説明

真空注入製造プラント

本発明は、 プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンクであって、上記第1の貯蔵タンクはプロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンクに接続されている第1の貯蔵タンクと、第2の溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクであって、上記第2の貯蔵タンクは第2の溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている第2の貯蔵タンクとを少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、ここで、第1の投与タンクおよび第2の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、真空注入製造プラントに関する。特に、本発明は、プロバイオティック微生物を押出加工された食品に注入するための真空注入製造プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
長期保存用に長期生存率を有するプロバイオティック微生物を含む食品組成物を得るために、さまざまな商業的試みがなされているが、これらのうちの多くは、押出加工などの標準的な商業的ペットフードの製造処理に対する微生物の感受性と関連した問題のために、十分な有効レベルの生存可能なプロバイオティック微生物を提供するものではない。たとえば、標準的なペットフードキブルをプロバイオティック微生物でコーティングまたは充填する取り組みが提案されているが、実際には、たいてい非実用的であると立証されている。
【0003】
国際公開公報第01/95745号(特許文献1)は、プロバイオティック微生物などの不安定な基質を油溶液中に含む、多孔質構造によって特徴づけられる食料製品(キブル)を製造する方法を提供しており、ここで、「部分真空」の工程によって、続いて容器に不活性ガスを吐出することで圧力を正常化することによって、基質が製品に流動性形態で含まれている。
【0004】
国際公開公報第05/070232号(特許文献2)は、国際公開公報第01/95745号(特許文献1)と類似した食料製品を製造する方法を提供し、油の固体脂指数が少なくとも20であることをさらに特徴とする。国際公開公報第05/070232号(特許文献2)は、賦形剤の固体脂指数が20℃において少なくとも20である脂肪の本質的な使用を開示しており、ここで、好ましい賦形剤はやし油であり、パーム油がさらにより好ましい。
【0005】
国際公開公報第03/009710号(特許文献3)は、食品用表面コーティング組成物をオンラインで混合および適用するためのシステムおよび方法を開示しており、装置もまた開示されている。この装置は、液体−液体混合モジュールにインラインで接続されている乾燥物質−液体混合モジュール(ここで、乾燥物質がプロバイオティクスであってもよい)を含み、ここで、1つ以上の液体を第1の液体(プロバイオティクスを含んでいる可能性がある)に混合することができる。
【0006】
したがって、プロバイオティクスを食品に組み入れるための改良された製造プラントが有利となり、特に、食品にプロバイオティクスを組み入れて、プロバイオティクスの生存率を延長させるためのより効率的かつ/または高信頼性の製造プラントが、有利となるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開公報第01/95745号
【特許文献2】国際公開公報第05/070232号
【特許文献3】国際公開公報第03/009710号
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の局面は、
−プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンクに接続されている、プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンク
を含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、
ここで、第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されている。
【0009】
第2の局面は、
−プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンクであって、プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンクに接続されている、第1の貯蔵タンクと、
−第2の溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクであって、第2の溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている、第2の貯蔵タンクと、
を少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、
ここで、第1の投与タンクおよび第2の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0010】
貯蔵タンクおよび投与タンクの内容物を変更する必要なしに、2つを超える懸濁液/溶液を真空注入することが可能であることは、有利となるであろう。したがって、本発明の第3の局面は、
−プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンクであって、プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンク(6)に接続されている、第1の貯蔵タンクと、
−脂肪溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクであって、脂肪溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている、第2の貯蔵タンクと、
−消化物溶液を貯蔵するための第3の貯蔵タンクであって、消化物溶液を投与するための第3の投与タンクに接続されている、第3の貯蔵タンクと、
を少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、
ここで、第1の投与タンク、第2の投与タンク、および第3の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0011】
開示されている発明の製造プラントでは、プロバイオティック懸濁液が、製品に真空注入される他の成分とは別に保たれる。このことは、第1の投与タンクを真空注入タンクに個々に接続することでなされる。1つの利点は、プロバイオティック油/脂肪懸濁液が適用される場合に、真空タンクに到達する前に他の材料と接触することなく、プロバイオティクスの最適生存率が維持されることである。
【0012】
第2の投与タンク内および第3の投与タンク内の溶液は、接合された接続部を介して真空注入タンクに接続されていてもよく、このことによって、プラントをより簡潔に構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による製造プラントの一部分を形成することのできるタンク、容器、接続部などを説明する、本発明の一態様を示す。
【図2】本発明による製造プラントの一部分を形成することのできるタンク、容器、接続部などを説明する、本発明の別の態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
定義
本発明についてさらに詳細に考察する前に、以下の用語および表記規則を最初に定義することとする。
【0015】
押出加工
本文脈において、用語「押出加工」または「押出加工された」は、食品の加熱と押出成形の実行とを組み合わせて、調理成形された食品を生成することであり、かつ、湿潤性、澱粉質、タンパク質性の食品が調理して、粘性で可塑性の生地にするプロセスである「押出品を調理すること」を指す。押出加工を通じた食品原料成分の調理は、以下をもたらし得る。すなわち、
1)澱粉の糊化、
2)タンパク質変性、
3)未加工食品の酵素の不活性化、
4)自然発生する有害物質の破壊、および
