真空中の表面のプラズマ処理方法およびそのための装置
真空処理プロセスから所定の2次元の処理結果の平面分布を有する基板の表面を実現するために、不均一な密度分布のプラズマ(5)が発生され、このプラズマが所定の移動により基板(9)に対して相対的に移動し、プラズマ放電を供給する電気出力が時間的に変化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板のマグネトロンスパッタコーティングにおいて生じている需要から出発する。しかし、本発明によって見出された解決策は、真空処理プロセスによって処理される基板表面に一般的に使用できることが判明している。
【0002】
定義
本発明の枠組の中で真空処理プロセスおよび対応する基板に及ぼす前記真空処理プロセスの作用のもとに以下のプロセスが理解されている。
a)プラズマ支援により材料が反応性または非反応性のプラズマエッチングの場合のように基板表面から除去されるプロセス、
b)反応性のプラズマ支援による後処理、たとえば基板表面材料の後酸化のような、材料が基板表面で改質されるプロセス、
c)反応性であれ、非反応性であれ、あるいはプラズマ励起CVD法を利用するものであれ、材料が基板表面上に塗布されるプロセス。その際に材料が固相からプロセス雰囲気中に遊離され、直接的またはガスと反応後に基板表面で取り去られる場合、これは、排他的に前記材料の遊離が固体相から材料ソースに生じ、そこでただ1種の物質のみの固相が存在するときに観察されるプロセスである。
【背景技術】
【0003】
プロセス雰囲気中へ遊離するために、固相中に異なる材料を有する2つまたはそれ以上のソースが存在する場合、遊離プロセスおよび対応する材料もしくは個々の材料を有するコーティングプロセスの各々はそれ自体真空処理プロセスとみなされる。このような場合に同時に2つまたはそれ以上の処理プロセスが実施される。
【0004】
マグネトロンスパッタコーティングの基板表面において、すでに今日、それぞれ基板の表面に垂直の断面でこの分布を観察すると、良好な層厚分布が達成されている。しかし前記断面でそれぞれ良ないし非常に良として生じる層厚分布を相互に−つまり断面から断面へ−比較すると、ここに層厚分布として表面全体にわたり2次元的に観察して不満足な分布が生じている。たとえばスパッタコーティングされた円盤状の基板に層厚が基板周縁に沿って受容されるとき、多くのアプリケーション目的に対し全く満足できない分布が生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、基本的に表面が所定の2次元の処理結果の平面分布を有する、真空処理プロセスによって処理された表面を備える基板の製造方法を提案することである。本発明によって見出された解決策は、
−局所的に不均一な密度分布を有するプラズマ放電を発生すること、
−基板が不均一な密度分布のプラズマ放電の作用にさらされること、
−処理結果の分布が、
−不均一な密度分布と基板との所定の相対運動の発生と、
−放電を供給する電気出力の所定の時間的変化および/または必要な場合は基板をバイアスに印加する所定の別の電気信号の発生と、
−前記変化および前記移動の調整と、によって発生すること、にその本質がある。
【0006】
たとえば処理結果の所定の均一な平面分布を達成するために、期待されるような、可能な限り均一な密度分布のプラズマ放電が目指されず、局所的に不均一であるプラズマ放電
、すなわち明らかに他の領域よりも増大したプラズマ密度をもつ領域を有する。不均一な密度分布と出力変化の相対運動の調整を限定することによって基板表面で処理結果の平面分布が調整される。
【0007】
両方の量、すなわち前記の運動および前記の時間的変化は、それによって調整される独立の量もしくは前記量に依存する関数「処理結果分布」の変数として使用される。
【0008】
本発明と同一の出願人のヨーロッパ特許第1 254 970号明細書から以下が知られている。
【0009】
マグネトロンスパッタリング配列から様々な物質がプロセス雰囲気中で遊離される。様々な物質からなるターゲット部はそれぞれ1つのソースを形成し、該ソースで各物質がプロセス雰囲気中に遊離される。ターゲット部によって形成された個々の固形物質ソースは、その際に共通のマグネトロン配列から動かされる。様々な物質によりそれぞれ両方のソースの各スパッタリング条件に調整し、かつただ1つのマグネトロン配列を利用して調整するために、一方でマグネトロン配列のマグネトロン磁界が所定のターゲット部へ移動され、それによって基板と相対的にも移動され、ターゲット材料特異的に磁界移動と共に両方のソースを介してスパッタ出力も時間で変化される。それによって両方のソースの様々なスパッタ特性を構造的に極く簡単にマグネトロン配列から考慮することも可能である。
【0010】
好ましい変形態様において優れた極大密度を有する少なくとも1つの領域を有するプラズマ放電が作られる。
【0011】
所定の相対運動の発生は、第1実施形態において、放電が作られる真空受容体に対して基板が移動されることによって実現される。この場合不均一な密度分布のプラズマ放電は、その極大密度 − および極小密度の位置で、受容体中に固定して保持でき、あるいは該受容体中で同様に移動することができる。
【0012】
しかし、好ましい実施形態において、さらに好ましくは基板の固定保持によって所定の相対運動の発生が真空受容体に対する不均一な密度分布の所定の移動によって作られる。
【0013】
本発明に係る製造方法のもう1つの好ましい実施形態において、不均一な密度分布は磁界を利用して少なくとも同時に作られる。
【0014】
それによって、ここで特に好ましい実施形態に従って、不均一なプラズマ密度分布の相対運動を実現する簡単な可能性、すなわち磁界分布が同様に不均一な、放電が作られる受容体中で移動されることによって作られる。
【0015】
プラズマ放電は、直流(DC)、交流(AC)、DCとACの組合せを利用して、あるいは高周波(Hf)を利用して作られる。同様に、必要な場合は、基板がDC、AC、DCとACの組合せまたはHf供給を利用してバイアスに印加させることができ、その場合に好ましくはプラズマ放電を働かせる電気信号の変化に付加して、このバイアス信号が付与されて時間的に変化される。この関連性でAC信号の時間的変化について述べるときは、該信号の角度 − または振幅変化、つまり前記信号の変調が意味されている。
【0016】
本発明に係る方法の最も好ましい実施形態において、真空処理プロセスはマグネトロンスパッタプロセスとして形成され、所定の相対運動が少なくともターゲットスパッタ面に対するマグネトロントンネル磁界の所定の移動によっても実現される。
【0017】
マグネトロンスパッタリングの場合、ターゲットのスパッタ面全体に磁界が発生され、
この磁界は、スパッタ面から出て、次にスパッタ面に再び入り込むため、ある区間で本質的にターゲット面と平行に延びる力線によって1つまたは複数のトンネル状の力線パターンを形成する磁界を作ることが知られている。力線がスパッタ面と平行に延びる該力線の領域に集中して周知の効果、アバランシェ効果、増加したプラズマ密度のチューブ状の領域によって発生する。これはスパッタ面が増大して浸食される増加したプラズマ密度の前記領域にあり、マグネトロンスパッタリングとの関係で知られる浸食穴になる。ここで特にターゲット材料をより良く利用するために、とりわけターゲット下方に移動したマグネトロン配列を設けることによって、力線パターンをスパッタコーティング中にスパッタ面に沿って移動することが知られている。
【0018】
そこから、すでにその箇所に基板に対して不均一なプラズマ密度分布を移動する手段を設けているために、本方法による実行に特にマグネトロンスパッタリングが好適であることが明らかである。
【0019】
従って、基本的に好適に、真空受容体の外部および/または内部の磁界発生配列の機械的移動によって、基板に対してプラズマの局所的に不均一な密度分布の相対運動が実現される。
【0020】
このような配列は、たとえば電磁石、コイル配列、たとえばヘルムホルツコイル、偏向コイルによって、ターゲット下方の磁石配列を備えるマグネトロンで回転させ、または所定のx−およびy−移動、直線的および相互依存性で移動されることによって実現される。しかしまた機械的移動の代わりに、固定して取り付けられたコイル配列の制御された時間変数の駆動によって、磁界を電気的に移動することができる。磁界発生器の機械的移動と、この場合さらに機械的にも移動できるコイルの電気的な時間変数の駆動は、どのようにでも組み合わせることができる。
【0021】
