発光装置
【課題】基板に安定性よく実装できる優れた実装性、または、優れた放熱性を有する発光装置を提供することにある。
【解決手段】発光装置1Aは、発光素子2と、発光素子2を収容する凹部5を有するパッケージ4と、パッケージ4に支持され、パッケージ4の裏面側に露出し、発光素子2と電気的に導通する位置に設けた2つの電極15と、凹部5に充填される封止樹脂21とを備え、パッケージ4は、その裏面に、裏面と電極15との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することを特徴とする。
【解決手段】発光装置1Aは、発光素子2と、発光素子2を収容する凹部5を有するパッケージ4と、パッケージ4に支持され、パッケージ4の裏面側に露出し、発光素子2と電気的に導通する位置に設けた2つの電極15と、凹部5に充填される封止樹脂21とを備え、パッケージ4は、その裏面に、裏面と電極15との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源等に利用できる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置としては、以下のような構成を備えたものが提案されている。例えば、特許文献1で提案された発光装置は、樹脂パッケージ(文献では埋め込み樹脂)と、樹脂パッケージの一側面から突出した第1のリードと、樹脂パッケージの他側面から突出した第2のリードと、樹脂パッケージの上面に設けられた凹部の中に露出した第1のリードにマウントされた発光素子と、発光素子を凹部の中に封止する封止樹脂とを備え、第1のリードの発光素子がマウントされた部分の裏面は、樹脂パッケージに覆われず露出していることを特徴とする。そして、使用の際には、第1および第2リードの裏面を基板に施された導体配線に半田付けすることにより、発光装置が基板に電気的に導通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−353914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された発光装置では、発光素子を凹部の中に封止樹脂で封止した際に、樹脂パッケージと第1および第2のリードとの境界部から封止樹脂が染み出し、染み出した封止樹脂が第1および第2のリードの裏面の一部に付着するという不具合が発生する。このような第1および第2のリードへの封止樹脂の付着は、発光装置を基板に実装する際の実装面積の減少につながり、発光装置を基板に安定性よく実装できないという問題がある。また、発光素子がマウントされた第1のリードを、発光素子で発生する熱を放熱させる放熱体として機能させる場合にも、第1のリードへの封止樹脂の付着は放熱性を低下させる原因となるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その課題は、基板に安定性よく実装できる優れた実装性、または、優れた放熱性を有する発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、発光素子と、前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記電極との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することを特徴とする。
【0007】
前記構成によれば、パッケージが、その裏面に当該裏面と電極との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は電極用溝部に誘導され、基板との実装面となるパッケージの裏面における電極の露出面に封止樹脂が広がることがないため、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0008】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記パッケージが、その裏面に前記電極用溝部と連続し、かつ、当該裏面側に露出した前記電極から遠ざかるように延在、または、当該電極から離れた位置に延在した電極用補助溝部をさらに有することが好ましい。
【0009】
前記構成によれば、パッケージが電極用溝部と連続する電極用補助溝部をさらに有することによって、境界部から染み出る封止樹脂を電極から離れた位置に誘導できる。そのため、染み出る封止樹脂の量が多いことにより電極用補助溝部から溢れた場合であっても、電極から離れた位置で封止樹脂が広がるため、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0010】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記裏面が、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、前記第2裏面領域は前記電極用溝部が形成され、前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用溝部が当該凹みまで連続することが好ましい。
【0011】
前記構成によれば、電極用溝部が形成される第2裏面領域より凹み、電極用溝部が凹みまで連続する第1裏面領域を備えることによって、境界部から染み出る封止樹脂が電極用溝部により第1裏面領域に誘導される。第2裏面領域より凹んだ第1裏面領域にある封止樹脂は、第2裏面領域にまで這い上がりにくいため、第2裏面領域にある電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0012】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記裏面が、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、前記第2裏面領域は前記電極用溝部および前記電極用補助溝部が形成され、前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用補助溝部が当該凹みまで連続することが好ましい。
【0013】
前記構成によれば、電極用溝部および電極用補助溝部が形成される第2裏面領域より凹み、電極用補助溝部が凹みまで連続する第1裏面領域を備えることによって、境界部から染み出る封止樹脂が電極用補助溝部により第1裏面領域に誘導される。第2裏面領域より凹んだ第1裏面領域にある封止樹脂は、第2裏面領域にまで這い上がりにくいため、第2裏面領域にある電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0014】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記凹みは、段差によって形成されていることが好ましい。
【0015】
前記構成によれば、第1裏面領域に誘導された封止樹脂は、段差によって第2裏面領域にまで這い上がりにくいため、第2裏面領域にある電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0016】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することが好ましい。
【0017】
前記構成によれば、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することを抑制する作用に加えて、発光素子が載置された放熱体をさらに備え、パッケージの裏面に当該裏面と放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は放熱体用溝部に誘導され、放熱体の露出面に封止樹脂が広がることがないため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0018】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有し、前記放熱体用溝部は、前記第1裏面領域に形成されることが好ましい。
【0019】
前記構成によれば、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することを抑制する作用に加えて、発光素子が載置された放熱体をさらに備え、パッケージの裏面に当該裏面と放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は放熱体用溝部に誘導されるため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0020】
本発明に係る発光装置は、発光素子と、前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、前記パッケージに支持され、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体と、前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部を有することを特徴とする。
【0021】
前記構成によれば、発光素子が載置された放熱体を備え、パッケージの裏面に、当該裏面と放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部を有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は放熱体用溝部に誘導されるため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0022】
本発明に係る発光装置は、放熱体用溝部を有する発光装置において、前記パッケージが、その裏面に前記放熱体用溝部と連続し、当該裏面側に露出した前記放熱体から遠ざかるように延在、または、当該放熱体から離れた位置に延在した放熱体用補助溝部をさらに有することが好ましい。
【0023】
前記構成によれば、パッケージが放熱体用溝部に連続する放熱体用補助溝部をさらに有することによって、境界部から染み出る封止樹脂を放熱体から離れた位置に誘導できる。そのため、染み出る封止樹脂の量が多いことにより放熱体用補助溝部から溢れた場合であっても、放熱体から離れた位置で封止樹脂が広がるため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0024】
本発明に係る発光装置は、放熱体用補助溝部を有する発光装置において、前記放熱体が、前記裏面に露出する側の端面の形状が多角形状であって、前記放熱体用補助溝部は、前記放熱体の端面の角部から延在することが好ましい。
【0025】
前記構成によれば、放熱体の端面を多角形状とし、その角部から放熱体用補助溝部を延在することによって、封止樹脂の染み出し量が多い放熱体の角部に放熱体用補助溝が形成されているため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る発光装置は、パッケージの裏面に電極用溝部を有することによって、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制されるため、基板への実装性が優れる。そして、本発明に係る発光装置は、パッケージの裏面に、電極用溝部と連続する電極用補助溝部をさらに有すること、および、段差により中央に区分けされる第1裏面領域をさらに備えることによって、電極露出面への封止樹脂の付着がさらに抑制されるため、基板への実装性がさらに優れる。
【0027】
また、本発明に係る発光装置は、放熱体を備え、パッケージの裏面に放熱体用溝部を有することによって、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制されるため、放熱体に載置された発光素子で発生する熱を外部に効率よく放出することができ、放熱性が優れる。そして、本発明に係る発光装置は、パッケージの裏面に、放熱体用溝部に連続する放熱体用補助溝部をさらに有すること、および、放熱体用補助溝部が放熱体の端面の角部から延在することによって、放熱体露出面への封止樹脂の付着がさらに抑制されるため、放熱性がさらに優れる。
【0028】
