説明

監視映像再生方法および装置

【課題】監視カメラ11等により長時間記録された監視映像を再生しながら、所望の映像を探す作業に要する時間を短縮できる監視映像再生装置を提供する。
【解決手段】分割画面の各画面に1台または複数の監視カメラの記録映像を再生するに当たり、一定時間ごとに別な時間帯の映像を複数の分割画面1−4に同時に再生し、各画面の中で、例えば画面2に割り当てられた時間帯の再生が終了した場合、画面移動(1),(2)により、画面を時系列に詰めて再構成し、詰めたことによって空いた最後の画面4で、(3)のように、新たな時間帯の再生を開始する。これにより、監視映像のように、飛び飛びに記録された場合でも、所望映像を探し出す作業に要する時間を短縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体に長時間記録された監視映像の中から所望の映像を探す場合に好適な監視映像再生方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長時間記録された監視映像の中から所望の映像を探す作業の中で、特定の人物が映っていないか探す場合や、レジでの不正を探す場合などは、何らかの異常が発生したことをセンサー等からの信号で感知し、その感知時刻の映像を検索して再生する場合と違い、例えば、何月何日〜何月何日までのように調査期間を決めて、再生や早送りをしながら所望の映像を探すことになる。
【0003】
再生や早送りをしながら所望の映像を探すのにかかる時間は、再生の場合、調査期間に相当する時間が必要で、早送りにしても所望の映像を見逃してしまう可能性があるため数倍速程度が限度である。
【0004】
これに対して、例えば、特許文献1に示されるように、1プログラムの映像の録画時間を複数に分割し、複数の録画時間帯分の監視映像の再生を、複数に分割した画面のそれぞれに割当て、割当てた複数の画面を時系列順に並べ、複数の画面で同時に監視映像を再生する技術が公開されている。この技術では、1プログラムの映像の中から所望の映像を探し出す場合には適していると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−128096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、特定の1プログラムの映像の中から所望の映像を探し出す場合には適しているが、本発明の対象とする監視の場合には、後述するように独特の記録の仕方をし、このような記録映像の中から所望の映像を見つける場合には、十分に適した技術とは言えない。
【0007】
本発明は、監視映像独特の記録の仕方に適した分割画面表示の再生装置を提供することで、所望の映像を探し出す作業にかかる時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はその一面において、録画時間帯を複数に分割し、前記複数の録画時間帯分の監視映像の再生を、複数に分割した画面のそれぞれに割当て、割当てた前記複数の画面を時系列順に並べ、前記複数の画面で同時に監視映像を再生する監視映像再生において、前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面で、再生待ちの監視映像の再生を開始することを特徴とする。
【0009】
本発明は他の一面において、監視すべき時間帯を複数の大時間帯に分割し、前記大時間帯を前記画面数に応じた数の小時間帯に分割し、第1の前記大時間帯において録画された監視映像を、前記複数の小時間帯毎の監視映像を複数の前記画面に並べて同時に再生し、任意の分割画面での前記小時間帯分の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面に、再生待ちの第2の大時間帯内の第1の小時間帯での監視映像の再生を開始することを特徴とする。
【0010】
本発明はさらに他の一面において、複数の監視カメラを備え、前記複数のカメラによる監視映像の再生をそれぞれ複数の画面に割当て、前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、該当する監視カメラに割当てられた前記複数の画面の範囲内で、並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面で、当該監視カメラに基づく再生待ちの監視映像の再生を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の望ましい実施態様によれば、監視映像において、所定の期間内の所望の映像を再生しながら確認する作業に要する時間を削減できる監視映像再生方法または装置を提供することができる。
【0012】