5)予め押出加工された製品に由来する菌数の減少。
金型を通って排出されると、高温で可塑性の押出品は、急激な圧力低下のために水分および熱が損失することで、急速に膨張する。膨張冷却および乾燥後、押出加工製品は、剛性構造を生じ、多孔質組織を維持する。
【0016】
プロバイオティクス
本明細書で使用される用語「プロバイオティクス」は、宿主動物の腸内微生物バランスを向上させることによって、宿主動物(たとえばヒトまたは愛玩動物)に有益な影響を及ぼす生菌栄養補助食品として定義されている。
【0017】
適したプロバイオティック微生物の例は、次のものを包含する:たとえば、サッカロミセス属(Saccharomyces)、デバリオミセス属(Debaromyces)、カンジダ属(Candidaw)、ピチア属(Pichia)およびトルロプシス属(Torulopsis)などの酵母、たとえば、アスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス属(Rhizopus)、ムコール属(Mucor)、およびペニシリウム属(Penicillium)およびトルロプシス属などのカビ、ならびに、たとえば、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、クロストリジウム属(Clostridium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、メリソコッカス属(Melissococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、コクリア属(Kocuriaw)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostrepococcus)、バチルス属(Bacillus)、ペジオコッカス属(Pediococcus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ワイセラ属(Weissella)、アエロコッカス属(Aerococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)およびラクトバチルス属(Lactobacillus)などの細菌。適したプロバイオティック微生物の具体例は、次の通りである:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(A. oryzae)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・レンタス(B. lentus)、バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、バチルス・メセンテリカス(B. mesentericus)、バチルス・プミルス(B. pumilus)、枯草菌(B. subtilis)、バチルス・ナットー(B. natto)、バクテロイデス・アミロフィルス(Bacteroides amylophilus)、バクテロイデス・カピローサス(Bac. capillosus)、バクテロイデス・ルミノコーラ(Bac. ruminocola)、バクテロイデス・スイス(Bac. suis)、ビフィドバクテリウム・アドレッセンチス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(B. animalis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィズス菌(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B. infantis)、ビフィドバクテリウム・ラクチス(B. lactis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・プソイドロンガム(B. pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム(B. thermophilum)、カンジダ・ピントレペシイ(Candida pintolepesii)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、エンテロコッカス・クレモリス(Enterococcus cremoris)、エンテロコッカス・ジアセチラクチス(E. diacetylactis)、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)、エンテロコッカス・インテーミディウム(E. intermedium)、エンテロコッカス・ラクチス(E. lactis)、エンテロコッカス・ムントディ(E. muntdi)、エンテロコッカス・テルモフィルス(E. thermophilus)、大腸菌(Escherichia coli)、クリベロミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)、アシドフィルス乳酸桿菌(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(L. alimentarius)、ラクトバチルス・アミロボラス(L. amylovorus)、ラクトバチルス・クリスパタス(L. crispatus)、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・カセイ(L. Casei)、ラクトバチルス・カルバタス(L. curvatus)、ラクトバチルス・セロビオサス(L. cellobiosus)、デルブロイキイ亜種ブルガリア乳酸桿菌(L. delbrueckii ss. bulgaricus)、ラクトバチルス・ファルシミニス(L. farciminis)、ラクトバチルス・フェルメンタム(L. fermentum)、ラクトバチルス・ガッセリ(L. gasseri)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(L. helveticus)、乳酸桿菌(L. lactis)、ラクトバチルス・プランタラム(L. plantarum)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(L. johnsonii)、ラクトバチルス・ロイテリ(L. reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(L. rhamnosus)、ラクトバチルス・サケイ(L. sakei)、ラクトバチルス・サリバリウス(L. salivarius)、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、ペジオコッカス・セレヴィシエ(P. cereviseae)(ダムノサス(damnosus))、ペジオコッカス・アシジラクティシー(Pediococcus acidilactici)、ペジオコッカス・ペントーサセウス(P. pentosaceus)、プロピオニバクテリウム・フロイデンライヒイ(Propionibacterium freudenreichii)、プロピオニバクテリウム・シェルマニイ(Prop. shertnanii)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharontyces cereviseae)、スタフィロコッカス・カルノサス(Staphylococcus carnosus)、スタフィロコッカス・キシロサス(Staph. xylosus)、ストレプトコッカス・インファンタリウス(Streptococcus infantarius)、ストレプトコッカス・サリバリウス亜種テルモフィルス(Strep. Salivarius ss. thermophilus)、ストレプトコッカス・テルモフィルス(Strep. thermophilus)、乳連鎖球菌(Strep. lactis)。
【0018】
粘度
