説明

発泡性液体の充填装置

【課題】比較的小型で、発泡性液体を特に単一の瓶等の容器に充填するのに適した液体充填機であって、充填操作を自動的に行えるようにするとともに、充填終了時に容器から液体が溢れ出ることによる液体の無駄を抑制することをその目的とする。
【解決手段】液体供給手段によって容器に発泡性液体を供給する前に、気体供給手段によって容器に気体を供給して、容器内の圧力を発泡性液体の製造タンク内の気相部の圧力と同等とするカウンタープレッシャータイプの発泡性液体の充填装置であって、発泡性液体の充填終了後に容器内を減圧した際に容器から溢れる液体を一旦貯留部に貯留しておき、次回の充填時に容器内に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭酸飲料等の発泡性液体を瓶等の容器に充填する発泡性液体の充填装置に関するもので、特に、一本から数本程度の容器に発泡性液体を充填するのに好適な比較的小型の発泡性液体の充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炭酸飲料等の発泡性液体を瓶等の容器に充填する充填装置としては、カウンタープレッシャー方式のものが知られている。このカウンタープレッシャー方式の充填装置においては、発泡性液体が貯えられたタンクに開閉弁によって開閉せしめられるように接続した充填管の下端部を容器に挿入し、その状態で容器口を遮断する。次に外気と遮断された容器内に炭酸ガス等のガスを供給して内部の空気と置換し、容器内の圧力をタンク内の圧力と同等の圧力にする。その上で、上記の充填管より発泡性液体を容器内に充填する。
【0003】
このカウンタープレッシャー方式の充填装置としては、以下のものが公知である。この装置においては、発泡性液体を容器内に充填し、所定量充填後に充填管を容器から引き抜く際、充填管の下端が充填された発泡性液体の上部に到達したタイミングで充填管に連通する吸気通路の給気弁を開にして充填管内を大気圧に開放する。そして、充填管内の残留液を容器内に回収する(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。これによれば、発泡性液体を充填する際に充填管に残留した残留液を、充填済みの発泡性液体の上部に静かに放出することが可能となり発泡性液体の発泡を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−152196号公報
【特許文献2】特開平10−152197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術においては、容器から充填管を瓶から引き抜く際に、充填液に残留する残留液が発泡性液体上に落下することで、発泡性液体が発泡することを抑制することはできるものの、瓶内の圧力がタンク内と同等の圧力から大気圧に開放されることによる発泡を抑制することはできない。その結果、減圧時に容器内の発泡性液体が発泡して容器から溢れ出、発泡性液体の無駄が発生する場合があった。また、溢れ出た発泡性液体が容器の外面に付着し容器を洗浄する必要が生じる場合があった。
【0006】
本発明は上記の従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、比較的小型で、発泡性液体を特に一本から数本程度の容器に充填するのに適した発泡性液体の充填装置であって、充填操作を半自動的に行えるようにするとともに、充填終了時に容器から発泡性液体が溢れ出ることで液体の無駄や容器の汚れが発生する不都合を抑制することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液体供給手段によって容器に発泡性液体を供給する前に、気体供給手段によって容器に気体を供給して、容器内の圧力を発泡性液体の製造タンク内の圧力と同等とするカウンタープレッシャータイプの発泡性液体の充填装置であって、発泡性液体の充填後に容器内を減圧する際に容器から溢れる液体を一旦貯留部に貯留しておき、次の容器への充填時に、貯留部に貯留されている発泡性液体を次の容器内に戻すことを最大の特徴とす
る。
【0008】
より詳しくは、内部に貯留された液体内に、所定の気体を通過させることにより、前記液体に前記気体を含有させ、発泡性液体を製造する製造タンクと、
容器が保持される容器保持手段と、
容器が前記容器保持手段に装着された状態で該容器を昇降させることが可能で、前記容器を前記容器保持手段に着脱する容器着脱位置と、前記容器に発泡性液体を充填する充填位置との間で前記容器を移動させる移動手段と、
前記移動手段が前記容器を前記充填位置まで移動させた状態で、前記容器の容器口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材が前記容器の容器口を塞いだ状態で、前記製造タンク内における前記気体を、前記蓋部材を経由して前記容器の内部に供給する気体供給手段と、
前記蓋部材が前記容器の容器口を塞いだ状態で、前記製造タンク内における発泡性液体を、前記蓋部材を経由して前記容器の内部に供給する液体供給手段と、
を備え、