特に、監視映像のように飛び飛びに記録された場合でも、所望の映像を探し出す作業に要する時間を短縮できる監視映像再生方法または装置を提供することができる。
【0013】
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用するにふさわしい監視映像の記録の仕方の一例を示す図。
【図2】本発明の一実施例による監視カメラの映像を記録し、再生する監視映像の記録・再生システムの概要構成図。
【図3】本発明の一実施例において、バッファに格納されたデコード完了画像情報を示す図。
【図4】図3に基づく再生画像の表示タイミングの制御を説明する図。
【図5】本発明の一実施例による監視映像再生装置における設定画面例を示す図。
【図6】本発明の一実施例による監視映像再生装置における時間帯ごとの記録状態の一例を示す図。
【図7】同じく複数時間軸再生のチャンネル数が1のときの画面の再構成の仕方を示す図。
【図8】同じく複数時間軸再生のチャンネル数が3のときの画面の再構成の仕方を示す図。
【図9】本発明の一実施例による監視映像再生装置における複数時間軸再生のメイン処理フロー図。
【図10】同じく画面情報の初期化の説明図。
【図11】本発明の一実施例による監視映像再生装置における再生開始時刻の検索の処理フロー図。
【図12】同じく再生中の処理フロー図。
【図13】同じく画面情報のソートの処理フロー図。
【図14】同じく1チャンネルのみの再生状態でのソートを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明による監視映像再生装置を適用して好適な、監視映像の記録の仕方を説明する図である。
【0017】
図においては、1日24時間を横軸にとり、監視映像が記録される時間帯を塗りつぶして示している。図の(1)は、一日中、監視カメラを駆動しっぱなしとする記録方法、(2)は、営業時間帯である9時〜19時のみの記録方法、(3)は、営業時間帯全域および夜間のセンサー感知による間欠駆動、(4)は、終日、センサー感知による間欠駆動とした例である。
【0018】
センサー感知による間欠駆動によるそれぞれの駆動時間幅は、僅か10秒程度である。
【0019】
図2は、本発明の一実施例による監視カメラの映像を記録し、再生する監視映像の記録・再生システムの概要構成図である。複数(n)のカメラ11〜カメラ1nは、撮影した画像をJPEG等に圧縮してHUB20を経由してLANを通してレコーダ30に送信する。レコーダ30の通信部31は、カメラ11〜カメラ1nから画像を受信すると、カメラ番号と画像を記録再生制御部32に転送する。記録再生制御部32は、ハードディスク制御部33に画像とカメラ番号を転送する。ハードディスク制御部33は、再生する際に必要な管理情報(カメラ番号、記録時刻、画像を書き込んだアドレス等)を生成し画像と共にハードディスク34に記録する。また、記録再生制御部32は、通信部31から受信した画像をライブ表示用としてデコーダ35に転送する。デコーダ35は、画像のデコードを行い、デコードした画像をメモリ36へ転送し、記録再生制御部32にデコードが完了したことを通知する。デコードの完了を通知された記録再生制御部32は、グラフィック制御部37に、分割画面のどの画面位置に画像を表示するか(以後、表示位置とする)とデコードされた画像が格納されているメモリのアドレスを渡して画面の更新を指示する。グラフィック制御部37は、記録再生制御部32の指示に従い、モニタ40へ出力する画面を作成する。
【0020】
次に、ハードディスク34に記録した映像を、分割画面上に再生する場合について説明する。操作パネル39からシステム制御部38が再生を指示されたことを検出すると、記録再生制御部32に再生開始時刻とカメラ番号を指示する。記録再生制御部32は、ライブ表示用の画像をデコーダ35に転送するのを止め、ハードディスク制御部33に再生開始時刻とカメラ番号を渡して再生を指示する。
【0021】
ハードディスク制御部33は、ハードディスク34から画像を時系列に読み出してデコーダ35に転送する。デコーダ35はデコードが完了すると、デコード後の画像をメモリ36に格納し、記録再生制御部32に記録時刻、カメラ番号、画像格納したメモリのアドレスを通知する。記録再生制御部32では、デコードが完了した画像情報をバッファに格納しておく。
【0022】
図3は、デコードが完了し、バッファに格納された画像情報を示している。
【0023】
図3における記録時刻とは、録画した時刻であり、例えば、アドレス「0」には、カメラ番号1によって、2010年8月1日の0時00分00秒001に記録した画像情報が格納されていることを示している。また、アドレス「400000」には、同じくカメラ番号1によって、2010年8月1日の0時00分00秒501に記録した画像情報が格納されていることを示している。したがって、1秒間に、この2枚の画像が記録され、格納されていることになる。
