説明

監視制御システム

【課題】複数の伝送装置の状態監視を行う監視制御システムであって、複数の伝送システムに対しても一元監視を可能とする。
【解決手段】複数の伝送装置1−1〜1−nと通信網監視装置4と統合監視装置5とを含み、マスタ設定の伝送装置1−1から他の伝送装置1−2〜1−nの状態情報を収集して自装置の状態情報と共に通信網監視装置4に伝送するシステムに於いて、監視情報収集装置6のLAN−IF部6−1にマスタ設定伝送装置を接続し、LAN−IF部6−2に通信網監視装置4を接続し、上位−IF部6−3に統合監視装置5を接続し、監視情報収集装置6は、マスタ設定伝送装置1−1からの状態情報を、監視情報収集装置6のLAN−IF部6−1からLAN−IF部6−2を介して通信網監視装置4へ伝送し、且つ上位−IF部6−3から統合監視装置5へ伝送する制御構成を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の伝送装置の状態情報を統合監視装置により収集して、一元的に監視する監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の伝送装置を伝送路により接続してデータ伝送を行うシステムに於いて、各伝送装置の状態情報を監視装置で収集し、各伝送装置が正常か否かを監視する各種の手段が提案され、且つ実用化されている。例えば、図3に示すように、複数の伝送装置101−1〜101−nを、光リング伝送路102により接続した通信網に於いて、それらの伝送装置101−1〜101−nの中の1台、例えば、伝送装置101−1をマスタに設定し、他の伝送装置101−2〜101−nをスレーブに設定し、マスタ設定伝送装置101−1とネットワーク103を介して通信網監視装置104を接続し、この通信網監視装置104と複数の伝送装置101−1〜101−nにそれぞれIP(Internet Protocol)アドレスを付与する。図示の場合、マスタ設定伝送装置101−1のIPアドレスを、AAA.BBB.CCC.1とし、スレーブ設定伝送装置101−2〜101−nのIPアドレスを、AAA.BBB.CCC.2〜AAA.BBB.CCC.nとし、通信網監視装置104のIPアドレスを、AAA.BBB.DDD.10として、マスタ設定伝送装置101−1と各スレーブ設定伝送装置101−2〜101−nとの間で状態情報等を伝送し、且つマスタ設定伝送装置101−1とネットワーク103を介して通信網監視装置104との間で状態情報等の伝送を行う。
【0003】
前述の通信網監視装置104による状態情報収集の手順を(S1)〜(S3)として示すもので、先ず、通信網監視装置104は、定期的にネットワーク103を介してマスタ設定伝送装置101−1に対して、スレーブ設定伝送装置101−2〜101−nの状態情報を含む状態情報の要求を行う(S1)。マスタ設定伝送装置101−1は、定期的にスレーブ設定伝送装置101−2〜101−nをIPアドレスにより指定して、それぞれの状態情報を要求して収集する(S2)。マスタ設定伝送装置101−1は、通信網監視装置104からの監視情報要求に従って、自装置101−1の状態情報を含むスレーブ設定伝送装置101−2〜101−nから収集した状態情報を、通信網監視装置104へ送信する(S3)。それにより、通信網監視装置104は、ネットワーク103を介して接続したマスタ設定伝送装置101−1から、光リング伝送路102に接続された総ての伝送装置101−1〜101−nの状態情報を収集して、光リング伝送路102を介して情報伝送を行うシステムの正常性の監視を行うことができる。
【0004】
又従来例として、大規模ネットワークを複数の単位ネットワークに分割し、各単位ネットワーク内の伝送装置等を監視する中間監視装置を設け、各中間監視装置に対する上位のネットワーク総合監視装置を設け、このネットワーク総合監視装置から各中間監視装置に対して、それぞれ監視対象の指示や状態情報等の収集周期等を指示し、中間監視装置は、指示された収集周期に従って、指示された監視対象の状態情報を収集して記憶しておき、次の状態情報収集結果が前回と相違する場合は、何らかの障害等による状態変化として、ネットワーク総合監視装置に状態変化を通知するネットワークの監視手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。又移動通信システムに於ける基地局等を構成する複数の子局をそれぞれ接続した複数の親局装置を含み、監視制御装置により監視するシステムに於いて、各親局装置を光伝送路により順次接続し、監視制御装置に接続された親局装置をマスタ装置とし、このマスタ装置に順次接続した複数の親局装置をスレーブ装置とし、マスタ装置から定期的にスレーブ装置に対して障害の有無を問い合わせ、各スレーブ装置は障害の有無の応答情報をマスタ装置へ送出し、マスタ装置から監視制御装置へ障害情報等を通知するシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−340333号公報