さらに、本発明に係る発光装置は、電極用溝部および放熱体用溝部を有することによって、電極露出面および放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制されるため、基板への実装性および放熱性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る発光装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の発光装置をパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図3】図1のA−A線、図2のB−B線に沿った断面図である。
【図4】(a)〜(c)は電極用溝部、電極用補助溝部の配置を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図5】(a)本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図、(b)は(a)のE−E線に沿った断面図である。
【図6】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図7】図6のC−C線に沿った断面図である。
【図8】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図9】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図10】図9のD−D線に沿った断面図である。
【図11】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図12】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る発光装置の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、発光装置1Aは、発光素子2と、パッケージ4と、2つの電極15と、封止樹脂21とを備え、パッケージ4が、電極用溝部11を有することを特徴とする。以下、各構成について説明する。
【0031】
(発光素子)
発光素子2は、パッケージ4の凹部5に収容され、任意の波長の光を出力するもので、半導体発光素子が好ましい。半導体発光素子は、例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAs、InPなどを用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
また、可視光領域の光だけでなく、紫外線や赤外線を出力する発光素子とすることができる。さらには、半導体発光素子とともに、受光素子、及びそれらの半導体素子を過電圧による破壊から守る保護素子(例えば、ツェナーダイオードやコンデンサー)、あるいはそれらを組み合わせたものをパッケージ4の凹部5に収容することができる。
【0033】
発光素子2は、電極15と導電性ワイヤ3を介して接続されることによって、電極15と電気的に導通する。また、発光素子2は、ダイボンド部材(図示せず)を介して電極15の上に載置されることが好ましい。
【0034】
導電性ワイヤ3は、電極15とのオーミック性、機械的接続性、電気伝導性及び熱伝導性が良いものが好ましい。熱伝導度としては0.01cal/(s)(cm2)(℃/cm)以上が好ましく、より好ましくは0.5cal/(s)(cm2)(℃/cm)以上である。また、作業性などを考慮して導電性ワイヤ3の直径は、好ましくは、Φ10μm以上、Φ45μm以下である。このような導電性ワイヤ3としては、金、銅、白金、アルミニウム等の金属およびそれらの合金を用いた導電性ワイヤ3が挙げられる。このような導電性ワイヤ3の接続には、ワイヤーボンディング機器が用いられる。
【0035】
ダイボンド部材は、載置する発光素子2によって、導電性ダイボンド部材または絶縁性ダイボンド部材のいずれかを選択し、例えば、絶縁性発光素子の場合、絶縁性ダイボンド部材でも導電性ダイボンド部材でも用いることができ、導電性発光素子の場合は、導電性ダイボンド部材を用いる。絶縁性ダイボンド部材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用い、導電性ダイボンド部材としては、銀、金、パラジウムなどの導電性ペーストや、Au−Sn共晶などの半田、低融点金属等のろう材を用いる。
【0036】
(パッケージ)
パッケージ4は、発光素子2を収容する凹部5を有し、2つの電極15を支持するもので、発光素子2を保護するとともに、電極15と一体的に成形される成形物である。パッケージ4の形状は、平面視において四角形またはこれに近い形状を有するものが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、三角形、多角形またはこれらに近い形状とすることができる。また、パッケージ4は、その表面(上面)に凹部5を有し、凹部5から離間する角部に、一段下がった段差部6を設けることが好ましい。この段差部6は、パッケージ成形時に、成形型から取り出す際のピン押し領域などとして利用することができるほか、各角部の形状を異ならせることによって、電極15の極性を示すカソードマークとして利用することができる。このような段差部6は、パッケージ4の4角全てに設けることもできるほか、パッケージ4の1角のみに設けてもよい。さらに、パッケージ4の形状や大きさに応じて、角部以外の領域などの任意の部分にも設けることもできる。
【0037】
パッケージ4を構成する材料としては、絶縁性部材が好ましく、また、発光素子2からの光や、外光などが透過しにくい部材が好ましい。また、ある程度の強度を有するもので、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができ、具体的には、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン樹脂)や、PPA(ポリフタル酸アミド樹脂)などが挙げられる。特に熱硬化性樹脂であるトリアジン誘導体エポキシ樹脂を用いることが好ましい。他の熱硬化性樹脂では、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は、酸無水物、酸化防止剤、離型材、光反射部材、無機充填材、硬化触媒、光安定剤、滑剤、顔料等を含有できる。光反射部材は二酸化チタンやシリカを用いることができる。その他のパッケージを構成する材料としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミックスを用いることができる。
【0038】
凹部5は、パッケージ4の表面(上面)に開口するように形成され、その凹部内に発光素子2、保護素子などの電子部品が収容されるものである。そして、この凹部5が発光装置における発光部(発光窓)となる。このように、種々の電子部品が収容される凹部5は、それらが載置されるのに必要な面積を有する底面を有し、凹部底面に露出される電極15と、これら電子部品とを導通させる導電性ワイヤ3などの接合領域も確保できるような大きさおよび形状とすることが好ましい。また、その凹部5の深さについては、凹部内に充填される封止樹脂21によって前記電子部品が封止可能な深さとすることが好ましい。
【0039】
凹部5の形状としては、略円形のものが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、パッケージ4の形状、特に、パッケージ上面の形状に応じて、さらに、配光特性などを考慮して適宜選択することができる。パッケージ4の上面が略四角形である場合(図1参照)には、略円形の凹部5とするのが好ましいが、さらに発光面積を大きくしたい場合は、パッケージ上面と同様に略四角形とすることもでき、また、図示しないが、大きな凹部5を一つ設けるのではなく2つ以上の複数の凹部5を設けることもできる。
【0040】
凹部5の底部には、2つの電極15が露出され、露出された電極の少なくとも一方の電極15の上に発光素子2が載置されていることが好ましい。2つの電極15は、凹部底部において略同一面となるように露出されるのが好ましいが、段差を設けるなど、異なる面上となるように露出されていてもよい。また、凹部5の底部には、2つの電極15の間を絶縁させるように、それらの間からパッケージ4の一部が絶縁部材として露出されていることが好ましい。
【0041】
凹部5の内壁は、発光素子2からの光を反射し、凹部5から効率よく光が放射されるように、凹部5の内壁が底部に向けて傾斜するように設けるのが好ましい。その場合、所望に応じて角度を選択することができ、また、内壁の全体を傾斜させずに、部分的に傾斜させることもできる。また、内壁に内側に向けて突出する部分を設けてもよい。具体的には、凹部5の内壁に、内側に向けて突出する内側突出部7が形成されている(図1参照)。このように、凹部5の内壁の全体を突出させるのではなく、一部を内側に突出させることで、発光面積を小さくすることなく、パッケージ4の強度を向上させることができ、さらに、パッケージ4に支持される電極15の保持力の低下を抑制することができる。内側突出部7は、一つだけ設けてもよく、あるいはパッケージ4の大きさや形状に応じて2つ以上の複数個設けることもできる。また、このように内壁の一部に内側突出部7を設ける場合、内壁の傾斜角は、それぞれ略等しくなるように調整するのが好ましい。
【0042】
(電極)
2つの電極15は、パッケージ4の凹部5に収容される発光素子2や保護素子等の電子部品に外部からの電流を供給するためのもので、パッケージ4に支持され、パッケージ4の裏面側に露出し、発光素子2と電気的に導通する位置に設けられている。具体的には、2つの電極15は、発光素子2と導電性ワイヤ3を介して電気的に導通する位置として、パッケージ4の相対する側面8に配置されていることが好ましい(図1参照)。また、2つの電極15は、凹部5の底部において、ほぼ一定の間隔で離間するように配置され、一方または両方の電極15の上に発光素子2が載置されていることが好ましい。
【0043】
電極15の各々は、一端側にパッケージ4の凹部5の底部に露出する露出領域16と、他端側にパッケージ4の側面8から突出し、パッケージ4の裏面側に露出して電極露出面20となる突出領域18を有するように、パッケージ4に支持される平面視で略長方形の板状の電極15であることが好ましい。そして、電極15の各々は、パッケージ4の内部で所定角度(例えば、90〜150度)に屈曲する2つの屈曲部17を有している。
【0044】
突出領域18の裏面(電極露出面20)は、基板30の上に、半田等の導電性接合部材31を用いて発光装置1Aを接合させる部位となる。そのため、突出領域18の裏面が、パッケージ4の裏面9と同一面となるように設けるのが好ましい。例えば、パッケージ4の内部において、パッケージ4の裏面9まで達するように、電極15を屈曲させることで、突出領域18の裏面がパッケージ4の裏面9と同一面となる(図3参照)。このようにすることで、基板30への発光装置1Aの実装が容易で、かつ、確実なものとなる。突出領域18は、図示しないが、パッケージ4の側面8から突出させた後に屈曲することで形成してもよい。
【0045】
このように電極15に屈曲部17を設ける場合は、パッケージ4の成形後に屈曲させるのではなく、成形前にあらかじめ屈曲させておくことが好ましい。屈曲した電極15を用いて一体成形によってパッケージ4を成形することによって、パッケージ4と電極15との間に隙間が生じにくくなる。
【0046】
電極15の各々は、突出領域18の裏面形状が平面視で略長方形であって、突出領域18の長辺同士が平行になるように配置されることが好ましい。このように電極15を配置することで、基板30への実装時のずれを低減しやすくなる。
【0047】
電極15は、パッケージ4の側面8と接する領域に貫通孔19を有することが好ましい。電極15に貫通孔19を設けることで、比較的厚い電極15であっても、屈曲しやすくなる。そして、この貫通孔19は、パッケージ4によって充填されていることが好ましい。貫通孔19をパッケージ4で充填することで、パッケージ4と電極15との密着性を向上させることができる。