【0024】
監視の目的によって、単位時間あたりに必要な画像数は任意に選択できる。例えば、ビル内への異常な侵入者や、異常行動者の探索などの場合、ぎこちない動きにはなるが、1秒間に2枚程度の再生画像で探索に支障はない。
【0025】
このように、図3では、1秒分の画像情報を示しており、図1において説明したセンサー感知による監視カメラの間欠駆動時間幅は10秒間程度であるから、1回の間欠駆動により、図3の10倍程度の画像情報量の格納となる。
【0026】
図4は、図3の画像情報に基く再生画像の表示タイミングの制御を説明する図である。記録再生制御部32では、グラフィック制御部37に画像の更新を指示するタイミングの制御も行っている。この制御について説明すると、図4(1)の再生開始時、再生開始時刻から自走(カウントアップ)を行うカウンタを1本用意し、再生開始時刻を設定し自走を開始する。カウンタがカウントアップするとき図3のバッファで自走時刻と一致する画像を探し、一致する画像があればグラフィック制御部37に表示位置と画像のアドレスを渡して画面の更新指示を出す。図4(2)では、自走時刻が、図3の格納アドレス「0」の記録時刻と一致しているので、その画像情報をモニタ40の画面(1)CH1に再生している。次に、図4(3)へカウンタがカウントアップしたときには、自走時刻と一致する画像がないので何もせず、モニタ画面に変更は無い。図4(4)へカウンタがカウントアップしたときには、自走時刻と一致する画像がある(図3の格納アドレス「10000」)ので、グラフィック制御部37に画面の更新指示を行い、モニタ40の画面(2)CH2に再生して、分割画面での再生を実現する。
【0027】
なお、図3のバッファは、リングバッファとして、ハードディスク制御部33に対する続きの画像の読み出し指示は適宜、記録再生制御部32から行うものとする。
【0028】
また、グラフィック制御部37は、OSD(On Screen Display)機能も有し、システム制御部38は、操作パネル39とOSDを制御して、ユーザが設定を行えるようにする。
【0029】
図5は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における設定用の画面例を示す。
【0030】
再生を開始ときの設定について、図5(a)の設定画面で説明する。まず、「再生開始時刻」を設定する。次に、「分割画面の再生方法」を「同期再生」と「複数時間軸再生」から選択する。「同期再生」は、図4を用いて説明した分割画面でそれぞれの分割画面に別々なチャンネルのカメラの映像を表示して、1本の時間に同期させて再生する方法である。「同期再生」を選択しているときは、「分割画面」として、「1画面」,「4画面」,または「9画面」の中から選択できるようにする。「チャンネル」は、「分割画面」に対応する数だけチェック可能にする。図5(a)には、図4で説明した設定状態を示している。
【0031】
次に、図5(b)の設定画面例について説明する。「分割画面の再生方法」として、「複数時間軸再生」を選択した場合には、「時間軸の長さ」と「チャンネル数」の設定項目が追加表示される。「時間軸の長さ」としては、「10分」,「1時間」,または「1日」から選択可能になる。また、「チャンネル数」は、「1」,「2」,または「3」から選択可能になる。「チャンネル数」が「1」の場合は、「分割画面」は「4分割」と「9分割」の何れも選択が可能で、「チャンネル」からは1つだけチャンネルを選択する。
【0032】
また、「チャンネル数」として、「2」を選ぶと、「分割画面」は「4分割」のみが選択可能で、「チャンネル」からは2つチャンネルを選択する。「チャンネル数」として、「3」を選ぶと、「分割画面」は「9分割」のみが選択可能となり、「チャンネル」から3つチャンネルを選択する。
【0033】
次に、本発明の一実施例の動作を、図5(b)の設定状態について説明する。設定状態は、「再生開始時刻」を「2010年8月1日0時0分0秒」、「分割画面の再生方法」として、「複数時間軸再生」、「時間軸の長さ」を「1時間」、「チャンネル数」を「1」、「分割画面」を「4画面」、「チャンネル」を「1」に設定したものとする。また、監視対象となる映像は、図1(3)に示した「営業時間帯全域および夜間のセンサー感知による間欠駆動」の場合を例に採る。
【0034】
図6は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における時間帯ごとの記録状態の一例を示す図である。図5(b)の設定画面例のように設定して再生を開始すると、図6(b)の画面1では、再生開始時刻から1時間(「時間軸の長さ」が「1時間」の設定のため)の0:00:00−1:00:00の時間帯の再生を行う。同様に、画面2では、1:00:00−2:00:00、画面3では2:00:00−3:00:00、画面4では3:00:00−4:00:00の時間帯の映像の再生が開始される。
