真空包装容器
トップ部と底部と側壁とを有し、気穴が設けられた瓶体と、前記瓶体のトップ部に取付けられる乳液ポンプとを備える真空包装容器であって、少なくとも1つの袋を有し、袋は、一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通するように周縁を密封的に前記瓶体の内壁に結合する。当該真空包装容器はさらに乳液ポンプの吸込口に接続され、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するガイド棒を備える。本発明の真空包装容器が非常に強い吸取力を有し、乳液を吸取れないまたは完全に吸取れない問題を解消できる。本発明の真空包装容器では、製造精度が高くなくても良いので、低コストの利点がある。また、独特なガイド棒が設置されるので、いずれの場合にも吸込口が塞がないことが確保できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日用化学分野において、空気と接触することが望まない内容物があるため、包装用の真空包装容器が必要とされている。従来の真空包装容器には主として「底部ピストン式」と「内蔵袋式」の二種類がある。
【0003】
図1Aと1Bに示されるように、底部ピストン式の真空包装容器は主にカバー1と、乳液ポンプ2と、ピストン3と、瓶4とからなる。カバー1は乳液ポンプ2を覆う。乳液ポンプ2は気圧をバランスするための気穴がないため、空気を瓶4に導入することはない。
【0004】
ピストン3は瓶4内に上下移動可能に設けられている。瓶4の底部に気穴が設けられている(図示せず)。稼動時、乳液ポンプ2を手で押圧するだけで、瓶内の乳液を吸取ることができる。吸取中に、瓶4の底部に気穴が設けられているため、ピストン3の下側に大気圧があり、それによりピストン3が押圧され上へ移動する。従い、乳液が空気と接触することがなく、且つ瓶4内でピストン3の上方の乳液に真空が発生しないことが確保されている。
【0005】
このような底部ピストン式の真空包装容器では、真空包装が実現できるものの、まだ問題が沢山ある。まずは各部品に対する精度要求が高い。ピストン3と瓶4の内壁とは摺接するが、両者間の隙間が大きすぎれば、漏洩になる可能性がある。両者間の隙間が小さすぎれば、ピストン3が上へ移動できないことがある。更に、後者の場合、ピストン3の上方に真空ができるため、乳液を吸い取れない又は完全に吸い取れない問題がある。また、乳液ポンプ2が生じた吸取力は乳液とピストン3の質量及びピストン3と瓶4の間の摩擦力に対抗しなければならない。その結果、乳液を吸取るための吸取力は非常に少なくなってしまう。この点でも、乳液を吸い取れない又は完全に吸い取れない問題を招く。また、このような真空包装容器では、内容物が薄い、又は瓶に圧力が与えられた場合、漏洩になりやすい。
【0006】
内蔵式の真空包装容器は主としてカバーと、乳液ポンプと、袋と瓶からなる。カバー、乳液ポンプと瓶などの部品はいずれも上記底部ピストン式の真空包装容器に類似するものである。当該内蔵式真空包装容器は、上記底部ピストン式の真空包装容器との主な相違点は、柔らかい袋で乳液を収容することにある。当該袋は瓶内に置かれ、袋の口部は乳液ポンプと瓶口の間に挟持される。稼動時、乳液ポンプを手で押圧するだけで、瓶内の乳液を吸取ることができる。吸取中は、瓶の底部に気穴が設けられたため、袋の外は大気圧があり、それにより袋内の乳液はポンプされ、袋の体積をどんどん小さくする。従って、乳液が空気と接触することがなく、且つ袋内の乳液に真空が発生しないことが確保される。
【0007】
この内蔵袋式の真空包装容器は上記底部ピストン式真空容器と比べ、乳液の吸取はより簡単で、かつ部品に対する精度要求も高くない。しかし、このような真空包装容器を採用するとき、袋を瓶の中に置くのは容易なことではない。また、充填量が足りないことにより、袋の上部に少量な空気が残るので、乳液を吸い取ることは困難になり、空気が乳液と接触する可能性もある。それに、袋の口部が小さいので、充填するのも便利なことではない。更に、必要に応じて乳液ポンプに吸取管を配置することができるものの、吸取管の端部開口が塞ぎやすいので、乳液を吸い取れない又は完全に吸い取れない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであって、その目的は吸取能力が強く、漏洩のない低コストの真空包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を実現するために、本発明は、トップ部と底部と側壁とを有し、気穴が設けられた瓶体と、前記瓶体のトップ部に取付けられる乳液ポンプとを備える真空包装容器であって、少なくとも1つの袋を有し、前記袋は、袋の一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通するように袋の周縁を密封的に前記瓶体の内壁に結合することを特徴とする真空包装容器を提供する。
