説明

真空ポンプハウジング及び真空ポンプハウジングのための冷却要素の集合体

真空ポンプハウジングは、ポンプ室を形成するポンプハウジング(26)を備える。ポンプ室にはポンプ要素が配置される。ポンプハウジング(26)の平面状の外面(30)には、冷却要素(10)が配置される。冷却要素(10)は、ポンプハウジング(26)の外面(30)に向けて開放された少なくとも1つの冷却流路(12)を備える。本発明は、更に、様々な外形寸法を有する複数の冷却要素(10)を備えた冷却要素の集合体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプハウジング及び真空ポンプハウジングのための冷却要素の集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプは、ハウジングにより形成されるポンプ室に配置されたポンプ要素を備える。真空ポンプは、主にスクリューポンプ、1段又は多段のルーツポンプ、ロータリー真空ポンプ、及びクローポンプとして構成される。真空を生成するために、可能な限り最小サイズのギャップがポンプ要素とポンプ室の内壁との間に実現することが必要となる。このような理由から、ポンプハウジング及びポンプ要素の熱膨張の違いから発生するかもしれないギャップの変化を回避するために、可能な限り均一な動作温度で真空ポンプを動作させることが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−262907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷却リブを備えた真空ポンプを用意し、空気の流れを利用してポンプハウジングを冷却することが知られている。しかしながら、これらの取組みでは、通常、良く意図された空気の誘導路及び(ポンプ軸の1つによって又は個別の駆動部によって駆動される)外部換気システムを備えた外部ケースの導入等の特別な手段を利用することにより、ハウジングの均一かつ意図した冷却が可能となる。このような配置は、特定の冷却性能(面積の単位あたりの熱流量)が低くなるという欠点がある。更に、環境への熱の散逸は往々にして好ましくない。特に、クリーンルーム環境下では、空気の流れの発生を可能な限り回避する必要がある。更に、換気装置は、好ましくないノイズ源である。
【0005】
更に、水又は冷却水を真空ポンプハウジングの冷却に用いる効果が知られている。水による冷却は、特別な構造上の調整が必要である。一方、可能な限り最高の冷却効果を達成するために、冷却する必要がある領域に可能な限り近づけるように水を導かれなければならない。一方、ほとんどの材料に対する水の腐食性の効果のため、特別な保護措置を取ることなく水を使用することは不可能となる。腐食を避けるために、例えば、ステンレス鋼又は特定のアルミニウム合金等の腐食しない材料を使用することは可能である。しかしながら、このような材料は、高価であり、しかも、例えば250℃以上の高温への耐性といった真空ポンプハウジングに対する他の前提条件を満たしていない。
更に、水が接触する表面に塗料を塗布することが可能である。しかしながら、ハウジング内部に配置された流路に対して塗料を塗布することは非常に複雑である。塗料の塗布工程は、薬浴により実施されるか、又は塗料を塗布するための回転若しくは転倒動作により実施される。
更に、鉄又はねずみ鋳鉄の場合には、亜鉛又はニッケルコーティング等の電気的表面処理法が知られており、アルミニウムの場合には陽極酸化処理が知られている。しかしながら、これらの方法もまた非常に複雑である。
更に、消耗電極を使用するアプローチが知られているが、この方法は複雑であり、特に内部の冷却流路の場合には、十分な耐腐食性が得られない。
【0006】
冷却剤として水を使用する代わりに、特殊な冷却液を用いることも可能である。しかしながら、これは冷却回路がそれ自体で閉じている場合に可能となり、複雑性が増すというマイナス面を有する。特に、冷却剤を冷却するための熱交換器を付加的に設ける必要ある。
【0007】
鋳鉄製の真空ポンプハウジングにおける冷却流路は、特にフライス加工やドリル加工等の機械加工により、ハウジングに後付けで設けることも可能である。時間が掛かる付加的な処理工程が必要であるため、このオプションは非常に複雑となる。
鋳造プロセスの間に冷却流路を形成することも可能である。この目的のために、砂地コアが用意される。この方法もまた複雑であり、砂の残留により冷却水が長期的に汚染するリスクを伴う。更に、砂地コアにより形成される挿入型の流路を用意することは可能であるものの、鋳造プロセスに十分な安定性が要求され、成形に必要な砂地コアの助けを借りて実行されるため、流路の形状、断面及び進路に大きな制限が課せられる。したがって、このタイプの冷却流路の提供は、可能な形状及び可能な動作条件(後者では、安定性、動作温度、媒体の互換性など)に大きな制限が課せられる。
【0008】
本発明の目的は、特に液体の冷却媒体を使用することにより、簡単な方法で冷却可能な真空ポンプのハウジングを提供することである。更に、本発明の他の目的は、多様性が高い真空ポンプのための冷却要素の集合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記目的は、請求項1で定義される真空ポンプハウジングと、それぞれ請求項15で定義される冷却要素の集合体により実現される。
