説明

皮膚改善剤及び美容健康用経口組成物

【課題】紫外線、活性酸素、加齢等による皮膚組織中の細胞外マトリックス成分の減少を回復させ、シワ、肌荒れ等の皮膚トラブルの改善や皮膚損傷の回復に有用な素材を開発し、これを産業上有効活用できる態様の組成物を提供することを課題とした。
【解決手段】
ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなる皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤、及び、皮膚老化防止剤が提供され、これらの剤のうち少なくとも1種を含有してなる美容健康用経口組成物、望ましくは飲食品が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分としてなる皮膚改善剤及びこれを含有してなる美容健康用経口組成物に関する。より詳細には、前記皮膚改善剤は皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤、又は、皮膚老化防止剤である。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、その構成上、表皮、真皮及び皮下組織から成り立っている。表皮は、外界と接し、角質層、顆粒層、有棘層及び基底層から構成され、基底層で産生された角化細胞(ケラチノサイト)が分裂を繰り返しながら有棘細胞、顆粒細胞を経て角質細胞となって皮膚表面を覆い、古くなった角質細胞は垢となって剥離する。角化細胞が基底層から角質層に達するまでの時間(約14日間)及び角質細胞として皮膚表面を保護する期間(約14日間)の合計を、皮膚の新陳代謝としてターンオーバーという。真皮組織は、表皮とは異なり細胞が少なく、主にコラーゲンやエラスチン等の蛋白質、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸等のムコ多糖類といった細胞外成分で占められており、マトリックス構造を形成して細胞及び皮膚組織の支持、細胞間隙における保水、皮膚の潤滑性と柔軟性の保持、紫外線、乾燥環境、機械的刺激や損傷、微生物感染等の外的因子から皮膚組織を保護する等の役割を担っている。これらの細胞外成分は繊維芽細胞により産生される(非特許文献1)。
【0003】
繊維芽細胞によって産生される前記細胞外マトリックス成分は、日常的に、活性酸素や微生物の影響あるいは紫外線照射を受けて変性し分解されて、肌のシワ、シミ、ソバカス、かさつき、肌荒れ等の皮膚トラブルを誘発する。又、加齢にともない生体の諸機能が低下し、組織は老化し、皮膚組織中のヒアルロン酸等の細胞外成分の含量も減少することが知られている(非特許文献2)。皮膚組織中のヒアルロン酸やコラーゲン等の含量が減少すると、乾燥肌、肌荒れ、弾力性や柔軟性の低下、張りや艶の減少、シワ・たるみ・くすみの増加等の皮膚トラブルや肌の老化症状をひき起こす。したがって、健康な肌を保つためには前記細胞外マトリックス成分を補給することが必要であり、このためには真皮組織中の前記成分産生細胞である繊維芽細胞を活性化させることが望ましい。
【0004】
皮膚繊維芽細胞の活性化物質を探索する試みは従来から検討され、これまでにハイビスカス抽出物(特許文献1)、L−アスコルビン酸及びその誘導体(特許文献2)、アーモンド、セイヨウタンポポ、センブリ、ホップ等の抽出物(特許文献3)、コラーゲン加水分解トリペプチド(特許文献4)、ゲンクワニンを含有するローズマリー抽出物(特許文献5)、α−D−グルコピラノシルグリセロール(特許文献6)、特定アミノ酸配列を有するポリペプチド(特許文献7)等が提案されている。
【0005】
これら成分や抽出物は、例えば、化粧料や外用剤に配合して皮膚に適用される可能性が開示されているが、経皮吸収の点で難点があり、皮膚洗浄時には容易に洗い流される等のために前記皮膚トラブルに対する効果が持続せず、皮膚組織の生理的機能を本質的に改善するものではなかった。又、ペプチド類を経口摂取する場合には胃腸内で変質や分解を受けるリスクがあり、実用面において有効性を発現し得るものは数少なかった。更には、併用する原料や成分によっては実用製品の色調、風味、物性等に影響を及ぼし、安定性や使用面、コスト面等の点でも必ずしも満足できるものではなかったのが実情である。したがって、前記皮膚トラブルを改善し得る実効性のある素材が求められていた。
【0006】
後述するツバキについては次のようなことが知られている。すなわち、ツバキは古来より観賞用園芸植物として利用されてきた歴史があり、種子から採取した油脂は燃料油、整髪料、高級食用油等に、木部は灰化して日本酒の醸造に、又、実の脱脂粕は農作物の肥料等に利用されてきた。脱脂粕にはサポニンやタンニンが含まれ、これを加工して殺虫防虫剤(特許文献8)、農園芸用線虫防除剤(特許文献9)等となす提案もある。しかしながら、ツバキの実の脱脂粕に含まれる成分を皮膚改善のために用いる例は見当たらない。
【0007】
【特許文献1】特開平9−295928号公報
【特許文献2】特表平10−509735号公報
