説明

発熱源冷却システム

【課題】
アイルキャップを設置することなく、暖気と冷気の混合による冷却効率の悪化を抑制できる発熱源冷却システムを提供する。
【解決手段】
発熱源冷却システムは、一対のサーバラック3列と、一対のラック列間の両側面開口部のそれぞれに冷気供給装置8と、各ラックまたは冷気供給装置8を制御する制御装置37または制御装置87を備える。冷気供給装置8は、一対のラック列が対向しない側に形成されている暖気エリア42から暖気を吸入して、一対のラック列が対向する側に形成されている冷気エリア41へ冷気を供給し、一対のラック列間の両側面開口部における冷気エリア41と前記暖気エリア42とを隔離するように設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばサーバのような発熱源を空調装置で冷却する発熱源冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバ冷却システムを上からみた断面図である図7・8を用いて、従来技術を説明する。データセンタに収容されるサーバ(発熱源)を収納した一対のサーバラック列3は、前面から冷気を吸い込み、背面から暖気を排出する。データセンタは、一対のサーバラック列3の前面が対向する側に冷気の流通する空間(コールドアイル41)、一対のサーバラック列3の背面側に暖気の流通する空間(ホットアイル42)を設ける。そして、ホットアイル42の暖気を、たとえば不図示のベース空調装置によって冷却して、その冷却した空気を床下からコールドアイル41へ送出する。
【0003】
図7の例では、サーバラック列3の側方空間43において、ホットアイル42とコールドアイル41が空間的に繋がっているために、この側方空間43を介して暖気と冷気が混合し、サーバ冷却システムのエネルギー効率が著しく悪化する。そこで、エネルギー効率を改善するため、特許文献1では、側方空間43を介して暖気と冷気が混合しないように、図8に示すアイルキャップ44を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−108359号公報(図12等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の従来技術は、側方空間にアイルキャップを設置するため、アイルキャップの建材や、この建材を設置するための工事作業が必要となる。さらに設置工事においては、その建設現場であるサーバルームの形状に合わせて、できるだけ隙間無くアイルキャップを設置しようとするため、工事にかかる手間と時間が大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、サーバラック列の側方空間にアイルキャップを設置することなく、暖気と冷気の混合による冷却効率の悪化を抑制できる発熱源冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
発熱源を収納するラックを列状に並べて構成する一対のラック列を室内の床に設置し、当該一対のラック列が対向する側に冷気エリアが形成され、当該一対のラック列が対向しない側に暖気エリアが形成されている前記室内において、前記発熱源を冷却する発熱源冷却システムであって、
前記一対のラック列間の両側面開口部のそれぞれに冷気供給装置と、
前記ラック列を構成する各ラックまたは前記冷気供給装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記冷気供給装置は、前記一対のラック列が対向しない側に形成されている暖気エリアから暖気を吸入して、前記一対のラック列が対向する側に形成されている冷気エリアへ冷気を供給し、前記一対のラック列間の両側面開口部における前記冷気エリアと前記暖気エリアとを隔離するように設置される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の発熱源冷却システムによれば、サーバラック列の側方空間にアイルキャップを設置することなく、暖気と冷気の混合による冷却効率の悪化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の発熱源冷却システムの一構成例であり、データセンタを上からみたときの断面図である。
【図2】第2の実施形態を説明する図であり、図1のA−A’断面図である。
【図3】第2の実施形態を説明する図であり、図1のB−B’断面図である。
【図4】サーバラック3および冷気供給装置8を制御することを説明するために用いる図である。
【図5】第3の実施形態を説明する図である。
【図6】第4の実施形態を説明する図である。
【図7】従来技術を示す図である。
