説明

発泡イソシアネート系ポリマー

新規イソシアネート系ポリマーフォームが記載されている。このイソシアネート系ポリマーフォームは、(a)イソシアネート、(b)複数種の活性水素含有化合物の混合物及び(c)発泡剤を含んだ反応混合物から得られる。複数種の活性水素含有化合物の混合物は、(i)約2.0超のOH官能価、約90〜約200の範囲内のOH価及び約1100の分子量(Mn)を有したバイオベースポリオール並びに(ii)石油系活性水素含有化合物を含んでいる。驚くべきことに及び予期せぬことに、(従来技術と比較して)比較的多量のバイオベースポリオールが、イソシアネート系ポリマーフォーム中に、このフォームにおける特性の所望のバランスを維持しつつ組み入れられ得ることが発見された。このバイオベースポリオールの(1種のバイオベースポリオール又は複数種のバイオベースポリオールの混合物としての)使用は、イソシアネート系ポリマーフォームの製造で慣習的に使用されている石油系ポリオールの少なくとも一部分の置換を、フォーム、特には成形フォームの特性の所望のバランスを維持しつつ可能にする。付加的な利点は、この置換が再生可能ではなく且つバイオベースポリオールより比較的高価な成分に為されるものであることにある。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
発明の分野
複数の側面の1つにおいて、本発明は、新規な発泡イソシアネート系ポリマーに関する。複数の側面の他の1つにおいて、本発明は、このような発泡イソシアネート系ポリマーの製造方法に関する。複数の側面の更に他の1つにおいて、本発明は、(従来技術と比較して)比較的多量のバイオベースポリオールが、イソシアネート系ポリマーフォーム中に、このフォームにおける特性の所望のバランスを維持しつつ組み入れられ得るという発見に関する。このようなバイオベースポリオールの(1種のバイオベースポリオール又は複数種のバイオベースポリオールの混合物としての)使用は、イソシアネート系ポリマーフォームの製造において慣習的に使用されている石油系ポリオールの少なくとも一部分の置換を、フォーム、特には成形フォームにおける特性の所望のバランスを維持しながら可能にする。
【0002】
従来技術の説明
イソシアネート系ポリマーは、当技術において知られている。一般に、当業者は、イソシアネート系ポリマーは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイソシアヌレート及びこれらの混合物であると理解している。
【0003】
発泡イソシアネート系ポリマーを製造することも、当技術において知られている。実際、イソシアネート系ポリマーの、他のポリマーの系と比較した利点の1つは、重合及び発泡が現場(in situ)で起こり得るということである。これは、ポリマーが生成及び膨張している間にそれを成形する能力をもたらす。
【0004】
ポリウレタンフォームを製造する従来の方法のうちの1つは、「ワンショット」技術として知られている。この技術では、イソシアネートと、適切なポリオールと、触媒と、水(それは、反応性「発泡」剤として働き、任意に、1種以上の物理的発泡剤が補給され得る)と、他の添加剤とが、例えばインピンジメント混合(例えば高圧)を使用して、同時に混合される。一般に、ポリウレアを製造する場合、ポリオールは、適切なポリアミンと交換されるであろう。ポリイソシアヌレートは、イソシアネート成分の環状三量体化(cyclotrimerization)の結果として得られ得る。ウレタン変性ポリウレア又はポリイソシアヌレートは、当技術において知られている。何れのシナリオでも、反応物質は、適切な混合技術を使用して、非常に迅速に、完全に混合されるであろう。
【0005】
発泡イソシアネート系ポリマーを製造するための他の1つの技術は、「プレポリマー」技術として知られている。この技術では、ポリオールと、イソシアネート(ポリウレタンの場合)とを不活性雰囲気において反応させ、末端に反応性基(例えば、イソシアネート部分及び活性水素部分)を有した液体ポリマーを生成することによって、プレポリマーが製造される。発泡ポリマーを製造するために、プレポリマーは、必要に応じて硬化剤及び他の添加剤の存在下で、低分子量ポリオール(ポリウレタンを製造する場合)又はポリアミン(変性ポリウレアを製造する場合)と徹底的に混合される。
【0006】
使用される技術に拘わらず、フィラー材料を反応混合物に含めることが、当技術において知られている。従来、フィラー材料は、液体イソシアネート及び液体活性水素含有化合物(即ち、ポリウレタンの場合はポリオール、ポリウレアの場合はポリアミンなど)の一方又はこれら双方にこのフィラー材料を供給する(loading)ことによって、発泡ポリマー中に導入されていた。一般に、フィラー材料の混和は、得られるフォーム製品に、所謂ロードビルディング特性(loaded building property)を与えるという目的にかなう。
【0007】
反応混合物中で使用されるフィラー材料の性質及び相対量は、発泡ポリマー製品の所望される物理的性質、並びに、混合技術によって課される制限、系の安定性及び装置による(例えば、フィラー材料の粒径が、装置の狭い流路、オリフィスなどに適合しないことによる)制限に依存して、或る程度まで多様であり得る。
【0008】
最近になって、所謂バイオベースポリオールを使用して、イソシアネート系ポリマーフォームを製造する努力が為されている。例えば、以下の文献の1つ以上を参照のこと。
米国特許出願公開第2005/0070620号[Herringtonら]、
米国特許出願公開第2005/0239915号[Provan]、
米国特許出願公開第2005/0282921号[Flaniganら]、
米国特許出願公開第2006/0223723号[Provan]、
米国特許出願公開第2006/0229375号[Hsiaoら]、
米国特許出願公開第2006/0264524号[Abrahamら]、
米国特許出願公開第2006/0270747号[Griggs]。
【0009】
バイオベースポリオールは、植物油などの天然に存在する材料を使用して製造されるポリオールである。バイオベースポリオールを製造するのに使用されている植物油の例としては、大豆油、ひまし油、紅花油、ごま油、落花生油、綿実油、オリーブ油、あまに油、パーム油、カノーラ油及びこれらのブレンドが挙げられる。
【0010】
この努力の多くは、環境に優しく、再生可能な成分を用いて作られるイソシアネート系ポリマーフォームに対する当技術における必要性に基づいていた。これらの努力にも拘わらず、必要な特性を有したこのようなイソシアネート系ポリマーフォーム、特には物理的性質の所望のバランスを有した成形イソシアネート系ポリマーフォームを製造することは可能でなかった。
【0011】
具体的に述べると、成形フォーム中にバイオベースポリオールを組み入れる既知のアプローチを使用することによって、以下の特性のうちの1つ以上が損なわれていた。
・エネルギー散逸、
・硬度、
・圧縮永久歪、
・難燃性、
・引張り強さ、
・圧縮永久歪(乾燥及び湿潤)、
・引張り強さ、
・引裂き強さ、
・伸縮性、
・レジリエンス、
・ヒステリシス、
・感触の良さ(friendly touch)、
・低フォギング性(low fogging)、及び
・非汚染性(non-staining)。
【0012】
従って、これら特性の所望のバランスを有したイソシアネート系ポリマーフォームを得ることが望ましいであろう。今日使用されている石油系ポリオールの量の少なくとも一部を置換するためにバイオベースポリオールを使用する技術を得ることは、更に望ましいであろう。このような技術が、比較的費用が安定していること、及び/又は、ポリウレタンフォームの向上した他の特性をもたらすこと、及び/又は、大きな困難なしに、現存の製造スキームに組み込まれ得ることが、更に望ましいであろう。
【0013】
発明の概要
本発明の1つの目的は、従来技術に関する上述の欠点の少なくとも1つを取り除く又は緩和することである。
【0014】
本発明の他の目的は、従来技術に関する上述の欠点の少なくとも1つを取り除く又は緩和する新規なイソシアネート系フォームを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、イソシアネート系ポリマーフォームを製造する新規な方法を提供することである。
【0016】
従って、複数の側面の1つにおいて、本発明は、イソシアネート系ポリマーフォームであって、
(a)イソシアネートと、
(b)複数種の活性水素含有化合物からなる混合物と、
(c)発泡剤と
を含んだ反応混合物から得られ、
複数種の活性水素含有化合物からなる混合物は、(i)約2.0より大きいOH官能価(OH functionality)、約90乃至約200の範囲内にあるOH価(OH number)及び少なくとも約1100の分子量(Mn)を有したバイオベースポリオールと、(ii)石油系活性水素含有化合物とを含んでいるイソシアネート系ポリマーフォームを提供する。
【0017】
複数の側面の他の1つにおいて、本発明は、イソシアネート系ポリマーを製造する方法であって、
(i)(a)イソシアネートと、(b)複数種の活性水素含有化合物からなる混合物と、(c)発泡剤とを含んだ反応混合物をつくる工程であって、複数種の活性水素含有化合物からなる混合物が、(i)約2.0より大きいOH官能価、約90乃至約200の範囲内にあるOH価及び少なくとも約1100の分子量(Mn)を有したバイオベースポリオールと、(ii)石油系活性水素含有化合物とを含んでいる工程と、
(ii)反応混合物を膨張させて、イソシアネート系ポリマーフォームを製造する工程と
を含んだ方法を提供する。
【0018】
複数の側面の更に他の1つにおいて、本発明は、(i)約2より大きいOH官能価、約100より大きいOH価及び約1500未満の分子量(Mn)を有した第1変性植物油系ポリオールと、(ii)第1変性植物油系ポリオールとは異なる第2変性植物油系ポリオールであって、約2未満のOH官能価、約100未満のOH価及び約1000より大きい分子量(Mn)を有した第2変性植物油系ポリオールとを含んだポリオール組成物を提供する。
【0019】
このように、本発明者らは、驚くべきことに及び予期せぬことに、(上述した従来技術と比較して)比較的多量のバイオベースポリオールが、イソシアネート系ポリマーフォーム中に、このフォームにおける特性の所望のバランスを維持しつつ組み入れる得ることを発見した。これは、バイオベースポリオールの慎重な選択によって達成され得る。具体的に述べると、バイオベースポリオールは、(i)約2.0より大きいOH官能価、(ii)約90乃至約200の範囲内にあるOH価及び(ii)少なくとも約1100の分子量(Mn)という特性の組み合わせを有すべきである。特性のこの組み合わせを有したバイオベースポリオールの(1種のバイオベースポリオール又は複数種のバイオベースポリオールの混合物としての)使用は、イソシアネート系ポリマーフォームの製造において慣習的に使用されている石油系ポリオールの少なくとも一部分の置換を、このフォーム、特には成形フォームにおける特性の所望のバランスを維持しつつ可能にする。追加の利点は、このような置換が、再生可能ではなく且つバイオベースポリオールよりも比較的高価な成分に対して為されるものであることにある。
