説明

発酵生地の形成装置および発酵生地を用いた食品の製造方法

【課題】 生産性を向上することができると共に、内部に空洞が生成されることを防止する。
【解決手段】 2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段3と、搬送手段3で搬送されている各発酵生地F2、F3を、互いの巻き芯がほぼ平行になるようにまたそれぞれの巻き方向が逆になるように、円柱状に巻き上げる巻き上げ手段7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵生地の形成装置および発酵生地を用いた食品の製造方法に係り、特に、帯状の発酵生地を巻き上げてなるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状の発酵生地をサイドワインダーで長い円柱状に巻き上げた後所定の長さに切断し、この切断したものを型(焼成容器)に適数個入れて焼成等を行い、山形食パンを製造する方法が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
前記従来の方法では、1本の帯状の発酵生地を巻き上げて切断し、これによって得られた所定長さの円柱状の発酵生地を型に入れているが、製造しようとする食パンの山数に応じた数の発酵生地(切断された発酵生地)を、型に入れなければならず、製造しようとする食パンの山の数が多いと、発酵生地の切断回数が多くなり、また、発酵生地を前記型に入れる作業回数も多くなり、生産性が上がらないという問題がある。
【0004】
そこで、帯状の発酵生地を幅方向の両端部からサイドワインダーで巻き上げて、図10(巻き上げられた発酵生地の断面を示す図)に示すように、断面が双円状の発酵生地を形成し、この形成した発酵生地を所定の長さに切断し、この切断したものに型(食型)をかぶせた後に反転し焼成等を行い、食パンを製造する装置が知られている(たとえば特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2876515号号公報
【特許文献2】実公昭49−25758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に記載の前記装置では、1本の帯状の発酵生地を両側から巻き上げているので、図10に示すように、円柱状の各発酵生地の間に空洞SP4が形成される。この空洞SP4が形成されたものを、図11(断面が双円状の発酵生地を型に入れた状態を示す図)に示すように型に入れて配列しても、前記空洞SP4が消滅しづらく、発酵生地の内部に空洞が形成されたままになる場合があるという問題がある。
【0006】
なお、前記問題は、山形の食パン以外のパンや発酵生地を用いて製造される他の食品を製造する場合にも発生する問題である。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、生産性を向上することができると共に、内部に空洞が形成されることを防止することができる発酵生地の形成装置および発酵生地を用いた食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、少なくとも2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向かって、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が巻き上げられた部位から僅かに離れている状態まで、円柱状に巻き上げる第1の巻き上げ手段と、前記第1の巻き上げ手段によって巻き上げられた発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地から離す離反手段と、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向かって、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第2の巻き上げ手段と、前記離反手段により前記他方の発酵生地から離反した前記一方の発酵生地を、この巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで巻き上げると共に前記他方の発酵生地に接触しもしくは前記他方の発酵生地の近傍に位置するまで幅寄せする幅寄せ手段とを有する発酵生地の形成装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、少なくとも2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地から、前記2列の発酵生地の幅方向に離す離反手段と、前記離反手段で離れ前記搬送手段で搬送されている2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第1の巻き上げ手段と、前記離反手段で離れ前記搬送手段で搬送されている2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第2の巻き上げ手段とを有する発酵生地の形成装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されている発酵生地を、この幅方向の両端部から中央部に向かい、各巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