眼組織を分解するための眼科用装置
眼組織を分解するための眼科用装置(1)は、光パルスを発生させるための光源を有するベースステーション(2)を備えている。眼(6)上に位置させることができるアプリケーションヘッド(4)を有する支持アーム(3)が、ベースステーション(2)に取り付けられている。光パルスは、ベースステーション(2)から光伝達システムを介してアプリケーションヘッド(4)に伝達される。アプリケーションヘッド(4)は、眼組織を点状に分解するために光パルスを集束させて投射するための光投射部(41)を有している。支持アーム(3)は、水平方向に配置された剛な構成であり、水平に向けられた回転軸線(rz)を有するヒンジ(Rz)を有し、このヒンジ(Rz)は、アプリケーションヘッド(4)をこの回転軸線(rz)を中心とした回転(zrot)によって眼(6)上に位置させることができるように取り付けられている。このヒンジ(Rz)により、簡単に実行でき、わずかな機械的摩擦しか生じない回転運動によって、アプリケーションヘッド(4)および光投射部(41)を、手動により制御しながら、鉛直方向に眼(6)上に結合することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼組織を分解するための眼科用装置に関する。特に、本発明は、光パルスを発生するための光源を有するベースステーションと、支持アームによってベースステーションに取り付けることができ、眼上に位置させることができ、光パルスを集束させて投射するための光投射部を有するアプリケーションヘッドと、支持アームを介してベースステーションからの光パルスをアプリケーションヘッドに伝送するための光伝送システムとを備える眼科用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、近視(近眼)、遠視(遠眼)、乱視などの屈折異常は屈折矯正外科手術により恒久的に矯正可能である。屈折矯正外科手術は、眼の屈折力を所望の値に可能な限り近づける目的で変更する、眼に対する外科手術である。屈折矯正外科手術において最も重要な方法の一つは、いわゆる、レーザーによる元の状態への角膜曲率形成術(レーシック(LASIK):laser‐assisted in situkeratomileusis)であり、レーシックでは、角膜フラップ(corneal flap)が予め部分的に切開され端に折り畳まれた後、コンピュータ制御されたエキシマレーザーを用いて角膜内部が除去される。角膜フラップを形成するのには、駆動された外科用メスにより角膜フラップを切開する機械的なマイクロケラトームが用いられている。また。最近では、角膜フラップは、通常100fs〜1000fs(1fs=10−15s)のパルス幅を有する、強く集束されたフェムト秒レーザーパルスを用いて切開されている。レーシックに加えて、フェムト秒レーザーを用いて角膜に対して行われる屈折矯正のための他の処置もある。
【0003】
こうしたシステムは、例えば米国カルフォルニア州アーバイン市にあるイントラレース社(IntraLase Corp.)により、Pulsion FS Laserの商品名で販売されている。このシステムでは、光源(フェムトレーザー)が、ベースステーション内に位置し、関節状に連結されたミラーアームを介して光学アプリケーションヘッドに接続されている。光伝達システムと、偏向システム(スキャナ)と、光投射部とに加え、アプリケーションヘッドは、更に、カメラや外科手術用顕微鏡などの観察手段を備えており、したがって、数キログラムものかなりの重量を有している。患者の眼に光投射部の配置を合わせて宛がうために、アプリケーションヘッドの全体が、線形直進駆動部を介して動かされる。患者はベッドに横たわり動かない。重量のために、手動で宛がうことはできず、電動の駆動部が必要になる。患者に過大な力がかからないようにするために、レーザーシステムは、鉛直な宛がい方向の力計測システムを備えている。
【0004】
また、集束されたフェムト秒レーザーパルスを用いて角膜のフラップを切開するためのシステムはツァイスメディテック社(Zesiss Meditec AG)によってVisumaxとして、また、20/10パーフェクトビジョンオプティシェゲレート社(20/10 Perfect Vision Optische Gerate GmbH)によってFemtecとして販売されている。これらのシステムでは、光投射部がベースステーションに動かないように接続されている。これらのシステムでは、患者のベッドを用いて、患者の配置が光投射部に対して水平面内で、また鉛直方向にも合わせられる。このため、これらのシステムも、手動で患者の眼に宛がうことができない。また、無制御の状態でベッドが移動することを避けるために、患者用の特別なベッドをレーザーシステムの安全システムに組み込む必要がある。このため、このベッドはレーザーシステムの一部となり、その結果システムのコストと必要なスペースが増える。システムの利用者が、適したベッドを選択することはできない。
【0005】
前述のシステムでは、光投射部の患者の眼への結合は、まず、水平面内においてx方向およびy方向に配置を合わせ(眼のセンタリング)、次に、患者を鉛直なz方向に下降または上昇させることにより達成される。
【0006】
特許文献1には、アプリケーションヘッドが、数個のアーム部材とジョイントからなる関節状に連結されたミラーアームを介してベースステーションに融通性を有するように取り付けられ、アプリケーションヘッドと光投射部を患者の眼に手動で宛がうことができるようになったシステムが記載されている。重量のあるアプリケーションヘッドを、関節状に連結されたミラーアームを用いて手動で宛がうことを可能にするために、光投射部は、それ以前に知られていたシステムと比べて小さいレンズシステムを備えている。寸法の小さいレンズシステムであっても、眼の広範囲の作用領域にわたって、集束されたレーザーパルスを用いて作業可能であることを保証するため、アプリケーションヘッドは、更に、光投射部を前方および第1の走査方向に移動させるための移動駆動部を有している。しかしながら、鉛直な走査方向へ光学的に偏向することは不可能である。このように作用領域が限定されると、作用領域内でレーザーパルスを素早く位置決めすることしかできない。その結果、眼全域にわたるレーザーパルスの融通性のある位置決めは、制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1731120号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、少なくとも従来技術のいくつかの欠点を回避する、眼組織を分解するための新規な眼科用装置を提供することを目的とする。特に、本発明は、患者の眼に対し手動で光投射部を宛がうことができ、かつ、高開口数の光学素子を有する光投射部を使用でき、これにより眼の可視領域全体でレーザーパルスを水平方向に、また鉛直方向にも集束させて投射することが可能である、眼組織を分解するための眼科用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、これらの目的は、特に、独立請求項の構成要素により達成される。また、他の有利な実施態様が、従属項と明細書に示されている。
【0010】
眼科用装置は、光パルスを発生するための光源を有するベースステーションと、ベースステーションに取り付けられている支持アームと、支持アームに取り付けられ、眼上に位置させることができ、眼組織を点状に分解するために光パルスを集束させて投射するための光投射部を有するアプリケーションヘッドと、支持アームを介してベースステーションからの光パルスをアプリケーションヘッドに伝達するための光伝達システムとを備えている。
【0011】
上記目的は、本発明により、特に、支持アームが、水平方向に配置された剛な構成であり、一方の端部に、基本的に水平に向けられた回転軸線を有するヒンジ(ドイツ語の「Drehgelenk」)を有し、このヒンジが、アプリケーションヘッドをこの回転軸線を中心として回転(回転運動)させることによって眼上に位置させることができるように取り付けられていることによって達成される。剛な支持アーム、すなわち、一体に構成され本質的に動くことのない支持アームにより、アプリケーションヘッドをベースステーションに安定して簡単に接続することが可能となる。特に、剛な支持アームとその一定で所定の水平方向の配置により、例えば複数の部材からなる関節状に連結されたミラーアームを用いた場合に比べて、より簡素な光伝達システムを構成することが可能になる。剛な支持アームの端部に水平に配置されたヒンジにより、アプリケーションヘッドや光投射部を、好ましいことに機械的に行われる回転運動によって、鉛直方向に眼上に宛がうことができ、この際、アプリケーションヘッドは、運動学的に生じる円弧状に誘導され、これにより、鉛直に移動する部材を眼上に位置させることが可能になる。回転運動の利点は、構成が簡単で、機械的な摩擦が小さいことである。したがって、支持アームおよびヒンジにより、手動による制御しながら、アプリケーションヘッドや光投射部を眼上に結合させ、すなわち、宛がうことが可能となり、好ましいことに、ユーザーは、触覚で感知された力や運動の手応えを介して力や運動を制御するために、触覚を用いることができる。力を加えたり力を制限したりする能動的なシステムは不要であるので、受動的なシステム要素を使用するだけで高い安全性が得られる。支持アームは簡素に構成され、アクチュエータ、およびセンサーの数は少なく、もしくは全く必要とされないので、更に構成を簡素にすることができ、これにより低コスト化が達成される。更に、患者の直上に配置される部材の全体の寸法を小さくすることができる。
