説明

白色有機発光素子及びその製造方法

【課題】発光層の構造を改善して素子の発光効率及び寿命を改善させた白色有機発光素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】二つの電極の間に発光層を含む白色有機発光素子において,上記発光層は白色を具現する青色発光層及び青色以外の発光層を含み,上記青色以外の発光層は正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物と燐光物質で形成される。このように,青色以外の発光層を,ホスト物質として正孔輸送性物質と電子輸送性物質を混合して使い,ドーパントとして燐光物質を使って形成することで,素子の安全性側面で優秀な特性を得ることができ,かつ素子の発光効率及び素子の寿命を改善させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,白色有機発光素子及びその製造方法に関し,より詳細には,発光層の構造を改善して素子の発光効率及び寿命を改善させた白色有機発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(OLED:organic light emitting diode)は,一般的に基板,アノード,発光層を含む有機層,及びカソードを含む。上記OLED素子は発光層で電子と正孔が結合しながら光が発生する現象を利用した自発光型ディスプレイ装置であり,低い駆動電圧,高画質,早い応答速度及び広視野角の特性を持ち,軽量薄型の情報表示装置の具現ができるようにする長所を持つ。このような有機発光素子は,携帯電話だけでなく,その他の情報表示装置にまで応用領域が拡張されている。
【0003】
効果的に白色光を生成するOLED素子は,LCD(liquid crystal display)ディスプレイのバックライト,自動車内燈,及び事務室などの照明灯に広範囲に使用することができ,赤色,青色,緑色の三原色カラーフィルターを組み合わせて製造すればカラー平板ディスプレイとして使用することもできる。
【0004】
白色有機発光素子は,多様な方法によって得ることができるが,大きく二つに分けることができる。すなわち,一番目の方法としては発光層の構造を赤色,青色,緑色を放出する物質で構成された多層にすることである。しかし,この方法は多層膜の形成が容易ではなく,白色を出すために薄膜の厚さを一定の規則なしに白色が出るまで施行錯誤を通じて得なければならならず,電圧によっても色がたくさん変わって,かつ素子自体の安全性が落ちて寿命が非常に短いという短所がある。
【0005】
二番目の方法としては発光ホスト物質に有機発光色素をドーピングするか,混合するのである。この方法は,発光層の構造を多層にすることに比べて工程上簡単であるが,この方法もまた一定の規則なしに白色光を得るためには絶えずに試行錯誤を遂行しなければならず,白色カラーの調節がドーピング濃度の調節によってのみ可能であるから,寿命もドーピング濃度によって決められるという問題がある。したがって,発光効率が優秀で寿命が長い白色有機発光素子が引き続き求められている。
【0006】
そこで,本発明者たちは白色有機発光素子において,発光層を断層構造にしながら,発光層を構成するホストとして正孔輸送性を持つ物質と電子輸送性を持つ物質をそれぞれ少なくとも一種以上使用する場合,素子の発光効率及び素子の寿命を改善させることができることを見つけた。
【0007】
一方,上記従来の白色有機発光素子に関する技術を記載した文献としては,下記特許文献1等がある。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,720,092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように,従来の白色有機発光素子によれば,白色光を得るために試行錯誤が必要であったり,寿命が短いという問題がある。
【0010】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,発光効率と寿命を改善することが可能な,新規かつ改良された白色有機発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,二つの電極の間に発光層を含む白色有機発光素子において:上記発光層は,白色を具現することができる青色発光層と;青色以外の発光層と;を備え,上記青色以外の発光層は,正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物と;燐光物質と;を有することを特徴とする,白色有機発光素子が提供される。
【0012】
また,上記青色以外の発光層は,黄色発光層であってもよい。
【0013】
また,上記青色以外の発光層は,緑色・赤色混合発光層であってもよい。
【0014】
また,上記青色以外の発光層は,緑色発光層及び赤色発光層であってもよい。
【0015】
また,上記青色発光層を形成する物質は,FIrpic,ビフェニルアントラセン及び4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)スチルベンからなる群より選択される一種以上の物質であってもよい。
【0016】
