説明

白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置

【課題】白蟻等が建物内部へ侵入することを防止できる白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置を提供すること。
【解決手段】建物の基礎等の垂直壁に設置する白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置であって、前記垂直壁に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部と、前記板状部の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた湾曲部とから成るので、白蟻等が建物内部へ侵入することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白蟻等の徘徊性害虫が建物内部へ侵入することを防止する白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、白蟻等は外部の地面から建物の基礎づたいに土台、柱、大引、根太等の木材部分に侵入することが知られている。そこで、従来より白蟻等が建築物の基礎から木材部分に侵入するのを防止する方法が種々提案されている。例えば、特開2006−241881号公報に開示されたものは、基礎の内側或いは外側に白蟻等が通過できない程度の粒子間の隙間のできる粒子層と仕切り部材を配置したものである。
【特許文献1】特開2006−241881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような構成の従来の白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置にあっては、白蟻等が通過できない程度の粒子間の隙間のできる粒子層が長時間使用する間に、土埃や湿気の影響によって、容易に白蟻等が通過できるようになってしまと云う欠点が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、建物の基礎等の垂直壁に設置する白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置であって、前記垂直壁に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部と、前記板状部の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた湾曲部とから成ることを特徴としている。
【0005】
また、請求項2に記載の発明において、前記湾曲部は、略U字状に形成されたことを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項3に記載の発明において、前記板状部は、円筒状に形成され、ジャッキ式束の周囲に形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は前記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0008】
本願発明では、建物の基礎等の垂直壁に設置する白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置であって、前記垂直壁に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部と、前記板状部の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた湾曲部とから成るので、白蟻等は表面が鏡面仕上げされた板状部及び湾曲部によって、基礎から建物の建物内部へ侵入することができない。また、略U字状内部に侵入した白蟻等は、滑らかな表面仕上げのために略U字状内部から脱出できず、死に至り駆除される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、建物の基礎等の垂直壁に設置する白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置であって、垂直壁に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部と、板状部の下端に形成され表面が鏡面仕上げされた湾曲部とからなるので、白蟻等が鏡面仕上げ部で滑って登ることができない。
【実施例1】
【0010】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の使用態様を示す説明図、図2(a)は、同白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の一実施例を示す全体斜視図である。ここで、白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置10は、建物の基礎11等の垂直壁12に設置するものであって、前記垂直壁12に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部13と、前記板状部の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた湾曲部14とを有している。
【0011】
板状部13は、長尺部材からなり適宜位置の固定用のビス孔15が形成されている。板状部13は、例えば、ステンレス鋼板、または金属板、合成樹脂板等の表面が平滑なものが使用される。また、表面にメッキ、フッ素樹脂加工(テトラフルオロエチレン重合体)等を施したものでもよい。要するに、白蟻等が滑って歩けないような材料が用いられる。また、湾曲部14は、板状部13の幅方向の下端に延設されており、図1から明らかなように地面中に埋設して使用する。地面を潜って基礎方向へ侵入する白蟻等を阻止することができる。
【0012】
図2(b)は、本発明の白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の他の実施例を示す全体斜視図である。本実施例において、白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置20は、建物の基礎等の垂直壁12に設置するものであって、前記垂直壁12に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部21と、前記板状部21の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた断面が略U字状に形成された湾曲部22とから構成されている。また、湾曲部22の縁部23は、更に外側に開くように湾曲している。この湾曲した縁部23によって白蟻等が登るのを阻止することができる。板状部21には、第1の実施例と同様にビス孔15が形成されている。
【0013】
以上のように構成された、白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置20は、図1に示すように布基礎の垂直壁12の内側にビス止めされる。この際、湾曲部22は、コンクリート面34に一部埋設されるように設置する。尚、湾曲部22内には、白蟻等の嫌いな忌避剤、或いは殺虫剤を入れても良い。湾曲した縁部23は、コンクリート面34より所定の距離だけ突出して設置する。この湾曲した縁部23の裏面も鏡面処理をすれば、白蟻等が登ることができない。
【0014】
図3は、本発明の白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の他の実施例を示す説明図である。本実施例において、板状部30は、略円筒状に形成され、ジャッキ式束31の周囲に配置される。略円筒の板状部30は、表面が鏡面仕上げされており、下端縁部32が湾曲して鍔状又は、略U字状に拡開していてもよい。ジャッキ式束31は、大引33を下から支えており、床下のコンクリート面34上に設置される。略円筒の板状部30は、上端がやや先細に形成してもよい。
【0015】
以上のように構成された白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置は、大引33を下から支えるジャッキ式束31の周囲に下端縁部32がコンクリート面34に埋没するように設置される。白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置は、ジャッキ式束31を微調整した後、コンクリート用接着剤35を使用して固定する。このようにジャッキ式束31の周囲に設置した場合、白蟻等がジャッキ式束31から大引33等の木材部に侵入するのを阻止することができる。
【0016】
図4は、本発明の白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の別の実施例を示す説明図である。本実施例において、図1に示した場合とは逆に建物の基礎11等の外側に白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置20を設置し、内側に白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置10を設置したものです。白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置20は、建物の基礎等の垂直壁12に設置するものであって、前記垂直壁12に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部21と、前記板状部21の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた断面が略U字状に形成された湾曲部22とから構成されている。また、湾曲部22の縁部23は、更に外側に開くように湾曲している。この湾曲した縁部23によって白蟻等が登るのを阻止することができる。板状部21には、ビス孔15が形成されている
【0017】
白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置10は、前述したように、前記垂直壁12に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部13と、前記板状部の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた湾曲部14とを有している。板状部13は、長尺部材からなり適宜位置の固定用のビス孔15が形成されている。板状部13は、例えば、ステンレス鋼板、または金属板、合成樹脂板等の表面が平滑なものが使用される。また、表面にメッキ、フッ素樹脂加工(テトラフルオロエチレン重合体)等を施したものでもよい。要するに、白蟻等が滑って歩けないような材料が用いられる。また、湾曲部14は、板状部13の幅方向の下端に延設されており、図4から明らかなように地面中に埋設して使用し、地面を潜って基礎方向へ侵入する白蟻等を阻止することができる。
【0018】
なお、本発明は上述の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明に係る白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の使用態様を示す説明図である。
【図2】図2(a)は、同白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の一実施例を示す全体斜視図、(b)は、同白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の他の実施例を示す全体斜視図である。
【図3】図3は、同白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の他の実施例を示す説明図である。
【図4】図4は、同白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置の別の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
10、20 白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置
11 基礎
12 垂直壁
13 板状部
14 湾曲部
15 ビス孔
21 板状部
22 湾曲部
23 縁部
30 円筒の板状部
31 ジャッキ式束
32 下端縁部
33 ジャッキ式束
34 コンクリート面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の基礎等の垂直壁に設置する白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置であって、
前記垂直壁に固定される表面が鏡面仕上げされた板状部と、
前記板状部の下端に形成され、表面が鏡面仕上げされた湾曲部とから成ることを特徴とする白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置。
【請求項2】
前記湾曲部は、略U字状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置。
【請求項3】
前記板状部は、円筒状に形成され、ジャッキ式束の周囲に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の白蟻、黒蟻等の徘徊性害虫の防除装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−133098(P2009−133098A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309677(P2007−309677)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000232564)バイエルクロップサイエンス株式会社 (23)
【出願人】(506394924)株式会社グリーンプロデュース (4)
【Fターム(参考)】