説明

直動機構

【課題】飛沫や粉塵が飛散している環境に設置されたときにも、摺動部や可動部への飛沫や粉塵の浸入が防止される直動機構を提供する。
【解決手段】支持体(14)と、支持体に固定された案内軸(16)と、案内部に支持され、所定の移動方向に沿って直線移動するスライダー部(18)と、スライダー部に固定され、スライダー部とともに移動方向に沿って移動する移動体(12)と、スライダー部の少なくとも一部、又はスライダー部及び案内部の少なくとも一部を覆う第1のカバー(20)と、第1のカバーとオーバーラップする第2のカバー(22)と、を備え、移動体は、移動方向と直交する面に開口が設けられ、開口が設けられる面に第2のカバーの形状に対応するスリット、又は前記第2のカバーの開口に対応する形状の凸部が設けられ、第1のカバーの移動方向と直交する断面の輪郭(30)は、第2のカバーの移動方向と直交する断面の輪郭(32)と交差しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直動機構に係り、特に被搬送物を直線移動させる直動機構における防水構造及び防塵構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアスライダーなどの直動機構は、工作機械やロボット装置などの内部に取り付けられて、被搬送物の移動機構として使用される。直動機構は、飛沫や粉塵が飛散する環境に設置される場合に、案内軸(摺動部分)や可動部を飛沫や粉塵から保護するためのカバーが取り付けられる。
【0003】
特許文献1は、リニアガイドの案内レールを保護するために、伸縮性の蛇腹構造を有する防塵カバーを備えた直動装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、粉塵が多い環境で使用されるスライドガイドに、全体を覆う防塵カバーが取り付けられた構造を開示している。この防塵カバーは、長手方向に沿ってスライダーとスライドガイドとを連結させるための防塵カバー挿通孔が設けられており、圧縮エア供給源から防塵カバーの内部に圧縮エアが供給され、防塵カバーの内部から外部へエアを流出させて、防塵カバー内への粉塵の侵入が防止されている。
【0005】
特許文献3は、ハウジングにボールネジ及びキャリッジが内設された直動案内装置において、ハウジングの一面にキャリッジの移動方向に長く開口したスリットが設けられ、可動ループを形成するシールバンドによってスリットの開口がシールされる直動アクチュエータの防塵構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−343374号公報
【特許文献2】特開2005−106097号公報
【特許文献3】実開平7−7837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された直動装置のように、伸縮性を有する蛇腹構造の防塵カバーは、このカバーを伸縮させるための応力が直動装置の負荷となって重畳されてしまう。また、防塵カバーの取り付けにより組み立ての工数が増え、高価な伸縮性カバーを具備することはコスト面でも不利である。
【0008】
特許文献2に開示されたスライドガイドの全長を覆うようなカバーは、スライドガイドとスライドテーブルとを連結させる構造が複雑であるうえ、カバーの外側へ連結部分を取り出すためのスリット(隙間)が必要である。一方、カバーにスリットが設けられることでカバーの密閉性が不完全なものとなってしまい、それゆえに、カバーの内部に圧縮エアを供給してカバーの内部から外部へエアを流して、密閉性の不完全さを補う必要がある。
【0009】
特許文献3に開示された直動アクチュエータの防塵構造は、シールバンドをループ状に組み込んでからキャリッジを固定する組み立て工程が必要となる。また、シールバンドは剛性が低くカバーとのクリアランスの管理が難しく、クリアランス不足によるカバーとの擦れが発生したり、クリアランスの過多による気密性の低下が発生したりする。
【0010】
さらに、シールバンドの巻き上げに必要なトルクが負荷として重畳されるといった課題も存在している。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、飛沫や粉塵が飛散している環境に設置されたときにも、摺動部や可動部への飛沫や粉塵の浸入が防止される直動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る直動機構は、支持体と、前記支持体に固定された案内部と、前記案内部に支持され、所定の移動方向に沿って直線移動する可動部と、前記可動部に固定され、前記可動部とともに前記移動方向に沿って移動する移動体と、前記可動部の少なくとも一部、又は前記可動部及び前記案内部の少なくとも一部を覆う第1のカバーと、前記第1のカバーを囲うとともに、前記第1のカバーとオーバーラップする構造を有する第2のカバーと、を備え、前記移動部は、前記移動方向と直交する面に開口が設けられる構造を有し、前記開口が設けられる面に前記第2のカバーの形状に対応するスリット、又は前記第2のカバーの開口に対応する形状の凸部が設けられ、前記第1のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭は、前記第2のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭と交差しない構造を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、案内部及び可動部をカバーする第1のカバーと第2のカバーを備え、第1のカバーと第2のカバーとをオーバーラップさせるとともに、第1のカバーの可動部の移動方向と直交する断面の輪郭と、第2のカバーの可動部の移動方向と直交する断面の輪郭が交差しないように構成されるので、簡単な構造で案内部及び可動部を覆うことができるとともに所定の密閉性が確保され、かつ、可動部と移動体との接合が可能となる。
