説明

皮張り防止剤化合物及びこれを含有する組成物

本発明は、(a)有機又は無機酸素スカベンジャーと(b)アルキルアミン及び/又はアルキルアルカノールアミンとの組合せ物を含有する皮張り防止剤に関し、また、前記組合せ物を含有する組成物、特に酸化的乾燥性塗料又はコーティング組成物、並びにかかる酸化的乾燥性塗料又はコーティング組成物でコーティングされた物品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年6月2日付けで出願された米国特許出願第10/859304号の部分継続出願である。
【0002】
本発明は、化合物の混合物(添加剤の組合せ物)を含有する皮張り防止剤、これらを含有するコーティング組成物及びこれらでコーティングされた物品に関する。前記化合物は、(a)有機及び無機酸素スカベンジャー(捕捉/除去剤)と(b)アルキルアミン及び/又はアルキルアルカノールアミンを含むアミン類との群から選択される。本発明はさらに、これらの皮張り防止剤を含有する組成物、例えば酸化的乾燥性(酸化によって乾燥する)アルキド樹脂のようなコーティング組成物にも関する。
【背景技術】
【0003】
酸化的乾燥性のオイル、アルキド樹脂、エポキシエステル及びその他の酸化的乾燥性精製油をベースとする無色の及び着色された酸化的乾燥性塗料及びコーティングは、周知である。これらのオイル及びバインダーは、酸素(好ましくは大気中の酸素)の影響下で、遷移金属カルボン酸塩のような乾燥剤(乾燥促進用添加剤、ドライヤー)を添加することによって、酸化的に架橋する。もしも製品を実際に使う前にこの架橋が起こると、これらは、開放又は密閉容器中に貯蔵した時に表面上に固体状バリアーフィルム(即ち皮膜(スキン))を形成する(皮張り)ことがある。これは塗料を扱いにくいものにし、一般的に乾燥剤の均一分布の妨げになるので、非常に好ましくないことであり、従って回避すべきである。形成する塗料皮膜中に乾燥剤が蓄積すると、塗布した塗料の乾燥のかなりの遅延につながることがある。
【0004】
塗布後の塗料フィルムの皮張りもまた不利なことである。塗料表面の乾燥が早過ぎると、フィルムの下層が酸素から遮断され、酸素が塗料フィルム内に充分に浸透して分散するのが妨げられるので、フィルムの下層が均一に乾燥するのが妨害される。これは、とりわけ、塗料フィルムにおける流動の問題や、接着性の問題、フィルム硬さの不充分さにつながることがある。
【0005】
乾燥剤の金属と(大気中の)酸素との反応を酸素を結合させることによって又は乾燥剤の金属と錯化することによって禁止する有機物質を塗料に添加することが知られている。
【0006】
米国特許第4618371号明細書には、脂肪族α−ヒドロキシケトンを皮張り防止剤として使用することが記載されている。ドイツ国特許第1519103号明細書には、この目的のためのN,N−ジアルキル化ヒドロキシルアミンが開示されている。しかしながら、揮発性が低いのでヒドロキシルアミン単独では乾燥がひどく遅くなることがあり、また、フィルム硬度値の低下につながることもあって、用途の可能性が制限されることもある。これらは、皮張り防止剤として工業的に受け入れられていない。米国特許出願公開第2003/0025105号明細書には、ジエチルヒドロキシルアミンのような有機ヒドロキシルアミン及びジエチルホルムアミドのようなβ−ジカルボニル化合物を皮張り防止剤として用いることが記載されている。
【0007】
アルキド樹脂技術における重要課題は、適切な皮張り防止特性を維持しながら酸化的架橋によって樹脂を素早く硬化させることである。皮張り防止には、空気−樹脂界面における硬化反応を遅くすることが必要である。酸素スカベンジャーとしての働きをするオキシムや、好適なフェノール化合物が、産業界において今日特によく皮張り防止剤として用いられている。しかしながら、フェノール系の皮張り防止剤は表面乾燥の有意の遅延を示し、ある種のコーティング組成物についてのみ好適なだけである。他方、例えばメチルエチルケトキシム(MEKO)やブチルアルドキシムのようなオキシムは揮発性があるので、表面乾燥において僅かな遅延を示すだけである。しかしながら、オキシムの高い揮発性は、アルキドからのこの皮張り防止剤の迅速な損失をもたらし、かくして皮張りが適切に制御されない。今日広く用いられているオキシムの最も有意の欠点は、それらの毒性にある。この結果として、使用者はオキシムを皮張り防止剤として含有する塗料を用いて作業する時に念入りな個体保護対策を講じなければならない。
【特許文献1】米国特許第4618371号明細書
【特許文献2】ドイツ国特許第1519103号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0025105号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
皮張り防止剤と下に記載する共促進剤との組合せ物を用いることによって、乾燥特性に対する最小限の影響で皮張りの禁止がもたらされることが見出された。特に、皮張り防止剤としての特定のヒドロキシルアミンの上記の欠点も、かかる物質群を下に記載する追加の化合物と組み合わせることによって回避することができ、従って皮張り防止剤としての要件をより良好に満足する製品が得られる。
【0009】
本発明に従う組合せ物を空気乾燥性アルキド樹脂に加えることによって、望ましくない皮張りに対して耐性があり且つ塗布後の樹脂フィルムの乾燥の改善を示すアルキド樹脂系が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
(a)有機又は無機酸素スカベンジャーを、
(b)式(II)の有機アルキルアミン化合物
【化1】

