説明

発券装置及びコンピュータプログラム

【課題】発行する優待券の種別を変更可能な発券装置及びコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】一実施形態に係る発券装置は、発行する優待券の種別の指定を受付ける指定手段と、この指定手段で指定を受付けた優待券の種別の名称、及び、優待券の発行に関する情報の入出力に用いられる画面部品を含む画面を表示する表示手段と、この表示手段に表示された画面に含まれる画面部品を操作する操作手段と、この操作手段により前記画面部品が操作されて優待券の発行が指示されたとき、前記指定手段で指定を受付けた種別の優待券を発行する発行手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、優待券を発行する発券装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品や役務の購入金額に応じたポイントを顧客に付与し、顧客に付与されたポイントの総数に応じて割引券等の優待券を発行するポイントシステムが各種店舗で運用されている。
【0003】
ポイントシステムでは、例えば店舗に設置された発券端末を顧客が操作することによって、優待券が発行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−72619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗においては、売上や季節等の諸事情に応じて販売戦略が変更され、発券する優待券の種別の変更が所望されることがある。
【0006】
しかしながら、従来の発券装置は、装置の出荷段階で予め定められた種別の優待券を発行するものであり、異なる種別の優待券を選択的に発行する機能を備えていない。発行する優待券の種別を変更するためには、発券装置を動作させるコンピュータプログラムや優待券の印刷データの更新が必要になり、その変更に伴う作業が容易ではない。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、設定により発行する優待券の種別を変更可能な発券装置及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る発券装置は、発行する優待券の種別の指定を受付ける指定手段と、この指定手段で指定を受付けた優待券の種別の名称、及び、優待券の発行に関する情報の入出力に用いられる画面部品を含む画面を表示する表示手段と、この表示手段に表示された画面に含まれる画面部品を操作する操作手段と、この操作手段により前記画面部品が操作されて優待券の発行が指示されたとき、前記指定手段で指定を受付けた種別の優待券を発行する発行手段と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態に係るポイントシステムの全体構成図。
【図2】同実施形態に係るサーバの要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態に係る発券装置の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態に係るファイルのデータ構造等を説明するためのブロック図。
【図5】同実施形態に係る釦データ群を説明するための図。
【図6】同実施形態に係る背景データ群を説明するための図。
【図7】同実施形態に係る印刷データ群を説明するための図。
【図8】同実施形態に係る設定処理のフローチャート。
【図9】同実施形態に係る発券処理のフローチャート。
【図10】同実施形態に係る発券処理のフローチャート。
【図11】同実施形態に係る機能選択画面の一例を示す図。
【図12】同実施形態に係る発券画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。
[システム構成]
図1は、本実施形態に係るポイントシステムの全体構成図である。
このシステムは、例えば複数の店舗を統括する事業本部Hに設置されたサーバ1と、各店舗Sに設置された発券装置2とを備えている。サーバ1は、本部Hに設けられたLAN回線3を介してルータ4と接続され、発券装置2は、店舗Sに設けられたLAN回線5を介してルータ6に接続され、各ルータ4,6は、WAN7に接続されている。このような構成において、サーバ1と発券装置2は、LAN回線3,5、ルータ4,6、及びWAN7を介して相互に通信する。なお、図1には1つの店舗Sのみ示しているが、WAN7には複数の店舗Sに設けられた発券装置2が接続されてもよい。
【0011】
