説明

発話指示装置

【課題】ユーザにより指定された時刻に、ユーザに飽きを感じさせない音声メッセージの発話を行う手段を提供する。
【解決手段】コール管理サーバ装置13には、アニメの声優による複数の音声メッセージを示す音声データがその属性を示す属性データとともに記憶されている。また、コール管理サーバ装置13には、ユーザの電話番号に対応付けて、呼び出しを行う時刻を示す時刻データと、発話に用いる音声データの選択に関する条件を示す選択条件データが記憶されている。コール管理サーバ装置13は時刻データにより示される時刻になると、複数の音声データの中から選択条件データにより示される条件を満たす属性の音声データを抽出し、それらの中から1つを選択して、発話に利用する。その結果、ユーザは指定した時刻に携帯電話機11からその時々に応じて様々に変化する音声メッセージを聞くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定時に電話機に対し発呼および発話を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるモーニングコールと呼ばれるサービスがある。モーミングコールとは、一般的に、希望する時刻に外部の人に自分の電話番号宛に電話をかけてもらうサービスであり、その利用者(以下、「ユーザ」と呼ぶ)は、電話機から発せられる呼出音により、希望する時刻に確実に起床することができる。
【0003】
モーニングコールの第一の目的は指定された時刻に指定された電話番号に電話をかけることにより、ユーザを起床させることにある。従って、ユーザは電話機の受話器を取る操作をすると、すぐさま受話器を置く操作により通話を終了することが一般的である。
【0004】
上記のような一般的なモーニングコールは無味乾燥である。また、電話機の呼出音に応じていったんは起床したものの、受話器を置いた後にまた眠気に抗えずに寝入ってしまう、という問題も生じやすい。これは、目覚まし時計が持つ問題と同様の問題である。
【0005】
上述した一般的なモーニングコール・サービスの持つ問題を解消するために、例えば特許文献1においては、ユーザの指定した時刻にユーザの指定した携帯電話番号に対し発呼を行い、通話接続の確立の後、予め録音されている芸能人などの著名人の音声メッセージを発話させることにより、ユーザの嗜好に合ったモーニングコールを受けることを可能とするシステムが提案されている。
【0006】
特許文献1に提案されているシステムによれば、ユーザは自分の好きな著名人の音声メッセージを聞く間に目を覚ますことができ、より確実に起床できるとともに、好きな著名人の音声を聞くことで気持ちよく起床できる、といった望ましい効果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−219036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、特許文献1において提案されているシステムによる場合、ユーザにより指定された芸能人の音声メッセージは、定期的に変更されることはあっても、基本的に固定的である。従って、毎日のようにモーニングコールを利用するユーザにとっては間もなく音声メッセージの目新しさが無くなり、一般的なモーニングコールと同様のものとなってしまう。
【0009】
また、複数の選択肢の中からランダムに選択した音声メッセージを流すことにより、音声メッセージのマンネリ化の問題を軽減することが考えられるが、いずれマンネリ化する問題を解消することはできない。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み、ユーザにより指定された時刻に、ユーザに飽きを感じさせない音声メッセージの発話を行う手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明は、
複数の音声を各々示す複数の音声データと、前記複数の音声データの各々に関する当該音声データにより示される音声の属性を示す音声属性データとを互いに対応付けて記憶し、1以上の発呼先の電話番号と、当該発呼先の電話番号の各々に関する発呼すべき時刻を示す時刻データおよび音声データの選択に関する条件を示す選択条件データとを互いに対応付けて記憶する記憶手段と、
現在時刻を計時する計時手段と、
前記記憶手段に記憶されている1以上の時刻データの各々に関し、前記計時手段により計時される現在時刻が当該時刻データにより示される時刻に達する前に、当該時刻データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている選択条件データにより示される条件を満たす属性を示す音声属性データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている1の音声データを、前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声データの中から、当該時刻データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号に対応する音声データとして選択する選択手段と、
前記記憶手段に記憶されている1以上の時刻データの各々に関し、前記計時手段により計時される現在時刻が当該時刻データにより示される時刻に達するタイミングで、当該時刻データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号に対する発呼を行わせる指示を内蔵または外部の通話装置に対し行う発呼指示手段と、
前記発呼指示手段により発呼の指示に従った発呼に応じて通話接続が確立された場合に当該通話接続を介して、前記選択手段により選択された当該通話接続の確立に用いられた発呼先の電話番号に対応する音声データにより示される音声の発話を行わせる指示を前記通話装置に対し行う発話指示手段と
を備える発話指示装置
を提供する(第1の実施態様)。
【0012】
上述の第1の実施態様において、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、仮想世界におけるシチュエーションを属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、仮想世界におけるシチュエーションに関する条件を示す
構成が採用されてもよい(第2の実施態様)。
【0013】
上述の第1または第2の実施態様において、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、仮想世界を構成する番組に登場するキャラクタを属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、仮想世界を構成する番組に登場するキャラクタに関する条件を示し、
前記記憶手段は、1以上の番組の各々に関し当該番組の名称を示す番組名データと、当該番組に登場する1以上のキャラクタの各々に関する当該キャラクタの名称を示すキャラクタ名データとを対応付けて記憶し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号のうちの1の電話番号により識別される端末装置もしくは当該1の電話番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されているユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置から、検索画面の送信を要求する検索画面送信要求データを受信する要求データ受信手段と、
前記要求データ受信手段により前記検索画面送信要求データが受信された場合、前記記憶手段に記憶されている前記1以上の番組名データのうちの少なくとも一部および前記1以上のキャラクタ名データのうちの少なくとも一部を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記送信手段による番組名データおよびキャラクタ名データの送信に対する応答として前記端末装置から送信されてくる、特定の番組を指定する番組指定データおよび特定のキャラクタを指定するキャラクタ指定データを受信する指定データ受信手段と
を備え、
前記記憶手段は、前記端末装置の識別に用いられる電話番号に対応付けて記憶している選択条件データを、前記指定データ受信手段により受信された前記番組指定データにより特定される番組に登場するキャラクタであって、前記指定データ受信手段により受信された前記キャラクタ指定データにより特定されるキャラクタに関する条件を示すように書き換える
構成が採用されてもよい(第3の実施態様)。
【0014】
上述の第1乃至第3のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、任意のユーザの個人情報を属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、当該選択条件データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号により識別される端末装置のユーザの個人情報に関する条件を示す
構成が採用されてもよい(第4の実施態様)。
【0015】
上述の第1乃至第4のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、任意の端末装置に対する前記発呼指示装置による発呼指示の実行回数および任意の端末装置に対する前記発話指示装置による発話の実行時間のうちの少なくとも一方に関する情報を属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、当該選択条件データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号により識別される端末装置に対する前記発呼指示装置による発呼指示の実行回数および当該端末装置に対する前記発話指示装置による発話の実行時間のうちの少なくとも一方に関する条件を示す
構成が採用されてもよい(第5の実施態様)。