{ここで、R3、R4及びR5は互いに独立的に水素(しかし3つすべてが水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であってよい}
及び
(c)式(III)の有機アルキルアルカノールアミン化合物
【化2】

{ここで、R6及びR8は互いに独立的に水素(しかし両方共が水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であってよく、
7は直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であってよい}
のいずれか又は両方と共に含有する皮張り防止剤に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
有機又は無機酸素スカベンジャーは、遊離の酸素と錯化してその酸化的反応を遅らせることができる能力を示す材料である。有機酸素スカベンジャーの非限定的な代表例には、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、セミヒドロキノン、カテコール、置換カテコール、エリソルビン酸、ヒドロキシルアミン化合物、カルボヒドラジド及びメチルエチルケトキシムが包含される。無機酸素スカベンジャーの非限定的な代表例には、亜硫酸塩が包含される。
【0012】
本発明に従うヒドロキシルアミン酸素スカベンジャーは、次の一般式のものである。
【化3】

{ここで、R1及びR2は互いに独立的に水素、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族である。}
【0013】
代表的な(しかし非限定的な)ヒドロキシルアミンには、ヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、メチルエチルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキシルアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、モノイソプロピルヒドロキシルアミン及びそれらの混合物が包含される。
【0014】
本発明に従うヒドロキノン酸素スカベンジャーは、非置換であっても置換されていてもよい。置換ヒドロキノン酸素スカベンジャーは、オルト位若しくはメタ位又はそれら両方を置換されていることができ、この置換基にはC1〜C6アルキル又はアリールが包含されるが、これらに限定されるものではない。置換ヒドロキノンの非限定的な代表例には、メチルヒドロキノンが包含される。
【0015】
代表的な(しかし非限定的な)有機アルキルアミンには、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、モノアミルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン及び3−イソプロポキシプロピルアミン並びにそれらの混合物が包含される。
【0016】
代表的な(しかし非限定的な)有機アルキルアルカノールアミンには、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−2−プロパノール、イソプロピルアミノエタノール、ジイソプロピルアミノエタノール、ブチルアミノエタノール、ジブチルアミノエタノール、ブチルジエタノールアミン、t−ブチルアミノエタノール及びそれらの混合物が包含される。
【0017】
本発明はまた、これらの皮張り防止剤を含有する組成物にも関する。
【0018】
本発明の目的のためには、1種以上の有機又は無機酸素スカベンジャーと有機アルキルアミン及び/又は有機アルキルアルカノールアミン化合物のいずれか又は両方との混合物を、単独で又は水中及び/若しくは有機溶剤中の溶液若しくは分散体若しくはエマルションとして用いる。好適な有機溶剤には、すべての慣用の溶剤、例えば芳香族類、ホワイトスピリット、ケトン類、アルコール類、エーテル類及び脂肪酸エステル類が包含される。本発明は、皮張りを制御するために空気−樹脂界面における酸化の制御を許容レベルに維持しながら、アルキド樹脂コーティングの迅速な硬化乾燥に対する要望についても釣り合いが取れる新規の手段を提供する。
