説明

省エネルギー制御装置

【課題】 被制御機器の消費電力を制御することで省エネルギーを実現する省エネルギー制御装置に係り、特に、仕様が不明な被制御機器を接続された通信端末についても、容易にこれを追加することができ、且つ、正確に制御することができる省エネルギー制御装置を提供すること。
【解決手段】 消費エネルギー検出手段を備えた通信端末と、記憶装置及び中央演算処理装置からなる中央制御装置と、を具備し、中央演算処理装置は、記憶装置に負荷特性データが記憶されている場合にはその負荷特性データを使用し、記憶装置に負荷特性データが記憶されていない場合には、消費エネルギー検出手段を介して新たに負荷特性データを作成させるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置等の被制御機器の省エネルギー制御を行う省エネルギー制御装置に係り、特に、被制御機器に対応して設置された通信端末において被制御機器の消費エネルギーを測定し、該消費エネルギー測定情報から導き出した特性を利用して被制御機器の省エネルギー制御を行うことができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の省エネルギー制御装置は、例えば、次のような構成をなしている。まず、複数の被制御機器があり、これら複数の被制御機器には通信端末が設置されている。一方、中央制御装置があり、この中央制御装置から上記複数の通信端末に制御信号が出力され、それによって、所望の省エネルギー制御を行うものである。その際、通信端末や中央制御装置とは別に、各被制御機器のそれぞれに電力計等の消費エネルギー検出手段を設置し、測定された消費エネルギーを中央制御装置で監視しながら被制御機器の制御を行う。
【0003】
ところが、上記構成によると、通信端末や中央制御装置とは別に、各被制御機器のそれぞれに電力計等の消費エネルギー検出手段を設置し、その消費エネルギー検出手段による検出信号をフィードバックさせなければならず、構成が複雑になるとともに制御が面倒であった。
【0004】
そこで、別の省エネルギー制御装置が提案されている。その一つとして、被制御機器に対する出力指示(操作量)の値と被制御機器における消費電力等の消費エネルギーとの関係を示す特性を予め用意しておき、その特性を使用して制御する方法がある。図2はこのような特性の一例を示した図であり、横軸に出力指示(操作量)をとり縦軸に消費電力をとり、両者の関係を示した図である。中央制御装置は、図2に示されている特性に基づいて出力指示(操作量)を決定し、それによって、所望の省エネルギー制御を行うものである。
【0005】
なお、前者のタイプの省エネルギー制御装置を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−92320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の構成によると次のような問題点があった。
まず、被制御機器における出力指示(操作量)と消費電力等の消費エネルギーとの関係を示す特性が、例えば、図2に示すように、予め確認されていれば問題はないが、それが不明である場合には、被制御機器の消費電力を適切に制御して所望の省エネルギー制御を行うことができないという問題があった。
これに対しては、予め顕在化されている情報から、出力指示(操作量)と消費電力等の消費エネルギーとの関係を示す特性を予測することにより、被制御機器の消費電力を適切に制御して所望の省エネルギー制御を行うことも考えられる。しかしながら、図2に示すように、横軸に示す出力指示(操作量)と縦軸に示す消費電力等の消費エネルギーの関係は比例していないので、そのような予測も困難である。
また、事前の測定によって、被制御機器における出力指示(操作量)と消費電力等の消費エネルギーとの関係を示す特性を求めておく必要があり、煩雑な作業を余儀なくされるという問題があった。
また、測定等により被制御機器における出力指示(操作量)と消費電力等の消費エネルギーとの関係を示す特性が判明しても、制御装置への多くのデータの入力作業やそれらのデータの被制御機器への関連付けなどの煩雑な作業が必要となってしまう。
【0008】
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、被制御機器における出力指示(操作量)と消費電力等の消費エネルギーとの関係を示す特性が不明な被制御機器に対しても、簡単な構成により精度の高い省エネルギー制御を容易に行うことができるようにした省エネルギー制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による省エネルギー制御装置は、被制御機器側に設置され該被制御機器の消費エネルギーを検出する消費エネルギー検出手段を備えた通信端末と、上記被制御機器に関して消費エネルギーと操作量との関係を示す負荷特性データと所望の省エネルギー運転を実現するための消費エネルギーの時間変化を示す省エネルギー運転パターンを記憶する記憶装置と、上記記憶装置に記憶されている負荷特性データと省エネルギー運転パターンとから上記被制御機器の操作量を決定して出力指示を出力する中央演算処理装置と、を備えた中央制御装置と、を具備し、上記中央演算処理装置は、上記記憶装置に負荷特性データが記憶されている場合にはその負荷特性データを使用し、記憶装置に負荷特性データが記憶されていない場合には、上記消費エネルギー検出手段を介して新たに負荷特性データを作成させるものであることを特徴とするものである。
又、請求項2による省エネルギー制御装置は、請求項1記載の省エネルギー制御装置において、上記中央演算処理装置は、上記記憶装置に被制御機器の出力量と操作量との関係を示すデータが記憶されていない場合に、そのデータを作成させるものであることを特徴とするものである。
又、請求項3による省エネルギー制御装置は、請求項1又は請求項2記載の省エネルギー制御装置において、上記通信端末には機器情報入力手段が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
以上述べたように本願発明の請求項1による省エネルギー制御装置によると、被制御機器側に設置され該被制御機器の消費エネルギーを検出する消費エネルギー検出手段を備えた通信端末と、上記被制御機器に関して消費エネルギーと操作量との関係を示す負荷特性データと所望の省エネルギー運転を実現するための消費エネルギーの時間変化を示す省エネルギー運転パターンを記憶する記憶装置と、上記記憶装置に記憶されている負荷特性データと省エネルギー運転パターンとから上記被制御機器の操作量を決定して出力指示を出力する中央演算処理装置と、を備えた中央制御装置と、を具備し、上記中央演算処理装置は、上記記憶装置に負荷特性データが記憶されている場合にはその負荷特性データを使用し、記憶装置に負荷特性データが記憶されていない場合には、上記消費エネルギー検出手段を介して新たに負荷特性データを作成させる構成になっているので、負荷特性データと省エネルギー運転パターンに基づいて精度の高い省エネルギー制御を行うことが可能であり、特に、記憶装置に負荷特性データが記憶されていない場合についても、新たに取得した負荷特性データと省エネルギー運転パターンに基づいて精度の高い省エネルギー制御を行うことが可能である。
