説明

真空吸着装置

【課題】大型で歪みの大きい加工材料を容易に吸着することができ、且つ加工応力に耐えうる保持力も確保することができる真空吸着装置を提供する。
【解決手段】被加工物30に対して進退可能に設けられ、減圧または粘着によって上記被加工物の表面を係着させる第1の係着部材15と、この第1の係着部材の周りを囲む如く形成され、上記被加工物における上記第1の係着部材による係着部の外側周囲部分を減圧によって係着させる第2の係着部材17とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば加工テーブル上に歪みの大きい被加工物を固定する場合などに好ましく用いることができる真空吸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、変圧器用の絶縁材料等、被加工物が大型の材料で、且つ被加工物の表面に小さな凹凸がある材料を、加工装置によって切断あるいは切削加工等を行う場合、所望の加工精度を得るために、加工装置の加工テーブル部に配置した複数の真空吸着装置等により、被加工物の歪みを矯正した状態で係止し、且つ加工応力に耐え得る係止力によって、加工応力による位置ずれを防止する必要がある。特に、被加工物の表面に小さな凹凸がある材料や凹凸状の撓みを生じる材料などを係止する場合、被加工物との接触部には、弾性体である合成ゴム等が多く使用される。このときの加工応力に耐え得る係止力は、被加工物との接触部である合成ゴム等の開口孔の面積と真空圧力に依存している。
歪みの大きな材料を真空吸着装置により保持するためには、例えば特許文献1のように、構造物を用いて、被加工物を、加工装置の加工テーブルまたは吸着部に押しつけて歪みを矯正した後、真空吸着装置により保持する。あるいは、例えば特許文献2のように、所定範囲で自由に傾くことができる真空吸着装置の吸着部を上昇させることにより、確実に被加工物を吸着させた後吸着部を下降させ、被加工物を加工装置の加工テーブルに押しつけて歪みを矯正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−136897号公報(第1頁、図1〜図3)
【特許文献2】特開平10−86086号公報(第1頁、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、変圧器用の絶縁材料等、歪みの大きい大型の材料を加工装置によって切断あるいは切削加工等を行う場合、特許文献1のように、構造物を用いて、被加工物を加工装置の加工テーブルまたは吸着部に押しつけて歪みを矯正し、真空吸着装置により保持する方法では、被加工物を加工する際、その構造物が被加工物上に配置したままでは加工の妨げになるため、被加工物上から退避させる必要がある。そのため、加工装置が大型になり、且つ複雑な構造になるという問題点があった。
また、特許文献2のように、所定範囲で自由に傾けることができる真空吸着装置の吸着部を上昇させることにより被加工物を吸着させた場合、加工時に発生する加工応力により吸着部が動き、所望の加工精度が得られないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構造で、歪みの大きい大型の被加工物であっても確実に係着でき、且つ切断や切削加工等の加工応力にも耐える真空吸着装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る真空吸着装置は、被加工物に対して進退可能に設けられ、減圧または粘着によって上記被加工物の表面を係着させる第1の係着部材と、この第1の係着部材の周りを囲む如く形成され、上記被加工物における上記第1の係着部材による係着部の外側周囲部分を減圧によって係着させる第2の係着部材と、を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、第1の係着部材と、この第1の係着部材の周りを囲む第2の係着部材による2重の係着手段によって被加工物を係着するようにしたので、被加工物に歪みや撓みなどがあっても確実に係着することができる。このため、被加工物に生じた凹凸などの歪みが矯正され、また切断や切削加工等の加工応力にも耐える係着力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1による真空吸着装置の要部を示す断面図であり、被加工物を係着する前の状態である。
【図2】図1に示された第1の係着部材を上昇させた状態を示す断面図である。
【図3】図2の状態から第1の係着部材が下降され、被加工物を第2の係着部材と共に係着した状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2による真空吸着装置の要部を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3による真空吸着装置の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による真空吸着装置の要部を示す断面図であり、図は被加工物を吸着する前の、吸着パッドが下降した状態を示している。図において、真空吸着装置10は、複数の円形の内周面11a、11b、11c(11a<11b<11c)が断面階段状に同軸に形成され、中央部の内周面11bに排気口11dを有する円筒状の台座11と、この台座11の中心部を軸方向(図の上下方向)に移動可能に設けられ、外径が台座11の内周面11aに対して間隙を有するように形成された中空のシャフト部材12と、シャフト部材12を図の上下方向に進退させるシリンダ装置13と、シリンダ装置13の駆動軸13aとシャフト部材12の下端部を連結するように介装され、シャフト部材12の中空部を排気口11dに連通するための連通路14aを有する円柱状のブロック部材14と、台座11の内周面11bの下端部近傍の凹所に装着された、ブロック部材14の外周面と台座11の内周面11bの間を密閉するOリング14bを有する。