【0020】
好ましい態様の詳細な説明
複数の側面の1つにおいて、本発明は、発泡イソシアネート系ポリマーに関する。好ましくは、このイソシアネート系ポリマーは、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイソシアヌレート、尿素変性ポリウレタン、ウレタン変性ポリウレア、ウレタン変性ポリイソシアヌレート及び尿素変性ポリイソシアヌレートを含んだ群より選択される。当技術で知られているように、用語「変性されている」は、ポリウレタン、ポリウレア又はポリイソシアヌレートと組み合わせて使用される場合、結合を形成している50%までのポリマー主鎖が置換されていることを示している。
【0021】
典型的には、発泡イソシアネート系ポリマーは、イソシアネートと、石油系活性水素含有化合物と、植物油系ポリオールとを含んだ反応混合物から製造される。
【0022】
この反応混合物における使用に適したイソシアネートは、特に限定されるものではなく、その選択は、当業者の権限範囲内にある。一般的に、使用に適したイソシアネート化合物は、一般式
Q(NCO)i
で表され得るものであり、iは2以上の整数であり、Qはiの価数を有した有機ラジカルである。Qは、置換又は未置換の炭化水素基(例えば、アルキレン又はアリーレン基)であり得る。更に、Qは、一般式
1−Z−Q1
によって表され得るものであり、Q1はアルキレン又はアリーレン基であり、Zは、−O−、−O−Q1−、−CO−、−S−、−S−Q1−S−及び−SO2−を含んだ群より選択される。この定義の範囲内にあるイソシアネート化合物の例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−p−メタン、キシリルジイソシアネート、(OCNCH2CH2CH2OCH2O)2、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート及びイソプロピルベンゼン−アルファ−4−ジイソシアネートが挙げられる。
【0023】
他の態様では、Qは、iの価数を有したポリウレタンラジカルをも意味し得る。この場合、Q(NCO)iは、当技術においてプレポリマーと一般的に呼ばれている化合物である。一般的に、プレポリマーは、化学量論的に過剰なイソシアネート化合物(上において定義されたもの)を、石油系活性水素含有化合物(以下において定義されるもの)、好ましくは、以下において説明する多数の水酸基を含有する材料若しくはポリオールとか、又は植物油系ポリオールと反応させることによって作られ得る。この態様では、ポリイソシアネートは、例えば、ポリオール中の水酸基の割合に対して、化学量論的に約30パーセント乃至約200パーセント過剰な割合で使用され得る。本発明のプロセスは、ポリウレアフォームの製造に関し得るので、この態様において、このプレポリマーがポリウレタン変性ポリウレアを作るのに使用され得ることは理解されるであろう。
【0024】
他の態様では、本発明の方法における使用に適したイソシアネート化合物は、イソシアネート及びジイソシアネートのダイマー及びトライマーから、並びに、一般式
Q'[(NCO)i]j
を有し、i及びjの双方とも2以上の値を有した整数であり、Q'が多官能性有機ラジカルである高分子ジイソシアネートから、及び/又は、反応混合物中の追加の成分として、一般式
L(NCO)i
を有し、iが1以上の値を有した整数であり、Lが単官能性若しくは多官能性の原子若しくはラジカルである化合物から選択されてもよい。この定義の範囲内にあるイソシアネート化合物の例としては、エチルホスホニックジイソシアネート、フェニルホスホニックジイソシアネート、=Si−NCO基を含んだ化合物、スルホンアミドから誘導されるイソシアネート化合物(QSO2NCO)、シアン酸及びチオシアン酸が挙げられる。
【0025】
適切なイソシアネートの議論については、例えば、英国特許第1453258号も参照のこと。
【0026】
適切なイソシアネートの非制限的な例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4'−ジフェニル−3,3'−ジメチルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアネート−5−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−s−トリアジン、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス−(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
より好ましいイソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート及びこれらの混合物、例えば、約75乃至約85重量パーセントの2,4−トルエンジイソシアネートと、約15乃至約25重量パーセントの2,6−トルエンジイソシアネートを含んだ混合物を含んだ群より選択される。より好ましい他のイソシアネートは、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらの混合物を含んだ群より選択される。
【0028】
最も好ましいイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート(上で論じたものなど)とトルエンジイソシアネート(上で論じたものなど)との、様々な比率での混合物である。
【0029】
前記方法がポリウレタンフォームを製造するのに利用される場合、石油系活性水素含有化合物は、典型的には、ポリオールである。ポリオールの選択は、特に限定されるものではなく、当業者の権限範囲内にある。例えば、ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエン及びポリカプロラクトンを含んだ群より選択される1種の主鎖であって、末端に水酸基を有した主鎖であり得る。好ましくは、ポリオールは、末端に水酸基を有したポリ炭化水素(polyhydrocarbons)、末端に水酸基を有したポリホルマール(polyformals)、末端に水酸基を有したポリエステル、末端にヒドロキシメチル基を有したポリエステル、末端にヒドロキシメチル基を有したパーフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール及びポリアルキレンエーテルトリオールを含んだ群より選択される。より好ましいポリオールは、アジピン酸−エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)及び末端に水酸基を有したポリブタジエンを含んだ群より選択される。適切なポリオールの議論については、例えば、英国特許第1482213号を参照のこと。好ましくは、このようなポリエーテルポリオールは、約100乃至約10,000、より好ましくは約100乃至約4,000、最も好ましくは約100乃至約3,500の範囲内にある分子量を有する。
【0030】
本イソシアネート系ポリマーフォームがポリウレアフォームである場合、石油系活性水素含有化合物は、水素が窒素に結合している化合物を含んでいる。好ましくは、このような化合物は、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミン及びポリオールアミンを含んだ群より選択されるものであり、より好ましくはポリアミンである。このような化合物の非限定的な例としては、一級アミン及び二級アミン末端ポリエーテル(primary and secondary amine teminated polyethers)が挙げられる。好ましくは、このようなポリエーテルは、約100より大きい分子量と、1乃至25の官能価とを有している。このようなアミン末端ポリエーテルは、典型的には、適切な開始剤から、これに低級アルキレンオキシドを添加し、その後、末端に水酸基を有した得られたポリオールをアミノ化することによって作られる。2種以上のアルキレン酸化物が使用される場合、それらは、ランダム混合物としてか又は一方若しくは他方のポリエーテルのブロック(block)として存在し得る。アミノ化を容易にするために、ポリオールの水酸基が、本質的に全て二級水酸基であることが特に好ましい。典型的には、アミノ化工程は、ポリオールの水酸基の全てではないがその大部分を置換する。
【0031】
更には、石油系活性水素含有化合物がポリオールである場合、このポリオールは、上述したようなポリマーポリオールの形態にあり得る。当技術で知られているように、このようなポリオールは、一般的には、他の有機ポリマーで満たされたポリエーテルポリオール分散液である。このようなポリマーポリオールは、変性されていないポリオールを使用したものと比較した場合、ロードビルディング(load building)に又はフォームの硬度を高めるのに有用である。有用なポリマーポリオールの非制限的な例としては、連鎖生長(chain-growth)コポリマーポリオール(例えば、粒状のポリ(アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)及びこれらの混合物)、及び/又は、段階生長(step-growth)コポリマーポリオール(例えば、PolyHarnstoff分散体(PHD)、ポリイソシアネート重付加(PIPA)ポリオール、エポキシ分散ポリオール及びこれらの混合物))が挙げられる。ポリマーポリオールに関する更なる情報については、例えば、Hanserから出版された、Guenther Oertel編、「Polyurethane Handbook」第2版(1994年)のChapter 3(Raw material)及びそこで引用されている参考文献を参照のこと。ポリマーポリオールが使用される場合、ポリマーポリオールをベースポリオールと混合するのが好ましい。一般的に、ポリマーポリオールを含有した混合物であって、この混合物中に存在する変性されていないポリオールの重量の約5乃至約50パーセントの範囲にある量でポリマーポリオールを含有した混合物が使用され得る。
【0032】
この明細書を通して使用されるように、用語「バイオベールポリオール」は、植物油又は他の生物起源材料などの再生可能資源から得られるポリオールを包含するように意図される総称である。