又、請求項2による省エネルギー制御装置は、請求項1記載の省エネルギー制御装置において、上記中央演算処理装置は、上記記憶装置に被制御機器の出力量と操作量との関係を示すデータが記憶されていない場合に、そのデータを作成させるように構成されているので、記憶装置に被制御機器の出力量と操作量との関係を示すデータが記憶されていない場合であっても、新たにデータを作成して制御に使用することができる。
なお、ここでいう被制御機器の出力量とは、操作量の指示に基づき被制御器機が外部へ出力する物理量であり、例えば、被制御機器が照明装置の場合であれば、その照明装置から出力される照度を意味することになる。
又、請求項3による省エネルギー制御装置によると、請求項1又は請求項2記載の省エネルギー制御装置において、上記通信端末には機器情報入力手段が設けられた構成になっているので、その機器情報入力手段を使用して様々なデータを入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本願発明の第1〜第3の実施の形態を示す図で、本実施の形態による省エネルギー制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本願発明の第1〜第3の実施の形態及び従来例の説明に使用した図で、被制御機器に対する出力指示(操作量)と制御される被制御機器の消費電力との関係を示すグラフである。
【図3】本願発明の第1の実施の形態を示す図で、本実施の形態による省エネルギー制御装置における中央制御装置によって行われる処理を示したフローチャートである。
【図4】本願発明の第1〜第3の実施の形態を示す図で、本実施の形態による省エネルギー制御装置における通信端末によって行われる処理を示したフローチャートである。
【図5】本願発明の第1〜第3の実施の形態を示す図で、本実施の形態による省エネルギー制御装置におけるセンサ端末によって行われる処理を示したフローチャートである。
【図6】本願発明の第2の実施の形態、又は、第3の実施の形態を示す図で、本実施の形態による省エネルギー制御装置における中央制御装置によって行われる処理を示したフローチャートである。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す図で、省エネルギー制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1乃至図5を参照して本願発明の第1の実施の形態を説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態による省エネルギー制御装置1の構成について説明する。図1は、本実施の形態による省エネルギー制御装置の構成を表わす機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態による省エネルギー制御装置1には、まず、中央制御装置3が設置されている。上記中央制御装置3には、中央制御装置側コンピュータ5とこの中央制御装置側コンピュータ5に接続された記憶装置7とが設けられている。上記記憶装置7には、後述する制御用プログラムを記憶する制御用プログラム記憶部7a、後述する被制御機器としての照明装置33における運転パターンの優先順位、例えば、任意の「省エネ運転パターン」か或いは省エネを企図しない任意の照度を得る「照度優先運転パターン」の何れを優先するかを記憶する優先順位記憶部7b、上記照明装置33の仕様情報を示す被制御機器仕様データベースを記憶する被制御機器仕様データベース記憶部7c、センサ情報を記憶するセンサ情報記憶部7d、運転パターンを記憶する運転パターン記憶部7eが設けられている。また、上記記憶装置7には、後述する様々な処理において使用する計算領域7fも確保されている。また、上記中央制御装置側コンピュータ5には、中央制御装置側通信装置9や、ユーザ10とのインターフェースとなるディスプレイ(画面)11及び入力装置13も接続されており、また、上記中央制御装置側通信装置9には送受信用のアンテナ12が接続・配置されている。
【0014】
上記被制御機器仕様データベース記憶部7cには、照明装置33の制御の可否、その照明装置33に対する出力指示(操作量、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)デューティ比)と消費電力との関係(例えば、図2のグラフに示すようなもの)を表わす負荷特性データ、出力指示(操作量)と上記照明装置33の照度との関係、上記照明装置33の実用最小照度(上記照明装置33が出力することのできる最小照度)とそのときの出力指示(操作量)、最大消費電力とそのときの出力指示(操作量)、及び、実用最小照度での消費電力(以下、実用最小消費電力)とそのときの出力指示(操作量)、平均消費電力等が、その照明装置33の種類や型番等といった被制御機器特定情報と関連付けられて、その照明装置33の仕様情報として記録されている。本実施の形態においては、上記仕様情報のうち、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)は、使用される可能性のある全ての種類の照明装置33について予め判明しているものとする。
上記運転パターン記憶部7eには、上記省エネルギー制御装置1が対象とする全ての照明装置33の省エネを目的として予め設定された全消費電力(以下、目標総消費電力)の時間変化(任意の「省エネ運転パターン」)や、特に省エネを企図することのない照明装置33の所望の照度(目標照度)の時間変化(省エネ運転を企図しない「照度優先運転パターン」)等の運転パターンが記録されている。
【0015】
上記優先順位記憶部7bには、個々の照明装置33について、上記運転パターンのうち、任意の「省エネ運転パターン」を優先して制御されるのか、それとも、省エネ運転を企図しない「照度優先運転パターン」を優先して制御されるのかが記憶されている。この優先順位は、照明装置33の設置場所等に応じて任意に設定されているものである。
上記中央制御装置側通信装置9は、後述する通信端末15やセンサ端末39との通信を行う無線通信装置(例えば、ZigBee通信モジュール等)である。また、上記ディスプレイ11はユーザ10に対して各種情報を表示する。また、上記入力装置13は、例えば、キーボードなどであり、ユーザ10が上記省エネルギー制御装置1を操作する際に用いられるものである。
上記中央制御装置側コンピュータ5は、通信端末15を制御するための指示データを上記記憶装置7に記憶されているデータを基に生成する処理、その生成した指示データを上記中央制御装置側通信装置9を介して通信端末15に送信する処理、及び、通信端末15や後述するセンサ端末39からの情報を上記記録装置7に記憶させる処理を行う。
【0016】