前記液体供給手段によって前記容器に発泡性液体を供給する前に、前記気体供給手段によって前記容器に気体を供給して、容器内の圧力を前記製造タンク内の圧力と同等とするカウンタープレッシャータイプの発泡性液体の充填装置であって、
前記容器から溢れ出た発泡性液体を一時的に貯留する貯留部と、
前記容器から発泡性液体が溢れ出た際には、溢れ出た発泡性液体を前記貯留部に貯留するとともに、発泡性液体を次に充填すべき容器に充填する際に、前記液体供給手段によって発泡性液体を該次に充填すべき容器に供給する前に、前記貯留部に貯留されている発泡性液体を前記次に充填すべき容器に供給する貯留液充填手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
ここで前述のように、カウンタープレッシャータイプの発泡性液体の充填装置においては、発泡性液体を容器に充填する前に容器内の圧力を発泡性液体のタンク内の圧力と同等の圧力まで上昇させる。そうすることで、発泡性液体を容器内に充填した際に液体が発泡して含有する気体が抜けてしまうことを抑制している。しかしながら、充填後に容器内を減圧し大気圧に戻す際には、液体はある程度発泡し、場合により発泡した気泡とともに液体が容器から溢れ出る場合がある。従来は、この溢れ出た液体に関してはそのまま廃棄することが多く、発泡性液体を無駄にしてしまっていた。また、溢れ出た液体が容器の外面に付着することで、液体の充填後に容器の外面を洗浄する必要が生じる場合があった。
【0010】
それに対し、本発明においては、容器から溢れ出た発泡性液体を一時的に貯留する貯留部を備え、容器から発泡性液体が溢れ出た際には、溢れ出た発泡性液体を貯留部に貯留するとともに、次に発泡性液体を充填すべき容器(以下、単純に「次の容器」ともいう。)に発泡性液体を充填する際には、液体供給手段によって発泡性液体を次の容器に供給する前に、貯留部に貯留されている発泡性液体を貯留液充填手段によって、次の容器に供給することとした。
【0011】
これにより、容器の減圧時に容器内の液体が発泡し容器から溢れ出たとしても液体が無駄になることを抑制でき発泡性液体の製造効率を向上させることができる。また、容器から溢れ出た発泡性液体によって容器の外面が汚れることを抑制でき、発泡性液体の充填終了後に容器を洗浄する工程が必要となることを抑制できる。
【0012】
また、本発明において前記貯留液充填手段は、
前記製造タンクの気相部と前記貯留部とを連通するタンク貯留部連通路と、
前記充填位置における前記容器と前記貯留部とを前記蓋部材を貫通して連通する貯留部容器連通路と、
前記タンク貯留部連通路を開通または閉鎖することで、前記製造タンクの気相部における気体の前記貯留部への供給を許可または禁止するタンク貯留部連通弁と、
前記貯留部容器連通路を開通または閉鎖する貯留部容器連通弁と、
を有することとしてもよい。
【0013】
すなわち、製造タンク内において気体が充満している気相部と貯留部とをタンク貯留部連通路で連通させるとともに、貯留部と容器とを貯留部容器連通路で連通させる。そして、タンク貯留部連通弁と貯留部容器連通弁の開閉を制御することで、製造タンクの気相部と貯留部との間の連通と、貯留部と容器との間の連通を制御する。
【0014】
これによれば、容器から溢れ出た液体が貯留部に貯留されている際に、タンク貯留部連通弁と貯留部容器連通弁の両方を開弁することで、貯留部内の液体には製造タンク側から製造タンクの気相部と同等の圧力を作用させることができる。一方、次の容器内はこの時点ではまだ大気圧であることから、貯留部内の液体に作用した圧力によって液体を次の容器内に戻すことが可能となる。その結果、簡単な構成及び簡単な制御により、貯留部内に貯留した発泡性液体を次の容器に戻すことが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、前記貯留液充填手段は、
前記タンク貯留部連通路における、前記タンク貯留部連通弁と前記貯留部との間から分岐する排出路と、
前記排出路を開通または閉鎖する排出路開閉弁と、
をさらに有するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明においては、前記容器から発泡性液体が溢れ出た際には、前記貯留部容器連通弁と前記排出路開閉弁とを開弁し前記タンク貯留部連通弁を閉弁することで、溢れ出た発泡性液体を前記貯留部に導くとともに、
発泡性液体を前記次に充填すべき容器に充填する際には、前記液体供給手段によって発泡性液体を前記容器に供給する前に、前記タンク貯留部連通弁と前記貯留部容器連通弁とを開弁することで前記貯留部に貯留されている発泡性液体を前記次に充填すべき容器に供給するようにしてもよい。
【0017】
ここで、減圧する前の容器内は、前述のように製造タンクの気相部と同等の圧力になっている。この状態で、貯留部容器連通弁だけを開弁した場合、少なくとも貯留部内が製造タンクの気相部の圧力より低い圧力になっており、さらに溢れ出た発泡性液体が貯留部に流入する際には貯留部内に元々あった気体の逃げ道がなければ、容器から溢れ出た発泡性液体を円滑に貯留部内に導くことが困難となる。
【0018】