目下、基板の移動は、現実性からみて、あまり好適ではないと思われる。
【0022】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態において、所定の相対運動と所定の時間的変化とがそれぞれ周期的に発生され、その依存関係は同期によって作られる。この場合、一般的にそれぞれ発生した周期性を等しく形成する必要がないことを指摘しておく。前記の時間的変化および前記の相対運動の周期は全く異なっていてよく、しかも一方の周期が他方の整数倍でもよく、あるいは周期は互いに非整数的関係であってもよい。
【0023】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態において、放電を利用して固形物が処理雰囲気中で遊離される。さらに前記雰囲気中に反応性ガスが入れられる。表面上の固形物と反応性ガスの成分との間の化合比の分布は処理結果として調整される。
【0024】
たとえば固形物として1種の金属が反応性ガスを含む処理雰囲気中で遊離される場合、表面に沈積する化合物質の化学量論の分布が達成されるべき処理結果の意味で調整される。
【0025】
本発明に係る方法の特に好ましい実施形態において、処理結果は前記表面のコーティングである。しかしこの場合、処理結果は処理表面のエッチング、両方の、コーティングまたはエッチング、反応性または非反応性であってもよい。
【0026】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態において、処理終了前に、処理中間結果が測定され、目標処理中間結果と比較され、比較結果の関数で所定の相対運動および/または時間的変化が後調整される。この場合、さらに好ましくは、真空遮断なしに前記測定が行われる。その際に基板は完全に真空から他方へ、たとえば処理雰囲気から測定雰囲気に移
行することができ、あるいは前記測定は、さらに好ましくは、現位置(in situ)で基板処理中に、つまり処理プロセス雰囲気中で行われる。次に、さらに好ましくは、この測定結果が測定された制御量として、所定の相対運動および/または時間的変化を処理結果制御のための調整量として設定する制御回路に供給される。
【0027】
提案された方法は、特に表面音波に基づいてまたは「体積音波」によって作動するコンポーネントの製造に適している。
【0028】
特に本発明に係る製造方法を実施するための、本発明に係るプラズマ処理チャンバは、請求項20に詳細に規定し、その好ましい実施形態は、請求項21および22に規定する。
【0029】
本発明は、以下、たとえば図を利用して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1を利用して、本発明に係る製造方法ならびに本発明に係る処理チャンバの基本原理を紹介する。セレクタスイッチ3aで概略的に示したように、接地または必要な場合は別の基準電位φ1に電気的に印加されている真空受容体1の中に、プラズマ放電区間5が設けられており、電極5aと電極5bとにより概略的に示している。プラズマ放電区間5は発生器7を利用して電気的に駆動され、これはDC−、AC−、DC+AC−またはHf発生器としてよい。もちろん所定のプラズマ放電の分類に従って電極5a、5bも当業者によく知られているように形成される。
【0031】
さらにセレクタスイッチ3bを概略的に示しているように、発生器7はそれぞれの使用目的に応じて電気的に移動して接地電位または別の基準電位φ2に印加することができ、これはもちろん同じφ1を選択してもよい。
【0032】
発生器7は変調入力7MODを有し、該変調入力に基本的に区間5に供給する電気信号E5を、DC値および/または位相および/または振幅および/または時間推移に対する時間で変調することができる。
【0033】
プラズマ放電区間5は、プラズマ放電区間5が不均一な密度分布のプラズマを発生するように形成されている。2次元の不均一なプラズマ密度分布は図1にρPLで、たとえば極大密度Mで示している。プラズマ密度分布ρPLは、基板9に対して所定の運動で移動できる。
【0034】
当業者に、局所的にプラズマ密度を上昇させ(たとえば移動したプラズマビーム)と共に不均一なプラズマ密度分布を作り、かつ移動させるその他の措置も充分に知られているが、図1はこれを磁界を利用して実現する可能性を示している。そのためにプラズマ内に局所的に、たとえば制御されて移動するコイル配列により磁界
【0035】
【数1】
【0036】
が作られる。放電区間5内の磁界分布は、コイル配列Lの機械的移動によって、図1にモータ駆動装置13で概略的に示したように移動する。コイル配列Lの駆動装置13によって励起された運動は、制御入力13SX、13SYでそれぞれ駆動装置13のx−およびy−方向に付与されている。本発明の枠内において、基板担体もしくは基板9に対して所定の
移動のプラズマの不均一な密度分布ρPLが励起されることが本質的であり、これは図1に従ってプラズマ区間5内の磁界分布の対応する所定の移動によって行われる。
【0037】
プラズマ放電区間5の電気供給信号E5の変調に代わりまたは付加して、基板担体もしくは基板9は、信号発生器15を利用してバイアスに、基本的には再びDC、AC、AC+DCまたはHfに印加することができる。これは、別のセレクタスイッチ3cで概略的に示しているように、接地電位または別の基準電位φ3に関係する。
【0038】
基板担体9のこのバイアス印加が考慮されている場合、発生器15は、好ましくは変調入力15MODも有し、この変調入力にバイアス信号が、すでにプラズマ放電区間5の駆動のための信号E5に対して説明したように、時間で変調もしくは変化される。
【0039】
各記号は以下を表す:
Es:プラズマ放電の電気供給信号(電流および/または電圧)
B(x(t),y(t)):基板に対する分布ρPLのx/y移動、略してBでも表す。
E9:基板バイアス信号
E5、BもしくはE9、Bが周期的信号である場合、対応して7MCD、13Sもしくは5MOD、13Sで調整され、各振幅、時間的信号経過(パルス、台形、三角形、正弦等々)のほかに、それらに信号周期もしくは−周波数も調整される。
【0040】
図1を利用して示されたように、処理される基板表面に対する不均一なプラズマ密度分布ρPLの相対運動は、受容体1に対するプラズマ密度分布ρPLの変位もしくは移動によって行うことができる。しかし、もちろん必要な場合は付加的に基板担体もしくは基板9を受容体1に対して移動することも全く可能である。処理時間全体にわたって見ると、および前記移動によって調整可能のパターンによれば、基板表面は連続的に不均一なプラズマ密度分布ρPLによって上塗されることが本質的である。同時に、上述のように、放電電圧もしくは放電電流の変化および/または、考慮されている場合、バイアス電圧の変化を基板で全時間にわたり行われる。
【0041】
基板に対する不均一なプラズマ密度分布ρPLの移動に関して、この移動は2次元(x、y)であることを指摘しておかなければならない。
【0042】
図2に、さらに大幅に概略的に、基板担体21上の円盤状の基板19を平面図で示している。図1のプロセスチャンバ1はこの図面に示していない。ここでも描いていないプラズマ放電区間に真空受容体内に固定してプラズマ放電PLが、図2に示すように、本質的に2次元の不均一なプラズマ密度分布ρPLにより調整される。駆動装置13Xおよび13yを利用して基板担体21と共に、基板19がチャンバに固定される不均一な密度分布ρPLと相対的に移動される。制御信号13SXにより基板担体のx移動が駆動され、制御信号13SYによりy移動が駆動される。
【0043】
図3に、たとえば時間tにわたり移動B(x、y)ならびにE5もしくはE9の経過が示されている。図3に示した移動BXおよびByは、同じ周期Tを有し、他方、信号E5もしくはE9は周期T’=(1/2)×Tを有する。周期信号で相互の位相状態が調整される。位相状態Δφxyがx方向の移動とy方向の移動との間で、ならびに位相状態がE5と、たとえばBx、ΔφEBとの間で調整される。この場合、2もしくは3信号の周期は整数または非整数の有理係数だけシフトさせることができる。この周期が周期的である場合、好ましくは位相シフトΔφxy、ΔφESが調整され、信号は位相ロックの意味で同期される。さらに好ましくはBxに対して、極大値および極小値Bmaxx、Bminxまたは移動シフトBHXが調整され、同様に、図3に示したように、y移動成分ならびにE5もしくはE9に対しても調整される。さらに好ましくは、各信号の時間経過が、図3に(a)でBxの経過で
示すように調整される。
