説明

皮膚から毛髪を除去する装置

本発明は、皮膚(30)から毛髪(46)を除去する装置(1)に係る。当該装置は、光学毛髪切断装置(12,14,20)、並びに、毛髪及び破片除去システムを有する。毛髪除去システムは、切断後に毛髪を除去するよう、毛髪(46)と機械的に係合するリムーバ部(36)を有する。機械的係合手段の使用は、光学非接触サービング方法が毛髪の実際の除去において支援される、という利点を有する。該方法自体は、切断後に毛髪を除去することはできない。残余部除去システムは、ブラシ(36)、テープ、又は流体ディスペンサを有し得、また、吸入装置(48)によって支援され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚から毛髪を除去する装置に係る。特には、本発明は、毛髪を短くする光学装置、及び破片除去システム(debris removal system)に係る。該光学装置は、残留する毛髪部分(a remaining hair part)から毛髪が切断されるよう、毛髪に対して特にはコヒーレント光エネルギ(coherent optical energy)である光エネルギを伝達するよう構成並びに配置される。該破片除去システムは、切断された毛髪を皮膚から除去するよう構成並びに配置される。
【背景技術】
【0002】
皮膚から毛髪を除去する装置は、以前から既知である。最近は、髭剃り等に対する光学装置が開発されている。全ての装置に対して、切断された毛髪及び/又は他の破片(debris)は、髭剃りや脱毛等の後に皮膚から除去される、ことが望まれる。さもなければ、切断された毛髪及び/又は他の破片は、皮膚上において依然として目立つか、あるいは顔面等の皮膚及びユーザの服等にわたって散乱される。
【0003】
例えば、US 5,606,798(特許文献1)は、毛髪収集器を有する毛髪切断装置を開示する。毛髪切断装置は、筐体、及び筐体におけるレーザ器を有する。切られた毛髪は、真空装置又は静電気毛髪収集装置によって筐体内部に収集される。
【0004】
既知の装置の問題は、以下の点にある。毛髪光学切断が毛髪を切断する非接触法であるため、用いられる装置及び方法自体では、切られた毛髪を除去することができない。既知の装置はまた、切られた毛髪を除去しようとする非接触装置又は方法を使用する。しかしながら、切られた毛髪上にかけられ得る力が制限されるため、かかる非接触方法、即ち真空吸引又は静電気引力は、切られた毛髪を信頼性高く除去することが常にはできない。これは特に、皮膚、特には脂肪質の物質や皮膚上の水分等に対してくっつく、切られた毛髪をとどめておく。
【特許文献1】US 5,606,798
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より信頼性高く皮膚から毛髪を除去することができる上述された種類の装置を与える、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、上述された種類の装置を有して達成される。当該装置は、破片除去システムがリムーバ部を有する、ことを特徴とする。該リムーバ部は、切断された毛髪を皮膚から除去するように切断された毛髪と機械的に係合するよう(mechanically engage the severed hair)構成並びに配置される。切断された毛髪を皮膚から除去するために、切断された毛髪と機械的に係合するよう構成並びに配置されるリムーバ部を与えることによって、より高い力は、確実に切断された毛髪にかけられ得る。これは、機械的に毛髪に係合することによって、毛髪と特にはリムーバ部である装置との間の機械的接触が確立される、という事実によるものである。
【0007】
特には、毛髪とリムーバ部との間の接触は、切断された毛髪の表面とリムーバ部の表面との間において摩擦力を確立することに関わる。切断された毛髪の表面とリムーバ部の表面との間における接着は、「摩擦力」という表現において含有されると見なされる、ことが留意される。切断された毛髪と固体表面との間の真の摩擦力は、特別な一実施例にある。
【0008】