【0016】
上述の第1乃至第5のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段は、1以上の着呼先の電話番号と、当該1以上の着呼先の電話番号の各々に関し、所定の時間間隔で時系列的に並んだ複数の定時刻を示す定時刻データの各々に応じた音声データとを互いに対応付けて記憶し、
前記通話装置から、一の発呼元の電話番号から前記記憶手段に記憶されている前記1以上の着呼先の電話番号のうちの1の着呼先の電話番号に対する着呼があったことを示す着呼通知データを取得する通知データ取得手段と、
前記発話指示手段は、前記通知データ取得手段により取得された着呼通知データにより示される一の発呼元の電話番号が前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号に含まれる場合、前記計時手段により計時される現在時刻が前記複数の定時刻のうちのいずれかに達するタイミングで、当該着呼通知データにより示される1の着呼先の電話番号に対応付けて前記記憶手段に記憶され、かつ当該定時刻を示す定時刻データに対応付けて記憶されている音声データにより示される音声の発話を行わせる指示を前記通話装置に対し行う
構成が採用されてもよい(第6の実施態様)。
【0017】
上述の第1乃至第6のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号のうちの少なくとも一部は携帯電話機の電話番号であり、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、場所もしくは場所に応じて変化する現実世界における事象を属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、場所もしくは場所に応じて変化する現実世界における事象に関する条件を示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号のうちの1の電話番号により識別される携帯電話機から当該携帯電話機の現在位置を示す位置データを受信する位置データ受信手段
を備え、
前記選択手段は、前記位置データ受信手段により受信された位置データにより示される携帯電話機の現在位置に基づき、前記音声データの選択を行う
構成が採用されてもよい(第7の実施態様)。
【0018】
上述の第1乃至第7のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段は、1以上の所定のテキストを示すテキストデータと、前記1以上のテキストデータの各々に応じた時刻データの書き換え規則を示す書換規則データとを互いに対応付けて記憶し、
前記記憶手段は、前記1以上の発呼先の電話番号の少なくとも一部の各々に対応付けて、電子メールアドレスを記憶し、
メールサーバ装置から電子メールを受信するメール受信手段を備え、
前記記憶手段は、前記メール受信手段により受信された電子メールに、前記記憶手段が記憶している前記1以上のテキストデータのうちの1のテキストデータが含まれる場合、当該電子メールに含まれる送信元の電子メールアドレスに対応付けて記憶している時刻データを、当該電子メールに含まれる当該1のテキストデータに対応付けて記憶している書換規則データに従い書き換える
構成が採用されてもよい(第8の実施態様)。
【0019】
上述の第1乃至第7のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段は、前記複数の音声データの各々もしくは前記複数の音声データをグループ化して得られる複数のグループの各々に関する評価を示す評価データを記憶し、
前記記憶手段は、1以上の所定のテキストを示すテキストデータと、前記1以上のテキストデータの各々に応じた評価データの書き換え規則を示す書換規則データとを互いに対応付けて記憶し、
前記記憶手段は、前記1以上の発呼先の電話番号の少なくとも一部の各々に対応付けて、電子メールアドレスを記憶し、
メールサーバ装置から電子メールを受信するメール受信手段を備え、
前記記憶手段は、前記メール受信手段により受信された電子メールに、前記記憶手段が記憶している前記1以上のテキストデータのうちの1のテキストデータが含まれる場合、当該電子メールに含まれる当該1のテキストデータに対応付けて記憶している書換規則データに従い、当該電子メールに含まれる送信元の電子メールアドレスに対応付けて記憶している発呼先の電話番号を用いて確立された通話接続を介した前記発話指示手段による発話の指示に用いられた音声データに関する評価を変更するように前記評価データを書き換える
構成が採用されてもよい(第9の実施態様)。
【0020】
上述の第1乃至第9のいずれかの実施態様において、
前記記憶手段に記憶される前記複数の音声データの少なくとも一部は、質問を音声により示す質問データと、当該質問に対する2以上の解答の各々に応じた応答を音声により各々示す2以上の応答データとを含み、
前記通話装置により一の音声データに含まれる前記質問データに示される音声の発話が実行された後、当該発話に対する応答として発話先の電話機から前記通話装置に対し送信された1の解答を示す解答データを前記通話装置から取得する解答データ取得手段を備え、
前記発話指示手段は、前記記憶手段に記憶されている前記一の音声データに含まれる2以上の応答データのうち、前記解答データ取得手段により取得された解答データにより示される1の解答に応じた応答を示す応答データに示される音声の発話を前記通話装置に対し指示する
構成が採用されてもよい(第10の実施態様)。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザの希望する時刻にユーザの電話機に対し発呼が行われ、ユーザがその発呼に応じて電話機に対し受話操作を行うと、電話機から音声メッセージの発音が行われる。その際に発音される音声メッセージは、複数の音声メッセージの中からユーザ毎に設定された条件を満たす音声メッセージが選択されるため、ユーザは時には期待通りの、また時にはサプライズの音声メッセージを受け取ることになり、音声メッセージの内容に飽きてしまうという問題が生じにくい。
【0022】
本発明の第2の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザは仮想世界における希望するシチュエーションを指定することにより、例えば仮想上の好みの性格の恋人からの音声メッセージにより、いわゆるモーニングコールを受けることができる。その際、例えば毎日の音声メッセージに全体としてストーリー性を持たせることにより、ユーザの音声メッセージを聞く楽しみをより大きくすることができる。
【0023】
本発明の第3の実施態様にかかる発話指示装置によれば、例えばアニメの声優の音声メッセージを受け取りたいと思うユーザが声優の実名を知らないような場合に、アニメのタイトルとアニメ内のキャラクタ名を指定することにより、希望する声優の指定を行うことが可能となる。従って、例えば同じ声優が異なるアニメで異なるキャラクタを演じている場合においても、ユーザはキャラクタ単位で声優の指定を行うことができるため、よりユーザの嗜好に合った音声メッセージの提供が可能となる。
【0024】
本発明の第4の実施態様にかかる発話指示装置によれば、例えばユーザの誕生日に誕生日を祝う音声メッセージの提供を行う、ユーザの受験日に健闘を祈る音声メッセージの提供を行う、といった個々のユーザの個人情報に応じた音声メッセージの提供が可能となる。従って、ユーザはより適切な音声メッセージを受け取ることができる。またユーザは、例えば結婚記念日や知人の誕生日などの忘れがちな記念日を予め登録しておくことにより、音声メッセージによってそれらの記念日を思い出すこともできる。
【0025】
本発明の第5の実施態様にかかる発話指示装置によれば、例えば過去に受け取った音声メッセージの数に応じてプラチナユーザ、ゴールドユーザ、シルバーユーザといったグレードを個々のユーザに対し与え、それらのグレードに応じて異なる音声メッセージをユーザに提供する、といったことが可能となる。従って、長期に渡り音声メッセージを受け取っているユーザに対しては以前と異なる条件で音声メッセージの選択が行われるため、同じ音声メッセージが選択される確率が低くなり望ましいだけでなく、例えば高いグレードのユーザには特別な音声メッセージを提供することのより、ユーザに対し音声メッセージの受け取りを継続する動機付けを与えることができる。
【0026】
本発明の第6の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザが電話機から指定された着呼先の電話番号に電話をかけることにより、その電話番号およびその時刻に応じた音声メッセージによる時刻案内を受けることができる。その際、発呼元の電話機の電話番号により利用者が特定されるため、不正利用の回避や課金処理の自動化などが可能となる。
【0027】
本発明の第7の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザの電話機が現在位置の測定機能を備えた携帯電話機である場合、例えば定期的に携帯電話機から本発明にかかる発話指示装置に対し現在位置を示す位置データを送信させることにより、ユーザは現在位置に応じた内容の音声メッセージの提供を受けることができる。例えば、ユーザが旅行中であれば、旅行先の方言による音声メッセージを提供することで、ユーザの思い出づくりの手助けをすることができる。また、ユーザの現在地の天候に応じた音声メッセージを提供することで、例えば寒い日に「今日は寒いけど頑張ろう」といった励ましの音声メッセージを提供するなど、よりユーザに好まれる音声メッセージの提供が可能となる。
【0028】
本発明の第8の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザは、例えば「停止」「変更」「追加」などの予め定められたテキストメッセージをタイトルに入れた電子メールを指定されたメールアドレス宛に送信することで、簡単に指定時刻における電話機の呼出を停止したり、指定時刻を変更したり、指定時刻を追加したりすることができる。