し各巻き上げられた部位同士が僅かに離れているところまで、円柱状に巻き上げる第1の巻き上げ手段と、前記第1の巻き上げ手段で巻き上げられ前記搬送手段で搬送されている発酵生地の幅方向の中央部を、前記発酵生地の長手方向に沿って切断する切断手段と、前記切断手段で切断された各発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記切断された各発酵生地のうちの他方の発酵生地から各発酵生地の幅方向に離す離反手段と、前記離反手段で離れ前記搬送手段で搬送されている各発酵生地を、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第2の巻き上げ手段とを有する発酵生地の形成装置である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、少なくとも2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで円柱状に巻き上げると共に、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる巻き上げ手段とを有する発酵生地の形成装置である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、発酵生地を用いた食品の製造方法において、複数列の帯状の発酵生地を搬送しているときに、前記各発酵生地の巻き芯が互いにほぼ平行になるようにして前記各発酵生地を円柱状に巻き上げる巻き上げ工程と、前記巻き上げ工程で巻き上げられた各発酵生地を、所定の長さに切断する切断工程と、前記切断工程で切断された各発酵生地を、底部に貫通孔が設けられている型内に並べる配列工程とを有すると共に、前記配列工程は、少なくとも2列の前記発酵生地を、これらの各巻き芯が互いにほぼ平行なるようにし前記各巻き芯が前記型の底部の内壁とほぼ平行になるようにして、前記型内に配列する工程である発酵生地を用いた食品の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、生産性を向上させることができると共に、内部に空洞が形成されることを防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の概略構成を示す平面図である。
【0015】
図2は、図1における発酵生地の各断面図である。より詳細には、図2(a)は、図1におけるIIA断面であり、図2(b)は、図1におけるIIB断面であり、図2(c)は、図1におけるIIC断面であり、図2(d)は、図1におけるIID断面である。
【0016】
図3は、図1におけるIII矢視図である。
【0017】
図4は、図1におけるIV部の拡大図である。より詳細には、図4(a)は、発酵生地を型に配列した状態を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)におけるIVB矢視を示す図であり、図4(c)は、6山の山形食パンを示す斜視図である。
【0018】
発酵生地の形成装置(以下、「形成装置」という場合がある。)1は、たとえば、山形食パンの製造に用いられる発酵生地を形成する装置である。山形食パンは、図4(c)に示すように、直方体状をしており、また、山形形状が長手方向に並んで上面に形成されている食パンである。
【0019】
形成装置1は、帯状の発酵生地を搬送する搬送手段3を備えている。この搬送手段3は、たとえば、平ベルトを用いたベルトコンベヤ5で構成されている。
【0020】
発酵生地は、たとえば、水、小麦粉、イースト等をミキシングすることにより生成され一次発酵が終了した発酵生地である。ベルトコンベヤ5は、水平方向に展伸している上面に、幅広の帯状の発酵生地F1、F2、F3の厚さ方向が上下方向になるように発酵生地F1、F2、F3を載置して、発酵生地F1、F2、F3の長手方向に発酵生地F1、F2、F3を搬送するようになっている。
【0021】
また、形成装置1には、ベルトコンベヤ5で搬送されている2列の帯状の発酵生地(後述する多列化切断手段21で発酵生地F1を切断して得られた、互いが隣接している発酵生地)F2、F3を、渦巻き状であって円柱状に巻き上げる巻き上げ手段7が設けられている。
【0022】
巻き上げ手段7は、互いの巻き方向がたとえば逆方向であり互いの巻き芯がほぼ平行になるようにして、各発酵生地F2、F3を巻き上げるようになっている。なお、巻き上げられた各発酵生地F2、F3の各巻き芯の延伸方向は、水平方向であってベルトコンベヤの搬送方向にほぼ一致している。
【0023】
巻き上げ手段7は、一方の帯状の発酵生地F2を巻き上げる第1の巻き上げ手段9と、他方の帯状の発酵生地F3を第1の巻き上げ手段9よりも下流側(発酵生地F2、F3の搬送方向の下流側)で巻き上げる第2の巻き上げ手段11とにより構成されている。
【0024】
発酵生地F2、F3の搬送方向における第1の巻き上げ手段9と第2の巻き上げ手段11との間には、第1の巻き上げ手段9によって巻き上げられた発酵生地F2を、第2の巻き上げ手段11によって巻き上げられる発酵生地F3から離すための離反手段13が設けられている。なお、この離反手段13は、第1の巻き上げ手段9によって巻き上げられた発酵生地F2を、水平方向であってベルトコンベヤ5の搬送方向と直交する方向に僅かに移動するように構成されている。