サーバ1は、ポイントシステムを統括管理するものであり、同システムの会員の識別子である会員ナンバ毎に会員情報(氏名、住所、電話番号、暗証番号等)やポイント情報(累積ポイント数、有効期限等)を対応付けたポイント情報DB(Data Base)8を備えている。ポイントは、例えば会員が店舗Sで商品や役務を購入した際に、その購入金額に応じて付与される。付与されたポイント数は、会員ナンバとともに、店舗Sに配置されたPOS(Point Of Sales)端末からWAN7を介してサーバ1に送信される。サーバ1は、POS端末から受信した会員ナンバに対応付けてポイント情報DB8に記憶された累積ポイント数に、POS端末から受信したポイント数を加算する。
【0012】
発券装置2は、ポイント情報DB8に記憶された累積ポイント数に応じて各種の優待券を発行する。優待券は、例えば店舗Sで購入される商品や役務の代金を割り引く割引券や、同代金から所定額を値引きするお買物券(値引券)などである。優待券の発行は、主に会員の操作によって行われる。
【0013】
[サーバ1]
図2は、サーバ1の要部構成を示すブロック図である。
サーバ1は、制御の中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)10を備えている。このCPU10には、アドレスバスやデータバスで構成されるバスライン16を介してメモリ11、通信I/F12、大容量記憶デバイス13、ディスプレイ14、及び入出力デバイス15等が接続されている。
【0014】
メモリ11は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)で構成され、CPU10によって実行されるコンピュータプログラムなどの固定的データを記憶するとともに、各種の作業用記憶領域を形成する。
【0015】
通信I/F12は、LAN回線3,5、ルータ4,6、及びWAN7を介して行われる発券装置2とのデータ通信を制御する。
【0016】
大容量記憶デバイス13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)であり、ポイント情報DB8や各種アプリケーションプログラム等を記憶している。
【0017】
ディスプレイ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、入出力デバイス15は、例えばキーボード、マウス、ディスプレイ14の表示面に設けられたタッチパネル、スピーカ、及びプリンタ等である。
【0018】
[発券装置2]
図3は、発券装置2の要部構成を示すブロック図である。
発券装置2は、制御の中枢として機能するCPU20を備えている。このCPU20には、アドレスバスやデータバスで構成されるバスライン27を介してメモリ21、通信I/F22、ディスプレイ23、タッチパネル24、カードリーダ25、及び発券プリンタ26等が接続されている。
【0019】
メモリ21は、ROMやRAMで構成され、CPU20によって実行されるコンピュータプログラムである設定プログラム210及び発券プログラム211や、設定ファイル212、BMPデータファイル213、GUIデータファイル214などを記憶するとともに、各種の作業用記憶領域を形成する。
【0020】
通信I/F22は、LAN回線3,5、ルータ4,6、及びWAN7を介して行われるサーバ1とのデータ通信を制御する。
【0021】
ディスプレイ23は、例えばLCDであり、発券装置2本体の上面部に設けられている。タッチパネル24は、ディスプレイ23の表示面に設けられており、操作者の指やタッチペンによる接触操作を検知する。
【0022】
カードリーダ25は、本実施形態に係る識別子入力手段として機能するものであり、発券装置2本体に設けられたカード挿入口25a(図1参照)に挿入された会員カードに記録された会員ナンバを読み取って、発券装置2に入力する。カードリーダ25は、磁気カードリーダ、ICカードリーダのいずれであってもよい。
【0023】
発券プリンタ26は、用紙に対して優待券の印刷データを印刷し、印刷後の用紙を優待券として発券装置2本体に設けられた発行口26a(図1参照)から発行する。発行口26aから発行された優待券は、発行口26aの下方に設けられた受皿26b内に落下して、貯留される。
【0024】
各ファイル212〜214のデータ構造及びCPU20が設定プログラム210を実行することで実現する機能につき、図4のブロック図を用いて説明する。
【0025】
本実施形態に係る発券装置2は、予め名称が定められた複数の種別の優待券のうち、どの種別の優待券を発券対象とするかを設定する機能を備えている。このような設定は、店舗Sの店員が行う。会員が優待券の発行を受けるべく発券装置2を操作した際には、上記設定によって発券対象とされた種別の優待券が発行される。
【0026】