【0029】
本発明の第9の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザは、例えば「とても良い」「良い」「普通」「悪い」「とても悪い」などの予め定められたテキストメッセージをタイトルに入れた電子メールを指定されたメールアドレス宛に送信することで、簡単にその日に聞いた音声メッセージに対する評価を音声メッセージの提供元である発話指示装置に対しフィードバックすることができる。
【0030】
本発明の第10の実施態様にかかる発話指示装置によれば、ユーザに対し音声メッセージにより質問の発題が行われ、ユーザが例えば数字ボタンのプッシュなどにより解答を行うと、その解答の正否に応じた音声メッセージがさらに提供される。その際、ユーザは解答を行うために頭を使ったり電話機に対する操作を行ったりするため、より目を覚ますことができるとともに、ユーザが音声メッセージを聞く楽しみも増す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるコールシステムの全体構成を示した図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかるユーザDBのデータ構成の例を模式的に示した図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかるアウトコール音声DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態にかかる評価DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態にかかるインコール音声DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にかかるアウトコール電話番号管理DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態にかかるユーザ設定画面の例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[1.実施形態]
以下に、本発明の一実施形態にかかるコールシステム1を説明する。コールシステム1は予めユーザにより登録された携帯電話機の電話番号に対し予めユーザにより登録された時刻に呼び出しを行い、ユーザがその呼び出しに応じて受話器を上げると、携帯電話機に対しアニメの声優による音声を発話するシステムである。以下、この指定の時刻における呼び出しおよび音声の発話を「タイムコール」と呼ぶ。
【0033】
[1.1.構成]
図1は、コールシステム1の全体構成を示した図である。コールシステム1は、ユーザが使用する携帯電話機11と、ユーザが使用するPC(Personal Computer)であるPC12と、コールシステム1を利用する全てのユーザの携帯電話機11の各々に対するタイムコールを管理するコール管理サーバ装置13と、コール管理サーバ装置13に指定された時刻にコール管理サーバ装置13に指定された電話番号に対しタイムコールを行うアウトコール用通話装置14と、いずれかのユーザの携帯電話機11からの着呼に応じてその時点の現在時刻が所定の定時刻に達したタイミングで着呼先の電話番号および当該定時刻に応じた音声の発話を行うインコール用通話装置15と、コール管理サーバ装置13に対し各地域の現在の天気に関する情報を示す天気データを配信する天気情報提供サーバ装置16とを備えている。
【0034】
携帯電話機11およびPC12の数は、各々、ユーザの数に応じて変化する。また、アウトコール用通話装置14の数は、タイムコールが最も集中する時刻における同時発呼数(以下、「最大同時発呼数」という)に応じて変化する。なお、コールシステム1においては例として、各々のアウトコール用通話装置14は同時に2つの異なる電話番号に発呼することができる。従って、コールシステム1において最小限必要となるアウトコール用通話装置14の数は最大同時発呼数の2分の1である。それら多数のアウトコール用通話装置14は、例えば1つまたは複数の大きな筐体内に積層される形で配置されている。
【0035】
また、インコール用通話装置15の数は、携帯電話機11からの着呼が最も集中する時刻における同時着呼数(以下、「最大同時着呼数」という)に応じて変化する。なお、コールシステム1においては例として、各々のインコール用通話装置15は同時に2つの異なる電話番号の着呼に応じることができる。従って、コールシステム1において最小限必要となるインコール用通話装置15の数は最大同時着呼数の2分の1であるが、最大同時着呼数は事前に正確に予測することができないため、実際に必要となるインコール用通話装置15の数は、予測される最大同時着呼数の2分の1よりも十分に多い数(例えば20%程多い数)である。それら多数のインコール用通話装置15もまた、例えば1つまたは複数の大きな筐体内に積層される形で配置されている。
【0036】
携帯電話機11は、携帯電話網を介して他の電話機との間で音声通話を行うことができる一般的な携帯電話機である。ただし、コールシステム1において利用される携帯電話機11の少なくとも一部は、GPS(Global Positioning System)により、または近くの基地局との間の電波強度に基づき、現在位置を示す位置データの取得を行う機能を備えている。また、コールシステム1において利用される携帯電話機11の少なくとも一部は、メーラ機能を備え、電子メールの送信を行うことができる。以下の説明における携帯電話機11は位置データの取得および電子メールの送信のいずれも可能な機種であるものとする。
【0037】
PC12は、携帯電話機11のユーザが主としてコール管理サーバ装置13に対しアウトコールに関する各種設定を行うために用いられる装置である。PC12は、データ通信手段を備えた一般的なコンピュータであり、プログラムに従った処理の実行によりブラウザ機能を備え、コール管理サーバ装置13が提供するWebページの表示と、そのWebページにおいてユーザにより入力された各種データのコール管理サーバ装置13に対する送信を行う。
【0038】
コール管理サーバ装置13は、データ通信機能を備えた一般的なコンピュータであり、プログラムに従った処理の実行によりWebサーバ機能およびメーラ機能を備えるとともに、以下に説明する各種処理を実行する装置として機能する。
【0039】
コール管理サーバ装置13は少なくとも以下の機能構成部を備える。
記憶部:各種データを記憶する。
計時部:現在時刻を計時し、計時した時刻を示す時刻データを生成する。
選択部:記憶部に記憶されている複数の音声データの中から発話に用いる音声データを選択する。
発呼指示部:アウトコール用通話装置14に対し発呼指示を示す発呼指示データを送信する。
発話指示部;アウトコール用通話装置14に対し発話指示を示す発話指示データを送信する。
受信部:携帯電話機11、PC12、天気情報提供サーバ装置16、課金サーバ装置17から送信されてくる各種データを受信する。
送信部:携帯電話機11、PC12、天気情報提供サーバ装置16、課金サーバ装置17に対し各種データを送信する。
【0040】
コール管理サーバ装置13の記憶部には、コールシステム1を利用するユーザの各々に関するデータを格納するDB(Database)であるユーザDB、タイムコールに利用される音声データの各々に関するデータを格納するDBであるアウトコール音声DB、タイムコールにおいて利用された音声に対するユーザの評価を示す評価データを格納するDBである評価DB、インコール用通話装置15に対する着呼に応じた発話に用いられる音声データを格納するDBであるインコール音声DB、タイムコールにおいて利用される発呼用の電話番号の各々の現在のステイタスを示すデータを格納するアウトコール電話番号管理DBが格納されている。
【0041】
図2は、ユーザDBのデータ構成の例を模式的に示した図である。ユーザDBは各ユーザに関するデータであるユーザレコードの集まりである。ユーザレコードは、以下のフィールドを含んでいる。
電話番号:ユーザが使用する携帯電話機11の電話番号を示す。
メールアドレス:ユーザが使用するメールアドレスを示す。ユーザを識別するユーザID(Identifier)の役割も兼ねる。
パスワード:ユーザがPC12からコール管理サーバ装置13にアクセスし各種設定変更等を行う際のユーザ認証において、メールアドレスとともに用いられる。
端末ID:ユーザの携帯電話機11の識別データである端末IDを示す。
【0042】
コール時刻規則:発呼のタイミングを決定するための規則を示す。例えば、毎週月曜日の午前6時30分に発呼を行うことを指定する「毎週月曜日06:30」、特定の日時に発呼を行うことを指定する「2011年3月15日13:00」、などがこのフィールドに格納される。同時に複数のデータを格納可能である。
コール時刻:コール時刻規則に従い決定された今後30日間における発呼のタイミングを示す。特定の日時に発呼を行うことを指定する「2010年12月14日06:30」といったデータがこのフィールドに格納される。同時に複数のデータを格納可能である。
【0043】
セレクト条件:タイムコールに利用される音声データの選択条件を示す。例えば、声優名を指定する「声優名=○○○○」、アニメタイトルを指定する「番組名=△△△△」、アニメに登場するキャラクタ名を指定する「キャラクタ名=××××」、シチュエーションを指定する「シチュエーション=□□□□」といったデータがこのフィールドに格納される。異なる種類の条件を指定する複数のデータを同時に格納可能である。
ポイント残高:コールシステム1の利用に要するポイントの残高を示す。
グレード:ユーザの過去におけるコールシステム1の利用状況に応じたグレードを示す。より具体的には、例えば過去6ヶ月に発話された音声の数に応じて、ノーマル、シルバー、ゴールド、プラチナのいずれかのグレードが付与される。
【0044】
