発熱体及びフィルムシール装置
【課題】発熱体を所定の温度に加熱するためのトランス、及び長手方向に張力を付与するための構造が不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能な発熱体、及びこれが設けられたフィルムシール装置を提供する。
【解決手段】樹脂製フィルムFのシール部を熱融着するためのヒーター6であって、長尺の金属板で構成されており、長手方向の両側に所定間隔で交互にスリット62が形成され、金属板が折り曲げられることにより、中空部61aを有する突条61が長手方向に形成されていることを特徴とする。
【解決手段】樹脂製フィルムFのシール部を熱融着するためのヒーター6であって、長尺の金属板で構成されており、長手方向の両側に所定間隔で交互にスリット62が形成され、金属板が折り曲げられることにより、中空部61aを有する突条61が長手方向に形成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着するための発熱体、及びこれが設けられたフィルムシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかるフィルムシール装置は、例えば、下記特許文献1,2,3に開示されている。樹脂製フィルムなどで形成される被シール物のシール部を圧着する圧着面を有する圧着体と、被シール物のシール部を加熱する加熱部を有しており、この加熱部にはヒーターが設けられている。ヒーターに電流を流すことでヒーターを加熱させ、シール部を熱融着することでシール部をシールするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−46186号公報
【特許文献2】特開2005−11687号公報
【特許文献3】特開2006−290379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ヒーターは、シールしたいシール部の幅に対応して幅方向に延びた平板状をしている。また、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ、このシール部を切断するために、ヒーターの断面をT字状にしたり、ヒーターの表面に断面T字状の刃を取り付けたり、ヒーターの表面に丸線を載置したりして、平板状のヒーターの表面にフィルム切断用の突条を形成することがある。
【0005】
しかしながら、このような平板状のヒーターは電気抵抗が小さく、樹脂製フィルムが溶融可能な所定の温度までヒーターを加熱するためには、ヒーターの抵抗値に見合ったトランス(変圧器)が別途必要となる。トランスは、値段が高く、装置全体のコストを上げてしまう。また、トランスは、部品点数や重量の増加にも繋がる。
【0006】
さらに、一般にヒーターは金属製であって、加熱されると熱膨張し、長手方向に伸びるため弛みが生じる。その状態でシールすると、ヒーターが折れ曲がり破損する。そのため、フィルムシール装置には、加熱時の熱膨張による伸びを吸収するために、ヒーターの長手方向に張力を付与する構造が設けられ、フィルムシール装置の構造の複雑化、コストアップに繋がってしまっていた。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、発熱体を所定の温度に加熱するためのトランス、及び長手方向に張力を付与するための構造が不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能な発熱体、及びこれが設けられたフィルムシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係る発熱体は、
樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着するための発熱体であって、
長尺の金属板で構成されており、
長手方向の両側に所定間隔で交互にスリットが形成され、
前記金属板が折り曲げられることにより、中空部を有する突条が前記長手方向に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成による発熱体の作用効果を説明する。本発明の発熱体は、長尺の金属板で構成されており、電流を流すことで発熱し、樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着することができる。このとき、発熱体の電気抵抗が大きいほど、発熱体が発生する熱量も大きくなる。本発明の発熱体は、金属板の長手方向の両側に所定間隔で交互にスリットが形成されているため電気抵抗が大きく、その結果、発熱量も大きくなり、トランスを用いることなく発熱体を所定の温度に加熱することができる。また、形成するスリットの間隔と切り込み深さを調整することで、電気抵抗値を任意に調整することができる。さらに、本発明の発熱体は、多数のスリットが設けられているため、個々のスリット間が狭くなることにより、加熱時の熱膨張による伸びを吸収することができる。その結果、本発明の発熱体は、長手方向に張力を付与する構造が不要である。
【0010】
また、本発明の発熱体は、長手方向に突条が形成されている。これにより、発熱体は、シール部を熱融着するのみではなく、熱融着されたシール部の幅内で樹脂製フィルムを切断(溶断)することができる。また、本発明の発熱体は、金属板を折り曲げることにより、中空部を有するように突条を形成しているため、突条を設けることによる電気抵抗値の低下がない。したがって、本発明の発熱体によれば、発熱体を所定の温度に加熱するためのトランス、及び長手方向に張力を付与するための構造が不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能である。
【0011】
本発明の発熱体において、前記突条と前記スリットは直交していることが好ましい。
【0012】
突条により樹脂製フィルムを切断する場合、突条には力が加わるために変形するおそれがあるが、スリットを突条と直交する向きに形成することで突条の強度低下が抑えられる。
【0013】
本発明の発熱体において、前記中空部には、熱伝導性の絶縁体が充填されていることが好ましい。
【0014】
中空部があると突条が過熱されやすいため、中空部に熱伝導性の絶縁体を充填することで、突条の温度を適切に調節することができる。
【0015】
また、上記課題を解決するため本発明に係るフィルムシール装置は、
フィルム圧着手段により樹脂製フィルムのシール部を圧着するとともに加熱してシールし、シールされた前記シール部の幅内で前記樹脂製フィルムを切断するため、前記フィルム圧着手段に上記特徴構成を有するいずれかの発熱体が設けられていることを特徴とする。
【0016】
このフィルムシール装置に設けられる発熱体の作用効果はすでに述べたとおりであり、本発明のフィルムシール装置は、発熱体を所定の温度に加熱するためのトランスが不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィルムシール装置の半断面斜視図
【図2】図1のフィルムシール装置のカバーを取り外したフィルムシール装置本体を示す斜視図(フィルムを装着する前の状態)
【図3】図2のフィルムシール装置本体の平面図
【図4】図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た斜視図
【図5】図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た平面図
【図6】図2のフィルムシール装置本体の正面図
【図7】図3のVII−VII断面図
【図8】ヒーターの斜視図
【図9】ヒーターの三面図
【図10】別実施形態にかかるヒーターの斜視図
【図11】シール動作を説明する加熱パターン図