【0025】
巻き上げ手段7の下流側には、第1の巻き上げ手段9で巻き上げられ離反手段13で離されベルトコンベヤ5で搬送されている発酵生地F2と、第2の巻き上げ手段11で巻き上げられベルトコンベヤ5で搬送されている発酵生地F3とを、互いが軽く接触するまで近づける幅寄せ手段15が設けられている。
【0026】
なお、幅寄せ手段15を、発酵生地F2を発酵生地F3の近傍に位置するまで近づける構成にしてもよい。すなわち、第1の巻き上げ手段9で巻き上げられ離反手段13で離されベルトコンベヤ5で搬送されている発酵生地F2を、第2の巻き上げ手段11で巻き上げられベルトコンベヤ5で搬送されている発酵生地F3の近傍に位置するまで、幅寄せ手段15で幅寄せするように構成してもよい。この場合、発酵生地F2と発酵生地F3とは、幅寄せされても互いが非接触になっているものとする。
【0027】
第2の巻き上げ手段11と幅寄せ手段15との間には、各巻き上げ手段9、11により巻き上げられた各発酵生地F2、F3であってベルトコンベヤ5で搬送されている各発酵生地F2、F3を、これらの搬送方向と直交する水平方向に僅かにオフセットするためのオフセット手段17が設けられている。このオフセット手段17は、前記ベルトコンベヤ5と同様に、平ベルトを用いたベルトコンベヤによって各発酵生地F2、F3をオフセットするようになっている。
【0028】
幅寄せ手段15の下流側には、巻き上げ手段7によって巻き上げられ幅寄せ手段15で幅寄せされた円柱状の各発酵生地F2、F3を、所定の長さに切断する円柱状生地切断手段19が設けられている。
【0029】
巻き上げ手段7の上流側には、ベルトコンベヤ5で搬送されている1列の幅広の帯状発酵生地F1を、2列の帯状の発酵生地F2、F3に切断する多列化切断手段21が設けられている。この多列化切断手段21で切断された各発酵生地F2、F3は、すでに理解されるように、巻き上げ手段7により、巻き上げられるようになっている。
【0030】
発酵生地の形成装置1についてより詳しく説明する。
【0031】
形成装置1は、基台23を備え、ベルトコンベヤ5は、基台23に設けられている。ベルトコンベヤ5は、図示しないモータ等のアクチュエータにより平ベルトを移動して発酵生地F1を搬送するようになっている。
【0032】
第1の巻き上げ手段9は、ベルトコンベヤ(搬送コンベヤ)5で搬送されている帯状の各発酵生地のうちの一方の側に位置している発酵生地F2を、この幅方向の一端部(一方の側;発酵生地F3とは反対側の端部)から他端部(発酵生地F3側の端部)に向かって巻き上げ、渦巻き状であって円柱状の1本の発酵生地を形成する円柱状のローラ(いわゆるサイドワインダー)25を備えた構成である。
【0033】
ローラ25は、発酵生地F2の幅方向の一端部側(図1の上側)で基台23に設けられている。また、ローラ25は、ベルトコンベヤ5の上側で、ベルトコンベヤ5から僅かに離れて設けられている。ローラ25は、モータ等のアクチュエータ27で一方向(図2(a)参照)に回転するようになっている。
【0034】
ローラ25の回転中心軸は、水平な方向であって、平面視において搬送方向に対して小さい角度傾けて交差した方向に延伸している。また、ローラ25の上流側の部位は、発酵生地F2の幅方向で発酵生地F2よりも僅かに外側に位置し、ローラ25の下流側の部位は、発酵生地F2の幅方向で発酵生地F3側に位置している。
【0035】
第2の巻き上げ手段11は、ベルトコンベヤ5で搬送されている帯状の各発酵生地のうちの他方の側に位置している発酵生地F3を、この幅方向の他端部(他方の側;発酵生地F2とは反対側の端部)から一端部(発酵生地F2側の端部)に向かって巻き上げ、渦巻き状であって円柱状の1本の発酵生地を形成する円柱状のローラ29を備えた構成である。
【0036】
ローラ29は、ローラ25の下流側であって発酵生地F3の幅方向の他端部側(図1の下側)で、基台23に設けられていると共に、モータ等のアクチュエータ31で一方向(図2(b)参照;ローラ25とは反対の方向)に回転するようになっている。
【0037】
ローラ29の回転中心軸も、平面視において搬送方向に対して小さい角度傾けて交差する方向に延伸している。ローラ29の上流側の部位は、発酵生地F3の幅方向で発酵生地F3よりも僅かに外側に位置し、ローラ29の下流側の部位は、発酵生地F3の幅方向で発酵生地F2側に位置している。
【0038】
各ローラ25、29が前述したように設けられていることにより、各発酵生地F2、F3の巻き方向が逆になっていると共に、各ローラ25、29の設置スペースが確保しやすくなっている。
【0039】
なお、前記各ローラ25、29で巻き上げられた直後における各発酵生地F2、F3の各巻き尻(巻き上げられた各発酵生地F2、F3の外周部に存在している各端部)は、各発酵生地F2、F3の巻き芯のたとえば下方に位置している。各ローラ25、29で巻き上げられた直後における各発酵生地F2、F3の巻き芯は、ベルトコンベヤ5による搬送方向とほぼ一致している。
【0040】