【0033】
好ましいバイオベースポリオールは、植物油系ポリオールである。このようなポリオールが得られ得る適切な植物油の非制限的な例としては、大豆油、紅花油、亜麻仁油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、カノーラ油、ごま油、綿実油、パーム油、菜種油、桐油、魚油、落花生油及びこれらの組み合わせが挙げられる。高級オレイン酸紅花油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸落花生油、高オレイン酸ひまわり油及び高エルカ酸菜種油(ハマナ油)などの、部分的に水素化された植物油及び遺伝子改変植物油も有用である。
【0034】
バイオベース(例えば、植物油系)ポリオールを作るのに適した方法は、植物油(又は植物油の混合物)を過酸と反応させることと、エポキシ化された植物油を供給することとを含んでいる。本質的に、植物油の二重結合の一部又は全てがエポキシ化され得る。エポキシ化された植物油は、アルコール、触媒量のフルオロホウ酸及び任意には水と更に反応して、ポリオールを生成し得る。このようなポリオールは、二級水酸基だけを含んでいる。
【0035】
これらバイオベースポリオールは、ポリウレタンフォームなどのイソシアネート系フォームを製造するために、反応混合物中で直接使用され得る。或いは、このバイオベースポリオールは、フルオロホウ酸触媒及び任意には水の存在下で上記エポキシ化された植物油と反応して、ポリウレタンフォームなどのイソシアネート系フォームを製造するための反応混合物中における使用に適したバイオベースポリオールを生成し得る。
【0036】
このような製法の例は、例えば、以下の1つ以上に記載されている。
米国特許第6686435号(Petrovicら)、
米国特許第6107433号(Petrovicら)、
米国特許第6573354号(Petrovicら)及び
米国特許第6433121号(Petrovicら)。
【0037】
或いは、前記エポキシ化反応は、二重結合が残っているポリオールをもたらす条件下で行われてもよい。
【0038】
ヒドロホルミル化プロセスによって作られた変性植物油系ポリオールも適切である。このプロセスにおいて、植物油は、8族金属触媒(例えばロジウム触媒)の存在下で、一酸化炭素と水素と反応し、ヒドロホルミル化された植物油を生成する。次に、このヒドロホルミル化された植物油は、水素化されて、変性植物油系ポリオールを生成する。このプロセスは、一級水酸基のみを含んだポリオールを製造する。これらポリオールは、ポリウレタンフォームなどのイソシアネート系フォームを製造するために、反応混合物中で直接使用され得る。或いは、それらは、フルオロホウ酸及び任意には水との存在下で上記エポキシ化された植物油と反応し、ポリウレタンフォームなどのイソシアネート系フォームを製造するための反応混合物中における使用に適したバイオベースポリオールを生成し得る。
【0039】
上記のように、本イソシアネート系ポリマーフォームは、約2.0より大きいOH官能価、約90乃至約200の範囲内にあるOH価及び少なくとも約1100の分子量(Mn)を有したバイオベースポリオールを含んだ反応混合物から得られる。
【0040】
バイオベースポリオールは、1種のポリオールでも、複数種のポリオールからなる混合物でもよい。何れの場合でも、バイオベースポリオールが植物油系ポリオールであることが好ましい。
【0041】
バイオベースポリオールが1種のポリオールである場合、それは、約2.5乃至約5.0の範囲内、より好ましくは約2.5乃至約4.5の範囲内、より好ましくは約2.5乃至約4.0の範囲内、最も好ましくは約2.8乃至約4.0の範囲内にあるOH官能価を有していることが好ましい。更には、この1種のポリオールは、約100乃至約200の範囲内、より好ましくは約120乃至約180の範囲内、より好ましくは約130乃至約170の範囲内、最も好ましくは約140乃至約160の範囲内にあるOH価を有していることが好ましい。更には、この1種のポリオールは、約1100乃至約1600の範囲内、より好ましくは約1200乃至約1600の範囲内、より好ましくは約1200乃至約1500の範囲内、最も好ましくは約1250乃至約1500の範囲内にある分子量(Mn)を有していることが好ましい。
【0042】
好ましくは、このバイオベースポリオールは、2種以上のバイオベースポリオールからなる混合物、より好ましくは2種のバイオベースポリオールからなる混合物である。
【0043】
バイオベースポリオールが2種以上のバイオベースポリオールからなる混合物である場合、この混合物は、(i)約2より大きいOH官能価、約100より大きいOH価及び約1500未満の分子量(Mn)を有した第1バイオベースポリオールと、(ii)前記第1バイオベースポリオールとは異なるバイオベースポリオールであって、約2未満のOH官能価、約100未満のOH価及び約1000より大きい分子量(Mn)を有した第2バイオベースポリオールとを含んでいることが好ましい。
【0044】
好ましくは、第1バイオベースポリオールは、以下の特性を有している。
・約2乃至約6の範囲内、より好ましくは約2.5乃至約5.5の範囲内、より好ましくは約3.5乃至約5.5の範囲内、最も好ましくは約3.5乃至約4.5の範囲内にあるOH官能価、
・約125より大きい、より好ましくは約125乃至約300の範囲内にある、より好ましくは約150乃至約275の範囲内にある、より好ましくは約175乃至約275の範囲内にある、最も好ましくは約200乃至約250の範囲内にあるOH価、
・約500乃至約1500の範囲内、より好ましくは約800乃至1200の範囲内にある分子量(Mn)。
【0045】
好ましくは、第2バイオベースポリオールは、エポキシド部分を含んでいる。この点で、以下の特性を有した第2バイオベースポリオールを使用することが好ましい。
・約0.1乃至約15重量%、より好ましくは約0.5重量%乃至約10重量%、より好ましくは約1.0乃至約5.0重量%のエポキシ酸素含有量(このエポキシ酸素含有量を測定するのに使用され得る方法は、AOCS Cd9-57である)、及び
・約0.5より大きい、より好ましくは約1.0より大きい、より好ましくは約2.0乃至約6.0の範囲内、より好ましくは約3.0乃至約6.0の範囲内、より好ましくは約3.0乃至約5.0の範囲内、最も好ましくは約3.5乃至約4.5の範囲内にある平均エポキシ官能価。
【0046】
第2バイオベースポリオールがエポキシド部分を含んでいるか否かに拘わらず、以下の特性を有した第2バイオベースポリオールを使用することが好ましい。
【0047】
・約0.5乃至約2.0の範囲内、より好ましくは約0.8乃至約2.0の範囲内、より好ましくは約1.0乃至約2.0の範囲内、より好ましくは約1.3乃至約2.0の範囲内、最も好ましくは約1.5乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価、
・約25乃至約100の範囲内、より好ましくは約40乃至約80の範囲内、最も好ましくは約40乃至約60の範囲内にあるOH価、
・約1200より大きい、より好ましくは約1200乃至約2000の範囲内にある、より好ましくは約1300乃至約2000の範囲内にある、より好ましくは約1400乃至約2000の範囲内にある、より好ましくは約1500乃至約2000の範囲内にある、最も好ましくは約1700乃至約1900の範囲内にある分子量(Mn)。
【0048】
発泡イソシアネート系ポリマーを製造するのに使用される反応混合物は、典型的には、発泡剤を更に含むであろう。当技術で知られているように、水は、間接又は反応性発泡剤として、発泡イソシアネート系ポリマーの製造において使用され得る。具体的に述べると、水は、イソシアネートと反応して、最終的な発泡ポリマー製品において有効な発泡剤として働く二酸化炭素を生成する。或いは、二酸化炭素は、二酸化炭素を生み出す不安定な化合物(例えば、カルバメートなど)などの他の手段によって生成されてもよい。任意に、直接有機発泡剤を水と組み合わせて使用してもよいが、このような発泡剤の使用は、一般的に、環境上の理由により削減されている。本発泡イソシアネート系ポリマーの製造における使用に好ましい発泡剤は、水を含んでいる。
【0049】
発泡イソシアネート系ポリマーの製造において間接発泡剤として使用される水の量は、慣習的に、反応混合物中の活性水素含有化合物の総含有量を100重量部として、約0.5から最高約40重量部以上まで、好ましくは約1.0乃至約10重量部の範囲内にあることが、当技術において知られている。当技術において知られているように、発泡イソシアネート系ポリマーの製造において使用される水の量は、典型的には、この発泡ポリマーにおいて期待される典型的な特性によって及び膨張するフォームの自己構造形成に対する許容度によって制限される。
【0050】
発泡イソシアネート系ポリマーを製造するために、通常、触媒が反応混合物中に混和される。反応混合物において使用される触媒は、重合反応を触媒することが可能な化合物である。このような触媒は知られており、その選択及び濃度は、当業者の権限の範囲内にある。適切な触媒化合物の議論については、例えば、米国特許第4296213号及び第4518778号を参照のこと。適切な触媒の非制限的な例としては、三級アミン及び/又は有機金属化合物が挙げられる。加えて、当技術において知られているように、目的がイソシアヌレートを生成することである場合、ルイス酸を、触媒として、単独か又は他の触媒と組み合わせて使用しなければならない。もちろん、2種以上の触媒の組み合わせが適切に使用され得ることは、当業者に理解されるであろう。
【0051】
当業者に明らかに理解されるように、ポリウレタンフォームの技術における従来の添加剤は、本発泡イソシアネート系ポリマーを製造するのに使用されるプロセスにおいて使用され得ることが企図されている。このような添加剤の非制限的な例としては、フィラー材料、界面活性剤、セルオープナー(cell openers)(例えば、シリコーン油)、架橋剤(例えば、低分子量の反応性水素含有組成物)、顔料/染料、難燃剤(例えば、ハロゲン化有機リン酸化合物)、抑制剤(例えば、弱酸)、成核剤(例えば、ジアゾ化合物)、抗酸化剤、UV安定剤(例えば、ヒドロキシベンゾトリアゾール、亜鉛ジブチルチオカルバメート、2,6−ジターシャルブチルカテコール、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒンダードアミン及びこれらの混合物)、殺生剤、帯電防止剤(例えば、イオン性金属塩、カルボン酸塩、リン酸エステル及びこれらの混合物)及びこれらの混合物が挙げられる。慣習的に使用されているこれら添加剤の量は、当業者の権限の範囲内にある。例えば、Hanserから出版された、Guenther Oertel編、「Polyurethane Handbook」第2版(1994年)のChapter 5(Polyurethane Flexible Foams)及びそこで引用されている参考文献を参照のこと。
