説明

皮膚保護剤

【課題】 髭剃り前に皮膚に塗布することにより角質層に保護膜を形成し、剃刀が直接触れないようにして皮膚の損傷を防止する皮膚保護剤の提供。
【解決手段】アロエベラエキス1%まで,アラントイン5%まで,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー2.5%まで,セテアリルアルコール30%まで,セテアレス−20が15%まで,フマル酸ジアルキル(C12−15)5%まで,グリセリン20%まで,ミリスチン酸イソプロピル30%まで,メチルパラベン5%まで,プロピルパラベン2.5%まで,トリクロサン2.5%まで,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAlが25%まで,酢酸トコフェロール1%まで,AMP2.5%まで,フェノキシエタノール10%まで,およびジメチコーン0.1乃至20%で構成される皮膚保護成分が、水に対して5乃至25%重量の割合で混合されてなる皮膚保護剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚保護剤に関し、特に、髭剃り前に皮膚に塗布して髭剃り時の皮膚の損傷を防止するクリームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、剃刀を用いた髭剃り時には、熱いおしぼりなどの水蒸気で蒸らし髭質を軟化させ、その後皮膚に石鹸やシェービングフォームを塗布して皮膚の潤滑性を良くし、髭剃り時に剃刀の刃で角質を削らないようにしている。また、髭剃り前の皮膚に塗布するローションやジェルが市販されている(例えば、特許文献1)。髭剃り後には、髭剃り時に損傷した皮膚の回復促進や痛みを和らげる目的でアフターシェーブローションやクリームを塗布することが行われている。
【0003】
一方、従来から酸,アルカリ,油,薬品インク,塗料,溶剤などから肌を守るために保護クリームが用いられている。
【特許文献1】特開平8−198735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の髭剃り前に塗布するジェル等は髭を軟化させ、あるいは皮膚の潤滑を良くする目的に限られており、剃刀から皮膚を保護する効果に乏しかった。また髭剃り後に塗布するローションやクリームも皮膚の損傷や痛みの回復を促進するに留まり、既に生じてしまった皮膚の損傷を防止するものではない。
【0005】
本発明は、髭剃り前に皮膚に塗布することにより角質層に皮膜を形成し、剃刀が直接触れないようにして皮膚の損傷を防止する皮膚保護剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、体毛を剃る前の皮膚に塗布して皮膜を形成し肌の損傷を抑える皮膚保護剤において、アロエベラエキス,アラントイン,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー,セテアリルアルコール,セテアレス−20,酒石酸ジアルキル(C12−15),グリセリン,ミリスチン酸イソプロピル,メチルパラベン,プロピルパラベン,トリクロサン,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl,酢酸トコフェロール,AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール),フェノキシエタノールのいずれか5以上と、ジメチコーンとを水に混合してなることを最も主要な特徴とする。
【0007】
また本発明は、体毛を剃る前の皮膚に塗布して皮膜を形成し肌の損傷を抑える皮膚保護剤において、アロエベラエキス,アラントイン,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー,セテアリルアルコール,セテアレス−20,酒石酸ジアルキル(C12−15),グリセリン,ミリスチン酸イソプロピル,メチルパラベン,プロピルパラベン,トリクロサン,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl,酢酸トコフェロール,AMP,フェノキシエタノールのいずれか1以上と、ジメチコーンとを5乃至25%重量の割合で水に混合してなることを特徴とする。
【0008】
ある実施例の皮膚保護剤は、アロエベラエキス1%まで,アラントイン5%まで,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー2.5%まで,セテアリルアルコール30%まで,セテアレス−20が15%まで,酒石酸ジアルキル(C12−15)5%まで,グリセリン20%まで,ミリスチン酸イソプロピル30%まで,メチルパラベン5%まで,プロピルパラベン2.5%まで,トリクロサン2.5%まで,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAlが25%まで,酢酸トコフェロール1%まで,AMP2.5%まで,フェノキシエタノール10%まで,ジメチコーン0.1乃至20%で構成される皮膚保護成分が、水に対して5乃至25%重量の割合で混合されてなる。
【0009】
本発明の皮膚保護剤は、髭剃り前の皮膚に塗布するためのクリームであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の皮膚保護剤は皮膚に塗布された約5分後には肌の角質層に約6×10−7mmの保護膜が形成され、その後剃刀をあてても刃が直接皮膚に触れるのが防止され、髭剃り時の皮膚の損傷を抑えることができる。この保護膜の効果は3〜4時間継続し、水、お湯、石鹸水で洗っても残り、また髭剃り時に水かお湯で湿らせるだけで潤滑性が戻り、皮膜と潤滑性の両面から髭剃り時の皮膚の損傷を防ぐことができる。また弱酸性であるため皮膚を清潔に保ち、高い保湿作用を有するため肌荒れを防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の実施形態について以下に説明する。
【0012】
本発明の実施形態は、体毛を剃る前の皮膚に塗布して皮膜を形成し肌の損傷を抑える皮膚保護剤において、アロエベラエキス,アラントイン,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー,セテアリルアルコール,セテアレス−20,酒石酸ジアルキル(C12−15),グリセリン,ミリスチン酸イソプロピル,メチルパラベン,プロピルパラベン,トリクロサン,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl,酢酸トコフェロール,AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール),フェノキシエタノールと、ジメチコーンとを水に混合して構成される。
【0013】
本発明の皮膚保護剤において水とジメチコーンは必須であるが、上記の他の成分は必ずしも必須ではない。ただし、上述した他の成分を5種類以上含むことが望ましい。具体的には、アロエベラエキスは0〜1%,アラントインは0〜5%,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマーは0〜2.5%,セテアリルアルコールは0〜30%,セテアレス−20は0〜15%,酒石酸ジアルキル(C12−15)は0〜5%,グリセリンは0〜20%,ミリスチン酸イソプロピルは0〜30%,メチルパラベン0〜5%,プロピルパラベンは0〜2.5%,トリクロサン0〜2.5%,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAlは0〜25%,酢酸トコフェロールは0〜1%,AMPは0〜2.5%,フェノキシエタノールは0〜10%,ジメチコーン0.1〜20%でなる皮膚保護成分を、水に対して5乃至25%重量の割合で混練して構成する。
【0014】
ジメチコーンはジメチルシロキサン重合体からなる油であり、以前より医療や介護の現場などで手指等の保護目的で塗布する保護剤に配合されている。本願発明者はこの皮膜形成能に着目し、上記のように配合した保護剤を髭剃り前の皮膚に塗布することにより、剃刀を用いる髭剃りが非常にスムースにできることを発見した。
【実施例1】
【0015】
以下のように皮膚保護剤を配合し、髭剃り前の皮膚に塗布する。
【0016】
【表1】

