監視装置
【課題】休止状態に遷移可能な機器を有するシステムにおいて、監視装置が、ネットワーク障害の原因を、機器の休止状態によるものか否かを把握できる。
【解決手段】一実施形態に係る監視装置は、通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移した事を示すネットワーク状態遷移通知を受信するネットワーク状態情報受信部と、ネットワークの状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、判定部がネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える。
【解決手段】一実施形態に係る監視装置は、通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移した事を示すネットワーク状態遷移通知を受信するネットワーク状態情報受信部と、ネットワークの状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、判定部がネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、休止状態に遷移可能な機器が増えている。機器が休止状態に遷移可能であることにより、消費電力低減を達成している。
【0003】
例えば、ネットワークに接続する機器が休止状態に遷移した場合、当該機器が休止状態の期間、他の機器が信号を送っても、休止状態に遷移した機器に、信号が到達しないという状態になる。そのため、信号に対する代理応答を行う機器(プロキシ)が利用されている。
【0004】
また、ネットワークに接続する機器が休止状態と起動状態との間で遷移した場合に、休止状態に遷移した機器の休止状態への状態遷移を確認する技術はあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−190029号公報
【特許文献2】特開2006−215686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、休止状態に遷移する機器と、クライアントコンピュータと、更に、これら装置の中間に位置する中継装置(スイッチングハブ、ルータなど)と、中継装置を監視する装置からなるシステムにおいて、機器が休止状態に遷移することを、中継装置を監視する装置が確認していなかった。
【0007】
本発明は、休止状態と起動状態との間で遷移可能な機器を有するシステムにおいて、ネットワークの状態遷移の原因が、機器の休止状態と起動状態との間の状態遷移に起因するか否かを把握することができる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る監視装置は、通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移した事を示すネットワーク状態遷移通知を受信するネットワーク状態情報受信部と、前記ネットワークの状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態にかかる通信システムを示す図。
【図2】第1の実施形態にかかる監視装置の構成を示すブロック図。
【図3】記憶部に記憶したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例。
【図4】記憶部に記憶した監視装置がネットワークを運用・管理するための情報の例。
【図5】第1の実施形態にかかる通信装置の構成を示すブロック図。
【図6】第1の実施形態にかかる中継装置の構成を示すブロック図。
【図7】第1の実施形態にかかる状態管理装置の構成を示すブロック図。
【図8】第1の実施形態に係るシステムの比較例の動作を示すシーケンス図。
【図9】第1の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図。
【図10】第1の実施形態に係る監視装置の動作を示すフローチャート。
【図11】第1の実施形態の変形例2に係るシステムの動作を示すシーケンス図。
【図12】第2の実施形態にかかる監視装置の構成を示すブロック図。
【図13】第2の実施形態にかかる監視装置の記憶部807が記憶する情報。
【図14】第2の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図。
【図15】第2の実施形態の変形例にかかる監視装置の動作を示すフローチャート。
【図16】第3の実施形態に係る監視装置の構成を示すブロック図。
【図17】(a)は、記憶部に記憶したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例であり、(b)は、ネットワークを運用・管理するための情報の例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる通信システムを示す図である。
【0012】
通信システムは、休止状態と起動状態との間を遷移可能な通信装置100と、通信装置100の状態を管理する状態管理装置200と、ネットワークに接続する通信機器やネットワークで発生する障害の監視を行う監視装置400と、通信装置100と状態管理装置200と監視装置400を互いに接続する中継装置300とを備える。
【0013】
図1には通信装置100は1台だけ記したが、複数台の通信装置100が接続していてもよい。中継装置300も、複数台あってもよい。また、状態管理装置200の数や設置場所については、使用する通信プロトコルやネットワークトポロジとの対応関係に基づいて決定される。例えば、通信プロトコルが、通信装置が休止状態に遷移することを単一ネットワーク内(例えば、サブネット内や特定の無線電波が到達する範囲内)に報知するような通信プロトコルである場合、ネットワークごとに(サブネットごとや電波の到達範囲ごとに)状態管理装置が必要となる。また、通信プロトコルが、休止状態に遷移することを複数のネットワークに到達するように報知する通信プロトコルである場合、報知が到達する範囲に少なくとも1台の状態管理装置があればよい。
【0014】
次に、第1の実施形態にかかる監視装置400を説明する。図2は、第1実施形態にかかる監視装置400の構成を示すブロック図である。
【0015】
ネットワークインターフェイス401は、監視装置400をネットワークに接続する。
【0016】
受信処理部402は、ネットワークインターフェイス401を介してパケットを受信する。
【0017】
送信処理部403は、ネットワークインターフェイス401を介してパケットを送信する。
【0018】
ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置100が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移したネットワーク状態遷移通知を受信する。ネットワーク状態遷移通知は、例えば、中継装置300のポートのリンクダウンや、リンクアップの通知である。
【0019】
通信装置状態確認部405は、状態管理装置200に対して、通信装置100が起動状態と休止状態との間で状態遷移したか否かを確認する通信装置状態遷移確認通知を通知する。通信装置状態遷移確認通知は、ネットワーク状態遷移が発生した時刻から前後所定の時間の範囲で、通信装置100の状態遷移があったか否かを確認する通知である。具体的には、通信装置状態遷移確認通知には、例えば、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間”を含める。状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知を受け取ると、ネットワーク状態遷移が発生した時刻の所定時間前の時刻からネットワーク状態遷移が発生した時刻の所定時間後の時刻の間で、通信装置が状態遷移をしているか否かを判断し、それにもとづき、通信装置状態遷移応答通知を通知する。ここで、通信装置状態遷移確認通知には、ネットワーク状態遷移が発生した時刻の代わりに、監視装置400がネットワーク状態遷移通知を受け取った時刻やネットワーク状態遷移に含まれる情報(時刻、中継装置の識別子等)を記憶部407に記憶した時刻を含めても良い。また、ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間のうち、ネットワーク状態遷移が発生した時刻に足す所定の時間と、引く所定の時間とは異なる値としても良い。
【0020】
通信装置状態情報受信部406は、状態管理装置200から、通信装置状態確認通知に対する応答である通信装置状態遷移応答通知を受信する。通信装置状態遷移応答通知は、例えば、通信装置100が起動状態と休止状態との間で状態遷移したこと、若しくは状態遷移していないことを示す情報である。尚、状態管理装置200は、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置の状態遷移があったと記憶している場合に、通信装置の状態遷移があったことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知し、一方、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置の状態遷移があったと記憶していない場合、状態遷移がなかったことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。
【0021】
記憶部407は、ネットワーク状態情報受信部404が受信したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報と、監視装置400がネットワークを運用・管理するための情報とを記憶する。以下、図3と図4を用いて、それぞれの情報について説明する。
【0022】
図3に、記憶部407が記憶する、ネットワーク状態情報受信部404が受信したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例を示す。図3に示すように、記憶部407は、ネットワーク状態遷移通知の送信元となる中継装置300の識別子(列501)と、ネットワーク状態遷移通知により通知された情報(列502)を記憶する。図3では、中継装置300の識別子を、300と示す。また、ネットワーク状態遷移通知により通知された情報は、2つあり、中継装置102のポート番号(列502−1)とポートの状態(502−2)である。また、列503には、ネットワーク状態遷移通知の情報を記憶する時刻を記憶する。尚、列503には、ネットワーク状態遷移通知の情報の通知を受けた時刻やネットワーク状態遷移に含まれる情報を記憶しても良い。ここでは図示しないが、ネットワーク状態遷移通知にサービスに関する情報(例えば、URLやUUID等のサービスを特定する識別子)を含んでもよい。図3では、列502−1には、ポート番号として、1、2の場合を示す。
【0023】
また、列502−2には、ポートの状態として、UP(リンクアップ)、DOWN(リンクダウン)の例を示す。以上の例は、レイヤー2スイッチの場合を例として説明した。レイヤー2スイッチでは、ポートのアップ・ダウンといった情報が監視装置に向けて送られる。
【0024】
尚、記憶部407が記憶するネットワーク状態遷移通知に関する情報とは、記憶部407の容量に応じて古いものから順に削除したり、別の記憶部(例えば、図示はしないハードディスク等の外部記憶部)に移動するなどしても良い。ただし、記憶部407は、最新のネットワーク状態遷移通知に含まれる情報と判断部408で処理されていない情報は、少なくとも保持しているものとする。
【0025】
図4に、記憶部407が記憶する2つ目の情報である、監視装置400がネットワークを運用・管理するための情報の例を示す。この例では、監視装置400が監視する装置が中継装置300である場合を示す。記憶部407には、中継装置300の各ポートがどの通信装置に接続しているか記憶されている。図4では、特に監視対象の中継装置300がレイヤー2スイッチの場合を示している。列601は、監視・管理対象となっている装置(中継装置300)の識別子であり、列602は、中継装置300を構成するポートの識別子(図4では、1、2と示す。)であり、列603は、該ポートに接続する通信装置のMACアドレス(図4では、MAC1、MAC2と示す。)であり、列604は、一連の情報が記録された時刻である。
【0026】
尚、監視装置400は、図4に示す情報を、SNMPを用いて中継装置300(スイッチ)が管理するMIBからフォワーディングテーブルやインターフェイス情報を取得することで構築できる。中継装置300の各ポートの状態は、MIB−2のIF−MIBに含まれるifOpenStatusの値を取得することで得られる。各ポートと機器のMACアドレスとの対応はBRIDGE−MIBの情報を用いることで得られる。なお、レイヤー3スイッチの場合には、IPアドレスとの対応についてもSNMPを介して取得できるので、図4の表にIPアドレスとの対応を含めても良い。
【0027】
判断部408は、通信装置状態情報受信部406で受信した通信装置状態遷移応答通知に基づき、ネットワーク状態情報受信部404で受信したネットワーク状態遷移通知が、通信装置の状態遷移に起因し、ネットワーク障害に起因しないものであるか、真にネットワーク障害に起因するものかを判断する。
【0028】
障害情報通知部409は、判断部408が、ネットワークの状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移が原因でなく、真にネットワーク障害が原因と判断した場合に、障害通報をネットワーク管理者など外部に対して通知する。一方、障害情報通知部409は、判断部408がネットワークの状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移が原因と判断した場合は、障害情報を通知しない。
【0029】
図5は、通信装置100の概略構成を示すブロック図である。通信装置100の構成を説明する。
【0030】
ネットワークインターフェイス101は、通信装置100をネットワークに接続する。
【0031】
状態切り替え部103は、通信装置100の状態を、休止状態と起動状態との間で切り替える。
【0032】
状態通知部102は、通信装置100の状態が切り替わった場合に、状態遷移した旨を示す通信装置状態遷移通知を、ネットワークインターフェイス101を介して、状態管理装置200に送信する。ここで、通信装置状態遷移通知は、起動状態から休止状態へと遷移した旨を示す休止報知若しくは休止状態から起動状態へと遷移した旨を示す起動報知であるとする。
【0033】
図6は、中継装置300の概略構成を示すブロック図である。中継装置300の構成を説明する。
【0034】
中継装置300は、複数のインターフェイス(ポート)301を備える。
【0035】
IF状態検知部302は、ポートの状態遷移を検知する。ここで、ポートの状態遷移とは、ポートのリンクダウンとリンクアップとの間の状態遷移である。
【0036】
通知部303は、IF状態検知部302がポートの状態遷移を検知した場合、ネットワーク状態遷移通知を監視装置400に通知する。ネットワーク状態遷移通知は、例えば、ポートのリンクアップ通知やリンクダウン通知である。
【0037】
図7は、状態管理装置200の概略構成を示すブロック図である。状態管理装置200の構成を説明する。
【0038】
ネットワークインターフェイス201は、状態管理装置200をネットワークに接続する。
【0039】
受信部202は、ネットワークインターフェイス201を介してパケットを受信する。具体的には、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受信する。また、監視装置400から、通信装置状態遷移確認通知を受信する。
【0040】
送信部203は、ネットワークインターフェイス201を介してパケットを送信する。具体的には、通信装置状態遷移確認通知に対する応答である通信装置状態遷移応答通知を送信する。
【0041】
状態管理部204は、通信装置100の状態を管理する。具体的には、例えば、通信装置のMACアドレスと、通信装置の状態と、通信装置状態遷移通知を受けた時刻を記憶する。尚、状態管理部204は、通信装置状態遷移通知を受けた時刻の代わりに、通信装置の状態遷移が発生した時刻を把握している場合、発生時刻を記憶しても良い。また、通信装置100が提供しているサービスに関する情報(例えば、URLやUUID等のサービスを特定する識別子)を記憶しても良い。
【0042】
図8は、本発明の第1の実施形態に係るシステムの比較例の動作を示すシーケンス図である。以下では、本実施形態のシステムの動作の特徴を説明するため、比較例を説明する。
図8のシーケンス図において、細い線は、機器が休止状態であることを示し、太枠部分は、機器が動作状態であることを示す。
【0043】
まず始めに、各装置はネットワークに接続して互いに通信できる状態にあるとする。この状態で、通信装置100が休止状態に遷移する。休止状態に遷移する前に、通信装置100は、休止状態に遷移する情報を含む通信装置状態遷移通知をネットワーク内に通知する(S101)。以下では、休止状態に遷移する情報を含む通信装置状態遷移通知を休止報知と称する。この休止報知は、例えば、事前に設定した状態管理装置200にユニキャストする。尚、休止報知は、ブロードキャストや、マルチキャストでもよいし、また、状態管理装置200以外の装置にもユニキャストしてもよい。通信装置100は、休止報知を報知後、実際に休止状態へと遷移する(S102)。通信装置100は、休止状態に遷移すると、ネットワークから到達できない状態となる。
【0044】
状態管理装置200は、通信装置100から休止報知を受信すると、通信装置100が休止状態に遷移したことを把握する(S103)。なお、休止報知がマルチキャストやブロードキャストされた場合には、ネットワークを構成する他の各装置も同様に、休止報知を受信できる可能性があるが、ここでは説明を省略する。