BMPデータファイル213は、優待券の種別毎に設けられた釦データで構成される釦データ群30、優待券の種別毎に設けられた背景データで構成される背景データ群31、及び優待券の種別毎に設けられた印刷データで構成される印刷データ群32等を有している。
【0027】
上記釦データは、優待券の発券処理の実行と、ポイントの照会処理の実行とを会員が選択するための機能選択画面(図11参照)において、上記発券処理の実行を指示する画面部品として配置される釦のbmp(ビットマップ)データである。本実施形態では、図5に示すように、釦データA1と、釦データA2とで、釦データ群30が構成されているとする。釦データA1は、優待券の一種別である“割引券”に関するものであり、割引券のイメージと、“割引券発行”のように割引券の名称を含む文字列とを有する。一方、釦データA2は、優待券の一種別である“お買物券”に関するものであり、お買物券のイメージと、“お買物券発行”のようにお買物券の名称を含む文字列とを有する。
【0028】
上記背景データは、上記発券処理でディスプレイ23に表示される発券画面(図12参照)のbmpデータであり、優待券の名称及び優待券の発行に関する情報の入出力に用いられる画面部品を含む。本実施形態では、図6に示すように、割引券に関する背景データB1と、お買物券に関する背景データB2とで、背景データ群31が構成されているとする。背景データB1,B2は、タイトル欄310、会員ナンバ表示欄311、会員名称表示欄312、ポイント表示欄313、金額表示欄314、発行可能枚数表示欄315、発行枚数表示欄316、発行釦317、終了釦318、及びテンキー319を有している。背景データB1のタイトル欄310には、“割引券発行”との文字列が表され、背景データB2のタイトル欄310には、“お買物券発行”との文字列が表されている。また、背景データB1の表示欄313〜315近傍には、“お客様のポイント数は……です……の割引券を……枚発行できます”とのメッセージが表され、背景データB2の表示欄313〜315近傍には、“お客様のポイント数は……です……のお買物券を……枚発行できます”とのメッセージが表されている。
【0029】
上記印刷データは、上記発券処理で発券プリンタ26が用紙に印刷するbmpデータであり、優待券の名称や優待の内容を表す文字列等を含む。本実施形態では、図7に示すように、割引券に関する印刷データC1と、お買物券に関する印刷データC2とで、印刷データ群32が構成されているとする。印刷データC1は、“割引券”を含む各種文字列を有する。一方、印刷データC2は、“お買物券”を含む各種文字列を有する。
【0030】
設定ファイル212は、“釦データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Aと、“背景データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Bと、“印刷データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Cと、を有する。ファイル212Aには釦データA1,A2のいずれか一方が書き込まれ、ファイル212Bには背景データB1,B2のいずれか一方が書き込まれ、ファイル212Cには印刷データC1,C2のいずれか一方が書き込まれる。
【0031】
GUIデータファイル214は、機能選択画面に含まれる各画面部品の座標や機能を表すGUI情報や、発券画面に含まれる各画面部品の座標や機能を表すGUI情報を有している。画面部品の機能は、例えば画面部品が入力欄であれば当該入力欄への文字入力であり、画面部品が釦であれば当該釦の操作時に実行すべき処理の種別等である。本実施形態では、機能選択画面中の画面部品の位置は、その画面の作成元となる釦データA1,A2によらず同一であり、発券画面中の画面部品の位置は、その画面の作成元となる背景データB1,B2によらず同一である。したがって、GUIデータファイル214には、機能選択画面及び発券画面に対し、それぞれ1つずつ上記レコードを設ければ足りる。
【0032】
CPU20は、設定プログラム210を実行することによって、指定部40、釦データ読出部41、背景データ読出部42、及び印刷データ読出部43を実現し、発券プログラム211を実行することによって、表示制御部44、及び発行制御部45を実現する。
【0033】
指定部40は、発券装置2で発行する優待券の種別の指定を受付ける。
【0034】
釦データ読出部41は、釦データ群30(釦データ記憶部)から、指定部40が指定を受付けた種別に対応する釦データを読み出し、読み出した釦データでファイル212Aを上書きする。
【0035】
背景データ読出部42は、背景データ群31(背景データ記憶部)から、指定部40が指定を受付けた種別に対応する背景データを読み出し、読み出した背景データでファイル212Bを上書きする。
【0036】
