説明

省電力制御装置、画像形成装置、及びプログラム

【課題】処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させる。
【解決手段】CPU30が、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、第1の状態から第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行い、その後に第1の信号を出力する第2の処理を行うものであって、タイマIC38は、CPU30から出力された第1の信号を受け付けた場合にASIC34に対してCPU30を第2の状態へ移行させるための第2の信号を出力し、第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでにCPU30から出力された第1の信号を受け付けなかった場合にASIC34に対して第2の信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力制御装置、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
相互に異常監視する第1のCPUおよび第2のCPUのいずれか一方のCPUに異常が生じると、この一方のCPUをリセット(再起動)し、その後、正常動作復帰のための設定値を他方のCPUから上記一方のCPUに送信する車両用制御装置が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、省エネモード移行機能によって各省エネモードへ移行するときに、移行に失敗して電源制御が不能となった場合に、システム再起動制御部のOFF/ONタイマに設定された時間が経過するとシステムを再起動する省エネ制御装置も知られている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−53207号公報
【特許文献2】特開2008−182580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる省電力制御装置、画像形成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明の省電力処理装置は、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段に対して前記処理手段を前記第2の状態へ移行させるための第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記移行手段に対して前記第2の信号を出力する出力手段を備えている。
【0007】
請求項2の発明の省電力処理装置は、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に該移行をさせる移行手段に対して該移行をさせるための第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段により前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に前記移行手段に対して前記移行をさせるための第2の信号を出力する出力手段を備えている。
【0008】
請求項3の発明の省電力処理装置は、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記第2の信号を出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記第2の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、を備えている。
【0009】
請求項4の発明の省電力処理装置は、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段により前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に第2の信号を出力する出力手段と、前記処理手段から出力された前記第1の信号及び前記出力手段から出力された前記第2の信号のいずれか一方を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、を備えている。
【0010】
請求項5の発明の省電力処理装置は、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段と、前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記第2の信号を出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記第2の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、を備えている。
【0011】
請求項6の発明の省電力処理装置は、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段と、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に第2の信号を出力する出力手段と、前記処理手段から出力された前記第1の信号及び前記出力手段から出力された前記第2の信号のいずれか一方を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、を備えている。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の省電力処理装置において、前記第1の処理が開始されてから前記処理手段の前記第2の状態への移行が完了するまでの期間において発生した異常を検知する検知手段と、前記検知手段が検知した異常が発生した時期に応じて予め定められた制御を行う制御手段とを更に設けたものである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の省電力処理装置において、前記処理手段は、更に、前記第2の状態から前記第1の状態に移行可能に構成されると共に、前記第2の状態から前記第1の状態に移行させた後に必要な第3の処理を行い、前記移行手段は、更に、前記処理手段が前記第2の状態にある場合において予め定められた事象が発生したときに、前記処理手段を前記第2の状態から前記第1の状態に移行させ、前記第1の処理が開始されてから前記処理手段の前記第2の状態への移行が完了するまでの期間、及び前記第3の処理が開始されてから終了するまでの期間の各々において発生した異常を検知する検知手段と、前記検知手段が検知した異常が発生した時期に応じて予め定められた制御を行う制御手段とを更に設けたものである。
【0014】
請求項9の発明は、請求項7または請求項8に記載の省電力処理装置において、前記制御手段は、前記第1の処理の実行中に異常の発生が検知された場合には、前記処理手段及び前記移行手段が再起動するように制御する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項7〜請求項9のいずれか1項記載の省電力処理装置において、前記制御手段は、前記第1の処理が終了してから前記処理手段の前記第2の状態への移行が完了するまでの期間に異常の発生が検知された場合には、前記処理手段が前記第2の状態に移行するよう制御する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項8〜請求項10のいずれか1項記載の省電力処理装置において、前記制御手段は、前記第3の処理の実行中に異常の発生が検知された場合には、前記処理手段及び前記移行手段が再起動するように制御する。
【0017】
請求項12の発明の画像形成装置は、電力が供給されて画像形成動作が可能となる画像形成動作可能状態と、電力の供給が制限され画像形成動作が不能となる画像形成動作不能状態とに移行され、前記動作可能状態にある場合に、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記画像形成手段を前記画像形成動作可能状態から前記画像形成動作不能状態へ移行させる第1の処理を行い、前記第1の処理を行った後に前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第2の処理を行い、前記第2の処理を行った後に第1の信号を出力する第3の処理を行う処理手段と、前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記第2の信号を出力する出力手段と、前記出力手段から出力された前記第2の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、を備えている。
【0018】
請求項13の発明の画像形成装置は、電力が供給されて画像形成動作が可能となる画像形成動作可能状態と、電力の供給が制限され画像形成動作が不能となる画像形成動作不能状態とに移行され、前記動作可能状態にある場合に、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記画像形成手段を前記画像形成動作可能状態から前記画像形成動作不能状態へ移行させる第1の処理を行い、前記第1の処理を行った後に前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第2の処理を行い、前記第2の処理を行った後に第1の信号を出力する第3の処理を行う処理手段と、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に第2の信号を出力する出力手段と、前記処理手段から出力された前記第1の信号及び前記出力手段から出力された前記第2の信号のいずれか一方を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、を備えている。
【0019】
請求項14の発明は、コンピュータを、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段に対して前記処理手段を前記第2の状態へ移行させるための第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記移行手段に対して前記第2の信号を出力する出力手段として機能させるためのプログラムである。