また,上記正孔輸送物質は,1,3,5−トリスカルバゾリルベンゼン,4,4′−ビスカルバゾリルビフェニルと,ポリビニールカルバゾール,m−ビスカルバゾイルビフェニル,4,4′−ビスカルバゾリル2,2′−ジメチルビフェニル,4,4′,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン,1,3,5−トリス(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン,1,3,5−トリス(2−カルバゾリル5−メトキシフェニル)ベンゼン及びビ(4−カルバゾリルフェニル)シランからなる群より選択される一種以上の物質であってもよい。
【0017】
また,上記電子輸送物質は,ビス(8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム,ビス(8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム,ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム,ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム,ビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)キノラト)亜鉛,2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール,2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−ペナントロリン(BCP),2,4,6−トリス(ジアリルアミノ)−1,3,5−トリアジン及び3−フェニル−4−(1′−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾールからなる群より選択される一種以上の物質であってもよい。
【0018】
また,上記正孔輸送物質と上記電子輸送物質との質量比は,1:9〜9:1であってもよい。
【0019】
また,上記燐光物質は,Irpq2acac,Ir(piq)2acac及びIrppy3からなる群より選択される一種以上の物質であってもよい。
【0020】
また,上記正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に対する燐光物質の使用量は,1〜20質量%であってもよい。
【0021】
また,上記青色発光層の厚さは,10〜50nmであってもよい。
【0022】
また,上記黄色発光層の厚さは,10〜50nmであってもよい。
【0023】
また,上記緑色・赤色混合発光層の厚さは,10〜50nmであってもよい。
【0024】
また,上記緑色発光層の厚さは,5〜45nmであってもよく,赤色発光層の厚さは5〜45nmであってもよい。
【0025】
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板上に第1電極を形成する段階と;上記第1電極上部に青色発光層を形成する段階と;上記青色発光層上部に青色発光層以外の発光層を形成する段階と;上記青色発光層以外の発光層上部に第2電極を形成する段階と;を含み,上記青色発光層以外の発光層はホストとして正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に燐光物質をドーピングして形成されることを特徴とする,白色有機発光素子の製造方法が提供される。
【0026】
また,上記第1電極と上記青色発光層の間に正孔注入層または正孔輸送層を形成する段階と;上記青色発光層以外の発光層と上記第2電極の間に正孔抑制層,電子輸送層または電子注入層を形成する段階と;をさらに含んでもよい。
【0027】
また,上記青色発光層以外の発光層は,黄色発光層;緑色・赤色混合発光層;緑色発光層と赤色発光層;のいずれかであってもよい。
【0028】
また,上記正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に,燐光物質が1〜20質量%ドーピングされてもよい。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように,本発明によれば,発光層を多層構造,具体的に青色発光層と青色以外の発光層で構成させ,青色以外の発光層をホスト物質として正孔輸送性物質と電子輸送性物質を混合して使って,ドーパントとして燐光物質を使って形成することで,素子の安全性側面で優秀な特性を得ることができ,かつ素子の発光効率及び素子の寿命を改善させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に,添付した図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する発明特定事項については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
本実施形態による白色有機発光素子は,第1電極(アノード)から第2電極(カソード)の間に,青色発光層と青色以外の発光層が積層された2層構造の発光層を形成した。ここで上記青色以外の発光層は,正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物と,燐光物質と,で形成される。
【0032】