【0010】
真空ポンプのハウジングは、ポンプ室により画定されるポンプハウジングを備える。ポンプ室に配置されているものは、ヘリカルロータ等のポンプ要素である。本発明によれば、ポンプハウジングは、少なくとも1つの平面状の外面を有する。この平らな平面状外面は冷却要素に接続される。本発明によれば、冷却要素は、少なくとも1つ、付加的には複数の冷却流路を備えており、冷却流路はポンプハウジングの外面に向けて開放されている。好ましくは別体として形成される冷却要素をポンプハウジングに接続することにより、好ましくは冷却要素の平面上の取付面は、ポンプハウジングの平面状の外面に対向することになり、閉じた断面形状の冷却流路を構成する。好ましくは別体として形成される冷却要素の本発明の機構では、ポンプハウジング自体に冷却リブなどを設ける必要がない。それゆえ、ポンプハウジングはより簡単な構成により与えられ、製造コストを下げることができる。ポンプハウジングを冷却するために、本発明の冷却要素は平面状の外面に接続される。特に、冷却要素を別体として製造することが可能であることが利点となる。
【0011】
冷却要素は、その内部に冷却流路が設けられておらず、代わりに冷却流路はポンプハウジングの外面に向けて開放されているので、冷却要素の製造は容易である。冷却要素は、鋳造部品として提供されても良く、製造プロセスの後の時点で冷却流路を形成することなく、対応する溝又は凹部として予め冷却要素に設けられることが好ましい。ここで、冷却要素を鋳型により製造できるようにするため、冷却流路は適宜の構成を有する。冷却流路は、好ましくは離型斜面を構成する。その結果、冷却流路のフライス加工など、冷却要素を後処理することにより冷却流路を生成する必要がなくなる。大型の離型斜面を有する平面状かつ幅広の冷却流路の場合、冷却流路を生成するために砂地コアを用意する必要がない。好ましくは、冷却要素は、組み立てられた状態においてポンプハウジングの外面に対向する平面状の取付面を備える。組み立てられた状態では、前記取付面は好ましくはポンプハウジングの外面に平行である。
【0012】
例えば、螺子又はその他の固定手段を使用することにより、冷却要素を前記外面に直接的に固定することが可能である。好ましくは、封止部材は、冷却要素の少なくとも端部領域、更にポンプハウジングの外面に対向する表面に配置される。この封止部材は、液体封止部材、シーリング・コンパウンドなどであればよい。好ましくは、それ自体が閉じられた環状をなし、円形断面を有する封止部材として提供される。このような好ましい封止部材は、O−リングである。ポンプハウジングの外面及び/又は前記外面に対向する冷却要素の側面−例えば、好ましい実施形態によれば、冷却要素の取付面−には、封止溝が設けられることが好ましい。この封止溝に封止部材が収容される。好ましくは、それぞれ対向配置された2つの封止溝が存在するように、両方の面にそれぞれ1つずつ封止溝を設けることも可能である。
このような封止部材に加え、又はこのような封止部材に代えて、好ましい実施形態によれば、ポンプハウジングの外面に配置される面タイプの封止部材を提供することである。この封止部材は、好ましくは前記外面を完全に覆う。
封止部材は、封止機能に加え、ポンプハウジングの外面を腐食から保護する機能を持つことを想定している。これにより、ポンプハウジングの平面状、好ましくは処理された外面に、塗料などの耐腐食剤を塗布する必要性を排除する。
【0013】
冷却要素に設けられた少なくとも1つの冷却流路は、蛇行状の構成であることが好ましい。また、異なる断面を有する複数の冷却流路が、冷却要素に任意に設けられていてもよい。冷却流路と同一の冷却要素とを異なる方法で接続することを可能とするため、異なる冷却効果が得られる。勿論、異なる冷却流路同士を接続するようにしてもよい。
【0014】
各冷却要素は、少なくとも1つの流入口及び少なくとも1つの流出口を含む。好ましくは複数の流入口及び流出口が設けられ、より好ましくは夫々2つずつ設けられる。複数の接続オプションが提供されることが利点であり、例えば、よりアクセスが容易な接続、又はより組み立てが容易な接続の選択が可能である。
【0015】
冷却要素の側面には、好ましくは少なくとも1つの流入口及び/又は流出口が設けられる。前記側面は、冷却要素の取付面に対し、すなわち前記外面に対向する冷却要素の面に対し、ある角度をなす面である。例えば、実質的に平行六面体の冷却要素では、前記側面は取付面に対し垂直に延在する。一方、流入路及び/又は流出路は、外面、すなわち冷却要素の取付面と逆側の面に設けられてもよい。
【0016】
特に好ましい実施形態によれば、流入口及び/又は流出口は、それらがポンプハウジングの外側に向かって閉じているような態様で配置される。これにより、封止がかなり容易となる。好ましくは、流入口及び/又は流出口は、孔として形成される。これらの孔は、好ましくは円筒形の開口部として形成され、ポンプハウジングの外面に向かって開放されている冷却流路と接続される。円筒状の開口部は、冷却要素の取付面に向かって、すなわち、ポンプハウジングの外面に向かって閉じている。
