説明

監視システム、監視情報送信装置及びプログラム、監視情報受信装置及びプログラム

【課題】 監視情報の通信トラフィックを低減する。
【解決手段】 監視装置Aが監視装置B及び監視装置Cの状態変化通知を取得したい場合、監視装置Aが、状態変化通知登録APIの呼出要求S11,S13を監視装置B、監視装置Cに送信し、監視装置B、監視装置Cからマルチキャストアドレス及びポート番号を受信する。監視装置B、監視装置Cは、状態変化通知を送信する場合、先に監視装置Aに送信したマルチキャストアドレス及びポート番号を使用する。これにより、監視装置Aは、監視装置B、監視装置Cからの状態変化通知を別個に受信処理(ステップST3、ステップST6)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末の監視情報を授受する監視システム、監視情報送信装置及びプログラム、監視情報受信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、端末の監視を行う通信機器を複数備える監視システムが知られている。この監視システムは、端末が接続された通信機器同士で状態変化パケット(監視情報)を互いに送受信する(例えば下記の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した監視システムにおいて、ネットワークに接続される通信機器の数が増えると、通信機器同士で連携するために通知しあう監視情報も増大する。例えば、n台の通信機器が各通信機器に対して1つの状態変化パケットを送るとすると、n×(n−1)の状態変化(監視情報)のパケットが発生する。また、異なるシステム間で協調制御しようとすると更に状態変化パケット等を送受信する必要があり、更にトラフィックが増大する。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みて考案されたもので、監視情報の通信トラフィックを低減することができる監視システム、監視情報送信装置及びプログラム、監視情報受信装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する第1の発明に係る監視システムは、第1ネットワークに接続された端末の監視情報を取得し、第2ネットワークにおいて相互に通信可能な複数の通信装置を備え、前記監視情報を送信する第1通信装置は、前記監視情報を受信する第2通信装置から送信された要求に応じて、前記第1通信装置により取得した監視情報に変化があったときに当該監視情報を第2通信装置に送出するように登録をする登録手段と、前記登録手段によって複数の第2通信装置から登録された場合に、前記複数の第2通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を返信する返信手段とを備え、前記複数の第2通信装置は、前記第1通信装置から返信されたマルチキャスト通信設定で待ち受け状態にする受信手段を備えることを特徴とする。
【0007】
第1の発明に係る監視システムであって、第2の発明は、前記第1通信装置は、前記登録手段により登録した登録数が1である場合には、ユニキャストで監視情報の送信を行い、前記登録手段により登録した登録数が複数となった場合に、前記複数の第2通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を送信することを特徴とする。
【0008】
第1の発明に係る監視システムであって、第3の発明は、前記第2通信装置は、前記第1通信装置から送信された監視情報を蓄積する状態変化管理サーバを構成することを特徴とする。
【0009】
第3の発明に係る監視システムであって、第4の発明は、前記状態変化管理サーバと同じ機能を有する他の状態変化管理サーバを前記第2ネットワークに更に備え、前記状態変化管理サーバが機能不全となった場合に、前記他の状態変化管理サーバは、前記機能不全となった状態変化管理サーバのアドレスに設定されることを特徴とする。
【0010】
第4の発明に係る監視システムであって、第5の発明は、前記他の状態変化管理サーバは、前記状態変化管理サーバがネットワークに再接続された場合に、前記設定されたアドレスを削除し、前記状態変化管理サーバに、機能不全の前に使用していたアドレスが設定されることを特徴とする。
【0011】
第1乃至第5の何れかの発明に係る監視システムであって、第6の発明は、前記第1通信装置は、前記マルチキャスト通信設定情報を返信する度に、新たに暗号鍵を生成して、前記第2通信装置がマルチキャスト通信設定で受信するよう前記暗号鍵を送出し、前記監視情報を前記暗号鍵で暗号化して、暗号化された監視情報を前記マルチキャスト通信設定で受信するよう送信することを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決する第7の発明に係る監視情報受信装置は、端末の監視情報を取得する端末監視装置に、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を送信するように登録をする通知をする通知手段と、前記端末監視装置から送信されたマルチキャスト通信設定情報を受信し、当該マルチキャスト通信設定で監視情報を待ち受ける受信手段とを備え、前記端末監視装置から送信された監視情報を前記受信手段によって前記マルチキャスト通信設定で受信することを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決する第8の発明に係る監視情報受信装置のプログラムは、監視装置を受信する監視情報受信装置のプログラムであって、端末の監視情報を取得する端末監視装置に、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を送信するように登録をする通知をする通知手段と、前記端末監視装置から送信されたマルチキャスト通信設定情報を受信し、当該マルチキャスト通信設定で監視情報を待ち受ける受信手段とを備え、前記端末監視装置から送信された監視情報を前記受信手段によって前記マルチキャスト通信設定で受信するように機能させることを特徴とする。
【0014】