本実施形態による白色有機発光素子は,第1電極と発光層の間に正孔注入層及び/または正孔輸送層が順次にさらに積層されることが可能で,発光層と第2電極の間に正孔抑制層,電子輸送層及び/または電子注入層が順次に積層されている構造であることができる。それ以外にも各層界面特性を改善させるために中間層がさらに挿入されることができる。
【0033】
このように,白色有機発光素子で白色を具現する発光層を構成する青色発光層と青色以外の発光層は次のような構造であってもよい。例えば,青色発光層/黄色発光層または黄色発光層/青色発光層が順番に積層された2層構造であってもよい。または青色発光層/赤色・緑色混合発光層または赤色・緑色混合発光層/青色発光層が順番に積層された2層構造であってもよい。または青色発光層/緑色発光層/赤色発光層または赤色発光層/緑色発光層/青色発光層が順番に積層された3層構造であり得る。
【0034】
上記青色発光層の材料としては,この分野における一般的なものを使うことができ,蛍光物質または燐光物質が使用可能であり,具体的には,青色発光層の材料としてIr金属を含むIr誘導体が使われ,その例としてFIrpic(ビス(プルオロフェニルピリジン)イリジウムピコルリネート)などを使用することができ,蛍光材料としてビフェニルアントラセンなどのアントラセン誘導体をホストで使用することができ,スチリルベンゼン(styrylbenzene)係誘導体として4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)スチルベン(PAS)などを使用することができる。
【0035】
上記青色以外の発光層は,正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物をホストで使用し,燐光物質をドーパントで使って形成することができる。
【0036】
上記正孔輸送物質としては,カルバゾール単位を含む物質等を使用することができ,具体的には1,3,5−トリスカルバゾリルベンゼン;4,4′−ビスカルバゾリルビフェニル;ポリビニールカルバゾール;m−ビスカルバゾイルビフェニル;4,4′−ビスカルバゾリル2,2′−ジメチルビフェニル;4,4′,4”−トリー(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン;1,3,5−トリス(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン;1,3,5−トリス(2−カルバゾリル5−メトックシフェニル)ベンゼン;及びビ(4−カルバゾリルフェニル)シランからなるグループより一種以上選択されることが望ましく,上記電子輸送物質としては有機金属系列物質として,アルミニウム,亜鉛,ベリリウムまたはカリウム系列の物質,オキサジアゾル単位を含む物質,トリアジン単位を含む物質,トリアゾール単位を含む物質,スピロプルオレン単位を含む物質を使用することができ,具体的には,ビス(8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム;ビス(8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム;ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム;ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム;ビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)キノラト)亜鉛;2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−ペナントロリン(BCP);2,4,6−トリス(ジアリルアミノ−)−1,3,5−トリアジン;及び3−フェニル−4−(1′−ナプチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾールからなるグループより一種以上選択されることが望ましい。
【0037】
上記正孔輸送物質と電子輸送物質は質量を基礎にして1:9〜9:1で混合することが望ましく,上記範囲を超える場合,単一ホストを使用することに比べて特性が向上しないという問題があり得る。
【0038】
また,青色以外の発光層で黄色発光層の場合,黄色燐光ドーパントとしてIrpq2acac(ビス(フェニルキノリン)イリジウムアセチルアセトネート)を使用することができ,赤色・緑色混合発光層,赤色発光層または緑色発光層の場合,赤色燐光ドーパントとしてIr(piq)2acac(ビス(フェニルイソキノリン)イリジウムアセチルアセトネイト)を使用することができ,緑色燐光ドーパントとしてIrppy3(トリス(フェニルピリジン) イリジウム)を使用することができるが,これに制限されるのではない。
【0039】
上記正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に対する燐光物質の使用量は,1〜20質量%で使用されることが望ましい。1質量%未満を使用する場合,ドーピング濃度を制御するのが難しいことがあり,20質量%を超過して使用する場合,効率減少の問題及び色特性が低下されるという問題があり得る。
【0040】
本実施形態による白色有機発光素子で全体発光層の厚さは,20〜60nmが望ましく,その中,青色発光層の厚さは,10〜50nmで,青色以外の発光層厚さは,10〜50nmであることが望ましい。