【0012】
ヒンジは、支持アームがベースステーションに取り付けられている側から離れた側の支持アームの端部に配置され、アプリケーションヘッドは、このヒンジを介して移動可能に支持アームに接続されることが好ましい。アプリケーションヘッドを、ヒンジを介して移動可能に剛な支持アーム上に配置することにより、システムの、手動で宛がわれる部分の寸法および重量が低減され、これにより、手動で宛がうことが更に容易となり制御可能となる。
【0013】
ヒンジは、アプリケーションヘッドを鉛直な直立位置に回転させることができるように取り付けられることが好ましい。アプリケーションヘッドを鉛直な直立位置に位置させることには、オペレータが、例えば掃除や、替えの投射部および/または接触部材を取り付けることや、および/または使い捨ての保護カバーを取り付けることなどの、メンテナンスや準備のために光投射部に近づきやすくなるという利点がある。
【0014】
一実施態様では、装置は、アプリケーションヘッドを眼の上方で位置決めするための位置決め面に平行に支持アームを回転運動させ、および/または直進運動させるための位置決め手段を備えている。位置決め手段は、例えば、ガイドレール、および/または水平位置決め面内での直進運動用の駆動手段、および/または鉛直方向に延びる回転軸線を中心とした回転(回転運動)を可能にするヒンジを備えている。
【0015】
一実施態様では、水平に向けられたヒンジは追加ヒンジを介して支持アームに接続されている。追加ヒンジは、鉛直に向けられた回転軸線を有し、この鉛直な回転軸線を中心としたアプリケーションヘッドの回転を可能にする。水平に向けられたヒンジを支持アームに接続するために、垂直に向けられたヒンジを使用することにより、鉛直な軸線および水平な軸線を中心とした簡単で所定の機械的な回転運動を介して、アプリケーションヘッドや光投射部を位置決めし配置することが可能になる。更に、アプリケーションヘッドは、鉛直な直立位置に位置させられた時に、メンテナンスや準備操作を容易にするために患者から離してオペレータの方にさらに回転させることができる。
【0016】
別の実施態様では、支持アームは、水平に向けられたヒンジを介してベースステーションに可動に接続され、このヒンジは、例えばピボットヒンジまたはピボットジョイントとして取り付けられている。水平に向けられた回転軸線は支持アームの縦軸線と揃えられており、支持アームのその縦軸線を中心とした回転を可能にする。このようにして、支持アームをその縦軸線を中心に回転させることにより、アプリケーションヘッドまたは光投射部をそれぞれ、簡単で所定の機械的な回転運動を介して眼上に位置させることが可能となる。
【0017】
一実施形態では、アプリケーションヘッドは、追加ヒンジを介して支持アームに接続されている。追加ヒンジは、支持アームの縦軸線に対して垂直に向けられた回転軸線を有し、鉛直なこの回転軸線を中心としたアプリケーションヘッドの回転を可能にする。支持アームに対し垂直に向けられたヒンジにより、アプリケーションヘッドを眼の上方で支持アームの回転運動を介して位置決めすることができる。
【0018】
一実施態様では、支持アームは、鉛直に向けられた回転軸線を有し、この鉛直な回転軸線を中心とする支持アームの回転を可能にするピボットジョイントを介して、ベースステーションに接続されている。ピボットジョイントを用いて支持アームをベースステーションに接続することによって、支持アーム、ひいてはアプリケーションヘッドおよび光投射部を位置決めし、配置するのにより高い融通性が得られる。
【0019】
一実施態様では、装置は、支持アーム内に配置され、少なくとも2つの走査方向に光パルスを偏向するために使用されるビーム偏向手段を備え、光投射部は、光投射部を機械的に移動させることなく、眼組織を分解するために、偏向された光パルスを、好ましいことに、直径11mmの作用領域全域にわたって集束させて投射させることができる寸法に形成されている。
【0020】
別の実施態様では、アプリケーションヘッドは、光投射部の投射方向に眼の上面を観察できるようにする観察窓を有している。この観察窓によって、ベースステーションに可動に接続され、またはベースステーションから独立した光学的な観察または計測モジュール、例えばカメラ、顕微鏡、または計測装置を用いて眼の上面を観察することが可能になる。光学的な観察または計測モジュールは、アプリケーションヘッドが眼上に位置させられ、または位置させられつつある時に、光投射部の投射方向に向けられ、観察窓の上方で旋回させることができ、またはその逆である。更に、光学的な観察または計測モジュールは、必要のない場合、離れた所に旋回させることができる。光学的な観察または計測モジュールを、眼の上方で視線に入れたり視線から外したりするように旋回させることができることは、アプリケーションヘッド全体の寸法ひいてはその重量を更に減少させ、操作性も向上させることができることを意味する。
【0021】
一実施態様では、重量補償手段が、アプリケーションヘッドの有する重量により軽減された宛がい力を伴わせてアプリケーションヘッドを眼上に位置させることができるように、回転軸線上でアプリケーションヘッドを部分的に釣り合わせるために、アプリケーションヘッドに接続されている。回転運動に影響する質量(アプリケーションヘッドおよび、構成によっては、支持アーム)を部分的にだけ釣り合わせる構成を用いることによって、眼に対する宛がい力は、重力によって発生させることができる。一実施態様では、重量補償手段は、例えばアプリケーションヘッドを完全にまたは過剰に釣り合わせるために、オペレータによって調整可能であり、そのため、眼に加えられる力をオペレータが手動で生じさせることができる。
【0022】
別の実施態様では、光投射部は、アプリケーションヘッドの、投射方向に向けられた突出部内に第1のレンズシステムを備え、光投射部は、アプリケーションヘッドの、突出部からずれるように角度を付けられて支持アームの方に向けられた供給部内に第2のレンズシステムを備え、第1のレンズシステムと第2のレンズシステムは、偏向ミラーを介してカップリングされている。投射部と供給部に分割されたレンズシステムの構成により、光投射部の構造的高さ、ひいてはアプリケーションヘッドの構造的高さを低くすることができる。更に、顕微鏡やカメラなどの外部補助部、患者が眼を定着させることができる視覚補助部、および/または照準補助部、または計測装置をより簡単に適用することが可能になる。
【0023】
一実施態様では、アプリケーションヘッドは、投射方向に向けられた突出部と、突出部からずれるように角度を付けられて支持アームの方に向けられた供給部を備えている。突出部は、例えば、供給部を通って延びる縦軸線を中心に軸方向に、および/または供給部の縦軸線に垂直に延びる横軸線を中心に回転可能に供給部に接続されている。突出部を回転可能に供給部に接続することによって、光投射部および光投射部に取り付けられた固定手段を、眼に対し正確に配置を合わせることが可能になる。
【0024】
別の実施態様では、装置は、回転軸線を中心としたアプリケーションヘッドの回転位置を固定または固定解除するためのロックを備えている。
【0025】
一実施態様では、装置は、眼の鉛直方向の位置を判定するための高さ判定手段を備え、ベースステーションは、支持アームの鉛直方向の基本位置を設定するための高さ位置決め手段を備えている。支持アームの鉛直方向の基本位置を設定することにより、アプリケーションヘッドを鉛直方向に眼上に位置させるために必要とされる回転運動を小さくすることができ、この結果、鉛直に移動する部材に、より近い領域内に保つことができ、これにより、一方で、アプリケーションヘッドを結合させるために必要な移動ストロークを小さくすることができ、他方で、アプリケーションヘッドと眼の水平方向の配置合わせ(センタリング)が容易になる。
【0026】
他の実施態様では、アプリケーションヘッドは、手動操作のための一またはそれ以上のグリップおよびグリップ構造体と、眼上に位置させることができ、少なくとも部分的に光透過性を有し、また、作用面に対して等距離に眼との接触領域を生じるように構成され配置された接触体と、圧力をかけて眼上にアプリケーションヘッドを固定するための固定手段とを有している。光源は、フェムト秒レーザーを備えることが好ましい。
【0027】
別の実施態様では、装置は、ベースステーションに取り付けられた柱を備えている。支持アームは、この柱に取り付けられ、この柱は、支持アームの鉛直方向の位置を設定するために鉛直方向に可動である。
【0028】
