説明

真空ポンプ装置

【課題】 エゼクタでの吸引量を正確に把握することができる真空ポンプ装置を提供する。
【解決手段】 エゼクタ1とタンク2と循環ポンプ3を循環路7でそれぞれ接続する。エゼクタ1の吸引室5に排水管6を接続する。タンク2の内部に複数の電極棒10,11,12を取り付ける。タンク2の左側上部に循環流体補給管4を接続する。循環流体補給管4に流量計8を取り付ける。
電極棒10,11,12でタンク2内の水位から循環水量を演算し、循環流体補給管4から供給される補給水の水量を流量計8で演算して、前者の水量から後者の水量を差し引くことによって、エゼクタ1での吸引水量を正確に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エゼクタとタンクと循環ポンプを組み合わせた真空ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプ装置は、蒸気使用装置としてのシュリンクトンネルと、エゼクタと液体タンクと循環ポンプで構成された真空吸引手段とを、廃蒸気回収パイプで接続したもので、シュリンクトンネルからの廃蒸気を真空吸引手段で吸引することによって、モヤモヤと立ち込める廃蒸気を無くすことができるものである。
【0003】
この真空ポンプ装置においては、エゼクタで吸引した廃蒸気の吸引量を、正確に把握することができない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−5582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、エゼクタでの吸引量を正確に把握することができる真空ポンプ装置を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エゼクタとタンクと循環ポンプを連通して、タンク内の流体を循環ポンプの駆動によってエゼクタに供給するものにおいて、タンク内に循環流体を補給する循環流体補給管を接続して、当該循環流体補給管に補給流体量を検出することのできる流量計を取り付けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の真空ポンプ装置は、循環ポンプの駆動による循環流体量をタンクの液位から算出し、タンク内へ補給する流体量を流量計で検出して、前者から後者の流体量を差し引くことによって、エゼクタでの吸引量を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の真空ポンプ装置の実施例を示す構成図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の真空ポンプ装置は、循環流体補給管に流量計を取り付けるものであるが、この流量計としては、渦式流量計など従来周知のものを用いることができる。
【実施例1】
【0010】
図1において、エゼクタ1とタンク2と循環ポンプ3、及び、循環流体補給管4とで本発明の真空ポンプ装置を構成する。
【0011】
エゼクタ1の吸引室5に、吸引する流体例えば温水の流下する排水管6を接続する。エゼクタ1とタンク2と循環ポンプ3は、それぞれ循環路7で接続する。タンク2は密閉円筒状で、左側上部に循環流体補給管4を接続する。循環流体補給管4には、タンク2へ流入する補給流体としての冷却水量を検出することのできる流量計8を取り付ける。また、流量計8のタンク2側には、循環流体補給管4を開閉制御する自動弁9を取り付ける。タンク2の内部に、タンク2内の水位を検出することのできる複数の電極棒10,11,12を取り付ける。
【0012】
タンク2の右側下部から循環ポンプ3の吸入口を循環路7で接続し、循環ポンプ3の吐出口を循環路7でエゼクタ1と接続する。循環ポンプ3とエゼクタ1の間に、循環路7を分岐した余剰水排出管13を接続する。余剰水排出管13には、自動弁14を取り付ける。
【0013】
循環ポンプ3の駆動により、タンク2内の循環水をエゼクタ1へ供給することによって、エゼクタ1の吸引室5で所定の吸引力を発生して、排水管6を流下してくる温水を吸引してタンク2内へ圧送することができるものである。
【0014】
タンク2内の水位は電極棒10,11,12で検出され、下水位から上水位の間を上下し、上水位に達すると、余剰水排出管13の自動弁14が開弁して外部へ排出される。タンク2内の容積と電極棒10,11,12の高さは予め判っているために、下水位と上水位の移動サイクルを電極棒10,11,12で検出することで、排水管6から流入する温水の量を演算することができる。
【0015】
タンク2内には図示はしていないが水温を検出する温度センサを取り付けて、循環流体補給管4の自動弁9と電気接続する。タンク2内の水温が所定の高さに達すると、自動弁9が開弁して循環流体補給管4からタンク2内へ冷却水を補給するものである。このように、タンク2内へ補給される冷却水の量は、流量計8で検出される。
【0016】
上述した電極棒10,11,12でタンク2内の水位から演算する水量は、循環流体補給管4から供給される補給水の水量も含んでいるために、前者の水量から後者の水量を差し引くことによって、エゼクタ1での吸引水量を正確に把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、エゼクタでの吸引水量を正確に把握したい場合の真空ポンプ装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 エゼクタ
2 タンク
3 循環ポンプ
4 循環流体補給管
5 吸引室
6 排水管
8 流量計
10,11,12 電極棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エゼクタとタンクと循環ポンプを連通して、タンク内の流体を循環ポンプの駆動によってエゼクタに供給するものにおいて、タンク内に循環流体を補給する循環流体補給管を接続して、当該循環流体補給管に補給流体量を検出することのできる流量計を取り付けたことを特徴とする真空ポンプ装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−62813(P2012−62813A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207414(P2010−207414)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】