【図12】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図13】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図14】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図15】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図16】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図17】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図18】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図19】(イ)〜(ホ)は熱融着動作の細部を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<フィルムシール装置の構成>
本発明にかかるフィルムシール装置の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るフィルムシール装置の半断面構造を示し、図2はカバーを取り外し、フィルムを装着していない状態のフィルムシール装置本体を示し、図3は、フィルムシール装置本体の平面構造を示し、図4は、図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た斜視構造を示し、図5は、図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た平面構造を示す。図6はカバーを取り外した後の正面構造を示し、図7は図3のVII−VII断面構造を示す。
【0019】
このフィルムシール装置Sは、図1に示すように、4本の脚部S3を下方に向けて延設したフィルムシール装置本体S1と、その下部に内容物を収納してシールした包装体を一時的に貯留する、引き手付きの包装体貯留ケースS2とから構成されている。
【0020】
フィルムシール装置本体S1は、図2,3に示すように、比較的面積の広い支持プレート1の上におわん状に形成されたガイド部材2が取り付けられて構成されている。ガイド部材2は、側面2aがテーパ状に形成されており、底部にガイド孔2bが形成されている。図1は、折り畳んだ状態のチューブ状フィルムFを装着した状態を示す。ガイド部材2の周囲が、フィルム装着部として機能する。支持プレート1の下面側には、フィルムをシールして切断するための機構部3が装着されている。なお、図2,3における図番38は把手である。
【0021】
環状に折り畳んだ状態のフィルムFをセッティングする時の操作は、後述するように、折り畳んだフィルムFの一番外側の部分を手で持ち上げて、ガイド部材2の中のガイド孔2bから見える搬送ローラ対32に挟持される位置まで押し込めばよい。その後、搬送ローラを駆動することで、フィルムFは下方に引き込まれていく。
【0022】
次に、機構部3について説明する。図4は、フィルムシール装置本体(脚部は省略)を裏面側から見た斜視図である。図5は、フィルムシール装置を裏面側から見た平面図である。図6は、機構部の側面図であり、図7は、図3のVII−VII断面図であり、図6の機構部の側断面図に相当する。
【0023】
まず、フィルムシール部の機能について説明する。第1圧着体4と第2圧着体5とが設けられており、図7にも示すように、これら第1・第2圧着体4,5は、お互いに離間した待機位置と、圧着面が互いに接触してフィルムFを圧着する圧着位置との間を移動可能(矢印A,B参照)に構成される。第1・第2圧着体4,5の圧着面4a,5a(フィルム圧着手段に相当)は、フィルムFのシール部の形状に対応して幅方向に延びたライン状に形成されている。第1圧着体4の圧着面4aには、加熱手段であるライン状に延びたヒーター6(発熱体に相当)が取り付けられている。ヒーター6は、金属製の抵抗体であり不図示の加熱回路により加熱される。また、ヒーター6には、後述する(図17の説明)ように、ヒーター6と同様にライン状に延びた突条61が形成されている。ヒーター6を覆うようにカバー部材が設けられている。カバー部材は、テフロン(登録商標)製のシート部材である。第2圧着体5の圧着面5aには、シリコンゴムスポンジ製の支持部材9が取り付けられている。一対の圧着面4a,5aどうしで、フィルムFを圧着する。
【0024】
ヒーター6の構成を説明する。図8はヒーター6の斜視図、図9はヒーター6の三面図である。ヒーター6は、長尺の金属板で構成されている。用いられる金属としては、ニッケルクロム合金、カンタル合金などが例示される。金属板の厚みとしては、0.1〜0.15mmが例示される。金属板の材質や厚みは、ヒーター6の加熱温度や強度に影響する。また、ヒーター6は、長さが150mm程度、幅が10mm程度である。ヒーター6の長さや幅は、フィルムFのシール部の長さや幅だけで決まるわけではなく、本発明はトランスを使用しない前提から、使用電圧が決まっているので、ヒーター6に必要とされる電気抵抗値により決まってくる。ヒーター6の長尺方向両端は、第1圧着体4へ取り付けるための略U字状の取り付け部となっている。
【0025】
ヒーター6は、長手方向の両側に所定間隔で交互にスリット62が形成されている。スリット62は、長手方向と垂直な方向であって、金属板の両側縁から中央部へ向かって設けられている。このようなスリット62は、金属板に対してエッチングなどにより形成することができる。本実施形態では、スリット62は全て同じ形状となっている。スリット62の幅は、この部分では加熱しないので、広くし過ぎるとシール出来ない部分が発生する。スリット62の幅は、フィルムFの溶着温度により適宜設定されるが、本実施形態では0.2〜0.3mm程度としている。隣り合うスリット62どうしの間隔d1は、すべて一定としている。間隔d1は、ヒーター6の電気抵抗値に影響し、加熱温度が変わるため、シールするフィルムFの溶着温度などにより適宜設定されるが、本実施形態では0.6mm程度としている。また、本実施形態では、一方の側縁から中央部へ向かって形成されたスリット62の先端と、他方の側縁との距離d2は、隣り合うスリット62どうしの間隔d1とほぼ同じとなっている。
【0026】
ヒーター6には、長手方向にライン状に延びた突条61が形成されている。突条61は、ヒーター6の幅方向中央に形成されている。突条61は、断面が略U字状となるように金属板を折り曲げることにより形成される。なお、突条61の断面は、略U字状のほか、図10に示すような略V字状、略半円形状などでもよい。突条61は、幅が1mm、高さが1.2mmのものが例示される。ただし、突条61の高さは、切断するフィルムFの厚みより+0.5mmまでとする。突条61が必要以上に高いと、相手面である支持部材9の高さも高くしなければならなくなる。
【0027】
また、突条61の内側は中空部61aとなっており、この中空部61aには熱伝導性の絶縁体(不図示)が充填されてもよい。熱伝導性のよい絶縁体としては、窒化アルミニウムなどが例示される。
【0028】
ヒーター6は、電気絶縁性に優れるポリイミド樹脂、フッ素樹脂などで全体を被覆される。
【0029】
ヒーター6は、初めに金属板にスリット62を形成し、全体を上記の樹脂で被覆する。その後、ポンチとダイスを用いて金属板をプレス成形することにより、突条61が形成される。金属板をプレス成形する際には、被覆した樹脂が破れないようにして金属板が折り曲げられる。なお、ヒーター6は、金属板にスリット62を形成した後に両面を樹脂で被覆しても、金属板の片面を樹脂で被覆した後にスリット62を形成し、その後、残りの面を樹脂で被覆するようにしてもよい。
【0030】
第1圧着体4の圧着面4aとは反対側の端面には、第1バネ支持軸10が2本植設されている。第1バネ支持軸10には、第1バネ11が挿入されている。第1バネ11は、第1付勢手段として機能し、圧縮コイルスプリングにより形成される。第2圧着体5の圧着面5aとは反対側の面にも、第2バネ支持軸12が2本植設されており、第1バネ11と同様に第2バネ13が挿入されている。第2バネ13は、第2付勢手段として機能する。