また、第1の巻き上げ手段9は、発酵生地F2の巻き尻が、巻き上げられた部位から僅かに離れている状態(巻き尻が、巻き上げられた発酵生地F2の巻き芯のほぼ真下にくる位置よりも僅かに手前の位置;平面視において、第1の巻き上げ手段9で巻き上げられた発酵生地F2における、前記発酵生地F3側の端部の位置とほぼ同じ位置)まで前記発酵生地F2を巻き上げるように構成されている(図2(a)、(b)参照)。第2の巻き上げ手段11は、発酵生地F3の巻き尻が、巻き上げられた発酵生地F3の巻き芯のほぼ真下にくるまで前記発酵生地を巻き上げるように構成されている(図2(c)参照)。
【0041】
離反手段13は、ベルトコンベヤ5と同様に、平ベルトを用いたベルトコンベヤ33により構成されている。なお、ベルトコンベヤ33は、小さく構成され、ベルトコンベヤ5の上側でベルトコンベヤ5から離れて設けられている。ベルトコンベヤ33による発酵生地F2の搬送方向は、ベルトコンベヤ5による発酵生地F1、F2、F3の搬送方向と小さな角度で交差する方向になっている。そして、ローラ25で巻き上げられた発酵生地F2を載置し、ローラ29で巻き上げられる発酵生地F3から僅かに離すようになっている。
【0042】
オフセット手段17(図3参照)も、前記離反手段13と同様に、平ベルトを用いたベルトコンベヤ34により構成されている。なお、ベルトコンベヤ34も小さく構成され、ベルトコンベヤ5の上側でベルトコンベヤ5から離れて設けられている。ベルトコンベヤ34による発酵生地F2、F3の搬送方向は、ベルトコンベヤ5による発酵生地F1、F2、F3の搬送方向と小さな角度で交差する方向になっている。そして、各ローラ25、29で巻き上げられた各発酵生地F2、F3を載置し、各発酵生地F2、F3の、幅方向における位置を僅かに変更するようになっている。
【0043】
幅寄せ手段15は、前記各巻き上げ手段9、11と同様に、ローラ35、アクチュエータ37で構成されている。幅寄せ手段15は、離反手段13で離れた発酵生地F2を発酵生地F3に接触させると同時に、第1の巻き上げ手段9で巻き上げた発酵生地F2の巻き尻が、巻き上げられた発酵生地F2の巻き芯のほぼ真下にくるまで、発酵生地F2を巻き上げるようになっている。
【0044】
円柱状生地切断手段19は、たとえば、図示しないアクチュエータで上下動するカッター(図示せず)を用いて巻き上げられた各発酵生地F2、F3を所定の長さ(たとえば、発酵生地を入れる型43の幅とほぼ同じ長さ)に切断するようになっている。なお、円柱状生地切断手段19によって、各発酵生地F2、F3を切断する際、ベルトコンベヤ5による発酵生地の搬送を一時的に止めてもよいし、切断が極めて短時間で終了するなら、ベルトコンベヤ5による発酵生地の搬送を止める必要はない。
【0045】
多列化切断手段21は、たとえば、円板状に形成されたカッター(サーキュラーカッター)39を図示しないモータ等のアクチュエータで回転させて、帯状の発酵生地F1のほぼ中央部を搬送方向(長手方向)に沿って切断するように構成されている。したがって、カッター39で切断された各発酵生地F2、F3の幅はほぼ等しくなっている。
【0046】
次に、発酵生地の形成装置1の動作および山形食パンを製造する工程について説明する。
【0047】
形成装置1は、図示しない制御装置の制御の下、前記各アクチュエータを作動するようになっていると共に、動作中においては、ベルトコンベヤ5上を発酵生地F1、F2、F3が搬送され続けているものとする。
【0048】
ベルトコンベヤ5で搬送されている発酵生地F1は、カッター39によって2列に切断される。切断された一方の発酵生地F2は、ローラ25により巻き上げられ(図2(a)参照)、ベルトコンベヤ33により他方の発酵生地F3から離される(図2(b)参照)。
【0049】
他方の発酵生地F3は、ローラ29により巻き上げられる(図2(c)参照)。なお、巻き上げられた各発酵生地F2、F3の巻き芯は、互いにほぼ平行になっている。
【0050】
巻き上げられた各発酵生地F2、F3は、ベルトコンベヤ34により、幅方向にオフセットされた後、一方の発酵生地F2は、ローラ35によりさらに巻き上げられると共に、他方の発酵生地F3側に幅寄せされる(図2(d)参照)。
【0051】
発酵生地F3と、幅寄せされた発酵生地F2とが、円柱状生地切断手段19で所定の長さに切断される。この切断された各発酵生地F2、F3は、コンベヤ41でバッファステーション42まで搬送される。
【0052】
バッファステーション42に存在している各発酵生地F2、F3を、人手やロボットにより、たとえば2列ずつ型43内に入れて配列する(図4(a)、(b)参照)。型43は、方形で枡状状に形成されており、底部には多数の小さな貫通穴が設けられている。
【0053】
なお、図4に示すように、型43の長さは型43の幅や深さに比べて大きくなっている。また、前記配列は、各発酵生地F2、F3の各巻き芯が、互いに平行になるようにし型43の底部の内壁および型43の長手方向の両端部の内壁とほぼ平行になるようにし、しかも、各発酵生地F2、F3の各巻き尻が、型43の底面側に位置し互いの巻き尻が離れるようにして行なわれる。
【0054】
すなわち、各発酵生地F2、F3の巻き芯が型43の幅方向に延伸し、円柱状の各発酵生地F2、F3の上面と底面(円柱状生地切断手段19による切断面)が、型43の幅方向の各内壁から離れて前記各内壁に対向し、円柱状の各発酵生地F2、F3の側面同士が互いに接し、もしくは、円柱状の各発酵生地F2、F3の側面が型43の長手方向の両端部の各内壁から離れて前記各内壁に対向し、円柱状の各発酵生地F2、F3の側面が型43の底面の内壁に接するようにして、型43内に各発酵生地F2、F3が配列される。この際、巻き上げられた各発酵生地F2、F3の各巻き尻は、ほぼ真下に位置しており、各巻き尻は互いが離れていることになる。