上記の課題を解決する第9の発明に係る監視情報送信装置は、第1ネットワークに接続された端末の監視情報を取得し、第2ネットワークにおいて他の通信装置と通信する監視情報送信装置であって、前記監視情報を取得する監視情報取得手段と、前記通信装置から送信された登録通知に応じて、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を前記通信装置に送出するように登録をする登録手段と、前記登録手段により複数の通信装置から登録された場合に、前記複数の通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を返信する返信手段と、前記監視情報取得手段により監視情報を取得した場合に、前記返信手段により返信したマルチキャスト通信設定で受信できるよう監視情報を送信する監視情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決する第10の発明に係る監視情報送信装置のプログラムは、第1ネットワークに接続された端末の監視情報を取得し、第2ネットワークにおいて他の通信装置と通信する監視情報送信装置のプログラムであって、前記監視情報を取得する監視情報取得手段と、前記通信装置から送信された登録通知に応じて、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を前記通信装置に送出するように登録をする登録手段と、前記登録手段により複数の通信装置から登録された場合に、前記複数の通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を返信する返信手段と、前記監視情報取得手段により監視情報を取得した場合に、前記返信手段により返信したマルチキャスト通信設定で受信できるよう監視情報を送信する監視情報送信手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、監視情報を要求する通信装置が複数あっても、一つのマルチキャスト通信設定を送信するだけで済むため、トラフィックの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態として示す端末制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態として示す端末制御システムにおいて、第1動作例を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の一実施形態として示す端末制御システムにおいて、第2動作例を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の一実施形態として示す端末制御システムにおいて、第3動作例を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の一実施形態として示す端末制御システムにおいて、第4動作例を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の一実施形態として示す端末制御システムにおいて、第5動作例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の一実施形態として示す端末制御システムにおいて、第6動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本発明に係る監視システムは、例えば図1に示すような端末制御システムに適用される。この端末制御システムは、サーバ1、管理ツール2、協調制御ユニット3、照明制御ユニット4、ブラインド制御ユニット5、プロキシユニット6、プログラマブルユニット7、PLC−I/Fユニット8、Modbusゲートウェイ9、BACnetゲートウェイ10が上位(第2)ネットワークに接続されている。この上位ネットワークとしては所謂イーサネット(登録商標)を利用したものが挙げられる。
【0020】
この端末制御システムは、既存の建築設備系ネットワークを相互に接続することで建物全体の監視と制御を行うものである。この端末制御システムにおいて、建物の管理者等が管理ツール2を操作して全体の監視等を行い、協調制御ユニット3によって照明制御ユニット4,ブラインド制御ユニット5,PLC−I/Fユニット8,Modbusゲートウェイ9,BACnetゲートウェイ10間の協調制御をする。また、この端末制御システムは、上位ネットワークに接続している各ユニット2〜10がプロキシユニット6を介してサーバ1と接続し、バックアップデータをサーバ1に保存する。
【0021】
照明制御ユニット4、ブラインド制御ユニット5、PLC−I/Fユニット8、Modbusゲートウェイ9、BACnetゲートウェイ10は、それぞれ、下位(第1)ネットワークに接続されている。照明制御ユニット4は、複数のフル2線ユニット4a,4b…に接続されている。ブラインド制御ユニット5は、複数のブラインドI/O5a,5b…に接続されている。PLC−I/Fユニット8は、複数のPLCユニット8a,8b…に接続されている。Modbusゲートウェイ9は、複数のフル2線ユニット9a,9b…に接続されている。BACnetゲートウェイ10は、複数のBACnetユニット10a,10b…に接続されている。
【0022】
上位ネットワークに接続された各ユニットは、開ネットワークに接続された端末群を制御及び監視する。例えば、照明制御ユニット4は、照明のオンオフ動作を検出する。また、PLC−I/Fユニット8は、空調の温度設定を行う。
【0023】
上位ネットワークに接続された照明制御ユニット4、ブラインド制御ユニット5、PLC−I/Fユニット8、Modbusゲートウェイ9、BACnetゲートウェイ10は、それぞれに接続されている下位ネットワークの端末に関する監視情報を取得する。この監視情報は、下位ネットワークの端末(ユニット)の状態を表す信号であって、端末の状態が変化した時に上位ネットワークに接続された照明制御ユニット4,ブラインド制御ユニット5,PLC−I/Fユニット8,Modbusゲートウェイ9,BACnetゲートウェイ10に送信される。
【0024】
このような端末制御システムにおいて、例えば照明制御ユニット4とPLC−I/Fユニット8とが協調制御する場合、相互に端末の状態を通知しあう必要がある。例えば、フル2線ユニットである照明機器のオフオン状態に応じて、PLCユニットである空調機器の設定温度に変更する協調制御が挙げられる。具体的には、夏期において、照明がオフのときは省電力のための設定温度を28度にしておき、照明がオンとなると快適な設定温度の26度にする協調制御が挙げられる。また、この協調制御は、例えば動作記録として保存しておくために、管理ツール2等に通知する必要もある。