一実施態様では、アプリケーションヘッドは、細長い部材として形成されている。水平に向けられた回転軸線上で少なくとも部分的にアプリケーションヘッドを釣り合わせるためのカウンターウェイトが、細長い部材に一体化されている。例えば、細長い部材内に配置されたビーム偏向手段を、アプリケーションヘッドを釣り合わせるためのカウンターウェイトとして使用することができ、それが有利である。細長い部材は、支持アームの縦軸線に垂直に向けられた回転軸線を有するヒンジを介して支持アームに接続されている。このヒンジにより、細長い部材を横方向に移動させることが可能となり、その結果、支持アームの縦軸線に平行にアプリケーションヘッドを移動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームと共に一体に構成されたベースステーションを備える眼科用装置を示す模式的な側面図である。
【図2】図2は、水平な位置決め面内でベースステーションに対して直進移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示す模式的な側面図である。
【図3】図3は、位置決め面内でベースステーションに対して直進移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図4】図4は、位置決め面内でベースステーションに対して直進移動および回転移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図5】図5は、位置決め面内で鉛直な回転軸線を中心にベースステーションに対して回動移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示すも模式的な平面図である。
【図6】図6は、位置決め面内でベースステーションに対して鉛直な回転軸線を中心に回動移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える別の眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図7】図7は、支持アームに続く供給部内のレンズシステムと、角度をつけられた突出部内の別のレンズシステムとを備えるアプリケーションヘッドを示す模式的な側面図である。
【図8】図8は、突出部の上方に観察窓を備え、観察窓に、光学的な観察補助部または計測モジュールが取り外し可能に接続されたアプリケーションヘッドを示す模式的な側面図である。
【図9】図9は、供給部に回転可能に接続された突出部を備えるアプリケーションヘッドを示す模式的な側面図である。
【図10】図10は、回転によって鉛直な直立位置に移動可能な支持アームを備える別の眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図11】図11は、患者と共に模式的に示されたベッドに隣接して位置する別の眼科用装置を示す三次元図である。
【図12】図12は、支持アームの縦軸線を中心に回転可能な支持アームを有する、図11の眼科用装置を示す三次元図である。
【図13】図13は、図10に示す眼科用装置を示す三次元図である。
【図14】図14は、別の角度から見た、図14に示す眼科用装置を示す三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜図6および図10〜14において、参照番号1は、眼組織を分解するための眼科用装置を示す。眼科用装置1は、ベースステーション2と、ベースステーション2に取り付けられ本質的に剛である水平な支持アーム3とを備えている。眼科用装置1を搬送するために、ベースステーション2にはロック可能なローラーや車輪が設けられている。アプリケーションヘッド4が、動かないように、または水平方向に向けられたヒンジRzを介して支持アーム3に取り付けられている。また、図1は、支持アーム3に動かないように接続された観察、結像、および/または計測用の任意構成の光学モジュール7、例えばアプリケーション工程(結合)および治療を観察するためのモニターおよび/または顕微鏡を示している。図1〜6、図10、図13、および図14にかかる実施形態では、アプリケーションヘッド4は、水平な回転軸線rzを中心に回転するように水平方向に向けられたヒンジRzを介して支持アーム3に接続されている。各実施形態では、水平方向に向けられたヒンジRzは、支持アーム3の、支持アーム3がベースステーション2に接続されている側から離れた側の端部に配置されている。図1および図2の側面図に模式的に示すように、回転軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転Zrotによって、アプリケーションヘッド4を降下させ眼6上に位置させるために、部材の鉛直移動をz方向に行うことができるように、ヒンジRzは配置され構成されている。手動走査用に、グリップおよび/またはグリップ構造体46がアプリケーションヘッド4に取り付けられている。一実施形態では、慣性質量を低く保ち、移動させられる部材の数を減らすために、回転軸線rzは患者の近くに配置されている。当業者であれば、回転軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転を、例えばこの目的で用いられる他の複数のヒンジRzを用いて、平行四辺形ガイドによっても達成できることが理解できるであろう。
【0031】
図1にのみ模式的に示すが、いずれの場合にも、眼科用装置1は、ベースステーション2内に配置され光パルスを発生する光源21(レーザー光源)、特にフェムト秒レーザーパルスを発生するフェムト秒レーザーと、ベースステーション2からの光パルスを支持アーム3を通してアプリケーションヘッド4へ伝達する光伝達システム22とを備えている。眼科用装置1は、回転軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転の位置を固定または固定解除するためのロック32、例えば選択的に作動させ解除することができる摩擦継ぎ手、キャッチ、または他の係合部材を備えることが好ましい。
【0032】
ビーム偏向手段31が、光伝達システム22に挿入されており、少なくとも2つの走査方向に光パルスを偏向するように構成されている。ビーム偏向手段31に適したスキャナは、例えば、国際公開第2007/056486号パンフレットに記載されている。また、ガルバノスキャナや音響光学変調器も適している。治療領域への距離を最小にするために、ビーム偏向手段31は、支持アーム3内におよび/またはアプリケーションヘッド4内に配置されるのが好ましい。例えば、レーザービームを2つの(水平な)走査方向に偏向するために、ガルバノスキャナがアプリケーションヘッド4内に取り付けられる一方、(鉛直方向の)投射の焦点を調整するための光学部材、例えば可動レンズが支持アーム3内部に取り付けられている。代替例では、ビーム偏向手段31は、支持アーム3内に取り付けられた付加的な高走査装置を備えており、高走査装置により、例えば、特許文献1に記載されているように、方向調整が可能なマイクロスキャンを通常のスキャンパターンに重ねることが可能になる。アプリケーションヘッド4は、点状に眼組織を分解するために、眼6内および/または眼6上へ光パルスを集束させて投射するためのレンズシステム42,43を有する光投射部41を備えている。偏向された光パルスは、光伝達システム22により、ビーム偏向手段31を介して光投射部41へと前方に伝達される。ビーム偏向手段31および光投射部41は、眼の可視領域全域にわたって隣接する作用領域を走査し、眼組織、特に角膜内の互いに隣接する複数の部位を切開できるように集束効果を生じて作用するように構成されている。ビーム偏向手段31および光投射部41によって、平坦な作用領域、例えば水平方向の作用領域に集束させた走査が可能になるだけでなく、目標とする集束の鉛直方向での位置決めによって、三次元的に規定された作用領域、例えば鉛直断面および湾曲断面に集束させた走査も可能になる。
【0033】
なお、図には示されていないが、アプリケーションヘッド4は、眼6上に配置可能な接触体を備えており、この接触体は、少なくとも一部が光に対して透過性を有し、眼6に対し、作用面に対して等距離であるのが好ましい接触領域を生じるように構成され配置されており、圧力をかけてアプリケーションヘッド4を眼6に固定するための固定手段を有している。接触体は、例えば、平坦であってもよく、または球状であってもよい。
【0034】
図7に模式的に示すように、図1〜図6および図10〜図14と組み合わせることができる一実施形態において、アプリケーションヘッド4は、支持アーム3に接続されている供給部4Aと、供給部4Aに対して角度を有する突出部4Bとを備えている。この実施形態では、光投射部41は、突出部4B内の第1のレンズシステム43と、供給部4A内の第2のレンズシステム42とを備えている。第1のレンズシステム43と第2のレンズシステム42は、偏向ミラー45を介してカップリングされている。アプリケーションヘッド4は、投射方向vでの眼6の上面の観察を可能にする観察窓44を備えることが好ましい。観察窓44は、例えば、偏向ミラー45が、観察波長の光に対して透過性を有するようにして構成されている。参照番号47は、以下に更に詳細に記載する結合手段を示している。
