眼に安全な光美容用デバイス
組織を、光及び他の光学的放射を含む放射で、眼に安全な仕方で治療するデバイス及び方法が説明される。1実施例では光美容治療デバイスは、治療される組織が中へ引き込まれるキャビティを有する。該デバイスは、該組織が治療するのに安全かどうか、該組織が瞼の様な眼に付随する組織であるかどうかを決定する。もう1つの実施例では、該組織の治療の前に、或る時間間隔で、眼に安全なパルスの放射が提供される。該パルスは、例え該パルスが危険や破壊的でなくても、人間の眼が特に強く、不快に感知する放射の波長になっている。もし該デバイスが直接又は瞼を通して、眼の組織を治療するよう配向されるなら、該パルスは該治療を禁止する嫌悪反応を治療される対象に引き起こす。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2005年8月8日出願の米国特許仮出願第60/706,505号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は皮膚(skin)の光美容用治療(photocosmetic treatment)に関する。特に、本発明は眼に安全(eye−safe)で、効果的(efficacious)な皮膚治療用デバイス(devices for treating skin)に関する。
【背景技術】
【0003】
光ベース(例えばレーザー、ランプ又は他の光源を使う)の毛髪成長管理、偽性毛嚢炎須毛(pseudofollicultis barbae)の治療、アクネ(acne)の治療、{色素沈着性及び血管性の損傷(pigmented and vascular lesions)を含む}種々の損傷の治療、脚部静脈の除去、入れ墨除去(tattoo removal)、顔面の表直し(facial resurfacing)、脂肪性浮腫(cellulite)を含む脂肪の治療、いぼ(warts)及び傷跡(scars)の除去、しわ(wrinkle)の治療及び皮膚の色及びきめ(texture)の改良を含む皮膚若返り(skin rejuvenation)、そして種々の他の皮膚科治療(dermatology treatment)、を含む光美容手順(photocosmetic procedures){ここでは光美容治療(photocosmetic treatments)とも呼ばれる}を使って治療可能な種々の状態が存在する。
【0004】
現在種々の光美容手順は、患者の皮膚の表皮/真皮内に位置するターゲット構造体の破壊的加熱を引き起こすプロ級デバイス(professional−grade devices)を使って行われる。これらの手順は医者のオフィス又はもう1つのライセンスを有する開業医(licensed practitioner)のオフィスで行われるのが典型的であり、それは一部には該手順を行うため使われるデバイスの費用のためであり、一部には該デバイスに関する安全の心配のためであり、そして一部には患者の皮膚上に光学的に誘起される傷(wounds)を看護する必要のためである。この様な傷は高いパワーの放射により引き起こされる患者の表皮への損傷から起こるかも知れず、顕著な痛み及び/又は感染(infection)の危険に帰着するかも知れない。
【0005】
CO2レーザーの顔面表直し、の様な或る光美容手順は医学的理由{例えば、手術後の傷の看護(post−operative wound care)の必要性で)で皮膚科医のオフィスで行われ続けるが、もしその消費者が安全で効果的な仕方で該手順を行え得るならば、医学的か又は非医学的環境(例えば、家庭、理髪店、又は温泉)か何れかで行われ得る多数の光美容手順がある。例え、医学的環境で行われる手順用でも、より廉価で、より安全でそしてより使い易いデバイスは有利であり、減じられた皮膚損傷は回復時間を減じるであろう。
【0006】
医学的及び非医学的環境で使用するための光美容デバイスは、皮膚又は他の組織上での使用に安全であるよう、そして、例えば、瞼(eye lid)が閉じている時でも患者の虹彩(iris)への損傷を含む、眼及び皮膚の受傷を避けるよう、好ましくは設計されるべきである。又この様なデバイスは使い易く、かくしてオペレータが簡単な取り扱い説明のみで受け入れ可能な美容的結果を達成することが出来て、そして可能性として該デバイスの全体的安全性を高めるよう、好ましくは設計されるべきである。プロ的な設定で使われるそれらを含め、現在入手可能な光美容デバイスの安全性はこれらの範囲で改良され得る。
【0007】
例えば、眼に安全なデバイスはそれらのデバイスのユーザーへの事故的な損傷を防止するであろう。眼の安全性を提供する従来技術の解決策は網膜(retina)の保護に向けられ、患者の虹彩を保護してはいない。虹彩は、例え瞼が閉じている時でも、治療エネルギーを吸収する高濃度のメラニン(melanin)を含むことが多い。眼の保護技術{例えば、曇りガラス(frosted glass)、焦点を外した光学機器(defocused optics)、低いパワー}は治療の有効性(efficacy)に負のインパクトを与える。更に、消費者に売られる現在のデバイスは一般的に非常に低電力であり、この様なデバイスへの安全対策は、より高いパワー密度(power densities)及び作用(fluences)を使って組織を照射(irradiate)するよう設計された消費者デバイスと連携して使用される時、網膜、虹彩又は眼の何等かの他の部分又は他の組織を、を適切に保護しないかも知れない。
【0008】
高められた眼の安全性及び作用を提供する皮膚治療デバイスを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【0009】
本発明の1つの側面は、眼に安全な仕方で、対象(subject)の組織を放射で治療する方法である。該組織は、該眼に安全な放射が該対象の眼を照射する時、該対象による嫌悪性応答(aversive response)を引き起こす波長及びインテンシティ(intensity)を有する眼に安全な放射で照射される。該眼に安全な放射が送信(transmitted)された後、何等かの嫌悪性反応(aversive reaction)が起こったかどうかを見るために予め決められた時間(predetermined period of time)休止(pause)がある。何等嫌悪性反応が起こらなければ、該組織は適当な治療放射で照射される。もし嫌悪性反応が起これば、該組織は該治療放射では照射されない。
【0010】
この側面の好ましい実施例は下記の追加的特徴の幾つかを有する。該眼に安全な放射は600−680nmの範囲の波長を有し、優れて赤い波長を有してもよい。該眼に安全な放射は1−10mW/cm2の範囲のインテンシティを有してもよい。該時間(period of time)は約0.1から3.0秒の範囲にあり、特に約1.0から2.0秒の範囲にあるのがよい。
【0011】
該方法は更に、該嫌悪性反応が起こったかどうかを決定する過程と、該嫌悪性反応が起こった時、該治療放射の送信を禁ずる過程を有してもよい。代わりに、該方法が、眼に治療放射が適用されないことを保証するために、該嫌悪応答に依存してもよい。該方法は更に、該組織を該眼に安全な放射を送信するアップリケーター(applicator)に接触させる過程と、該アップリケーターが該組織と接触する場合のみ、該眼に安全な放射で照射する過程と、を有する。該方法は更に、該アップリケーターが該組織と接触する場合のみ、該組織を該治療放射で照射する過程を有する。該方法は又該眼に安全な放射で該組織を照射するアップリケーターを配向(orienting)する過程と、該アップリケーターが該組織の近くにある場合のみ、該組織を照射する過程を有する。
【0012】
本発明のもう1つの側面は、眼に安全な仕方で組織を放射で治療する装置であるが、該装置は放射の発生の制御用で、第1及び第2制御信号を提供するよう構成された制御器と、該第1制御信号に応答し、対象の眼を刺激(irritates)するインテンシティで眼に安全な放射を発生するよう構成された第1放射ソースと、該第2制御信号に応答し、治療放射(treatment radiation)を発生するよう構成された第2放射ソースと、該第1放射源から放射送信面(radiation transmission surface)を通して該組織へ放射を送信するよう構成された放射送信路(radiation transmission path)と、該制御器と電氣的に通信し、該放射送信面が該組織の近くにある時センサー信号を提供するよう構成されたセンサーと、を具備する。該制御器は、該第1制御信号に続く予め決められた時間間隔(perdetermined time interval)の後、そして該放射送信面が該組織の近くに留まることを該センサーが示した時、第2制御信号を提供するよう構成される。
【0013】
本発明のこの側面の好ましい実施例は、下記の追加的特徴の幾つかを有してもよい。該第1放射源はダイオードである。該第1放射ソースは600−680nmの範囲の放射を発生するよう構成される。該第1放射ソースは優れて赤い波長を有する放射を発生するよう構成される。該第1放射ソースは1−10mW/cm2の範囲のインテンシティを有する放射を発生するよう構成される。
【0014】
該予め決められた時間間隔は約0.1から3.0秒の範囲にあり、特に、約1.0から2.0秒の範囲にある。該制御器は、該放射送信面が該組織と接触した時、該第2制御信号を提供するよう構成されてもよく、そして該放射送信面が該組織と接触した時第1制御信号を提供するよう構成されてもよい。該センサーは、該眼に安全な放射に応答する対象からの嫌悪性応答を検出するよう構成されてもよい。該嫌悪性応答は、該対象に該組織から該デバイスを移動させる何等かの動きであってもよく、或いは、目を細める動作(squinting)、瞳孔拡大(pupil dilation)、眼の移動、頭の移動、そして腕の移動、を含むがそれらに限定せぬ、眼が照射される対象を治療する人へ示す何等かの動きであってもよい。
【0015】
該第1放射ソースは更にセンサー放射(sensor radiation)を提供するよう構成されてもよい。該センサーは該センサー放射を検出するよう構成された検出器(detector)であってもよい。該センサー放射は近赤外線範囲(near infrared range)の波長を有してもよい。該検出器は該センサー放射が第1の予め決められたしきい値(predetermined threshold)を越える時、該センサー信号を提供するよう構成されてもよい。
【0016】
該放射送信路は該放射送信面が該組織に接触しない時は、該センサー放射を実質的に全反射(substantially totally internally reflect)するよう構成される。該放射送信路は該放射送信面が該組織に接触しない時は該眼に安全な放射を全反射するよう構成されてもよい。
【0017】
該放射送信路は、該放射送信面が該組織に接触しない時は、該治療放射を実質的に全反射するよう構成されてもよい。該放射送信路は更に第1導波管セクション(first waveguide section)、第2導波管セクション(second waveguide section)、そしてディフューザー(diffuser)を有してもよい。該第1導波管セクションは該第1ソースと該ディフューザーの間に配置され、該第2導波管セクションは該ディフューザーと該放射送信面の間に配置される。該ディフューザーは実質的に放射送信路全体に亘り延びており、プラスチック、ガラス、サファイヤ(sapphire)又は他の適当な材料で作られてもよい。第2導波管セクションはサファイヤ又は他の適当な材料であってもよく、該組織を冷却するよう構成された冷却機構(cooling mechanism)を有してもよい。
【0018】
本発明のもう1つの側面は、組織を眼に安全な仕方で、放射で治療するための装置(apparatus)である。該装置は、制御器と電気的に通信する放射ソース組立体(radiation source assembly)、該放射ソース組立体から該組織へ放射を送信するよう構成された導波管、そして該制御器と電気的に通信し、該放射送信面が該組織の近くにある時センサー信号を提供するよう構成されたセンサー、を有する。該放射ソース組立体は、該制御器からの信号に応答して、眼に安全で、対象の眼を照射時、対象から嫌悪性反応を引き起こすことが出来るインテンシティの、第1放射を提供するよう構成される。該放射ソース組立体は又、該第1放射の予め決められた時間の後に、該組織を治療することが出来る第2放射を提供するよう構成される。該第2放射は、該センサーが、該導波管が該組織の近くに留っていることを示す時のみ、提供されてもよい。
【0019】
本発明のこの側面の好ましい実施例は、下記の追加的特徴の幾つかを有してもよい。該放射ソース組立体は更に第3の放射を提供するよう構成されてもよく、該センサーは該第3放射を検出し、該検出された放射のレベルに基づいたセンサー信号を発する(issue)よう構成されてもよい。
【0020】
該導波管は該導波管の1部分に亘って延び、該放射ソース組立体により発生される放射を拡散するよう配向されたディフューザー(diffuser)を有してもよい。該導波管は該組織を冷却するよう構成された冷却機構を有してもよい。該センサーは、該放射送信面が該組織と接触した時だけセンサー信号を提供するよう構成されてもよい。
【0021】
本発明のもう1つの側面は、対象の組織の光美容治療用装置であり、該装置は、圧力ソースと、開端(open end)を有するキャビティであるが、該キャビティは該圧力ソースと流体的に連通しており、該開端は該圧力ソースが圧力を印加時該組織を受けるよう構成されている様な、該開端を有する該キャビティと、該キャビティ内へ放射を送信するよう構成された少なくとも1つの放射ソースと、そしてセンサー信号を発するよう構成されたセンサーと、を有する。該センサー信号は、該センサーが治療用に好適でない組織を検出時、該放射送信ソースからの放射の送信を防止する。
【0022】
本発明のこの側面の好ましい実施例は、下記の追加的特徴の幾つかを有する。該放射ソースは、該キャビティ内で少なくとも2つの方向から放射を送信するよう構成されてもよい。該放射ソースは各々が治療されない組織(untreated tissue)により分離された2つ以上の容積の組織のセット(a set of two or more volumes of tissue)を治療するよう構成されてもよい。該放射ソースは、該キャビティ内で独立治療サイトの配列に放射を提供するよう構成されてもよく、そこでは各この様な治療サイトは該キャビティ内で治療されない組織により分離されていてもよい。
【0023】
該センサーは圧力センサーであってもよい。該センサーは該キャビティ内の該組織の深さを検出するよう構成された深さセンサー(depth sensor)であってもよく、そして該組織が該予め決められた深さを越えて該キャビティ内に延びる時、該放射ソースによる放射の送信を禁ずる(inhibiting)制御信号を提供するよう構成されてもよい。該センサーは放射インテンシティセンサー(radiation intensity sensor)であってもよく、そして該放射が予め決められたしきい値を越える時、該放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されてもよい。該センサーは、該放射が実質的に全反射される時、該放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されてもよい。
【0024】
該装置は予め決められた安全比(safety ratio)内で動作するよう構成されてもよい。該キャビティは、該組織内のターゲット(target)から該組織の表面まで測定された時、治療されるべき該組織内のターゲットの深さより大きい深さを有してもよく、そして該ターゲットから該組織の表面まで測定された時、該組織内のターゲットの深さの4倍より小さい側部(side)を有してもよい。
【0025】
該放射ソースは約0.1から約100J/cm2の作用(fluence)で該組織を照射するよう構成されてもよい。該放射ソースは約1msから約500msのパルス幅で該組織を照射するよう構成されてもよい。該放射ソースは約400−1350nmの間の波長範囲で、特に約600−1200nmの間の波長範囲で、該組織を照射するよう構成されてもよい。
【0026】
本発明のもう1つの側面は対象の組織の光美容治療用の方法であり、該方法は、或る容積の組織をキャビティ内に引き込む(drawing)過程と、該容積の組織が放射を使って治療するのに安全かどうかを決定する過程と、そして該決定に基づいて該容積の組織を放射で治療する過程と、を具備する。該容積の組織は、もし該組織が治療するのに安全でないことが決定されれば治療されず、もし該組織が治療するのに安全であることが決定されれば治療される。
【0027】
本発明のこの側面の好ましい実施例は下記の追加的特徴の幾つかを有する。治療は少なくとも2つの異なる方向からの放射の送信を具備しており、少なくとも2つの異なる方向からの該放射は、皮膚上の1つ以上のターゲット(targets)で重なり合って(overlap)もよい。少なくとも2つの異なる方向からの該放射は、各々が治療されない組織により囲まれる2つ以上の容積の組織のセットを治療してもよい。
【0028】
該方法は又該容積の組織内の独立した治療サイトの配列を提供するが、該容積の組織内では各この様な治療サイトは該容積内で治療されない組織により分離されている。該組織に適用される圧力は該組織を治療することが安全かどうかを決定するため検出されてもよい。キャビティ内の該容積の組織の深さは、該組織が治療するのに安全かどうかを決定され得るよう検出される。該決定は又放射インテンシティセンサーを使って放射を検出することにより行われてもよい。
【0029】
治療は、約0.1から約100J/cm2の作用と、約1msから約500msのパルス幅と、約400−1350nm、又は特に約600−1200nmの波長範囲内で、行われる。
【実施例】
【0030】
本発明の図解的で制限されない実施例が添付図面を参照して実施例によって説明される。尚、これら図面において同一の符号が同一の要素に用いられる。
【0031】
下記説明の実施例は改良された光学的放射供給(optical radiation delivery)と安全性とを提供する。例えば、図1を参照すると、デバイス10は皮膚が引き込まれるキャビティと、該キャビティ内の該皮膚に多数方向から光を導く光供給機構(light delivery mechanisms)と、を有する。該皮膚は好ましくは負の圧力(negative pressure)を印加することにより該キャビティ内に置かれるのがよいが、正の圧力(positive pressure)に依るとか、或いは該キャビティ又は或るチャンネル内に該組織をクリンプ(crimping)する様な他の方法も可能である。該キャビティの寸法を最適化(optimizing)することにより、2つ以上の異なる方向からの光学的放射は、治療されるべき皮膚内の1つ以上のターゲットの場所で重なり合わされる(overlapped)か又は組み合わされる(combined)。該皮膚内のこの組み合わされた治療エネルギーは治療の効果(efficacy)を増す、一方表皮(epidermis)をより良く保護するよう安全比(safety ratio)も又改良する。該安全比は表皮の温度変化(temperature change of the epidermis)に対する治療ターゲットの温度変化(temperature change of the treatment target)の比(ratio)である。一般に、表皮を損傷(すなわち、該表皮での過大な温度)することなく、ターゲットの高温度を得るのが好ましい。多方向からの光の組み合わせは、皮膚表面が実質的に1方向のみからの光を受けながら、該組織内のターゲットは1つより多い方向からの光を受けることを意味する。結果として、該ターゲットは皮膚表面より多い光を受ける。
【0032】
加えて、該皮膚を該キャビティ内に引き込むことは該皮膚を圧縮し、それにより血液を除去し、該キャビティ内の該皮膚を薄く(thinning)する。血液はターゲットの治療用に使われる波長で光学的放射を吸収することが多いので、血液を除去することは血液による吸収へのエネルギー損失を避けることにより有効性を改良し、それは真のターゲットによる吸収に利用可能なエネルギーを増加する。更に、該キャビティ内の皮膚からの血液の除去は又、光学的放射の血液での吸収による大きな加熱(bulk heating)を避けることで安全性を高める。該皮膚を薄くすることは光学的放射の散乱(scattering)と、ターゲット迄の距離と、を減じ、これら両者は有効性を改良する。
【0033】
該キャビティ内へ該皮膚を引き込むことは又該皮膚を延ばし、それは基底膜(basal membrane)を延ばす。該基底膜を延ばすことはメラニン(melanin)の光学密度(optical density){エムオーデー(MOD)}を減じ得る。血液の様に、該基底膜のメラニンは治療用の波長で光学的放射を吸収することが多い。結果として、血液の除去の様に、該エムオーデーを減らすことは該ターゲットによる吸収のためのより多くのエネルギーを提供し、それにより有効性を高め、皮膚損傷へ導く大きな加熱を減じ、それにより安全性を増す。
【0034】
該キャビティ内の皮膚へ光を導くことは又眼の安全を提供する。1実施例では、該キャビティの開口部(opening)に実質的に平行に進む光は、該キャビティからの直接光が少ないか又は皆無になる様に、該キャビティ内の皮膚へ送られる。直接光は眼の損傷の潜在する危険を呈するが、何故ならばこの様な直接光は網膜上に焦点を結ぶか、又は虹彩内のメラニンにより吸収され、それにより(もし該インテンシティが充分ならば)眼を損傷させるからである。従って、該キャビティからの直接光放射(direct light emission)を減じるか又は除去することは眼の安全性を改良する。該虹彩は又閉じた瞼(closed eye lid)を通して伝播(propagating)する光の吸収により損傷し得る。かくして、該キャビティからの直接光放射の削減又は除去は該瞼を通して伝播し、虹彩により吸収され得る光の量をも減じる。
【0035】
眼の安全性を更に改良するために、該デバイスは、皮膚が該キャビティ内にあると決定された時にのみ光を該キャビティ内へ導く。この様な決定を行うための多くの機構が可能である。1つの実施例では、光供給機構は、皮膚が該キャビティの内壁に接触するまで、光が該キャビティ内へ送られないように全反射(total internal reflection)を有する。もう1つの実施例では、1つ以上のセンサーが該キャビティの開口部の近くに配置され、それらが該キャビティ内に引き込まれた皮膚の存在を検出するまで、光が該キャビティ内に送られることを可能にしない。もう1つの眼の安全対策として、該キャビティに負の圧力が印加されない時、該キャビティは、例えば、シャッター(shutter)により阻止(blocked)されてもよく、この様なシャッターは、皮膚が該キャビティ内に引き込まれた時のみ開いてもよい。
【0036】
もう1つの安全機構は、充分堅く(firm)ない皮膚、例えば、瞼を含む、眼の範囲付近の皮膚、の検出と、この様な皮膚が検出された時、該デバイスが光を該キャビティ内へ放射することを可能にしないことと、を含む。眼の付近の皮膚、特に瞼、は非常に薄いので、眼の範囲の付近の治療は、該皮膚を通しての光伝播、虹彩による吸収、そして潜在する眼の損傷、へ導き得る。この様な負傷を防止するために、1つ以上のセンサーが、該キャビティ内で、或る高さに配置されるが、その高さ、すなわち、該キャビティ開口部からの距離、は、該高さを超えて、他の典型的堅さの皮膚が該キャビティの与えられた寸法用に引き込まれ得る高さである。結果として、もしこれらのセンサーが皮膚の存在を検出するなら、それはその皮膚が治療されるべきでない種類(例えば、眼の付近の皮膚)であることの指示であり、該センサーは該デバイスが該キャビティ内へ光を放射するのを防止する。
【0037】
眼の安全性は又、該デバイスが光を該キャビティ内に放射する前に、或るレベルの圧力が該デバイスにより該皮膚に印加されることを要求することにより改良される。すなわち、該デバイスは、それが皮膚に対し充分激しく押されるまで、光を該キャビティ内へ放射しない。このための1つの機構は圧力制御された発射機構(firing mechanism)である。これは眼の安全性を提供するが、それは、もし該デバイスが眼の方に向けられたなら、該デバイスが光を該キャビティ内に放射出来ないよう、この様な圧力は眼に印加されない、又は少なくとも顕著な痛み無しには印加されないからである。
【0038】
眼の安全性は、治療される対象内の嫌悪性反射作用(aversive reflex)をもたらす光を使うことにより改善される。なおもう1つの実施例では、一般的に眼に安全であるが、眼に特に刺激的な波長を有する光が、損傷を引き起こさないが、眼を閉じるとか、頭を回すとか、又は該デバイスを顔から離そうとする動作、の様な嫌悪性反応又は反射作用を引き起こすに充分な程強い、レベルで送信される。
【0039】
