説明

皮膚特徴の定量分析

皮膚特徴が分析される。デバイスは、ユーザの皮膚領域のデジタル画像を取得する。プロセッサは、デジタル画像を定量的に分析して、注目している皮膚疾患を示す皮膚領域の全部または一部の特徴を判断する。定量分析の結果に応じて、プロセッサは、注目している疾患と関連する皮膚領域についての情報をユーザに提供する。ユーザに提供される情報は、確定的な医療診断に必ずしも十分ではなくて、精通した人が皮膚領域を診断しなければならないかどうかについてのユーザへの指示指標を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚特徴の定量分析に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、皮膚病変は、皮膚上にまたは皮膚内に異常特性を有する組織を含んでいる。一般に、皮膚病変には、悪性、前悪性、または良性があり、更に物理的な特徴に基づいて分類することができる。皮膚病変には色素沈着したものもあり、色素沈着していないものもある。色素沈着した悪性病変及び前悪性病変の例には、メラノーマ、いくつかの基底細胞癌及び扁平上皮細胞癌、並びに光線角化症が含まれる。色素沈着した良性病変の例には、低悪性度形成異常母斑、先天的母斑、及び脂漏性角化症が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,208,749号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮膚科医または他の医師は、患者の皮膚にある特定の病変がメラノーマを否定するための生検が行われなければならないかどうかを判断する。多くの良性の色素沈着病変と似ている早期のメラノーマ病変について判断を行うのは特に難しい。悪性病変及び良性病変についての皮膚科医による分析には、病変特徴についての主観による視覚的な評価が伴う。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様において、皮膚特徴を分析する装置は、皮膚領域のデジタル画像を取得するデバイス及び該デジタル画像を定量的に分析するプロセッサを含む。プロセッサは、注目している皮膚疾患を示している皮膚領域の全部または一部の特徴を判断し、該定量分析の結果に応じて、該注目している状態と関連している皮膚領域についての情報をユーザに提供する。情報には、精通した人が該皮膚領域を診断しなければならないかどうかについてのユーザへの指示指標を含んでいる。
【0006】
実施するには、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んでもよい。例えば、該情報には、注目している該皮膚疾患の分類が含まれてもよい。該情報は、確定的な医療診断には必ずしも十分ではないかもしれない。
【0007】
該定量分析には、該皮膚領域の全部または一部の特徴を該注目している状態に付随する閾値と比較することを含んでいてもよい。
【0008】
注目している皮膚疾患を示す該特徴は、一般集団において高特異度及び高感度を有していてもよい。特異度及び感度の両方は、一般集団において90パーセントより大きくてもよい。注目している皮膚疾患を示す該特徴は、医師による目視検査で識別されないかもしれない。
【0009】
皮膚領域の一部は、色素沈着した皮膚病変を含んでもよい。該注目している疾患には、悪性腫瘍を含んでもよい。該定量分析は、悪性腫瘍を否定することができるということまたは否定できないということを示唆することができる。
【0010】
該プロセッサは、該皮膚領域を精通した人に診断させる必要はないという指示指標をユーザに提供することができる。該プロセッサは、該皮膚領域を精通した人に診断させることが賢明であるという指示指標を提供してもよい。該ユーザは、認可された(所定のライセンスを有する)ヘルスケア提供者または医師でなくてもよい。該精通した人は医師であってもよいし、該ユーザは医師以外の人であってもよい。該精通した人は、皮膚科医以外の医師であってもよい。
【0011】
該装置は、可聴インジケータまたは可視インジケータを含み、それによって該注目する状態に関連する該皮膚領域についての情報を提供してもよい。
【0012】
該デバイスは、異なる時間に、該皮膚領域のデジタル画像を取得して、該異なるデジタル画像を定量的に分析することができる。該プロセッサは、各画像についての該定量分析の結果を比較して、該比較に基づいて、該皮膚領域の疾患の変化が生じたかどうかを示すことができる。
【0013】
該デバイスは、該皮膚に用いられてもよい。該デバイスは、該ユーザによって始動されて該デジタル画像を取得することができる。該装置の少なくとも一部は、手で持つことができる。
【0014】
別の態様において、定量分析が皮膚領域の画像について行なわれて、注目している疾患を示す皮膚領域の全部または一部の特徴が判断される。定量分析に基づいて、該注目している疾患に関連する該皮膚領域についての情報が、ユーザに提供されてもよい。該情報には、精通した人が該皮膚領域を診断するべきかどうかについてのユーザへの指示指標が含まれる。
【0015】
該情報は、確定的な医療診断に必ずしも十分でなくてもよい。
【0016】
該皮膚領域の画像は異なる時間に取得されてもよく、該画像の各々についての定量分析は、各画像について、該皮膚領域の全部または一部の特徴を判断するために行なわれてもよい。該定量分析の結果は、各画像について比較されてもよい。該皮膚領域の疾患の変化が生じたかどうかを示す情報が該比較に基づいてユーザに提供されてもよい。
【0017】
該精通した人は医師であってもよく、該ユーザは医師以外の者であってもよい。該精通した人は皮膚科医であってもよく、該ユーザは皮膚科医以外の医師であってもよい。
【0018】
別の態様において、人の皮膚は、人の皮膚の画像及び一般集団における人々の皮膚についての統計情報に基づいて、注目している疾患を特徴とするかどうかを定量的に判断される。該判断の質は、該注目している疾患と関連する該皮膚についての専門家による検査が望ましいかどうかを確実に示すのに十分である。
【0019】
別の態様において、人の皮膚の部位の画像が自動的に分析され、該皮膚の部位の疾患が人間の専門家によって更に分析されなければならないという指示指標が自動的に提供される。