図1に示すように、上記省エネルギー制御装置1には通信端末15が設置されている。この通信端末15は照明装置33に対応して設けられるものである。上記通信端末15には通信端末側コンピュータ17が設けられており、この通信端末側コンピュータ17には、電力検出回路19、制御出力インターフェース21、通信端末側通信装置23、及び、機器情報入力装置25が接続されている。また、上記電力検出回路19には、電力線26から電力が入力される電力入力コネクタ27とその電力を出力する電力出力コネクタ29が接続されている。また、上記制御出力インターフェース21には制御出力コネクタ31が接続されている。
【0017】
上記電力検出回路19は、照明装置33における消費電力を検出するものである。上記制御出力インターフェース21は、上記制御出力コネクタ31を介して、照明装置33に制御信号を出力するものである。上記通信端末側通信装置23は、上記中央制御装置3と無線通信を行うためのものである。上記機器情報入力装置25は、本実施の形態においては、照明装置33を特定するための被制御機器特定情報、例えば、照明装置33の機種や型番等を入力するために使用されるものであり、例えば、ディップスイッチなどが想定される。そして、新たな種類の照明装置33を上記通信端末15に接続した場合には、ユーザ10は上記機器情報入力装置25を介してその照明装置33に関する被制御機器特定情報を入力するものである。
上記通信端末側コンピュータ17は、上記電力検出回路19により測定された消費電力や上記機器情報入力装置25を介して入力された被制御機器特定情報を上記通信端末側通信装置23を介して上記中央制御装置3へ送信したり、上記中央制御装置3からの指示に基づいて上記制御出力インターフェース21へのPWM制御の指示を行ったりする処理を行っている。
【0018】
上記通信端末15には既に説明した照明装置33が接続されている。上記照明装置33には、蛍光灯34、上記照明装置33に電力を供給する電源入力コネクタ35、及び、上記蛍光灯34に対して上記通信端末15からの指示を入力する調光入力コネクタ37が設けられている。上記電源入力コネクタ35は上記通信端末15の電力出力コネクタ29に接続され、上記調光入力コネクタ37は上記通信端末15の制御出力コネクタ31に接続されている。また、上記通信端末側通信装置23には送受信用のアンテナ24が接続・配置されている。
【0019】
また、図1に示すように、センサ端末39が設置されている。このセンサ端末39は、屋外に1個(又は複数個)設置されていて、屋外の照度を測定するために使用される。上記センサ端末39にはセンサ端末側コンピュータ41が設けられている。上記センサ端末側コンピュータ41には、インターフェース43を介して、環境情報としての照度(屋外の照度)を検出する照度センサ45が接続されている。また、上記センサ端末側コンピュータ41にはセンサ端末側通信装置47が接続されている。上記センサ端末側通信装置47は上記中央制御装置3と無線通信を行うものである。上記センサ端末側コンピュータ41は、上記照度センサ45から照度情報を得て、上記センサ端末側通信装置47を介して上記中央制御装置3へ送信するものである。また、上記センサ端末側通信装置47には送受信用のアンテナ48が接続・配置されている。
【0020】
また、上記通信端末15、上記照明装置33は、図1においては、夫々一つずつ示しているが、実際にはそれぞれ複数個ずつ設けられているものである。また、設備の敷設後に照明装置33を追加する場合もあり、その場合には、それに応じて、それに対応する通信端末15も追加される。
以上が本実施の形態による省エネルギー制御装置1の構成である。
【0021】
次に、本実施の形態による省エネルギー制御装置1の作用を説明する。
まず、図3を参照して、本実施の形態による省エネルギー制御装置1の中央制御装置3において行われる処理について説明する。
最初に、ステップS1において、初期化処理が行われる。この初期化処理では、自己診断や記憶領域の初期化、入出力状態の初期化などが行われる。次に、ステップS2に移行して、照明装置33の仕様情報として被制御機器特定情報を受信しているか否かを判別する。上記照明装置33の被制御機器特定情報を受信していると判別された場合には、ステップS3に移行して、その被制御機器特定情報を入力する。次に、ステップS4に移行し、被制御機器仕様データベース記憶部7cにアクセスして、上記照明装置33の被制御機器特定情報に対応する被制御機器の他の仕様情報、すなわち、負荷特性データ等を探す。
【0022】
次に、ステップS5に移行する。このステップS5においては、上記被制御機器仕様データベース記憶部7cにおける上記照明装置33の上記他の仕様情報の有無を判別する。上記照明装置33の他の仕様情報がない場合は、ステップS6へ移行する。すなわち、判別の結果、負荷特性データ等が存在しないので、新たに負荷特性データ等の作成を行う処理を開始する。このステップS6では、中央制御装置3から通信端末15に対して最小から最大まで出力指示(操作量、本実施の形態の場合はPWMデューティ比)を変化させながら送信する。そして、後述するように、その出力指示(操作量)によって通信端末15は実際に照明装置33を制御し、そのときの消費電力を電力検出回路19によって検出し、上記中央制御装置3に送信する。
【0023】
上記通信端末15から送信された消費電力を受信した上記中央制御装置3は、受信された消費電力の値と出力指示(操作量)の値との関係を記憶し、図2のグラフに示されるような両者の対応関係を算出する。この算出された出力指示(操作量)と消費電力との関係が負荷特性データであり、上記照明装置33の仕様情報の一部となる。
【0024】
また、これにより、上記照明装置33の最大消費電力やそのときの出力指示(操作量)、上記照明装置33が実用最小照度を出力するときの出力指示(操作量)で制御した場合の消費電力(実用最小消費電力)等が判明することとなる。そして、その最大消費電力とそのときの出力指示(操作量)、その実用最小消費電力とそのときの出力指示(操作量)、上記照明装置33における平均消費電力等のデータが記憶され、上記照明装置33の仕様情報に加えられる。
【0025】
次に、ステップS7に移行する。このステップS7では、上記ステップS6において求められた上記照明装置33の他の仕様情報が上記照明装置33の被制御機器特定情報と関連付けられて、上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記録される。その後、処理はステップS8へと移行する。
なお、上記ステップS3〜ステップS7までの処理は、例えば、上記省エネルギー制御装置1の初回起動時(初回起動時は全ての照明装置33が新たな照明装置として位置付けられる)やその後照明装置33を追加した際に行われるものであり、追加される照明装置33が複数の場合には、それに応じて複数回行われるものである。
上記ステップS2において、上記照明装置33の被制御機器特定情報を受信していない場合は、上記ステップS3〜ステップS7までの処理は行われず、ステップS8へと移行する。つまり、新たに追加された照明装置33はなく、よって、負荷特性データ等についても新たに取得する必要がないものである。
また、上記ステップS5において、上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに上記照明装置33の上記他の仕様情報が存在していたと判別された場合は、上記ステップS6及び上記ステップS7の処理は行われず、ステップS8に移行する。