【0010】
好ましくは、乳液ポンプの吸込口に接続され、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するガイド棒を備える。
【0011】
好ましくは、ガイド棒は細くて柔らかい長棒であり、その断面が十字形である。
好ましくは、ガイド棒はガイドヘッドを有し、当該ガイドヘッドは従来の吸取管のヘッド部に接続され、ガイド棒と同じ構成であり、且つガイド棒より短い。
【0012】
好ましくは、ガイド棒は横向きにガイドするように構成されている。
好ましくは、袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、開放された第1端の外側が瓶体のトップ部の内壁と接着される。
【0013】
好ましくは、袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、開放された第1端の外側が瓶体の底部の内壁と接着されている。
【0014】
好ましくは、袋は瓶体の縦方向または横方向に伸縮し、気穴が前記瓶体の底部に設置される。
【0015】
好ましくは、袋は折り畳み式の袋である。
好ましくは、ベース座と瓶体とは別体に形成されたものである。
【0016】
本発明の真空包装容器によれば、乳液ポンプによる吸引力はほとんど乳液の吸取りに用いられ、乳液とピストンの質量やピストンと瓶壁の間の摩擦力と相殺することはない。従って、このような真空包装容器が非常に強い吸取力を有し、乳液を吸取れないまたは完全に吸取れない問題を解消できる。本発明の真空包装容器では、製造精度が高くなくてもいいので、低コストの利点がある。また、充填用の瓶口が比較的に大きく、しかも袋が充填
前に瓶内に置かれたので、容易に充填することができる。
なお、独特なガイド棒が設置されるので、いずれの場合にも塞がないことが確保できる。
【0017】
また、充填中に少量な空気が袋の上部に残っていても、乳液ポンプとガイド棒の結合部でこれら残りの空気を吸取ることができる。更に、乳液ポンプが転倒されて置かれていても、順調に乳液を吸取ることができる。これに対して、従来の真空包装容器では、吸取管の有無に係わらず、上記効果を実現することはできない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】従来の底部ピストン式の真空包装容器の組立図である。
【図1B】上記底部ピストン式真空包装容器の分解図である。
【図2A】本発明第1実施例による真空包装容器の組立図であり、袋に乳液が充満している状態である。
【図2B】本発明第1実施例による真空包装容器の組立図であり、袋内の乳液がほとんど吸取られた状態である。
【図2C】本発明第1実施例による真空包装容器の分解図である。
【図3A】本発明第2実施例による真空包装容器の組立図であり、袋はほとんど真空になる状態である。
【図3B】本発明第2実施例による真空包装容器の組立図であり、袋に空気が充満している状態である。
【図3C】本発明第2実施例による真空包装容器の分解図である。
【図4A】本発明第3実施例による真空包装容器の組立図であり、袋に乳液が充満している状態である。
【図4B】本発明第3実施例による真空包装容器の組立図であり、袋内の乳液がほとんど吸取られた状態である。
【図4C】本発明第3実施例による真空包装容器の分解図である。
【図5A】本発明第4実施例による真空包装容器の組立図であり、二つの袋の内にはほとんど空気がなく、袋の間には乳液が充満している状態である。
【図5B】本発明第4実施例による真空包装容器の組立図であり、二つの袋の内には空気が充満していて、袋の間には乳液がほとんど吸取られた状態である。
【図6】本発明に採用されたガイド棒の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例について説明する。各図面に表示された同じ符号は同様または類似の部品を表す。