【0025】
そこで、図1に示すように、PLC−I/Fユニット8は、状態変化要求S1を照明制御ユニット4に送信する。そして、照明制御ユニット4における照明機器の状態が変化した場合、状態変化通知S2をPLC−I/Fユニット8に送信する。これにより、端末制御システムは、照明制御ユニット4、PLC−I/Fユニット8の相互に状態変化を監視することができる。
【0026】
この端末制御システムにおいて、上位ネットワークに接続された管理ツール2及び各ユニット2〜10は、相互に端末の状態を監視するための監視装置を備える。これにより、端末制御システムは、管理ツール2及び各ユニット2〜10に備えられた複数の監視装置によって監視システムを構成する。
【0027】
各監視装置は、複数の監視装置が同一の状態変化通知を欲している場合は、マルチキャストアドレス宛てに状態変化通知を行う。一方、各監視装置は、状態変化通知を必要としている他の監視装置が1台の場合は、当該1台のユニキャストアドレスあてにTCPを利用したユニキャスト通信によって状態変化通知を送信する。以下、監視装置の動作について説明する。以下に説明する監視装置の動作は、図示しない記憶部に動作プログラムを格納しておき、CPUが実行することによって実現できることは勿論である。
【0028】
[第1動作例]
第1動作例は、例えば図2に示すシーケンス図によって表される。この動作例は、監視装置Aが、監視装置B及び監視装置Cから状態変化通知を受信するものである。
【0029】
先ず、監視装置Aは、監視装置Bが監視する照明aの状態が変化したことを検知するために、状態変化通知登録API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース、Application Programming Interface)の呼出要求S11を監視装置Bに送信する。
【0030】
監視装置Bは、呼出要求S11を受信したことに応じて、監視装置Bにより取得した監視情報に変化があったときに当該監視情報を監視装置Aに送出するように登録をする(登録手段)。そして、監視装置Bは、照明aが変化したことを通知するためのマルチキャストアドレス及びポート番号S12を、状態変化通知APIの戻り値として監視装置Aに返信する(返信手段)。例えばマルチキャストアドレスは「FF12::2111」、ポート番号は「1111」である。このマルチキャストアドレスは、マルチキャストパケットを受信するためのマルチキャスト通信設定情報として機能する。
【0031】
監視装置Aは、マルチキャストアドレス及びポート番号S12を受信すると、当該受信したマルチキャストアドレス及びポート番号で状態変化通知を受信するまで待ち受け状態となる(受信手段、ステップST1)。
【0032】
監視装置Aは、監視装置Cが監視する空調aの状態が変化したことを検知するために、上述と同様の処理を行う。監視装置Aは、状態変化通知登録APIの呼出要求S13を監視装置Cに送信する。
【0033】
監視装置Cは、呼出要求S13を受信したことに応じて、監視装置Cにより取得した監視情報に変化があったときに当該監視情報を監視装置Aに送出するように登録をする(登録手段)。そして、監視装置Cは、空調aが変化したことを通知するためのマルチキャストアドレス及びポート番号S14を、状態変化通知APIの戻り値として監視装置Aに返信する(返信手段)。例えばマルチキャストアドレスは「FF12::3111」、ポート番号は「1111」である。このマルチキャストアドレスは、マルチキャストパケットを受信するためのマルチキャスト通信設定情報として機能する。
【0034】
監視装置Aは、マルチキャストアドレス及びポート番号S14を受信すると、当該受信したマルチキャストアドレス及びポート番号で状態変化通知を受信するまで待ち受け状態となる(ステップST2)。
【0035】
監視装置Bは自身が監視する照明aの状態が変化したことを検知すると、その変化の内容を示す状態変化通知S15を、マルチキャストアドレス及びポート番号宛てに送信する。このマルチキャストアドレス及びポート番号は、先に監視装置Bが監視装置Aに通知したマルチキャストアドレス「FF12::2111」、ポート番号「1111」である。
【0036】
監視装置Aは、状態変化通知S15aを受信すると、当該状態変化通知S15aがステップST1で待ち受け状態となっていたマルチキャストアドレス及びポート番号宛のマルチキャストパケットであるので、当該状態変化通知S15aを受信処理する(ステップST3)。これにより、監視装置Aは、監視装置Bによって監視している照明aの状態がオフからオンに切り替わったことを検出できる。
【0037】
一方、監視装置Cは、状態変化通知S15bを受信しても、マルチキャストアドレス「FF12::2111」のマルチキャストグループに参加していないために、当該マルチキャストパケットを無視する(ステップST4)。
【0038】
また、監視装置Cは自身が監視する空調aの状態が変化したことを検知すると、その変化の内容を示す状態変化通知S16を、マルチキャストアドレス及びポート番号宛てに送信する。このマルチキャストアドレスは、先に監視装置Cが監視装置Aに通知したマルチキャストアドレス「FF12::3111」、ポート番号「1111」である。
【0039】
監視装置Bは、状態変化通知S16aを受信しても、マルチキャストアドレス「FF12::3111」、ポート番号「1111」のマルチキャストグループに参加していないために、当該マルチキャストパケットを無視する(ステップST5)。
【0040】
一方、監視装置Aは、状態変化通知S16bを受信すると、当該状態変化通知S16bがステップST2で待ち受け状態となっていたマルチキャストアドレス及びポート番号宛のマルチキャストパケットであるので、当該状態変化通知S16bを受信処理する(ステップST6)。これにより、監視装置Aは、監視装置Cによって監視している空調aの設定温度が28度から26度に切り替わったことを検出できる。
【0041】
この監視システムによれば、他の監視装置に接続されている端末の状態変化を検知したい場合、当該他の監視装置に状態変化通知APIの呼出要求を送信する。これによって、監視装置は、当該他の監視装置からマルチキャストグループのマルチキャストアドレスを取得できる。