【0035】
しかしながら、図6(a)に示すように、営業時間帯9時〜19時以外の時間帯では、センサー感知による監視カメラの間欠駆動であるため、再生すべき映像情報量は多くはない。すなわち、図6(1)−(4)に示す記録状態は、午前0時から4時までの分であるから、図6(a)の左端部の午前0〜4時までの範囲の分であり、図6(1)の0〜1時までには間欠駆動2回、図6(2)の1〜2時までには間欠駆動1回のみ、図6(3)の2〜3時までには間欠駆動3回、図6(4)の3〜4時までには間欠駆動4回だけである。したがって、1時間分づつの記録映像を4つの分割画面で再生しても、図6(1)〜(4)に合計記録時間を示しているように、それぞれ、10分、3分、16分、20分の記録映像しかない。
【0036】
このときの再生方法を、図6(1)−(4)を参照して説明する。図6(1)−1に、画面1で再生する時間帯の記録状態を示す。画面1の時間帯の最初の記録映像は、時刻0:05:00:001の記録画像であるため、記録再生制御部32は自走時刻を0:05:00:001まで進め、最初の画をグラフィック制御部37に表示するよう指示を出す。このように、自走時刻と、次に再生すべき記録画像の記録時刻が、一定時間以上開いたとき、実時間待つのではなく、自走時刻を進めて、次の画像を再生するようにしている。画面1の0:00:00−1:00:00の時間帯には、図6(1)−1に示すように、No.1の3分間分の映像情報と、No.2の7分間分の映像情報の記録があり、上記のように、次の再生までの間隔が一定時間以上開いたときは、自走時刻を進めるようにしているので、No.1とNo.2の映像の再生の間に休みを置くことはなく、再生に要する時間は、合計記録時間10分とほぼ同じである。
【0037】
同様に、画面2は、図6(2)−1の記録状態のため、再生に要する時間は3分、画面3は、図6(3)−1の記録状態のため、再生に要する時間は16分、画面4は、図6(4)−1の記録状態のため、再生に20分かかる。
【0038】
図7は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における複数時間軸再生のチャンネル数すなわちカメラが1つのときの画面の再構成の仕方を示す図である。図7(a)は、再生開始時の状態で、図6で説明したように、再生開始後3分が経過すると、画面2の時間帯の監視映像の再生が終了し、画面の再構成が行われる。図7(b)のように、画面3の時間帯の再生を画面2へ繰り上げ、画面4の時間帯の再生を画面3に繰り上げ、画面4では、次の時間帯に記録された監視映像の再生を開始することができる。
【0039】
このように、本実施例においては、録画時間帯を複数に分割し、前記複数の録画時間帯分の監視映像の再生を、複数に分割した画面のそれぞれに割当て、割当てた前記複数の画面を時系列順に並べ、前記複数の画面で同時に監視映像を再生する監視映像の再生において、前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面で、再生待ちの監視映像の再生を開始している。
【0040】
また、言い換えると、この具体的実施例においては、監視すべき時間帯(1日:24時間)を複数の大時間帯(6×4時間毎)に分割し、前記大時間帯(4時間)を前記画面数(4画面)に応じた数の小時間帯(1時間毎)に分割し、第1の前記大時間帯(午前0時〜4時)において記録された監視映像を、前記複数の小時間帯(1時間)毎の監視映像に分けて複数の前記画面(画面(1)〜(4))に並べて同時に再生し、(例えば、3分後に)任意の分割画面(例えば、画面(2))での前記小時間帯(1時間)分の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面(画面(4))に、再生待ちの第2の大時間帯(午前4時〜8時)内の第1の小時間帯(午前4時〜5時)に記録した監視映像の再生を開始している。
【0041】
さて、この具体例の場合には、再生開始後3分が経過し、画面2による午前1時から2時までの時間帯の監視映像の再生が終了すると、画面を前に詰めて、空いた最後尾の画面により、午前4時以降に記録された監視映像の再生を開始しようとする。
【0042】
ところがこのとき、この具体例においては、図6(a)において、次の時間帯の4時から5時の間には、全く監視カメラが作動していない。したがって、図7(b)に示すように、さらに次の時間帯である5時〜6時の間に記録された監視映像を再生することになる。
【0043】