特別な一実施例では、光学装置は、皮膚の下方の望ましくは少なくとも0.1mm、より望ましくは少なくとも0.35mmにおいて、毛髪を皮下で切断するよう構成及び配置される。皮下光学毛髪切断に対する毛髪除去を可能にするこの実施例は、次の理由に対して特に効果的である。「皮下」という表現は、「皮膚の表面の下方において生じる」ことをさすよう意図される。伸びている毛髪が皮膚から突出するにはより長い時間がかかるため、皮膚の表面の下方における毛髪を切断することは、望ましい。平均的な髭が1日に約0.35mm伸びるため、皮膚の表面の下方の深さ0.35mm又はそれより深くにおける1日1回の光学髭剃りによって1日中滑らかな皮膚を維持することは、可能である。かかる光学装置の実用的な実施例は、WO 00/62700及びWO 2005/011510等から技術的に既知である。更なる詳細は、かかる特許文献において見られ得る。皮膚の表面の下方における毛髪を短くする際、切断された毛髪は、毛幹の内部において少なくとも部分的に存在する。毛幹の壁との摩擦等である機械的影響、更には皮脂等の脂肪質の物質により、この切断された部分は、毛幹においてくっつく(stick)。これは、既知の方法及び装置が、少なくとも信頼性を有して毛幹から切断された毛髪部を除去することができない、ことを意味する。これは、切断された毛髪部が大変短い場合、特には毛髪が髭剃り等において定期的に短くされる場合において、より当てはまる。本実施例の装置は、切断された毛髪と機械的に係合することによって毛髪に十分大きな力をかけることがより容易であるため、切断された毛髪を除去するよう適切である。
【0009】
脂線によって分泌される皮脂が内毛根鞘を溶解するため、毛髪が皮脂管(sebaceous duct)の周囲の深さまで切断される際、切断された毛髪は、皮膚に対して既に生理的に繋げられて(physiologically connected)いない、ことが留意される。皮脂管の下方において、毛髪は、内毛根鞘によって皮膚に対して多少繋げられる。皮脂管の下方において切断される毛髪を除去するよう求められる力は、皮脂管まで切断される毛髪を除去するよう求められる力と比較して、多少急激に増大する。力は、増大する深さと共により大きくなり、故に例えば手による脱毛と同程度の痛み感覚をもたらす。従って、毛髪を切断する望ましい深さは、皮脂管のレベルまでである。この深さは、0.25mm乃至1mmにおいて様々である。
【0010】
特別な一実施例では、リムーバ部は、皮膚上での装置の使用中、皮膚にわたって皮膚と接触して動かされるよう、構成される。かかるリムーバ部は、毛髪に対する距離が最小限であるため、毛髪との優れた機械的係合を確実なものとする。
【0011】
特定の一実施例では、リムーバ部は、スクレイパを有する。該スクレイパは、装置の作動中、切断された毛髪と係合するよう皮膚にわたって擦る(scrapes)。スクレイパは、切断された毛髪との優れた機械的接触を可能とする。スクレイパは、摩擦力等である機械的係合力を高めるよう、適合され得る。この目的に対して、スクレイパの材料は、毛髪材料(hair material)との摩擦係数に基づき選択され得、例えばゴム状材料である。スクレイパの形状を適合することも可能である。例えば、スクレイパは、皮膚表面にわたって動かされる単一のリッジを有し得る。しかしながら、スクレイパは、皮膚上における動作を高め、且つ切断された毛髪がスクレイパによって実際に除去される可能性を高めるよう、複数の近接するリッジを有し得る。
【0012】
装置の使用時に、スクレイパは、機械的係合を介して毛幹から切断される毛髪を引っ張り得るだけではなく、特には毛髪が切断される深さが十分の数ミリメートル等であるように比較的浅い場合、毛髪を押すあるいは倒す(topple)することも可能である。
【0013】
特別な一実施例では、リムーバ部は、可動部を有する。該可動部は、装置全体の運動とは無関係に、皮膚に対して動くよう構成される。リムーバ部を装置全体とは無関係に可動にすることによって、可動性は最大限にされ得る。「可動」という語は、能動的に(=モータによって駆動される)可動であること、及び、皮膚又は毛髪との摩擦等によって受動的に可動であることを含有する、ことが留意される。一例として、専用のリムーバ部モータは、例えば振動を生じて皮膚にわたってリムーバ部を能動的に動かし得る。かかる振動の回数及び振幅は、最適な結果を達成するよう最適にされ得る。
【0014】
他の特別な実施例では、可動部は、装置の使用時に、望ましくは皮膚に対して実質的に平行に延在する軸の周囲に回転可能である。軸の周囲に回転される部分を有するこの実施例は、大変単純なモータあるいは摩擦又は空気/流体流等である他の外的手段によってかかる運動を大変容易に与える、という利点を有する。大半の非回転運動に対して付随する振動を有さず、リムーバ部の比較的高い速度を得ることは可能である。
【0015】