用語「粘度」は、せん断応力または伸長応力のいずれかによって変形している液体の抵抗の尺度を意味する。常用の用語(および液体に対してのみ)において、粘度は「厚さ」である。粘度係数が、粘度に対する数値として最も頻繁に使用されている。せん断粘度および動的粘度が、最も頻繁に使用されている。「動的粘度」(または絶対粘度)は、粘度を測定する単位である。国際単位系の動的粘度の物理単位はパスカル・秒(Pa・s)であり、これはkg・m-1・s-1と同一である。粘度が1Pa・sの液体が2つのプレート間に配置され、1つのプレートが1パスカルのせん断応力で側方に押される場合、当該プレートはプレート間にある層の厚さと等しい距離を1秒で移動する。動的粘度に対するcgsの物理単位は、ポアズである。これは、特にASTM規格において、センチポアズ(cP)として、より一般に表示されている。ポアズとパスカル-秒との関係は、以下の通りである:
1 cP = 0.001 Pa・s = 1 mPa・s
20℃での水の粘度は、1.0020 cPである。動的粘度は、たとえば実施例1にて用いられているPhysica MCR 301など、さまざまなタイプのレオメータで測定される。液体粘度の温度依存性は、液体の温度が上昇するにつれて液体粘度が一般に減少する(あるいは、その流動性が一般に増大する)現象である。したがって、液体を厳密に温度制御することは、特に潤滑剤のような材料における精密な測定には必須であり、その粘度はわずか5℃の変化で2倍になる可能性がある。本発明の文脈に記載の動的粘度は、他に明示されていない場合には、20℃での動的粘度とする。本発明の文脈において、油の動的粘度の変化は、ΔPa・s/℃として表示されている。本明細書で使用されている用語「粘度」はまた、せん断応力または伸長応力のいずれかによって変形している液体の抵抗を意味する。常用の用語(および液体に対してのみ)において、粘度は「厚さ」である。国際単位系の動的粘度の物理単位はパスカル-秒(Pa・s)であり、これはkg・m-1・s-1と等しい。
【0019】
コロニー形成単位
用語「コロニー形成単位(CFU)」は、生存可能な細菌または真菌の数の尺度である。死細胞および生細胞のすべての細胞を計測する直接顕微鏡的計数法とは異なり、CFUは生存可能な細胞を測定する。
【0020】
食品
本明細書で使用されている用語「食品」は、プロバイオティクスの有益な機能が付加されることが望まれる、任意の食品を意味する。たとえばそれは、朝食用シリアル、ペットフード、動物飼料、おやつであってもよい。しかし、それは、あらゆるヒトおよび/または動物用に意図された任意の食品であってもよい。たとえば、食品は、粒状の食品または食品原料成分でもよく、たとえば押出加工されたスナック製品、トルティーヤチップス、朝食用シリアル、クッキー、クリスプブレッド、食品発泡体、粉米(Rice broken)、ピーナツ、大豆、およびコーンの混合物、パフ小麦、低密度の発泡コーンおよび米の朝食、同時押出製品、ミューズリーバー、および押出加工によって形成される他の任意の押出加工製品などである。
【0021】
懸濁液
用語「懸濁液」は、凍結乾燥された微生物などの、液体に溶解せず、沈降するのに十分に大きな粒子を含む液体(油など)を意味する。均質な懸濁液とは、機械的撹拌(たとえば混合)によって粒子が外部相(液体)全体にわたって分散している懸濁液を意味する。懸濁粒子(たとえば微生物)は、顕微鏡下で視認することができ、そのまま放置されると時間とともに沈降する。油賦形剤はまた、プロバイオティクスを含む懸濁液であることを理解されたい。
【0022】
酸化防止剤
用語「酸化防止剤」は、他の物質の酸化を遅らせるか、あるいは防ぐことの可能な物質を意味する。酸化防止剤は、食品の劣化を低減させる食品添加物として頻繁に使用されている。合成酸化防止剤および天然酸化防止剤の両方が使用されている。天然酸化防止剤は、たとえば、フラバノイド、カロテノイド、トコトリエノール、トコフェロール、およびテルペン(アスタキサンチンなど)など、広範囲の種類の化合物のうちで特定されている。
【0023】
番号付けは、図1を参照しているが、当業者は、必要に応じて、この番号付けを図2に示されている番号付けに容易に変換することができるであろう。
【0024】
プラントは、たとえばプロバイオティック懸濁液、脂肪溶液、および消化物溶液など、個別の溶液を貯蔵するために使用可能な1つ以上の貯蔵タンク2〜5を含んでいてもよい。貯蔵タンク2は、混合タンク1にさらに接続されていてもよい。この理由は、油/脂肪懸濁液と凍結乾燥させたプロバイオティック粉末とを混合すると、当該粉末が油/脂肪懸濁液にゆっくり混合されなくても、結果としてプロバイオティクスを沈殿させることができるからである。この混合は手動で行ってもよい。混合タンク1は、貯蔵タンク2の上に物理的に配置されてもよい。このように、混合タンク1内の懸濁液が、混合タンク1の底部に配置されている出口を通って貯蔵タンク2に移送されることができる。さらに、このような配置が意味するのは、移送を重力のみによって行うことができ、このことは懸濁液中のプロバイオティクスの生存率にとって有益となり得ることである。
【0025】
プロバイオティック懸濁液を貯蔵し投与する貯蔵タンク2および投与ユニットタンク6は、インペラもしくは回転式タンクまたは両方の組み合わせなど、懸濁液を混合する手段を含んでもよい。類似した混合手段を、他の貯蔵タンクおよび投与タンクが含んでもよい。その上、貯蔵タンク2〜5の各々が、個別の投与タンク6〜9にさらに接続されていてもよい。その上、投与タンク6〜9の各々が、単一の真空注入タンク14にさらに接続されていてもよい。これらの接続部は、一態様においては、噴霧ノズル10〜13であり、各投与タンクを真空注入タンク14に個別に接続しており、各々の投与ユニットタンクの内容物を真空注入タンク14内にある食品に個別に噴霧することができる。このことは、プロバイオティクスを含む油/脂肪懸濁液を1つ以上の他の溶液と混合することを回避するために重要である。というのは、相互混合することによって、プロバイオティクスの生存率が低下する可能性があるからである。したがって、プロバイオティック油/脂肪懸濁液から真空注入タンクまで通じている少なくとも噴霧ノズルは、他の投与タンクのいずれにも接続されるべきではない。このことは、固体食品に到達するまで、プロバイオティクスを含む懸濁液を他のあらゆる液体から離しておくことを教示していない国際公開公報第03/009710号とは対照的である。
【0026】
噴霧ノズルの詳細な形状は変更可能である。というのは、ノズルの形態および形状は、ノズルを通って噴霧される予定の溶液/懸濁液に応じて最適にされる必要があるからである。真空注入タンクは、食品を受容するための1つ以上の開口部17をさらに含んでいてもよい。食品がタンク内の適所にある場合、以下の工程を行うことができる:
a)真空注入タンク内の圧力を0.2〜0.95バールまで減少させること、
b)投与ユニットタンク6〜9のうちの1つから、対応する1つ以上の噴霧ノズル10〜13を通して、たとえば29℃未満の温度で、溶液のうちの1つを気化させること、
c)圧力を1バールまで回復させること。
ついで、食品にさらに真空注入するために、工程a)〜c)を他の溶液(または同じ溶液)で繰り返してもよい。このことは、後続の溶液を製品に注入するのに重要である。製品および/またはプロバイオティクスに有害となり得る圧力の急激な変化を避けるために、真空をゆっくり解放してもよい。
【0027】
真空注入タンク内の圧力の減少(工程a)はまた、0.2〜8バールの範囲内にあってもよい。
【0028】
同様に、工程Bの温度範囲は、15〜30℃であってもよく、たとえば15〜29℃、または20〜29℃などである。
【0029】
真空タンクには、不活性ガスを使用して、真空タンク内の圧力を解放するように設計されているものもあるが、これは、実際にはプロバイオティクスの生存率にとって有害となり得る。したがって、一形態では、窒素および二酸化炭素などの不活性ガスにより圧力を解放しない。大気は窒素および二酸化炭素を含んでいるが、大気を使用して圧力を解放することは本発明の一部分であることを理解されたい。
【0030】
噴霧された溶液を注入タンク内に均一に分布させるために、ある種の混合が必要とされてもよい。したがって、混合タンク(真空注入タンク14)は回転可能であるか、あるいはインペラなどを含んでいてもよい。それゆえに、噴霧工程中または各々の噴霧工程の後に混合を行う場合が、有利であり得る。
【0031】
したがって、一形態では、真空注入タンクが、以下の混合手段:回転式インペラ、回転式混合タンク、のうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