【0031】
第1圧着体4には、第1圧着体4に対して相対的に移動可能な第1挟持体14(フィルム挟持手段に相当)が取り付け支持されている。第1挟持体14は、第1圧着体4を囲うように側断面視で略コの字状に形成されている。第1挟持体14の先端部は挟持面14aとして機能し、シリコンゴム製の第1挟持部材15が取り付けられている。第1挟持体14の挟持面14aとは反対側の端面14bには、先ほど説明した第1バネ11が作用している。従って、第1圧着体4と第2圧着体5とが離間している位置では、第1バネ11の付勢力により、第1挟持体14の端面14bは、第1圧着体4の後端面4bに当接した状態である。また、この状態で挟持面14aは、圧着面4aよりも突出した状態に設定されている。
【0032】
第2圧着体5にも、第2圧着体5に対して相対的に移動可能な第2挟持体16(フィルム挟持手段に相当)が取り付け支持されている。第2挟持体16も、側断面視で略コの字状に形成されている。第2挟持体16の先端部は挟持面16aとして機能し、シリコンゴム製の第2挟持部材21が取り付けられている。第2挟持体16の挟持面16aとは反対側の端面16bには、第2バネ13が作用している。従って、第1圧着体4と第2圧着体5とが離間している位置では、第2バネ13の付勢力により、第2挟持体16の端面16bは、第2圧着体5の後端面5bに当接した状態である。また、この状態で挟持面16aは、圧着面5aよりも突出した状態に設定されている。
【0033】
第1挟持体14が第1圧着体4に対してスムーズに相対移動できるように、ガイドプレート17が第1圧着体4に対してネジ18により結合されている(図4参照)。第1圧着体4とガイドプレート17との間で、第1挟持体14がガイドされる。同様に、第2挟持体16が第2圧着体5に対してスムーズに相対移動できるように、ガイドプレート19が第2圧着体5に対してネジ20により結合されている。第2圧着体5とガイドプレート19との間で、第2挟持体16がガイドされる。
【0034】
第1・第2挟持体14,16は、第1・第2圧着体4,5よりも下方側に設けられる。すなわち、フィルムの送り方向の下流側に配置される。
【0035】
次に、フィルムシール部を駆動するシール駆動部の構成を説明する。シール駆動部は、駆動源としての駆動モータ22を備えている。駆動モータ22のモータ軸には駆動板23が結合されている。駆動リンク部材24が回転軸24a周りに回転可能に軸支されている。駆動リンク部材24には、回転軸24aから所定半径距離だけ離れた個所に第1リンク軸24bと第2リンク軸24cとが植設されている。駆動板23と第1リンク軸24bとは、連結バー25により連結されている。図4には示されていないが、駆動板23の回転中心から所定半径距離離れた個所に連結軸が植設されており、この連結軸と第1リンク軸24bとの間に連結バー25が掛け渡されている。連結軸において、駆動板23と連結バー25とは、相対的に回転自在であり、第1リンク軸24bにおいて、連結バー25と駆動リンク部材24とは、相対的に回転自在に連結される。
【0036】
第1圧着体支持プレート26には、第1圧着体4が固定された状態で支持される。第1圧着体支持プレート26の幅方向両側には、一対の側面部26aが形成されている。この側面部26aにリンク軸26bが植設される。このリンク軸26bと第1リンク軸24bとの間に、第1リンクレバー27が連結される。同様に、第2圧着体支持プレート28には、第2圧着体5が固定された状態で支持される。第2圧着体支持プレート28の幅方向両側には、一対の側面部28aが形成されている。この側面部28aにリンク軸28bが植設される。このリンク軸28bと第2リンク軸24cとの間に、第2リンクレバー29が連結される。以上のようなリンク機構により、フィルムシール部が駆動される。なお、同じリンク機構が幅方向の反対側の側面にも設けられている。駆動モータ22を駆動することで、駆動リンク部材24を回転させ、第1圧着体4と第2圧着体5とを同時に駆動させることができる。
【0037】
第1圧着体4と第2圧着体5をスムーズにガイドするためのガイド機構30が、第1・第2圧着体4,5の幅方向両側に設けられている。ガイド機構30は、フレーム部材31に固定される固定部分と、側面部26a,28aに固定される可動部分とを備える。
【0038】
フィルムFを送り出すためのフィルム駆動部として、搬送ローラ対32が設けられている。搬送ローラ対32は、幅方向に沿って2箇所に設けられている。2箇所の搬送ローラ対32の間をフィルムFが通過できるように構成される。搬送ローラ対32を駆動するための駆動モータ33が設けられており(図4参照)、不図示の伝達機構(減速機構)を介して搬送ローラ対32と連結されている。支持プレート1には、制御回路34(制御部に相当)が搭載されており、フィルムシール装置の各部の作動の制御を行う。なお、図7の図番8は、フィルムFの送りをガイドする受け板である。
【0039】
<シール動作の説明>
次に、図11の加熱パターン図と図12〜18の作動図とにより、フィルムFにシールを行うときの作動を説明する。予め、連続円筒状をしたフィルムFの底部を閉鎖して、上方のみ開口した袋状にするための運転を行う(図12〜17)。
【0040】
すなわち、フィルム装着部を構成するガイド部材2の周囲に、環状に折り畳んで配置されているフィルムの最外部を手で把持して引っ張り、中央方向に移動させて、搬送ローラ対32の位置にまで移動させる。この状態で、フィルムシール装置本体の前面操作パネル50に設けられているスイッチを入れる。このスイッチによる指令を受けて制御部40は、駆動モータ33を正転させる。これにより、搬送ローラ対32は送り方向に回転され(図12の矢印)、円筒状をしたフィルムFの両端部が搬送ローラ対32により挟持されて下方(図13の矢印)に送り出される。駆動モータ33を正転させる時間は、予めタイマーに設定されるようにしてもよいし、手動で所定時間経過後、駆動モータ33を停止させてもよい。これにより、フィルムFが所定量送り出され、フィルムFのシール部がヒーター6の位置にセットされる。シール部は、シールされる個所を指して呼ぶものであり、フィルムFに何らかの識別マークが付されていることを意味するものではない。もとより、そのような識別マークを付していてもよい。
【0041】
次に、駆動モータ33の停止と同時に、第1・第2圧着体4,5を駆動するため、駆動モータ22を回転(正転)させる。第1・第2圧着体4,5は、待機位置から、矢印で示すように、互いに近づく方向に駆動される(図14)。第1・第2圧着体4,5に夫々支持されている第1・第2挟持体14,16も同じように互いに近づく方向に駆動される。第1・第2圧着体4,5の圧着面4a,5aよりも、第1・第2挟持体14,16の挟持面14a,16aのほうが突出しているので、まず最初に挟持面14a,16a同士が当接する(図14)。これにより、第1・第2挟持体14,16は、これ以上移動できない状態となる。
【0042】
しかし、駆動モータ22は引き続き駆動状態にあり、第1・第2圧着体4,5は、さらに圧着面4a,5a同士が近づく方向に駆動される。このとき、第1バネ11と第2バネ13が徐々に圧縮されていく。圧着面4a,5a同士が当接した状態が図14及び図15に示される。駆動モータ22は、予め設定された所定時間だけ駆動された後、停止される。この停止と同時にヒーター6を加熱する。ヒーター6の加熱パターンは、図11に示されている通りである。
【0043】
ヒーター6は、常時は室温と同程度の低い温度状態であるが、加熱駆動をすることで、昇温して所定の加熱温度(T1)になる(図11。1次加熱)。この場合、ヒーター6に近接して(フィルムのシール部にも近接している)配置されている熱電対36により、ヒーター6によるフィルムシール部の加熱温度が検知されており、熱電対36からの検出結果の送信により、制御部40が所定の融着温度に達したと判断すると、制御部40によりON−OFF制御されるため、適正な融着温度で制御できる。もとより、フィルムの材質に応じた適正な設定温度と加熱時間は、予め求められている。
