように適切に定められる。なお、抵抗14および抵抗15の少なくとも一方が可変抵抗であってもよい。この場合、発光装置10を組立てた後であっても可変抵抗の抵抗値を変えることにより、色度や光度等を調整できる。
【0035】
発光ダイオード12と発光ダイオード13とはノードW1とノードW2との間に並列に接続される。2つの発光ダイオードは、互いに一方の発光ダイオードのアノードが他方の発光ダイオードのカソードと電気的に接続される。駆動部11から発光ダイオード12,13の各々に対して交流電流が印加されるので発光装置10は、2色(青色と緑色)の光と1色(赤色)の光とを交互に発することができる。よって1つの駆動回路で白色光を作り出すことが可能になるので発光装置の小型化や低コスト化が実現できる。
【0036】
図2は、図1の発光ダイオード12の素子構造の一例を模式的に表わした図である。図2を参照して、発光ダイオード12は、発光ダイオードチップ32と、ワイヤ35,36と、外部電極37,38とを備える。ワイヤ35,36は、たとえばAu(金)からなる。発光ダイオードチップ32は、半導体多層構造を有し、内部電極33,34を含む。外部電極37,38からワイヤ35,36を介して内部電極33,34にそれぞれ電圧を印加することにより、発光ダイオードチップ32は、青色および緑色という複数の異なる波長で発光し、それらが混合して白色光を発する。
【0037】
なお、発光ダイオードチップ32において、青色の光を発する部分と緑色の光を発する部分とで使用する材料あるいは材料の割合を変えることで発光に関係するエネルギー準位が変動する割合を変えることができる。よって電流量の変動に対する発振ピーク波長の変動を青色と緑色とで異ならせることができる。
【0038】
図3は、図1に示す電流If1、If2の時間変化を説明する図である。図3を参照して、駆動部11から電流が流れていない状態を基準としたときの電流If1、If2の時間変化および電位V1の時間変化が示される。電位V1の波形は正弦波であるので電流If1の波形と電流If2の波形とは各々正弦波の半周期分の波形になる。よって電流If1と電流If2とが交互に流れるので発光ダイオード12と発光ダイオード13とが交互に点灯する。
【0039】
電位V1の周波数は30Hzから100kHzの間にあることが好ましい。30Hzよりも低い場合、人間の目にチラツキが感じられるようになる。また、100kHzよりも高くすると発光ダイオードの応答特性が悪くなるとともに回路が複雑になる。より好ましい電位V1の周波数の範囲は1kHz〜20kHzである。
【0040】
再び図1を参照しながら、発光装置10において色度の調整方法および決定方法について説明する。まず発光ダイオード12,13の各々に所定の電流を流すことによって光度および色度が測定される。あるいは、発光ダイオード12,13の各々に流す電流を変化させながら光度および色度が測定される。次に測定結果に基づき、所望の光度や色度を得るために必要な電流If1,If2の値が決定される。決定された電流値に基づき、抵抗14、15の各々の抵抗値が決定される。なお、色度の調整や決定は発光装置10の設計段階や試作段階で行なわれるので、完成品の段階では抵抗14、15には固定抵抗が用いられる。
【0041】
なお、電位V1のピーク値を変えた場合にも発光ダイオード12,13の各々に流れる電流量が変化するので色度の調整が可能である。しかし、発光ダイオード12,13の各々に流れる順方向電流が一様に変化するため、所望の白色光を作り出すための色度の調整が困難になる。色度は一般的にCIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)で定められた表色系に従う色度図上のX座標の値およびY座標の値(色度座標)として示されるが、X座標とY座標とを個別に変える調整ができなくなる。しかし、電位V1のピーク値を変化させる場合には、たとえば白色と電灯色というように色を容易に切り替えることができる。
【0042】
また、各波長の光量の割合で色度は決定されるので、光量の割合が一定のまま各発光ダイオードの光度を変えることにより、発光強度を変えることができる。
【0043】
このように本発明の発光装置では、従来技術のように各波長での発振強度を変えて色度を調整するのではなく、電流If1による発光ダイオード12での波長変動を積極的に利用することにより、所望の色度になるように色度の調整が行なわれる。
【0044】
以上のように実施の形態1によれば、交流電圧を出力する駆動回路が2色の光を発する発光ダイオードと1色の光を発する発光ダイオードとを交互に駆動することにより、1つの駆動回路で白色光を発することが可能になるので、発光装置の小型化や低コスト化が実現できる。
【0045】
[実施の形態2]
図4は、実施の形態2の発光装置の回路構成を示す図である。図4を参照して、発光装置10Aは、駆動部11に代えて駆動部11Aを備える点で図1の発光装置10と異なる。発光装置10Aの他の部分の構成は発光装置10の対応する部分の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。