【0041】
上記青色以外の発光層厚さが10nm未満の場合,青色発光が弱くて色座標が赤色に移動するという問題があり得る。さらに50nmの厚さを超過する場合には青色発光が強くて色座標が青色に移動するという問題があり得る。具体的には,発光層が2層構造の場合,黄色発光層の厚さは10〜50nmであることが望ましく,緑色・赤色混合発光層の厚さは,10〜50nmであることが望ましく,発光層が3層構造の場合緑色発光層の厚さは,5〜45nmで,赤色発光層の厚さは5〜45nmであることが望ましい。
【0042】
図1〜図3は,本発明の望ましい一実施形態による白色有機発光素子の積層構造を概略的に示した図面である。図1は本発明の第1の実施形態,図2は本発明の第2の実施形態図3は本発明の第3の実施形態を示す。
【0043】
図1を参照すれば,基板(10)上部に第1電極(20)が積層され,上記第1電極(20)上部に正孔注入層(30),正孔輸送層(40),青色発光層(50a),黄色発光層(50b),電子輸送層(60),電子注入層(70)及び第2電極(80)が順次積層されている白色有機発光素子である。
【0044】
図2の白色有機発光素子は,図1の白色有機発光素子で黄色発光層(50b)の代わりに,赤色・緑色混合発光層(50c)が介在された積層構造を持つ。
【0045】
図3の白色有機発光素子は,図1の白色有機発光素子で青色発光層(50a)/黄色発光層(50b)の2層構造の発光層の代わりに青色発光層(50a)/緑色発光層(50d)/赤色発光層(50e)の3階構造の発光層が介在された積層構造を持つ。
【0046】
それ以外にも図面には示されていないが,正孔抑制層がさらに積層されることも可能であり,その他,層間の界面特性を改善するための中問層をさらに形成することも可能である。
【0047】
以下,図面を参照して本発明の白色有機発光素子の製造方法について説明する。
【0048】
まず,基板(10)上部にパターニングされた第1電極(20)を形成する。ここで,上記基板(10)は通常的な有機発光素子で使用される基板を使用するが,透明性,表面平滑性,取り扱いの容易性及び防水性の優秀な硝子基板または透明プラスチック基板が望ましい。そして,上記基板の厚さは,0.3〜1.1mmであることが望ましい。
【0049】
上記第1電極(20)の形成材料としては正孔注入が容易い伝導性金属またはその酸化物からなり,具体的な例として,ITO(Iindium Tin Oxide),IZO(Iindium Zinc Oxide),ニッケル(Ni),白金(Pt),金(Au),イリジウム(Ir)などを使用する。
【0050】
上記第1電極(20)が形成された基板を洗浄した後,UV/オゾン処理を実施する。この時,洗浄方法では,イソプロパノール(IPA),アセトンなど有機溶媒を利用する。また,洗浄されたITO基板を真空下でプラズマ処理することが望ましい。
【0051】
洗浄された基板(10)の第1電極(20)上部に正孔注入物質を真空熱蒸着,またはスピンコーティングして正孔注入層(30)を形成することができる。このように正孔注入層(30)を形成すれば,第1電極(20)と発光層(50)の接触抵抗を減少させると同時に,発光層(50)に対する第1電極(20)の正孔輸送能力が向上されて素子の駆動電圧と寿命特性が全般的に改善されるような効果を得ることができる。
【0052】
上記正孔注入層(30)の厚さは,300〜1500Åであることが望ましい。もし,正孔注入層(30)の厚さが300Å未満の場合には寿命が短くなって,有機EL素子の信頼性が悪くなり,特にPM有機ELの場合には画素ショットを起こすことがあり,1500Åを超過する場合には駆動電圧上昇のため,望ましくない。
【0053】
上記正孔注入物質としては特に制限されないが,下記式に示すように,銅プタロシアニン(CuPc)またはスターバースト(Starburst)型アミン類であるTCTA,m−MTDATA,IDE406(出光社材料)などを正孔注入層で使用することができる。
【0054】
【化1】

【0055】
次に,上記正孔注入層(30)上部にまた正孔輸送物質を真空熱蒸着またはスピンコーティングして正孔輸送層(40)を形成することができる。上記正孔輸送物質は,特に制限されず,N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4′ディアマン(TPD),N,N′−ジ(ナフタリン−1−日)−N,N′−ジフェニルベンジジン,N,N′−ジ(ナフタリン−1−イル)−N,N′−ジフェニル−ベンジジン:α−NPD),IDE320(出光社材料)などが使用される。ここで,正孔輸送層の厚さは100〜400Åであることが望ましい。正孔輸送層の厚さが100Å未満の場合には,あまりに薄くて正孔輸送能力が低下され,400Åを超過する場合には駆動電圧上昇のため,望ましくない。
【0056】
【化2】

【0057】
次に,上記正孔輸送層(40)上部に真空熱蒸着またはスピンコーティングのような方法で発光層(50)を形成する。
【0058】
上記発光層(50)は,図1に示されたように青色発光層(50a)/黄色発光層(50b)で構成された2層構造であるか,図2に示されたように青色発光層(50a)/緑色・赤色発光層(50c)で構成された2層構造であることができ,図3に示されたように青色発光層(50a)/緑色発光層(50d)/赤色発光層(50e)で構成された3層構造であることも可能である。この場合,青色発光層(50a)を構成する材料としてはこの分野において一般的なものを使用することができ,例えば,CBPホストにFirpicを使用することができる。