【0052】
本プロセスにおいて、イソシアネートと、複数種の活性水素含有化合物からなる混合物と、発泡剤と、触媒と、他の添加剤(存在する場合)とを接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、これら成分の一部を別のタンクにおいて予めブレンドし、この別のタンクが、更に、発泡剤及び触媒と混合させるのに適した混合デバイスに接続されていることが考えられる。或いは、複数種の活性水素含有化合物からなる混合物に、発泡剤と、触媒と、存在する場合には添加剤とを予めブレンドして、樹脂を生成することが考えられる。この樹脂プレブレンドは、次に、イソシアネートの独立した流れを更に受け取る適切なミキシングヘッド(高圧又は低圧)に供給され得る。幾つかの成分(例えば、可塑剤)は、別の流れとして、ミキシングヘッドの前段にある適切なマニフォールドなどを介し、このミキシングヘッドに又は前記樹脂流中へと供給されてもよい。
【0053】
複数種の活性水素含有化合物からなる混合物と、イソシアネートと、発泡剤と、触媒と、他の添加剤(存在する場合)とが接触し、理想的には、均一に混合すると、反応混合物が生成する。次に、この反応混合物は、本発泡イソシアネートポリマーを製造するために発泡させられる。当業者に明らかなように、本発明のプロセスは、スラブストックフォーム、成形品などの製造に有用である。反応混合物の膨張を行う方法は、製造されるフォームの種類によって決定されるであろう。
【0054】
本イソシアネート系ポリマーフォーム及びその製造方法は、成形ポリウレタンフォームなどの成形フォームに特によく適している。このような成形フォームは、シート部材(例えば、シート座部及び/又は背もたれ)、ヘッドレスト、ボルスター、インストルメントパネル、ピラーカバー、エアバックドアカバー、他の車体トリム部材などの自動車用途を含んだ、多くの用途において使用され得る。
【0055】
本発明の或る側面は、第1変性植物油系ポリオール(上で定義したもの)と、第2変性植物油系ポリオール(上で定義したもの)とを含んだポリオール組成物に関する。これら2種のポリオールを混ぜ合わせる方法は、特には限定されない。例えば、これら2種のポリオールを従来のブレンドの場(station)において混ぜ合わせることが考えられる。また、このポリオール組成物が、イソシアネート系ポリマーフォームを製造するための樹脂成分において使用される1種以上の更なる成分、例えば、上で議論した石油系ポリオール、触媒、発泡剤、界面活性剤などのうちの1種以上を含むことも考えられる。
【0056】
本発明の態様を、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない以下の例を参照しながら説明する。これら例において使用される用語「pbw」は、重量部を指す。これら例において言及されている様々な成分の分子量(Mn)は、蒸気圧浸透圧法を使用し、石油化学基準でのゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された。
【0057】
例では、以下の材料が使用された。
Bayerから市販されているE-837という石油系ポリオール、
Dow Chemicalsから市販されているV−4701という石油系ポリオール、
Bayerから市販されているE850という43%固形分石油系コポリマー(SAN)ポリオール、
約57−59のOH価、約1700−1800の分子量(Mn)及び約1.8のOH官能価を有した、SOBP#1という大豆油系ポリオール、
約225−240のOH価、約900−1200の分子量(Mn)及び約3.9−4.4のOH官能価を有した、SOBP#2という大豆油系ポリオール、
MDIと軟質ポリエーテルトリオールとからなり(分子量=4000)、NCO含有量が28重量%である、ISO#1というプレポリマー、
MDI変種とTDIとの80/20ブレンドであって、NCO含有量が36重量%である、ISO#2というブレンド、
Air Productsから市販されているPC77という触媒、
間接発泡剤である水、
Air Productsから市販されている33LVというゲル化触媒、
Air Productsから市販されているDEOA−LFというジエタノールアミンの架橋剤、
Huntsman Chemicalsから市販されているZF−10というアミン触媒、
Dow Chemicalsから市販されているV−4053というセルオープナー、
G. E. Siliconesから市販されているY−10858という界面活性剤、
Degussaから市販されているB−4690という気泡安定剤、
Degussaから市販されているB−4113という界面活性剤、
G. E. Siliconesから市販されているL−3165という界面活性剤、
Thomson Researchから市販されているUltra Fresh FP−1(殺生剤)という抗菌剤、
Degussaから市販されているB-8240という界面活性剤、及び
Air Productsから市販されているBL19という発泡触媒。
【0058】
例では、様々なフォームサンプルが、以下の一般的な手順を使用して製造された。
【0059】
イソシアネートを除く初期量の各成分を3Lのプラスチックバケットへと添加することによって、樹脂ブレンドマスターバッチが作られた。この樹脂ブレンドマスターバッチは、高トルクの実験室用ミキサを使用し、1750rpm及び23℃で30分間に亘り混合された。この樹脂マスターバッチとイソシアネートとは、成形フォームサンプルの製造のために使用される前に、25℃で1時間に亘って状態調節された(conditioned)。
【0060】
1.5Lの紙(ディクシー)カップで測定した必要量の樹脂ブレンドが、DeltaΦ2''実験室用ミキサを使用して、1750rpmで、30秒間に亘って予混合された。必要量のイソシアネートが連続的に攪拌しながら添加され、タイマーが始動された。樹脂ブレンド/イソシアネート配合物は、10分間に亘って混合され、その後、65℃に加熱されたアルミニウムの試験型へと流し込まれた。
【0061】
得られたフォームは、6分後に型から取り出され、手で砕かれ(hand crushed)、冷却され、特性についての試験の前に、〜23℃及び〜50%相対湿度に7日間に亘って保持された。
【0062】
フォームサンプルは、以下に挙げる様々な物理試験に供された。
【表1】

【0063】
例1−3
これらの例では、様々なフォームサンプルが、表1に示された配合と、上述した一般的な手順とを使用して製造された。
【0064】
明らかなように、例1も例2も、(全体として)約2.0より大きいOH官能価と、(全体として)約90乃至約200の範囲内にあるOH価と、(全体として)少なくとも約1100の分子量(Mn)とを有した植物油系ポリオールを含んだ配合に基づいたものではなかった。従って、例1及び例2において製造されたフォームは、比較目的としてのみ提供されているものであり、本発明の範囲外にある。
【0065】
更に明らかなように、例3は、3.4のOH官能価と、145.5のOH価と、1310の分子量(Mn)とを混合物として有した複数種の植物油系ポリオールからなる混合物を含んだ配合に基づいていた。従って、例3において製造されたフォームは、本発明の範囲内にある。
【0066】
例1−3において製造されたフォームに関する物理的試験の結果は、表2に示されている。
【0067】
表2を参照すると、例1において製造されたフォームは、優れた引裂き強さ及び引張り強さを有していたが、このフォームの50%圧縮永久歪及び50%湿潤老化後(humid aged)圧縮永久歪は、著しく損なわれていたことが分かり得る。反対に、例2において製造されたフォームは、優れた50%圧縮永久歪及び50%湿潤老化後圧縮永久歪を有していたが、このフォームの引裂き強さ及び引張り強さは、著しく損なわれていた。例1及び例2において製造されたフォームにおける特性の低下は、これらフォームが、成形フォームの多くの用途、例えば乗物用用途において有用ではないようなものであった。
【0068】
更に表2を参照すると、驚くべきことに及び予期せぬことに、例3において製造されたフォームが、引裂き強さと、引張り強さと、圧縮永久歪と、湿潤老化後圧縮永久歪とに関する非常に望ましい組み合わせを有していたことが分かり得る。例3において製造されたフォームは、例1及び例2において製造されたフォームのものよりも明らかに優れた特性の組み合わせを有している。
【0069】
例4−7
これらの例では、様々なフォームサンプルが、表3に示された配合と、上述した一般的な手順とを使用して製造された。
【0070】
明らかなように、例4−6の何れも、(全体として)約2.0より大きいOH官能価、(全体として)約90乃至約200の範囲内にあるOH価及び(全体として)少なくとも約1100の分子量(Mn)を有した植物油系ポリオールを含んだ配合に基づいたものではなかった。従って、例4−6において製造されたフォームは、比較目的としてのみ提供されているものであり、本発明の範囲外にある。
【0071】
更に明らかなように、例7は、2.95のOH官能価と、117のOH価と1420の分子量(Mn)とを混合物として有した複数種の植物油系ポリオールからなる混合物を含んだ配合に基づいていた。従って、例7において製造されたフォームは、本発明の範囲内にある。
【0072】
例4−7において製造されたフォームに関する物理的試験の結果は、表4に示されている。
【0073】
表4を参照すると、例5において製造されたフォームは比較的優れた引張り特性を有していたが、このフォームの50%圧縮永久歪及び50%湿潤老化後圧縮永久歪は著しく損なわれており、このフォームは非常に硬い(参照すると、ILD=729N)ことが分かり得る。例6において製造されたフォームは、低下した引張り特性を有しており、50%圧縮永久歪及び50%湿潤老化後圧縮永久歪は更に劣化した(即ち、例5において製造されたフォームと比較して)。例5及び例6において製造されたフォームの特性の低下は、これらフォームが、成形フォームの多くの用途、例えば乗物用用途において有用ではないようなものであった。
【0074】
更に表4を参照すると、驚くべきことに及び予期せぬことに、例7において製造されたフォームが、引裂き強さと、引張り強さと、50%圧縮永久歪と、50%湿潤老化後圧縮永久歪とに関する非常に望ましい組み合わせを有していたことが分かり得る。例7において製造されたフォームは、例5及び例6において製造されたフォームのものよりも明らかに優れた特性の組み合わせを有している。更に、例7において製造されたフォームは、ポリマーポリオールをロードビルディング部材として使用して作られた従来のフォーム(例4)と比べた場合に、バランスに関して、かなり望ましい特性の組み合わせを有している。