そこで、本発明においては、貯留液充填手段は、タンク貯留部連通路におけるタンク貯留部連通弁と貯留部との間から分岐する排出路と、この排出路を開通または閉鎖する排出路開閉弁とを有するようにした。そうすれば、容器内を減圧する際に、貯留部容器連通弁と排出路開閉弁とを開弁することで、貯留部内の圧力を一旦大気圧にすることができ、さらに容器から溢れ出た液体が貯留部に流入する際には貯留部内の気体を排出路から外部に逃がすことができ、より円滑に貯留部に溢れ出た発泡性液体を導くことが可能となる。また、本発明では、発泡性液体を次に充填すべき容器に充填する際には、液体供給手段によって発泡性液体を容器に供給する前に、タンク貯留部連通弁と貯留部容器連通弁とを開弁することで、製造タンクの気相部と容器とを連通させ、製造タンクから流入する気体によって、貯留部に貯留されている発泡性液体を次に充填すべき容器に供給することができる。
【0019】
また、本発明においては、前記容器に前記液体供給手段で前記発泡性液体を供給するこ
とにより前記容器への前記発泡性液体が充填された後に、
前記貯留部容器連通弁または前記排出路開閉弁の少なくとも一方を所定間隔で断続的に開弁することにより、前記容器内の圧力を減圧するようにしてもよい。
【0020】
上述したように、発泡性液体の充填後に容器を減圧することにより容器内の発泡性液体が発泡し容器から溢れ出る場合がある。そして、減圧時の圧力の変化が大きい場合や発泡性液体の温度によっては、容器から溢れ出る発泡性液体の量が多く、貯留部を通り越して排出路から外部に排出されてしまうおそれもある。従って、貯留部を設けていたとしてもさらに排出路から発泡性液体が排出されてしまい無駄になってしまう場合があった。また、容器の減圧時における発泡性液体の発泡は少ない方がよいことは当然である。
【0021】
これに対し本発明においては、容器の減圧時に貯留部容器連通弁または排出路開閉弁の少なくとも一方を所定間隔で断続的に開弁するようにした。これにより、減圧時の容器内の圧力の低下速度を遅くする(減圧を緩やかにする)ことができる。これにより容器の減圧時の発泡を抑えることができるので、容器から溢れ出る発泡性液体の量を減少させることができる。これにより、より確実に発泡性液体の無駄を抑制することが可能となる。また、容器内の発泡性液体に含有される気体の量の減少を抑制することが可能となる。
【0022】
また、本発明においては、前記製造タンクは、前記充填位置における前記容器より高い位置に配置され、
前記液体供給手段は、前記製造タンク内の発泡性液体を自重で落下させることにより前記容器に供給するようにしてもよい。
【0023】
一般的には、製造タンクは充填装置とは別の箇所に設置され、ここで発泡性液体を製造した後に、製造された発泡性液体を一旦別タンクで待機させ、この待機している発泡性液体を容器に供給する構成が多かった。しかしながら、この従来の構成では、製造タンクから別タンクまでポンプで発泡性液体を移動させるなど、装置の構成が複雑になる不都合があった。また、製造タンクから充填装置までの発泡性液体の移動経路が長くなるため、発泡性液体を冷却させる際には冷却範囲が広くなってしまい、ランニングコストが増大するとともに、充填装置の設置場所の温度にも影響を及ぼすなどの不都合があった。
【0024】
そこで、本発明においては、製造タンクを、充填位置における容器より高い位置に配置し、液体供給手段は、製造タンク内の発泡性液体を自重で落下させることにより容器に供給するようにした。
【0025】
これによれば、製造タンク内で液体に気体を通過させることで発泡性液体を製造し、そのままその発泡性液体を自重で落下させて容器に供給することが可能である。これにより、製造された発泡性液体を容器に供給する機構の簡略化が可能となる。また、発泡性液体を製造してから容器に供給するまでの経路が短くなり、冷却に必要な電力を低減することが可能となる。
【0026】
また、本発明においては、前記気体供給手段は、
前記充填位置における前記容器と前記製造タンクの気相部とを前記蓋部材を貫通して連通する気体供給路と、
前記気体供給路を開通または閉鎖することで、前記製造タンクの気相部における気体の前記容器への供給を許可または禁止する気体供給弁と、
を有するようにしてもよい。
【0027】
こうすれば、蓋部を介して容器内に気体を供給し、より容易な構成及び制御で容器内の圧力を製造タンクの気相部の圧力と同等にまで上昇させることができる。
【0028】
また、本発明においては、前記液体供給手段は、
前記充填位置における前記容器と前記製造タンクの液相部とを前記蓋部材を貫通して連通する液体供給路と、
前記液体供給路を開通または閉鎖することで、前記製造タンクの液相部における液体の前記容器への供給を許可または禁止する液体供給弁と、
を有するようにしてもよい。
【0029】
こうすれば、より容易な構成及び制御で蓋部を介して容器内に発泡性液体を供給することができる。
【0030】
また、本発明に於いては、前記充填位置における前記容器と前記製造タンクの気相部とを、前記気体供給路とは別に前記蓋部材を貫通して連通するバイパス路と、
前記バイパス路を開通または閉鎖することで、前記製造タンクの気相部における気体の前記容器への供給または、前記容器内の気体の前記製造タンクの気相部への回収を許可または禁止するバイパス弁と、を有するようにしてもよい。