【0044】
特に前記の量とその相互の調整の対応する選択によって、本発明によりプラズマ処理された基板表面で処理結果の平面分布が調整される。
【0045】
図1および2を利用して示したような方法によって、処理結果として、エッチングプロフィルを基板表面で非反応性または反応性エッチング方法で調整することができる。プラズマ励起化学蒸着法(PECVD)の場合も、図示した方式により、観察した基板表面上に沈積した層の平面プロフィルを調整することができる。反応性方法で、またはPEVCD法の場合も、一定の反応性ガス分圧が基板表面にわたって調整されるとき、図示した方法は、層厚もしくは化学量論比に対して標定して堆積層の生ずる平面分布を整えることを可能にする。
【0046】
上述のように、本発明の本質により処理される基板表面に対して不均一なプラズマ密度分布ρPLが移動されている。
【0047】
とりわけ不均一なプラズマ密度分布は、その箇所にトンネル状の磁界ループに沿って高いプラズマ密度の領域がターゲットスパッタ面にわたって作られることによって、マグネトロンスパッタリングに使用される。冒頭に述べたように、マグネトロンスパッタリングの場合、特に、たとえばターゲットの下で移動する磁石配列を設けることによって、ターゲット材料利用の増加の理由から、トンネル磁界領域と共に不均一なプラズマ密度分布を移動することは、充分普通に行われている。従ってマグネトロンスパッタリングは、本発明に係る方法に従って使用されるために、まさに理想的に提供される。この場合、マグネトロン放電は、DC、AC、AC+DCの組合せ、またはHfで駆動させることができる。さらに、これは反応性マグネトロンスパッタリングまたは非反応性マグネトロンスパッタリングとしてよい。
【0048】
冒頭に述べたように、本発明もマグネトロンスパッタコーティング技術から生じる需要に対応して作られており、図1ないし3を利用して説明したように、まったく基本的に基板表面に沿ってプラズマ処理の作用−もしくは結果分布の調整に拡大される。
【0049】
図4に、本発明に係る真空処理チャンバをマグネトロンスパッタコーティングチャンバの形態で表しており、このチャンバで本発明に係る製造方法が実施される。真空チャンバ30は、ポンプ装置32を介して排気可能である。ターゲットバックプレート44上に被スパッタリング材料からなるターゲット33が取り付けられる。真空チャンバ30の外部のターゲットバックプレート44の後部に磁石システム35がある。この磁石システムは、それに対して非対称的に配置された、たとえば平面図で腎臓形−これは図6を参照されたい−の永久磁石40の配列を有する、中心軸A周りに駆動される回動可能の磁石担体ディスク36を含む。必要な場合は磁石配列の磁石40を駆動し、Rで示したようにその軸A周りの回動ωに加えて半径方向にも駆動して移動させることができる。磁石配列40を利用して、概略的にHで示したように、特に不均一な磁界が基板担体43上の基板45に対して移動される。
【0050】
磁石配列35の回動は、制御入力37Sを有するモータによって発生され、検出器配列37を利用して走査される。検出器ユニット37の走査パルスIは、ユニット41で調整可能に時間遅延される、τ:出力側で時間遅延したパルスI(τ)、たとえば正弦状の信号E5をトリガもしくは同期する。従って図3に戻ってτΔφEBで設定される。発生器38、38sの別の制御入力でE5の正弦状の信号成分の長さが調整される。
【0051】
処理チャンバ30の中へ、42で示したように、作業ガス好ましくはアルゴン用のガス
管が接合され、必要な場合は同じガス供給部を介して、しかし好ましくは概略的に50で示したガス噴射器を利用して、反応性ガスが反応性マグネトロンスパッタコーティングのためにプロセス空間の中に流される。
【0052】
基板45の表面上に少なくとも近似的に等しく分布された反応性ガスの分圧が発生され、不均一な密度分布のマグネトロンプラズマの移動の調整と、プラズマ放電出力E5の時間的誘導とによって、基板表面に沿って層の組成分布または層厚分布を調整することができる。
【0053】
図5により本発明に係る方法の実施中に現位置で測定装置51を利用して、たとえばエリプソメータ法を利用して、電気抵抗測定、表面のプロフィル測定が光学的反射法等を利用して固定式、場合により可動式の測定感知器を用いて、処理結果の分布が基板54の表面で検出される。測定結果xは微分ユニット56で所定の結果分布Wと比較される。この場合、すでに実行された処理時間に対して2次元の基準となる目標分布と、瞬間的に測定によって算出された結果分布の比較が行われる。実分布(X)と目標分布(W)との間の偏差は、計算ユニットRを介してプラズマ放電用の発生器ユニット58および/または不均一なプラズマ密度分布ρPLの移動用の案内ユニット60の調整信号58sとして基板表面に対して供給される。発生時に把握される処理作用のこの種の現位置制御に代わり、所定のまたは指定可能の処理時間部分後に基板を処理チャンバから測定チャンバへ、真空条件を維持したまま移行し、そこで中間結果としてそれまでに達成された処理結果もしくはその分布を検出し、基板を処理チャンバへ戻して案内し、そこで対応して適合された量を不均一なプラズマ密度分布とプラズマ放電出力E5の移動に対してプロセスをさらに誘導することも充分可能である。
【0054】
以下、本発明に従って実施されたマグネトロンスパッタコーティングによる、原理的に図5に示したような装置を利用する製造方法で達成されるような結果を紹介する。
【0055】
実験構造:
・処理チャンバ:CLC 200 BB281100 x
・真空ポンプ:Cryo CTI Cryogenics PJ9744445
・マグネトロン磁石システム:MB 300DK ALN02
・DC電源:Pinnacle(アドバンスト・エナジー社)、ad cup 10 kW M/N 3152436−100Aで補完
・層厚記録:スペクトル・エリプソメータWVASE M−2000F、3.333型
・基板:6インチ−シリコーンウェハ
・窒素含有雰囲気中のアルミニウムターゲットAlNからのマグネトロンスパッタコーティング
・放電出力の平均値:
【0056】
【数2】
【0057】
・出力変調形式:正弦
・出力変調周波数:5.95Hz
・出力変調E5による図4記載の磁石配列回動ωの調整可能の位相ロック
・調整可能のE5の変調シフト。
【0058】
図6は一定の回転速度ωで駆動されるマグネトロン配列の磁石システムを表す平面図で
ある。
【0059】
図7に6インチ基板による処理結果すなわちAlN層と反応性マグネトロンスパッタコーティングの平面分布を示している。a1:放電出力E5の変調なしの基準例である。
【0060】
変調シフト5.6%によりここでプラズマ出力E5がロックされた位相ΔφEB=0で変調された。図8はその結果を示す。
【0061】
図9記載の層厚分布は、さらにロックされた90゜の位相ΔφEBで放電出力5.6%の変調シフトで生じる。
【0062】
さらに変調シフト5.6%の順守と、さらにΔφEB=180゜への位相回転により、図10記載の分布が生じる。さらに位相差ΔφEBが270゜に上昇すると、図11に示すような分布となった。さらに一様の変調シフトにより最終的に位相状態がΔφEB=195゜に最適化された。図12に示した分布が生じる。
【0063】
図13記載の分布を得るために、ここでさらに図12により一定に負荷した位相状態ΔφEB=195゜で変調シフトが5.6%から8.7%に上昇する。
【0064】
初めに位相最適化で、次に変調シフト最適化によるシーケンスから、本発明に従って一方で不均一な密度分布のプラズマとプラズマ放電供給信号の時間変化との間の移動の調整によって、所望の平面作用分布、ここでは層厚分布を、どのように達成できるかが明らかである。つまり、たとえば図13に従って、どのように所望の方位角と半径方向に可能な限り均一に、すなわち一様な層厚分布を達成できるかが明らかである。
【0065】
図14に、これまでと多少異なる視点から本発明の主適用を概略的に示している。上述のように、本発明により達成された処理結果の分布の1つが層厚分布である。図14に従って平らな基板の表面Tに、本発明による方法に従って、表面Sと、表面Tに沿った厚さdの分布とを有する層が堆積する。基板の平らな表面Tに、座標系xT/yTおよびzTで、場所x0/y0におかれるとき、z軸は前記場所で面法線NTの方向を有する。層表面Sで、ここで本発明により同一の場所x0/y0に面法線N5が面法線NTの方向に対して空間的に傾斜しており、場所x0/y0で表面S内の座標系に相当する。本質的に平らな基板表面Tに対する層表面Sの前記傾斜または一般的に平らではない表面Tが層傾斜と呼ばれる。本発明の本質的な適用事例は、層傾斜を空間的に所定の比率に置くことであり、しかも必要な場合は基板表面Tに沿って局所的に異なることである。本発明に従って目指されている層傾斜は、この場合少なくとも表面Tの領域で零とすることができ、その場合は方向Nsが方向NTと一致する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の製造方法を実施するための、また本発明を原理的に説明するための、本発明により使用する処理チャンバの概略図である。
