説明

真空蒸着装置

【課題】均質で高反射率であり欠陥のない金属蒸着膜を被蒸着体上に形成することができる真空蒸着装置を提供する。
【解決手段】真空チャンバー内に蒸着源と被蒸着体とを配置し、蒸着源から気化した物質を被蒸着体の表面に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置において、当該蒸着源が入れられた坩堝の開口部より気化した物質を、当該坩堝の開口部の直上に小径部を下にして当該坩堝と軸心を合わせて設置された当該気化した物質が気化状態を保つ温度に加熱された金属円錐筒状体内を通した後に、当該金属円錐筒状体と被蒸着体の間の空間に放出し、当該被蒸着体の表面に到達させて蒸着させ、該坩堝の開口部と当該被蒸着体との距離をDとしたとき、当該金属円錐筒状体の斜面の長さLが0.05D〜0.5Dであり、当該金属円錐筒状体の円錐角度θが45°〜75°であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空蒸着装置に関し、特に詳しくは、均質で欠陥のない金属蒸着膜を被蒸着体上に形成することができる真空蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空蒸着装置では、真空チャンバー内に蒸着源と被蒸着体とを配置し、真空チャンバー内部を減圧した状態で、蒸着源を加熱して、蒸着源を溶融させて蒸発させるか、もしくは、蒸着源を昇華させるかして気化させる。気化された物質は蒸着源から法線方向に直進的に放出され(放出空間は真空に保たれているため気化物質は直進する)、蒸着源と対向して配置される被蒸着体の表面に付着して蒸着される。
この場合、蒸着源からの気化物質は法線方向に直進的に放出されるので、被蒸着体へ向かって進行せずに被蒸着体の表面に付着しない気化物質も多く、蒸着源の歩留まりが低くなり、被蒸着体の表面への蒸着速度が遅くなる共に、ピンホール、ボイド等の欠陥が少なく均質な蒸着膜を効率的に得ることは困難であった。
【0003】
これを解決する技術として、特許文献1では、真空チャンバー内に配置した蒸着源と被蒸着体が対向する空間を筒状体で囲むと共に筒状体を蒸着源の物質が気化される温度で加熱し、蒸着源から気化した物質を筒状体内に通して被蒸着体の表面に蒸着させるようにした真空蒸着装置を提案している。特許文献1の図2はその一例を示すものであり、真空チャンバー1(特許文献1の符号をそのまま用いる。次の特許文献2についても同様)内に上下に開口する筒状体(筒体)5が配設してあり、筒状体5にはヒーター21が巻いてあって筒状体5を加熱できるようにしてある。この筒状体5の下部内に蒸着源2が配置してあり、発熱体24で加熱して蒸着源2(特許文献1の図1参照)を気化させることができるようにしてある。被蒸着体(基板)3は筒状体5の上端の開口の上方に配置してある。20は真空チャンバー1内を排気して真空雰囲気にする真空ポンプである。
【0004】
また、特許文献2では、蒸着源(蒸発源)から被蒸着体への気化物質の移動量を正確に制御することができ、筒状体からの輻射熱に左右されることなく、蒸着速度の制御を容易に行なうことができる真空蒸着装置を開示している。真空チャンバー1内に蒸発源2と被蒸着体3とを配置すると共に蒸発源2と被蒸着体3の間の空間を蒸発源2の物質が気化される温度で加熱された筒状体4で囲み、蒸発源2から気化した物質9を筒状体4内に通して被蒸着体3の表面に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置となっている。蒸発源2から気化した物質9を蒸発源収容室24の開口部5を通過させた後に筒状体4内を通して被蒸着体の表面に到達させるようにし、開口部5の開口度を調整可能な開閉手段6と、蒸発源2から気化した物質9を蒸着させてその蒸着厚みを計測する蒸着厚み計測手段7と、蒸着厚み計測手段7で計測される蒸着厚みに応じて開閉手段6の開口度を調整する開閉制御手段8とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−80961号公報
【特許文献2】特開2008−156726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の装置では、蒸着源から被蒸着体への気化物質の移動量を正確に制御することができず、筒状体からの輻射熱に左右され、蒸着速度の制御を容易に行なうことができないという欠点を有している。