【0019】
本発明に従って使用するためには、1種以上の有機又は無機酸素スカベンジャー(A)と、有機アルキルアミン(B)及び/又は有機アルキルアルカノールアミン(C)のいずれか又は両方とを、互いとの広い範囲の混合物の状態で用いることができる。これらは、好ましくは、(A):(B)及び/又は(C)の比=0.01:75〜75:0.01、好ましくは0.05:30〜30:0.05、特に好ましくは0.1:10〜10:0.1の部で用いられる。3種の成分すべてから成る混合物においては、好ましくは、各成分を互いに独立的に、使用される他の成分に対して0.1〜10の比で用いることができる。これらは、純粋な形で用いることもでき、水性溶液又は水性分散体又はエマルション状で用いることもでき、有機溶剤中の溶液の形で用いることもできる。ここで言う水性とは、水が唯一の溶剤であること又は慣用の有機溶剤(例えばアルコール)との溶剤ブレンドに対して50重量%超の量で水が添加されたことを意味するものとする。
【0020】
コーティング系中に用いられる皮張り防止剤組合せ物の量は、そのコーティング組成物中に用いられるバインダー及び乾燥剤の含量に主として依存する。原則として本発明に従う化合物の混合物を0.001〜2.0重量%の範囲の割合で添加すべきである。好ましい使用量は、それぞれの場合においてコーティング組成物の全組成に対して0.01〜0.5重量%である。これらの量はまた、コーティング組成物中に用いられるバインダー及び顔料のタイプにも依存し得る。かくして、特別な系においては、添加剤の相対使用量が(組成物全体に対して)2.0重量%超であることもできる。
【0021】
本発明の皮張り防止剤組合せ物の利点は、広範なバインダーにおいて且つ様々な乾燥剤と共に用いた場合に確実に皮張りを防止すること、及び、樹脂のその他の乾燥特性に望ましくない影響を及ぼさないことである。
【0022】
以下、非限定的な実施例によって本発明をさらに例示する。これら実施例において、すべての部及び百分率は、別途記載がない限り、重量によるものである。
【実施例】
【0023】
例1〜6においては、固形分含有率50%の通常の短油樹脂であるBeckosol 12054(Reichhold Chemicals社より入手できる)を用いた。例7〜12においては、硬化する媒体として桐油を用い、乾燥剤としてコバルトIIを添加した。コバルトIIを桐油に添加すると、これは素早く硬化を引き起こし、硬質表面フィルムの形成を引き起こす。
【0024】
例1
この例は、ヒドロキシルアミンであるジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)−アミン配合物であってジエチルホルムアミド(DEF)のような追加の揮発性有機化合物(VOC)を含有しないものの、短油アルキド樹脂(Beckosol 12054)中における性能を示す。MEKO(メチルエチルケトキシム)と、DEHA+アルキルアミン又はDEHA+アルキルアルカノールアミンの組合せ物とを比較した。オクタン酸コバルトを前記樹脂に、最終コバルトイオン濃度が0.2%になるように、添加した。この樹脂−コバルト混合物にMEKO(25%活性溶液として入手できる)、DEHA+ジエチルホルムアミド(DEF)(14%活性溶液として)、又はDEHA+アルキルアミン若しくはアルキルアルカノールアミンを添加した。これらのサンプルは、750ppmのDEHA(例えば750mg/リットル;DEHA0.0084モル/リットル)を用いて等モル基準で調製した。サンプル10gを瓶に入れ、蓋に小さい穴を開けて、空気が瓶の中に入ることができるようにした。瓶の頂部に空気を約100フィート/分(約30.5m/分)の流量で流した。皮張りが始まるのを毎日監視して、次の結果が得られた。
【表1】