【図2】さらに本発明による不均一な密度分布のプラズマ中で移動する基板の概略的平面図である。
【図3】たとえば、基板と不均一なプラズマの密度分布との間の移動経過ならびに、たとえば、プラズマを供給する電気出力の時間的経過である。
【図4】本発明に係る方法がマグネトロンスパッタソースを利用して実現された本発明に係る処理チャンバの簡略な縦断面図である。
【図5】基板処理中に発生する処理結果の現位置検出と、制御された方法としての本発明による方法の誘導の概略図である。
【図6】図4記載の装置に以下に示す実験に使用されたマグネトロン磁石配列の配置の平面図である。
【図7】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図8】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図9】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図10】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図11】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図12】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図13】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図14】本発明により達成された層傾斜の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板のマグネトロンスパッタコーティングにおいて生じている需要から出発する。しかし、本発明によって見出された解決策は、真空処理プロセスによって処理される基板表面に一般的に使用できることが判明している。
【0002】
定義
本発明の枠組の中で真空処理プロセスおよび対応する基板に及ぼす前記真空処理プロセスの作用のもとに以下のプロセスが理解されている。
a)プラズマ支援により材料が反応性または非反応性のプラズマエッチングの場合のように基板表面から除去されるプロセス、
b)反応性のプラズマ支援による後処理、たとえば基板表面材料の後酸化のような、材料が基板表面で改質されるプロセス、
c)反応性であれ、非反応性であれ、あるいはプラズマ励起CVD法を利用するものであれ、材料が基板表面上に塗布されるプロセス。その際に材料が固相からプロセス雰囲気中に遊離され、直接的またはガスと反応後に基板表面で取り去られる場合、これは、排他的に前記材料の遊離が固体相から材料ソースに生じ、そこでただ1種の物質のみの固相が存在するときに観察されるプロセスである。
【背景技術】
【0003】
プロセス雰囲気中へ遊離するために、固相中に異なる材料を有する2つまたはそれ以上のソースが存在する場合、遊離プロセスおよび対応する材料もしくは個々の材料を有するコーティングプロセスの各々はそれ自体真空処理プロセスとみなされる。このような場合に同時に2つまたはそれ以上の処理プロセスが実施される。
【0004】
マグネトロンスパッタコーティングの基板表面において、すでに今日、それぞれ基板の表面に垂直の断面でこの分布を観察すると、良好な層厚分布が達成されている。しかし前記断面でそれぞれ良ないし非常に良として生じる層厚分布を相互に−つまり断面から断面へ−比較すると、ここに層厚分布として表面全体にわたり2次元的に観察して不満足な分布が生じている。たとえばスパッタコーティングされた円盤状の基板に層厚が基板周縁に沿って受容されるとき、多くのアプリケーション目的に対し全く満足できない分布が生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、基本的に表面が所定の2次元の処理結果の平面分布を有する、真空処理プロセスによって処理された表面を備える基板の製造方法を提案することである。本発明によって見出された解決策は、
−局所的に不均一な密度分布を有するプラズマ放電を発生すること、
−基板が不均一な密度分布のプラズマ放電の作用にさらされること、
−処理結果の分布が、
−不均一な密度分布と基板との所定の相対運動の発生と、
−放電を供給する電気出力の所定の時間的変化および/または必要な場合は基板をバイアスに印加する所定の別の電気信号の発生と、
−前記変化および前記移動の調整と、によって発生すること、にその本質がある。
【0006】
たとえば処理結果の所定の均一な平面分布を達成するために、期待されるような、可能な限り均一な密度分布のプラズマ放電が目指されず、局所的に不均一であるプラズマ放電
、すなわち明らかに他の領域よりも増大したプラズマ密度をもつ領域を有する。不均一な密度分布と出力変化の相対運動の調整を限定することによって基板表面で処理結果の平面分布が調整される。
【0007】
両方の量、すなわち前記の運動および前記の時間的変化は、それによって調整される独立の量もしくは前記量に依存する関数「処理結果分布」の変数として使用される。
【0008】
本発明と同一の出願人のヨーロッパ特許第1 254 970号明細書から以下が知られている。
【0009】
マグネトロンスパッタリング配列から様々な物質がプロセス雰囲気中で遊離される。様々な物質からなるターゲット部はそれぞれ1つのソースを形成し、該ソースで各物質がプロセス雰囲気中に遊離される。ターゲット部によって形成された個々の固形物質ソースは、その際に共通のマグネトロン配列から動かされる。様々な物質によりそれぞれ両方のソースの各スパッタリング条件に調整し、かつただ1つのマグネトロン配列を利用して調整するために、一方でマグネトロン配列のマグネトロン磁界が所定のターゲット部へ移動され、それによって基板と相対的にも移動され、ターゲット材料特異的に磁界移動と共に両方のソースを介してスパッタ出力も時間で変化される。それによって両方のソースの様々なスパッタ特性を構造的に極く簡単にマグネトロン配列から考慮することも可能である。
【0010】
好ましい変形態様において優れた極大密度を有する少なくとも1つの領域を有するプラズマ放電が作られる。
【0011】
所定の相対運動の発生は、第1実施形態において、放電が作られる真空受容体に対して基板が移動されることによって実現される。この場合不均一な密度分布のプラズマ放電は、その極大密度 − および極小密度の位置で、受容体中に固定して保持でき、あるいは該受容体中で同様に移動することができる。
【0012】
しかし、好ましい実施形態において、さらに好ましくは基板の固定保持によって所定の相対運動の発生が真空受容体に対する不均一な密度分布の所定の移動によって作られる。
【0013】
本発明に係る製造方法のもう1つの好ましい実施形態において、不均一な密度分布は磁界を利用して少なくとも同時に作られる。
【0014】
それによって、ここで特に好ましい実施形態に従って、不均一なプラズマ密度分布の相対運動を実現する簡単な可能性、すなわち磁界分布が同様に不均一な、放電が作られる受容体中で移動されることによって作られる。
【0015】
プラズマ放電は、直流(DC)、交流(AC)、DCとACの組合せを利用して、あるいは高周波(Hf)を利用して作られる。同様に、必要な場合は、基板がDC、AC、DCとACの組合せまたはHf供給を利用してバイアスに印加させることができ、その場合に好ましくはプラズマ放電を働かせる電気信号の変化に付加して、このバイアス信号が付与されて時間的に変化される。この関連性でAC信号の時間的変化について述べるときは、該信号の角度 − または振幅変化、つまり前記信号の変調が意味されている。
【0016】
本発明に係る方法の最も好ましい実施形態において、真空処理プロセスはマグネトロンスパッタプロセスとして形成され、所定の相対運動が少なくともターゲットスパッタ面に対するマグネトロントンネル磁界の所定の移動によっても実現される。
【0017】
マグネトロンスパッタリングの場合、ターゲットのスパッタ面全体に磁界が発生され、