【0044】
これにより、フィルムの重なりの多い箇所と重なりの少ない箇所が混在しているもの、あるいは、バリアー性を高めるため中心にナイロン樹脂を配置し両面にポリエチレン樹脂を配置したラミネートフィルムのようなものでも、常時適正な融着温度で加熱・熱融着されることになる。従って、従来技術のように、フィルムシール部近傍の温度を直接測定することなく、フィルムの材質に応じて決められた溶融温度(所定電流値による通電)に、タイマーによる一定時間だけ加熱保持する方式に比べて、フィルムシール部を一層適正な融着温度に維持して保持できるため、シール不良を確実に低減できる。
【0045】
予め設定された所定の加熱時間が経過すると、ヒーター6をオフにし、ヒーター6は自然に冷却され、温度が低下していく。その際、フィルムのシール部での重なりが特に多いような場合には、所定の温度まで下がったら、フィルムの硬化温度(T3)より幾分高い温度(T2)で再度通電(T1まで昇温時の通電量の50%程度の通電量が好ましい)し、溶融温度まで加熱(2次加熱)して、その後通電をオフにして冷却する。このようにすると、一層確実に適正な熱融着ができて、シール不良を低減することができる。
【0046】
図19に示すように、ヒーター6には突条61が設けられているので、ヒーター6の加熱と共に、切断作用も同タイミングで行われる。従って、シール部の融着が行われてフィルムを袋状にすることができ、内容物が収納されている場合には、内容物を密封すると共に、シール部に対する切断作用も行われる。
【0047】
ヒーター6をオフにして所定の冷却温度に達すると、第1・第2圧着体4,5を開き方向に移動させるため、駆動モータ22を逆転させる。逆転させる時間は、第1・第2圧着体4,5を、少しだけ開いた状態にできる時間に設定することができる(図15)。圧着状態にある第1・第2圧着体4,5を開き方向に駆動し始めても(図15の矢印)、第1バネ11と第2バネ13の付勢力が作用しているため、第1・第2挟持体14,16はフィルムFを挟持した状態を維持している(図15)。駆動モータ22をわずかに逆転させた後、停止する。これと同時に、駆動モータ33を逆転させる。これにより、搬送ローラ対32は、逆方向に回転され(図16)、フィルムFが戻し方向に駆動される。搬送ローラ対32の逆転量は、わずかでよい。このフィルムFの戻し動作により、切断部材7による切断個所が強制的に分離される(図16)。戻し量は、フィルムFと搬送ローラ対32のかみ込み状態が外れない程度であれば良い。これにより、切断部材7によるフィルムFの切断が不十分であったとしても、確実にフィルムFを分離させることができる。
【0048】
駆動モータ33の逆転動作が終了した後、第1・第2圧着体4,5を待機位置に戻すため、駆動モータ22を逆転駆動させて待機位置に復帰させる。第1・第2圧着体4,5が待機位置に復帰する途中で、第1・第2挟持体14,16によるフィルムFの挟持も解除される。これにより、切断されたフィルムF’(上部は融着されてシールされているが、下部は開放されたままである)は、下方にある貯留ケースS2に向けて落下する(図17)。駆動モータ22を停止した後、戻し動作で戻したフィルムを所定のシールを行う位置まで移動させるため、駆動モータ33を正転させる。所定時間駆動モータ33を正転させた後、駆動モータ33を停止させる。これにより、ガイド部材2に残ったフィルムFを袋状にする動作が完了し、これを1サイクルとして、以後内容物を収納した場合においても、同様な動作を繰り返す。切断されて残ったフィルムFの底部F1は、シールされて袋状になる。
【0049】
そして、図18に示すように、内容物CをフィルムF内に収容して、上記と同一の手順により、フィルムF’内に内容物を収納し、シールして下方の貯留ケースS2に落下させることができる。
【0050】
また、フィルムFに内容物を収容できることを表示するLEDの表示を消灯し、1サイクルの動作が終了した時間で点灯させ、この点灯を確認することで、フィルムFに内容物を収容してもよいことが外部に表示されるようにすることができる。この場合、フィルムFのシール動作を行っていることを表示するLEDを設けて、その間点灯させるようにしてもよい。
【0051】
<フィルムシール部のヒーターの作用の説明>
図19(イ)〜(ホ)により、熱融着動作時のヒーターの作用を説明する。図19(イ)は、図13に示す状態に相当し、互いに離間した第1圧着部4と第2圧着部5との間にフィルムFが送られてくる。第1圧着部4の圧着面4aには、上記したように、ヒーター6に突条61が設けられていて、更にその表面に離型性のよい樹脂製のカバー部材(不図示)が被覆されている。第2圧着部5の圧着面5aには、シリコンゴムスポンジ製の支持部材9が装着されていると共に、更にその表面に離型性のよい樹脂製のカバー部材(不図示)が被覆されている。ヒーター6の下部は、ガラス繊維製シートやサーコンシートが敷設されている。支持部材9は、突条61が食い込み、さらにヒーター6の突条61以外の平面部分が密着できるように、硬度(タイプE)が50〜60°の弾力と厚みが必要である。
【0052】
次いで、第1圧着部4と第2圧着部5とを左右から近接させ、フィルムFを圧着すると、ヒーター6の表面形状に合わせてフィルムFおよび支持部材9が変形し(図19(ロ))、その状態でヒーターを加熱する。ヒーターの加熱パターンは、上記した通りである。加熱に伴い、フィルムFの熱融着した箇所Gは、ゲル化した状態となる(図19(ハ))。
【0053】
加熱が終了し、シール部分が所定の温度まで冷却された後、第1圧着部4と第2圧着部5とを左右に離間させると、フィルムFの熱融着した箇所Gは固化するが、その表面には厚みが薄い箇所が形成される(図19(ニ))。この段階で、内容物が袋状をしたフィルムFに収納されていれば、その重量により切断されて下方に落下する。しかし、フィルムFの重なり箇所が多く厚くなっている場合などでは、図16に示したように、搬送ローラ対32を逆方向に回転させて、フィルムFを切断する(図19(ホ))。
【0054】
〔別実施形態〕
(1)フィルムシール装置の形式は特に限定されるものではなく、図1,2に示したようなフィルムシール装置以外の他の卓上式フィルムシール装置、脱気式フィルムシール装置、足踏みペダル式フィルムシール装置などであってもよい。また、フィルムの形態も特に限定されず、上記実施形態のようなチューブ状のほか、開口部を有する袋状であってもよい。
(2)包装袋に封入される内容物は、特に限定されるものではなく、食品、機械部品、医療用器具、各種日用品など、種々のものに適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
4 第1圧着体
5 第2圧着体
6 ヒーター
61 突条
61a 中空部
62 スリット
F フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着するための発熱体、及びこれが設けられたフィルムシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかるフィルムシール装置は、例えば、下記特許文献1,2,3に開示されている。樹脂製フィルムなどで形成される被シール物のシール部を圧着する圧着面を有する圧着体と、被シール物のシール部を加熱する加熱部を有しており、この加熱部にはヒーターが設けられている。ヒーターに電流を流すことでヒーターを加熱させ、シール部を熱融着することでシール部をシールするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−46186号公報
【特許文献2】特開2005−11687号公報