【0055】
このように型43内に発酵生地を並べて最終発酵を行なうと、図4(a)や図4(b)に示す空間SP1内の空気が、型43の底部に設けられた多数の貫通孔から型43の外部に排出され、前記空間SP1は消滅する。この後、発酵生地を焼き上げることにより山形パン等の食品が完成する(図4(c)参照)。
【0056】
そして、巻き上げにより得られた各発酵生地F2、F3が、2列の帯状の発酵生地から形成されており従来のように一体的につながっていないので、これらの各発酵生地F2、F3を型43に入れた場合、各発酵生地F2、F3の間の下側に形成された空間SP1の空気が、型43の底部に設けられた孔から型43の外部に逃げ、発酵生地F2、F3の間に空洞が形成されることを防止することができる。
【0057】
また、特許文献2に記載してあるように幅方向の両側から発酵生地を巻き上げると、巻き上げの際発酵生地に幅方向の両側から力が加わり、巻き合わせの間に、図11に二点鎖線で示すように空洞SP3ができてしまうおそれがあるが、形成装置1では、1列の帯状の発酵生地F2を幅方向の片側から巻き上げ1本の円柱状の発酵生地F2を得ており、また、同様に、1本の発酵生地F3を得ているので、巻き合わせの間に空洞ができることを回避することができる。
【0058】
また、形成装置1によれば、第1の巻き上げ手段9と第2の巻き上げ手段11との間に離反手段13を設け、発酵生地F2を発酵生地F3から引き離しているので、第1の巻き上げ手段9で巻き上げられた発酵生地F2に、第2の巻き上げ手段11で巻き上げる発酵生地F3がくっつくことを防止できる。
【0059】
また、形成装置1によれば、離反手段13で離された各発酵生地F2、F3を幅寄せ手段15で近づけることができるので、巻き上げられしかも互いが接触している2列の発酵生地を得ることができ、巻き上げられた発酵生地を型43に配列する際の作業が容易になる。
【0060】
また、形成装置1によれば、円柱状生地切断手段19が設けられているので、巻き上げられた発酵生地F2、F3を所定の長さに切断することができ、巻き上げられた発酵生地F2、F3を型43に配列する作業が一層容易になる。
【0061】
さらに、形成装置1によれば、第1の巻き上げ手段9と幅寄せ手段15とで、一方の巻き尻が、巻き上げられた発酵生地F2の巻き芯のほぼ真下にくるまで巻き上げ、第2の巻き上げ手段11で、他方の巻き尻が、巻き上げられた発酵生地F3の巻き芯のほぼ真下にくるまで巻き上げるので、並んでいる各発酵生地(巻き上げられた各発酵生地)F2、F3を型43に入れた場合、各発酵生地F2、F3の間の下側に形成された空間SP1の空気が、型43の底部に設けられた孔から型43の外部に一層確実に逃げる。したがって、発酵生地の内部に空洞が形成されることを確実に防止することができる。
【0062】
また、各発酵生地F2、F3の巻き尻がほぼ真下に位置している状態で、各発酵生地F2、F3が型43内に並べられるので、焼きあがった山形パンの山の形状を均一で良好なものにすることができる。すなわち、各発酵生地F2、F3を焼き上げると、巻き芯と巻き尻とを互いに結んだ方向において他方向よりも大きく膨張する傾向がある。そして、各発酵生地F2、F3の巻き尻がほぼ真下に位置している状態で各発酵生地F2、F3を型43内に並べれば、各発酵生地F2、F3を焼き上げたときに、各発酵生地F2、F3が山形パンの上下方向に大きく膨張して山が形成される。
【0063】
また、幅寄せ手段15が、第1の巻き上げ手段9で途中まで巻き上げられた発酵生地F2を最終形態まで巻き上げるので、幅寄せ手段15が巻き上げ手段9での巻き上げ工程の一部を担当していることになり、装置の構成の簡素化がはかられている。
【0064】
また、形成装置1によれば、多列化切断手段21で、発酵生地F1を切断するので、搬送手段3には1列の発酵生地を供給すればよく、したがって、装置への発酵生地の供給がしやすくなっている。
【0065】
なお、幅寄せ手段15の上流側のオフセット手段17は、バッファステーション42との位置と発酵生地F2、F3の搬送位置とを調整するものであるので、バッファステーション42の位置によっては、オフセット手段17を省略することでききる。
【0066】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る発酵生地の形成装置51の概略構成を示す図であり、図6は、図5におけるVI矢視図であり、図7は、図5におけるVII部の拡大図である。より詳細には、図7(a)は、発酵生地を型に配列した状態等を示す斜視図であり、図7(b)は、9山の山形食パンを示す斜視図である。
【0067】
本発明の第2の実施形態に係る発酵生地の形成装置51は、3列の発酵生地を巻き上げる等の点で、前記第1の実施形態に係る形成装置1とは異なり、その他の点は、前記第1の実施形態に係る形成装置1とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0068】
すなわち、第2の実施形態に係る発酵生地の形成装置51は、帯状の発酵生地を搬送する搬送手段3を備えている。
【0069】