記念日:ユーザが指定する任意の記念日を示す。サブフィールドとして記念日の種別を示す「種別」および記念日を示す「日付」を含む。例えば、記念日の種別には、「誕生日」、「結婚記念日」などのいわゆる過去の記念日に加え、「給料日」、「大学受験日」など今後の予定における特別な日も含まれる。同時に複数のデータを格納可能である。
ホームエリア:ユーザの自宅など通常滞在している場所を含む地域を示す。例えば、「東京都新宿区」などのデータがこのフィールドに格納される。ユーザが旅行中か否かの判定に用いられる。
位置データ利用:携帯電話機11が位置データの取得機能を備えている場合、位置データをコールシステム1に利用するか否かを示す。利用することを示す「Yes」または利用しないことを示す「No」がこのフィールドに格納される。
現在位置:携帯電話機11が最後に送信してきた位置データを格納する。例えば、位置データは「(北緯XX度XX分,東経XXX度XX分)」といったデータ形式に従い、その利用目的に応じた低い精度で携帯電話機11の現在位置を示す。
履歴:携帯電話機11に対する発話の日時と、発話された音声を識別する音声IDとを示す。サブフィールドとして発話の日時を示す「日時」と、発話対象の音声の音声IDを示す「音声ID」と、発話が実行されたか否かを示す「実行」が含まれる。「実行」には発話が実行されたことを示す「Yes」、もしくは電波が届かない、電源が切られている、所定回数の呼び出しに対する応答がない、といった理由で発話が実行されなかったことを示す「No」が格納される。
【0045】
図3は、アウトコール音声DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。アウトコール音声DBはタイムコールに利用される音声データの各々に関するデータであるアウトコール音声レコードの集まりである。アウトコール音声レコードは、以下のフィールドを含んでいる。
音声ID:音声データを識別する。
音声データファイル名:音声データのファイル名を示す。なお、音声データの本体はこのフィールドに格納されるデータにより識別されるファイルとしてコール管理サーバ装置13の記憶部に記憶されている。また、このフィールドには、「メイン」と「サブ1」、「サブ2」のように複数の音声データを特定する音声データファイル名が格納されている場合がある。その場合、「メイン」で指定される音声データファイル名は、発話の最初に利用される音声データを示し、「サブ1」、「サブ2」、・・・は「メイン」の発話により発題された質問に対するユーザによる解答に応じて選択的に利用される音声データを示す。
声優名:音声データが示す音声の発声者である声優の名前を示す。
番組名:音声データが示す音声のキャラクタが登場するアニメのタイトル名を示す。
キャラクタ名:音声データが示す音声のキャラクタの名前を示す。
シチュエーション名:音声データが示す音声がどのようなシチュエーションにおける音声であるかを示すシチュエーション名を示す。
【0046】
シーケンス番号:複数の音声データの各々により示される音声が一連のストーリー性を持っている場合、それらの音声の順序を示す。例えば、あるアウトコール音声データには「2134−1」、他のアウトコール音声データには「2134−2」、さらに他のアウトコール音声データには「2134−3#」といったデータがこのフィールドに格納される。この場合、最初の4桁の数字、つまり「2134」が一連のストーリーを構成する音声データであることを示し、末尾の1桁の数字、つまり「1」、「2」、「3」がその順でストーリー性を持っていることを示している。さらに、「#」が、3番目の音声データが最後のものである、ということを示している。
【0047】
被セレクト条件:音声データが選択されるための条件を示す。例えば、ユーザのグレードがゴールドであることを要求する「グレード=ゴールド」、現在位置がホームエリアから概ね100km以上離れていることを要求する「現在位置=ホームエリアから100km以上」、現在位置が特定のエリア内であることを要求する「現在位置=○○エリア」、現在位置における現在の天気が雨であることを要求する「天気=雨」、本日がユーザの誕生日であることを要求する「本日=誕生日」、本日が特定日であることを要求する「本日=12月24日」、現在の時刻が特定の時間帯内であることを要求する「現在時刻=22:00〜23:59」などがこのフィールドに格納されるデータの例である。
【0048】
被セレクト条件に含まれるデータの各々には、例えば以下のように、(1)〜(5)もしくは(∞)という選択頻度を示す数字または記号が付されている。
「天気=雨(3)」
「本日=誕生日(∞)」
【0049】
(1)〜(5)はそれらの数字が大きいほど、選択される確率が高いことを示す。(∞)はこの条件が満たされた場合には、他の選択候補の音声データの有無にかかわらず必ず選択されることを示す。(ただし、選択候補の中に複数、(∞)が付されたものがある場合、例えばそれらの中からランダムに1つが選択される。)
【0050】
図4は、評価DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。評価DBは任意のユーザからフィードバックされたタイムコールの音声に関する評価を各々示すデータである評価レコードの集まりである。評価レコードは、以下のフィールドを含んでいる。
音声ID:評価対象の音声を識別する音声IDを示す。
コール日時:音声の発話が行われた日時を示す。
評価:音声に関する評価を1〜5のいずれかの数字で示す。なお、数字が大きい程、高い評価を示す。
【0051】
図5は、インコール音声DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。インコール音声DBは、着呼先の電話番号で各々識別される複数のサブDBの集まりである。各々のサブDBは、同じ声優により同じアニメタイトルにおける同じキャラクタの声による時刻案内のための音声データの各々に関するデータであるインコール音声レコードの集まりである。
【0052】
例えば、着呼先の電話番号が050−9999−0001で識別されるサブDBには、声優名=□□□□、番組名=××××、キャラクタ名=△△△△で特定されるキャラクタの声による時刻案内用の音声データ、すなわち「1時0分ちょうどをお知らせします。」、「1時0分10秒をお知らせします。」、・・・といった音声を示すデータの各々に関するインコール音声レコードが格納されている。インコール音声レコードは、以下のフィールドを含んでいる。
音声ID:音声データを識別する。
時刻:発話のタイミングを示す。
音声データファイル名:音声データのファイル名を示す。なお、音声データの本体はこのフィールドに格納されるデータにより識別されるファイルとしてコール管理サーバ装置13の記憶部に記憶されている。
【0053】
図6は、アウトコール電話番号管理DBのデータ構成の例を模式的に示した図である。アウトコール電話番号管理DBは、発呼元の電話番号として準備されている多数の電話番号の各々に関するアウトコール電話番号管理レコードの集まりである。アウトコール電話番号管理レコードは、以下のフィールドを含んでいる。
電話番号:発呼元の電話番号を示す。
通話装置IPアドレス:アウトコール用通話装置14を識別するIPアドレスを示す。なお、コールシステム1においては1つのアウトコール用通話装置14に2つの発呼元の電話番号が予め割り当てられているため、アウトコール電話番号管理DBには、「電話番号」が異なり「通話装置IPアドレス」が同じであるアウトコール電話番号管理レコードが2つずつ含まれることになる。
空き:電話番号が空いていることを示す「Yes」、または電話番号が空いていないことを示す「No」を格納する。
【0054】
以上、コール管理サーバ装置13の記憶部に記憶されているDBのデータ構成につき説明したが、コール管理サーバ装置13の記憶部には上記の各DBに加え、PC12に対し送信される各種設定画面用のWebページデータ、携帯電話機11から送信されてくる電子メールに含まれる設定変更指示用のテキストデータに従い、ユーザDB(図2参照)の「コール時刻」や評価DB(図4参照)の「評価」のデータを書き換えるための規則を示した書換規則データ、位置データとエリア名とを相互に変換するための変換データなど、他にも様々なデータが記憶されている。
【0055】
図1に戻り、コールシステム1を構成する他の装置の説明を続ける。アウトコール用通話装置14は、コールセンター内に配置され、指定された電話番号に対し発呼を行い、発呼先の電話機がその発呼に応じた場合に、図示せぬ交換機、VoIP(Voice over Internet Protocol)サーバ装置、基地局等の電話網システムにより発呼先の電話機との間に確立される通話接続を介して、発呼先の電話機に対し音声信号を出力するとともに、発呼先の電話機から出力される音声信号を受け取る装置である。
【0056】
インコール用通話装置15は、同じくコールセンター内に配置され、各々に割り当てられた着呼先の電話番号に対する任意の電話機からの着呼に応じて、図示せぬ電話網システムにより発呼元の電話機との間に確立される通話接続を介して、発呼元の電話機に対し音声信号を出力するとともに、発呼元の電話機から出力される音声信号を受け取る装置である。
【0057】
コールシステム1において、コール管理サーバ装置13、アウトコール用通話装置14およびインコール用通話装置15は同じコールセンター内に近接して配置されており、コール管理サーバ装置13とアウトコール用通話装置14、コール管理サーバ装置13とインコール用通話装置15は各々、LAN(Local Area Network)接続されており、例えば外部のインターネットを介した接続と比べ、データ通信に要する時間が極めて短く安定している。それにより、タイムコールを正確な時刻に実行することが可能となっている。
【0058】
天気情報提供サーバ装置16は、コール管理サーバ装置13から特定の位置データを含む天気情報要求データを受信すると、その天気情報要求データに含まれる位置データにより特定される場所の現在の天気を示す天気データをコール管理サーバ装置13に送信するサーバ装置である。
【0059】
[1.2.動作]