【0031】
これによれば、液体供給手段によって製造タンクで製造された発泡性液体を容器に供給する際には、容器内に元々存在した気体を発泡性液体と交換して製造タンクに戻すことができるので、発泡性液体の自重だけでより円滑に発泡性液体を容器内に供給し充填することが可能となる。
【0032】
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明にあっては、比較的小型で、発泡性液体を特に一本から数本程度の容器に充填するのに適した発泡性液体の充填装置であって、充填操作を半自動的に行えるようにするとともに、充填終了時に容器から発泡性液体が溢れ出る不都合を抑制でき、発泡性液体の無駄を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例における炭酸水の充填機の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例における炭酸水の充填機の容器保持装置の概略構成及び作動を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例における炭酸水の充填機の移動台の概略構成及び作動を説明するための図である。
【図4】本発明の実施例における炭酸水の充填機の炭酸水と炭酸ガスの流れに関する構成の説明図である。
【図5】本発明の実施例における炭酸水の充填機の炭酸水と炭酸ガスの流れを示す第1番目の図である。
【図6】本発明の実施例における炭酸水の充填機の炭酸水と炭酸ガスの流れを示す第2番目の図である。
【図7】本発明の実施例における炭酸水の充填機の炭酸水と炭酸ガスの流れを示す第3番目の図である。
【図8】本発明の実施例における炭酸水の充填機の炭酸水と炭酸ガスの流れを示す第4番目の図である。
【図9】本発明の実施例における炭酸水の充填機の炭酸水と炭酸ガスの流れを示す第5番目の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る発泡性液体の充填装置について、図面を参照して詳細に説明する。〔実施例1〕
【0036】
図1には、本発明の実施例に係る発泡性液体の充填機1(以下、単に「充填機」ともいう)の概略構成について示す。充填機1は、発泡性液体を容器に充填する充填機本体2と、発泡性液体を製造する製造タンクとしてのタンク3より成る。タンク3においては液体が貯えられて液相部(不図示)が形成されるとともに、特定の気体が所定高圧(例えば1.2〜1.5KPa程度、本実施例では1.2KPaとする。)で充填され気相部(不図示)が形成されている。また、特定の気体は液相部の中に設けられたストーン(不図示)から発泡されることで液体に溶解され発泡性液体が製造される。また、タンク3には冷媒ガスが通過する冷却管(不図示)が備えられており、タンク3に貯えられた液体は冷却されるようになっている。以下、液体は水であり特定の気体は炭酸ガスである場合(発泡性液体は炭酸水)を例にとって説明する。
【0037】
充填機本体2では、充填部2aにおいて作業者が容器に炭酸水を充填する。また、充填機本体2には、温度制御盤2bが設けられ、この温度制御盤2bにより作業者がタンク3内の液体の温度を調節可能となっている。また、充填部2aの下側にはレギュレータ2gを備えており、タンク3内の圧力が調節可能となっている。このタンク3内の圧力は圧力メータ2eで確認することができる。充填部2aには、容器載置台4が設けられ、炭酸水の充填時に作業者は容器を容器載置台4上に載置する。また、充填部2aには、容器保持手段としての容器支持装置6a、6bが備えられている。この容器支持装置6a、6bにより、載置された容器が上下動可能に支持される。
【0038】
また、容器載置台4には、移動手段としての2個の移動台5a、5bが設けられている。この移動台5a、5bは、フッ素樹脂などの樹脂材料で形成されているが材質はこれに限られない。もちろん、樹脂以外の金属、セラミックなどで構成されてもよい。また、この移動台5a、5bは、図示しないエアシリンダの作動により上下に移動可能であり、移動台5a、5bが上下動することで、移動台5a、5b上に載置された容器が容器支持装置6a、6bに支持されたまま上下に移動する。
【0039】
また、また、充填部2aの天井部分には充填ノズル部10a、10bが設けられている。この充填ノズル部10a、10bによって、上側に移動した容器の容器口から炭酸水が容器内に導入される。
【0040】
本実施例における充填機1では、作業者が容器を容器載置台4の移動台5a、5bの上において、充填スイッチ2fをONすることで、容器に自動的に炭酸水が充填される。また、炭酸水の充填が終了した容器は移動台5a、5bの下降に伴い下降し、容器載置台4において作業者によって充填機1から取り出される。また、充填機1では2本の容器に同時に炭酸水の充填が可能となっている。
【0041】