【0026】
次にステップS8において、センサ端末39から現在の屋外の照度を受信しているか否かを判別する。照度が受信されている場合はステップS9に移行して、受信された照度を入力する。次にステップS10に移行して、この照度を記憶装置7のセンサ情報記憶部7dに記憶する。そして、ステップS11へ移行する。上記ステップS8において、上記センサ端末39からの屋外の照度の受信がなかった場合は、上記ステップS9及び上記ステップS10の処理は行われず、直接ステップS11へ移行する。
【0027】
ステップS11においては、予め上記記憶装置7の運転パターン記憶部7eに記憶された運転パターンを読み込む。この運転パターンは、目標総消費電力の時間変化(以下、任意の「省エネ運転パターン」)や、個々の照明装置33付近の目標照度の時間変化(以下、省エネ運転を企図しない「照度優先運転パターン」)が記録されたものである。次に、ステップS12に移行し、上記ステップS10において上記センサ情報記憶部7dに記憶された屋外の照度を読み込む。次に、ステップS13に移行し、被制御機器仕様データベース記憶部7cから上記照明装置33の被制御機器特定情報に応じた仕様情報を読み込む。
【0028】
次に、ステップS14に移行する。このステップS14では、優先順位記憶部7bに記憶された優先順位に基づいて、上記照明装置33のうち、どの照明装置33が、任意の省エネ運転パターンを優先するのかを判別する。そして、任意の省エネ運転パターンを優先する照明装置33については、ステップS15に移行する。
なお、図3のフローチャートのステップS14に示される「目標総消費電力による運転パターン」とは、上記任意の「省エネ運転パターン」のことである。
【0029】
このステップS15では、対称となる照明装置33について、任意の「省エネ運転パターン」に従った場合の操作量を算出する。この処理は、まず、上記「省エネ運転パターン」に示されたその時点での消費電力(目標総消費電力)を上記照明装置33の総数で割る。すると、上記照明装置33一つ当たりの目標消費電力が算出される。この照明装置33の一つ当たりの目標消費電力は、上記目標総消費電力を個々の照明装置33に対して均等に配分したものである。そして、制御対象となる個々の照明装置33の負荷特性データ(図2に示すような消費電力と出力指示(操作量)との関係)に基づいて、上記照明装置33の1つあたりの目標消費電力からその照明装置33の出力指示(操作量)の値を算出する。この出力指示(操作量)の値が、目標消費電力に基づく出力指示(操作量)となる。そして、ステップS17に移行し、上記ステップS15で求めた出力指示(操作量)を、その出力指示(操作量)に対応する照明装置33が接続された通信端末15に送信する。また、上記照明装置33においては、上記ステップS15で求めた目標消費電力に基づく出力指示(操作量)により制御が行われる。
その後、上記ステップS2の処理に戻る。
【0030】
上記ステップS14において、任意の「省エネ運転パターン」を優先するものではないと判別された照明装置33については、ステップS16に移行する。このステップS16においては、省エネ運転を企図しない「照度優先運転パターン」に基づく出力指示が算出される。以下、この出力指示の算出について詳細に説明する。
【0031】
まず、照明装置33付近の照度をBとし、既に説明したステップS9において入力された屋外の照度(センサ端末39によって測定された屋外の照度)をBとし、最大日射時における屋外の照度をBとする。また、屋外の照度Bによって得られる照明装置33付近の照度Bと屋外の照度Bとの相関を表す変数をK(上記照明装置33の位置等によって決定される)とすると、照明装置33付近の照度Bは次の式(I)によって表される。
=(B/B)×K―――(I)
但し、
:屋外の照度Bによって得られる照明装置33付近の照度
:屋外の照度
:最大日射時における屋外の照度
:照明装置33付近の照度Bと屋外の照度Bとの相関を表す変数
【0032】
次に、目標照度をBとし、照明装置33付近において目標照度Bに対して不足する照度(照明装置33によって補う照度、以下、不足照度とする)をBとすると、不足照度Bは次の式(II)によって表される。
=B−B―――(II)
但し、
:不足照度
:目標照度
:照明装置33付近の照度
また、Bが0より小さくなる場合はB=0とする。
ここで、照明装置33に対する出力指示(操作量)とその出力指示(操作量)に対する上記照明装置33の照度との関係(被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶された上記照明装置33の仕様情報に含まれる)から求められる係数をKとすると、出力指示(操作量)O(%)は、次の式(III)によって表される。
=K×B×100―――(III)
但し、
:出力指示(操作量)
:照明装置33に対する出力指示(操作量)とその出力指示(操作量)に対する上記照明装置33の照度との関係から求められる係数
:不足照度
また、Oが100より大きい場合はO=100とする。
【0033】
そして、ステップS17に移行し、上記ステップS16で求めた出力指示(操作量)Oを、その出力指示(操作量)に対応する照明装置33が接続された通信端末15に送信する。そして、上記照明装置33においては、上記ステップS16で求めた目標照度に基づく出力指示(操作量)による制御が行われる。
その後、上記ステップS2の処理に戻る。
以上が中央制御装置3において行われる処理である。
【0034】
なお、上記のような出力指示の算出に加え、必要に応じて、算出された出力指示の値を補正する場合も考えられる。例えば、任意の「省エネ運転パターン」を優先させる設定となっている照明装置33について、「照度優先運転パターン」を実行する場合に使用する目標照度や上記照明装置33付近の照度を参照して運転する場合もある。すなわち、上記照明装置33付近の照度と上記照明装置33の目標照度を比較し、上記照明装置33付近の照度が上記照明装置33の目標照度よりも大きければ、その照明装置33に対する出力指示(操作量)を低く補正する。このようにすることで、必要な照度を確保しつつ、その照明装置33における消費電力をさらに小さなものとすることができる。
また、前述したステップS15の説明においては、目標総消費電力を全ての照明装置33に対して均等に割り振ったが、上記照明装置33について予め優先順位を設定し、その優先順位に基づいて、個々の照明装置33に対する目標総消費電力の配分を決定するような場合も考えられる。例えば、優先順位の高い照明装置33に対してはより多くの消費電力を割り振り、優先順位の低い照明装置33に対してはより少ない消費電力を割り振る、といった制御である。
【0035】
また、何等かの理由により消費電力の測定が不能な場合は、以下のようにして負荷特性データを求める。