【0014】
また、移動体が可動部とともに移動する際に、第2のカバーと干渉(衝突)することなく、所定のストロークを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係るリニアスライダーの全体構成を示す分解斜視図
【図2】図1に示すリニアスライダーの斜視図
【図3(a)】図1に示すリニアスライダーの長手方向と平行な断面を示す断面図
【図3(b)】図3(a)に示すリニアスライダーの他の態様を示す断面図
【図3(c)】図3(a)に示すリニアスライダーのさらに他の態様を示す断面図
【図4】図1に示すリニアスライダーの長手方向と直交する断面を示す断面図
【図5】図1に示す移動体の固定カバーとのオーバーラップ構造を示す断面図
【図6】本発明の第2実施形態に係るリニアスライダーの全体構成を示す斜視図
【図7】図6に示す移動体の固定カバーとのオーバーラップ構造を示す断面図
【図8】本発明の第3実施形態に係るリニアスライダーの全体構成を示す分解斜視図
【図9】図8に示すリニアスライダーの長手方向と平行な断面を示す断面図
【図10】図8に示すリニアスライダーの長手方向と直行する断面を示す断面図
【図11】本発明の第4実施形態の係るリニアスライダーの全体構成を示す全体構成図
【図12】本発明の第5実施形態に係るリニアスライダーの全体構成を示す分解斜視図
【図13】図12に示すリニアスライダーの長手方向と平行な断面を示す断面図
【図14】図12に示すリニアスライダーの長手方向と直行する断面を示す断面図
【図15】本発明に係るリニアスライダーが適用されるインクジェット記録装置の概略構成図
【図16】図15に示す払拭部の構成例を示す斜視図
【図17】図15に示すリニアスライダーの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るリニアスライダーの全体構成を示す斜視図であり、図2は、リニアスライダーが組み立てられた状態を示す斜視図である。また、図3(a)〜(c)は、リニアスライダー10の長手方向と平行な断面線に沿う断面図であり、図4は、リニアスライダー10の長手方向と直行する断面線に沿う断面図である。
【0018】
本例に示すリニアスライダー10は、移動体12を所定の方向へ直線移動させる搬送機構(直動機構)であって、支持体14により両端部を支持される案内軸16と、案内軸16に支持されて案内軸16の長手方向に沿って移動可能なスライダー部18と、スライダー部18の底面及び側面を覆う第1のカバー20と、案内軸16の両端から案内軸16を覆う第2のカバー22と、を含んで構成されている。
【0019】
第1のカバー20は、案内軸16の長手方向と直交する断面の形状が略U字形状(逆ハット形状)であり、スライダー部18の底面と対向する底面20A、及びスライダー部18の側面と対向する側面20B,20Cを有している。
【0020】
また、側面20B,20Cの上部は、外側へ略90°折り返された構造を有する接合面20D,20Eとなっており、この接合面20D,20Eが移動体12の底面12Aと接合される。
【0021】
第1のカバー20は、スライダー部18の上面10Aに接合される移動体12を介して、スライダー部18と接合され、スライダー部18とともに案内軸16に沿って移動可能に構成されている。第1のカバー20の底面20Aと支持体14との間には所定のクリアランスが設けられている。
【0022】
なお、第1のカバー20の案内軸16の長手方向と直交する断面の形状を略V字形状としてもよいし、円弧としてもよい。すなわち、第1のカバー20は、案内軸16の長手方向と略平行な面を二面以上有し、又は案内軸16の長手方向と略平行であり、案内軸16の外周面と対向する曲面を有し、案内軸16の長手方向について、スライダー部18の長さを超える長さを有していればよい。
【0023】
第2のカバー22は、第1のカバー20と対向する面22Aが開口している直方体形状を有し、開口している面22A以外の5つの面は隔壁が形成され、内部に空間が形成されている。図1、図2、図3(a)〜(c)には、第1のカバー20の案内軸16の長手方向の両側に第2のカバー22が設けられる態様が例示されている。
【0024】
図2に示すように、リニアスライダー10が組み立てられた状態では、第2のカバー22は、案内軸16の長手方向について、案内軸16の両端からスライダー部18までの部分を覆いつつ、第1のカバー20の案内軸16の長手方向の両端から所定の範囲を覆っており、開口22Aと対向する面22Bが支持体14の端面に固定される。
【0025】
なお、第2のカバー22の開口22Aと対向する面22Bを支持体14の端面により構成してもよい。また、第2のカバー22の開口22A以外の面が支持体14を構成する面と兼用される態様も好ましい。さらに、水平搬送機構に適用される場合には、第2のカバー22の底面を省略する形態も可能である。
【0026】
本例に示すリニアスライダー10は、第1のカバー20と第2のカバー22とは常にオーバーラップするように、第1のカバー20の案内軸16の長手方向における長さと、第2のカバー22の案内軸16の長手方向における長さが決められているので、案内軸16の全体及びスライダー部18の全体が、常に第1のカバー20、第2のカバー22、又は第1のカバー20と第2のカバー22の両方によって覆われている。
【0027】
すなわち、第2のカバー22の案内軸16の長手方向における長さは、第1のカバー20とのオーバーラップ量の最小値と、スライダー部18の有効移動範囲の全長(ストローク)と、第2のカバー22が固定される支持体14の端部の案内軸16の長手方向における長さと、を合算した値を超えている。