【特許文献2】特開2007−28199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各種の通信網の正常性を確保して信頼性の高い情報通信を維持することが必要であり、その為に、通信網が正常であるか否かを監視し、異常発生時には迅速に修復する必要がある。その為に各種の監視制御システムが提案されている。この監視制御システムとして、例えば、前述の図3に示す構成は、伝送装置101−1〜101−nからなる一つの通信システムに対して通信網監視装置104により監視するものであり、この通信網監視装置104により監視する通信システムが複数個存在する大規模の通信システムの場合、一元化して監視するシステムが要望される。その場合、例えば、図3に示す構成に於いては、ネットワーク103又は通信網監視装置104に統合監視装置を接続する為の構成を付加し、且つアドレス設定等による相互の通信ルート設定を行うシステム構成を設けることが考えられる。このような監視制御システム構成の場合、統合監視装置との間の通信ルート設定が複雑となり、従って、システム全体の複雑化とコストアップとの問題が生じる欠点がある。
【0007】
本発明は、前述の従来例の問題点を解決することを目的とするものであり、比較的簡単な構成により、統合監視装置による監視情報収集を行って一元管理を可能とする監視制御システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の監視制御システムは、相互間で情報伝送可能に接続した複数の伝送装置の中の1台の伝送装置をマスタに設定し、他の伝送装置をスレーブに設定し、マスタ設定の伝送装置によりスレーブ設定の伝送装置から収集した状態情報と共に、マスタ設定の伝送装置の状態情報を、マスタ設定の伝送装置から通信網監視装置に送信し、この通信網監視装置により複数の伝送装置の状態監視を行う監視制御システムであって、通信網監視装置側インタフェース部とマスタ設定伝送装置側インタフェース部と統合監視装置側インタフェース部とを含み、マスタ設定の伝送装置からの状態情報を、マスタ設定伝送装置側インタフェース部から通信網監視装置側インタフェース部へ転送すると共に、統合監視装置側インタフェース部へ転送し、この統合監視装置側インタフェース部から統合監視装置へ状態情報を転送する制御構成を有する監視情報収集装置を、通信網監視装置と統合監視装置とマスタ設定伝送装置との間に接続した構成を備えている。
【0009】
監視情報収集装置のマスタ設定伝送装置側インタフェース部のIPアドレスを、通信網監視装置のIPアドレスに設定し、通信網監視装置側インタフェース部のIPアドレスを、マスタ設定伝送装置のIPアドレスに設定した構成を備えている。
【0010】
又相互間で情報伝送可能に接続した複数の伝送装置の中の1台を1系マスタに設定し、他の1台を2系マスタに設定し、マスタ設定動作以外の他の伝送装置をスレーブに設定し、マスタ設定動作の伝送装置により他の伝送装置の状態情報を収集して、マスタ設定動作の伝送装置の状態情報と共に通信網監視装置に送信し、通信網監視装置により複数の伝送装置の状態監視を行う監視制御システムであって、通信網監視装置に接続した1系ゲートウェイと2系ゲートウェイと、1系ゲートウェイ側インタフェース部と、2系ゲートウェイ側インタフェース部と、1系マスタ設定伝送装置側インタフェース部と、2系マスタ設定伝送装置側インタフェース部と、統合監視装置側インタフェース部とを含み、1系マスタ設定伝送装置からの状態情報又は2系マスタ設定伝送装置からの状態情報を、通信網監視装置へゲートウェイを介して伝送すると共に、統合監視装置側インタフェース部を介して統合監視装置へ伝送する制御構成を有する監視情報収集装置を、1系及び2系ゲートウェイと1系及び2系マスタ設定伝送装置と統合監視装置との間に接続した構成を備え、1系障害発生時に2系により状態情報を収集可能とする。
【発明の効果】
【0011】