【0017】
特に好ましい実施形態によれば、使用される冷却媒体は、例えば水などの冷却液であるため、腐食の虞がある。このような腐食を避けるために、防錆層を備えた冷却流路の内面を提供することができる。この目的のために、対応する面に塗料を塗布したり、亜鉛メッキ又はニッケルメッキなどの電気処理を施すことが可能である。更に、例えば、アルミ鋳造の場合には、ハードアルマイト処理を適用することが可能である。また、腐食から保護するために消耗電極を設けることも可能である。好ましくは、冷却要素は、消耗電極となる材料で製造される。さらに、冷却要素は、消耗電極を備えることが可能であり、全体又は部分が対応する材料で製造される。
【0018】
特に好ましい実施形態によれば、冷却要素は、ねずみ鋳造体若しくは球状鋳造体、又は耐食アルミニウム若しくはステンレス製の鋳造合金により製造される。合成された鋳造表面は、水に浸かった場合であっても腐食の余地が少ない。また、このようなねずみ鋳造、球状鋳造、又はアルマイト加工による部品は安価に製造される。さらなる可能性は、銅、真鍮又は青銅合金から冷却要素を製造することである。
【0019】
本発明は、更に真空ポンプのための冷却要素の集合体に関係する。冷却要素の集合体は、様々な外形寸法を有する複数の冷却要素により構成される。各冷却要素は、冷却要素の取付面に向けて開放した少なくとも1つの冷却流路を備える。組み立てた状態では、冷却要素の取付面は、真空ポンプハウジングの外面と対向するように配置され、前記外面と共に、冷却流路が閉断面を構成するように形成される。冷却要素の集合体が複数の冷却要素を備える設計とすることにより、柔軟性に富み、個々の適切な冷却要素を有する様々なポンプタイプを提供することができる。
【0020】
冷却要素の集合体における冷却要素は、例えば、様々な大きさを有し、好ましくは長方形の取付面を備える。真空ポンプのハウジングを設計するとき、設計者は、単に1又は複数の冷却要素のサイズに対応するように外面を生成することを考慮しなければならない。このように、様々な真空ポンプハウジングのために、別の冷却要素を設計する必要がなくなる。
【0021】
例えば、冷却要素の集合体は、様々な大きさの取付面及び/又は様々な幾何学的構成の取付面を有する冷却要素だけでなく、様々な断面形状の冷却流路を有する冷却要素を含むものであってもよい。したがって、特定の真空ポンプ及び当該真空ポンプの特定の使用のために、冷却性能が異なる様々な冷却要素を提供することができる。好ましい実施の形態によれば、個々の冷却要素は、真空ポンプハウジングと関連して、上述した手法により設計される。特に、冷却要素は、好ましくは平行六面体形状をなし、又は平行六面体の基体により構成され、少なくとも1つの流入口及び少なくとも1つの流出口を備える。これらは、既に説明したように、好ましくは冷却要素の側面又は外面に配置される。その結果、冷却導管を介した冷却システムへの冷却流路の接続が簡単な方法により可能となる。
【0022】
本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照して、以下に更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】冷却要素の第1実施形態の模式的斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った模式的断面図である。
【図3】図2に示す冷却要素と同様の冷却要素の部分図である。
【図4】図4におけるIII−III線に沿った模式的断面図である。
【図5】冷却要素の集合体の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図に示した実施形態(図1)において、平行六面体の鋳造部品として形成される冷却素子10は、蛇行形状をなす冷却流路12を備える。冷却流路12は、取付面14に向けて開放された溝として形成される。この溝は、対応する鋳型を用いることにより、鋳造プロセスの間に製造され得るものである。また、冷却流路12を形成する溝は、例えば、フライス加工等の機械加工処理によって製造され得る。冷却流路12は、U字型の断面(図2)を有しており、そのため、冷却要素はその外面16側が閉じられている。図に示した実施形態では、冷却流路を冷却管に接続するための流入口20及び流出口22は外側側面18に設けられる。これらの流入口20及び流出口22は、横孔(図4)として形成される。これらの横孔20,22の領域において取付面14は閉じられている。これは、シーリング対策を単純な方法により実現できるという利点を有する。
【0025】
図に示した実施形態では、2つの流入口20及び2つの流出口22が設けられる。これらは、1つの角領域において、相互に垂直であり、しかも外面18の夫々異なる面に配置される。この配置は、冷却流路の接続が、2つの流入口20のうちの1つ及び流出口22のうちの夫々1つを介して実現され、それぞれの要件に応じて接続を自由に選択することができるという利点を有する。これは、冷却要素10が使用されるポンプタイプに応じて空間状態が相違するため利点となる。