まず、最大消費電力と実用最小消費電力とこれらに対応する出力指示(操作量)のデータが被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶されている場合は、これらのデータから負荷特性データを求める。すなわち、その間を線形であると推定し、出力指示(操作量)と消費電力との関係(比例関係)、すなわち、負荷特性データを求める。
また、平均消費電力のデータのみが被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶されている場合には、次のようにして負荷特性データを求める。すなわち、平均消費電力の二倍を最大消費電力と推定すると共に、平均消費電力の1/2を実用最小消費電力と推定する。又、平均消費電力に対応する出力指示(操作量)を50%と推定する。そして、その間を線形であると推定し、出力指示(操作量)と消費電力との関係(比例関係)、すなわち、負荷特性データを求める。
【0036】
次に、図4を用いて、上記通信端末15において行われる処理について説明する。
まず、ステップS20において、初期化処理が行われる。この初期化処理においては、前述の中央制御装置3における初期化処理と同様に、自己診断や記憶領域の初期化、入出力状態の初期化などが行われる。
次に、ステップS21に移行し、機器情報入力装置25を介して設定された上記照明装置33の被制御機器特定情報が通信端末側コンピュータ17に入力される。次にステップS22に移行し、上記通信端末側コンピュータ17が上記ステップS21で入力された上記照明装置33の被制御機器特定情報を基にして送信用データを作成する。そして、ステップS23に移行し、作成された送信用データが上記中央制御装置3に送信される。
【0037】
次に、ステップS24に移行し、上記電力検出回路19で検出された上記照明装置33の消費電力が上記通信端末側コンピュータ17に入力される。次にステップS25に移行し、上記通信端末側コンピュータ17が入力された消費電力から送信用データを作成する。次にステップS26に移行し、その送信用データが上記中央制御装置3に送信される。
【0038】
次に、ステップS27に移行し、上記中央制御装置3からの出力指示(操作量)を受信したか否かを判別する。出力指示(操作量)を受信している場合には、ステップS28に移行し、その出力指示(操作量)を入力する。次に、ステップS29では、受信された出力指示(操作量)に基づいて上記照明装置33のPWMデューティ比を変更する。その後、上記ステップS24の処理に戻る。一方、出力指示(操作量)を受信していない場合には、上記ステップS28、S29の処理は行われず、上記ステップS24の処理に戻る。
以上が、上記通信端末15において行われる処理である。
【0039】
次に、上記センサ端末39において行われる処理について説明する。
上記センサ端末39においては、図5のフローチャートに示されるような処理が行われる。
まず、ステップS30において初期化処理が行われる。この初期化処理においては、前述の中央制御装置3や通信端末15における初期化処理で行われるような自己診断や記憶領域の初期化、入出力状態の初期化などに加え、照度センサ45のキャリブレーションも行われる。
【0040】
次にステップS31に移行し、照度センサ45によって測定された照度データがセンサ端末側コンピュータ41に入力される。次にステップS32に移行し、上記センサ端末側コンピュータ41が入力された照度データを基に送信用データを作成する。次にステップS33に移行し、作成された送信用データを上記中央制御装置3に送信する。次に、ステップS34に移行し、上記センサ端末39の動作を終了するか否かの判断を行い、終了しないのであれば上記ステップ31の処理に戻り、終了する場合はセンサ端末39の処理を終了する。
なお、上記ステップS31〜ステップS33までの処理は、予め設定された時間毎に繰り返し実行されるものである。すなわち、上記センサ端末39は定期的に屋外の照度の測定と上記中央制御装置3への送信を行なうものである。
以上が、上記センサ端末39において行われる処理である。
【0041】
以上、本実施の形態によると、次のような効果を奏することができる。
まず、本実施の形態による省エネルギー制御装置1の初回起動時や、上記省エネルギー制御装置1に仕様が不明な照明装置33を接続された通信端末15が追加された場合、中央制御装置3は上記照明装置33の消費電力と上記通信端末15に対する出力指示(操作量)との関係(負荷特性データ)や最大消費電力と出力指示(操作量)との関係及び実用最小消費電力と出力指示(操作量)との関係等を測定により得て、その結果を上記照明装置33の被制御機器特定情報と関連付けて被制御機器仕様データベース記憶部7cに記録する。そのため、仕様が分からない照明装置33であっても容易に上記省エネルギー制御装置1へ追加して、その消費電力を正確に制御できるようにすることができる。
【0042】
また、仕様の判明している照明装置33を接続された通信端末15が追加される場合は、上記通信端末15から中央制御装置3へ上記照明装置33の種類についての情報が送信され、上記中央制御装置3は上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記録された上記照明装置33の仕様データに基づいて上記照明装置33に対する消費電力の制御を行う。そのため、仕様の判明している照明装置と同じ種類の照明装置であれば、仕様データの入力やそのデータの被制御機器(照明装置)への関連付けといった煩雑な作業を行うことなく、上記省エネルギー制御装置1に追加することができる。
【0043】
また、上記省エネルギー制御装置1に加えられた照明装置33の仕様が判明し、更に同じ種類の照明装置(上記照明装置33と同じ被制御機器特定情報をもつ)が接続された通信端末15を上記省エネルギー制御装置1に追加する場合、新たに追加される照明装置33の制御については上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記録された仕様データを用いればよいため、電力検出回路19がなくとも消費電力を制御することが可能である。また、同種の被制御機器を制御する場合、後で追加する通信端末については、その構成から電力検出回路19を省くことができ、安価なものとすることができる。
また、予め上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに上記中央制御装置3によって制御される通信端末15に接続された照明装置33の種類とその仕様が記録されていれば、すべての通信端末15について電力検出回路19は不要であり、より安価なものとすることができる。
また、何らかの理由で、一部の照明装置33について、負荷特性データが得られなかったとしても、最大消費電力と出力指示(操作量)との関係及び実用最小消費電力と出力指示(操作量)との関係等を用いて、省エネルギー制御を行うことができる。
【0044】
次に、図1〜図6を参照して、本願発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態における省エネルギー制御装置1と略同様の省エネルギー制御装置を用いて、第1の実施の形態において説明した図3〜図5のフローチャートによる処理と略同様の処理を行う。そのため、構成要素やフローチャートのステップについては、前述した第1の実施の形態と同じ番号を付して説明する。また、前述した第1の実施の形態の場合と全く同様の構成要素やフローチャートのステップについては説明を省略する。