【0048】
電極15を構成する材料としては、熱伝導率の比較的大きな材料が好ましく、これにより、発光素子2で発生する熱を効率よく外部に放出することができる。例えば、200W/(m・K)程度以上の熱伝導率を有しているものが好ましい。また、電極15は、比較的大きい機械的強度を有する材料、さらには打ち抜きプレス加工またはエッチング加工等が容易な材料で構成することが好ましい。具体的には、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属またはニッケル合金、燐青銅等の合金が挙げられる。また、電極15の厚みや形状等については、得ようとする発光装置1Aの大きさ、形状等を考慮して適宜調整することができる。また、電極15を光が吸収しやすい材料で構成した場合には、表面に光を反射しやすい部材を設けるなど、電極15を積層構造とするのが好ましい。例えば、電極15を、タングステンや銅からなる導電性部材上に、銀をめっきするなどの積層構造とするのが好ましい。
【0049】
(電極用溝部)
図2に示すように、電極用溝部11は、パッケージ4の裏面9に、その裏面9と電極15との境界部10Aの少なくとも一部と接するように形成される。そして、封止樹脂21は、このような電極用溝部11を形成することによって、パッケージ4の凹部5の内部に発光素子2を封止した際に、境界部10Aから染み出しても電極用溝部11に誘導される。したがって、封止樹脂21は、基板30(図3参照)との実装面となる電極露出面20、すなわち、電極15の突出領域18の裏面に広がることがないため、突出領域18の裏面の一部に当該封止樹脂21が付着することが抑制される。その結果、発光装置1Aを半田等の導電性接合部材31を用いて基板30に安定性よく実装できる。図2に示すように、電極用溝部11が境界部10Aに沿うように接して形成されていれば、境界部10Aから染み出る封止樹脂21を電極用溝部11に効率よく誘導できる。
【0050】
電極用溝部11の溝形状は、電極15の突出領域18の裏面への封止樹脂21の広がりを防止でき、パッケージ4の強度を確保できれば、特に限定されるものではないが、長手方向に直交する断面が四角形、半円、三角形等であることが好ましい。同様に、電極用溝部11の長手方向の寸法についても、特に限定されるものではないが、溝幅:0.3mm程度、溝深さ:0.5mm程度、電極15の幅方向の長さにほぼ等しい長さであることが好ましい。そして、電極用溝部11の形成は、パッケージ4の一体成形の際に同時に形成することが好ましい。
【0051】
(封止樹脂)
封止樹脂21は、パッケージ4の凹部5に充填され、凹部5の内部に収容された発光素子2や導電性ワイヤ3等を、塵芥、水分や外力などから保護するもので、発光素子2からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂やユリア樹脂を挙げることができる。このような材料に加え、所望に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー、蛍光部材などを含有させることもできる。蛍光部材としては、発光素子2からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換させるもので、例えば、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体や、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体等が挙げられる。また、封止樹脂21は、凹部全体を充填するように設けるのが好ましいが、目的に応じて凹部の途中までを充填することもできる。
【0052】
図1〜図3に示す発光装置1Aにおいては、図4(a)〜(c)に示すような電極用溝部11、あるいは、電極用溝部11と電極用補助溝部12を備える構成であってもよい。
【0053】
例えば、図4(a)に示すように、電極用溝部11は、その端部が境界部10Aの一部と接し、境界部10Aすなわち電極15の突出領域18の裏面から遠ざかるように、パッケージ4の裏面9の中央に向って延在するものであってもよい。また、電極用溝部11の延在方向は、裏面9の辺に対して平行、斜めのいずれでもよい。さらに、電極用溝部11の深さは、裏面9の中央に行くにしたがって深くなるようにしてもよい。
【0054】
また、図4(b)、図4(c)に示すように、パッケージ4の裏面9に電極用溝部11と併せて電極用補助溝部12をさらに有してもよい。
(電極用補助溝部)
電極用補助溝部12は、電極用溝部11と連続し、かつ、パッケージ4の裏面側に露出した電極15から遠ざかるように延在、または、電極15から離れた位置に延在している。
図4(b)では、電極用補助溝部12は、その端部が電極用溝部11と連続し、電極15の電極露出面20である突出領域18の裏面から遠ざかるように延在、例えば、パッケージ4の裏面9の中央部に向って延在している。また、電極用補助溝部12の延在方向は、裏面9の辺に対して平行、斜めのいずれでもよい。さらに、電極用補助溝部12の深さは、裏面9の中央に行くにしたがって深くなるようにしてもよい。なお、電極用補助溝部12の形状、寸法は、前記した電極用溝部11と同様である。なお、電極用補助溝部12の長手方向の長さは、パッケージ4の裏面9の長さの1/3程度であることが好ましい。
【0055】
このような電極用補助溝部12を形成することによって、境界部10Aから染み出る封止樹脂21を電極用溝部11から電極用補助溝部12にまで誘導できる。これにより、染み出る封止樹脂21が多いことにより電極用補助溝部12から溢れた場合においても、電極15から離れた位置で封止樹脂21が広がるため、電極15の突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制され、発光装置1Aを半田等の導電性接合部材31を用いて基板30にさらに安定性よく実装できる。
【0056】
境界部10Aに沿うように接して形成された電極用溝部11は、封止樹脂21を電極用溝部11に誘導しやすいが、染み出る封止樹脂21の量が多い場合には電極用溝部11に溜まって溢れやすい。しかし、図4(b)に示すように、電極用補助溝部12が形成されていれば、封止樹脂21を電極用補助溝部12へ誘導できるため、電極用溝部11が境界部10Aに沿うように接して形成されているパッケージ4であっても電極15の突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することを抑制できる。
【0057】
また、図4(c)に示すように、電極用溝部11が電極15の突出領域18の裏面から遠ざかるように延在している場合には、電極用補助溝部12は、その一部が電極用溝部11と連続し、かつ、電極15(突出領域18)から離れた位置に延在、例えば、電極用溝部11と連続した一部からパッケージ4の裏面9の端部に向って、境界部10Aに沿って延在したものであってもよい。また、電極用補助溝部12の延在方向は、境界部10Aに対して平行、斜めのいずれでもよい。なお、電極用補助溝部12は、電極15の幅方向の長さとほぼ同じ長さで延在することが好ましい。
【0058】
図1〜図3に示す発光装置1Aにおいては、図5(a)、(b)に示すように、パッケージ4の裏面9に第1裏面領域9Aおよび第2裏面領域9Cを備えてもよい。
【0059】
(第1裏面領域)
第1裏面領域9Aは、パッケージ4の裏面9において、第2裏面領域9Cに挟まれて裏面9の中央に区分けされる領域であり、第2裏面領域9Cより凹んでいる。第1裏面領域9Aが第2裏面領域9Cから椀状に傾斜して凹んでいる場合は、凹みまで連続して第2裏面領域9C上に形成される電極用溝部11または電極用補助溝部12の一端より凹んでいる領域が第1裏面領域9Aである。また、段差9Bによって第1裏面領域9Aと第2裏面領域9Cが区分けされていてもよい。第2裏面領域9Cに形成される電極用溝部11または電極用補助溝部12が段差9Bまで連続することにより、電極用溝部11または電極用補助溝部12が第1裏面領域9Aにつながる。段差9Bによって第1裏面領域9Aと第2裏面領域9Cが区分けされていれば、第1裏面領域9A内に誘導された封止樹脂21は第2裏面領域9Cにまで這い上がりにくいため、第2裏面領域9Cにある電極露出面20の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制される。また、第1裏面領域9Aの大きさは、特に限定されるものではないが、パッケージ4の裏面9の面積に対して30%程度の面積率で形成されることが好ましい。第1裏面領域9Aの凹みの深さ、すなわち、段差9Bの高さは、特に限定されるものではないが、0.5mm程度が好ましい。第1裏面領域9Aの形状は、特に限定されるものではないが、段差9Bが境界部10Aと平行となる直線状に形成される長方形状、または、段差9Bが境界部10Aと平行でない曲線状に形成される第2裏面領域9C側が凹状または凸状の形状(図示せず)であることが好ましい。
【0060】
(第2裏面領域)
第2裏面領域9Cは、パッケージ4の裏面9において、凹みにより第1裏面領域9Aの左右に区分けされる領域で、電極用溝部11および電極用補助溝部12が形成される。第2裏面領域9Cの大きさ、形状は、第1裏面領域9Aに応じたものとなる。第2裏面領域9Cは、パッケージ4の裏面9において、段差9Bにより第1裏面領域9Aの左右に区分けされることが好ましい。
【0061】
このような第1裏面領域9Aおよび第2裏面領域9Cを備えることによって、境界部10Aから染み出る封止樹脂21を電極用溝部11および電極用補助溝部12により第1裏面領域9Aに誘導できる。第1裏面領域9Aに誘導された封止樹脂21は、段差のある第2裏面領域9Cへは広がりにくいため、電極露出面20である突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制され、発光装置1Aを半田等の導電性接合部材31を用いて基板30にさらに安定性よく実装できる(図5(b)参照)。
【0062】
境界部10Aに沿うように接して形成された電極用溝部11は、封止樹脂21を電極用溝部11に誘導しやすいが、染み出る封止樹脂21の量が多い場合には電極用溝部11に溜まって溢れやすい。しかし、図5(a),(b)に示すように、電極用補助溝部12が凹みまで形成されていれば、封止樹脂21を第1裏面領域9Aへ誘導できるため、電極用溝部11が境界部10Aに沿うように接して形成されているパッケージ4であっても電極15の突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することを抑制できる。
【0063】
電極用溝部11が境界部10Aから遠ざかるように延在した溝部(図4(a)参照)である場合には、第2裏面領域9Cには電極用補助溝部12を形成せずに電極用溝部11のみを形成し、電極用溝部11が第1裏面領域9Aの凹みまで連続する。
【0064】
図1〜図3に示す発光装置1Aは、図3に示すような屈曲部17を有する電極15を備えるものに限定されるものではない。
例えば、発光装置1Aは、図6、図7に示すように、電極15が屈曲部17(図3参照)を有さない平坦な板状の電極15で構成され、その電極15の端部がパッケージ4の側面側に突出するように、パッケージ4の裏面9に支持されているものであってもよい。また、このような発光装置1Aは、電極15に貫通孔19を形成し、この貫通孔19をパッケージ4で充填することによって、パッケージ4と電極15の密着性を向上させたものであってもよい。貫通孔19は、その形状、大きさは特に限定されるものではないが、電極15の強度が低下しない範囲で、平面視で四角形状、楕円を含む円形状等に、電極15の露出面積との面積率で20%以下に形成することが好ましい。
なお、このような発光装置1Aの各構成、すなわち、発光素子2、パッケージ4、電極15、封止樹脂21、電極用溝部11の詳細については、前記と同様であるので、説明を省略する。また、このような発光装置1Aは、前記した電極用補助溝部12を有してもよい。
【0065】