特定の一実施例では、リムーバ部は、ブラシを有する。ブラシはまた、軸の周囲に回転可能及び/又は可動であり得る。ブラシは、切断された毛髪を係合するよう複数の毛を有し得る。特には多数である適切な数の毛を選択することによって、切断された毛髪は、大変短い際でも、皮膚から信頼性高く除去され得る。
【0016】
他の特別な実施例では、破片除去システムは、皮膚への適用に対する接着剤に対するホルダを有する。機械的係合はまた、皮膚に対して接着剤を適用することによってもたらされ得る。上述された通り、機械的力は続いて、接着剤と切断された毛髪との間における接着によってもたらされる。本発明の一実施例では、装置は、かかる接着剤に対するホルダを有するよう、適用される。ここでは、ホルダは、接着剤を保持するよう構成並びに設計される装置における一部を有し得る。
【0017】
特定の一実施例では、接着剤は、接着テープを有する。この装置における使用に対する接着テープの一例は、脱毛ワックステープである。あるいは、切断された毛髪に対する適切な接着及びストリップを除去する際に過剰な痛みをもたらさない皮膚に対する接着を有する他の接着テープは、適切である。本発明の一実施例の場合、接着剤に対するホルダは、例えばリールを有する。
【0018】
他の特別な実施例では、リムーバ部は、接着流体を有する。該流体は、接着流体が除去される際に、切断された毛髪を取り去るよう、切断された毛髪に十分な接着力を便宜上与える。接着流体は、例えば皮膚を洗浄すること又は皮膚から剥がすことによって除去される。
【0019】
特別な一実施例では、リムーバ部は、接着流体に対する容器、及び皮膚上に流体を分注する分注開口を有する。使用時に、ユーザは、例えば毛髪を短くした後に、皮膚上へと流体を分注し得る。続いて切断された毛髪は、洗浄することや擦ること等で皮膚から流体を除去することによって、除去され得る。
【0020】
特別な一実施例では、破片除去システムは更に、吸入装置を有する。該吸入装置は、除去されるべき切断された毛髪を有する皮膚の一部上において周囲圧力より低い圧力をもたらすよう構成される。かかる吸入装置は、毛髪又は破片、あるいは切断された毛髪と係合又は接着する接着剤等である製品を除去する支援をし得る。たとえ吸入装置自体が切断された毛髪を除去することができない際でも、切断された毛髪上にかけられる全体的な力を増大させることによって、切断された毛髪を除去する支援をし得る。更には、かかる吸入装置はまた、切断された毛髪又は破片が取り去られる方向を明確に確定することによって、切断された毛髪又は破片の散らばりを防ぐ支援をし得る。
【0021】
特別な一実施例では、吸入装置は、空気吸入装置及び流体吸入装置のうち少なくとも一方を有する。空気吸入装置は、例えば真空吸入装置であり得、技術的には周知である。かかる装置は、皮膚から既に解放されている毛髪を収集する支援をし得る。さもなければ、これらの毛髪がリムーバ部によって係合される前に皮膚や服等にわたって散らばる、というリスクを負うこととなる。更には、除去された切断された毛髪がリムーバ部から離れてしまった場合、空気吸入装置等である吸入装置は再度、皮膚等にわたって切断された毛髪の散らばりを防ぐ支援をする。
【0022】
流体吸入装置は、流体が皮膚上に存在する場合に支援し得る。流体を皮膚から吸入することによって、流体において(接着して)存在する切断された毛髪も皮膚から吸入され得る。
【0023】
特定の一実施例では、本発明に従った装置は、切断された毛髪を収集する容器を有する。かかる容器は、切断された毛髪を制御されて確かに収集する役割を有する。これは、切断された毛髪が装置において散らばることを防ぐ。該散らばりは、不具合又は不衛生な環境等を引き起こす。有利には、容器は取外し可能であり、装置のユーザはその後の使用に対して容器を空にし得る。他の有利な一実施例では、容器はフィルタを有し、該フィルタは、それを介して空気及び/又は流体が通過し得、切断された毛髪を実質的に除去する。例えば、並びに特に吸入装置の場合において、空気流又は流体流の明確な方向は、フィルタを介して空気流又は流体流を導くことによって、切断された毛髪を更なる制御下において収集する役割を有する。
【0024】