続いて、コールシステム1の動作を説明する。まず、コールシステム1の利用を希望するユーザは、携帯電話機11を操作して指定されたURL(Uniform Resource Locator)をブラウザにおいて入力することにより、コール管理サーバ装置13から提供されるユーザ登録画面をPC12に表示させる。ユーザ登録画面において、ユーザは、以下のデータを入力する。
電話番号:自分の携帯電話機11の電話番号
メールアドレス:自分の携帯電話機11に割り当てられたメールアドレス
パスワード:自分で任意に決めた文字、数字、記号の列
【0060】
ユーザ登録画面において入力されたデータはPC12からコール管理サーバ装置13に送信される。その際、携帯電話機11の端末IDもまた、コール管理サーバ装置13に送信される。コール管理サーバ装置13はそれらのデータを受信すると、ユーザDB(図2参照)に新たなユーザレコードを追加し、追加したユーザレコードの「電話番号」、「メールアドレス」、「パスワード」、「端末ID」に受信したデータを登録する。
【0061】
続いて、ユーザはPC12を操作して、指定されたURLをブラウザにおいて入力することにより、コール管理サーバ装置13から提供されるユーザ設定画面をPC12に表示させる。ただし、ユーザ設定画面の表示に先立ち、PC12にはユーザ認証画面が表示され、ユーザ認証画面においてユーザが先に携帯電話機11を用いて登録したメールアドレスとパスワードを正しく入力した場合に限り、ユーザ設定画面がPC12に表示されることになる。
【0062】
図7は、ユーザ設定画面の例を模式的に示した図である。ユーザ設定画面において、ユーザは曜日毎に毎週、タイムコールを受けたい時刻を指定したり、特定の日時を指定したりする(図7の領域121)。そのように入力されたデータは、PC12からコール管理サーバ装置13に送信され、ユーザDB(図2参照)の「コール時刻規則」に格納される。コール管理サーバ装置13は「コール時刻規則」の変更を行った場合、変更後の「コール時刻規則」に従い、現在から30日間にタイムコールを実行すべき時刻を決定し、決定した時刻を示すデータで「コール時刻」を上書きする。
【0063】
また、ユーザ設定画面において、ユーザはタイムコールにおいて聞きたい声の声優を声優名で検索して指定したり、聞きたい声のキャラクタをアニメタイトルおよびキャラクタの順に検索および指定したり、さらにどのようなシチュエーションにおける声を聞きたいかをリストボックス内の選択可能なシチュエーション名の中から選択して指定したりする(図7の領域122)。そのように入力されたデータは、PC12からコール管理サーバ装置13に送信され、ユーザDB(図2参照)の「セレクト条件」に格納される。
【0064】
また、ユーザ設定画面において、ユーザは誕生日、大学受験日等の記念日の種別をリストボックス内の選択可能な記念日名の中から選択して指定した後、その日付を入力する(図7の領域123)。それらの入力されたデータは、PC12からコール管理サーバ装置13に送信され、ユーザDB(図2参照)の「記念日」に格納される。
【0065】
また、ユーザ設定画面において、ユーザは自宅などの通常滞在している場所を含む地域(エリア)を、リストボックスにおいて都道府県名、市町村区名、の順に選択して指定する(図7の領域124)。そのように入力されたデータは、PC12からコール管理サーバ装置13に送信され、ユーザDB(図2参照)の「ホームエリア」に格納される。
【0066】
また、ユーザ設定画面において、ユーザは携帯電話機11から送信する位置データをコールシステム1において利用するか否かを「Yes」または「No」のいずれかを選択することにより指定する(図7の領域125)。そのように入力されたデータは、PC12からコール管理サーバ装置13に送信され、ユーザDB(図2参照)の「位置データ利用」に格納される。
【0067】
ユーザがコールシステム1を利用するには、その利用料金を支払う必要がある。コールシステム1においては、事前にポイントを購入しチャージしておくことにより、ポイント残高が十分である間、タイムコールや時刻案内の利用が可能となっている。従って、ユーザはポイントのチャージを行うため、PC12を操作して、指定されたURLをブラウザにおいて入力することにより、コール管理サーバ装置13から提供されるユーザ情報画面をPC12に表示させる。ただし、ユーザ情報画面の表示に先立ち、PC12にはユーザ認証画面が表示され、ユーザに対するメールアドレスとパスワードの入力が求められる点はユーザ設定画面の場合と同様である。
【0068】
ユーザ情報画面においては、現在のユーザのポイント残高および現在のユーザのグレードが表示されるとともに、ポイントのチャージを行うことができる。なお、ユーザ情報画面に表示されるポイント残高およびグレードは、各々、ユーザDB(図2参照)の「ポイント残高」および「グレード」の内容である。
【0069】
ユーザ情報画面において、ユーザがポイントのチャージを指定すると、ポイント購入代金の決済のためのクレジットカード情報の入力画面等が表示され、要求されるデータを正しく入力すると、それらのデータがコール管理サーバ装置13に送信される。コール管理サーバ装置13は図1においては図示せぬ課金サーバ装置との間でデータ通信を行い、ユーザの指定したクレジットカードの与信が十分である旨の応答が課金サーバ装置から得られれば、ユーザDB(図2参照)のポイント残高に購入されたポイントを加算するとともに、加算後のポイント残高をユーザ情報画面に表示させる。以上により、ユーザはコールシステム1のサービスを受けることができるようになる。
【0070】
なお、ユーザは、位置データの利用を行う場合、例えば旅行先で就寝前などの適当なタイミングで、携帯電話機11に指定されたURLを入力し所定のボタンを押すなどの操作を行う。その操作に応じて、携帯電話機11は自機の端末IDとともに、その時点における現在位置を示す位置データをコール管理サーバ装置13に送信する。コール管理サーバ装置13は位置データを受信すると、受信した位置データを記憶部に記憶している変換データに従いエリア名に変換し、同時に受信した端末IDを検索キーとしてユーザDB(図2参照)から検索したユーザレコードの「現在位置」に、そのエリア名を格納する。
【0071】
コール管理サーバ装置13は、毎日定時になると、ユーザDB(図2参照)に含まれるユーザレコードの各々に関し、「コール時刻規則」に従い、30日後の1日間にタイムコールを実行すべき時刻を決定し、決定した時刻を示すデータを「コール時刻」に追加する。これにより、常時、「コール時刻」には今後30日間のタイムコールの予定時刻を示す時刻データが格納されることになる。
【0072】
コール管理サーバ装置13の選択部は、常時、ユーザDB(図2参照)の「コール時刻」に格納されている時刻データを監視し、計時部により計時される現在時刻がコール時刻に格納されている時刻データにより示される時刻の所定時間前、例えば5分前になると、当該時刻データにより示される時刻に当該時刻データを格納するユーザレコードの「電話番号」に対し発話すべき音声を示す音声データの選択処理を行う。
【0073】
具体的には、選択部はまず、ユーザレコードの「セレクト条件」に指定のあるもの、すなわち声優名、番組名、キャラクタ名およびシチュエーション名の中で指定のあるものに関し、アウトコール音声DB(図3参照)に含まれるアウトコール音声レコードのうち、対応するフィールド、すなわち「声優名」、「番組名」、「キャラクタ名」、「シチュエーション名」に格納されているデータが一致するものを抽出する。例えば、ユーザレコードの「セレクト条件」に「声優名=○○○○、シチュエーション名=××××」が格納されている場合、選択部はアウトコール音声DB(図3参照)の中から、「声優名」に「○○○○」が格納され、かつ「シチュエーション名」に「××××」が格納されているアウトコール音声レコードを抽出する。
【0074】
続いて、選択部は抽出したアウトコール音声レコードの中から「被セレクト条件」に格納されているデータにより示される条件が満たされるものを抽出する。例えば、「被セレクト条件」に「グレード=ゴールド」が格納されている場合、選択部はユーザレコードの「グレード」がゴールドである場合はそのアウトコール音声レコードを抽出対象とするが、それ以外の場合は抽出対象から外す。
【0075】
例えば、「被セレクト条件」に「現在位置=ホームエリアから100km以上」が格納されている場合、選択部はユーザレコードの「ホームエリア」に示されるエリアの中心地点と「現在位置」に示されるエリアの中心地点を記憶部に記憶されている変換データに従い特定し、それらの間の距離が100km以上であるか否かを判定する。その距離が100km以上であると判定された場合、選択部はそのアウトコール音声レコードを抽出対象とするが、それ以外の場合は抽出対象から外す。
【0076】
例えば、「被セレクト条件」に「天気=雨」が格納されている場合、選択部はユーザレコードの「現在位置」に示されるエリアの中心地点を記憶部に記憶されている変換データに従い特定し、特定した地点を示す位置データを含む天気情報要求データを天気情報提供サーバ装置16に送信する。その応答として天気情報提供サーバ装置16から送信されてくる天気データが雨を示す場合、選択部はそのアウトコール音声レコードを抽出対象とするが、それ以外の場合は抽出対象から外す。
【0077】
例えば、「被セレクト条件」に「本日=誕生日」が格納されている場合、選択部はユーザレコードの「記念日」に含まれる「種別」に「誕生日」が格納され、かつそれに対応する「日付」に本日の日付が格納されているか否かを判定し、それらのデータが格納されている場合はそのアウトコール音声レコードを抽出対象とするが、それ以外の場合は抽出対象から外す。
【0078】
以上、「被セレクト条件」に格納される条件データのいくつかの例に関し、選択部がそれらの条件データに従い、どのようにアウトコール音声レコードの抽出を行うかを説明したが、他の種類の条件データに従う場合も同様である。
【0079】