【0045】
また、通信装置100が休止状態に遷移すると、通信装置100に接続していた中継装置300のポートがリンクダウンする。中継装置300は、ポートのリンクダウンを検知する(S104)。そして、中継装置300は、ポートのリンクダウンを含む情報をネットワーク状態遷移通知として、監視装置400に通知する(S105)。以下では、ポートのリンクダウンを含む情報を含むネットワーク状態遷移通知を、リンクダウン通知と称する。
【0046】
監視装置400は、リンクダウン通知を受け取ると、ネットワークで障害が発生していると判断する(S106)。そして、監視装置400は、ネットワークで障害が発生したことを管理者に通知する(S107)。
【0047】
次に、通信装置100が休止状態から起動状態に復帰する場合の動作を説明する。通信装置100が、休止状態から起動状態に遷移すると(S108)、中継装置300のポートはリンクアップする(S109)。中継装置300は、ポートがリンクアップすると、ポートがリンクアップした情報を含むネットワーク状態遷移通知を監視装置400に通知する(S110)。以下では、ポートがリンクアップした情報を含むネットワーク状態遷移通知をリンクアップ通知と称する。監視装置400は、リンクアップ通知を受け取ると、ネットワークで障害が発生していると判断し(S111)、ネットワークで障害が発生したことを管理者に通知する(S112)。一方、通信装置100は、状態管理装置200に対して、起動状態に遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を通知し(S113)、状態管理装置200は、通信装置100が状態遷移したことを確認する(S114)。以下では、起動状態に遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を起動報知と称する。
【0048】
以上、説明したように、比較例においては、中継装置300の状態を監視する監視装置400は、中継装置300のポートのリンクダウン(若しくはリンクアップ)を把握できるが、リンクダウン(若しくはリンクアップ)の原因が、通信装置100の休止状態(若しくは起動状態)への遷移であることまでは把握できない。中継装置300が、通信装置100が休止状態と起動状態との間で状態遷移したことを把握できないためである。したがって、比較例においては、監視装置400は、中継装置300のポートのリンクダウン(若しくはリンクアップ)は、通信装置100の休止状態(若しくは起動状態)への状態遷移による正常な原因によるにもかかわらず、ネットワークの障害であると誤検知してしまう。その結果、ネットワーク障害が発生したことを、外部の管理者等に通知し、不要なネットワーク障害通報を行なってしまうことになる。なお、以上の例では、休止状態(若しくは起動状態)への通信装置状態遷移通知をユニキャストし、監視装置400が、通知を受け取らない場合を示した。しかしながら、通信装置状態遷移通知が、マルチキャストやブロードキャストであっても、監視装置400がその内容を解釈できない場合には、監視装置400は、同様に、リンクダウン(若しくはリンクアップ)をネットワーク障害と誤検知する。
【0049】
次に、比較例と比較しながら本実施例のシステムの動作について説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図である。
【0050】
ステップS201〜ステップS205までの動作は、図8で説明したステップS101〜S105の動作と同じであるため、説明を省略する。
【0051】
監視装置400は、リンクダウン通知を受けると、図3に示したように、リンクダウンに含まれる情報と共に、情報の記録時刻を記憶部407に記憶する(S206)。次に、監視装置400の通信装置状態確認部405は、記憶部407から記録時刻を読み出し、”記録時刻±所定の時間)を含む情報である通信装置状態遷移確認通知を生成し(S207)、状態管理装置200に送信する(S208)。前述しように、状態管理装置200の状態管理部204は、通信装置100から休止報知を受け取っており、受け取った時刻も記憶している。状態管理装置200は、監視装置400から受け取った通信装置状態遷移確認通知に含まれる、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、自装置で記憶する通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれるか否かを判定する。含まれる場合、状態管理装置200は、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100が状態遷移したことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知し、含まれない場合、通信装置100が、状態遷移していないことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。監視装置400は、通信装置状態遷移応答通知を受け取る(S209)。
【0052】
監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知を受け取ると、通信装置状態遷移応答通知に含まれる内容から、ポートのリンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。(S210)。すなわち、監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知が、通信装置が状態遷移していることを示す情報を含む場合、ポートのリンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移であると判断し、含まない場合、ポートリンクダウンの通信装置の状態遷移でないと判断する。そして、監視装置400は、リンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移であると判断すると、処理を終了する。一方、リンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移ではないと判断すると、障害情報通知部409により、ネットワーク障害が生じた旨を示す障害通報を障害情報通知部409に通知させる。
【0053】
次に、図9のS205からS209までの処理について、監視装置400の動作の詳細を説明する。図10は、監視装置400の動作を示すフローチャートである。
【0054】
まず、受信処理部402が、ネットワークインターフェイス401を介して、中継装置300が送信したリンクダウン通知を受信する(S301)。受信処理部402は、受信したパケットが中継装置401からの通知である事を確認すると、当該パケットをネットワーク状態情報受信部404に渡す。
【0055】
ネットワーク状態情報受信部404は、通知の内容を解析し、リンクダウンしたポートの情報と、記憶時刻を記憶部407に保存する(S302)。例えば、図3のエントリ512を作成したとする。すなわち、エントリ512として、送信元機器(中継装置300)の識別情報、リンクダウンしたポートの識別子、ポートの状態(DOWN)、記録時刻(T2)を記録する。その後、ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置状態確認部405に、リンクダウンの原因を確認するように通知を出す。その際、ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置状態確認部405に対して、エントリ512を特定する為の情報と共に通信装置の状態確認を依頼する。このエントリ512を特定するための情報とは、例えば、送信元機器(中継装置300の識別情報)(列501)及びポートのポート番号(列502−1)でも良いし、記録時刻T2でも良いし、行512に対応する識別子でも良い。なお、ネットワーク状態情報受信部404は、エントリ512を特定するための情報は、必ずしも通知しなくても良い。例えば、通信装置状態確認部405が、記憶部407に記憶された障害情報のうち、記録時刻が最新のエントリ対して状態確認依頼を行うということが前提にある場合である。
【0056】
通信装置状態確認部405は、状態確認依頼をうけとると、エントリ512を取得し、記憶部407からリンクダウンしたポートの情報の記録時刻T2を取得し(S303)、通信装置状態遷移確認通知を生成し、送信処理部403とネットワークインターフェイス401を介して状態管理装置103に送信する(S304)。通信装置状態遷移確認通知は、“記録時刻T2±所定の時間”を含む情報である。状態管理装置200は、監視装置400から受け取った通信装置状態遷移確認通知に含まれる、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、自装置で記憶する通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれるか否かを判定する。含まれる場合、状態管理装置200は、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100が状態遷移したことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知し、含まれない場合、通信装置100が状態遷移していないことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。
【0057】
その後、監視装置400は、通信装置状態確認通知に対する応答である通信装置状態遷移応答通知を待機し(S305)、通信装置状態遷移応答通知を受信すると、受信処理部402が、ネットワークインターフェイス401を介して、通信装置状態遷移応答通知を受信する(S306 YES)。受信処理部402は、状態管理装置103からの応答である事を確認すると、通信装置状態遷移応答通知を通信装置状態情報受信部406に渡す。
【0058】
通信装置状態情報受信部406は、通信装置状態遷移応答通知を受信すると、結果を記憶部407に記憶する。なお、通信装置状態遷移応答通知を記憶部407に記憶せず、判断部408に通知しても良い。その後、判断部408に、リンクダウンの原因の判断を依頼する。
【0059】
判断部408は、判断依頼された装置の識別情報をもとに、記憶部407から判断のための情報を読み出す。判断のための情報とは、具体的には、識別情報で特定される装置のネットワーク状態遷移通知に含まれる情報と通信装置状態遷移応答通知に含まれる情報である。判断のための情報についての詳細は、後述する。
【0060】
そして、判断部408は、記憶部407から読み出した通信装置状態遷移応答通知の情報をもとに、検知されたリンクダウンが、通信装置の休止状態への遷移に起因しているか否かを判断する。判断部408は、通信装置状態遷移応答通知の情報が、通信装置が状態遷移したことを示す情報である場合、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移に起因していると判断する。一方、通信装置が状態遷移したことを示す情報を含まない場合、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移に起因せず、ネットワーク障害があると判断する(S307)。
【0061】
判断部408が、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移によるものであると判断した場合(S307 YES)、監視装置400は動作を終了する。一方、判断部408が、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移によるものでなく、ネットワーク障害があると判断した場合、障害情報通知部409に対して、障害通報を管理者に通知するように指示を出す。判断部408が、ネットワーク障害であると判断した場合(S307 NO)、障害情報通知部409は、記憶部407から必要な情報を読み出し、管理者にネットワーク障害であることを示す障害通報を通知する(S308)。具体的には、前述した記録時刻T2をキーとして、図3から対応するエントリを読み出し、障害が報告されたポート(ここではポート1)を得て、更に、図4に対してポート1をキーとして参照し、ポート1に接続していた通信装置の識別子(ここではMAC1)を特定する。これらの情報をもとに、障害情報通知部409は、ネットワーク障害の情報(障害通報)を外部に通知する。なお、障害情報通知部409が行う処理は,実装に依存し、例えば、管理者への電子メール送信やログファイルへの記録の形で通知する。
【0062】
本実施形態に係る監視装置400によれば、中継装置103からのネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移に起因するか否かを把握でき、状態遷移に起因するものである場合、障害通報を管理者に通知しないことで、不要な障害通報を管理者に通知することを防ぐことが出来る。また、これまでと同様のネットワーク運用・管理方法を維持しながら、ネットワークの省電力化を実現できる。
【0063】
なお、中継装置300が、監視装置400のネットワーク状態情報受信部404にネットワーク状態遷移通知として、リンクダウンやリンクアップを通知する際に使用する通知は、種々の通信プロトコルを利用してよい。例えば、SNMPである。通信装置状態確認部405および通信装置状態情報受信部406が送受信する通知や通信装置状態遷移応答通知に使用する通知も同様に、種々の通信プロトコルを利用してよい。例えば、SNMPやHTTPである。
【0064】
また、以上の説明では、中継装置300が、レイヤー2スイッチである場合を説明したが、レイヤー3スイッチやルータ等であってもよい。この場合、MACアドレスは各レイヤーの適切な識別子に置き換えてもよい。
【0065】
また、以上の説明では、通信装置の起動状態から休止状態への遷移と中継装置300のポートのリンクダウンの検出という事象を例にして述べたが、通信装置の休止状態から起動状態への遷移と中継装置300のリンクアップの検出という事象であっても同様に説明可能である。ただし、リンクアップの場合、リンクダウンの場合と比べて、図8のシーケンス図で示したシステム全体の動作順序が異なる可能性がある。具体的には、通信装置100が休止状態に遷移する場合には、先に状態管理装置200が通信装置状態遷移通知を受信し、その後、中継装置300によりリンクダウンが検知・通知される。一方、通信装置100が休止状態から起動状態に遷移する場合には、先に、中継装置300によりリンクアップ検知されて、次に状態管理装置200が通信装置状態遷移通知を受信する。したがって、リンクアップの場合、リンクアップが検知された直後に状態管理装置200に対して、通信装置100の状態確認の問い合わせを行なうと、状態管理装置200が、通信装置状態遷移通知を処理していない可能性が考えられる。したがって、監視装置400は、リンクアップを検知後、一定時間経過した後に、通信装置状態遷移確認通知を通知することが好ましい。
【0066】
また、判断部408と障害情報通知部409の機能は、ネットワークに接続する通信装置に応じて変更可能でもよい。例えば、休止状態への遷移を報知する機能を持たない通信装置の存在が事前に判っているとする。この場合、記憶部407に、除外すべきMACアドレスを保存するテーブルを用意し、事前に休止状態への遷移を報知することが不可能な装置のMACアドレスを登録しておく。判断部408は、上述したネットワークの状態遷移の原因の判断の際には、前述の処理に加え、テーブルに含まれるMACアドレスがネットワークの状態遷移に関与しているか否かを判断する処理を追加する。そして、テーブルに含まれるMACアドレスにより特定される通信装置がネットワークの状態遷移に関与している場合、どのようなネットワークの状態遷移の通知であっても障害情報通知部409に障害情報通知を依頼しない。逆に、テーブルに含まれるMACアドレスがネットワークの状態遷移に関与している場合、常に通知を依頼するような設定にしてもよい。前述のMACアドレステーブルを拡張し、MACアドレスとその対応とを関連づけたテーブルとして保存しておいてもよい。
【0067】
また、監視装置400は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、ネットワークインターフェイス401と、受信処理部402と、送信処理部403と、ネットワーク状態情報受信部404と、通信装置状態確認部405と、通信装置状態情報受信部406と、記憶部407と、判断部408と、障害情報通知部409とは、上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、監視装置400は、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現してもよい。また、記憶部407は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリ、ハードディスクもしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体などを適宜利用して実現することができる。
【0068】
(変形例1)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例1にかかる通信システムについて説明する。
【0069】
変形例1にかかる通信システムでは、通信装置状態確認部405が送信する通信装置状態遷移確認通知と通信装置状態情報受信部406が受信する通信装置状態遷移応答通知の内容が異なる。そして、それに伴い、判断部408の処理が異なる。