【0020】
図2A〜2Cは本発明の第1実施例による真空包装容器10を表示する。当該真空包装容器10は、開放されたトップ部71と底部72を有するとともに、底部を封止し、気穴が設けられたベース座73が設置された瓶体7と、瓶体7のトップ部71に取付けられ、気圧をバランスするための気穴を有しない乳液ポンプ2と、乳液ポンプ2を覆うカバー1と、瓶体7のトップ部71に密封的に結合され開放された第1端51と封止された第2端52を有する袋5と、普通の吸取管と同様に乳液ポンプ2の吸込口に接続されたガイド棒6とからなる。
【0021】
当該第1実施例によれば、開放された第1端51の外側を瓶体7のトップ部71の内壁と接着することにより、袋5を密封的に瓶体7の内壁に結合する。この場合、袋5の一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通する。袋5と瓶体7との密封的結合は漏洩を根絶することができるため、乳液が空気と接触することにより乳液ポンプが正しく稼動できないという問題を防止できる。
【0022】
ガイド棒6が細くて柔らかいプラスチック製長棒である。当該実施例において、ガイド棒6の断面は略十字形に形成されている。言い換えれば、ガイド棒6は四つの突起61を有し、隣接する突起61の間に四つの開放式ガイド溝62が形成されている。当該ガイド棒61により、吸取られた乳液Aはガイド棒61の長手方向の任意の位置からガイド溝62に入って、普通の吸取管のように端部の開口が塞ぐことなくガイド溝62に沿って上へと乳液ポンプ2に入る。。また、充填時に少量な空気が袋の上部に残っていても、当該ガイド棒6により、乳液ポンプ2とガイド棒6の結合部でこれらの残り空気を吸取ることができる。また、乳液ポンプが転倒されて置かれていても、順調に乳液を吸取ることができる。それに、袋5がガイド棒6に吸着されていても、袋5とガイド棒6が吸取管に類似する液体通路を形成するから、乳液の吸取りに支障をきたすことはない。従来の真空包装容器では、吸取管の有無に係わらず、上記効果を実現することはできない。
【0023】
当該第1実施例にも以下の第2、第3実施例にも断面が略十字形のガイド棒6が示され
ているが、ガイド棒の形状は十字形に限らず、例えば三つ又は他の数量の突起でガイド溝を形成してもよいし、棒状物に直接に溝を開設してもよい。要するに、ガイド棒は、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するように構成されれば、乳液を順調にポンプ内に案内することができる。なお、図6に示されるように、上記ガイド棒はガイドヘッド6aを設けてもよい。当該ガイドヘッド6aの構成はガイド棒と同じであるが、長さはガイド棒より短い。当該ガイドヘッド6aを従来の吸取管のヘッド部に接続することができる。当該ガイドヘッドは、ガイド棒に類似したガイド溝を有するため、そして、吸取管ヘッド部の塞ぎを防止できる。更に、ガイドヘッド6aの突起61aに、乳液が容易にガイドヘッド6aの横方向に沿って流れるように例えば鋸歯形状の横方向のガイド部610aを形成してもよい。勿論、ガイド部610aは上記ガイド棒6にも適用する。
【0024】
当該実施例による真空包装容器として、充填時は乳液Aを開放された第1端51から袋5に注入するのである。この場合、乳液Aは袋5の中に収容される。乳液Aによって袋5が最大容積まで拡張され、乳液Aは瓶内空間を充満する(図2Aを参照)。逆に、乳液がどんどん吸取られるに従い、袋5は容積がほとんどゼロになるまで、だんだん小さくなる(図2Bを参照)。
【0025】
図3A〜3Cは、本発明の第2実施例による真空包装容器20を表示する。図3Cに示されるように、当該実施例の真空包装容器20は、上記第1実施例との相違点は、袋5の開放された第1端51は密封的に瓶体7の底部72に結合されることにある。具体的に、袋5は、開放された第1端51の外側を瓶体7の底部72の内壁と接着することによって密封的に瓶体7の内壁に結合される。当該実施例は、上記第1実施例と同様に、袋5の一方側は乳液と接触し、他方側は大気と連通する。
【0026】
当該実施例による真空包装容器として、充填時は封止された第2端52から乳液Aを袋5に注入するのである。この場合、乳液Aが瓶体7の内壁と接触し、袋5が最小まで圧縮される(図3Aを参照)。つまり、この場合、袋5は乳液と接触する「容器の底」に相当する。乳液がどんどん吸取られるに従い、袋5は乳液がほとんど排出されるまで、だんだん上昇する(図3Bを参照)。