【特許文献3】特開平10−36279号公報
【特許文献4】特開2002−255847号公報
【特許文献5】特開2004−137217号公報
【特許文献6】特開2004−331578号公報
【特許文献7】特開2006−265221号公報
【特許文献8】特許第170071号明細書
【特許文献9】特開平9−30916号公報
【非特許文献1】服部道広、「スキンケアの科学」、第6頁〜第14頁及び第15頁〜第83頁、(株)裳華房、1997年2月25日発行
【非特許文献2】Maria O.Longas等、“Evidence for structural change in dermatan sulfate and hyaluronic acid with aging”(オランダ)、1987年、Carbohydr.Res.、第159巻、第127頁〜第136頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
かかる現状に鑑み、本発明者らは、紫外線、活性酸素、加齢等を起因とする代謝機能の低下によってもたらされる生体とりわけ皮膚組織中の前記細胞外マトリックス成分含量の低減を回復させ、皮膚の前記トラブルを予防及び/又は改善するための、安全かつ安定な素材を開発し、これを産業上有効に活用できる態様の組成物を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明者らは、皮膚組織中の前記細胞外マトリックス成分の代謝機構とその産生を促進する素材について鋭意検討を重ねた結果、前記皮膚トラブルを改善するためには意外にもツバキが極めて有効であり、ツバキには皮膚繊維芽細胞を活性化し、その増殖を促進し、該細胞による前記細胞外マトリックス成分の産生を増強し、皮膚の老化症状を顕著に改善し得る成分が含まれていること、又、これを飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の分野に有効利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなる皮膚繊維芽細胞増殖促進剤が提供される。
【0011】
本発明によれば、又、ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなるコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤が提供される。ここで、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強は皮膚組織中のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の増量であることが望ましい。
【0012】
本発明によれば、更に、ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなる皮膚老化防止剤が提供される。ここで、皮膚老化とは、その症状が皮膚のシワ、シミ、くすみ、ソバカス、たるみ、かさつき及び肌荒れからなる群から選ばれる少なくとも1つの症状を含むものであることが望ましい。
【0013】
本発明の前記の各剤において、有効成分である水性成分は、ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕を水及び/又は低級アルコールで抽出処理した抽出物であることが望ましい。
【0014】
又、本発明によれば、前記の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤、又は、皮膚老化防止剤のうちいずれかを含有してなる美容健康用経口組成物が提供される。この経口組成物は飲食品であることが望ましい。
【0015】
尚、本発明によれば、更に、ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を経口摂取することを特徴とする、皮膚繊維芽細胞増殖促進作用、生体内コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強作用、及び、皮膚老化防止作用からなる群から選ばれる少なくとも1つの作用を発現させるための方法が提供される。ここで、皮膚繊維芽細胞増殖促進、生体内コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強、及び、皮膚老化防止とは、前記と同様である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分は、品質安定性に優れ、皮膚繊維芽細胞の増殖を促進し、該繊維芽細胞によるコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生を増強し、皮膚のターンオーバーを促して皮膚のシワ、シミ、くすみ、ソバカス、たるみ、かさつき、肌荒れ等の皮膚トラブルを改善する効果を奏する。又、損傷を受けた皮膚の再生を促進して肌の健康維持に寄与する効果を奏する。