【0020】
別の態様において、皮膚病変の画像についてのqABCDパラメータ値が、定量的に測定される。一般集団からの統計情報に基づいて、メラノーマでない病変及びメラノーマとして除外できない病変は、高感度及び高特異度で判断される。統計情報に基づいた該判断の結果の指示指標が提供される。
【0021】
別の態様において、皮膚病変の画像についてのqRINGパラメータ値が、定量的に測定される。人間の一般集団からの統計情報に基づいて、メラノーマでない病変及びメラノーマとして除外できない病変は、高感度及び高特異度で判断される。統計情報に基づいた該判断の結果の指示指標が提供される。
【0022】
以下の特徴のうちの1つまたは複数を含んで実施してもよい。qABCDパラメータ値の各々が、対応する閾値と比較されてもよい。該対応するqABCDパラメータ値が該対応する閾値より大きい場合、qABCD特徴はあると判断することができる。qABCDパラメータ値の各々が該対応する閾値未満の場合、qABCD特徴はないと判断することができる。
【0023】
qRINGパラメータ値の各々が、対応する閾値と比較されてもよい。該対応するqRINGパラメータ値が該対応する閾値より大きい場合、qRING特徴は存在すると判断することができる。qRINGパラメータ値の各々が該対応する閾値未満の場合、qRING特徴はないと判断することができる。
【0024】
各閾値を、撮像された皮膚病変の参考データベースから導き出してもよく、各閾値は、対応するqABCDパラメータ値またはqRINGパラメータ値の診断精度を最大にする。精通している人に該皮膚病変を診断させることについての妥当性の指示指標が、1つまたは複数のqABCD特徴またはqRING特徴がある場合に提供されてもよい。qABCD特徴及びqRING特徴の感度及び特異度は、90パーセントより大きくてもよい。
【0025】
別の態様において、装置は、皮膚病変を有する皮膚の部位のデジタル画像を取得するためのカメラを含む。該カメラに接続されたプロセッサは、該デジタル画像を定量的に分析して、該皮膚病変において、悪性腫瘍を示す特徴の存在を判断するようにプログラムされている。該特徴が存在する場合、該プロセッサは、該皮膚病変を精通した人に診断させるというユーザへの指示指標を提供することができる。該特徴が存在しない場合、該皮膚病変を精通した人に診断させる必要はないというユーザへの指示指標を提供することができる。装置はまた、該皮膚病変の画像及び該プロセッサによって提供される指示指標を表示するためのディスプレイを含む。
【0026】
他の特徴及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】ブロック図である。
【図1B】診療室の斜視図である。
【図2】ブロック図である。
【図3A】スクリーンショットである。
【図3B】スクリーンショットである。
【図3C】スクリーンショットである。
【図4】プロセス図である。
【図5】病変の図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
皮膚特徴分析デバイス2(この例について、病変分析デバイスと称される場合がある)を用いて皮膚病変または他の皮膚疾患を分析する方法の例を、図1Aに概略的に示す。この分析のステップが、図1Aを参照しておおまかに説明され、その後、各ステップ及びデバイスが更に詳細に説明される。
【0029】
従来、自分の体の皮膚病変が悪性かどうかについて知ることに関心がある人は、病変の診断を進める医療専門家を訪れる。医療専門家は、この病変が悪性腫瘍を否定するための生検を受ける必要があるかどうかを判断する。しかしながら、本発明によれば、その人は、医療専門家による診断が必要かどうかを示す情報を最初に得ることができる。
【0030】
図1Aに示すように、皮膚病変の疾患に興味があるユーザ4は、病変分析デバイス2を動作させて、例えば、該ユーザ4が病変についての専門家の検査を求めるべきかどうかを判断する。デバイス2は、例えばユーザの家庭、サービスセンターなどの非臨床設定においてか、あるいは、例えば診療室などの臨床設定で用いることができる。ユーザ4は、皮膚病変を有する患者、または容易にアクセスできない患者の体の部位に病変がある場合に患者を手助けする人であってもよい。ユーザが医師である必要はない。更に、ユーザ4が自分の皮膚に分析される病変を有する必要はない。
【0031】
いくつかの実施例において、デバイス2は、かかりつけの医者または皮膚科学を専門としない他の医師によって用いられてもよい。例えば、図1Bは、かかりつけの医者3が、オトスコープ5及びオプサルモスコープ7とよく似たデバイス2を自分の診療室の壁に設けることができるということを示している。かかりつけの医者3は、デバイス2を用いて、年1回の患者の健康診断の間に1つまたは複数の病変の予診を行うことができる。皮膚病変を更に分析する必要があるということをデバイス2が示すと、医師3は、皮膚科医または皮膚科学の分野が専門の他の医師に病変を診断させるよう患者にアドバイスすることができる。
【0032】
ユーザ4は、病変分析デバイス2を皮膚病変が含まれる皮膚の部位に用い、デバイスを作動させて病変のデジタル画像を取得させるようにする(101)。撮像された病変は、色素沈着しているかもしれないし色素沈着していないかもしれない。次に、病変分析デバイス2は、デジタル画像の定量分析を行い(103)、病変の疾患を示す1つまたは複数の特徴の有無を判断する。分析の結果として、デバイス2は病変の疾患に関する情報をユーザに提供する(105)。例えば、デバイス2は、病変が悪性である可能性は低いということか、または、皮膚科医などの医療専門家によって更に診断される病変がユーザにあるはずであるということを、ユーザ4に通知することができる。情報にはまた、デバイス2によって提供された結果に関係なく、変化している特徴がある病変を、医療専門家に診察されなければならないという警告を含むことができる。
【0033】