次に、図2を用いて、容器支持装置6aの構成及び作動について詳しく説明する。なお、容器支持装置6bの構成及び作動は容器支持装置6aと同等であるので説明は省略する。図2(a)は容器支持装置6aの作動前の状態、図2(b)は容器支持装置6aの作動後の状態を示す。図2(a)、(b)の上段は平面図を、下段は正面図を示す。容器支持装置6aは、容器支持部材7a、7bとエアシリンダ8a、8bを有している。容器支持部材7a、7bは、装置の上方から見ると両端が屈曲した断面を有する板状の部材からなる。
【0042】
容器支持部材7aの材質も特に制限はないが、フッ素樹脂などの樹脂材料でも構わない
。また、金属の板材を曲げて形成してもよいし、金属の板材を曲げた上に、容器と接触する可能性がある部分に樹脂材料を固定して形成してもよい。
【0043】
容器に炭酸水を充填する場合には、まず図2(a)に示すように容器が容器載置台4における移動台5aの上に作業者によって載置される。次に作業者によって充填スイッチ2fがONされることにより、容器支持装置6aにおける容器支持部材7a及び7bが、図2(b)に示すようにシリンダ8a、8bの作動により容器側に移動し、容器が上下に運動可能な程度の隙間を残して停止する。この容器支持装置6aの作動により、容器が水平方向に移動したり傾いたりせず、上下運動可能な状態となる。
【0044】
次に、図3を用いて、移動台5aの作動及び充填ノズル部10aの働きについて説明する。移動台5bの作動及び充填ノズル部10bの働きについては、移動台5a及び充填ノズル部10aと同等なので説明は省略する。図3に示すように、充填ノズル部10aには、蓋部材としてのキャップ部11a、第1ノズル12a、第2ノズル13a、第4ノズル14aが設けられている。キャップ部11aは、容器方向から見て円形の天井と円筒状の側面からなる。図3(a)は、容器支持装置6aの作動後であって移動台5aの作動前の状態を示している。また、図3(b)は移動台5aの作動後の状態を示している。図3(a)に示すように、容器支持装置6aのみが作動した時点では、充填ノズル部10aは容器における容器口の上方に位置している。そして、移動台5aが作動した際には、容器は容器支持装置6aの容器支持部材7a及び7bに支持された状態で上方に移動し、容器口がキャップ部11aの天井面に当接した状態で停止する。
【0045】
この時点では、図3(b)に示すように、充填ノズル部10aの第1ノズル12a、第2ノズル13a及び第3ノズル14aは容器口から容器内に侵入した状態となる。そして、第1ノズル12aから炭酸水が容器内に充填される。充填が終了すると、移動台5aは最初の位置まで降下し、同様に容器も容器載置台4まで降下する。その後、作業者により容器が抜き取られて作業が完了する。上記の充填動作の時間を含んだ、一連の動作のタイミングは、図1中の第1タイマー2dで調節される。
【0046】
次に、図4を用いて、炭酸水の充填時の制御につき詳細に説明する。図4は、タンク3と充填ノズル部10aとの間の配管の概略構成について示す図である。図4においてタンク3には炭酸水の原料となる水が貯えられており、液相部3bを形成している。タンク3における液相部3b以外の部分には炭酸ガスが炭酸ガス管3eから1.2KPaの圧力で導入されており気相部3aを形成している。また、液相部3bの内部にはストーン3cが備えられており、ストーンガス管3dから炭酸ガスが供給されている。この炭酸ガスがストーン3cから水中に発泡することで炭酸ガスが水に溶解される。このことでタンク3において炭酸ガスを含有する炭酸水が製造される。
【0047】
充填ノズル部10aにおける第1ノズル12aは、上端において気体供給路としての炭酸ガス供給管15aと液体供給路としての炭酸水供給管16aに分岐する。炭酸ガス供給管15aは第1ノズル12aからの分岐点とは反対側でタンク3の気相部3aと接続されている。また、炭酸水供給管16aは第1ノズル12aからの分岐点とは反対側でタンク3の液相部3bと接続されている。炭酸ガス供給管15aには、炭酸ガス供給管15aを開通または閉塞させる気体供給弁としての炭酸ガス供給弁25aが設けられている。また、炭酸水供給管16aには、炭酸水供給管16aを開通または閉塞させる液体供給弁としての炭酸水供給弁26aが設けられている。
【0048】
次に、第2ノズル13aは貯留部容器連通路としてのセパレータノズル連通管17aに接続されている。このセパレータノズル連通管17aは第2ノズル13aとの接続部の反対側においてセパレータ18aに接続されている。このセパレータ18aは、後述のよう
に容器から溢れ出た炭酸水を一時的に貯留する貯留部に相当する。なお、セパレータノズル連通管17aはセパレータ18aの底部においてセパレータ18aに接続されている。また、セパレータノズル連通管17aには、このセパレータノズル連通管17aを開通または閉塞させる貯留部容器連通弁としてのセパレータノズル連通弁27aが設けられている。
【0049】
セパレータ18aとタンク3の気相部3aとはタンク貯留部連通路としてのタンクセパレータ連通管19aで連通されている。このタンクセパレータ連通管19aには、タンクセパレータ連通管19aを開通または閉塞させるタンク貯留部連通弁としてのタンクセパレータ連通弁29aが設けられている。また、タンクセパレータ連通管19aにおけるタンクセパレータ連通弁29aとセパレータ18aとの間の部分からは、排出路としてのドレン管20aが分岐している。このドレン管20aには、ドレン管20aを開通または閉塞させる排出路開閉弁としてのドレン弁30aが設けられている。