かかる効果は、本発明の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤、又は、皮膚老化防止剤を経口的に摂取又は投与することによって顕著に発現される。したがって、本発明の前記各剤はとりわけ飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の分野において、前記各剤の態様のままで又は前記分野の従来の各種製品に配合した形態で、皮膚改善のために有効利用することが可能となる。本発明の前記各剤を化粧品、皮膚外用剤の分野の製品に適用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明を詳細に説明する。まず、本発明の繊維芽細胞増殖促進剤は、生体組織とりわけ皮膚の真皮組織中に存在する繊維芽細胞の増殖を促進させる作用を有するものであり、ツバキ科(Theaceae)のツバキ属(Camellia)に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなることを特徴とする。
【0018】
ツバキ属に属する植物として、一般に、ツバキ節に属するツバキ(Camellia japonica)等、チャ節に属するチャ(C.sinensis)等、サザンカ節に属するサザンカ(C.sasanqua)等、カワリバツバキ節に属するグランサムツバキ(C.granthamiana)等、ヤナギバサザンカ節に属するヤナギバサザンカ(C.salicifolia)等、ヒメサザンカ節に属するヒメサザンカ(C.lutchuensis)等が知られているが、本発明ではツバキ節に属するものを用いる。この例としてヤブツバキ(C.japonica var.japonica)、ユキツバキ(C.japonica subsp.rusticana)、リンゴツバキ(C.japonica var.macrocarpa)、ホウザンツバキ(C.japonica subsp.hozanensis)、ホンコンツバキ(C.hongkongenesis)、トウツバキ(C.reticulata)、サルウィンツバキ(C.saluenensis)、ピタールツバキのピタルディー種(C.pitardii var.pitardii)及びユンナン種(C.pitardii var.yunnanica)、金花茶(C.nitidissima)、ヤマツバキ(ヤブツバキと同種)、山茶花(ヤブツバキと同種)、ヤクシマツバキ(リンゴツバキと同種)等を挙げることができる。これらのツバキは日本列島、朝鮮半島、中国山東半島等で自生し又は栽培されているものを適宜に利用すればよい。
【0019】
本発明では、前記のツバキの実及び/又は種子を圧搾処理、ヘキサンやヘプタン等の疎水性有機溶媒又は液化二酸化炭素、液化プロパン等の液化ガスを用いた抽出処理に供して、常法により油分を抽出した残渣である脱脂粕を必須の原料とする。ここで、ツバキの実及び/又は種子は早熟実及び成熟実のいずれでもよく、これらの種子を用いてもよいが、脱脂粕及び有効成分の収量の点から成熟実又はその種子を用いることが望ましい。本発明では、成熟実から得られる種子を1〜2週間程度、天日等で乾燥させたものを用いるのが簡便である。
【0020】
前記脱脂粕の水性成分は任意の方法で製造することができるが、水及び/又は低級アルコールを用いて抽出処理するのが好ましい。低級アルコールは、その炭素数が大きくなると脱脂粕中の油性成分が抽出される傾向が大きくなるため、炭素数が小さいものが望ましく、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール等を例示できる。炭素数が大きい低級アルコールを使用する場合は、脱脂粕中の油性成分の抽出を抑制するために含水率を高めるのがよい。例えば、プロパノールの場合の含水率は約20重量%〜約50重量%とし、ブタノールの場合の含水率は約40重量%〜約70重量%とする。望ましい抽出溶媒は水、メタノール及びエタノール、及びこれらの含水アルコール(含水率:0〜100重量%)である。
【0021】
脱脂粕を抽出するには、脱脂粕1重量部に対して前記抽出溶媒を約1重量倍〜約30重量倍加え、常圧下又は1〜5気圧の加圧下、常温ないしは約120℃で、約10分〜約3時間、必要に応じて撹拌して混合後、常温に冷却して濾過し、濾液を減圧乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等の適当な手段により濃縮、乾燥する。尚、乾燥物は適宜に粉砕処理してもよい。このようにして本発明に係る脱脂粕の水性成分である淡黄色ないし黄色の固体を得ることができる。前記抽出方法は、一旦抽出処理した抽出残渣を繰り返し抽出処理したり、1〜3気圧の加圧下、約100℃〜約130℃で行うことが望ましい。これにより本発明に係る水性成分の収量が増える。この水性成分はサポニン、タンニン、ケンフェロール、その配糖体等を含む。
【0022】