【0035】
図8に模式的に示すように、観察窓44により、例えばモジュール支持部51を用いて、鉛直方向に向けられた回転軸線を中心に回転するようにベースステーション2に取り付けられている光学的観察、結像、計測用のモジュール5、例えば、旋回可能な任意構成のモニターの光学カップリングが可能になる。このため、これらのモジュールは、アプリケーションヘッド4の上方であちこちに旋回させることができ、光投射部41の光学的な投射軸線vに対してモジュールの光軸線の配置を合わせることができる。更に、これらのモジュールは、結合手段47、例えば取り外し可能なスナップフィット式のキャッチまたはバヨネット式のキャッチを介して機械的にアプリケーションヘッド4に取り外し可能に接続することができる。結合手段47により、観察窓44の上方に配置される光学的観察、結像、および計測用のモジュール5を眼科用装置1に機械的および光学的に接続することができる。これらのアドオンモジュールの付加的重量は、それに応じて、調整可能な重量補償手段33、例えば調整可能なカウンターウェイト33´を設定することによって補償することができる。
【0036】
図1〜図8および図10〜図14と組み合わることができ、図9に模式的に示されている任意構成の実施形態では、突出部4Bは、旋回可能に供給部4Aに取り付けられている。図9にかかる変形例では、アプリケーションヘッド4は、ヒンジRφを有しており、突出部4Bは、供給部4Aを通って延びる縦軸線rφを中心とした角度φで回転可能に接続されている。アプリケーションヘッド4は、更に、ヒンジRβを有し、突出部4Bは、縦軸線rφに対し垂直に延びる横軸線rβを中心とした角度βで回転可能に供給部4Aに接続されている。例えば、互いに異なる突出部分、および/または、接触および/または固定部材を取り付けるために、眼科用装置1は、回転軸線rφを中心とした突出部4Bの回転位置を固定したり固定解除したりするためのロック、例えば選択的に作動および解除させることができる摩擦継ぎ手、キャッチ、または他の係合部材を備えることが好ましい。
【0037】
図1にかかる実施形態では、支持アーム3はベースステーション2に動かないように接続されており、例えば、ベースステーション2および支持アーム3は、共通の筐体を有する全体として単一のユニットとして一体に構成されている。この例では、眼6と光投射部41との相互の配置を合わせること、すなわち、光投射部41の眼6に対するセンタリングは、患者のベッドまたはベースステーション2を水平位置決め面(通常は、ベースステーション2が配置される地面に対して平行である)のx方向およびy方向に移動させることで達成される。
【0038】
図2および図3にかかる実施形態では、支持アーム3は、光投射部4の配置を眼6に対して合わせるために、支持アーム3をベースステーション2に対して水平位置決め面のx方向およびy方向に直進移動させることができるように、ベースステーション2に対して可動に接続されている。こうした直進移動は、直進移動駆動部によって、または、相応の案内部を介して手動で達成される。
【0039】
図4にかかる実施形態では、支持アーム3は、ヒンジRy、例えばピボットヒンジまたはピボットジョイントを介してベースステーション2に接続されている。ヒンジRyにより、鉛直な回転軸線ryを中心とした支持アーム3の回転yrotが可能になる。図4に模式的に示すように、ヒンジRyは、回転軸線ryを中心とした支持アーム3の回転yrotにより、光投射部41の位置を眼6に対して合わせるために、y方向の水平移動が可能となるように配置され構成されている。図2および図3におけるのと同様に、光投射部41の配置は、直進移動によってx方向に合わせることができる。
【0040】
図5にかかる実施形態では、光投射部41の配置は、x方向およびy方向の回転によって合わせることができる。図4にかかる実施形態では、アプリケーションヘッド4は、支持アーム3の、支持アーム3がベースステーション2に接続されている側から離れた側の端部に、特にヒンジRxを介して接続されている。ヒンジRxにより、鉛直な軸線rxを中心としたアプリケーションヘッド4の回転xrotが可能になる。図5に模式的に示すように、ヒンジRxは、回転軸線rxを中心としたアプリケーションヘッド4の回転により眼6に対して光投射部41の配置を合わせるためにx方向の水平移動が可能となるように配置され構成されている。図4におけるのと同様に、回転運動によって光投射部41の配置をy方向に合わせることができる。
【0041】
図6にかかる実施形態では、図5におけるのと同様に、x方向およびy方向の回転により光投射部41の配置を合わせることができる。しかし、図6にかかる実施形態では、ヒンジRzまたは回転軸線rzは、図5の配置と比べ90度回転させられている。x方向の移動は、支持アーム3をベースステーション2に接続するヒンジRxの鉛直な回転軸線rxを中心とした支持アーム3の回転xrotによって達成される。y方向の移動は、アプリケーションヘッド4を支持アーム3に接続するヒンジRyの鉛直な回転軸線ryを中心としたアプリケーションヘッド4の回転yrotによって達成される。
【0042】
x方向およびy方向の直進移動および/または回転運動xrotおよびyrotによってアプリケーションヘッド4および光投射部41の水平方向の配置を合わせるための支持アーム3の回転運動および/または直進移動のための位置決め手段は、手動での移動用に、および/または移動駆動部を用いて構成することができる。
【0043】
図2にのみ模式的に示すが、眼科用装置1は、アプリケーションヘッドに接続されている重量補償手段33、例えば図10〜図14に示す調整可能なカウンターウェイト33´またはばねを備えている。重量補償手段33は、アプリケーションヘッド4を所定の作用力を伴って眼6上に位置させることができるように、回転軸線rzを中心として回転する重量物を部分的にのみ釣り合わせるように構成されることが好ましい。
【0044】
図1にのみ模式的に示すが、眼科用装置1は、更に、ベースステーション2内に配置されている制御部23を備えている。制御部23によって、眼6上に位置させるためにアプリケーションヘッド4が移動させられる際にビーム偏向手段31が作動させられないことが保証される。また、制御部23は、ビームの偏向を制御し、また、移動駆動部を制御し監視するように構成されている。制御部23は、更に、力や運動やビームパラメータを監視する安全機能を備えている。
【0045】
一実施形態では、眼科用装置1は、更に、眼6の鉛直方向の位置を判定するための高さ判定手段22、例えばカメラや、支持アーム3に取り付けられた投射部からのアライメントレーザービームを備えており、ベースステーション2は、ベースステーション2、および、結び付けられた支持アーム3の鉛直方向の基本的な位置を設定するための高さ位置決め手段24、例えば直進移動駆動部を備えている。したがって、鉛直方向の位置を設定することにより、高さ位置決め手段24によって、支持アーム3のための水平方向の位置決め面の高さを調整することができるようになっている。設定された鉛直方向の位置で、支持アーム3は、直進移動および/または回転を通じた水平方向の所定の移動に制限される。支持アーム3は、設定された高さで横方向に移動させることができるが、本質的に水平方向の配置を維持する。高さ位置決め手段24は、例えば制御部23によって、高さ判定手段22により判定された眼6の鉛直方向の位置に基づいて制御される。手動で基本位置を設定することも可能である。基本位置を設定することにより、アプリケーションヘッド4に必要とされる移動ストロークを、例えば、10mm〜20mmに減らすことが可能である。図11〜図14にかかる実施形態では、支持アーム3は柱8に取り付けられている。柱3は、支持アーム3の鉛直方向の位置を設定するために鉛直方向に可動である。少なくとも図13および図14の実施形態では、柱8は、ヒンジRx、特にピボットヒンジまたはピボットジョイントを介してベースステーション2に接続され、鉛直な軸線rxを中心に回転可能であることが好ましい。
【0046】
図10〜図14にかかる実施形態では、図2を参照しながら前述したように、アプリケーションヘッド4との釣り合いをとるためのカウンターウェイト33´がアプリケーションヘッド4に取り付けられている。アプリケーションヘッド4と、取り付けられたカウンターウェイト33´とは、細長い部材9として形成されることが好ましい。
【0047】