【0010】
シャフト部材12の上端部には、中心部に貫通孔を有する第1の係着部材としての小口径吸着パッド15が固定されている。小口径吸着パッド15は合成ゴムからなり、上端の吸着面は周囲が上方に湾曲した皿状に形成され、中心部の貫通孔はシャフト部材12の中空部に連通する第1排気路Aを構成している。台座11の上端部に螺合するリング様の固定部材16には、上記小口径吸着パッド15よりも大径の第2の係着部材としての大口径吸着パッド17が固定されている。
【0011】
大口径吸着パッド17は、凡そリング状に形成された合成ゴムからなり、その内径は小口径吸着パッド15の外径よりも大きく、小口径吸着パッド15の外周部に対して所定の間隙を介して囲むように同軸に設けられ、上端の吸着面17aは周囲が上方に湾曲した皿状に形成されている。固定部材16は台座11の内周面11aと同一の内径に形成され、その内周面と小口径吸着パッド15の軸部外周面との間には第2排気路Bを構成する空隙部が形成されている。
【0012】
ブロック部材14の上端面から、台座11の内周面11aと内周面11bとの段部に至るシャフト部材12の外周部には、スプリング18と、リング板状のスプリングガイド19が設けられ、スプリングガイド19の上面における上記段部に対向する面には、所定時に第2排気路Bを開閉するためのOリング19aが装着されている。なお、スプリングガイド19はシャフト部材12に対して摺動可能に設けられるが、シリンダ装置13の駆動軸13aを上昇させたときの小口径吸着パッド15の最大突出量が一定でも良い場合には、シャフト部材12に固定されていても良い。また、上記台座11内面の内周面11aと内周面11bとの段部、スプリング18、スプリングガイド19、Oリング19a、シャフト部材12、ブロック部材14、及びシリンダ装置13によって第2排気路開閉手段を構成している。
【0013】
また、図1に示すように、小口径吸着パッド15が下降した状態では、第1排気路Aと第2排気路Bは内周面11bによって形成された中間部の室で連通されている。排気口11dは真空配管20を介して図示省略している真空ポンプに接続されている。さらに、シャフト部材12の上部には小口径吸着パッド15の加熱手段であるヒータ21が設けられ、台座11の上端部には大口径吸着パッド17の加熱手段であるヒータ22が設けられている。ヒータ21、22は、何れも図示省略している温度センサと、温度制御装置によってそれぞれ所望の温度を保持できるように構成されている。
【0014】
上記のように構成された真空吸着装置10は、被加工物30を保持する加工テーブル40の所定位置に設けられた取付穴40aの内部に設置されるように構成されている。なお、真空吸着装置10の上下方向の位置は、小口径吸着パッド15及び大口径吸着パッド17によって被加工物30を吸着し、小口径吸着パッド15が下降した状態で、被加工物30が加工テーブル40の表面40bと同一平面を形成するように加工テーブル40に対して固定される。なお、例えば固定部材16のねじ込み量によって大口径吸着パッド17の高さを微調整し得るように構成しても良い。また、加工テーブル40に設ける真空吸着装置10の数や間隔等は、被加工物30の大きさや物性等に応じて適宜決められる。
【0015】
次に、上記のように構成された真空吸着装置の動作について、図1〜図3を参照して説明する。なお、図2は図1に示された第1の係着部材を上昇させた状態を示す断面図、図3は図2の状態から第1の係着部材が下降され、被加工物30を第2の係着部材と共に係着した状態を示す断面図である。
まず、加工テーブル40上に被加工物30、例えば電力用の大型変圧器の絶縁部などに用いられる絶縁紙、プレスボード等、例えば数メートル四方以上といった大型の被加工物30を載置する。このとき、被加工物30は、例えば撓み、捩れ、弛み、あるいは載置時の空気の進入等によって歪みが生じ、加工テーブル40の表面40bとの間に凹凸が生じる。図1の被加工物30は前記のように生じた凸部が真空吸着装置10の近傍に存在する場合を模式的に示している。
【0016】
次に、シリンダ装置13の駆動軸13aを上昇させることにより、スプリング18の反力でOリング19aが加圧され、図1に示す真空経路である第2排気路Bが遮断される。これにより真空ポンプから得られた真空圧力は、第1排気路Aを通り、小口径吸着パッド15の中心部の穴を通って周囲の空気を吸引する。シリンダ装置13の駆動軸13aを更に上昇させ、被加工物30に小口径吸着パッド15が当接する程度までシャフト部材12を上昇させることで被加工物30を小口径吸着パッド15に対して図2に示すように吸着させることができる。
【0017】