本発明の繊維芽細胞増殖促進剤は、その有効成分としての前記水性成分を固体状、ペースト状又は液体状の形態となし、これをそのまま繊維芽細胞増殖促進剤としてよいが、必要に応じて本発明の繊維芽細胞増殖促進剤が利用される用途の公知の添加物を併用して、常法により含有せしめて組成物として調製することもできる。ここで、公知の添加物は経口摂取するために通常利用されるものが望ましく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、界面活性剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、等張化剤、殺菌剤、防腐剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤、香料等の添加物質を使用でき、又、繊維芽細胞増殖促進作用が既知の素材を用いることができる。
【0023】
繊維芽細胞増殖促進作用が既知の素材として、前記の特許文献に記載のもの以外に、クロレラ、アロエベラ、イネ、ナツメ、月桃、マンゴージンジャー、ノブドウ、ホウライシダ、ハス胚芽、ゴマ、トウガラシ、トウキ、ドクダミ、ハスカップ果実、クスノハガシワ、藻類(カウレルパ、ラセモサ)、オニイチゴ、ハトムギ等の植物や藻類の乾燥物又は抽出物、カテキン類、イミノ基含有ペプチド、α−リポ酸及びその塩、エステル、アミド等の誘導体、ジヒドロリポ酸及びその誘導体、キチン加水分解物、N−アセチル−D−グルコサミン及びそのオリゴマー等を例示できる。尚、本発明はこれらの例示によって何ら限定されるものではない。
【0024】
尚、前記組成物の形態は、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤等の経口用製剤となすことが可能である。かかる製剤組成物における前記水性成分の含有量は、併用原料の種類や含有量等により一律に規定し難いが、概ね0.01重量%〜90重量%程度、より望ましくは約0.1重量%〜約70重量%である。前記含有量が約0.01重量%を下回ると本発明の所望効果が認められなくなり、約90重量%を超えると実用的な製剤組成物を調製することが難しくなり及び本発明の更なる所望効果も期待できない。本発明の繊維芽細胞増殖促進剤は、これを望ましくは経口的に摂取又は投与する態様で利用する。経口摂取又は投与する場合の本発明の繊維芽細胞増殖促進剤の好適な量の目安は、該剤に含まれる前記水性成分ベースで、ヒト成人1日あたり約10mg〜約1,000mg、望ましくは約30mg〜約500mg、更に望ましくは約50mg〜約300mgである。
【0025】
次に、本発明のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤は、生体中のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生を増強する作用を有するものであり、ツバキ科(Theaceae)のツバキ属(Camellia)に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなることを特徴とする。
【0026】
本発明のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強剤に適用するツバキの種類や部位、脱脂粕、その抽出方法及び条件、水性成分、水性成分の配合量、併用原材料、組成物及びその形態、利用方法、摂取量等は、前述の繊維芽細胞増殖促進剤の場合と同じである。本発明のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強剤において、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生は、より望ましくは真皮組織中の繊維芽細胞によるコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生である。
【0027】
又、本発明の皮膚老化防止剤は、皮膚トラブルや損傷を改善する作用を有するものであり、ツバキ科(Theaceae)のツバキ属(Camellia)に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなることを特徴とする。
【0028】
本発明の皮膚老化防止剤に適用するツバキの種類や部位、脱脂粕、その抽出方法及び条件、水性成分、水性成分の配合量、併用原材料、組成物及びその形態、利用方法、摂取量等は、前述の繊維芽細胞増殖促進剤の場合と同じである。本発明の皮膚老化防止剤において、皮膚老化の症状は皮膚のシワ、シミ、くすみ、ソバカス、たるみ、かさつき及び肌荒れからなる群から選ばれる少なくとも1つの症状を含むものがより望ましい。
【0029】
本発明においては、前述した皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強剤及び皮膚老化防止剤のうち少なくとも1つの剤をそのままの形態で飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料、その他産業分野の様々な製品とすることができ、あるいは該各種製品の配合原料の一部として使用する態様でも利用できる。とりわけ美容及び/又は健康のための経口組成物となすことが好ましく、この経口組成物の最も好適な態様は飲食品である。この例を以下に述べるが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0030】