この磁界は、スパッタ面から出て、次にスパッタ面に再び入り込むため、ある区間で本質的にターゲット面と平行に延びる力線によって1つまたは複数のトンネル状の力線パターンを形成する磁界を作ることが知られている。力線がスパッタ面と平行に延びる該力線の領域に集中して周知の効果、アバランシェ効果、増加したプラズマ密度のチューブ状の領域によって発生する。これはスパッタ面が増大して浸食される増加したプラズマ密度の前記領域にあり、マグネトロンスパッタリングとの関係で知られる浸食穴になる。ここで特にターゲット材料をより良く利用するために、とりわけターゲット下方に移動したマグネトロン配列を設けることによって、力線パターンをスパッタコーティング中にスパッタ面に沿って移動することが知られている。
【0018】
そこから、すでにその箇所に基板に対して不均一なプラズマ密度分布を移動する手段を設けているために、本方法による実行に特にマグネトロンスパッタリングが好適であることが明らかである。
【0019】
従って、基本的に好適に、真空受容体の外部および/または内部の磁界発生配列の機械的移動によって、基板に対してプラズマの局所的に不均一な密度分布の相対運動が実現される。
【0020】
このような配列は、たとえば電磁石、コイル配列、たとえばヘルムホルツコイル、偏向コイルによって、ターゲット下方の磁石配列を備えるマグネトロンで回転させ、または所定のx−およびy−移動、直線的および相互依存性で移動されることによって実現される。しかしまた機械的移動の代わりに、固定して取り付けられたコイル配列の制御された時間変数の駆動によって、磁界を電気的に移動することができる。磁界発生器の機械的移動と、この場合さらに機械的にも移動できるコイルの電気的な時間変数の駆動は、どのようにでも組み合わせることができる。
【0021】
目下、基板の移動は、現実性からみて、あまり好適ではないと思われる。
【0022】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態において、所定の相対運動と所定の時間的変化とがそれぞれ周期的に発生され、その依存関係は同期によって作られる。この場合、一般的にそれぞれ発生した周期性を等しく形成する必要がないことを指摘しておく。前記の時間的変化および前記の相対運動の周期は全く異なっていてよく、しかも一方の周期が他方の整数倍でもよく、あるいは周期は互いに非整数的関係であってもよい。
【0023】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態において、放電を利用して固形物が処理雰囲気中で遊離される。さらに前記雰囲気中に反応性ガスが入れられる。表面上の固形物と反応性ガスの成分との間の化合比の分布は処理結果として調整される。
【0024】
たとえば固形物として1種の金属が反応性ガスを含む処理雰囲気中で遊離される場合、表面に沈積する化合物質の化学量論の分布が達成されるべき処理結果の意味で調整される。
【0025】
本発明に係る方法の特に好ましい実施形態において、処理結果は前記表面のコーティングである。しかしこの場合、処理結果は処理表面のエッチング、両方の、コーティングまたはエッチング、反応性または非反応性であってもよい。
【0026】
本発明に係る方法の別の好ましい実施形態において、処理終了前に、処理中間結果が測定され、目標処理中間結果と比較され、比較結果の関数で所定の相対運動および/または時間的変化が後調整される。この場合、さらに好ましくは、真空遮断なしに前記測定が行われる。その際に基板は完全に真空から他方へ、たとえば処理雰囲気から測定雰囲気に移
行することができ、あるいは前記測定は、さらに好ましくは、現位置(in situ)で基板処理中に、つまり処理プロセス雰囲気中で行われる。次に、さらに好ましくは、この測定結果が測定された制御量として、所定の相対運動および/または時間的変化を処理結果制御のための調整量として設定する制御回路に供給される。
【0027】
提案された方法は、特に表面音波に基づいてまたは「体積音波」によって作動するコンポーネントの製造に適している。
【0028】
特に本発明に係る製造方法を実施するための、本発明に係るプラズマ処理チャンバは、請求項20に詳細に規定し、その好ましい実施形態は、請求項21および22に規定する。
【0029】
本発明は、以下、たとえば図を利用して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1を利用して、本発明に係る製造方法ならびに本発明に係る処理チャンバの基本原理を紹介する。セレクタスイッチ3aで概略的に示したように、接地または必要な場合は別の基準電位φ1に電気的に印加されている真空受容体1の中に、プラズマ放電区間5が設けられており、電極5aと電極5bとにより概略的に示している。プラズマ放電区間5は発生器7を利用して電気的に駆動され、これはDC−、AC−、DC+AC−またはHf発生器としてよい。もちろん所定のプラズマ放電の分類に従って電極5a、5bも当業者によく知られているように形成される。
【0031】
さらにセレクタスイッチ3bを概略的に示しているように、発生器7はそれぞれの使用目的に応じて電気的に移動して接地電位または別の基準電位φ2に印加することができ、これはもちろん同じφ1を選択してもよい。
【0032】
発生器7は変調入力7MODを有し、該変調入力に基本的に区間5に供給する電気信号E5を、DC値および/または位相および/または振幅および/または時間推移に対する時間で変調することができる。
【0033】
プラズマ放電区間5は、プラズマ放電区間5が不均一な密度分布のプラズマを発生するように形成されている。2次元の不均一なプラズマ密度分布は図1にρPLで、たとえば極大密度Mで示している。プラズマ密度分布ρPLは、基板9に対して所定の運動で移動できる。
【0034】
当業者に、局所的にプラズマ密度を上昇させ(たとえば移動したプラズマビーム)と共に不均一なプラズマ密度分布を作り、かつ移動させるその他の措置も充分に知られているが、図1はこれを磁界を利用して実現する可能性を示している。そのためにプラズマ内に局所的に、たとえば制御されて移動するコイル配列により磁界
【0035】
【数1】
【0036】
が作られる。放電区間5内の磁界分布は、コイル配列Lの機械的移動によって、図1にモータ駆動装置13で概略的に示したように移動する。コイル配列Lの駆動装置13によって励起された運動は、制御入力13SX、13SYでそれぞれ駆動装置13のx−およびy−方向に付与されている。本発明の枠内において、基板担体もしくは基板9に対して所定の
移動のプラズマの不均一な密度分布ρPLが励起されることが本質的であり、これは図1に従ってプラズマ区間5内の磁界分布の対応する所定の移動によって行われる。
【0037】
プラズマ放電区間5の電気供給信号E5の変調に代わりまたは付加して、基板担体もしくは基板9は、信号発生器15を利用してバイアスに、基本的には再びDC、AC、AC+DCまたはHfに印加することができる。これは、別のセレクタスイッチ3cで概略的に示しているように、接地電位または別の基準電位φ3に関係する。
【0038】
基板担体9のこのバイアス印加が考慮されている場合、発生器15は、好ましくは変調入力15MODも有し、この変調入力にバイアス信号が、すでにプラズマ放電区間5の駆動のための信号E5に対して説明したように、時間で変調もしくは変化される。
【0039】
各記号は以下を表す:
Es:プラズマ放電の電気供給信号(電流および/または電圧)
B(x(t),y(t)):基板に対する分布ρPLのx/y移動、略してBでも表す。
E9:基板バイアス信号
E5、BもしくはE9、Bが周期的信号である場合、対応して7MCD、13Sもしくは5MOD、13Sで調整され、各振幅、時間的信号経過(パルス、台形、三角形、正弦等々)のほかに、それらに信号周期もしくは−周波数も調整される。
【0040】
図1を利用して示されたように、処理される基板表面に対する不均一なプラズマ密度分布ρPLの相対運動は、受容体1に対するプラズマ密度分布ρPLの変位もしくは移動によって行うことができる。しかし、もちろん必要な場合は付加的に基板担体もしくは基板9を受容体1に対して移動することも全く可能である。処理時間全体にわたって見ると、および前記移動によって調整可能のパターンによれば、基板表面は連続的に不均一なプラズマ密度分布ρPLによって上塗されることが本質的である。同時に、上述のように、放電電圧もしくは放電電流の変化および/または、考慮されている場合、バイアス電圧の変化を基板で全時間にわたり行われる。