【0075】
例8−11
これらの例では、様々なフォームサンプルが、表5に示された配合と、上述した一般的な手順とを使用して製造された。
【0076】
明らかなように、例8−10の何れも、(全体として)約2.0より大きいOH官能価と、(全体として)約90乃至約200の範囲内にあるOH価と、(全体として)少なくとも約1100の分子量(Mn)とを有した植物油系ポリオールを含んだ配合に基づいたものではなかった。従って、例8−10において製造されたフォームは、比較目的としてのみ提供されているものであり、本発明の範囲外にある。
【0077】
更に明らかなように、例11は、2.95のOH官能価と、117のOH価と、1420の分子量(Mn)とを混合物として有した複数種の植物油系ポリオールからなる混合物を含んだ配合に基づいていた。従って、例11において製造されたフォームは、本発明の範囲内にある。
【0078】
例8−11において製造されたフォームに関する物理的試験の結果は、表6に示されている。
【0079】
表6を参照すると、例9において製造されたフォームは比較的優れた引裂き及び引張り特性を有していたが、このフォームの50%圧縮永久歪及び50%湿潤老化後圧縮永久歪が著しく損なわれており、このフォームは非常に硬い(参照すると、ILD=622N)ことが分かり得る。例10において製造されたフォームは、比較的良好な引裂き及び引張り特性を有していたが、50%圧縮永久歪は更に劣化した(即ち、例9において製造されたフォームと比較して)。例9及び例10において製造されたフォームの特性の低下は、これらフォームが、成形フォームの多くの用途、例えば乗物用用途において有用ではないようなものであった。
【0080】
更に表6を参照すると、驚くべきことに及び予期せぬことに、例11において製造されたフォームが、引裂き強さと、引張り強さと、50%圧縮永久歪と、50%湿潤老化後圧縮永久歪とに関する非常に望ましい組み合わせを有していたことが分かり得る。例11において製造されたフォームは、例9及び例10において製造されたフォームのものよりも明らかに優れた特性の組み合わせを有している。更に、例11において製造されたフォームは、ポリマーポリオールをロードビルディング部材として使用して作られた従来のフォーム(例8)と比べた場合に、バランスに関して、かなり望ましい特性の組み合わせを有している。
【0081】
例12−13
これらの例では、様々なフォームサンプルが、表7に示された配合と、上述した一般的な手順とを使用して製造された。
【0082】
明らかなように、例12及び例13の各々は、3.4のOH官能価と、145.5のOH価と、1310の分子量(Mn)とを混合物として有した複数種の植物油系ポリオールからなる混合物を含んだ配合に基づいていた。従って、例12及び13において製造されたフォームは、本発明の範囲内にある。
【0083】
例12−13において製造されたフォームの物理的試験の結果は、表8に示されている。
【0084】
表8を参照すると、殺生剤添加物の添加(例13)は、フォームの物理的機械的性質に対してさほど著しい影響を与えないことが分かり得る。
【0085】
例示的態様及び例を参照しながら本発明を説明したが、この説明は、制限的な意味で解釈されることを意図していない。従って、例示的態様の様々な変更も、本発明の他の態様も、この説明を参照することにより、当業者に明らかとなるであろう。それ故、添付する特許請求の範囲は、このような変更又は態様の何れをも包含するであろうことが企図される。
【0086】
ここで参照した全ての文献、特許及び特許出願は、各々個々の文献、特許又は特許明細書が具体的且つ別個に参照によりその全体に組み込まれているように示されている場合と同じ程度に、参照によりその全体に組み込まれている。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート系ポリマーフォームであって、
(a)イソシアネートと、
(b)複数種の活性水素含有化合物からなる混合物と、
(c)発泡剤と
を含んだ反応混合物から得られ、
前記複数種の活性水素含有化合物からなる混合物は、(i)約2.0より大きいOH官能価、約90乃至約200の範囲内にあるOH価及び少なくとも約1100の分子量(Mn)を有したバイオベースポリオールと、(ii)石油系活性水素含有化合物とを含んでいるイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項2】
前記バイオベースポリオールは、植物油系ポリオールを含んでいる請求項1記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項3】
前記植物油系ポリオールは、約2.5乃至約5.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項2記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項4】
前記植物油系ポリオールは、約2.5乃至約4.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項2記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項5】
前記植物油系ポリオールは、約2.5乃至約4.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項2記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項6】
前記植物油系ポリオールは、約2.8乃至約4.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項2記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項7】
前記植物油系ポリオールは、約100乃至約200の範囲内にあるOH価を有している請求項2乃至6の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項8】
前記植物油系ポリオールは、約120乃至約180の範囲内にあるOH価を有している請求項2乃至6の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項9】
前記植物油系ポリオールは、約130乃至約170の範囲内にあるOH価を有している請求項2乃至6の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項10】
前記植物油系ポリオールは、約140乃至約160の範囲内にあるOH価を有している請求項2乃至6の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項11】
前記植物油系ポリオールは、約1100乃至約1600の範囲内にある分子量(Mn)を有している請求項2乃至10の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項12】
前記植物油系ポリオールは、約1200乃至約1600の範囲内にある分子量(Mn)を有している請求項2乃至10の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項13】
前記植物油系ポリオールは、約1200乃至約1500の範囲内にある分子量(Mn)を有している請求項2乃至10の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項14】
前記植物油系ポリオールは、約1250乃至約1500の範囲内にある分子量(Mn)を有している請求項2乃至10の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項15】
前記植物油系ポリオールは、複数種の植物油系ポリオールからなる混合物を含んでいる請求項2乃至14の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項16】
前記植物油系ポリオールは、(i)約2より大きいOH官能価、約100より大きいOH価及び約1500未満の分子量(Mn)を有した第1変性植物油系ポリオールと、(ii)前記第1変性植物油系ポリオールとは異なる第2変性植物油系ポリオールであって、約2未満のOH官能価、約100未満のOH価及び約1000より大きい分子量(Mn)を有した第2変性植物油系ポリオールとを含んでいる請求項2乃至14の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項17】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約2乃至約6の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項18】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約2.5乃至約5.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項19】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約3.5乃至約5.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項20】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約3.5乃至約4.