治療は恒久的か又は1時的か(例えば、恒久的な毛髪の減少か1時的な毛髪の除去)何れかの結果を提供し、該結果は即座(例えば、毛幹の全体又は部分の気化又は毛幹の構造内の変化)であるか又は発現に時間が掛かる{例えば、毛幹が結局抜ける(a hair shaft eventually falls out)}。加えて、多数の治療が結果を提供するために必要となり、例えば、或る結果は放射治療の累積効果を要し、又この様な結果は恒久的であったり又は1時的であったりする。もし1時的なら、該結果を維持するために周期的治療が必要である。例えば、毛髪を除くために幾つかの治療を要し、無毛の皮膚(hair−free skin)を維持するために周期的再治療を要する。毛髪除去が治療の例として与えられたが、多くの皮膚科的及び他の治療が可能であることは理解されるべきである。ここで開示されたデバイスは、該キャビティの寸法と他のパラメーターを修正することにより、毛胞(hair follicles)、皮脂腺(sebaceous glands)、しわ(wrinkles)、傷跡(scars)、深い真皮(deep dermis)、真皮/皮下組織接合部(dermis/hypodermis junction)、皮下脂肪(subcutaneous fat)及び浅筋(superficial muscle)、を含むがそれらに限定されない皮膚内の種々のターゲットを治療するため使われてもよい。或る実施例は又眼の安全性が関心事である他の治療又はデバイス用に有用である。例えば、歯の組織を治療する消費者デバイスに於いて、例えそのデバイスが眼の近く又は眼の付近での使用を意図されてなくても、その光が対象の眼の中で偶然に、又は他の仕方で輝き得ないことを保証することは適切であるか、又は有益である。
【0040】
今、図1を参照すると、毛髪の除去を含む、毛髪の成長の管理用に、例えば、毛胞を含む人の皮膚内の組織を治療するために例示的デバイス10が使われる。該デバイス10は容易な取り扱い用にカーブしたセクション18を有するハウジング16を備える。該デバイス10は更にハウジング16に隣接して配置された治療ヘッド(treatment head)14を備えるが、該ヘッドは2つの放射指向要素(radiation directing elements)20a及び20b(一般的に放射指向要素20と呼ばれる)と、キャビティ12を形成する側壁(sidewalls)22a及び22b(示されてない)と、を有する。該治療ヘッド14は更に、下記で図2及び3と関連して詳細に説明される様に、該放射指向要素20と光学的に結合された光学的放射ソース28を有する。
【0041】
該治療ヘッド14は外側エッジ(outer edge)24を有するが、該エッジは皮膚とより効率的な圧力シール(pressure seal)を形成するよう輪郭付け(contoured)されている。該放射ソース28に冷却を提供するために、デバイス10は或る容積の液体又は他の材料50を有する室26を備える。液体又は他の材料50は熱的には該放射ソース28と、そしてオプションでは該放射指向要素20と結合される。該デバイス10はオプションではディスペンサー(dipenser)(示されてない)を有し、該ディスペンサーは、例えば、冷却ローションを皮膚にディスペンス(dispense)する。又デバイス10は、皮膚を該キャビティ内に引き込む(draw)ために、該キャビティ12内に手動発生の差圧ソース(manually generated source of differential pressure)(例えば、低い又は負の圧力か、又は真空)を提供するよう、ピストン(piston)74と結合されたピストンロッド(piston rod)40を囲むシリンダー30を有する皮膚集め用具(skin gathering implement)を備える。該ピストンは該放射指向要素20及び側壁22a、22bと可動空圧シール(movable pneumatic seal)を形成する。該皮膚集め用具34は更にロッド40と結合された逆走機構(reversing mechanism)44を有する。
【0042】
代わりの実施例では、各放射指向要素20a及び20bは多数の放射指向要素を有し得て、側壁22a及び22bも又1つ以上の放射指向要素を有し得る。代わりの実施例では、該光学的放射ソース28は遠隔式にコンソール内に配置され、例えば、光フアイバーケーブルを通して該治療ヘッド14に光学的に結合されてもよい。もう1つの代わりの実施例では、該光学的放射ソース28はデバイス10内のどこか他の所に配置されてもよい。
【0043】
全ての実施例で、光学的放射ソース28は1つ以上の光学的放射ソースを有してもよく、該ソースは、レーザー(lasers)、ダイオードレーザー(diode lasers)、同調可能なレーザー(tunable laser)、ダイオード、ハロゲンランプ(halogen lamps)、フラッシュランプ(flashlamps)、及び/又は他の種類のランプの様な、広い及び狭い両バンドの光源を含むが、それらに限定されない、多数の種々の種類の何れかであってもよい。更に、幾つかの異なるソース及び/又は幾つかの異なる種類のソースが、種々の波長の放射を提供するため使われ得る。1実施例では、光学的放射ソース28は多数のソース、例えば、発光ダイオード(LEDs)、ランプ、レーザーダイオードバー(laser diode bars)、レーザー、及び他のソースを有することも可能である。1つの光学的放射ソースが1つ以上の放射指向要素に放射を提供したり、或いは多数の放射ソースが1つ以上の放射指向要素に放射を提供し得る。1つのソースから多数の放射指向要素へ光を導くために、例えば、ビームスプリッター又は他の当該技術で公知の手段が使われてもよい。1実施例では、該放射指向要素20はプリズム、例えば、3角形等辺プリズム(triangular equilateral prism)又は直角プリズム(right angle prism)、として提供される。しかしながら、種々の他の形状が可能である。
【0044】
デバイス10の冷却システムはフィン(fins)48a−48nを有するヒートシンク(heat sink)46を備えるが、該フィンは室26内に配置された冷却材料(cooling material)50と熱的に接触する。冷却材料50はヒートシンク46から熱を吸収すると相(phases)を変える相転移材料(phase transfer material)であってもよく、或いは冷却材料50はポンプ54に結合された導体パイプ(conductor pipe)52を通して室26内を循環させられる液体であってもよい。オプションで、デバイス10はバッテリー(示されてない)を有してもよく、或いはハウジング16内に配置された接続ポート(connection port)60は壁出口(wall outlet)の様な外部電源への接続部(connection)(示されてない)を提供することも出来る。オプションとして、デバイス10は、室26内で循環される時材料50を冷却する機構を有するか、又は接続ポート60がパイプ52を通して室26を冷却材料50、例えば、水の外部ソース(示されてない)と接続するため使われてもよい。デバイス10は制御器42,例えば、ハウジング16内に配置された電子回路基板32a及び32bを有するが、該基板は光学的ソース28と、センサーと、そして下記で説明する他の部品と、に接続された制御回路を含む。
【0045】
キャビティ12内に皮膚を集める(Gathering)又は引き込む(drawing)過程は治療される皮膚の光学的特性を変化させる。該皮膚をキャビティ12内に引き込む過程は該皮膚を圧縮し、該キャビティ内での該皮膚の延ばし(stretching)と該皮膚内血流の制限(restriction)を引き起こす。該キャビティ内の皮膚の中のターゲット、例えば、毛球(hair bulb)を含む毛胞又は皮脂腺、の照射量(irradiance)は、例えば、1.2−2.5の倍率で増加され得て有利であるが、それは減少した、散乱と、血液量と、そしてキャビティ内の皮膚の皮膚厚と、のためである。
【0046】
動作時、デバイス10は皮膚を治療するためにスタンピング運動(stamping motion)又はスライド運動(sliding motion)で運転される。スタンピング運動は、例えば、該デバイス10を該皮膚と接触するように置き、該皮膚を治療し、次いで該デバイスを該皮膚から除去し、該デバイスを該皮膚のもう1つの範囲と接触するよう置くことにより達成される。スライド運動は、該デバイスが該皮膚を治療する時、該デバイスを該皮膚表面上で同時に動かすことにより達成される。該皮膚の治療は該皮膚表面上で該デバイスの運動速度と協調されることが可能である。
【0047】
該治療ヘッド14が該皮膚の表面と接触する時、治療される皮膚の部分は、該キャビティ12内の圧力を下げるために皮膚集め用具(skin gathering implement)34を賦活することにより、該キャビティ12内に引き込まれる。該キャビティ内の該皮膚は次いで、光学的ソース28から放射指向要素20a及び20bを通る治療放射に曝される。
【0048】
1つの実施例では、デバイス10が皮膚と接触するよう置かれる時、ピストン74に対する皮膚の圧力は逆送機構(reversing mechanism)44により検出されるが、該機構は次いで、ピストン74が又入り口から離れるべく動かされるように、シリンダー30内のロッド40を入り口から離れてキャビティ12へ引っ張る。ピストン74の運動はキャビティ12内に圧力差を発生し、該差は該皮膚を該キャビティ内に引く。ピストン74は、かくして、デバイス10が皮膚と接触しない時は、キャビティ12用のシャッターとして作用する。
【0049】
皮膚集め用具34の代替えとして、デバイス10は該キャビティ12に結合された外部真空ソース(示されてない)を有することが出来る。この真空ソースは、皮膚集め用具34と同様に、デバイス10上でオペレーターにより押されるボタン(示されてない)、又は、上記説明の様に、ピストン74に対する皮膚の圧力によりトリガーされてもよく、或いは該外部真空ソース又は皮膚集め用具の賦活をトリガーするためにもう1つの種類のシャッターが使われてもよい。
【0050】
該キャビティ12の寸法は、キャビティ12内に引き込まれた皮膚内のターゲットが、種々の方向から放射指向要素20a及び20bを通りキャビティ12内へ進む光から最適治療を受ける。例えば、該皮膚内の毛胞又は皮脂腺は、放射指向要素20a及び20bの間で実質的に中央に位置付けられ、該皮膚に印加された光学的放射は、ターゲットが両放射指向要素からの光を受けるべく該キャビティの中央部分で重なり合うよう選択される一方、該放射指向要素に対する皮膚表面は、それらが接触する放射指向要素からのみ光を受ける。
【0051】
デバイス10で、該放射指向要素はキャビティ12の相対する側に配置される。しかしながら、代わりの実施例では、該放射要素は、それらが相互から90度にあるように隣接側部に配置されてもよい。上述の様に、1つ以上の放射指向要素はキャビティ12の各側に配置される。加えて、キャビティ12は正方形、長方形又は何等かの他の形状の代わりに円形であってもよい。例えば、図13を参照すると、放射指向要素20a及び20bの代わりに、デバイス10は円錐形プリズム(conical shaped prism)1301を備えるが、該プリズムは皮膚1303が負の圧力で引き込まれるキャビティとして役立つ円柱形穴(cylindrical hole)1305を有する。加えて、複数の光源(light sources)(例えば、レーザーダイオード、LEDs、ランプ)は、光ビーム1304を皮膚1303の部分内へ向けるために、円錐形プリズム1301に結合されてもよい。円錐形プリズム1301は皮膚内に、放射指向要素20により提供される平面対称(planar symmetry)よりも高い光の増幅を可能にする軸対称(axial symmetry)を提供する。
【0052】
印加される負圧(圧力差とも呼ばれる)の大きさのみならずキャビティ12の寸法も、治療される皮膚の量と、治療中の皮膚の機械的及び光学的な両特性への望まれる効果と、により選択される。大抵の応用では、より大きい範囲の皮膚の全体的治療を完了するのにより短い時間しか必要でないように、大きな量の組織を光の各印加(each application of light)で治療することが望ましい。しかしながら、これは又、より小さく、より低廉なデバイス及び他の要因と対比される。例えば、デバイス10により1度に治療され得る皮膚の量は、キャビティ12内に引き込まれる皮膚の量により限定される。キャビティ12の幅(図2のWすなわち64で示される)は、より多くの皮膚を治療するよう極めて大きくされ得るが、そうすることは放射指向要素20a及び20bからの放射がキャビティ12内の該皮膚の中で重なり合い、組み合わされることを妨げる。もしデバイス10が更に側壁22a及び22b内に放射指向要素を含むならば、キャビティ12の長さ(図2のLすなわち64で示される)についても同じことが真となる。同様に、これらの寸法を余りに小さくすることは該放射及び皮膚表面の重なり合いを引き起こし得る。かくして、キャビティ12の長さと幅は、種々の方向からキャビティ12内へ放射を送る異なる放射指向要素からの放射を組み合わせる要求により限定される。
【0053】
加えて、キャビティ12の高さ(図12のHすなわち66で示される)も限定される。理論では、非常に長い又は深い高さが治療用に多くの皮膚をキャビティ12内に引き入れるため使われ得る。しかしながら、該キャビティへの入り口のどんな与えられた寸法に対しても、或る量の皮膚しか該皮膚を傷つけずに該キャビティ内へ引き込まれ得ない。かくして、高さ寸法も限定される。
【0054】
図1に示す実施例では、デバイス10のキャビティ12は約10mmの長さLすなわち64を有し、該長さは約10mmの長さを有する光学的ソース28とマッチする。この実施例で、キャビティ12は約2mmから約6mm、そして好ましくは約4mmがよい、幅Wすなわち66を有する。この幅と長さは、堅い治療可能な皮膚(例えば、眼の範囲付近の皮膚でない)が、予め決められた容積Vすなわち68内で、多数の放射指向要素20からの組み合わされた均一な放射で治療されることを可能にする。この実施例で、キャビティの高さは13mmで、水銀柱約20cm(水銀柱8インチ)の圧力差が適用される。これは図6に関連して更に説明される。
【0055】
1つの実施例では、治療のターゲットは毛胞である。典型的に毛胞は1−4mm皮膚深さで見出される。結果として、室内の皮膚の高さ(図2で示されるHskinすなわち68)が約2mmから約6mmとなるようキャビティ12内に皮膚を集める。この様な皮膚高さHskinすなわち66は人の毛胞(hair follicles)を予め決められた容積Vすなわち68(図2)内に配置し、該小胞(follicles)を光学的放射ソース28に結合された放射指向要素20からの組み合わされた放射に供する。
【0056】
アクネ(acne)を治療するもう1つの実施例では、治療のターゲットは皮脂腺である。皮脂腺は典型的に1−3mmの皮膚深さで見出される。結果として、該室内の皮膚の高さが約1mmから約3mmになるようキャビティ12内に皮膚を集めることは皮脂腺を予め決められた容積内に配置し、該皮脂腺を光学的放射ソース(optical radiation source)28に結合された放射指向要素20からの組み合わせ放射に供する。
【0057】
オプションとして、皮膚が該キャビティ内へもっと容易に引き込まれることを可能にするようローション(lotion)が該皮膚に塗布されてもよい。この様なローションは又該皮膚と該キャビティ内壁との間の光学的及び熱的結合を改善する。
【0058】
上記説明の様に、皮膚がキャビティ12内に引き込まれると、血液が除去される。これは普通血液により吸収される波長の利用がもっと有効に行われることを可能にする。例えば、光学的ソース28は380から1350nmまでの光学的放射を発生してもよい。キャビティ12内に皮膚を引き込むことは該皮膚内の大抵の血液を除去するが、それは該皮膚内の残りの血液を、該キャビティの頂部−すなわち、最も深い該皮膚のひだの先端、又はキャビティ12内の最も高い高さに、集中させる。血液のこの様な集中は、脈管の傷の様な表面的ターゲットを除去する治療の焦点である。
【0059】
更に、基底膜(basal membrane)が延ばされ、それにより、上記説明の様に、治療エネルギーの1部を吸収するメラニン光学密度{エムオーデー(MOD)}を減じるので、表皮の温度は約1.1から約1.5倍の倍率で低下出来る。
【0060】
その結果、該組織(例えば、毛胞)は、皮膚がキャビティ12内に引き込まれた時該皮膚内に創られる光学的及び機械的特性変化の結果として、そして多数の放射指向要素20からの組み合わされた光学的放射から、より有効に治療され得る。
【0061】
今、図2を参照すると、デバイス10の更に詳細が示されている。該キャビティ12は長さLすなわち64と、幅Wすなわち62と、を有する。他の実施例で、デバイス10が、異なる形状、例えば、円形、正方形、六角形、非対称(asymmetric)、3角形、ドーム状(domed)、を有するキャビティを備え、直線的内壁の代わりに、この様な壁が、例えば、(内方へ又は外方へ)傾いたり(slanted)、カーブしたり、或いは柔軟な(flexible)又は柔らかい(soft)材料製であってもよいことは評価されるであろう。該室内の皮膚高さHskinすなわち66は示される様にキャビティ12の入り口(entrance)から計られる。該キャビティ12は、放射指向要素20a及び20bからの放射が組み合わされる容積すなわち68を含む。この実施例で、皮膚集め用具34はロッド40と結合されるピストン74を有する。この実施例の光学的ソース28は1対のレーザーダイオードバー70a及び70bを有する(集合的にレーザーダイオードバー70と呼ばれる)。該レーザーダイオードバー70a及び70bはそれぞれエミッター表面(emitter surfaces)72a及び72bを有する。該光学的ソース28は、それぞれエミッター表面72a及び72bと放射指向要素20a及び20bの間に配置され、キャビティ12の長さLすなわち64だけ延びる光学要素(optical elements)76a及び76bをオプションで有する。もしもっと長いキャビティ12が望ましいなら、多数のダイオードバーが組み合わされてもよい。ヒートシンク46は配列で配置された冷却フィン48を有する。
【0062】
動作時は、レーザーダイオードバー72はキャビティ12内に引き込まれた皮膚に連続の又はパルスの光学的放射を提供する。白熱ランプ(incandescent lamp)、フラッシュランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード又は現在入手可能な又は何時か開発される(yet−to−be developed)何等かの他の適当な光源を含むがそれらに限定されない光学的放射の他のソースが治療放射を提供するため使われ得ることは評価されよう。これらのソースは、約380nmから約1350nmまでの一つ以上の選択された波長又は別々のバンドの波長を提供するようオプションでフィルターと組み合わされることが出来る。又、該光学的放射ソース又は複数ソースは0.1−100J/cm2の作用(fluence)、1−1000msの間のパルス幅、0.5−10cm2のスポットサイズ、そして0.2Hzの繰り返し速度(rep rate)又は連続波、を提供してもよい。パルス幅は、スタンピングモード(stamping mode)でキャビティ12内で治療される皮膚の各セクションに適用される個別パルス又はパルスのグループを含んでもよく、或いはパルス幅は、該デバイスが皮膚上を動かされ、皮膚の種々のセクションが該キャビティ内へそしてキャビティ外へ動かされる時、キャビティ12内で治療される皮膚の各セクションにより見られる有効パルス幅とすることが出来ることは理解されるべきである。
【0063】
オプションの光学要素76a及び76bは光学的放射ソース72からの放射を焦点合わせし(focus)、集中し、分岐(diverge)し、又はコリメート(collimate)することが出来る。該光学的放射ソース28とオプションの光学要素76a及び76bは、該光学的ソースの各々からの光学的放射が次いで該光をキャビティ12内へ導く放射指向要素内へ結合されるように、放射指向要素20と整合される。上記説明の様に、キャビティ12の寸法は、表皮を保護する改良された安全比を提供しながら、改良された有効性を提供するために、種々の放射指向要素からの光が治療されるべきターゲットの範囲の中で該キャビティ内で組み合わされることを可能にするよう、選ばれるのが好ましい。これは図8A、8B、9A及び9Bと関連して下記でもっと充分に説明される。
【0064】
オプションで、該放射指向要素は、キャビティ12内の組織の別々の容積が、周囲組織が治療されない間に治療されるように、或るパターンの治療エネルギーをキャビティ12内の組織に送ることが出来る。すなわち、キャビティ12内の全組織を均一に治療する代わりに、該キャビティ内の或る小さな容積のみが治療されてもよい。これらの治療される部分の間の健康な組織(healthy tissue)は、治癒時間(healing time)と治療への組織応答(tissue response to treatment)とを改良することが出来る。この様な治療パターンは、例えば、該放射指向要素内に焦点合わせ要素(focusing elements)を有したり、或いは光がその開口部(opening)だけを通過する様な開口部を有するマスク(mask)で、キャビティ12の内壁をコートすることにより提供されてもよい。もう1つの例として、キャビティ12の該内壁はこの様な治療パターンを提供するため織り目付けされて(textured)もよい。
【0065】
1つの実施例では、オペレーターはデバイス10を皮膚に対し押すことにより(図1)キャビティ12内の負圧をトリガー(triggers)する。例えば、デバイス10のハウジング16(図1)は、オペレーターが治療ヘッド14を皮膚に対するよう置き、カーブしたセクション18に対し押し続けると、ハウジング16が更に皮膚の方へスライドするよう、治療ヘッド14に対しスライド可能(slidable)である。該オペレータがカーブしたセクション18上で押すことを止めると、皮膚から離れるようスライドするハウジング16の作用は、該キャビティ12内の圧力を下げ、従って皮膚を該キャビティ内に集めるよう、シリンダー30,ロッド40,ピストン74そして逆走機構(reversing mechnism)44と連携して働くことが出来る。上記説明の様に、皮膚が該キャビティ内で検出されると、レーザーダイオードバー70が該キャビティ内の皮膚に治療放射を提供するため賦活されるよう、センサー(示されてない)がキャビティ12内に含まれる。
【0066】
光学的ソース及び光学的部品用の冷却を提供するために、ポンプ54及び導体パイプ52により冷却材料50,例えば、冷水(chilled water)が室26内を循環させられてもよい。他の冷却手段が使われてもよいことは評価されよう。例えば、室26はフィン48から熱を吸収すると相(phase)を変える相転移材料(phase transfer material)(例えば、氷、ワックス)を収容してもよい。代わりに、デバイス10はフィン48を過ぎるよう空気を強制する小さなフアンを有してもよい。もう1つの例として、使用中のオペレーターの手及び/又は大気へ熱が送られるようにヒートシンクがハウジング16に熱的に結合されてもよい。
【0067】
代わりの実施例では、デバイス10のパラメーターは、キャビティ12内に引き込まれた皮膚に種々の治療を提供するため、又は種々の種類の皮膚{例えば、顔の皮膚は背中又は腋の下(underarm)の皮膚と異なって治療されてもよい}に種々の治療を提供するため、変えられてもよい。例えば、該キャビティの寸法(例えば、キャビティの幅、長さ及び/又は高さ)、キャビティ内の圧力差、光学的ソースの位置、フイルター、作用(fluence)、パルス幅及び他のパラメーターは調整可能である。なおもう1つの実施例では、皮膚集め用具34は、皮膚を該キャビティ内に集めるピストン74と連携して適用される接着力(adhesive force)又はピンチング力(pinching force)を使う。なおもう1つの実施例では、超音波エネルギー(ultrasound energy)が光学的放射の代わりに使われる。
【0068】
上記説明の様に、デバイス10は安全センサーを有することが出来る。1つの実施例では、この様なセンサーはキャビティ12内の皮膚の存在を検出し、その時のみ該キャビティ内の光の放射を可能にするため使われる。加えて、安全センサーは、皮膚がキャビティ12内に余りに深く引き込まれた時を検出し、キャビティ12内の光の放射を避けるために使われる。これは、堅さが少ない皮膚とそれに近く配置された何等かの組織(anatomy)が光学的ソース28からの光に曝されるのを防止する。例えば、瞼を含み、人間の眼の付近の皮膚は一般的に非常に柔軟(pliable)である。光学的ソース28から発生された光は、それが眼を負傷させる可能性があるので、眼の付近での使用には安全ではないとすべき様なものである(may be such as to be not safe for use around the eye)。例えば、該光は、それが瞼を通過し、虹彩のメラニンにより吸収され、そして眼を損傷し得る様なものである。その結果として、1つ以上の安全センサーが、それが眼の付近の皮膚であることを示す高さ/深さで該キャビティ12内の皮膚を検出するよう配置され、それにより該デバイス10が該光源を動作させることを防止する。