【0041】
基板に対する不均一なプラズマ密度分布ρPLの移動に関して、この移動は2次元(x、y)であることを指摘しておかなければならない。
【0042】
図2に、さらに大幅に概略的に、基板担体21上の円盤状の基板19を平面図で示している。図1のプロセスチャンバ1はこの図面に示していない。ここでも描いていないプラズマ放電区間に真空受容体内に固定してプラズマ放電PLが、図2に示すように、本質的に2次元の不均一なプラズマ密度分布ρPLにより調整される。駆動装置13Xおよび13yを利用して基板担体21と共に、基板19がチャンバに固定される不均一な密度分布ρPLと相対的に移動される。制御信号13SXにより基板担体のx移動が駆動され、制御信号13SYによりy移動が駆動される。
【0043】
図3に、たとえば時間tにわたり移動B(x、y)ならびにE5もしくはE9の経過が示されている。図3に示した移動BXおよびByは、同じ周期Tを有し、他方、信号E5もしくはE9は周期T’=(1/2)×Tを有する。周期信号で相互の位相状態が調整される。位相状態Δφxyがx方向の移動とy方向の移動との間で、ならびに位相状態がE5と、たとえばBx、ΔφEBとの間で調整される。この場合、2もしくは3信号の周期は整数または非整数の有理係数だけシフトさせることができる。この周期が周期的である場合、好ましくは位相シフトΔφxy、ΔφESが調整され、信号は位相ロックの意味で同期される。さらに好ましくはBxに対して、極大値および極小値Bmaxx、Bminxまたは移動シフトBHXが調整され、同様に、図3に示したように、y移動成分ならびにE5もしくはE9に対しても調整される。さらに好ましくは、各信号の時間経過が、図3に(a)でBxの経過で
示すように調整される。
【0044】
特に前記の量とその相互の調整の対応する選択によって、本発明によりプラズマ処理された基板表面で処理結果の平面分布が調整される。
【0045】
図1および2を利用して示したような方法によって、処理結果として、エッチングプロフィルを基板表面で非反応性または反応性エッチング方法で調整することができる。プラズマ励起化学蒸着法(PECVD)の場合も、図示した方式により、観察した基板表面上に沈積した層の平面プロフィルを調整することができる。反応性方法で、またはPEVCD法の場合も、一定の反応性ガス分圧が基板表面にわたって調整されるとき、図示した方法は、層厚もしくは化学量論比に対して標定して堆積層の生ずる平面分布を整えることを可能にする。
【0046】
上述のように、本発明の本質により処理される基板表面に対して不均一なプラズマ密度分布ρPLが移動されている。
【0047】
とりわけ不均一なプラズマ密度分布は、その箇所にトンネル状の磁界ループに沿って高いプラズマ密度の領域がターゲットスパッタ面にわたって作られることによって、マグネトロンスパッタリングに使用される。冒頭に述べたように、マグネトロンスパッタリングの場合、特に、たとえばターゲットの下で移動する磁石配列を設けることによって、ターゲット材料利用の増加の理由から、トンネル磁界領域と共に不均一なプラズマ密度分布を移動することは、充分普通に行われている。従ってマグネトロンスパッタリングは、本発明に係る方法に従って使用されるために、まさに理想的に提供される。この場合、マグネトロン放電は、DC、AC、AC+DCの組合せ、またはHfで駆動させることができる。さらに、これは反応性マグネトロンスパッタリングまたは非反応性マグネトロンスパッタリングとしてよい。
【0048】
冒頭に述べたように、本発明もマグネトロンスパッタコーティング技術から生じる需要に対応して作られており、図1ないし3を利用して説明したように、まったく基本的に基板表面に沿ってプラズマ処理の作用−もしくは結果分布の調整に拡大される。
【0049】
図4に、本発明に係る真空処理チャンバをマグネトロンスパッタコーティングチャンバの形態で表しており、このチャンバで本発明に係る製造方法が実施される。真空チャンバ30は、ポンプ装置32を介して排気可能である。ターゲットバックプレート44上に被スパッタリング材料からなるターゲット33が取り付けられる。真空チャンバ30の外部のターゲットバックプレート44の後部に磁石システム35がある。この磁石システムは、それに対して非対称的に配置された、たとえば平面図で腎臓形−これは図6を参照されたい−の永久磁石40の配列を有する、中心軸A周りに駆動される回動可能の磁石担体ディスク36を含む。必要な場合は磁石配列の磁石40を駆動し、Rで示したようにその軸A周りの回動ωに加えて半径方向にも駆動して移動させることができる。磁石配列40を利用して、概略的にHで示したように、特に不均一な磁界が基板担体43上の基板45に対して移動される。
【0050】
磁石配列35の回動は、制御入力37Sを有するモータによって発生され、検出器配列37を利用して走査される。検出器ユニット37の走査パルスIは、ユニット41で調整可能に時間遅延される、τ:出力側で時間遅延したパルスI(τ)、たとえば正弦状の信号E5をトリガもしくは同期する。従って図3に戻ってτΔφEBで設定される。発生器38、38sの別の制御入力でE5の正弦状の信号成分の長さが調整される。
【0051】
処理チャンバ30の中へ、42で示したように、作業ガス好ましくはアルゴン用のガス
管が接合され、必要な場合は同じガス供給部を介して、しかし好ましくは概略的に50で示したガス噴射器を利用して、反応性ガスが反応性マグネトロンスパッタコーティングのためにプロセス空間の中に流される。
【0052】
基板45の表面上に少なくとも近似的に等しく分布された反応性ガスの分圧が発生され、不均一な密度分布のマグネトロンプラズマの移動の調整と、プラズマ放電出力E5の時間的誘導とによって、基板表面に沿って層の組成分布または層厚分布を調整することができる。
【0053】
図5により本発明に係る方法の実施中に現位置で測定装置51を利用して、たとえばエリプソメータ法を利用して、電気抵抗測定、表面のプロフィル測定が光学的反射法等を利用して固定式、場合により可動式の測定感知器を用いて、処理結果の分布が基板54の表面で検出される。測定結果xは微分ユニット56で所定の結果分布Wと比較される。この場合、すでに実行された処理時間に対して2次元の基準となる目標分布と、瞬間的に測定によって算出された結果分布の比較が行われる。実分布(X)と目標分布(W)との間の偏差は、計算ユニットRを介してプラズマ放電用の発生器ユニット58および/または不均一なプラズマ密度分布ρPLの移動用の案内ユニット60の調整信号58sとして基板表面に対して供給される。発生時に把握される処理作用のこの種の現位置制御に代わり、所定のまたは指定可能の処理時間部分後に基板を処理チャンバから測定チャンバへ、真空条件を維持したまま移行し、そこで中間結果としてそれまでに達成された処理結果もしくはその分布を検出し、基板を処理チャンバへ戻して案内し、そこで対応して適合された量を不均一なプラズマ密度分布とプラズマ放電出力E5の移動に対してプロセスをさらに誘導することも充分可能である。
【0054】
以下、本発明に従って実施されたマグネトロンスパッタコーティングによる、原理的に図5に示したような装置を利用する製造方法で達成されるような結果を紹介する。
【0055】
実験構造:
・処理チャンバ:CLC 200 BB281100 x
・真空ポンプ:Cryo CTI Cryogenics PJ9744445
・マグネトロン磁石システム:MB 300DK ALN02
・DC電源:Pinnacle(アドバンスト・エナジー社)、ad cup 10 kW M/N 3152436−100Aで補完
・層厚記録:スペクトル・エリプソメータWVASE M−2000F、3.333型
・基板:6インチ−シリコーンウェハ
・窒素含有雰囲気中のアルミニウムターゲットAlNからのマグネトロンスパッタコーティング
・放電出力の平均値:
【0056】
【数2】
【0057】
・出力変調形式:正弦
・出力変調周波数:5.95Hz
・出力変調E5による図4記載の磁石配列回動ωの調整可能の位相ロック
・調整可能のE5の変調シフト。
【0058】
図6は一定の回転速度ωで駆動されるマグネトロン配列の磁石システムを表す平面図で
ある。
【0059】
図7に6インチ基板による処理結果すなわちAlN層と反応性マグネトロンスパッタコーティングの平面分布を示している。a1:放電出力E5の変調なしの基準例である。
【0060】
変調シフト5.6%によりここでプラズマ出力E5がロックされた位相ΔφEB=0で変調された。図8はその結果を示す。
【0061】
図9記載の層厚分布は、さらにロックされた90゜の位相ΔφEBで放電出力5.6%の変調シフトで生じる。
【0062】
さらに変調シフト5.6%の順守と、さらにΔφEB=180゜への位相回転により、図10記載の分布が生じる。さらに位相差ΔφEBが270゜に上昇すると、図11に示すような分布となった。さらに一様の変調シフトにより最終的に位相状態がΔφEB=195゜に最適化された。図12に示した分布が生じる。
【0063】
図13記載の分布を得るために、ここでさらに図12により一定に負荷した位相状態ΔφEB=195゜で変調シフトが5.6%から8.7%に上昇する。
【0064】
初めに位相最適化で、次に変調シフト最適化によるシーケンスから、本発明に従って一方で不均一な密度分布のプラズマとプラズマ放電供給信号の時間変化との間の移動の調整によって、所望の平面作用分布、ここでは層厚分布を、どのように達成できるかが明らかである。つまり、たとえば図13に従って、どのように所望の方位角と半径方向に可能な限り均一に、すなわち一様な層厚分布を達成できるかが明らかである。
【0065】
図14に、これまでと多少異なる視点から本発明の主適用を概略的に示している。上述のように、本発明により達成された処理結果の分布の1つが層厚分布である。図14に従って平らな基板の表面Tに、本発明による方法に従って、表面Sと、表面Tに沿った厚さdの分布とを有する層が堆積する。基板の平らな表面Tに、座標系xT/yTおよびzTで、場所x0/y0におかれるとき、z軸は前記場所で面法線NTの方向を有する。層表面Sで、ここで本発明により同一の場所x0/y0に面法線N5が面法線NTの方向に対して空間的に傾斜しており、場所x0/y0で表面S内の座標系に相当する。本質的に平らな基板表面Tに対する層表面Sの前記傾斜または一般的に平らではない表面Tが層傾斜と呼ばれる。本発明の本質的な適用事例は、層傾斜を空間的に所定の比率に置くことであり、しかも必要な場合は基板表面Tに沿って局所的に異なることである。本発明に従って目指されている層傾斜は、この場合少なくとも表面Tの領域で零とすることができ、その場合は方向Nsが方向NTと一致する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の製造方法を実施するための、また本発明を原理的に説明するための、本発明により使用する処理チャンバの概略図である。
【図2】さらに本発明による不均一な密度分布のプラズマ中で移動する基板の概略的平面図である。
【図3】たとえば、基板と不均一なプラズマの密度分布との間の移動経過ならびに、たとえば、プラズマを供給する電気出力の時間的経過である。
【図4】本発明に係る方法がマグネトロンスパッタソースを利用して実現された本発明に係る処理チャンバの簡略な縦断面図である。
【図5】基板処理中に発生する処理結果の現位置検出と、制御された方法としての本発明による方法の誘導の概略図である。
【図6】図4記載の装置に以下に示す実験に使用されたマグネトロン磁石配列の配置の平面図である。
【図7】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図8】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図9】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図10】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図11】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図12】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図13】本発明により使用した調整量の様々な調整による層厚分布の形態で達成された処理結果分布である。
【図14】本発明により達成された層傾斜の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空処理プロセスによって処理された表面を備える基板の製造方法において、表面が処理結果の所定の平面分布を有する方法であって、
−局所的に不均一な密度分布を有するプラズマ放電が発生され、
−基板が不均一な密度分布のプラズマ放電の作用にさらされ、
−処理結果の分布が
−不均一な密度分布と基板との所定の相対運動の発生と、
−放電を供給する電気出力の所定の時間的変化および/または必要な場合は基板にバイアスを印加する所定の別の電気信号の発生と、
−前記変化および前記移動の調整と、によって発生することを特徴とする方法。
【請求項2】
優れた極大密度を有する少なくとも1つの領域を有するプラズマ放電が作られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不均一な密度分布と基板の所定の相対運動が、少なくとも放電が作られる真空受容体に対する基板の移動によっても実現されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項記載の方法。
【請求項4】
所定の相対運動が、放電が作られる真空受容体に対する不均一な密度分布の所定の移動によって実現されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
不均一な密度分布が磁界を利用して少なくとも同時に作られることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
放電が作られる受容体の中で局所的に磁界分布が移動されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
プラズマ放電および/またはバイアス印加が、直流(DC)、交流(AC)、DCとACの組合せまたは高周波(Hf)を利用して発生されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
基板がDC、AC、DCとACの組合せまたはHf供給を利用してバイアスに印加されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
真空処理プロセスがマグネトロンスパッタプロセスであり、所定の相対運動がターゲットスパッタ面に対するマグネトロントンネル磁界の所定の移動を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
所定の相対運動と所定の時間的変化とがそれぞれ周期的に発生され、相対運動と変化が同期していることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
放電を利用して固形物が処理雰囲気中に遊離され、前記雰囲気中に反応性ガスが入れられ、表面上の固形物と反応性ガスの成分との間の化合比の分布が処理結果として調整されることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
処理結果が前記表面のコーティングであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
処理結果が処理表面のエッチングであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項14】
処理終了前に処理中間結果が測定され、目標処理中間結果と比較され、それによって比較結果の関数で所定の相対運動および/または時間的変化が後調整されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
処理中間結果の測定が真空遮断なしに行われることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
測定が現位置で基板処理中に行われ、測定結果が測定制御量として、所定の相対運動および/または時間的変化を処理結果制御用の調整量として設定する制御回路に供給されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
基板が処理中および真空受容体に対して固定して保持されることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
担体の所定の表面領域に沿って所定の層厚分布を有するコーティングされたワークピースの製造のための、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項19】