このような発光装置1Aの電極15は、図8に示すように、電極15が屈曲部17(図3参照)を有さない平坦な板状の電極15で構成され、その電極15の端部がパッケージ4の側面側から突出せず、裏面端部と同一位置にあるように、パッケージ4の裏面9に支持されているものであってもよい。また、このような発光装置1Aは、電極15の裏面端部に切欠き部20aを形成し、基板30との接合強度を向上させたものであってもよい。電極15の裏面端部に切欠き部20aが形成されていると、基板30への実装時に、半田等の導電性接合部材31のフィレットが電極15の裏面だけでなく側面にまで形成されるため、発光装置1Aと基板30の接合強度が向上する。切欠き部20aは、その形状、大きさは特に限定されるものではないが、電極15の強度が低下しない範囲で、平面視で四角形状、楕円を含む半円形状等に、電極15の露出面積との面積率で20%以下に形成することが好ましい。
【0066】
このような発光装置1Aにおいては、図6〜図8に示すように、屈曲部を有さない平坦な板状の電極15をパッケージ4の裏面9で支持することによって、発光素子2が載置された領域での電極15の裏面が、パッケージ4で覆われずに露出する。その結果、このような発光装置1Aでは、発光素子2から生じる熱が効率よく外部に放出される。したがって、図6、図8の発光装置1Aでは、その電極15が、発光素子2への導通機能に加えて、放熱体としての機能も備える。
【0067】
次に、本発明に係る発光装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図9、図10に示すように、発光装置1Bは、発光素子2と、パッケージ4と、2つの電極15と、放熱体22と、封止樹脂21とを備え、パッケージ4が、放熱体用溝部13を有することを特徴とする。
なお、発光素子2、パッケージ4、電極15および封止樹脂21については第1の実施形態と同様であるので説明を省略し、放熱体22、放熱体用溝部13について説明する。
【0068】
(放熱体)
放熱体22は、パッケージ4に支持され、パッケージ4の裏面側に露出し、発光素子2が載置されたものである。具体的には、放熱体22は、パッケージ4の凹部5の底部に露出する端面と、パッケージ4の裏面9に露出する端面を有する柱状体、好ましくは角柱状体である。このように、パッケージ4の裏面9から放熱体22を露出させることで、放熱体22の上に載置されている発光素子2から生じる熱を効率よく外部へ放出することができる。
【0069】
放熱体22から効率よく熱を外部に放出させるためには、裏面9から露出する放熱体22の端面23が、発光装置1Bを基板30に半田等の導電性接合部材31を用いて実装した際、電極15の突出領域18の裏面9と略同一平面上に位置するように、放熱体22をパッケージ4で支持するのが好ましい。パッケージ4の裏面側において、放熱体22の端面23が、実装面となる突出領域18の裏面9よりも出っ張るように支持されると、実装時の発光装置1Bの安定性が悪くなり、かつ、導通を図るための突出領域18と基板30との半田等の導電性接合部材31による接合性が悪くなり、導通が不十分となる恐れがあるためである。
【0070】
放熱体22は、電極15と同様に、熱伝導率の比較的大きな材料で構成することが好ましい。また、放熱体22は、図10に示すように、電極15の露出領域16の一部を厚肉に構成したもので、電極15と一体化したものであることが好ましい。なお、放熱体22が、電極15と一体化していない別部材(図示せず)であってもよい。さらに、放熱体22は、パッケージ4の裏面9に露出する側の端面23の形状が多角形状であることが好ましく、四角形状がさらに好ましい(図9参照)。また、放熱体22の端面23の大きさは、放熱性と、パッケージ4の強度が確保できれば特に限定されないが、パッケージ4の裏面9の面積との面積率で10〜50%が好ましい。
【0071】
(放熱体用溝部)
放熱体用溝部13は、パッケージ4の裏面9に、その裏面9と放熱体22との境界部10Bの少なくとも一部と接するように形成される。具体的には、放熱体用溝部13は、境界部10Bに沿って形成される。放熱体用溝部13の形状、寸法は、前記した電極用溝部11と同様である。なお、放熱体用溝部13の長さは、境界部10Bの長さにほぼ等しい長さであることが好ましい。
【0072】
このような放熱体用溝部13が形成されることによって、境界部10Bから染み出した封止樹脂21は放熱体用溝部13に誘導されるため、放熱体露出面(端面23)の一部に封止樹脂が付着することが抑制され、放熱体22に載置された発光素子2で発生する熱を外部に効率よく放出することができる。また、放熱体22を半田等の導電性接合部材31を用いて基板30に安定性よく実装させることができる。その結果、発光装置1Bの放熱性が優れたものとなる。
【0073】
放熱体用溝部13は、図9では境界部10Bに沿って形成されているが、放熱体22の端面23への封止樹脂21の広がりを防止でき、パッケージ4の強度を確保できれば、このような形態に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、放熱体用溝部13は、その端部が境界部10Bの一部と接し、境界部10B(放熱体22の端面23)から遠ざかるように延在、すなわち、境界部10Bからパッケージ4の裏面9の端部に向って延在するものであってもよい。また、放電体用溝部13の長さは、境界部10Bの長さの1/2程度であることが好ましい。
【0074】
第2の実施形態の発光装置1Bは、図9に示すように、パッケージ4が、その裏面9に放熱体用補助溝部14をさらに有することが好ましい。
【0075】
(放熱体用補助溝部)
放熱体用補助溝部14は、その端部が放熱体用溝部13と連続し、パッケージ4の裏面側に露出した放熱体22の端面23から遠ざかるように延在、例えば、放熱体用溝部13からパッケージ4の裏面9の端部に向って円形状に延在している。また、放熱体用補助溝部14は、その一部が放熱体用溝部13と連続し、かつ、放熱体22から離れた位置に延在、例えば、放熱体用溝部13と連続した一部からパッケージ4の裏面9の端部に向って、境界部10Bに沿って延在したものであってもよい。放熱体用補助溝部14の形状、寸法は、前記した電極用溝部11と同様である。なお、放熱体用補助溝部14は、放熱体22の端面23の形状が多角形状である場合には、その角部から延在し、その長さは端面23の長辺長さの1/2程度であることが好ましい。
【0076】
このような放熱体用補助溝部14を形成することによって、境界部10Bから染み出る封止樹脂21が多いことにより放熱体用補助溝部14から溢れた場合においても、放熱体22から離れた位置で封止樹脂21が広がるため、放熱体22の端面23の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制され、放熱体22に載置された発光素子2で発生する熱を外部に効率よく放出することができる。その結果、発光装置1Bの放熱性がさらに優れたものとなる。
【0077】
次に、本発明に係る発光装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図12に示すように、発光装置1Cは、前記した第1の実施形態の発光装置1Aのパッケージ4が、その裏面9に、第2の実施形態と同様の放熱体用溝部13をさらに有することを特徴とする。すなわち、発光装置1Cは、パッケージ4が、その裏面9に電極用溝部11と放熱体用溝部13との両者を有することを特徴とする。また、発光装置1Cは、発光装置1Aおよび発光装置1Bと同様に、パッケージ4の裏面9に電極用補助溝部12および放熱体用補助溝部14をさらに有することが好ましい。
【0078】
なお、発光装置1Cの各構成、すなわち、発光素子(図示せず)、パッケージ4、電極15、封止樹脂(図示せず)、電極用溝部11、電極用補助溝部12、放熱体用溝部13、放熱体用補助溝部14の詳細については、第1の実施形態の発光装置1A、および、第2の実施形態の発光装置1Bと同様であるので、説明を省略する。
【0079】
発光装置1Cは、パッケージ4の裏面9に電極用溝部11と放熱体用溝部13との両者を有すること、さらに、電極用補助溝部12および放熱体用補助溝部14をさらに有することによって、電極15の突出領域18の裏面、および、放熱体の端面23に封止樹脂が付着することが抑制されるため、基板への実装性および放熱性に優れたものとなる。
【0080】
発光装置1Cは、第1の実施形態の発光装置1Aと同様に、パッケージ4の裏面9に第1裏面領域9Aおよび第2裏面領域9Cを備えることが好ましい。そして、発光装置1Cでは、電極用溝部11および電極用補助溝部12は第2裏面領域9Cに形成し、放熱体用溝部13は第1裏面領域9Aに形成することが好ましい。なお、電極用溝部11として、境界部10Aから遠ざかるように延在した電極用溝部11(図4参照)を用いる場合には、第2裏面領域9Cには、電極用補助溝部12(図4参照)を形成させずに、電極用溝部11のみを形成する(図示せず)。また、発光装置1Cは、第1の実施形態の発光装置1Aと同様に、放熱体用補助溝部14を第1裏面領域9Aに形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0081】
1A、1B 発光装置
2 発光素子
4 パッケージ
5 凹部
9 裏面
9A 第1裏面領域
9C 第2裏面領域
10A、10B 境界部
11 電極用溝部
12 電極用補助溝部
13 放熱体用溝部
14 放熱体用補助溝部
15 電極
21 封止樹脂
22 放熱体
23 端面
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源等に利用できる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置としては、以下のような構成を備えたものが提案されている。例えば、特許文献1で提案された発光装置は、樹脂パッケージ(文献では埋め込み樹脂)と、樹脂パッケージの一側面から突出した第1のリードと、樹脂パッケージの他側面から突出した第2のリードと、樹脂パッケージの上面に設けられた凹部の中に露出した第1のリードにマウントされた発光素子と、発光素子を凹部の中に封止する封止樹脂とを備え、第1のリードの発光素子がマウントされた部分の裏面は、樹脂パッケージに覆われず露出していることを特徴とする。そして、使用の際には、第1および第2リードの裏面を基板に施された導体配線に半田付けすることにより、発光装置が基板に電気的に導通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−353914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された発光装置では、発光素子を凹部の中に封止樹脂で封止した際に、樹脂パッケージと第1および第2のリードとの境界部から封止樹脂が染み出し、染み出した封止樹脂が第1および第2のリードの裏面の一部に付着するという不具合が発生する。このような第1および第2のリードへの封止樹脂の付着は、発光装置を基板に実装する際の実装面積の減少につながり、発光装置を基板に安定性よく実装できないという問題がある。また、発光素子がマウントされた第1のリードを、発光素子で発生する熱を放熱させる放熱体として機能させる場合にも、第1のリードへの封止樹脂の付着は放熱性を低下させる原因となるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その課題は、基板に安定性よく実装できる優れた実装性、または、優れた放熱性を有する発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、発光素子と、前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記電極との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することを特徴とする。
【0007】