真空注入タンクは、回収容器15に通じている出口を含んでもよい。コーティング剤(真空注入される予定のない)が食品にも必要である場合に、回収タンク15は特に有用となり得る。このようなコーティング剤は、回収タンク15に接続されている容器16内に貯蔵されていてもよい。コーティング剤の例には、蜂蜜、天然甘味料、人工甘味料、ビタミン、酒石、または他の添加物等を含む懸濁液であってもよい。
【0033】
以下のセクションにおいて、本発明をさらに詳細に考察することとする。
【0034】
プロバイオティクスを含む食品を製造可能にするために、製造プラントが必要である。したがって、第1の局面では、本発明は、
−プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンクに接続されている、プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンク
を含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、ここで、第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されている。
【0035】
このようにして、プロバイオティック懸濁液を、真空注入タンク内に配置されている食品に噴霧することができる。
【0036】
プラント
貯蔵タンクおよび投与タンクの内容物を変更する必要なく、2つの懸濁液/溶液を真空注入可能であることが、有利となり得る。
【0037】
したがって、一態様では、製造プラントが、第2の溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている、第2の溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクをさらに含み、ここで、第2の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0038】
第2の局面は、
−プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンクであって、プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンクに接続されている、第1の貯蔵タンクと、
−第2の溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクであって、第2の溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている、第2の貯蔵タンクと、
を少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、ここで、第1の投与タンクおよび第2の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0039】
開示の発明の製造プラントでは、プロバイオティック懸濁液が、製品に真空注入されることのできる他の溶液とは別に保たれている。このことは、第1の投与タンクを真空注入タンクに個別に接続することでなされる。1つの利点は、プロバイオティック油/脂肪懸濁液が他の溶液とは別に保たれる場合、プロバイオティクスの最適生存率が維持されることである。油/脂肪懸濁液が、酸化防止剤およびまたは他の保存剤を含んでいてもよいことを、理解されたい。少なくとも2つの貯蔵タンクおよび投与タンクに関する局面および態様は、ヒト用の特定の製品に特に適している可能性があり、ここでは2つの真空コーティング工程が最適となり得る。実施例2は、ヒト用の食品をコーティングする方法を開示しており、ここで、コーティング過程は、2つの独立した真空コーティング工程(懸濁液およびシロップ)を含む。
【0040】
したがって、一態様では、第2の貯蔵タンクおよび第2のタンクが、以下からなる群から選択される溶液用のために意図されている:シロップ、消化物、脂肪溶液、および香味剤。さらなる態様では、第2の貯蔵タンクおよび第2のタンクが、シロップなどの香味剤成分用に意図されている。
【0041】
本発明の局面のうちの1つの文脈に記載されている態様および特徴が、本発明の他の局面にも適用されることに留意されたい。したがって、本発明の以下の局面における製造プラントに関する態様および特徴もまた、製造プラントを開示している他の局面に適用される。
【0042】
プラントの変形例
第1または第2の貯蔵タンクならびに第1および第2の投与タンクの内容物を変更する必要なく、2種類を超える懸濁液/溶液を真空注入可能であることが、有利となり得る。
【0043】
したがって、一態様では、本発明は、溶液を貯蔵するための少なくとも第3の貯蔵タンク(4)をさらに含む製造プラントに関し、上記第3の貯蔵タンク(4)は、1つ以上の噴霧ノズルを通して第3の溶液を投与するための第3の投与タンク(8)に接続されている。
【0044】
したがって、本発明の第3の局面は、
−プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンクであって、プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンク(6)に接続されている、第1の貯蔵タンクと、
−脂肪溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクであって、脂肪溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている、第2の貯蔵タンクと、
−消化物溶液を貯蔵するための第3の貯蔵タンクであって、消化物溶液を投与するための第3の投与タンクに接続されている、第3の貯蔵タンクと、
を少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、ここで、第1の投与タンク、第2の投与タンク、および第3の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0045】
開示の発明の製造プラントでは、プロバイオティック懸濁液が、製品に真空注入される予定の他の成分とは別に保たれている。このことは、第1の投与タンクを真空注入タンクに個々に接続することでなされる。1つの利点は、プロバイオティック油/脂肪懸濁液が他の溶液と別に保たれる場合、プロバイオティクスの最適生存率が維持されることである。本発明のこの局面は、3つの真空コーティング工程が有利であり得る特定のペットフード製造ラインに、特に適合し得る。実施例1は、ペットフードキブルの3工程のコーティングの一例を示している。
【0046】
上述の局面は、特に、懸濁液、脂肪混合物、および消化物混合物をコーティングするための製造プラントに関するものであるが、このプラントはまた、他の物質を食品にコーティングするために使用されてもよいことを理解されたい。したがって、代替局面では、本発明は、
−第1の溶液を貯蔵するための第1の貯蔵タンクであって、第1の溶液を投与するための第1の投与タンク(6)に接続されている、第1の貯蔵タンクと、
−第2の溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンクであって、第2の溶液を投与するための第2の投与タンクに接続されている、第2の貯蔵タンクと、
−第3の溶液を貯蔵するための第3の貯蔵タンクであって、第3の溶液を投与するための第3の投与タンクに接続されている、第3の貯蔵タンクと、
を少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントに関し、ここで、第1の投与タンク、第2の投与タンク、および第3の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0047】
好ましい態様では、第1の溶液がプロバイオティック懸濁液である。
【0048】
真空注入される代替的な溶液の非限定的な例は、香味剤溶液、シロップ、およびビタミン溶液である。当然ながら、これは、プロバイオティック懸濁液、脂肪、消化物、およびシロップなどのすでに述べられた溶液に追加される。
【0049】
第2の投与タンクおよび第3の投与タンクの溶液が、接合された接続部を介して真空注入タンクに接続されていてもよく、このことによって、プラントをより簡潔に構成することが可能となる。
【0050】