【0045】
まず、本実施の形態における通信端末15の構成について説明する。
本実施の形態における上記通信端末15も、前述の第1の実施の形態における通信端末15と略同様の構成となっているが、本実施の形態の場合は、上記通信端末15の通信端末側コンピュータ17には図示しない記憶装置が接続されている。そして、この記憶装置には、予め、照明装置33の仕様情報のうち、上記通信端末15に接続された照明装置33を特定するための被制御機器特定情報(機種、型番等)と照明装置33の制御の可否、その被制御機器に対する出力指示(操作量、例えば、PWMデューティ比)と消費電力との関係(例えば、図2のグラフに示すようなもの)を表わす負荷特性データ、最大消費電力とそのときの出力指示(操作量)、及び、実用最小消費電力とそのときの出力指示(操作量)、平均消費電力等が関連付けられて記憶されている。すなわち、上記通信端末15には、接続される可能性がある複数種類の照明装置33についての仕様情報が記憶されていることになる。
また、照明装置33の種類や通信端末15によっては、上記仕様情報の一部、又は全部が記憶されていない場合があるものとする。
以上が、本実施の形態における通信端末15の構成のうち、前述した第1の実施の形態の場合と異なる部分についての説明である。
【0046】
なお、本実施の形態においては、中央制御装置3及びセンサ端末39は、前述した第1の実施の形態の場合と同様である。
また、本実施の形態においても、上記照明装置33の仕様情報のうち、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)は、使用される可能性のある全ての種類の照明装置33について予め判明しているものであり、これらは予め上記中央制御装置3の被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶されているものである。
【0047】
次に本実施の形態における省エネルギー制御装置1の作用について説明する。
まず、中央制御装置3において行われる処理について説明する。
中央制御装置3においては、図6のフローチャートに示されるような処理が行われる。この処理は、前述の第1の実施の形態において説明した、図3のフローチャートの処理と略同様であるが、本実施の形態においてはステップS3〜S7において以下のような処理が行われる。
まず、ステップS3において、通信端末15から送信された照明装置33の被制御機器特定情報や負荷特性データ等の仕様情報を入力し、ステップS4へ移行する。このステップS4では、被制御機器仕様データベース記憶部7cにアクセスする。次に、ステップS5に移行し、上記ステップS3において入力された上記被制御機器特定情報に対応する上記照明装置33の他の仕様情報(負荷特性データ等)が上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに存在するか否かを判別する。上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに上記照明装置33の他の仕様情報がなければステップS5′に移行する。
【0048】
このステップS5′では、上記ステップS3において入力された上記照明装置33の仕様情報に上記被制御機器特定情報以外の他の仕様情報(負荷特性データ等)が含まれているか否かを判別する。上記ステップS3において入力された上記照明装置33の仕様情報に上記被制御機器特定情報以外の他の仕様情報が含まれていない場合には、ステップS6へ移行する。
このステップS6では、前述した第1の実施の形態の場合と同様に、上記通信端末15に出力指示を送信しながら、その出力指示に対応する上記照明装置33の消費電力を受信し、負荷特性データ、最大消費電力とそのときの出力指示(操作量)、及び、実用最小消費電力とそのときの出力指示(操作量)、平均消費電力等、他の仕様情報を得る。
【0049】
そして、次にステップS7に移行し、上記被制御機器特定情報と、得られた他の仕様情報(負荷特性データ等)を関連付けて、上記照明装置33の仕様情報として上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶する。その後、ステップS8に移行する。
【0050】
上記ステップS5′において、上記ステップS3において入力された上記照明装置33の仕様情報に上記被制御機器特定情報以外の他の仕様情報も含まれていると判断された場合は、ステップS7に移行する。そして、このステップS7において、上記ステップS3において入力された上記照明装置33の被制御機器特定情報と他の仕様情報を関連付けて上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶し、ステップS8へと移行する。
上記ステップS5において、上記ステップS3において入力された上記被制御機器特定情報に対応する上記照明装置33の他の仕様情報(負荷特性データ等)が上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに存在すると判断された場合は、ステップS8に移行する。
以上が、本実施の形態における中央制御装置3の処理の内、前述した第1の実施の形態の場合と異なる部分についての説明である。
なお、本実施の形態の場合においても、図6のフローチャートのステップS14に示される「目標総消費電力による運転パターン」とは、任意の「省エネ運転パターン」のことである。
【0051】
次に、通信端末15における処理について説明する。
本実施の形態においても、上記通信端末15によって、前述した第1の実施の形態における通信端末15と略同様の処理が行われるが、以下のような違いがある。
上記通信端末15においては図4のフローチャートに示すような処理が行われる。まず、本実施の形態においても、ステップS21において機器情報入力装置25(ディップスイッチ等)に設定された被制御機器特定情報を通信端末側コンピュータ17に入力し、その後ステップS22に移行する。しかし、本実施の形態では、このステップS22において、上記通信端末15に接続された照明装置33の被制御機器特定情報に対応する仕様情報を上記通信端末15の記憶装置に予め記憶された仕様情報の中から探し出し、この上記照明装置33の仕様情報を元に送信用データが作成される。そして、ステップS23に移行し、この送信用データが中央制御装置3に送信される。すなわち、本実施の形態の場合の送信用データは、被制御機器特定情報だけでなく、負荷特性データなどの他の仕様情報も含まれているものとなっている。
以上が、本実施の形態における通信端末15の処理の内、前述した第1の実施の形態の場合と異なる部分についての説明である。
【0052】
なお、センサ端末39は、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態の場合と同様の作用を奏する。
【0053】