【0059】
また,黄色発光層(50b),緑色・赤色発光層(50c),緑色発光層(50d)及び赤色発光層(50e)を構成するホスト物質としては,正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物を使用することができ,ドーパント物質としてはそれぞれの色を出す燐光物質が使用される。例えば,正孔輸送物質としては,カルバゾール単位を含む物質を使用することができ,具体的には,1,3,5−トリスカルバゾリルベンゼン;4,4′−ビスカルバゾリルビフェニル;ポリビニールカルバゾール;m−ビスカルバゾイルビフェニル;4,4′−ビスカルバゾリル2,2′−ジメチルビフェニル;4,4′,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン;1,3,5−トリス(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン;
1,3,5−トリス(2−カルバゾリル5−メトキシフェニル)ベンゼン;ビ(4−カルバゾリルフェニル)シランからなるグループより一種以上選ばれることが望ましく,上記電子輸送物質としては有機金属系列物質として,アルミニウム,亜鉛,ベリリウムまたはカリウム系列の物質,オキサジアゾル単位を含む物質,トリアジン単位を含む物質,トリアゾル単位を含む物質,スピロプルオレン単位を含む物質を使用することができ,具体的には,ビス(8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム;ビス(8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム;ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム;ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム;ビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)キノラト)亜鉛;2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−ペナントロリン(BCP);2,4,6−トリス(ジアリルアミノ)−1,3,5−トリアジン;3−フェニル−4−(1′−ナプチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾールからなるグループより一種以上選択されることが望ましい。
【0060】
黄色発光層(50b),赤色・緑色混合発光層(50c),緑色発光層(50d)及び赤色発光層(50e)で,黄色燐光ドーパントとしてIrpq2acac(ビス(フェニルキノリン) イリジウムアセチルアセトネート)を使用することができ,赤色燐光ドーパントとしてIr(piq)2acac(ビス(フェニルイソキノリン)イリジウムアセチルアセトネート)を使用することができ,緑色燐光ドーパントとしてIrppy3(トリス(フェニルピリジン)イリジウム)を使用することができる。
【0061】
上記正孔輸送物質と電子輸送物質は質量を基礎にして1:9〜9:1で混合することが望ましく,上記正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に対する燐光物質の使用量は,1〜20質量%で使用することが望ましい。
【0062】
本実施形態において,上記発光層(50)の全体厚さは20〜60nmであることが望ましい。発光層の厚さが厚いほど駆動電圧が上昇するという短所のため,60nmを超過すれば適用しにくい。具体的には,青色発光層(50a)の厚さは10〜50nmが望ましく,黄色発光層(50b)の厚さは10〜50nmが望ましく,赤色・緑色混合発光層(50c)の厚さは10〜50nmが望ましく,緑色発光層(50d)の厚さは5〜45nmであり,赤色発光層(50e)の厚さは5〜45nmの厚さが望ましい。
【0063】
図1〜3には示されていないが,上記発光層(50)上に正孔抑制物質を真空蒸着,またはスピンコーティングして正孔抑制層を選択的に形成することができる。この時,使用する正孔抑制物質は特に制限されないが,電子輸送能力を持ちながら発光化合物より高いイオン化ポテンシャルを持たなければならず,代表的にBalq,BCP,TPBIなどが使用される。
【0064】
正孔抑制層の厚さは30〜70Åであることが望ましい。もし,正孔抑制層の厚さが30Å未満の場合には,正孔抑制特性をよく具現することができず,70Åを超過する場合には駆動電圧上昇のため,望ましくない。
【0065】
【化3】

【0066】
上記発光層(50)または正孔抑制層上に電子輸送物質を真空蒸着またはスピンコーティングして電子輸送層(60)を形成する。電子輸送物質としては特に制限されず,Alq3を利用することができる。
【0067】
上記電子輸送層(60)の場合,厚さは150〜600Åであることが望ましい。もし,電子輸送層(60)の厚さが150Å未満の場合には,電子輸送能力が低下され,600Åを超過する場合には駆動電圧上昇のため,望ましくない。
【0068】