【0028】
第1のカバー20と第2のカバー22とのオーバーラップ量は、第1のカバー20(スライダー部18)の案内軸16の長手方向における位置によって変わり、オーバーラップ量が最小となるのは、スライダー部18が有効移動範囲の両端のいずれかに位置する状態である。
【0029】
図3(a)は、スライダー部18が有効移動範囲の中央に位置した状態が図示されている。この状態は、第2のカバー22のスライダー部18の右側のオーバーラップ部と、左側のオーバーラップ部の案内軸16の長手方向における長さ(オーバーラップ量)が略同一となっている。この状態からスライダー部18が有効移動範囲の両端のいずれかまで、案内軸16の長手方向にスライダー部18を移動させても、一方の端で第1のカバー20と第2のカバー22が接触することなく、かつ、他方の端において第1のカバー20と第2のカバー22とのオーバーラップが維持される。
【0030】
かかる構成によって、スライダー部18が有効移動範囲の両端のいずれかに達した場合にも、第1のカバー20と第2のカバー22とのオーバーラップが確保される。オーバーラップ量の最小値は、図4に示す閉鎖空間の輪郭30と閉鎖空間の輪郭32とのギャップの5倍以上が好ましく、10倍以上とすることがより好ましい。
【0031】
図3(b)に示す態様は、第2のカバー22の開口面22Aがスライダー部18まで延ばされている形態である。かかる態様は、第1のカバー20はスライダー部18のみを覆い、第2のカバー22は案内軸16及びスライダー部18を覆っている。
【0032】
さらに、図3(c)に示す態様は、第2のカバー22の開口面22Aと対向する面22Bも開口となっている。すなわち、第2のカバー22は中空の柱形状(煙突形状)を有し、飛沫、粉塵の発生源から十分に遠方まで、スライダー部18の移動方向における長さが延長されている。
【0033】
図3(c)に示す態様は、飛沫、粉塵の発生源が直近にあり、放射範囲が小さい場合に有効である。また、リニアスライダー10が垂直移動形態である場合には、該発生源よりも高い位置まで第2のカバー22を延ばせばよく、第2のカバー22の構造をより簡略化することが可能となる。
【0034】
なお、図3(c)では、左右両側の第2のカバー22の開口面22Bが支持体14の端部よりも外側に延長された構造を図示したが、左右いずれかの第2のカバー22の開口面22Bが支持体14の端部よりも外側に延長された構造としてもよい。また、左右の第2のカバー22の長さを変えることも可能である。
【0035】
図4に示すように、リニアスライダー10は、案内軸16の長手方向と直交する断面において、第1のカバー20と移動体12の底面によって形成される閉鎖空間の輪郭30が、第2のカバー22によって形成される閉鎖空間の輪郭32が交差しないように、第1のカバー20と第2のカバーがオーバーラップしている。
【0036】
第1のカバー20及び移動体12の底面12Aにより構成される閉鎖空間の輪郭30と、第2のカバー22により構成される閉鎖空間の輪郭32とのギャップ(隙間)をより小さくすることで、該隙間を封止するシール等の封止部材を用いることなく、密閉性を向上させることが可能である。
【0037】
なお、より高い密閉性が要求される場合は、リニアスライダー10の駆動系における負荷の増加の許容範囲内で、シール(封止部材)を用いて該隙間を封止する態様も可能である。
【0038】
図1〜図4に図示した移動体12は、中空形状を有する直方体であり、移動体12の移動方向と直交する面の少なくともいずれかが開口している。また、移動体12の底面(スライダー部18と接合される面)及び移動体12の移動方向と直交する面に、第2のカバー22の形状に対応するスリット12B,12Cが設けられている。
【0039】
図5は、第1のカバー20(移動体12)と第2のカバーがオーバーラップした状態(スライダー部18の有効移動範囲の端部にスライダー部18が達した状態)を模式的に図示した説明図である。同図に示すように、移動体12のスリット12B(12C)は、移動体12の案内軸16の長手方向における端部から内部に向かって形成されている。
【0040】
移動体12が第1のカバー20(スライダー部18)とともに移動して、スライダー部18の有効移動範囲の端部近傍に到達すると、移動体12のスリット12B(12C)の中に第2のカバー22が入り込む。かかる構成によって、移動体12(スライダー部18)の所定のストロークが確保されるとともに、第1のカバー20と第2のカバー22とのオーバーラップによって、案内軸16及びスライダー部18の密閉性が確保され、さらに、移動体12と第2のカバー22との干渉(衝突)が回避される。
【0041】
支持体14に両端を支持される案内軸16は、円柱(円筒)形状の固定軸でもよいし、回転可能に支持された回転軸(例えば、周面にらせん状の溝が形成されたリードスクリュー)でもよい。
【0042】
スライダー部18は、不図示の軸受を介して案内軸16に支持され、案内軸16に沿って所定のストロークの範囲内で移動可能に構成されている。スライダー部18又は案内軸16は、不図示の駆動系に連結され、駆動系の動作パラメータによってスライダー部18の移動量及び移動速度を管理することができる。
【0043】
本発明の第1実施形態に係るリニアスライダー10によれば、スライダー部18を覆って移動体12に固定される第1のカバー20と、第1のカバーとオーバーラップする第2のカバー22を備え、第2のカバー22のオーバーラップ部の第1のカバー20の移動方向の長さが、移動体12(スライダー部18)のストローク以上とされるので、第1のカバー20及び第2のカバー22によって案内軸16及びスライダー部18を飛沫から防御しうる。