複数の伝送装置の中のマスタ設定伝送装置と通信網監視装置との間に監視情報収集装置を接続し、この監視情報収集装置に統合監視装置を接続し、マスタ設定伝送装置から通信網監視装置へ伝送する状態情報を、監視情報収集装置から統合監視装置へ伝送する構成とし、複数の伝送システムに対してもそれぞれ監視情報収集装置を接続し、各監視情報収集装置から統合監視装置へ伝送装置の状態情報を転送し、複数の伝送システムに対して一元的な監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の説明図である。
【図2】本発明の実施例2の説明図である。
【図3】従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の監視制御システムは、図1を参照して説明すると、相互間で情報伝送可能に接続した複数の伝送装置1−1〜1−nの中の1台の伝送装置1−1をマスタに設定し、他の伝送装置1−2〜1−nをスレーブに設定し、マスタ設定の伝送装置1−1によりスレーブ設定の伝送装置1−2〜1−nから収集した状態情報と共に、マスタ設定の伝送装置1−1の状態情報を、マスタ設定の伝送装置1−1から通信網監視装置4に送信し、この通信網監視装置4により複数の伝送装置1−1〜1−nの状態監視を行う監視制御システムであって、通信網監視装置側インタフェース部(LAN−IF部6−2)とマスタ設定伝送装置側インタフェース部(LAN−IF部6−1)と統合監視装置側インタフェース部(上位−IF部6−3)とを含み、マスタ設定の伝送装置1−1からの状態情報を、マスタ設定伝送装置側インタフェース部(LAN−IF部6−1)から通信網監視装置側インタフェース部(LAN−IF部6−2)へ転送すると共に、統合監視装置側インタフェース部(上位−IF部6−3)へ転送し、この統合監視装置側インタフェース部(上位−IF部6−3)から統合監視装置5へ状態情報を転送する制御構成を有する監視情報収集装置6を、通信網監視装置4と統合監視装置5とマスタ設定伝送装置1−1との間に接続した構成を備えている。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1の説明図であり、1−1〜1−nは伝送装置、2は光リング伝送路、3はネットワーク、4は通信網監視装置、5は統合監視装置、6は監視情報収集装置、6−1はマスタ設定伝送装置側インタフェース部(LAN−IF部)、6−2は通信網監視装置側インタフェース部(LAN−IF部)、6−3は統合監視装置側インタフェース部(上位−IF部)を示す。複数の伝送装置1−1〜1−nを、光リング伝送路2により接続し、伝送装置1−1をマスタに設定し、他の伝送装置1−2〜1−nをスレーブに設定し、マスタ設定伝送装置1−1は、ネットワーク3を介して通信網監視装置4と統合監視装置5との間で通信できるように接続するもので、その為のインタフェース機能を有するLAN−IF部6−1,6−2と上位−IF部6−3とを備えた監視情報収集装置6を設ける。この監視情報収集装置6は、ネットワーク3を介してマスタ設定伝送装置1−1と接続する為のLAN−IF部6−1と、通信網監視装置4と接続する為のLAN−IF部6−2と、統合監視装置5と接続する為の上位−IF部6−3とを含む構成を有し、LAN−IF部6−1,6−2間で状態情報や他の制御情報を転送する制御構成と共に、LAN−IF部6−1からLAN−IF部6−2を介して通信網監視装置4へ送信する状態情報を、上位−IF部6−3を介して統合監視装置5に対しても転送する制御構成を有するものである。又マスタ設定伝送装置1−1は、スレーブ設定伝送装置1−2〜1−nの状態情報を、通信網監視装置4からの指示に従って、例えば、一定の周期毎に収集し、マスタ設定伝送装置1−1の状態情報を含めて、ネットワーク3及び監視情報収集装置6を介して通信網監視装置4に伝送し、且つ監視情報収集装置を介して統合監視装置5に対しても伝送する。
【0015】