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項21】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約125より大きいOH価を有している請求項16乃至20の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項22】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約125乃至約300の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項16乃至20の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項23】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約150乃至約275の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項16乃至20の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項24】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約175乃至約275の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項16乃至20の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項25】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約200乃至約250の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項16乃至20の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項26】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約500乃至約1500の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至25の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項27】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約800乃至約1200の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至25の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項28】
前記第2変性植物油系ポリオールは、エポキシド部分を含んでいる請求項16乃至27の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項29】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.1乃至約15重量パーセントのエポキシ酸素含有量を有している請求項16乃至27の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項30】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.5乃至約10重量パーセントのエポキシ酸素含有量を有している請求項16乃至27の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項31】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.0乃至約5.0重量パーセントのエポキシ酸素含有量を有している請求項16乃至27の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項32】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.5より大きい平均エポキシ官能価を有している請求項16乃至31の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項33】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.0より大きい平均エポキシ官能価を有している請求項16乃至31の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項34】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約2.0乃至約6.0の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項16乃至31の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項35】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約3.0乃至約6.0の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項16乃至31の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項36】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約3.0乃至約5.0の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項16乃至31の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項37】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約3.5乃至約4.5の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項16乃至31の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項38】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.5乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16乃至37の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項39】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.8乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16乃至37の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項40】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.0乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16乃至37の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項41】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.3乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16乃至37の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項42】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.5乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項16乃至37の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項43】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約25乃至約100の範囲内にあるOH価を有している請求項16乃至42の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項44】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約40乃至約80の範囲内にあるOH価を有している請求項16乃至42の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項45】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約40乃至約60の範囲内にあるOH価を有している請求項16乃至42の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項46】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1200より大きい分子量を有している請求項16乃至45の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項47】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1200乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至45の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項48】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1300乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至45の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項49】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1400乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至45の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項50】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1500乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至45の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項51】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1700乃至約1900の範囲内にある分子量を有している請求項16乃至45の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項52】
前記石油系活性水素含有化合物は、ポリオール、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミン及びポリオールアミンを含んだ群より選択される請求項1乃至51の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項53】