【0044】
また、移動体12に固定され、移動体12とともに移動する第1のカバー20と、支持体14に固定される第2のカバー22と、を組み合わせることで、案内軸16及びスライダー部18を飛沫から守るカバーの構造を簡単にすることができるとともに、リニアスライダー10の組み立てを簡単にすることができ、当該カバーの閉鎖性(密閉性)を損なうことなく、移動体12とスライダー部18とを連結させることができる。
【0045】
また、移動体12に第2のカバー22の形状に対応するスリット12B,12Cが設けられることで、移動体12及びスライダー部18のより長いストロークが確保される。
【0046】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るリニアスライダーについて説明する。なお、以下の説明では、先に説明した部分と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0047】
図6は、第2実施形態に係るリニアスライダー100の分解斜視図であり、図7は、第1のカバー20と第2のカバー22がオーバーラップした状態を模式的に図示した説明図である。
【0048】
本例に示すリニアスライダー100は、先に説明した第1実施形態に係るリニアスライダー10と比較して、移動体の形状が異なっている。すなわち、図1に図示した移動体12のスリット12Bに代わり、第2のカバー22に入り込む凸部102Bが移動体102に設けられている。なお、図6に図示した移動体102は、一方の端(図6左側の端)はスリット12Cが設けられているが、スリット12Cに代わり第2のカバー22に入り込む凸部が設けられる態様も可能である。
【0049】
第2実施形態に係るリニアスライダー100によれば、第2のカバー22と移動体102との干渉を回避させる形状を、第2のカバー22の中に入り込む凸部102Bとすることで、移動体12にスリット12Bが設けられる形態と比較して、同様の密閉性が確保されるとともに、移動体102の加工やリニアスライダー100の組み立てが容易となる。
【0050】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るリニアスライダーについて説明する。図8は、第3実施形態に係るリニアスライダー200の分解斜視図であり、図9は、リニアスライダー200の長手方向と平行方向の断面線に沿う断面図であり、図10は、リニアスライダー200の長手方向と直交する断面線に沿う断面図である。
【0051】
本例に示すリニアスライダー200は、移動体202にスリット等を設けることができない場合の形態であり、移動体202とスライダー部18との間に中継体203が設けられ、中継体203に第2のカバー22の形状に対応するスリット203B,203Cが形成されている。
【0052】
中継体203は、長手方向(案内軸16の長手方向と平行方向)の両端に開口203D,203Eが設けられている中空の直方体であり、底面203Aがスライダー部18と連結され、上面203Fが移動体202と連結されている。また、スリット203B,203Cは、側面203G,203Hにおける開口203D,203Eから内部に向かって形成されている。
【0053】
中継体203の長手方向の長さは、第1のカバー20の案内軸の長手方向の長さ以上であればよく、中継体203の短手方向の長さは、第1のカバー20の案内軸の長手方向と直交する方向の長さ(取付のための縁を含む)以上であればよい。
【0054】
第3実施形態の係るリニアスライダー200によれば、スリット12B,12C等(図1参照)の第2のカバー22との干渉を回避するためのスリット等を形成(加工)することができない移動体202が用いられる形態においても、第1のカバー20と第2のカバー22とを組み合わせた構造の案内軸16及びスライダー部18のカバーが可能となり、移動体202及びスライダー部18の所定のストロークが確保される。
【0055】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係るリニアスライダーについて説明する。図11は、リニアスライダー300の長手方向と平行方向の断面線に沿う断面図である。本例に示すリニアスライダー300は、支持体304に固定部308が固定され、固定部308に支持される可動軸306が長手方向に沿って移動するように構成されている。
【0056】
すなわち、図11に図示した形態は、第1〜第3実施形態に係るリニアスライダーの天地を反転させ、スライダー部18を支持体に固定する固定部とし、案内軸16を長手方向に沿って移動させる可動軸としている。
【0057】
第1のカバー320は、可動軸306の長手方向と直交する断面線による断面の形状が逆U字形状となっており、固定部308の側面及び上面を覆うように支持体304に固定される固定カバーである。固定部308に支持される可動軸306は、リニアスライダー300の長手方向に第1のカバー320を貫通している。
【0058】
移動体302は、支持部材303を介して可動軸306に支持され、可動軸306とともに可動軸306の長手方向に沿って移動する。移動体302と可動軸306とを連結させる支持部材303は、可動軸306の長手方向の両端に連結されている。
【0059】
第2のカバー322は、支持体304に固定され、第1のカバー320と対向する面に開口322Aが形成されており、開口322Aから内部に可動軸306及び第1のカバー320が入り込んでいる。
【0060】
移動体302は、第2のカバー322の形状に対応するスリット302B,302Cが設けられており、移動体302が可動軸306とともにリニアスライダー300の長手方向に沿って移動すると、第1のカバー320及び第2のカバー322によって形成される隔離された空間内を可動軸306が移動するので、可動軸306及び固定部308がカバーされ、飛沫や粉塵の侵入が防止される。