このように、分割画面のある画面の時間帯の再生が終了した場合、分割画面の画面1から画面4の順に時系列になるように詰めて画面を再構成し、画面4で新たな時間帯の再生を行うようにする。この動作を繰り返すことにより、監視映像のように、飛び飛びの記録が混じっていても、所望の映像を探す作業に要する時間を短縮することができる。例えば、4画面に分割すれば、4分の1の探索時間とすることができ、9画面で行えば9分の1の探索時間とすることができる。
【0044】
次に、「チャンネル数」が「3」の場合の動作について説明をする。
【0045】
図8は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における複数時間軸再生のチャンネル数が3のときの画面の再構成の仕方を示す図である。
【0046】
こでは、図5(b)に示す設定画面例において、「チャンネル数」を「3」に、「分割画面」を「9画面」に、「チャンネル」を「1」,「2」,「3」としたものとする。また、探索対象となる監視映像は、図1(3)と図6(a)に示す場合を例に採る。
【0047】
再生を開始すると、図8(a)のように、画面1−画面3に、CH1のそれぞれ0時〜1時、1時〜2時、2時〜3時に記録された映像を同時に再生する。画面4−画面6に、CH2のそれぞれ0時〜1時、1時〜2時、2時〜3時に記録された映像を同時に再生する。画面7−画面9に、CH3のそれぞれ0時〜1時、1時〜2時、2時〜3時に記録された映像を同時に再生する。
【0048】
図8(b)に、画面2に割当てられた監視映像の再生が終了した場合の動作示す。画面の再構成は、画面1−画面3の中で(同じチャンネルの画面の中で)行われ、図8(b)の(1)に示すように、画面1−画面3の順に時系列に並ぶように詰めて表示する。
【0049】
次に、図8(b)の(2)に示すように、新画面3で、同じチャンネルの次の時間帯3時〜4時に記録された監視映像の再生を開始する。
【0050】
図8(c)は、画面4の再生が終了した場合の動作を示す。図8(b)と同様に、画面の再構成は、画面4−画面6の中で(同じチャンネルの画面の中で)行われ、図8(c)の(1),(2)に示すように、画面4−画面6の順に時系列に並ぶように詰めて表示する。
【0051】
次に、図8(c)の(3)に示すように、新画面6で、同じチャンネルの次の時間帯3時〜4時に記録された監視映像の再生を開始する。
【0052】
画面7−画面9の中で、割当てられた監視映像の再生を終了したチャンネルが発生した場合も同様に、再構成は画面7−画面9の中で(同じチャンネルの画面の中で)で行われる。
【0053】
この実施例においては、複数の監視カメラ(CH1−3)を備え、前記複数のカメラによる監視映像の再生をそれぞれ複数の(3つづつの)画面に割当て、前記複数の画面の中の任意の画面(画面(2))に割当てられた(例えば、1時〜2時に記録した)監視映像の再生が終了したとき、該当する監視カメラ(CH1)に割当てられた前記複数の画面(画面1−3)の範囲内で、並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面(新画面3)で、当該監視カメラ(CH1)に基づく再生待ちの(3時〜4時に記録した)監視映像の再生を開始している。
【0054】
さらに、応用して「チャンネル数」を「2」や「3」に設定して再生中に最終的にチャンネルが1つになった場合は「チャンネル数」が「1」のときの動作に自動的に切り替えることで効率的な再生が可能になる。
【0055】
以上の動作をフローチャートで詳細に説明する。
【0056】
図9は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における複数時間軸再生のメイン処理フロー図である。S100で複数時間軸再生が開始されると、S200で画面情報の初期化が行われる。例えば、図5(b)の設定画面を用い、複数時間軸再生を設定すれば、S200では、図10の(a),(b)または(c)のいずれかを選ぶことになる。
【0057】
S300で分割画面の各画面の再生開始時刻の検索が行われ、S400で各画面一斉に再生が開始される。S500で分割画面の各画面の中で再生が終了したものが無いかを検出する。再生が終了した画面が発生した場合は、S600で画面を再構成するために画面情報のソートを行う。図2の記録再生制御部32は、この画面情報を基に、グラフィック制御部37に表示位置を指示する。
【0058】
再生を続けた結果、それ以上、未再生監視映像の記録が無い場合は、S700で、分割画面の全ての画面が記録なしとなって、処理をする。再生を継続している画面があれば、S300へ戻る。次に、S200、S300、S500、S600の処理を説明する。
【0059】