続いて、選択部はそのように抽出したアウトコール音声レコードの「被セレクト条件」に(∞)が付されているものがあるか否かを判定する。(∞)が付されているものがある場合、選択部はそのアウトコール音声レコードを発話に使用するレコードとして選択する。なお、「被セレクト条件」に(∞)が付されている条件データを含むアウトコール音声レコードが複数、抽出されている場合、選択部はそれらの中からランダムに1つを発話に使用するレコードとして選択する。
【0080】
抽出したアウトコール音声レコードの「被セレクト条件」に(∞)が付されているものがない場合、選択部はストーリー性のある一連の音声データのうち発話が完了していないものがないかを判定する。より具体的には、選択部はまず、ユーザレコードの「履歴」に格納されているデータのうち、「実行」が「Yes」であり、「日時」が最近のものから順に例えば最大30の「音声ID」を順次読み出し、読み出した「音声ID」に対応するアウトコール音声レコードをアウトコール音声DB(図3参照)の中から検索する。検索したアウトコール音声レコードの「シーケンス番号」に末尾が「#」でないものが発見された場合、選択部は発話が完了していない一連の音声データがある、と判定する。
【0081】
その場合、選択部はそのシーケンス番号の末尾に1を加算して得られるシーケンス番号を「シーケンス番号」に含むアウトコール音声レコードをアウトコール音声DB(図3参照)の中から検索する。選択部は、そのように検索したアウトコール音声レコードを発話に使用するレコードとして選択する。
【0082】
発話が完了していない一連の音声データがないと判定した場合、選択部は先に抽出したアウトコール音声レコードの「被セレクト条件」に(1)〜(5)として付されている数字に応じた選択確率に従い、それらのアウトコール音声レコードの中からランダムに1つを発話に使用するレコードとして選択する。
【0083】
選択部は以上のようにアウトコール音声レコードの選択を行うと、選択したアウトコール音声レコードの「音声データファイル名」により特定される音声データを記憶部から読み出し、ユーザレコードの「電話番号」および「コール時刻」のうち直近のもの、すなわち発呼先の電話番号および発呼のタイミングを示す時刻データに対応付けて、記憶部のワークエリア等に一時的に記憶させる。
【0084】
コール管理サーバ装置13の発呼指示部は、一時的に記憶されている時刻データが示す時刻の所定時間前、例えば10秒前になると、アウトコール電話番号管理DB(図6参照)の中から「空き」が「Yes」であるレコードを検索し、検索したレコードの「通話装置IPアドレス」を送信先アドレスとする発呼指示データを生成し、LANに送出する。その発呼指示データには、発呼元の電話番号(アウトコール電話番号管理レコードの「電話番号」)と、時刻データおよび発呼先の電話番号(選択部により一時的に記憶されたもの)が含まれている。
【0085】
発呼指示データの宛先のアウトコール用通話装置14は発呼指示データを受信すると、受信した発呼指示データに従い、発呼元の電話番号を用いて、時刻データにより示される時刻に、発呼先の電話番号に対し発呼を行う。
【0086】
当該発呼に応じて携帯電話機11が呼出音の発音等を行い、ユーザが携帯電話機11に対し受話操作を行うと、アウトコール用通話装置14と携帯電話機11との間に通話接続が確立される。その場合、アウトコール用通話装置14はコール管理サーバ装置13に対し通話接続の確立を通知する。
【0087】
その通知に応じて、アウトコール用通話装置14の発話指示部は、一時的に記憶されている音声データを含む発話指示データを生成し、アウトコール用通話装置14に送信する。アウトコール用通話装置14は発話指示データに含まれる音声データを順次、通話用の音声データに変換し、通信接続を介して携帯電話機11に対し変換後の音声データを送信することにより発話の処理を行う。その結果、携帯電話機11の発音部からは声優の声による音声メッセージが流れることになる。
【0088】
ところで、アウトコール用通話装置14からの発話に用いられる音声データは、アウトコール音声DBの説明において述べたように、「メイン」および「サブ1」、「サブ2」、・・・のように複数の音声データにより構成されている場合がある。その場合、アウトコール用通話装置14はまず、「メイン」で指定される音声データを用いて発話の処理を行う。この発話においてはユーザに対する質問の投げかけが行われる。投げかけられた質問に応じて、ユーザは携帯電話機11のテンキーをプッシュして解答を示す数字データをコール管理サーバ装置13に送信する。コール管理サーバ装置13は「1」が送信されてきた場合には「サブ1」で指定される音声データを、「2」が送信されてきた場合には「サブ2」で指定される音声データを、・・・というように選択した音声データを用いて発話の処理を行う。この発話において、ユーザに正答が伝えられることになる。
【0089】
発呼指示部によりアウトコール用通話装置14に対し発呼指示データの送信を行うと、コール管理サーバ装置13はユーザレコードの「コール時刻」に含まれる発呼に用いた時刻データを削除するとともに、「ポイント残高」を所定数、減算する。それにより、その時刻における発呼処理の完了と、ポイントによる支払いの完了が記録されることになる。
【0090】
続いて、発話指示部によりアウトコール用通話装置14に対し発話指示データの送信を行うと、コール管理サーバ装置13はユーザレコードの「履歴」の「日時」にその時点を示す日時データを、「音声ID」に発話に使用した音声データの音声IDを、「実行」に「Yes」を格納する。それにより、発話の履歴が記録されることになる。
【0091】
なお、発呼指示部によりアウトコール用通話装置14に対し発呼指示データの送信が行われ、その後、アウトコール用通話装置14より発呼指示部に対し通話接続確立の失敗の通知がなされる場合がある。例えば、携帯電話機11が電波の届かないエリアにある場合、携帯電話機11の電源が切れている場合、携帯電話機11のユーザが呼び出しに応じない場合などに通話接続確立の失敗の通知がなされることになる。その場合、発呼指示部は本来の発呼のタイミングから例えば5分後に再度の発呼を指示する発呼指示データを生成し、アウトコール用通話装置14に送信する。アウトコール用通話装置14はその発呼指示データに従い、再度の発呼を行う。
【0092】
再度の発呼指示データの送信の後に、アウトコール用通話装置14から通話接続確立の失敗の通知がなされた場合、コール管理サーバ装置13はユーザレコードの「履歴」の「日時」にその時点を示す日時データを、「実行」に「No」を格納する。なお、「音声ID」は空欄となる。それにより、発話の失敗が記録されることになる。
【0093】
ユーザは携帯電話機11から流れる音声メッセージを聞いた後、例えば翌日に次の音声メッセージを聞くまでの間に、携帯電話機11から電子メールを指定されたメールアドレス宛に送信することにより、その音声メッセージに対する評価を行うことができる。より具体的には、ユーザは携帯電話機11を用いてタイトルに「とても良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「とても悪い」のいずれかを入力し、指定されたメールアドレスを送信先に指定した後、本文は空欄のまま送信する。
【0094】
上記のように送信された電子メールは、図1において図示しなかったメールサーバ装置を経由して、コール管理サーバ装置13により受信される。コール管理サーバ装置13は受信した電子メールの送信元のメールアドレスを検索キーとしてユーザDB(図2参照)からユーザレコードを検索し、検索したユーザレコードの「履歴」に示される「実行」が「Yes」かつ「日時」が最も新しいデータの「音声ID」を特定する。このように特定される音声IDは、ユーザによる評価の対象の音声データ、すなわち最後に携帯電話機11から流れた音声を示す。
【0095】
コール管理サーバ装置13は評価DB(図4参照)に新しい評価レコードを追加した後、ユーザレコードにおいて特定した音声IDおよびそれに対応する日時を追加した評価レコードの「音声ID」および「コール日時」に格納するとともに、受信した電子メールのタイトルが「とても良い」であれば「5」、「良い」であれば「4」、「普通」であれば「3」、「悪い」であれば「2」、「とても悪い」であれば「1」を「評価」に格納する。
【0096】
上記のように逐次更新される評価DBのデータに基づき、コール管理サーバ装置13は声優別ランキング、アニメタイトル別ランキング、キャラクタ別ランキング、といったランキングを行い、その結果をランキング表示画面としてユーザに提供する。より具体的には、ユーザは例えばPC12のブラウザに所定のURLを入力することにより、ランキング表示画面を表示させ、その内容を知ることができる。
【0097】
また、ユーザは、携帯電話機11から電子メールを指定されたメールアドレス宛に送信することにより、例えばタイムコールの指定期間中の停止、時刻の変更、時刻の追加などの指示を行うことができる。より具体的には、ユーザは携帯電話機11を用いてタイトルに「停止(1日)」、「変更(07:30)」、「追加(12:00)」といったテキストを入力し、指定されたメールアドレスを送信先に指定した後、本文は空欄のまま送信する。
【0098】
上記のように送信された電子メールは、メールサーバ装置を経由してコール管理サーバ装置13により受信される。コール管理サーバ装置13は受信した電子メールの送信元のメールアドレスを検索キーとしてユーザDB(図2参照)からユーザレコードを検索し、検索したユーザレコードの「コール時刻」を受信した電子メールのタイトルに応じて書き換える。
【0099】
例えば、タイトルに「停止(1日)」が含まれている場合、コール管理サーバ装置13は「コール時刻」に含まれる時刻データのうち、現時点から1日間に含まれる時刻を示すものを削除する。それにより、その後1日間は、その携帯電話機11に対するタイムコールが行われなくなる。
【0100】
例えば、タイトルに「変更(07:30)」が含まれている場合、コール管理サーバ装置13は「コール時刻」に含まれる時刻データのうち、直近の時刻を示すものを、指定された時刻(すなわち、07:30)を示す時刻データに書き換える。それにより、例えば翌日のタイムコールがいつもと異なる時刻に行われることになる。