【0061】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態に係るリニアスライダーについて説明する。図12は、第5実施形態に係るリニアスライダー400の分解斜視図であり、図13は、リニアスライダー400の長手方向と平行方向の断面線に沿う断面図であり、図14は、リニアスライダー400の長手方向と直交する断面線に沿う断面図である。
【0062】
本例に示すリニアスライダー400は、支持体404の上面404Aにレール406が固定され、レール406に支持されるスライダー部408が、レール406の長手方向に沿って移動するように構成されている。
【0063】
すなわち、本例に示すリニアスライダー400は、第1〜第3実施形態に係るリニアスライダーの案内軸が支持体404の底面に固定されるレール406に置き換えられている。
【0064】
第1のカバー420は、移動体402とともにスライダー部408に固定され、移動体402及びスライダー部408とともに、レール406の長手方向へ移動される。第1のカバー420は、中空の直方体形状を有しており、底面420Aには第1のカバー420の長手方向の全長にわたって、レール406の幅(レール406の短手方向の長さ)よりも大きい幅を有するスリット421が設けられている。
【0065】
また、第1のカバー420の底面の厚みは、支持体404とスライダー部408とのギャップ未満となっており、第1のカバー420は、底面420Aが支持体404に接触しないようにスライダー部408に固定される。
【0066】
第2のカバー422は、第1のカバー420と対向する面422Aと底面422Bが開口した形状を有しており、支持体404に突き当てて固定される。また、図13に示すように、第2のカバー422の第1のカバー420と対向する面422Aから第2のカバー422の内部へ第1のカバー420が入り込んでオーバーラップしている。
【0067】
移動体402は、第2のカバー422の形状に対応する不図示のスリットが設けられており、移動体402が有効移動範囲の端部近傍に到達しても、第2のカバー422との干渉が回避されるように構成されている。
【0068】
なお、移動体402とスライダー部408との間に中継体を介在させ、該中継体に第2のカバー422に対応するスリットが設けられてもよい(図9参照)。
【0069】
本例に示すリニアスライダー400は、第1のカバー420と干渉を避けるために、わずかな(微小量の)ギャップが設けられているので、レール406の第2のカバー422によって覆われていない部分から飛沫や粉塵の浸入が懸念されるものの、レール406と第1のカバー420とのギャップを十分に小さくすることで、飛沫や粉塵の浸入を防止することが可能である。
【0070】
上述した第1〜第5実施形態では、移動体12を水平搬送させる形態を例示したが、移動体12を垂直搬送させる形態にも本発明を適用することができる。なお、垂直搬送型のリニアスライダーでは、飛沫や粉塵の飛散状況に応じて下側からの第2のカバーを省略することができる。
【0071】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図15は、第6実施形態に係る垂直搬送型のリニアスライダーがインクジェットヘッドのメンテナンス部に適用されたインクジェット記録装置の概略構成図である。
【0072】
同図に示すインクジェット記録装置500は、インクジェットヘッド502と、インクジェットヘッド502のメンテナンスを行うメンテナンス部504と、を備えている。インクジェット記録装置500は、搬送ベルト506の上面に記録媒体(不図示)を固定保持して搬送し、インクジェットヘッドから記録媒体へインクを吐出させて、記録媒体上に所望の画像を形成する。
【0073】
インクジェット記録装置500は、インクジェットヘッド502のノズル面が汚れた場合に該ノズル面のクリーニング処理が施されるように構成されている。ノズル面のクリーニング処理は、インクジェットヘッド502をメンテナンス部504に移動させて実行される。
【0074】
なお、図15には、インクジェットヘッド502を1つだけ図示したが、カラー画像を形成する場合には、色ごとにインクジェットヘッドが設けられる。
【0075】
ノズル面のクリーニング処理の一例として、ノズル面に洗浄液を塗布してノズル面に付着しているインクなどの汚れを溶解させ、その後、ウエブによってノズル面を拭き取る形態が挙げられる。本発明に係るリニアスライダー510は、ウエブが収納されるウエブカセット512を上下させる機構に適用される。
【0076】
図16は、図15に図示したリニアスライダー510の概観を示す斜視図であり、図17は、リニアスライダー510の分解斜視図である。図16及び図17に示すリニアスライダー510は、移動体としてウエブカセット512が適用される。ウエブカセット512は、軸受支持部材517及び軸受518を介して案内軸516と連結され、案内軸516の長手方向(上下方向)に沿って往復移動可能に構成されている。
【0077】
軸受支持部材517及び軸受518は、ウエブカセット512と接合される第1のカバー520によって周囲を覆われるとともに、案内軸516は上側から第2のカバー522によって覆われる。
【0078】
第2のカバー522の下側から第1のカバー520が入り込んで、第1のカバー520と第2のカバー522がオーバーラップしているので、案内軸516、軸受支持部材517及び軸受518が収容される第1のカバー520の内部及び第2のカバー522の内部への液体の浸入が防止される。
【0079】