特許文献2の装置は、特許文献1の欠点を改良し、蒸着源から気化した物質は開口部を通過した後に筒状体内を通して被蒸着体に到達するものであり、蒸着厚み計測手段で計測された蒸着厚みに応じて、開口部の開口度を調整する開閉手段を開閉制御手段で制御することによって、気化物質が開口部を通過する量を制御することができ、筒状体からの輻射熱に左右されることなく、蒸着源から被蒸着体への気化物質の移動量を蒸着厚みに応じて制御して、蒸着速度の制御を容易に行なうことができるものである。しかし、筒状体内を使用するために、筒状体内通過後の気化物質の拡散が制限され、蒸着源と被蒸着体との間の距離の調整が難しく、更に、完全に気化せずに蒸着源から飛散する少量の溶融金属に起因して被蒸着体に発生するピンホールやボイド等の欠陥についても解決策が不充分である。
【0007】
本発明は、上述の問題点を改良し、均質で欠陥のない金属蒸着膜を被蒸着体上に形成することができる真空蒸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の事情に鑑み、本発明者ら鋭意検討の結果、真空蒸着装置内の蒸着源である坩堝の開口部より気化した物質を、坩堝の開口部の直上に小径部を下にして同軸上に設置された、気化した物質が気化状態を保つ温度に加熱された最適な形状を有する金属円錐筒状体内を通した後に、金属円錐筒状体と被蒸着体の間の空間に放出し、被蒸着体の表面に到達させることにより、均質で欠陥のない金属蒸着膜が被蒸着体上に得られることを見出した。
【0009】
更に、被蒸着体の表面に、特に均質でピンホールのない高反射率の蒸着膜を得るには、被蒸着体の表面と蒸着源の坩堝開口部との距離と、坩堝開口部の直上に小径部を下にして設置された前記金属円錐筒状体の斜面の長さと、円錐筒状体の円錐角度とが重要な要素であることを見出した。
これらの要素を最適な関係に保つことにより、坩堝開口部より気化した物質が、前記金属円錐筒状体を通過して気化状態を保ちながら被蒸着体の表面に到達し、ピンホールがなく、被蒸着体の幅方向に広範にわたり均質な蒸着膜を形成することができる。
【0010】
坩堝内の蒸着源の金属は、その全てが坩堝開口部を出た時点で気化するのではなく、坩堝内の温度や装置内の真空度の変動によって、その一部は溶融金属の小粒となって坩堝開口部より飛散し、それが被蒸着体の表面に到達すると、蒸着膜及び被蒸着体にピンホール、ボイド等の欠陥を形成する主因となる。
これを避ける為には、気化した金属が気化状態を保つ温度に加熱されている坩堝の開口部の直上に小径部を下にして設置された前記金属円錐筒状体にて、飛散された溶融金属の小粒を完全に捕捉し、再加熱して気化された状態として金属円錐筒状体と被蒸着体の間の空間に放出してやることが必要であり、飛散された溶融金属の小粒を金属円錐筒状体にて完全に捕捉する為には、その溶融金属の小粒と濡れ性の良い材質にて金属円錐筒状体を作製することが必要となる。
【0011】
また、蒸着源が銀、アルミニウム、錫、銅からなるグループから選択された一種であり、金属円錐筒状体の材質がクロム、モリブデン、タングステンなるグループから選択された一種の金属であると、特に効率的に上述の効果を発揮し、均質で欠陥のない金属蒸着膜を被蒸着体上に形成できることも見出した。
【0012】
これらの知見に基づき、本発明の真空蒸着装置は、真空チャンバー内に蒸着源と被蒸着体とを配置し、蒸着源から気化した物質を被蒸着体の表面に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置において、当該蒸着源が入れられた坩堝の開口部より気化した物質を、当該坩堝の開口部の直上に小径部を下にして当該坩堝と軸心を合わせて設置された当該気化した物質が気化状態を保つ温度に加熱された金属円錐筒状体内を通した後に、当該金属円錐筒状体と被蒸着体の間の空間に放出し、当該被蒸着体の表面に到達させて蒸着させ、当該坩堝の開口部と当該被蒸着体との距離をDとしたとき、当該金属円錐筒状体の斜面の長さLが0.05D〜0.5Dであり、当該金属円錐筒状体の円錐角度θを45°〜75°としたことを特徴とする。
【0013】
坩堝の開口部より気化した物質が、気化状態を保つ温度に加熱された金属円錐筒状体内を通過した後に、その大径部から被蒸着体の間の空間に放出されることにより、被蒸着体の幅方向の表面に広範にわたって均質な蒸着膜を形成することが可能となり、金属円錐筒状体が坩堝の開口部より飛散された溶融金属の小粒を完全に捕捉し、再加熱して気化された状態として、その大径部から被蒸着体の間の空間に放出してやるので、蒸着膜及び被蒸着体中の発生するピンホールやボイド等の欠陥の形成を防ぐことが出来る。金属円錐筒状体の効果を最大限に発揮するためにも、坩堝は円形坩堝であることが好ましい。
【0014】