特別な一実施例では、装置は、加圧部(a pressure exertion part)を有する。該加圧部は、皮膚上における装置の使用中、皮膚を圧迫し(compresses)、残留する毛髪部又は切断された毛髪のうち少なくともいずれかが皮膚から出る方向において動かされるようにする。かかる加圧部は、次の通り有利であり得る。皮膚を圧迫することによって、多種の外皮層は、局所的に更に薄くなる。しかしながら、皮膚に残留する部分及び切断された部分は、いずれも圧迫性の低い(less compressible)毛髪であり、長さにおける同様の低減を示さない。これは、毛髪のこれらの部分がかかる皮膚層、即ち外皮層に対して動く、ことを意味する。その効果は、かかる部分が外側から更に手が届きやすい、ことである。これは、圧迫されていない状態において、皮膚の下方の特定の深さにおいて毛髪を更に容易に短くする役割を果たし得る。しかし、特には、切断された毛髪部を毛幹において上方向に動かす役割も果たし、従って切断された毛髪部が毛幹においてくっつき得る力を低減させる。したがってこれは、毛幹から切断された毛髪を除去するよう求められる力を低減させる。残留する毛髪部が切断された毛髪部に対してそれを外方向に押す「アンビル(anvil)」としての役割を有する、とも言える。
【0025】
特定の一実施例では、加圧部は、少なくとも部分的にリムーバ部を取り囲むリッジを有する。かかるリッジあるいはリム又は他の突起部は効果的に、外皮層を局所的に圧迫することができる。リムーバ部の全周囲にわたってそうされる必要はないが、これは更に有利な実施例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して明らかに説明される。
【0027】
図1は、本発明に従った装置1を概略的に図示する。装置1は、レーザ源12を有する筐体10を有する。レーザ源12は、光学システム14を介して、焦点18を有するレーザビーム16を放射する。光学ビームマニピュレータは参照符号20で示され、制御ユニットは参照符号22で示される。
【0028】
皮膚30は、毛髪32及び残留する毛髪部34を有する。
【0029】
毛38を有するブラシ36は、切断された毛髪46で満たされる容器44に対して接続される吸入管42を有する吸入筐体40の前方に位置決めされる。参照符号48は、筐体における出口開口を有する吸入装置50を示す。参照符号60は、視野62を有する撮像装置を示す。
【0030】
筐体10は、適切な形状を有し得、金属又はプラスチック等である適切な材料を有して作られる。レーザ源12は、WO 00/62700等において開示される通り、毛髪を短くするよう適切なレーザ源であり得る。特には、レーザ源は、毛髪32におけるLIOB現象(LIOB phenomenon)を発生させるよう配置され、毛髪32は、皮膚30の表面の下方において切られ得る。しかしながら、かかるLIOB発生レーザ源12は、毛髪32の皮下切断を引き起こすレーザ源の唯一の種類ではない、ことが留意される。更に、パルスLED等である他の種類の光学源を使用することは、除外されない。
【0031】
光学システム14は、焦点18へと放射されるレーザビーム16を集束する。かかる焦点18は、皮膚30の表面の上方又は下方に存在し得る。焦点において、出力密度及びエネルギは、毛髪32が切られるようにされる。切られた後には、残留毛髪部34、及び切断された毛髪46がある。
【0032】
レーザビームは、レーザビームマニピュレータ20を介して皮膚30に向かって方向付けられる。レーザビームマニピュレータ20は、例えばピボット可能である可動の鏡であり得る。レーザビームマニピュレータ20は、レーザ源12及び毛髪撮像装置60に対して接続され得る制御ユニット22を用いて制御される。毛髪撮像装置60は、CCDカメラ等を有し得る。毛髪撮像装置は、視野62を有する。皮膚40の毛髪32の画像を形成することによって、撮像システム60は、焦点18に対して目標位置を確定することができる。したがって制御ユニット22は、ビームマニピュレータ20を動かすことによって目標位置に向かって焦点18を方向付ける。
【0033】
毛髪32を短くした後、あるいは切断後、切断された毛髪46は、皮膚上においてあるいは皮膚において存在する。切断された毛髪46を信頼性高く除去するよう、装置1は、この場合は毛38を有するブラシ36である機械的リムーバ部を有する。ブラシ36は、その軸の周囲に回転し得る。毛38は、切断された毛髪46と機械的に係合し、皮膚30の表面から該毛髪を除去する。切断された毛髪46をより信頼性高く除去するよう支援するために、吸入装置が任意で与えられる。該吸入装置は、吸入管42を有する吸入筐体40を有し、該管42を介して空気が吸入装置47によって吸入され得る。この空気は、矢印Aの方向において出口開口50を介して筐体10を出得る。切断された毛髪46は、空気流によって取り込まれ、容器44において収集される。容器44は、フィルタ(図示せず)を備えられ得、空気が通過し且つ切断された毛髪46が容器44において残留するようにする。望ましくは、容器44は取外し可能であり、空にされ得るか、並びに/あるいは洗浄され得る。