【0025】
MEKOサンプルは0.114ミリモルの濃度においてさえ劣った耐皮張り性を示した。ジエチルヒドロキシルアミンを共溶剤のジエチルホルムアミドと共に含有するサンプルは、MEKOより良好な皮張り防止性能を示した。ジエチルヒドロキシルアミンをアルキルアミン又はアルキルアルカノールアミンと共に含有するサンプルは、全体として最良の皮張り防止性能を示した。最後の3つのサンプルの表面は、粘着性なだけであり、70日間空気にさらした後にさえ完全には皮張りを起こさなかった。
【0026】
ジエチルヒドロキシルアミンとジイソプロピルアミン(DiPA)、トリブチルアミン(TBA)及びトリエチルアミン(TEA)のようなその他のアルキルアミンとの別の組合せ物についても同様の皮張り試験結果が見出され、すべてのサンプルは粘着性なだけで、70日後でも完全には皮張りを起こさなかった。同様に、ジエチルヒドロキシルアミンとジブチルアミノエタノール(DBAE)のようなその他のアルキルアルカノールアミンとの組合せ物も70日超まで皮張りを遅らせた。すべての場合において、DEHAとアルキルアミン又はアルキルアルカノールアミンとの合計濃度は、サンプル10g中に約0.081ミリモルであり、樹脂1kgに対して約8ミリモルだった。
【0027】
例2
この例は、例1で用いた短油樹脂に等モル量で、従来技術の皮張り防止剤を加えた場合、及び750ppmのDEHA(DEHA0.084ミリモル/樹脂10g)をベースとする本発明の各種皮張り防止剤を加えた場合の硬化乾燥性能を示す。この硬化乾燥性能研究についてのコバルト濃度は、0.1%に下げた。樹脂+コバルト乾燥剤及び皮張り防止剤の組合せ物を基材上に置き、ドローダウン棒を用いて厚さ3ミルのコーティングとして塗布した。これらのサンプルを排気フード中に入れ、約100フィート/分(約30.5m/分)でサンプル上に空気を流した。樹脂上に指紋が付かなくなるまでの時間として、不粘着時間を決定した。
【0028】
硬化乾燥性能は、メチルエチルケトン(MEK)ダブル擦りを用いて監視した。チーズクロスをMEK中に約10秒間浸漬し、次いで1ポンド/平方インチ(1psi)(約6.9kPa)の下向き力を用いて樹脂に塗布した。前方及び後方のストロークを1回の完結した擦りとカウントする。樹脂を取り除くために必要なダブル擦りの数が、硬化乾燥の指標となる。MEKダブル擦り(DR)の数が大きいほど、硬化乾燥がより迅速ということになる。表2に結果をまとめる。
【表2】

【0029】
表2からわかるように、皮張り防止剤としてMEKOを含有させた樹脂は、MEKOの揮発性が高いせいで最速の硬化乾燥速度を示したが、しかし例1に示したように皮張り防止性能は最も劣っていた。DEHAをアルキルアルカノールアミンと共に含有させたサンプルは、DEHAをDEFと共に含有させたサンプルと同様の硬化乾燥特性を示した。
【0030】
例2は、ジエチルヒドロキシルアミンとアルキルアルカノールアミンとの組合せ物が従来技術のMEKO及びDEHA+DEFと比較して硬化乾燥性能を損なうことなく耐皮張り性の向上をもたらしたことを示す。
【0031】
例3
この例は、750ppmのDEHA(DEHA0.084ミリモル/樹脂10g)をベースとし且つ各種アルキルアミンを等モル量で用いた皮張り防止剤についての、例1で用いた短油樹脂の硬化乾燥性能を示す。例2で用いたものと同じ手順を例3においても用いた。
【表3】