前記構成によれば、パッケージが、その裏面に当該裏面と電極との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は電極用溝部に誘導され、基板との実装面となるパッケージの裏面における電極の露出面に封止樹脂が広がることがないため、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0008】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記パッケージが、その裏面に前記電極用溝部と連続し、かつ、当該裏面側に露出した前記電極から遠ざかるように延在、または、当該電極から離れた位置に延在した電極用補助溝部をさらに有することが好ましい。
【0009】
前記構成によれば、パッケージが電極用溝部と連続する電極用補助溝部をさらに有することによって、境界部から染み出る封止樹脂を電極から離れた位置に誘導できる。そのため、染み出る封止樹脂の量が多いことにより電極用補助溝部から溢れた場合であっても、電極から離れた位置で封止樹脂が広がるため、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0010】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記裏面が、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、前記第2裏面領域は前記電極用溝部が形成され、前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用溝部が当該凹みまで連続することが好ましい。
【0011】
前記構成によれば、電極用溝部が形成される第2裏面領域より凹み、電極用溝部が凹みまで連続する第1裏面領域を備えることによって、境界部から染み出る封止樹脂が電極用溝部により第1裏面領域に誘導される。第2裏面領域より凹んだ第1裏面領域にある封止樹脂は、第2裏面領域にまで這い上がりにくいため、第2裏面領域にある電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0012】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記裏面が、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、前記第2裏面領域は前記電極用溝部および前記電極用補助溝部が形成され、前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用補助溝部が当該凹みまで連続することが好ましい。
【0013】
前記構成によれば、電極用溝部および電極用補助溝部が形成される第2裏面領域より凹み、電極用補助溝部が凹みまで連続する第1裏面領域を備えることによって、境界部から染み出る封止樹脂が電極用補助溝部により第1裏面領域に誘導される。第2裏面領域より凹んだ第1裏面領域にある封止樹脂は、第2裏面領域にまで這い上がりにくいため、第2裏面領域にある電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0014】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記凹みは、段差によって形成されていることが好ましい。
【0015】
前記構成によれば、第1裏面領域に誘導された封止樹脂は、段差によって第2裏面領域にまで這い上がりにくいため、第2裏面領域にある電極露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0016】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することが好ましい。
【0017】
前記構成によれば、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することを抑制する作用に加えて、発光素子が載置された放熱体をさらに備え、パッケージの裏面に当該裏面と放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は放熱体用溝部に誘導され、放熱体の露出面に封止樹脂が広がることがないため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0018】
本発明に係る発光装置は、電極用溝部を有する発光装置において、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有し、前記放熱体用溝部は、前記第1裏面領域に形成されることが好ましい。
【0019】
前記構成によれば、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することを抑制する作用に加えて、発光素子が載置された放熱体をさらに備え、パッケージの裏面に当該裏面と放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は放熱体用溝部に誘導されるため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0020】
本発明に係る発光装置は、発光素子と、前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、前記パッケージに支持され、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体と、前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部を有することを特徴とする。
【0021】
前記構成によれば、発光素子が載置された放熱体を備え、パッケージの裏面に、当該裏面と放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部を有することによって、境界部から染み出した封止樹脂は放熱体用溝部に誘導されるため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制される。
【0022】
本発明に係る発光装置は、放熱体用溝部を有する発光装置において、前記パッケージが、その裏面に前記放熱体用溝部と連続し、当該裏面側に露出した前記放熱体から遠ざかるように延在、または、当該放熱体から離れた位置に延在した放熱体用補助溝部をさらに有することが好ましい。
【0023】
前記構成によれば、パッケージが放熱体用溝部に連続する放熱体用補助溝部をさらに有することによって、境界部から染み出る封止樹脂を放熱体から離れた位置に誘導できる。そのため、染み出る封止樹脂の量が多いことにより放熱体用補助溝部から溢れた場合であっても、放熱体から離れた位置で封止樹脂が広がるため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【0024】
本発明に係る発光装置は、放熱体用補助溝部を有する発光装置において、前記放熱体が、前記裏面に露出する側の端面の形状が多角形状であって、前記放熱体用補助溝部は、前記放熱体の端面の角部から延在することが好ましい。
【0025】
前記構成によれば、放熱体の端面を多角形状とし、その角部から放熱体用補助溝部を延在することによって、封止樹脂の染み出し量が多い放熱体の角部に放熱体用補助溝が形成されているため、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することがさらに抑制される。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る発光装置は、パッケージの裏面に電極用溝部を有することによって、電極露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制されるため、基板への実装性が優れる。そして、本発明に係る発光装置は、パッケージの裏面に、電極用溝部と連続する電極用補助溝部をさらに有すること、および、段差により中央に区分けされる第1裏面領域をさらに備えることによって、電極露出面への封止樹脂の付着がさらに抑制されるため、基板への実装性がさらに優れる。
【0027】
また、本発明に係る発光装置は、放熱体を備え、パッケージの裏面に放熱体用溝部を有することによって、放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制されるため、放熱体に載置された発光素子で発生する熱を外部に効率よく放出することができ、放熱性が優れる。そして、本発明に係る発光装置は、パッケージの裏面に、放熱体用溝部に連続する放熱体用補助溝部をさらに有すること、および、放熱体用補助溝部が放熱体の端面の角部から延在することによって、放熱体露出面への封止樹脂の付着がさらに抑制されるため、放熱性がさらに優れる。
【0028】
さらに、本発明に係る発光装置は、電極用溝部および放熱体用溝部を有することによって、電極露出面および放熱体露出面の一部に封止樹脂が付着することが抑制されるため、基板への実装性および放熱性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る発光装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の発光装置をパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図3】図1のA−A線、図2のB−B線に沿った断面図である。
【図4】(a)〜(c)は電極用溝部、電極用補助溝部の配置を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図5】(a)本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図、(b)は(a)のE−E線に沿った断面図である。
【図6】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図7】図6のC−C線に沿った断面図である。
【図8】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図9】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図10】図9のD−D線に沿った断面図である。
【図11】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【図12】本発明に係る発光装置の他の実施形態を示すパッケージの裏面側から見たときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係る発光装置の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、発光装置1Aは、発光素子2と、パッケージ4と、2つの電極15と、封止樹脂21とを備え、パッケージ4が、電極用溝部11を有することを特徴とする。以下、各構成について説明する。
【0031】
(発光素子)
発光素子2は、パッケージ4の凹部5に収容され、任意の波長の光を出力するもので、半導体発光素子が好ましい。半導体発光素子は、例えば、青色、緑色の発光素子としては、ZnSeや窒化物系半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAs、InPなどを用いることができる。さらに、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。用いる発光素子の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
また、可視光領域の光だけでなく、紫外線や赤外線を出力する発光素子とすることができる。さらには、半導体発光素子とともに、受光素子、及びそれらの半導体素子を過電圧による破壊から守る保護素子(例えば、ツェナーダイオードやコンデンサー)、あるいはそれらを組み合わせたものをパッケージ4の凹部5に収容することができる。
【0033】
発光素子2は、電極15と導電性ワイヤ3を介して接続されることによって、電極15と電気的に導通する。また、発光素子2は、ダイボンド部材(図示せず)を介して電極15の上に載置されることが好ましい。
【0034】