飲食品の具体例として、野菜ジュース、果汁飲料、清涼飲料、茶等の飲料類、スープ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ケーキプレミックス製品、菓子類、ふりかけ、味噌、醤油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、植物性クリーム、焼肉用たれや麺つゆ等の調味料、麺類、うどん、蕎麦、スパゲッティ、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ハンバーグ、コロッケ、ふりかけ、佃煮、ジャム、牛乳、クリーム、バター、スプレッドやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー、チョコレート、キャンディー、グミ、ガム等の各種一般加工食品のほか、粉末状、顆粒状、丸剤状、錠剤状、ソフトカプセル状、ハードカプセル状、ペースト状又は液体状の栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品、健康食品、濃厚流動食や嚥下障害用食品の治療食等を挙げることができる。
【0031】
これらの飲食品を製造するには、本発明の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強剤及び皮膚老化防止剤のうち少なくとも1つの剤と公知の原材料を用い、あるいは公知の原材料の一部を前記剤の少なくとも1種で置き換え、常法によって製造すればよい。例えば、本発明の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤と、必要に応じてグルコース(ブドウ糖)、デキストリン、乳糖、澱粉又はその加工物、セルロース粉末等の賦形剤、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、たん白(動植物や酵母由来の蛋白質、その加水分解物等)、糖質、色素、香料、酸化防止剤、界面活性剤、その他の食用添加物、各種栄養機能成分を含む粉末やエキス類等の食用素材とともに混合して粉末、顆粒、ペレット、錠剤等の形状に加工したり、常法により前記例の一般加工食品に加工処理したり、これらを混合した液状物をゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース等の被覆剤で被覆してカプセルを成形したり、飲料(ドリンク類)の形態に加工して、栄養補助食品や健康食品として利用することは好適である。とりわけ錠剤、カプセル剤やドリンク剤が望ましい。
【0032】
かかる飲食品に配合する本発明の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強剤及び皮膚老化防止剤のうち少なくとも1つの剤の比率は、飲食品の種類や形態、本発明の前記剤中の本発明に係る水性成分の含量、他の配合原料の種類や成分や配合量等のちがいにより一律に規定しがたいが、飲食品中の前記水性成分の含量が約0.01重量%〜約90重量%、より望ましくは約1重量%〜約50重量%となるように、本発明の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強剤及び皮膚老化防止剤のうち少なくとも1つの剤をその他の飲食品製造用公知原料と適宜に組み合わせて処方を設計し、常法に従い目的とする飲食品を調製すればよい。前記水性成分の含量が約0.01重量%を下回るような飲食品では前記水性成分による所望効果を期待するために多量の当該飲食品を摂取しなければならず、一方、前記水性成分の量が約90重量%を超えると実用的な飲食品を製造することが困難になることがある。本発明の飲食品は、ヒト成人の場合1日あたりの前記水性成分の摂取量の目安を約10mg〜約1,000mg、望ましくは約30mg〜約500mg、更に望ましくは約50mg〜約300mgとして任意の方法、例えば、食事の摂取と同時又は前後に、経口摂取、経管投与等の方法で体内に取り込むことができる。
【実施例】
【0033】
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。各例において、%、部及び比率はいずれも重量基準である。
【0034】
製造例1
長崎県五島産ヤブツバキ(C.japonica var.japonica)の乾燥種子を粗粉砕して蒸煮後、圧搾して圧搾油を分離した圧搾粕を得、次いで圧搾粕にノルマルヘキサンを加えて常法により抽出処理し、抽出液を分離して抽出粕を採取した。この抽出粕をノルマルヘキサンで洗浄して油分を取り除き脱脂粕を採取した。この脱脂粕100gに水300mLを加え、常圧下、80℃に加熱して1時間適宜に撹拌した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水200mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、本発明に係る水性成分を含む粉末(試料1とする)15.4gを得た。この粉末は、これを加水分解してHPLC分析したところ、サポニンのアグリコンであるサポゲニンを16.5%、フラボノールの一種であるケンフェロールを1.8%含むものであった。