【0020】
請求項15の発明は、コンピュータを、電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に該移行をさせる移行手段に対して該移行をさせるための第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段により前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に前記移行手段に対して前記移行をさせるための第2の信号を出力する出力手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0022】
請求項2の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0023】
請求項3の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0024】
請求項4の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0025】
請求項5の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0026】
請求項6の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0027】
請求項7の発明は、異常が発生した時期に応じた制御を行うことができる。
【0028】
請求項8の発明は、異常が発生した時期に応じた制御を行うことができる。
【0029】
請求項9の発明は、異常が発生して処理手段の動作が停止した状態となった場合でも、その状態を解消できる。
【0030】
請求項10の発明は、移行手段が異常となっても処理手段を第2の状態に移行できる。
【0031】
請求項11の発明は、異常が発生して処理手段の動作が停止した状態となった場合でも、その状態を解消できる。
【0032】
請求項12の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0033】
請求項13の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0034】
請求項14の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【0035】
請求項15の発明は、処理手段が電力が供給されて動作可能となる第1の状態から電力の供給が制限されて動作不能となる第2の状態に移行させる場合に異常が発生しても、処理手段を再起動するより短い時間で第2の状態に移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1から第5の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態のコントローラの構成を示す図である。
【図3】第1から第3の実施の形態のタイマICの機能構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態のコントローラの構成を示す図である。
【図5】第3の実施の形態のコントローラの構成を示す図である。
【図6】第4の実施の形態のコントローラの構成を示す図である。
【図7】第1の実施の形態に相当するタイマICの機能を第2のCPUが実行する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に相当するタイマICの機能を第2のCPUが実行する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】第5の実施の形態のコントローラの構成を示す図である。
【図10】第5の実施の形態のタイマICの機能構成を示す図である。
【図11】第5の実施の形態に係るタイマICの機能を第2のCPUが実行する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して様々な実施の形態を詳細に説明する。
【0038】
[第1の実施の形態]
【0039】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成を示す図である。
【0040】
図1に示されるように、画像形成装置10は、コントローラ12と、画像読取部14と、画像形成部16と、UI(ユーザインタフェース)部18と、電源制御部20と、通信IF(インタフェース)21とを含んで構成されている。
【0041】
画像読取部14は、スキャナにより構成され、原稿の画像を読み取って、該画像を示す画像情報を取得する。
【0042】
画像形成部16は、画像情報に基づいて画像を形成する。本実施の形態に係る画像形成部16は、感光体を帯電し、該感光体を画像情報に基づいて露光し、該露光により生成された静電潜像をトナーを用いて現像し、該現像した画像を記録媒体に直接或いは中間転写体を介して転写して、該転写した画像を定着器を用いて定着する電子写真方式の画像形成部とする。なお、画像形成部16は、これに限定されず、例えば、インクジェット方式の画像形成部であってもよい。
【0043】
UI部18は、例えばディスプレイ上にタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ、及び操作ボタン等から構成され、各種情報を表示したり、利用者が操作することにより各種情報を設定したり命令を指定したりする。なお、操作ボタンには、後述する第1から第3の省電力状態を解除するための解除ボタンも含まれている。
【0044】
電源制御部20は、コントローラ12、画像読取部14、画像形成部16、UI部18、及び通信IF21の各々に対して電源から電力を供給すると共に、コントローラ12からの制御信号に応じて、画像読取部14、画像形成部16、及びUI部18に対する電力供給を制限する。図1の破線は電力供給線を示す。
【0045】
通信IF21は、インターネットやLAN(Local Area Network)や公衆回線等の通信手段に接続された、外部機器と通信するためのインタフェースである。
【0046】
コントローラ12は、画像形成装置10の動作を制御する。例えば、コントローラ12は、通信IF21を介して接続されたホストコンピュータから受信した画像情報を受け付け、該受け付けた画像情報に基づいて画像が形成されるように画像形成部16を制御する。また、コントローラ12は、画像読取部14を制御して、原稿の画像を読み取らせ、該読み取って得られた画像情報に基づいて画像が形成されるように画像形成部16を制御する。また、上記のように、コントローラ12は、電源制御部20を制御して電力供給の制御も行う。
【0047】
本実施の形態の画像形成装置10は、以下のように、消費電力が異なる複数の省電力状態に移行可能に構成されている。
【0048】
第1の省電力状態:画像形成部16の定着器に供給する電力を予め定められた通常の電力より低くなるように制限(本実施の形態では電力供給を停止)し、他の構成要素には動作可能な電力供給を継続する。
【0049】
第2の省電力状態:コントローラ12及び通信IF21には動作可能な電力を供給し、画像読取部14、画像形成部16、及びUI部18に対して供給する電力を予め定められた通常の電力より低くなるように制限(本実施の形態では電力供給を停止)する。
【0050】
第3の省電力状態:画像読取部14、画像形成部16、及びUI部18だけでなく、コントローラ12内のCPU(Central Processing Unit)30(後述)に対して供給する電力をCPU30が動作可能な予め定められた通常の電力より小さくなるように制限(本実施の形態では電力供給を停止)する。ただし、CPU30に対する電力を停止してCPU30が動作不能となった期間でもコントローラ12の外部で予め定められた事象(例えば、省電力状態を解除する解除ボタンが押下された、通信IF21を介して外部機器から印刷情報を受信する等のアクセスがあった、等々)が発生した場合にCPU30に対する電力供給が再開されるように制御する構成要素(後述するASIC(Application Specific Integrated Circuit)34やタイマIC(Integrated Circuit)38等)に対しては電力供給を継続する。以下、コントローラ12外部で生じる上記予め定められた事象を外部イベントと呼称する。
【0051】
なお、上記第1から第3の省電力状態以外の状態を非省電力状態と呼称する。
【0052】
消費電力の大きさは、非省電力状態>第1の省電力状態>第2の省電力状態>第3の省電力状態となる。
【0053】
図2は、コントローラ12の構成を示す図である。コントローラ12は、CPU30、FET(Field Effect Transistor)32、ASIC34、リセットIC(Integrated Circuit)36、及びタイマIC38を備えている。
【0054】
CPU30には、システムバス44を介してROM(Read Only Memory)40及びRAM(Random Access Memory)42が接続されている。ROM40にはCPU30が実行するプログラムやCPU30が使用するパラメータが記憶されている。RAM42は、例えばDRAM等により構成され、CPU30がワークメモリとして使用する他、必要に応じて各種データが記憶される。
【0055】
上記ROM40に記憶されたプログラムには、省電力状態への移行制御のためのプログラムも含まれる。本実施の形態において、コントローラ12のCPU30は、該プログラムを実行することにより、UI部18に対する操作、画像形成動作、及び画像読取動作が行われていない待機状態が予め定められた時間t1継続した場合に第1の省電力状態に移行するよう電源制御部20を制御する。更にCPU30は、第1の省電力状態開始から上記待機状態が予め定められた時間t2継続した場合には、第2の省電力状態に移行するよう電源制御部20を制御する。更にCPU30は、第2の省電力状態に移行してから上記待機状態が予め定められた時間t3継続した場合には、第3の省電力状態に移行するようASIC34等を制御する。
【0056】