病変分析デバイス2の例が図2に示される。デバイスは、メモリ11及びCCDセンサなどのセンサを有する携帯用RGBデジタルカメラ10を含み、それによって、少なくとも3つのチャネルでデジタル画像を取得する。少なくとも3つのチャネルは、赤13、緑15、及び青17である。デジタルカメラの別個の付属品12は、照明器(14a及び14b)、偏光板16、及びガラスプレート18を含む。カメラ10は、デジタル入力部20a、メモリ20b、プロセッサ20c、及びディスプレイ20dを有するデスクトップコンピュータまたはラップトップコンピュータ20に接続されていてもよい。メモリ20bに保存されているソフトウェアは、プロセッサに受信画像の定量分析を行うよう指示する。あるいは、コンピュータは、パーソナル携帯情報機器(PDA)などの携帯用デバイスであってもよい。携帯用デバイスは、有線接続または無線接続を用いてカメラ10に取り付けられ得る。携帯用コンポーネントの使用によって、デバイス2全体が携帯用であるかまたはユーザの家庭に目立たないように保管されるようになる。更に、カメラ10、照明器(14a、14b)、偏光板16、ガラスプレート18、コンピュータ20、及びソフトウェア機能を、単一の自立型ユニットまたはPDAに統合することができる。
【0034】
カメラ10、付属品12、及びコンピュータ20を含む、デバイスについての全てのハードウェアコンポーネントは、市販のコンポーネントであってもよい。即ち、それらは、様々な使用のための既製品であり、一般の人々に販売中であるか、リースできるか、またはライセンスできる。従って、組立時間の減少及びコスト引き下げのおかげで安価な病変分析デバイスを製造することができる。画像を取得しかつ保存するための他の実施例が、同様に用いられてもよい。病変分析デバイス2は、インターネットなどのネットワーク22を介して他のコンピュータ24またはサーバ26にアクセスすることができる。デバイス2は、電話回線、ケーブル、または無線リンクなどの様々なネットワーク接続を用いて、ネットワーク22に接続されてもよい。
【0035】
図2はまた、デバイス2を用いて皮膚病変を含むかもしれない皮膚の部位を分析する方法についての概略図である。デバイス2は、ガラスプレート18が確実に皮膚と接触するように注目している皮膚の部位に対して配置される。しかしながら、明確にするために図2において、プレートは皮膚表面から少し離れて示されている。画像の取得を開始するために、ユーザ4は最初にデバイス2を作動させる。デバイスは、例えば、コンピュータ20のキーを押下することによってまたはカメラ4のボタンを押すことによって作動されてもよい。デバイスを作動させる他の方法が、同様に用いられてもよい。デバイスの作動に応じて、照明器(14a、14b)は光で皮膚の部位を照らす(201)。光路は、図2の矢印201、203、及び205で示されている。照明器(14a、14b)は、ブロードバンドまたは白色偏光を出力するいかなる光源であってもよい。あるいは、照明器によって出力される光は、ガラスプレート18に達する前に偏光されてもよい。照明器の例は、白色発光ダイオード及び白色光を含むが、他の白色光源が同様に用いられてもよい。
【0036】
光はガラスプレート18を通り、皮膚に反射し、ガラスプレート18に戻り(203)、次に正反射が最小にされるように偏光板16を通過する(205)。次に、偏光がデジタルカメラ10によって取得される。デジタルカメラ10は、少なくとも3つのチャネル(R、G、B)で皮膚の部位のデジタル画像を生成する。デジタル画像は、保存、表示、及び処理のためにカメラ10またはコンピュータ20に保存され得る。いずれにせよ、デジタル画像またはそのコピーは、カメラ10からコンピュータ20まで伝えられる。
【0037】
コンピュータ20は、カメラ10からデジタル画像を受信するためのデジタル入力部20aを有する。デジタル入力部20aには、カメラ10とコンピュータ20との間でデータを転送できるようにするいかなる従来のデバイスをも含むことができる。例えば、デジタル入力部20aは、汎用シリアルバス接続であってもよい。あるいは、デジタル入力部20aは、無線接続であってもよい。他のタイプのデジタル入力部が同様に用いられてもよい。メモリ20bは、カメラ10から受信するデジタル画像のほかに画像分析を制御するために用いられるソフトウェアも保存する働きをする。メモリ20bの例は、コンピュータのハードドライブ、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、フロッピディスク、CD−ROM、またはDVD−ROMを含む。他の適当な媒体が、同様に用いられてもよい。
【0038】
ソフトウェアの制御下で、プロセッサ20cは、受信画像について画像分析を行い、ディスプレイ20dに分析の結果を表示する。ディスプレイ20dの例は、ブラウン管モニタ、液晶ディスプレイモニタ、及びタッチセンサスクリーンを含む。他のディスプレイが同様に用いられてもよい。ユーザがディスプレイ20dで見ることができるものについての例示的なスクリーンショットを、図3A-3Cに示す。例示的なスクリーンショットは、色素沈着した皮膚病変を有する撮像された皮膚領域23及び定量分析に基づいて撮像された病変の疾患を報告するメッセージ25を含む。カメラの視野内に2つ以上の病変がある場合、各病変は別個に分析され、メッセージ25は、全ての病変について別個に報告する。受信画像及び結果はまた、ネットワーク22を介して別のコンピュータに自動的にまたはユーザの要求に応じて送信されてもよい。例えば、デバイス2が、病変は医療専門家による更なる診断が必要であるということを示す場合、画像データ及び定量分析データは、ユーザによって指定された診療室内のコンピュータ24に自動的に送信されてもよい。あるいは、病変の疾患は、可聴音インジケータまたは可視インジケータ(例えば、発光ダイオード)によって知らされてもよい。該インジケータにおいて、特定の音のインジケータまたは特定の色のインジケータを、病変は更なる診断が必要でない(例えば、良性である)ことを示すために用い、異なる音のインジケータまたは異なる色のインジケータを病変は更なる診断が必要であることを特定するために用いる。デバイスによって得られるデータはまた、ローカルにあるかまたは他のリモートのサイトにあるサーバ26にアップロードされてもよい。更に、デバイス2が病変を良性と認めることができない場合、デバイス2は、自動的に、または、ユーザの要求で、医師のコンピュータに電子要求を提出して、病変の診断の予約をすることができる(図3Aを参照せよ)。