【0046】
駆動部11Aは、波形が矩形波である交流電圧を出力する点で駆動部11と相違する。図3に示すように、実施の形態1では電流If1、If2の各々が出力されている期間中に電流If1、If2の各々の電流値が変化する。よって、発光ダイオード12、13の各々が点灯する間に光度が変化する。実施の形態2では電流If1,If2の波形が矩形波であるので、発光ダイオード12、13の各々の光度は点灯期間中は一定である。よって点灯周波数が低くてもチラツキを抑えることができる。
【0047】
図5は、図4に示す電流If1、If2の時間変化を説明する図である。図5を参照して、電位V1が矩形波であるので電流If1、If2の各々の波形も矩形波である。電流If1が流れる時間を時間t1とし、電流If2が流れる時間を時間t2とし、時間t1と時間t2との和を時間Tとする。電流If1のデューティ比はt1/Tとなり、電流If2のデューティ比はt2/T(=1−t1/T)となる。
【0048】
デューティ比t1/T,t2/Tを変えることによって発光ダイオード12、13の各々に流れる平均電流値が変化する。平均電流値の変化に応じて発光ダイオードから発せられる光の色度が変化する。よって所望の白色光が得られるようにデューティ比t1/T,t2/Tを変化させることで、色度が調整される。
【0049】
なお、電位V1の周波数は実施の形態1と同様に30Hzから100kHzの間にあることが好ましい。特に周波数が100kHzを越えると発光ダイオードの応答特性が悪くなり、発光ダイオードに流れる電流の波形にはなまりが生じる。
【0050】
以上のように、実施の形態2によれば、矩形波の交流電圧を出力する駆動回路が2色の光を発する発光ダイオードと1色の光を発する発光ダイオードとを交互に点灯させることにより、発光装置の小型化や低コスト化が実現できるとともに、チラツキを低減することができる。
【0051】
[実施の形態3]
図6は、実施の形態3の発光装置の回路構成を示す図である。図6を参照して、発光装置10Bは、駆動部11に代えて駆動部11Bを備える点で図1の発光装置10と異なる。また、発光装置10Bは固定抵抗である抵抗14に代えて、可変抵抗である抵抗14Aを備える点で発光装置10と異なる。
【0052】
駆動部11Bは、定電圧源17と、NPNトランジスタ18と、PWM(Pulse Width Modulation)回路19とを含む。定電圧源17はノードW1の電位を定電位である電位V1に設定する。NPNトランジスタ18はコレクタがノードW3に接続され、エミッタがノードW2に接続され、ベースがPWM回路19に接続される。PWM回路19は、NPNトランジスタ18のベースにパルス幅が変調された駆動電圧を印加する。
【0053】
また、発光ダイオード12のカソードがノードW3に接続される点、および、発光ダイオード13のアノードがノードW1に接続され、発光ダイオード13のカソードが抵抗15の一端部に接続されている点で発光装置10Bは発光装置10と異なる。なお、発光装置10Bの他の部分の構成は発光装置10の対応する部分の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。
【0054】
図7は、図6に示す電流If1、If2の時間変化を説明する図である。図7を参照して、電流If1は、パルス電流であるのに対し、電流If2は定電流(直流電流)である。電流If2が定電流である理由は調整作業を少なくするためである。このように実施の形態3では電流If1のみを変化させることにより、発光装置10Bに含まれる駆動回路の数を減らすことができる。
【0055】
発光装置10Bにおいて色度の調整を最初に行なう場合には、まず抵抗14Aの抵抗値を変化させて電流If1を変化させる。電流If1が増加するにつれて、波長変動の大きい緑色の光の発振ピーク波長が長波長側から短波長側へと変化し、波長変動の少ない青色の光との混合により、徐々に色度が変化する。そして、所望の色度になった時点で電流If1を固定する。さらに発光装置10Bで生成される白色光を望みの白色により近づけるため、発光ダイオード13に流れる電流If2が調整される。完成品の段階では抵抗15の抵抗値が固定されているので、色度の調整は抵抗14Aの抵抗値を調整することによって行なわれる。
【0056】
発光強度の調整を行なう場合、PWM回路19から印加される駆動電圧のパルス幅を調整して発光ダイオード12の点灯時間を制御することにより行なわれる。
【0057】
以上のように、実施の形態3によれば、2色の光を発する発光ダイオードをパルス電流で駆動し、1色の光を発する発光ダイオードを定電流で駆動させることにより、1つの駆動回路で白色光を作り出すことが可能になるので、発光装置の小型化や低コスト化が実現できる。
【0058】