導電性ワイヤ3は、電極15とのオーミック性、機械的接続性、電気伝導性及び熱伝導性が良いものが好ましい。熱伝導度としては0.01cal/(s)(cm2)(℃/cm)以上が好ましく、より好ましくは0.5cal/(s)(cm2)(℃/cm)以上である。また、作業性などを考慮して導電性ワイヤ3の直径は、好ましくは、Φ10μm以上、Φ45μm以下である。このような導電性ワイヤ3としては、金、銅、白金、アルミニウム等の金属およびそれらの合金を用いた導電性ワイヤ3が挙げられる。このような導電性ワイヤ3の接続には、ワイヤーボンディング機器が用いられる。
【0035】
ダイボンド部材は、載置する発光素子2によって、導電性ダイボンド部材または絶縁性ダイボンド部材のいずれかを選択し、例えば、絶縁性発光素子の場合、絶縁性ダイボンド部材でも導電性ダイボンド部材でも用いることができ、導電性発光素子の場合は、導電性ダイボンド部材を用いる。絶縁性ダイボンド部材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用い、導電性ダイボンド部材としては、銀、金、パラジウムなどの導電性ペーストや、Au−Sn共晶などの半田、低融点金属等のろう材を用いる。
【0036】
(パッケージ)
パッケージ4は、発光素子2を収容する凹部5を有し、2つの電極15を支持するもので、発光素子2を保護するとともに、電極15と一体的に成形される成形物である。パッケージ4の形状は、平面視において四角形またはこれに近い形状を有するものが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、三角形、多角形またはこれらに近い形状とすることができる。また、パッケージ4は、その表面(上面)に凹部5を有し、凹部5から離間する角部に、一段下がった段差部6を設けることが好ましい。この段差部6は、パッケージ成形時に、成形型から取り出す際のピン押し領域などとして利用することができるほか、各角部の形状を異ならせることによって、電極15の極性を示すカソードマークとして利用することができる。このような段差部6は、パッケージ4の4角全てに設けることもできるほか、パッケージ4の1角のみに設けてもよい。さらに、パッケージ4の形状や大きさに応じて、角部以外の領域などの任意の部分にも設けることもできる。
【0037】
パッケージ4を構成する材料としては、絶縁性部材が好ましく、また、発光素子2からの光や、外光などが透過しにくい部材が好ましい。また、ある程度の強度を有するもので、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができ、具体的には、フェノール樹脂、ガラスエポキシ樹脂、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン樹脂)や、PPA(ポリフタル酸アミド樹脂)などが挙げられる。特に熱硬化性樹脂であるトリアジン誘導体エポキシ樹脂を用いることが好ましい。他の熱硬化性樹脂では、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は、酸無水物、酸化防止剤、離型材、光反射部材、無機充填材、硬化触媒、光安定剤、滑剤、顔料等を含有できる。光反射部材は二酸化チタンやシリカを用いることができる。その他のパッケージを構成する材料としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミックスを用いることができる。
【0038】
凹部5は、パッケージ4の表面(上面)に開口するように形成され、その凹部内に発光素子2、保護素子などの電子部品が収容されるものである。そして、この凹部5が発光装置における発光部(発光窓)となる。このように、種々の電子部品が収容される凹部5は、それらが載置されるのに必要な面積を有する底面を有し、凹部底面に露出される電極15と、これら電子部品とを導通させる導電性ワイヤ3などの接合領域も確保できるような大きさおよび形状とすることが好ましい。また、その凹部5の深さについては、凹部内に充填される封止樹脂21によって前記電子部品が封止可能な深さとすることが好ましい。
【0039】
凹部5の形状としては、略円形のものが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、パッケージ4の形状、特に、パッケージ上面の形状に応じて、さらに、配光特性などを考慮して適宜選択することができる。パッケージ4の上面が略四角形である場合(図1参照)には、略円形の凹部5とするのが好ましいが、さらに発光面積を大きくしたい場合は、パッケージ上面と同様に略四角形とすることもでき、また、図示しないが、大きな凹部5を一つ設けるのではなく2つ以上の複数の凹部5を設けることもできる。
【0040】
凹部5の底部には、2つの電極15が露出され、露出された電極の少なくとも一方の電極15の上に発光素子2が載置されていることが好ましい。2つの電極15は、凹部底部において略同一面となるように露出されるのが好ましいが、段差を設けるなど、異なる面上となるように露出されていてもよい。また、凹部5の底部には、2つの電極15の間を絶縁させるように、それらの間からパッケージ4の一部が絶縁部材として露出されていることが好ましい。
【0041】
凹部5の内壁は、発光素子2からの光を反射し、凹部5から効率よく光が放射されるように、凹部5の内壁が底部に向けて傾斜するように設けるのが好ましい。その場合、所望に応じて角度を選択することができ、また、内壁の全体を傾斜させずに、部分的に傾斜させることもできる。また、内壁に内側に向けて突出する部分を設けてもよい。具体的には、凹部5の内壁に、内側に向けて突出する内側突出部7が形成されている(図1参照)。このように、凹部5の内壁の全体を突出させるのではなく、一部を内側に突出させることで、発光面積を小さくすることなく、パッケージ4の強度を向上させることができ、さらに、パッケージ4に支持される電極15の保持力の低下を抑制することができる。内側突出部7は、一つだけ設けてもよく、あるいはパッケージ4の大きさや形状に応じて2つ以上の複数個設けることもできる。また、このように内壁の一部に内側突出部7を設ける場合、内壁の傾斜角は、それぞれ略等しくなるように調整するのが好ましい。
【0042】
(電極)
2つの電極15は、パッケージ4の凹部5に収容される発光素子2や保護素子等の電子部品に外部からの電流を供給するためのもので、パッケージ4に支持され、パッケージ4の裏面側に露出し、発光素子2と電気的に導通する位置に設けられている。具体的には、2つの電極15は、発光素子2と導電性ワイヤ3を介して電気的に導通する位置として、パッケージ4の相対する側面8に配置されていることが好ましい(図1参照)。また、2つの電極15は、凹部5の底部において、ほぼ一定の間隔で離間するように配置され、一方または両方の電極15の上に発光素子2が載置されていることが好ましい。
【0043】
電極15の各々は、一端側にパッケージ4の凹部5の底部に露出する露出領域16と、他端側にパッケージ4の側面8から突出し、パッケージ4の裏面側に露出して電極露出面20となる突出領域18を有するように、パッケージ4に支持される平面視で略長方形の板状の電極15であることが好ましい。そして、電極15の各々は、パッケージ4の内部で所定角度(例えば、90〜150度)に屈曲する2つの屈曲部17を有している。
【0044】
突出領域18の裏面(電極露出面20)は、基板30の上に、半田等の導電性接合部材31を用いて発光装置1Aを接合させる部位となる。そのため、突出領域18の裏面が、パッケージ4の裏面9と同一面となるように設けるのが好ましい。例えば、パッケージ4の内部において、パッケージ4の裏面9まで達するように、電極15を屈曲させることで、突出領域18の裏面がパッケージ4の裏面9と同一面となる(図3参照)。このようにすることで、基板30への発光装置1Aの実装が容易で、かつ、確実なものとなる。突出領域18は、図示しないが、パッケージ4の側面8から突出させた後に屈曲することで形成してもよい。
【0045】
このように電極15に屈曲部17を設ける場合は、パッケージ4の成形後に屈曲させるのではなく、成形前にあらかじめ屈曲させておくことが好ましい。屈曲した電極15を用いて一体成形によってパッケージ4を成形することによって、パッケージ4と電極15との間に隙間が生じにくくなる。
【0046】
電極15の各々は、突出領域18の裏面形状が平面視で略長方形であって、突出領域18の長辺同士が平行になるように配置されることが好ましい。このように電極15を配置することで、基板30への実装時のずれを低減しやすくなる。
【0047】
電極15は、パッケージ4の側面8と接する領域に貫通孔19を有することが好ましい。電極15に貫通孔19を設けることで、比較的厚い電極15であっても、屈曲しやすくなる。そして、この貫通孔19は、パッケージ4によって充填されていることが好ましい。貫通孔19をパッケージ4で充填することで、パッケージ4と電極15との密着性を向上させることができる。
【0048】
電極15を構成する材料としては、熱伝導率の比較的大きな材料が好ましく、これにより、発光素子2で発生する熱を効率よく外部に放出することができる。例えば、200W/(m・K)程度以上の熱伝導率を有しているものが好ましい。また、電極15は、比較的大きい機械的強度を有する材料、さらには打ち抜きプレス加工またはエッチング加工等が容易な材料で構成することが好ましい。具体的には、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属またはニッケル合金、燐青銅等の合金が挙げられる。また、電極15の厚みや形状等については、得ようとする発光装置1Aの大きさ、形状等を考慮して適宜調整することができる。また、電極15を光が吸収しやすい材料で構成した場合には、表面に光を反射しやすい部材を設けるなど、電極15を積層構造とするのが好ましい。例えば、電極15を、タングステンや銅からなる導電性部材上に、銀をめっきするなどの積層構造とするのが好ましい。
【0049】
(電極用溝部)
図2に示すように、電極用溝部11は、パッケージ4の裏面9に、その裏面9と電極15との境界部10Aの少なくとも一部と接するように形成される。そして、封止樹脂21は、このような電極用溝部11を形成することによって、パッケージ4の凹部5の内部に発光素子2を封止した際に、境界部10Aから染み出しても電極用溝部11に誘導される。したがって、封止樹脂21は、基板30(図3参照)との実装面となる電極露出面20、すなわち、電極15の突出領域18の裏面に広がることがないため、突出領域18の裏面の一部に当該封止樹脂21が付着することが抑制される。その結果、発光装置1Aを半田等の導電性接合部材31を用いて基板30に安定性よく実装できる。図2に示すように、電極用溝部11が境界部10Aに沿うように接して形成されていれば、境界部10Aから染み出る封止樹脂21を電極用溝部11に効率よく誘導できる。
【0050】
電極用溝部11の溝形状は、電極15の突出領域18の裏面への封止樹脂21の広がりを防止でき、パッケージ4の強度を確保できれば、特に限定されるものではないが、長手方向に直交する断面が四角形、半円、三角形等であることが好ましい。同様に、電極用溝部11の長手方向の寸法についても、特に限定されるものではないが、溝幅:0.3mm程度、溝深さ:0.5mm程度、電極15の幅方向の長さにほぼ等しい長さであることが好ましい。そして、電極用溝部11の形成は、パッケージ4の一体成形の際に同時に形成することが好ましい。
【0051】
(封止樹脂)
封止樹脂21は、パッケージ4の凹部5に充填され、凹部5の内部に収容された発光素子2や導電性ワイヤ3等を、塵芥、水分や外力などから保護するもので、発光素子2からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂やユリア樹脂を挙げることができる。このような材料に加え、所望に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー、蛍光部材などを含有させることもできる。蛍光部材としては、発光素子2からの光を吸収し異なる波長の光に波長変換させるもので、例えば、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体や、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体等が挙げられる。また、封止樹脂21は、凹部全体を充填するように設けるのが好ましいが、目的に応じて凹部の途中までを充填することもできる。