【0035】
製造例2
屋久島産リンゴツバキ(C.japonica var.macrocarpa)の乾燥種子を製造例1に記載の方法で脱脂して脱脂粕を採取した。この脱脂粕100gに水300mLを加え、2気圧の加圧下、120℃で20分間加熱した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水200mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、本発明に係る水性成分を含む粉末(試料2とする)16.6gを得た。該粉末を製造例1と同様に加水分解してHPLC分析した結果、サポゲニン含量は14.3%であり、ケンフェロール含量は2.4%であった。
【0036】
製造例3
製造例1に記載の方法で得た脱脂粕100gに含水エタノール(含水率35%)250mLを加え、80℃で1時間加熱還流した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度含水エタノール(含水率35%)200mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、本発明に係る水性成分を含む粉末(試料3とする)11.7gを得た。該粉末を製造例1と同様に加水分解してHPLC分析した結果、サポゲニン含量は12.3%であり、ケンフェロール含量は2.5%であった。
【0037】
製造例4
製造例2に記載の方法で得た脱脂粕100gにエタノール(純度99.5%)200mLを加え、80℃で1時間加熱還流した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度エタノール(純度99.5%)200mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して、本発明に係る水性成分を含む粉末(試料4とする)4.7gを得た。該粉末を製造例1と同様に加水分解してHPLC分析した結果、サポゲニン含量は14.1%であり、ケンフェロール含量は2.7%であった。
【0038】
製造例5
製造例1において、乾燥種子を未熟実(種子を含む実全体)におきかえること以外は同様に処理して、脱脂粕を得た後、これから水性成分を含む粉末(試料5とする)18.4gを得た。該粉末を製造例1と同様に加水分解してHPLC分析した結果、サポゲニン含量は14.9%であり、ケンフェロール含量は2.3%であった。
【0039】
試験例1:皮膚繊維芽細胞増殖促進作用
本発明の皮膚繊維芽細胞増殖促進剤(試料1〜試料5)が皮膚繊維芽細胞の増殖に及ぼす影響を以下の方法で調べた。すなわち、ペトリディッシュ(φ10cm)を用い、正常ヒト成人皮膚繊維芽細胞(クラボウ(株)製、NHDF(AD)。以下、単に細胞という。)を10%ウシ胎児血清(第一化学薬品(株)製)添加D−MEM培地(シグマ社製、低グルコース)に2×10個播き、サブコンフルエント(約80%密度)になるまで4日間培養した。次いで、培地を除去し、細胞をPBS5mLで2回洗浄し、更に0.02%EDTA溶液5mLで洗浄した後、0.25%トリプシン溶液(ナカライテスク(株)製)5mLを用いて細胞を回収し、遠心分離(4℃、1,000rpm、5分)して上清を除き、PBSで2回洗浄して細胞を得た。この細胞を前記条件下で繰り返し培養して継代培養した。
【0040】
96穴細胞培養プレート(0.32cm、旭テクノグラス(株)製)を用いて、前記継代培養細胞をヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地(クラボウ(株)製、LSGS添加106S培地:皮膚繊維芽細胞基礎培地(106S)500mLに低血清増殖添加剤(LSGS)10mLを添加した培地)中に1×10個/ウェル播種し、24時間培養した。次いで、培地を除去し、終濃度が5、10又は20μg/mLとなるように各試料を添加した前記ヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地中で更に48時間培養を続けた。この後、MTT溶液(チアゾリルブルーテトラゾリウムブロマイド(シグマ社製、試薬)を濃度5mg/mLで溶解したPBS)を25μL加えて1時間培養した。培地をデカンテーションで完全に除去した後、ホルマザン溶液(25%(v/v)0.45M酢酸緩衝液(pH4.5)、25%(v/v)N,N−ジメチルホルムアミド、10%(w/v)n−ドデシル硫酸ナトリウムを含む。pH4.5)を100μL加えて撹拌した。室温で1夜放置後、590nmにおける吸光度を測定し、細胞の増殖度合いを評価した。尚、上記方法において、D−MEM培地及びヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地はペニシリン(終濃度100IU/mL)及びストレプトマイシン(終濃度0.1mg/mL)を添加したものとし、細胞培養はすべてCOインキュベーター(37℃、5%CO強化気相下)で行った。