【0042】
上述のように、監視システムは、監視装置Aが監視装置B及び監視装置Cの状態変化通知を取得したい場合、監視装置Aが、状態変化通知登録APIの呼出要求S11,S13を監視装置B、監視装置Cに送信し、監視装置B、監視装置Cからマルチキャストアドレス及びポート番号を受信する。監視装置B、監視装置Cは、状態変化通知を送信する場合、先に監視装置Aに送信したマルチキャストアドレス及びポート番号を使用する。これにより、監視装置Aは、監視装置B、監視装置Cからの状態変化通知を別個に受信処理(ステップST3、ステップST6)する。
【0043】
この監視システムによれば、マルチキャストグループを使うことで、ある一つの状態変化を要求する監視装置が複数あっても、一つのマルチキャストパケットを送信するだけで済むため、ネットワークトラフィックの低減を図ることができる。したがって管理ツール2及び各ユニット2〜10といった複数の宛先に状態変化通知を送信する場合や、各ユニット2〜10が連携する場合であっても、通信トラフィックの増大を抑制できる。
【0044】
また、この監視システムによれば、状態変化通知を動的にマルチキャストで送信するため、予め状態変化の内容ごとにマルチキャストアドレスを監視装置間で共有する必要がなく、装置の記憶資源の節約ができる。
【0045】
[第2動作例]
第2動作例は、例えば図3に示すシーケンス図によって表される。この動作例は、状態変化通知を要求する監視装置が単一である場合にはユニキャスト通信で状態変化通知を送信し、状態変化通知を要求する監視装置が複数である場合にはマルチキャスト通信で状態変化通知を送信するものである。
【0046】
先ず、監視装置Aは、監視装置Cが監視する空調aの状態が変化したことを検知するために、状態変化通知登録APIの呼出要求S21を監視装置Cに送信する。
【0047】
監視装置Cは、呼出要求S21を受信したことに応じて、監視装置Cにより取得した監視情報に変化があったときに当該監視情報を監視装置Aに送出するように登録をする(登録手段)。そして、監視装置Cは、空調aが変化したことを通知するためのマルチキャストアドレス、ポート番号及び現状で状態変化通知を必要としている監視装置数S22を、状態変化通知APIの戻り値として監視装置Aに返信する(返信手段)。例えばマルチキャストアドレスは「FF12::3111」、ポート番号は「1111」である。現状で状態変化通知を必要としているのは監視装置Aのみであるので、監視装置数は「1」である。
【0048】
監視装置Aは、マルチキャストアドレス、ポート番号及び現状で状態変化通知を必要としている監視装置数S22を受信すると、監視装置数が「1」であるので、監視装置Cからの状態変化通知が、TCPのユニキャスト通信により送信することが可能であると判定する。そして、監視装置Aは、TCPサーバとして待ち受けると共に、当該受信したマルチキャストアドレス及びポート番号で状態変化通知を受信する待ち受け状態となる(ステップST11)。
【0049】
監視装置Cは自身が監視する空調aの状態が変化したことを検知すると、その変化の内容を示す状態変化通知S23を、TCPのポート番号宛てに送信する。このポート番号は、先に監視装置Cが監視装置Aに通知したポート番号「1111」である。
【0050】
監視装置Aは、状態変化通知S23を受信すると、当該状態変化通知S23がステップST1で待ち受け状態となっていたポート番号宛のユニキャストパケットであるので、当該状態変化通知S23を受信処理する(ステップST12)。この受信処理によって、ユニキャストパケットに対するACK(S24)を監視装置Cに返信する。これにより、監視装置Aは、監視装置Cによって監視している空調aの設定温度が28度から26度に切り替わったことを検出できる。
【0051】
その後、監視装置Bも監視装置Cの状態変化通知を必要とする場合、監視装置Bは、状態変化通知登録APIの呼出要求S25を監視装置Cに送信する。
【0052】
監視装置Cは、呼出要求S25を受信したことに応じて、監視装置Cにより取得した監視情報に変化があったときに、当該監視情報を監視装置Bにも送出するように登録をする(登録手段)。そして、監視装置Cは、空調aが変化したことを通知するためのマルチキャストアドレス、ポート番号及び現状で状態変化通知を必要としている監視装置数S26を、状態変化通知APIの戻り値として監視装置Bに返信する(返信手段)。マルチキャストアドレスは監視装置Aに送信したものと同じ「FF12::3111」、ポート番号は「1111」である。現状で状態変化通知を必要としているのは監視装置A及び監視装置Cの2台となったので、監視装置数は「2」となる。
【0053】
監視装置Bは、マルチキャストアドレス、ポート番号及び現状で状態変化通知を必要としている監視装置数S26を受信すると、監視装置数が「2」であるので、監視装置Bの他に監視装置Cの状態変化通知を必要する監視装置があることを判定する。これにより、監視装置Bは、監視装置Cからの状態変化通知がマルチキャスト通信のみにより送信されると判定する。そして、監視装置Aは、受信したマルチキャストアドレス及びポート番号で状態変化通知を受信する待ち受け状態となる(ステップST27)。
【0054】
監視装置Cは自身が監視する空調aの状態が変化したことを検知すると、その変化の内容を示す状態変化通知S27を、マルチキャストアドレス及びポート番号宛てに送信する。このマルチキャストアドレスは、先に監視装置Cが監視装置A及び監視装置Bに通知したマルチキャストアドレス「FF12::3111」であり、ポート番号は「1111」である。
【0055】
監視装置Bは、状態変化通知S27を受信すると、当該状態変化通知S27がステップST27で待ち受け状態となっていたマルチキャストアドレス及びポート番号宛のマルチキャストパケットであるので、当該状態変化通知S27を受信処理する(ステップST14)。これにより、監視装置Bは、監視装置Cによって監視している空調aの設定温度が28度から26度となったことを検出できる。
【0056】
また、監視装置Aは、状態変化通知S27を受信すると、当該状態変化通知S27がステップST11で待ち受け状態となっていたマルチキャストアドレス及びポート番号宛のマルチキャストパケットであるので、当該状態変化通知S27を受信処理する(ステップST15)。これにより、監視装置Aは、監視装置Cによって監視している空調aの設定温度が28度から26度となったことを検出できる。