【0069】
1つの実施例では、安全センサーは1つ以上の対のエミッター(emitters)及び検出器(detectors)を有する。図3を参照すると、治療ヘッド14は、エミッター84が、皮膚がキャビティ12内に無い時検出器86により受けられる光を光路88に沿って導くよう、放射指向要素20a及び20bと整合されたエミッター84及び検出器86を有するよう示される。皮膚がキャビティ12内に引き込まれると、光路88は遮られ(interrupted)、検出器86は、制御回路が、皮膚を治療するため光をキャビティ12内に放射するよう光学的ソース28をドライブすることを可能にするために、電子回路基板32a及び32b内の制御回路に信号を送る。示される様に、光路88はキャビティ12の開口部に近く配置される。しかしながら、光路88は、該皮膚がキャビティ12内に引き込まれるのみならず、それが治療を可能にするのに充分な深さに引き込まれたことを示すために、キャビティ12内に(光路90程深くはないが)より深く(又はより高い高さに)配置される。この高さは図4A及び4Bに関連して下記でもっと充分に説明される。
【0070】
図3で、治療ヘッド14は又、キャビティ12内でもっと深い(又はより高い高さの)光路90を提供するよう整合されたエミッター80と検出器82を有するよう示される。エミッター80と検出器82は、皮膚がキャビティ12内で余りにも深く引き込まれた時を検出するため使われるが、該エミッター及び検出器は上記で説明した様に、これが治療されるべきでない皮膚であることを示すことが出来る。この場合、光路90が遮られると、検出器82は、該キャビティ内の皮膚が治療されないよう光学的ソース28の駆動を防止するため信号を制御回路に送る。
【0071】
1つの実施例では、フォトダイオードが検出器82及び86として使われ、発光ダイオード(LEDs)がエミッター80及び84として使われる。もう1つの実施例では、治療ヘッド14は、治療されるべき皮膚のメラニン含有量(melanin content)又は他の特性を検出するため1つ以上の反射率計(reflectometer)センサー(示されてない)を有する。オプションとして、治療ヘッド14は反射面(reflective surface)78を有するが、該面は光学的放射が光学的ソース28からプリズム20a及び20bに入らせるが、キャビティ12内の皮膚から光学的放射ソース28の方へ戻るよう散乱(scattered)及び反射(reflected)される光学的放射がプリズム20a及び20bから逃げさせない。代わりにこの反射面78は治療の作用を改善するためこの散乱及び反射された光がキャビティ12内の皮膚の方へ戻るよう返す。これは”光子リサイクリング(photon recycling)”と呼ばれる。
【0072】
図4Aは、光路88を遮るに充分な高さまでキャビティ12内で集められた治療されるべき皮膚の部分100を示す。この例では、治療されるべき皮膚の部分100は1つ以上の毛胞を有し、治療は毛髪の除去用である。簡単のため、毛幹(hair shaft)102と毛球(hair bulb)104のみが示される。上記で説明した様に、キャビティ12内の皮膚の高さはキャビティ12の幅及び形状、キャビティに印加された圧力差、そして皮膚の堅さ(firmness)の関数である。この例で、該毛胞は、路92に沿って放射指向要素20a及び20bによりキャビティ12の相対する側から送られるレーザーダイオードバー70a及び70bからの光学的放射により治療される。上記説明の様に、キャビティ12の寸法と光学的放射のパラメーターは、両放射要素20a及び20bからの放射が治療の効果を改善するため皮膚内の毛胞内で組み合わされるように、選ばれる。
【0073】
眼の範囲付近のより柔軟な皮膚の治療の回避に関して、キャビティ内へ集められる皮膚の最大高さhskin−maxとキャビティの幅wcavityの間に近似的関係が存在することが発見されたが、それは、治療可能な皮膚(例えば、充分の堅さの皮膚)で、水銀柱20cm(水銀柱8インチ)の公称(nominal)圧力差では
【数1】
であり、そして一般的に、治療可能でない皮膚(例えば、瞼の様な堅さのもっと低い皮膚)で、水銀柱20cmの公称圧力差ではhskin−max>2wcavityである。
【0074】
更に皮膚高さhskinの範囲が下記の近似範囲にあることが発見された。
【0075】
.5wcavity>hskin>2wcavity
hskin−max及びhskinの決定はセンサー光路88及び90の配置の決定を可能にする。
【0076】
図4Bは、キャビティ12内に引き込まれる皮膚108が余りに深く引き込まれたので、それは光路90を遮っており、これが治療されるべきでない皮膚、例えば、瞼であることを示している。虹彩112の構造は該虹彩がキャビティ12内に引き込まれないようになっている。上記説明の様に、堅さの少ない皮膚は遙かに遠くの距離(より高い高さまで)をキャビティ12内に集められる(gathered)。1実施例では、皮膚高さhskinが10mmより大きい時光路90は遮られるよう設定され、それにより検出器82に光学的ソース28がトリガーされるのを防止する信号を制御回路へ送らせる。
【0077】
図5Aは、従来技術のデバイスにより、或る容積の皮膚114’に直接の光学的放射が印加されるのを示す線図である。この線図は、可成りの放射が容積114’内に貫入し、もし容積114’が瞼であるなら、この様な放射は該瞼を通して虹彩112に達するであろうことを図解する。もしこの放射が虹彩内のメラニンに吸収されるなら、それは眼を損傷させる。対照的に、図5Bは、キャビティ12内に引き込まれた皮膚へ放射指向要素20a及び20bを通して印加される光学的放射と、キャビティ12の外の皮膚容積114に達する間接的光の可成り少ない量と、を示す線図である。この線図は、例えデバイス10が眼の付近の皮膚の該キャビティ内への引き込みを検出するための上記説明の安全センサー(例えば、80,82)を有しなくても、該デバイスが虹彩に達し得る光の量を減じるので従来技術のデバイスに比してなお可成りの眼の安全性をそれが提供することを示す。
【0078】
図6は、図1のキャビティ12と同様なキャビティについて皮膚ひだ高さ対圧力(skin fold height vs pressure)のグラフ図である。キャビティ12の寸法が、キャビティ12内に集められ得る皮膚の容積を制限するので、キャビティ12内へその容積の皮膚を引き込むに必要な圧力を越えて圧力差を増やしても、もっと多くの皮膚を引き込まない、ことが決定された。ここで、曲線132上の点134は約水銀柱20cm(8インチ)(200トール)の初期圧力を表し、それは該キャビティ内の約5mmの皮膚高さに帰着する。皮膚の弾性のために、該皮膚は僅かにもっと低い高さに引き戻され、示される様に、点134を越えて圧力差を増やすことは集められた皮膚の高さを増さない。ここで圧力差は、キャビティ内の容積と、キャビティの外の周囲(例えば、大気圧)との間の圧力勾配(pressure gradient)を呼ぶ。
【0079】
一貫した皮膚高さ、毛髪の治療用には該キャビティ内で、好ましくは約2mmから約6mm、そしてアクネの治療用では1−3mm、を達成する最小圧力差を提供することが有利である。該キャビティへの入り口に於ける輪郭付きエッジの使用及び/又は治療されるべき皮膚表面へのローション又はオイルの塗布を行う。
【0080】
図7Aは、レフレクター(reflector)78を有せず(図3も参照)、かつ、放射指向要素20a及び20bの外面上に反射面(reflective surfaces)を有しない治療ヘッド14を表す。対照的に、図7Bはレフレクター78を有し、そして又、放射指向要素20a及び20bの外面上に反射面を有する治療ヘッド14を表す。すなわち、図7Bでは、放射指向要素20a及び20bは、キャビティ12を形成する面上を除けば、反射面を有する。示される様に、図7Bのデバイスは図7Aのデバイスが行うより可成り多くの光をキャビティ12内に引き込まれた皮膚に向ける。1実施例では、レフレクター78を含め、反射面は、キャビティ12を形成する又はそれに結合される面を除けば、放射指向要素20a及び20bの全ての面に塗布されたコーティングである。反射面を使って、キャビティ12内のターゲットへの光学的放射の供給の効率は、この様な反射面を使わない場合に比して1.2−4倍増加する。図7A及び7Bに示す様に、キャビティ12内に引き込まれた皮膚容積140内のターゲットは小胞144a−144nであってもよい。
【0081】
図8A、8B、9A及び9Bは、デバイス10の治療ヘッド14と同様な2つの実験的治療ヘッドについての光分布グラフ図である。このデバイスで、光学的ソース又は複数ソース(例えば、波長800nmの光を発生するダイオードレーザー)は光フアイバーを通してキャビティ12に結合される。該光分布グラフ図は、キャビティ寸法(例えば、幅)の重要性と、如何に、光学部品の整合を伴う寸法の適切な選択が、種々の放射指向要素からの光がより良い有効性とより高い安全比のためにキャビティ12内で組み合わされ、又は重ね合わされさせるか、を図解する。
【0082】
図8Aは、光インテンシティ対キャビティ幅のグラフ図であり、曲線164と166の各々は、該キャビティ(例えば、5mm)の1つの側の1つの放射指向要素、この場合は、フアイバー、だけからキャビティ内へ放射される光を表す。この例で、該キャビティの幅は5mm、そして曲線164,166は、最大光インテンシティは該キャビティ壁(例えば、5mm)に隣接する皮膚表面にあることを示す。これは表皮損傷へ導く低安全比に帰着する。曲線166は曲線164に比較して減じられた光インテンシティを有するが、何故なら曲線166用に使われたレフレクターは曲線164に使われたもっと反射性の面よりも多くの光を吸収する茶色のペーパーであったからである。対照的に、曲線162は該キャビティの相対する側上の2つの放射指向要素から放射され、容積内の光インテンシティが該キャビティの表面の各々(0mmと5mm)での光と実質的に同じであるよう、該キャビティの該容積内で組み合わされた光を表す。これは表皮を保護しながら、ターゲットがより容易に治療される様なより高い安全比に帰着する。キャビティ内の皮膚の容積内で受ける光の量が、該キャビティ壁に接触する皮膚表面で受ける光の量より高いように、該キャビティ及び/又は放射指向要素を構成することも可能である。加えて、皮膚表面を冷却し、追加の表皮安全性を提供するため該キャビティ壁が冷却されることが可能である。
【0083】
図8Bは、光インテンシティ対キャビティ高さのグラフ図であり、再び曲線174と176の各々は1つの放射指向要素のみからキャビティ内へ放射される光を表し、曲線172はキャビティの相対する側上の2つの放射指向要素から放射される光を表す。曲線176は曲線174に比較して減じられた光インテンシティを有するが、これ又、何故なら曲線176用に使われたレフレクターは曲線174に使われたもっと反射性の面よりも多くの光を吸収する茶色のペーパーであったからである。この例では、皮膚が該キャビティ内に引き込まれる高さは5mmである。曲線172に示す様に、該キャビティの異なる側上の多数の放射指向要素からの光を組み合わせることは、1つの放射指向要素のみからの光により提供されると同じ高さに於いて増加した光インテンシティを提供する(曲線174と176)。
【0084】
図9A及び9Bのグラフ図は、キャビティの幅及び高さが4mmであることを除けば、図8A及び8Bのグラフ図と同様である。
【0085】
最適のキャビティ寸法は、皮膚表面からのターゲットの深さより大きい高さと、皮膚表面からのターゲットの深さの4倍より小さく、好ましくは皮膚表面からターゲットの深さの2倍より小さい幅と、を有する。
【0086】
図10A及び10Bを参照すると、2つのランプベースの光学的ソース230及び240が示される。光学的ソース230は、それぞれレフレクター234a及び234b(集合的にレフレクター234と呼ばれる)に隣接して配置されたランプ232a及び232b(集合的にランプ232と呼ばれる)を有する。各ランプ232とレフレクター234の組み合わせは図3のレーザーダイオードバー70と同様に作動する。1実施例では、該ランプは高効率Xeフラッシュランプである。この実施例では、ランプ232は約0.1から約100J/cm2の作用、約1msから約500msのパルス幅、400−1350nmの間、そして好ましくは600−1200nmの間がよい波長範囲、で動作する。レフレクター232は反射性コーティングを有し、プリズム246の外面も反射性コーティングを有する。ここで治療ヘッドの全体的効率は約10−40%である。オプションとして、スペクトルフィルター(spectral filter)がデバイス230内に組み入れられ得る。1実施例では、この様なスペクトルフィターは、プリズム246の該ランプから光を受ける面上の誘電体コーティング(dielectric coating)か、又は該ランプ自身上のコーティングとすることが出来る。該ランプは空気又は液体流れにより冷却され得る。
【0087】
図10Bの実施例では、ランプ242aと242bはプリズム246内に一体化される。すなわち、キャビティは該プリズム内に作られるので、これらのキャビティの内壁が該ランプ用のエンベロープ(envelope)を提供し、各ランプ用の別のガラスエンベロープの必要性を取り除く。この実施例では、治療ヘッドの全体的効率は約150−250%だけ高められる。上記説明の様に、反射性コーティングは該プリズム246の外面上に提供される。
【0088】
図11を参照すると、圧力制御された発射機構が眼の保護を提供するため使われてもよい。デバイス260は、内部部品(internal component)264上をスライド可能なハウジング262を有し、ハウジング262と内部部品264はばね266により離れさせられる。ハウジグ262はセンサー268を有し、該センサーは、例えば、マイクロスイッチ(microswitch)であってもよい。制御回路(control circuitry)が光学的放射ソースに光を放射させるために、信号がセンサー268から受信されねばならない。センサー268はそれが内部部品264に対し押されるとトリガーされる。動作時、これが起こるのは、デバイス260が皮膚に対するよう置かれ(特に、内部部品264の皮膚に接触する面が該皮膚に対するよう置かれる)、ばね266を圧縮し、ハウジングを皮膚の方へスライドさせる、のに充分な力がハウジング262に印加される時、である。該ハウジングが皮膚の方へ動かされると、それはセンサー268を内部部品264に接触させ、センサー268は該制御回路にそれが放射ソース(複数を含む)をトリガーするのを可能にする信号を送る。大抵の治療可能な顔の皮膚は後ろに骨を有するので、顔の皮膚の治療可能な範囲は、賦活を可能にするに必要な圧力を我慢出来る。しかしながら、眼の後ろには骨が無いので、賦活を可能にするのに充分な力をデバイス260に与えることは難しく、苦痛であり、それにより眼の保護を提供する。ばね266は調整可能なばね張力機構(示されてない)を備えることが出来る。
【0089】
デバイス260内に示される圧力制御された発射機構(firing mechanism)は他の安全の特徴と組み合わされ得る。加えて、該圧力制御された発射機構は、皮膚が引き込まれるキャビティを有する、図1のデバイス10の様なデバイスと組み合わされ得る。
【0090】
図12を参照すると、図1のデバイス10と同様な皮膚治療デバイス10”が示される。デバイス10”は、キャビティ12”、電源282,治療ヘッド14”と熱的に結合された冷却カートリッジ(cooling cartridge)284、そして皮膚集め用具286(部分的に示される)を有する治療ヘッド14”を備える。
【0091】
デバイス10”はデバイス10と同様な仕方で動作する。1実施例では、電源282は1つ以上の大容量再充電可能なバッテリー又はキャパシター(high capacity rechargeable batteries or capacitors)である。家庭用の応用では、電源282は約2から約5分の動作、又は治療の望まれる持続時間によりもっと長い動作、用の電力を提供する。取り除き可能な冷却カートリッジ284は光学的ソース及び他の光学部品、例えば、治療ヘッド14”内の放射指向要素、用の冷却を提供する。該取り除き可能な冷却カートリッジ284は、図1のヒートシンク46の様な、ヒートシンクの冷却を提供する材料50を有する室26として作用してもよい。1実施例では、該取り除き可能な冷却カートリッジ284は使われる前に家庭用フリーザー(household freezer)内の置かれてもよい。
【0092】
図14を参照すると、もう1つの実施例では、皮膚科用治療デバイス(dermatological treatment device)は、組織へ送信される放射が眼及び皮膚に安全であることを保証しながら、皮膚の様な組織を治療するよう構成された治療放射供給システム(treatment radiation delivery system)400を使う。かくして、システム400は眼、眼内の組織、又は他の組織を損傷しない。システム400は、家庭(home)用、プロ(professional)用、又は他の使用のための光美容デバイスの部分として設計され、一体化され得る。
【0093】
システム400は、治療放射ソース402,眼に安全な放射ソース404,導波管406,ディフューザー408及び接触要素(contact element)410を有する。治療放射ソース402は2つのレーザーダイオード412及び414を有するレーザーダイオードバーである。しかしながら、固体レーザー、インコヒーレントソース(incoherent sources)(すなわち、種々の種類のランプ)他の様な多くの他のあり得る構成の治療放射ソース402が可能である。加えて、特に種々の構成のレーザーダイオードバーが可能であり、応用及び設計仕様に依り好ましい可能性がある。例えば、皮膚では必要な放射パワー(required radiation power)を提供し、そして導波管を通して、かつ、該デバイスから被治療組織への移行部(transition)に於いて、均質に分布した治療パワーを提供するために、該放射ソースの数は変えられ、そして位置付けられ得る。最適の設計構成(optimum design configuration)(複数を含む)は、治療の種類、デバイスのサイズ、治療のスポットサイズ、使われる材料、治療用に選択される放射の波長(複数を含む)、他を含む多数の変数に左右される。
【0094】
治療放射供給システム400では、基盤416内にレーザーダイオード412と414が設置される。基盤416は銅製であるが、代わりにシリコンカーバイド(silicon carbide)、銅タングステン(copper tungsten)、又は他の適当な材料で作ることも出来る。基盤416は機械的安定性を提供し、運転中廃熱(waste heat)を除去する。好ましくは、基盤416の表面418は、皮膚から散乱/反射された光子をリサイクルするために治療放射波長を高度に反射する材料でコートされるのがよい。光子のリサイクリングは基盤416(そして総じてシステム400)への熱負荷を減少させ、それが治療効果を改善する両面で作用する。
【0095】
導波管406は組織に送信される治療放射をより均一に分布させるために、治療放射を導き、治療放射の空間的プロフアイルを均質化する。治療放射ソース402からの治療放射は導波管406と結合される。導波管406の入力面は放射損失(radiation loss)を避けるために、例えば、反射防止コートされる(anti−reflection coated)か又は放射ソース402に接合(bonded)される。
【0096】
代わりに、放射ソース402は面418と導波管406の間の窓により保護されてもよい。この様な窓は、例えば、放射ソース402を反射放射へ曝すのを減じるよう構成されてもよい。該窓の内面(すなわち、放射ソース402に面する部分)は反射防止コートされ得る、一方外面(すなわち、導波管406に面する部分)は反射防止コートされるか、又は導波管406の入力面に接合されるか何れかである。
【0097】
導波管の治療放射ソース402と反対の側にディフューザー408が配置される。ディフューザー408はガラス、プラスチック、又は他の光学的材料で作られるのが典型的である。ディフューザー408は放射ビーム内の各点で治療放射の角度的スペクトル(angular spectrum)を増す。予め決められた最大レベルに制限される放射出力パワーを有する固定治療(fixed treatment)用では、該ディフューザーは、出力ビームがアンシーの眼の安全標準(ANSI eye safety standards)を充たす点まで該角度的スペクトルを増やすことにより治療される対象への網膜損傷(retinal damage)を防止するよう設計され得る。ホログラフィーのもの(holographic)、回折式のもの(diffractive)、ホトリゾグラフィーのもの(photolithographic)、フアイバーバンドル(fibre bundle)、ミルクガラス(milk glass)、サンドブラストされたガラス(sandblasted glass)、又は他の適当な材料の、等を含むが、それらに限定されない多くの種々の放射ディフューザーが使われ得る。システム400と同様な実施例での使用に好適な或るディフューザーは織り目付された出力面(textured output surface)を有してもよい。それらのディフューザーの幾つか用には、もし該デバイスが接触要素410を有するなら、該ディフューザーと該接触要素の間に空間(例えば、空気又は流体で充たされた)が必要である。容積ディフューザー(Volume diffusers)はエアギャップ(air gap)付きで又は無しで使われてもよい。
【0098】
システム400では、ディフューザー408を出た放射は接触要素410と直接結合される。接触要素410は幾つかの機能に役立つ。接触要素410は該放射を皮膚に結合させる導波管として作用する。該治療放射は接触面420を通ってデバイス400を出る。接触要素410の長さは、皮膚表面での均一な放射分布を創るよう選ばれるのが好ましい。システム400では、接触要素410の長さは、該デバイスを最適化する設計パラメーターに基づいて調整されるが、0.5−100mmの範囲にあるのが典型的である。接触要素410は又治療中接触冷却を提供する。接触要素410は熱的に伝導性の透明材料、この場合にはサファイヤ、で作られる。しかしながら、他の物質が使われてもよい。熱は、例えば、接触要素410の外面に金属熱交換機(metal heat exchanger)を{糊(glue)又は他の適当な手段で}取り付けることにより、接触要素410から除去され得る。該金属熱交換機は、該サファイヤ/糊インターフエースで全反射されない何等かの治療放射が吸収されないように、高度に反射性のコーティングでコートされる。
【0099】
眼に安全の放射ソース404は導波管404の頂面(top surface)に配置されたLEDである。ソース404は、放射が瞼と、眼の前部部分(anterior portion)と、を通して伝播した後、ユーザーにより感知(perceived)される明るさ(brightness)を最大化するよう選ばれた波長の放射を提供する。換言すれば、該波長は、治療される対象に刺激的であるが、治療される対象により痛い(painful)又は有害(harmful)と感知されるインテンシティでも一般的安全な波長であるのが好ましい。ソース400は赤の範囲(600−680nm)の波長で、1−10mW/cm2のパワー密度(power density)で、光を放射する。しかしながら、設計及び仕様により、他の波長及びインテンシティも可能である。
【0100】
該ソース400が契合(engaged)され、接触面420が約1.0−2.0秒間治療される組織に接触していた後、治療ソース402は契合され、該組織は照射される。該1.0−2.0秒の時間間隔(time period)は、ユーザーが該治療ソース402による照射の前に該デバイスを彼女の眼(her eye)から取り除くのに充分な時間を有するよう選ばれる。しかしながら、他の実施例も可能である。例えば、0.1から3.0秒の様な、もっと短い又はもっと長い時間が使われてもよい。もっと短い時間は、例えば、対象を治療する人に、眼が照射されたことを示す、眼の痙攣(twitch)又は眼を細める(squint)様な、より速い嫌悪応答(aversive response)が起こる時間を許容するために使われ得る。該嫌悪応答は、対象に該デバイスを該組織から動かさせるどんな動きであってもよく、或いは、対象を治療する人に眼が照射されていることを示す、眼を細めること(squinting)、瞳孔拡大(pupil dilation)、眼の動き、頭の動き、そして腕の動きを含むが、それらに限定されない、どんな動きであってもよい。
【0101】