また上記電子輸送層(60)上に電子注入層(70)を積層することができる。電子注入層(70)の形成材料としては,LiF,NaCl,CsF,Li2O,BaO,Liqなどの物質を利用することができる。上記電子注入層(70)の厚さは5〜20Åであることが望ましい。もし,電子注入層(70)の厚さが5Å未満の場合には効果的な電子注入層としての役割ができず,20Åを超過する場合には駆動電圧が高くて望ましくない。
【0069】
【化4】

【0070】
次に,上記電子注入層(70)上部に第2電極(80)であるカソード用金属を真空熱蒸着して第2電極(80)であるカソードを形成することで白色有機発光素子が完成される。上記カソード金属としてはリチウム(Li),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),アルミニウム−リチウム(Al−Li),カルシウム(Ca),マグネシウム−インジウム(Mg−In),マグネシウム−銀(Mg−Ag)などが利用される。
【0071】
以下,本発明を下記実施例で説明するが,本発明が下記実施例に限定されるのではない。
【0072】
(実施例1)
アノードとしてコニン(corning)社の15Ω/cm(1200Å)ITO硝子基板を50mmx50mmx0.7mmの大きさで切ってイソプロフィルアルコールと純粋水の中で各5分間超音波洗浄した後,30分間UV,オゾン洗浄して使用した。有機発光素子製作の時,上記洗浄過程を経ったITO 硝子基板は0.1mtorr以下の真空で9分間プラズマ処理された。上記基板上部にIDE406(出光社)を真空熱蒸着して正孔注入層を700Å厚さで形成した。
【0073】
次に,上記正孔注入層上部にNPDを150Åの厚さで真空熱蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0074】
上記正孔輸送層上部に,CBPをホスト物質,FIrpicをドーパントとして15%ドーピングして真空熱蒸着して約300Åの厚さで青色発光層を形成した。
【0075】
次に,上記青色発光層上部にホスト物質としてCBP(4,4 −ビスカルバゾリルビフェニル)とBCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−ペナントロ−ルリン(BCP))の1:1混合物に黄色燐光ドーパントとしてIrpq2acacを10%ドーピングして真空熱蒸着を通じて約100Åの厚さで黄色発光層を形成した。
【0076】
次に,上記黄色発光層上部に電子輸送物質であるAlq3を蒸着して250Å厚さの電子輸送層を形成し,上記電子輸送層上部にLiF10Å(電子注入層)とAl800Å(カソード)を順次真空熱蒸着してLiF/Al電極を形成して有機発光素子を製造した。
【0077】
(実施例2)
アノードとしてコニン(corning)社の15Ω/cm(1200Å)ITO硝子基板を50mmx50mmx0.7mmの大きさで切ってイソプロフィルアルコールと純粋水の中で各5分間超音波洗浄した後,30分間UV,オゾン洗浄して使用した。有機発光素子製作の時,上記洗浄過程を経ったITO硝子基板は0.1mtorr以下の真空で9分間プラズマ処理された。上記基板上部にIDE406(出光社)を真空熱蒸着して正孔注入層を700Å厚さで形成した。引き継いで,上記正孔注入層上部にNPDを150Åの厚さで真空熱蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0078】
上記正孔輸送層上部に,CBPをホスト物質,FIrpicをドーパントとして,15%ドーピングして真空熱蒸着して約300Åの厚さで青色発光層を形成した。
【0079】
CBPとBCPの1:1混合物に緑色燐光ドーパントIrppy3と赤色燐光ドーパントIrpiq2acacを8:2で混合した後,これを10%ドーピングして真空熱蒸着を通じて約100Åの厚さで緑色・赤色混合発光層を形成した。
【0080】
次に,上記緑色・赤色混合発光層上部に電子輸送物質であるAlq3を蒸着して250Å厚さの電子輸送層を形成し,上記電子輸送層上部にLiF10Å(電子注入層)とAl800Å(カソード)を順次真空熱蒸着してLiF/Al電極を形成して有機発光素子を製造した。
【0081】
(実施例3)
アノードとしてコニン(corning)社の15Ω/cm(1200Å)ITO硝子基板を50mmx50mmx0.7mmの大きさで切ってイソプロフィルアルコールと純粋水の中で各5分間超音波洗浄した後,30分間UV,オゾン洗浄して使用した。有機発光素子製作の時,上記洗浄過程を経ったITO硝子基板は0.1mtorr以下の真空で9分間プラズマ処理された。上記基板上部にIDE406(出光社)を真空熱蒸着して正孔注入層を700Å厚さで形成した。引き継いで,上記正孔注入層上部にNPDを150Åの厚さで真空熱蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0082】
上記正孔輸送層上部にCBPをホスト物質でFirpicをドーパントで15%ドーピングして真空熱蒸着して約300Åの厚さで青色発光層を形成した。引き継いで,上記青色発光層上部にホスト物質としてCBPとBCPの1:1混合物に緑色燐光ドーパントIrppy3を5%ドーピングして真空熱蒸着を通じて約100Åの厚さで緑色発光層を形成した。
【0083】