図10〜図14にかかる実施形態は、基本的に図5および図6の実施形態に対応している。しかし、図10〜図14では、アプリケーションヘッド4および取り付けられたカウンターウェイト33´を有する細長い部材9が、ベースステーション2と、支持アーム3と、柱8とのいずれにも妨害されることなく、水平な回転軸線rzを中心にして自在に回転可能であることが、より明確に示されている。図11〜図14に示すように、ベースステーション2は、細長い部材9を通過させる凹部25を有している。少なくとも、細長い部材9は、鉛直な直立位置に回転させることができ、これにより、カウンターウェイト33´が凹部25でベースステーション2の近傍に位置させられ、アプリケーションヘッド4および光投射部41は、ベースステーション2から離れた側の最上部に位置する。図10〜図14の実施形態では、ベースステーション2は、患者の右側または左側に位置させることが可能であり、アプリケーションヘッド4は、細長い部材9を適切に位置させることにより、患者の体に垂直にまたは患者の体に沿って患者の眼の上方に配置可能である。例えば、図11および図12の実施形態では、アプリケーションヘッド4は、鉛直方向に向けられた回転軸線ryを中心に細長い部材9を回転させることで、患者のどちらの側にも、患者の体に対して垂直に、または患者の体に沿って位置させることが可能である。あるいは、図10〜図14の実施形態では、アプリケーションヘッド4は、縦軸線rφを中心とした突出部4Bの各回転と組み合わせた、水平な回転軸線rzを中心とした細長い部材9の回転を介して、患者の体に対して垂直に、または患者の体に沿って患者の眼の上方に配置可能である。眼科用装置1は、個別にまたは同時に、支持アーム3、細長い部材9、アプリケーションヘッド4、および/または突出部4Bの配置を判定するための配置検出部を備えることが好ましい。この配置検出部は、検出された配置に基づいてスキャナと、カメラと、計測モジュールとの設定を調整し釣り合わせるように構成された処理部に接続されている。
【0048】
図10〜図14にかかる実施形態では、細長い部材9は、支持アーム3の縦軸線に対して垂直に向けられた回転軸線ryを有するヒンジRyを介して支持アーム3に接続されている。ヒンジRyにより、回転軸線ryを中心とした回転yrotを介して、細長い部材9の、したがって、アプリケーションヘッド4の横方向の移動が可能になる。図11〜図14に示すように、アプリケーションヘッド4とカウンターウェイト33´とを備えた細長い部材9は、細長い部材9を、支持アーム3によって妨害されることなく回転軸線ryを中心として自在に回転させることができるように、支持アーム3からずらして配置されている。細長い部材9が鉛直な直立位置にある時に、細長い部材9が回転軸線ryを中心に自在に回転できるようにするために、凹部25は、円形面26を有するように相応に形成され/縁取りされている。
【0049】
図11および図12にかかる実施形態では、支持アーム3は、水平方向に向けられたヒンジRz、例えばピボットヒンジやピボットジョイントを介して可動にベースステーション2、例えば柱8に接続されており、好ましくは、細長い部材9は、支持アーム3がベースステーション2、例えば柱8に動かないように接続された側から離れた側の支持アーム3の端部の水平方向に向けられたヒンジRz´を介して支持アーム3に接続されている。基本的に、水平方向に向けられた回転軸線rzは、支持アーム3の縦軸線に揃えられており、回転軸線rzによって、支持アーム3の縦軸線を中心とした細長い部材9の回転が可能になっている。回転可能な支持アーム3および/または細長い部材9の回転により、水平な軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転zrotが可能となる一方で、ヒンジRyにより、支持アーム3の縦軸線に平行なアプリケーションヘッド4の横方向の移動が可能になっている。
【0050】
図13および図14にかかる実施形態では、支持アーム3がベースステーション2、例えば柱8に動かないように接続されている。支持アーム3がベースステーション2に接続されている側から離れた側の支持アーム3の他方の端部で、細長い部材9が、水平方向に向けられたヒンジRzを介して支持アーム3に接続されている。水平方向に向けられたヒンジRzは、支持アーム3の縦軸線に垂直に配置された鉛直な回転軸線ryを有する鉛直方向に向けられたヒンジRyを介して支持アーム3に接続されている。水平方向に向けられたヒンジRzにより、水平な軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転zrotが可能になる一方で、ヒンジRyにより、支持アーム3の縦軸線に水平なアプリケーションヘッド4の横方向の移動が可能になっている。細長い部材が、水平ではない位置にある時に、回転軸線ryを中心として細長い部材9が自在に回転できるようにするために、支持アーム3には円形面27が設けられている。
【0051】
眼科用装置1は、更に、各回転軸線を中心とした回転可能部材の回転位置を固定または固定解除するロックを有することが好ましく、具体的には、眼科用装置1を搬送し、または停止させるための、および、眼科用装置1に様々な光学的および/または機械的要素を取り付けるための複数の規定位置が設けられている。更に、手動での操作や制御のために、眼科用装置1は、可動部品、特に支持アーム3、細長い部材9、アプリケーションヘッド4、および/または突出部4Bに配置されたハンドルおよび/またはグリップ構造体を備えている。
【0052】
なお、「ヒンジ」という用語は、発明の範囲を制限しようとするものではなく、ドイツ語の「Drehgelenk」、すなわち、2つの機械的構造体を接続し、少なくとも一方の構造体の、他の構造体に対する、所定の回転軸線を中心とした回転を可能にするピボットジョイントと同じ広い意味を意図している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼組織を分解するための眼科用装置に関する。特に、本発明は、光パルスを発生するための光源を有するベースステーションと、支持アームによってベースステーションに取り付けることができ、眼上に位置させることができ、光パルスを集束させて投射するための光投射部を有するアプリケーションヘッドと、支持アームを介してベースステーションからの光パルスをアプリケーションヘッドに伝送するための光伝送システムとを備える眼科用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、近視(近眼)、遠視(遠眼)、乱視などの屈折異常は屈折矯正外科手術により恒久的に矯正可能である。屈折矯正外科手術は、眼の屈折力を所望の値に可能な限り近づける目的で変更する、眼に対する外科手術である。屈折矯正外科手術において最も重要な方法の一つは、いわゆる、レーザーによる元の状態への角膜曲率形成術(レーシック(LASIK):laser‐assisted in situkeratomileusis)であり、レーシックでは、角膜フラップ(corneal flap)が予め部分的に切開され端に折り畳まれた後、コンピュータ制御されたエキシマレーザーを用いて角膜内部が除去される。角膜フラップを形成するのには、駆動された外科用メスにより角膜フラップを切開する機械的なマイクロケラトームが用いられている。また。最近では、角膜フラップは、通常100fs〜1000fs(1fs=10−15s)のパルス幅を有する、強く集束されたフェムト秒レーザーパルスを用いて切開されている。レーシックに加えて、フェムト秒レーザーを用いて角膜に対して行われる屈折矯正のための他の処置もある。
【0003】
こうしたシステムは、例えば米国カルフォルニア州アーバイン市にあるイントラレース社(IntraLase Corp.)により、Pulsion FS Laserの商品名で販売されている。このシステムでは、光源(フェムトレーザー)が、ベースステーション内に位置し、関節状に連結されたミラーアームを介して光学アプリケーションヘッドに接続されている。光伝達システムと、偏向システム(スキャナ)と、光投射部とに加え、アプリケーションヘッドは、更に、カメラや外科手術用顕微鏡などの観察手段を備えており、したがって、数キログラムものかなりの重量を有している。患者の眼に光投射部の配置を合わせて宛がうために、アプリケーションヘッドの全体が、線形直進駆動部を介して動かされる。患者はベッドに横たわり動かない。重量のために、手動で宛がうことはできず、電動の駆動部が必要になる。患者に過大な力がかからないようにするために、レーザーシステムは、鉛直な宛がい方向の力計測システムを備えている。
【0004】
また、集束されたフェムト秒レーザーパルスを用いて角膜のフラップを切開するためのシステムはツァイスメディテック社(Zesiss Meditec AG)によってVisumaxとして、また、20/10パーフェクトビジョンオプティシェゲレート社(20/10 Perfect Vision Optische Gerate GmbH)によってFemtecとして販売されている。これらのシステムでは、光投射部がベースステーションに動かないように接続されている。これらのシステムでは、患者のベッドを用いて、患者の配置が光投射部に対して水平面内で、また鉛直方向にも合わせられる。このため、これらのシステムも、手動で患者の眼に宛がうことができない。また、無制御の状態でベッドが移動することを避けるために、患者用の特別なベッドをレーザーシステムの安全システムに組み込む必要がある。このため、このベッドはレーザーシステムの一部となり、その結果システムのコストと必要なスペースが増える。システムの利用者が、適したベッドを選択することはできない。
【0005】
前述のシステムでは、光投射部の患者の眼への結合は、まず、水平面内においてx方向およびy方向に配置を合わせ(眼のセンタリング)、次に、患者を鉛直なz方向に下降または上昇させることにより達成される。