前述の従来例と同様に、伝送装置1−1〜1−nのIPアドレスを、それぞれAAA.BBB.CCC.1〜AAA.BBB.CCC.nとし、通信網監視装置4のIPアドレスを、AAA.BBB.DDD.10とすると、監視情報収集装置6のマスタ設定伝送装置1−1側のインタフェース部のLAN−IF部6−1のIPアドレスを、通信網監視装置4のIPアドレスと同一のAAA.BBB.DDD.10とし、通信網監視装置4側のインタフェース部のLAN−IF部6−2のIPアドレスを、マスタ設定伝送装置1−1のIPアドレスと同一のAAA.BBB.CCC.1とする。それにより、マスタ設定伝送装置1−1は、監視情報収集装置6を設けない場合と同様に、通信網監視装置4のIPアドレスのAAA.BBB.DDD.10を送信先アドレスとして状態情報を送信する。監視情報収集装置6のLAN−IF部6−1は、自IPアドレスと同一の送信先アドレスとした状態情報を受信して、LAN−IF部6−2へ転送し、LAN−IF部6−2は、送信先アドレスをAAA.BBB.DDD.10とした状態情報を通信網監視装置4へ送信する。又LAN−IF部6−1からLAN−IF部6−2へ転送する状態情報と同一の状態情報を、上位−IF部6−3から統合監視装置5へ転送する。上位−IF部6−3と統合監視装置5との間は直接接続した構成として示しているが、ネットワーク等を介して状態情報等の伝送を行う構成とすることも可能である。
【0016】
又通信網監視装置4は、マスタ設定伝送装置1−1のIPアドレスAAA.BBB.CCC.1を送信先アドレスとしてマスタ設定伝送装置1−1に対する制御情報を送信すると、監視情報収集装置6のLAN−IF部6−2は自装置のIPアドレスを送信先アドレスとした制御情報を受信し、LAN−IF部6−1へ転送する。このLAN−IF部6−1は、LAN−IF部6−2から転送された制御情報の送信先アドレスのAAA.BBB.CCC.1をそのまま送信先アドレスとした制御情報を、ネットワーク3を介して送信する。マスタ設定伝送装置1−1は、自装置アドレスを送信先アドレスとした通信網監視装置4からの制御情報を受信し、その制御情報の内容に従って、スレーブ設定伝送装置の状態情報収集等の制御を行う。
【0017】
従って、監視情報収集装置6を、通信網監視装置4とマスタ設定伝送装置1−1との間に接続しても、通信網監視装置4とマスタ設定伝送装置1−1とのアドレス設定変更等の情報伝送制御機能を変更する必要がないから、運用中の短時間に、監視情報収集装置6を接続し、その後に、統合監視装置5を接続して、統合監視装置5に於いて複数の伝送装置の状態情報を収集処理して一元管理を行うことが可能となる。又通信網監視装置4と伝送装置1−1〜1−nとをそれぞれ含む複数の伝送システムに対して、統合監視装置5を接続する構成に於いても、伝送システム対応にそれぞれ監視情報収集装置6をマスタ設定伝送装置と通信網監視装置との間に接続し、各監視情報収集装置を介して各通信網監視装置4へ転送する状態情報を、各監視情報収集装置の統合監視装置側インタフェース部(上位−IF部)から統合監視装置5へ転送する構成とし、複数の伝送システムを統合して統合監視装置5により一元的に管理、監視を行う構成とすることも可能である。又伝送装置1−1〜1−nを光リング伝送路2によりリング状に接続した伝送システムのみでなく、各種ネットワーク構成で複数の伝送装置を接続した伝送システムに対しても適用することが可能である。
【実施例2】
【0018】
図2は、本発明の実施例2の説明図であり、11−1〜11−nは伝送装置、12は光リング伝送路、13はネットワーク、14は通信網監視装置、15は統合監視装置、16−11,16−12は1系のLAN−IF部、16−21,16−22は2系のLAN−IF部、16−3は上位−IF部(統合監視装置側インタフェース部)、17−1は1系のゲートウェイ、17−2は2系のゲートウェイを示し、光リング伝送路12によってリング状に接続した伝送装置11−1〜11−nの中の伝送装置11−1を1系のマスタ、伝送装置11−2を2系のマスタに設定した場合を示す。又監視情報収集装置16は、1系用のLAN−IF部16−11,16−12と、2系用のLAN−IF部16−21,16−22とを含み、統合監視装置15を接続する上位−IF部16−3を備え、実線矢印及び点線矢印で示す監視情報や制御情報の転送制御を行う制御構成を含むものである。又1系を現用系とすると、2系は予備系に相当し、1系の障害発生時は、2系に切替えて、状態情報収集を継続することができる。その為に、1系用のゲートウェイ17−1と2系用のゲートウェイ17−2とを介して通信網監視装置14と接続する構成としている。
【0019】