【0034】
図2aは、本発明の他の実施例の詳細を示す。接着剤70は、皮膚30上において切断された毛髪46と接触するよう示される。更に、参照符号72は、スクレイパでもあり、またリッジ74を有する加圧部を示す。
【0035】
図示される実施例では、毛髪32は、皮膚30の表面の下方において切断されており、切断された毛髪46は、毛幹にくっついて残留する。切断された毛髪70を除去するよう、適切なエマルジョンやワックス等である接着剤70は、皮膚30に対して適用されている。本発明に従った装置は、分注開口を有する接着剤70に対する容器を有し得るが、図示されない。
【0036】
洗浄すること又はタオルでぬぐうこと等によって切断された毛髪46と共に接着剤70を除去することは、可能である。接着剤を除去する支援を擦るよう、スクレイパ72が利用され得、矢印Bの方向において皮膚にわたって動かされる。スクレイパは、皮膚30の表面から接着剤70及び切断された毛髪46を擦り取る。スクレイパ72と皮膚30との間における接触を強めるよう、スクレイパ72は、切断された毛髪46との最適な機械的係合が確実に確立されるようリッジ74を有する。
【0037】
上述された通り、スクレイパ72はまた、加圧部としての役割を有し得る。ションした装置の使用時に、加圧部72は、皮膚30に対して押し付けられる。続いて、図2a中に示される通り、皮膚30の上方層は圧迫される一方、残留毛髪部34は、実質的に動かされない。これの正味効果は、切断された毛髪46が毛幹から出るよう少なくとも部分的に押される、ことである。したがって、毛幹にくっつく力、及び皮膚から切断された毛髪46を除去するよう求められる力は、低減される。
【0038】
上述された通り、接着剤70、及びスクレイパ72及び/又は加圧部72はいずれも、組み合わされて、あるいは別個に使用され得る。特に、部分72は、この図では2つの機能を有するが、それらは別個の部品であり得る。
【0039】
図2bは、本発明に従った装置の他の実施例の詳細を示す。全図にわたって、同様の部品は同一の参照符号によって示される。特に、参照符号40は吸入筐体の一部であり、毛38を有するブラシ36は、矢印Dの方向において回転可能であり、切断された毛髪46と係合し、該切断された毛髪は矢印Cの方向において吸入され得る。装置全体は、特にブラシ36及び吸入筐体40を有し、矢印Eの方向において皮膚30にわたって動かされ得る。
【0040】
この実施例は、図1中に示される装置1の詳細にある程度対応する。当該装置の使用時に、ブラシ36の毛髪38は、切断された毛髪46に機械的に係合し、皮膚30から毛髪46を除去する。切断された毛髪46を明らかに除去するよう支援するために、空気、又はなんらかの種類の流体は、この場合は矢印Cの方向において皮膚30から吸入され得る。切断された毛髪46は、空気流において取り込まれ、吸入筐体40を介して除去され得る。装置を矢印Eの方向において動かすことによって、ブラシ36は、所望される皮膚表面の全てに対して適用され得る。
【0041】
図2cは、本発明に従った装置の他の実施例の詳細を示す。ここでは、参照符号80は接着材料82の層を有するテープを示す。
【0042】
テープは、残留毛髪34、及び第2の残留毛髪33を有する皮膚30に対して適用される。残留毛髪のうち毛髪34は皮膚30の表面の下方において切断されている一方で、第2の残留毛髪33は、皮膚30の表面の上方において切断されている毛髪に属する、ことが留意される。これは、本発明が、皮膚の表面の下方において切断されている切断された毛髪の除去に制限されないことを示すが、この目的に対して利点を有する。
【0043】
この実施例の使用時に、テープ80は、皮膚30と接触するテープ80のリールをほどくことによって、皮膚30の表面に対して適用され得る。テープ80上における接着材料82は、切断された毛髪46と接触する。続いてテープ80を例えば矢印Fの方向等において剥がし取ることによって、接着材料82を有するテープは、皮膚30から切断された毛髪46を除去する。必要に応じて、接着材料82は、切断された毛髪46が毛幹にくっつく場合に切断された毛髪46を毛幹から引き出す。当然のことながら、第2の残留毛髪においては、接着材料は、皮膚から切断された毛髪46及び他の破片を単純に除去する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の装置の一実施例を概略的に図示する。