なお、実施の形態1から実施の形態3において発光ダイオード12は1つの発光素子であるとしたが、発光ダイオード12に代えて、並列あるいは直列に接続される青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードとが用いられてもよい。ただし電流量に対する発振ピーク波長の変動量の大きさは緑色発光ダイオードのほうが青色発光ダイオードよりも大きくなければならない。この場合、実施の形態1から実施の形態3に比較して発光装置の回路面積が大きくなるが、青色発光ダイオードと緑色発光ダイオードとは一般的に安価であるので、コストを低減できるという効果が得られる。
【0059】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態1の発光装置の回路構成を示す図である。
【図2】図1の発光ダイオード12の素子構造の一例を模式的に表わした図である。
【図3】図1に示す電流If1、If2の時間変化を説明する図である。
【図4】実施の形態2の発光装置の回路構成を示す図である。
【図5】図4に示す電流If1、If2の時間変化を説明する図である。
【図6】実施の形態3の発光装置の回路構成を示す図である。
【図7】図6に示す電流If1、If2の時間変化を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
10,10A,10B 発光装置、11,11A,11B 駆動部、12,13 発光ダイオード、14,14A,15 抵抗、17 定電圧源、18 NPNトランジスタ、19 PWM回路、32 発光ダイオードチップ、33,34 内部電極、35,36 ワイヤ、37,38 外部電極、W1〜W3 ノード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光を混合して白色光を作り出す発光装置であって、
第1の駆動電流に応じて、第1および第2の発振ピーク波長を有する第1の光を発する第1の発光素子部と、
前記第1の駆動電流と異なる第2の駆動電流に応じて、第3の発振ピーク波長を有し、かつ、前記第1の光の色の補色となる第2の光を発する、第2の発光素子部と、
前記第1、第2の発光素子部に前記第1、第2の駆動電流をそれぞれ供給するための駆動部とを備える、発光装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記第1の駆動電流と前記第2の駆動電流とを交互に出力する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第2の発振ピーク波長は、前記第1の駆動電流の大きさの変化に対し、前記第1の発振ピーク波長よりも大きく変化する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1の発振ピーク波長は、青色光の範囲にあり、
前記第2の発振ピーク波長は、緑色光の範囲にあり、
前記第3の発振ピーク波長は、赤色光の範囲にある、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1、第2の発光素子部の各々は、並列に、かつ、電気的極性が互いに逆になるように第1、第2のノード間に接続される発光ダイオードであり、
前記駆動部は、第1、第2のノード間に極性が周期的に変化する交流電流を印加する、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1の駆動電流の波形と前記第2の駆動電流の波形とは、ともに矩形波である、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1の駆動電流が流れる期間と前記第2の駆動電流が流れる期間とは、前記白色光の色度に応じて各々定められる、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記交流電流の周波数は、30Hzから100kHzまでの間にある、請求項5に記載の発光装置。
【請求項9】
前記駆動部は、前記第1の駆動電流としてパルス電流を出力し、前記第2の駆動電流として定電流を出力する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第2の発振ピーク波長は、前記パルス電流の大きさの変化に対し、前記第1の発振ピーク波長よりも大きく変化する、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第1の発振ピーク波長は、青色光の範囲にあり、
前記第2の発振ピーク波長は、緑色光の範囲にあり、
前記第3の発振ピーク波長は、赤色光の範囲にある、請求項10に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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