CPU30は、電源線50を介してFET32に接続されている。FET32がオンの場合には電源線50を介してCPU30に電力が供給され、FET32がオフの場合にはCPU30に対する電力の供給が停止する。FET32及びASIC34は制御線52を介して接続されており、ASIC34が制御線52を介してFET32に制御信号を出力することによりFET32のオン・オフを制御する。
【0057】
すなわち、CPU30は、ASIC34及びFET32により、電力が供給されて動作可能となる第1の状態と、電力の供給が制限され(すなわち、第1の状態より供給される電力が小さい)動作不能となる第2の状態とに移行される。CPU30が第2の状態に移行することで画像形成装置10が第3の省電力状態に移行する。
【0058】
なお、本実施の形態では、CPU30に対する電力の供給を停止して、CPU30を第2の状態に移行させる例について説明するが、これに限定されるものではなく、供給される電力が第1の状態より小さく動作不能となればよい。
【0059】
また、図示は省略するがCPU30が第2の状態にある場合でも、RAM42には電力の供給が継続される。なお、RAM42がDRAMの場合には、CPU30が第2の状態になる前にセルフリフレッシュモードに切替えられる。
【0060】
CPU30は、バス(本実施の形態ではPCIバス)46を介してASIC34に接続され、ASIC34とCPU30とはPCIバス46を介して通信する。なお、PCIバス46からASIC34がアイソレートされる(電気的に分離された状態にされる)と、CPU30とASIC34とは通信不能な状態となる。
【0061】
CPU30に電力を供給する電源線50には、電源監視線54の一端が接続されており、電源監視線54の他端はリセットIC36に接続されている。リセットIC36には、リセット信号線56が接続されている。リセット信号線56は、分岐点25でリセット信号線56Aとリセット信号線56Bとに分岐する。リセット信号線56Aの端部はCPU30に接続され、リセット信号線56Bの端部はASIC34に接続されている。
【0062】
リセットIC36は、電源監視線54を監視して、CPU30に対する電力の供給の有無を検知する。リセットIC36は、CPU30に対する電力の供給が停止されたことを検知した場合には、リセット信号線56にリセット信号を出力する。出力されたリセット信号は、リセット信号線56Aを介してCPU30に伝送されると共に、リセット信号線56Bを介してASIC34に伝送される。CPU30及びASIC34はリセット信号を受け付けると、リセット(再起動)する。
【0063】
なお、リセット信号線56Bには、バッファ48が設けられている。バッファ48のゲートとASIC34とは、マスク線58を介して接続されている。ASIC34は、CPU30からの制御信号に応じてマスク線58を介してバッファ48にマスク信号を出力する。バッファ48にマスク信号が入ると、リセット信号線56Bに対してリセット信号が出力されても、該リセット信号はASIC34側に出力されないようになる。
【0064】
また、CPU30は、タイマスタート信号線60及び省電力移行お知らせ信号線62を介してタイマIC38に接続されている。CPU30は、タイマIC38に対して、タイマスタート信号線60を介してタイマスタート信号を出力し、省電力移行お知らせ信号線62を介して省電力移行お知らせ信号(例えば、負論理(アクティブ・ロー)の場合には、予め定められたLレベルのパルス幅αを有するパルス信号)を出力する。以下、CPU30から出力される省電力移行お知らせ信号を第1の信号と呼称する。
【0065】
図3に、タイマIC38の機能構成図を示す。タイマIC38は、信号受付部22、タイマ26、及び信号出力部28を備えている。
【0066】
信号受付部22は、CPU30からタイマスタート信号線60を介して出力されたタイマスタート信号や、CPU30から省電力移行お知らせ信号線62を介して出力された第1の信号を検知して受け付ける。
【0067】
タイマ26は、CPU30が第1の状態から第2の状態への移行に必要な処理を開始した後の予め定められた時期からカウントをスタートする。本実施の形態では、信号受付部22でタイマスタート信号を受け付けた(検知した)ときに、予め定められた時間T1を設定してカウントをスタートする。なお、以下では、CPU30が第1の状態から第2の状態への移行に必要な処理(本実施の形態では、後述する(1)から(4)までの処理)を前処理と呼称する。
【0068】
信号出力部28は、上記予め定められた時間T1が経過してタイマ26がタイムアウトした場合には、CPU30を第2の状態に移行させるための第2の信号を生成して省電力移行お知らせ信号線64を介してASIC34に出力する。本実施の形態では、上記第1の信号(省電力移行お知らせ信号)と同じ波形の信号が第2の信号として生成されるものとする。
【0069】
ASIC34は、タイマIC38から第2の信号を受け付けると、FET32をオフにして、CPU30に対する電力の供給を停止する。これにより、CPU30が第1の状態から第2の状態に移行すると共に、画像形成装置10が第2の省電力状態から第3の省電力状態に移行する。
【0070】
また、信号出力部28は、タイマ26がタイムアウトする前であっても、信号受付部22がCPU30から出力された第1の信号を受け付けた場合には、上記第2の信号を生成して省電力移行お知らせ信号線64を介してASIC34に出力する。本実施の形態では、CPU30から第1の信号を受けて第2の信号が出力されると、タイマ26のカウントが停止されるように構成されている。なお、タイマ26のカウントが停止されずタイマ26のタイムアウトにより第2の信号が再度出力される構成であっても、ASIC34がFET32をオンすることがないよう構成されているため、CPU30の状態に影響はない。
【0071】
また、ASIC34は、外部イベントが生じた場合には、その旨をCPU30に通知する割り込み機能を有している。ASIC34は、外部イベントが発生した際にCPU30が第2の状態にある場合には、電力供給を再開してCPU30を第1の状態に移行させてから外部イベント発生を通知する。
【0072】
次に、本実施の形態に係るCPU30が第1の状態から第2の状態に移行する際の制御の流れについて説明する。まず、CPU30の第2の状態への移行に必要な下記の(1)から(4)までの前処理が順に行われる。
【0073】
(1)CPU30は、CPU30に対する電力の供給が停止されて第2の状態に移行されも、その後電力の供給が再開されて第1の状態に移行されたときに該第2の状態への移行前の状態に復帰できるよう、必要なデータをRAM42に退避(格納)する。ここで格納されるデータは、例えば、UI部18が画像形成装置10に対して着脱可能な要素である場合には現在接続されているUI部18の種類を示すデータ、現在画像形成装置10で印刷情報を蓄積しているか否かを示すデータ等、現在の画像形成装置10の状態を示すデータである。以下、これらデータを状態データと呼称する。
【0074】
CPU30は、画像形成装置10に電源が投入されたときやリセット(再起動)されたときには、まず、CPU30は初期化処理を行って、その後状態データを取得して設定する作業を行なう。一方、CPU30が第2の状態にあるときに外部イベントが発生した場合には、CPU30はリセットされずに第2の状態から第1の状態に移行するが、上記のように第2の状態に移行する前に状態データを待避しておくため、初期化後の状態データを取得する作業が省略される。
【0075】
(2)CPU30は、PCIバス46を介してASIC34に制御信号を出力し、ASIC34の設定を変更して外部イベントが発生した場合の割込作業の仕方を変更する。
【0076】
ASIC34は、CPU30の状態に応じて割込作業を行う必要がある。具体的には、CPU30が第1の状態にある場合には、外部イベントが発生したときにその旨をPCIバス46を介して通知する(第1割込作業)が、CPU30が第2の状態にある場合には、外部イベントが発生したときにまずCPU30に対する電力の供給を再開してCPU30を第1の状態に移行し、PCIバス46とのアイソレートを解除してから外部イベントの発生をPCIバス46を介して通知する(第2割込作業)。
【0077】
そこで、CPU30は、第1の状態から第2の状態に移行する前に、ASIC34に設けられた割込作業を規定するレジスタの値を書換えて、第2割込作業が行われるように設定変更する。
【0078】
(3)CPU30は、PCIバス46を介してASIC34に制御信号を出力し、マスク信号がASIC34から出力されるようにASIC34の設定を変更する。
【0079】
前述したように、本実施の形態では、CPU30への電力供給を停止すると、リセットIC36からリセット信号が出力される構成となっており、ASIC34がリセット(再起動)されてしまう。ASIC34がリセットされると、ASIC34が初期状態に戻ってしまう。そこで、CPU30は、ASIC34に設けられたマスク信号出力を規定するレジスタの値を書換えて、ASIC34からマスク信号がバッファ48に出力されるように設定変更する。これにより、ASIC34は、バッファ48に対するマスク信号の出力を開始する。
【0080】
(4)CPU30は、PCIバス46を介してASIC34に制御信号を出力し、PCIバス46からASIC34がアイソレートされるようにASIC34の設定を変更する。
【0081】
これは、CPU30に対する電力の供給が停止されても、ASIC34の電力の供給は継続されるため、PCIバス46を介してASIC34に対する電力がCPU30側にまわりこまないようにするためである。ASIC34は、上記制御信号を受け付けると、ASIC34のPCIバス46に対するインタフェースをハイインピーダンス状態に設定する。これにより、ASIC34はPCIバス46からアイソレートする。
【0082】
上記(1)から(4)までの前処理が終了すると、CPU30は、次の(5)に示す処理を行う。
【0083】
(5)CPU30は、CPU30に予め設けられているレジスタ(以下、スリープレジスタ)に、電力供給が停止されても問題ない状態(スリープ状態)であることを示すデータを書込み、自身をスリープ状態に設定する。CPU30のスリープ状態が設定されると、CPU30から第1の信号が出力される。
【0084】