前記石油系活性水素含有化合物はポリオールを含んでいる請求項1乃至51の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項54】
前記ポリオールは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエン及びポリカプロラクトンを含んだ群より選択される1種の主鎖であって、末端に水酸基を有した主鎖を含んでいる請求項53記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項55】
前記ポリオールは、末端に水酸基を有したポリ炭化水素、末端に水酸基を有したポリホルマール、末端に水酸基を有したポリエステル、末端にヒドロキシメチル基を有したポリエステル、末端にヒドロキシメチル基を有したパーフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオール及びこれらの混合物を含んだ群より選択される請求項53記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項56】
前記ポリオールは、アジピン酸−エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)及び末端に水酸基を有したポリブタジエンを含んだ群より選択される請求項53記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項57】
前記ポリオールは、ポリエーテルポリオールを含んでいる請求項53記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項58】
前記ポリオールは、約200乃至約10,000の範囲内にある分子量を有している請求項53乃至57の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項59】
前記ポリオールは、約2000乃至約7,000の範囲内にある分子量を有している請求項53乃至57の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項60】
前記ポリオールは、約2,000乃至約6,000の範囲内にある分子量を有している請求項53乃至57の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項61】
前記石油系活性水素含有化合物は、ポリアミン及びポリアルカノールアミンを含んだ群より選択される請求項1乃至51の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項62】
前記ポリアミンは、一級アミン及び二級アミン末端ポリエーテルを含んだ群より選択される請求項61記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項63】
前記二級アミン末端ポリエーテルは、約230より大きい分子量を有している請求項62記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項64】
前記二級アミン末端ポリエーテルは、約2乃至約6のOH官能価を有している請求項62乃至63の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項65】
前記イソシアネートは、一般式
Q(NCO)i
で表され、iは2以上の整数であり、Qはiの価数を有した有機ラジカルである請求項1乃至64の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項66】
前記イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−p−メタン、キシリルジイソシアネート、(OCNCH2CH2CH2OCH2O)2、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、イソプロピルベンゼン−アルファ−4−ジイソシアネート及びこれらの混合物を含んだ群より選択される請求項1乃至64の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項67】
前記イソシアネートはプレポリマーを含んでいる請求項1乃至64の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項68】
イソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4'−ジフェニル−3,3'−ジメチルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアネート−5−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−s−トリアジン、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス−(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート及びこれらの混合物を含んだ群より選択される請求項1乃至64の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項69】
前記イソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート及びこれらの混合物を含んだ群より選択される請求項1乃至64の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項70】
前記イソシアネートは、(i)2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、これらの変形及びこれらの混合物と、(ii)2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、これらの変形及びこれらの混合物と、(iii)(i)及び(ii)の混合物とから本質的になる群より選択される請求項1乃至64の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項71】
前記発泡剤は水を含んでいる請求項1乃至70の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項72】
前記水は、前記複数の活性水素含有化合物からなる混合物の100重量部当たり、約0.5乃至約40重量部の範囲内の量で使用される請求項71記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項73】
前記水は、前記複数の活性水素含有化合物からなる混合物の100重量部当たり、約1.0乃至約10重量部の範囲内の量で使用される請求項71記載のイソシアネート系ポリマーフォーム。
【請求項74】
請求項1乃至73の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォームを含んだ発泡成形品。
【請求項75】
請求項1乃至73の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォームを含んだスラブフォーム物品。
【請求項76】
請求項1乃至73の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォームを含んだシートデバイス。
【請求項77】
請求項74記載の発泡成形品を含んだシートデバイス。
【請求項78】
請求項1乃至73の何れか1項記載のイソシアネート系ポリマーフォームを含んだ乗物用シートデバイス。
【請求項79】
請求項74記載の発泡成形品を含んだ乗物用シートデバイス。
【請求項80】
ポリオール組成物であって、(i)約2より大きいOH官能価、約100より大きいOH価及び約1500未満の分子量(Mn)を有した第1変性植物油系ポリオールと、(ii)前記第1変性植物油系ポリオールとは異なる第2変性植物油系ポリオールであって、約2未満のOH官能価、約100未満のOH価及び約1000より大きい分子量(Mn)を有した第2変性植物油系ポリオールとを含んでいるポリオール組成物。
【請求項81】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約2乃至約6の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80記載のポリオール組成物。
【請求項82】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約2.5乃至約5.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80記載のポリオール組成物。
【請求項83】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約3.5乃至約5.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80記載のポリオール組成物。
【請求項84】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約3.5乃至約4.5の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80記載のポリオール組成物。