【0026】
更に、ポンプ要素10には、取付けのための複数の貫通孔24が設けられており、これらの孔は、外面16から取付面14まで延設されている。そのため、例えば、螺子により、冷却要素10をポンプハウジング26(図2)に容易に固定することができる。これは、図2において一点鎖線により模式的に描かれている。
【0027】
図に示した実施形態では、取付面14は、ある平面への直接的な取付面ではなく、ポンプハウジング26の外面30として取り扱われる。代わりに、面状の封止部材32が2つの要素間に設けられる。この封止部材32は、取付面14と同様に外面30を完全に覆う。このように、封止部材32は、ハウジング上の冷却要素10における封止機構を実現するだけでなく、冷却流路12の個々の位置を封止するために相互に使用される。更に、このような面状の封止部材32を用意することにより、ポンプハウジング26の処理された外面30は腐食から保護される。更に、面状の封止部材32は、取付面14の耐腐食保護層を供給され、図2に示される実施形態では、取付面14には全表面処理が施されている。冷却流路12の内面34は、塗料等の耐腐食コーティングが施されていても良い。しかしながら、その内面34は、好ましくは未処理の鋳造表面であり、冷却要素10は、好ましくはねずみ鋳造若しくは球状鋳造のプロセス、又は耐食アルミニウム若しくはステンレス鋳造合金により生成されており、その結果、鋳造表面は、特に水のような冷却剤に対して耐腐食性を有する。
【0028】
更に別の実施形態(図3)においては、図2示すものと同様の構成を有している。唯一の違いは、冷却流路12の隣接する部位に配置され、取付面14の領域38内で未処理として残された網部36が存在することである。相応に厚い面状の封止部材32が設けられている場合、この部分の処理は必要でなくなる。封止部材32は、前記領域38で圧迫されており、封止部材32は、部分的に冷却流路12の側面34に突出し、冷却流路12の隣接部位を互いに封止するからである。
【0029】
図2に示す実施形態において相応に厚い封止部材32を設けた場合、腐食から取付面14を保護するために防錆剤を使用する必要が全くなくなる。適宜の厚さの封止部材32が使用される場合、シーリングは側面34に突出し、冷却剤が取付面14に達することを防止するため、防腐剤を使用する必要がない。
【0030】
面状の封止部材32を構成していない実施形態では、O−リング等を形成する封止部材を収容するための封止溝を、取付面14の外側端面40に設けることも可能である。必要に応じて、ポンプハウジング26の外面30と対向する領域に、対応する封止溝を配置することも可能である。
【0031】
図5は、一例として、複数の冷却要素42,44,46を備えた冷却要素の集合体を示している。この冷却要素42,44,46は、冷却要素10に準拠して実質的に設計される。
【0032】
次のように、2つの冷却要素42,44は、それぞれ蛇行形状をなす冷却流路12を構成し、上述した冷却要素10に対応すると共に、取付面14に向けて開放されている。冷却要素42は、その側面18に流入口20及び流出口22を設けてあり、ここで、2つの流入口及び流出口は、接続の自由度に関して高い多様性を保つために端部領域に設けられている。
【0033】
冷却要素44は、冷却要素10に対応する設計であり、ここで、平行六面体の冷却要素は、正方形ではなく、長方形の取付面14を備える。図5に示されている別の冷却要素46は、実質的に互いに平行に延びる2つの冷却流路を備える。2つの冷却流路12夫々は、流出口22だけでなく流入口20を有する。2つの冷却流路12は、例えば異なる方向への流路を形成することが可能である。更に、真空ポンプの冷却要件に依っては、冷却流路12の一方のみを接続することが可能である。
【0034】
図5から7に例示される複数の冷却要素から構成される上記冷却要素の集合体によって、別の真空ポンプに対する冷却要素を作り出すことが可能となる。これらの冷却要素は、冷却要素の集合体における個々の冷却要素が異なる真空ポンプにおいて使用可能となるように、モジュール組み立て方式により設計される。異なる真空ポンプは、それぞれ寸法及び要件に依存して外面30が設計されるが、冷却要素の集合体のうち対応する冷却要素が使用可能となるため利点となる。このように、非常に高い多様性が実現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ室を形成するポンプハウジング(26)、及び
該ポンプハウジング(26)の平面状の外面(30)に配置される冷却要素(10,42,44,46)
を備え、
該冷却要素(10,42,44,46)は、前記ポンプハウジング(26)の外面(30)に向けて開放した少なくとも1つの冷却流路(12)を有することを特徴とする真空ポンプハウジング。
【請求項2】
前記冷却要素(10,42,44,46)は、別体として設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプハウジング。
【請求項3】