【0006】
特許文献1には、アプリケーションヘッドが、数個のアーム部材とジョイントからなる関節状に連結されたミラーアームを介してベースステーションに融通性を有するように取り付けられ、アプリケーションヘッドと光投射部を患者の眼に手動で宛がうことができるようになったシステムが記載されている。重量のあるアプリケーションヘッドを、関節状に連結されたミラーアームを用いて手動で宛がうことを可能にするために、光投射部は、それ以前に知られていたシステムと比べて小さいレンズシステムを備えている。寸法の小さいレンズシステムであっても、眼の広範囲の作用領域にわたって、集束されたレーザーパルスを用いて作業可能であることを保証するため、アプリケーションヘッドは、更に、光投射部を前方および第1の走査方向に移動させるための移動駆動部を有している。しかしながら、鉛直な走査方向へ光学的に偏向することは不可能である。このように作用領域が限定されると、作用領域内でレーザーパルスを素早く位置決めすることしかできない。その結果、眼全域にわたるレーザーパルスの融通性のある位置決めは、制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第1731120号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、少なくとも従来技術のいくつかの欠点を回避する、眼組織を分解するための新規な眼科用装置を提供することを目的とする。特に、本発明は、患者の眼に対し手動で光投射部を宛がうことができ、かつ、高開口数の光学素子を有する光投射部を使用でき、これにより眼の可視領域全体でレーザーパルスを水平方向に、また鉛直方向にも集束させて投射することが可能である、眼組織を分解するための眼科用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、これらの目的は、特に、独立請求項の構成要素により達成される。また、他の有利な実施態様が、従属項と明細書に示されている。
【0010】
眼科用装置は、光パルスを発生するための光源を有するベースステーションと、ベースステーションに取り付けられている支持アームと、支持アームに取り付けられ、眼上に位置させることができ、眼組織を点状に分解するために光パルスを集束させて投射するための光投射部を有するアプリケーションヘッドと、支持アームを介してベースステーションからの光パルスをアプリケーションヘッドに伝達するための光伝達システムとを備えている。
【0011】
上記目的は、本発明により、特に、支持アームが、水平方向に配置された剛な構成であり、一方の端部に、基本的に水平に向けられた回転軸線を有するヒンジ(ドイツ語の「Drehgelenk」)を有し、このヒンジが、アプリケーションヘッドをこの回転軸線を中心として回転(回転運動)させることによって眼上に位置させることができるように取り付けられていることによって達成される。剛な支持アーム、すなわち、一体に構成され本質的に動くことのない支持アームにより、アプリケーションヘッドをベースステーションに安定して簡単に接続することが可能となる。特に、剛な支持アームとその一定で所定の水平方向の配置により、例えば複数の部材からなる関節状に連結されたミラーアームを用いた場合に比べて、より簡素な光伝達システムを構成することが可能になる。剛な支持アームの端部に水平に配置されたヒンジにより、アプリケーションヘッドや光投射部を、好ましいことに機械的に行われる回転運動によって、鉛直方向に眼上に宛がうことができ、この際、アプリケーションヘッドは、運動学的に生じる円弧状に誘導され、これにより、鉛直に移動する部材を眼上に位置させることが可能になる。回転運動の利点は、構成が簡単で、機械的な摩擦が小さいことである。したがって、支持アームおよびヒンジにより、手動による制御しながら、アプリケーションヘッドや光投射部を眼上に結合させ、すなわち、宛がうことが可能となり、好ましいことに、ユーザーは、触覚で感知された力や運動の手応えを介して力や運動を制御するために、触覚を用いることができる。力を加えたり力を制限したりする能動的なシステムは不要であるので、受動的なシステム要素を使用するだけで高い安全性が得られる。支持アームは簡素に構成され、アクチュエータ、およびセンサーの数は少なく、もしくは全く必要とされないので、更に構成を簡素にすることができ、これにより低コスト化が達成される。更に、患者の直上に配置される部材の全体の寸法を小さくすることができる。
【0012】
ヒンジは、支持アームがベースステーションに取り付けられている側から離れた側の支持アームの端部に配置され、アプリケーションヘッドは、このヒンジを介して移動可能に支持アームに接続されることが好ましい。アプリケーションヘッドを、ヒンジを介して移動可能に剛な支持アーム上に配置することにより、システムの、手動で宛がわれる部分の寸法および重量が低減され、これにより、手動で宛がうことが更に容易となり制御可能となる。
【0013】
ヒンジは、アプリケーションヘッドを鉛直な直立位置に回転させることができるように取り付けられることが好ましい。アプリケーションヘッドを鉛直な直立位置に位置させることには、オペレータが、例えば掃除や、替えの投射部および/または接触部材を取り付けることや、および/または使い捨ての保護カバーを取り付けることなどの、メンテナンスや準備のために光投射部に近づきやすくなるという利点がある。
【0014】
一実施態様では、装置は、アプリケーションヘッドを眼の上方で位置決めするための位置決め面に平行に支持アームを回転運動させ、および/または直進運動させるための位置決め手段を備えている。位置決め手段は、例えば、ガイドレール、および/または水平位置決め面内での直進運動用の駆動手段、および/または鉛直方向に延びる回転軸線を中心とした回転(回転運動)を可能にするヒンジを備えている。
【0015】
一実施態様では、水平に向けられたヒンジは追加ヒンジを介して支持アームに接続されている。追加ヒンジは、鉛直に向けられた回転軸線を有し、この鉛直な回転軸線を中心としたアプリケーションヘッドの回転を可能にする。水平に向けられたヒンジを支持アームに接続するために、垂直に向けられたヒンジを使用することにより、鉛直な軸線および水平な軸線を中心とした簡単で所定の機械的な回転運動を介して、アプリケーションヘッドや光投射部を位置決めし配置することが可能になる。更に、アプリケーションヘッドは、鉛直な直立位置に位置させられた時に、メンテナンスや準備操作を容易にするために患者から離してオペレータの方にさらに回転させることができる。
【0016】
別の実施態様では、支持アームは、水平に向けられたヒンジを介してベースステーションに可動に接続され、このヒンジは、例えばピボットヒンジまたはピボットジョイントとして取り付けられている。水平に向けられた回転軸線は支持アームの縦軸線と揃えられており、支持アームのその縦軸線を中心とした回転を可能にする。このようにして、支持アームをその縦軸線を中心に回転させることにより、アプリケーションヘッドまたは光投射部をそれぞれ、簡単で所定の機械的な回転運動を介して眼上に位置させることが可能となる。
【0017】
一実施形態では、アプリケーションヘッドは、追加ヒンジを介して支持アームに接続されている。追加ヒンジは、支持アームの縦軸線に対して垂直に向けられた回転軸線を有し、鉛直なこの回転軸線を中心としたアプリケーションヘッドの回転を可能にする。支持アームに対し垂直に向けられたヒンジにより、アプリケーションヘッドを眼の上方で支持アームの回転運動を介して位置決めすることができる。
【0018】
一実施態様では、支持アームは、鉛直に向けられた回転軸線を有し、この鉛直な回転軸線を中心とする支持アームの回転を可能にするピボットジョイントを介して、ベースステーションに接続されている。ピボットジョイントを用いて支持アームをベースステーションに接続することによって、支持アーム、ひいてはアプリケーションヘッドおよび光投射部を位置決めし、配置するのにより高い融通性が得られる。
【0019】
一実施態様では、装置は、支持アーム内に配置され、少なくとも2つの走査方向に光パルスを偏向するために使用されるビーム偏向手段を備え、光投射部は、光投射部を機械的に移動させることなく、眼組織を分解するために、偏向された光パルスを、好ましいことに、直径11mmの作用領域全域にわたって集束させて投射させることができる寸法に形成されている。
【0020】
別の実施態様では、アプリケーションヘッドは、光投射部の投射方向に眼の上面を観察できるようにする観察窓を有している。この観察窓によって、ベースステーションに可動に接続され、またはベースステーションから独立した光学的な観察または計測モジュール、例えばカメラ、顕微鏡、または計測装置を用いて眼の上面を観察することが可能になる。光学的な観察または計測モジュールは、アプリケーションヘッドが眼上に位置させられ、または位置させられつつある時に、光投射部の投射方向に向けられ、観察窓の上方で旋回させることができ、またはその逆である。更に、光学的な観察または計測モジュールは、必要のない場合、離れた所に旋回させることができる。光学的な観察または計測モジュールを、眼の上方で視線に入れたり視線から外したりするように旋回させることができることは、アプリケーションヘッド全体の寸法ひいてはその重量を更に減少させ、操作性も向上させることができることを意味する。