この他にCPU30は、上記前処理が開始された後の予め定められた時期にタイマIC38に対してタイマスタート信号を出力する。本実施の形態では、(4)が終了した後(5)でスリープ状態に設定する前に、タイマIC38に対してタイマスタート信号を出力する。タイマIC38の信号受付部22が、CPU30からタイマスタート信号を受け付けると、前述のようにタイマ26のカウントがスタートする。
【0085】
また、タイマIC38の信号受付部22は、CPU30から(5)で出力された第1の信号を受け付けると、前述したように信号出力部28が第2の信号を生成してASIC34に出力する。ASIC34は、第2の信号を受け付けると、FET32をオフにして、CPU30に対する電力の供給を停止する。これにより、CPU30が第1の状態から第2の状態に移行する。
【0086】
一方、上記(5)においてCPU30がスリープ状態に設定された後、例えばCPU30に、CPU30の状態変化や、CPU30の内部タイマのカウントによる内部割込や、CPU30に内部エラー等の、CPU30をスリープ状態から復帰させるCPU30内部で発生する事象(以下、内部イベントと呼称)が発生すると、CPU30はスリープ状態から復帰する。具体的には、第1の信号の出力途中であっても、CPU30はスリープレジスタを初期状態に戻してスリープ状態を解除する。
【0087】
第1の信号の出力途中でスリープ状態が解除されると、第1の信号の出力が途中で終わってしまうため、第1の信号のパルスが短すぎて、タイマIC38は第1の信号を検知できない。なお、CPU30は、CPU30から第1の信号の出力が開始された後は既に第1の信号を出力したという認識のもと、再度第1の信号を出力することはない。
【0088】
また、上記内部イベントの他、第1の信号の出力途中でCPU30や省電力移行お知らせ信号線62に何らかの不具合が発生した場合も、第1の信号の出力が途中で途切れる。このため、上記と同様、タイマIC38は第1の信号を検知できないこととなる。
【0089】
しかしながら、本実施の形態では、CPU30からタイマIC38に対してタイマスタート信号を出力しており、これを受けてカウントを開始したタイマ26がタイムアウトしたときに信号出力部28が第2の信号を生成して出力するよう構成されている。これにより、ASIC34は、タイマIC38から第2の信号を受け付け、FET32をオフにして、CPU30に対する電力の供給を停止する。
【0090】
なお、第2の状態へ移行する際にCPU30で内部イベントや不具合が発生しても、既に第1の状態から第2の状態への移行に必要な一連の処理は完了しているため、CPU30をリセットせずにそのままCPU30を第2の状態に移行しても問題はない。そこで、上記のように、CPU30の第2の状態への移行が継続されるようにしている。
【0091】
なお、タイマIC38を設けずに、CPU30から省電力移行お知らせ信号が直接ASIC34に出力される構成とした場合に上記タイミングで上記異常が発生した場合も、省電力移行お知らせ信号のパルスが短すぎて、ASIC34は該信号を検知できない。また、ASIC34はPCIバス46からアイソレートされているため、CPU30からASIC34にアクセスすることができず、CPU30がASIC34の設定を変更することもできない状態である。更に、ASIC34は、予め定められた順序で動作するように設計されており、例えば、(4)でPCIバス46からアイソレートした後は、省電力移行お知らせ信号を受けてCPU30を第2の状態に移行させなければ、次の動作に進まないようになっている。このため、ASIC34は省電力移行お知らせ信号を待ち続け、コントローラ12はハングアップ状態になってしまう。
【0092】
しかしながら、本実施の形態のようにタイマIC38を設けることで、ASIC34がPCIバス46からアイソレートした後にCPU30に異常が発生しても、CPU30は第1の状態から第2の状態に移行され、ハングアップは防止される。
【0093】
なお、ここでは、第1の信号と第2の信号とが同じ波形の信号(省電力移行お知らせ信号)となるように生成する例について説明したが、ASIC34が第2の信号を受け付けた場合にFET32をオフするように構成されていれば、第1の信号と第2の信号とが異なる信号であってもよい。
【0094】
次に、CPU30が第2の状態にある場合において外部イベントが発生したときの処理について説明する。
【0095】
まず、ASIC34は、FET32をオンしてCPU30に対する電力供給を再開し、CPU30を第1の状態に移行する。そして、第1の状態に移行した後は、該移行後に必要な下記(6)から(9)までの処理が行われる。なお、以下では、移行後に必要な(6)から(9)までの処理を後処理と呼称する。
【0096】
(6)まず、ASIC34は、PCIバス46とのアイソレートを解除して、CPU30とPCIバス46を介した通信が可能な状態にする。ASIC34は、アイソレートを解除すると、PCIバス46を介してその旨をCPU30に通知する。その後、CPU30は、自身を初期化する。
【0097】
(7)CPU30は、RAM42に待避しておいた状態データを読み出して内部レジスタ等に格納して設定する。
【0098】
(8)CPU30は、PCIバス46を介してASIC34に制御信号を出力し、マスク信号がASIC34から出力されないようにASIC34に設けられたマスク信号出力を規定するレジスタの値を書換えて、ASIC34の設定を変更する。
【0099】
(9)CPU30は、PCIバス46を介してASIC34に制御信号を出力し、第1割込作業が行われるようにASIC34に設けられた割込作業を規定するレジスタの値を書換えて、設定変更する。
【0100】
上記後処理の後に、ASIC34は、CPU30にPCIバス46を介して外部イベント発生を通知する。CPU30は、通知された外部イベントに応じて、画像形成装置10を第2の省電力状態から第1の省電力状態に移行させたり、非省電力状態に移行させて、外部イベントに応じた処理を行ったりする。
【0101】
なお、CPU30のスリープ状態設定後に、異常が発生してCPU30及びASIC34をリセットすると、初期化の後、状態データを取得して設定する作業を行った後、再度上記(1)以降の処理が繰り返されることとなり、CPU30を第1の状態から第2の状態へ移行するのに時間がかかるが、本実施の形態で説明したように、CPU30をリセットせずに第1の状態から第2の状態へ移行するようにしたため、リセットする場合に比べて移行に時間がかからない。
【0102】
[第2の実施の形態]
【0103】
第1の実施の形態では、タイマIC38のタイマ26のカウントをスタートさせるための信号として、タイマスタート信号を用いたが、本実施の形態では、タイマスタート信号の代わりにマスク信号を用いてタイマ26をスタートさせる例について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、コントローラ12の構成以外は第1の実施の形態で説明した画像形成装置10と同じであるため、説明を省略する。また、本実施の形態のコントローラを、第1の実施の形態のコントローラ12と区別するため、末尾にAの符号を付してコントローラ12Aと呼称する。
【0104】
図4は、本実施の形態に係るコントローラ12Aの構成を示す図である。図4において、図2と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0105】
本実施の形態に係るコントローラ12Aには、タイマスタート信号線60に代えて、マスク信号監視線66が設けられている。マスク信号監視線66の一端は、マスク線58に接続され、他端はタイマIC38に接続されている。ASIC34からマスク線58を介してバッファ48に対してマスク信号が出力されると、マスク線58に接続されたマスク信号監視線66にもマスク信号が伝送される。
【0106】
本実施の形態では、信号受け付け部22がマスク信号監視線66からマスク信号を受け付けた(検知した)ときに、タイマ26が予め定められた時間T2を設定してカウントを開始するように構成されている。なお、マスク信号が出力される時期が、第1の実施の形態で説明したタイマスタート信号の出力より前である場合には、T2はT1より長くなるよう設定される。
【0107】
本実施の形態のCPU30が第1の状態から第2の状態に移行する際の制御の流れは、タイマスタート信号の出力が行われず、且つ(3)でASIC34からマスク信号が出力された場合にタイマ26のカウントがスタートする以外は、第1の実施の形態と同様であるため、ここでのこれ以上の説明を省略する。
【0108】
[第3の実施の形態]
【0109】
本実施の形態では、第1の信号を出力する信号線と第2の信号を出力する信号線とをワイヤードオア結線して、ASIC34に省電力移行お知らせ信号を出力する例について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、コントローラ12の構成以外は第1の実施の形態で説明した画像形成装置10と同じであるため、説明を省略する。また、本実施の形態のコントローラを、第1の実施の形態のコントローラ12と区別するため、末尾にBの符号を付してコントローラ12Bと呼称する。
【0110】
図5は、本実施の形態に係るコントローラ12Bの構成を示す図である。図5において、図2と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0111】
本実施の形態に係るコントローラ12Bには、省電力移行お知らせ信号線62に代えて、省電力移行お知らせ信号線68が設けられている。省電力移行お知らせ信号線68の一端は、CPU30に接続され、他端は省電力移行お知らせ信号線64の接点69に接続されている。
【0112】
タイマIC38で生成された第2の信号は省電力移行お知らせ信号線64を介してASIC34に出力されるが、CPU30で生成された第1の信号は省電力移行お知らせ信号線68に出力され接点69に到達した後、省電力移行お知らせ信号線64を介してASIC34に出力される。
【0113】
前述したように、第1の信号と第2の信号は同じ波形の信号(省電力移行お知らせ信号)として生成され出力されているため、どちらか一方の信号をASIC34が受け付ければ、FET32がオフされる。
【0114】