【0017】
この皮膚保護剤を塗布してから約5分で皮膚の角質層に約6×10−7mm保護膜が形成され、剃刀の刃が直接皮膚を傷つけることなくシェービングを行うことができ、高い保湿作用を有し髭剃り後のひりひり感も飛躍的に低減することが観察された。
【0018】
塗布は1回でもよいが、肌の弱い人は剃刀の刃から確実に肌を守る目的で2〜3回塗布するようにしてもよい。この場合は約5分間隔で塗布し、角質層の上に保護膜の層を形成するのが好適である。塗布してから5分から1時間の間に髭を剃るようにする。また、最初に塗布した後、髭を剃る直前や髭剃り中にもう一度塗布するとさらに剃刀を滑らかに運ぶことができる。この皮膜は剃刀の刃が直接皮膚に触れるのを防ぎ、剃刀の刃によって皮膚が損傷するのを防止する。また、形成された保護膜の効果は約3〜4時間持続し、その間は水、お湯、石鹸水に触れても残り、乾燥しても水やお湯で湿らせれば潤滑性が戻り、剃刀の刃を滑らかに進めることができる。
【0019】
本発明の実施例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施例に何ら限定されるものではなく、請求項の記載の意図する範囲を超えない限りにおいて、他の様々な変形例として実現することができる。例えば、本発明の皮膚保護剤は髭を剃る際の顔面のみならず、頭,脇下,上肢や下肢などの体毛を剃る場合に当該部位の皮膚に塗布してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明に係る皮膚保護剤は、皮膚上に皮膜を形成して剃刀の刃が直接触れないようにして体毛を剃ることができ、特に男性用の化粧品類製造販売業に利用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
体毛を剃る前の皮膚に塗布して皮膜を形成し肌の損傷を抑える皮膚保護剤において、アロエベラエキス,アラントイン,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー,セテアリルアルコール,セテアレス−20,フマル酸ジアルキル(C12−15),グリセリン,ミリスチン酸イソプロピル,メチルパラベン,プロピルパラベン,トリクロサン,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl,酢酸トコフェロール,AMP,フェノキシエタノールのいずれか5以上と、ジメチコーンとを水に混合してなることを特徴とする皮膚保護剤。
【請求項2】
体毛を剃る前の皮膚に塗布して皮膜を形成し肌の損傷を抑える皮膚保護剤において、アロエベラエキス,アラントイン,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー,セテアリルアルコール,セテアレス−20,フマル酸ジアルキル(C12−15),グリセリン,ミリスチン酸イソプロピル,メチルパラベン,プロピルパラベン,トリクロサン,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAl,酢酸トコフェロール,AMP,フェノキシエタノールのいずれか1以上と、ジメチコーンとを5乃至25%重量の割合で水に混合してなることを特徴とする皮膚保護剤。
【請求項3】
体毛を剃る前の皮膚に塗布して皮膜を形成し肌の損傷を抑える皮膚保護剤において、アロエベラエキス1%まで,アラントイン5%まで,アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30)コポリマー2.5%まで,セテアリルアルコール30%まで,セテアレス−20が15%まで,フマル酸ジアルキル(C12−15)5%まで,グリセリン20%まで,ミリスチン酸イソプロピル30%まで,メチルパラベン5%まで,プロピルパラベン2.5%まで,トリクロサン2.5%まで,オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンAlが25%まで,酢酸トコフェロール1%まで,AMP2.5%まで,フェノキシエタノール10%まで,およびジメチコーン0.1乃至20%で構成される皮膚保護成分が、水に対して5乃至25%重量の割合で混合されてなることを特徴とする皮膚保護剤。
【請求項4】
請求項1乃至3の皮膚保護剤が、髭剃り前の皮膚に塗布するクリームであることを特徴とする皮膚保護剤。

【公開番号】特開2006−306818(P2006−306818A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−134257(P2005−134257)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(505151852)
【出願人】(595030712)
【出願人】(505162559)
【Fターム(参考)】