【0050】
次に、第3ノズル14aは吐出口と反対側においてバイパス路としてのバイパス管21aに接続されている。このバイパス管21aは第3ノズル14aとの接続部と反対側においてタンク3の気相部3aと接続されている。このバイパス管21aには、バイパス管21aを開通または閉塞させるバイパス弁31aが設けられている。
【0051】
次に、図5〜図9を用いて、炭酸水の容器への充填時の作動を詳しく説明する。まず充填時には、前述のように容器が移動台5aの作動によって上昇し、容器の容器口が充填ノズル部10aのキャップ部11aにおける天井部に当接した状態となるのは前述のとおりである。これにより、容器の内部と外部との直接の液体または気体の流通が遮断される。なお、この状態では、炭酸ガス供給弁25a、炭酸水供給弁26a、バイパス弁31a、セパレータノズル連通弁27a、タンクセパレータ連通弁29a、ドレン弁30aは全て閉弁している。
【0052】
この状態から、まず図5に示すようにタンクセパレータ連通弁29a、セパレータノズル連通弁27aが開弁する。なお、以下の図では理解の便宜のため、開弁している弁は白、閉弁している弁はハッチングで示す。このことで、タンク3と容器とがセパレータ3を介して連通される。この時点において容器内は大気圧であるので、タンク3の気相部3aから容器に炭酸ガスが流入する。その際にもし、セパレータ18a内に液体が存在する場合には、炭酸ガスに押される形で容器内に供給される。
【0053】
次に図6に示すように、タンクセパレータ連通弁29a、炭酸ガス供給弁25a、炭酸水供給弁26aが閉弁し、バイパス弁31a、セパレータノズル連通弁27a、ドレン弁30aが開弁した状態となる。そうすることで、タンク3の気相部3aと容器とがバイパス管21aと第3ノズル14aとで連通される。そうすると、今度はタンク3からの炭酸ガスがバイパス管21a及び第3ノズル14aを通じて容器内に流入する。その際、バイパス管21a内に残留する液体がある場合には、炭酸ガスに押される形で容器内に供給される。なお、その際、容器内に元々存在した気体は、セパレータノズル連通管17a。セパレータ18a、タンクセパレータ連通管19a、ドレン管20aを経由して外部に排出される。
【0054】
次に、図7に示すように、バイパス弁21a、炭酸水供給弁26a、タンクセパレータ連通弁29aが閉弁し、炭酸ガス供給弁25a、セパレータノズル連通弁27a、ドレン弁30aが開弁する状態となる。そうすることで、タンク3の気相部3aと容器とが炭酸ガス供給管15a及び第1ノズル12aを介して連通され、タンク3から容器に炭酸ガスが供給される。その際、容器内にまだ酸素などが残っている場合には、セパレータノズル連通管17a。セパレータ18a、タンクセパレータ連通管19a、ドレン管20aを経
由して外部に排出される。その後、容器内が炭酸ガスで満たされたと考えられる時期に、ドレン弁30a及びセパレータノズル連通弁27aが閉弁する。このことで、容器内の圧力が気相部3aと同じ1.2KPaまで高められる。ここでは、気体供給手段が、炭酸ガス供給管15a、炭酸ガス供給弁25a、第1ノズル12aを含んで構成されている。
【0055】
次に、図8に示すように、炭酸ガス供給弁25a、セパレータノズル連通弁27a、タンクセパレータ連通弁29a、ドレン弁30aが閉弁し、炭酸水供給弁26aとバイパス弁21aとが開弁された状態となる。そのことによって今度は、炭酸水供給管16aと第1ノズル12aとを介して炭酸水が容器に供給される。なお、この際、容器内の圧力は既に1.2KPaであるが、炭酸水は、自重により液体が容器内に落下する形で供給される。一方、容器内に満たされていた炭酸ガスは、容器内に炭酸水が供給されることで、第3ノズル14a、バイパス管21aを通過してタンク3の気相部3aに戻される。ここでは、液体供給手段が、炭酸水供給管16a、炭酸水供給弁26a、第1ノズル12aを含んで構成されている。
【0056】
これにより炭酸水が容器内に充填される。また、この際、炭酸水が充填され、炭酸水の水面が第3ノズル14aに達した時点で、容器内の炭酸ガスが第3ノズル14aから逃げなくなるので、炭酸水の供給が停止する。その後、炭酸水供給弁26aとバイパス弁31aとは閉弁される。
【0057】
次に、図9に示すように、炭酸ガス供給弁25a、炭酸水供給弁26a、タンクセパレータ連通弁29a、バイパス弁31aが閉弁され、セパレータノズル連通弁27a及びドレン弁30aが開弁された状態となる。これにより、容器内の炭酸ガスがセパレータノズル連通管17a、セパレータ18a、ドレン管20aを通過して外部に排出される。これにより容器内の圧力が大気圧に減圧される。
【0058】
ここで、容器内が1.2KPaから大気圧に減圧される際には、容器内に充填された炭酸水において炭酸ガスが発泡し、発泡状態の炭酸水が容器口から溢れだす場合がある。そのような場合は、本発明においては、溢れ出た炭酸水はセパレータノズル連通管17aを通過してセパレータ18aに導かれ、このセパレータ18a内に貯留される。本実施例においては、このことにより、溢れ出した炭酸水が容器外にこぼれ、容器の外面や装置を汚してしまうことを抑制できる。また、このことで炭酸水の無駄を抑制できる。