小口径吸着パッド15が被加工物30を吸着した後、真空ポンプによる排気を続けた状態でシリンダ装置13を下降させると、シリンダ装置13の下降端直前に、被加工物30が大口径吸着パッド17に押し付けられる。このタイミングとほぼ同時に、Oリング19aがスプリング18の反力から開放され、遮断されていた第2排気路Bが開成される。この動作が行われる直前までは、スプリングガイド19部まで真空状態にあるため、被加工物30を図3に示すように大口径吸着パッド17に対して瞬時に真空吸着させることができる。
【0018】
上記の第2排気路開閉手段は、シリンダ装置13の上下駆動と、スプリング18、Oリング19aの動作により、第1排気路Aと第2排気路Bの2つの真空経路を切り替える電磁弁の役割を果たしている。また、図3の状態にあるときの小口径吸着パッド15の吸着面の高さは、加工テーブル40の上面40b及び、大口径吸着パッド17が被加工物30を真空吸着した状態での吸着面との高さと同一高さになるように配置されていることで、被加工物30の歪みを矯正することができる。
【0019】
尚、台座11に取り付けられた温調機能付きのヒータ22及びシャフト部材12に取り付けられた温調機能付きのヒータ21によって、大口径吸着パッド17及び小口径吸着パッド15は、それぞれがある一定の温度以上に保たれる。これは、気温等の温度環境変化の影響によって、吸着パッドの素材である合成ゴムの硬化、つまり弾性特性が低下することを防ぐためであり、吸着部の温度を一定に保つことにより、吸着パッドの素材である合成ゴムの弾性特性が安定する。その結果、安定した吸着状態が得られる。
【0020】
上記のように、実施の形態1によれば、被加工物30に対して進退可能に設けられ、減圧によって被加工物30の表面を係着させる第1の係着部材である小口径吸着パッド15を中心部に配設し、被加工物30における小口径吸着パッド15による係着部の外側周囲部分を減圧によって係着させる第2の係着部材である大口径吸着パッド17をこの小口径吸着パッド15の周りを囲む如く、外周部に一体的に配設したので、被加工物30の歪みが大きい部分を容易に吸着する役割を小口径吸着パッド15が担い、加工時に発生する加工応力に耐え得る保持力を確保する役割を大口径吸着パッド17が担うことで、役割が効果的に分担され、被加工物30に歪みや撓みなどがあっても確実に係着することができる。このため、大型で且つ歪みの大きい被加工物30を、歪みを矯正した状態で確実に吸着し、また切断や切削加工等の加工応力にも耐える係着力を得ることができる。
【0021】
また、上記の効果が得られる結果、作業性が格段に改善される。このため、作業時間の短縮、エネルギー消費の節減なども期待することができる。さらに、小口径吸着パッド15、及び大口径吸着パッド17を必要に応じて所定温度に加熱することができるヒータ21、22を設けるようにしたので、吸着パッドが気温等の温度環境変化の影響で、弾性特性が低下する現象を防ぎ、気温等の温度環境の変化に影響されることなく被加工物表面の凹凸形状に対して常に安定した吸着状態を維持することができる。
【0022】
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2による真空吸着装置の要部を示す断面図である。なお、この実施の形態2は、被加工物を係着する第1の係着部材として、実施の形態1における減圧を利用した小口径吸着パッド15に代えて、粘着力を利用したシリコーンゲルからなる粘着ブロックを用いるようにしたものである。図において、シャフト部材12Aは中実の丸棒状に形成され、その先端部には被加工物30の表面を係着させるための粘着ブロック15Aが固定されている。粘着ブロック15Aは、金属材料の表面上にシリコーンゲルの焼付け処理が施されたものである。
【0023】
なお、実施の形態1の図1におけるスプリング18、スプリングガイド19、Oリング19aなどは省かれ、従って第2排気路開閉手段も省かれている。また、ブロック部材14Aは、図1に示す連通路14aが省かれている。さらにヒータ21も省かれている。また、シリンダ装置13の駆動軸13aを下端部まで下降させたときの粘着ブロック15Aの上端の位置は、実施の形態1と同様に加工テーブル40の表面40bと同一のレベルとなるように構成されている。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0024】
上記のように構成された実施の形態2においては、シリンダ装置13の駆動軸13aを上昇させることにより、シャフト部材12Aの先端に取り付けられた粘着ブロック15Aが上昇し、粘着ブロック15Aにおける粘着性のあるシリコーンゲル表面が被加工物30の表面(裏面)に当接されて係着する。その後、シリンダ装置13の駆動軸13aを下降させることで、被加工物30が大口径吸着パッド17に真空吸着される。シリコーンゲルは繰り返し粘着性を維持するものであり、汚れの付着等により粘着性が低下した場合は、水やエタノール等により洗浄することで、その粘着性が回復する。なお、同様の粘着性を有するものであれば、シリコーンゲル以外の材料を用いても差し支えない。この実施の形態2で必要な真空経路は、実施の形態1における第2排気路Bに相当する1経路のみである。
【0025】