印刷データ読出部43は、印刷データ群32(印刷データ記憶部)から、指定部40が指定を受付けた種別に対応する印刷データを読み出し、読み出した印刷データでファイル212Cを上書きする。
【0037】
表示制御部44は、ファイル212Aから釦データを読み出し、読み出した釦データを用いて機能選択画面を作成して、ディスプレイ23に表示する。また、表示制御部44は、ファイル212Bから背景データを読み出し、読み出した背景データを用いて発券画面を作成して、ディスプレイ23に表示する。
【0038】
発行制御部45は、ファイル212Cから印刷データを読み出し、読み出した印刷データを発券プリンタ26に印刷させ、当該印刷データに係る優待券を発行させる。
【0039】
[動作]
次に、発券装置2の具体的な動作につき、図8〜図12を用いて詳細に説明する。
店員が発券装置2に所定の操作を加えると、発行する優待券の種別を設定するための設定処理が開始される。
【0040】
この設定処理において、CPU20は、設定プログラム210を実行することにより、図8に示すフローチャートに沿って動作する。この処理は、主に指定部40及び読出部41〜43によって実現される。
【0041】
すなわち、先ず指定部40が優待券の種別を店員に指定させるための画面をディスプレイ23に表示させ(ステップS101)、当該画面に対する接触操作による優待券種別の指定を受付ける(ステップS102)。店員によって種別が指定されると、指定部40は、その結果を判定する(ステップS103)。
【0042】
判定結果が割引券である場合(ステップS103の“割引券”)、釦データ読出部41が釦データ群30から釦データA1を読み出し(ステップS104)、読み出した釦データA1で“釦データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Aを上書きする(ステップS105)。さらに、背景データ読出部42が背景データ群31から背景データB1を読み出し(ステップS106)、読み出した背景データB1で“背景データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Bを上書きする(ステップS107)。さらに、印刷データ読出部43が印刷データ群32から印刷データC1を読み出し(ステップS108)、読み出した印刷データC1で“印刷データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Cを上書きする(ステップS109)。
【0043】
一方、判定結果がお買物券である場合(ステップS103の“お買物券”)、釦データ読出部41が釦データ群30から釦データA2を読み出し(ステップS110)、読み出した釦データA2で“釦データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Aを上書きする(ステップS111)。さらに、背景データ読出部42が背景データ群31から背景データB2を読み出し(ステップS112)、読み出した背景データB2で“背景データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Bを上書きする(ステップS113)。さらに、印刷データ読出部43が印刷データ群32から印刷データC2を読み出し(ステップS114)、読み出した印刷データC2で“印刷データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Cを上書きする(ステップS115)。
ステップS109又はステップS115を以って設定処理が終了する。
【0044】
続いて、発券処理について説明する。
店員が発券装置2に所定の操作を加えると、会員の操作によって優待券を発行する発券処理が開始される。この発券処理において、CPU20は、発券プログラム211を実行することにより、図9,図10に示すフローチャートに沿って動作する。この処理は、主に表示制御部44及び発行制御部45によって実現される。
【0045】
すなわち、先ず表示制御部44が“釦データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Aから釦データを読み出し(ステップS201)、GUIデータファイル214から機能選択画面のGUI情報を読み出す(ステップS202)。さらに、表示制御部44がBMPデータファイル213から機能選択画面の背景データを読み出し、この背景データにステップS201で読み出した釦データを配置して機能選択画面を生成し(ステップS203)、生成した機能選択画面をディスプレイ23に表示させる(ステップS204)。
【0046】