【0027】
図4A〜4Cは本発明の第3実施例による真空包装容器30を表示する。当該実施例の真空包装容器30は上記二つの実施例との相違点は、波紋管状の縦方向折り畳み式の袋5aを採用したことにある。この縦方向折り畳み式の袋5aも乳液の収容に用いられ(図4Aを参照)、乳液が吸取られるに従い、容積がほとんどゼロになるまで、瓶体の縦方向に沿って上へ収縮する(図4Bを参照)。
【0028】
図5Aと5Bは本発明の第4実施例による真空包装容器40を表示する。当該実施例の真空包装容器40は上記三つの実施例との相違点は、二つの袋5bを採用したことにある。袋5bは瓶体の縦方向に沿って設置され、周縁が密封的に瓶体の底部に結合される。その気穴74は底壁に設置される。
【0029】
乳液は二つの袋5bの間に収容される。乳液がどんどん吸取られるに従い、袋5bは乳液がほとんど排出されるまで、だんだん拡大する(図5Bを参照)。
【0030】
以上は本発明の真空包装容器の好ましい実施例であるが、上記記載に基づいて、種々の同等な変形か修正をしてもいい。例えば、袋は横方向折り畳み式であって、瓶体の横方向に沿って収縮してもよい。底座73は上記のように瓶体7と別体に形成してもよいし、瓶体7と一体的に形成してもよい;カバー1は省略してもよい;袋と瓶体の密封結合は接着のほか、熱圧接などの方式を利用してもよい;袋の数は必要に応じて選択してもよい;ガイド棒の横方向ガイド部は、鋸歯形状を説明したが、乳液が横方向に流れることに寄与す
ればほかの形状であってもよい。本発明の保護範囲は上記各実施例に限定されるものではなく、添付の請求範囲で限定されるものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は真空包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日用化学分野において、空気と接触することが望まない内容物があるため、包装用の真空包装容器が必要とされている。従来の真空包装容器には主として「底部ピストン式」と「内蔵袋式」の二種類がある。
【0003】
図1Aと1Bに示されるように、底部ピストン式の真空包装容器は主にカバー1と、乳液ポンプ2と、ピストン3と、瓶4とからなる。カバー1は乳液ポンプ2を覆う。乳液ポンプ2は気圧をバランスするための気穴がないため、空気を瓶4に導入することはない。
【0004】
ピストン3は瓶4内に上下移動可能に設けられている。瓶4の底部に気穴が設けられている(図示せず)。稼動時、乳液ポンプ2を手で押圧するだけで、瓶内の乳液を吸取ることができる。吸取中に、瓶4の底部に気穴が設けられているため、ピストン3の下側に大気圧があり、それによりピストン3が押圧され上へ移動する。従い、乳液が空気と接触することがなく、且つ瓶4内でピストン3の上方の乳液に真空が発生しないことが確保されている。
【0005】
このような底部ピストン式の真空包装容器では、真空包装が実現できるものの、まだ問題が沢山ある。まずは各部品に対する精度要求が高い。ピストン3と瓶4の内壁とは摺接するが、両者間の隙間が大きすぎれば、漏洩になる可能性がある。両者間の隙間が小さすぎれば、ピストン3が上へ移動できないことがある。更に、後者の場合、ピストン3の上方に真空ができるため、乳液を吸い取れない又は完全に吸い取れない問題がある。また、乳液ポンプ2が生じた吸取力は乳液とピストン3の質量及びピストン3と瓶4の間の摩擦力に対抗しなければならない。その結果、乳液を吸取るための吸取力は非常に少なくなってしまう。この点でも、乳液を吸い取れない又は完全に吸い取れない問題を招く。また、このような真空包装容器では、内容物が薄い、又は瓶に圧力が与えられた場合、漏洩になりやすい。
【0006】
内蔵式の真空包装容器は主としてカバーと、乳液ポンプと、袋と瓶からなる。カバー、乳液ポンプと瓶などの部品はいずれも上記底部ピストン式の真空包装容器に類似するものである。当該内蔵式真空包装容器は、上記底部ピストン式の真空包装容器との主な相違点は、柔らかい袋で乳液を収容することにある。当該袋は瓶内に置かれ、袋の口部は乳液ポンプと瓶口の間に挟持される。稼動時、乳液ポンプを手で押圧するだけで、瓶内の乳液を吸取ることができる。吸取中は、瓶の底部に気穴が設けられたため、袋の外は大気圧があり、それにより袋内の乳液はポンプされ、袋の体積をどんどん小さくする。従って、乳液が空気と接触することがなく、且つ袋内の乳液に真空が発生しないことが確保される。
