説明

皮膚角質剥離用化粧料組成物

本発明は、酵素を含有する化粧料組成物に関し、より詳細には、1)パパイン;及び2)テアニン及びN−アセチルグルコサミンよりなる群から選択された1種以上を有効成分として含有することによって、皮膚ターンオーバーサイクルを調節し、皮膚角質剥離を促進させるように製造した化粧料組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素を含有する化粧料組成物に関し、より詳細には、1)パパインと、2)テアニン及びN−アセチルグルコサミンよりなる群から選択された1種以上とを有効成分として含有することによって、皮膚のターンオーバーサイクルを調節し、皮膚角質剥離を促進させるように製造した化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
角質層は、外部と直接接触する最外層であって、物理的、化学的な危険要素から皮膚及び身体を保護している。角質層の構成は、ケラチンと呼ばれる蛋白質50%、脂肪20%、水溶性物質23%及び水分7%からなる。皮膚細胞は、継続して生成されるので、既存の皮膚細胞は次第に角質層に上がってくるようになり、角質層に到着した細胞は、いわゆる「角質」と呼ばれる扁平な死細胞であって、一日にも数百万個の死んだ角質細胞が皮膚から剥離され、新しい角質細胞に交替される作用(ターンオーバー)が生じる。「ピーリング(Peeling)」は、言葉そのまま皮膚表皮で死んだ細胞層を剥離し、新しい皮膚が再生されるようにすることを言う。元より、皮膚は、古くなった角質を自然に落とし、新しい皮膚が上がってくるターンオーバー周期を自然的に形成するが、年を取るほど、または乾燥、紫外線及びストレスなどの周辺環境によって自然的に脱落されずに、残るようになる。したがって、ピーリングという人工的な方法で老化角質を除去することによって、ふさがっている皮膚の再生周期を回復させることができ、下部で生成された新鮮な細胞を上側に押し上げ、清らかで且つきれいな皮膚を維持することができる。
【0003】
このようなピーリングのための化粧料について説明する。
(1)化学的ピーリング製品(Chemical Peeling)
化学的ピーリング製品は、酸成分を利用した製品であって、最も速い効果を見ることができる方法である。化学的ピーリングの原理は、酸の作用で皮膚上の厚い角質層の連結環を緩んで、適時に落とさない過剰の角質を軟化させ、 洗顔などを通じてよく除去されるように助けるものである。化学的ピーリング剤は、皮膚科の剥皮施術でも最も多く使われている。
【0004】
家で化学的ピーリング製品を使用する時には、使われる酸の種類と含量をあらかじめ調べ、皮膚に適合した製品を選択することが重要である。また、人工的に老化角質を除去するので、一時的に角質の量が減少し、外部環境に対する皮膚保護が弱くなることができる。したがって、ピーリング製品を使用した後、昼に活動する時には、紫外線遮断剤を共に使用することが良い。
【0005】
化学的ピーリングに主に使われる有効成分について説明する。
(a)AHA(アルファ(α)ハイドロキシ酸、Alpha Hydroxy Acid)
AHAは、最も代表的な化学的角質除去成分であって、酸の作用で角質層で角質間の連結環を除去するのに役立つものであり、角質を軟らかく溶かす効果を示す。具体的に、AHAに該当する成分は、次の通りである。
【0006】
−グリコール酸(Glycolic Acid):AHAを代表し、化粧品で最も多く使われる成分であって、皮膚浸透力に優れていて、角質除去能力に優れている。皮膚科で主に使われる成分でもある。
−乳酸(Lactic Acid):我らの皮膚表面の天然保湿因子(NMF)成分の1つである乳酸は、グリコール酸の次に化粧品に多く利用されている。腐った牛乳(Sour Milk)とトマトジュースなどから抽出される成分であって、これもまた皮膚科で使われる。
その他、りんごから抽出するりんご酸(Malic Acid)、ミカンとオレンジ成分であるクエン酸(Citric Acid)、葡萄酒から出る酒石酸(Tartaric Acid)などが挙げられる。
【0007】
(b)BHA(ベータハイロキシ酸、Beta Hydroxy Acid)
BHAは、AHAと同様に、代表的な化学的角質除去成分の1つであって、化粧品などで最も多く見ることができるBHA成分としては、サリチル酸(salicylic acid)が挙げられる。AHAと異なって、BHAは、脂溶性であるから、にきび部位に角質が過度に積んでいる部位を効果的に除去することによって、皮脂分泌が多く、にきびがよく出る皮膚にも浸透しやすくて、にきび用製品に多く使われている。このような化学的角質除去剤は、短期間内に優秀な効能を示すことができるが、皮膚刺激が生じやすく、効果が長く持続しないという短所を有する。