治療される組織との接触の存在は多数の種々の接触センサーにより決定され得る。又システム400は上記パラグラフで説明した”プレパルス(pre−pulse)”安全機構に加えて、接触検出機構の1部としてソース404も利用する。該接触検出機構はソース404,プリズム422及び検出器424を有する。プリズム422は接触要素410の外側面上に沿って或る角度で設置される。プリズム422は光が接触要素410からプリズム422を通ることを可能にするよう接触要素410に光学的に結合される。検出器424はプリズム422の端面に取り付けられ、接触要素410からプリズム422を通過する光を受けるためにプリズム422に光学的に結合される。
【0102】
システム400は、放射をソース404から治療放射供給システム400を通って接触面420まで送信することにより面420が組織と接触しているかどうかを決定する。接触面420が組織と接触している時は、結合プリズムインターフエース426に於ける全反射のために検出器424には非常に小さい背景信号しか無い。接触面420が組織と接触している時、接触要素410からプリズム422を経由し、そして検出器424内へ結合される放射の量は、接触要素410内の全反射されない角度での皮膚から結合プリズムインターフエース426への光の散乱のために顕著に増加する。検出器424の出力は該デバイスの制御電子機器(示されてない)によりモニターされ、その電圧が予め決められたしきい値を越えると、該デバイスは接触面420が治療される組織と接触していることを決定する。かくして、検出器424は該デバイスに対する患者の嫌悪運動を検出することにより嫌悪センサー(aversive sensor)として役立つ。
【0103】
ソース404の2重の目的を実現するために、ソース404は接触検出(システム400では、近赤外線範囲内の)用の1つの波長と、”プレパルス”安全機構(システム400では、上記で論じた赤の範囲内の)用の1つの波長と、を有する2カラーLED(bicolor LED)である。これは必須ではないが、好ましくは該接触検出機構用と、”プレパルス”安全機構用に使われる波長は治療用に使われる主要波長(複数を含む)と異なるのがよい。ソース404の第1波長が接触検出に適用される。或る最小時間(典型的には50ms)の間組織との接触が検出された後、レーザーが点火間近であることを対象に警告するために第2波長が適用される。該デバイスは眼を目指すなら、該第2波長の光はその眼を厳しく刺激するだろう(しかし損傷はしない)。例え、該システムが閉じた瞼と接触しても、第2波長は対象が彼女の頭を廻すか又は該デバイスを引き離すことにより該光に反応する様なインテンシティである。その点に於いて、該接触検出機構は接触面420は最早組織に接触せず、該デバイスは該組織を照射しないことを決定する。
【0104】
システム400は、治療されるべき組織と接触している間に使用するよう設計されているが、他の実施例も可能である。例えば、代わりの実施例は、組織の近くであるが、組織には接触せずに、動作するために近接センサー(proximity sensor)を使用する。該デバイスは又全てのこの様なセンサーを除き、該組織から或る距離で動作するよう設計されることも可能である(又は接触センサーを使うことなく、該組織と接触する間に動作する)。加えて、接触要素410により提供される冷却は、他の機構により提供され得る{クライオジェニックスプレイ(cryogenic spray)、別の冷却プレート、組織の事前冷却(pre−cooling)、又は他の機構に依る様な}。更に、システム400は光学的波長の光での使用のために主に設計されているが、多くの他の波長又は波長の組み合わせ(光学的と他との、両者の)が可能である。
【0105】
本発明が特にその好ましい実施例を参照して示され、説明されたが、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神と範囲を逸脱することなく、形式及び詳細の種々の変更がその中で行われ得ることは当業者により理解されよう。当業者はルーチンの実験だけを使って、ここで特に説明した本発明の特定の実施例の多くの等価物を認識し、確認することが出来よう。この様な等価物は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の或る側面による光美容デバイスの断面斜視図である。
【図2】図1のデバイスの治療ヘッドの断面斜視側面図である。
【図3】図1のデバイスの切り離された側面図である。
【図4A−4B】図1のデバイスの光学的特性と追加の安全性の特徴を示す略図である。
【図5A】従来技術の直接光治療デバイス用の光分布チャートである。
【図5B】本発明の閉ループ光結合の1例の光分布チャートである。
【図6】図1のキャビティと同様のキャビティについての皮膚ひだ高さ対圧力のグラフ図である。
【図7A】図1の治療ヘッドと同様な治療ヘッド用の、レフレクター無しの、閉ループ光結合についての光分布チャートである。
【図7B】図3の治療ヘッドと同様な治療ヘッド用のレフレクター付きの、閉ループ光合についての光分布チャートである。
【図8A】図1のキャビティと同様であり、5mmの幅を有するキャビティについての幅軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図8B】図1のキャビティと同様であり、5mmの幅を有するキャビティについての高さ軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図9A】図1のキャビティと同様であり、4mmの幅を有するキャビティについての幅軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図9B】図1のキャビティと同様であり、4mmの幅を有するキャビティについての高さ軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図10A】フラッシュランプの光学的放射ソースを有する本発明のもう1つの実施例の側面図である。
【図10B】放射指向要素と一体化されたフラッシュランプを有する本発明のなおもう1つの実施例の側面図である。
【図11】本発明のもう1つの側面により、人の眼を保護するために圧力制御された点火機構の側面図である。
【図12】本発明のもう1つの実施例により、自給型電源を有する毛髪成長管理デバイスの斜視図である。
【図13】本発明のなおもう1つの実施例での使用のための円錐形プリズムの斜視図である。
【図14】眼に安全な治療デバイスの代わりの実施例の略図である。
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2005年8月8日出願の米国特許仮出願第60/706,505号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は皮膚(skin)の光美容用治療(photocosmetic treatment)に関する。特に、本発明は眼に安全(eye−safe)で、効果的(efficacious)な皮膚治療用デバイス(devices for treating skin)に関する。
【背景技術】
【0003】
光ベース(例えばレーザー、ランプ又は他の光源を使う)の毛髪成長管理、偽性毛嚢炎須毛(pseudofollicultis barbae)の治療、アクネ(acne)の治療、{色素沈着性及び血管性の損傷(pigmented and vascular lesions)を含む}種々の損傷の治療、脚部静脈の除去、入れ墨除去(tattoo removal)、顔面の表直し(facial resurfacing)、脂肪性浮腫(cellulite)を含む脂肪の治療、いぼ(warts)及び傷跡(scars)の除去、しわ(wrinkle)の治療及び皮膚の色及びきめ(texture)の改良を含む皮膚若返り(skin rejuvenation)、そして種々の他の皮膚科治療(dermatology treatment)、を含む光美容手順(photocosmetic procedures){ここでは光美容治療(photocosmetic treatments)とも呼ばれる}を使って治療可能な種々の状態が存在する。
【0004】
現在種々の光美容手順は、患者の皮膚の表皮/真皮内に位置するターゲット構造体の破壊的加熱を引き起こすプロ級デバイス(professional−grade devices)を使って行われる。これらの手順は医者のオフィス又はもう1つのライセンスを有する開業医(licensed practitioner)のオフィスで行われるのが典型的であり、それは一部には該手順を行うため使われるデバイスの費用のためであり、一部には該デバイスに関する安全の心配のためであり、そして一部には患者の皮膚上に光学的に誘起される傷(wounds)を看護する必要のためである。この様な傷は高いパワーの放射により引き起こされる患者の表皮への損傷から起こるかも知れず、顕著な痛み及び/又は感染(infection)の危険に帰着するかも知れない。
【0005】
CO2レーザーの顔面表直し、の様な或る光美容手順は医学的理由{例えば、手術後の傷の看護(post−operative wound care)の必要性で)で皮膚科医のオフィスで行われ続けるが、もしその消費者が安全で効果的な仕方で該手順を行え得るならば、医学的か又は非医学的環境(例えば、家庭、理髪店、又は温泉)か何れかで行われ得る多数の光美容手順がある。例え、医学的環境で行われる手順用でも、より廉価で、より安全でそしてより使い易いデバイスは有利であり、減じられた皮膚損傷は回復時間を減じるであろう。
【0006】
医学的及び非医学的環境で使用するための光美容デバイスは、皮膚又は他の組織上での使用に安全であるよう、そして、例えば、瞼(eye lid)が閉じている時でも患者の虹彩(iris)への損傷を含む、眼及び皮膚の受傷を避けるよう、好ましくは設計されるべきである。又この様なデバイスは使い易く、かくしてオペレータが簡単な取り扱い説明のみで受け入れ可能な美容的結果を達成することが出来て、そして可能性として該デバイスの全体的安全性を高めるよう、好ましくは設計されるべきである。プロ的な設定で使われるそれらを含め、現在入手可能な光美容デバイスの安全性はこれらの範囲で改良され得る。
【0007】
例えば、眼に安全なデバイスはそれらのデバイスのユーザーへの事故的な損傷を防止するであろう。眼の安全性を提供する従来技術の解決策は網膜(retina)の保護に向けられ、患者の虹彩を保護してはいない。虹彩は、例え瞼が閉じている時でも、治療エネルギーを吸収する高濃度のメラニン(melanin)を含むことが多い。眼の保護技術{例えば、曇りガラス(frosted glass)、焦点を外した光学機器(defocused optics)、低いパワー}は治療の有効性(efficacy)に負のインパクトを与える。更に、消費者に売られる現在のデバイスは一般的に非常に低電力であり、この様なデバイスへの安全対策は、より高いパワー密度(power densities)及び作用(fluences)を使って組織を照射(irradiate)するよう設計された消費者デバイスと連携して使用される時、網膜、虹彩又は眼の何等かの他の部分又は他の組織を、を適切に保護しないかも知れない。
【0008】
高められた眼の安全性及び作用を提供する皮膚治療デバイスを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【0009】
本発明の1つの側面は、眼に安全な仕方で、対象(subject)の組織を放射で治療する方法である。該組織は、該眼に安全な放射が該対象の眼を照射する時、該対象による嫌悪性応答(aversive response)を引き起こす波長及びインテンシティ(intensity)を有する眼に安全な放射で照射される。該眼に安全な放射が送信(transmitted)された後、何等かの嫌悪性反応(aversive reaction)が起こったかどうかを見るために予め決められた時間(predetermined period of time)休止(pause)がある。何等嫌悪性反応が起こらなければ、該組織は適当な治療放射で照射される。もし嫌悪性反応が起これば、該組織は該治療放射では照射されない。
【0010】
この側面の好ましい実施例は下記の追加的特徴の幾つかを有する。該眼に安全な放射は600−680nmの範囲の波長を有し、優れて赤い波長を有してもよい。該眼に安全な放射は1−10mW/cm2の範囲のインテンシティを有してもよい。該時間(period of time)は約0.1から3.0秒の範囲にあり、特に約1.0から2.0秒の範囲にあるのがよい。
【0011】
該方法は更に、該嫌悪性反応が起こったかどうかを決定する過程と、該嫌悪性反応が起こった時、該治療放射の送信を禁ずる過程を有してもよい。代わりに、該方法が、眼に治療放射が適用されないことを保証するために、該嫌悪応答に依存してもよい。該方法は更に、該組織を該眼に安全な放射を送信するアップリケーター(applicator)に接触させる過程と、該アップリケーターが該組織と接触する場合のみ、該眼に安全な放射で照射する過程と、を有する。該方法は更に、該アップリケーターが該組織と接触する場合のみ、該組織を該治療放射で照射する過程を有する。該方法は又該眼に安全な放射で該組織を照射するアップリケーターを配向(orienting)する過程と、該アップリケーターが該組織の近くにある場合のみ、該組織を照射する過程を有する。
【0012】
本発明のもう1つの側面は、眼に安全な仕方で組織を放射で治療する装置であるが、該装置は放射の発生の制御用で、第1及び第2制御信号を提供するよう構成された制御器と、該第1制御信号に応答し、対象の眼を刺激(irritates)するインテンシティで眼に安全な放射を発生するよう構成された第1放射ソースと、該第2制御信号に応答し、治療放射(treatment radiation)を発生するよう構成された第2放射ソースと、該第1放射源から放射送信面(radiation transmission surface)を通して該組織へ放射を送信するよう構成された放射送信路(radiation transmission path)と、該制御器と電氣的に通信し、該放射送信面が該組織の近くにある時センサー信号を提供するよう構成されたセンサーと、を具備する。該制御器は、該第1制御信号に続く予め決められた時間間隔(perdetermined time interval)の後、そして該放射送信面が該組織の近くに留まることを該センサーが示した時、第2制御信号を提供するよう構成される。
【0013】
本発明のこの側面の好ましい実施例は、下記の追加的特徴の幾つかを有してもよい。該第1放射源はダイオードである。該第1放射ソースは600−680nmの範囲の放射を発生するよう構成される。該第1放射ソースは優れて赤い波長を有する放射を発生するよう構成される。該第1放射ソースは1−10mW/cm2の範囲のインテンシティを有する放射を発生するよう構成される。
【0014】
該予め決められた時間間隔は約0.1から3.0秒の範囲にあり、特に、約1.0から2.0秒の範囲にある。該制御器は、該放射送信面が該組織と接触した時、該第2制御信号を提供するよう構成されてもよく、そして該放射送信面が該組織と接触した時第1制御信号を提供するよう構成されてもよい。該センサーは、該眼に安全な放射に応答する対象からの嫌悪性応答を検出するよう構成されてもよい。該嫌悪性応答は、該対象に該組織から該デバイスを移動させる何等かの動きであってもよく、或いは、目を細める動作(squinting)、瞳孔拡大(pupil dilation)、眼の移動、頭の移動、そして腕の移動、を含むがそれらに限定せぬ、眼が照射される対象を治療する人へ示す何等かの動きであってもよい。
【0015】
該第1放射ソースは更にセンサー放射(sensor radiation)を提供するよう構成されてもよい。該センサーは該センサー放射を検出するよう構成された検出器(detector)であってもよい。該センサー放射は近赤外線範囲(near infrared range)の波長を有してもよい。該検出器は該センサー放射が第1の予め決められたしきい値(predetermined threshold)を越える時、該センサー信号を提供するよう構成されてもよい。
【0016】
該放射送信路は該放射送信面が該組織に接触しない時は、該センサー放射を実質的に全反射(substantially totally internally reflect)するよう構成される。該放射送信路は該放射送信面が該組織に接触しない時は該眼に安全な放射を全反射するよう構成されてもよい。
【0017】
該放射送信路は、該放射送信面が該組織に接触しない時は、該治療放射を実質的に全反射するよう構成されてもよい。該放射送信路は更に第1導波管セクション(first waveguide section)、第2導波管セクション(second waveguide section)、そしてディフューザー(diffuser)を有してもよい。該第1導波管セクションは該第1ソースと該ディフューザーの間に配置され、該第2導波管セクションは該ディフューザーと該放射送信面の間に配置される。該ディフューザーは実質的に放射送信路全体に亘り延びており、プラスチック、ガラス、サファイヤ(sapphire)又は他の適当な材料で作られてもよい。第2導波管セクションはサファイヤ又は他の適当な材料であってもよく、該組織を冷却するよう構成された冷却機構(cooling mechanism)を有してもよい。
【0018】
本発明のもう1つの側面は、組織を眼に安全な仕方で、放射で治療するための装置(apparatus)である。該装置は、制御器と電気的に通信する放射ソース組立体(radiation source assembly)、該放射ソース組立体から該組織へ放射を送信するよう構成された導波管、そして該制御器と電気的に通信し、該放射送信面が該組織の近くにある時センサー信号を提供するよう構成されたセンサー、を有する。該放射ソース組立体は、該制御器からの信号に応答して、眼に安全で、対象の眼を照射時、対象から嫌悪性反応を引き起こすことが出来るインテンシティの、第1放射を提供するよう構成される。該放射ソース組立体は又、該第1放射の予め決められた時間の後に、該組織を治療することが出来る第2放射を提供するよう構成される。該第2放射は、該センサーが、該導波管が該組織の近くに留っていることを示す時のみ、提供されてもよい。
【0019】
本発明のこの側面の好ましい実施例は、下記の追加的特徴の幾つかを有してもよい。該放射ソース組立体は更に第3の放射を提供するよう構成されてもよく、該センサーは該第3放射を検出し、該検出された放射のレベルに基づいたセンサー信号を発する(issue)よう構成されてもよい。
【0020】
該導波管は該導波管の1部分に亘って延び、該放射ソース組立体により発生される放射を拡散するよう配向されたディフューザー(diffuser)を有してもよい。該導波管は該組織を冷却するよう構成された冷却機構を有してもよい。該センサーは、該放射送信面が該組織と接触した時だけセンサー信号を提供するよう構成されてもよい。
【0021】
本発明のもう1つの側面は、対象の組織の光美容治療用装置であり、該装置は、圧力ソースと、開端(open end)を有するキャビティであるが、該キャビティは該圧力ソースと流体的に連通しており、該開端は該圧力ソースが圧力を印加時該組織を受けるよう構成されている様な、該開端を有する該キャビティと、該キャビティ内へ放射を送信するよう構成された少なくとも1つの放射ソースと、そしてセンサー信号を発するよう構成されたセンサーと、を有する。該センサー信号は、該センサーが治療用に好適でない組織を検出時、該放射送信ソースからの放射の送信を防止する。
【0022】
本発明のこの側面の好ましい実施例は、下記の追加的特徴の幾つかを有する。該放射ソースは、該キャビティ内で少なくとも2つの方向から放射を送信するよう構成されてもよい。該放射ソースは各々が治療されない組織(untreated tissue)により分離された2つ以上の容積の組織のセット(a set of two or more volumes of tissue)を治療するよう構成されてもよい。該放射ソースは、該キャビティ内で独立治療サイトの配列に放射を提供するよう構成されてもよく、そこでは各この様な治療サイトは該キャビティ内で治療されない組織により分離されていてもよい。
【0023】
該センサーは圧力センサーであってもよい。該センサーは該キャビティ内の該組織の深さを検出するよう構成された深さセンサー(depth sensor)であってもよく、そして該組織が該予め決められた深さを越えて該キャビティ内に延びる時、該放射ソースによる放射の送信を禁ずる(inhibiting)制御信号を提供するよう構成されてもよい。該センサーは放射インテンシティセンサー(radiation intensity sensor)であってもよく、そして該放射が予め決められたしきい値を越える時、該放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されてもよい。該センサーは、該放射が実質的に全反射される時、該放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されてもよい。
【0024】
該装置は予め決められた安全比(safety ratio)内で動作するよう構成されてもよい。該キャビティは、該組織内のターゲット(target)から該組織の表面まで測定された時、治療されるべき該組織内のターゲットの深さより大きい深さを有してもよく、そして該ターゲットから該組織の表面まで測定された時、該組織内のターゲットの深さの4倍より小さい側部(side)を有してもよい。
【0025】
該放射ソースは約0.1から約100J/cm2の作用(fluence)で該組織を照射するよう構成されてもよい。該放射ソースは約1msから約500msのパルス幅で該組織を照射するよう構成されてもよい。該放射ソースは約400−1350nmの間の波長範囲で、特に約600−1200nmの間の波長範囲で、該組織を照射するよう構成されてもよい。
【0026】
本発明のもう1つの側面は対象の組織の光美容治療用の方法であり、該方法は、或る容積の組織をキャビティ内に引き込む(drawing)過程と、該容積の組織が放射を使って治療するのに安全かどうかを決定する過程と、そして該決定に基づいて該容積の組織を放射で治療する過程と、を具備する。該容積の組織は、もし該組織が治療するのに安全でないことが決定されれば治療されず、もし該組織が治療するのに安全であることが決定されれば治療される。
【0027】
本発明のこの側面の好ましい実施例は下記の追加的特徴の幾つかを有する。治療は少なくとも2つの異なる方向からの放射の送信を具備しており、少なくとも2つの異なる方向からの該放射は、皮膚上の1つ以上のターゲット(targets)で重なり合って(overlap)もよい。少なくとも2つの異なる方向からの該放射は、各々が治療されない組織により囲まれる2つ以上の容積の組織のセットを治療してもよい。
【0028】
該方法は又該容積の組織内の独立した治療サイトの配列を提供するが、該容積の組織内では各この様な治療サイトは該容積内で治療されない組織により分離されている。該組織に適用される圧力は該組織を治療することが安全かどうかを決定するため検出されてもよい。キャビティ内の該容積の組織の深さは、該組織が治療するのに安全かどうかを決定され得るよう検出される。該決定は又放射インテンシティセンサーを使って放射を検出することにより行われてもよい。
【0029】
治療は、約0.1から約100J/cm2の作用と、約1msから約500msのパルス幅と、約400−1350nm、又は特に約600−1200nmの波長範囲内で、行われる。
【実施例】
【0030】
本発明の図解的で制限されない実施例が添付図面を参照して実施例によって説明される。尚、これら図面において同一の符号が同一の要素に用いられる。
【0031】
下記説明の実施例は改良された光学的放射供給(optical radiation delivery)と安全性とを提供する。例えば、図1を参照すると、デバイス10は皮膚が引き込まれるキャビティと、該キャビティ内の該皮膚に多数方向から光を導く光供給機構(light delivery mechanisms)と、を有する。該皮膚は好ましくは負の圧力(negative pressure)を印加することにより該キャビティ内に置かれるのがよいが、正の圧力(positive pressure)に依るとか、或いは該キャビティ又は或るチャンネル内に該組織をクリンプ(crimping)する様な他の方法も可能である。該キャビティの寸法を最適化(optimizing)することにより、2つ以上の異なる方向からの光学的放射は、治療されるべき皮膚内の1つ以上のターゲットの場所で重なり合わされる(overlapped)か又は組み合わされる(combined)。該皮膚内のこの組み合わされた治療エネルギーは治療の効果(efficacy)を増す、一方表皮(epidermis)をより良く保護するよう安全比(safety ratio)も又改良する。該安全比は表皮の温度変化(temperature change of the epidermis)に対する治療ターゲットの温度変化(temperature change of the treatment target)の比(ratio)である。一般に、表皮を損傷(すなわち、該表皮での過大な温度)することなく、ターゲットの高温度を得るのが好ましい。多方向からの光の組み合わせは、皮膚表面が実質的に1方向のみからの光を受けながら、該組織内のターゲットは1つより多い方向からの光を受けることを意味する。結果として、該ターゲットは皮膚表面より多い光を受ける。