機能選択画面の一例を図11に示す。この画面400は、設定処理にて“お買物券”が指定された場合に表示されるものであり、釦データA1が配置された選択釦401と、ポイント照会の実行を選択するための選択釦402とを有する。設定処理にて“割引券”が指定された場合には、選択釦401に釦データA2が配置される。
【0047】
機能選択画面を表示させた後、表示制御部44は、当該画面への接触操作による機能の選択を受付ける(ステップS205)。この処理においては、タッチパネル24からの出力を監視し、ステップS202で読み出したGUI情報で示される選択釦401の位置が接触操作されたならば、優待券発行が選択されたと判定する(ステップS206の“券発行”)。この場合、CPU20がカードリーダ25による会員カードの読み取りを受付ける(ステップS207)。
【0048】
操作者である会員が自身の会員カードをカード挿入口25aに挿入すると、カードリーダ25が当該会員カードから当該会員の会員ナンバを読み取る。CPU20は、読み取られた会員ナンバと会員情報を問い合わせるコマンドとをサーバ1に送信し、サーバ1から返信される会員情報を受信し、受信した会員情報をメモリ21に記憶する(ステップS208)。上記コマンド及び会員ナンバを受信したサーバ1は、ポイント情報DB8から当該会員ナンバに対応つけられた会員情報を読み出し、読み出した会員情報を発券装置2に返信する。
【0049】
会員情報を受信すると、CPU20は、機能選択画面上に暗証番号入力画面を表示して暗証番号の入力を受付ける(ステップS209)。会員が暗証番号入力画面への接触操作によって暗証番号を入力すると、CPU20は、入力された暗証番号とステップS208で受信した会員情報に含まれる暗証番号とを比較し、暗証番号の正当性を判定する(ステップS210)。両暗証番号が一致しないならば(ステップS210のNo)、上記暗証番号入力画面が消去され、ステップS205からの処理が再び実行される。
【0050】
一方、両暗証番号が一致するならば(ステップS210のYes)、CPU20は、ステップS208で受信してメモリ21に記憶した会員情報に含まれる累積ポイント数に所定の来店ポイントを加算する(ステップS211)。
【0051】
その後、表示制御部44が“背景データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Bから背景データを読み出し(ステップS212)、GUIデータファイル214から発券画面のGUI情報を読み出す(ステップS213)。さらに、表示制御部44がステップS212で読み出した背景データ上にステップS208でメモリ21に記憶された会員情報を配置して発券画面を生成し(ステップS214)、生成した発券画面をディスプレイ23に表示させる(ステップS215)。
【0052】
発券画面の一例を図12に示す。この画面500は、設定処理にて“お買物券”が指定された場合に表示されるものであり、会員ナンバ表示欄311上に会員ナンバ“0000000052”が表され、会員名称表示欄312上に会員名称“会員0006”が表され、ポイント表示欄313上に累積ポイント数“12,390”が表され、金額表示欄314上に1枚のお買物券による値引き額“500”(円)が表され、発行可能枚数表示欄315上に1ポイント1円換算で計算した発行可能枚数“24”(枚)が表されている。なお、ポイント表示欄313上に表示されるポイント数は、ステップS211における来店ポイント加算後のポイント数である。
【0053】
発券画面を表示させた後、表示制御部44は、当該画面への操作入力を受付ける(ステップS217)。この処理においては、タッチパネル24からの出力を監視し、ステップS213で読み出したGUI情報で示されるテンキー319の位置が接触操作されたならば、その操作位置に応じた数値を発行枚数表示欄316上に表す。また、ステップS213で読み出したGUI情報で示される発行釦317の位置が接触操作されたならば(ステップS217の“発行”)、発行制御部45が“印刷データ.bmp”の名称が付けられたファイル212Cから印刷データを読み出す(ステップS218)。さらに、発行制御部45は、発券プリンタ26を駆動し、ステップS218で読み出した印刷データが印刷された優待券を、発行枚数表示欄316に表された枚数だけ印刷・発行させる(ステップS219)。
【0054】
その後、CPU20がポイント表示欄313上に表されたポイント数から今回の発券に要したポイント数(例えば金額表示欄314上に表された金額に発行枚数を乗じた値)を減算し、減算後のポイント数と会員名称表示欄312上に表された会員番号をサーバ1に送信する(ステップS220)。サーバ1は、受信した会員番号に対応付けてポイント情報DB8に記憶された会員情報に含まれる累積ポイント数を、受信したポイント数で更新する。
【0055】