【0059】
容器内の圧力が大気圧に戻り、炭酸水の発泡が収まるのに充分な時間が経過した後、移動台5aが下降して容器は容器載置台4に載置された状態となる。以上の一連の作動によって容器への炭酸水の充填は完了し、作業者によって炭酸水の充填された容器が引き抜き可能な状態となる。また、この際、セパレータ18aには、溢れ出た炭酸水が貯留された状態となっている。
【0060】
そして、作業者により次の容器が容器載置台4に載置され、充填スイッチ2fがONされた場合には、次の容器は移動台5aの作動によって上昇し、図3(b)の状態となる。そして、図5に示すように、タンクセパレータ連通弁29a、セパレータノズル連通弁27aが開弁し、炭酸ガス供給弁25a、炭酸水供給弁26a、バイパス弁31a、ドレン弁30aが閉弁した状態となる。このことで、タンク3と容器とがタンクセパレータ連通管19a、セパレータ18a、セパレータノズル連通管17aを介して連通される。従って、その際に、セパレータ18a内に貯留された炭酸水も、炭酸ガスに押される形で容器内に供給される。従って、本発明においては、カウンタープレッシャー方式の充填装置において容器内を減圧する際に容器から溢れ出た炭酸水を、次の容器に戻すことができるので、炭酸水が無駄になることを抑制できる。
【0061】
なお、本実施例において、貯留液充填手段は、セパレータノズル連通管17a、タンクセパレータ連通管19a、ドレン管20a、セパレータノズル連通弁27a、タンクセパレータ連通弁29a、ドレン弁30aを含んで構成される。また、各弁の開閉の制御がCPU(不図示)及び、メモリーに記憶されたプログラムによって実現される場合には、CPU及びメモリーを含んで構成されてもよい。また、ドレン管20aには、図9のようにセパレータノズル連通弁27a及びドレン弁30aが開弁された状態で、セパレータノズル連通管17a、セパレータ18a、ドレン管20aを通過して外部に排出される炭酸ガスの量を調節可能な弁(例えばニードルバルブ弁(不図示))を設けてもよい。このことにより、容器の減圧時における容器内の圧力変化を抑え、炭酸水における発泡を抑えることが可能である。
〔実施例2〕
【0062】
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例は、炭酸ガスの容器への充填が終了して容器内を減圧する時点、すなわち図9の状態でセパレータノズル連通弁27a及びドレン弁30aが開弁される際に、ドレン弁30aを全閉状態から全開状態に一度で移行するのではなく、ドレン弁30aの開閉を繰り返すことで容器内の圧力を緩やかに減圧する例である。
【0063】
本実施例においては、図9の状態でセパレータノズル連通弁27a及びドレン弁30aが開弁される際に、所定の待機時間に亘りドレン弁30aの開閉を繰り返す。具体的には開弁時間0.5秒、閉弁時間1.5秒で開閉を約15秒間繰り返した。こうすることにより、炭酸水の充填終了後の容器内の圧力の減圧を緩やかにすることができる。これにより、減圧時の炭酸水の発泡を抑制でき、減圧時に炭酸水が容器から溢れ出ることを抑制することができる。
【0064】
なお、ドレン弁30aの開閉を繰り返すにあたっての開弁時間、閉弁時間及び待機時間は上記の時間に限られない。発泡性液体の種類やガスの種類、発泡性液体の温度、設定圧力などにより変更しても構わない。ドレン弁30aの繰り返し開閉についての開弁時間、閉弁時間、開閉の待機時間は、図1に示す第2タイマー2cで様々な値に調節可能である。また、本実施例では、容器内が1.2KPaから大気圧に減圧される際にドレン弁30aの開閉を繰り返すこととしたが、開閉を繰り返す弁はこれに限られない。セパレータノズル連通弁27aの開閉を繰り返すようにしてもよいし、ドレン弁30aとセパレータノズル連通弁27aの両方の開閉を繰り返すようにしてもよい。
【0065】
また、上記の実施例においては、発泡性液体の原料となる液体を水、発泡性液体に含有させる気体を炭酸ガスとした例について説明したが、本発明を適用するものはこれらの組み合わせに限られないことは当然である。例えば上記の液体は、砂糖などの調味料、果汁などを含んだ飲料の他、コーヒー、茶、牛乳、豆乳、ココアなど飲料であってもよい。さらに、ワインなどの果実酒、日本酒、焼酎などの酒類でも構わない。さらに、飲料、酒類以外の液体であってもよい。また、含有されるガスは炭酸ガスの他の不活性ガス、窒素、水素などであってもよい。
【符号の説明】
【0066】
1・・・充填機
2・・・充填機本体
2a・・・充填部
2b・・・温度制御盤
2c・・・第2タイマー
2d・・・第1タイマー
2e・・・圧力メータ
2f・・・充填スイッチ
2g・・・レギュレータ
3・・・タンク
4・・・容器載置台
5a、5b・・・移動台
6a、6b・・・容器支持装置
7a、7b・・・容器支持部材
8a、8b・・・エアシリンダ
10a、10b・・・充填ノズル部
11a・・・キャップ部
12a・・・第1ノズル
13a・・・第2ノズル