発酵生地の搬送方向の上流側には、1列の帯状発酵生地F1を3列の帯状発酵生地F2、F3、F4に切断する多列化切断手段21が設けられている。
【0070】
また、形成装置51には、第1の巻き上げ手段9、第2の巻き上げ手段11、離反手段13、オフセット手段17、幅寄せ手段15が設けられている。これらの各手段9、11、13、15、17により、第1の実施形態に係る形成装置1と同様に、2列の各発酵生地F2、F3が巻き上げられる。
【0071】
また、形成装置51には、発酵生地F4を巻き上げる等のために、第3の巻き上げ手段53とオフセット手段55と幅寄せ手段57とが設けられている。
【0072】
第3の巻き上げ手段53は、第1の巻き上げ手段9と同様に構成されており、オフセット手段55は、オフセット手段17と同様に構成されており、幅寄せ手段57は幅寄せ手段15と同様に構成されている。
【0073】
そして、形成装置51で巻き上げられた各発酵生地F2、F3、F4の断面は、図6に示すようになる。
【0074】
形成装置51で、巻き上げられた各発酵生地F2、F3、F4を、図7に示すように型43に配列し、第1の実施形態の場合と同様に焼き上げる等の処理を施せば、山形食パンが形成される。
【0075】
なお、3列以上の奇数数列の発酵生地を巻き上げる場合には、端部に存在する1列の発酵生地を除いた複数の他の各発酵生地を、互いに隣り合っている2列の発酵生地を1つの組とすることによって単数もしくは複数の組とし、前記各組毎に、前記2列の発酵生地の巻き上げと同様な巻き上げをすればよい。
【0076】
そして、前記端部に存在する1列の発酵生地については、この発酵生地の幅方向の一端部から(一方の側;前記組の発酵生地とは反対側の端部)から他端部(前記組の発酵生地側の端部)に向かって、同様な巻き上げをすればよい。
【0077】
また、4列以上の偶数数列の発酵生地を巻き上げる場合には、端部に組みでない発酵生地が存在しないように、互いに隣り合っている2列の発酵生地を1つの組とすることによって複数の組とし、前記各組毎に、前記2列の発酵生地の巻き上げと同様な巻き上げをすればよい。
【0078】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る発酵生地の形成装置71を用いて、帯状の各発酵生地F2、F3を巻き上げる場合を示す図である。
【0079】
第3の実施形態に係る発酵生地の形成装置71は、発酵生地を巻き上げる手順が、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1とは異なり、その他は、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0080】
より詳しく説明する。
【0081】
第3の実施形態に係る発酵生地の形成装置71は、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の搬送手段3と同様に構成された搬送手段3を備えている。
【0082】
また、発酵生地の形成装置71には、搬送手段3で搬送されている2列の帯状の各発酵生地(第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の多列化切断手段21と同様に構成された多列化切断手段で切断された各発酵生地)F2、F3のうちの一方の発酵生地F2を、他方の発酵生地F3から、各発酵生地F2、F3の幅方向(図8の左右方向)に離す離反手段73が設けられている。なお、離反手段73として、たとえば、特開2003−304799号公報に記載されている構成のものを採用することができる。
【0083】
また、発酵生地の形成装置71には、第1の巻き上げ手段75と第2の巻き上げ手段77とが設けられている。各巻き上げ手段75、77は、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の巻き上げ手段11と同様に構成されている。
【0084】
そして、第1の巻き上げ手段75で、離反手段73で離れ搬送手段3で搬送されている2列の帯状の各発酵生地F2、F3のうちの一方の発酵生地F2を、2列の帯状の各発酵生地F2、F3のうちの他方の発酵生地F3の側に向い(図8の右側に向かい)、巻き芯が搬送手段3による搬送方向3とほぼ一致し巻き尻が巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げるようになっている。
【0085】
また、第2の巻き上げ手段77で、離反手段73で離れ搬送手段3で搬送されている帯状の2列の各発酵生地F2、F3のうちの他方の発酵生地F3を、帯状の2列の各発酵生地F2、F3のうちの一方の発酵生地F2の側に向い(図8の左側に向かい)、巻き芯が搬送手段3による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が巻き芯のほぼ真下にくるまで、しかも第1の巻き上げ手段75の巻き方向とは逆方向になるように、さらに、第1の巻き上げ手段75により巻き上げられた一方の発酵生地F2に接触しもしくは第1の巻き上げ手段75により巻き上げられた一方の発酵生地F2の近傍に位置するまで、円柱状に巻き上げるようになっている。
【0086】
なお、各巻き上げ手段75、77は、2列の各発酵生地F2、F3を、たとえば、ほぼ同時に巻き上げるように構成されている。
【0087】