他の溶液を、本発明の製品に真空注入してもよい。したがって、別の態様では、製造プラントが、溶液を貯蔵するための少なくとも第4の貯蔵タンクをさらに含み、上記第4の貯蔵タンクは、1つ以上の噴霧ノズルを通して溶液を投与するための第4の投与タンクに接続されている。
【0051】
第4の貯蔵タンクおよび第4の投与タンクは、さらなる溶液を貯蔵するために最適化されてもよい。第2の投与タンク、第3の投与タンク、および第4の投与タンクの溶液は、接合された接続部を介して真空注入タンクに接続されていてもよく、このことによって、プラントをより簡潔に構成することが可能となる。
【0052】
投与タンクにある溶液のうちのいくつかが相互混合するのを回避することはまた、有利となるであろう。したがって、別の態様では、本発明は製造プラントに関し、ここで、以下の投与タンク:第2の投与タンク、第3の投与タンク、および第4の投与タンク、のうちの少なくとも1つがまた、1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている。
【0053】
異なる溶液のうちの2つ以上を相互混合させることは、結果として噴霧ノズルの沈殿および凝固をもたらす可能性があるため、このことは、有利であり得る。
【0054】
相互混合される投与タンク
場合によっては、投与タンク内の溶液はいずれも、これらが真空注入タンクに進入する前に相互混合されるべきではない。それゆえに、さらに別の態様では、本発明は、以下の投与タンク:第2の投与タンク、第3の投与タンク、および第4の投与タンク、のそれぞれがまた、1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンクに個別に接続されている製造プラントに関する。異なる溶液のうちの2つ以上を相互混合させることは、結果として噴霧ノズルの沈殿および凝固をもたらす可能性があるため、このことは、有利であるであろう。別の利点は、たとえば第4の貯蔵タンクおよび第4の投与タンクが、たとえば、投与タンクのうちの1つのノズルが凝固した場合の追加の注入ラインとして保存されてもよいことであり得る。このように、第4の注入ラインに高速に切替えることができ、したがって、プラントの故障である恐れのある、費用のかかる「休止時間」を免れることができる。「注入ライン」とは、真空タンクに通じる容器の組み合わせを意味し、たとえば、1つ以上の噴霧ノズルを介して真空注入タンクに通じている第4の投与タンクに通じる第4の貯蔵タンクであることを理解されたい。
【0055】
噴霧ノズルのオリフィス
異なる溶液が食品に噴霧されるので、最適な噴霧が必要となる。したがって、さらなる態様では、本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造プラントに関し、ここで、各々の噴霧ノズルのオリフィスの断面積は、1〜250mm2、場合によっては1〜200mm2、たとえば1〜150mm2、または1〜100mm2、または1〜50mm2、または1〜25mm2、または1〜15mm2、または1〜10mm2、または1〜5mm2、または1〜3mm2である。溶液の種類ごとに最適なノズルを有することの重要性は、噴霧の効率が、各々の噴霧ノズルのオリフィスおよび当該ノズルを通過する溶液の粘度に依存していることである。さらに、噴霧はまた、溶液がノズルを通過する速度に依存する。したがって、理解されたいのは、各注入ラインが同じ種類の噴霧ノズルを有していなくてもよいということである。
【0056】
断面積
したがって、さらなる一態様では、第1の投与タンクに接続されている各々の噴霧ノズルのオリフィスが、1〜250mm2、場合によっては1〜200mm2、たとえば1〜150mm2、または1〜100mm2、または1〜50mm2、または1〜25mm2、または1〜15mm2、または1〜10mm2、または1〜5mm2、または1〜3mm2の断面積を有し、かつ、第2の投与タンクに接続されている各々の噴霧ノズルのオリフィスが、1〜250mm2、場合によっては1〜200mm2、たとえば1〜150mm2、または1〜100mm2、または1〜50mm2、または1〜25mm2、または1〜15mm2、または1〜10mm2、または1〜5mm2、または1〜3mm2の断面積を有し、かつ、第3の投与タンクに接続されている各々の噴霧ノズルのオリフィスが、1〜250mm2、場合によっては1〜200mm2、たとえば1〜150mm2、または1〜100mm2、または1〜50mm2、または1〜25mm2、または1〜15mm2、または1〜10mm2、または1〜5mm2、または1〜3mm2の断面積を有し、かつ、第4の投与タンクに接続されている各々の噴霧ノズルのオリフィスが、1〜250mm2、場合によっては1〜200mm2、たとえば1〜150mm2、または1〜100mm2、または1〜50mm2、または1〜25mm2、または1〜15mm2、または1〜10mm2、または1〜5mm2、または1〜3mm2の断面積を有する。
【0057】
ノズルを通る最適な噴霧はまた、流体の粘度に依存する。懸濁液を噴霧するための噴霧ノズルは、20℃で0.08パスカル・秒(Pa・s)未満、たとえば20℃で0.075パスカル・秒(Pa・s)未満、20℃で0.070パスカル・秒(Pa・s)未満など、たとえば20℃で0.065パスカル・秒(Pa・s)未満、20℃で0.060パスカル・秒(Pa・s)未満など、たとえば20℃で0.055パスカル・秒(Pa・s)未満、20℃で0.050パスカル・秒(Pa・s)未満など、たとえば20℃で0.045パスカル・秒(Pa・s)未満、20℃で0.040パスカル・秒(Pa・s)未満など、の動的粘度を有する懸濁液のために、好適に設計されている。一態様では、賦形剤油の動的粘度は、20℃で0.060パスカル・秒(Pa・s)未満である。さらなる一態様では、賦形剤油の動的粘度は、20℃で0.050〜0.07パスカル・秒(Pa・s)の範囲内、たとえば20℃で0.053〜0.066パスカル・秒(Pa・s)の範囲内にある。
【0058】
ノズルの効率に影響を与え得る別のパラメータは、20℃から25℃までの範囲内における粘度の変化である。これは、この温度範囲内での真空注入が、プロバイオティクスの高生存率を維持するために最適であるからである。
【0059】
底部出口
プロバイオティクスの高生存率を真空注入のすべての過程を通じて維持可能にするためには、溶液の正しい取り扱いが必要となる。したがって、さらなる態様では、本発明は、第1の混合タンクが第1の混合タンクの底部出口を介して第1の貯蔵タンクに接続されている製造プラントに関し、ここで、プロバイオティック懸濁液が、少なくとも重力によって、場合によっては重力のみによって、第1の混合タンクから第1の貯蔵タンクへ送られるように意図されている。さらなる混合タンクを有する利点は、微生物の懸濁液への追加が急速すぎると、乾燥プロバイオティクスを油/脂肪懸濁液に混合することによって、微生物の剥片/沈殿物を生じ得ることである。さらに、手動での混合が、有利であり得る。混合タンクの一例は、IBCタンクである。懸濁液を第1の貯蔵タンクに移送する場合、懸濁液に過剰な力を与えないこともまた重要である。というのは、それは、結果としてプロバイオティクスの生存率を低減させる可能性があるからである。混合タンクの底部に出口を配置し、かつ当該混合タンクの下に第1の貯蔵タンクを配置することによって、懸濁液を重力のみによって貯蔵タンクに移送することができる。
【0060】
真空吸引ユニットの条件
したがって、一態様では、第1の混合タンクと第1の貯蔵タンクとの接続部は、真空吸引ユニットを含まない。別の態様では、第1の混合タンクと第1の貯蔵タンクとの接続部は、容積式ユニットを含まない。真空吸引ユニットおよび容積式ユニットはいずれも、プロバイオティクスの生存率に有害となり得る。さらに、プロバイオティクスが接触する表面を最小限に抑えることによって、長いチューブなどの表面に付着することによるプロバイオティクスの損失、生存率の損失もまた回避することができる。
【0061】
混合手段