【0057】
また、監視装置Aは、マルチキャスト通信によって監視装置Cから状態変化通知を受信したので、他に監視装置Cの状態変化通知が必要な監視装置があることを認識して、TCPポートを閉じる。これにより、以降における監視装置Cからの状態変化通知は、マルチキャスト通信のみで受信する設定となる。
【0058】
以上のように、この監視システムによれば、状態変化通知を必要する監視装置数が1である場合にはユニキャストで状態変化通知の送信を行い、監視装置数が複数となった場合にはマルチキャストで状態変化通知を送信する。これにより、この監視システムによれば、監視装置数が単一である場合にはユニキャスト通信によってシステムの信頼性を高め、監視装置数が複数の場合には通信トラフィックを低減することが可能になる。
【0059】
[第3動作例]
第3動作例は、例えば図4に示すシーケンス図によって表される。この動作例は、他の監視装置から送信された状態変化通知を蓄積することによって状態変化管理サーバを構成するものである。
【0060】
この監視システムは、管理ツール2又は複数のユニット2〜10に備えられた何れかの監視装置が他の監視装置の状態変化通知を蓄積する状態変化管理サーバとして機能する。状態変化管理サーバは、監視情報を蓄積したい監視装置に状態変化通知を全て送信するよう要求する。
【0061】
先ず、状態変化管理サーバは、監視装置Aが監視する照明aの状態が変化したことを検知するために、監視装置Aが提供する状態変化通知要求APIを呼び出す呼出要求S31を監視装置Aに送信する。監視装置Aは、状態変化通知要求APIの呼出要求S31を受信すると、照明aの状態が変化したときに状態変化管理サーバに状態変化通知を送信する設定となる。そして、監視装置Aは、ACK(S32)を状態変化管理サーバに返信する。
【0062】
同様に、状態変化管理サーバは、監視装置Bが監視する空調aの状態が変化したことを検知するために、監視装置Bが提供する状態変化通知要求APIを呼び出す呼出要求S33を監視装置Bに送信する。監視装置Bは、状態変化通知要求APIの呼出要求S33を受信すると、空調aの状態が変化したときに状態変化管理サーバに状態変化通知を送信する設定となる。そして、監視装置Bは、ACK(S34)を状態変化管理サーバに返信する。
【0063】
その後、監視装置Bは、監視装置Aが監視する照明aの状態変化管理を受信するために、状態変化管理サーバに状態変化通知登録APIの呼出要求S35を送信し、状態変化管理サーバからマルチキャストアドレス及びポート番号S36を受信する。これにより、監視装置Bは、受信したマルチキャストアドレス及びポート番号で状態変化通知を受信する待ち受け状態となる(ステップST21)。
【0064】
その後、監視装置Aは自身が監視する照明aの状態が変化したことを検知すると、先に状態変化通知要求APIの呼出要求S31を受信しているので、その変化の内容を示す状態変化通知S37を、状態変化管理サーバ宛てに送信する。状態変化管理サーバは、状態変化通知S37を受信することによって、監視装置Aによって監視している照明aの状態がオフからオンに切り替わった状態変化通知を記憶できる。そして、状態変化管理サーバは、ACK(S38)を監視装置Aに返信する。
【0065】
また、状態変化管理サーバは、先に状態変化通知登録APIの呼出要求S35を受信しているので、マルチキャストアドレス及びポート番号宛に状態変化通知S39を送信する。これによって監視装置Bは、状態変化管理サーバから監視装置Aが監視している照明aの状態変化通知を受信できる。
【0066】
その後、監視装置Bは自身が監視する空調aの状態が変化したことを検知すると、先に状態変化通知要求APIの呼出要求S33を受信しているので、その変化の内容を示す状態変化通知S40を、状態変化管理サーバ宛てに送信する。状態変化管理サーバは、状態変化通知S40を受信することによって、監視装置Bによって監視している空調aの設定温度が30度から28度とされた状態変化通知を記憶できる。そして、状態変化管理サーバは、ACK(S41)を監視装置Bに返信する。
【0067】
なお、監視装置A及び監視装置Bが状態変化管理サーバ宛てに状態変化通知を送信するためのTCPポートは予め定義しておいても良く、状態変化通知要求APIで決めておいても良い。
【0068】
このような監視システムは、状態変化管理サーバが複数の監視装置で送信した状態変化通知を一括して管理できる。また、状態変化管理サーバにWebサーバ等を実装しておくことによって、外部のサーバ1から簡単に端末制御システムの状態変化の様子を知ることができ、端末制御システムの運用管理が容易となる。
【0069】
[第4動作例]
第4動作例は、例えば図5に示すシーケンス図によって表される。この動作例は、状態変化管理サーバが機能不全となったときのものである。
【0070】
この監視システムは、状態変化管理サーバA,Bといったように状態変化管理サーバを冗長化している。状態変化管理サーバA,Bの図4で説明した機能は同一である。この監視システムは、一方の状態変化管理サーバが機能不全となった場合に、他の状態変化管理サーバが、機能不全となった状態変化管理サーバのアドレスに設定される。これによって、他の状態変化管理サーバが、機能不全となった状態変化管理サーバの役割を果たす。
【0071】
この監視システムは、アドレスが異なる状態変化管理サーバA、状態変化管理サーバBを備える。
【0072】
先ず、状態変化管理サーバAが動作中において(ステップST31)、状態変化管理サーバAは、監視装置が監視する照明aの状態が変化したことを検知するために、監視装置が提供する状態変化通知要求APIを呼び出す呼出要求S51を監視装置に送信する。監視装置は、状態変化通知要求APIの呼出要求S51を受信すると、照明aの状態が変化したときに状態変化管理サーバAに状態変化通知を送信する設定となる。そして、監視装置は、ACK(S52)を状態変化管理サーバAに返信する。
【0073】
その後、状態変化管理サーバAは、状態変化管理に関する管理情報S53を状態変化管理サーバBに送信する。この場合、状態変化管理サーバAは、監視装置に対して状態変化通知要求APIの呼出要求S51を送信してACK(S52)を既に受信していることを示す管理情報S53を状態変化管理サーバBに送信する。これにより、状態変化管理サーバBは、状態変化通知に関する管理状態に関して状態変化管理サーバAと同期され、ACK(S54)を状態変化管理サーバAに返信する。