【0032】
加えて、該皮膚を該キャビティ内に引き込むことは該皮膚を圧縮し、それにより血液を除去し、該キャビティ内の該皮膚を薄く(thinning)する。血液はターゲットの治療用に使われる波長で光学的放射を吸収することが多いので、血液を除去することは血液による吸収へのエネルギー損失を避けることにより有効性を改良し、それは真のターゲットによる吸収に利用可能なエネルギーを増加する。更に、該キャビティ内の皮膚からの血液の除去は又、光学的放射の血液での吸収による大きな加熱(bulk heating)を避けることで安全性を高める。該皮膚を薄くすることは光学的放射の散乱(scattering)と、ターゲット迄の距離と、を減じ、これら両者は有効性を改良する。
【0033】
該キャビティ内へ該皮膚を引き込むことは又該皮膚を延ばし、それは基底膜(basal membrane)を延ばす。該基底膜を延ばすことはメラニン(melanin)の光学密度(optical density){エムオーデー(MOD)}を減じ得る。血液の様に、該基底膜のメラニンは治療用の波長で光学的放射を吸収することが多い。結果として、血液の除去の様に、該エムオーデーを減らすことは該ターゲットによる吸収のためのより多くのエネルギーを提供し、それにより有効性を高め、皮膚損傷へ導く大きな加熱を減じ、それにより安全性を増す。
【0034】
該キャビティ内の皮膚へ光を導くことは又眼の安全を提供する。1実施例では、該キャビティの開口部(opening)に実質的に平行に進む光は、該キャビティからの直接光が少ないか又は皆無になる様に、該キャビティ内の皮膚へ送られる。直接光は眼の損傷の潜在する危険を呈するが、何故ならばこの様な直接光は網膜上に焦点を結ぶか、又は虹彩内のメラニンにより吸収され、それにより(もし該インテンシティが充分ならば)眼を損傷させるからである。従って、該キャビティからの直接光放射(direct light emission)を減じるか又は除去することは眼の安全性を改良する。該虹彩は又閉じた瞼(closed eye lid)を通して伝播(propagating)する光の吸収により損傷し得る。かくして、該キャビティからの直接光放射の削減又は除去は該瞼を通して伝播し、虹彩により吸収され得る光の量をも減じる。
【0035】
眼の安全性を更に改良するために、該デバイスは、皮膚が該キャビティ内にあると決定された時にのみ光を該キャビティ内へ導く。この様な決定を行うための多くの機構が可能である。1つの実施例では、光供給機構は、皮膚が該キャビティの内壁に接触するまで、光が該キャビティ内へ送られないように全反射(total internal reflection)を有する。もう1つの実施例では、1つ以上のセンサーが該キャビティの開口部の近くに配置され、それらが該キャビティ内に引き込まれた皮膚の存在を検出するまで、光が該キャビティ内に送られることを可能にしない。もう1つの眼の安全対策として、該キャビティに負の圧力が印加されない時、該キャビティは、例えば、シャッター(shutter)により阻止(blocked)されてもよく、この様なシャッターは、皮膚が該キャビティ内に引き込まれた時のみ開いてもよい。
【0036】
もう1つの安全機構は、充分堅く(firm)ない皮膚、例えば、瞼を含む、眼の範囲付近の皮膚、の検出と、この様な皮膚が検出された時、該デバイスが光を該キャビティ内へ放射することを可能にしないことと、を含む。眼の付近の皮膚、特に瞼、は非常に薄いので、眼の範囲の付近の治療は、該皮膚を通しての光伝播、虹彩による吸収、そして潜在する眼の損傷、へ導き得る。この様な負傷を防止するために、1つ以上のセンサーが、該キャビティ内で、或る高さに配置されるが、その高さ、すなわち、該キャビティ開口部からの距離、は、該高さを超えて、他の典型的堅さの皮膚が該キャビティの与えられた寸法用に引き込まれ得る高さである。結果として、もしこれらのセンサーが皮膚の存在を検出するなら、それはその皮膚が治療されるべきでない種類(例えば、眼の付近の皮膚)であることの指示であり、該センサーは該デバイスが該キャビティ内へ光を放射するのを防止する。
【0037】
眼の安全性は又、該デバイスが光を該キャビティ内に放射する前に、或るレベルの圧力が該デバイスにより該皮膚に印加されることを要求することにより改良される。すなわち、該デバイスは、それが皮膚に対し充分激しく押されるまで、光を該キャビティ内へ放射しない。このための1つの機構は圧力制御された発射機構(firing mechanism)である。これは眼の安全性を提供するが、それは、もし該デバイスが眼の方に向けられたなら、該デバイスが光を該キャビティ内に放射出来ないよう、この様な圧力は眼に印加されない、又は少なくとも顕著な痛み無しには印加されないからである。
【0038】
眼の安全性は、治療される対象内の嫌悪性反射作用(aversive reflex)をもたらす光を使うことにより改善される。なおもう1つの実施例では、一般的に眼に安全であるが、眼に特に刺激的な波長を有する光が、損傷を引き起こさないが、眼を閉じるとか、頭を回すとか、又は該デバイスを顔から離そうとする動作、の様な嫌悪性反応又は反射作用を引き起こすに充分な程強い、レベルで送信される。
【0039】
治療は恒久的か又は1時的か(例えば、恒久的な毛髪の減少か1時的な毛髪の除去)何れかの結果を提供し、該結果は即座(例えば、毛幹の全体又は部分の気化又は毛幹の構造内の変化)であるか又は発現に時間が掛かる{例えば、毛幹が結局抜ける(a hair shaft eventually falls out)}。加えて、多数の治療が結果を提供するために必要となり、例えば、或る結果は放射治療の累積効果を要し、又この様な結果は恒久的であったり又は1時的であったりする。もし1時的なら、該結果を維持するために周期的治療が必要である。例えば、毛髪を除くために幾つかの治療を要し、無毛の皮膚(hair−free skin)を維持するために周期的再治療を要する。毛髪除去が治療の例として与えられたが、多くの皮膚科的及び他の治療が可能であることは理解されるべきである。ここで開示されたデバイスは、該キャビティの寸法と他のパラメーターを修正することにより、毛胞(hair follicles)、皮脂腺(sebaceous glands)、しわ(wrinkles)、傷跡(scars)、深い真皮(deep dermis)、真皮/皮下組織接合部(dermis/hypodermis junction)、皮下脂肪(subcutaneous fat)及び浅筋(superficial muscle)、を含むがそれらに限定されない皮膚内の種々のターゲットを治療するため使われてもよい。或る実施例は又眼の安全性が関心事である他の治療又はデバイス用に有用である。例えば、歯の組織を治療する消費者デバイスに於いて、例えそのデバイスが眼の近く又は眼の付近での使用を意図されてなくても、その光が対象の眼の中で偶然に、又は他の仕方で輝き得ないことを保証することは適切であるか、又は有益である。
【0040】
今、図1を参照すると、毛髪の除去を含む、毛髪の成長の管理用に、例えば、毛胞を含む人の皮膚内の組織を治療するために例示的デバイス10が使われる。該デバイス10は容易な取り扱い用にカーブしたセクション18を有するハウジング16を備える。該デバイス10は更にハウジング16に隣接して配置された治療ヘッド(treatment head)14を備えるが、該ヘッドは2つの放射指向要素(radiation directing elements)20a及び20b(一般的に放射指向要素20と呼ばれる)と、キャビティ12を形成する側壁(sidewalls)22a及び22b(示されてない)と、を有する。該治療ヘッド14は更に、下記で図2及び3と関連して詳細に説明される様に、該放射指向要素20と光学的に結合された光学的放射ソース28を有する。
【0041】
該治療ヘッド14は外側エッジ(outer edge)24を有するが、該エッジは皮膚とより効率的な圧力シール(pressure seal)を形成するよう輪郭付け(contoured)されている。該放射ソース28に冷却を提供するために、デバイス10は或る容積の液体又は他の材料50を有する室26を備える。液体又は他の材料50は熱的には該放射ソース28と、そしてオプションでは該放射指向要素20と結合される。該デバイス10はオプションではディスペンサー(dipenser)(示されてない)を有し、該ディスペンサーは、例えば、冷却ローションを皮膚にディスペンス(dispense)する。又デバイス10は、皮膚を該キャビティ内に引き込む(draw)ために、該キャビティ12内に手動発生の差圧ソース(manually generated source of differential pressure)(例えば、低い又は負の圧力か、又は真空)を提供するよう、ピストン(piston)74と結合されたピストンロッド(piston rod)40を囲むシリンダー30を有する皮膚集め用具(skin gathering implement)を備える。該ピストンは該放射指向要素20及び側壁22a、22bと可動空圧シール(movable pneumatic seal)を形成する。該皮膚集め用具34は更にロッド40と結合された逆走機構(reversing mechanism)44を有する。
【0042】
代わりの実施例では、各放射指向要素20a及び20bは多数の放射指向要素を有し得て、側壁22a及び22bも又1つ以上の放射指向要素を有し得る。代わりの実施例では、該光学的放射ソース28は遠隔式にコンソール内に配置され、例えば、光フアイバーケーブルを通して該治療ヘッド14に光学的に結合されてもよい。もう1つの代わりの実施例では、該光学的放射ソース28はデバイス10内のどこか他の所に配置されてもよい。
【0043】
全ての実施例で、光学的放射ソース28は1つ以上の光学的放射ソースを有してもよく、該ソースは、レーザー(lasers)、ダイオードレーザー(diode lasers)、同調可能なレーザー(tunable laser)、ダイオード、ハロゲンランプ(halogen lamps)、フラッシュランプ(flashlamps)、及び/又は他の種類のランプの様な、広い及び狭い両バンドの光源を含むが、それらに限定されない、多数の種々の種類の何れかであってもよい。更に、幾つかの異なるソース及び/又は幾つかの異なる種類のソースが、種々の波長の放射を提供するため使われ得る。1実施例では、光学的放射ソース28は多数のソース、例えば、発光ダイオード(LEDs)、ランプ、レーザーダイオードバー(laser diode bars)、レーザー、及び他のソースを有することも可能である。1つの光学的放射ソースが1つ以上の放射指向要素に放射を提供したり、或いは多数の放射ソースが1つ以上の放射指向要素に放射を提供し得る。1つのソースから多数の放射指向要素へ光を導くために、例えば、ビームスプリッター又は他の当該技術で公知の手段が使われてもよい。1実施例では、該放射指向要素20はプリズム、例えば、3角形等辺プリズム(triangular equilateral prism)又は直角プリズム(right angle prism)、として提供される。しかしながら、種々の他の形状が可能である。
【0044】
デバイス10の冷却システムはフィン(fins)48a−48nを有するヒートシンク(heat sink)46を備えるが、該フィンは室26内に配置された冷却材料(cooling material)50と熱的に接触する。冷却材料50はヒートシンク46から熱を吸収すると相(phases)を変える相転移材料(phase transfer material)であってもよく、或いは冷却材料50はポンプ54に結合された導体パイプ(conductor pipe)52を通して室26内を循環させられる液体であってもよい。オプションで、デバイス10はバッテリー(示されてない)を有してもよく、或いはハウジング16内に配置された接続ポート(connection port)60は壁出口(wall outlet)の様な外部電源への接続部(connection)(示されてない)を提供することも出来る。オプションとして、デバイス10は、室26内で循環される時材料50を冷却する機構を有するか、又は接続ポート60がパイプ52を通して室26を冷却材料50、例えば、水の外部ソース(示されてない)と接続するため使われてもよい。デバイス10は制御器42,例えば、ハウジング16内に配置された電子回路基板32a及び32bを有するが、該基板は光学的ソース28と、センサーと、そして下記で説明する他の部品と、に接続された制御回路を含む。
【0045】
キャビティ12内に皮膚を集める(Gathering)又は引き込む(drawing)過程は治療される皮膚の光学的特性を変化させる。該皮膚をキャビティ12内に引き込む過程は該皮膚を圧縮し、該キャビティ内での該皮膚の延ばし(stretching)と該皮膚内血流の制限(restriction)を引き起こす。該キャビティ内の皮膚の中のターゲット、例えば、毛球(hair bulb)を含む毛胞又は皮脂腺、の照射量(irradiance)は、例えば、1.2−2.5の倍率で増加され得て有利であるが、それは減少した、散乱と、血液量と、そしてキャビティ内の皮膚の皮膚厚と、のためである。
【0046】
動作時、デバイス10は皮膚を治療するためにスタンピング運動(stamping motion)又はスライド運動(sliding motion)で運転される。スタンピング運動は、例えば、該デバイス10を該皮膚と接触するように置き、該皮膚を治療し、次いで該デバイスを該皮膚から除去し、該デバイスを該皮膚のもう1つの範囲と接触するよう置くことにより達成される。スライド運動は、該デバイスが該皮膚を治療する時、該デバイスを該皮膚表面上で同時に動かすことにより達成される。該皮膚の治療は該皮膚表面上で該デバイスの運動速度と協調されることが可能である。
【0047】
該治療ヘッド14が該皮膚の表面と接触する時、治療される皮膚の部分は、該キャビティ12内の圧力を下げるために皮膚集め用具(skin gathering implement)34を賦活することにより、該キャビティ12内に引き込まれる。該キャビティ内の該皮膚は次いで、光学的ソース28から放射指向要素20a及び20bを通る治療放射に曝される。
【0048】
1つの実施例では、デバイス10が皮膚と接触するよう置かれる時、ピストン74に対する皮膚の圧力は逆送機構(reversing mechanism)44により検出されるが、該機構は次いで、ピストン74が又入り口から離れるべく動かされるように、シリンダー30内のロッド40を入り口から離れてキャビティ12へ引っ張る。ピストン74の運動はキャビティ12内に圧力差を発生し、該差は該皮膚を該キャビティ内に引く。ピストン74は、かくして、デバイス10が皮膚と接触しない時は、キャビティ12用のシャッターとして作用する。
【0049】
皮膚集め用具34の代替えとして、デバイス10は該キャビティ12に結合された外部真空ソース(示されてない)を有することが出来る。この真空ソースは、皮膚集め用具34と同様に、デバイス10上でオペレーターにより押されるボタン(示されてない)、又は、上記説明の様に、ピストン74に対する皮膚の圧力によりトリガーされてもよく、或いは該外部真空ソース又は皮膚集め用具の賦活をトリガーするためにもう1つの種類のシャッターが使われてもよい。
【0050】
該キャビティ12の寸法は、キャビティ12内に引き込まれた皮膚内のターゲットが、種々の方向から放射指向要素20a及び20bを通りキャビティ12内へ進む光から最適治療を受ける。例えば、該皮膚内の毛胞又は皮脂腺は、放射指向要素20a及び20bの間で実質的に中央に位置付けられ、該皮膚に印加された光学的放射は、ターゲットが両放射指向要素からの光を受けるべく該キャビティの中央部分で重なり合うよう選択される一方、該放射指向要素に対する皮膚表面は、それらが接触する放射指向要素からのみ光を受ける。
【0051】
デバイス10で、該放射指向要素はキャビティ12の相対する側に配置される。しかしながら、代わりの実施例では、該放射要素は、それらが相互から90度にあるように隣接側部に配置されてもよい。上述の様に、1つ以上の放射指向要素はキャビティ12の各側に配置される。加えて、キャビティ12は正方形、長方形又は何等かの他の形状の代わりに円形であってもよい。例えば、図13を参照すると、放射指向要素20a及び20bの代わりに、デバイス10は円錐形プリズム(conical shaped prism)1301を備えるが、該プリズムは皮膚1303が負の圧力で引き込まれるキャビティとして役立つ円柱形穴(cylindrical hole)1305を有する。加えて、複数の光源(light sources)(例えば、レーザーダイオード、LEDs、ランプ)は、光ビーム1304を皮膚1303の部分内へ向けるために、円錐形プリズム1301に結合されてもよい。円錐形プリズム1301は皮膚内に、放射指向要素20により提供される平面対称(planar symmetry)よりも高い光の増幅を可能にする軸対称(axial symmetry)を提供する。
【0052】
印加される負圧(圧力差とも呼ばれる)の大きさのみならずキャビティ12の寸法も、治療される皮膚の量と、治療中の皮膚の機械的及び光学的な両特性への望まれる効果と、により選択される。大抵の応用では、より大きい範囲の皮膚の全体的治療を完了するのにより短い時間しか必要でないように、大きな量の組織を光の各印加(each application of light)で治療することが望ましい。しかしながら、これは又、より小さく、より低廉なデバイス及び他の要因と対比される。例えば、デバイス10により1度に治療され得る皮膚の量は、キャビティ12内に引き込まれる皮膚の量により限定される。キャビティ12の幅(図2のWすなわち64で示される)は、より多くの皮膚を治療するよう極めて大きくされ得るが、そうすることは放射指向要素20a及び20bからの放射がキャビティ12内の該皮膚の中で重なり合い、組み合わされることを妨げる。もしデバイス10が更に側壁22a及び22b内に放射指向要素を含むならば、キャビティ12の長さ(図2のLすなわち64で示される)についても同じことが真となる。同様に、これらの寸法を余りに小さくすることは該放射及び皮膚表面の重なり合いを引き起こし得る。かくして、キャビティ12の長さと幅は、種々の方向からキャビティ12内へ放射を送る異なる放射指向要素からの放射を組み合わせる要求により限定される。
【0053】
加えて、キャビティ12の高さ(図12のHすなわち66で示される)も限定される。理論では、非常に長い又は深い高さが治療用に多くの皮膚をキャビティ12内に引き入れるため使われ得る。しかしながら、該キャビティへの入り口のどんな与えられた寸法に対しても、或る量の皮膚しか該皮膚を傷つけずに該キャビティ内へ引き込まれ得ない。かくして、高さ寸法も限定される。
【0054】
図1に示す実施例では、デバイス10のキャビティ12は約10mmの長さLすなわち64を有し、該長さは約10mmの長さを有する光学的ソース28とマッチする。この実施例で、キャビティ12は約2mmから約6mm、そして好ましくは約4mmがよい、幅Wすなわち66を有する。この幅と長さは、堅い治療可能な皮膚(例えば、眼の範囲付近の皮膚でない)が、予め決められた容積Vすなわち68内で、多数の放射指向要素20からの組み合わされた均一な放射で治療されることを可能にする。この実施例で、キャビティの高さは13mmで、水銀柱約20cm(水銀柱8インチ)の圧力差が適用される。これは図6に関連して更に説明される。
【0055】
1つの実施例では、治療のターゲットは毛胞である。典型的に毛胞は1−4mm皮膚深さで見出される。結果として、室内の皮膚の高さ(図2で示されるHskinすなわち68)が約2mmから約6mmとなるようキャビティ12内に皮膚を集める。この様な皮膚高さHskinすなわち66は人の毛胞(hair follicles)を予め決められた容積Vすなわち68(図2)内に配置し、該小胞(follicles)を光学的放射ソース28に結合された放射指向要素20からの組み合わされた放射に供する。
【0056】
アクネ(acne)を治療するもう1つの実施例では、治療のターゲットは皮脂腺である。皮脂腺は典型的に1−3mmの皮膚深さで見出される。結果として、該室内の皮膚の高さが約1mmから約3mmになるようキャビティ12内に皮膚を集めることは皮脂腺を予め決められた容積内に配置し、該皮脂腺を光学的放射ソース(optical radiation source)28に結合された放射指向要素20からの組み合わせ放射に供する。
【0057】
オプションとして、皮膚が該キャビティ内へもっと容易に引き込まれることを可能にするようローション(lotion)が該皮膚に塗布されてもよい。この様なローションは又該皮膚と該キャビティ内壁との間の光学的及び熱的結合を改善する。
【0058】
上記説明の様に、皮膚がキャビティ12内に引き込まれると、血液が除去される。これは普通血液により吸収される波長の利用がもっと有効に行われることを可能にする。例えば、光学的ソース28は380から1350nmまでの光学的放射を発生してもよい。キャビティ12内に皮膚を引き込むことは該皮膚内の大抵の血液を除去するが、それは該皮膚内の残りの血液を、該キャビティの頂部−すなわち、最も深い該皮膚のひだの先端、又はキャビティ12内の最も高い高さに、集中させる。血液のこの様な集中は、脈管の傷の様な表面的ターゲットを除去する治療の焦点である。
【0059】
更に、基底膜(basal membrane)が延ばされ、それにより、上記説明の様に、治療エネルギーの1部を吸収するメラニン光学密度{エムオーデー(MOD)}を減じるので、表皮の温度は約1.1から約1.5倍の倍率で低下出来る。
【0060】
その結果、該組織(例えば、毛胞)は、皮膚がキャビティ12内に引き込まれた時該皮膚内に創られる光学的及び機械的特性変化の結果として、そして多数の放射指向要素20からの組み合わされた光学的放射から、より有効に治療され得る。
【0061】
今、図2を参照すると、デバイス10の更に詳細が示されている。該キャビティ12は長さLすなわち64と、幅Wすなわち62と、を有する。他の実施例で、デバイス10が、異なる形状、例えば、円形、正方形、六角形、非対称(asymmetric)、3角形、ドーム状(domed)、を有するキャビティを備え、直線的内壁の代わりに、この様な壁が、例えば、(内方へ又は外方へ)傾いたり(slanted)、カーブしたり、或いは柔軟な(flexible)又は柔らかい(soft)材料製であってもよいことは評価されるであろう。該室内の皮膚高さHskinすなわち66は示される様にキャビティ12の入り口(entrance)から計られる。該キャビティ12は、放射指向要素20a及び20bからの放射が組み合わされる容積すなわち68を含む。この実施例で、皮膚集め用具34はロッド40と結合されるピストン74を有する。この実施例の光学的ソース28は1対のレーザーダイオードバー70a及び70bを有する(集合的にレーザーダイオードバー70と呼ばれる)。該レーザーダイオードバー70a及び70bはそれぞれエミッター表面(emitter surfaces)72a及び72bを有する。該光学的ソース28は、それぞれエミッター表面72a及び72bと放射指向要素20a及び20bの間に配置され、キャビティ12の長さLすなわち64だけ延びる光学要素(optical elements)76a及び76bをオプションで有する。もしもっと長いキャビティ12が望ましいなら、多数のダイオードバーが組み合わされてもよい。ヒートシンク46は配列で配置された冷却フィン48を有する。
【0062】
動作時は、レーザーダイオードバー72はキャビティ12内に引き込まれた皮膚に連続の又はパルスの光学的放射を提供する。白熱ランプ(incandescent lamp)、フラッシュランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード又は現在入手可能な又は何時か開発される(yet−to−be developed)何等かの他の適当な光源を含むがそれらに限定されない光学的放射の他のソースが治療放射を提供するため使われ得ることは評価されよう。これらのソースは、約380nmから約1350nmまでの一つ以上の選択された波長又は別々のバンドの波長を提供するようオプションでフィルターと組み合わされることが出来る。又、該光学的放射ソース又は複数ソースは0.1−100J/cm2の作用(fluence)、1−1000msの間のパルス幅、0.5−10cm2のスポットサイズ、そして0.2Hzの繰り返し速度(rep rate)又は連続波、を提供してもよい。パルス幅は、スタンピングモード(stamping mode)でキャビティ12内で治療される皮膚の各セクションに適用される個別パルス又はパルスのグループを含んでもよく、或いはパルス幅は、該デバイスが皮膚上を動かされ、皮膚の種々のセクションが該キャビティ内へそしてキャビティ外へ動かされる時、キャビティ12内で治療される皮膚の各セクションにより見られる有効パルス幅とすることが出来ることは理解されるべきである。