【0032】
皮張り防止剤としてMEKOを含有させた樹脂は、MEKOの揮発性が高いせいで最速の硬化乾燥速度を示したが、しかし例1に示したように皮張り防止性能は最も劣っていた。DEHAをアルキルアミンと共に含有させたサンプルは、DEHAをDEFと共に含有させたサンプルより良好な124時間後の硬化乾燥性能を示した。DEHAをアルキルアミンと共に含有させたサンプルは、264時間後及び480時間後にBorcher 0241(Borcher GmbH社より入手できるDEHA+DEF)と同様の結果を示し、そして例1に示したように高い皮張り防止性能を示した。
【0033】
例3は、ジエチルヒドロキシルアミンとアルキルアミンとの組合せ物が従来技術のMEKO及びDEHA+DEFと比較して硬化乾燥性能を損なうことなく耐皮張り性の向上をもたらしたことを示す。
【0034】
例4
この例は、DEFのような追加の揮発性有機化合物を含有しないDEHA−アルキルアルカノールアミン配合物の、中油樹脂中における性能を示す。固形分含有率50%の通常の中油樹脂であるBeckosol 11081(Reichhold Chemicals社より入手できる)を用い、MEKOとDEHA及び各種アルキルアルカノールアミンの組合せ物とを比較した。オクタン酸コバルトを前記樹脂に、最終コバルトイオン濃度が0.2%になるように、添加した。この樹脂−コバルト混合物に、MEKO又はDEHA+アルキルアルカノールアミンを添加した。ジエチルヒドロキシルアミン水酸化物(DEHA)750ppm(例えば750mg/リットル;DEHA0.0084モル/リットル)を用いて、等モル基準で10gずつのサンプルを調製した。
【表4】

【0035】
MEKOサンプルは0.114ミリモルにおいてさえ劣った耐皮張り性を示した。ジエチルヒドロキシルアミンをジエチルホルムアミドと共に含有させたサンプルは、MEKOサンプルより良好な皮張り防止性能を示した。ジエチルヒドロキシルアミンをアルキルアルカノールアミンであるDiPAE又はEAE(エチルアミノエタノール)と共に含有させたサンプルは、最も良好な全体皮張り防止性能を示した。DEHAをアルキルアルカノールアミンと共に含有させたサンプルの皮張り防止性能はDEHAをDEFと共に含有させたものより良好に機能し、DEHA−アルキルアルカノールアミンサンプルにおいては追加の共溶剤は必要なかった。
【0036】
例5
この例は、750ppmのDEHA(DEHA0.085ミリモル/樹脂10g)をベースとする各種皮張り防止剤を等モル量で加えた場合の例4で用いた中油樹脂の硬化乾燥性能を示す。この硬化乾燥性能研究についてのコバルト濃度は、0.1%に下げた。コバルト乾燥剤及び皮張り防止剤を含有させた樹脂を基材上に置き、ドローダウン棒を用いて厚さ3ミルのコーティングとして塗布した。これらのサンプルを排気フード中に入れ、約100フィート/分(約30.5m/分)でサンプル上に空気を流した。樹脂上に指紋が付かなくなるまでの時間として、不粘着時間を決定した。
【表5】

【0037】
皮張り防止剤としてMEKOを含有させた樹脂は、MEKOの揮発性が高いせいで最速の硬化乾燥速度を示したが、しかし例1に示したように皮張り防止性能は最も劣っていた。約30時間後に、DEHAをアルキルアミン(TBA)又はアルキルアルカノールアミン(DiPAE)と共に含有させしかしDEFの使用についてのように追加のVOCを存在させなかったサンプルは、DEFを含有させたDEHAサンプルと同様の硬化乾燥性能を示した。
【0038】
例6
この例は、750ppmのDEHA(DEHA0.085ミリモル/樹脂10g)をベースとする各種皮張り防止剤を等モル量で加えた場合の例4で用いた中油樹脂の硬化乾燥性能を示す。しかしながら、DEHA濃度は0.0515ミリモルに下げ、アミン濃度は0.0340ミリモルに高めた。この硬化乾燥性能研究についてのコバルト濃度は、0.1%だった。コバルト乾燥剤及び皮張り防止剤を含有させた樹脂を基材上に置き、ドローダウン棒を用いて厚さ3ミルのコーティングとして塗布した。これらのサンプルを排気フード中に入れ、約100フィート/分(約30.5m/分)でサンプル上に空気を流した。樹脂上に指紋が付かなくなるまでの時間として、不粘着時間を決定した。
【表6】