図11は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における再生開始時刻の検索(図9のS300)の詳細処理フロー図である。
【0060】
S301でループカウンタを初期化する。S302で分割画面nの画面情報の「状態」が「記録なし」の場合は、S320へ進み「状態」を「記録なし」(このルートでは冗長)、S321で画面情報の「再生開始時刻」と「再生終了時刻」を無効な値にし、S309へ進み、全分割画面数分のループをしていれば終了し、まだ残っていればS310へ進み、残りの画面のチェックを行う。
【0061】
S302にて「記録なし」ではない場合はS303に進み、画面の「状態」が「再生割り当て待ち」の場合はS304へ進み、違う場合(「再生中」または「不使用」)はS309へ進む。S304にて検索時刻を設定し、S305にて図2のハードディスク制御部37に検索を指示し記録状態を検索する。指定された時刻以降に記録がない場合はS320へ進む。記録映像が見つかった場合はS306へ進み、「再生開始時刻」に見つかった映像時刻を設定する。S307にて「再生終了時刻」として、「再生開始時刻」に、図5(b)で設定した「時間軸の長さ」を加算して求めた時刻を設定する。S308にて「状態」を「再生中」にしてS309へ進む。
【0062】
図12は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における再生中(図9のS500)の処理フロー図である。
【0063】
S501にてループカウンタを初期化する。S502にて画面の「状態」が「再生中」かどうか確認する。画面情報の「再生終了時刻」まで再生が終了していることを確認し、「再生中」ではない場合はS506へ進み、全画面分のチェックが済んでいれば終了する。まだ、残っている画面があればS507へ進む。S502にて「再生中」の場合はS503へ進み、再生が終了しているか確認し、再生が「再生終了時刻」まで進んでいない場合はS506へ進む。再生が「再生終了時刻」まで進んでいれば「状態」を「再生割り当て待ち」にする。S505にて「再生開始時刻」と「再生終了時刻」を無効な値にし、S506へ進む。
【0064】
図13は、本発明の一実施例による監視映像再生装置における画面情報のソートS600の処理フロー図であり、図14は、同じく1チャンネルのみの再生状態でのソートを説明する図である。両図を参照しながら、画面情報のソート処理を説明する。
【0065】
S601でソートするチャンネルを設定する。以下のソート処理は、ソート対象のチャンネル毎に行われる。S602にて「状態」が「再生中」、「再生割り当て待ち」、「記録なし」の順に画面番号が若い画面に割り当てるようにソートする。「再生中」が複数ある場合は、記録開始時刻が古いものを、画面番号が若い画面に割り当てる。
【0066】
S603にて「再生中」と「記録なし」の間に挟まれた「再生割り当て待ち」は「記録なし」に変更する。S604にて「再生割り当て待ち」と「記録なし」しかないときの「再生割り当て待ち」は「記録なし」に変更する。S605にて「再生割り当て待ち」の画面の「再生開始時刻」に1つ番号が若い画面の「再生終了時刻」を設定する。
【0067】
S606にて全てのチャンネルに対してソートが終わっていなければ、S607に進み、次のチャンネルをソートする。S606にて全てのチャンネルのソートが終了していればS608へ進む。S608、S609にて、ソートの結果が、図14の(a)のように「状態」が「再生中」のチャンネルが1つしかなく、他のチャンネルが「記録なし」でないか確認する。図14の(a)のような状態の場合は、空いている画面を有効に使うため、「チャンネル数」が「1」の複数時間軸再生に切り替えるため、S610にて、画面情報を図14の(b)ようにソートする。これにより、S300に戻ったときに「再生割り当て待ち」に設定した画面で再生が行われるようになる。
【0068】
この実施例により、特に、監視映像において、所定の期間内の所望の映像を再生しながら確認する作業に要する時間を削減することができる。
【符号の説明】
【0069】
11〜1n:カメラ、20:HUB、30:レコーダ、31:通信部、32:記録再生制御部、33:ハードディスク制御部、34:ハードディスク、35:デコーダ、36:メモリ、37:グラフィック制御部、38:システム制御部、39:操作パネル、
40:モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
録画時間帯を複数に分割し、前記複数の録画時間帯分の監視映像の再生を、複数に分割した画面のそれぞれに割当て、割当てた前記複数の画面を時系列順に並べ、前記複数の画面で同時に監視映像を再生する監視映像再生方法において、