また、例えば、ASIC34が負論理(アクティブ・ロー)で動作する場合であって、ASIC34がパルス信号の立ち下がりのエッジを検知して信号を受け付けるよう構成されている場合には、第1の信号と第2の信号とが互いに立ち下がりエッジを有するパルス信号であって、ASIC34のエッジの検知に必要なだけのパルス幅を有するパルス信号であればよく、互いに同じパルス幅でなくともよい。また、ASIC34が負論理(アクティブ・ロー)で動作する場合であって、ASIC34がパルス信号の立ち下がりのエッジが検知されると共に、該エッジに続いて予め定められた長さだけLレベルが検知されたときに、信号を受け付けるよう構成されている場合にも、第1の信号と第2の信号とが互いに立ち下がりエッジを有し、ASIC34の検知に必要なだけのLレベルのパルス幅を有するパルス信号であればよく、互いに同じパルス幅でなくともよい。
【0115】
なお、本実施の形態では、第1の信号と第2の信号の両方が出力されて、接点69で合成されてパルス幅が長くなったとしても、ASIC34では、到着したパルス信号の立ち下がりエッジが検知されれば(或いは、立ち下がりエッジ及び予め定められた長さ以上のLレベルとが検知されれば)、この信号に応じてFET32をオフするため、ASIC34は問題なく動作する。
【0116】
また、ASIC34が正論理(アクティブ・ハイ)で動作する場合であって、パルス信号の立ち上がりエッジを検知して信号を受け付けるよう構成されている場合も同様に、第1の信号と第2の信号とが互いに立ち上がりエッジを有するパルス信号であって、ASIC34のエッジの検知に必要なだけのパルス幅を有するパルス信号であればよく、互いに同じパルス幅でなくともよい。また、ASIC34が正論理(アクティブ・ハイ)で動作する場合であって、ASIC34がパルス信号の立ち上がりのエッジが検知されると共に、該エッジに続いて予め定められた長さだけHレベルが検知されたときに、信号を受け付けるよう構成されている場合にも、第1の信号と第2の信号とが互いに立ち上がりエッジを有し、ASIC34の検知に必要なだけのLレベルのパルス幅を有するパルス信号であればよく、互いに同じパルス幅でなくともよい。
【0117】
なお、本実施の形態のCPU30が第1の状態から第2の状態に移行する際の制御の流れは、上記第1の実施の形態でCPU30が第1の信号を出力する信号線を省電力移行お知らせ信号線68とする以外は、第1の実施の形態と同様であるため、ここでのこれ以上の説明を省略する。
【0118】
ところで、本実施の形態のコントローラ12Bに、タイマスタート信号線60に代えて、第2の実施の形態で説明したマスク信号監視線66を設けるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態のようにワイヤードオア接続する構成において、マスク信号をタイマIC38のタイマ26をスタートさせるトリガとして用いるようにしてもよい。
【0119】
また、省電力移行お知らせ信号線68の一端をCPU30に接続し、他端をASIC34に接続するように構成し、省電力移行お知らせ信号線68と省電力移行お知らせ信号線64とを結線せずに、各々ASIC34に接続するようにしてもよい。
【0120】
ASIC34は、省電力移行お知らせ信号線68から第1の信号を受け付けた場合、及び省電力移行お知らせ信号線64から第2の信号を受け付けた場合のいずれか一方の場合に、FET32をオフする。また、ASIC34がいずれか一方から信号を受け付けてFET32をオフした後に、他方から信号を受け付けた場合には、再度FET32をオフする制御は行わないよう構成されていてもよい。
【0121】
[第4の実施の形態]
【0122】
なお、上記第1の実施の形態から第3の実施の形態まで、タイマIC38を設けてハードウェアにより制御する構成について説明したが、ソフトウェアにより制御するようにしてもよい。
【0123】
具体的には、上記タイマIC38が行う動作をCPUがプログラムを実行することにより実現する。例えば、図2、図4、及び図5において、CPU30とは別のCPU(以下、第2のCPU)をタイマIC38の代わりに設け、該第2のCPUにメモリを接続し、該メモリに第2のCPUが実行するプログラムを予め記憶しておく。
【0124】
図6に、図2におけるコントローラ12のタイマIC38を第2のCPU31に置き換えた場合の構成図を示す。第2のCPU31は、上記タイマIC38と同様に、第2のCPU31とタイマスタート信号線60及び省電力移行お知らせ信号線62を介して接続され、且つASIC34と省電力移行お知らせ信号線64を介して接続されている。第2のCPU31にはシステムバス45を介してROM41、RAM43が接続されている。ROM41にはCPU31が実行するプログラムが記憶されており、RAM43は、CPU31のワークメモリとして使用される。なお、CPU31が実行するプログラムを記憶する記憶媒体は、ROMに限定されず、HDD(ハードディスク)やフラッシュメモリなどであってもよい。
【0125】
図7は、第1の実施の形態に相当するタイマIC38の機能を第2のCPUが実行する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0126】
ステップ100では、CPU30からタイマスタート信号を受け付けたか否かを判断する。タイマスタート信号を受け付けたと判断した場合には、ステップ102に進み、予め定められた時間を設定して第2のCPUに設けられたタイマのカウントをスタートさせる。
【0127】
ステップ104では、CPU30から第1の信号を受け付けたか否かを判断する。ここで第1の信号を受け付けたと判断した場合には、ステップ108に進み、ASIC34に第2の信号を出力する。
【0128】
一方、ステップ104で、CPU30から第1の信号を受け付けていないと判断した場合には、ステップ106で、タイマがタイムアウトしたか否かを判断する。ここでタイマがタイムアウトしていないと判断した場合には、ステップ104に戻り、タイマがタイムアウトしたと判断した場合には、ステップ108に進み、ASIC34に第2の信号を出力する。
【0129】
なお、第2の実施の形態に相当するタイマIC38の機能を第2のCPUが実行する場合には、上記ステップ100の処理でマスク信号を受け付けたか否かを判断するようにし、受け付けたと判断した場合に、ステップ102に進むようにする。
【0130】
図8は、第3の実施の形態に相当するタイマIC38の機能を第2のCPUが実行する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0131】
ステップ200では、CPU30からタイマスタート信号を受け付けたか否かを判断する。タイマスタート信号を受け付けたと判断した場合には、ステップ202に進み、予め定められた時間を設定して第2のCPUに設けられたタイマのカウントをスタートさせる。
【0132】
ステップ204では、タイマがタイムアウトしたか否かを判断する。ここではタイマがタイムアウトしたと判断するまで待機し、タイマがタイムアウトしたと判断した場合には、ステップ206に進み、ASIC34に第2の信号を出力する。
【0133】
なお、マスク信号を受け付けた場合にタイマをスタートさせる場合には、上記ステップ200の処理でマスク信号を受け付けたか否かを判断するようにし、受け付けたと判断した場合に、ステップ202に進むようにする。
【0134】
[第5の実施の形態]
【0135】
本実施の形態では、上記前処理を開始してから第2の状態への移行が完了するまでの期間(以下、A期間)、及び後処理を開始してから終了するまでの期間(以下、B期間)において異常が発生した場合に、これを検知して、検知した時期に応じた制御を行うタイマICについて説明する。
【0136】
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10は、コントローラ12の構成以外は第1の実施の形態で説明した画像形成装置10と同じであるため、説明を省略する。また、本実施の形態のコントローラを、第1の実施の形態のコントローラ12と区別するため、末尾にCの符号を付してコントローラ12Cと呼称する。
【0137】
図9は、本実施の形態に係るコントローラ12Cの構成を示す図である。図9において、太線で示された部分が図2の構成に対してあらたに追加した要素であり、図2と同一もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明を省略する。
【0138】
本実施の形態に係るコントローラ12Cには、タイマIC38に代えて、タイマIC39が設けられている。タイマIC39は、第1の実施の形態に係るタイマIC38と同等の機能に加え、更に、上記説明したように、A期間及びB期間で発生した異常を検知して、検知した時期に応じた制御を行う。
【0139】
また、コントローラ12Cには、状況伝達線70が設けられている。状況伝達線70の一端は、CPU30に接続され、他端はタイマIC39に接続されている。CPU30は、状況伝達線70を介して処理の進捗状況を知らせるための状況信号をタイマIC39に伝送する。
【0140】
また、 コントローラ12Cには、リセット信号監視線72が設けられている。リセット信号監視線72の一端は、リセット信号線56に接続され、他端はタイマIC39に接続されている。リセット信号監視線72にはリセットIC36から出力されたリセット信号が伝達される。タイマIC39は、リセット信号監視線72によりリセットIC36からリセット信号が出力されたか否かを監視する。
【0141】
また、コントローラ12Cには、 リセット信号線74が設けられている。リセット信号線74の一端は、CPU30に接続され、他端はタイマIC39に接続されている。タイマIC39は、リセット信号線74を介してCPU30をリセットするためのリセット信号をCPU30に出力する。
【0142】
また、 コントローラ12Cには、リセット信号線76が設けられている。リセット信号線76の一端は、ASIC34に接続され、他端はタイマIC39に接続されている。タイマIC39は、リセット信号線76を介してASIC34をリセットするためのリセット信号をASIC34に出力する。
【0143】