【0039】
悪性疾患のスクリーニング検査に関係しない追加の病変情報を提供することもできる。例えば、デバイス2は、良性病変が属していると思われる副分類(例えば、脂漏性角化症、メラノサイト母斑等)を示すことができる。更に、病変についてサイズが大きくなっているかまたは色が変化しているかどうかをユーザが分からない場合、デバイス2は、一定期間にわたって病変の特徴を確認するために時間内の連続するポイントにおいて画像を保存するために用いられてもよい。次に、異なる画像についての定量分析の結果が比較されてもよい。分析によって病変が変化したということが示されると、デバイス2はユーザ4に通知して、医師による更なる診断を提案する(図3Cを参照せよ)。
【0040】
いくつかの実施例において、デバイス2はまた、デバイスが作動される事例の各々に基づいて支払いできるようにする。例えば、ユーザは患者のアカウント情報をデバイスに入力することができ、予め定められた数のデバイスの動作(それは、画像の取得及び分析を含む)の後に、ユーザに対する使用料が処理されるサーバ26にネットワークを介して、該アカウント情報が転送されてもよい。デバイス2を利用する他の支払い方法が、同様に取り入れられてもよい。
【0041】
プロセッサ20cにより実行され、皮膚の部位が良性病変または更なる診断が必要な病変を含むかどうかが判断されるステップは、次のセクションにおいて検討されるように、(1)画像較正、(2)画質管理、(3)病変のセグメンテーション、及び(4)病変の分析を含むことができる。
【0042】
図4は、病変画像が較正されかつ分割される方法の例を説明するブロック図である。第1のステップで、デジタル画像がカメラ10から、または、メモリ20bから読み出される(401)。画像の読み出しに続いて、デバイスによってもたらされる空間不均一性が、較正ステップにおいて除去される(403)。これらの不均一性は、デバイスにおける照明不均一性、光学収差、センサ要素の可変量子効率、及び他の不均一性によるかもしれない。これらの不均一性を修正するために、コンピュータはフラットフィールディング較正を行うことができる。フラットフィールディング較正は、各チャネルにおいて、白色較正画像によってピクセルごとに各受信画像を分割することによって不均一性を除去する。
【0043】
フラットフィールディングは、システムのための適当なカラーバランスも定める。白色較正画像は、デバイスによってもたらされる不均一性の尺度を持つために、均一の反射率の白色ターゲットを撮像することによって得られる。ユーザが較正画像を得ることを要求されないように、較正画像は、最初に使用する前にコンピュータのメモリに保存され得る。白色較正ターゲットはまた、較正画像を得るためにユーザに提供されてもよい。
【0044】
一旦受信画像が較正されると、画像は画質管理ステップにおいて質について分析される(405)。例えば、受信画像は、露出オーバ、露出不足、病変があるかどうか、病変が完全にカメラの視野内にあるかどうか、1つまたは複数のダークスポットが正常な皮膚特徴または髪によるものかどうか、かつ、それらのスポットが更なる画像処理を介して容易に除去されるかどうか、についてチェックされる。画質についての他のチェックが同様に行われてもよい。プロセッサ20cは、画像が品質チェックに引っかかると判断する場合、プロセッサは、画像が最撮影される必要があることを示すレポートをスクリーンに表示することができる(406)。あるいは、プロセッサは、画像を分析することができないというレポートを表示することができる。
【0045】
画質分析に続いて、画像はセグメンテーションアルゴリズムを用いて分割される(407)。セグメンテーションアルゴリズムの例は、特許文献1に開示されており、本明細書に全体として組み込まれている。一般に、画像分割は、受信画像を病変に属する部位及び正常な皮膚の部位に分割することを必要とする。
【0046】
病変分析の間、ソフトウェアは、臨床的特徴に対応する一組のパラメータに基づいて病変の画像を分析するようプロセッサ20cに命令することができる。分析を行った後に、プロセッサは、病変の疾患を示す情報をユーザに提供することができる。例えば、プロセッサ20cは、病変が良性であるということかまたは確定的な医療診断をするには不十分なデータであるということを判断し、続いてその算出の結果をディスプレイ20d上に掲示する(413)ことができる。
【0047】
病変の疾患を診断するのに役立つ色素沈着した病変の特徴の例は、ABCD特徴として公知の一組の4つのパラメータを含む。従来、これらの4つの特徴は、視覚的に判断され、メラノーマであるかもしれない色素沈着した皮膚病変を識別する主観的な手段を医師及び患者に提供している。ABCD特徴によって表される4つのパラメータは、病変の非対称性(A)、辺縁が不規則(B)、色調が不規則(C)、及び病変の直径(D)である。
【0048】
ABCD特徴は通常視覚的に判定されるが、それらの特徴を画定しかつ定量化して色素沈着した皮膚病変をメラノーマについて分析する客観的な手段を提供することは可能である。ABCD特徴に対応する定量的なABCD特徴(qABCDと称される)は、病変を含む分割されたデジタル画像の各々に一組の数学的アルゴリズムを適用することによって得られる。一般集団において、少なくとも1つのqABCD特徴を有することは、メラノーマに対する高感度を有し、同時に高特異度を有する。感度とは、メラノーマがある患者に正しく類別されているという蓋然性であり、特異度とは、良性病変が当該患者に正しく類別されているという蓋然性である。
【0049】
しかしながら、皮膚科医によって生検が行われた病変の中で、qABCD特徴は、他の色素沈着した皮膚病変からメラノーマを完全に識別することができない。従って、qABCD特徴は、単独で、メラノーマについての医療診断に十分でないかもしれないが、更なる診断が必要な色素沈着した皮膚病変の最初の識別としてなお有効である。
【0050】