【図8】従来技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態のポイントは、一対のラック列の冷気導入側を対向配置し、ラック列が対向しない側をラックの暖気排出側とする。そして、ラック列間の両側面開口部のそれぞれに冷気供給装置を備えることで、ラック列間の両側面開口部において、冷気と暖気を隔離することを特徴とする。このとき、ラック列の側方空間にはアイルキャップを設置しない。
【0011】
本実施形態の冷気供給装置は、従来の、床下から冷気を送出するベース空調装置や床上のラック近傍で局所的に冷気を送出する局所空調装置に代わり、室内のラック列間の両側面開口部に設置される。だが、冷気供給装置だけでは室内を冷却する能力が不足するときは、従来のベース空調装置や局所空調装置を補完的に設置してもよい。
【0012】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明にかかる発熱源冷却システムの好適な実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の発熱源冷却システムの一構成例であり、一対のラック列と、ラック列間の両側面開口部に冷気供給装置を備えたデータセンタを、上からみた断面図である。
【0013】
データセンタは、複数のサーバなどを発熱源31として収納する直方体のサーバラック3を列状に並べてサーバラック列を構成し、少なくとも一対のサーバラック列を室内の床52に設置する。一対のサーバラック列を構成する各ラック列は、列方向にほぼ同じ長さである。データセンタの室内は、一対のサーバラック列の前面が対向する側に、図上に斜線で示す冷気エリア41を形成し、一対のサーバラック列が対向しない側に、図上にドットで示す暖気エリア42を形成する。
【0014】
一対のラック列間に構成される両側面の開口部には、それぞれの開口部に、室内を冷却するための冷気供給装置8が設置される。発熱源冷却システムは、図4に示すラックファン制御装置37および空調ファン制御装置87を備える。
【0015】
冷気供給装置8は、一対のサーバラック列が対向しない側に形成されている暖気エリア42から暖気を吸入して、一対のラック列が対向する側に形成されている冷気エリア41へ冷気を供給する。サーバラック3は、一対のラック列が対向する側に形成されている冷気エリア41から冷気をサーバラック内へ導入し、この冷気を発熱源31と熱交換し、生じた暖気を暖気エリア42へ排出する。
【0016】
このように、一対のラック列の冷気導入側を対向配置し、ラック列が対向しない側をラック3の暖気排出側とし、ラック列間の両側面開口部のそれぞれに冷気供給装置8を備えることで、ラック列間の両側面開口部において冷気エリア41と暖気エリア42を隔離できる。この結果、冷気エリア41の冷気と暖気エリア42の暖気とが混合する状態を防ぐことができるため、ラック列の側方空間にアイルキャップを設置しなくても、サーバ冷却システムのエネルギー効率の悪化を抑制できる。
【0017】
<第2の実施形態>
図2〜4を用いて、第2の実施形態を説明する。
図2は、データセンタを横からみたもので、図1のA−A’の断面図である。図4は、発熱源冷却システムのシステム構成図である。
【0018】
冷気供給装置8は床52に設置され、暖気を冷却して冷気を生成するための熱交換器81、室外から点線で示す配管83を介して交換器81へ冷媒を供給する冷凍機82、ファン84を有する。ファン84には、ファン84の回転数を検知するセンサである第1の計測手段85と、ファン84を駆動するアクチュエータ86がついており、ファン84およびアクチュエータ86とで第1の通流手段を構成する(図4を参照)。第1の計測手段85とアクチュエータ86は、制御装置87と通信可能となっており、空調ファン制御装置87は、アクチュエータ86に指令を与えてファン84の回転数を制御し、冷気供給装置8は、冷気エリア41へ所定の風量の冷気を供給する。冷気供給装置8が供給する供給冷気量は、ファン84の回転数から算出することが可能である。
【0019】
なお、冷気供給装置8が供給する供給冷気量は、ファン84の回転数に替えて、ファン84を回すアクチュエータ86に入力する電圧値や、ファン84の回転数を制御するインバータの周波数などから算出してもよい。また、ファン84の近傍に風量計や風速計などを設置することで、供給冷気量を直接計測してもよい。
【0020】
図3は、データセンタを横からみたもので、図1のB−B’の断面図である。図4は、発熱源冷却システムのシステム構成図である。
サーバラック3は床52に設置され、サーバなどの発熱源31、ファン32を有する。ファン32には、ファン32の回転数を検知するセンサである第2の計測手段35と、ファン32を駆動するアクチュエータ36がついており、ファン32およびアクチュエータ36とで第2の通流手段を構成する(図4を参照)。第2の計測手段35とアクチュエータ36は、制御装置37と通信可能であり、通常は発熱源31の発熱量に応じてファン34の回転数が制御される。ラック制御装置37は、アクチュエータ36に指令を与えてファン32の回転数を制御し、サーバラック3は、暖気エリア42へ所定の風量の暖気を排出する。サーバラック3が排出する暖気量は、ファン32の回転数から算出できる。