なお、リニアスライダー510の下側から液体が浸入する可能性が極めて低いために、下側の第2のカバーは省略されている。
【0080】
第6実施形態にかかるリニアスライダー510によれば、第1のカバー520及び第2のカバー522によって、インクジェットヘッド502のノズル面にウエブを当接させてノズル面に付着した液体を拭き取る際に、ノズル面から落下した液体とリニアスライダー510の案内軸516、軸受支持部材517及び軸受518との接触が防止され、リニアスライダー510の長期的信頼性が確保される。
【0081】
〔付記〕
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
【0082】
(発明1):支持体と、前記支持体に固定された案内部と、前記案内部に支持され、所定の移動方向に沿って直線移動する可動部と、前記可動部に固定され、前記可動部とともに前記移動方向に沿って移動する移動体と、前記可動部の少なくとも一部、又は前記可動部及び前記案内部の少なくとも一部を覆う第1のカバーと、前記第1のカバーを囲うとともに、前記第1のカバーとオーバーラップする構造を有する第2のカバーと、を備え、前記移動部は、前記移動方向と直交する面に開口が設けられる構造を有し、前記開口が設けられる面に前記第2のカバーの形状に対応するスリット、又は前記第2のカバーの開口に対応する形状の凸部が設けられ、前記第1のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭は、前記第2のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭と交差しない構造を有することを特徴とする直動機構。
【0083】
本発明によれば、案内部及び可動部をカバーする第1のカバーと第2のカバーを備え、第1のカバーと第2のカバーとをオーバーラップさせるとともに、第1のカバーの可動部の移動方向と直交する断面の輪郭と、第2のカバーの可動部の移動方向と直交する断面の輪郭が交差しないように構成されるので、簡単な構造で案内部及び可動部を覆うことができるとともに所定の密閉性が確保され、かつ、可動部と移動体との接合が可能となる。
【0084】
また、移動体が可動部とともに移動する際に、第2のカバーと干渉(衝突)することなく、所定のストロークを得ることができる。
【0085】
本発明では、第1のカバーが可動部の一部又は全部を覆う形態、可動部及び案内部の一部又は全部を覆う形態があり得る。
【0086】
(発明2):支持体と、前記支持体に固定された案内部と、前記案内部に支持され、所定の移動方向に沿って直線移動する可動部と、前記可動部に固定され、前記可動部とともに前記移動方向に沿って移動する移動部と、前記可動部の少なくとも一部又は前記案内部の少なくとも一部を覆う第1のカバーと、前記第1のカバーを囲うとともに、前記第1のカバーとオーバーラップする構造を有する第2のカバーと、を備え、前記移動部は、前記移動方向と直交する面が非開口となる構造を有する移動体と、前記移動体及び前記可動部と接合される中継体と、を含み、前記中継体は、前記移動方向と直交する面に開口が設けられ、前記開口が設けられる面に前記第2のカバーの形状に対応するスリットが設けられるとともに、前記第2のカバーの開口に対応する形状の凸部が設けられる構造を有し、前記第1のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭は、前記第2のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭と交差しない構造を有することを特徴とする直動機構。
【0087】
本発明によれば、簡単な構造で案内部及び可動部を覆うことができるとともに所定の密閉性が確保され、かつ、可動部と移動部との接合を可能としつつ、第2のカバーとの干渉を避けるための形状を形成することができない移動体を具備することも可能である。
【0088】
(発明3):発明1又は2に記載の直動機構において、前記第2のカバーは、前記第1のカバーとオーバーラップする側の面に開口が設けられ、前記開口が設けられる面と反対側の面には隔壁が設けられる構造を有することを特徴とする。
【0089】
かかる態様によれば、一方の開口を塞ぐことで、カバー長が最短となる条件で防塵防滴機能を確立できる。
【0090】
(発明4):発明3に記載の直動機構において、前記第2のカバーの開口が設けられる面と反対側の面は、前記支持体により構成されることを特徴とする。
【0091】
かかる態様によれば、第2のカバーの形状を簡略化することが可能となり、コストダウンに寄与しうる。
【0092】
かかる態様において、カバー形態は、袋状、パイプ状などを適用することができ、溶接工程等の削減、省略が可能となる。
【0093】
(発明5):発明3に記載の直動機構において、前記第2のカバーの開口が設けられる面と異なる面は、前記支持体により構成されることを特徴とする。
【0094】
かかる態様によれば、開口に対向する面に加えて、支持体側の壁面も省略することができる。
【0095】
例えば、コの字型の形態の板金曲げのみでカバーを製作することが可能である。
【0096】
(発明6):発明1又は2に記載の直動機構において、前記第2のカバーは、前記第1のカバーとオーバーラップする側の面、及び前記第1のカバーとオーバーラップする側の面と反対側の面に開口が設けられる構造を有することを特徴とする。
【0097】
かかる態様によれば、第2のカバーの移動方向における両端面を開口とすることで、第2のカバーが簡単な構造となる。
【0098】
(発明7):発明6に記載の直動機構において、前記第2のカバーは、前記第1のカバーとオーバーラップする側の面と反対側の面に設けられた開口が、前記支持体の両端よりも外側に位置することを特徴とする。