【0074】
その後、監視装置は自身が監視する照明aの状態が変化したことを検知すると、先に状態変化通知要求APIの呼出要求S51を受信しているので、その変化の内容を示す状態変化通知S55を、状態変化管理サーバA宛てに送信する。状態変化管理サーバAは、状態変化通知S55を受信することによって、監視装置によって監視している照明aの状態がオフからオンに切り替わった状態変化通知を記憶できる。そして、状態変化管理サーバAは、ACK(S56)を監視装置に返信する。
【0075】
また、状態変化管理サーバAと状態変化管理サーバBとは、互いに生存確認を行っている。具体的には、状態変化管理サーバAが生存確認パケットS57を状態変化管理サーバBに送信すると、状態変化管理サーバBがACK(S58)を状態変化管理サーバAに返信する。同様に、状態変化管理サーバBが生存確認パケットS59を状態変化管理サーバAに送信すると、状態変化管理サーバAがACK(S60)を状態変化管理サーバBに返信する。なお、本例では、お互いが起点になって生存確認パケットを送出しているが、状態変化管理サーバAが一方的に一定間隔で生存確認パケットを送り、それが途絶えたことによって、状態変化管理サーバAが停止したことを状態変化管理サーバBが検知しても良い。
【0076】
その後、状態変化管理サーバAに異常が発生して動作が停止すると(ステップST32)、状態変化管理サーバBから送信された生存確認パケットS61に対して状態変化管理サーバAはACKを返信することができない。
【0077】
状態変化管理サーバBは、ステップST33において、ACKのタイムアウトを検知すると、状態変化管理サーバAのIPアドレスを、自己のIPアドレスに割り当てる。すなわち、状態変化管理サーバBのIPアドレス「2001:db:2」を、状態変化管理サーバAのIPアドレス「2001:db:1」に変更する。
【0078】
その後、監視装置は自身が監視する照明aの状態が変化したことを検知すると、先に状態変化通知要求APIの呼出要求S51を受信しているので、その変化の内容を示す状態変化通知S62を、状態変化管理サーバA宛てに送信する。しかし、状態変化管理サーバAは停止中であるので監視装置にACKは返信されず、監視装置は、所定時間後にACKのタイムアウトを検知する。そして、監視装置は、IPv6の到達性確認の機能を用いて、近隣探索パケットS63をマルチキャストによって送信する(ステップST34)。
【0079】
状態変化管理サーバBは、近隣探索パケットS63を受信すると、応答として近隣広告パケットS64を監視装置に返信する。この近隣広告パケットS64には状態変化管理サーバBのMACアドレスを含める。これによって、監視装置は、状態変化管理サーバBのIPアドレス及びMACアドレスを取得できる。
【0080】
その後、監視装置は、状態変化通知S62と同じ状態変化通知S65を状態変化管理サーバBに送信する。状態変化管理サーバBは、状態変化通知S65を受信し、ACK(S66)を監視装置に送信する。
【0081】
なお、IPv6では定期的に近隣の到達性確認を行っており(RFC2461では30000ミリ秒)、監視装置と状態変化管理サーバAの間で最後に通信を行ってから30000ミリ秒以上経過していれば、その時点でMACアドレスは解決済となっており、タイムアウトが発生することなく、監視装置は状態変化管理サーバBに状態変化通知を送信可能である。
【0082】
以上のように、この監視システムによれば、状態変化管理サーバの停止時には、状態変化管理サーバのアドレスを維持しつつ、冗長化された状態変化管理サーバを運用するので、監視装置側に何らの変更を加えることなく状態変化通知を蓄積する動作を継続することができる。
【0083】
[第5動作例]
第5動作例は、例えば図6に示すシーケンス図によって表される。この動作例は、上述の第4動作例において、動作を停止していた状態変化管理サーバが復旧したときのものである。
【0084】
この監視システムにおいて、状態変化管理サーバBは、状態変化管理サーバAがネットワークに再接続された場合に、設定された状態変化管理サーバAのIPアドレスを削除する。一方、復旧した状態変化管理サーバAは、機能不全の前に使用していたIPアドレスを設定する。
【0085】
状態変化管理サーバAの動作停止時であっても、状態変化管理サーバBは、定期的に生存確認パケットS71を送信する。状態変化管理サーバAが動作停止しているときには、生存確認パケットS71に対してACKを返信できない。この状態変化管理サーバAの停止中において、状態変化管理サーバBは、監視装置から送信された状態変化通知を蓄積している。
【0086】
その後、状態変化管理サーバAが復旧すると(ステップST41)、状態変化管理サーバBが状態変化管理サーバAに生存確認パケットS72を送信したことに応じて、状態変化管理サーバAは、ACK(S73)を返信する。
【0087】
状態変化管理サーバBは、状態変化管理サーバAからのACK(S73)を受信すると、状態変化管理サーバAに割り当てられるべきIPアドレス「2001:db:1」をネットワークインターフェースから削除する(ステップST42)。また、状態変化管理サーバBは、状態変化管理サーバAが停止してから状態変化管理サーバAが復旧するまでに蓄積した状態変化通知を示す状態変化通知に関する管理情報S74を状態変化管理サーバAに送信する。
【0088】
状態変化管理サーバAは、状態変化管理サーバBから状態変化通知に関する管理情報S74を受信することによって、動作停止中の状態変化通知を取得できる。そして、状態変化管理サーバAは、ACK(S75)を状態変化管理サーバBに返信する。
【0089】
その後、監視装置が状態変化管理サーバBと最後に通信をした後の近隣の到達性確認の所定時間(30000ミリ秒)を経過したと判定すると(ステップST43)、近隣探索機能による到達性確認パケットS76を状態変化管理サーバBに送信する。
【0090】
状態変化管理サーバBは、既にIPアドレスが削除されているので、監視装置から送信された到達性確認パケットS76を受信できず、監視装置に応答しない。これにより、監視装置は、所定時間後にタイムアウトを検知する。その後、監視装置は、IPv6の到達性確認の機能を用いて、近隣探索パケットS77をマルチキャストによって送信する(ステップST44)。