【0021】
なお、サーバラック3が排出する暖気量は、ファン32の回転数に替えて、ファン32を回すアクチュエータ36に入力する電圧値や、ファン32の回転数を制御するインバータの周波数などから算出してもよい。また、ファン32の近傍に風量計や風速計などを設置することで、排出暖気量を直接計測してもよい。
【0022】
図4は、サーバラック3および冷気供給装置8を制御することを説明するために用いる図である。
図2および図3に示すように、サーバラック3と天井51との間には、冷気エリア41と暖気エリア42が空間的に導通する隙間7が存在する。よって、これらの隙間7を通過する気流によって冷気エリア41の冷気と暖気エリア42の暖気とが混合することが、発熱源冷却システムのエネルギー効率悪化の一因となっている。
【0023】
隙間7を通過する気流量は、発熱源31を冷却するために冷気エリア41から発熱源31近傍を通って暖気エリア42へとファン32によって排出される暖気排出量と、冷気供給装置8により冷気エリア41に供給される供給冷気量との過不足(差分)に応じて増加する。よって、ファン32によって暖気エリア42へ排出される気流量と、冷気供給装置8が冷気エリア41へ供給する気流量とが略同量となるように、ファン32の気流量もしくは冷気供給装置8の気流量を制御する。このように制御すれば、冷気エリア41の気圧と暖気エリア42の気圧とが同等になり、隙間7を通過する気流量を最小化でき、それによって冷気と暖気との混合が抑制されるため、発熱源冷却システムのエネルギー効率の悪化を抑制する効果があげられる。
【0024】
たとえば、冷気供給装置8は、当該冷気供給装置8が冷気エリア41へ供給する供給冷気量を計測する第1の計測手段85を有する。各サーバラック3は、当該サーバラック3が暖気エリア42へ排出する風量を計測する第2の計測手段35と、冷気エリア41から導入した冷気を発熱源31との熱交換により所定の風量の暖気として暖気エリア42へ排出する第2の通流手段とを有する。
【0025】
空調ファン制御装置87は、複数の第1の計測手段85が計測した値を収集し、複数の第1の計測手段85が計測した値を合計した値を、ラックファン制御装置37に送信する。ラックファン制御装置37は、複数の第2の計測手段35が計測した値を合計する。ラックファン制御装置37は、複数の第1の計測手段85の合計値と複数の第2の計測手段35合計値との差分を小さくするように、第2の通流手段を制御する。
【0026】
ラックファン制御装置37は、この差分を、各サーバラック3へ均等に配分して、各サーバラック3の第2の通流手段を制御してもよい。もしくは、ラックファン制御装置37は、この差分を、各サーバラック3の発熱量を考慮して、発熱量の高いサーバラック3へは通風量を大きくするなどして、各サーバラック3の第2の通流手段を制御してもよい。
【0027】
この結果、隙間7を通過する気流量を最小化でき、冷気と暖気との混合が抑制されるため、発熱源冷却システムのエネルギー効率の悪化を抑制できる。
あるいは、冷気供給装置8は、当該冷気供給装置8が冷気エリア41へ供給する供給冷気量を計測する第1の計測手段85と、暖気エリア42から吸入した暖気を冷却して所定の風量を冷気エリア41へ送出する第1の通流手段と、を有する。各サーバラック3は、当該サーバラック3が暖気エリア42へ排出する風量を計測する第2の計測手段35を有する。
【0028】
ラックファン制御装置37は、複数の第2の計測手段35が計測した値を収集し、複数の第2の計測手段35が計測した値を合計した値を、空調ファン制御装置87に送信する。空調ファン制御装置87は、複数の第2の計測手段35が計測した値を合計する。空調ファン制御装置87は、複数の第1の計測手段85の合計値と複数の第2の計測手段35合計値との差分を小さくするように、第1の通流手段を制御する。
【0029】
この結果、隙間7を通過する気流量を最小化でき、冷気と暖気との混合が抑制されるため、発熱源冷却システムのエネルギー効率の悪化を抑制できる。
<第3の実施形態>
図5は、第3の実施形態を説明する図であり、データセンタを横からみたもので、図1のB−B’の断面図である。
【0030】
第3の実施形態が、第2の実施形態と異なる点は、サーバラック3と天井51との間に存在する冷気エリア41と暖気エリア42が空間的に導通した状態であって、冷気および暖気が冷気供給装置8を介さずに冷気エリア41と暖気エリア42間を移動可能である漏れ気流風路である隙間7に、風向および風量を検知する気流検知センサ6を設けた点である。そして、この気流検知センサ6が検知する気流検知量が最小になるように、冷気供給装置8の冷気供給量またはサーバラック3の暖気排出量を制御することで、冷気と暖気との混合が抑制されるため、発熱源冷却システムのエネルギー効率の悪化を抑制する効果があげられる。