懸濁液が第1の貯蔵タンク内に維持されているときに、プロバイオティクスが、懸濁液中に均一に分布された状態にある/分布されることが重要である。したがって、さらなる一形態では、第1の貯蔵タンクは、以下の混合手段:回転式インペラ、回転式混合タンク、またはインペラと回転式タンクの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む。第1の貯蔵タンクがインペラ、回転式タンク、または両方の組み合わせなどの混合手段を含むことによって、プロバイオティクスの沈降を回避することができる。当業者には、記載されている目的に適し得る他の混合手段が公知であろう。インペラが混合に使用される場合、混合を最適化し、生存率の低下を最小限に抑えるが同時に均質な懸濁液を保つように、混合速度を制御することができる。したがって、貯蔵タンク2のインペラの速度は、インペラの半径が約5〜150cm、たとえば5〜50cm、50〜150cm、50〜100cm、または100〜150cmの場合、50〜1000rpmであってもよい。当業者には、rcf(相対遠心力=「g」)をrpm(毎分回転数)に変換、またはその逆に変換する方法が公知であろう。たとえば、次式を適用することによる:
rcf = 11.18 * r * (rpm/1000)^2。
【0062】
したがって、半径(r)を知ることによって、当業者は、相対遠心力を算出することができるであろう。
【0063】
したがって、一態様では、貯蔵部2のインペラの速度が、50〜1000rpm、たとえば50〜500rpm、50〜300rpm、50〜300rpm、または100〜200rpmなどである。
【0064】
未コーティングの食品を加えるための開口部
真空注入タンクはまた、真空注入を開始する前に食品(未注入)を受容することができなければならない。したがって、さらなる一形態では、真空注入タンクは、未コーティングの食品を上記の真空注入タンクに加えるための少なくとも1つの開口部を含む。食品(注入前)は、乾燥装置から真空注入タンクに直接移送されてもよく、このことは、未注入の食品は、それが真空注入タンクに入るときに周囲温度を超える温度を有する可能性があることを意味する。したがって、一態様では、真空注入タンクが乾燥装置に接続されている。製品が20〜50℃、たとえば20〜45℃、25〜50℃、30〜45℃の温度を有する場合、プロバイオティクスの生存率が有意に低下することなく、より多量の溶液/懸濁液が製品に注入される。このようにしてキブルの孔が最大限に開口され、それによって、全コーティング過程を促進させる「スポンジ」効果が生じるため、このような温度範囲は、コーティング過程を促す。
【0065】
圧力
真空注入タンクは、タンク内の圧力を真空へと低下させるように構成されていてもよい。したがって、一態様では、真空注入タンク内の圧力を、0.01バール〜1.5バールの範囲内の圧力、たとえば0.01バール〜1.5バール、0.05バール〜1.5バール、0.05バール〜1バール、0.1バール〜1バール、0.05バール〜0.1バール、0.1バール〜0.3バール、0.3バール〜0.5バール、0.5バール〜0.7バール、0.7バール〜0.9バールに調整することができる。1バールを超えて圧力を増加させることができることによって、圧力解放の後により大きな圧力差を達成することができ、このことによって、結果としてより良好に真空注入することができる。
【0066】
回収タンク
真空注入後、(プロバイオティクスを含んでいる)食品は、真空注入しないさらなるコーティング剤を必要としてもよい。したがって、さらなる態様では、コーティングされた食品を、注入タンクから回収タンクへ送るために、真空注入タンクが回収タンクにさらに接続されており、かつ回収タンクが、回収容器に適用される1つ以上の物質を含む少なくとも1つの容器にさらに接続されている。たとえば、高粘度のために、あるいは、その寸法によって噴霧ノズルを凝固させる可能性のある構成要素が溶液に含まれるために、すべての溶液が噴霧によって製品に適用されるのに適しているというわけではないので、そのような溶液を適用する他の手段を必要とし得る。さらに、真空注入タンクに溶液を追加する追加的手段を適用することは、高粘度の溶液が、すでに真空注入タンクの内部に配置されている噴霧ノズルにさらに損傷を与えることとなるため、不適切であろう。回収タンクは、たとえば標準規格のチューブ、パイプ、またはホースによって、1つ以上の容器から溶液を受容してもよい。
【0067】
回収タンク混合手段
真空注入された食品に1つ以上の溶液を均一に分布させることは、困難である可能性がある。したがって、さらなる一形態では、回収タンクは、以下の混合手段:回転式インペラ、回転式混合タンク、のうちの少なくとも1つを含む。当業者には、他の混合手段も公知であろう。
【0068】
温度制御
製造全体を通して、プロバイオティクスの生存率に有利となる環境条件を提供することが重要である。したがって、一態様では、少なくとも第1の貯蔵タンクおよび第1の投与タンクが、プロバイオティック懸濁液の温度を15℃〜29℃の(30℃を超えない)範囲内に維持する手段を含む。代替として、温度は、15〜40℃、たとえば20〜40℃、25〜40℃、またはたとえば20〜30℃の範囲内にある。プロバイオティクスは、温度変化に対して一般に敏感であり、それゆえに、温度制御が有利である。さらに、異なる製造期間で一定の生存率数を有する製品を提供するために、プロバイオティクスを含むタンクのうちの少なくともいくつかを温度制御することは、有利であり得る。
【0069】
最終製品の品質に影響を与えることなく、動物性脂肪および消化物の粘稠度および品質に応じて、消化物および動物性脂肪の両方の温度が懸濁液の温度よりも高くなる可能性があるので、温度制御の間隔は、60℃まで及んでもよい。
【0070】
したがって、一態様では、動物性脂肪の温度が、動物性脂肪の貯蔵タンク内で、15〜60℃、たとえば15〜50℃、たとえば15〜40℃の温度範囲で保たれる。
【0071】
別の態様では、消化物の温度が、消化物の貯蔵タンク内で、15〜60℃、たとえば15〜50℃、たとえば15〜40℃の温度範囲で保たれる。
【0072】
製造プラントは多くの個別の構成要素を含むため、製造プラントを手動で制御することは、困難であろう。したがって、さらなる態様では、プラントが、以下からなる群から選択される動作のうちの少なくとも1つを制御するための制御ユニットをさらに含む:貯蔵タンクのうちの少なくとも1つの温度を制御すること、投与タンクのうちの少なくとも1つの温度を制御すること、2つ以上のタンク間の入口および出口の開閉を制御すること、個別の投与タンクからノズルを通って噴霧される液体の量を制御すること、真空タンク内の圧力を制御すること、および混合の速度および時間を制御すること。
【実施例】
【0073】
実施例1 プロバイオティックドッグフードの製造
番号付けは、図1を参照しているが、当業者は、必要に応じて、この番号付けを図2で示されている番号付けに容易に変換することができるであろう。
【0074】
設定パラメータ−入力
乾燥食品に使用する原料すべてを、1mmのふるいでひき、平均粒径を1.5mm未満とした。水分レベルは、食品中10.48%であった。
【0075】
押出速度を3800kg/hに設定して、360〜380g/lの密度を有するキブルを得た。乾燥温度を120℃に設定し、ふるい分け段階後のキブルの水分は6.20%であった。
【0076】
最終製品中のプロバイオティック細菌の割合を、製品1トン当たり1.2kgに設定した。1x1013CFU/kg(供給業者の分析証明書から)の冷凍乾燥させたエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)NCIMB 10415 EC No. 13(E1707(新分類))のプロバイオティック細菌粉末を、製造用に予め注文した(Probiotics International Ltd UK)。冷凍乾燥したエンテロコッカス・フェシウムのプロバイオティック細菌粉末の実験室分析は、特定の製造において使用される未加工のプロバイオティック粉末中、平均濃度1.4x1013CFU/kgを示した。
【0077】
酸化のリスクを最小限に抑えるために、最も早くて第1の真空注入工程の1時間前に懸濁液(油および細菌の混合物)を調製した。インペラを備えた貯蔵タンク(2)は、懸濁液を充填する前は完全に空であった。産物のあらゆる残留物は除去し、それ以上使用しなかった。
【0078】
製造前に、動物性脂肪および消化物を別個の貯蔵タンク(貯蔵タンク(3)および貯蔵タンク(4)に相当する)に配置した。
【0079】
500kgのサーモン油の各バッチに対して、18kgの細菌粉末を加えて、内部にインペラを備えた別個の特化した貯蔵タンク(2)内で懸濁液を1時間以上混合して、使用可能な懸濁液を生成した。混合速度は180rpmに設定した。サーモン油に細菌粉末を加える段階で、油の温度は26℃であり、貯蔵タンク(2)内での混合中、懸濁液の温度は22℃以上であった。この特定の製造バッチで使用される油は、サーモン油(International Quality Ingredients BV (Netherlands))であった。