従って、いくつかの実施例において、デバイス2は、qABCD特徴が撮像された色素沈着した病変にあるかどうかを判断するようにプログラムされてもよい。プロセッサ20cは、対応する数学的アルゴリズムからqABCD特徴の各々についての値(qABCD値と称される)を算出する(409)。次に、qABCD値の各々は対応する閾値と比較される(411)。qABCD値が閾値を超えている場合、qABCD特徴があると判断される。qABCD値が閾値未満である場合、qABCD特徴はないと判断される。プロセッサ20cは、最低でも1つのqABCD特徴が撮像された病変にあること確認すると、この病変についての専門的医療診断を得なければならないということを示すレポートをディスプレイ20dに提供する。あるいは、qABCD特徴の最低数を、2つ以上に増やすことができる。qABCD特徴が存在しない場合、プロセッサ20cは、病変がメラノーマである可能性は低いことを示すレポートをディスプレイ20dに提供する。レポートはまた、医師のコンピュータにネットワークを介してアップロードされてもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、コンピュータ20にもよって提供されるレポートはまた、カラーまたは異なるスペクトル帯で撮像された病変の表示を含むことができる。いくつかの実施例において、レポートは数学的アルゴリズムで提供される画像分析データのほかに閾値もまた含むことができる。更に、レポートは2つ以上の病変についての画像分析結果を比較することができる。例えば、ある期間にわたって分析されてきた病変の画像を、対応する画像分析データとともに、並べて比較表示することができる。
【0052】
上記に説明したように、数学的アルゴリズムがデジタル画像に適用されてqABCD特徴の各々についてのqABCD値が得られる。かかるアルゴリズムの例についての検討は、特許文献1で見つけられる。病変の非対称性(A)アルゴリズムは、病変の幾何学的非対称性の測定を提供する。この値を決定するために、病変の画像から生成されるバイナリマスクが用いられて、病変の幾何学的位置が診断される。通常、マスクは画像分割ステップの間に生成され(407)、後の使用のためにメモリに保存される。
【0053】
撮像された病変が期間にわたってまたは他の病変と比較されることになっている場合、病変の非対称性の値は画像における病変の幾何学的位置から独立していなければならない。従って、バイナリマスクの画像を、病変の幾何学的位置の角度θで回転させて、病変の主軸(xp,yp)を画像軸に整列させる(図5を参照せよ)。角度θは、病変マスクに基づいて計算される。対称性を持つ病変については、主軸は対称軸である。一旦マスクが回転されると、病変の非対称性を主軸について判断することができる。主軸の各々について、主軸の反対側に対応する部分がない病変のピクセルの割合が決定される。非対称性値は、2本の主軸についてのこれらの割合の合計であり、よって病変の幾何学形状における非対称性の測定である。非対称性についての他の測定が用いられてもよい。
【0054】
辺縁の不規則性(B)アルゴリズムは、測定された病変の周囲と病変と同じ領域を有する円の周囲との比率と定義されることが多い。しかしながら、周囲を再現可能な方法で測定するのは困難であるので、辺縁の不規則性についての統計的記述子が用いられてもよい。更に、多くの病変は細長く、比較病変の形状として円形よりも楕円形がより近似しているかもしれない。
【0055】
統計的記述子が細長い病変について用いられることになっている場合、バイナリの病変のマスクを用いて病変の明度の重心、幾何学的位置の角度、及び縦横比が最初に決定される。縦横比は、
【0056】
【数1】

【0057】
と定義される。ここで、ダッシュ記号は、病変の主軸よって画定される座標系をいい、下付き文字cは、病変の明度の重心を表す。更に、角ブラケットは、明度のモーメントを示す。
【0058】
次にこれらの値を、病変の辺縁の最良正規近似である楕円形を作図するために用いることができる。病変の辺縁ピクセルの各々について、当該ピクセルを病変の重心に接続している線と横軸との間の角度が決定される。楕円形の辺縁上の位置を同じ角度について決定し、楕円の辺縁と病変の辺縁との間の距離の分布を計算する。次に、辺縁の不規則性値を、この分布の標準偏差対平均値の比率と定義することができる。
【0059】
色調の不規則性(C)アルゴリズムは、700nmに中心があるスペクトル帯における病変のピクセルのすべてにわたる反射率の標準偏差に対する平均反射率の比率と定義される。病変の反射率のピクセル毎の変動性は、赤色スペクトル帯、即ち、650nmから700nmの間の波長について最大があるように示されてきたので、700nmの波長が用いられる。しかしながら、赤色センサまたはフィルタのスペクトル帯が700nmに中心にないかもしれないので、他の波長が同様に用いられてもよい。
【0060】
病変の寸法(D)アルゴリズムは、病変が円形である例はめったにないので、病変の直径の代わりに病変の辺縁上の2つのピクセルの間の最大距離(ミリメートルで)と定義される。
【0061】
撮像された色素沈着した病変に関して上記のアルゴリズムを用いて得られたqABCD値の各々を、対応する閾値に対して評価してqABCD特徴があるか否かを判断する。閾値は、特定の撮像システムのために事前に算出されて、最初に使用する前にデバイス2に保存されてもよい。事前に算出された閾値は、以前に撮像されて生検を行われた色素沈着した皮膚病変を含んでいるサンプルデータベースにおいて対応するqABCD特徴の診断精度を最大にするqABCD値として算出される。生検を行われた病変のサンプルデータベースは、臨床的に評価された悪性メラノーマ及び良性病変の両方を含む。診断精度は、DA=TP/(TP+FN+FP)と定義され得る。ここで、TPは真陽性(サンプルデータベースにおいてメラノーマと正しく特定された)の数であり、FNは偽陰性(サンプルデータベースにおいて良性と間違って特定された悪性病変)の数であり、FPは偽陽性(データベースにおいて悪性と間違って特定された良性の病変)の数である。しかしながら、異なる撮像デバイスは、異なる空間分解能、光のスペクトルの変化を設ける異なる照明器、異なるセンサ性能、及び異なる熱雑音を有していてもよい。従って、同じ閾値が、全ての撮像デバイスについて用いられなくてもよく、各撮像システムについて独自に決定される必要があるかもしれない。更に、更新された閾値が、サーバまたは他のコンピュータからネットワーク接続を介してダウンロードされることによって得られてもよい。