前記冷却要素(10,42,44,46)は、前記ポンプハウジング(26)の外面(30)に対向する平面状の取付面(14)を備え、該取付面(14)は、組み立てられた状態にて、好ましくは前記ポンプハウジング(26)の外面(30)と平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプハウジング。
【請求項4】
好ましくは面状の封止部材(32)が前記ポンプハウジング(26)の外面(30)に設けられており、更に好ましくは前記外面(30)を完全に覆ってあり、前記外面(30)は好ましくは処理されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項5】
前記ポンプハウジング(26)の外面(30)、及び/又は該外面と対向する前記冷却要素(10,42,44,46)の一面、好ましくは前記取付面(14)に、O−リング等の封止部材を収容する封止溝が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項6】
前記少なくとも1つの冷却流路(12)は蛇行形状をなすことを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項7】
各冷却流路(12)は、少なくとも1つの流入口(20)、及び少なくとも1つの流出口(22)を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項8】
前記流入口(20)及び/又は流出口(22)は、前記冷却要素(10,42,44,46)の側面(18)及び/又は外面(16)に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の真空ポンプハウジング。
【請求項9】
前記流入口(20)及び/又は流出口(22)は、好ましくは孔として形成されており、前記ポンプハウジング(26)の外面(30)側が開放されていないことを特徴とする請求項7又は8に記載の真空ポンプハウジング。
【請求項10】
前記冷却要素(10,42,44,46)に形成される少なくとも1つの冷却流路(12)の内面(34)は、未処理の鋳造表面であることを特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項11】
前記冷却要素(10,42,44,46)は、少なくとも部分的に消耗電極として構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項12】
前記冷却流路(12)の内側(34)、及び/又は外面(14,40)、及び/又は前記ポンプハウジング(26)の外面(30)に、耐腐食保護層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項13】
前記冷却要素(10,42,44,46)は、平行六面体状であるか、又は平行六面体状の基体により構成されていることを特徴とする請求項1から12の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項14】
前記冷却要素(10,42,44,46)における前記取付面(14)は、部分的に未処理の鋳造表面(38)を含み、該鋳造面は、特に前記少なくとも1つの冷却流路(12)の隣接部間の領域に存在することを特徴とする請求項1から13の何れか1つに記載の真空ポンプハウジング。
【請求項15】
異なる外側寸法を有する複数の冷却要素(10,42,44,46)を備え、
各冷却要素(10,42,44,46)は、組み立てられた状態にて真空ポンプハウジング(26)の外面に対向するように配置される取付面(14)側を開放した少なくとも1つの冷却流路(12)を有する
ことを特徴とする真空ポンプ用の冷却要素の集合体。
【請求項16】
冷却要素の集合体のうちの少なくとも2つの冷却要素(10,42,44,46)における取付面(14)は、異なる寸法を有し、好ましくは長方形の表面を有することを特徴とする請求項15に記載の冷却要素の集合体。
【請求項17】
少なくとも2つの冷却要素(10,42,44,46)は、互いに異なる断面を有する冷却流路(12)を備えることを特徴とする請求項15又は16に記載の冷却要素の集合体。
【請求項18】
請求項2から14の少なくとも1つに記載の冷却要素(10,42,44,46)を備えることを特徴とする請求項15から17の何れか1つに記載の冷却要素の集合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−524859(P2012−524859A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506469(P2012−506469)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055196
【国際公開番号】WO2010/122021
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(508206070)オーリコン レイボルド バキューム ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】