【0080】
真空注入タンク(14)の圧力パラメータを、ニワトリ脂肪および消化物には650mbarに設定し、懸濁液には850mbarに設定した。加えた液体および懸濁液を、以下の3段階で噴霧した:
段階1−コンドロイチン及びグルコサミンを含む動物性脂肪、
段階2−サーモン油/細菌懸濁液、
段階3−消化物。
【0081】
真空注入する直前に、動物性脂肪および消化物を、別々の計量箱(投与タンク(7)および投与タンク(8)に相当する)にポンプ注入した。懸濁液を、中にインペラが実装されている別の計量箱(投与タンク(6))にポンプ注入して、真空注入タンク(14)内で真空注入するまで懸濁液を均質に保った。このように、懸濁液は、真空注入タンク(14)内で真空注入する前に、消化物および脂肪と接触することはない。
【0082】
測定パラメータ−出力
製造バッチおよび工場の設定パラメータにしたがって、正確な量の懸濁液を真空注入処理のために使用した。懸濁液は、最終製品の3%を占める。懸濁液1kg当たり平均1.08x1011 CFUでの真空注入処理の前に、懸濁液中のエンテロコッカス・フェシウムのプロバイオティック細菌濃度を測定した。
【0083】
真空注入直後のプロバイオティックを計数するための試料を採取し、製品1kg当たり2.05x109 CFUを示した。
【0084】
真空注入されたドッグフードキブルは、その後、冷却段階に進んだ。冷却後の試料は、冷却処理の直後では製品1kg当たり1.27x109 CFUを超える結果をもたらし、冷却段階終了後のキブル温度は平均21℃であった。冷却段階後の水分は、8.50%と記録された。
【0085】
最後の製造段階で、製品を包装前にサイロ内に配置し、サイロの製品からの試料をWeende分析のために研究室に送った。Weende分析の結果を、表1に示す。
【0086】
追加−プロバイオティック安定度測定
製品を製造後3日以内に包装して、空気とのあらゆる接触、およびあらゆる細菌の品質/安定度の起こり得る損失を回避した。製品を、制御された環境パラメータでサイロ内に保管した。空のサイロの温度は、19〜20℃であったのに対して、充填されたサイロの温度は22℃であり、製品の水分レベルは7.73%であった。
【0087】
製造後、製品およびプロバイオティック成分の品質を保証するために、キブルを異なる分析に供した。分析により、キブルが、使用可能な製品中、1.2x109 CFU/kgから1x1010 CFU/kgの範囲内の平均濃度のプロバイオティック細菌を有していたことが示された。
【0088】
製造されたプロバイオティックドッグフードの保存寿命試験により、室温で15ヵ月間のドッグフードの安定度が確認された。プロバイオティックドッグフードは、製品の保存寿命の期間中(15ヵ月間)、平均で1.06x109 CFU/kgのレベルのプロバイオティクス数を有しており、これは製品安定度に相当する。
【0089】
(表1)Weende分析

【0090】
実施例2 ヒトによる摂取のために最適化された、プロバイオティック細菌を含む真空注入されたプロバイオティック製品の製造
設定
2種類の商業的に入手可能な朝食用シリアル:4種類の穀物スナック−朝食シリアル「Neljavilja- krobuskid」(AS BalSnack International Holding, Estonia)、およびシナモン入り朝食シリアル−フレーク「Oho」(UAB Naujasis Nevezis, Lithuania) を、プロバイオティクス/亜麻仁油懸濁液を使用して真空注入した。特定の試験において使用した油は、亜麻仁油(OU Tervix, Estonia)であった。真空注入されたプロバイオティック製品を、血糖上昇指数の低いシロップによって最終的にコーティングした。商業的に入手可能なプロバイオティック細菌調製物であるProtexin BALANCE (Protexin Healt Care, UK)と、血糖上昇指数の低い2種類の異なるシロップであるリュウゼツラン属(Allos GmbH, Germany)およびメープル(Cofradex ApS , Denmark)のシロップを使用した。ガラス製容器VG-011-19 (Zepter International Group)を備えたZepter VG-010 Vacsy Vacuum Pumpを使用して、真空注入を行った。
【0091】
方法
各製品当たりおよび各バッチ当たり、150グラムの朝食用シリアルを使用した。プロバイオティクスの日用量(プロバイオティック化合物の製造者によると、1カプセルは1x108 CFUを含む)を、注入される製品量の3%(通常の生産割合)を占める担体(亜麻仁油)4.5グラム当たりに加えた。Protexin BALANCEの多菌株のプロバイオティック細菌を担体に徐々に添加し、均質な懸濁液を得た。調製された懸濁液(油およびプロバイオティクス)を噴霧前にVortexで連続的に混合し、懸濁液の均質性を保証した。
【0092】
懸濁液およびシロップの噴霧を、スプリンクラーを使用して行った。真空注入過程前に、細菌懸濁液による3%のコーティングと、最終層としてリュウゼツランまたはメープルシロップのコーティング剤による5%のコーティング(通常の製造データから得た割合)を受容するように、噴霧数(重量による)を決定した。
【0093】
すぐに摂取できる(押出加工された)ヒト用製品のマトリックスに真空注入するために、調製された懸濁液を使用した。多菌株プロバイオティクスを含む異なる懸濁液を、4.5グラム対150グラムの製品比(3%)で、異なる朝食用シリアルに適切に噴霧した。その後、7.5グラム対150グラムの製品比(5%)で異なる朝食用シリアルに適切に噴霧される異なるシロップ(リュウゼツラン対メープル)によって、製品をコーティングした。製品を噴霧と同時に混合することで、試験で使用した異なる製品に、噴霧された懸濁液とコーティングされたシロップとが等しく分散されることを保証した。懸濁液の噴霧と混合とを、試験前に殺菌された同じ1つの真空注入用ガラス製ボウル内で行い、中間過程間におけるプロバイオティクス数の減少と汚染とを排除した。ガラス製ボウルを専用の真空制御蓋で閉じ、製品を含むガラス製ボウル内に、真空雰囲気(500mBarおよび630リットル/秒)を約40秒間発生させた(赤い標識がポンプに付くまで)。
【0094】
特定の試験において最終層のコーティング(段階2のコーティング)のために使用されるすべてのシロップを、噴霧に最良の粘度を有するように、コーティング過程前に50℃まで予熱した。適切な懸濁液および最終コーティング層の噴霧を、懸濁液(亜麻仁油)およびシロップタイプ(リュウゼツラン対メープル)に対応する2つの個別の段階で行った。
【0095】
段階1(製品重量の3%)
真空コーティングの過程中、調製されたプロバイオティック懸濁液を適切な製品上に気化させ、500mbarの真空圧を約40秒間発生させた。圧力制御システムを徐々に開放することによって、標準大気圧(1bar)状態を真空注入装置(ガラス製ボウル)内に回復させた。
【0096】
段階2(製品重量の5%)
50℃まで予熱された最終コーティング層(リュウゼツラン対メープルシロップ)を、製品上に気化させ、500mbarの真空圧を約20秒間発生させた。圧力制御システムを徐々に開放することによって、標準大気圧(1bar)状態を真空注入装置(ガラス製ボウル)内に回復させた。
【0097】
異なる懸濁液による異なる製品のコーティングのすべてを、3列(parallel)で行った。すべての実験を室温で行った。
【0098】
異なる懸濁液でコーティングされた製品を、総生菌数(TVC)分析および1ヵ月間の保存寿命試験のために研究室に送った。試料はすべて、それぞれ約5gの試料を含む無菌Falconチューブに入れて輸送した。
【0099】
測定
各列を、0日(即時)、2週間、1ヵ月の間隔で測定した。各列を以下の3つの異なる貯蔵状態下に置いた:温度が6〜8℃の冷蔵状態、温度が18〜24℃の標準状態、温度が36〜38℃の状態。温度促進状態は3倍早くなると考えられ、これは、温度促進状態での1ヵ月の結果と標準温度状態での3ヵ月の結果とが等しいことを意味しており、したがって、製品に、室温で3ヵ月における安定性を与える。使用した原料についてのすべてのTVC測定値を表1に示し、実行した保存寿命試験についてのすべてのTVC測定値を表2に示す。