【0062】
qABCD以外の臨床的病変特徴が、デバイス2によって評価されてもよい。例えば、qRING特徴として公知の病変の特徴の別の一組が、qABCD特徴に類似した方法で評価されてもよい。RINGからなる頭字語は、以下のパラメータを意味する。即ち、平均病変反射率(R)、斑(blotchiness)で測定される病変の不均一性(I)、乳頭間隆起の不規則性で測定される病変のネットワークの不規則性(N)、及び病変の辺縁の傾斜(G)である。ここで、乳頭間隆起は真皮乳頭の間で下方へ伸びる表皮肥厚である。平均病変反射率についての値は、赤色スペクトル帯で記録されるデジタル画像を用いて決定される。病変の不均一性、ネットワークの不規則性、及び辺縁の傾斜についての各値は、青色スペクトル帯で記録されるデジタル画像を用いて決定される。赤色スペクトル帯及び青色スペクトル帯の両方でのデジタル画像は、カメラ10のセンサの赤色チャネル及び青色チャネルから得ることができる。qABCDと同様に、定量的RING(qRING)特徴は、qRING値を対応する閾値と比較することによって検証される。該閾値は、サンプルデータベースを用いて事前算出される。1つまたは複数のqRING特徴が病変画像にあると判断される場合、専門家による医学的評価を受けるべきであるということを示すレポートがディスプレイ20dに提供されてもよい。他の病変特徴が同様に分析されてもよい。
【0063】
qRING特徴は、専門家が皮膚病変を評価するために従来用いてきた目に見える特徴と直接対応しないが、qRING特徴は、臨床的に評価されてきた病変についてqABCDよりも良い感度及び良い特異度を提供する。
【0064】
上記で特定された特徴はメラノーマの可能性を特定するために用いられるが、デバイス2はまた、例えば、光線角化症、乾癬、基底細胞癌、及び扁平上皮細胞癌を含み、医師によって診断されなければならない他の色素沈着した皮膚病変及び色素沈着がない皮膚病変を特定することができる。
【0065】
特定の実施例は、以下の利点のうちの1つまたは複数を有することができる。病変分析デバイスは、客観的にかつ自動的に病変特徴を判断して、該特徴の臨床評価と直接比較する。更に、病変分析デバイスは、病変を特定するための客観的な道具として用いられてもよい。更に、デバイスは、皮膚科医または他の医師による診断を必要としない色素沈着した皮膚病変の予備的な分析を提供することができる。
【0066】
他の実施例及び特徴は、特許請求の範囲内にある。
【0067】
例えば、人の皮膚についての注目している他の疾患が撮像されて、画像が定量的に分析されて専門家による追加分析が望ましいかどうかが判断されてもよい。かかる疾患には、他の皮膚の健康関連疾患のほかに、例えば加齢または美容に関連する化粧による疾患などの健康関連でない他の皮膚の疾患もまた含んでいる。注目している皮膚表面または皮膚内部に関するあらゆる疾患が、かかる分析の対象であり得る。いずれの場合にも、一般集団についての統計データを、確定的であるほど必ずしも十分正確ではないが、専門家による再検査の必要性を示唆するほど十分正確であるといった定量的決定を行うための基礎として用いることができる。例えば、ユーザは、健康関連の皮膚疾患または化粧による皮膚疾患が何らかの化学成分による治療の影響を受けやすいかどうか、または、専門家による更なる診断がその問題の最終決定を行うために役立つかどうかをアドバイスされてもよい。
【0068】
上記の検討において挙げられた例では、デバイスはカメラ、照明器、及びコンピュータとして示されているが、市販の機器を用いる多種多様な他の実施例が、現在かつ将来において可能である。デジタルカメラにおいて直接処理を行うこと及びカメラのスクリーンに結果を表示することも可能になる。照明器は、特定の環境において不要かもしれない。コンピュータは、様々な携帯用デバイスに代替されてもよい。最終的には、デジタルカメラ及び携帯電話のオンボード処理機能を用いて、全プロセスを実行しかつ電話機のスクリーンに結果を表示することができるかもしれない。
【0069】
いくつかの実施例において、デバイスはボディマップ画像を表示し、ボディマップ画像上でユーザはデバイスによって分析された領域または分析される領域を特定することができる。更に、タッチセンサ式のディスプレイによって、ユーザがボディマップ画像上で病変部位を選択できるようにしてもよい。
【0070】
以前に検討したいくつかの例は、一般集団内の人によるまたは皮膚科医もしくは皮膚科医以外の医師を含む医師によるデバイスの使用に言及してきたが、ユーザは、多種多様な他の役割のうちのいずれかの役割を持つことができる。該他の役割には、2、3例をあげると、看護士、医療補助員、医療従事者、小売店員、美容師、介護士、トレーナ、コーチ、薬剤師、家族、または、友人が含まれる。
【0071】
更に、精通した人は、皮膚科医以外の者であってもよい。例えば、2、3例をあげると、皮膚科医以外の医師、医療従事者、または美容師である。
【0072】
皮膚を分析されている人は、前に説明したいくつかの実施例において示唆したように、患者である必要はなくて、一般集団におけるあらゆる役割を持つあらゆる人であってもよい。2、3例をあげると、運動選手、パフォーマ、ティーンエイジャ、消費者、または旅行者が含まれる。
【0073】
分析が行われ得る状況は、前に名前を挙げられた場所に限定される必要はなくて、分析が行われることが便利であるかまたは望ましいあらゆる場所を含むことができる。2、3例をあげると、例えば、診察室、外来診察室、薬局、待合室、空港、小売店、学校、ナースオフィス、勤務先、クルーズ船、海の家、またはリゾート施設が含まれる。
【0074】
分析デバイスは、広範なフォームファクタで実施されてもよい。該フォームファクタには、携帯用デバイス、デスクトップデバイス、建物、部屋、車両に取り付けられたデバイス、及びかかる分析が望ましいかまたは便利である他の場所が含まれる。
【0075】
分析の特異度レベル及び感度レベルは、ある範囲にわたって変化することができて、なおユーザに役立つ情報を提供することができる。
【0076】