【0039】
皮張り防止剤としてMEKOを含有させた樹脂は、MEKOの揮発性が高いせいで最速の硬化乾燥速度を示したが、しかし例1に示したように皮張り防止性能は最も劣っていた。約30時間後に、DEHAをアルキルアミン(TBA)又はアルキルアルカノールアミン(DiPAE)と共に含有させしかしDEFの使用についてのように追加のVOCを存在させなかったサンプルは、DEFを含有させたDEHAサンプルと同様の硬化乾燥性能を示した。
【0040】
例7
皮張り防止剤単独及び皮張り防止剤+共促進剤の皮張り防止特性の追加の試験を行った。下に記載する試験溶液A〜Lを調製した。硬化する媒体として桐油を用いた。第一コバルトCo(II)を桐油に添加すると、これは素早く硬化を引き起こし、油中のcis不飽和がなくなって硬いフィルムができる。皮張り防止剤を添加すると、桐油の硬化を遅くすることができる。
【0041】
この例においては、コバルト(Co)乾燥剤と組み合わされた桐油を樹脂マトリックスとして用いた。この樹脂マトリックスは、桐油に0.1重量%のCo(II)(米国オハイオ州ウエストレイク所在のOMG America社から入手できるCo 12)を添加したサンプル150gから形成させた。コバルトを桐油中に充分に混合させた。
【0042】
濃厚な皮張り防止剤及び皮張り防止剤/共促進剤溶液を次のようにして調製した:
溶液A:メチルエチルケトキシム:ミネラルスピリット中の25%活性溶液:この25%活性溶液1.40gをミネラルスピリット8.60g中に添加した。
溶液B:ヒドロキノン(HQ):ミネラルスピリット8.60g中にHQ1.402gを溶解させた。
溶液C:メチルヒドロキノン(MeHQ):ミネラルスピリット8.60g中にMeHQ1.401gを溶解させた。
溶液D:メチルエチルケトキシム(MEKO)/ジイソプロピルアミノエタノール(DiPAE)−MEKO、ミネラルスピリット中の25%活性溶液:この25%活性MEKO溶液1.093gをDiPAE0.307gと共にミネラルスピリット8.60g中に添加した。
溶液E:ヒドロキノン(HQ)/ジイソプロピルアミノエタノール(DiPAE):ミネラルスピリット8.60g中にHQ0.7484g及びDiPAE0.6516gを溶解させた。
溶液F:メチルヒドロキノン(MeHQ)/ジイソプロピルアミノエタノール(DiPAE):ミネラルスピリット8.60g中にMeHQ0.7900g及びDiPAE0.610gを溶解させた。
溶液G:メチルエチルケトキシム:ミネラルスピリット中の25%活性溶液:水8.60g中にこの25%活性溶液1.403gを添加した。
溶液H:ヒドロキノン(HQ):水8.60g中にHQ1.406gを溶解させた。
溶液I:メチルヒドロキノン(MeHQ):水8.60g中にMeHQg1.402gを溶解させた。
溶液J:メチルエチルケトキシム(MEKO)/ジイソプロピルアミノエタノール(DiPAE):ミネラルスピリット中の25%活性溶液MEKO:水8.60g中に中にこの25%活性溶液1.093gをDiPAE0.307gと共に添加した。
溶液K:ヒドロキノン(HQ)/ジイソプロピルアミノエタノール(DiPAE):水8.60g中にHQ0.7484g及びDiPAE0.6516gを溶解させた。
溶液L:メチルヒドロキノン(MeHQ)/ジイソプロピルアミノエタノール(DiPAE):水8.60g中にMeHQ0.7900g及びDiPAE0.610gを溶解させた。
【0043】
上記の溶液を次のサンプル中に配合して、皮形成の開始を評価した。
【0044】
サンプル1:皮張り防止剤なし:10gのサンプルは桐油/Co乾燥剤だった。これをガラス瓶に入れた。この瓶を排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0045】
サンプル2:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液A(ミネラルスピリット中のMEKO)0.2096gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0046】
サンプル3:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液B(ミネラルスピリット中のHQ)0.0675gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0047】
サンプル4:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液C(ミネラルスピリット中のMeHQ)0.0759gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0048】
サンプル5:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液D(ミネラルスピリット中のMEKO/DiPAE)0.1610gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0049】
サンプル6:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液E(ミネラルスピリット中のHQ/DiPAE)0.0759gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0050】
サンプル7:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液F(ミネラルスピリット中のMeHQ/DiPAE)0.0812gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0051】
サンプル8:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液G(水中のMEKO)0.2091gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0052】
サンプル9:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液H(水中のHQ)0.0671gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0053】
サンプル10:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液I(水中のMeHQ0.0762gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0054】
サンプル11:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液J(水中のMEKO/DiPAE)0.1599gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0055】
サンプル12:桐油/Co乾燥剤のサンプル10gに、上記の溶液K(水中のHQ/DiPAE)0.0760gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0056】
サンプル13:桐油/Co乾燥剤の別のサンプル10gに、上記の溶液L(水中のMeHQ/DiPAE)0.0819gを添加した。この溶液をガラス瓶中で混合し、排気フード中に入れ、約100立方フィート/分(約2.83m3/分)の速度でガラス瓶の頂部に空気を流した。
【0057】
サンプルA〜Lの試験の結果を表7にまとめる。
【表7】