【0070】
すなわち、通信装置状態遷移確認通知は、状態管理装置200が管理している最も新しい通信装置の状態遷移の発生時刻を問い合わせる通知である。状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知を受信すると、通信装置状態遷移応答通知として、最も新しい状態遷移の発生時刻を通知する。そして、監視装置400の通信装置状態情報受信部406は、通信装置状態遷移応答通知を受信する。そして、判断部408は、通信装置状態遷移応答通知に含まれる時刻と、ネットワーク状態情報受信部404が受信したネットワーク状態遷移通知を受け取った時刻とを比較し、その差が所定の閾値より大きいか否かで、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。その他の処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0071】
(変形例2)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例2にかかる通信システムについて説明する。
【0072】
変形例2にかかる通信システムでは、通信装置状態確認部405が、通信装置状態遷移確認通知に、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間”に加えて、ネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置の識別子(MACアドレス)を含めて通知する。状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知に基づいて、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に通信装置の状態遷移が発生したことに加えて、通知されたMACアドレスにより特定される通信装置が、状態遷移をしたことを記憶していることを条件として、通信装置による状態遷移が発生した旨の通信装置状態遷移応答通知を通知する。
【0073】
以下では、本変形例にかかる通信システムにおけるより具体的な処理について説明する。
【0074】
図11は、第1の実施形態の変形例2にかかる通信システムにおける監視装置400の動作を示すシーケンス図ある。
【0075】
ステップS201〜ステップS206までの動作は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、同一の番号を付す。
【0076】
監視装置400は、リンクダウン通知を受けると、ポートに接続していた通信装置を特定する(S407)。
【0077】
以下では、S407で、監視装置400が、ポートに接続していた通信装置を特定する方法を説明する。
【0078】
ネットワーク状態情報受信部404が、中継装置104からリンクダウン通知を受信し、リンクダウン通知の情報を記憶部407に記憶したとする。例えば、図3のエントリ512を作成したとする。すなわち、エントリ512として、送信元機器(中継装置300)の識別情報、リンクダウンしたポートの識別子、ポートの状態(DOWN)、記録時刻(T2)を記録する。その際、ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置状態確認部405に対して、エントリ512を特定する為の情報と共に通信装置の状態確認を依頼する。通信装置状態確認部405は、状態確認依頼をうけとると、エントリ512を特定するための情報から、エントリ512を取得し、確認すべき通信装置が接続しているポート番号を取得する。この場合は、ポート番号は2である事がわかる。次に、通信装置状態確認部405は、図4の管理情報を参照し、ポート番号2のポートに接続している通信装置の識別子を取得する。本例では、通信装置の識別子として、エントリ612からMAC1を取得する。以上の方法により、監視装置400は、ポートに接続していた通信装置を特定することができる。
【0079】
次に、監視装置400の通信装置状態確認部405は、記憶部407から記録時刻を読み出し、“記録時刻±所定の時間”とS407で特定した通信装置のMACアドレスを含む情報である通信装置状態遷移確認通知を生成し(S408)、状態管理装置200に送信する(S409)。ここで、第1の実施形態で説明したものと同様、状態管理装置200の状態管理部は、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取っており、受け取った時刻も記憶しているものとする。この場合、例えば、状態管理装置200は、通信装置状態遷移通知に含まれるMACアドレスと通信装置100のMACアドレスが一致するかを判断し、かつ、監視装置400から受け取った通信装置状態遷移確認通知に含まれる、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれるか否かを判定する。MACアドレスが一致し、かつ時刻も含まれる場合、状態管理装置200は、通信装置100が状態遷移したことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。一方、それ以外の場合は、通信装置100が状態遷移していないことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。これ以後の処理は、第1の実施形態で説明したS209の処理と同様であるため説明を省略する。
【0080】
本変形例にかかる通信システムによれば、通信装置状態遷移が発生した通信装置が、ネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置であることを確実に把握することができる。したがって、ネットワークの状態遷移が通信装置の状態遷移であるか否かをより適切に把握出来る。
【0081】
尚、本変形例は、リンクダウンについて説明を行なったが、リンクアップについても同様の説明をできる。
【0082】
(変形例3)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例3にかかる通信システムについて説明する。
【0083】
変形例3に係る通信システムでは、第1の実施形態と同様に、通信装置状態確認部405は、通信装置状態遷移確認通知として、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間”を通知し、状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知に基づいて、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に通信装置の状態遷移が発生したか否かを判断するとともに、状態遷移が発生している場合、その状態遷移を発生した通信装置のMACアドレスを特定する。そして、通信状態遷移応答通知には、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に通信装置が状態遷移を発生したか否かに加えて、状態遷移が発生している場合、その通信装置のMACアドレスを含める。そして、監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知を受け取ると、通知が、通信装置が状態遷移を発生したことを示し、かつ通知されたMACアドレスとネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置のMACアドレスとが一致する場合、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移であると判定する。一方、それ以外の場合は、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移でないと判定する。
【0084】
本変形例にかかる通信システムによれば、通信装置状態遷移が生じた通信装置が、ネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置であることを確実に把握することができる。したがって、より正確にネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の通信措置状態遷移であることを把握することができる。
【0085】
以下では、本変形例にかかる通信システムにおけるより具体的な処理について説明する。
【0086】
ステップS201〜ステップS208までの動作は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、説明を省略する。ここで、第1の実施形態で説明したものと同様、状態管理装置200の状態管理部は、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取っており、受け取った時刻も記憶しているものとする。この場合、例えば、状態管理装置200は、通信装置状態遷移通知に含まれる“記録時刻±所定の時間”について、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれている場合、通信装置状態遷移応答通知として、通信装置が状態遷移したことを示す情報と通信100のMACアドレスを通知する。一方、状態管理装置200は、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、状態遷移が生じたことを記憶していない場合には、通信装置状態遷移応答通知として、通信装置が状態遷移していないことを示す情報を通知する。
【0087】
監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知を受け取ると、通信装置状態遷移応答通知に含まれる内容から、ネットワークの状態遷移(ポートのリンクダウン)の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。具体的には、まず、通信装置状態遷移応答通知に、通信装置が状態遷移したことを示す情報が含まれているかを見る。そして、含まれている場合、通信装置状態遷移応答通知に含まれるMACが、ネットワーク状態遷移したポートに接続された通信装置のMACと一致するか否かを判断する。判断部408は、通信装置状態遷移応答通知に、通信装置状態遷移したことを示す情報が含まれており、かつ通信装置状態遷移応答通知に含まれるMACが、ネットワーク状態遷移したポートに接続された通信装置のMACと一致している場合、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものと判断する。それ以外の場合、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移ではないと判断する、そして、監視装置400は、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移の原因であると判断すると、処理を終了する。一方、リンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移でないと判断すると、障害情報通知部409により、ネットワーク障害が生じた旨を通知させる。
【0088】
尚、本変形例は、リンクダウンについて説明を行なったが、リンクアップについても同様の説明をできる。
【0089】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態にかかる通信システムについて説明する。本発明の第2の実施形態にかかる通信システムの構成は、第1の実施形態にかかる通信システムの構成と同様である。すなわち、通信装置100と中継装置300と状態管理装置200と監視装置800とを備える。尚、第2の実施形態に係る通信システムは、状態管理装置300を備えていなくても良い。
【0090】
本実施形態の監視装置800は、第1の実施形態の監視装置200と比べて、通信装置の状態遷移を状態管理装置300に問い合わせて確認するのではなく、直接、通信装置100から受信することが異なる。通信装置100と中継装置200と状態管理装置300の構成は第1の実施形態で説明したものと同様であるため説明を省略する。
【0091】
図12は、監視装置800の構成を示すブロック図である。なお、監視装置800の構成要素のうち、第1の実施形態で説明した監視装置400と同じ機能を持つ構成要素には、同じ番号を付し、説明を省略する。
【0092】
以下、図12を用いて、監視装置800の構成について説明する。
【0093】
受信処理部802は、受信処理部402と同様に、ネットワークインターフェイス401を介して、中継装置300から受け取るネットワーク状態遷移通知を受信し、ネットワーク状態情報受信部404に通知することに加えて、通信装置100が送信した通信装置状態遷移通知を受信し、通信装置状態情報受信部810へと通知する。
【0094】
通信装置状態情報受信部810は、通信装置100が送信した通信装置状態遷移通知を受け取り、その情報を記憶部807に記憶する。
【0095】
記憶部807は、第1の実施形態の記憶部407が記憶する情報に加えて、更に、通信装置100から受け取った通信装置状態遷移通知の情報を保存する。図13に、通信装置から受けとった通信装置状態遷移通知の情報の例を示す。図13において、列1001は、通信装置状態遷移通知を送信した通信装置の識別子(図13ではMACアドレス)であり、列1002は通信装置の状態(休止状態、又は起動状態)、列1003は、通信装置状態遷移通知を記憶した時刻である。図13の例では、行1011のエントリは、MAC1で特定される通信装置から休止状態に遷移した旨を示す通信装置状態遷移通知を時刻T5に受け取った旨を示している。また、行1012のエントリは、MAC2で特定される通信装置から動作状態に遷移した旨を示す通信装置状態遷移通知を時刻T6に受け取った旨を示している。
【0096】
判断部808は、ネットワーク状態遷移通知と通信装置状態遷移通知に基づいて、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。より具体的には、ネットワーク状態遷移通知と通信装置状態遷移通知とを受け取った時間差に基づいて、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。
【0097】
次に、本発明の第2の実施形態にかかるシステムの動作を説明する。図14は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図である。以下では、起動状態から休止状態へと遷移する例を説明する。
【0098】
通信装置100は、休止状態に遷移する際に、休止状態に遷移することを示す情報を含む通信装置状態遷移通知(以下、休止報知と称する。)をネットワーク全体に通知する(S501)。休止報知を通知後、通信装置100は休止状態へと遷移する(S502)。例えば、休止報知は、ネットワーク全体にマルチキャストまたはブロードキャストされる。状態管理装置200がネットワーク上に存在する場合、状態管理装置200は、休止報知を受信し、休止報知の情報を保存する(S503)。
【0099】
また、監視装置800も、休止報知を受信する。監視装置800の通信装置状態情報受信部810は、休止報知から通信装置100の識別子と通信装置100の状態とを抽出し、記憶部807に記憶する(S504)。この際、記憶部807に、記憶する時刻も併せて記憶する。その後、通信装置状態情報受信部810は、判断部808へと休止報知を受信した旨を通知する。
【0100】
通信装置100が休止状態に遷移すると、中継装置300のポートがリンクダウンする。中継装置300は、ポートのリンクダウンを検知する。そして、中継装置300は、ポートのリンクダウンをネットワーク状態遷移通知として送信する(S506)。以下では、このネットワーク状態遷移通知をリンクダウン通知と称する。リンクダウン通知は、リンクダウンを発生したポートの識別子とその状態(リンクダウン)を含む。尚、リンクダウン通知は、更に、リンクダウンの発生時刻を通知してもよい。監視装置800は、これらリンクダウン通知に含まれる情報を抽出して記憶部807へと保存する(S507)。この際、記憶部807へと記憶する時刻も記憶する。尚、リンクダウンの発生時刻を受け取っている場合、その時刻も記憶しても良い。その後、ネットワーク状態情報受信部404はリンクダウン通知を受信した旨を判断部808に通知する。
【0101】
判断部808は、先に発生した二つの通知(リンクダウン通知と休止報知)の時間差を計算する。例えば、リンクダウン通知、休止報知それぞれの情報を記憶した時刻の時間差を計算する。尚、リンクダウン通知と休止報知それぞれが発生した時刻を把握している場合、発生時刻の時間差を計算しても良い。そして、判断部808は、その時間差が、事前に定めた閾値よりも短い場合、中継装置300のポートのリンクダウンの原因は、通信装置100の休止状態への遷移が原因であると判断し、障害通報を管理者に通知する指示を障害情報通知部409に対して行なわない。一方、時間差が、事前に定めた閾値よりも短い場合、中継装置300のポートのリンクダウンの原因は、通信装置100の休止状態への遷移が原因ではないと判断し、障害通報を管理者に通知するように障害通報通知部409へと指示を出す。
【0102】
次に、本実施形態の監視装置800の判断部808の動作の詳細を説明する。以下では、中継装置300からリンクダウンが通知される場合と、リンクアップが通知される場合を説明する。
【0103】
まず、中継装置300からリンクダウンが通知される場合について説明する。