【0101】
例えば、タイトルに「追加(12:00)」が含まれている場合、コール管理サーバ装置13はその時点から最も近い指定された時刻を示す時刻データを「コール時刻」に追加する。例えば、その時点が14:00であれば、翌日の12:00を示す時刻データが「コール時刻」に追加される。それにより、例えば翌日のみ、タイムコールが指定した時刻に追加的に行われることになる。
【0102】
以上、電子メールを用いたタイムコールの時刻の設定変更の方法につき例を用いて説明したが、他の様々な設定変更も同様に可能である。
【0103】
コールシステム1は、上述したタイムコール、すなわちアウトコールのサービスに加え、ユーザが希望するタイミングで所定の電話番号に電話をかけることにより、好みの声優による時刻案内を聞くことを可能にするインコールのサービスも提供する。
【0104】
インコールのサービスを利用したい場合、ユーザは携帯電話機11を用いて、好みの声優によるアニメのキャラクタの声に対応する電話番号に対し電話をかける。その操作に応じて、携帯電話機11はインコール用通話装置15に発呼を行う。その発呼には、携帯電話機11の電話番号が伴っている。インコール用通話装置15は携帯電話機11からの発呼に伴う電話番号(発呼元の電話番号)およびインコール用通話装置15の電話番号(着呼先の電話番号)を含む着呼通知データを生成し、コール管理サーバ装置13に送信する。
【0105】
コール管理サーバ装置13は着呼通知データに含まれる電話番号を検索キーとして、ユーザDB(図2参照)からユーザレコードを検索する。その検索に成功し、かつ検索したユーザレコードの「ポイント残高」がインコールのサービス利用の代金に対し十分であれば、コール管理サーバ装置13はインコール用通話装置15に通話接続の確立を指示する。その指示に応じて、インコール用通話装置15は携帯電話機11との間に通話接続を確立する。
【0106】
インコール用通話装置15は通話接続確立の完了通知をコール管理サーバ装置13に送信する。その完了通知に応じて、コール管理サーバ装置13の発話指示部は先に受信したインコール用通話装置15の電話番号により特定されるインコール音声DB(図5参照)のサブDBから、「時刻」が計時部により計時される現在時刻に応じた時刻を示すインコール音声レコードを順次読み出し、読み出したレコードの「音声データファイル名」で特定される音声データを記憶部から読み出して、読み出した音声データと発話の時刻を示す時刻データとを含む発話指示データを生成し、インコール用通話装置15に送信する。インコール用通話装置15はコール管理サーバ装置13から順次送信されてくる発話指示データに従い発話の処理を行う。その結果、携帯電話機11からは、ユーザが希望する声優による声の時刻案内が流れることになる。
【0107】
なお、コール管理サーバ装置13は例えばインコール用通話装置15から通話接続確立の完了通知を受信したタイミングで、ユーザレコードの「ポイント残高」を所定数、減算する。それにより、インコールのサービスに対するポイントによる支払いの完了が記録されることになる。
【0108】
以上のように、コールシステム1によれば、ユーザは日々の音声メッセージの内容を楽しみながら、飽きることなくタイムコールのサービスを利用することができる。
【0109】
[1.3.変形例]
上述した実施形態は本発明の一具体例であって、その技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそのような変形の例を示す。
【0110】
上述した実施形態においては、携帯電話機11により取得される位置データはインターネット経由で携帯電話機11からコール管理サーバ装置13に送信されるものとしたが、位置データがコール管理サーバ装置13に送信されるルートはそれに限られない。例えば、携帯電話機11の携帯電話事業者(キャリア)経由で携帯電話機11の位置データがコール管理サーバ装置13に定期的に自動送信される構成が採用されてもよい。
【0111】
また、携帯電話機11からコール管理サーバ装置13にWebページ経由で位置データが送信される代わりに、例えば電子メールの形式で携帯電話機11からコール管理サーバ装置13に位置データが送信される構成が採用されてもよい。例えば携帯電話機11がスマートフォンのようにアプリケーションに従った柔軟な処理を実行可能な電話機であれば、携帯電話機11に定期的に自動的に位置データを含む電子メールを生成させ、それを送信させる構成が採用されてもよい。
【0112】
また、ユーザが海外にいる場合など、携帯電話機11が所定のエリアの外にある場合に、コール管理サーバ装置13がその携帯電話機11に対してはタイムコールを実行しない構成が採用されてもよい。
【0113】
また、上述した実施形態において、ユーザに与えられるグレードは過去の所定期間内の発呼回数に応じて決定されるものとしたが、グレードの決定方法はそれに限られず、例えば過去の所定期間内に実行された発話の時間に応じてグレードが決定される構成が採用されてもよい。
【0114】
また、上述した実施形態において、発呼先の電話番号は携帯電話機の電話番号であるものとしたが、固定電話機の電話番号に対しアウトコール用通話装置14による発呼が行われてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態において、ユーザ登録は携帯電話機11から、またユーザ設定はPC12から、各々行われるものとしたが、例えばユーザ登録をPC12から行ったり、ユーザ設定を携帯電話機11から行ったりすることを可能な構成としてもよい。
【0116】
また、上述した実施形態においては、タイムコールに用いる電話番号はアウトコール用通話装置14の各々に固定的に割り当てられているものとしたが、発呼に際して流動的に未使用の電話番号が任意のアウトコール用通話装置14に割り当てられ、アウトコール用通話装置14が割り当てられた電話番号を発呼元の電話番号として用いる構成が採用されてもよい。インコール用通話装置15に関しても同様である。
【0117】
また、上述した実施形態においては、アウトコール用通話装置14およびインコール用通話装置15はコール管理サーバ装置13とは別の装置であるものとしたが、アウトコール用通話装置14およびインコール用通話装置15の一方もしくは両方が、コール管理サーバ装置13に内蔵される構成が採用されてもよい。
【0118】
また、上述した実施形態においては、ポイントのチャージにより、コールシステム1の利用に伴う料金の支払いが行われるものとしたが、例えば携帯電話機11の通話料金とともに携帯電話機11の携帯電話事業者(キャリア)から料金の請求が行われるなど、他の課金方法が採用されてもよい。
【0119】
また、上述した実施形態においては、ポイントの付与はチャージによってのみ可能であるものとしたが、例えば「メイン」の音声メッセージに対するユーザの解答が正答であった場合にポイントを付与するなど、ポイントの付与規則は様々に変更可能である。
【0120】
また、上述した実施形態においては、タイムコールに用いる音声データの選択において、過去に使用したものであるか否かは影響を与えないものとしたが、例えば、ユーザレコードの「履歴」を参照することにより、過去(または過去の一定期間内)に使用された音声データは選択肢から除外したり、選択される頻度を下げたりする構成が採用されてもよい。そのようにすれば、ユーザに同じ音声が流れる確率が下がるため、より飽きの来ないサービスとなる。
【0121】
また、上述した実施形態において、「メイン」の音声メッセージに対しユーザのプッシュ操作などにより携帯電話機11からコール管理サーバ装置13に送信されてくる解答を示すデータを記録し、多くのユーザの解答結果をWebページで公開するなど、それらのデータを利用する構成が採用されてもよい。そのような構成によれば、ユーザに対するアンケートを行い、その結果を集計するような利用の仕方も可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明にかかる発話指示装置は、情報提供に関するサービス業において広く利用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1…コールシステム、11…携帯電話機、12…PC、13…コール管理サーバ装置、14…アウトコール用通話装置、15…インコール用通話装置、16…天気情報提供サーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の音声を各々示す複数の音声データと、前記複数の音声データの各々に関する当該音声データにより示される音声の属性を示す音声属性データとを互いに対応付けて記憶し、1以上の発呼先の電話番号と、当該発呼先の電話番号の各々に関する発呼すべき時刻を示す時刻データおよび音声データの選択に関する条件を示す選択条件データとを互いに対応付けて記憶する記憶手段と、
現在時刻を計時する計時手段と、
前記記憶手段に記憶されている1以上の時刻データの各々に関し、前記計時手段により計時される現在時刻が当該時刻データにより示される時刻に達する前に、当該時刻データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている選択条件データにより示される条件を満たす属性を示す音声属性データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている1の音声データを、前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声データの中から、当該時刻データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号に対応する音声データとして選択する選択手段と、
前記記憶手段に記憶されている1以上の時刻データの各々に関し、前記計時手段により計時される現在時刻が当該時刻データにより示される時刻に達するタイミングで、当該時刻データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号に対する発呼を行わせる指示を内蔵または外部の通話装置に対し行う発呼指示手段と、