【特許文献3】特開2006−290379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ヒーターは、シールしたいシール部の幅に対応して幅方向に延びた平板状をしている。また、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ、このシール部を切断するために、ヒーターの断面をT字状にしたり、ヒーターの表面に断面T字状の刃を取り付けたり、ヒーターの表面に丸線を載置したりして、平板状のヒーターの表面にフィルム切断用の突条を形成することがある。
【0005】
しかしながら、このような平板状のヒーターは電気抵抗が小さく、樹脂製フィルムが溶融可能な所定の温度までヒーターを加熱するためには、ヒーターの抵抗値に見合ったトランス(変圧器)が別途必要となる。トランスは、値段が高く、装置全体のコストを上げてしまう。また、トランスは、部品点数や重量の増加にも繋がる。
【0006】
さらに、一般にヒーターは金属製であって、加熱されると熱膨張し、長手方向に伸びるため弛みが生じる。その状態でシールすると、ヒーターが折れ曲がり破損する。そのため、フィルムシール装置には、加熱時の熱膨張による伸びを吸収するために、ヒーターの長手方向に張力を付与する構造が設けられ、フィルムシール装置の構造の複雑化、コストアップに繋がってしまっていた。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、発熱体を所定の温度に加熱するためのトランス、及び長手方向に張力を付与するための構造が不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能な発熱体、及びこれが設けられたフィルムシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係る発熱体は、
樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着するための発熱体であって、
長尺の金属板で構成されており、
長手方向の両側に所定間隔で交互にスリットが形成され、
前記金属板が折り曲げられることにより、中空部を有する突条が前記長手方向に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成による発熱体の作用効果を説明する。本発明の発熱体は、長尺の金属板で構成されており、電流を流すことで発熱し、樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着することができる。このとき、発熱体の電気抵抗が大きいほど、発熱体が発生する熱量も大きくなる。本発明の発熱体は、金属板の長手方向の両側に所定間隔で交互にスリットが形成されているため電気抵抗が大きく、その結果、発熱量も大きくなり、トランスを用いることなく発熱体を所定の温度に加熱することができる。また、形成するスリットの間隔と切り込み深さを調整することで、電気抵抗値を任意に調整することができる。さらに、本発明の発熱体は、多数のスリットが設けられているため、個々のスリット間が狭くなることにより、加熱時の熱膨張による伸びを吸収することができる。その結果、本発明の発熱体は、長手方向に張力を付与する構造が不要である。
【0010】
また、本発明の発熱体は、長手方向に突条が形成されている。これにより、発熱体は、シール部を熱融着するのみではなく、熱融着されたシール部の幅内で樹脂製フィルムを切断(溶断)することができる。また、本発明の発熱体は、金属板を折り曲げることにより、中空部を有するように突条を形成しているため、突条を設けることによる電気抵抗値の低下がない。したがって、本発明の発熱体によれば、発熱体を所定の温度に加熱するためのトランス、及び長手方向に張力を付与するための構造が不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能である。
【0011】
本発明の発熱体において、前記突条と前記スリットは直交していることが好ましい。
【0012】
突条により樹脂製フィルムを切断する場合、突条には力が加わるために変形するおそれがあるが、スリットを突条と直交する向きに形成することで突条の強度低下が抑えられる。
【0013】
本発明の発熱体において、前記中空部には、熱伝導性の絶縁体が充填されていることが好ましい。
【0014】
中空部があると突条が過熱されやすいため、中空部に熱伝導性の絶縁体を充填することで、突条の温度を適切に調節することができる。
【0015】
また、上記課題を解決するため本発明に係るフィルムシール装置は、
フィルム圧着手段により樹脂製フィルムのシール部を圧着するとともに加熱してシールし、シールされた前記シール部の幅内で前記樹脂製フィルムを切断するため、前記フィルム圧着手段に上記特徴構成を有するいずれかの発熱体が設けられていることを特徴とする。
【0016】
このフィルムシール装置に設けられる発熱体の作用効果はすでに述べたとおりであり、本発明のフィルムシール装置は、発熱体を所定の温度に加熱するためのトランスが不要であり、樹脂製フィルムのシール部をシールしつつ切断可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィルムシール装置の半断面斜視図
【図2】図1のフィルムシール装置のカバーを取り外したフィルムシール装置本体を示す斜視図(フィルムを装着する前の状態)
【図3】図2のフィルムシール装置本体の平面図
【図4】図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た斜視図
【図5】図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た平面図
【図6】図2のフィルムシール装置本体の正面図
【図7】図3のVII−VII断面図
【図8】ヒーターの斜視図
【図9】ヒーターの三面図
【図10】別実施形態にかかるヒーターの斜視図
【図11】シール動作を説明する加熱パターン図
【図12】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図13】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図14】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図15】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図16】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図17】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図18】フィルムシール装置の動作を説明する図7と同様な図
【図19】(イ)〜(ホ)は熱融着動作の細部を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<フィルムシール装置の構成>
本発明にかかるフィルムシール装置の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るフィルムシール装置の半断面構造を示し、図2はカバーを取り外し、フィルムを装着していない状態のフィルムシール装置本体を示し、図3は、フィルムシール装置本体の平面構造を示し、図4は、図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た斜視構造を示し、図5は、図2のフィルムシール装置本体の裏面側から見た平面構造を示す。図6はカバーを取り外した後の正面構造を示し、図7は図3のVII−VII断面構造を示す。
【0019】
このフィルムシール装置Sは、図1に示すように、4本の脚部S3を下方に向けて延設したフィルムシール装置本体S1と、その下部に内容物を収納してシールした包装体を一時的に貯留する、引き手付きの包装体貯留ケースS2とから構成されている。