【0091】
状態変化管理サーバAは、近隣探索パケットS77を受信すると、応答として近隣広告パケットS78を監視装置に返信する。この近隣広告パケットS78には状態変化管理サーバAのMACアドレスを含める。これによって、監視装置は、状態変化管理サーバAのIPアドレス及びMACアドレスを取得できる(ステップST45)。これにより、監視装置は、復旧後の状態変化管理サーバAと通信可能となる。
【0092】
その後、監視装置は、状態変化通知S79を状態変化管理サーバAに送信する。状態変化管理サーバAは、状態変化通知S79を受信し、ACK(S80)を監視装置に送信する。
【0093】
この監視システムによれば、状態変化管理サーバが故障から復旧する際に、自動的にIPアドレスの重なりを解消することができるため、システムの運用管理が容易となる。
【0094】
[第6動作例]
第6動作例は、例えば図7に示すシーケンス図によって表される。この動作例は、状態変化通知のためのマルチキャスト通信をセキュアな通信にするものである。
【0095】
この監視システムにおいて、各監視装置は、予めそれぞれが共通の事前共有鍵を保有しておく。状態変化管理サーバを備える構成であっても同様である。なお、この例では事前共有鍵を用いているが、PKI(Public Key Infrastructure)等の手段を用いて、鍵を交換する方法を用いることも可能である。
【0096】
先ず、監視装置Aは、監視装置Cが監視する空調aの状態が変化したことを検知するために、状態変化通知登録APIの呼出要求S91を監視装置Cに送信する。
【0097】
監視装置Cは、呼出要求S91を受信したことに応じて、監視装置Cにより取得した監視情報に変化があったときに状態変化通知を監視装置Aに送出するように登録をする。そして、監視装置Cは、空調aが変化したことを通知するためのマルチキャストアドレス及びポート番号S92を、状態変化通知APIの戻り値として監視装置Aに返信する。例えばマルチキャストアドレスは「FF12::3111」、ポート番号は「1111」である。
【0098】
また、監視装置Cは、事前共有鍵で暗号化してセッション鍵K13を生成する(ステップST51)。そして、監視装置Cは、先に送信したマルチキャストアドレス「FF12::3111」及びポート番号「1111」宛てにセッション鍵K13(S93)を送信する。これにより、監視装置Aはセッション鍵K13を受信して記憶できる。
【0099】
その後、監視装置Cは自身が監視する空調aの状態が変化したことを検知すると、その変化の内容を示す状態変化通知S94を、マルチキャストアドレス及びポート番号宛てに送信する。このとき、状態変化通知をセッション鍵K13で暗号化する(ステップST52)このマルチキャストアドレスは、先に監視装置Cが監視装置Aに通知したマルチキャストアドレス「FF12::3111」、ポート番号「1111」である。
【0100】
監視装置Bは、状態変化通知S94を受信しても、マルチキャストアドレス「FF12::3111」、ポート番号「1111」のマルチキャストグループに参加していないために、当該マルチキャストパケットを無視する(ステップST53)。
【0101】
一方、監視装置Aは、状態変化通知S94を受信すると、当該状態変化通知S94が待ち受け状態となっていたマルチキャストアドレス及びポート番号宛のマルチキャストパケットであるので、当該状態変化通知S94を受信処理する(ステップST54)。
【0102】
その後、監視装置Bは、監視装置Cが監視する空調aの状態が変化したことを検知するために、状態変化通知登録APIの呼出要求S95を監視装置Cに送信する。
【0103】
監視装置Cは、呼出要求S95を受信したことに応じて、監視装置Cにより取得した監視情報に変化があったときに当該監視情報を監視装置Bに送出するように登録をする。そして、監視装置Cは、空調aが変化したことを通知するためのマルチキャストアドレス及びポート番号S96を、状態変化通知APIの戻り値として監視装置Aに返信する。マルチキャストアドレスは「FF12::3111」、ポート番号は「1111」である。
【0104】
また、監視装置Cは、事前共有鍵で暗号化してセッション鍵K123を生成する(ステップST55)。そして、監視装置Cは、先に送信したマルチキャストアドレス「FF12::3111」及びポート番号「1111」宛てにセッション鍵K123(S97)を送信する。これにより、監視装置Aはセッション鍵K123を受信して記憶できる。また、セッション鍵K123(S97)は、監視装置Aも受信する。監視装置Aは、セッション鍵K123(S97)を受信すると、監視装置Cからのマルチキャストパケットを受信したときに使用するセッション鍵をK13からK123に更新する(ステップST56)。
【0105】
その後、監視装置Cは自身が監視する空調aの状態が変化したことを検知すると、その変化の内容を示す状態変化通知S98を、マルチキャストアドレス及びポート番号宛てに送信する。このとき、状態変化通知をセッション鍵K123で暗号化する(ステップST57)このマルチキャストアドレスは、先に監視装置Cが監視装置B及び監視装置Aに通知したマルチキャストアドレス「FF12::3111」、ポート番号「1111」である。
【0106】
監視装置A及び監視装置Bは、状態変化通知S98を受信すると、当該状態変化通知S98が待ち受け状態となっていたマルチキャストアドレス及びポート番号宛のマルチキャストパケットであるので、当該状態変化通知S98を受信処理する(ステップST58、ステップST59)。そして、監視装置A及び監視装置Bは、先に監視装置Cにより送信されたセッション鍵K123で復号して、状態変化通知の内容を認識できる。
【0107】
以上のように、この監視システムによれば、状態変化通知を必要とする監視装置がマルチキャストグループに参加するたびに暗号鍵を生成するので、マルチキャストグループ内だけでセキュアな通信を行うことが可能になる。
【0108】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0109】
1 サーバ
2 管理ツール
3 協調制御ユニット
4 照明制御ユニット
4, 照明制御ユニット
4a,4b フル2線ユニット
5 ブラインド制御ユニット
6 プロキシユニット
7 プログラマブルユニット