また、コントローラ12には、制御線78が設けられている。制御線78の一端は、タイマIC39に接続され、他端は制御線52に接続されている。タイマIC39は、制御線78及び制御線52を介してFET32をオン・オフするための制御信号をFET32に出力する。
【0144】
図10は、タイマIC39の機能構成図である。
【0145】
タイマIC39は、信号受付部82、レジスタ群84、タイマ86、信号出力部88、及び制御部90を備えている。
【0146】
レジスタ群84は、複数のレジスタ(記憶領域)を備えている。本実施の形態では、10個のレジスタが設けられている。各レジスタを順にレジスタR1、レジスタR2・・・レジスタR10と呼称する。各レジスタの初期値は0とする。
【0147】
信号受付部82は、CPU30からタイマスタート信号線60を介して出力されたタイマスタート信号、CPU30から省電力移行お知らせ信号線62を介して出力された第1の信号、CPU30から状況伝達線70を介して出力された状況信号、及びリセットIC36からリセット信号監視線72介して伝達されたリセット信号の各々を検知して受け付ける。受け付けた信号に応じてレジスタ群84のレジスタを書換える。また、CPU30から第1の信号を受け付けた場合、及びリセットIC36からリセット信号を受け付けた場合には、その旨を信号出力部88に通知する。
【0148】
タイマ86は、タイムアウト時間が設定されると、カウントをスタートする。タイムアウトすると、信号出力部88及び制御部90に通知する。
【0149】
信号出力部88は、制御部90により設定された信号を生成して出力する。
【0150】
制御部90は、レジスタ群84の値が書換えられた場合に、これに応じてタイマ86にタイムアウト時間を設定して、タイマ86のカウントをスタートさせると共に、信号出力部88が生成して出力する信号を設定する。また、信号出力部88がリセット信号を出力した場合には、レジスタ群84の各レジスタの値を初期化して「0」にする。
【0151】
以下、本実施の形態に係るコントローラ12Cの作用について詳細に説明する。
【0152】
本実施の形態では、上記A期間を6つの期間に分けて異常の発生を監視する。なお、下記(1)から(5)で示す処理は、第1の実施の形態で説明した(1)から(5)の処理を示す。
【0153】
・第1の期間:(1)の処理開始から(1)の処理終了までの期間
・第2の期間:(2)の処理開始から(2)の処理終了までの期間
・第3の期間:(3)の処理開始から(3)の処理終了までの期間
・第4の期間:(4)の処理開始から(4)の処理終了までの期間
・第5の期間:(5)の処理開始から(5)の処理終了までの期間
・第6の期間:タイマIC39から第2の信号を出力してからリセット信号監視線72によりリセット信号を検知するまでの期間
【0154】
また、B期間を以下の4つの期間に分けて異常の発生を監視する。なお、下記(6)から(9)で示す処理は、第1の実施の形態で説明した(6)から(9)の処理を示す。
【0155】
・第7の期間:(6)におけるASIC34からのアイソレート解除の通知の受け付けから(6)の処理終了までの期間
・第8の期間:(7)の処理開始から(7)の処理終了までの期間
・第9の期間:(8)の処理開始から(8)の処理終了までの期間
・第10の期間:(9)の処理開始から(9)の処理終了までの期間
【0156】
まず、A期間における動作について説明する。
【0157】
CPU30は、(1)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR1に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR1に「1」が書込まれると、タイマ86に第1の期間に対応するタイムアウト時間Taを設定してカウントをスタートさせる。また、制御部90は、第1の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0158】
CPU30は、(2)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR2に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR2に「1」が書込まれると、タイマ86に第2の期間に対応するタイムアウト時間Tbを設定してカウントをスタートする。また、制御部90は、第2の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0159】
CPU30は、(3)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR3に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR3に「1」が書込まれると、タイマ86に第3の期間に対応するタイムアウト時間Tcを設定してカウントをスタートする。また、制御部90は、第3の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0160】
CPU30は、(4)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR4に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR4に「1」が書込まれると、タイマ86に第4の期間に対応するタイムアウト時間Tdを設定してカウントをスタートする。また、制御部90は、第4の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0161】
CPU30は、(5)でスリープ状態に設定したときにCPU30からタイマスタート信号線60を介してタイマスタート信号を出力する。信号受付部82はタイマスタート信号線60を介してCPU30からタイマスタート信号を受け付けたときに、レジスタR5に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR5に「1」が書込まれると、タイマ86に第5の期間に対応するタイムアウト時間Teを設定してカウントをスタートする。第5の期間で異常が発生した場合またはCPU30から第1の信号を受け付けた場合に出力する信号(ここでは、第2の信号)を信号出力部88に設定する。
【0162】
制御部90は、タイマIC39から第2の信号を出力したときに、レジスタR6に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR6に「1」が書込まれると、タイマ86に第6の期間に対応するタイムアウト時間Tfを設定してカウントをスタートする。第6の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、FET32をオフする制御信号)を信号出力部88に設定する。
【0163】
なお、各タイムアウト時間は、上記第1から第6の期間で正常に処理が行われる場合の所要時間より予め定められた時間だけ長い時間とする。各期間における処理がタイムアウト時間より長い時間かかっている場合には、タイマ86がタイムアウトし異常が発生したと判断される。
【0164】
タイマ86がタイムアウトすると、その通知が信号出力部88に出力される。信号出力部88は、該通知を受けると、制御部90により設定された信号を生成して出力する。以下、信号を出力する処理について具体的に説明する。
【0165】
レジスタR1に「1」が書込まれた後、レジスタR2の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第1の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0166】
レジスタR2に「1」が書込まれた後、レジスタR3の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第2の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0167】
レジスタR3に「1」が書込まれた後、レジスタR4の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第3の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0168】
レジスタR4に「1」が書込まれた後、レジスタR5の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第4の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0169】
このように、第1〜第4の期間で異常が発生したことが検知された場合には、また移行に必要な処理が終了していない段階での異常発生であるため、本実施の形態では、CPU30を第2の状態に移行することなくCPU30及びASIC34をリセットするようにしている。また、CPU30及びASIC34をリセットすることで、双方の状態を合わせるようにしている。
【0170】
なお、制御部90は、信号出力部88からリセット信号を出力した場合には、レジスタ群84の各レジスタの値を初期値「0」に戻す。
【0171】
また、第1から第4期間において、各期間の処理が正常に終了した場合には、タイマ86がタイムアウトする前に、次の期間のタイムアウト期間がタイマ86に設定されてカウントがスタートされるため、信号出力部88からリセット信号は出力されない。
【0172】
レジスタR5に「1」が書込まれた後、レジスタR6の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第5の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、省電力移行お知らせ信号線64を介してCPU30に対して第2の信号を出力する。また、ここでタイムアウトする前に、信号受付部82でCPU30から第1の信号を受け付けた場合にも、第2の信号を出力する。
【0173】
第5の期間における制御は、第1から第4の実施の形態で説明した制御に相当する
【0174】