【0031】
気流検知センサ6の設置場所は、たとえばシステム全体の設計段階において、気流シミュレーションなどにより、複数ある隙間の中で全体の気流を制御しうる、暖気と冷気の混合を抑制するための最適なセンシングポイントを予め求めておく。
【0032】
気流検知センサ6は、複数ある隙間の中でも、もっとも流路抵抗が低く気流が流れやすい隙間(隙間の広い位置)に設置する方が望ましい。すなわち、流路抵抗は流路の断面積の大きさに依存しており、一般に流路の断面積が大きいほど流路抵抗は小さくなる。そして、隙間の流路抵抗が小さいほど、隙間を流れる気流量は多くなる。隙間を流れる気流量が多い位置の気流量を最小化するように制御すれば、隙間を流れる気流量が少ない位置の気流量も最小化できていると見なせるため、全体の漏れ気流量を確実に低減できる。よって、気流検知センサ6を、隙間の広い位置にのみ設置すればよく、隙間の狭い位置に設置することは不要なので、気流検知センサ6の設置数を少なくしてコストを抑制できる。
【0033】
気流検知センサ6が検知する気流検知量が最小になるように、冷気供給装置8の冷気供給量を制御する場合は、空調ファン制御装置87が冷気供給装置8の第1の通流手段を制御して、冷気エリア41へ供給する供給冷気量の合計値を調整する。
【0034】
気流検知センサ6が、暖気エリア42から冷気エリア41の方向へ気流が通過していることを検知したら、空調ファン制御装置87は、冷気エリア41の圧力を増加させるように、第1の通流手段を制御して、冷気の供給量を増加させ、冷気エリア41の圧力を増加する。さらに、気流量が大きいほど制御量を大きくするなどして、検知する気流量が速やかに最小化するように制御する。このように制御することで、暖気と冷気の混合を抑制し、冷却効率の悪化を抑制できる。
【0035】
気流検知センサ6が、冷気エリア41から暖気エリア42の方向へ気流が通過していることを検知したら、空調ファン制御装置87は、冷気エリア41の圧力を減少させるように、第1の通流手段を制御して、冷気の供給量を減少させ、冷気エリア41の圧力を減少する。さらに、気流量が大きいほど制御量を大きくするなどして、検知する気流量が速やかに最小化するように制御する。このように制御することで、暖気と冷気の混合を抑制し、冷却効率の悪化を抑制できる。
【0036】
気流検知センサ6が検知する気流検知量が最小になるように、サーバラック3の暖気排出量を制御する場合は、ラック制御装置37がサーバラック3の第2の通流手段を制御して、暖気エリア42へ排出する暖気排出量の合計値を調整する。
【0037】
気流検知センサ6が、暖気エリア42から冷気エリア41の方向へ気流が通過していることを検知したら、ラック制御装置37は、暖気エリア42の圧力を減少させるように、第2の通流手段を制御して、暖気の排出量を減少させ、暖気エリア42の圧力を減少する。さらに、気流量が大きいほど制御量を大きくするなどして、検知する気流量が速やかに最小化するように制御する。このように制御することで、暖気と冷気の混合を抑制し、冷却効率の悪化を抑制できる。
【0038】
気流検知センサ6が、冷気エリア41から暖気エリア42の方向へ気流が通過していることを検知したら、ラック制御装置37は、暖気エリア42の圧力を増加させるように、第2の通流手段を制御して、暖気の排出量を増加させ、暖気エリア42の圧力を増加する。さらに、気流量が大きいほど制御量を大きくするなどして、検知する気流量が速やかに最小化するように制御する。このように制御することで、暖気と冷気の混合を抑制し、冷却効率の悪化を抑制できる。
【0039】
<第4の実施形態>
図6は、第4の実施形態を説明する図であり、データセンタを横からみたもので、図1のB−B’の断面図である。
【0040】
第4の実施形態は、冷気エリア41と暖気エリア42とが導通した状態であって、冷気および暖気が冷気供給装置8を介さずに冷気エリア41と暖気エリア42間を移動可能である漏れ気流風路である隙間7に、冷気エリア41と暖気エリア42間の気流の移動を抑制する抵抗体9を設けている。抵抗体9を設置して流路抵抗を増加させ、気流が流れにくくする方法によっても、冷気と暖気との混合が抑制されるため、発熱源冷却システムのエネルギー効率の悪化を抑制する効果があげられる。
【0041】
抵抗体9の具体例としては、隙間7を塞ぐ目的で、寸法精度の高い隔壁を設置して漏れ気流を完全に遮断してもよいし、低コスト化を考えて寸法精度は悪いが安価な抵抗体を設置して漏れ気流をある程度抑制してもよい。または、必要な機器類を隙間7に設置して抵抗体としてもよい。例えば、センサ類のための電源・配線ボックスや、送風ファン等のコントロールボックスなどを隙間7に配置して、流路抵抗を増加させてもよい。
【符号の説明】
【0042】