本実施の形態における省エネルギー制御装置1は、第1の実施の形態における省エネルギー制御装置1と同様の効果に加え、以下のような効果も奏する。
すなわち、予め、通信端末15に照明装置33の仕様情報が記憶されているため、新たに通信端末15と照明装置33を追加した場合には、その通信端末15において接続された照明装置33の被制御機器特定情報を設定するだけで上記照明装置33の仕様情報が自動的に中央制御装置3に送信されるとともに、被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶されて制御に用いられるため、新たな照明装置33と通信端末15の設置に際して煩雑な作業が不要となる。
【0054】
次に、本願発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態においても、前述した第2の実施の形態における省エネルギー制御装置1と略同様の省エネルギー制御装置を用いて、第2の実施の形態において説明した図4〜図5、及び、図6のフローチャートによる処理と略同様の処理を行う。そのため、構成要素やフローチャートのステップについては、前述した第2の実施の形態と同じ番号を付して説明する。また、前述した第2の実施の形態の場合と全く同様の構成要素やフローチャートのステップについては説明を省略する。
【0055】
まず、本実施の形態における通信端末15の構成について説明する。
本実施の形態の場合にも、上記通信端末15の通信端末側コンピュータ17に機器情報入力装置25が接続されている。しかし、前述の第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合と異なり、この機器情報入力装置25は、より複雑な情報を入力できるもの、例えば、キーボードとなっている。
【0056】
そして、上記機器情報入力装置25から上記通信端末15に接続される照明装置33の被制御機器特定情報(機種、型番等)、照明装置33の制御の可否、その被制御機器に対する出力指示(操作量、例えば、PWMデューティ比)と消費電力との関係(例えば、図2のグラフに示すようなもの)を表わす負荷特性データ、最大消費電力とそのときの出力指示(操作量)、及び、実用最小消費電力とそのときの出力指示(操作量)、平均消費電力等の仕様情報が入力される。
この入力された仕様情報は、被制御機器特定情報と他の仕様情報が関連付けられた状態で、上記通信端末側コンピュータ17のメモリに一時的に記憶され、若しくは、上記通信端末15の図示しない記憶装置に半永久的に記憶される。
【0057】
なお、照明装置33の種類や通信端末15によっては、上記被制御機器特定情報以外の仕様情報の一部、又は全部が記憶されていない場合があるものとする。
以上が、本実施の形態における通信端末の構成の内、前述した第2の実施の形態の場合と異なる部分についての説明である。
【0058】
なお、中央制御装置3、センサ端末39の構成については、前述した第2の実施の形態の場合と同様である。
また、本実施の形態においても、上記照明装置33の仕様情報のうち、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)は、使用される可能性のある全ての種類の照明装置33について予め判明しているものであり、これらは予め上記中央制御装置3の被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶されているものである。
【0059】
次に、中央制御装置3において行われる処理について説明する。
本実施の形態においても、上記中央制御装置3においては、図6に示すような、前述の第2の実施の形態の場合と同様の処理が行われる。すなわち、ステップS5において、通信端末15から受信・入力された仕様情報の被制御機器特定情報に対応する他の仕様情報が被制御機器仕様データベース記憶部7cに存在しているか否かを確認し、上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに他の仕様情報が存在していればステップS8に移行する。
【0060】
上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに他の仕様情報が存在していない場合はステップS5′に移行して上記通信端末15から受信・入力された仕様情報に負荷特性データ等の他の仕様情報が含まれているか否かを確認し、負荷特性データ等の他の仕様情報が含まれていればステップS7に移行する。そして、このステップS7において、上記通信端末15から受信・入力された仕様情報を、被制御機器特定情報と他の仕様情報を関連付けた状態で上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶し、ステップS8に移行する。
【0061】
一方、ステップS5′において、上記通信端末15から受信・入力された仕様情報に負荷特性データが含まれていないと判断された場合は、ステップS6に移行し、前述した第2の実施の形態の場合と同様に測定により負荷特性データ等の他の仕様情報を得た後、ステップS7に移行する。そして、このステップS7において、前述の測定により得た他の仕様情報を上記被制御機器特定情報と関連付けて上記被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶し、ステップS8に移行する。
以上が、本実施の形態における中央制御装置3における処理の内、前述した第2の実施の形態の場合と異なる部分についての説明である。
なお、本実施の形態においても、図6のフローチャートのステップS14に示される「目標総消費電力による運転パターン」とは、上記任意の省エネ運転パターンのことである。
【0062】
次に、通信端末15における処理について説明する。
本実施の形態においても、上記通信端末15は、前述した第1の実施の形態における通信端末15を略同様の処理が行われるが、以下のような違いがある。
すなわち、ステップS21において入力される仕様情報は、上記通信端末15に接続された照明装置33の被制御機器特定情報だけでなく、負荷特性データなどの他の仕様情報も含まれている。そのため、ステップS23において送信されるデータも、上記通信端末15に接続された照明装置33の被制御機器特定情報だけでなく、負荷特性データなどの他の仕様情報も含まれたものとなる。
以上が、本実施の形態における通信端末15における処理の内、前述した第2の実施の形態の場合と異なる部分についての説明である。
【0063】
なお、センサ端末39は、本実施の形態においても、前述の第1の実施の形態の場合と同様の作用を奏する。
【0064】
本実施の形態における省エネルギー制御装置1は、第1の実施の形態における省エネルギー制御装置1と同様の効果に加え、以下のような効果も奏する。
すなわち、上記省エネルギー制御装置1に、新たに照明装置33が接続された通信端末15を設置する際、その通信端末15の機器情報入力装置25から上記照明装置33の仕様情報を入力すれば、その仕様情報が自動的に中央制御装置3の被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶されて制御に用いられるため、新たな照明装置33と通信端末15の設置に際して、上記被制御機器仕様データベース記憶部7cへのデータの追加等の煩雑な作業が不要となる。