最後に、CPU20は、カードリーダ25に会員カードを排出させ(ステップS221)、一連の発券処理が終了する。その後、ステップS201に戻り、次の会員に対する発券処理が実行される。
【0056】
なお、発券画面において、ステップS213で読み出したGUI情報で示される終了釦318の位置が接触操作されたならば(ステップS217の“終了”)、ステップS218,S219の処理を行わずにステップS220以降の処理が実行される。この場合、ポイント情報DB8に記憶される当該会員の累積ポイント数は、当該発券処理を経て来店ポイント分だけ上昇することになる。
【0057】
なお、機能選択画面において、ステップS202で読み出したGUI情報で示される選択釦402の位置が接触操作されたならば、CPU20は、優待券発行が選択されたと判定する(ステップS206の“ポイント照会”)。この場合、CPU20がポイント照会処理を実行し(ステップS222)、発券処理を終了する。その後、ステップS201に戻り、次の会員に対する発券処理が実行される。上記ポイント照会処理では、例えばステップS207,S208と同様の手順で会員情報が取得され、その会員情報に含まれる累積ポイント数等がディスプレイ23に表示される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る発券装置2は、発行する優待券の種別を複数の種別の中から選択的に指定することができる。このような構成であれば、簡単な作業で発行する優待券の種別が変更されるので、店舗の運用に柔軟に対応したポイントシステムを実現できる。
【0059】
具体的には、各種別の優待券に対応する背景データが予めBMPデータファイル213に用意されており、発行する優待券の種別を指定すると、発券画面の背景データが自動的に指定された種別に対応するものに変更される。したがって、発券画面を変更する手間が掛からない。
【0060】
また、各種別の優待券に対応する釦データが予めBMPデータファイル213に用意されており、発行する優待券の種別を指定すると、機能選択画面に配置する釦データが自動的に指定された種別に対応するものに変更される。したがって、機能選択画面を変更する手間が掛からない。
【0061】
また、各種別の優待券に対応する印刷データが予めBMPデータファイル213に用意されており、発行する優待券の種別を指定すると、発券プリンタ26で印刷する印刷データが自動的に指定された種別に対応するものに変更される。したがって、優待券の印刷データを変更する手間が掛からない。
【0062】
また、指定された優待券の種別に応じた釦データ、背景データ、及び印刷データは、設定プログラム210の機能でBMPデータファイル213から読み出され、設定ファイル212のファイル212A〜212Cに上書きされ、ファイル212A〜212Cの各データは、発券プログラム211の機能でディスプレイ23に表示され、発券プリンタ26で印刷される。ここで、設定ファイル212のファイル212A〜212Cのファイル名は常に同一であるため、発券プログラム211において優待券の種別の変更を意識する必要がない。したがって、例えば優待券の種別をさらに増やしたり、名称等を変更したりしようとする場合、設定プログラムやBMPデータファイル213を変更すればよく、発券プログラム211までも変更する必要がない。
これらの他にも、本実施形態にて開示した構成からは、種々の好適な効果が得られる。
【0063】
[変形例]
上記各実施形態に開示された構成は、実施段階において各構成要素を適宜変形して具体化できる。
【0064】
例えば、上記実施形態では、優待券の種別として割引券及びお買物券を設定候補とする場合を例示した。しかしながら、他の名称が付された優待券を設定候補としてもよいし、3以上の優待券の種別を設定候補として用意してもよい。このように変形実施する場合、釦データ群30、背景データ群31、及び印刷データ群32に含ませるデータを適宜追加し、又はその内容を変更すればよい。
【0065】
また、上記実施形態では、CPU20がメモリ21に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、設定処理や発券処理を実現するとした。しかしながら、これに限らず上記コンピュータプログラムを所定のネットワークから発券装置2にダウンロードしてもよいし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを発券装置2にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROMやUSBメモリ等を利用でき、かつ発券装置2に内蔵あるいは接続されたデバイスが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態はどのようなものであってもよい。また、このように予めインストールやダウンロードにより得る機能は、発券装置2内部のオペレーティングシステム等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0066】