上記のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と略同様に大型で且つ歪みの大きい被加工物を、歪みを矯正した状態で確実に係着し、且つ切断及び切削加工等の加工応力にも耐える保持力をも維持することができる。また、構成が簡素となるので安価に提供することも可能となる。また、気温の変化に対しても実施の形態1と同様の作用効果が得られることは勿論である。なお、所望により実施の形態1と同様のヒータ22を付加することも差し支えない。
【0026】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3による真空吸着装置の要部を示す断面図である。図において、台座11の上端部には大口径吸着パッド17を振動させるための振動手段である振動モータ23が設けられている。なお、この例では図1に示すヒータ22は設置されていない。その他の構成は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0027】
上記のように構成された実施の形態3においては、図示されていない被加工物30を大口径吸着パッド17に真空吸着させる際に、振動モータ23によって大口径吸着パッド17を振動させるように動作させる。このように、大口径吸着パッド17を振動させながら被加工物30に係着させると、単に被加工物30の表面に押付けるだけの場合に比べて被加工物30表面の凹凸状態によらず、大口径吸着パッド17の吸着部が馴染み易くなる。また、20℃から30℃程度の温度環境の低下による吸着部の硬化であれば、温度調節機能付きのヒータ22の効果と同等の効果が得られる。なお、低温環境に備えるために所望により実施の形態1と同様のヒータ22を付加しても良い。
【0028】
なお、上記実施の形態1〜3で例示した、例えば小口径吸着パッド15、粘着ブロック15A、及び大口径吸着パッド17の形状や固定構造、第1排気路A及び第2排気路Bの形成方法や構造、第2排気路開閉手段の構成、台座11の構成、ヒータ21、22の設置位置などは、何れもこの発明を実施するための一形態に過ぎず、この発明の範囲内で種々の変形や変更が可能であることは言うまでもない。また、加工テーブル40の形状や構成、被加工物30の種類や大きさ、用途、あるいは上下関係などについても本書で例示したものに限定されないことは当然である。
【符号の説明】
【0029】
10 真空吸着装置、 11 台座、 11a、11b、11c 内周面、 11d 排気口、 12、12A シャフト部材、 13 シリンダ装置、 13a 駆動軸、 14 ブロック部材、 14a 連通路、 14b Oリング、 15 小口径吸着パッド(第1の係着部材)、 15A 粘着ブロック(第1の係着部材)、 16 固定部材、 17 大口径吸着パッド(第2の係着部材)、 17a 吸着面、 18 スプリング、 19 スプリングガイド、 19a Oリング、 20 真空配管、 21、22 ヒータ、 23 振動モータ(振動手段)、 30 被加工物、 40 加工テーブル、 40a 取付穴、 40b 表面、 A 第1排気路、 B 第2排気路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物に対して進退可能に設けられ、減圧または粘着によって上記被加工物の表面を係着させる第1の係着部材と、この第1の係着部材の周りを囲む如く形成され、上記被加工物における上記第1の係着部材による係着部の外側周囲部分を減圧によって係着させる第2の係着部材と、を備えたことを特徴とする真空吸着装置。
【請求項2】
上記第1の係着部材は、シリンダによって上記進退方向に駆動され、第1排気路を構成する中空のシャフト部材の先端部に固定され、中心部に貫通孔を有する小口径吸着パッドからなり、上記第2の係着部材は、上記シャフト部材の外周面に対して、第2排気路を構成する間隙を介して設けられた大口径吸着パッドからなることを特徴とする請求項1記載の真空吸着装置。
【請求項3】
上記シリンダの進退に連動して上記第2排気路を開閉する第2排気路開閉手段を備え、上記シリンダを上記被加工物に対して進出させたときに上記第2排気路開閉手段が閉成されて上記小口径吸着パッドに上記被加工物の表面を係着させ、上記シリンダを後退させたときに上記第2排気路開閉手段が開成されて上記被加工物の表面を、上記小口径吸着パッドによる係着と協働して上記大口径吸着パッドによって係着させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の真空吸着装置。
【請求項4】
上記第1の係着部材は、シリンダによって上記進退方向に駆動されるシャフト部材の先端部に固定された粘着ブロックからなることを特徴とする請求項1記載の真空吸着装置。
【請求項5】
上記第1の係着部材及び上記第2の係着部材を所定温度に加熱するための加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の真空吸着装置。
【請求項6】
上記第2の係着部材を振動させる振動手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の真空吸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−152861(P2012−152861A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14641(P2011−14641)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】