【0063】
オプションの光学要素76a及び76bは光学的放射ソース72からの放射を焦点合わせし(focus)、集中し、分岐(diverge)し、又はコリメート(collimate)することが出来る。該光学的放射ソース28とオプションの光学要素76a及び76bは、該光学的ソースの各々からの光学的放射が次いで該光をキャビティ12内へ導く放射指向要素内へ結合されるように、放射指向要素20と整合される。上記説明の様に、キャビティ12の寸法は、表皮を保護する改良された安全比を提供しながら、改良された有効性を提供するために、種々の放射指向要素からの光が治療されるべきターゲットの範囲の中で該キャビティ内で組み合わされることを可能にするよう、選ばれるのが好ましい。これは図8A、8B、9A及び9Bと関連して下記でもっと充分に説明される。
【0064】
オプションで、該放射指向要素は、キャビティ12内の組織の別々の容積が、周囲組織が治療されない間に治療されるように、或るパターンの治療エネルギーをキャビティ12内の組織に送ることが出来る。すなわち、キャビティ12内の全組織を均一に治療する代わりに、該キャビティ内の或る小さな容積のみが治療されてもよい。これらの治療される部分の間の健康な組織(healthy tissue)は、治癒時間(healing time)と治療への組織応答(tissue response to treatment)とを改良することが出来る。この様な治療パターンは、例えば、該放射指向要素内に焦点合わせ要素(focusing elements)を有したり、或いは光がその開口部(opening)だけを通過する様な開口部を有するマスク(mask)で、キャビティ12の内壁をコートすることにより提供されてもよい。もう1つの例として、キャビティ12の該内壁はこの様な治療パターンを提供するため織り目付けされて(textured)もよい。
【0065】
1つの実施例では、オペレーターはデバイス10を皮膚に対し押すことにより(図1)キャビティ12内の負圧をトリガー(triggers)する。例えば、デバイス10のハウジング16(図1)は、オペレーターが治療ヘッド14を皮膚に対するよう置き、カーブしたセクション18に対し押し続けると、ハウジング16が更に皮膚の方へスライドするよう、治療ヘッド14に対しスライド可能(slidable)である。該オペレータがカーブしたセクション18上で押すことを止めると、皮膚から離れるようスライドするハウジング16の作用は、該キャビティ12内の圧力を下げ、従って皮膚を該キャビティ内に集めるよう、シリンダー30,ロッド40,ピストン74そして逆走機構(reversing mechnism)44と連携して働くことが出来る。上記説明の様に、皮膚が該キャビティ内で検出されると、レーザーダイオードバー70が該キャビティ内の皮膚に治療放射を提供するため賦活されるよう、センサー(示されてない)がキャビティ12内に含まれる。
【0066】
光学的ソース及び光学的部品用の冷却を提供するために、ポンプ54及び導体パイプ52により冷却材料50,例えば、冷水(chilled water)が室26内を循環させられてもよい。他の冷却手段が使われてもよいことは評価されよう。例えば、室26はフィン48から熱を吸収すると相(phase)を変える相転移材料(phase transfer material)(例えば、氷、ワックス)を収容してもよい。代わりに、デバイス10はフィン48を過ぎるよう空気を強制する小さなフアンを有してもよい。もう1つの例として、使用中のオペレーターの手及び/又は大気へ熱が送られるようにヒートシンクがハウジング16に熱的に結合されてもよい。
【0067】
代わりの実施例では、デバイス10のパラメーターは、キャビティ12内に引き込まれた皮膚に種々の治療を提供するため、又は種々の種類の皮膚{例えば、顔の皮膚は背中又は腋の下(underarm)の皮膚と異なって治療されてもよい}に種々の治療を提供するため、変えられてもよい。例えば、該キャビティの寸法(例えば、キャビティの幅、長さ及び/又は高さ)、キャビティ内の圧力差、光学的ソースの位置、フイルター、作用(fluence)、パルス幅及び他のパラメーターは調整可能である。なおもう1つの実施例では、皮膚集め用具34は、皮膚を該キャビティ内に集めるピストン74と連携して適用される接着力(adhesive force)又はピンチング力(pinching force)を使う。なおもう1つの実施例では、超音波エネルギー(ultrasound energy)が光学的放射の代わりに使われる。
【0068】
上記説明の様に、デバイス10は安全センサーを有することが出来る。1つの実施例では、この様なセンサーはキャビティ12内の皮膚の存在を検出し、その時のみ該キャビティ内の光の放射を可能にするため使われる。加えて、安全センサーは、皮膚がキャビティ12内に余りに深く引き込まれた時を検出し、キャビティ12内の光の放射を避けるために使われる。これは、堅さが少ない皮膚とそれに近く配置された何等かの組織(anatomy)が光学的ソース28からの光に曝されるのを防止する。例えば、瞼を含み、人間の眼の付近の皮膚は一般的に非常に柔軟(pliable)である。光学的ソース28から発生された光は、それが眼を負傷させる可能性があるので、眼の付近での使用には安全ではないとすべき様なものである(may be such as to be not safe for use around the eye)。例えば、該光は、それが瞼を通過し、虹彩のメラニンにより吸収され、そして眼を損傷し得る様なものである。その結果として、1つ以上の安全センサーが、それが眼の付近の皮膚であることを示す高さ/深さで該キャビティ12内の皮膚を検出するよう配置され、それにより該デバイス10が該光源を動作させることを防止する。
【0069】
1つの実施例では、安全センサーは1つ以上の対のエミッター(emitters)及び検出器(detectors)を有する。図3を参照すると、治療ヘッド14は、エミッター84が、皮膚がキャビティ12内に無い時検出器86により受けられる光を光路88に沿って導くよう、放射指向要素20a及び20bと整合されたエミッター84及び検出器86を有するよう示される。皮膚がキャビティ12内に引き込まれると、光路88は遮られ(interrupted)、検出器86は、制御回路が、皮膚を治療するため光をキャビティ12内に放射するよう光学的ソース28をドライブすることを可能にするために、電子回路基板32a及び32b内の制御回路に信号を送る。示される様に、光路88はキャビティ12の開口部に近く配置される。しかしながら、光路88は、該皮膚がキャビティ12内に引き込まれるのみならず、それが治療を可能にするのに充分な深さに引き込まれたことを示すために、キャビティ12内に(光路90程深くはないが)より深く(又はより高い高さに)配置される。この高さは図4A及び4Bに関連して下記でもっと充分に説明される。
【0070】
図3で、治療ヘッド14は又、キャビティ12内でもっと深い(又はより高い高さの)光路90を提供するよう整合されたエミッター80と検出器82を有するよう示される。エミッター80と検出器82は、皮膚がキャビティ12内で余りにも深く引き込まれた時を検出するため使われるが、該エミッター及び検出器は上記で説明した様に、これが治療されるべきでない皮膚であることを示すことが出来る。この場合、光路90が遮られると、検出器82は、該キャビティ内の皮膚が治療されないよう光学的ソース28の駆動を防止するため信号を制御回路に送る。
【0071】
1つの実施例では、フォトダイオードが検出器82及び86として使われ、発光ダイオード(LEDs)がエミッター80及び84として使われる。もう1つの実施例では、治療ヘッド14は、治療されるべき皮膚のメラニン含有量(melanin content)又は他の特性を検出するため1つ以上の反射率計(reflectometer)センサー(示されてない)を有する。オプションとして、治療ヘッド14は反射面(reflective surface)78を有するが、該面は光学的放射が光学的ソース28からプリズム20a及び20bに入らせるが、キャビティ12内の皮膚から光学的放射ソース28の方へ戻るよう散乱(scattered)及び反射(reflected)される光学的放射がプリズム20a及び20bから逃げさせない。代わりにこの反射面78は治療の作用を改善するためこの散乱及び反射された光がキャビティ12内の皮膚の方へ戻るよう返す。これは”光子リサイクリング(photon recycling)”と呼ばれる。
【0072】
図4Aは、光路88を遮るに充分な高さまでキャビティ12内で集められた治療されるべき皮膚の部分100を示す。この例では、治療されるべき皮膚の部分100は1つ以上の毛胞を有し、治療は毛髪の除去用である。簡単のため、毛幹(hair shaft)102と毛球(hair bulb)104のみが示される。上記で説明した様に、キャビティ12内の皮膚の高さはキャビティ12の幅及び形状、キャビティに印加された圧力差、そして皮膚の堅さ(firmness)の関数である。この例で、該毛胞は、路92に沿って放射指向要素20a及び20bによりキャビティ12の相対する側から送られるレーザーダイオードバー70a及び70bからの光学的放射により治療される。上記説明の様に、キャビティ12の寸法と光学的放射のパラメーターは、両放射要素20a及び20bからの放射が治療の効果を改善するため皮膚内の毛胞内で組み合わされるように、選ばれる。
【0073】
眼の範囲付近のより柔軟な皮膚の治療の回避に関して、キャビティ内へ集められる皮膚の最大高さhskin−maxとキャビティの幅wcavityの間に近似的関係が存在することが発見されたが、それは、治療可能な皮膚(例えば、充分の堅さの皮膚)で、水銀柱20cm(水銀柱8インチ)の公称(nominal)圧力差では
【数1】
であり、そして一般的に、治療可能でない皮膚(例えば、瞼の様な堅さのもっと低い皮膚)で、水銀柱20cmの公称圧力差ではhskin−max>2wcavityである。
【0074】
更に皮膚高さhskinの範囲が下記の近似範囲にあることが発見された。
【0075】
.5wcavity>hskin>2wcavity
hskin−max及びhskinの決定はセンサー光路88及び90の配置の決定を可能にする。
【0076】
図4Bは、キャビティ12内に引き込まれる皮膚108が余りに深く引き込まれたので、それは光路90を遮っており、これが治療されるべきでない皮膚、例えば、瞼であることを示している。虹彩112の構造は該虹彩がキャビティ12内に引き込まれないようになっている。上記説明の様に、堅さの少ない皮膚は遙かに遠くの距離(より高い高さまで)をキャビティ12内に集められる(gathered)。1実施例では、皮膚高さhskinが10mmより大きい時光路90は遮られるよう設定され、それにより検出器82に光学的ソース28がトリガーされるのを防止する信号を制御回路へ送らせる。
【0077】
図5Aは、従来技術のデバイスにより、或る容積の皮膚114’に直接の光学的放射が印加されるのを示す線図である。この線図は、可成りの放射が容積114’内に貫入し、もし容積114’が瞼であるなら、この様な放射は該瞼を通して虹彩112に達するであろうことを図解する。もしこの放射が虹彩内のメラニンに吸収されるなら、それは眼を損傷させる。対照的に、図5Bは、キャビティ12内に引き込まれた皮膚へ放射指向要素20a及び20bを通して印加される光学的放射と、キャビティ12の外の皮膚容積114に達する間接的光の可成り少ない量と、を示す線図である。この線図は、例えデバイス10が眼の付近の皮膚の該キャビティ内への引き込みを検出するための上記説明の安全センサー(例えば、80,82)を有しなくても、該デバイスが虹彩に達し得る光の量を減じるので従来技術のデバイスに比してなお可成りの眼の安全性をそれが提供することを示す。
【0078】
図6は、図1のキャビティ12と同様なキャビティについて皮膚ひだ高さ対圧力(skin fold height vs pressure)のグラフ図である。キャビティ12の寸法が、キャビティ12内に集められ得る皮膚の容積を制限するので、キャビティ12内へその容積の皮膚を引き込むに必要な圧力を越えて圧力差を増やしても、もっと多くの皮膚を引き込まない、ことが決定された。ここで、曲線132上の点134は約水銀柱20cm(8インチ)(200トール)の初期圧力を表し、それは該キャビティ内の約5mmの皮膚高さに帰着する。皮膚の弾性のために、該皮膚は僅かにもっと低い高さに引き戻され、示される様に、点134を越えて圧力差を増やすことは集められた皮膚の高さを増さない。ここで圧力差は、キャビティ内の容積と、キャビティの外の周囲(例えば、大気圧)との間の圧力勾配(pressure gradient)を呼ぶ。
【0079】
一貫した皮膚高さ、毛髪の治療用には該キャビティ内で、好ましくは約2mmから約6mm、そしてアクネの治療用では1−3mm、を達成する最小圧力差を提供することが有利である。該キャビティへの入り口に於ける輪郭付きエッジの使用及び/又は治療されるべき皮膚表面へのローション又はオイルの塗布を行う。
【0080】
図7Aは、レフレクター(reflector)78を有せず(図3も参照)、かつ、放射指向要素20a及び20bの外面上に反射面(reflective surfaces)を有しない治療ヘッド14を表す。対照的に、図7Bはレフレクター78を有し、そして又、放射指向要素20a及び20bの外面上に反射面を有する治療ヘッド14を表す。すなわち、図7Bでは、放射指向要素20a及び20bは、キャビティ12を形成する面上を除けば、反射面を有する。示される様に、図7Bのデバイスは図7Aのデバイスが行うより可成り多くの光をキャビティ12内に引き込まれた皮膚に向ける。1実施例では、レフレクター78を含め、反射面は、キャビティ12を形成する又はそれに結合される面を除けば、放射指向要素20a及び20bの全ての面に塗布されたコーティングである。反射面を使って、キャビティ12内のターゲットへの光学的放射の供給の効率は、この様な反射面を使わない場合に比して1.2−4倍増加する。図7A及び7Bに示す様に、キャビティ12内に引き込まれた皮膚容積140内のターゲットは小胞144a−144nであってもよい。
【0081】
図8A、8B、9A及び9Bは、デバイス10の治療ヘッド14と同様な2つの実験的治療ヘッドについての光分布グラフ図である。このデバイスで、光学的ソース又は複数ソース(例えば、波長800nmの光を発生するダイオードレーザー)は光フアイバーを通してキャビティ12に結合される。該光分布グラフ図は、キャビティ寸法(例えば、幅)の重要性と、如何に、光学部品の整合を伴う寸法の適切な選択が、種々の放射指向要素からの光がより良い有効性とより高い安全比のためにキャビティ12内で組み合わされ、又は重ね合わされさせるか、を図解する。
【0082】
図8Aは、光インテンシティ対キャビティ幅のグラフ図であり、曲線164と166の各々は、該キャビティ(例えば、5mm)の1つの側の1つの放射指向要素、この場合は、フアイバー、だけからキャビティ内へ放射される光を表す。この例で、該キャビティの幅は5mm、そして曲線164,166は、最大光インテンシティは該キャビティ壁(例えば、5mm)に隣接する皮膚表面にあることを示す。これは表皮損傷へ導く低安全比に帰着する。曲線166は曲線164に比較して減じられた光インテンシティを有するが、何故なら曲線166用に使われたレフレクターは曲線164に使われたもっと反射性の面よりも多くの光を吸収する茶色のペーパーであったからである。対照的に、曲線162は該キャビティの相対する側上の2つの放射指向要素から放射され、容積内の光インテンシティが該キャビティの表面の各々(0mmと5mm)での光と実質的に同じであるよう、該キャビティの該容積内で組み合わされた光を表す。これは表皮を保護しながら、ターゲットがより容易に治療される様なより高い安全比に帰着する。キャビティ内の皮膚の容積内で受ける光の量が、該キャビティ壁に接触する皮膚表面で受ける光の量より高いように、該キャビティ及び/又は放射指向要素を構成することも可能である。加えて、皮膚表面を冷却し、追加の表皮安全性を提供するため該キャビティ壁が冷却されることが可能である。
【0083】
図8Bは、光インテンシティ対キャビティ高さのグラフ図であり、再び曲線174と176の各々は1つの放射指向要素のみからキャビティ内へ放射される光を表し、曲線172はキャビティの相対する側上の2つの放射指向要素から放射される光を表す。曲線176は曲線174に比較して減じられた光インテンシティを有するが、これ又、何故なら曲線176用に使われたレフレクターは曲線174に使われたもっと反射性の面よりも多くの光を吸収する茶色のペーパーであったからである。この例では、皮膚が該キャビティ内に引き込まれる高さは5mmである。曲線172に示す様に、該キャビティの異なる側上の多数の放射指向要素からの光を組み合わせることは、1つの放射指向要素のみからの光により提供されると同じ高さに於いて増加した光インテンシティを提供する(曲線174と176)。
【0084】
図9A及び9Bのグラフ図は、キャビティの幅及び高さが4mmであることを除けば、図8A及び8Bのグラフ図と同様である。
【0085】
最適のキャビティ寸法は、皮膚表面からのターゲットの深さより大きい高さと、皮膚表面からのターゲットの深さの4倍より小さく、好ましくは皮膚表面からターゲットの深さの2倍より小さい幅と、を有する。
【0086】
図10A及び10Bを参照すると、2つのランプベースの光学的ソース230及び240が示される。光学的ソース230は、それぞれレフレクター234a及び234b(集合的にレフレクター234と呼ばれる)に隣接して配置されたランプ232a及び232b(集合的にランプ232と呼ばれる)を有する。各ランプ232とレフレクター234の組み合わせは図3のレーザーダイオードバー70と同様に作動する。1実施例では、該ランプは高効率Xeフラッシュランプである。この実施例では、ランプ232は約0.1から約100J/cm2の作用、約1msから約500msのパルス幅、400−1350nmの間、そして好ましくは600−1200nmの間がよい波長範囲、で動作する。レフレクター232は反射性コーティングを有し、プリズム246の外面も反射性コーティングを有する。ここで治療ヘッドの全体的効率は約10−40%である。オプションとして、スペクトルフィルター(spectral filter)がデバイス230内に組み入れられ得る。1実施例では、この様なスペクトルフィターは、プリズム246の該ランプから光を受ける面上の誘電体コーティング(dielectric coating)か、又は該ランプ自身上のコーティングとすることが出来る。該ランプは空気又は液体流れにより冷却され得る。
【0087】
図10Bの実施例では、ランプ242aと242bはプリズム246内に一体化される。すなわち、キャビティは該プリズム内に作られるので、これらのキャビティの内壁が該ランプ用のエンベロープ(envelope)を提供し、各ランプ用の別のガラスエンベロープの必要性を取り除く。この実施例では、治療ヘッドの全体的効率は約150−250%だけ高められる。上記説明の様に、反射性コーティングは該プリズム246の外面上に提供される。
【0088】
図11を参照すると、圧力制御された発射機構が眼の保護を提供するため使われてもよい。デバイス260は、内部部品(internal component)264上をスライド可能なハウジング262を有し、ハウジング262と内部部品264はばね266により離れさせられる。ハウジグ262はセンサー268を有し、該センサーは、例えば、マイクロスイッチ(microswitch)であってもよい。制御回路(control circuitry)が光学的放射ソースに光を放射させるために、信号がセンサー268から受信されねばならない。センサー268はそれが内部部品264に対し押されるとトリガーされる。動作時、これが起こるのは、デバイス260が皮膚に対するよう置かれ(特に、内部部品264の皮膚に接触する面が該皮膚に対するよう置かれる)、ばね266を圧縮し、ハウジングを皮膚の方へスライドさせる、のに充分な力がハウジング262に印加される時、である。該ハウジングが皮膚の方へ動かされると、それはセンサー268を内部部品264に接触させ、センサー268は該制御回路にそれが放射ソース(複数を含む)をトリガーするのを可能にする信号を送る。大抵の治療可能な顔の皮膚は後ろに骨を有するので、顔の皮膚の治療可能な範囲は、賦活を可能にするに必要な圧力を我慢出来る。しかしながら、眼の後ろには骨が無いので、賦活を可能にするのに充分な力をデバイス260に与えることは難しく、苦痛であり、それにより眼の保護を提供する。ばね266は調整可能なばね張力機構(示されてない)を備えることが出来る。
【0089】
デバイス260内に示される圧力制御された発射機構(firing mechanism)は他の安全の特徴と組み合わされ得る。加えて、該圧力制御された発射機構は、皮膚が引き込まれるキャビティを有する、図1のデバイス10の様なデバイスと組み合わされ得る。
【0090】
図12を参照すると、図1のデバイス10と同様な皮膚治療デバイス10”が示される。デバイス10”は、キャビティ12”、電源282,治療ヘッド14”と熱的に結合された冷却カートリッジ(cooling cartridge)284、そして皮膚集め用具286(部分的に示される)を有する治療ヘッド14”を備える。
【0091】
デバイス10”はデバイス10と同様な仕方で動作する。1実施例では、電源282は1つ以上の大容量再充電可能なバッテリー又はキャパシター(high capacity rechargeable batteries or capacitors)である。家庭用の応用では、電源282は約2から約5分の動作、又は治療の望まれる持続時間によりもっと長い動作、用の電力を提供する。取り除き可能な冷却カートリッジ284は光学的ソース及び他の光学部品、例えば、治療ヘッド14”内の放射指向要素、用の冷却を提供する。該取り除き可能な冷却カートリッジ284は、図1のヒートシンク46の様な、ヒートシンクの冷却を提供する材料50を有する室26として作用してもよい。1実施例では、該取り除き可能な冷却カートリッジ284は使われる前に家庭用フリーザー(household freezer)内の置かれてもよい。
【0092】
図14を参照すると、もう1つの実施例では、皮膚科用治療デバイス(dermatological treatment device)は、組織へ送信される放射が眼及び皮膚に安全であることを保証しながら、皮膚の様な組織を治療するよう構成された治療放射供給システム(treatment radiation delivery system)400を使う。かくして、システム400は眼、眼内の組織、又は他の組織を損傷しない。システム400は、家庭(home)用、プロ(professional)用、又は他の使用のための光美容デバイスの部分として設計され、一体化され得る。
【0093】
システム400は、治療放射ソース402,眼に安全な放射ソース404,導波管406,ディフューザー408及び接触要素(contact element)410を有する。治療放射ソース402は2つのレーザーダイオード412及び414を有するレーザーダイオードバーである。しかしながら、固体レーザー、インコヒーレントソース(incoherent sources)(すなわち、種々の種類のランプ)他の様な多くの他のあり得る構成の治療放射ソース402が可能である。加えて、特に種々の構成のレーザーダイオードバーが可能であり、応用及び設計仕様に依り好ましい可能性がある。例えば、皮膚では必要な放射パワー(required radiation power)を提供し、そして導波管を通して、かつ、該デバイスから被治療組織への移行部(transition)に於いて、均質に分布した治療パワーを提供するために、該放射ソースの数は変えられ、そして位置付けられ得る。最適の設計構成(optimum design configuration)(複数を含む)は、治療の種類、デバイスのサイズ、治療のスポットサイズ、使われる材料、治療用に選択される放射の波長(複数を含む)、他を含む多数の変数に左右される。
【0094】
治療放射供給システム400では、基盤416内にレーザーダイオード412と414が設置される。基盤416は銅製であるが、代わりにシリコンカーバイド(silicon carbide)、銅タングステン(copper tungsten)、又は他の適当な材料で作ることも出来る。基盤416は機械的安定性を提供し、運転中廃熱(waste heat)を除去する。好ましくは、基盤416の表面418は、皮膚から散乱/反射された光子をリサイクルするために治療放射波長を高度に反射する材料でコートされるのがよい。光子のリサイクリングは基盤416(そして総じてシステム400)への熱負荷を減少させ、それが治療効果を改善する両面で作用する。
【0095】