【請求項85】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約125より大きいOH価を有している請求項80乃至84の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項86】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約125乃至約300の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項80乃至84の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項87】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約150乃至約275の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項80乃至84の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項88】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約175乃至約275の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項80乃至84の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項89】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約200乃至約250の範囲内においてより大きいOH価を有している請求項80乃至84の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項90】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約500乃至約1500の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至89の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項91】
前記第1変性植物油系ポリオールは、約800乃至約1200の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至89の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項92】
前記第2変性植物油系ポリオールはエポキシド部分を含んでいる請求項80乃至91の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項93】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.1乃至約15重量パーセントのエポキシ酸素含有量を有している請求項80乃至91の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項94】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.5乃至約10重量パーセントのエポキシ酸素含有量を有している請求項80乃至91の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項95】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.0乃至約5.0重量パーセントのエポキシ酸素含有量を有している請求項80乃至91の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項96】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.5より大きい平均エポキシ官能価を有している請求項80乃至95の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項97】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.0より大きい平均エポキシ官能価を有している請求項80乃至95の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項98】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約2.0乃至約6.0の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項80乃至95の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項99】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約3.0乃至約6.0の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項80乃至95の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項100】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約3.0乃至約5.0の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項80乃至95の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項101】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約3.5乃至約4.5の範囲内にある平均エポキシ官能価を有している請求項80乃至95の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項102】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.5乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80乃至101の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項103】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約0.8乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80乃至101の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項104】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.0乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80乃至101の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項105】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.3乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80乃至101の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項106】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1.5乃至約2.0の範囲内にあるOH官能価を有している請求項80乃至101の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項107】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約25乃至約100の範囲内にあるOH価を有している請求項80乃至106の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項108】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約40乃至約80の範囲内にあるOH価を有している請求項80乃至106の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項109】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約40乃至約60の範囲内にあるOH価を有している請求項80乃至106の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項110】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1200より大きい分子量を有している請求項80乃至109の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項111】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1200乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至109の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項112】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1300乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至109の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項113】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1400乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至109の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項114】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1500乃至約2000の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至109の何れか1項記載のポリオール組成物。
【請求項115】
前記第2変性植物油系ポリオールは、約1700乃至約1900の範囲内にある分子量を有している請求項80乃至109の何れか1項記載のポリオール組成物。

【公表番号】特表2010−520335(P2010−520335A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552033(P2009−552033)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000394
【国際公開番号】WO2008/106769
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(509247386)プロプライアテクト・エル.ピー. (3)
【出願人】(507274803)カーギル, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】