【0008】
(c)酵素
角質層には、蛋白質が多く存在するので、「蛋白質分解酵素」を使用すれば、角質層に存在する角質間の連結環を切断する効果を奏することができる。この原理を応用して、外部から生じた古くなった角質や不均一な老朽角質を除去するものである。代表的に利用される酵素としては、植物性蛋白質分解酵素である「パパイン酵素」が挙げられる。酵素を利用した角質除去は、刺激が少なくて、敏感性皮膚の角質管理に有用であるが、化粧品内で酵素活性の安定化が難しいという短所を有する。
【0009】
(2)物理的ピーリング製品(Physical Peeing)
物理的ピーリング製品は、粒で摩擦を起こし、角質を除去する「スクラップ剤」から最近微細粒子と付加効能成分を共に利用した「微細剥皮製品(Micro dermabrasion)」まで次第に多様化している。微細剥皮製品は、微細な粒子を皮膚に塗布した後、手つきで物理的な刺激を加えて、老化された角質を剥離させる効果を奏する製品である。皮膚科では、手つきの代わりに研摩機械を使用して物理的刺激を加えたり、又は、強い圧力を用いて微細粒子を皮膚に直ちに噴射し、皮膚を薄く剥く。物理的ピーリング製品は、微細粒子の形態とサイズによって多様に市販されているが、物理的刺激を与える製品であるから、皮膚敏感度に適合した粒子が含有された製品を選択することが必須である。
【0010】
角質細胞は、次々と継続して形成されるが、最外郭層の古くなった角質細胞が脱離するため、一定の厚さを維持しているが、このように常に新しい細胞層が位置変化することをターンオーバー(Turn Over)という。部位や年齢によって異なるが、正常皮膚でこの表皮のターンオーバーは、約4週間所要される。このような角質層が正常的に剥離されずに、皮膚表面に残っている場合には、角質層は厚くなり、顔色は、くすんでいて、暗くなる。また、皮膚表面や毛髪の毛嚢に残っている不純物は、酸素や微生物により酸化されたり、分解され、この物質は、炎症のような皮膚トラブルを起こす。このような不純物の主成分は、ケラチンであり、これは、細胞が死んだ後にも、皮膚表面に残るようになり、汗中の蛋白質も汗を流した後に、皮膚表面に残るようになる。ケラチンは、分子量が大きくて、且つ不溶性であり、よく分解されないため、洗浄剤単独では容易に除去されないが、酵素を利用して、小さく分解することによって、効果的に除去することができる。このように安定した蛋白質分解酵素を使用すれば、皮膚表面に付着されたケラチン層を除去し、さらに軟らかい皮膚に形成することができる。
【0011】
最近まで化粧品に使われている蛋白質分解酵素は、大部分植物由来の蛋白質分解酵素であるパパイン、ブロメライン(bromelain) などが代表的である。しかし、これらは、ケラチンを効果的に分解しないため、原料の抽出と輸送過程などにより活性を消失したり、製品が長期間にわたって活性度を維持しないものと知られている。また、皮膚表面の角質を効果的に除去する目的で使われるアルファ(α)ハイドロキシ酸は、低いpHに起因して皮膚刺激が発生し、反復使用時に皮膚表面が弱くなるという理由から使用が次第に減少していることが現況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これより、本発明者らは、皮膚細胞の生成及び剥離に関するさらに根本的なメカニズムを研究し、皮膚細胞のターンオーバー周期を調節することによって、パパインの優秀な皮膚安全性を維持しながらも、高い角質剥離効能を付与するだけでなく、その効果を長く持続させるための酵素の組合と濃度を研究した結果、各段階で最適の効能を示す成分であるパパイン及びテアニン及び/またはN−アセチルグルコサミンを組み合わせて使用することによって、皮膚上の死んだ細胞である角質を安全で且つ効果的に除去することができることを確認し、本発明を完成するように至った。
【0013】
したがって、本発明の目的は、パパイン及びテアニン及び/またはN−アセチルグルコサミンを有効成分として含有する化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明では、1)パパインと、2)テアニン及びN−アセチルグルコサミンよりなる群から選択された1種以上とを有効成分として含有することによって、皮膚ターンオーバーサイクルを調節し、皮膚角質剥離を促進させるように製造した化粧料組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、皮膚に安全な蛋白質分解酵素の機能を上昇させるための酵素の組合に関する。既存によく知られたパパインは、パパイヤで得られる植物性酵素であるが、これは、ケラチンを溶解させる能力があるパパイヤ酵素であって、過酸化脂質や汚染された角質を除去する。本発明では、このようなパパインにN−アセチルグルコサミン(N-acetyl glucosamine)と緑茶から抽出したアミノ酸(amino acid)であるテアニン(Theanine)を用いて角質剥離効能を増大させることができると共に、皮膚安全性を維持することができる。