【0058】
【表8】

【0059】
表7のデータは、硬化乾燥時間に悪影響を及ぼすことなく皮形成を制御することにおける本発明の組合せ物の有効性を示す。前記データは、酸素スカベンジャー並びにアルキルアミン及び/又はアルキルアルカノールアミンをミネラルスピリット又は水中に溶解させ、次いで樹脂の製造の際にアルキドに添加することによって、許容できる硬化乾燥及び皮形成の制御をもたらすことができるということを示す。
【0060】
本発明を特定具体例に関して説明してきたが、当業者には本発明の多くのその他の形態及び改良が自明であろう。添付した特許請求の範囲及び一般的に本発明は、本発明の真の技術思想及び範囲に入るすべてのこのような自明な形態及び改良をカバーするものと解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化的乾燥性フィルム形成剤と、皮張り防止剤としての
(a)有機又は無機酸素スカベンジャーを、
(b)式(II)のアルキルアミン
【化1】

{ここで、R3、R4及びR5は互いに独立的に水素(しかし3つすべてが水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができる}
及び/又は
(c)式(III)のアルキルアルカノールアミン
【化2】

{ここで、R6及びR8は互いに独立的に水素(しかし両方共が水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール基分子若しくは、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができ、
7は直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができる}
と共に含む組合せ物とを含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項2】
前記有機又は無機酸素スカベンジャーが次の一般式:
【化3】

{ここで、R1及びR2は互いに独立的に水素、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族基又はC5〜C7環状脂肪族である}
のヒドロキシルアミンである、請求項1に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項3】
前記ヒドロキシルアミンがヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、メチルエチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキシルアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、モノイソプロピルヒドロキシルアミン及びそれらの混合物から選択される、請求項2に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項4】
前記有機又は無機酸素スカベンジャーがヒドロキノン、置換ヒドロキノン、セミヒドロキノン、カテコール、置換カテコール、エリソルビン酸、カルボヒドラジド、メチルエチルケトキシム及び亜硫酸塩から選択される、請求項1に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項5】
前記アルキルアミンがモノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、モノアミルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン及び3−イソプロポキシプロピルアミン並びにそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項6】
前記アルキルアルカノールアミンがメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−2−プロパノール、イソプロピルアミノエタノール、ジイソプロピルアミノエタノール、ブチルアミノエタノール、ジブチルアミノエタノール、ブチルジエタノールアミン、t−ブチルアミノエタノール及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項7】
全表面コーティングを基準として0.001〜2重量%の量で前記組合せ物を含有する、請求項1に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項8】
前記酸化的乾燥性フィルム形成剤としてアルキド樹脂を含有する、請求項1に記載のコーティング材料、塗料又は仕上塗料。
【請求項9】
酸化的乾燥性フィルム形成剤を含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料の製造方法であって、
前記コーティング材料、塗料又は仕上塗料中に、
(a)有機又は無機酸素スカベンジャーを、
(b)式(II)のアルキルアミン
【化4】

{ここで、R3、R4及びR5は互いに独立的に水素(しかし3つすべてが水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができる}
及び/又は
(c)式(III)のアルキルアルカノールアミン
【化5】