【図2】図2a乃至2cは、本発明に従った装置の他の実施例を詳細に図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚から毛髪を除去する装置であって、
・ 残留する毛髪部分から該毛髪が切断されるよう、前記毛髪に対して特にはコヒーレント光エネルギである光エネルギを伝達するよう構成並びに配置される、毛髪を短くする光学装置と、
・ 切断された毛髪を前記皮膚から除去するよう構成並びに配置される、破片除去システムと、
を有し、
該破片除去システムは、前記切断された毛髪を前記皮膚から除去するよう前記切断される毛髪と機械的に係合するよう構成並びに配置される、リムーバ部を有する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記光学装置は、前記毛髪における1つ又はそれより多くの皮下点に対して前記光エネルギを伝達することによって、前記皮膚の表面の下方において望ましくは少なくとも0.1mm、より望ましくは少なくとも0.35mmで、前記毛髪を皮下において切断するよう構成並びに配置される、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記リムーバ部は、皮膚上における前記装置の使用中において、前記皮膚にわたって前記皮膚と接触して動かされるよう構成される、
請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記リムーバ部は、当該装置の使用時に前記切断される毛髪と係合するよう前記皮膚にわたって擦るスクレイパを有する、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記リムーバ部は、当該装置全体の運動とは無関係に、前記皮膚に対して動くよう構成される可動部を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記可動部は、当該装置の使用時に望ましくは前記皮膚に対して実質的に平行である軸の周囲に回転可能である、
請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記リムーバ部は、ブラシを有する、
請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記破片除去システムは、前記皮膚への適用に対する接着剤に対するホルダを有する、
請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記接着剤は、接着テープを有する、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記リムーバ部は、接着流体に対する容器と、前記流体を前記皮膚上へと分注する分注開口と、を有する、
請求項8又は9記載の装置。
【請求項11】
前記破片除去システムは、吸入装置を追加的に有し、該吸入装置は、除去されるべき切断された毛髪を有する前記皮膚の一部上において周囲圧力より低い圧力を作るよう構成される、
請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記吸入装置は、空気吸入装置及び流体吸入装置のうち少なくとも一方を有する、
請求項11記載の装置。
【請求項13】
切断された毛髪を収集する容器を有する、
請求項1記載の装置。
【請求項14】
加圧部を有し、
該加圧部は、皮膚上における当該装置の使用中、前記皮膚を圧迫し、前記残留毛髪部及び前記切断された毛髪のうち少なくともいずれかが前記皮膚から出る方向において動かされるようにする、
請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記加圧部は、前記リムーバ部を少なくとも部分的に取り囲むリッジを有する、
請求項14記載の装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【公表番号】特表2009−509617(P2009−509617A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532955(P2008−532955)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053510
【国際公開番号】WO2007/039853
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】