[第4の実施形態]
図9は、本発明の第4の実施形態に係る発酵生地の形成装置81を用いて、帯状の各発酵生地F1を巻き上げる場合を示す図である。
【0088】
第4の実施形態に係る発酵生地の形成装置81は、発酵生地を巻き上げる手順が、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1とは異なり、その他は、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1とほぼ同様に構成されほぼ同様の効果を奏する。
【0089】
より詳しく説明する。
【0090】
第4の実施形態に係る発酵生地の形成装置81は、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の搬送手段3と同様に構成された搬送手段3を備えている。
【0091】
また、発酵生地の形成装置81には、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の巻き上げ手段9と同様に構成されている第1の巻き上げ手段83と、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の多列化切断手段21と同様に構成された切断手段85と、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の離反手段13と同様に構成されている離反手段87と、第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置1の幅寄せ手段15と同様に構成されている第2の巻き上げ手段89とが設けられている。
【0092】
そして、第1の巻き上げ手段83は、搬送手段3で搬送されている帯状の発酵生地F1を、この幅方向の両端部から中央部に向かい、各巻き芯が搬送手段3による搬送方向とほぼ一致し各巻き上げられた部位同士が僅かに離れているところまで、(各巻き上げられた部位が互いに接触する位置よりも少し前の位置にくるまで、)円柱状に巻き上げるようになっている。
【0093】
また、切断手段85は、第1の巻き上げ手段83で巻き上げられ搬送手段3で搬送されている発酵生地F1の幅方向の中央部を、発酵生地F1の長手方向に沿って切断し、各発酵生地F2、F3に分割するようになっている。
【0094】
離反手段87は、切断手段85で切断された各発酵生地F2、F3のうちの一方の発酵生地F2を、前記切断された各発酵生地F2、F3のうちの他方の発酵生地F3から各発酵生地の幅方向(図9の左方向)に離すようになっている。
【0095】
第2の巻き上げ手段89は、離反手段87で離され搬送手段3で搬送されている各発酵生地F2、F3を、巻き芯が搬送手段3による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が巻き芯のほぼ真下にくるまで、さらに各発酵生地F2、F3が互いに接触しもしくは各発酵生地F2、F3が互いに被接触で近接するまで、円柱状に巻き上げるようになっている。
【0096】
なお、前記各実施形態に係る各搬送装置は、少なくとも2列の帯状の発酵生地を厚さ方向が上下方向になるように載置し前記発酵生地の長手方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで円柱状に巻き上げると共に、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向い、前記第1の巻き上げ手段の巻き方向とは逆方向になるように、しかも、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、さらに、前記第1の巻き上げ手段により巻き上げられた一方の発酵生地に接触しもしくは前記第1の巻き上げ手段により巻き上げられた一方の発酵生地の近傍に位置するまで、円柱状に巻き上げる巻き上げ手段と、前記巻き上げ手段によって巻き上げられた円柱状の各発酵生地を、所定の長さに切断する円柱状生地切断手段とを有することを特徴とする発酵生地の形成装置の例である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る発酵生地の形成装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1における発酵生地の各断面図である。
【図3】図1におけるIII矢視図である。
【図4】図1におけるIV部の拡大図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る発酵生地の形成装置の概略構成を示す図である。
【図6】図5におけるVI矢視図である。
【図7】図5におけるVII部の拡大図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る発酵生地の形成装置を用いて、帯状の各発酵生地を巻き上げる場合を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る発酵生地の形成装置を用いて、帯状の各発酵生地を巻き上げる場合を示す図である。
【図10】従来の巻き上げられた発酵生地の断面を示す図である。
【図11】従来の断面が双円状の発酵生地を型に入れた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1、51、71、81 発酵生地の形成装置