【0007】
この内蔵袋式の真空包装容器は上記底部ピストン式真空容器と比べ、乳液の吸取はより簡単で、かつ部品に対する精度要求も高くない。しかし、このような真空包装容器を採用するとき、袋を瓶の中に置くのは容易なことではない。また、充填量が足りないことにより、袋の上部に少量な空気が残るので、乳液を吸い取ることは困難になり、空気が乳液と接触する可能性もある。それに、袋の口部が小さいので、充填するのも便利なことではない。更に、必要に応じて乳液ポンプに吸取管を配置することができるものの、吸取管の端部開口が塞ぎやすいので、乳液を吸い取れない又は完全に吸い取れない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであって、その目的は吸取能力が強く、漏洩のない低コストの真空包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を実現するために、本発明は、トップ部と底部と側壁とを有し、気穴が設けられた瓶体と、前記瓶体のトップ部に取付けられる乳液ポンプとを備える真空包装容器であって、少なくとも1つの袋を有し、前記袋は、袋の一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通するように袋の周縁を密封的に前記瓶体の内壁に結合することを特徴とする真空包装容器を提供する。
【0010】
好ましくは、乳液ポンプの吸込口に接続され、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するガイド棒を備える。
【0011】
好ましくは、ガイド棒は細くて柔らかい長棒であり、その断面が十字形である。
好ましくは、ガイド棒はガイドヘッドを有し、当該ガイドヘッドは従来の吸取管のヘッド部に接続され、ガイド棒と同じ構成であり、且つガイド棒より短い。
【0012】
好ましくは、ガイド棒は横向きにガイドするように構成されている。
好ましくは、袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、開放された第1端の外側が瓶体のトップ部の内壁と接着される。
【0013】
好ましくは、袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、開放された第1端の外側が瓶体の底部の内壁と接着されている。
【0014】
好ましくは、袋は瓶体の縦方向または横方向に伸縮し、気穴が前記瓶体の底部に設置される。
【0015】
好ましくは、袋は折り畳み式の袋である。
好ましくは、ベース座と瓶体とは別体に形成されたものである。
【0016】
本発明の真空包装容器によれば、乳液ポンプによる吸引力はほとんど乳液の吸取りに用いられ、乳液とピストンの質量やピストンと瓶壁の間の摩擦力と相殺することはない。従って、このような真空包装容器が非常に強い吸取力を有し、乳液を吸取れないまたは完全に吸取れない問題を解消できる。本発明の真空包装容器では、製造精度が高くなくてもいいので、低コストの利点がある。また、充填用の瓶口が比較的に大きく、しかも袋が充填
前に瓶内に置かれたので、容易に充填することができる。
なお、独特なガイド棒が設置されるので、いずれの場合にも塞がないことが確保できる。
【0017】
また、充填中に少量な空気が袋の上部に残っていても、乳液ポンプとガイド棒の結合部でこれら残りの空気を吸取ることができる。更に、乳液ポンプが転倒されて置かれていても、順調に乳液を吸取ることができる。これに対して、従来の真空包装容器では、吸取管の有無に係わらず、上記効果を実現することはできない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】従来の底部ピストン式の真空包装容器の組立図である。
【図1B】上記底部ピストン式真空包装容器の分解図である。
【図2A】本発明第1実施例による真空包装容器の組立図であり、袋に乳液が充満している状態である。
【図2B】本発明第1実施例による真空包装容器の組立図であり、袋内の乳液がほとんど吸取られた状態である。
【図2C】本発明第1実施例による真空包装容器の分解図である。
【図3A】本発明第2実施例による真空包装容器の組立図であり、袋はほとんど真空になる状態である。