【0052】
図1〜図3に示す発光装置1Aにおいては、図4(a)〜(c)に示すような電極用溝部11、あるいは、電極用溝部11と電極用補助溝部12を備える構成であってもよい。
【0053】
例えば、図4(a)に示すように、電極用溝部11は、その端部が境界部10Aの一部と接し、境界部10Aすなわち電極15の突出領域18の裏面から遠ざかるように、パッケージ4の裏面9の中央に向って延在するものであってもよい。また、電極用溝部11の延在方向は、裏面9の辺に対して平行、斜めのいずれでもよい。さらに、電極用溝部11の深さは、裏面9の中央に行くにしたがって深くなるようにしてもよい。
【0054】
また、図4(b)、図4(c)に示すように、パッケージ4の裏面9に電極用溝部11と併せて電極用補助溝部12をさらに有してもよい。
(電極用補助溝部)
電極用補助溝部12は、電極用溝部11と連続し、かつ、パッケージ4の裏面側に露出した電極15から遠ざかるように延在、または、電極15から離れた位置に延在している。
図4(b)では、電極用補助溝部12は、その端部が電極用溝部11と連続し、電極15の電極露出面20である突出領域18の裏面から遠ざかるように延在、例えば、パッケージ4の裏面9の中央部に向って延在している。また、電極用補助溝部12の延在方向は、裏面9の辺に対して平行、斜めのいずれでもよい。さらに、電極用補助溝部12の深さは、裏面9の中央に行くにしたがって深くなるようにしてもよい。なお、電極用補助溝部12の形状、寸法は、前記した電極用溝部11と同様である。なお、電極用補助溝部12の長手方向の長さは、パッケージ4の裏面9の長さの1/3程度であることが好ましい。
【0055】
このような電極用補助溝部12を形成することによって、境界部10Aから染み出る封止樹脂21を電極用溝部11から電極用補助溝部12にまで誘導できる。これにより、染み出る封止樹脂21が多いことにより電極用補助溝部12から溢れた場合においても、電極15から離れた位置で封止樹脂21が広がるため、電極15の突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制され、発光装置1Aを半田等の導電性接合部材31を用いて基板30にさらに安定性よく実装できる。
【0056】
境界部10Aに沿うように接して形成された電極用溝部11は、封止樹脂21を電極用溝部11に誘導しやすいが、染み出る封止樹脂21の量が多い場合には電極用溝部11に溜まって溢れやすい。しかし、図4(b)に示すように、電極用補助溝部12が形成されていれば、封止樹脂21を電極用補助溝部12へ誘導できるため、電極用溝部11が境界部10Aに沿うように接して形成されているパッケージ4であっても電極15の突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することを抑制できる。
【0057】
また、図4(c)に示すように、電極用溝部11が電極15の突出領域18の裏面から遠ざかるように延在している場合には、電極用補助溝部12は、その一部が電極用溝部11と連続し、かつ、電極15(突出領域18)から離れた位置に延在、例えば、電極用溝部11と連続した一部からパッケージ4の裏面9の端部に向って、境界部10Aに沿って延在したものであってもよい。また、電極用補助溝部12の延在方向は、境界部10Aに対して平行、斜めのいずれでもよい。なお、電極用補助溝部12は、電極15の幅方向の長さとほぼ同じ長さで延在することが好ましい。
【0058】
図1〜図3に示す発光装置1Aにおいては、図5(a)、(b)に示すように、パッケージ4の裏面9に第1裏面領域9Aおよび第2裏面領域9Cを備えてもよい。
【0059】
(第1裏面領域)
第1裏面領域9Aは、パッケージ4の裏面9において、第2裏面領域9Cに挟まれて裏面9の中央に区分けされる領域であり、第2裏面領域9Cより凹んでいる。第1裏面領域9Aが第2裏面領域9Cから椀状に傾斜して凹んでいる場合は、凹みまで連続して第2裏面領域9C上に形成される電極用溝部11または電極用補助溝部12の一端より凹んでいる領域が第1裏面領域9Aである。また、段差9Bによって第1裏面領域9Aと第2裏面領域9Cが区分けされていてもよい。第2裏面領域9Cに形成される電極用溝部11または電極用補助溝部12が段差9Bまで連続することにより、電極用溝部11または電極用補助溝部12が第1裏面領域9Aにつながる。段差9Bによって第1裏面領域9Aと第2裏面領域9Cが区分けされていれば、第1裏面領域9A内に誘導された封止樹脂21は第2裏面領域9Cにまで這い上がりにくいため、第2裏面領域9Cにある電極露出面20の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制される。また、第1裏面領域9Aの大きさは、特に限定されるものではないが、パッケージ4の裏面9の面積に対して30%程度の面積率で形成されることが好ましい。第1裏面領域9Aの凹みの深さ、すなわち、段差9Bの高さは、特に限定されるものではないが、0.5mm程度が好ましい。第1裏面領域9Aの形状は、特に限定されるものではないが、段差9Bが境界部10Aと平行となる直線状に形成される長方形状、または、段差9Bが境界部10Aと平行でない曲線状に形成される第2裏面領域9C側が凹状または凸状の形状(図示せず)であることが好ましい。
【0060】
(第2裏面領域)
第2裏面領域9Cは、パッケージ4の裏面9において、凹みにより第1裏面領域9Aの左右に区分けされる領域で、電極用溝部11および電極用補助溝部12が形成される。第2裏面領域9Cの大きさ、形状は、第1裏面領域9Aに応じたものとなる。第2裏面領域9Cは、パッケージ4の裏面9において、段差9Bにより第1裏面領域9Aの左右に区分けされることが好ましい。
【0061】
このような第1裏面領域9Aおよび第2裏面領域9Cを備えることによって、境界部10Aから染み出る封止樹脂21を電極用溝部11および電極用補助溝部12により第1裏面領域9Aに誘導できる。第1裏面領域9Aに誘導された封止樹脂21は、段差のある第2裏面領域9Cへは広がりにくいため、電極露出面20である突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制され、発光装置1Aを半田等の導電性接合部材31を用いて基板30にさらに安定性よく実装できる(図5(b)参照)。
【0062】
境界部10Aに沿うように接して形成された電極用溝部11は、封止樹脂21を電極用溝部11に誘導しやすいが、染み出る封止樹脂21の量が多い場合には電極用溝部11に溜まって溢れやすい。しかし、図5(a),(b)に示すように、電極用補助溝部12が凹みまで形成されていれば、封止樹脂21を第1裏面領域9Aへ誘導できるため、電極用溝部11が境界部10Aに沿うように接して形成されているパッケージ4であっても電極15の突出領域18の裏面の一部に封止樹脂21が付着することを抑制できる。
【0063】
電極用溝部11が境界部10Aから遠ざかるように延在した溝部(図4(a)参照)である場合には、第2裏面領域9Cには電極用補助溝部12を形成せずに電極用溝部11のみを形成し、電極用溝部11が第1裏面領域9Aの凹みまで連続する。
【0064】
図1〜図3に示す発光装置1Aは、図3に示すような屈曲部17を有する電極15を備えるものに限定されるものではない。
例えば、発光装置1Aは、図6、図7に示すように、電極15が屈曲部17(図3参照)を有さない平坦な板状の電極15で構成され、その電極15の端部がパッケージ4の側面側に突出するように、パッケージ4の裏面9に支持されているものであってもよい。また、このような発光装置1Aは、電極15に貫通孔19を形成し、この貫通孔19をパッケージ4で充填することによって、パッケージ4と電極15の密着性を向上させたものであってもよい。貫通孔19は、その形状、大きさは特に限定されるものではないが、電極15の強度が低下しない範囲で、平面視で四角形状、楕円を含む円形状等に、電極15の露出面積との面積率で20%以下に形成することが好ましい。
なお、このような発光装置1Aの各構成、すなわち、発光素子2、パッケージ4、電極15、封止樹脂21、電極用溝部11の詳細については、前記と同様であるので、説明を省略する。また、このような発光装置1Aは、前記した電極用補助溝部12を有してもよい。
【0065】
このような発光装置1Aの電極15は、図8に示すように、電極15が屈曲部17(図3参照)を有さない平坦な板状の電極15で構成され、その電極15の端部がパッケージ4の側面側から突出せず、裏面端部と同一位置にあるように、パッケージ4の裏面9に支持されているものであってもよい。また、このような発光装置1Aは、電極15の裏面端部に切欠き部20aを形成し、基板30との接合強度を向上させたものであってもよい。電極15の裏面端部に切欠き部20aが形成されていると、基板30への実装時に、半田等の導電性接合部材31のフィレットが電極15の裏面だけでなく側面にまで形成されるため、発光装置1Aと基板30の接合強度が向上する。切欠き部20aは、その形状、大きさは特に限定されるものではないが、電極15の強度が低下しない範囲で、平面視で四角形状、楕円を含む半円形状等に、電極15の露出面積との面積率で20%以下に形成することが好ましい。
【0066】
このような発光装置1Aにおいては、図6〜図8に示すように、屈曲部を有さない平坦な板状の電極15をパッケージ4の裏面9で支持することによって、発光素子2が載置された領域での電極15の裏面が、パッケージ4で覆われずに露出する。その結果、このような発光装置1Aでは、発光素子2から生じる熱が効率よく外部に放出される。したがって、図6、図8の発光装置1Aでは、その電極15が、発光素子2への導通機能に加えて、放熱体としての機能も備える。
【0067】
次に、本発明に係る発光装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図9、図10に示すように、発光装置1Bは、発光素子2と、パッケージ4と、2つの電極15と、放熱体22と、封止樹脂21とを備え、パッケージ4が、放熱体用溝部13を有することを特徴とする。
なお、発光素子2、パッケージ4、電極15および封止樹脂21については第1の実施形態と同様であるので説明を省略し、放熱体22、放熱体用溝部13について説明する。
【0068】
(放熱体)
放熱体22は、パッケージ4に支持され、パッケージ4の裏面側に露出し、発光素子2が載置されたものである。具体的には、放熱体22は、パッケージ4の凹部5の底部に露出する端面と、パッケージ4の裏面9に露出する端面を有する柱状体、好ましくは角柱状体である。このように、パッケージ4の裏面9から放熱体22を露出させることで、放熱体22の上に載置されている発光素子2から生じる熱を効率よく外部へ放出することができる。
【0069】
放熱体22から効率よく熱を外部に放出させるためには、裏面9から露出する放熱体22の端面23が、発光装置1Bを基板30に半田等の導電性接合部材31を用いて実装した際、電極15の突出領域18の裏面9と略同一平面上に位置するように、放熱体22をパッケージ4で支持するのが好ましい。パッケージ4の裏面側において、放熱体22の端面23が、実装面となる突出領域18の裏面9よりも出っ張るように支持されると、実装時の発光装置1Bの安定性が悪くなり、かつ、導通を図るための突出領域18と基板30との半田等の導電性接合部材31による接合性が悪くなり、導通が不十分となる恐れがあるためである。
【0070】
放熱体22は、電極15と同様に、熱伝導率の比較的大きな材料で構成することが好ましい。また、放熱体22は、図10に示すように、電極15の露出領域16の一部を厚肉に構成したもので、電極15と一体化したものであることが好ましい。なお、放熱体22が、電極15と一体化していない別部材(図示せず)であってもよい。さらに、放熱体22は、パッケージ4の裏面9に露出する側の端面23の形状が多角形状であることが好ましく、四角形状がさらに好ましい(図9参照)。また、放熱体22の端面23の大きさは、放熱性と、パッケージ4の強度が確保できれば特に限定されないが、パッケージ4の裏面9の面積との面積率で10〜50%が好ましい。