中継装置300のリンクダウンが発生する際は、通信装置状態情報受信部810が先に、通信装置から休止報知を受信し、次いで、ネットワーク状態情報受信部404がリンクダウン通知を受信する。通信装置状態情報受信部810は、休止報知の情報を、図13のエントリ1011として、記憶部807に格納する。その後、ネットワーク状態情報受信部404がリンクダウンの通知を受信すると、第1の実施形態と同様に、図3のエントリ512として、記憶部807へ格納し、リンクダウンの通知があった旨を判断部808に通知する。
【0104】
判断部808は、図3のエントリ512に含まれる情報からポートの識別子を抽出し、そのポートの識別子と、記憶部807が記憶する管理情報(図4に示す情報)とから、対象機器のMACアドレスMAC1を抽出する。ここで、対象機器とは、ポートに接続された通信装置である。対象機器のMACアドレスMAC1を抽出後、判断部808は、MAC1を用いて、図13の情報を探索し、エントリ1011を得る。判断部808は、以上の操作を通して、図3と図13に示すように、休止報知を時刻T5に受信し、リンクダウン通知を時刻T2に受信したことがわかる。
【0105】
判断部808は、T2とT5の差を算出し、それが所定の閾値を越えているか否かを判断する。すなわち、判断部808は、T <と|T2−T5|との大小関係を比較する(Tは事前に定めた閾値、記号|X|はXの絶対値)。判断部808は、T2とT5の差の絶対値が、閾値T以下である場合、リンクダウン通知と休止報知は関係があり、リンクダウンは、通信装置の休止状態への遷移に起因していると判断する。この場合、判断部808は、障害情報通知部409に障害通報を通知させず、処理を終了する。一方、判断部808は、T2とT5の差の絶対値が、閾値Tより大きい場合、リンクダウンは、休止状態遷移に起因しないと判断する。そして、判断部808は、管理者に障害通報を通知するように障害情報通知部409へと指示を出す。
【0106】
次に、中継装置300からリンクアップ通知が通知される場合について説明する。
【0107】
中継装置300のリンクアップが発生する際は、ネットワーク状態情報受信部404が、先に、中継装置300からのリンクアップ通知を受信し、次いで、通信装置状態情報受信部810が、通信装置からの通信装置状態遷移通知として起動状態への遷移の信号(以下、起動報知と称する。)を受信することになる。ネットワーク状態情報受信部404は、リンクアップ通知を受信すると、リンクアップ通知の情報を、図3のエントリ511として、記憶部808へ格納する。その後、判断部808に、リンクアップ通知があった旨を通知する。
【0108】
ネットワーク状態情報受信部404からリンクアップ通知があった旨の通知があると、判断部808は、リンクアップがあったことを認識し、通信装置状態情報受信部810から起動報知を受信した旨の通知を所定の時間待ち受ける。なお、判断部808は、通知を受けたら即座に後続の処理を再開してもよいし、タイマー等により前記所定の時間を測定し、所定の時間経過後に通知の有無を確認して処理を継続するようにし、その間、監視装置800は他の処理を行うようにしてもよい。
【0109】
ネットワーク状態情報受信部404が、リンクアップの通知を受信後、しばらくすると、通信装置状態情報受信部810が、通信装置から起動報知を受信する。通信装置状態情報受信部810は、起動報知の情報として、図13のエントリ1012に相当する情報を保存する。その後、通信装置状態情報受信部810は、判断部808に対して、起動報知を受信した旨を通知する。
【0110】
判断部808は、起動報知を受信した旨の通知を受けると、図13のエントリ1012の情報を記憶部807より読み出し、状態遷移した通信装置の識別子としてMAC2、起動報知を受信した時刻としてT6を得る。監視装置800は、次に、図4に示す管理情報うから、MAC2に対応するエントリ611を得る。そして、エントリ611から、リンクアップイベントが発生している可能性があるポートの識別子として1を得る。さらに、判断部808は、ネットワーク状態情報受信部404が保存した情報(図3)を探索し、ポート1に対応するエントリ511を得る。そして、このエントリからポート1がリンクアップした時刻T1を得る。
【0111】
そして、判断部808は、T6とT1の差を算出し、T6とT1の差の絶対値が所定の閾値Tより大きいか否かを判断する。なお、Tは、リンクダウンの際に用いた閾値と同じでも違っても良い。判断部808は、T6とT1の差の絶対値が閾値T以下である場合、リンクアップ通知と起動報知は関係があり、中継装置300のポートのリンクアップは、通信装置の休止状態から起動状態への遷移に起因していると判断できる。そして、判断部808は、障害情報通知部409へと障害通報を通知する指示を行なうことなく処理を終了する。一方、判断部808は、T6とT1の差の絶対値が閾値Tより大きい場合、リンクアップ通知と起動報知は関係がなく、中継装置300のポートのリンクアップと、通信装置の起動状態への遷移は関係がなく、リンクアップは、不正なリンクアップであると判断する。そして、判断部808は、不正なリンクアップがあった旨を示す障害通報を管理者に通知するように障害情報通知部409へと指示を出す。なお、判断部808は、リンクアップ通知を受信後、所定の時間以内に通信装置状態情報受信部810から状態遷移に関する通知を受けなかった場合にも、不正なリンクアップがあったと判断して、不正なリンクアップがあった旨を示す障害通報を障害情報通知部409に通知させる。
【0112】
本実施形態にかかる監視装置800によれば、ネットワークの状態遷移が通信装置の状態遷移に起因する場合に、そのことを把握でき、ネットワークの状態遷移がネットワーク障害であると検知せず、外部の管理者に障害通報を通知しないことから、不要な障害通報を送ることを防ぐことが出来る。
【0113】
なお、上記一連の手順において、ネットワーク状態遷移通知と、通信装置状態遷移通知のうちどちらか一方の事象のみを検知した場合、判断部808の判断は、その情報により動作が異なる。例えば、ネットワーク状態遷移通知として休止報知を受信したがリンクダウンの通知を受信しない場合には、判断部808は、休止状態でもリンクは維持できる通信装置だったと判断し、障害情報通知部409に対して、管理者への障害情報の通知は行わせない。一方、リンクアップ通知を受信したが、起動報知を受信しない場合、判断部808は、不正なリンクアップと判断して、障害情報通知部409に、不正なリンクアップがあった旨を示す障害通報を管理者へ通知させる。
【0114】
また、第1の実施形態で説明したように、MACアドレスごとに対応を変える等の処理を追加してもよい。すなわち、例えば、休止状態に遷移した場合にも休止報知をしない通信装置のMACアドレスをテーブルに記憶し、テーブルに含まれるMACアドレスにより特定される通信装置がネットワークの状態遷移に関与している場合、どのようなネットワークの状態遷移の通知であっても障害情報通知部409に障害情報通知を依頼しない。
【0115】
また、以上の説明では、通信装置状態遷移通知とネットワーク状態遷移通知の受信順序について、特定の順序についてのみ述べた。しかし、必ずしもその順序通り受信する必要は無い。すなわち、受信順序に関わらず、ネットワーク状態情報受信部404と状態報知受信部810とで受信した情報の2つのエントリに対して、互いに関連するエントリの時刻の差の絶対値が所定の時間(閾値)以上離れているかを判断できれば良い。そして、所定の時間以上はなれているか否かが障害情報通知部409を介して管理者へと障害として通知するか否かの判断基準となる。
【0116】
さらに、本実施形態のシステムでは、監視装置800は、通信装置100から直接、通信装置状態遷移通知を受信する例を説明したが、通信装置状態遷移通知を、通信装置100から状態管理装置200が一旦受信した後、監視装置800に再送信するような形で実装してもよい。
【0117】
また、本実施形態のシステムでは、通信装置状態遷移通知とネットワーク状態遷移通知とを受信した時間差が、所定の値より大きいか否かを、判断部が、各通知を受信した時間差と、所定の閾値との大小関係を比較することにより、判断していたが、この限りでない。例えば、通信装置状態遷移通知とネットワーク状態遷移通知のいずれかを受信後、一定時間の待ち受け時間を設け、その待ち受け時間内に、もう一方の通知を受信したか否かで、判断してもよい。そのような場合の、監視装置800の動作のフローチャートの例を図15に示す。
【0118】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る監視装置1200について説明する。
【0119】
監視装置1200は、中継装置の機能と、第2の実施形態にかかる監視装置800の機能を備える。
【0120】
図16は、第3の実施形態に係る監視装置1200を示すブロック図である。
【0121】
複数のネットワークインターフェイス(ポート)1201により、監視装置1200はネットワークに接続する。
【0122】
受信処理部1202は、各ネットワークインターフェイス1201で受信したパケットから監視装置1200を宛先としたパケットを受信する。
【0123】
通信装置状態情報受信部1203は、受信処理部1202で受信したパケットのうち、通信装置状態遷移通知を処理する。具体的には、通信装置状態遷移通知を記憶部1204に記憶するとともに、判断部1206に、通信装置状態遷移通知を受信した旨を通知する。
【0124】
I/F状態検知部1205は、各ネットワークインターフェイス1201の状態遷移を検出する。具体的には、各ネットワークインターフェイス(ポート)1201のリンクダウン若しくはリンクアップへの状態遷移を検出する。
【0125】
記憶部1204は、通信装置状態情報受信部1203で受信した通信装置状態遷移通知に含まれる情報およびI/F状態検出部1205で検出したネットワークインターフェイス1201の状態遷移の情報と監視装置1200が管理する情報を記憶する。ここで、I/F状態検出部1205が検出したネットワークインターフェイス1201の状態記遷移の情報は、図3で示した記憶部807に保存する情報から、送信元501(中継装置300)に対応する情報を削除したものとなる。また、通信装置状態情報受信部1203で受信した情報は、図13で示す情報と同一の情報である。また、監視装置1200が管理する情報は、図4のうち、列602と列603の情報である。
【0126】
判断部1206は、記憶部1204で記憶した、通信装置状態情報受信部1203で受信した通信装置状態遷移通知に含まれる情報およびI/F状態検出部1205で検出したネットワークインターフェイス1201の状態遷移の情報とを基に、ネットワークインターフェイス1201の状態遷移が、通信装置の状態遷移に起因するものか否かを判断する。
【0127】
障害通報通知部1207は、判断部1206が、ネットワークインターフェイス1201の状態変化が通信装置の状態遷移に起因しないと判断した際に、外部の監視装置へとネットワークインターフェイス1201の状態変化を障害通報として通知する。
【0128】
本実施形態における監視装置1200の動作を説明する。
【0129】
監視装置1200の動作は、第2の実施形態にかかる監視装置800の動作とほぼ同じである。監視装置1200は、第2の実施形態ではネットワーク状態遷移通知を、ネットワーク状態情報受信部404にて外部から受信していたのに対して、I/F状態検知部1205が自らのインターフェイス(ポート)1201を直接監視して、リンクダウン・リンクアップを検知する点が異なる。その他の動作については、第2の実施形態と同じであるため、省略する。
【0130】
本実施形態にかかる監視装置1200によれば、監視装置1200のリンクダウン(またはリンクアップ)の原因が通信装置の休止状態への遷移(または起動状態への遷移)に起因するか否かを把握でき、休止状態への遷移(または起動状態への遷移)に起因する場合、障害通報を管理者に通知しないことで、不必要に障害通報を管理者に通知することを防ぐことが出来る。
【0131】
尚、第1から第3の実施形態では、判定部が、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移が原因でないと判断した場合、ネットワーク状態遷移が発生した旨を示す障害通報を通知することとして、説明した。しかしながら、通報の方法は、この形態に関わらない。例えば、音を出す、LEDを点灯させる、外部機器の電源を入れる等により、通報を行なっても良い。
【0132】
また、第1から第3の実施形態では、監視装置は、ネットワークの状態遷移の原因が、通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移が原因か否かを判断し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移でないと判定した場合、障害通報を通知し、ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移であると判定した場合、障害通報を通知しないことと説明した。
【0133】
しかしながら、監視装置は、このようなネットワークの状態遷移と通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移以外の例にも適用できる。例えば、監視装置は、中継装置から通知されたイベントID(例えば、前述したサービスを特定する識別子)を受け取ると、そのイベントIDに対応する関連イベント(通信装置が提供するサービス)を特定し、その関連イベントが、通信装置が発生しているか否かを判定することができる。
この場合、ネットワーク状態遷移通知に含まれる情報が、イベントIDに対応し、通信装置状態遷移通知に含まれる情報が、関連イベントE3に対応する。図17(a)に、ネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例を示す。また、図17(b)に、監視装置が管理するネットワークを運用・管理するための情報の例を示す。監視装置は、図17(b)に示すように、イベントIDと関連イベントとの対応関係を記憶する。
【0134】
監視装置は、イベントIDがE1を含むネットワーク状態遷移通知を受け取ると、例えば、状態管理装置に、イベントID E1に対応する関連イベントE3が発生しているかを問い合わせて、状態管理装置からの応答により、通報を通知するか否か判断し、通報を通知する。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
100・・・通信装置、102・・・状態通知部、103・・・状態切り替え部、200・・・状態管理装置、202・・・受信部、203・・・送信部、204・・・状態管理部、300・・・中継装置、302、1205・・・IF状態検出部、303・・・通知部、400、800、1200・・・監視装置、401、101、201、301、1201・・・ネットワークインターフェイス、402、802、1202・・・受信処理部、403・・・送信処理部、404・・・ネットワーク状態情報受信部、405・・・通信装置状態確認部、406、810、1203・・・通信装置状態情報受信部、407、807、1204・・・記憶部、408、808、1206・・・判断部、409、1207・・・障害情報通知部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、休止状態に遷移可能な機器が増えている。機器が休止状態に遷移可能であることにより、消費電力低減を達成している。
【0003】
例えば、ネットワークに接続する機器が休止状態に遷移した場合、当該機器が休止状態の期間、他の機器が信号を送っても、休止状態に遷移した機器に、信号が到達しないという状態になる。そのため、信号に対する代理応答を行う機器(プロキシ)が利用されている。
【0004】
また、ネットワークに接続する機器が休止状態と起動状態との間で遷移した場合に、休止状態に遷移した機器の休止状態への状態遷移を確認する技術はあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−190029号公報
【特許文献2】特開2006−215686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、休止状態に遷移する機器と、クライアントコンピュータと、更に、これら装置の中間に位置する中継装置(スイッチングハブ、ルータなど)と、中継装置を監視する装置からなるシステムにおいて、機器が休止状態に遷移することを、中継装置を監視する装置が確認していなかった。
【0007】
本発明は、休止状態と起動状態との間で遷移可能な機器を有するシステムにおいて、ネットワークの状態遷移の原因が、機器の休止状態と起動状態との間の状態遷移に起因するか否かを把握することができる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る監視装置は、通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移した事を示すネットワーク状態遷移通知を受信するネットワーク状態情報受信部と、前記ネットワークの状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態にかかる通信システムを示す図。
【図2】第1の実施形態にかかる監視装置の構成を示すブロック図。
【図3】記憶部に記憶したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例。
【図4】記憶部に記憶した監視装置がネットワークを運用・管理するための情報の例。
【図5】第1の実施形態にかかる通信装置の構成を示すブロック図。
【図6】第1の実施形態にかかる中継装置の構成を示すブロック図。
【図7】第1の実施形態にかかる状態管理装置の構成を示すブロック図。
【図8】第1の実施形態に係るシステムの比較例の動作を示すシーケンス図。
【図9】第1の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図。
【図10】第1の実施形態に係る監視装置の動作を示すフローチャート。