14a・・・第3ノズル
15a・・・炭酸ガス供給管
16a・・・炭酸水供給管
17a・・・セパレータノズル連通管
18a・・・セパレータ
19a・・・タンクセパレータ連通管
20a・・・ドレン管
21a・・・バイパス管
25a・・・炭酸ガス供給弁
26a・・・炭酸水供給弁
27a・・・セパレータノズル連通弁
29a・・・タンクセパレータ連通弁
30a・・・ドレン弁
31a・・・バイパス弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に貯留された液体内に、所定の気体を通過させることにより、前記液体に前記気体を含有させ、発泡性液体を製造する製造タンクと、
容器が保持される容器保持手段と、
容器が前記容器保持手段に装着された状態で該容器を昇降させることが可能で、前記容器を前記容器保持手段に着脱する容器着脱位置と、前記容器に発泡性液体を充填する充填位置との間で前記容器を移動させる移動手段と、
前記移動手段が前記容器を前記充填位置まで移動させた状態で、前記容器の容器口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材が前記容器の容器口を塞いだ状態で、前記製造タンク内における前記気体を、前記蓋部材を経由して前記容器の内部に供給する気体供給手段と、
前記蓋部材が前記容器の容器口を塞いだ状態で、前記製造タンク内における発泡性液体を、前記蓋部材を経由して前記容器の内部に供給する液体供給手段と、
を備え、
前記液体供給手段によって前記容器に発泡性液体を供給する前に、前記気体供給手段によって前記容器に気体を供給して、容器内の圧力を前記製造タンク内の圧力と同等とするカウンタープレッシャータイプの発泡性液体の充填装置であって、
前記容器から溢れ出た発泡性液体を一時的に貯留する貯留部と、
前記容器から発泡性液体が溢れ出た際には、溢れ出た発泡性液体を前記貯留部に貯留するとともに、発泡性液体を次に充填すべき容器に充填する際に、前記液体供給手段によって発泡性液体を該次に充填すべき容器に供給する前に、前記貯留部に貯留されている発泡性液体を前記次に充填すべき容器に供給する貯留液充填手段と、
をさらに備えることを特徴とする発泡性液体の充填装置。
【請求項2】
前記貯留液充填手段は、
前記製造タンクの気相部と前記貯留部とを連通するタンク貯留部連通路と、
前記充填位置における前記容器と前記貯留部とを前記蓋部材を貫通して連通する貯留部容器連通路と、
前記タンク貯留部連通路を開通または閉鎖することで、前記製造タンクの気相部における気体の前記貯留部への供給を許可または禁止するタンク貯留部連通弁と、
前記貯留部容器連通路を開通または閉鎖する貯留部容器連通弁と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の発泡性液体の充填装置。
【請求項3】
前記貯留液充填手段は、
前記タンク貯留部連通路における、前記タンク貯留部連通弁と前記貯留部との間から分岐する排出路と、
前記排出路を開通または閉鎖する排出路開閉弁と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の発泡性液体の充填装置。
【請求項4】
前記容器から発泡性液体が溢れ出た際には、前記貯留部容器連通弁と前記排出路開閉弁とを開弁し前記タンク貯留部連通弁を閉弁することで、溢れ出た発泡性液体を前記貯留部に導くとともに、
発泡性液体を前記次に充填すべき容器に充填する際には、前記液体供給手段によって発泡性液体を前記容器に供給する前に、前記タンク貯留部連通弁と前記貯留部容器連通弁とを開弁することで前記貯留部に貯留されている発泡性液体を前記次に充填すべき容器に供給することを特徴とする請求項3に記載の発泡性液体の充填装置。
【請求項5】
前記容器に前記液体供給手段で前記発泡性液体を供給することにより前記容器への前記発泡性液体が充填された後に、
前記貯留部容器連通弁または前記排出路開閉弁の少なくとも一方を所定間隔で断続的に開弁することにより、前記容器内の圧力を減圧することを特徴とする請求項4に記載の発泡性液体の充填装置。
【請求項6】
前記製造タンクは、前記充填位置における前記容器より高い位置に配置され、
前記液体供給手段は、前記製造タンク内の発泡性液体を自重で落下させることにより前記容器に供給することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の発泡性液体の充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−56616(P2012−56616A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203606(P2010−203606)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 博覧会名 飲料製造・流通システム展2010 JAPAN BEV−TECH 2010 主催者名 株式会社食品新聞社 開催日 平成22年5月19日から5月21日
【出願人】(506160710)有限会社村上商店 (2)
【Fターム(参考)】