又伝送装置11−1〜11−nのIPアドレスは、例えば、図1に示す場合と同様に、AAA.BBB.CCC.1〜AAA.BBB.CCC.nとし、通信網監視装置14のIPアドレスをAAA.BBB.DDD.10とする。又1系のゲートウェイ17−1のIPアドレスをAAA.BBB.DDD.1とし、2系のゲートウェイ17−2のIPアドレスをAAA.BBB.DDD.2とし、1系のマスタ設定伝送装置11−1と接続する監視情報収集装置16のLAN−IF部16−12のIPアドレスを、1系のゲートウェイ17−1のIPアドレスと同一のAAA.BBB.DDD.1とし、2系のマスタ設定伝送装置11−2と接続する監視情報収集装置16のLAN−IF部16−22のIPアドレスを、2系のゲートウェイ17−2のIPアドレスと同一のAAA.BBB.DDD.2とする。又1系のゲートウェイ17−1と接続する監視情報収集装置16の1系のLAN−IF部16−11のIPアドレスを、1系のマスタ設定伝送装置11−1のIPアドレスと同一のAAA.BBB.CCC.1とし、2系のゲートウェイ17−2と接続する監視情報収集装置16の2系のLAN−IF部16−21のIPアドレスを、2系のマスタ設定伝送装置11−2のIPアドレスと同一のAAA.BBB.CCC.2とした場合を示す。
【0020】
又LAN−IF部16−12からLAN−IF部16−11とゲートウェイ17−1とを介して通信網監視装置14へ送信する1系マスタ設定伝送装置11−1からの状態情報を、上位−IF部16−3を介して統合監視装置15へも転送する制御構成とし、同様に1系障害により2系に切替えた場合は、2系のマスタ設定伝送装置11−2から監視情報収集装置16のLAN−IF部16−22とLAN−IF部16−21とゲートウェイ17−2とを介して通信網監視装置14へ送信する状態情報と同一の状態情報を、上位−IF部16−3を介して統合監視装置15へ転送する制御構成とする。
【0021】
1系が健全な場合は、通信網監視装置14と1系マスタ設定伝送装置11−1との間は、ゲートウェイ17−1、監視情報収集装置16、ネットワーク13を介して各種情報を伝送可能であり、その場合に、1系マスタ設定伝送装置11−1から送信する状態情報の送信先IPアドレスを、1系のゲートウェイ17−1のIPアドレスAAA.BBB.DDD.1とする。従って、1系マスタ設定伝送装置11−1からの状態情報は、監視情報収集装置16のLAN−IF部16−12により受信し、上位−IF部16−3を介して統合監視装置15と、LAN−IF部16−11とゲートウェイ17−1とを介して通信網監視装置14とに伝送することができる。又通信網監視装置14からゲートウェイ17−1を介して1系マスタ設定伝送装置11−1に対する制御情報等の送信IPアドレスを、監視情報収集装置16のLAN−IF部16−11のIPアドレスのAAA.BBB.CCC.1とする。このIPアドレスは、1系マスタ設定伝送装置11−1のIPアドレスであり、従って、1系マスタ設定伝送装置11−1は、通信網監視装置14からの制御情報を受信することができる。従って、1系マスタ設定伝送装置11−1は、監視情報収集装置16が通信網監視装置14及び統合監視装置15との間に接続されていることを意識する必要がなく、通信網監視装置14との間の状態情報の送信制御処理を行うだけで、複数の伝送装置11−1〜11−nの状態情報を収集して通信網監視装置14へ送信することができ、その状態情報を同時に統合監視装置15へも送信することができる。
【0022】
又マスタ設定伝送装置11−1と通信網監視装置14との間の1系の状態情報収集径路の障害発生時は、2系マスタ設定伝送装置11−2と通信網監視装置14との間の2系の状態情報収集径路によって状態情報を伝送する。この1系から2系への切替制御は、既に知られている異常検知手段、例えば、所定の期間に情報伝送が停止している状態等によって検知することが可能であり、1系から2系に切替えて、2系マスタ設定伝送装置11−2からの状態情報の送信先IPアドレスを、2系のゲートウェイ17−2のIPアドレスのAAA.BBB.DDD.2とする。このIPアドレスは、監視情報収集装置16のLAN−IF部16−22のIPアドレスと同一であるから、LAN−IF部16−22は、2系マスタ設定伝送装置11−2からの状態情報を受信し、LAN−IF部16−21へ転送して、このLAN−IF部16−21からゲートウェイ17−2へ送信し、ゲートウェイ17−2から通信網監視装置14へ転送する。又監視情報収集装置16のLAN−IF部16−22から上位−IF部16−3へも状態情報を転送し、この上位−IF部16−3から統合監視装置15へ転送する。従って、統合監視装置15は、複数の伝送装置の状態情報を、通信網監視装置14と同様に収集し、一元的な監視を行うことができる。
【0023】