【0099】
かかる態様によれば、第2のカバーの移動方向における両端面に設けられた開口から飛沫や粉塵が混入することを防止しうる。
【0100】
かかる態様において、第2のカバーの移動方向における両端面に設けられた開口を飛沫や粉塵の発生源からより遠い位置に配置する態様が好ましい。
【0101】
(発明8):発明1からから7のいずれか1項に記載の直動機構において、前記案内部は、長手方向の両端が前記支持体に支持される案内軸を含み、前記可動部は、前記案内軸の長手方向に沿って移動可能に構成されたスライダー部を含み、前記第1のカバーは、前記案内軸の長手方向と直交する面に開口を有する中空形状を有し、前記案内軸の長手方向について前記スライダー部の長さを超える長さを有し、前記スライダー部に接合されて前記スライダー部とともに前記案内軸の長手方向に沿って移動し、前記第2のカバーは、前記支持体の両端部に固定されることを特徴とする。
【0102】
かかる態様によれば、スライダー部とともに移動する第1のカバーと、支持体に固定される第2のカバーとを組み合わせることにより、飛沫や粉塵から案内軸及びスライダー部が確実に保護され、かつ、スライダー部と移動部とを簡単な構造により接合可能とし、スライダー部及び移動部の所定のストロークが確保されうる。
【0103】
スライダー部の構成例として、案内軸を支持する軸受と、該軸受を支持し、移動部と接合される軸受支持部と、を備える形態が挙げられる。
【0104】
(発明9):発明1から7のいずれか1項に記載の直動機構において、前記案内部は、前記支持体に固定される固定部を含み、前記可動部は、前記固定部に支持され、前記固定部に対して所定の方向に直線移動する可動軸を含み、前記移動部は、前記可動軸に支持されて前記可動軸の長手方向に沿って前記可動軸とともに移動し、前記第1のカバーは、前記可動軸の長手方向と直交する面に開口を有する中空形状を有し、前記可動軸の長手方向について前記固定部の長さを超える長さを有し、前記支持体に固定され、前記第2のカバーは、前記支持体の両端部に固定されることを特徴とする。
【0105】
かかる態様によれば、固定部に対して可動軸の長手方向に該可動軸を移動させる形態においても、固定部及び可動軸を飛沫等から保護するカバーの密閉性が確保され、可動軸と移動部とを簡単な構造により接合可能とし、可動軸及び移動部の所定のストロークが確保されうる。
【0106】
(発明10):発明1から7のいずれか1項に記載の直動機構において、前記案内部は、前記支持体の上面に固定される案内レールを含み、前記可動部は、前記案内レールに支持され、前記案内レールの長手方向に沿って移動するスライダー部を含み、前記第1のカバーは、前記案内レールの長手方向と直交する面に開口を有する中空形状を有し、前記案内レールの長手方向について前記スライダー部の長さを超える長さを有するとともに、前記案内レールの形状に対応するスリットが設けられ、前記スライダー部に接合されて前記スライダー部とともに前記案内レールの長手方向に沿って移動され、前記第2のカバーは、前記支持体の両端部に固定されることを特徴とする。
【0107】
かかる態様において、案内レールと第1のカバーのスリットとの間隔(ギャップ)をより小さくすることが好ましい。
【0108】
(発明11):発明1から10のいずれか1項に記載の直動機構において、前記移動部を水平搬送することを特徴とする。
【0109】
かかる態様において、第2のカバーの底面を省略して、支持体の底面を第2のカバーの底面と兼用する形態も可能である。
【0110】
(発明12):発明1から10のいずれか1項に記載の直動機構において、前記移動部を垂直搬送することを特徴とする。
【0111】
(発明13):発明1から12のいずれか1項に記載の直動機構において、前記第2のカバーは、前記第1のカバーの両側に設けられることを特徴とする。
【0112】
かかる態様によれば、第1のカバーと第2のカバーによって、案内部及び可動部を確実に保護しうる。
【0113】
(発明14):発明1から10のいずれか1に記載の直動機構において、前記移動部を垂直搬送し、前記第2のカバーは、前記第1のカバーの上側のみに設けられることを特徴とする。
【0114】
かかる態様は、垂直搬送機構において、上側からのみ飛沫や粉塵がかかる環境において、有効である。
【符号の説明】
【0115】
10,100,200,300、400…リニアスライダー、12、102,202,302,402…移動体、12B,12C、203B,203C…スリット、14,304,404…支持体、16、306,406…案内軸、20,320,420…第1のカバー、22,322,422…第2のカバー、102B…凸部、203…中継体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体に固定された案内部と、
前記案内部に支持され、所定の移動方向に沿って直線移動する可動部と、
前記可動部に固定され、前記可動部とともに前記移動方向に沿って移動する移動体と、
前記可動部の少なくとも一部、又は前記可動部及び前記案内部の少なくとも一部を覆う第1のカバーと、
前記第1のカバーを囲うとともに、前記第1のカバーとオーバーラップする構造を有する第2のカバーと、
を備え、
前記移動部は、前記移動方向と直交する面に開口が設けられる構造を有し、前記開口が設けられる面に前記第2のカバーの形状に対応するスリット、又は前記第2のカバーの開口に対応する形状の凸部が設けられ、
前記第1のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭は、前記第2のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭と交差しない構造を有することを特徴とする直動機構。