レジスタR6に「1」が書込まれた後、信号受付部82でリセット信号監視線72を介してリセット信号を受け付ける前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第6の期間でASIC34に異常が発生したことを示しており、制御線78を介して制御信号を出力し、FET32をオフする。すなわち、リセット信号を受け付けない場合には、第2の信号を出力しても、CPU30に対する電力供給が停止されていないことを示すため、ここではASIC34に代わり、FET32に制御信号を出力してオフするようにしている。なお、タイマ86がタイムアウトする前に信号受付部82でリセット信号を受け付けた場合には、正常にCPU30の電源がオフされたため、タイマ86のカウントは停止される。
【0175】
次に、B期間における動作について説明する。
【0176】
CPU30は、(6)の処理でASIC34からPCIバス46とのアイソレートを解除した旨の通知を受けると、状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR7に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR7に「1」が書込まれると、タイマ86に第7の期間に対応するタイムアウト時間Tgを設定してカウントをスタートさせる。また、制御部90は、第7の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0177】
CPU30は、(7)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR8に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR8に「1」が書込まれると、タイマ86に第8の期間に対応するタイムアウト時間Thを設定してカウントをスタートさせる。また、制御部90は、第8の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0178】
CPU30は、(8)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR9に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR9に「1」が書込まれると、タイマ86に第9の期間に対応するタイムアウト時間Thを設定してカウントをスタートさせる。また、制御部90は、第9の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0179】
CPU30は、(9)の処理を開始したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けたときに、レジスタR10に「1」を書き込む。また、制御部90は、レジスタR10に「1」が書込まれると、タイマ86に第10の期間に対応するタイムアウト時間Thを設定してカウントをスタートさせる。また、制御部90は、第10の期間で異常が発生した場合に出力する信号(ここでは、CPU30及びASIC34をリセットするリセット信号)を信号出力部88に設定する。
【0180】
CPU30は、(9)の処理が終了したときに状況伝達線70を介して状況信号を出力する。信号受付部82は状況伝達線70を介してCPU30から状況信号を受け付けると、制御部90はタイマ86のカウントを停止する。
【0181】
なお、各タイムアウト時間は、上記第7から第10の期間で正常に処理が行われる場合の所要時間より予め定められた時間だけ長い時間とする。各期間における処理がタイムアウト時間より長い時間かかっている場合には、タイマ86がタイムアウトして異常が発生したと判断される。
【0182】
タイマ86がタイムアウトすると、その通知が信号出力部88に出力される。信号出力部88は、該通知を受けると、制御部90により設定された信号を生成して出力する。以下、Bの期間での信号出力部88の処理を具体的に説明する。
【0183】
レジスタR7に「1」が書込まれた後、レジスタR8の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第7の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0184】
レジスタR8に「1」が書込まれた後、レジスタR9の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第8の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0185】
レジスタR9に「1」が書込まれた後、レジスタR10の値が「1」に変更される前にタイマ86がタイムアウトした場合には、第9の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0186】
レジスタR10に「1」が書込まれた後、タイマ86がタイムアウトした場合には、第10の期間でCPU30に異常が発生したことを示しており、リセット信号線74を介してCPU30に対してリセット信号を出力し、リセット信号線76を介してASIC34に対してリセット信号を出力する。
【0187】
なお、制御部90は、信号出力部88からリセット信号を出力した場合には、レジスタ群84の各レジスタの値を初期値「0」に戻す。
【0188】
また、第7から第9の期間において、各期間の処理が正常に終了した場合には、タイマ86がタイムアウトする前に、次の期間のタイムアウト期間がタイマ86に設定されてカウントがスタートされるため、信号出力部88からリセット信号は出力されない。また、第10の期間で処理が正常に終了した場合には、タイマ86は停止されるため、信号出力部88からリセット信号は出力されない。
【0189】
以上説明したように、本実施の形態では、タイマ86をスタートさせてからタイムアウトするまで(設定した時間が経過するまで)に、次の状況信号(或いはリセット信号や第1の信号)を受け付けなかったら、その期間に異常が発生したものとして制御する。制御内容は、異常が発生した時期に応じている。
【0190】
なお、第2、第3の実施の形態におけるタイマIC38を、本実施の形態のタイマIC39に置き換えて、且つ状況伝達線70、リセット信号監視線72、リセット信号線74、リセット信号線76、及び制御線78を設けてコントローラを構成してもよい。
【0191】
また、上記タイマIC39の処理を、ソフトウェアで行うようにしてもよい。
【0192】
具体的には、上記タイマIC39が行う動作をCPUがプログラムを実行することにより実現する。例えば、図9において、図6に示すようにCPU30とは別のCPU(以下、第2のCPU)をタイマIC39の代わりに設け、該第2のCPUにメモリを接続し、該メモリに第2のCPUが実行するプログラムを予め記憶しておく。
【0193】
図11は、本実施の形態に係るタイマIC39の機能を第2のCPUが実行する場合の処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、ここでは第5の期間以外の期間の制御についての処理の流れを説明する。
【0194】
ステップ300では、CPU30から状況信号を受け付けたか否かを判断する。状況信号を受け付けたと判断した場合には、ステップ302に進み、対応する期間に応じたタイムアウト時間を設定して第2のCPUに設けられたタイマのカウントをスタートさせる。
【0195】
ステップ304では、CPU30から次の状況信号を受け付けたか否かを判断する。ここで次の状況信号を受け付けたと判断した場合には、ステップ302に戻り、次の期間に対応するタイムアウト時間を設定して第2のCPUに設けられた内部タイマのカウントをスタートさせる。
【0196】
一方、ステップ304で、次の状況信号を受け付けていないと判断した場合には、ステップ306で、タイマがタイムアウトしたか否かを判断する。ここでタイマがタイムアウトしていないと判断した場合には、ステップ304に戻り、タイマがタイムアウトしたと判断した場合には、その期間で異常が発生したと判断して、ステップ308に進み、異常が発生した期間に対応する予め定められた処理を行う、具体的には、異常が発生した期間に対応する信号を出力する。
【0197】
また、本実施の形態では、 A期間及びB期間の双方で発生した異常を検知して処理する例について説明したが、B期間で発生した異常を検知して処理するように構成してもよい。
【0198】
また、本実施の形態では、A期間を6つの期間に分けて異常を検知するようにしたが、これに限定されず、例えば、(1)の処理を開始してから(4)の処理が終了するまでの期間、(5)の処理を開始してから(5)の処理が終了するまでの期間、第2の信号を出力してからCPU30の電源がオフされるまでの期間、の3つの期間に分けて異常を検知するようにしてもよい。また、B期間についても、B期間の開始から終了までを1つの期間として異常を検知するようにしてもよい。
【0199】
また、タイマスタート信号線60を設けずに、上記状況信号をタイマスタート信号の代わりに用いてもよい。例えば、(5)の処理を開始するときに、CPU30からタイマスタート信号代えて状況信号を出力し、これに応じてタイマ86がスタートするように構成する。この場合には、上記ソフトウェアでタイマIC39の機能を実行する際、上記第5の期間の制御も図11のフローチャートで示された処理ルーチンで行われる。
【0200】
以上、第1〜第5の実施の形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記コントローラ12、12A、12B、12CのCPU30に代えて、第1の状態と第2の状態とに移行可能なハードウェアを設けても良い。すなわち、ASIC34及びFET32により電力を供給したり制限したりする対象をCPU30以外のハードウェアとしてもよい。例えば、ASIC34とは別のASICとしてもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよい。
【0201】
また、CPU30を第1の状態及び第2の状態に移行させる手段もASIC34に限定されず、例えば、上記第1から第5の実施の形態で説明したASIC34の機能と同等の機能を有する他のハードウェアとしてもよい。
【0202】
さらにまた、CPU30に対する電力の供給をオンオフするFET32に代えて他のスイッチを設けても良い。