【0016】
既存の酵素を利用した角質剥離製品は、主にパパイン酵素の表皮上での角質剥離(exfoliation)機能にのみ依存していた。しかしながら、より根本的な角質剥離のためには、表皮上での角質剥離だけでなく、皮膚顆粒層と基底層での新しい細胞生成と分化が活性化される場合、皮膚ターンオーバーを促進させることができ、皮膚恒常性を維持することができるようになる。N−アセチルグルコサミンは、皮膚基底層で新しい細胞の形成及び活性に大きく役立つものであり、テアニンは、特に、皮膚顆粒層での皮膚細胞の分化(Differentiation)を促進する機能がある。
【0017】
各成分の機能についてさらに詳しく説明すれば、本発明で使用するN−アセチルグルコサミンは、安定した形態のグルコサミンである。N−アセチルグルコサミンは、チロシナーゼの前駆体(pro-tyrosinase)がグリコシレーション (glycosylation) されることを阻害するが、これは、UVで損傷された皮膚細胞でメラニンが過度に形成されるにあたって重要な過程である。
【0018】
本発明では、このような生体内外に対する研究を通じてN−アセチルグルコサミン成分が過度な色素沈着、皮膚トーン及び境界機能(barrier function)を改善するのに効果があることを明らかにした。N−アセチルグルコサミンがヒアルロン酸(hyaluronic acid)の生成を促進するものであることが知見されたが、この酸は、皮膚保湿(hydration)に重要な成分であり、また、コラーゲン(procollagen-1)発現を増加させる。人で皮膚保湿改善は、顔、特に目部位での細い線とシワの出現を減少させる。改善された皮膚トーンと保湿は、コラーゲン構造において改善だけでなく、ヒアルロン酸の合成にN−アセチルグルコサミンが作用する結果に起因するものと考えられる。このような機能を有するN−アセチルグルコサミンを角質剥離用製品に共に使用する場合、皮膚基底層での細胞生成と活性に大きく役立つものであり、結果として、皮膚ターンオーバーを促進させる効果が生じるようになる。
【0019】
本発明で使用するテアニン(theanine、green tea amino acid)は、緑茶から由来した独特のアミノ酸であるが、長期水分保湿力に非常に優れた能力を有するだけでなく、皮膚再生にも効果がある。向上した皮膚再生力で健康な細胞を皮膚上により活発に押し上げるようになり(すなわちターンオーバー周期を減少させる)、このような効果は、角質の剥離だけでなく、角質が剥離された後の皮膚恒常性の維持に役立つものである。
【0020】
本発明では、化粧料組成物の総重量に対してパパイン0.1〜5.0重量%、テアニン0.1〜5.0重量%及び/またはN−アセチルグルコサミン0.1〜5.0重量%を有効成分として含有する角質剥離用化粧料組成物を提供する。
【0021】
前記パパインの含量が0.1重量%未満である場合は、実質的な角質剥離効能を示さないという問題があり、5.0重量%を超過する場合は、皮膚刺激の危険がある。テアニンもやはり、含量が0.1重量%未満である場合は、皮膚顆粒層での皮膚細胞の分化(Differentiation)を促進させないという問題があり、5.0重量%を超過する場合は、皮膚刺激及び変色/変臭問題があり、N−アセチルグルコサミンの含量が0.1重量%未満である場合は、皮膚保湿に役立たず、5.0重量%を超過する場合は、皮膚刺激及び変色/変臭問題が発生する。
【0022】
前記パパイン成分は、主に表皮上で角質を軟化させ、最終剥離させる機能を担当し、テアニンは、主に顆粒層での細胞分化促進を通じて皮膚ターンオーバーを加速化させる。N−アセチルグルコサミンは、基底層で細胞生成及び活性を促進させることによって、顆粒層と表皮への細胞供給を円滑にする。したがって、パパイン成分にN−アセチルグルコサミン(N-acetyl glucosamine)と緑茶から抽出したテアニンを共に使用する場合、角質剥離効果が急激に上昇することを人体皮膚実験を通じて知見した。このような成分を組み合わせて製造した本発明の化粧料組成物は、皮膚上の死んだ細胞である角質を安全で且つ効果的に除去することができた。すなわち、3段階の均衡ある循環で皮膚恒常性が維持されると共に、安全で且つ効果的に皮膚角質剥離及び健康を維持させることができる。本発明による化粧料組成物は、皮膚細胞生成及び剥離に関連したさらに根本的なメカニズム研究の成果であり、各段階で最適の効能を示す成分を組み合わせることによって、その効果を高めようとした。