【0021】
一実施態様では、重量補償手段が、アプリケーションヘッドの有する重量により軽減された宛がい力を伴わせてアプリケーションヘッドを眼上に位置させることができるように、回転軸線上でアプリケーションヘッドを部分的に釣り合わせるために、アプリケーションヘッドに接続されている。回転運動に影響する質量(アプリケーションヘッドおよび、構成によっては、支持アーム)を部分的にだけ釣り合わせる構成を用いることによって、眼に対する宛がい力は、重力によって発生させることができる。一実施態様では、重量補償手段は、例えばアプリケーションヘッドを完全にまたは過剰に釣り合わせるために、オペレータによって調整可能であり、そのため、眼に加えられる力をオペレータが手動で生じさせることができる。
【0022】
別の実施態様では、光投射部は、アプリケーションヘッドの、投射方向に向けられた突出部内に第1のレンズシステムを備え、光投射部は、アプリケーションヘッドの、突出部からずれるように角度を付けられて支持アームの方に向けられた供給部内に第2のレンズシステムを備え、第1のレンズシステムと第2のレンズシステムは、偏向ミラーを介してカップリングされている。投射部と供給部に分割されたレンズシステムの構成により、光投射部の構造的高さ、ひいてはアプリケーションヘッドの構造的高さを低くすることができる。更に、顕微鏡やカメラなどの外部補助部、患者が眼を定着させることができる視覚補助部、および/または照準補助部、または計測装置をより簡単に適用することが可能になる。
【0023】
一実施態様では、アプリケーションヘッドは、投射方向に向けられた突出部と、突出部からずれるように角度を付けられて支持アームの方に向けられた供給部を備えている。突出部は、例えば、供給部を通って延びる縦軸線を中心に軸方向に、および/または供給部の縦軸線に垂直に延びる横軸線を中心に回転可能に供給部に接続されている。突出部を回転可能に供給部に接続することによって、光投射部および光投射部に取り付けられた固定手段を、眼に対し正確に配置を合わせることが可能になる。
【0024】
別の実施態様では、装置は、回転軸線を中心としたアプリケーションヘッドの回転位置を固定または固定解除するためのロックを備えている。
【0025】
一実施態様では、装置は、眼の鉛直方向の位置を判定するための高さ判定手段を備え、ベースステーションは、支持アームの鉛直方向の基本位置を設定するための高さ位置決め手段を備えている。支持アームの鉛直方向の基本位置を設定することにより、アプリケーションヘッドを鉛直方向に眼上に位置させるために必要とされる回転運動を小さくすることができ、この結果、鉛直に移動する部材に、より近い領域内に保つことができ、これにより、一方で、アプリケーションヘッドを結合させるために必要な移動ストロークを小さくすることができ、他方で、アプリケーションヘッドと眼の水平方向の配置合わせ(センタリング)が容易になる。
【0026】
他の実施態様では、アプリケーションヘッドは、手動操作のための一またはそれ以上のグリップおよびグリップ構造体と、眼上に位置させることができ、少なくとも部分的に光透過性を有し、また、作用面に対して等距離に眼との接触領域を生じるように構成され配置された接触体と、圧力をかけて眼上にアプリケーションヘッドを固定するための固定手段とを有している。光源は、フェムト秒レーザーを備えることが好ましい。
【0027】
別の実施態様では、装置は、ベースステーションに取り付けられた柱を備えている。支持アームは、この柱に取り付けられ、この柱は、支持アームの鉛直方向の位置を設定するために鉛直方向に可動である。
【0028】
一実施態様では、アプリケーションヘッドは、細長い部材として形成されている。水平に向けられた回転軸線上で少なくとも部分的にアプリケーションヘッドを釣り合わせるためのカウンターウェイトが、細長い部材に一体化されている。例えば、細長い部材内に配置されたビーム偏向手段を、アプリケーションヘッドを釣り合わせるためのカウンターウェイトとして使用することができ、それが有利である。細長い部材は、支持アームの縦軸線に垂直に向けられた回転軸線を有するヒンジを介して支持アームに接続されている。このヒンジにより、細長い部材を横方向に移動させることが可能となり、その結果、支持アームの縦軸線に平行にアプリケーションヘッドを移動させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームと共に一体に構成されたベースステーションを備える眼科用装置を示す模式的な側面図である。
【図2】図2は、水平な位置決め面内でベースステーションに対して直進移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示す模式的な側面図である。
【図3】図3は、位置決め面内でベースステーションに対して直進移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図4】図4は、位置決め面内でベースステーションに対して直進移動および回転移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図5】図5は、位置決め面内で鉛直な回転軸線を中心にベースステーションに対して回動移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える眼科用装置を示すも模式的な平面図である。
【図6】図6は、位置決め面内でベースステーションに対して鉛直な回転軸線を中心に回動移動が可能であり、アプリケーションヘッドが回転可能に取り付けられた支持アームを備える別の眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図7】図7は、支持アームに続く供給部内のレンズシステムと、角度をつけられた突出部内の別のレンズシステムとを備えるアプリケーションヘッドを示す模式的な側面図である。
【図8】図8は、突出部の上方に観察窓を備え、観察窓に、光学的な観察補助部または計測モジュールが取り外し可能に接続されたアプリケーションヘッドを示す模式的な側面図である。
【図9】図9は、供給部に回転可能に接続された突出部を備えるアプリケーションヘッドを示す模式的な側面図である。
【図10】図10は、回転によって鉛直な直立位置に移動可能な支持アームを備える別の眼科用装置を示す模式的な平面図である。
【図11】図11は、患者と共に模式的に示されたベッドに隣接して位置する別の眼科用装置を示す三次元図である。
【図12】図12は、支持アームの縦軸線を中心に回転可能な支持アームを有する、図11の眼科用装置を示す三次元図である。
【図13】図13は、図10に示す眼科用装置を示す三次元図である。
【図14】図14は、別の角度から見た、図14に示す眼科用装置を示す三次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜図6および図10〜14において、参照番号1は、眼組織を分解するための眼科用装置を示す。眼科用装置1は、ベースステーション2と、ベースステーション2に取り付けられ本質的に剛である水平な支持アーム3とを備えている。眼科用装置1を搬送するために、ベースステーション2にはロック可能なローラーや車輪が設けられている。アプリケーションヘッド4が、動かないように、または水平方向に向けられたヒンジRzを介して支持アーム3に取り付けられている。また、図1は、支持アーム3に動かないように接続された観察、結像、および/または計測用の任意構成の光学モジュール7、例えばアプリケーション工程(結合)および治療を観察するためのモニターおよび/または顕微鏡を示している。図1〜6、図10、図13、および図14にかかる実施形態では、アプリケーションヘッド4は、水平な回転軸線rzを中心に回転するように水平方向に向けられたヒンジRzを介して支持アーム3に接続されている。各実施形態では、水平方向に向けられたヒンジRzは、支持アーム3の、支持アーム3がベースステーション2に接続されている側から離れた側の端部に配置されている。図1および図2の側面図に模式的に示すように、回転軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転Zrotによって、アプリケーションヘッド4を降下させ眼6上に位置させるために、部材の鉛直移動をz方向に行うことができるように、ヒンジRzは配置され構成されている。手動走査用に、グリップおよび/またはグリップ構造体46がアプリケーションヘッド4に取り付けられている。一実施形態では、慣性質量を低く保ち、移動させられる部材の数を減らすために、回転軸線rzは患者の近くに配置されている。当業者であれば、回転軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転を、例えばこの目的で用いられる他の複数のヒンジRzを用いて、平行四辺形ガイドによっても達成できることが理解できるであろう。