【0203】
さらにまた、前処理は、第1の実施の形態で説明した(1)から(4)までの処理に限定されず、電源制御部20やコントローラ12の構成及び機能に応じて、処理の内容を変更してもよい。
【0204】
同様に、後処理も、第1の実施の形態で説明した(6)から(9)までの処理に限定されず、電源制御部20やコントローラ12の構成及び機能に応じて、処理の内容を変更してもよい。
【0205】
また、上記画像形成装置10は、一例であって、例えば、画像読取部14が設けられていない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0206】
10 画像形成装置
12、12A、12B、12C コントローラ
16 画像形成部
20 電源制御部
22、82 信号受付部
26、86 タイマ
28、88 信号出力部
30 CPU
32 FET
34 ASIC
38、39 タイマIC
50 電源線
52 制御線
54 電源監視線
56 リセット信号線
58 マスク線
60 タイマスタート信号線
62、64、68 省電力移行お知らせ信号線
66 マスク信号監視線
70 状況伝達線
72 リセット信号監視線
74、76 リセット信号線
78 制御線
84 レジスタ群
90 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段に対して前記処理手段を前記第2の状態へ移行させるための第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記移行手段に対して前記第2の信号を出力する出力手段を備えた省電力処理装置。
【請求項2】
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に該移行をさせる移行手段に対して該移行をさせるための第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段により前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に前記移行手段に対して前記移行をさせるための第2の信号を出力する出力手段を備えた省電力処理装置。
【請求項3】
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記第2の信号を出力する出力手段と、
前記出力手段から出力された前記第2の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、
を備えた省電力処理装置。
【請求項4】
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段により前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に第2の信号を出力する出力手段と、
前記処理手段から出力された前記第1の信号及び前記出力手段から出力された前記第2の信号のいずれか一方を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、
を備えた省電力処理装置。
【請求項5】
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段と、
前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記第2の信号を出力する出力手段と、
前記出力手段から出力された前記第2の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、
を備えた省電力処理装置。
【請求項6】
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段と、
前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に第2の信号を出力する出力手段と、
前記処理手段から出力された前記第1の信号及び前記出力手段から出力された前記第2の信号のいずれか一方を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、
を備えた省電力処理装置。
【請求項7】
前記第1の処理が開始されてから前記処理手段の前記第2の状態への移行が完了するまでの期間において発生した異常を検知する検知手段と、
前記検知手段が検知した異常が発生した時期に応じて予め定められた制御を行う制御手段とを更に設けた
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の省電力処理装置。
【請求項8】
前記処理手段は、更に、前記第2の状態から前記第1の状態に移行可能に構成されると共に、前記第2の状態から前記第1の状態に移行させた後に必要な第3の処理を行い、
前記移行手段は、更に、前記処理手段が前記第2の状態にある場合において予め定められた事象が発生したときに、前記処理手段を前記第2の状態から前記第1の状態に移行させ、
前記第1の処理が開始されてから前記処理手段の前記第2の状態への移行が完了するまでの期間、及び前記第3の処理が開始されてから終了するまでの期間の各々において発生した異常を検知する検知手段と、
前記検知手段が検知した異常が発生した時期に応じて予め定められた制御を行う制御手段とを更に設けた
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の省電力処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1の処理の実行中に異常の発生が検知された場合には、前記処理手段及び前記移行手段が再起動するように制御する
請求項7または請求項8に記載の省電力処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第1の処理が終了してから前記処理手段の前記第2の状態への移行が完了するまでの期間に異常の発生が検知された場合には、前記処理手段が前記第2の状態に移行するよう制御する
請求項7〜請求項9のいずれか1項記載の省電力処理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第3の処理の実行中に異常の発生が検知された場合には、前記処理手段及び前記移行手段が再起動するように制御する
請求項8〜請求項10のいずれか1項記載の省電力処理装置。
【請求項12】
電力が供給されて画像形成動作が可能となる画像形成動作可能状態と、電力の供給が制限され画像形成動作が不能となる画像形成動作不能状態とに移行され、前記動作可能状態にある場合に、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記画像形成手段を前記画像形成動作可能状態から前記画像形成動作不能状態へ移行させる第1の処理を行い、前記第1の処理を行った後に前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第2の処理を行い、前記第2の処理を行った後に第1の信号を出力する第3の処理を行う処理手段と、
前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記第2の信号を出力する出力手段と、
前記出力手段から出力された前記第2の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項13】
電力が供給されて画像形成動作が可能となる画像形成動作可能状態と、電力の供給が制限され画像形成動作が不能となる画像形成動作不能状態とに移行され、前記動作可能状態にある場合に、画像情報に基づいて画像を形成する画像形成手段と、
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記画像形成手段を前記画像形成動作可能状態から前記画像形成動作不能状態へ移行させる第1の処理を行い、前記第1の処理を行った後に前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第2の処理を行い、前記第2の処理を行った後に第1の信号を出力する第3の処理を行う処理手段と、
前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に第2の信号を出力する出力手段と、
前記処理手段から出力された前記第1の信号及び前記出力手段から出力された前記第2の信号のいずれか一方を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項14】
コンピュータを、
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けた場合に、前記処理手段を前記第2の状態へ移行させる移行手段に対して前記処理手段を前記第2の状態へ移行させるための第2の信号を出力すると共に、前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過するまでに前記処理手段から出力された前記第1の信号を受け付けなかった場合に前記移行手段に対して前記第2の信号を出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
電力が供給されて動作可能となる第1の状態から、電力の供給が制限され動作不能となる第2の状態に移行可能に構成され、前記第1の状態から前記第2の状態へ移行する前に該移行に必要な第1の処理を行うと共に、前記第1の処理を行った後に該移行をさせる移行手段に対して該移行をさせるための第1の信号を出力する第2の処理を行う処理手段により前記第1の処理が開始された後の予め定められた時期から予め定められた時間が経過した場合に前記移行手段に対して前記移行をさせるための第2の信号を出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−73176(P2011−73176A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224565(P2009−224565)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】