【図11】第1の実施形態の変形例2に係るシステムの動作を示すシーケンス図。
【図12】第2の実施形態にかかる監視装置の構成を示すブロック図。
【図13】第2の実施形態にかかる監視装置の記憶部807が記憶する情報。
【図14】第2の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図。
【図15】第2の実施形態の変形例にかかる監視装置の動作を示すフローチャート。
【図16】第3の実施形態に係る監視装置の構成を示すブロック図。
【図17】(a)は、記憶部に記憶したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例であり、(b)は、ネットワークを運用・管理するための情報の例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる通信システムを示す図である。
【0012】
通信システムは、休止状態と起動状態との間を遷移可能な通信装置100と、通信装置100の状態を管理する状態管理装置200と、ネットワークに接続する通信機器やネットワークで発生する障害の監視を行う監視装置400と、通信装置100と状態管理装置200と監視装置400を互いに接続する中継装置300とを備える。
【0013】
図1には通信装置100は1台だけ記したが、複数台の通信装置100が接続していてもよい。中継装置300も、複数台あってもよい。また、状態管理装置200の数や設置場所については、使用する通信プロトコルやネットワークトポロジとの対応関係に基づいて決定される。例えば、通信プロトコルが、通信装置が休止状態に遷移することを単一ネットワーク内(例えば、サブネット内や特定の無線電波が到達する範囲内)に報知するような通信プロトコルである場合、ネットワークごとに(サブネットごとや電波の到達範囲ごとに)状態管理装置が必要となる。また、通信プロトコルが、休止状態に遷移することを複数のネットワークに到達するように報知する通信プロトコルである場合、報知が到達する範囲に少なくとも1台の状態管理装置があればよい。
【0014】
次に、第1の実施形態にかかる監視装置400を説明する。図2は、第1実施形態にかかる監視装置400の構成を示すブロック図である。
【0015】
ネットワークインターフェイス401は、監視装置400をネットワークに接続する。
【0016】
受信処理部402は、ネットワークインターフェイス401を介してパケットを受信する。
【0017】
送信処理部403は、ネットワークインターフェイス401を介してパケットを送信する。
【0018】
ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置100が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移したネットワーク状態遷移通知を受信する。ネットワーク状態遷移通知は、例えば、中継装置300のポートのリンクダウンや、リンクアップの通知である。
【0019】
通信装置状態確認部405は、状態管理装置200に対して、通信装置100が起動状態と休止状態との間で状態遷移したか否かを確認する通信装置状態遷移確認通知を通知する。通信装置状態遷移確認通知は、ネットワーク状態遷移が発生した時刻から前後所定の時間の範囲で、通信装置100の状態遷移があったか否かを確認する通知である。具体的には、通信装置状態遷移確認通知には、例えば、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間”を含める。状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知を受け取ると、ネットワーク状態遷移が発生した時刻の所定時間前の時刻からネットワーク状態遷移が発生した時刻の所定時間後の時刻の間で、通信装置が状態遷移をしているか否かを判断し、それにもとづき、通信装置状態遷移応答通知を通知する。ここで、通信装置状態遷移確認通知には、ネットワーク状態遷移が発生した時刻の代わりに、監視装置400がネットワーク状態遷移通知を受け取った時刻やネットワーク状態遷移に含まれる情報(時刻、中継装置の識別子等)を記憶部407に記憶した時刻を含めても良い。また、ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間のうち、ネットワーク状態遷移が発生した時刻に足す所定の時間と、引く所定の時間とは異なる値としても良い。
【0020】
通信装置状態情報受信部406は、状態管理装置200から、通信装置状態確認通知に対する応答である通信装置状態遷移応答通知を受信する。通信装置状態遷移応答通知は、例えば、通信装置100が起動状態と休止状態との間で状態遷移したこと、若しくは状態遷移していないことを示す情報である。尚、状態管理装置200は、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置の状態遷移があったと記憶している場合に、通信装置の状態遷移があったことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知し、一方、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置の状態遷移があったと記憶していない場合、状態遷移がなかったことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。
【0021】
記憶部407は、ネットワーク状態情報受信部404が受信したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報と、監視装置400がネットワークを運用・管理するための情報とを記憶する。以下、図3と図4を用いて、それぞれの情報について説明する。
【0022】
図3に、記憶部407が記憶する、ネットワーク状態情報受信部404が受信したネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例を示す。図3に示すように、記憶部407は、ネットワーク状態遷移通知の送信元となる中継装置300の識別子(列501)と、ネットワーク状態遷移通知により通知された情報(列502)を記憶する。図3では、中継装置300の識別子を、300と示す。また、ネットワーク状態遷移通知により通知された情報は、2つあり、中継装置102のポート番号(列502−1)とポートの状態(502−2)である。また、列503には、ネットワーク状態遷移通知の情報を記憶する時刻を記憶する。尚、列503には、ネットワーク状態遷移通知の情報の通知を受けた時刻やネットワーク状態遷移に含まれる情報を記憶しても良い。ここでは図示しないが、ネットワーク状態遷移通知にサービスに関する情報(例えば、URLやUUID等のサービスを特定する識別子)を含んでもよい。図3では、列502−1には、ポート番号として、1、2の場合を示す。
【0023】
また、列502−2には、ポートの状態として、UP(リンクアップ)、DOWN(リンクダウン)の例を示す。以上の例は、レイヤー2スイッチの場合を例として説明した。レイヤー2スイッチでは、ポートのアップ・ダウンといった情報が監視装置に向けて送られる。
【0024】
尚、記憶部407が記憶するネットワーク状態遷移通知に関する情報とは、記憶部407の容量に応じて古いものから順に削除したり、別の記憶部(例えば、図示はしないハードディスク等の外部記憶部)に移動するなどしても良い。ただし、記憶部407は、最新のネットワーク状態遷移通知に含まれる情報と判断部408で処理されていない情報は、少なくとも保持しているものとする。
【0025】
図4に、記憶部407が記憶する2つ目の情報である、監視装置400がネットワークを運用・管理するための情報の例を示す。この例では、監視装置400が監視する装置が中継装置300である場合を示す。記憶部407には、中継装置300の各ポートがどの通信装置に接続しているか記憶されている。図4では、特に監視対象の中継装置300がレイヤー2スイッチの場合を示している。列601は、監視・管理対象となっている装置(中継装置300)の識別子であり、列602は、中継装置300を構成するポートの識別子(図4では、1、2と示す。)であり、列603は、該ポートに接続する通信装置のMACアドレス(図4では、MAC1、MAC2と示す。)であり、列604は、一連の情報が記録された時刻である。
【0026】
尚、監視装置400は、図4に示す情報を、SNMPを用いて中継装置300(スイッチ)が管理するMIBからフォワーディングテーブルやインターフェイス情報を取得することで構築できる。中継装置300の各ポートの状態は、MIB−2のIF−MIBに含まれるifOpenStatusの値を取得することで得られる。各ポートと機器のMACアドレスとの対応はBRIDGE−MIBの情報を用いることで得られる。なお、レイヤー3スイッチの場合には、IPアドレスとの対応についてもSNMPを介して取得できるので、図4の表にIPアドレスとの対応を含めても良い。
【0027】
判断部408は、通信装置状態情報受信部406で受信した通信装置状態遷移応答通知に基づき、ネットワーク状態情報受信部404で受信したネットワーク状態遷移通知が、通信装置の状態遷移に起因し、ネットワーク障害に起因しないものであるか、真にネットワーク障害に起因するものかを判断する。
【0028】
障害情報通知部409は、判断部408が、ネットワークの状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移が原因でなく、真にネットワーク障害が原因と判断した場合に、障害通報をネットワーク管理者など外部に対して通知する。一方、障害情報通知部409は、判断部408がネットワークの状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移が原因と判断した場合は、障害情報を通知しない。
【0029】
図5は、通信装置100の概略構成を示すブロック図である。通信装置100の構成を説明する。
【0030】
ネットワークインターフェイス101は、通信装置100をネットワークに接続する。
【0031】
状態切り替え部103は、通信装置100の状態を、休止状態と起動状態との間で切り替える。
【0032】
状態通知部102は、通信装置100の状態が切り替わった場合に、状態遷移した旨を示す通信装置状態遷移通知を、ネットワークインターフェイス101を介して、状態管理装置200に送信する。ここで、通信装置状態遷移通知は、起動状態から休止状態へと遷移した旨を示す休止報知若しくは休止状態から起動状態へと遷移した旨を示す起動報知であるとする。
【0033】
図6は、中継装置300の概略構成を示すブロック図である。中継装置300の構成を説明する。
【0034】
中継装置300は、複数のインターフェイス(ポート)301を備える。
【0035】
IF状態検知部302は、ポートの状態遷移を検知する。ここで、ポートの状態遷移とは、ポートのリンクダウンとリンクアップとの間の状態遷移である。
【0036】
通知部303は、IF状態検知部302がポートの状態遷移を検知した場合、ネットワーク状態遷移通知を監視装置400に通知する。ネットワーク状態遷移通知は、例えば、ポートのリンクアップ通知やリンクダウン通知である。
【0037】
図7は、状態管理装置200の概略構成を示すブロック図である。状態管理装置200の構成を説明する。
【0038】
ネットワークインターフェイス201は、状態管理装置200をネットワークに接続する。
【0039】
受信部202は、ネットワークインターフェイス201を介してパケットを受信する。具体的には、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受信する。また、監視装置400から、通信装置状態遷移確認通知を受信する。
【0040】
送信部203は、ネットワークインターフェイス201を介してパケットを送信する。具体的には、通信装置状態遷移確認通知に対する応答である通信装置状態遷移応答通知を送信する。
【0041】
状態管理部204は、通信装置100の状態を管理する。具体的には、例えば、通信装置のMACアドレスと、通信装置の状態と、通信装置状態遷移通知を受けた時刻を記憶する。尚、状態管理部204は、通信装置状態遷移通知を受けた時刻の代わりに、通信装置の状態遷移が発生した時刻を把握している場合、発生時刻を記憶しても良い。また、通信装置100が提供しているサービスに関する情報(例えば、URLやUUID等のサービスを特定する識別子)を記憶しても良い。
【0042】
図8は、本発明の第1の実施形態に係るシステムの比較例の動作を示すシーケンス図である。以下では、本実施形態のシステムの動作の特徴を説明するため、比較例を説明する。
図8のシーケンス図において、細い線は、機器が休止状態であることを示し、太枠部分は、機器が動作状態であることを示す。
【0043】
まず始めに、各装置はネットワークに接続して互いに通信できる状態にあるとする。この状態で、通信装置100が休止状態に遷移する。休止状態に遷移する前に、通信装置100は、休止状態に遷移する情報を含む通信装置状態遷移通知をネットワーク内に通知する(S101)。以下では、休止状態に遷移する情報を含む通信装置状態遷移通知を休止報知と称する。この休止報知は、例えば、事前に設定した状態管理装置200にユニキャストする。尚、休止報知は、ブロードキャストや、マルチキャストでもよいし、また、状態管理装置200以外の装置にもユニキャストしてもよい。通信装置100は、休止報知を報知後、実際に休止状態へと遷移する(S102)。通信装置100は、休止状態に遷移すると、ネットワークから到達できない状態となる。
【0044】
状態管理装置200は、通信装置100から休止報知を受信すると、通信装置100が休止状態に遷移したことを把握する(S103)。なお、休止報知がマルチキャストやブロードキャストされた場合には、ネットワークを構成する他の各装置も同様に、休止報知を受信できる可能性があるが、ここでは説明を省略する。
【0045】
また、通信装置100が休止状態に遷移すると、通信装置100に接続していた中継装置300のポートがリンクダウンする。中継装置300は、ポートのリンクダウンを検知する(S104)。そして、中継装置300は、ポートのリンクダウンを含む情報をネットワーク状態遷移通知として、監視装置400に通知する(S105)。以下では、ポートのリンクダウンを含む情報を含むネットワーク状態遷移通知を、リンクダウン通知と称する。
【0046】
監視装置400は、リンクダウン通知を受け取ると、ネットワークで障害が発生していると判断する(S106)。そして、監視装置400は、ネットワークで障害が発生したことを管理者に通知する(S107)。
【0047】
次に、通信装置100が休止状態から起動状態に復帰する場合の動作を説明する。通信装置100が、休止状態から起動状態に遷移すると(S108)、中継装置300のポートはリンクアップする(S109)。中継装置300は、ポートがリンクアップすると、ポートがリンクアップした情報を含むネットワーク状態遷移通知を監視装置400に通知する(S110)。以下では、ポートがリンクアップした情報を含むネットワーク状態遷移通知をリンクアップ通知と称する。監視装置400は、リンクアップ通知を受け取ると、ネットワークで障害が発生していると判断し(S111)、ネットワークで障害が発生したことを管理者に通知する(S112)。一方、通信装置100は、状態管理装置200に対して、起動状態に遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を通知し(S113)、状態管理装置200は、通信装置100が状態遷移したことを確認する(S114)。以下では、起動状態に遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を起動報知と称する。
【0048】
以上、説明したように、比較例においては、中継装置300の状態を監視する監視装置400は、中継装置300のポートのリンクダウン(若しくはリンクアップ)を把握できるが、リンクダウン(若しくはリンクアップ)の原因が、通信装置100の休止状態(若しくは起動状態)への遷移であることまでは把握できない。中継装置300が、通信装置100が休止状態と起動状態との間で状態遷移したことを把握できないためである。したがって、比較例においては、監視装置400は、中継装置300のポートのリンクダウン(若しくはリンクアップ)は、通信装置100の休止状態(若しくは起動状態)への状態遷移による正常な原因によるにもかかわらず、ネットワークの障害であると誤検知してしまう。その結果、ネットワーク障害が発生したことを、外部の管理者等に通知し、不要なネットワーク障害通報を行なってしまうことになる。なお、以上の例では、休止状態(若しくは起動状態)への通信装置状態遷移通知をユニキャストし、監視装置400が、通知を受け取らない場合を示した。しかしながら、通信装置状態遷移通知が、マルチキャストやブロードキャストであっても、監視装置400がその内容を解釈できない場合には、監視装置400は、同様に、リンクダウン(若しくはリンクアップ)をネットワーク障害と誤検知する。
【0049】
次に、比較例と比較しながら本実施例のシステムの動作について説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図である。
【0050】
ステップS201〜ステップS205までの動作は、図8で説明したステップS101〜S105の動作と同じであるため、説明を省略する。
【0051】