次に,上記緑色発光層上部にホスト物質としてCBPとBCPの1:1混合物に赤色燐光ドーパントIrpiq2acacを10%ドーピングして真空熱蒸着を通じて約100Åの厚さで赤色発光層を形成した。
【0084】
次に,上記赤色発光層上部に電子輸送物質であるAlq3を蒸着して250Å厚さの電子輸送層を形成し,上記電子輸送層上部にLiF10Å(電子注入層)とAl800Å(カソード)を順次真空熱蒸着してLiF/Al電極を形成して有機発光素子を製造した。
【0085】
(比較例1)
アノードとしてコニン(corning)社の15Ω/cm(1200Å)ITO硝子基板を50mmx50mmx0.7mmの大きさで切ってイソプロフィルアルコールと純粋水の中で各5分間超音波洗浄した後,30分間UV,オゾン洗浄して使用した。有機発光素子製作の時,上記洗浄過程を経ったITO硝子基板は0.1mtorr以下の真空で9分間プラズマ処理された。上記基板上部にIDE406(出光社)を真空熱蒸着して正孔注入層を700Å厚さで形成した。
【0086】
次に,上記正孔注入層上部にNPDを150Åの厚さで真空熱蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0087】
上記正孔輸送層上部にCBPをホスト物質でFirpicをドーパントで15%ドーピングして真空熱蒸着して約300Åの厚さで青色発光層を形成した。引き継いで,上記青色発光層上部にホスト物質としてCBPに黄色燐光ドーパントでIrpq2acacを10%ドーピングして真空熱蒸着を通じて約100Åの厚さで黄色発光層を形成した。
【0088】
引き継いで,上記黄色発光層上部に電子輸送物質であるAlq3を蒸着して250Å厚さの電子輸送層を形成し,上記電子輸送層上部にLiF10Å(電子注入層)とAl800Å(カソード)を順次真空熱蒸着してLiF/Al電極を形成して有機発光素子を製造した。
【0089】
(試験例1)
上記実施例1〜3及び比較例1によって製造された白色有機発光素子の駆動電圧,効率(電流密度)及び半減寿命特性及び色座標を下記の方法によって調査し,その結果を下記表1に示した。
【0090】
輝度:BM5A(Topcon社)で測定する。
駆動電圧:Keithleyの238HIGH CURRENT SOURCE MEASURE UNITで測定する。
電流密度:直流(DC)10〜100mA/cmまで10mA/cmずつ高めながら進行し,同じ素子構造にて9個以上のポイントで評価した。
反感寿命:DC50mA/cmの同一電流密度印加の時,素子の輝度が初期値の50%まで減少される時間を調査して評価した。同じ素子構造にて3個以上の素子で寿命の再現性を確認した。
色座標:PR650スペトロメータで色座標を確認した。
【0091】
【表1】

【0092】
上記表1から分かるように,実施例1〜3の有機発光素子が白色色座標を見せることを確認することができ,比較例1の場合に比べて効率及び寿命も向上したことが分かる。
【0093】
(試験例2)
上記実施例1から得られた有機発光素子の発光特性を調査してその結果を図4にグラフで示した。
【0094】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は,白色有機発光素子及びその製造方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる白色有機発光素子を示す概略図である。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる白色有機発光素子を示す概略図である。
【図3】本発明の第3の実施形態にかかる白色有機発光素子を示す概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる白色有機発光素子の発光特性を示したグラフである。
【符号の説明】
【0097】
10 基板
20 第1電極
30 正孔注入層
40 正孔輸送層
50 発光層
50a 青色発光層
50b 黄色発光層
50c 緑色・赤色混合発光層
50d 緑色発光層
50e 赤色発光層
60 電子輸送層
70 電子注入層
80 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの電極の間に発光層を含む白色有機発光素子において:
前記発光層は,
白色を具現することができる青色発光層と;
青色以外の発光層と;
を備え,
前記青色以外の発光層は,
正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物と;
燐光物質と;
を有することを特徴とする,白色有機発光素子。
【請求項2】
前記青色以外の発光層は,黄色発光層であることを特徴とする,請求項1に記載の白色有機発光素子。
【請求項3】
前記青色以外の発光層は,緑色・赤色混合発光層であることを特徴とする,請求項1に記載の白色有機発光素子
【請求項4】
前記青色以外の発光層は,緑色発光層及び赤色発光層であることを特徴とする,請求項1に記載の白色有機発光素子。
【請求項5】
前記青色発光層を形成する物質は,FIrpic,ビフェニルアントラセン及び4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)スチルベンからなる群より選択される一種以上の物質であることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項6】
前記正孔輸送物質は,