導波管406は組織に送信される治療放射をより均一に分布させるために、治療放射を導き、治療放射の空間的プロフアイルを均質化する。治療放射ソース402からの治療放射は導波管406と結合される。導波管406の入力面は放射損失(radiation loss)を避けるために、例えば、反射防止コートされる(anti−reflection coated)か又は放射ソース402に接合(bonded)される。
【0096】
代わりに、放射ソース402は面418と導波管406の間の窓により保護されてもよい。この様な窓は、例えば、放射ソース402を反射放射へ曝すのを減じるよう構成されてもよい。該窓の内面(すなわち、放射ソース402に面する部分)は反射防止コートされ得る、一方外面(すなわち、導波管406に面する部分)は反射防止コートされるか、又は導波管406の入力面に接合されるか何れかである。
【0097】
導波管の治療放射ソース402と反対の側にディフューザー408が配置される。ディフューザー408はガラス、プラスチック、又は他の光学的材料で作られるのが典型的である。ディフューザー408は放射ビーム内の各点で治療放射の角度的スペクトル(angular spectrum)を増す。予め決められた最大レベルに制限される放射出力パワーを有する固定治療(fixed treatment)用では、該ディフューザーは、出力ビームがアンシーの眼の安全標準(ANSI eye safety standards)を充たす点まで該角度的スペクトルを増やすことにより治療される対象への網膜損傷(retinal damage)を防止するよう設計され得る。ホログラフィーのもの(holographic)、回折式のもの(diffractive)、ホトリゾグラフィーのもの(photolithographic)、フアイバーバンドル(fibre bundle)、ミルクガラス(milk glass)、サンドブラストされたガラス(sandblasted glass)、又は他の適当な材料の、等を含むが、それらに限定されない多くの種々の放射ディフューザーが使われ得る。システム400と同様な実施例での使用に好適な或るディフューザーは織り目付された出力面(textured output surface)を有してもよい。それらのディフューザーの幾つか用には、もし該デバイスが接触要素410を有するなら、該ディフューザーと該接触要素の間に空間(例えば、空気又は流体で充たされた)が必要である。容積ディフューザー(Volume diffusers)はエアギャップ(air gap)付きで又は無しで使われてもよい。
【0098】
システム400では、ディフューザー408を出た放射は接触要素410と直接結合される。接触要素410は幾つかの機能に役立つ。接触要素410は該放射を皮膚に結合させる導波管として作用する。該治療放射は接触面420を通ってデバイス400を出る。接触要素410の長さは、皮膚表面での均一な放射分布を創るよう選ばれるのが好ましい。システム400では、接触要素410の長さは、該デバイスを最適化する設計パラメーターに基づいて調整されるが、0.5−100mmの範囲にあるのが典型的である。接触要素410は又治療中接触冷却を提供する。接触要素410は熱的に伝導性の透明材料、この場合にはサファイヤ、で作られる。しかしながら、他の物質が使われてもよい。熱は、例えば、接触要素410の外面に金属熱交換機(metal heat exchanger)を{糊(glue)又は他の適当な手段で}取り付けることにより、接触要素410から除去され得る。該金属熱交換機は、該サファイヤ/糊インターフエースで全反射されない何等かの治療放射が吸収されないように、高度に反射性のコーティングでコートされる。
【0099】
眼に安全の放射ソース404は導波管404の頂面(top surface)に配置されたLEDである。ソース404は、放射が瞼と、眼の前部部分(anterior portion)と、を通して伝播した後、ユーザーにより感知(perceived)される明るさ(brightness)を最大化するよう選ばれた波長の放射を提供する。換言すれば、該波長は、治療される対象に刺激的であるが、治療される対象により痛い(painful)又は有害(harmful)と感知されるインテンシティでも一般的安全な波長であるのが好ましい。ソース400は赤の範囲(600−680nm)の波長で、1−10mW/cm2のパワー密度(power density)で、光を放射する。しかしながら、設計及び仕様により、他の波長及びインテンシティも可能である。
【0100】
該ソース400が契合(engaged)され、接触面420が約1.0−2.0秒間治療される組織に接触していた後、治療ソース402は契合され、該組織は照射される。該1.0−2.0秒の時間間隔(time period)は、ユーザーが該治療ソース402による照射の前に該デバイスを彼女の眼(her eye)から取り除くのに充分な時間を有するよう選ばれる。しかしながら、他の実施例も可能である。例えば、0.1から3.0秒の様な、もっと短い又はもっと長い時間が使われてもよい。もっと短い時間は、例えば、対象を治療する人に、眼が照射されたことを示す、眼の痙攣(twitch)又は眼を細める(squint)様な、より速い嫌悪応答(aversive response)が起こる時間を許容するために使われ得る。該嫌悪応答は、対象に該デバイスを該組織から動かさせるどんな動きであってもよく、或いは、対象を治療する人に眼が照射されていることを示す、眼を細めること(squinting)、瞳孔拡大(pupil dilation)、眼の動き、頭の動き、そして腕の動きを含むが、それらに限定されない、どんな動きであってもよい。
【0101】
治療される組織との接触の存在は多数の種々の接触センサーにより決定され得る。又システム400は上記パラグラフで説明した”プレパルス(pre−pulse)”安全機構に加えて、接触検出機構の1部としてソース404も利用する。該接触検出機構はソース404,プリズム422及び検出器424を有する。プリズム422は接触要素410の外側面上に沿って或る角度で設置される。プリズム422は光が接触要素410からプリズム422を通ることを可能にするよう接触要素410に光学的に結合される。検出器424はプリズム422の端面に取り付けられ、接触要素410からプリズム422を通過する光を受けるためにプリズム422に光学的に結合される。
【0102】
システム400は、放射をソース404から治療放射供給システム400を通って接触面420まで送信することにより面420が組織と接触しているかどうかを決定する。接触面420が組織と接触している時は、結合プリズムインターフエース426に於ける全反射のために検出器424には非常に小さい背景信号しか無い。接触面420が組織と接触している時、接触要素410からプリズム422を経由し、そして検出器424内へ結合される放射の量は、接触要素410内の全反射されない角度での皮膚から結合プリズムインターフエース426への光の散乱のために顕著に増加する。検出器424の出力は該デバイスの制御電子機器(示されてない)によりモニターされ、その電圧が予め決められたしきい値を越えると、該デバイスは接触面420が治療される組織と接触していることを決定する。かくして、検出器424は該デバイスに対する患者の嫌悪運動を検出することにより嫌悪センサー(aversive sensor)として役立つ。
【0103】
ソース404の2重の目的を実現するために、ソース404は接触検出(システム400では、近赤外線範囲内の)用の1つの波長と、”プレパルス”安全機構(システム400では、上記で論じた赤の範囲内の)用の1つの波長と、を有する2カラーLED(bicolor LED)である。これは必須ではないが、好ましくは該接触検出機構用と、”プレパルス”安全機構用に使われる波長は治療用に使われる主要波長(複数を含む)と異なるのがよい。ソース404の第1波長が接触検出に適用される。或る最小時間(典型的には50ms)の間組織との接触が検出された後、レーザーが点火間近であることを対象に警告するために第2波長が適用される。該デバイスは眼を目指すなら、該第2波長の光はその眼を厳しく刺激するだろう(しかし損傷はしない)。例え、該システムが閉じた瞼と接触しても、第2波長は対象が彼女の頭を廻すか又は該デバイスを引き離すことにより該光に反応する様なインテンシティである。その点に於いて、該接触検出機構は接触面420は最早組織に接触せず、該デバイスは該組織を照射しないことを決定する。
【0104】
システム400は、治療されるべき組織と接触している間に使用するよう設計されているが、他の実施例も可能である。例えば、代わりの実施例は、組織の近くであるが、組織には接触せずに、動作するために近接センサー(proximity sensor)を使用する。該デバイスは又全てのこの様なセンサーを除き、該組織から或る距離で動作するよう設計されることも可能である(又は接触センサーを使うことなく、該組織と接触する間に動作する)。加えて、接触要素410により提供される冷却は、他の機構により提供され得る{クライオジェニックスプレイ(cryogenic spray)、別の冷却プレート、組織の事前冷却(pre−cooling)、又は他の機構に依る様な}。更に、システム400は光学的波長の光での使用のために主に設計されているが、多くの他の波長又は波長の組み合わせ(光学的と他との、両者の)が可能である。
【0105】
本発明が特にその好ましい実施例を参照して示され、説明されたが、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の精神と範囲を逸脱することなく、形式及び詳細の種々の変更がその中で行われ得ることは当業者により理解されよう。当業者はルーチンの実験だけを使って、ここで特に説明した本発明の特定の実施例の多くの等価物を認識し、確認することが出来よう。この様な等価物は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の或る側面による光美容デバイスの断面斜視図である。
【図2】図1のデバイスの治療ヘッドの断面斜視側面図である。
【図3】図1のデバイスの切り離された側面図である。
【図4A−4B】図1のデバイスの光学的特性と追加の安全性の特徴を示す略図である。
【図5A】従来技術の直接光治療デバイス用の光分布チャートである。
【図5B】本発明の閉ループ光結合の1例の光分布チャートである。
【図6】図1のキャビティと同様のキャビティについての皮膚ひだ高さ対圧力のグラフ図である。
【図7A】図1の治療ヘッドと同様な治療ヘッド用の、レフレクター無しの、閉ループ光結合についての光分布チャートである。
【図7B】図3の治療ヘッドと同様な治療ヘッド用のレフレクター付きの、閉ループ光合についての光分布チャートである。
【図8A】図1のキャビティと同様であり、5mmの幅を有するキャビティについての幅軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図8B】図1のキャビティと同様であり、5mmの幅を有するキャビティについての高さ軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図9A】図1のキャビティと同様であり、4mmの幅を有するキャビティについての幅軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図9B】図1のキャビティと同様であり、4mmの幅を有するキャビティについての高さ軸線に沿った光インテンシティ分布チャートである。
【図10A】フラッシュランプの光学的放射ソースを有する本発明のもう1つの実施例の側面図である。
【図10B】放射指向要素と一体化されたフラッシュランプを有する本発明のなおもう1つの実施例の側面図である。
【図11】本発明のもう1つの側面により、人の眼を保護するために圧力制御された点火機構の側面図である。
【図12】本発明のもう1つの実施例により、自給型電源を有する毛髪成長管理デバイスの斜視図である。
【図13】本発明のなおもう1つの実施例での使用のための円錐形プリズムの斜視図である。
【図14】眼に安全な治療デバイスの代わりの実施例の略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の組織を放射で眼に安全な仕方で治療する方法に於いて、
前記組織を眼に安全な放射で照射する過程であって、前記眼に安全な放射が、前記対象の眼を照射する時、前記対象による嫌悪応答を引き起こすよう選ばれた波長とインテンシティとを有する過程と、
予め決められた時間待つ過程と、そして
前記嫌悪応答が前記時間内に起こらない時、前記組織を治療放射で照射する過程と、を具備しており、
前記組織は、前記嫌悪応答が前記時間に起こる時は、前記治療放射で照射されないことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記眼に安全な放射が600−680nmの範囲内の波長を有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
該眼に安全な放射が優れて赤である波長を有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項4】
前記眼に安全な放射が1−10mW/cm2の範囲内のインテンシティを有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項5】
前記時間が約0.1から3.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項6】
前記時間が約1.0から2.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項7】
更に、前記嫌悪応答が起こったどうかを決定する過程を具備することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
更に、前記嫌悪応答が起こった時、前記治療放射の送信を禁止する過程を具備することを特徴とする請求項7の方法。
【請求項9】
更に、前記組織を前記眼に安全な放射を送信するアップリケーターと接触させる過程を具備することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項10】
前記組織が、前記アップリケーターが前記組織と接触する場合のみ、前記眼に安全な放射で照射されることを特徴とする請求項9の方法。
【請求項11】
前記組織が、前記アップリケーターが前記組織と接触する場合のみ、前記治療放射で照射されることを特徴とする請求項9の方法。
【請求項12】
更に、前記組織を前記眼に安全な放射で照射するアップリケーターを配向する過程を具備することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項13】
前記組織は、前記アップリケーターが前記組織の近くにある場合のみ、前記眼に安全な放射で照射されることを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】
前記組織は、前記アップリケーターが前記組織の近くにある場合のみ、前記治療放射で照射されることを特徴とする請求項12の方法。
【請求項15】
組織を放射で眼に安全な仕方で治療する装置に於いて、
放射の発生の制御用で、第1及び第2制御信号を提供するよう構成された制御器と、
対象の眼を刺激するインテンシティで眼に安全な放射を、前記第1制御信号に応答して、発生するよう構成された第1放射ソースと、
治療放射を、前記第2制御信号に応答して、発生するよう構成された第2放射ソースと、
放射送信面を通して前記第1放射ソースから前記組織へ放射を送信するよう構成された放射送信路と、
前記制御器と電氣的に通信し、前記放射送信面が前記組織の近くにある時センサー信号を提供するよう構成されたセンサーと、を具備しており
前記制御器は、前記第1制御信号に続く予め決められた時間間隔の後で、そして前記センサー信号が前記放射送信面が前記組織の近くに留っていることを示す時、前記第2制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記第1放射ソースがダイオードであることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項17】
前記第1放射ソースが600−680nmの範囲内の放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項18】
前記第1放射ソースが優れて赤である波長を有する放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項19】
前記第1放射ソースが1−10mW/cm2の範囲内のインテンシティを有する放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項20】
前記予め決められた時間間隔が約0.1から3.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項21】
前記予め決められた時間間隔が約1.0から2.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項22】
前記制御器は、前記放射送信面が前記組織に接触する時、前記第2制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項23】
前記制御器は、前記放射送信面が前記組織に接触する時、前記第1制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項24】
前記センサーが、前記眼に安全な放射に応答する前記対象からの嫌悪応答を検出するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項25】
前記嫌悪応答が、眼を細めること、瞳孔拡大、眼の動き、頭の動き、そして腕の動きの1つであることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項26】
前記第1放射ソースが更にセンサー放射を提供するよう構成されており、そして前記センサーが前記センサー放射を検出するよう構成された検出器であることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項27】
前記センサー放射が近赤外線の範囲の波長を有することを特徴とする請求項26の装置。
【請求項28】
前記検出器は、前記センサー放射が第1の予め決められたしきい値を越える時、前記センサー信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項26の装置。
【請求項29】
前記放射送信路は、前記放射送信面が前記組織に接触してない時、前記センサー放射を実質的に全反射するよう構成されることを特徴とする請求項26の装置。
【請求項30】
前記放射送信路は、前記放射送信面が前記組織に接触してない時、前記眼に安全な放射を実質的に全反射するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項31】
前記放射送信路は、前記放射送信面が前記組織に接触してない時、前記治療放射を実質的に全反射するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項32】
前記放射送信路は、
第1導波管セクションと、
第2導波管セクションと、そして
ディフューザーとを備えており、
前記第1導波管セクションが前記第1ソースと前記ディフューザーの間に配置され、前記第2導波管セクションが前記ディフューザーと前記放射送信面の間に配置されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項33】
前記ディフューザーが、実質的に前記放射送信路全体に亘り延びていることを特徴とする請求項32の装置。
【請求項34】
前記ディフューザーがプラスチック、ガラスそしてサファイヤの少なくとも1つで作られることを特徴とする請求項32の装置。
【請求項35】
前記第2導波管セクションがサファイヤであることを特徴とする請求項32の装置。
【請求項36】
前記第2導波管セクションが、前記組織を冷却するよう構成された冷却機構を有することを特徴とする請求項32の装置。
【請求項37】
前記放射送信路が、前記組織を冷却するよう構成された冷却機構を有することを特徴とする請求項15の装置。
【請求項38】
前記放射送信路が実質的にサファイヤで作られることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項39】
前記放射送信路が、前記放射送信路の1部分に亘り延びており、前記第2放射ソースにより発生される放射を拡散するよう配向されたディフューザーを備えることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項40】
組織を放射で眼に安全な仕方で治療する装置に於いて、
制御器と電気的に通信する放射ソース組立体と、
前記放射ソース組立体から前記組織へ、放射を送信するよう構成された導波管と、
前記制御器と電気的に通信し、そして前記放射送信面が前記組織の近くにある時、センサー信号を提供するよう構成されたセンサーと、を具備しており、
前記放射ソース組立体は、前記制御器からの信号に応答して、眼に安全で、対象から該対象の眼を刺激する時嫌悪反応を引き起こすことが出来るインテンシティの、第1放射と、前記組織を治療することが出来る第2放射と、を提供するよう構成されており、前記第2放射は、前記センサーが前記導波管が前記組織の近くに留まっていることを示す時、前記第1放射の予め決められた時間の後に、提供されることを特徴とする装置。
【請求項41】
前記放射ソース組立体が更に、第3放射を提供するよう構成されており、前記センサーは前記第3放射を検出し、検出された放射のレベルに基づいてセンサー信号を発するよう構成されることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項42】
前記導波管が更に、前記導波管の1部分に亘り延び、前記放射ソース組立体により作られる放射を拡散するよう配向されたディフューザーを備えることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項43】
前記導波管が前記組織を冷却するよう構成された冷却機構を備えることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項44】
前記センサーは、前記放射送信面が前記組織に接触する時だけセンサー信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項45】
対象の組織の光美容治療用の装置に於いて、
圧力ソースと、
開端部を有するキャビティと、を具備しており、前記キャビティは前記圧力ソースと流体的に連通しており、そして前記開端部は、前記圧力ソースが圧力を印加する時、前記組織を受けるよう構成されており、該装置は
放射を前記キャビティ内に送信するよう構成された少なくとも1つの放射ソースと、そして
センサー信号を発するよう構成されたセンサーと、を具備しており、
前記センサー信号は、前記センサーが治療用に好適でない組織を検出した時、前記放射送信路からの放射の送信を妨げることを特徴とする装置。
【請求項46】
前記放射ソースが、前記キャビティ内の少なくとも2つの異なる方向から放射を送信するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項47】
前記放射ソースが、各々が治療されない組織により分離された2つ以上の容積の組織のセットを治療するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項48】
前記放射ソースが、前記キャビティ内の独立した治療サイトの配列に放射を提供するよう構成されており、各この様な治療サイトが前記キャビティ内で医療されない組織により分離されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項49】
前記センサーが圧力センサーであることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項50】
前記センサーが前記キャビティ内の前記組織の深さを検出するよう構成された深さセンサーであることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項51】
前記センサーが、前記組織が前記キャビティ内に予め決められた深さを越えて延びる時、前記放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項50の装置。
【請求項52】
前記センサーが放射インテンシティセンサーであることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項53】