【図3B】本発明第2実施例による真空包装容器の組立図であり、袋に空気が充満している状態である。
【図3C】本発明第2実施例による真空包装容器の分解図である。
【図4A】本発明第3実施例による真空包装容器の組立図であり、袋に乳液が充満している状態である。
【図4B】本発明第3実施例による真空包装容器の組立図であり、袋内の乳液がほとんど吸取られた状態である。
【図4C】本発明第3実施例による真空包装容器の分解図である。
【図5A】本発明第4実施例による真空包装容器の組立図であり、二つの袋の内にはほとんど空気がなく、袋の間には乳液が充満している状態である。
【図5B】本発明第4実施例による真空包装容器の組立図であり、二つの袋の内には空気が充満していて、袋の間には乳液がほとんど吸取られた状態である。
【図6】本発明に採用されたガイド棒の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例について説明する。各図面に表示された同じ符号は同様または類似の部品を表す。
【0020】
図2A〜2Cは本発明の第1実施例による真空包装容器10を表示する。当該真空包装容器10は、開放されたトップ部71と底部72を有するとともに、底部を封止し、気穴が設けられたベース座73が設置された瓶体7と、瓶体7のトップ部71に取付けられ、気圧をバランスするための気穴を有しない乳液ポンプ2と、乳液ポンプ2を覆うカバー1と、瓶体7のトップ部71に密封的に結合され開放された第1端51と封止された第2端52を有する袋5と、普通の吸取管と同様に乳液ポンプ2の吸込口に接続されたガイド棒6とからなる。
【0021】
当該第1実施例によれば、開放された第1端51の外側を瓶体7のトップ部71の内壁と接着することにより、袋5を密封的に瓶体7の内壁に結合する。この場合、袋5の一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通する。袋5と瓶体7との密封的結合は漏洩を根絶することができるため、乳液が空気と接触することにより乳液ポンプが正しく稼動できないという問題を防止できる。
【0022】
ガイド棒6が細くて柔らかいプラスチック製長棒である。当該実施例において、ガイド棒6の断面は略十字形に形成されている。言い換えれば、ガイド棒6は四つの突起61を有し、隣接する突起61の間に四つの開放式ガイド溝62が形成されている。当該ガイド棒61により、吸取られた乳液Aはガイド棒61の長手方向の任意の位置からガイド溝62に入って、普通の吸取管のように端部の開口が塞ぐことなくガイド溝62に沿って上へと乳液ポンプ2に入る。。また、充填時に少量な空気が袋の上部に残っていても、当該ガイド棒6により、乳液ポンプ2とガイド棒6の結合部でこれらの残り空気を吸取ることができる。また、乳液ポンプが転倒されて置かれていても、順調に乳液を吸取ることができる。それに、袋5がガイド棒6に吸着されていても、袋5とガイド棒6が吸取管に類似する液体通路を形成するから、乳液の吸取りに支障をきたすことはない。従来の真空包装容器では、吸取管の有無に係わらず、上記効果を実現することはできない。
【0023】
当該第1実施例にも以下の第2、第3実施例にも断面が略十字形のガイド棒6が示され
ているが、ガイド棒の形状は十字形に限らず、例えば三つ又は他の数量の突起でガイド溝を形成してもよいし、棒状物に直接に溝を開設してもよい。要するに、ガイド棒は、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するように構成されれば、乳液を順調にポンプ内に案内することができる。なお、図6に示されるように、上記ガイド棒はガイドヘッド6aを設けてもよい。当該ガイドヘッド6aの構成はガイド棒と同じであるが、長さはガイド棒より短い。当該ガイドヘッド6aを従来の吸取管のヘッド部に接続することができる。当該ガイドヘッドは、ガイド棒に類似したガイド溝を有するため、そして、吸取管ヘッド部の塞ぎを防止できる。更に、ガイドヘッド6aの突起61aに、乳液が容易にガイドヘッド6aの横方向に沿って流れるように例えば鋸歯形状の横方向のガイド部610aを形成してもよい。勿論、ガイド部610aは上記ガイド棒6にも適用する。
【0024】
当該実施例による真空包装容器として、充填時は乳液Aを開放された第1端51から袋5に注入するのである。この場合、乳液Aは袋5の中に収容される。乳液Aによって袋5が最大容積まで拡張され、乳液Aは瓶内空間を充満する(図2Aを参照)。逆に、乳液がどんどん吸取られるに従い、袋5は容積がほとんどゼロになるまで、だんだん小さくなる(図2Bを参照)。