1,3,5−トリスカルバゾリルベンゼン,4,4′−ビスカルバゾリルビフェニルと,ポリビニールカルバゾール,m−ビスカルバゾイルビフェニル,4,4′−ビスカルバゾリル2,2′−ジメチルビフェニル,4,4′,4”−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン,1,3,5−トリス(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン,1,3,5−トリス(2−カルバゾリル5−メトキシフェニル)ベンゼン及びビ(4−カルバゾリルフェニル)シランからなる群より選択される一種以上の物質であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項7】
前記電子輸送物質は,ビス(8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム,ビス(8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム,ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)ビフェノキシアルミニウム,ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノラト)フェノキシアルミニウム,ビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)キノラト)亜鉛,2−(4−ビフェニルイル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール,2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−ペナントロリン(BCP),2,4,6−トリス(ジアリルアミノ)−1,3,5−トリアジン及び3−フェニル−4−(1′−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾールからなる群より選択される一種以上の物質であることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項8】
前記正孔輸送物質と前記電子輸送物質との質量比は,1:9〜9:1であることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項9】
前記燐光物質は,Irpq2acac,Ir(piq)2acac及びIrppy3からなる群より選択される一種以上の物質であることを特徴とする,請求項1〜8のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項10】
前記正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に対する燐光物質の使用量は,1〜20質量%であることを特徴とする,請求項1〜9のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項11】
前記青色発光層の厚さは,10〜50nmであることを特徴とする,請求項1〜10のいずれかに記載の白色有機発光素子。
【請求項12】
前記黄色発光層の厚さは,10〜50nmであることを特徴とする,請求項2に記載の白色有機発光素子。
【請求項13】
前記緑色・赤色混合発光層の厚さは,10〜50nmであることを特徴とする,請求項3に記載の白色有機発光素子。
【請求項14】
前記緑色発光層の厚さは,5〜45nmであり,赤色発光層の厚さは5〜45nmであることを特徴とする,請求項4に記載の白色有機発光素子。
【請求項15】
基板上に第1電極を形成する段階と;
前記第1電極上部に青色発光層を形成する段階と;
前記青色発光層上部に青色発光層以外の発光層を形成する段階と;
前記青色発光層以外の発光層上部に第2電極を形成する段階と;
を含み,
前記青色発光層以外の発光層はホストとして正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に燐光物質をドーピングして形成されることを特徴とする,白色有機発光素子の製造方法。
【請求項16】
前記第1電極と前記青色発光層の間に正孔注入層または正孔輸送層を形成する段階と;
前記青色発光層以外の発光層と前記第2電極の間に正孔抑制層,電子輸送層または電子注入層を形成する段階と;
をさらに含むことを特徴とする,請求項15に記載の白色有機発光素子の製造方法。
【請求項17】
前記青色発光層以外の発光層は,黄色発光層,緑色・赤色混合発光層,または緑色発光層と赤色発光層のいずれかであることを特徴とする,請求項15または16に記載の白色有機発光素子の製造方法。
【請求項18】
前記正孔輸送物質と電子輸送物質の混合物に,燐光物質が1〜20質量%ドーピングされることを特徴とする,請求項15〜17のいずれかに記載の白色有機発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−27092(P2007−27092A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143381(P2006−143381)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】