監視装置400は、リンクダウン通知を受けると、図3に示したように、リンクダウンに含まれる情報と共に、情報の記録時刻を記憶部407に記憶する(S206)。次に、監視装置400の通信装置状態確認部405は、記憶部407から記録時刻を読み出し、”記録時刻±所定の時間)を含む情報である通信装置状態遷移確認通知を生成し(S207)、状態管理装置200に送信する(S208)。前述しように、状態管理装置200の状態管理部204は、通信装置100から休止報知を受け取っており、受け取った時刻も記憶している。状態管理装置200は、監視装置400から受け取った通信装置状態遷移確認通知に含まれる、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、自装置で記憶する通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれるか否かを判定する。含まれる場合、状態管理装置200は、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100が状態遷移したことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知し、含まれない場合、通信装置100が、状態遷移していないことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。監視装置400は、通信装置状態遷移応答通知を受け取る(S209)。
【0052】
監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知を受け取ると、通信装置状態遷移応答通知に含まれる内容から、ポートのリンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。(S210)。すなわち、監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知が、通信装置が状態遷移していることを示す情報を含む場合、ポートのリンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移であると判断し、含まない場合、ポートリンクダウンの通信装置の状態遷移でないと判断する。そして、監視装置400は、リンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移であると判断すると、処理を終了する。一方、リンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移ではないと判断すると、障害情報通知部409により、ネットワーク障害が生じた旨を示す障害通報を障害情報通知部409に通知させる。
【0053】
次に、図9のS205からS209までの処理について、監視装置400の動作の詳細を説明する。図10は、監視装置400の動作を示すフローチャートである。
【0054】
まず、受信処理部402が、ネットワークインターフェイス401を介して、中継装置300が送信したリンクダウン通知を受信する(S301)。受信処理部402は、受信したパケットが中継装置401からの通知である事を確認すると、当該パケットをネットワーク状態情報受信部404に渡す。
【0055】
ネットワーク状態情報受信部404は、通知の内容を解析し、リンクダウンしたポートの情報と、記憶時刻を記憶部407に保存する(S302)。例えば、図3のエントリ512を作成したとする。すなわち、エントリ512として、送信元機器(中継装置300)の識別情報、リンクダウンしたポートの識別子、ポートの状態(DOWN)、記録時刻(T2)を記録する。その後、ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置状態確認部405に、リンクダウンの原因を確認するように通知を出す。その際、ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置状態確認部405に対して、エントリ512を特定する為の情報と共に通信装置の状態確認を依頼する。このエントリ512を特定するための情報とは、例えば、送信元機器(中継装置300の識別情報)(列501)及びポートのポート番号(列502−1)でも良いし、記録時刻T2でも良いし、行512に対応する識別子でも良い。なお、ネットワーク状態情報受信部404は、エントリ512を特定するための情報は、必ずしも通知しなくても良い。例えば、通信装置状態確認部405が、記憶部407に記憶された障害情報のうち、記録時刻が最新のエントリ対して状態確認依頼を行うということが前提にある場合である。
【0056】
通信装置状態確認部405は、状態確認依頼をうけとると、エントリ512を取得し、記憶部407からリンクダウンしたポートの情報の記録時刻T2を取得し(S303)、通信装置状態遷移確認通知を生成し、送信処理部403とネットワークインターフェイス401を介して状態管理装置103に送信する(S304)。通信装置状態遷移確認通知は、“記録時刻T2±所定の時間”を含む情報である。状態管理装置200は、監視装置400から受け取った通信装置状態遷移確認通知に含まれる、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、自装置で記憶する通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれるか否かを判定する。含まれる場合、状態管理装置200は、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100が状態遷移したことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知し、含まれない場合、通信装置100が状態遷移していないことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。
【0057】
その後、監視装置400は、通信装置状態確認通知に対する応答である通信装置状態遷移応答通知を待機し(S305)、通信装置状態遷移応答通知を受信すると、受信処理部402が、ネットワークインターフェイス401を介して、通信装置状態遷移応答通知を受信する(S306 YES)。受信処理部402は、状態管理装置103からの応答である事を確認すると、通信装置状態遷移応答通知を通信装置状態情報受信部406に渡す。
【0058】
通信装置状態情報受信部406は、通信装置状態遷移応答通知を受信すると、結果を記憶部407に記憶する。なお、通信装置状態遷移応答通知を記憶部407に記憶せず、判断部408に通知しても良い。その後、判断部408に、リンクダウンの原因の判断を依頼する。
【0059】
判断部408は、判断依頼された装置の識別情報をもとに、記憶部407から判断のための情報を読み出す。判断のための情報とは、具体的には、識別情報で特定される装置のネットワーク状態遷移通知に含まれる情報と通信装置状態遷移応答通知に含まれる情報である。判断のための情報についての詳細は、後述する。
【0060】
そして、判断部408は、記憶部407から読み出した通信装置状態遷移応答通知の情報をもとに、検知されたリンクダウンが、通信装置の休止状態への遷移に起因しているか否かを判断する。判断部408は、通信装置状態遷移応答通知の情報が、通信装置が状態遷移したことを示す情報である場合、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移に起因していると判断する。一方、通信装置が状態遷移したことを示す情報を含まない場合、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移に起因せず、ネットワーク障害があると判断する(S307)。
【0061】
判断部408が、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移によるものであると判断した場合(S307 YES)、監視装置400は動作を終了する。一方、判断部408が、リンクダウンの原因が、通信装置の休止状態への遷移によるものでなく、ネットワーク障害があると判断した場合、障害情報通知部409に対して、障害通報を管理者に通知するように指示を出す。判断部408が、ネットワーク障害であると判断した場合(S307 NO)、障害情報通知部409は、記憶部407から必要な情報を読み出し、管理者にネットワーク障害であることを示す障害通報を通知する(S308)。具体的には、前述した記録時刻T2をキーとして、図3から対応するエントリを読み出し、障害が報告されたポート(ここではポート1)を得て、更に、図4に対してポート1をキーとして参照し、ポート1に接続していた通信装置の識別子(ここではMAC1)を特定する。これらの情報をもとに、障害情報通知部409は、ネットワーク障害の情報(障害通報)を外部に通知する。なお、障害情報通知部409が行う処理は,実装に依存し、例えば、管理者への電子メール送信やログファイルへの記録の形で通知する。
【0062】
本実施形態に係る監視装置400によれば、中継装置103からのネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移に起因するか否かを把握でき、状態遷移に起因するものである場合、障害通報を管理者に通知しないことで、不要な障害通報を管理者に通知することを防ぐことが出来る。また、これまでと同様のネットワーク運用・管理方法を維持しながら、ネットワークの省電力化を実現できる。
【0063】
なお、中継装置300が、監視装置400のネットワーク状態情報受信部404にネットワーク状態遷移通知として、リンクダウンやリンクアップを通知する際に使用する通知は、種々の通信プロトコルを利用してよい。例えば、SNMPである。通信装置状態確認部405および通信装置状態情報受信部406が送受信する通知や通信装置状態遷移応答通知に使用する通知も同様に、種々の通信プロトコルを利用してよい。例えば、SNMPやHTTPである。
【0064】
また、以上の説明では、中継装置300が、レイヤー2スイッチである場合を説明したが、レイヤー3スイッチやルータ等であってもよい。この場合、MACアドレスは各レイヤーの適切な識別子に置き換えてもよい。
【0065】
また、以上の説明では、通信装置の起動状態から休止状態への遷移と中継装置300のポートのリンクダウンの検出という事象を例にして述べたが、通信装置の休止状態から起動状態への遷移と中継装置300のリンクアップの検出という事象であっても同様に説明可能である。ただし、リンクアップの場合、リンクダウンの場合と比べて、図8のシーケンス図で示したシステム全体の動作順序が異なる可能性がある。具体的には、通信装置100が休止状態に遷移する場合には、先に状態管理装置200が通信装置状態遷移通知を受信し、その後、中継装置300によりリンクダウンが検知・通知される。一方、通信装置100が休止状態から起動状態に遷移する場合には、先に、中継装置300によりリンクアップ検知されて、次に状態管理装置200が通信装置状態遷移通知を受信する。したがって、リンクアップの場合、リンクアップが検知された直後に状態管理装置200に対して、通信装置100の状態確認の問い合わせを行なうと、状態管理装置200が、通信装置状態遷移通知を処理していない可能性が考えられる。したがって、監視装置400は、リンクアップを検知後、一定時間経過した後に、通信装置状態遷移確認通知を通知することが好ましい。
【0066】
また、判断部408と障害情報通知部409の機能は、ネットワークに接続する通信装置に応じて変更可能でもよい。例えば、休止状態への遷移を報知する機能を持たない通信装置の存在が事前に判っているとする。この場合、記憶部407に、除外すべきMACアドレスを保存するテーブルを用意し、事前に休止状態への遷移を報知することが不可能な装置のMACアドレスを登録しておく。判断部408は、上述したネットワークの状態遷移の原因の判断の際には、前述の処理に加え、テーブルに含まれるMACアドレスがネットワークの状態遷移に関与しているか否かを判断する処理を追加する。そして、テーブルに含まれるMACアドレスにより特定される通信装置がネットワークの状態遷移に関与している場合、どのようなネットワークの状態遷移の通知であっても障害情報通知部409に障害情報通知を依頼しない。逆に、テーブルに含まれるMACアドレスがネットワークの状態遷移に関与している場合、常に通知を依頼するような設定にしてもよい。前述のMACアドレステーブルを拡張し、MACアドレスとその対応とを関連づけたテーブルとして保存しておいてもよい。
【0067】
また、監視装置400は、例えば、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。すなわち、ネットワークインターフェイス401と、受信処理部402と、送信処理部403と、ネットワーク状態情報受信部404と、通信装置状態確認部405と、通信装置状態情報受信部406と、記憶部407と、判断部408と、障害情報通知部409とは、上記のコンピュータ装置に搭載されたプロセッサにプログラムを実行させることにより実現することができる。このとき、監視装置400は、上記のプログラムをコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現してもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現してもよい。また、記憶部407は、上記のコンピュータ装置に内蔵あるいは外付けされたメモリ、ハードディスクもしくはCD−R、CD−RW、DVD−RAM、DVD−Rなどの記憶媒体などを適宜利用して実現することができる。
【0068】
(変形例1)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例1にかかる通信システムについて説明する。
【0069】
変形例1にかかる通信システムでは、通信装置状態確認部405が送信する通信装置状態遷移確認通知と通信装置状態情報受信部406が受信する通信装置状態遷移応答通知の内容が異なる。そして、それに伴い、判断部408の処理が異なる。
【0070】
すなわち、通信装置状態遷移確認通知は、状態管理装置200が管理している最も新しい通信装置の状態遷移の発生時刻を問い合わせる通知である。状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知を受信すると、通信装置状態遷移応答通知として、最も新しい状態遷移の発生時刻を通知する。そして、監視装置400の通信装置状態情報受信部406は、通信装置状態遷移応答通知を受信する。そして、判断部408は、通信装置状態遷移応答通知に含まれる時刻と、ネットワーク状態情報受信部404が受信したネットワーク状態遷移通知を受け取った時刻とを比較し、その差が所定の閾値より大きいか否かで、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。その他の処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0071】
(変形例2)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例2にかかる通信システムについて説明する。
【0072】
変形例2にかかる通信システムでは、通信装置状態確認部405が、通信装置状態遷移確認通知に、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間”に加えて、ネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置の識別子(MACアドレス)を含めて通知する。状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知に基づいて、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に通信装置の状態遷移が発生したことに加えて、通知されたMACアドレスにより特定される通信装置が、状態遷移をしたことを記憶していることを条件として、通信装置による状態遷移が発生した旨の通信装置状態遷移応答通知を通知する。
【0073】
以下では、本変形例にかかる通信システムにおけるより具体的な処理について説明する。
【0074】
図11は、第1の実施形態の変形例2にかかる通信システムにおける監視装置400の動作を示すシーケンス図ある。
【0075】
ステップS201〜ステップS206までの動作は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、同一の番号を付す。
【0076】
監視装置400は、リンクダウン通知を受けると、ポートに接続していた通信装置を特定する(S407)。
【0077】
以下では、S407で、監視装置400が、ポートに接続していた通信装置を特定する方法を説明する。
【0078】
ネットワーク状態情報受信部404が、中継装置104からリンクダウン通知を受信し、リンクダウン通知の情報を記憶部407に記憶したとする。例えば、図3のエントリ512を作成したとする。すなわち、エントリ512として、送信元機器(中継装置300)の識別情報、リンクダウンしたポートの識別子、ポートの状態(DOWN)、記録時刻(T2)を記録する。その際、ネットワーク状態情報受信部404は、通信装置状態確認部405に対して、エントリ512を特定する為の情報と共に通信装置の状態確認を依頼する。通信装置状態確認部405は、状態確認依頼をうけとると、エントリ512を特定するための情報から、エントリ512を取得し、確認すべき通信装置が接続しているポート番号を取得する。この場合は、ポート番号は2である事がわかる。次に、通信装置状態確認部405は、図4の管理情報を参照し、ポート番号2のポートに接続している通信装置の識別子を取得する。本例では、通信装置の識別子として、エントリ612からMAC1を取得する。以上の方法により、監視装置400は、ポートに接続していた通信装置を特定することができる。
【0079】
次に、監視装置400の通信装置状態確認部405は、記憶部407から記録時刻を読み出し、“記録時刻±所定の時間”とS407で特定した通信装置のMACアドレスを含む情報である通信装置状態遷移確認通知を生成し(S408)、状態管理装置200に送信する(S409)。ここで、第1の実施形態で説明したものと同様、状態管理装置200の状態管理部は、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取っており、受け取った時刻も記憶しているものとする。この場合、例えば、状態管理装置200は、通信装置状態遷移通知に含まれるMACアドレスと通信装置100のMACアドレスが一致するかを判断し、かつ、監視装置400から受け取った通信装置状態遷移確認通知に含まれる、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれるか否かを判定する。MACアドレスが一致し、かつ時刻も含まれる場合、状態管理装置200は、通信装置100が状態遷移したことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。一方、それ以外の場合は、通信装置100が状態遷移していないことを示す通信装置状態遷移応答通知を通知する。これ以後の処理は、第1の実施形態で説明したS209の処理と同様であるため説明を省略する。
【0080】
本変形例にかかる通信システムによれば、通信装置状態遷移が発生した通信装置が、ネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置であることを確実に把握することができる。したがって、ネットワークの状態遷移が通信装置の状態遷移であるか否かをより適切に把握出来る。
【0081】
尚、本変形例は、リンクダウンについて説明を行なったが、リンクアップについても同様の説明をできる。
【0082】
(変形例3)
次に、本発明の第1の実施形態の変形例3にかかる通信システムについて説明する。
【0083】
変形例3に係る通信システムでは、第1の実施形態と同様に、通信装置状態確認部405は、通信装置状態遷移確認通知として、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻±所定の時間”を通知し、状態管理装置200は、通信装置状態遷移確認通知に基づいて、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に通信装置の状態遷移が発生したか否かを判断するとともに、状態遷移が発生している場合、その状態遷移を発生した通信装置のMACアドレスを特定する。そして、通信状態遷移応答通知には、“ネットワーク状態遷移が発生した時刻−所定の時間の時刻”と“ネットワーク状態遷移が発生した時刻+所定の時間の時刻”との間に通信装置が状態遷移を発生したか否かに加えて、状態遷移が発生している場合、その通信装置のMACアドレスを含める。そして、監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知を受け取ると、通知が、通信装置が状態遷移を発生したことを示し、かつ通知されたMACアドレスとネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置のMACアドレスとが一致する場合、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移であると判定する。一方、それ以外の場合は、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移でないと判定する。
【0084】
本変形例にかかる通信システムによれば、通信装置状態遷移が生じた通信装置が、ネットワーク状態遷移が発生したポートに接続された通信装置であることを確実に把握することができる。したがって、より正確にネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の通信措置状態遷移であることを把握することができる。
【0085】
以下では、本変形例にかかる通信システムにおけるより具体的な処理について説明する。
【0086】
ステップS201〜ステップS208までの動作は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、説明を省略する。ここで、第1の実施形態で説明したものと同様、状態管理装置200の状態管理部は、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取っており、受け取った時刻も記憶しているものとする。この場合、例えば、状態管理装置200は、通信装置状態遷移通知に含まれる“記録時刻±所定の時間”について、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、通信装置100から通信装置状態遷移通知を受け取った時刻が含まれている場合、通信装置状態遷移応答通知として、通信装置が状態遷移したことを示す情報と通信100のMACアドレスを通知する。一方、状態管理装置200は、“記録時刻−所定の時間の時刻”と“記録時刻+所定の時間の時刻”との間に、状態遷移が生じたことを記憶していない場合には、通信装置状態遷移応答通知として、通信装置が状態遷移していないことを示す情報を通知する。
【0087】
監視装置400の判断部408は、通信装置状態遷移応答通知を受け取ると、通信装置状態遷移応答通知に含まれる内容から、ネットワークの状態遷移(ポートのリンクダウン)の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。具体的には、まず、通信装置状態遷移応答通知に、通信装置が状態遷移したことを示す情報が含まれているかを見る。そして、含まれている場合、通信装置状態遷移応答通知に含まれるMACが、ネットワーク状態遷移したポートに接続された通信装置のMACと一致するか否かを判断する。判断部408は、通信装置状態遷移応答通知に、通信装置状態遷移したことを示す情報が含まれており、かつ通信装置状態遷移応答通知に含まれるMACが、ネットワーク状態遷移したポートに接続された通信装置のMACと一致している場合、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものと判断する。それ以外の場合、ネットワーク状態遷移の原因が通信装置の状態遷移ではないと判断する、そして、監視装置400は、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移の原因であると判断すると、処理を終了する。一方、リンクダウンの原因が、通信装置の状態遷移でないと判断すると、障害情報通知部409により、ネットワーク障害が生じた旨を通知させる。
【0088】
尚、本変形例は、リンクダウンについて説明を行なったが、リンクアップについても同様の説明をできる。
【0089】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態にかかる通信システムについて説明する。本発明の第2の実施形態にかかる通信システムの構成は、第1の実施形態にかかる通信システムの構成と同様である。すなわち、通信装置100と中継装置300と状態管理装置200と監視装置800とを備える。尚、第2の実施形態に係る通信システムは、状態管理装置300を備えていなくても良い。
【0090】
本実施形態の監視装置800は、第1の実施形態の監視装置200と比べて、通信装置の状態遷移を状態管理装置300に問い合わせて確認するのではなく、直接、通信装置100から受信することが異なる。通信装置100と中継装置200と状態管理装置300の構成は第1の実施形態で説明したものと同様であるため説明を省略する。
【0091】
図12は、監視装置800の構成を示すブロック図である。なお、監視装置800の構成要素のうち、第1の実施形態で説明した監視装置400と同じ機能を持つ構成要素には、同じ番号を付し、説明を省略する。
【0092】
以下、図12を用いて、監視装置800の構成について説明する。
【0093】
受信処理部802は、受信処理部402と同様に、ネットワークインターフェイス401を介して、中継装置300から受け取るネットワーク状態遷移通知を受信し、ネットワーク状態情報受信部404に通知することに加えて、通信装置100が送信した通信装置状態遷移通知を受信し、通信装置状態情報受信部810へと通知する。
【0094】
通信装置状態情報受信部810は、通信装置100が送信した通信装置状態遷移通知を受け取り、その情報を記憶部807に記憶する。
【0095】
記憶部807は、第1の実施形態の記憶部407が記憶する情報に加えて、更に、通信装置100から受け取った通信装置状態遷移通知の情報を保存する。図13に、通信装置から受けとった通信装置状態遷移通知の情報の例を示す。図13において、列1001は、通信装置状態遷移通知を送信した通信装置の識別子(図13ではMACアドレス)であり、列1002は通信装置の状態(休止状態、又は起動状態)、列1003は、通信装置状態遷移通知を記憶した時刻である。図13の例では、行1011のエントリは、MAC1で特定される通信装置から休止状態に遷移した旨を示す通信装置状態遷移通知を時刻T5に受け取った旨を示している。また、行1012のエントリは、MAC2で特定される通信装置から動作状態に遷移した旨を示す通信装置状態遷移通知を時刻T6に受け取った旨を示している。
【0096】
判断部808は、ネットワーク状態遷移通知と通信装置状態遷移通知に基づいて、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。より具体的には、ネットワーク状態遷移通知と通信装置状態遷移通知とを受け取った時間差に基づいて、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移であるか否かを判断する。
【0097】
次に、本発明の第2の実施形態にかかるシステムの動作を説明する。図14は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの動作を示すシーケンス図である。以下では、起動状態から休止状態へと遷移する例を説明する。
【0098】
通信装置100は、休止状態に遷移する際に、休止状態に遷移することを示す情報を含む通信装置状態遷移通知(以下、休止報知と称する。)をネットワーク全体に通知する(S501)。休止報知を通知後、通信装置100は休止状態へと遷移する(S502)。例えば、休止報知は、ネットワーク全体にマルチキャストまたはブロードキャストされる。状態管理装置200がネットワーク上に存在する場合、状態管理装置200は、休止報知を受信し、休止報知の情報を保存する(S503)。
【0099】
また、監視装置800も、休止報知を受信する。監視装置800の通信装置状態情報受信部810は、休止報知から通信装置100の識別子と通信装置100の状態とを抽出し、記憶部807に記憶する(S504)。この際、記憶部807に、記憶する時刻も併せて記憶する。その後、通信装置状態情報受信部810は、判断部808へと休止報知を受信した旨を通知する。
【0100】
通信装置100が休止状態に遷移すると、中継装置300のポートがリンクダウンする。中継装置300は、ポートのリンクダウンを検知する。そして、中継装置300は、ポートのリンクダウンをネットワーク状態遷移通知として送信する(S506)。以下では、このネットワーク状態遷移通知をリンクダウン通知と称する。リンクダウン通知は、リンクダウンを発生したポートの識別子とその状態(リンクダウン)を含む。尚、リンクダウン通知は、更に、リンクダウンの発生時刻を通知してもよい。監視装置800は、これらリンクダウン通知に含まれる情報を抽出して記憶部807へと保存する(S507)。この際、記憶部807へと記憶する時刻も記憶する。尚、リンクダウンの発生時刻を受け取っている場合、その時刻も記憶しても良い。その後、ネットワーク状態情報受信部404はリンクダウン通知を受信した旨を判断部808に通知する。
【0101】
判断部808は、先に発生した二つの通知(リンクダウン通知と休止報知)の時間差を計算する。例えば、リンクダウン通知、休止報知それぞれの情報を記憶した時刻の時間差を計算する。尚、リンクダウン通知と休止報知それぞれが発生した時刻を把握している場合、発生時刻の時間差を計算しても良い。そして、判断部808は、その時間差が、事前に定めた閾値よりも短い場合、中継装置300のポートのリンクダウンの原因は、通信装置100の休止状態への遷移が原因であると判断し、障害通報を管理者に通知する指示を障害情報通知部409に対して行なわない。一方、時間差が、事前に定めた閾値よりも短い場合、中継装置300のポートのリンクダウンの原因は、通信装置100の休止状態への遷移が原因ではないと判断し、障害通報を管理者に通知するように障害通報通知部409へと指示を出す。
【0102】
次に、本実施形態の監視装置800の判断部808の動作の詳細を説明する。以下では、中継装置300からリンクダウンが通知される場合と、リンクアップが通知される場合を説明する。
【0103】
まず、中継装置300からリンクダウンが通知される場合について説明する。
中継装置300のリンクダウンが発生する際は、通信装置状態情報受信部810が先に、通信装置から休止報知を受信し、次いで、ネットワーク状態情報受信部404がリンクダウン通知を受信する。通信装置状態情報受信部810は、休止報知の情報を、図13のエントリ1011として、記憶部807に格納する。その後、ネットワーク状態情報受信部404がリンクダウンの通知を受信すると、第1の実施形態と同様に、図3のエントリ512として、記憶部807へ格納し、リンクダウンの通知があった旨を判断部808に通知する。
【0104】
判断部808は、図3のエントリ512に含まれる情報からポートの識別子を抽出し、そのポートの識別子と、記憶部807が記憶する管理情報(図4に示す情報)とから、対象機器のMACアドレスMAC1を抽出する。ここで、対象機器とは、ポートに接続された通信装置である。対象機器のMACアドレスMAC1を抽出後、判断部808は、MAC1を用いて、図13の情報を探索し、エントリ1011を得る。判断部808は、以上の操作を通して、図3と図13に示すように、休止報知を時刻T5に受信し、リンクダウン通知を時刻T2に受信したことがわかる。
【0105】
判断部808は、T2とT5の差を算出し、それが所定の閾値を越えているか否かを判断する。すなわち、判断部808は、T <と|T2−T5|との大小関係を比較する(Tは事前に定めた閾値、記号|X|はXの絶対値)。判断部808は、T2とT5の差の絶対値が、閾値T以下である場合、リンクダウン通知と休止報知は関係があり、リンクダウンは、通信装置の休止状態への遷移に起因していると判断する。この場合、判断部808は、障害情報通知部409に障害通報を通知させず、処理を終了する。一方、判断部808は、T2とT5の差の絶対値が、閾値Tより大きい場合、リンクダウンは、休止状態遷移に起因しないと判断する。そして、判断部808は、管理者に障害通報を通知するように障害情報通知部409へと指示を出す。
【0106】
次に、中継装置300からリンクアップ通知が通知される場合について説明する。
【0107】
中継装置300のリンクアップが発生する際は、ネットワーク状態情報受信部404が、先に、中継装置300からのリンクアップ通知を受信し、次いで、通信装置状態情報受信部810が、通信装置からの通信装置状態遷移通知として起動状態への遷移の信号(以下、起動報知と称する。)を受信することになる。ネットワーク状態情報受信部404は、リンクアップ通知を受信すると、リンクアップ通知の情報を、図3のエントリ511として、記憶部808へ格納する。その後、判断部808に、リンクアップ通知があった旨を通知する。
【0108】
ネットワーク状態情報受信部404からリンクアップ通知があった旨の通知があると、判断部808は、リンクアップがあったことを認識し、通信装置状態情報受信部810から起動報知を受信した旨の通知を所定の時間待ち受ける。なお、判断部808は、通知を受けたら即座に後続の処理を再開してもよいし、タイマー等により前記所定の時間を測定し、所定の時間経過後に通知の有無を確認して処理を継続するようにし、その間、監視装置800は他の処理を行うようにしてもよい。
【0109】
ネットワーク状態情報受信部404が、リンクアップの通知を受信後、しばらくすると、通信装置状態情報受信部810が、通信装置から起動報知を受信する。通信装置状態情報受信部810は、起動報知の情報として、図13のエントリ1012に相当する情報を保存する。その後、通信装置状態情報受信部810は、判断部808に対して、起動報知を受信した旨を通知する。
【0110】
判断部808は、起動報知を受信した旨の通知を受けると、図13のエントリ1012の情報を記憶部807より読み出し、状態遷移した通信装置の識別子としてMAC2、起動報知を受信した時刻としてT6を得る。監視装置800は、次に、図4に示す管理情報うから、MAC2に対応するエントリ611を得る。そして、エントリ611から、リンクアップイベントが発生している可能性があるポートの識別子として1を得る。さらに、判断部808は、ネットワーク状態情報受信部404が保存した情報(図3)を探索し、ポート1に対応するエントリ511を得る。そして、このエントリからポート1がリンクアップした時刻T1を得る。
【0111】