【0100】
(表1)使用した原料のTVC測定値

【0101】
(表2)ピロー対キブルの保存寿命試験のTVC測定値

【0102】
結論
試験結果が明らかに示唆するのは、商業的に入手可能な朝食製品のバルクの当初総生菌数(表1、ピローバルクおよびキブルバルクを参照)が、本試験下では、製品マトリックス中にプロバイオティック細菌を添加した後の試験終了後よりも劇的に少ない数(表2、0日の数)を示したことである。このことは、この方法に記載されている朝食用製品(キブルおよびピロー)の真空注入に使用された特定の技術が、プロバイオティック朝食用製品の製造に適していることを明らかに示唆している。さらに、保存寿命研究の結果(表2を参照)は、この特定の試験で使用された両方の製品(ピローおよびキブル)が、室温で3ヵ月まで良好な安定性を有し、かつ、異なる貯蔵温度における異なる懸濁液担体および最終層のすべての総生菌数(TVC)の変動が、1 log以内におさまっていることを明らかに示唆している。
【0103】
試験結果をまとめると、使用した異なる懸濁液担体および最終コーティング層と共にこの試験において使用したすべての製品は、保存寿命試験の全期間中、プロバイオティクス数を十分なレベルで維持した。このことによって、胃酸の通路を通って十分な量のプロバイオティック化合物(1日の投与量)が生存すること、および、さらに宿主(ヒト)有機体への確実なプロバイオティック機能が実行されることが保証される。
【0104】
これらの結果が明らかに示唆するのは、異なるタイプの押出加工食品(たとえばキブルおよびピロー)にプロバイオティクスを真空注入し、より長期間にわたり高TVCを維持することができることである。
【0105】
本発明の局面のうちの1つの文脈に記載されている態様および特徴はまた、本発明の別の局面にも適用されることに留意されたい。
【0106】
本願に引用されている特許文献および非特許文献はすべて、その全体が参照により本願明細書に組み込まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−プロバイオティック懸濁液を貯蔵するための第1の貯蔵タンク(2)であって、プロバイオティック懸濁液を投与するための第1の投与タンク(6)に接続されている、第1の貯蔵タンク(2)と、
−第2の溶液を貯蔵するための第2の貯蔵タンク(3)であって、第2の溶液を投与するための第2の投与タンク(7)に接続されている、第2の貯蔵タンク(3)と、
を少なくとも含む、食品を真空注入するための製造プラントであって、
第1の投与タンクおよび第2の投与タンクが、真空注入タンクに通じている1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンク(14)に接続されており、かつ、少なくとも第1の投与タンク(6)が、真空注入タンクに通じている1つ以上の第1の噴霧ノズルによって真空注入タンク(14)に個別に接続されている、製造プラント。
【請求項2】
溶液を貯蔵するための少なくとも第3の貯蔵タンク(4)をさらに含む製造プラントであって、該第3の貯蔵タンク(4)が、1つ以上の噴霧ノズルを通して第3の溶液を投与するための第3の投与タンク(8)に接続されている、請求項1記載の製造プラント。
【請求項3】
溶液を貯蔵するための少なくとも第4の貯蔵タンク(5)をさらに含む製造プラントであって、該第4の貯蔵タンク(5)が、1つ以上の噴霧ノズルを通して溶液を投与するための第4の投与タンク(9)に接続されている、請求項2記載の製造プラント。
【請求項4】
以下の投与タンク:第2の投与タンク(7)、第3の投与タンク(8)、および第4の投与タンク(9)、のうちの少なくとも1つもまた、1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンク(14)に個別に接続されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項5】
以下の投与タンク:第2の投与タンク(7)、第3の投与タンク(8)、および第4の投与タンク(9)、のそれぞれもまた、1つ以上の噴霧ノズルによって真空注入タンク(14)に個別に接続されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項6】
各々の噴霧ノズルのオリフィスの断面積が、1〜250mm2、場合によっては1〜200mm2、たとえば1〜150mm2、または1〜100mm2、または1〜50mm2、または1〜25mm2、または1〜15mm2、または1〜10mm2、または1〜5mm2、または1〜3mm2である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項7】
第1の混合タンク(1)が、第1の混合タンクの底部出口を介して第1の貯蔵タンク(2)に接続されており、かつプロバイオティック懸濁液が、少なくとも重力によって、場合によっては重力のみによって、第1の混合タンク(1)から第1の貯蔵タンク(2)へ送られるように意図されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項8】
第1の混合タンク(1)と第1の貯蔵タンク(2)との接続部が、真空吸引ユニットを含まない、請求項7記載の製造プラント。
【請求項9】
第1の混合タンク(1)と第1の貯蔵タンク(2)との接続部が、容積式ユニットを含まない、請求項7または8記載の製造プラント。
【請求項10】
第1の貯蔵タンク(2)が、以下の混合手段:回転式インペラ、回転式混合タンク、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項11】
真空注入タンク(14)が、以下の混合手段:回転式インペラ、回転式混合タンク、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項12】
真空注入タンク(14)が、未コーティングの食品を前記真空注入タンク(14)に適用するための少なくとも1つの開口部(17)を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項13】
コーティングされた食品を注入タンク(14)から回収タンク(15)へ送るために、真空注入タンク(14)が回収タンク(15)にさらに接続されており、かつ、回収タンク(15)が、回収容器に適用される1つ以上の物質を含む少なくとも1つの容器(16)にさらに接続されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項14】
回収タンク(15)が、以下の混合手段:回転式インペラ、回転式混合タンク、のうちの少なくとも1つを含む、請求項13記載の製造プラント。
【請求項15】
少なくとも第1の貯蔵タンク(2)および第1の投与タンク(3)が、プロバイオティック懸濁液の温度を15℃〜29℃の範囲内に維持する手段を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造プラント。
【請求項16】
プラントが、貯蔵タンクのうちの少なくとも1つの温度を制御すること、投与タンクのうちの少なくとも1つの温度を制御すること、2つ以上のタンク間の入口および出口の開閉を制御すること、ノズルを通って噴霧される液体の量を制御すること、真空タンク内の圧力を制御すること、および混合時間を制御することからなる群から選択される動作のうちの少なくとも1つを制御するための制御装置をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造プラント。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−524534(P2012−524534A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506525(P2012−506525)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055461
【国際公開番号】WO2010/122155
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511255476)
【Fターム(参考)】