表面音波(SAW)に基づいてまたは「体積音波」“Bulk acoustic waves”(BAW)によって作動するコンポーネントの製造のための、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項20】
多分割ターゲットを有するマグネトロンスパッタソースによって形成されず、または該マグネトロンスパッタソースに基板担体が移動しない基板担体とプラズマソースとを備えるプラズマ処理チャンバであって、処理チャンバ内に不均一な磁界を発生し、制御可能の駆動装置配列と作用接続され、該駆動装置配列を利用して不均一に分布された磁界がチャンバ内で制御されて移動される磁石配列が設けられ、さらに制御可能の発生器配列と接続されるプラズマ放電区間が設けられている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項21】
制御可能の駆動装置配列がチャンバ内で不均一に分布された磁界の周期的移動を発生し、発生器配列が周期的出力信号を発生し、発生器配列と駆動装置配列とが同期されていることを特徴とする、請求項20に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項22】
制御可能の駆動装置配列がマグネトロン磁石配列の駆動装置配列であることを特徴とする、請求項20または21のいずれか1項に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項1】
真空処理プロセスによって処理された表面を備える基板の製造方法において、表面が処理結果の所定の平面分布を有する方法であって、
−局所的に不均一な密度分布を有するプラズマ放電が発生され、
−基板が不均一な密度分布のプラズマ放電の作用にさらされ、
−処理結果の分布が
−不均一な密度分布と基板との所定の相対運動の発生と、
−放電を供給する電気出力の所定の時間的変化および/または必要な場合は基板にバイアスを印加する所定の別の電気信号の発生と、
−前記変化および前記移動の調整と、によって発生することを特徴とする方法。
【請求項2】
優れた極大密度を有する少なくとも1つの領域を有するプラズマ放電が作られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不均一な密度分布と基板の所定の相対運動が、少なくとも放電が作られる真空受容体に対する基板の移動によっても実現されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項記載の方法。
【請求項4】
所定の相対運動が、放電が作られる真空受容体に対する不均一な密度分布の所定の移動によって実現されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
不均一な密度分布が磁界を利用して少なくとも同時に作られることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
放電が作られる受容体の中で局所的に磁界分布が移動されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
プラズマ放電および/またはバイアス印加が、直流(DC)、交流(AC)、DCとACの組合せまたは高周波(Hf)を利用して発生されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
基板がDC、AC、DCとACの組合せまたはHf供給を利用してバイアスに印加されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
真空処理プロセスがマグネトロンスパッタプロセスであり、所定の相対運動がターゲットスパッタ面に対するマグネトロントンネル磁界の所定の移動を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
所定の相対運動と所定の時間的変化とがそれぞれ周期的に発生され、相対運動と変化が同期していることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
放電を利用して固形物が処理雰囲気中に遊離され、前記雰囲気中に反応性ガスが入れられ、表面上の固形物と反応性ガスの成分との間の化合比の分布が処理結果として調整されることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
処理結果が前記表面のコーティングであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
処理結果が処理表面のエッチングであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項14】
処理終了前に処理中間結果が測定され、目標処理中間結果と比較され、それによって比較結果の関数で所定の相対運動および/または時間的変化が後調整されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
処理中間結果の測定が真空遮断なしに行われることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
測定が現位置で基板処理中に行われ、測定結果が測定制御量として、所定の相対運動および/または時間的変化を処理結果制御用の調整量として設定する制御回路に供給されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
基板が処理中および真空受容体に対して固定して保持されることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
担体の所定の表面領域に沿って所定の層厚分布を有するコーティングされたワークピースの製造のための、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項19】
表面音波(SAW)に基づいてまたは「体積音波」“Bulk acoustic waves”(BAW)によって作動するコンポーネントの製造のための、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の方法の使用。
【請求項20】
多分割ターゲットを有するマグネトロンスパッタソースによって形成されず、または該マグネトロンスパッタソースに基板担体が移動しない基板担体とプラズマソースとを備えるプラズマ処理チャンバであって、処理チャンバ内に不均一な磁界を発生し、制御可能の駆動装置配列と作用接続され、該駆動装置配列を利用して不均一に分布された磁界がチャンバ内で制御されて移動される磁石配列が設けられ、さらに制御可能の発生器配列と接続されるプラズマ放電区間が設けられている、プラズマ処理チャンバ。
【請求項21】
制御可能の駆動装置配列がチャンバ内で不均一に分布された磁界の周期的移動を発生し、発生器配列が周期的出力信号を発生し、発生器配列と駆動装置配列とが同期されていることを特徴とする、請求項20に記載のプラズマ処理チャンバ。
【請求項22】
制御可能の駆動装置配列がマグネトロン磁石配列の駆動装置配列であることを特徴とする、請求項20または21のいずれか1項に記載のプラズマ処理チャンバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2006−508242(P2006−508242A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555942(P2004−555942)
【出願日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000744
【国際公開番号】WO2004/050943
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(596013501)ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000744
【国際公開番号】WO2004/050943
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(596013501)ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】
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