前記放射インテンシティセンサーは、前記放射が予め決められたしきい値を越えた時、前記放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項52の装置。
【請求項54】
前記放射インテンシティセンサーは、前記放射が実質的に全反射させられた時、前記放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項52の装置。
【請求項55】
前記装置が予め決められた安全比内で動作するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項56】
前記キャビティが、治療されるべき前記組織の表面からの、治療されるべき前記組織内のターゲットの深さ、より大きい深さを有することを特徴とする請求項45の装置。
【請求項57】
前記キャビティが、治療されるべき前記組織の表面からの、治療されるべき前記組織内のターゲットの深さの4倍より小さい側部を有することを特徴とする請求項45の装置。
【請求項58】
前記放射ソースが約0.1から約100J/cm2の作用で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項59】
前記放射ソースが約1msから約500msのパルス幅で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項60】
前記放射ソースが約400と1350nmの間の波長範囲で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項61】
前記放射ソースが約600と1200nmの間の波長範囲で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項62】
対象の組織の光美容治療のための方法に於いて、
或る容積の前記組織をキャビティ内に引き込む過程と、
前記容積の組織が放射を使って治療するのに安全かどうかを決定する過程と、そして
前記決定に基づき前記容積の組織を放射で治療する過程と、を具備しており、
もし前記組織が治療するのに安全でないことが決定されれば、前記容積の組織は治療されず、そしてもし前記組織が治療するのに安全であることが決定されれば、前記容積の組織が治療されることを特徴とする方法。
【請求項63】
前記治療する過程が少なくとも2つの異なる方向から放射を送信する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項64】
少なくとも2つの異なる方向からの前記放射が、皮膚上の1つ以上のターゲットで重なり合うことを特徴とする請求項63の方法。
【請求項65】
少なくとも2つの異なる方向からの前記放射が、各々が治療されない組織により囲まれる2つ以上の容積の組織のセットを治療することを特徴とする請求項63の方法。
【請求項66】
更に、前記容積の組織内に独立した治療サイトの配列を提供する過程を具備しており、各この様な治療サイトは前記容積内で治療されない組織により分離されることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項67】
前記決定する過程が更に、前記組織に印加された圧力を検出する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項68】
前記組織が、もし前記圧力が予め決められたしきい値を越えるならば、治療するのに安全であることを特徴とする請求項67の方法。
【請求項69】
前記決定する過程が更に、前記キャビティ内での前記組織の前記容積の深さを検出する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項70】
前記組織は、もし前記容積が前記キャビティ内で予め決められた深さを越えるなら、治療するのに安全でないことを特徴とする請求項69の方法。
【請求項71】
前記決定する過程が更に、放射インテンシティセンサーを使って放射を検出する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項72】
前記組織は、前記放射が予め決められたしきい値を越える時、治療するのに安全でないことを特徴とする請求項71の方法。
【請求項73】
前記組織は、前記放射が実質的に全反射される時、治療するのに安全でないことを特徴とする請求項71の方法。
【請求項74】
前記決定する過程が更に、皮膚の温度の上昇対該ターゲットの温度の上昇の比を決定する過程と、そしてもし前記比が予め決められた限界内にないなら、放射の該送信を禁ずる過程と、を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項75】
前記治療する過程が更に、約0.1から約100J/cm2の作用で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項76】
前記治療する過程が更に、約1msから約500msのパルス幅で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項77】
前記治療する過程が更に、約400nmと約1350nmの間の範囲内の少なくとも1つの波長で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項78】
前記治療する過程が更に、約600nmと約1200nmの間の範囲内の少なくとも1つの波長で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項1】
対象の組織を放射で眼に安全な仕方で治療する方法に於いて、
前記組織を眼に安全な放射で照射する過程であって、前記眼に安全な放射が、前記対象の眼を照射する時、前記対象による嫌悪応答を引き起こすよう選ばれた波長とインテンシティとを有する過程と、
予め決められた時間待つ過程と、そして
前記嫌悪応答が前記時間内に起こらない時、前記組織を治療放射で照射する過程と、を具備しており、
前記組織は、前記嫌悪応答が前記時間に起こる時は、前記治療放射で照射されないことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記眼に安全な放射が600−680nmの範囲内の波長を有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
該眼に安全な放射が優れて赤である波長を有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項4】
前記眼に安全な放射が1−10mW/cm2の範囲内のインテンシティを有することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項5】
前記時間が約0.1から3.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項6】
前記時間が約1.0から2.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項1の方法。
【請求項7】
更に、前記嫌悪応答が起こったどうかを決定する過程を具備することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
更に、前記嫌悪応答が起こった時、前記治療放射の送信を禁止する過程を具備することを特徴とする請求項7の方法。
【請求項9】
更に、前記組織を前記眼に安全な放射を送信するアップリケーターと接触させる過程を具備することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項10】
前記組織が、前記アップリケーターが前記組織と接触する場合のみ、前記眼に安全な放射で照射されることを特徴とする請求項9の方法。
【請求項11】
前記組織が、前記アップリケーターが前記組織と接触する場合のみ、前記治療放射で照射されることを特徴とする請求項9の方法。
【請求項12】
更に、前記組織を前記眼に安全な放射で照射するアップリケーターを配向する過程を具備することを特徴とする請求項1の方法。
【請求項13】
前記組織は、前記アップリケーターが前記組織の近くにある場合のみ、前記眼に安全な放射で照射されることを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】
前記組織は、前記アップリケーターが前記組織の近くにある場合のみ、前記治療放射で照射されることを特徴とする請求項12の方法。
【請求項15】
組織を放射で眼に安全な仕方で治療する装置に於いて、
放射の発生の制御用で、第1及び第2制御信号を提供するよう構成された制御器と、
対象の眼を刺激するインテンシティで眼に安全な放射を、前記第1制御信号に応答して、発生するよう構成された第1放射ソースと、
治療放射を、前記第2制御信号に応答して、発生するよう構成された第2放射ソースと、
放射送信面を通して前記第1放射ソースから前記組織へ放射を送信するよう構成された放射送信路と、
前記制御器と電氣的に通信し、前記放射送信面が前記組織の近くにある時センサー信号を提供するよう構成されたセンサーと、を具備しており
前記制御器は、前記第1制御信号に続く予め決められた時間間隔の後で、そして前記センサー信号が前記放射送信面が前記組織の近くに留っていることを示す時、前記第2制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記第1放射ソースがダイオードであることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項17】
前記第1放射ソースが600−680nmの範囲内の放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項18】
前記第1放射ソースが優れて赤である波長を有する放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項19】
前記第1放射ソースが1−10mW/cm2の範囲内のインテンシティを有する放射を発生するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項20】
前記予め決められた時間間隔が約0.1から3.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項21】
前記予め決められた時間間隔が約1.0から2.0秒の範囲内にあることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項22】
前記制御器は、前記放射送信面が前記組織に接触する時、前記第2制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項23】
前記制御器は、前記放射送信面が前記組織に接触する時、前記第1制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項24】
前記センサーが、前記眼に安全な放射に応答する前記対象からの嫌悪応答を検出するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項25】
前記嫌悪応答が、眼を細めること、瞳孔拡大、眼の動き、頭の動き、そして腕の動きの1つであることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項26】
前記第1放射ソースが更にセンサー放射を提供するよう構成されており、そして前記センサーが前記センサー放射を検出するよう構成された検出器であることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項27】
前記センサー放射が近赤外線の範囲の波長を有することを特徴とする請求項26の装置。
【請求項28】
前記検出器は、前記センサー放射が第1の予め決められたしきい値を越える時、前記センサー信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項26の装置。
【請求項29】
前記放射送信路は、前記放射送信面が前記組織に接触してない時、前記センサー放射を実質的に全反射するよう構成されることを特徴とする請求項26の装置。
【請求項30】
前記放射送信路は、前記放射送信面が前記組織に接触してない時、前記眼に安全な放射を実質的に全反射するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項31】
前記放射送信路は、前記放射送信面が前記組織に接触してない時、前記治療放射を実質的に全反射するよう構成されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項32】
前記放射送信路は、
第1導波管セクションと、
第2導波管セクションと、そして
ディフューザーとを備えており、
前記第1導波管セクションが前記第1ソースと前記ディフューザーの間に配置され、前記第2導波管セクションが前記ディフューザーと前記放射送信面の間に配置されることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項33】
前記ディフューザーが、実質的に前記放射送信路全体に亘り延びていることを特徴とする請求項32の装置。
【請求項34】
前記ディフューザーがプラスチック、ガラスそしてサファイヤの少なくとも1つで作られることを特徴とする請求項32の装置。
【請求項35】
前記第2導波管セクションがサファイヤであることを特徴とする請求項32の装置。
【請求項36】
前記第2導波管セクションが、前記組織を冷却するよう構成された冷却機構を有することを特徴とする請求項32の装置。
【請求項37】
前記放射送信路が、前記組織を冷却するよう構成された冷却機構を有することを特徴とする請求項15の装置。
【請求項38】
前記放射送信路が実質的にサファイヤで作られることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項39】
前記放射送信路が、前記放射送信路の1部分に亘り延びており、前記第2放射ソースにより発生される放射を拡散するよう配向されたディフューザーを備えることを特徴とする請求項15の装置。
【請求項40】
組織を放射で眼に安全な仕方で治療する装置に於いて、
制御器と電気的に通信する放射ソース組立体と、
前記放射ソース組立体から前記組織へ、放射を送信するよう構成された導波管と、
前記制御器と電気的に通信し、そして前記放射送信面が前記組織の近くにある時、センサー信号を提供するよう構成されたセンサーと、を具備しており、
前記放射ソース組立体は、前記制御器からの信号に応答して、眼に安全で、対象から該対象の眼を刺激する時嫌悪反応を引き起こすことが出来るインテンシティの、第1放射と、前記組織を治療することが出来る第2放射と、を提供するよう構成されており、前記第2放射は、前記センサーが前記導波管が前記組織の近くに留まっていることを示す時、前記第1放射の予め決められた時間の後に、提供されることを特徴とする装置。
【請求項41】
前記放射ソース組立体が更に、第3放射を提供するよう構成されており、前記センサーは前記第3放射を検出し、検出された放射のレベルに基づいてセンサー信号を発するよう構成されることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項42】
前記導波管が更に、前記導波管の1部分に亘り延び、前記放射ソース組立体により作られる放射を拡散するよう配向されたディフューザーを備えることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項43】
前記導波管が前記組織を冷却するよう構成された冷却機構を備えることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項44】
前記センサーは、前記放射送信面が前記組織に接触する時だけセンサー信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項40の装置。
【請求項45】
対象の組織の光美容治療用の装置に於いて、
圧力ソースと、
開端部を有するキャビティと、を具備しており、前記キャビティは前記圧力ソースと流体的に連通しており、そして前記開端部は、前記圧力ソースが圧力を印加する時、前記組織を受けるよう構成されており、該装置は
放射を前記キャビティ内に送信するよう構成された少なくとも1つの放射ソースと、そして
センサー信号を発するよう構成されたセンサーと、を具備しており、
前記センサー信号は、前記センサーが治療用に好適でない組織を検出した時、前記放射送信路からの放射の送信を妨げることを特徴とする装置。
【請求項46】
前記放射ソースが、前記キャビティ内の少なくとも2つの異なる方向から放射を送信するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項47】
前記放射ソースが、各々が治療されない組織により分離された2つ以上の容積の組織のセットを治療するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項48】
前記放射ソースが、前記キャビティ内の独立した治療サイトの配列に放射を提供するよう構成されており、各この様な治療サイトが前記キャビティ内で医療されない組織により分離されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項49】
前記センサーが圧力センサーであることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項50】
前記センサーが前記キャビティ内の前記組織の深さを検出するよう構成された深さセンサーであることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項51】
前記センサーが、前記組織が前記キャビティ内に予め決められた深さを越えて延びる時、前記放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項50の装置。
【請求項52】
前記センサーが放射インテンシティセンサーであることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項53】
前記放射インテンシティセンサーは、前記放射が予め決められたしきい値を越えた時、前記放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項52の装置。
【請求項54】
前記放射インテンシティセンサーは、前記放射が実質的に全反射させられた時、前記放射ソースによる放射の送信を禁ずる制御信号を提供するよう構成されることを特徴とする請求項52の装置。
【請求項55】
前記装置が予め決められた安全比内で動作するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項56】
前記キャビティが、治療されるべき前記組織の表面からの、治療されるべき前記組織内のターゲットの深さ、より大きい深さを有することを特徴とする請求項45の装置。
【請求項57】
前記キャビティが、治療されるべき前記組織の表面からの、治療されるべき前記組織内のターゲットの深さの4倍より小さい側部を有することを特徴とする請求項45の装置。
【請求項58】
前記放射ソースが約0.1から約100J/cm2の作用で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項59】
前記放射ソースが約1msから約500msのパルス幅で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項60】
前記放射ソースが約400と1350nmの間の波長範囲で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項61】
前記放射ソースが約600と1200nmの間の波長範囲で前記組織を照射するよう構成されることを特徴とする請求項45の装置。
【請求項62】
対象の組織の光美容治療のための方法に於いて、
或る容積の前記組織をキャビティ内に引き込む過程と、
前記容積の組織が放射を使って治療するのに安全かどうかを決定する過程と、そして
前記決定に基づき前記容積の組織を放射で治療する過程と、を具備しており、
もし前記組織が治療するのに安全でないことが決定されれば、前記容積の組織は治療されず、そしてもし前記組織が治療するのに安全であることが決定されれば、前記容積の組織が治療されることを特徴とする方法。
【請求項63】
前記治療する過程が少なくとも2つの異なる方向から放射を送信する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項64】
少なくとも2つの異なる方向からの前記放射が、皮膚上の1つ以上のターゲットで重なり合うことを特徴とする請求項63の方法。
【請求項65】
少なくとも2つの異なる方向からの前記放射が、各々が治療されない組織により囲まれる2つ以上の容積の組織のセットを治療することを特徴とする請求項63の方法。
【請求項66】
更に、前記容積の組織内に独立した治療サイトの配列を提供する過程を具備しており、各この様な治療サイトは前記容積内で治療されない組織により分離されることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項67】
前記決定する過程が更に、前記組織に印加された圧力を検出する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項68】
前記組織が、もし前記圧力が予め決められたしきい値を越えるならば、治療するのに安全であることを特徴とする請求項67の方法。
【請求項69】
前記決定する過程が更に、前記キャビティ内での前記組織の前記容積の深さを検出する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項70】
前記組織は、もし前記容積が前記キャビティ内で予め決められた深さを越えるなら、治療するのに安全でないことを特徴とする請求項69の方法。
【請求項71】
前記決定する過程が更に、放射インテンシティセンサーを使って放射を検出する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項72】
前記組織は、前記放射が予め決められたしきい値を越える時、治療するのに安全でないことを特徴とする請求項71の方法。
【請求項73】
前記組織は、前記放射が実質的に全反射される時、治療するのに安全でないことを特徴とする請求項71の方法。
【請求項74】
前記決定する過程が更に、皮膚の温度の上昇対該ターゲットの温度の上昇の比を決定する過程と、そしてもし前記比が予め決められた限界内にないなら、放射の該送信を禁ずる過程と、を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項75】
前記治療する過程が更に、約0.1から約100J/cm2の作用で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項76】
前記治療する過程が更に、約1msから約500msのパルス幅で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項77】
前記治療する過程が更に、約400nmと約1350nmの間の範囲内の少なくとも1つの波長で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【請求項78】
前記治療する過程が更に、約600nmと約1200nmの間の範囲内の少なくとも1つの波長で前記組織を照射する過程を備えることを特徴とする請求項62の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−504260(P2009−504260A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526151(P2008−526151)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/030968
【国際公開番号】WO2007/019536
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(507185406)パロマー・メデイカル・テクノロジーズ・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/030968
【国際公開番号】WO2007/019536
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(507185406)パロマー・メデイカル・テクノロジーズ・インコーポレーテツド (5)
【Fターム(参考)】
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