【請求項2】
支持体と、
前記支持体に固定された案内部と、
前記案内部に支持され、所定の移動方向に沿って直線移動する可動部と、
前記可動部に固定され、前記可動部とともに前記移動方向に沿って移動する移動部と、
前記可動部の少なくとも一部又は前記案内部の少なくとも一部を覆う第1のカバーと、
前記第1のカバーを囲うとともに、前記第1のカバーとオーバーラップする構造を有する第2のカバーと、
を備え、
前記移動部は、前記移動方向と直交する面が非開口となる構造を有する移動体と、前記移動体及び前記可動部と接合される中継体と、を含み、
前記中継体は、前記移動方向と直交する面に開口が設けられ、前記開口が設けられる面に前記第2のカバーの形状に対応するスリットが設けられるとともに、前記第2のカバーの開口に対応する形状の凸部が設けられる構造を有し、
前記第1のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭は、前記第2のカバーの前記移動方向と直交する断面の輪郭と交差しない構造を有することを特徴とする直動機構。
【請求項3】
前記第2のカバーは、前記第1のカバーとオーバーラップする側の面に開口が設けられ、前記開口が設けられる面と反対側の面には隔壁が設けられる構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の直動機構。
【請求項4】
前記第2のカバーの開口が設けられる面と反対側の面は、前記支持体により構成されることを特徴とする請求項3に記載の直動機構。
【請求項5】
前記第2のカバーの開口が設けられる面と異なる面は、前記支持体により構成されることを特徴とする請求項3に記載の直動機構。
【請求項6】
前記第2のカバーは、前記第1のカバーとオーバーラップする側の面、及び前記第1のカバーとオーバーラップする側の面と反対側の面に開口が設けられる構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の直動機構。
【請求項7】
前記第2のカバーは、前記第1のカバーとオーバーラップする側の面と反対側の面に設けられた開口が、前記支持体の両端よりも外側に位置することを特徴とする請求項6に記載の直動機構。
【請求項8】
前記案内部は、長手方向の両端が前記支持体に支持される案内軸を含み、
前記可動部は、前記案内軸の長手方向に沿って移動可能に構成されたスライダー部を含み、
前記第1のカバーは、前記案内軸の長手方向と直交する面に開口を有する中空形状を有し、前記案内軸の長手方向について前記スライダー部の長さを超える長さを有し、前記スライダー部に接合されて前記スライダー部とともに前記案内軸の長手方向に沿って移動し、
前記第2のカバーは、前記支持体の両端部に固定されることを特徴とする請求項1からから7のいずれか1項に記載の直動機構。
【請求項9】
前記案内部は、前記支持体に固定される固定部を含み、
前記可動部は、前記固定部に支持され、前記固定部に対して所定の方向に直線移動する可動軸を含み、
前記移動部は、前記可動軸に支持されて前記可動軸の長手方向に沿って前記可動軸とともに移動し、
前記第1のカバーは、前記可動軸の長手方向と直交する面に開口を有する中空形状を有し、前記可動軸の長手方向について前記固定部の長さを超える長さを有し、前記支持体に固定され、
前記第2のカバーは、前記支持体の両端部に固定されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の直動機構。
【請求項10】
前記案内部は、前記支持体の上面に固定される案内レールを含み、
前記可動部は、前記案内レールに支持され、前記案内レールの長手方向に沿って移動するスライダー部を含み、
前記第1のカバーは、前記案内レールの長手方向と直交する面に開口を有する中空形状を有し、前記案内レールの長手方向について前記スライダー部の長さを超える長さを有するとともに、前記案内レールの形状に対応するスリットが設けられ、前記スライダー部に接合されて前記スライダー部とともに前記案内レールの長手方向に沿って移動され、
前記第2のカバーは、前記支持体の両端部に固定されることを特徴とする請求項1からから7のいずれか1項に記載の直動機構。
【請求項11】
前記移動部を水平搬送することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の直動機構。
【請求項12】
前記移動部を垂直搬送することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の直動機構。
【請求項13】
前記第2のカバーは、前記第1のカバーの両側に設けられることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の直動機構。
【請求項14】
前記移動部を垂直搬送し、
前記第2のカバーは、前記第1のカバーの上側のみに設けられることを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の直動機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3(a)】
image rotate

【図3(b)】
image rotate

【図3(c)】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−149691(P2012−149691A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7968(P2011−7968)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】