【0020】
フィルムシール装置本体S1は、図2,3に示すように、比較的面積の広い支持プレート1の上におわん状に形成されたガイド部材2が取り付けられて構成されている。ガイド部材2は、側面2aがテーパ状に形成されており、底部にガイド孔2bが形成されている。図1は、折り畳んだ状態のチューブ状フィルムFを装着した状態を示す。ガイド部材2の周囲が、フィルム装着部として機能する。支持プレート1の下面側には、フィルムをシールして切断するための機構部3が装着されている。なお、図2,3における図番38は把手である。
【0021】
環状に折り畳んだ状態のフィルムFをセッティングする時の操作は、後述するように、折り畳んだフィルムFの一番外側の部分を手で持ち上げて、ガイド部材2の中のガイド孔2bから見える搬送ローラ対32に挟持される位置まで押し込めばよい。その後、搬送ローラを駆動することで、フィルムFは下方に引き込まれていく。
【0022】
次に、機構部3について説明する。図4は、フィルムシール装置本体(脚部は省略)を裏面側から見た斜視図である。図5は、フィルムシール装置を裏面側から見た平面図である。図6は、機構部の側面図であり、図7は、図3のVII−VII断面図であり、図6の機構部の側断面図に相当する。
【0023】
まず、フィルムシール部の機能について説明する。第1圧着体4と第2圧着体5とが設けられており、図7にも示すように、これら第1・第2圧着体4,5は、お互いに離間した待機位置と、圧着面が互いに接触してフィルムFを圧着する圧着位置との間を移動可能(矢印A,B参照)に構成される。第1・第2圧着体4,5の圧着面4a,5a(フィルム圧着手段に相当)は、フィルムFのシール部の形状に対応して幅方向に延びたライン状に形成されている。第1圧着体4の圧着面4aには、加熱手段であるライン状に延びたヒーター6(発熱体に相当)が取り付けられている。ヒーター6は、金属製の抵抗体であり不図示の加熱回路により加熱される。また、ヒーター6には、後述する(図17の説明)ように、ヒーター6と同様にライン状に延びた突条61が形成されている。ヒーター6を覆うようにカバー部材が設けられている。カバー部材は、テフロン(登録商標)製のシート部材である。第2圧着体5の圧着面5aには、シリコンゴムスポンジ製の支持部材9が取り付けられている。一対の圧着面4a,5aどうしで、フィルムFを圧着する。
【0024】
ヒーター6の構成を説明する。図8はヒーター6の斜視図、図9はヒーター6の三面図である。ヒーター6は、長尺の金属板で構成されている。用いられる金属としては、ニッケルクロム合金、カンタル合金などが例示される。金属板の厚みとしては、0.1〜0.15mmが例示される。金属板の材質や厚みは、ヒーター6の加熱温度や強度に影響する。また、ヒーター6は、長さが150mm程度、幅が10mm程度である。ヒーター6の長さや幅は、フィルムFのシール部の長さや幅だけで決まるわけではなく、本発明はトランスを使用しない前提から、使用電圧が決まっているので、ヒーター6に必要とされる電気抵抗値により決まってくる。ヒーター6の長尺方向両端は、第1圧着体4へ取り付けるための略U字状の取り付け部となっている。
【0025】
ヒーター6は、長手方向の両側に所定間隔で交互にスリット62が形成されている。スリット62は、長手方向と垂直な方向であって、金属板の両側縁から中央部へ向かって設けられている。このようなスリット62は、金属板に対してエッチングなどにより形成することができる。本実施形態では、スリット62は全て同じ形状となっている。スリット62の幅は、この部分では加熱しないので、広くし過ぎるとシール出来ない部分が発生する。スリット62の幅は、フィルムFの溶着温度により適宜設定されるが、本実施形態では0.2〜0.3mm程度としている。隣り合うスリット62どうしの間隔d1は、すべて一定としている。間隔d1は、ヒーター6の電気抵抗値に影響し、加熱温度が変わるため、シールするフィルムFの溶着温度などにより適宜設定されるが、本実施形態では0.6mm程度としている。また、本実施形態では、一方の側縁から中央部へ向かって形成されたスリット62の先端と、他方の側縁との距離d2は、隣り合うスリット62どうしの間隔d1とほぼ同じとなっている。
【0026】
ヒーター6には、長手方向にライン状に延びた突条61が形成されている。突条61は、ヒーター6の幅方向中央に形成されている。突条61は、断面が略U字状となるように金属板を折り曲げることにより形成される。なお、突条61の断面は、略U字状のほか、図10に示すような略V字状、略半円形状などでもよい。突条61は、幅が1mm、高さが1.2mmのものが例示される。ただし、突条61の高さは、切断するフィルムFの厚みより+0.5mmまでとする。突条61が必要以上に高いと、相手面である支持部材9の高さも高くしなければならなくなる。
【0027】
また、突条61の内側は中空部61aとなっており、この中空部61aには熱伝導性の絶縁体(不図示)が充填されてもよい。熱伝導性のよい絶縁体としては、窒化アルミニウムなどが例示される。
【0028】
ヒーター6は、電気絶縁性に優れるポリイミド樹脂、フッ素樹脂などで全体を被覆される。
【0029】
ヒーター6は、初めに金属板にスリット62を形成し、全体を上記の樹脂で被覆する。その後、ポンチとダイスを用いて金属板をプレス成形することにより、突条61が形成される。金属板をプレス成形する際には、被覆した樹脂が破れないようにして金属板が折り曲げられる。なお、ヒーター6は、金属板にスリット62を形成した後に両面を樹脂で被覆しても、金属板の片面を樹脂で被覆した後にスリット62を形成し、その後、残りの面を樹脂で被覆するようにしてもよい。
【0030】
第1圧着体4の圧着面4aとは反対側の端面には、第1バネ支持軸10が2本植設されている。第1バネ支持軸10には、第1バネ11が挿入されている。第1バネ11は、第1付勢手段として機能し、圧縮コイルスプリングにより形成される。第2圧着体5の圧着面5aとは反対側の面にも、第2バネ支持軸12が2本植設されており、第1バネ11と同様に第2バネ13が挿入されている。第2バネ13は、第2付勢手段として機能する。
【0031】
第1圧着体4には、第1圧着体4に対して相対的に移動可能な第1挟持体14(フィルム挟持手段に相当)が取り付け支持されている。第1挟持体14は、第1圧着体4を囲うように側断面視で略コの字状に形成されている。第1挟持体14の先端部は挟持面14aとして機能し、シリコンゴム製の第1挟持部材15が取り付けられている。第1挟持体14の挟持面14aとは反対側の端面14bには、先ほど説明した第1バネ11が作用している。従って、第1圧着体4と第2圧着体5とが離間している位置では、第1バネ11の付勢力により、第1挟持体14の端面14bは、第1圧着体4の後端面4bに当接した状態である。また、この状態で挟持面14aは、圧着面4aよりも突出した状態に設定されている。
【0032】
第2圧着体5にも、第2圧着体5に対して相対的に移動可能な第2挟持体16(フィルム挟持手段に相当)が取り付け支持されている。第2挟持体16も、側断面視で略コの字状に形成されている。第2挟持体16の先端部は挟持面16aとして機能し、シリコンゴム製の第2挟持部材21が取り付けられている。第2挟持体16の挟持面16aとは反対側の端面16bには、第2バネ13が作用している。従って、第1圧着体4と第2圧着体5とが離間している位置では、第2バネ13の付勢力により、第2挟持体16の端面16bは、第2圧着体5の後端面5bに当接した状態である。また、この状態で挟持面16aは、圧着面5aよりも突出した状態に設定されている。
【0033】