Dは真空チャンバー、坩堝内径、坩堝加熱装置、蒸着源から気化する物質の種類等の条件に応じて適切に選定されるが、Dが小さ過ぎると、坩堝の開口部より飛散された溶融金属の小粒を完全に捕捉することが難しくなり、Dが大き過ぎると、気化した物質が完全に被蒸着体の表面に到達されない危険性が生じる。
Lが0.05D未満であると、金属円錐筒状体の上端と被蒸着体の間の空間の距離が長くなり、気化した物質が気化状態を保てなくなって蒸着膜厚の均質性が低下し、飛散された溶融金属の小粒を金属円錐筒状体にて捕捉する機能も低下する。
Lが0.5Dを超えると、効果が飽和するばかりでなく、金属円錐筒状体が大きくなり、設備的なコストが増す。
円錐角度θが45°未満でも、円錐角度θが75°を超えても、飛散された溶融金属の小粒を完全に捕捉し気化する機能が低下する。ここで、円錐角度θとは、金属円錐筒状体の上端の半径方向に対する内周斜面の傾き角度をいう。
また、金属円錐筒状体の効果を最大限に発揮するためにも、坩堝は円形坩堝であることが好ましく、金属円錐筒状体の小径底部内径は坩堝開口部と接しており、その内径は、溶融金属の小粒を完全に捕捉し気化する為にも、坩堝の開口部の内径と同一とする事が好ましい。
【0015】
更に、本発明の真空蒸着装置は、当該蒸着源が銀、アルミニウム、錫、銅からなるグループから選択された一種であり、当該金属円錐筒状体の材質がクロム、モリブデン、タングステンなるグループから選択された一種の金属であることを特徴とする。
蒸着源の金属が、銀、アルミニウム、錫、銅からなるグループから選択された一種であり、金属円錐筒状体の材質が、クロム、モリブデン、タングステンなるグループから選択された一種の金属であると、金属円錐筒状体と蒸着源の金属との濡れ性が最大限に発揮され、短時間で効率良く均質で欠陥のない金属蒸着膜を被蒸着体上に形成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の真空蒸着装置により、均質で欠陥のない金属蒸着膜を被蒸着体上に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の真空蒸着装置の一実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態である真空蒸着装置について、添付の図面を参照に詳細を説明する。
図1は本発明の真空蒸着装置1の一実施形態を示す概略図であり、真空チャンバー2は真空ポンプ22で排気することによって真空状態に減圧することができるようにしてある。この真空チャンバー2内の下部には、高周波誘導加熱装置3のコイル4にて加熱される蒸着源5が入れられた坩堝6と、その直上に小径部を下にして円形の坩堝6と同心軸上に加熱装置7のコイル8にて加熱される金属円錐筒状体9とが設置されている。蒸着が施される基板などの被蒸着体10は、空間15を介して金属円錐筒状体9の上方に配置される。
蒸着源5は特に限定されないが、銀、アルミニウム、錫或いは銅であることが特に好ましい。金属円錐筒状体9の材質は特に限定されないが、蒸着源5が銀、アルミニウム、錫或いは銅である場合は、これらの金属との濡れ性の観点から、クロム、モリブデン或いはタングステンであることが好ましく、特にモリブデンであることが好ましい。被蒸着体10は特に限定されないが、適当な材質と厚みを有するプラスチックフィルムを使用することが好ましい。
坩堝6の開口部11と被蒸着体10との距離をDとしたとき、金属円錐筒状体9の斜面18の長さLが0.05D〜0.5Dであり、金属円錐筒状体9の円錐角度θは45°〜75°に設定される。
Dは真空チャンバー2、坩堝6の内径、高周波誘導加熱装置3、蒸着源5から気化する物質の種類等の条件に応じて適切に選定されるが、Dが小さ過ぎると、坩堝6の開口部11より飛散された溶融金属の小粒17を完全に捕捉することが難しくなり、Dが大き過ぎると、気化した物質が完全に被蒸着体10の表面に到達されない危険性が生じる。
Lが0.05D未満であると、金属円錐筒状体9の上端19と被蒸着体10の間の空間14の距離が長くなり、気化した物質が気化状態を保てなくなって蒸着膜15の膜厚の均質性が低下し、飛散された溶融金属の小粒17を金属円錐筒状体9にて捕捉する機能も低下する。
Lが0.5Dを超えると、効果が飽和するばかりでなく、金属円錐筒状体9が大きくなり、設備的なコストが増す。
円錐角度θが45°未満でも、円錐角度θが75°を超えても、飛散された溶融金属の小粒17を完全に捕捉し気化する機能が低下する。円錐角度θとは、金属円錐筒状体9の上端19の半径方向に対する内周の斜面18の傾き角度をいう。
また、金属円錐筒状体9の小径底部12は坩堝6の上端部13と接しており、その内径は、溶融金属の小粒17を完全に捕捉し気化する為にも、坩堝の開口部11の内径と同一とする事が好ましい。
【0019】