前記発呼指示手段により発呼の指示に従った発呼に応じて通話接続が確立された場合に当該通話接続を介して、前記選択手段により選択された当該通話接続の確立に用いられた発呼先の電話番号に対応する音声データにより示される音声の発話を行わせる指示を前記通話装置に対し行う発話指示手段と
を備える発話指示装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、仮想世界におけるシチュエーションを属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、仮想世界におけるシチュエーションに関する条件を示す
請求項1に記載の発話指示装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、仮想世界を構成する番組に登場するキャラクタを属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、仮想世界を構成する番組に登場するキャラクタに関する条件を示し、
前記記憶手段は、1以上の番組の各々に関し当該番組の名称を示す番組名データと、当該番組に登場する1以上のキャラクタの各々に関する当該キャラクタの名称を示すキャラクタ名データとを対応付けて記憶し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号のうちの1の電話番号により識別される端末装置もしくは当該1の電話番号に対応付けて前記記憶手段に記憶されているユーザ識別データにより識別されるユーザが使用する端末装置から、検索画面の送信を要求する検索画面送信要求データを受信する要求データ受信手段と、
前記要求データ受信手段により前記検索画面送信要求データが受信された場合、前記記憶手段に記憶されている前記1以上の番組名データのうちの少なくとも一部および前記1以上のキャラクタ名データのうちの少なくとも一部を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記送信手段による番組名データおよびキャラクタ名データの送信に対する応答として前記端末装置から送信されてくる、特定の番組を指定する番組指定データおよび特定のキャラクタを指定するキャラクタ指定データを受信する指定データ受信手段と
を備え、
前記記憶手段は、前記端末装置の識別に用いられる電話番号に対応付けて記憶している選択条件データを、前記指定データ受信手段により受信された前記番組指定データにより特定される番組に登場するキャラクタであって、前記指定データ受信手段により受信された前記キャラクタ指定データにより特定されるキャラクタに関する条件を示すように書き換える
請求項1または2に記載の発話指示装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、任意のユーザの個人情報を属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、当該選択条件データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号により識別される端末装置のユーザの個人情報に関する条件を示す
請求項1乃至3のいずれかに記載の発話指示装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、任意の端末装置に対する前記発呼指示装置による発呼指示の実行回数および任意の端末装置に対する前記発話指示装置による発話の実行時間のうちの少なくとも一方に関する情報を属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、当該選択条件データに対応付けて前記記憶手段に記憶されている発呼先の電話番号により識別される端末装置に対する前記発呼指示装置による発呼指示の実行回数および当該端末装置に対する前記発話指示装置による発話の実行時間のうちの少なくとも一方に関する条件を示す
請求項1乃至4のいずれかに記載の発話指示装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、1以上の着呼先の電話番号と、当該1以上の着呼先の電話番号の各々に関し、所定の時間間隔で時系列的に並んだ複数の定時刻を示す定時刻データの各々に応じた音声データとを互いに対応付けて記憶し、
前記通話装置から、一の発呼元の電話番号から前記記憶手段に記憶されている前記1以上の着呼先の電話番号のうちの1の着呼先の電話番号に対する着呼があったことを示す着呼通知データを取得する通知データ取得手段と、
前記発話指示手段は、前記通知データ取得手段により取得された着呼通知データにより示される一の発呼元の電話番号が前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号に含まれる場合、前記計時手段により計時される現在時刻が前記複数の定時刻のうちのいずれかに達するタイミングで、当該着呼通知データにより示される1の着呼先の電話番号に対応付けて前記記憶手段に記憶され、かつ当該定時刻を示す定時刻データに対応付けて記憶されている音声データにより示される音声の発話を行わせる指示を前記通話装置に対し行う
請求項1乃至5のいずれかに記載の発話指示装置。
【請求項7】
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号のうちの少なくとも一部は携帯電話機の電話番号であり、
前記記憶手段に記憶されている前記複数の音声属性データの少なくとも一部は、場所もしくは場所に応じて変化する現実世界における事象を属性として示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の選択条件データの少なくとも一部は、場所もしくは場所に応じて変化する現実世界における事象に関する条件を示し、
前記記憶手段に記憶されている前記1以上の発呼先の電話番号のうちの1の電話番号により識別される携帯電話機から当該携帯電話機の現在位置を示す位置データを受信する位置データ受信手段
を備え、
前記選択手段は、前記位置データ受信手段により受信された位置データにより示される携帯電話機の現在位置に基づき、前記音声データの選択を行う
請求項1乃至6のいずれかに記載の発話指示装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、1以上の所定のテキストを示すテキストデータと、前記1以上のテキストデータの各々に応じた時刻データの書き換え規則を示す書換規則データとを互いに対応付けて記憶し、
前記記憶手段は、前記1以上の発呼先の電話番号の少なくとも一部の各々に対応付けて、電子メールアドレスを記憶し、
メールサーバ装置から電子メールを受信するメール受信手段を備え、
前記記憶手段は、前記メール受信手段により受信された電子メールに、前記記憶手段が記憶している前記1以上のテキストデータのうちの1のテキストデータが含まれる場合、当該電子メールに含まれる送信元の電子メールアドレスに対応付けて記憶している時刻データを、当該電子メールに含まれる当該1のテキストデータに対応付けて記憶している書換規則データに従い書き換える
請求項1乃至7のいずれかに記載の発話指示装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記複数の音声データの各々もしくは前記複数の音声データをグループ化して得られる複数のグループの各々に関する評価を示す評価データを記憶し、
前記記憶手段は、1以上の所定のテキストを示すテキストデータと、前記1以上のテキストデータの各々に応じた評価データの書き換え規則を示す書換規則データとを互いに対応付けて記憶し、
前記記憶手段は、前記1以上の発呼先の電話番号の少なくとも一部の各々に対応付けて、電子メールアドレスを記憶し、
メールサーバ装置から電子メールを受信するメール受信手段を備え、
前記記憶手段は、前記メール受信手段により受信された電子メールに、前記記憶手段が記憶している前記1以上のテキストデータのうちの1のテキストデータが含まれる場合、当該電子メールに含まれる当該1のテキストデータに対応付けて記憶している書換規則データに従い、当該電子メールに含まれる送信元の電子メールアドレスに対応付けて記憶している発呼先の電話番号を用いて確立された通話接続を介した前記発話指示手段による発話の指示に用いられた音声データに関する評価を変更するように前記評価データを書き換える
請求項1乃至7のいずれかに記載の発話指示装置。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶される前記複数の音声データの少なくとも一部は、質問を音声により示す質問データと、当該質問に対する2以上の解答の各々に応じた応答を音声により各々示す2以上の応答データとを含み、
前記通話装置により一の音声データに含まれる前記質問データに示される音声の発話が実行された後、当該発話に対する応答として発話先の電話機から前記通話装置に対し送信された1の解答を示す解答データを前記通話装置から取得する解答データ取得手段を備え、
前記発話指示手段は、前記記憶手段に記憶されている前記一の音声データに含まれる2以上の応答データのうち、前記解答データ取得手段により取得された解答データにより示される1の解答に応じた応答を示す応答データに示される音声の発話を前記通話装置に対し指示する
請求項1乃至9のいずれかに記載の発話指示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−129663(P2012−129663A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277551(P2010−277551)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(510328696)
【Fターム(参考)】