様々な定量分析を、ユーザに提供されるべき情報を得るために用いることができる。
【0077】
分類が適用される母集団は、一般集団である必要はなくて、例えば、民族的背景、皮膚色、地理学、性別、または年齢などの、様々な人口統計学的特徴によって限定された母集団であってもよい。
【0078】
分析で用いられるパラメータは、全て目に見えるよく知られている皮膚特徴に対応するパラメータであってもよいし、全てあらゆるよく知られている目に見える皮膚特徴に対応していないパラメータであってもよいし、または当該二つのものが混じり合っていてもよい。
【0079】
多種多様なディスプレイ技術及びオーディオ技術が、定量分析の結果をユーザに示すために用いられてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚領域のデジタル画像を取得するデバイスと、
前記デジタル画像を定量的に分析して、注目している皮膚疾患を示す前記皮膚領域の全部または一部の特徴を判断し、かつ
前記定量分析の結果に応じて、注目している前記疾患と関連する前記皮膚領域についての情報をユーザに提供するプロセッサと、
を含み、
前記情報には、精通した人が前記皮膚領域を診断しなければならないかどうかについてのユーザへの指示指標が含まれていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記定量分析には、前記皮膚領域の全部または一部の前記特徴を前記注目している疾患に付随する閾値と比較することが含まれることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記皮膚領域の一部は、色素沈着した病変を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記注目している疾患は、悪性腫瘍を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記定量分析は、悪性腫瘍を除外できないことを示唆することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記皮膚領域を医師に診断させることの妥当性の指示指標をユーザに提供することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記定量分析は、悪性腫瘍を除外できることを示唆することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記皮膚領域を精通した人に診断させる必要はないという指示指標を提供することを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記精通した人は医師であり、前記ユーザは医師でないことを特徴とする請求項1、6または8記載の装置。
【請求項10】
前記精通した人は皮膚科医であり、前記ユーザは皮膚科医以外の医師であることを特徴とする請求項1、6または8記載の装置。
【請求項11】
前記ユーザは、認可されたヘルスケア提供者でないことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記デバイスは、異なる時間に前記皮膚領域の異なるデジタル画像を取得し、前記プロセッサは、前記異なるデジタル画像の各々を定量的に分析することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、各画像についての前記定量分析の結果を比較し、前記比較に基づいて、前記皮膚領域の疾患の変化が生じたかどうかを示すことを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記指示指標を提供するための可聴インジケータまたは可視インジケータを更に含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記デジタル画像を取得する前記デバイスは、前記皮膚に用いられることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記デバイスは、前記ユーザに始動させられて前記デジタル画像を取得することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項17】
前記装置の少なくとも一部は、手で持てることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項18】
前記ユーザに提供された前記情報は、前記注目している皮膚疾患の分類を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項19】
注目している皮膚疾患を示す前記特徴は、高特異度及び高感度を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項20】
前記特異度及び前記感度の両方は、一般集団において90パーセントより大なることを特徴とする請求項19記載の装置。
【請求項21】
注目している皮膚疾患を示す前記特徴は、医師による目視検査で認識できないことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項22】
皮膚領域の画像について定量分析を行って、注目している疾患を示す前記皮膚領域の全部または一部の特徴を判断するステップと、
前記注目している疾患に関連する前記皮膚領域について、前記定量分析に基づく情報をユーザに提供するステップと、
を含み、
前記情報には、精通した人が前記皮膚領域を診断しなければならないかどうかについてのユーザへの指示指標が含まれることを特徴とする方法。
【請求項23】
異なる時間に前記皮膚領域の画像を得るステップと、
前記画像の各々について定量分析を行って、各画像について、前記皮膚領域の全部または一部の特徴を判断するステップと、
各画像について前記定量分析の結果を比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記皮膚領域の疾患の変化が生じたかどうかを示す情報をユーザに提供するステップと、