3 搬送手段
5 ベルトコンベヤ
7 巻き上げ手段
9 第1の巻き上げ手段
11 第2の巻き上げ手段
13 離反手段
15 幅寄せ手段
19 円柱状生地切断手段
21 多列化切断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と;
前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向かって、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が巻き上げられた部位から僅かに離れている状態まで、円柱状に巻き上げる第1の巻き上げ手段と;
前記第1の巻き上げ手段によって巻き上げられた発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地から離す離反手段と;
前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向かって、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第2の巻き上げ手段と;
前記離反手段により前記他方の発酵生地から離反した前記一方の発酵生地を、この巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで巻き上げると共に前記他方の発酵生地に接触しもしくは前記他方の発酵生地の近傍に位置するまで幅寄せする幅寄せ手段と;
を有することを特徴とする発酵生地の形成装置。
【請求項2】
少なくとも2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と;
前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地から、前記2列の発酵生地の幅方向に離す離反手段と;
前記離反手段で離れ前記搬送手段で搬送されている2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第1の巻き上げ手段と;
前記離反手段で離れ前記搬送手段で搬送されている2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第2の巻き上げ手段と;
を有することを特徴とする発酵生地の形成装置。
【請求項3】
帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と;
前記搬送手段で搬送されている発酵生地を、この幅方向の両端部から中央部に向かい、各巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し各巻き上げられた部位同士が僅かに離れているところまで、円柱状に巻き上げる第1の巻き上げ手段と;
前記第1の巻き上げ手段で巻き上げられ前記搬送手段で搬送されている発酵生地の幅方向の中央部を、前記発酵生地の長手方向に沿って切断する切断手段と;
前記切断手段で切断された各発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記切断された各発酵生地のうちの他方の発酵生地から各発酵生地の幅方向に離す離反手段と;
前記離反手段で離れ前記搬送手段で搬送されている各発酵生地を、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる第2の巻き上げ手段と;
を有することを特徴とする発酵生地の形成装置。
【請求項4】
少なくとも2列の帯状の発酵生地を搬送する搬送手段と;
前記搬送手段で搬送されている各発酵生地のうちで互いに隣接している少なくとも2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで円柱状に巻き上げると共に、前記2列の発酵生地のうちの他方の発酵生地を、前記2列の発酵生地のうちの一方の発酵生地の側に向い、巻き芯が前記搬送手段による搬送方向とほぼ一致し巻き尻が前記巻き芯のほぼ真下にくるまで、円柱状に巻き上げる巻き上げ手段と;
を有することを特徴とする発酵生地の形成装置。
【請求項5】
発酵生地を用いた食品の製造方法において、
複数列の帯状の発酵生地を搬送しているときに、前記各発酵生地の巻き芯が互いにほぼ平行になるようにして前記各発酵生地を円柱状に巻き上げる巻き上げ工程と;
前記巻き上げ工程で巻き上げられた各発酵生地を、所定の長さに切断する切断工程と;
前記切断工程で切断された各発酵生地を、底部に貫通孔が設けられている型内に並べる配列工程と;
を有すると共に、前記配列工程は、少なくとも2列の前記発酵生地を、これらの各巻き芯が互いにほぼ平行なるようにし前記各巻き芯が前記型の底部の内壁とほぼ平行になるようにして、前記型内に配列する工程であることを特徴とする発酵生地を用いた食品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−345779(P2006−345779A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176472(P2005−176472)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】