【0023】
本発明による角質剥離用化粧料組成物は、前記有効成分以外に、この技術分野において通常的に使用する付加的な添加物質をさらに使用することができる。
【0024】
以下、実施例及び試験例により本発明の構成及び作用効果をより具体的に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明がこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0025】
[実施例1〜3及び比較例1〜2]
下記表1に記載された組成によって実施例1〜3及び比較例1〜2の化粧料エマルジョンを製造した(単位:重量%)。前記化粧料の製造過程をみれば、まず、スクアランとポリソルベート60を混合してオイル相を製造し、残りの成分は、精製水に混合し、水相を製造した。前記水相に油相をゆっくり添加しながら7000rpmで3分間ホモミキシング(homomixing)した。
【0026】
比較例1は、角質剥離に優秀な効果があると知られた酸性物質であるサリチル酸を0.4重量%添加して製造した。サリチル酸の含量を0.4重量%で添加した理由は、この濃度が化粧品として用いられることができる最大配合限度であるからである。比較例2は、パパインを1.0重量%添加したものであり、実施例1は、パパインとテアニンを、実施例2は、パパインとN−アセチルグルコサミンを、実施例3は、パパイン、テアニン及びN−アセチルグルコサミンを全て添加したものである。効能物質を添加しない群を対照群として製造した。
【0027】
【表1】

【0028】
[試験例1]
上記で製造した実施例1〜3及び比較例1〜2の角質剥離効能を調べるために、下記試験を行った。この実験は、2006年2月2日から2月16日まで20代から30代の社内職員19名を対象として行い、評価方法は、次の通りである。
【0029】
1.前膊洗浄後、左右4×4cm2で6部位を選定した。
2.直径20mm濾過紙に塩化ダンシル(Dansyl chloride;トリグリセライドオイル内)100μLをローディング(loading)した後、試験部位に貼布した。
3.蛍光染色の確認後、24時間安定化した後、毎日2回ずつ試験部位に試料32μLを塗布した(試験者1名が20回ローリング(rolling)で試料塗布)。
4.毎日他の光は遮断し、UV下で角質層蛍光撮影を実施した。
【0030】
<撮影条件>
デジタルカメラのマニュアルモードで、絞り3.5、シャッタースピード5
<角質剥離能評価方法>
−塩化ダンシルで前膊を蛍光染色した後、製品使用による角質剥離能を蛍光強度の減少割合で分析した。
−イメージプロを用いて蛍光強度を客観的で分析した。
【0031】
連続されたt−テスト(p<0.05)、ANOVAテスト及び技術的統計分析を用いて有意差を分析し、その結果を図1乃至図3に示した。
【0032】
図1は、実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した化粧料の角質剥離能を調べるために角質を蛍光染色した後、試料を塗布して蛍光撮影したものであって、蛍光が濃く現れることは、相対的に角質剥離がよく生じないものを意味する。
【0033】
また、図2は、イメージプロ(image pro)ソフトウェアを用いて実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した化粧料を塗布した部位で角質の蛍光強さを3次元イメージ化したものである。
【0034】
一方、図3は、実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した化粧料を定量化し、各効能物質の角質剥離陵を定量的に比較したグラフである。
【0035】
したがって、図1〜3の結果をみれば、パパインにテアニン及び/またはN−アセチルグルコサミンを含有する実施例1〜3がパパインを単独で使用する比較例2より皮膚角質剥離効果に優れていることを確認することができ、特に、パパイン、テアニン及びN−アセチルグルコサミンを全て含有する実施例3の角質剥離効果が最も優れていることを確認することができた。
【0036】
[試験例2]
実施例3及び比較例1の角質剥離1日持続性を調べるために、前記試験例1と同様の方法で調査した。但し、短期間効果に焦点を合わせるために、塗布する化粧品試料の量を64μLにし、各時間別に蛍光強さを測定し、24時間観察した。その結果を図4に示した。
【0037】