第1挟持体14が第1圧着体4に対してスムーズに相対移動できるように、ガイドプレート17が第1圧着体4に対してネジ18により結合されている(図4参照)。第1圧着体4とガイドプレート17との間で、第1挟持体14がガイドされる。同様に、第2挟持体16が第2圧着体5に対してスムーズに相対移動できるように、ガイドプレート19が第2圧着体5に対してネジ20により結合されている。第2圧着体5とガイドプレート19との間で、第2挟持体16がガイドされる。
【0034】
第1・第2挟持体14,16は、第1・第2圧着体4,5よりも下方側に設けられる。すなわち、フィルムの送り方向の下流側に配置される。
【0035】
次に、フィルムシール部を駆動するシール駆動部の構成を説明する。シール駆動部は、駆動源としての駆動モータ22を備えている。駆動モータ22のモータ軸には駆動板23が結合されている。駆動リンク部材24が回転軸24a周りに回転可能に軸支されている。駆動リンク部材24には、回転軸24aから所定半径距離だけ離れた個所に第1リンク軸24bと第2リンク軸24cとが植設されている。駆動板23と第1リンク軸24bとは、連結バー25により連結されている。図4には示されていないが、駆動板23の回転中心から所定半径距離離れた個所に連結軸が植設されており、この連結軸と第1リンク軸24bとの間に連結バー25が掛け渡されている。連結軸において、駆動板23と連結バー25とは、相対的に回転自在であり、第1リンク軸24bにおいて、連結バー25と駆動リンク部材24とは、相対的に回転自在に連結される。
【0036】
第1圧着体支持プレート26には、第1圧着体4が固定された状態で支持される。第1圧着体支持プレート26の幅方向両側には、一対の側面部26aが形成されている。この側面部26aにリンク軸26bが植設される。このリンク軸26bと第1リンク軸24bとの間に、第1リンクレバー27が連結される。同様に、第2圧着体支持プレート28には、第2圧着体5が固定された状態で支持される。第2圧着体支持プレート28の幅方向両側には、一対の側面部28aが形成されている。この側面部28aにリンク軸28bが植設される。このリンク軸28bと第2リンク軸24cとの間に、第2リンクレバー29が連結される。以上のようなリンク機構により、フィルムシール部が駆動される。なお、同じリンク機構が幅方向の反対側の側面にも設けられている。駆動モータ22を駆動することで、駆動リンク部材24を回転させ、第1圧着体4と第2圧着体5とを同時に駆動させることができる。
【0037】
第1圧着体4と第2圧着体5をスムーズにガイドするためのガイド機構30が、第1・第2圧着体4,5の幅方向両側に設けられている。ガイド機構30は、フレーム部材31に固定される固定部分と、側面部26a,28aに固定される可動部分とを備える。
【0038】
フィルムFを送り出すためのフィルム駆動部として、搬送ローラ対32が設けられている。搬送ローラ対32は、幅方向に沿って2箇所に設けられている。2箇所の搬送ローラ対32の間をフィルムFが通過できるように構成される。搬送ローラ対32を駆動するための駆動モータ33が設けられており(図4参照)、不図示の伝達機構(減速機構)を介して搬送ローラ対32と連結されている。支持プレート1には、制御回路34(制御部に相当)が搭載されており、フィルムシール装置の各部の作動の制御を行う。なお、図7の図番8は、フィルムFの送りをガイドする受け板である。
【0039】
<シール動作の説明>
次に、図11の加熱パターン図と図12〜18の作動図とにより、フィルムFにシールを行うときの作動を説明する。予め、連続円筒状をしたフィルムFの底部を閉鎖して、上方のみ開口した袋状にするための運転を行う(図12〜17)。
【0040】
すなわち、フィルム装着部を構成するガイド部材2の周囲に、環状に折り畳んで配置されているフィルムの最外部を手で把持して引っ張り、中央方向に移動させて、搬送ローラ対32の位置にまで移動させる。この状態で、フィルムシール装置本体の前面操作パネル50に設けられているスイッチを入れる。このスイッチによる指令を受けて制御部40は、駆動モータ33を正転させる。これにより、搬送ローラ対32は送り方向に回転され(図12の矢印)、円筒状をしたフィルムFの両端部が搬送ローラ対32により挟持されて下方(図13の矢印)に送り出される。駆動モータ33を正転させる時間は、予めタイマーに設定されるようにしてもよいし、手動で所定時間経過後、駆動モータ33を停止させてもよい。これにより、フィルムFが所定量送り出され、フィルムFのシール部がヒーター6の位置にセットされる。シール部は、シールされる個所を指して呼ぶものであり、フィルムFに何らかの識別マークが付されていることを意味するものではない。もとより、そのような識別マークを付していてもよい。
【0041】
次に、駆動モータ33の停止と同時に、第1・第2圧着体4,5を駆動するため、駆動モータ22を回転(正転)させる。第1・第2圧着体4,5は、待機位置から、矢印で示すように、互いに近づく方向に駆動される(図14)。第1・第2圧着体4,5に夫々支持されている第1・第2挟持体14,16も同じように互いに近づく方向に駆動される。第1・第2圧着体4,5の圧着面4a,5aよりも、第1・第2挟持体14,16の挟持面14a,16aのほうが突出しているので、まず最初に挟持面14a,16a同士が当接する(図14)。これにより、第1・第2挟持体14,16は、これ以上移動できない状態となる。
【0042】
しかし、駆動モータ22は引き続き駆動状態にあり、第1・第2圧着体4,5は、さらに圧着面4a,5a同士が近づく方向に駆動される。このとき、第1バネ11と第2バネ13が徐々に圧縮されていく。圧着面4a,5a同士が当接した状態が図14及び図15に示される。駆動モータ22は、予め設定された所定時間だけ駆動された後、停止される。この停止と同時にヒーター6を加熱する。ヒーター6の加熱パターンは、図11に示されている通りである。
【0043】
ヒーター6は、常時は室温と同程度の低い温度状態であるが、加熱駆動をすることで、昇温して所定の加熱温度(T1)になる(図11。1次加熱)。この場合、ヒーター6に近接して(フィルムのシール部にも近接している)配置されている熱電対36により、ヒーター6によるフィルムシール部の加熱温度が検知されており、熱電対36からの検出結果の送信により、制御部40が所定の融着温度に達したと判断すると、制御部40によりON−OFF制御されるため、適正な融着温度で制御できる。もとより、フィルムの材質に応じた適正な設定温度と加熱時間は、予め求められている。
【0044】
これにより、フィルムの重なりの多い箇所と重なりの少ない箇所が混在しているもの、あるいは、バリアー性を高めるため中心にナイロン樹脂を配置し両面にポリエチレン樹脂を配置したラミネートフィルムのようなものでも、常時適正な融着温度で加熱・熱融着されることになる。従って、従来技術のように、フィルムシール部近傍の温度を直接測定することなく、フィルムの材質に応じて決められた溶融温度(所定電流値による通電)に、タイマーによる一定時間だけ加熱保持する方式に比べて、フィルムシール部を一層適正な融着温度に維持して保持できるため、シール不良を確実に低減できる。
【0045】
予め設定された所定の加熱時間が経過すると、ヒーター6をオフにし、ヒーター6は自然に冷却され、温度が低下していく。その際、フィルムのシール部での重なりが特に多いような場合には、所定の温度まで下がったら、フィルムの硬化温度(T3)より幾分高い温度(T2)で再度通電(T1まで昇温時の通電量の50%程度の通電量が好ましい)し、溶融温度まで加熱(2次加熱)して、その後通電をオフにして冷却する。このようにすると、一層確実に適正な熱融着ができて、シール不良を低減することができる。
【0046】
図19に示すように、ヒーター6には突条61が設けられているので、ヒーター6の加熱と共に、切断作用も同タイミングで行われる。従って、シール部の融着が行われてフィルムを袋状にすることができ、内容物が収納されている場合には、内容物を密封すると共に、シール部に対する切断作用も行われる。
【0047】