【0065】
次に、本願発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、図7に示すように、通信端末15にインターフェース21′を介して照度センサ45′を設置している。それによって、通信端末15により照明装置33付近の照度を検知することができる。
そのため、図3や図6のフローチャートに示したステップS6で行われる測定によって仕様情報を求める際、上記照度センサ45′によって照明装置33付近の照度も検知することができ、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)も求めることが可能となる。
したがって、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)が不明な場合であっても、これらについても測定によって求めて被制御機器仕様データベース記憶部7cに記憶させることができる。
【0066】
また、図3、図6のフローチャートに示したステップ16で行われる省エネ運転を企図しない「照度優先運転パターン」による制御においては、前述した式(I)〜(III)によって出力指示(操作量)を決定してもよいし、又、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)が不明な場合には、照度センサ45′によって新たに得られた出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係等の情報を利用して、出力指示(操作量)を決定するようにしてもよい。
【0067】
本実施の形態における省エネルギー制御装置1は、第1の実施の形態における省エネルギー制御装置1と同様の効果に加え、以下のような効果も奏する。
すなわち、出力指示(操作量)と照明装置33の照度との関係、及び、照明装置33の実用最小照度とそのときの出力指示(操作量)が不明であっても、これらを測定によって求め、省エネ運転を企図しない照度優先運転パターンによる照明装置33の制御に利用することができる。
【0068】
なお、本発明は前記第1〜第4の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記第1〜第4の実施の形態においては、照明装置は蛍光灯によるものであったが、その他にもLED照明など様々な種類の照明装置が考えられる。
また、前記第1〜第4の実施の形態においては、被制御機器は照明装置であったが、その他にも、冷暖房装置など様々なものが考えられる。また、センサ端末のセンサも照度センサであったが、被制御機器の種類によって温度センサなど様々なものが考えられる。また、例えば、照明装置と冷暖房装置などが混在する場合も考えられる。
また、前記第1〜第4の実施の形態の場合には、消費エネルギーとして消費電力を例に挙げて説明したが、それ以外にも、例えば、消費空気圧、消費蒸気力、消費水力、消費燃料等を検出するような構成も考えられる。
また、被制御機器の仕様情報には、他にも様々なものが考えられる。
また、通信端末の機器情報入力装置は、ディップスイッチやキーボード以外にも様々な入力装置が考えられる。例えば、1つ又は2つのボタンを押して被制御機器の種類を順次切り換える場合や、表示装置も兼ねたタッチパネル式の入力装置を使用して仕様情報を入力する場合も考えられる。
また、前記第1〜第4の実施の形態においては、無線通信の場合を例に挙げて説明したが、それ以外にも、電力線通信、イーサネット(登録商標)、電線、光ファイバ等の有線通信であってもよい。
また、前記第1〜第4の実施の形態においては、省エネ運転パターンと照度運転パターンの何れかを優先させるケースを例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、両者を混在させながら運転パターンを決定することもある。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、被制御機器の消費電力を制御することで省エネルギーを実現する省エネルギー制御装置に係り、特に、仕様が不明な被制御機器を接続された通信端末についても、容易にこれを追加することができ、且つ、正確に制御できるように工夫したものに関し、例えば、照明装置の省エネルギー制御に好適である。
【符号の説明】
【0070】
1 省エネルギー制御装置
3 中央制御装置
5 中央制御装置側コンピュータ(中央演算処理装置)
7 記憶装置
7a 制御用プログラム記憶部
7b 優先順位記憶部
7c 被制御機器仕様データベース記憶部
7d センサ情報記憶部
7e 運転パターン記憶部
15 通信端末
19 電流検出回路(消費エネルギー検出手段)
25 機器情報入力装置(機器情報入力手段)
33 照明装置(被制御機器)
34 蛍光灯
39 センサ端末
45 照度センサ
45′ 照度センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御機器側に設置され該被制御機器の消費エネルギーを検出する消費エネルギー検出手段を備えた通信端末と、
上記被制御機器に関して消費エネルギーと操作量との関係を示す負荷特性データと所望の省エネルギー運転を実現するための消費エネルギーの時間変化を示す省エネルギー運転パターンを記憶する記憶装置と、上記記憶装置に記憶されている負荷特性データと省エネルギー運転パターンとから上記被制御機器の操作量を決定して出力指示を出力する中央演算処理装置と、を備えた中央制御装置と、を具備し、
上記中央演算処理装置は、上記記憶装置に負荷特性データが記憶されている場合にはその負荷特性データを使用し、記憶装置に負荷特性データが記憶されていない場合には、上記消費エネルギー検出手段を介して新たに負荷特性データを作成させるものであることを特徴とする省エネルギー制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の省エネルギー制御装置において、
上記中央演算処理装置は、上記記憶装置に被制御機器の出力量と操作量との関係を示すデータが記憶されていない場合に、そのデータを作成させるものであることを特徴とする省エネルギー制御装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の省エネルギー制御装置において、
上記通信端末には機器情報入力手段が設けられていることを特徴とする省エネルギー制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−253525(P2012−253525A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123883(P2011−123883)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(597010628)協立電機株式会社 (18)
【Fターム(参考)】