【0031】
図1にのみ模式的に示すが、いずれの場合にも、眼科用装置1は、ベースステーション2内に配置され光パルスを発生する光源21(レーザー光源)、特にフェムト秒レーザーパルスを発生するフェムト秒レーザーと、ベースステーション2からの光パルスを支持アーム3を通してアプリケーションヘッド4へ伝達する光伝達システム22とを備えている。眼科用装置1は、回転軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転の位置を固定または固定解除するためのロック32、例えば選択的に作動させ解除することができる摩擦継ぎ手、キャッチ、または他の係合部材を備えることが好ましい。
【0032】
ビーム偏向手段31が、光伝達システム22に挿入されており、少なくとも2つの走査方向に光パルスを偏向するように構成されている。ビーム偏向手段31に適したスキャナは、例えば、国際公開第2007/056486号パンフレットに記載されている。また、ガルバノスキャナや音響光学変調器も適している。治療領域への距離を最小にするために、ビーム偏向手段31は、支持アーム3内におよび/またはアプリケーションヘッド4内に配置されるのが好ましい。例えば、レーザービームを2つの(水平な)走査方向に偏向するために、ガルバノスキャナがアプリケーションヘッド4内に取り付けられる一方、(鉛直方向の)投射の焦点を調整するための光学部材、例えば可動レンズが支持アーム3内部に取り付けられている。代替例では、ビーム偏向手段31は、支持アーム3内に取り付けられた付加的な高走査装置を備えており、高走査装置により、例えば、特許文献1に記載されているように、方向調整が可能なマイクロスキャンを通常のスキャンパターンに重ねることが可能になる。アプリケーションヘッド4は、点状に眼組織を分解するために、眼6内および/または眼6上へ光パルスを集束させて投射するためのレンズシステム42,43を有する光投射部41を備えている。偏向された光パルスは、光伝達システム22により、ビーム偏向手段31を介して光投射部41へと前方に伝達される。ビーム偏向手段31および光投射部41は、眼の可視領域全域にわたって隣接する作用領域を走査し、眼組織、特に角膜内の互いに隣接する複数の部位を切開できるように集束効果を生じて作用するように構成されている。ビーム偏向手段31および光投射部41によって、平坦な作用領域、例えば水平方向の作用領域に集束させた走査が可能になるだけでなく、目標とする集束の鉛直方向での位置決めによって、三次元的に規定された作用領域、例えば鉛直断面および湾曲断面に集束させた走査も可能になる。
【0033】
なお、図には示されていないが、アプリケーションヘッド4は、眼6上に配置可能な接触体を備えており、この接触体は、少なくとも一部が光に対して透過性を有し、眼6に対し、作用面に対して等距離であるのが好ましい接触領域を生じるように構成され配置されており、圧力をかけてアプリケーションヘッド4を眼6に固定するための固定手段を有している。接触体は、例えば、平坦であってもよく、または球状であってもよい。
【0034】
図7に模式的に示すように、図1〜図6および図10〜図14と組み合わせることができる一実施形態において、アプリケーションヘッド4は、支持アーム3に接続されている供給部4Aと、供給部4Aに対して角度を有する突出部4Bとを備えている。この実施形態では、光投射部41は、突出部4B内の第1のレンズシステム43と、供給部4A内の第2のレンズシステム42とを備えている。第1のレンズシステム43と第2のレンズシステム42は、偏向ミラー45を介してカップリングされている。アプリケーションヘッド4は、投射方向vでの眼6の上面の観察を可能にする観察窓44を備えることが好ましい。観察窓44は、例えば、偏向ミラー45が、観察波長の光に対して透過性を有するようにして構成されている。参照番号47は、以下に更に詳細に記載する結合手段を示している。
【0035】
図8に模式的に示すように、観察窓44により、例えばモジュール支持部51を用いて、鉛直方向に向けられた回転軸線を中心に回転するようにベースステーション2に取り付けられている光学的観察、結像、計測用のモジュール5、例えば、旋回可能な任意構成のモニターの光学カップリングが可能になる。このため、これらのモジュールは、アプリケーションヘッド4の上方であちこちに旋回させることができ、光投射部41の光学的な投射軸線vに対してモジュールの光軸線の配置を合わせることができる。更に、これらのモジュールは、結合手段47、例えば取り外し可能なスナップフィット式のキャッチまたはバヨネット式のキャッチを介して機械的にアプリケーションヘッド4に取り外し可能に接続することができる。結合手段47により、観察窓44の上方に配置される光学的観察、結像、および計測用のモジュール5を眼科用装置1に機械的および光学的に接続することができる。これらのアドオンモジュールの付加的重量は、それに応じて、調整可能な重量補償手段33、例えば調整可能なカウンターウェイト33´を設定することによって補償することができる。
【0036】
図1〜図8および図10〜図14と組み合わることができ、図9に模式的に示されている任意構成の実施形態では、突出部4Bは、旋回可能に供給部4Aに取り付けられている。図9にかかる変形例では、アプリケーションヘッド4は、ヒンジRφを有しており、突出部4Bは、供給部4Aを通って延びる縦軸線rφを中心とした角度φで回転可能に接続されている。アプリケーションヘッド4は、更に、ヒンジRβを有し、突出部4Bは、縦軸線rφに対し垂直に延びる横軸線rβを中心とした角度βで回転可能に供給部4Aに接続されている。例えば、互いに異なる突出部分、および/または、接触および/または固定部材を取り付けるために、眼科用装置1は、回転軸線rφを中心とした突出部4Bの回転位置を固定したり固定解除したりするためのロック、例えば選択的に作動および解除させることができる摩擦継ぎ手、キャッチ、または他の係合部材を備えることが好ましい。
【0037】
図1にかかる実施形態では、支持アーム3はベースステーション2に動かないように接続されており、例えば、ベースステーション2および支持アーム3は、共通の筐体を有する全体として単一のユニットとして一体に構成されている。この例では、眼6と光投射部41との相互の配置を合わせること、すなわち、光投射部41の眼6に対するセンタリングは、患者のベッドまたはベースステーション2を水平位置決め面(通常は、ベースステーション2が配置される地面に対して平行である)のx方向およびy方向に移動させることで達成される。
【0038】
図2および図3にかかる実施形態では、支持アーム3は、光投射部4の配置を眼6に対して合わせるために、支持アーム3をベースステーション2に対して水平位置決め面のx方向およびy方向に直進移動させることができるように、ベースステーション2に対して可動に接続されている。こうした直進移動は、直進移動駆動部によって、または、相応の案内部を介して手動で達成される。
【0039】
図4にかかる実施形態では、支持アーム3は、ヒンジRy、例えばピボットヒンジまたはピボットジョイントを介してベースステーション2に接続されている。ヒンジRyにより、鉛直な回転軸線ryを中心とした支持アーム3の回転yrotが可能になる。図4に模式的に示すように、ヒンジRyは、回転軸線ryを中心とした支持アーム3の回転yrotにより、光投射部41の位置を眼6に対して合わせるために、y方向の水平移動が可能となるように配置され構成されている。図2および図3におけるのと同様に、光投射部41の配置は、直進移動によってx方向に合わせることができる。
【0040】
図5にかかる実施形態では、光投射部41の配置は、x方向およびy方向の回転によって合わせることができる。図4にかかる実施形態では、アプリケーションヘッド4は、支持アーム3の、支持アーム3がベースステーション2に接続されている側から離れた側の端部に、特にヒンジRxを介して接続されている。ヒンジRxにより、鉛直な軸線rxを中心としたアプリケーションヘッド4の回転xrotが可能になる。図5に模式的に示すように、ヒンジRxは、回転軸線rxを中心としたアプリケーションヘッド4の回転により眼6に対して光投射部41の配置を合わせるためにx方向の水平移動が可能となるように配置され構成されている。図4におけるのと同様に、回転運動によって光投射部41の配置をy方向に合わせることができる。
【0041】
図6にかかる実施形態では、図5におけるのと同様に、x方向およびy方向の回転により光投射部41の配置を合わせることができる。しかし、図6にかかる実施形態では、ヒンジRzまたは回転軸線rzは、図5の配置と比べ90度回転させられている。x方向の移動は、支持アーム3をベースステーション2に接続するヒンジRxの鉛直な回転軸線rxを中心とした支持アーム3の回転xrotによって達成される。y方向の移動は、アプリケーションヘッド4を支持アーム3に接続するヒンジRyの鉛直な回転軸線ryを中心としたアプリケーションヘッド4の回転yrotによって達成される。
【0042】
x方向およびy方向の直進移動および/または回転運動xrotおよびyrotによってアプリケーションