説明

目標容器を充填するための方法および装置

【課題】リザーバからの測定された用量の易流動性物質を目標容器内に充填するための分注デバイスを使用して、所定の目標質量を充填する。
【解決手段】この用量分注デバイス300は、リザーバ200から目標容器100内に流れる物質流の質量流量を可変調節する弁310を有し、充填プロセスの開始からの経過時間tを測定する手段と、目標容器内に存在する物質の質量mを決定するための秤500と、弁を制御する弁制御モジュールを有する制御装置ユニット600とを備える。この制御装置ユニットは、調節モジュール620を備え、所望の質量流量が、この調節モジュール内に記憶される。時点tにて、質量流量が、所望の質量流量よりも小さい場合には、流量は、流量調節値だけ増加され、質量流量が、所望の質量流量よりも大きい場合には、流量は、流量調節値だけ低減される。制御装置ユニットは、質量流量を決定するのに有効な適応フィルタをさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リザーバからの所定の目標質量の易流動性物質で目標容器を充填するのに有効な方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の充填デバイスは、特に、例えば製薬の分野などにおいて必要に応じて少量の用量を分注する際に使用される。多くの場合、目標容器は、用量分注デバイスにより送出される物質の量を秤量するために、秤の上に配置され、これにより、引き続いて、与えられる命令にしたがってこの物質をさらに処理することが可能となる。
【0003】
分注されることとなる物質は、例えば、分注ヘッドを備える供給源容器または供給源リザーバ内に保持される。この分注されることとなる物質が、用量分注デバイスの開口を介して外部に送出される場合には、これにより、充填プロセスの終了時に、所定の目標質量の物質が、目標容器によって受けられていることが望ましい。この場合に、目標容器内の実際の質量の量が、この所定の目標質量に可能な限り正確に一致することが重要である。さらに、この充填プロセスを可能な限り迅速に実施することが可能であることが重要である。
【0004】
送出される物質の量の体積測定に基づく用量分注方法が、既存の最新技術より知られている。密度ρの物質、可変の開口断面Aを有する弁、および、これらのパラメータに関連して結果的に得られる物質の流出速度uにより、目標容器内のこの物質の質量mは、以下の等式から求められる。
【0005】
【数1】

【0006】
特に、流出速度uは、例えば弁開口の断面積A、リザーバ内の物質の充填高さhによりもたらされる静水圧、および例えば粉末の粒径dなどの物質の流動学的特性などの、多数の影響因子に左右される。特に、流動学的特性は、多くの場合非常に複雑であり、正確には判明しない影響因子に左右される。例えば、流動の開始時にビンガム媒体または粉末において発生する流れの遅滞を考慮に入れることは、困難である。特に、粉末状(pulverous)物質の充填時には、例えば個々の粒子の粒径、含水量、および表面特性などの因子が、大きな影響を有する。
【0007】
米国特許第4,893,262号においては、容器を充填するための制御装置システムが開示されている。このシステムは、あるサイクルから次のサイクルへと質量流量が最適化され、分注される質量が所定の目標質量に可能な限り正確に一致するまで充填時間が調節される、複数の充填サイクルに及ぶプロセスにおいて最適化される。このシステムは、精度に関する要件が本発明のシステムに対する精度要件よりも著しく低い、大分量の充填のために主に使用される。この最適化が複数のサイクルに及ぶことにより、所定の目標質量が複数回の試行サイクルの後にようやく所要の精度にて実際に達成されるため、さらなる課題がもたらされる。これらの試行サイクルの最中に分注される物質は、分注プロセスおよびその後の目標容器からの除去プロセスにおいて汚染されている可能性があるため、もはや使用不可能となる。このことは、特に分注される物質が高額である場合には、決定的に不利である。
【0008】
正確におよび再現可能に小さな質量の粒子を分注するための方法および装置が、米国特許第6,987,228号に開示されている。この装置は、分注されることとなる粒子を保持するふるいに加えられる励振の量を制御するのに有効な制御装置ユニットを備える。ふるいを励振することは、ふるい内の少量の粒子をふるいの下方に配置された秤の上に落下させる効果を有する。この秤により測定された重量に基づき、制御装置ユニットは、このふるいに加えられる励振の量を制御する。加えられる励振の量は、分注されていない質量の量に応じて制御することが可能であり、これにより、粒子の流出流量を変更することが可能となる。この構成は、ふるいを使用することにより、粉末形態の物質のみを分注することが可能となるという問題を有する。他の易流動性物質、とりわけ液体には、この方法は適さない。粉末状物質が分注される場合でも、この物質の粒径に応じて様々なふるいを使用しなければならないため、この方法に特有の欠点が存在する。重大な欠点は、秤量信号に応じてふるいに加えられる励振の制御に関する。秤の応答における時間遅延により、秤が応答するのに十分な時間を与え得る十分な低速にて、充填プロセスを行わなければならない。その結果、充填プロセスは、非常に長時間を要することとなる。
【0009】
容器の充填を制御するためのシステムが、米国特許第4,762,252号に開示されている。充填プロセスの際の質量流量を決定するために、リザーバの重量の変化が測定される。このようにして決定される質量流量が、所望の流量と比較される。測定された流量が、所望の流量から過度に偏差する場合には、質量流量は、これに応じて調節される。この参考文献において説明されているシステムは、1時間当たり約25〜50キログラムの分注に適している。製薬の分野において必要とされるサイズの少量の充填においては、高いレベルの精度が必要とされ、小さな測定誤差が、充填質量に大きな影響を及ぼすおそれがある。また同時に、この充填プロセスは、可能な限り短い時間を要するべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,893,262号
【特許文献2】米国特許第6,987,228号
【特許文献3】米国特許第4,762,252号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、所定の少ない充填量の易流動性物質を正確におよび再現可能に分注するのに有効であり、簡単、高速、かつ正確であるという特性を有する方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、独立請求項に記載される特徴を有する方法および装置により解消される。さらに有利な実施形態が、従属請求項に提示される。
本発明の方法によれば、および本発明による装置では、目標容器が、リザーバからの測定された用量の易流動性物質をこの目標容器内に充填するための分注デバイスを使用して、所定の目標質量mのその物質で充填される。この用量分注デバイスは、リザーバから目標容器内への質量流量
【0013】
【数2】

【0014】
を可変調節することが可能な弁を有する。さらに、この用量分注デバイスは、充填プロセスの開始からの経過時間tを測定するための手段と、目標容器内の物質の質量mを決定するための秤と、弁を制御するための弁制御モジュールを有する制御装置ユニットとを備える。この制御装置ユニットは、調節モジュールを備え、所望の質量流量
【0015】
【数3】

【0016】
が、この調節モジュール内に記憶される。時点tにて、質量流量
【0017】
【数4】

【0018】
が、所望の質量流量
【0019】
【数5】

【0020】
よりも小さい場合には、流量
【0021】
【数6】

【0022】
は、流量調節値
【0023】
【数7】

【0024】
だけ増加され、質量流量
【0025】
【数8】

【0026】
が、所望の質量流量
【0027】
【数9】

【0028】
よりも大きい場合には、流量
【0029】
【数10】

【0030】
は、流量調節値
【0031】
【数11】

【0032】
だけ低減される。
さらに、制御装置ユニットは、質量流量
【0033】
【数12】

【0034】
を決定するのに有効な適応フィルタを備える。
複数の異なるパラメータを、所望の質量流量
【0035】
【数13】

【0036】
の決定の一因子として含めることが可能である。
これらのパラメータの中の1つが、遅延間隔τである。この遅延間隔τは、秤の上に質量が到達してから、その質量値が秤の上に示されるまでの時間間隔、または、秤の上に質量が到達してから、その質量値を含む電気出力信号が送られるまでの時間間隔に相当する。秤のタイプおよび構成によるが、この遅延間隔τは、約1.5〜3秒の長さである。遅延間隔τは、測定を介して決定される。大抵の場合、遅延間隔τは、秤の特徴に左右されることが判明している。さらに、周囲環境のパラメータが、遅延間隔τに対して影響を有する。例えば、低周波の振動および/または揺れが、遅延間隔τの増大を引き起こすこととなる。つまり、遅延間隔τに含まれる主要な因子は、秤固有の測定遅延、および環境パラメータであるということになる。分注されることとなる物質の物理的特性は、二次的な役割を果たすに過ぎない。目標容器内に分注される質量が制限値を超えないようにするために、遅延間隔τを、所望の質量流量
【0037】
【数14】

【0038】
の決定の一因子として含めることが可能である。この場合に従うべき規則は、遅延間隔τが、所望の質量流量
【0039】
【数15】

【0040】
に対して逆比例となるべきである、すなわち、
【0041】
【数16】

【0042】
となるべきである、ということである。
所望の質量流量の決定の一因子として含まれるべき他のパラメータは、許容範囲mである。この許容範囲mは、用量分注プロセスの終了時に目標容器内に存在する質量mが目標質量mから外れてもよい最大許容偏差を規定する。換言すれば、用量分注プロセスの終了時に、目標容器内に存在する質量mは、
−m<m<m+m
という区間内になければならない。
【0043】
許容範囲mが大きい場合には、大きな質量流量
【0044】
【数17】

【0045】
が望まれる場合でも、最終質量mの所望の結果を所与の許容範囲m内に確保することは可能である。他方において、許容範囲mが小さい場合には、所望の質量流量
【0046】
【数18】

【0047】
は、質量mが最終的に所与の許容範囲m内になるのを確保するのに十分な低さで選択される必要がある。これは、所望の質量流量
【0048】
【数19】

【0049】
が、許容範囲mに比例すべきである、すなわち、
【0050】
【数20】

【0051】
となるべきであるという要件につながる。
目標容器内に分注される物質の最終質量mが、許容範囲mを上回って目標質量mを超える場合には、すなわち、
m>m+m
である場合には、これはオーバーシュートと見なされる。許容範囲mをオーバーシュートすることは、断じて防ぐ必要がある。その理由は、送出された過剰量の物質は、多大な困難を伴わずに目標容器から再び取り出すことが不可能であるからである。さらに、目標容器から物質を取り出す過程において、汚染が生じる可能性があり、この危険性は、絶対に回避する必要がある。
【0052】
目標容器により受けられる質量のオーバーシュートを安全に回避するためには、遅延間隔τの間に目標容器内に分注される質量の量が、許容範囲mよりも小さくあるべきであり、すなわち、
【0053】
【数21】

【0054】
であるべきである。
その結果として、質量流量は、許容範囲mを遅延間隔τで割ったもの以下でなければならない。
【0055】
【数22】

【0056】
したがって、所望の質量流量
【0057】
【数23】

【0058】
に関する最大許容値は、
【0059】
【数24】

【0060】
となる。
この最大値未満に留めることにより、充填プロセスの終了時における目標容器内の質量mは、予め規定された許容範囲内に確保される。
【0061】
遅延間隔τは、環境パラメータに応じて充填プロセスの間に変化する可能性があるため、遅延間隔τにおけるこの変化は、所望の質量流量
【0062】
【数25】

【0063】
を調節するために使用することが可能である。
調節モジュールは、所望の質量流量
【0064】
【数26】

【0065】
を、実際の質量流量
【0066】
【数27】

【0067】
と比較し、これらの2つの数量間において差異が認められる場合には、調節モジュールは、実際の質量流量
【0068】
【数28】

【0069】
を、所望の質量流量
【0070】
【数29】

【0071】
に合わせる。充填プロセス全体にわたって所望の質量流量
【0072】
【数30】

【0073】
を維持させるために、調節モジュールは、繰り返し使用される。均一な時間間隔をおいて調節モジュールの作動を繰り返すことが、特に有利である。
システムが不安定になるのを防ぐために、質量流量
【0074】
【数31】

【0075】
は、過度に迅速に変更されるべきではない。したがって、等式
【0076】
【数32】

【0077】
にしたがって、以前の質量流量
【0078】
【数33】

【0079】
を新規の質量流量
【0080】
【数34】

【0081】
の一因子として含めることが有利である。
因子αは、0〜1の間の任意の所望の値をとり得る重み因子であり、すなわちα∈(0、1)となる。これは、質量流量
【0082】
【数35】

【0083】
がよりゆっくりと変化するようになるという効果を有する。
目標質量mのオーバーシュートを防ぐための1つの可能なことは、現在の質量流量
【0084】
【数36】

【0085】
と、秤により測定された秤量信号m(t)と、遅延間隔τとに基づき、関数
【0086】
【数37】

【0087】
を使用して、目標容器内に存在する実際の質量
【0088】
【数38】

【0089】
を計算することである。
目標容器内に存在する実際の質量について計算された量
【0090】
【数39】

【0091】
に基づき、弁の閉鎖を適時に開始することが可能であり、これにより、目標質量mのオーバーシュートを回避することが可能となる。
さらに、目標質量mをオーバーシュートする危険性は、所望の質量流量
【0092】
【数40】

【0093】
が、したがってさらには実際の質量流量
【0094】
【数41】

【0095】
が、充填プロセスの終了近くにて低減される場合には、低下する。
本発明による方法および本発明による装置は、特に、粉末状物質または液状物質の充填に応用される。易流動性物質は、複雑な流動学的特性を一般的に有しており、殆どの場合、非ニュートン特性を有する。所望の目標質量は、典型的には、0.5mg〜5000mgの間の範囲内である。しかし、この方法によりより低いまたはより高い用量を分注することも可能である。
【0096】
有利な一実施形態によれば、弁は、円形断面の出口オリフィスと、遮断要素を有し、この出口オリフィスおよび遮断要素は、共通軸上に配置される。この共通軸を中心として回転するように、およびこの共通軸に沿って並進移動において摺動するように、ハウジングに対する移動性を有するこの遮断要素は、出口オリフィスから出るように駆動し、出口オリフィス内に引き戻すことが可能である。遮断要素は、円筒状遮断部分および出口通路部分を有し、そのため、出口通路部分の長さLに等しい遮断要素の並進移動により、弁を開閉することが可能となる。遮断要素の出口通路部分は、この並進変位量が最小並進変位量Lminよりも大きく、最大並進変位量Lmaxよりも小さい場合に、物質がこの出口通路部分を通り流れることが可能となるように、設計される。この並進変位量が、最小並進変位量Lminよりも小さいか、または最大並進変位量Lmaxよりも大きい場合には、出口オリフィスは、円筒状遮断部分によって閉鎖され、物質は、出口通路部分を通過することができない。
【0097】
質量流量
【0098】
【数42】

【0099】
は、遮断要素の並進変位量Lに直接的に相関される。
実際の質量流量
【0100】
【数43】

【0101】
を得るためには、秤量信号の一次時間導関数
【0102】
【数44】

【0103】
を決定することによって秤量信号m(t)を活用することも可能である。
時間差Δt>0は、任意に選択することが可能である。しかし、十分な大きさにΔtを選択するように注意を払うべきであり、これにより、秤量信号の統計変動が、平滑化され、その結果として
【0104】
【数45】

【0105】
に対する値が、過度に変動しなくなる。過度の変動は、用量分注プロセスの不安定性に至るおそれがある。質量流量
【0106】
【数46】

【0107】
の決定においては、不連続な均一の時間間隔Δtを使用することが好ましい。弁が開かれる時間tから、数列
=t+i・Δt
にしたがって一定の間隔Δtで互いに続く複数の時間tにおける質量流量
【0108】
【数47】

【0109】
が、以下の等式、すなわち、
【0110】
【数48】

【0111】
を使用して決定される。
好ましくは、nは、2〜10の間の正の整数である。約30〜90秒を要する充填プロセスにおいて、Δtは、約2〜3秒であるべきである。nについてより大きな値が使用される場合には、質量流量
【0112】
【数49】

【0113】
は、より長い時間間隔にわたって平均化される。一方では、これにより、秤量信号の統計変動が安定化されるが、他方では、
【0114】
【数50】

【0115】
について計算された値は、比較的緩慢な応答のみによって任意の変化に従うこととなるため、質量流量
【0116】
【数51】

【0117】
の変化は、比較的遅く検出されることとなる。計算された質量流量
【0118】
【数52】

【0119】
に基づいて、所望の質量流量
【0120】
【数53】

【0121】
からの偏差を決定することが可能であり、これに応じて、質量流量
【0122】
【数54】

【0123】
を調節することが可能である。
【0124】
【数55】

【0125】
秤の出力は、時間遅延τを被るため、時間tでの質量流量
【0126】
【数56】

【0127】
を決定することは不可能であり、より早い時間t−τでの質量流量を決定することのみが可能となる。弁設定などのパラメータが、その間にも変化している場合には、計算された質量流量は、不正確なものとなる。
【0128】
したがって、実際の質量流量
【0129】
【数57】

【0130】
を推定するために適応フィルタを使用することが有利である。適応フィルタは、信号処理用途のために、とりわけ入力信号歪みの適応補正のために、使用される。
適応フィルタを使用することにより、質量流量
【0131】
【数58】

【0132】
は、より正確に、およびより迅速に決定することが可能となり、これにより、充填プロセスの精度が向上する。
秤により決定される質量m、充填プロセスの開始からの経過時間t、および、質量流量
【0133】
【数59】

【0134】
に対して影響を有する弁固有パラメータが、適応フィルタの入力信号となる。ここで考慮されている弁の設計ジオメトリに関しては、弁固有パラメータは、遮断要素の並進変位量を示す長さLである。当然ながら、異なるジオメトリを有する弁について、異なるパラメータを使用することが可能である。
【0135】
この弁の適切な設計ジオメトリでは、長さLは、質量流量
【0136】
【数60】

【0137】
にほぼ比例し、したがって、この質量流量は、
【0138】
【数61】

【0139】
として表すことが可能である。ここで、kは、一定の固有の質量流量因子である。初めは、この因子kは、不明である。適応フィルタを使用して、可能な限り正確に因子kを推定することが有利である。かかるフィルタにおいて使用される一般的なアルゴリズムは、偏差の二乗の平均値を最小化する方法である、いわゆる最小平均二乗(LMS)アルゴリズムに基づく。例えば再帰的最小二乗(RLS)アルゴリズムなどの再帰的方法を用いることにより、より良好な結果が求められる。LMSアルゴリズムおよびRLSアルゴリズムは、関連する学術文献に見出すことが可能である。LMSアルゴリズムおよびRLSアルゴリズムの他に、H無限法を使用することもまた可能である。H無限法においては、最大誤差は、偏差の二乗の平均値ではなく、最小化されつつある数量である。この方法は、極端な場合に対処するのにより適している。H無限法は、同様に、学術文献中に見出し得る。
【0140】
RLSアルゴリズムの入力信号は、以下の数値、すなわち、
【0141】
【数62】

【0142】
の数列である。ここで、理想的には、時間間隔t−tn−1=Δtは、一定である。
測定された値に基づく因子kは、モデルを使用して推定される因子
【0143】
【数63】

【0144】
と比較される。その結果、誤差数列
【0145】
【数64】

【0146】
が求められる。
理想的な場合においては、すなわち、入力数列が、
【0147】
【数65】

【0148】
がkと厳密に等しくなるように、フィルタの作動によって修正される場合には、誤差数列は、ゼロとなる。偏差がある場合には、誤差信号eは、ゼロとは異なる値を有することとなる。後者の場合においては、調整アルゴリズムが、フィルタ係数を修正することにより、誤差信号を最小化する。この誤差フィードバックにより、
【0149】
【数66】

【0150】
についてのより正確な値が決定される。この因子
【0151】
【数67】

【0152】
により、実際の質量流量の推定値
【0153】
【数68】

【0154】
も同様に、より正確なものとなる。
誤差信号eまたは誤差信号の和
【0155】
【数69】

【0156】
および/またはそれらの重み付き和
【0157】
【数70】

【0158】
が、しきい値を超える場合には、所望の質量流量
【0159】
【数71】

【0160】
をより小さくして、それにより、目標質量mのオーバーシュートを防ぐことが有利である。
さらなるいわゆる忘却因子λが、和
【0161】
【数72】

【0162】
においてより古い誤差値の影響を低減させるのに有効であり、ここでは、0<λ≦1である。
【0163】
さらに、均一の大きさΔLの並進間隔にて遮断要素を移動させることによって弁を開閉することが、有利である。
理想的には、充填プロセスにおいて、物質が流出することが可能となる最小並進変位量Lmin、および/または最大並進変位量Lmaxの決定がなされる。さらに、充填プロセスの終了時に存在する実際の質量を決定することが有用である。これらのパラメータは、制御装置ユニットにより記憶され、後の充填サイクルにおいてこの制御ユニットにより使用され得る。したがって、これらのパラメータは1度決定される必要があるに過ぎず、後の充填サイクルをより高速で実施することが可能となる。以前の充填サイクルのパラメータ値は、メモリモジュール内に、とりわけRFID(無線認証デバイス)内に記憶することが可能であり、後の充填サイクルにおいて使用することが可能である。関連するリザーバにRFIDタグを取り付けることが、特に有利である。その理由は、これにより、リザーバ内の物質とRFIDタグに記憶されたデータとの間における直接的な繋がりが確保されるためである。しかし、他の記憶媒体を使用することも可能である。
【0164】
理想的には、第1の充填サイクルのみにおいて用いられる手順において、弁は、物質が流出し始めるまで遮断要素を並進間隔ΔL移動させることにより開かれ、これにより、最小並進変位量Lminが規定される。最大並進変位量Lmaxを決定するためには、遮断要素が、初めに量Lmin+ΔLだけ開かれ、次いで、この移動が、物質が流出し終えるまで、均一な大きさΔLの並進間隔にて継続され、これにより、最大並進変位量Lmaxが規定される。最小並進変位量Lminおよび最大並進変位量Lmaxが判明すると、所望の様式で遮断要素を開閉することが可能となる。
【0165】
有利には、遮断要素の出口通路区域は、可変の開口断面Aを有する。したがって、弁を通過する物質流の質量流量
【0166】
【数73】

【0167】
は、弁の遮断要素の位置に直接的に相関される。理想的には、遮断要素の並進変位の長さLは、弁の開口断面に直接的に相関され、すなわち、A=A(L)となる。弁の設計に応じて、遮断要素の並進変位量Lと、開口断面Aと、質量流量
【0168】
【数74】

【0169】
との間には、正比例の関係が存在する。
【0170】
【数75】

【0171】
遮断要素のジオメトリ設計に基づき、並進変位量Lに対する流量の依存度は、三次関数により表され、実験により決定されている。さらに、遮断要素のジオメトリの変化は、並進変位量Lと質量流量
【0172】
【数76】

【0173】
との間の関係に変化をもたらす。
しかし、この種の正比例は、一般的に、実際には達成不可能なものである。その理由は、例えば粒径、流動の開始の遅延、または同様の因子などの物質特性が、正比例に反して作用するためである。しかし、より大きな開口断面によって、より大きな質量流量がもたらされるのが通例であると、一般的には理解することができる。
【0174】
可変の角速度ωで回転させ得る遮断要素を使用することが有利であり、ここで、角速度ωは、弁を通る質量流量
【0175】
【数77】

【0176】
に直接的に相関する。
他の利点としては、弁が、すでに開いている弁に対して可変のタッピング頻度Fのタッピング動作を加える衝撃機構を備える。この場合には、タッピング頻度Fは、弁を通る質量流量
【0177】
【数78】

【0178】
に直接的に相関し、タッピング頻度Fの上昇が、より大きな質量流量
【0179】
【数79】

【0180】
をもたらす。タッピングの打撃は、遮断要素の軸方向に対して平行方向および交軸方向に向けることが可能である。
さらに、タッピングは、弁の遮断要素に対して、および/または弁のハウジングに対して打撃を行うことが可能である。
【0181】
回転移動とタッピング動作との両方により、弁の閉塞および/または粉末の架橋形成を妨げることが可能となるといる利益が得られる。このようにして、粉末の易流動性特性を保ち、さらには高めることが可能となる。
【0182】
回転移動の速度ωおよびタッピング頻度Fが、質量流量
【0183】
【数80】

【0184】
に対して影響をやはり有するため、これらのパラメータは、同様に、質量流量
【0185】
【数81】

【0186】
の推定の一因子として含めるべきである。
制御装置ユニットは、部分的に、または全体的に、コンピュータベースシステムとして実現することが可能である。
【0187】
以下、図面において概略的に例示される例を介して、目標容器を充填するための方法および装置を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明による目標容器を充填するための装置の概略図である。
【図2】弁ハウジングおよび遮断要素を有する弁を示す図である。
【図3】開口断面の理想プロファイルおよび結果的に得られる質量流量のプロファイルに関するグラフである。
【図4】開口断面A、タッピング頻度F、および回転移動の速度ωのそれぞれにより、質量流量
【数82】

がどのように影響されるかを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0189】
図1は、用量分注デバイス300を介して、リザーバ200内に最大で充填高さhまで貯蓄される物質で充填することが可能な目標容器100を示す。この用量分注デバイス300は、充填プロセスの開始から経過した時間tを測定するための計時デバイス400に結合され、測定された時間は、制御装置ユニット600に送信することが可能である。目標容器100は、秤500の上に配置され、これにより、目標容器100内の物質の重量を測定することが可能となる。秤量信号、すなわち質量mを表す信号を、同様に制御装置ユニット600に送信することが可能である。
【0190】
この構成の目的は、分注プロセスの終了時に目標容器内に存在する物質の質量mが目標質量mから許容範囲mを超えて偏差してはいけないという条件を、すなわち
−m<m<m+m
という数学的項において表される条件を満たしつつ、予め規定された目標質量mの易流動性物質で目標容器100を充填することである。
【0191】
過度に多い質量が目標容器100内に分注されるのを防ぐために、質量流量は、許容範囲mを遅延間隔τで割った商よりも小さくあるべきである。したがって、所望の質量流量
【0192】
【数83】

【0193】
は、
【0194】
【数84】

【0195】
として表すことが可能である。
遅延間隔τは、分注されることとなる物質の物理的特性とは無関係な秤固有パラメータである。遅延間隔τは、第1の充填サイクルの前に決定され、制御装置ユニット600内に記憶され得る。
【0196】
遅延間隔時間τは、秤500の技術的特徴および周囲環境のパラメータにより左右される。周囲パラメータは、充填プロセスの間に変化する可能性があり、これがまた、遅延間隔τに変化を生じさせる可能性がある。遅延間隔τのこの変化は、連続的に決定することが可能であり、所望の質量流量
【0197】
【数85】

【0198】
は、遅延間隔τの変化に応じて適合させることが可能である。しかし、所望の質量流量
【0199】
【数86】

【0200】
を決定するためには、他の可能な方法もまた存在する。
制御装置ユニット600において、質量流量
【0201】
【数87】

【0202】
は、測定された質量m、測定された時間t、および例えばLなどの弁パラメータに基づいて、質量流量計算モジュール610において推定される。質量流量
【0203】
【数88】

【0204】
は、有利には、例えばRLSアルゴリズムなどの適応フィルタを適切に使用することにより、推定することが可能である。弁パラメータLが、質量流量
【0205】
【数89】

【0206】
に比例すると仮定すると、質量流量
【0207】
【数90】

【0208】
は、
【0209】
【数91】

【0210】
として表すことが可能であり、ここで、kは、推定されなければならない一定の固有の質量流量因子である。これは、好ましくは誤差フィードバックを有する適応フィルタによって達成することが可能である。推定された質量流量因子
【0211】
【数92】

【0212】
に基づき、質量流量
【0213】
【数93】

【0214】
を推定することが可能となる。
計算された質量流量
【0215】
【数94】

【0216】
は、調節モジュール620に回され、そこで、これらの測定値から決定された質量流量
【0217】
【数95】

【0218】
が、所望の質量流量
【0219】
【数96】

【0220】
と比較される。計算された質量流量
【0221】
【数97】

【0222】
が、所望の質量流量
【0223】
【数98】

【0224】
よりも小さいことが判明した場合には、質量流量
【0225】
【数99】

【0226】
は、
【0227】
【数100】

【0228】
だけ増加され、計算された質量流量
【0229】
【数101】

【0230】
が、所望の質量流量
【0231】
【数102】

【0232】
よりも大きいことが判明した場合には、質量流量
【0233】
【数103】

【0234】
は、
【0235】
【数104】

【0236】
だけ低減される。この調節の後には、実際の質量流量
【0237】
【数105】

【0238】
は、所望の質量流量
【0239】
【数106】

【0240】
と一致するはずである。調節モジュール620は、弁310に、質量流量を調節するための信号を送る。質量流量
【0241】
【数107】

【0242】
の変更は、例えば長さLなどの弁パラメータの適切な調節により達成される。実際の質量流量の決定は、充填サイクルの間に繰り返し実施され、必要な場合には、質量流量
【0243】
【数108】

【0244】
は、調節される。質量流量
【0245】
【数109】

【0246】
の決定および/または質量流量
【0247】
【数110】

【0248】
の調節は、均一な時間間隔で実施することが可能である。遅延間隔τにより、質量流量
【0249】
【数111】

【0250】
の正確な決定は不可能であり、すなわち、
【0251】
【数112】

【0252】
は、推定値を表す。
質量流量
【0253】
【数113】

【0254】
を推定するのに有効な適応フィルタは、例えばLなどの弁のパラメータ、または質量流量
【0255】
【数114】

【0256】
に対して影響を有する他の因子を推定するためにも使用することが可能である。この場合には、質量流量因子kを推定する必要はない。
図2は、ハウジング311と、円形形状の開口断面を有する出口オリフィス312とを有する、弁310を示す。遮断要素313が、弁310内に配置される。この遮断要素313は、円筒状遮断部分314および出口通路部分315を有する。出口オリフィス312および遮断要素313は、共通軸上に配置され、遮断要素313は、(円形の2方向矢印350により示されるように)共通軸を中心として回転するように、および(直線の2方向矢印340により示されるように)共通軸に沿って並進移動において摺動するように、ハウジング311に対する移動性を有する。したがって、遮断要素313は、出口オリフィス312から出るように、および出口オリフィス312内に戻るように、摺動することが可能である。遮断要素313のこの回転移動350または並進移動340は、連結要素316を介して遮断要素313に連結された駆動源を使用して行われる。リセット要素318が、弁ハウジング311と遮断要素313との間に配置され、これにより、遮断要素313は、休止位置に戻ることが可能となる。このリセット要素318は、好ましくは、遮断ばねである。リセットばねの復帰移動は、停止部317によって範囲を定められる。
【0257】
遮断要素313と弁ハウジング311との間には、分注されることとなる物質のためのリザーバ200となる中空スペースが存在する。弁310は、遮断要素313の並進移動340によって開くことが可能である。分注されることとなる物質は、リザーバ200から、遮断要素313の出口通路部分315を介して出口オリフィス312を通り、目標容器100内に進むことが可能である。
【0258】
弁310は、データを記憶するためのメモリモジュール320を備える。このメモリモジュール320内には、例えば、分注されることとなる物質の材料特性、以前の充填プロセスからの流れパラメータ、および/または例えば遅延間隔τなどの秤固有パラメータなどを記憶することが可能である。メモリモジュール320は、弁ハウジング311の上または中に配置される。
【0259】
図3は、所望の質量流量
【0260】
【数115】

【0261】
のプロファイルに関するグラフ1と、本発明による充填プロセスの質量流量
【0262】
【数116】

【0263】
のプロファイルに関するさらなるグラフ2と、グラフ2の質量流量
【0264】
【数117】

【0265】
から得られる質量m(t)に関するさらなるグラフ3とを示す。図1および図2によれば、目標容器100内の質量が量m(t)に達する時間と、その質量値が秤500により送られる時間との間の遅延による、遅延間隔τが存在する。ある質量が秤500により示されるとすぐに、質量流量
【0266】
【数118】

【0267】
を決定することが可能となる。充填プロセスの開始時には、弁310は、比較的高速で開かれ、その結果、大きな質量流量
【0268】
【数119】

【0269】
と、初期遅延間隔τの後の質量m(t)の急上昇とがもたらされる。しかし、開口断面Aが過度に大きな場合には、大きな質量流量
【0270】
【数120】

【0271】
となり、これにより、目標容器100は、迅速に充填されるが、これは、目標質量mをオーバーシュートする危険性を伴う。したがって、所望の質量流量
【0272】
【数121】

【0273】
を低減させることによって、充填プロセスを減速させることが推奨され得る。この減速は、充填サイクルの終了が近づくにつれて、開口断面Aを徐々に小さくしてゆくことによって、実現される。
【0274】
実際の質量流量
【0275】
【数122】

【0276】
を所望の質量流量
【0277】
【数123】

【0278】
と比較する際に、実際の質量流量
【0279】
【数124】

【0280】
が、所望の質量流量
【0281】
【数125】

【0282】
よりも大きいことが判明した場合には、実際の質量流量
【0283】
【数126】

【0284】
は、弁310の開口断面Aを縮小することによって低減される。他方において、この比較により、実際の質量流量
【0285】
【数127】

【0286】
が、所望の質量流量
【0287】
【数128】

【0288】
よりも小さいことが判明した場合には、実際の質量流量
【0289】
【数129】

【0290】
は、弁310の開口断面Aを拡大することによって増加される。
充填プロセスの終了近くにおいて、弁の開口断面Aが、縮小され、これにより、質量流量
【0291】
【数130】

【0292】
が、低減される。このようにして、目標容器100内の質量m(t)は、目標質量mにゆっくりと近づくことが可能になり、これにより、目標質量mのオーバーシュートが防がれる。
【0293】
図4は、充填プロセスの際の、開口断面Aについての理想時間プロファイルと、タッピング頻度Fの段階的上昇と、角速度ωの段階的上昇とを示す。1つの理想的な場合においては、これらのパラメータを互いに重畳することにより、例示されるプロファイルの質量流量
【0294】
【数131】

【0295】
が得られる。これは、質量流量
【0296】
【数132】

【0297】
が、開口断面A、タッピング頻度F、および角速度ωにより影響されることを明白に示す。
特定の例示的な実施形態を提示することによって、本発明を説明したが、例えば実施形態の個々の例の特徴を互いに組み合わせることによって、および/または、実施形態間で個々の機能ユニットを相互交換することによって、本発明の知識に基づいて多数の他の変形形態を生み出すことが可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0298】
100 目標容器
200 リザーバ
300 用量分注デバイス
310 弁
311 弁ハウジング
312 弁の出口開口
313 遮断要素
314 円筒状遮断部分
315 遮断要素の出口通路部分
316 連結要素
317 制限停止部
318 リセット要素
320 メモリモジュール
340 遮断要素の並進移動
350 遮断要素の回転移動
400 計時デバイス/機能
500 秤
600 制御装置ユニット
610 質量流量測定モジュール
620 調節モジュール
A 開口断面
d 粒径
【0299】
【数133】

【0300】
質量流量における変化
e 誤差、偏差
F タッピング頻度
h リザーバ内の物質の充填高さ
【0301】
【数134】

【0302】
固有質量流量因子
k 測定された固有質量流量因子
【0303】
【数135】

【0304】
推定された固有質量流量因子
L 遮断要素の並進移動の長さ
min 物質が流出する最小並進変位量
max 遮断要素の最大並進変位量
m 質量
【0305】
【数136】

【0306】
質量流量
【0307】
【数137】

【0308】
推定された質量流量
【0309】
【数138】

【0310】
所望の質量流量
【0311】
【数139】

【0312】
目標容器内に存在する質量
目標質量の許容範囲
目標質量
t 充填プロセスの間の変動時点
充填プロセスの開始時間
充填プロセスの終了時間
λ 忘却因子
ω 回転の角速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ(200)からの測定された用量の易流動性物質を目標容器(100)内に充填するのに有効な用量分注デバイス(300)により、所定の目標質量mの前記物質で前記目標容器(100)を充填する方法であって、
前記用量分注デバイス(300)は、前記リザーバ(200)から前記目標容器(100)内に流れる前記物質の質量流量
【数1】

を可変設定することが可能な弁(310)と、充填プロセスの開始からの経過時間tを決定するための計時デバイス(400)と、前記目標容器(100)内に存在する前記物質の質量mを決定するための秤(500)と、前記弁(310)を制御するための制御装置ユニット(600)とを備え、
前記制御装置ユニット(600)は、調節モジュール(620)を備え、
所望の質量流量
【数2】

が、前記調節モジュール(620)内に記憶され、さらに、時間tにて、質量流量
【数3】

が、前記所望の質量流量
【数4】

よりも小さいことが判明した場合には、前記質量流量は、流量調節値
【数5】

だけ増加され、
前記質量流量
【数6】

が、前記所望の質量流量
【数7】

よりも大きいことが判明した場合には、前記質量流量は、流量調節値
【数8】

だけ低減され、
前記流量調節値
【数9】

は、前記所望の質量流量
【数10】

と、推定された質量流量
【数11】

との差によってもたらされ、前記目標質量mは、許容範囲m内でなければならない、方法において、
前記制御装置ユニット(600)は、前記質量流量
【数12】

を決定するための適応フィルタを備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記適応フィルタは、再帰的最小二乗(RLS)フィルタを含むことを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記適応フィルタは、最小平均二乗(LMS)フィルタを含むことを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法において、質量が前記秤の上に到達する時間と、前記質量に対する結果としての出力が得られる時間との間に、遅延間隔τが存在し、前記所望の質量流量
【数13】

は、前記所望の質量流量
【数14】

が前記遅延間隔τに逆比例するように選択され、前記所望の質量流量
【数15】

は、前記許容範囲mに正比例することを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法において、前記調節モジュール(620)は、均一な時間間隔で繰り返し使用されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法において、新規の質量流量
【数16】

を決定するために、以前の質量流量
【数17】

が、等式
【数18】

にしたがって前記決定の一因子として含まれ、ここで、αは、0〜1の間の任意の所望の値をとり得る重み因子であることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法において、前記弁(310)は、ハウジング(311)と、円形の開口断面を有する出口オリフィス(312)と、遮断要素(313)とを備え、前記出口オリフィス(312)および前記遮断要素(313)は、共通軸上に配置され、前記遮断要素(313)は、前記共通軸を中心として回転するように、および前記共通軸に沿って並進移動において摺動するように、前記ハウジングに対する移動性を有し、前記遮断要素(313)は、前記出口オリフィス(312)から出るように、および前記出口オリフィス(312)内に戻るように摺動し、さらに、前記遮断要素(313)は、円筒状遮断部分(314)および出口通路部分(315)を有し、前記弁(310)は、前記遮断要素(313)の並進移動(340)によって開閉されることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記質量流量
【数19】

の大きさが、前記遮断要素(313)の並進変位量に直接的に相関することを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7または8のいずれか一項に記載の方法において、前記弁(310)は、前記遮断要素(313)の均一長さΔLの段階的並進移動によって、開閉されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項7、8、または9のいずれか一項に記載の方法において、充填プロセスの間に、前記物質が流出し始める時点である前記遮断要素(313)の最小並進変位量Lが決定され、このパラメータLは、メモリ内に記憶され、後の充填プロセスにおいて前記質量流量
【数20】

を制御するために前記制御装置ユニット(600)によって使用されることを特徴とする、方法。
【請求項11】
リザーバ(200)からの測定された用量の易流動性物質を目標容器(100)内に充填するのに有効な用量分注デバイス(300)により、所定の目標質量mの前記物質で前記目標容器(100)を充填するように作動可能な装置であって、
前記用量分注デバイス(300)は、前記リザーバ(200)から前記目標容器(100)内に流れる前記物質の質量流量
【数21】

を可変設定することが可能な弁(310)と、充填プロセスの開始からの経過時間tを決定するための計時デバイス(400)と、前記目標容器(100)内に存在する前記物質の質量mを決定するための秤(500)と、前記弁(310)を制御するための制御装置ユニット(600)とを備え、
前記制御装置ユニット(600)は、調節モジュール(620)を備え、所望の質量流量
【数22】

が、前記調節モジュール(620)内に記憶され、さらに、時間tにて、質量流量
【数23】

が、前記所望の質量流量
【数24】

よりも小さいことが判明した場合には、前記質量流量は、流量調節値
【数25】

だけ増加させることが可能であり、前記質量流量
【数26】

が、前記所望の質量流量
【数27】

よりも大きいことが判明した場合には、前記質量流量は、流量調節値
【数28】

だけ低減させることが可能である、装置において、
前記制御装置ユニット(600)は、前記質量流量
【数29】

を決定するための適応フィルタを備えることを特徴とする、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記弁(310)は、ハウジング(311)と、円形の断面を有する出口オリフィス(312)と、遮断要素(313)とを備え、
前記出口オリフィス(312)および前記遮断要素(313)は、共通軸上に配置され、
前記遮断要素(313)は、前記共通軸を中心として回転するように、および前記共通軸に沿って並進移動において摺動するように、前記ハウジングに対する移動性を有し、前記遮断要素(313)は、前記出口オリフィス(312)から出るように、および前記出口オリフィス(312)内に戻るように摺動することが可能であり、前記遮断要素(313)は、円筒状遮断部分(314)および出口通路部分(315)を有し、前記弁(310)は、前記遮断要素(313)の並進移動(340)によって開閉されることを特徴とする、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、前記遮断要素の前記出口通路部分(315)は、可変の開口断面Aを有し、前記遮断要素(313)の並進変位量が、前記弁(310)の前記開口断面Aに直接的に相関することを特徴とする、装置。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載の装置において、前記遮断要素(313)は、可変の角速度ωで回転可能であり、前記角速度ωは、前記弁(310)を通過する物質流の質量流量
【数30】

に直接的に相関することを特徴とする、装置。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか一項に記載の装置において、前記弁(310)は、衝撃機構を備え、それにより、可変のタッピング頻度Fのタッピングを、すでに開いている前記弁に対して行うことが可能であり、前記タッピング頻度Fは、前記弁(310)を通過する物質流の質量流量
【数31】

に直接的に相関することを特徴とする、装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−180138(P2011−180138A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−36820(P2011−36820)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】