この様な真空蒸着装置1で蒸着を行なうにあたっては、まず、蒸着源5を坩堝6に充填してセットすると共に、被蒸着体9を坩堝6の開口部11からDの距離をとって、坩堝6の開口部11と水平にセットする。
次に、真空ポンプ22を作動させて真空チャンバー2内を真空状態に減圧し、コイル4を発熱させて坩堝6内の蒸着源5を加熱すると共に、加熱装置7によりコイル8を加熱して金属円錐筒状体9を加熱する。金属円錐筒状体9の加熱温度は、蒸着源5から気化した物質が金属円錐筒状体9に付着しても再度蒸発等して気化し、且つ分解されない温度に設定される。
そして、上記のように真空チャンバー2内を減圧して蒸着源5を加熱すると、蒸着源5は溶融・蒸発、あるいは昇華して気化する。蒸着源5から発生するこの気化物質は、坩堝6の開口部11から金属円錐筒状体9に導入され、金属円錐筒状体9内を進み、被蒸着体10の間の空間14に円錐状の広がりを持って均質に放出され、被蒸着体10の幅方向に広がりながら表面に到達して蒸着膜15となり、銀蒸着プラスチックフィルム16が形成される。
坩堝6の開口部11より蒸着源5から飛散する少量の溶融金属小粒17は、金属円錐筒状体9に捕捉され、再加熱されて気化状態として被蒸着体の間の空間14に放出される。
溶融金属小粒17を金属円錐筒状体9にて完全に捕捉には、その溶融金属小粒14と濡れ性の良い金属にて円錐筒状体9を作製することが必要である。
【実施例】
【0020】
本発明の真空蒸着装置にて、被蒸着体として、長さ100mm×幅100mm×厚み4μmのポリエステルフィルムを使用し、内径100mm×高さ123mmの黒鉛円形坩堝内に蒸着源として銀を使用し、モリブデン製の円錐筒状体を使用して、D、L、円錐角度θを表1の様に変え、銀が80nmの厚みで蒸着された銀蒸着ポリエステルフィルムを作製し、銀蒸着膜厚、ピンホールの有無を測定した。比較例としてD、L、θが本発明の範囲から外れるものも作製した。
蒸着膜厚は、4点計測法による膜抵抗測定器により表面抵抗値を測定し、その値を膜厚換算して求めた。
蒸着膜厚の測定箇所は、蒸着膜(長さ100mm×幅100mm)の中心点とその上下90mmの地点の3箇所である。
ピンホールの有無は、試料フィルムの裏側から紫外光をあて、10倍の拡大鏡にて目視観察し、紫外光が透過している見える部分をピンホールとした。ピンホールが皆無であったものを○、ピンホールが10個以内のものを△、ピンホールが10個以上のものを×とした。
【0021】
【表1】

【0022】
表1の結果より、本発明の真空蒸着装置にて製造された被蒸着体の表面に形成された金属蒸着膜は、ピンホールがなく膜厚のばらつきが少なく均質な金属蒸着膜であることがわかる。
比較例5は円錐角度が90°、即ち、円筒体を使用したものである。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの記載に限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 真空蒸着装置
2 真空チャンバー
3 高周波誘導加熱装置
4 コイル
5 蒸着源
6 円形坩堝
7 加熱装置
8 コイル
9 金属円錐筒状体
10 被蒸着体
11 開口部
12 小径底部
13 上端部
14 空間
15 蒸着膜
16 銀蒸着プラスチックフィルム
17 溶融金属小粒
18 金属円錐筒状体斜面
19 上端
22 真空ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバー内に蒸着源と被蒸着体とを配置し、蒸着源から気化した物質を被蒸着体の表面に到達させて蒸着させるようにした真空蒸着装置において、当該蒸着源が入れられた坩堝の開口部より気化した物質を、当該坩堝の開口部の直上に小径部を下にして当該坩堝と軸心を合わせて設置された当該気化した物質が気化状態を保つ温度に加熱された金属円錐筒状体内を通した後に、当該金属円錐筒状体と被蒸着体の間の空間に放出し、当該被蒸着体の表面に到達させて蒸着させ、当該坩堝の開口部と当該被蒸着体との距離をDとしたとき、当該金属円錐筒状体の斜面の長さLが0.05D〜0.5Dであり、当該金属円錐筒状体の円錐角度θが45°〜75°である特徴とする真空蒸着装置。
【請求項2】
当該蒸着源が銀、アルミニウム、錫、銅からなるグループから選択された一種であり、当該金属円錐筒状体の材質がクロム、モリブデン、タングステンなるグループから選択された一種の金属であることを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着装置。

【図1】
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