図4をみれば、比較例1の場合、初期3時間多量の角質剥離が生じるが、その以後では角質剥離がほとんどなされていないことを確認することができた。これに対し、実施例3の場合は、角質剥離が24時間持続的に発生していることを確認することができた。比較例1の短期間の急激な角質剥離は、サリチル酸による高い皮膚刺激を誘発することができるが、実施例3の場合は、サリチル酸のような酸性化学物質による角質剥離でなく、皮膚親和性蛋白質酵素による角質剥離であるから、効能が持続的に維持されることが分かる。
【0038】
[試験例3]
1週間の実際角質剥離程度を視覚的に確認するために、実施例3で製造した化粧料を一週間塗布した後、皮膚断面写真を測定し、その結果を図5及び図6に示した。皮膚断面を測定するために、H&E染色法(H&E staining)を使用した。すなわち、採取した皮膚を冷凍切断(frozen section)した後、ヘマトキシリン(hematoxylin)で染色し、これを顕微鏡を用いて観察した。図5は、実施例3の化粧料塗布前/後の皮膚断面写真である。実施例3の化粧料塗布1週間後、角質の量が極めて減少したことを確認することができる。図6は、皮膚正面写真を顕微鏡を用いて測定したものである。化粧料塗布前に過角質化を示した皮膚が滑らかで且つ均一な状態になっていることを確認することができる。以上の実験より、角質剥離効果を視覚的に確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上説明したように、本発明では、パパイン、テアニン及び/またはN−アセチルグルコサミンを有効成分として含有することによって、皮膚恒常性を維持させながら安全で且つ効果的に皮膚角質剥離及び健康を維持させることができる角質剥離用化粧料組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した化粧料の角質剥離能を調べるために角質を蛍光染色した後、試料を塗布し、蛍光撮影したものである。蛍光が濃く現れることは、相対的に角質剥離がよく生じないことを意味する(#S:比較例1、#P:比較例2、#PT:実施例1、#PN:実施例2、#PNT:実施例3、#B:対照群)。
【図2】図2は、イメージプロ(image pro)ソフトウェアを用いて実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した化粧料を塗布した部位で角質の蛍光強さを3次元イメージ化したものである(#S:比較例1、#P:比較例2、#PT:実施例1、#PN:実施例2、#PNT:実施例3、#B:対照群)。
【図3】図3は、実施例1〜3及び比較例1〜2で製造した化粧料を定量化し、各効能物質の角質剥離能を定量的に比較したグラフである(#S:比較例1、#P:比較例2、#PT:実施例1、#PN:実施例2、#PNT:実施例3、#B:対照群)。
【図4】図4は、比較例1及び実施例3で製造した化粧料の角質剥離持続力を比較したグラフである。
【図5】図5は、実施例3で製造した化粧料を塗布した時に現れる皮膚の変化を断面写真撮影を通じて確認したものである。
【図6】図6は、本発明による化粧料を塗布した時に現れる皮膚変化を顕微鏡写真を通じて確認したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)パパインと、
2)テアニン及びN−アセチルグルコサミンよりなる群から選択された1種以上と、を有効成分として含有することを特徴とする皮膚角質剥離用化粧料組成物。
【請求項2】
前記パパインは、組成物の全体重量に対して0.1〜5.0重量%で含有されることを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記テアニンは、組成物の全体重量に対して0.1〜5.0重量%で含有されることを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記N−アセチルグルコサミンは、組成物の全体重量に対して0.1〜5.0重量%で含有されることを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−544694(P2009−544694A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521684(P2009−521684)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【国際出願番号】PCT/KR2006/005055
【国際公開番号】WO2008/013342
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【住所又は居所原語表記】181, Hankang−ro 2−ka, Yongsan−ku, Seoul 140−777 Republic of Korea
【Fターム(参考)】