を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記精通した人は医師であり、前記ユーザは医師でないことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記精通した人は、皮膚科医であり、前記ユーザは皮膚科医以外の医師であることを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項26】
人の皮膚の画像に基づいてかつ一般集団内の人々の皮膚に関する統計情報に基づいて、前記人の皮膚は注目している疾患によって特徴づけられるかまたは特徴づけられないかを定量的に判断するステップを含み、
前記判断の質は、注目している前記疾患に関連する前記皮膚についての専門家による診察が望ましいかどうかを確実に示すのに十分であることを特徴とする方法。
【請求項27】
人の皮膚の部位の画像を自動的に分析するステップと、
前記皮膚の部位の疾患が人間の専門家によって更に分析されなければならないという指示指標を自動的に提供するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
皮膚病変の画像からqABCDパラメータ値を定量的に判断するステップと、
一般集団からの統計情報に基づいて、高感度及び高特異度で、メラノーマでない病変とメラノーマを除外できない病変とを区別するステップと、
統計情報に基づく前記判断の結果の指示指標を提供するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
qABCDパラメータ値の各々を対応する閾値と比較するステップと、
対応するqABCDパラメータ値が前記対応する閾値より大なる場合に、qABCD特徴があると判断するステップと、
qABCDパラメータ値の各々が前記対応する閾値未満の場合に、qABCD特徴はないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
撮像された皮膚病変のリファレンスデータベースから閾値の各々を得るステップを含み、前記閾値の各々は対応するqABCDパラメータ値の診断精度を最大にすることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
qABCD特徴が前記1つまたは複数の前記皮膚病変内にある場合に、前記皮膚病変のうちの1つまたは複数を精通した人に診断させることについての妥当性の指示指標を提供するステップを含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項32】
前記感度及び前記特異度が90パーセントより大なることを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項33】
皮膚病変の画像のqRINGパラメータ値を定量的に判断するステップと、
一般集団からの統計情報に基づいて、高感度及び高特異度で、メラノーマでない病変とメラノーマとして除外できない病変とを区別するステップと、
統計情報に基づく前記判断の結果についての指示指標を提供するステップと、
を含む方法。
【請求項34】
qRINGパラメータ値の各々を対応する閾値と比較するステップと、
対応するqRINGパラメータ値が前記対応する閾値より大なる場合に、qRING特徴があると判断するステップと、
各qRINGパラメータ値が前記対応する閾値未満の場合に、qRING特徴がないと判断するステップと、
を含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項35】
撮像された皮膚病変のリファレンスデータベースから閾値の各々を得るステップを含み、前記閾値の各々は対応するqRINGパラメータ値の診断精度を最大にすることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
1つまたは複数のqRING特徴がある場合に、前記皮膚病変を精通した人に診断させることについての妥当性の指示指標を提供することを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記特異度及び前記感度が90パーセントより大なることを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項38】
皮膚病変を含む皮膚部位のデジタル画像を取得するためのカメラと、
カメラに接続されているプロセッサと、
を含む装置であって、
前記プロセッサは、以下のようにプログラムされており、
前記以下のことは、
前記デジタル画像を定量的に分析して、前記皮膚病変内に悪性腫瘍を示す特徴の存在を判断し、
前記特徴がある場合に、精通した人に前記皮膚病変を診断させる指示指標をユーザに提供し、
前記特徴がない場合に、精通した人に前記病変を診断させる必要がないという指示指標をユーザに提供する、
ことであり、
前記装置は更に、
前記プロセッサによって提供される前記皮膚病変の画像及び前記指示指標を表示するためのディスプレイを含むことを特徴とする装置。
【請求項39】
前記情報は、確定的な医療診断には必ずしも十分でないことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項40】
前記情報は、確定的な医療診断には必ずしも十分でないことを特徴とする請求項22記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−520774(P2010−520774A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551872(P2009−551872)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/055470
【国際公開番号】WO2008/109421
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(509035026)エレクトロ−オプティカル サイエンシス インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】