【0041】
この結果を表1に示す。同表において、数値は同時に実施した対照試験(試料を添加しない場合)の値を100としたときの相対値で示した。表1のデータから、本発明に係る脱脂粕の水性成分にはヒト皮膚繊維芽細胞の増殖を促進する作用があること、又、この作用は前記脱脂粕を加熱して常圧下又は加圧下で水抽出した場合、加熱下でエタノール抽出した場合に顕著なものとなることを確認した。
【0042】
【表1】

【0043】
試験例2:ヒアルロン酸産生増強作用
本発明のヒアルロン酸産生増強剤(試料1〜試料5)が皮膚繊維芽細胞によるヒアルロン酸の産生増強に及ぼす影響を以下の方法で調べた。すなわち、試験例1に記載の方法で継代培養した皮膚繊維芽細胞を、96穴細胞培養プレート(0.32cm、旭テクノグラス(株)製)を用いて、ヒト皮膚繊維芽細胞増殖用低血清培地(クラボウ(株)製、LSGS添加106S培地:皮膚繊維芽細胞基礎培地(106S)500mLに低血清増殖添加剤(LSGS)10mLを添加した培地)に1×10個/ウェル播種し、1日間培養した。次いで、LSGS添加106S培地中に終濃度が5、10又は20μg/mLとなるように各試料を添加して更に48時間培養を続けた。この培養液をすべて回収し、以下のELISA試験によるヒアルロン酸定量用試験液とした。
【0044】
前記細胞培養液中のヒアルロン酸含量は、市販のヒアルロン酸測定キット(生化学工業(株)製)を用いて、ELISA試験法により分析した。すなわち、前記細胞培養液を前記キットの緩衝液で16倍希釈し、ヒアルロン酸固層化マイクロプレートに50μL添加した。次いで、ここにビオチン標識HABP溶液を50μL添加後、1分間混和し、37℃で1時間、一次反応を行わせた。更に、ウェル内の溶液を除いてプレートを洗浄後、HRP標識ストレプトアビジン溶液を100μL添加し、37℃で1時間、二次反応を行わせた。この後、ウェル内の溶液を除いて前記プレートを洗浄し、酵素基質溶液を100μL加え、遮光下、室温にて30分間、酵素反応を行わせた。該反応停止液を100μL加えて混和した後、プレートリーダーで吸光度を測定した(測定波長:490nm、対照波長:620nm)。試験液中のヒアルロン酸含量はヒアルロン酸標準品による検量線から求めた。
【0045】
この結果を表2に示す。同表において、数値は同時に実施した対照試験(試料を添加しない場合)の値を100としたときの相対値で示した。表2のデータから、本発明に係る脱脂粕の水性成分にはヒト皮膚繊維芽細胞によるヒアルロン酸産生を増強する作用があること、又、この作用は前記脱脂粕を加熱及び加圧下で水抽出した場合に顕著なものとなることを確認した。
【0046】
【表2】

【0047】
試験例3:皮膚老化防止作用(その1)
5週齢の雌性ヘアレスマウス(日本エスエルシー(株)から購入)を1週間予備飼育後、通常食(日本クレア(株)製、CE−2)で更に1週間飼育した後、対照群:紫外線照射なし+通常食、陽性対照群:紫外線照射+通常食、試料添加群:紫外線照射+試料2(1重量%)+通常食、及び、比較群:紫外線照射+ツバキ油(1重量%)+通常食、の4群(各群5匹)に分け、それぞれの条件下で12週間飼育した。紫外線照射はマウス背部に毎週5回、12週間にわたり、65mJ/cmの強さでUV−Bを照射した。各群のマウス皮膚上に形成されるシワ及び肌荒れの程度を目視観察して評価した。
【0048】
この結果、紫外線を照射しなかった対照群ではシワ形成及び肌荒れは認められなかった。これに対して、紫外線を照射した陽性対照群では明確なシワ形成及び肌荒れが発生しており、ツバキ油を添加した比較群でも大差がなかった。一方、通常食に試料2を配合した試料添加群の場合は、紫外線照射によるシワ形成及び肌荒れがほぼ半減していた。このことから、本発明に係る前記水性成分は紫外線照射による皮膚トラブルを軽減し得る皮膚老化防止作用を有することが確認された。
【0049】
試験例4:皮膚老化防止作用(その2)
ボランティアの成人女性10名(22歳〜54歳、平均年齢:33.5歳)に、試料4を50mg及び難消化性デキストリン150mgを充填したゼラチンカプセルを1日3カプセル(前記水性成分の摂取量:150mg/日)を3回に分けて摂取してもらい、2週間続けた。これを試験群とした。対照群(10名)には難消化性デキストリン200mgを充填したゼラチンカプセルを同様に摂取してもらった。前記カプセルを摂取完了後、各人の皮膚への影響をアンケート調査(3段階評価)した。
【0050】