3 サーバラック
31 発熱源
32 ファン
35 第2の計測手段
36 アクチュエータ
37 ラックファン制御装置
41 冷気エリア
42 暖気エリア
43 側方空間
44 アイルキャップ
51 天井
52 床
7 隙間
8 冷気供給装置
84 ファン
85 第1の計測手段
86 アクチュエータ
87 空調ファン制御装置
9 抵抗体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱源を収納するラックを列状に並べて構成する一対のラック列を室内の床に設置し、当該一対のラック列が対向する側に冷気エリアが形成され、当該一対のラック列が対向しない側に暖気エリアが形成されている前記室内において、前記発熱源を冷却する発熱源冷却システムであって、
前記一対のラック列間の両側面開口部のそれぞれに冷気供給装置と、
前記ラック列を構成する各ラックまたは前記冷気供給装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記冷気供給装置は、前記一対のラック列が対向しない側に形成されている暖気エリアから暖気を吸入して、前記一対のラック列が対向する側に形成されている冷気エリアへ冷気を供給し、前記一対のラック列間の両側面開口部における前記冷気エリアと前記暖気エリアとを隔離するように設置される
ことを特徴とする発熱源冷却システム。
【請求項2】
前記冷気供給装置は、当該冷気供給装置が前記冷気エリアへ供給する供給冷気量を計測する第1の計測手段を有し、
前記ラック列を構成する各ラックは、当該ラックが前記暖気エリアへ排出する風量を計測する第2の計測手段と、前記冷気エリアから導入した冷気を前記発熱源との熱交換により所定の風量の暖気として前記暖気エリアへ排出する第2の通流手段と、を有し、
前記制御装置は、前記第2の計測手段の計測値の合計値が、前記第1の計測手段の計測値の合計値と略同量となるように、前記第2の通流手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発熱源冷却システム。
【請求項3】
前記冷気供給装置は、当該冷気供給装置が前記冷気エリアへ供給する供給冷気量を計測する第1の計測手段と、前記暖気エリアから吸入した暖気を冷却して所定の風量を前記冷気エリアへ送出する第1の通流手段と、を有し、
前記ラック列を構成する各ラックは、当該ラックが前記暖気エリアへ排出する風量を計測する第2の計測手段を有し、
前記制御装置は、前記第1の計測手段の計測値の合計値が、前記第2の計測手段の計測値の合計値と略同量となるように、前記第1の通流手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発熱源冷却システム。
【請求項4】
前記冷気エリアと前記暖気エリアとが導通した状態であって、冷気および暖気が前記冷気供給装置を介さずに前記冷気エリアと前記暖気エリア間を移動可能である漏れ気流風路に、当該風路を通過する気流を検知する気流検知センサを備え、
前記冷気供給装置は、前記暖気エリアから吸入した暖気を冷却して所定の風量を前記冷気エリアへ送出する第1の通流手段を有し、
前記制御装置は、前記気流検知センサが検知する気流量を小さくするように、前記冷気供給装置の第1の通流手段を制御して、前記冷気エリアへ供給する供給冷気量の合計値を調整する
ことを特徴とする請求項1記載の発熱源冷却システム。
【請求項5】
前記冷気エリアと前記暖気エリアとが導通した状態であって、冷気および暖気が前記冷気供給装置を介さずに前記冷気エリアと前記暖気エリア間を移動可能である漏れ気流風路に、当該風路を通過する気流を検知する気流検知センサ備え、
前記ラック列を構成する各ラックは、前記冷気エリアから導入した冷気を前記発熱源との熱交換により所定の風量の暖気として前記暖気エリアへ排出する第2の通流手段を有し、
前記制御装置は、前記気流検知センサが検知する気流量を小さくするように、前記各ラックの第2の通流手段を制御して、前記暖気エリアへ排出する排出暖気量の合計値を調整する
ことを特徴とする請求項1記載の発熱源冷却システム。
【請求項6】
前記冷気エリアと前記暖気エリアとが導通した状態であって、冷気および暖気が前記冷気供給装置を介さずに前記冷気エリアと前記暖気エリア間を移動可能である漏れ気流風路に、前記冷気エリアと前記暖気エリア間の気流の移動を抑制する抵抗体を備える
ことを特徴とする請求項1記載の発熱源冷却システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−193890(P2012−193890A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57797(P2011−57797)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】