そして、判断部808は、T6とT1の差を算出し、T6とT1の差の絶対値が所定の閾値Tより大きいか否かを判断する。なお、Tは、リンクダウンの際に用いた閾値と同じでも違っても良い。判断部808は、T6とT1の差の絶対値が閾値T以下である場合、リンクアップ通知と起動報知は関係があり、中継装置300のポートのリンクアップは、通信装置の休止状態から起動状態への遷移に起因していると判断できる。そして、判断部808は、障害情報通知部409へと障害通報を通知する指示を行なうことなく処理を終了する。一方、判断部808は、T6とT1の差の絶対値が閾値Tより大きい場合、リンクアップ通知と起動報知は関係がなく、中継装置300のポートのリンクアップと、通信装置の起動状態への遷移は関係がなく、リンクアップは、不正なリンクアップであると判断する。そして、判断部808は、不正なリンクアップがあった旨を示す障害通報を管理者に通知するように障害情報通知部409へと指示を出す。なお、判断部808は、リンクアップ通知を受信後、所定の時間以内に通信装置状態情報受信部810から状態遷移に関する通知を受けなかった場合にも、不正なリンクアップがあったと判断して、不正なリンクアップがあった旨を示す障害通報を障害情報通知部409に通知させる。
【0112】
本実施形態にかかる監視装置800によれば、ネットワークの状態遷移が通信装置の状態遷移に起因する場合に、そのことを把握でき、ネットワークの状態遷移がネットワーク障害であると検知せず、外部の管理者に障害通報を通知しないことから、不要な障害通報を送ることを防ぐことが出来る。
【0113】
なお、上記一連の手順において、ネットワーク状態遷移通知と、通信装置状態遷移通知のうちどちらか一方の事象のみを検知した場合、判断部808の判断は、その情報により動作が異なる。例えば、ネットワーク状態遷移通知として休止報知を受信したがリンクダウンの通知を受信しない場合には、判断部808は、休止状態でもリンクは維持できる通信装置だったと判断し、障害情報通知部409に対して、管理者への障害情報の通知は行わせない。一方、リンクアップ通知を受信したが、起動報知を受信しない場合、判断部808は、不正なリンクアップと判断して、障害情報通知部409に、不正なリンクアップがあった旨を示す障害通報を管理者へ通知させる。
【0114】
また、第1の実施形態で説明したように、MACアドレスごとに対応を変える等の処理を追加してもよい。すなわち、例えば、休止状態に遷移した場合にも休止報知をしない通信装置のMACアドレスをテーブルに記憶し、テーブルに含まれるMACアドレスにより特定される通信装置がネットワークの状態遷移に関与している場合、どのようなネットワークの状態遷移の通知であっても障害情報通知部409に障害情報通知を依頼しない。
【0115】
また、以上の説明では、通信装置状態遷移通知とネットワーク状態遷移通知の受信順序について、特定の順序についてのみ述べた。しかし、必ずしもその順序通り受信する必要は無い。すなわち、受信順序に関わらず、ネットワーク状態情報受信部404と状態報知受信部810とで受信した情報の2つのエントリに対して、互いに関連するエントリの時刻の差の絶対値が所定の時間(閾値)以上離れているかを判断できれば良い。そして、所定の時間以上はなれているか否かが障害情報通知部409を介して管理者へと障害として通知するか否かの判断基準となる。
【0116】
さらに、本実施形態のシステムでは、監視装置800は、通信装置100から直接、通信装置状態遷移通知を受信する例を説明したが、通信装置状態遷移通知を、通信装置100から状態管理装置200が一旦受信した後、監視装置800に再送信するような形で実装してもよい。
【0117】
また、本実施形態のシステムでは、通信装置状態遷移通知とネットワーク状態遷移通知とを受信した時間差が、所定の値より大きいか否かを、判断部が、各通知を受信した時間差と、所定の閾値との大小関係を比較することにより、判断していたが、この限りでない。例えば、通信装置状態遷移通知とネットワーク状態遷移通知のいずれかを受信後、一定時間の待ち受け時間を設け、その待ち受け時間内に、もう一方の通知を受信したか否かで、判断してもよい。そのような場合の、監視装置800の動作のフローチャートの例を図15に示す。
【0118】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る監視装置1200について説明する。
【0119】
監視装置1200は、中継装置の機能と、第2の実施形態にかかる監視装置800の機能を備える。
【0120】
図16は、第3の実施形態に係る監視装置1200を示すブロック図である。
【0121】
複数のネットワークインターフェイス(ポート)1201により、監視装置1200はネットワークに接続する。
【0122】
受信処理部1202は、各ネットワークインターフェイス1201で受信したパケットから監視装置1200を宛先としたパケットを受信する。
【0123】
通信装置状態情報受信部1203は、受信処理部1202で受信したパケットのうち、通信装置状態遷移通知を処理する。具体的には、通信装置状態遷移通知を記憶部1204に記憶するとともに、判断部1206に、通信装置状態遷移通知を受信した旨を通知する。
【0124】
I/F状態検知部1205は、各ネットワークインターフェイス1201の状態遷移を検出する。具体的には、各ネットワークインターフェイス(ポート)1201のリンクダウン若しくはリンクアップへの状態遷移を検出する。
【0125】
記憶部1204は、通信装置状態情報受信部1203で受信した通信装置状態遷移通知に含まれる情報およびI/F状態検出部1205で検出したネットワークインターフェイス1201の状態遷移の情報と監視装置1200が管理する情報を記憶する。ここで、I/F状態検出部1205が検出したネットワークインターフェイス1201の状態記遷移の情報は、図3で示した記憶部807に保存する情報から、送信元501(中継装置300)に対応する情報を削除したものとなる。また、通信装置状態情報受信部1203で受信した情報は、図13で示す情報と同一の情報である。また、監視装置1200が管理する情報は、図4のうち、列602と列603の情報である。
【0126】
判断部1206は、記憶部1204で記憶した、通信装置状態情報受信部1203で受信した通信装置状態遷移通知に含まれる情報およびI/F状態検出部1205で検出したネットワークインターフェイス1201の状態遷移の情報とを基に、ネットワークインターフェイス1201の状態遷移が、通信装置の状態遷移に起因するものか否かを判断する。
【0127】
障害通報通知部1207は、判断部1206が、ネットワークインターフェイス1201の状態変化が通信装置の状態遷移に起因しないと判断した際に、外部の監視装置へとネットワークインターフェイス1201の状態変化を障害通報として通知する。
【0128】
本実施形態における監視装置1200の動作を説明する。
【0129】
監視装置1200の動作は、第2の実施形態にかかる監視装置800の動作とほぼ同じである。監視装置1200は、第2の実施形態ではネットワーク状態遷移通知を、ネットワーク状態情報受信部404にて外部から受信していたのに対して、I/F状態検知部1205が自らのインターフェイス(ポート)1201を直接監視して、リンクダウン・リンクアップを検知する点が異なる。その他の動作については、第2の実施形態と同じであるため、省略する。
【0130】
本実施形態にかかる監視装置1200によれば、監視装置1200のリンクダウン(またはリンクアップ)の原因が通信装置の休止状態への遷移(または起動状態への遷移)に起因するか否かを把握でき、休止状態への遷移(または起動状態への遷移)に起因する場合、障害通報を管理者に通知しないことで、不必要に障害通報を管理者に通知することを防ぐことが出来る。
【0131】
尚、第1から第3の実施形態では、判定部が、ネットワーク状態遷移の原因が、通信装置の状態遷移が原因でないと判断した場合、ネットワーク状態遷移が発生した旨を示す障害通報を通知することとして、説明した。しかしながら、通報の方法は、この形態に関わらない。例えば、音を出す、LEDを点灯させる、外部機器の電源を入れる等により、通報を行なっても良い。
【0132】
また、第1から第3の実施形態では、監視装置は、ネットワークの状態遷移の原因が、通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移が原因か否かを判断し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移でないと判定した場合、障害通報を通知し、ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移であると判定した場合、障害通報を通知しないことと説明した。
【0133】
しかしながら、監視装置は、このようなネットワークの状態遷移と通信装置の起動状態と動作状態との間の状態遷移以外の例にも適用できる。例えば、監視装置は、中継装置から通知されたイベントID(例えば、前述したサービスを特定する識別子)を受け取ると、そのイベントIDに対応する関連イベント(通信装置が提供するサービス)を特定し、その関連イベントが、通信装置が発生しているか否かを判定することができる。
この場合、ネットワーク状態遷移通知に含まれる情報が、イベントIDに対応し、通信装置状態遷移通知に含まれる情報が、関連イベントE3に対応する。図17(a)に、ネットワーク状態遷移通知に含まれる情報の例を示す。また、図17(b)に、監視装置が管理するネットワークを運用・管理するための情報の例を示す。監視装置は、図17(b)に示すように、イベントIDと関連イベントとの対応関係を記憶する。
【0134】
監視装置は、イベントIDがE1を含むネットワーク状態遷移通知を受け取ると、例えば、状態管理装置に、イベントID E1に対応する関連イベントE3が発生しているかを問い合わせて、状態管理装置からの応答により、通報を通知するか否か判断し、通報を通知する。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
100・・・通信装置、102・・・状態通知部、103・・・状態切り替え部、200・・・状態管理装置、202・・・受信部、203・・・送信部、204・・・状態管理部、300・・・中継装置、302、1205・・・IF状態検出部、303・・・通知部、400、800、1200・・・監視装置、401、101、201、301、1201・・・ネットワークインターフェイス、402、802、1202・・・受信処理部、403・・・送信処理部、404・・・ネットワーク状態情報受信部、405・・・通信装置状態確認部、406、810、1203・・・通信装置状態情報受信部、407、807、1204・・・記憶部、408、808、1206・・・判断部、409、1207・・・障害情報通知部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、
通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移した事を示すネットワーク状態遷移通知を受信するネットワーク状態情報受信部と、
前記ネットワークの状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える監視装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記通信装置の状態遷移の時刻と前記ネットワークの状態遷移の時刻との差の絶対値が所定値より大きい場合、前記ネットワークの状態遷移の原因を、前記通信装置の状態遷移でないと判定し、前記差の絶対値が所定値以下である場合、前記ネットワークの状態遷移の原因が、前記通信装置の状態遷移であると判定する請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記状態遷移した通信装置を特定する識別子と、前記状態遷移したネットワークに接続された通信装置を特定する識別子が一致する場合、前記ネットワークの状態遷移の原因が前記通信装置の状態遷移によるものであると判定し、一致しない場合、前記ネットワークの状態遷移の原因が前記通信装置の状態遷移によるものでないと判定する請求項2記載の監視装置。
【請求項4】
前記通信装置は前記ネットワークを介して中継装置と通信可能であり、前記通信装置が通信に用いるネットワークの、通信可能な状態と通信不可能な状態との間での状態遷移は、前記通信装置と前記中継装置との間での通信可能な状態と通信不可能な状態との間での状態遷移によるものであり、前記ネットワーク状態遷移通知は、前記中継装置が、前記通信装置との間で通信可能な状態と通信不可能な状態との間での状態遷移を検知した場合に、通知するものである請求項3記載の監視装置。
【請求項5】
前記通信装置は、起動状態と休止状態との間での状態遷移を状態管理装置によって管理され、
前記ネットワーク状態情報受信部が前記ネットワーク状態遷移通知を受信すると、前記状態管理装置に対して、前記通信装置が状態遷移したか否かを問い合わせる通信装置状態遷移確認通知を通知し、
前記通信装置状態情報受信部が、前記通信装置状態遷移確認通知に対する応答である前記通信装置状態遷移通知を受信する請求項4記載の監視装置。
【請求項6】
前記通信装置状態情報受信部は、前記通信装置が通知した前記通信装置状態遷移通知を受信する請求項4記載の監視装置。
【請求項7】
通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、
前記通信装置が通信に用いるネットワークで通信可能なインターフェイスと、
前記インターフェイスが通信可能か否かで、前記通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移したことを検知するインターフェイス状態検知部と
前記ネットワークの状態遷移の原因が前記通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ネットワークの状態遷移の原因を、前記通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、前記通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える監視装置。
【請求項1】
通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、
通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移した事を示すネットワーク状態遷移通知を受信するネットワーク状態情報受信部と、
前記ネットワークの状態遷移の原因が通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える監視装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記通信装置の状態遷移の時刻と前記ネットワークの状態遷移の時刻との差の絶対値が所定値より大きい場合、前記ネットワークの状態遷移の原因を、前記通信装置の状態遷移でないと判定し、前記差の絶対値が所定値以下である場合、前記ネットワークの状態遷移の原因が、前記通信装置の状態遷移であると判定する請求項1記載の監視装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記状態遷移した通信装置を特定する識別子と、前記状態遷移したネットワークに接続された通信装置を特定する識別子が一致する場合、前記ネットワークの状態遷移の原因が前記通信装置の状態遷移によるものであると判定し、一致しない場合、前記ネットワークの状態遷移の原因が前記通信装置の状態遷移によるものでないと判定する請求項2記載の監視装置。
【請求項4】
前記通信装置は前記ネットワークを介して中継装置と通信可能であり、前記通信装置が通信に用いるネットワークの、通信可能な状態と通信不可能な状態との間での状態遷移は、前記通信装置と前記中継装置との間での通信可能な状態と通信不可能な状態との間での状態遷移によるものであり、前記ネットワーク状態遷移通知は、前記中継装置が、前記通信装置との間で通信可能な状態と通信不可能な状態との間での状態遷移を検知した場合に、通知するものである請求項3記載の監視装置。
【請求項5】
前記通信装置は、起動状態と休止状態との間での状態遷移を状態管理装置によって管理され、
前記ネットワーク状態情報受信部が前記ネットワーク状態遷移通知を受信すると、前記状態管理装置に対して、前記通信装置が状態遷移したか否かを問い合わせる通信装置状態遷移確認通知を通知し、
前記通信装置状態情報受信部が、前記通信装置状態遷移確認通知に対する応答である前記通信装置状態遷移通知を受信する請求項4記載の監視装置。
【請求項6】
前記通信装置状態情報受信部は、前記通信装置が通知した前記通信装置状態遷移通知を受信する請求項4記載の監視装置。
【請求項7】
通信装置が起動状態と休止状態との間で状態遷移したことを示す通信装置状態遷移通知を受信する通信装置状態情報受信部と、
前記通信装置が通信に用いるネットワークで通信可能なインターフェイスと、
前記インターフェイスが通信可能か否かで、前記通信装置が通信に用いるネットワークが、通信可能な状態と通信不可能な状態との間で状態遷移したことを検知するインターフェイス状態検知部と
前記ネットワークの状態遷移の原因が前記通信装置の状態遷移によるものか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ネットワークの状態遷移の原因を、前記通信装置の状態遷移でないと判定した場合、通報を通知し、前記ネットワークの状態遷移の原因を、前記通信装置の状態遷移であると判定した場合、通報を通知しない通報通知部とを備える監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−74849(P2012−74849A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217269(P2010−217269)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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