この結果、(1)肌の乾燥感、かさつき、肌荒れについて、対照群では強い:6名、普通:3名、弱い:1名であり、試験群では強い:2名、普通:2名、弱い:6名であった。(2)皮膚の弾力性、柔軟性について、対照群では多い:1名、普通:4名、少ない:5名であり、試験群では多い:6名、普通:3名、少ない:1名であった。(3)肌の張り、艶については、対照群では強い(増加):2名、普通:2名、弱い(少ない):6名であり、試験群では強い(増加):6名、普通:3名、弱い(少ない):1名であった。(4)皮膚の皺、たるみ、くすみは、対照群では多い:7名、普通:2名、少ない:1名であり、試験群では多い:2名、普通:2名、少ない:6名であった。このことから、本発明に係る前記水性成分を継続的に経口摂取することにより、乾燥肌や肌荒れが減少し、皮膚の弾力性や柔軟性が増し、肌の張りや艶が増えるとともに皺やたるみが減少することが確認された。
【0051】
試作例1
試料2を160部、ミツロウ30部及び中鎖脂肪酸トリグリセリド(日清オイリオ(株)、商品名:ODO(登録商標)60部を約50℃に加熱混合して均質にした後、カプセル充填機に供して、常法により1粒あたり内容量が250mgのゼラチン被覆ソフトカプセル製剤を試作した。このカプセル製剤は経口摂取できる栄養補助食品として利用できる。
【0052】
試作例2
試料1を50部、α−リポ酸(ドイツ・デグサ社製、商品名:ALIPURE(登録商標))20部、ハス胚芽エキス末(丸善製薬(株)製)20部、クレアチン(ドイツ・デグサ社製、「クレアピュア」)25部、リボフラビン(DSMニュートリション・ジャパン(株)製)18部、マルチトール(東和化成(株)製)92部、リン酸三カルシウム(米山化学工業(株)製)100部及びセルロース25部を混合機に仕込み、10分間攪拌混合した。この混合物を直打式打錠機に供して直径7mm、高さ4mm、重量150mg/個の素錠を作成し、ついでコーティング機でシェラック被膜を形成させて錠剤形状の食品を試作した。
【0053】
試作例3
市販のグレープジュース1Lに本発明に係る前記水性成分(試料4)30gを加えて十分に混合し均質なグレープ風味飲料を試作した。これは冷蔵庫で3週間保存しても外観及び風味に異状及び違和感は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
ツバキの実及び/又は種子の脱脂物から得られる水性成分は、皮膚繊維芽細胞増殖促進作用、コラーゲン及び/又はヒアルロン酸産生増強作用、皮膚老化防止作用等を有するため、これを経口や経管で摂取することにより、皮膚の本来の生理機能を回復させ、皮膚トラブルの改善や皮膚損傷の早期回復に役立つため、飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の分野において美容健康用経口組成物として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなる皮膚繊維芽細胞増殖促進剤。
【請求項2】
ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなるコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤。
【請求項3】
コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強が皮膚組織中のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の増量である請求項2に記載のコラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強剤。
【請求項4】
ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を有効成分として含有してなる皮膚老化防止剤。
【請求項5】
皮膚老化の症状が皮膚のシワ、シミ、くすみ、ソバカス、たるみ、かさつき及び肌荒れからなる群から選ばれる少なくとも1つの症状を含むものである請求項4に記載の皮膚老化防止剤。
【請求項6】
水性成分が前記脱脂粕を水及び/又は低級アルコールで抽出処理した抽出物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤を含有してなる美容健康用経口組成物。
【請求項8】
経口組成物が飲食品である請求項7に記載の美容健康用経口組成物。
【請求項9】
ツバキ科ツバキ属に属するツバキ(Camellia japonica)の実及び/又は種子の脱脂粕の水性成分を経口摂取することを特徴とする、皮膚繊維芽細胞増殖促進作用、生体内コラーゲン及び/又はヒアルロン酸の産生増強作用、及び、皮膚老化防止作用からなる群から選ばれる少なくとも1つの作用を発現させるための方法。

【公開番号】特開2008−137998(P2008−137998A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296091(P2007−296091)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(500081990)ビーエイチエヌ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】