【0071】
(放熱体用溝部)
放熱体用溝部13は、パッケージ4の裏面9に、その裏面9と放熱体22との境界部10Bの少なくとも一部と接するように形成される。具体的には、放熱体用溝部13は、境界部10Bに沿って形成される。放熱体用溝部13の形状、寸法は、前記した電極用溝部11と同様である。なお、放熱体用溝部13の長さは、境界部10Bの長さにほぼ等しい長さであることが好ましい。
【0072】
このような放熱体用溝部13が形成されることによって、境界部10Bから染み出した封止樹脂21は放熱体用溝部13に誘導されるため、放熱体露出面(端面23)の一部に封止樹脂が付着することが抑制され、放熱体22に載置された発光素子2で発生する熱を外部に効率よく放出することができる。また、放熱体22を半田等の導電性接合部材31を用いて基板30に安定性よく実装させることができる。その結果、発光装置1Bの放熱性が優れたものとなる。
【0073】
放熱体用溝部13は、図9では境界部10Bに沿って形成されているが、放熱体22の端面23への封止樹脂21の広がりを防止でき、パッケージ4の強度を確保できれば、このような形態に限定されるものではない。例えば、図11に示すように、放熱体用溝部13は、その端部が境界部10Bの一部と接し、境界部10B(放熱体22の端面23)から遠ざかるように延在、すなわち、境界部10Bからパッケージ4の裏面9の端部に向って延在するものであってもよい。また、放電体用溝部13の長さは、境界部10Bの長さの1/2程度であることが好ましい。
【0074】
第2の実施形態の発光装置1Bは、図9に示すように、パッケージ4が、その裏面9に放熱体用補助溝部14をさらに有することが好ましい。
【0075】
(放熱体用補助溝部)
放熱体用補助溝部14は、その端部が放熱体用溝部13と連続し、パッケージ4の裏面側に露出した放熱体22の端面23から遠ざかるように延在、例えば、放熱体用溝部13からパッケージ4の裏面9の端部に向って円形状に延在している。また、放熱体用補助溝部14は、その一部が放熱体用溝部13と連続し、かつ、放熱体22から離れた位置に延在、例えば、放熱体用溝部13と連続した一部からパッケージ4の裏面9の端部に向って、境界部10Bに沿って延在したものであってもよい。放熱体用補助溝部14の形状、寸法は、前記した電極用溝部11と同様である。なお、放熱体用補助溝部14は、放熱体22の端面23の形状が多角形状である場合には、その角部から延在し、その長さは端面23の長辺長さの1/2程度であることが好ましい。
【0076】
このような放熱体用補助溝部14を形成することによって、境界部10Bから染み出る封止樹脂21が多いことにより放熱体用補助溝部14から溢れた場合においても、放熱体22から離れた位置で封止樹脂21が広がるため、放熱体22の端面23の一部に封止樹脂21が付着することがさらに抑制され、放熱体22に載置された発光素子2で発生する熱を外部に効率よく放出することができる。その結果、発光装置1Bの放熱性がさらに優れたものとなる。
【0077】
次に、本発明に係る発光装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図12に示すように、発光装置1Cは、前記した第1の実施形態の発光装置1Aのパッケージ4が、その裏面9に、第2の実施形態と同様の放熱体用溝部13をさらに有することを特徴とする。すなわち、発光装置1Cは、パッケージ4が、その裏面9に電極用溝部11と放熱体用溝部13との両者を有することを特徴とする。また、発光装置1Cは、発光装置1Aおよび発光装置1Bと同様に、パッケージ4の裏面9に電極用補助溝部12および放熱体用補助溝部14をさらに有することが好ましい。
【0078】
なお、発光装置1Cの各構成、すなわち、発光素子(図示せず)、パッケージ4、電極15、封止樹脂(図示せず)、電極用溝部11、電極用補助溝部12、放熱体用溝部13、放熱体用補助溝部14の詳細については、第1の実施形態の発光装置1A、および、第2の実施形態の発光装置1Bと同様であるので、説明を省略する。
【0079】
発光装置1Cは、パッケージ4の裏面9に電極用溝部11と放熱体用溝部13との両者を有すること、さらに、電極用補助溝部12および放熱体用補助溝部14をさらに有することによって、電極15の突出領域18の裏面、および、放熱体の端面23に封止樹脂が付着することが抑制されるため、基板への実装性および放熱性に優れたものとなる。
【0080】
発光装置1Cは、第1の実施形態の発光装置1Aと同様に、パッケージ4の裏面9に第1裏面領域9Aおよび第2裏面領域9Cを備えることが好ましい。そして、発光装置1Cでは、電極用溝部11および電極用補助溝部12は第2裏面領域9Cに形成し、放熱体用溝部13は第1裏面領域9Aに形成することが好ましい。なお、電極用溝部11として、境界部10Aから遠ざかるように延在した電極用溝部11(図4参照)を用いる場合には、第2裏面領域9Cには、電極用補助溝部12(図4参照)を形成させずに、電極用溝部11のみを形成する(図示せず)。また、発光装置1Cは、第1の実施形態の発光装置1Aと同様に、放熱体用補助溝部14を第1裏面領域9Aに形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0081】
1A、1B 発光装置
2 発光素子
4 パッケージ
5 凹部
9 裏面
9A 第1裏面領域
9C 第2裏面領域
10A、10B 境界部
11 電極用溝部
12 電極用補助溝部
13 放熱体用溝部
14 放熱体用補助溝部
15 電極
21 封止樹脂
22 放熱体
23 端面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、
前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記電極との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記パッケージは、その裏面に前記電極用溝部と連続し、かつ、当該裏面側に露出した前記電極から遠ざかるように延在、または、当該電極から離れた位置に延在した電極用補助溝部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記裏面は、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、
前記第2裏面領域は前記電極用溝部が形成され、
前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用溝部が当該凹みまで連続することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記裏面は、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、
前記第2裏面領域は前記電極用溝部および前記電極用補助溝部が形成され、
前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用補助溝部が当該凹みまで連続することを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記凹みは、段差によって形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有し、
前記放熱体用溝部は、前記第1裏面領域に形成されることを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載の発光装置。
【請求項8】
発光素子と、
前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、
前記パッケージに支持され、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体と、
前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
前記パッケージは、その裏面に前記放熱体用溝部と連続し、当該裏面側に露出した前記放熱体から遠ざかるように延在、または、当該放熱体から離れた位置に延在した放熱体用補助溝部をさらに有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記放熱体は、前記裏面に露出する側の端面の形状が多角形状であって、
前記放熱体用補助溝部は、前記放熱体の端面の角部から延在することを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、
前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記電極との境界部の少なくとも一部と接するように形成される電極用溝部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記パッケージは、その裏面に前記電極用溝部と連続し、かつ、当該裏面側に露出した前記電極から遠ざかるように延在、または、当該電極から離れた位置に延在した電極用補助溝部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記裏面は、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、
前記第2裏面領域は前記電極用溝部が形成され、
前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用溝部が当該凹みまで連続することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記裏面は、中央に区分けされる第1裏面領域、および、その第1裏面領域の左右に区分けされる第2裏面領域を備え、
前記第2裏面領域は前記電極用溝部および前記電極用補助溝部が形成され、
前記第1裏面領域は、前記第2裏面領域より凹み、前記電極用補助溝部が当該凹みまで連続することを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記凹みは、段差によって形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体をさらに備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部をさらに有し、
前記放熱体用溝部は、前記第1裏面領域に形成されることを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載の発光装置。
【請求項8】
発光素子と、
前記発光素子を収容する凹部を有するパッケージと、
前記パッケージに支持され、前記発光素子と電気的に導通する位置に設けた2つの電極と、
前記パッケージに支持され、前記パッケージの裏面側に露出し、前記発光素子が載置された放熱体と、
前記凹部に充填される封止樹脂とを備え、
前記パッケージは、その裏面に当該裏面と前記放熱体との境界部の少なくとも一部と接するように形成される放熱体用溝部を有することを特徴とする発光装置。
【請求項9】
前記パッケージは、その裏面に前記放熱体用溝部と連続し、当該裏面側に露出した前記放熱体から遠ざかるように延在、または、当該放熱体から離れた位置に延在した放熱体用補助溝部をさらに有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記放熱体は、前記裏面に露出する側の端面の形状が多角形状であって、
前記放熱体用補助溝部は、前記放熱体の端面の角部から延在することを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−54280(P2012−54280A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193536(P2010−193536)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]