前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成するステップと、
詰めたことによって空いた後尾の画面で、再生待ちの監視映像の再生を開始するステップ
を備えたことを特徴とする監視映像再生方法。
【請求項2】
請求項1において、監視すべき時間帯を複数の大時間帯に分割するステップと、前記大時間帯を前記画面数に応じた数の小時間帯に分割するステップと、第1の前記大時間帯において記録された監視映像を、前記複数の小時間帯毎の監視映像に分けて複数の前記画面に並べて同時に再生するステップと、任意の分割画面での前記小時間帯分の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成するステップと、詰めたことによって空いた後尾の画面に、再生待ちの第2の大時間帯内の第1の小時間帯に記録した監視映像の再生を開始するステップを備えたことを特徴とする監視映像再生方法。
【請求項3】
請求項1において、複数の監視カメラを備え、前記複数のカメラによる監視映像の再生をそれぞれ複数の画面に割当てるステップと、前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、該当する監視カメラに割当てられた前記複数の画面の範囲内で、並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成するステップと、詰めたことによって空いた後尾の画面で、当該監視カメラに基づく再生待ちの監視映像の再生を開始するステップを備えたことを特徴とする監視映像再生方法。
【請求項4】
請求項1において、複数の監視カメラを備え、前記複数のカメラによる監視映像の再生をそれぞれ複数の画面に割当てるステップと、任意の監視カメラに割当てられた複数の画面の全部による監視映像の再生が終了したとき、該当する監視カメラへの前記複数の画面の割当てを取り消すステップと、前記割当ての取り消しに応じて前に詰めて再生終了前の他の監視カメラによる監視映像の再生に分割画面を再度割当てるステップと、前記再度割当てられた画面によって再生待ちの監視映像を再生するステップを備えたことを特徴とする監視映像再生方法。
【請求項5】
録画時間帯を複数に分割し、前記複数の録画時間帯分の監視映像の再生を、複数に分割した画面のそれぞれに割当て、割当てた前記複数の画面を時系列順に並べ、前記複数の画面で同時に監視映像を再生する監視映像再生装置において、
前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面で、再生待ちの監視映像の再生を開始することを特徴とする監視映像再生装置。
【請求項6】
請求項5において、監視すべき時間帯を複数の大時間帯に分割し、前記大時間帯を前記画面数に応じた数の小時間帯に分割し、第1の前記大時間帯において記録された監視映像を、前記複数の小時間帯毎の監視映像に分けて複数の前記画面に並べて同時に再生し、任意の分割画面での前記小時間帯分の再生が終了したとき、画面の並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面に、再生待ちの第2の大時間帯内の第1の小時間帯に記録した監視映像の再生を開始することを特徴とする監視映像再生装置。
【請求項7】
請求項5において、複数の監視カメラを備え、前記複数のカメラによる監視映像の再生をそれぞれ複数の画面に割当て、前記複数の画面の中の任意の画面による割当てられた監視映像の再生が終了したとき、該当する監視カメラに割当てられた前記複数の画面の範囲内で、並び順で時系列順になるように前に詰めて分割画面を再構成し、詰めたことによって空いた後尾の画面で、当該監視カメラに基づく再生待ちの監視映像の再生を開始することを特徴とする監視映像再生装置。
【請求項8】
請求項5において、複数の監視カメラを備え、前記複数のカメラによる監視映像の再生をそれぞれ複数の画面に割当て、任意の監視カメラに割当てられた複数の画面の全部による監視映像の再生が終了したとき、該当する監視カメラへの前記複数の画面の割当てを取り消し、前記割当ての取り消しに応じて前に詰めて再生終了前の他の監視カメラによる監視映像の再生に分割画面を再度割当てて、前記再度割当てられた画面によって再生待ちの監視映像を再生することを特徴とする監視映像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−239042(P2012−239042A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106823(P2011−106823)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】