【0025】
図3A〜3Cは、本発明の第2実施例による真空包装容器20を表示する。図3Cに示されるように、当該実施例の真空包装容器20は、上記第1実施例との相違点は、袋5の開放された第1端51は密封的に瓶体7の底部72に結合されることにある。具体的に、袋5は、開放された第1端51の外側を瓶体7の底部72の内壁と接着することによって密封的に瓶体7の内壁に結合される。当該実施例は、上記第1実施例と同様に、袋5の一方側は乳液と接触し、他方側は大気と連通する。
【0026】
当該実施例による真空包装容器として、充填時は封止された第2端52から乳液Aを袋5に注入するのである。この場合、乳液Aが瓶体7の内壁と接触し、袋5が最小まで圧縮される(図3Aを参照)。つまり、この場合、袋5は乳液と接触する「容器の底」に相当する。乳液がどんどん吸取られるに従い、袋5は乳液がほとんど排出されるまで、だんだん上昇する(図3Bを参照)。
【0027】
図4A〜4Cは本発明の第3実施例による真空包装容器30を表示する。当該実施例の真空包装容器30は上記二つの実施例との相違点は、波紋管状の縦方向折り畳み式の袋5aを採用したことにある。この縦方向折り畳み式の袋5aも乳液の収容に用いられ(図4Aを参照)、乳液が吸取られるに従い、容積がほとんどゼロになるまで、瓶体の縦方向に沿って上へ収縮する(図4Bを参照)。
【0028】
図5Aと5Bは本発明の第4実施例による真空包装容器40を表示する。当該実施例の真空包装容器40は上記三つの実施例との相違点は、二つの袋5bを採用したことにある。袋5bは瓶体の縦方向に沿って設置され、周縁が密封的に瓶体の底部に結合される。その気穴74は底壁に設置される。
【0029】
乳液は二つの袋5bの間に収容される。乳液がどんどん吸取られるに従い、袋5bは乳液がほとんど排出されるまで、だんだん拡大する(図5Bを参照)。
【0030】
以上は本発明の真空包装容器の好ましい実施例であるが、上記記載に基づいて、種々の同等な変形か修正をしてもいい。例えば、袋は横方向折り畳み式であって、瓶体の横方向に沿って収縮してもよい。底座73は上記のように瓶体7と別体に形成してもよいし、瓶体7と一体的に形成してもよい;カバー1は省略してもよい;袋と瓶体の密封結合は接着のほか、熱圧接などの方式を利用してもよい;袋の数は必要に応じて選択してもよい;ガイド棒の横方向ガイド部は、鋸歯形状を説明したが、乳液が横方向に流れることに寄与す
ればほかの形状であってもよい。本発明の保護範囲は上記各実施例に限定されるものではなく、添付の請求範囲で限定されるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップ部と底部と側壁とを有し、気穴が設けられた瓶体と、前記瓶体のトップ部に取付けられる乳液ポンプとを備える真空包装容器であって、少なくとも1つの袋を有し、前記袋は、袋の一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通するように袋の周縁を密封的に前記瓶体の内壁に結合することを特徴とする真空包装容器。
【請求項2】
さらに前記乳液ポンプの吸込口に接続され、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するガイド棒を備えることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項3】
前記ガイド棒が細くて柔らかい長棒であり、その断面が十字形であることを特徴とする請求項2に記載の真空包装容器。
【請求項4】
前記ガイド棒はガイドヘッドを有し、前記ガイドヘッドは従来の吸取管のヘッド部に接続され、ガイド棒と同じ構成であり、且つガイド棒より短いことを特徴とする請求項2に記載の真空包装容器。
【請求項5】
前記ガイド棒は横向きにガイドするように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の真空包装容器。
【請求項6】
前記袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、前記開放された第1端の外側が前記瓶体のトップ部の内壁と接着されることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項7】