又通信網監視装置14と伝送装置11−1〜11−nとを含む複数の伝送システムに対して統合監視装置15を接続して一元的な監視を行う場合、複数の伝送システム対応に、それぞれ監視情報収集装置16を介在接続し、各監視情報収集装置16の上位−IF部を介して統合監視装置15に対して状態情報を転送する構成とすることができる。その場合、複数の伝送システム対応のマスタ設定伝送装置と通信網監視装置との間で状態情報等の伝送径路が設定されている構成に対して、それぞれマスタ設定伝送装置側のLAN−IF部と通信網監視装置側のLAN−IF部と統合監視装置側の上位−IF部とを含む監視装置を接続し、監視装置のインタフェース部のアドレスを、通信網監視装置側はマスタ設定伝送装置と同一とし、マスタ設定伝送装置側は通信網監視装置又はゲートウェイと同一とすることにより、マスタ設定伝送装置及び通信網監視装置又はゲートウェイの設定変更を必要としないことにより、システム運用中でも短時間で監視情報収集装置を介して統合監視装置を接続する構成を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0024】
1−1〜1−n,11−1〜11−n 伝送装置
2,12 光リング伝送路
3,13 ネットワーク
4,14 通信網監視装置
5,15 統合監視装置
6,16 監視情報収集装置
6−1,6−2,16−11,16−12,16−21,16−22 LAN−IF部
6−3,16−13 上位−IF部
17−1,17−2 ゲートウェイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互間で情報伝送可能に接続した複数の伝送装置の中の1台の伝送装置をマスタに設定し、他の伝送装置をスレーブに設定し、前記マスタ設定の伝送装置によりスレーブ設定の伝送装置から収集した状態情報と、前記マスタ設定の伝送装置の状態情報とを、前記マスタ設定の伝送装置から通信網監視装置に送信し、該通信網監視装置により前記複数の伝送装置の状態監視を行う監視制御システムに於いて、
通信網監視装置側インタフェース部とマスタ設定伝送装置側インタフェース部と統合監視装置側インタフェース部とを含み、前記マスタ設定の伝送装置からの状態情報を、前記マスタ設定伝送装置側インタフェース部から前記通信網監視装置側インタフェース部へ転送すると共に、前記統合監視装置側インタフェース部へ転送し、該統合監視装置側インタフェース部から前記統合監視装置へ前記状態情報を転送する制御構成を有する監視情報収集装置を、前記通信網監視装置と前記統合監視装置と前記マスタ設定伝送装置との間に接続した構成を備えたことを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記監視情報収集装置の前記マスタ設定伝送装置側インタフェース部のIPアドレスを前記通信網監視装置のIPアドレスに設定し、前記通信網監視装置側インタフェース部のIPアドレスを前記マスタ設定伝送装置のIPアドレスに設定した構成を備えたことを特徴とする前記請求項1記載の監視制御システム。
【請求項3】
相互間で情報伝送可能に接続した複数の伝送装置の中の1台を1系マスタに設定し、他の1台を2系マスタに設定し、マスタ設定動作以外の他の伝送装置をスレーブに設定し、前記マスタ設定動作の伝送装置により他の伝送装置の状態情報を収集して、該マスタ設定動作の伝送装置の状態情報と共に通信網監視装置に送信し、該通信網監視装置により前記複数の伝送装置の状態監視を行う監視制御システムに於いて、
通信網監視装置に接続した1系ゲートウェイと2系ゲートウェイと、
1系ゲートウェイ側インタフェース部と、2系ゲートウェイ側インタフェース部と、1系マスタ設定伝送装置側インタフェース部と、2系マスタ設定伝送装置側インタフェース部と、統合監視装置側インタフェース部とを含み、前記1系マスタ設定伝送装置からの状態情報又は前記2系マスタ設定伝送装置からの状態情報を、前記通信網監視装置へ前記ゲートウェイを介して伝送すると共に、前記統合監視装置側インタフェース部を介して統合監視装置へ伝送する制御構成を有する監視情報収集装置を、前記1系及び2系ゲートウェイと前記1系及び2系マスタ設定伝送装置と前記統合監視装置との間に接続した構成を備えたことを特徴とする監視制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−35526(P2011−35526A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177764(P2009−177764)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】