{ここで、R6及びR8は互いに独立的に水素(しかし両方共が水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができ、
7は直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができる}
と共に含む皮張り防止組合せ物を加えることを含む、前記方法。
【請求項10】
前記有機又は無機酸素スカベンジャーが次の一般式(I):
【化6】

{ここで、R1及びR2は互いに独立的に水素、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基である}
のヒドロキシルアミンである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロキシルアミンがヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、メチルエチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキシルアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、モノイソプロピルヒドロキシルアミン及びそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記有機又は無機酸素スカベンジャーがヒドロキノン、置換ヒドロキノン、セミヒドロキノン、カテコール、置換カテコール、エリソルビン酸、カルボヒドラジド、メチルエチルケトキシム及び亜硫酸塩から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記アルキルアミンがモノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、モノアミルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン及び3−イソプロポキシプロピルアミン並びにそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記アルキルアルカノールアミンがメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−2−プロパノール、イソプロピルアミノエタノール、ジイソプロピルアミノエタノール、ブチルアミノエタノール、ジブチルアミノエタノール、ブチルジエタノールアミン、t−ブチルアミノエタノール及びそれらの混合物から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記の酸化的乾燥性フィルム形成剤を含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料が前記組合せ物を全表面コーティングを基準として0.001〜2重量%の量で含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記の酸化的乾燥性フィルム形成剤を含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料が前記酸化的乾燥性フィルム形成剤としてアルキド樹脂を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
酸化的乾燥性フィルム形成剤を含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料でコーティングされた物品であって、前記コーティング材料、塗料又は仕上塗料中に、
(a)有機又は無機酸素スカベンジャーを、
(b)式(II)のアルキルアミン
【化7】

{ここで、R3、R4及びR5は互いに独立的に水素(しかし3つすべてが水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができる}
及び/又は
(c)式(III)のアルキルアルカノールアミン
【化8】

{ここで、R6及びR8は互いに独立的に水素(しかし両方共が水素であることはできない)、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができ、
7は直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基であることができる}
と共に含む皮張り防止組合せ物が加えられた、前記物品。
【請求項18】
前記有機又は無機酸素スカベンジャー次の一般式:
【化9】

{ここで、R1及びR2は互いに独立的に水素、直鎖状若しくは分岐鎖状で飽和若しくは不飽和のC1〜C20脂肪族分子若しくは基(これは随意に一置換若しくは複数置換されていてよい)、C6〜C12アリール分子若しくは基、C7〜C14アリール脂肪族分子若しくは基又はC5〜C7環状脂肪族分子若しくは基である}
のヒドロキシルアミンである、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記ヒドロキシルアミンがヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、メチルエチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキシルアミン、ジベンジルヒドロキシルアミン、モノイソプロピルヒドロキシルアミン及びそれらの混合物から選択される、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記有機又は無機酸素スカベンジャーがヒドロキノン、置換ヒドロキノン、セミヒドロキノン、カテコール、置換カテコール、エリソルビン酸、カルボヒドラジド、メチルエチルケトキシム及び亜硫酸塩から選択される、請求項17に記載の物品。
【請求項21】
前記アルキルアミンがモノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、モノアミルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、sec−ブチルアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン及び3−イソプロポキシプロピルアミン並びにそれらの混合物から選択される、請求項17に記載の物品。
【請求項22】
前記アルキルアルカノールアミンがメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノ−2−プロパノール、イソプロピルアミノエタノール、ジイソプロピルアミノエタノール、ブチルアミノエタノール、ジブチルアミノエタノール、ブチルジエタノールアミン、t−ブチルアミノエタノール及びそれらの混合物から選択される、請求項17に記載の物品。
【請求項23】
前記の酸化的乾燥性フィルム形成剤を含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料が前記組合せ物を全表面コーティングを基準として0.001〜2重量%の量で含有する、請求項17に記載の物品。
【請求項24】
前記の酸化的乾燥性フィルム形成剤を含有するコーティング材料、塗料又は仕上塗料が前記酸化的乾燥性フィルム形成剤としてアルキド樹脂を含有する、請求項17に記載の物品。

【公表番号】特表2008−501821(P2008−501821A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515173(P2007−515173)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/017201
【国際公開番号】WO2005/121237
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(500307340)アーケマ・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】