ヒーター6をオフにして所定の冷却温度に達すると、第1・第2圧着体4,5を開き方向に移動させるため、駆動モータ22を逆転させる。逆転させる時間は、第1・第2圧着体4,5を、少しだけ開いた状態にできる時間に設定することができる(図15)。圧着状態にある第1・第2圧着体4,5を開き方向に駆動し始めても(図15の矢印)、第1バネ11と第2バネ13の付勢力が作用しているため、第1・第2挟持体14,16はフィルムFを挟持した状態を維持している(図15)。駆動モータ22をわずかに逆転させた後、停止する。これと同時に、駆動モータ33を逆転させる。これにより、搬送ローラ対32は、逆方向に回転され(図16)、フィルムFが戻し方向に駆動される。搬送ローラ対32の逆転量は、わずかでよい。このフィルムFの戻し動作により、切断部材7による切断個所が強制的に分離される(図16)。戻し量は、フィルムFと搬送ローラ対32のかみ込み状態が外れない程度であれば良い。これにより、切断部材7によるフィルムFの切断が不十分であったとしても、確実にフィルムFを分離させることができる。
【0048】
駆動モータ33の逆転動作が終了した後、第1・第2圧着体4,5を待機位置に戻すため、駆動モータ22を逆転駆動させて待機位置に復帰させる。第1・第2圧着体4,5が待機位置に復帰する途中で、第1・第2挟持体14,16によるフィルムFの挟持も解除される。これにより、切断されたフィルムF’(上部は融着されてシールされているが、下部は開放されたままである)は、下方にある貯留ケースS2に向けて落下する(図17)。駆動モータ22を停止した後、戻し動作で戻したフィルムを所定のシールを行う位置まで移動させるため、駆動モータ33を正転させる。所定時間駆動モータ33を正転させた後、駆動モータ33を停止させる。これにより、ガイド部材2に残ったフィルムFを袋状にする動作が完了し、これを1サイクルとして、以後内容物を収納した場合においても、同様な動作を繰り返す。切断されて残ったフィルムFの底部F1は、シールされて袋状になる。
【0049】
そして、図18に示すように、内容物CをフィルムF内に収容して、上記と同一の手順により、フィルムF’内に内容物を収納し、シールして下方の貯留ケースS2に落下させることができる。
【0050】
また、フィルムFに内容物を収容できることを表示するLEDの表示を消灯し、1サイクルの動作が終了した時間で点灯させ、この点灯を確認することで、フィルムFに内容物を収容してもよいことが外部に表示されるようにすることができる。この場合、フィルムFのシール動作を行っていることを表示するLEDを設けて、その間点灯させるようにしてもよい。
【0051】
<フィルムシール部のヒーターの作用の説明>
図19(イ)〜(ホ)により、熱融着動作時のヒーターの作用を説明する。図19(イ)は、図13に示す状態に相当し、互いに離間した第1圧着部4と第2圧着部5との間にフィルムFが送られてくる。第1圧着部4の圧着面4aには、上記したように、ヒーター6に突条61が設けられていて、更にその表面に離型性のよい樹脂製のカバー部材(不図示)が被覆されている。第2圧着部5の圧着面5aには、シリコンゴムスポンジ製の支持部材9が装着されていると共に、更にその表面に離型性のよい樹脂製のカバー部材(不図示)が被覆されている。ヒーター6の下部は、ガラス繊維製シートやサーコンシートが敷設されている。支持部材9は、突条61が食い込み、さらにヒーター6の突条61以外の平面部分が密着できるように、硬度(タイプE)が50〜60°の弾力と厚みが必要である。
【0052】
次いで、第1圧着部4と第2圧着部5とを左右から近接させ、フィルムFを圧着すると、ヒーター6の表面形状に合わせてフィルムFおよび支持部材9が変形し(図19(ロ))、その状態でヒーターを加熱する。ヒーターの加熱パターンは、上記した通りである。加熱に伴い、フィルムFの熱融着した箇所Gは、ゲル化した状態となる(図19(ハ))。
【0053】
加熱が終了し、シール部分が所定の温度まで冷却された後、第1圧着部4と第2圧着部5とを左右に離間させると、フィルムFの熱融着した箇所Gは固化するが、その表面には厚みが薄い箇所が形成される(図19(ニ))。この段階で、内容物が袋状をしたフィルムFに収納されていれば、その重量により切断されて下方に落下する。しかし、フィルムFの重なり箇所が多く厚くなっている場合などでは、図16に示したように、搬送ローラ対32を逆方向に回転させて、フィルムFを切断する(図19(ホ))。
【0054】
〔別実施形態〕
(1)フィルムシール装置の形式は特に限定されるものではなく、図1,2に示したようなフィルムシール装置以外の他の卓上式フィルムシール装置、脱気式フィルムシール装置、足踏みペダル式フィルムシール装置などであってもよい。また、フィルムの形態も特に限定されず、上記実施形態のようなチューブ状のほか、開口部を有する袋状であってもよい。
(2)包装袋に封入される内容物は、特に限定されるものではなく、食品、機械部品、医療用器具、各種日用品など、種々のものに適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
4 第1圧着体
5 第2圧着体
6 ヒーター
61 突条
61a 中空部
62 スリット
F フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着するための発熱体であって、
長尺の金属板で構成されており、
長手方向の両側に所定間隔で交互にスリットが形成され、
前記金属板が折り曲げられることにより、中空部を有する突条が前記長手方向に形成されていることを特徴とする発熱体。
【請求項2】
前記突条と前記スリットは直交していることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記中空部には、熱伝導性の絶縁体が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体。
【請求項4】
フィルム圧着手段により樹脂製フィルムのシール部を圧着するとともに加熱してシールし、シールされた前記シール部の幅内で前記樹脂製フィルムを切断するため、前記フィルム圧着手段に請求項1〜3のいずれか1項に記載の発熱体が設けられていることを特徴とするフィルムシール装置。
【請求項1】
樹脂製フィルムのシール部を加熱して熱融着するための発熱体であって、
長尺の金属板で構成されており、
長手方向の両側に所定間隔で交互にスリットが形成され、
前記金属板が折り曲げられることにより、中空部を有する突条が前記長手方向に形成されていることを特徴とする発熱体。
【請求項2】
前記突条と前記スリットは直交していることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記中空部には、熱伝導性の絶縁体が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体。
【請求項4】
フィルム圧着手段により樹脂製フィルムのシール部を圧着するとともに加熱してシールし、シールされた前記シール部の幅内で前記樹脂製フィルムを切断するため、前記フィルム圧着手段に請求項1〜3のいずれか1項に記載の発熱体が設けられていることを特徴とするフィルムシール装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−35878(P2012−35878A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178865(P2010−178865)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000236964)富士インパルス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000236964)富士インパルス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]