8 PLC−I/Fユニット
8a,8b PLCユニット
9 Modbusゲートウェイ
9a,9b フル2線線ユニット
10 BACnetゲートウェイ
10a,10b BACnetユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ネットワークに接続された端末の監視情報を取得し、第2ネットワークにおいて相互に通信可能な複数の通信装置を備え、
前記監視情報を送信する第1通信装置は、
前記監視情報を受信する第2通信装置から送信された要求に応じて、前記第1通信装置により取得した監視情報に変化があったときに当該監視情報を第2通信装置に送出するように登録をする登録手段と、
前記登録手段によって複数の第2通信装置から登録された場合に、前記複数の第2通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を返信する返信手段とを備え、
前記複数の第2通信装置は、前記第1通信装置から返信されたマルチキャスト通信設定で待ち受け状態にする受信手段を備えること
を特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記第1通信装置は、
前記登録手段により登録した登録数が1である場合には、ユニキャストで監視情報の送信を行い、
前記登録手段により登録した登録数が複数となった場合に、前記複数の第2通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を送信すること
を特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記第2通信装置は、前記第1通信装置から送信された監視情報を蓄積する状態変化管理サーバを構成することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項4】
前記状態変化管理サーバと同じ機能を有する他の状態変化管理サーバを前記第2ネットワークに更に備え、
前記状態変化管理サーバが機能不全となった場合に、前記他の状態変化管理サーバは、前記機能不全となった状態変化管理サーバのアドレスに設定されること
を特徴とする請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記他の状態変化管理サーバは、前記状態変化管理サーバがネットワークに再接続された場合に、前記設定されたアドレスを削除し、
前記状態変化管理サーバに、機能不全の前に使用していたアドレスが設定されること
を特徴とする請求項4に記載の監視システム。
【請求項6】
前記第1通信装置は、前記マルチキャスト通信設定情報を返信する度に、新たに暗号鍵を生成して、前記第2通信装置がマルチキャスト通信設定で受信するよう前記暗号鍵を送出し、前記監視情報を前記暗号鍵で暗号化して、暗号化された監視情報を前記マルチキャスト通信設定で受信するよう送信することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の監視システム。
【請求項7】
端末の監視情報を取得する端末監視装置に、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を送信するように登録をする通知をする通知手段と、
前記端末監視装置から送信されたマルチキャスト通信設定情報を受信し、当該マルチキャスト通信設定で監視情報を待ち受ける受信手段とを備え、
前記端末監視装置から送信された監視情報を前記受信手段によって前記マルチキャスト通信設定で受信すること
を特徴とする監視情報受信装置。
【請求項8】
監視装置を受信する監視情報受信装置のプログラムであって、
端末の監視情報を取得する端末監視装置に、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を送信するように登録をする通知をする通知手段と、
前記端末監視装置から送信されたマルチキャスト通信設定情報を受信し、当該マルチキャスト通信設定で監視情報を待ち受ける受信手段とを備え、
前記端末監視装置から送信された監視情報を前記受信手段によって前記マルチキャスト通信設定で受信するように機能させることを特徴とする監視情報受信装置のプログラム。
【請求項9】
第1ネットワークに接続された端末の監視情報を取得し、第2ネットワークにおいて他の通信装置と通信する監視情報送信装置であって、
前記監視情報を取得する監視情報取得手段と、
前記通信装置から送信された登録通知に応じて、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を前記通信装置に送出するように登録をする登録手段と、
前記登録手段により複数の通信装置から登録された場合に、前記複数の通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を返信する返信手段と、
前記監視情報取得手段により監視情報を取得した場合に、前記返信手段により返信したマルチキャスト通信設定で受信できるよう監視情報を送信する監視情報送信手段と
を備えることを特徴とする監視情報送信装置。
【請求項10】
第1ネットワークに接続された端末の監視情報を取得し、第2ネットワークにおいて他の通信装置と通信する監視情報送信装置のプログラムであって、
前記監視情報を取得する監視情報取得手段と、
前記通信装置から送信された登録通知に応じて、前記監視情報に変化があったときに当該監視情報を前記通信装置に送出するように登録をする登録手段と、
前記登録手段により複数の通信装置から登録された場合に、前記複数の通信装置に自己のマルチキャスト通信設定情報を返信する返信手段と、
前記監視情報取得手段により監視情報を取得した場合に、前記返信手段により返信したマルチキャスト通信設定で受信できるよう監視情報を送信する監視情報送信手段
として機能させることを特徴とする監視情報送信装置のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−134713(P2012−134713A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284340(P2010−284340)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】