前記袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、前記開放された第1端の外側が前記瓶体の底部の内壁と接着されることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項8】
前記袋が前記瓶体の縦方向または横方向に伸縮し、前記気穴が前記瓶体の底部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項9】
前記袋は折り畳み式の袋であることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項10】
前記ベース座と前記瓶体とは別体に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項1】
トップ部と底部と側壁とを有し、気穴が設けられた瓶体と、前記瓶体のトップ部に取付けられる乳液ポンプとを備える真空包装容器であって、少なくとも1つの袋を有し、前記袋は、袋の一方側が乳液と接触し、他方側が大気と連通するように袋の周縁を密封的に前記瓶体の内壁に結合することを特徴とする真空包装容器。
【請求項2】
さらに前記乳液ポンプの吸込口に接続され、少なくとも一つの開放式ガイド溝を有するガイド棒を備えることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項3】
前記ガイド棒が細くて柔らかい長棒であり、その断面が十字形であることを特徴とする請求項2に記載の真空包装容器。
【請求項4】
前記ガイド棒はガイドヘッドを有し、前記ガイドヘッドは従来の吸取管のヘッド部に接続され、ガイド棒と同じ構成であり、且つガイド棒より短いことを特徴とする請求項2に記載の真空包装容器。
【請求項5】
前記ガイド棒は横向きにガイドするように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の真空包装容器。
【請求項6】
前記袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、前記開放された第1端の外側が前記瓶体のトップ部の内壁と接着されることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項7】
前記袋は開放された第1端と封止された第2端を有し、前記開放された第1端の外側が前記瓶体の底部の内壁と接着されることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項8】
前記袋が前記瓶体の縦方向または横方向に伸縮し、前記気穴が前記瓶体の底部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項9】
前記袋は折り畳み式の袋であることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【請求項10】
前記ベース座と前記瓶体とは別体に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の真空包装容器。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公表番号】特表2010−514639(P2010−514639A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544349(P2009−544349)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/CN2007/001337
【国際公開番号】WO2008/086668
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(503315632)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/CN2007/001337
【国際公開番号】WO2008/086668
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(503315632)
【Fターム(参考)】
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