また、指定部40、釦データ読出部41、背景データ読出部42、及び印刷データ読出部43の一部又は全てを、発券装置2以外のコンピュータ、例えばサーバ1にて実現してもよい。また、上記各部の一部又は全ては、クラウドコンピューティングシステムに含まれるサーバから、発券装置2やサーバ1に提供されてもよい。このような場合、例えばSaaS(software as a service)と称されるソフトウェア提供形態を利用できる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…サーバ、2…発券装置、20…CPU、21…メモリ、23…ディスプレイ、24…タッチパネル、25…カードリーダ、26…発券プリンタ、40…指定部、41…釦データ読出部、42…背景データ読出部、43…印刷データ読出部、44…表示制御部、45…発行制御部、210…設定プログラム、211…発券プログラム、212…設定ファイル、213…BMPデータファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発行する優待券の種別の指定を受付ける指定手段と、
この指定手段で指定を受付けた優待券の種別の名称、及び、優待券の発行に関する情報の入出力に用いられる画面部品を含む画面を表示する表示手段と、
この表示手段に表示された画面に含まれる画面部品を操作する操作手段と、
この操作手段により前記画面部品が操作されて優待券の発行が指示されたとき、前記指定手段で指定を受付けた種別の優待券を発行する発行手段と、
を備えていることを特徴とする発券装置。
【請求項2】
優待券の名称及び優待券の発行に関する情報の入出力に用いられる画面部品を含む背景データを複数の優待券の種別毎に記憶した背景データ記憶部から、前記指定手段で指定を受付けた種別に対応する背景データを読み出す背景データ読出手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記背景データ読出手段が読み出した背景データに含まれる画面部品上に所定の情報を表した画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発券装置。
【請求項3】
会員の識別子を入力する識別子入力手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記背景データ読出手段が読み出した背景データに含まれる画面部品上に前記識別子入力手段が入力した識別子に対応する会員の情報を表した画面を表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の発券装置。
【請求項4】
優待券の種別が表された釦データを複数の優待券の種別毎に記憶した釦データ記憶部から、前記指定手段で指定を受付けた種別に対応する釦データを読み出す釦データ読出手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記釦データ読出手段が読み出した釦データを含む選択画面を表示し、この選択画面に含まれる前記釦データが操作されると、前記背景データ読出手段が読み出した背景データに含まれる画面部品上に所定の情報を表した画面を表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の発券装置。
【請求項5】
優待券の印刷データを優待券の種別毎に記憶した印刷データ記憶部から、前記指定手段で指定を受付けた種別に対応する印刷データを読み出す印刷データ読出手段をさらに備え、
前記発行手段は、優待券の発行が指示されたとき、前記印刷データ読出手段が読み出した印刷データが印刷された優待券を発行する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載の発券装置。
【請求項6】
コンピュータに、
発行する優待券の種別の指定を受付ける指定機能と、
この指定機能で指定を受付けた優待券の種別の名称、及び、優待券の発行に関する情報の入出力に用いられる画面部品を含む画面を表示部に表示させる表示制御機能と、
前記表示部に表示された画面に含まれる画面部品が操作部により操作されて優待券の発行が指示されたとき、前記指定機能で指定を受付けた種別の優待券を発行部に発行させる発行制御機能と、
を実現させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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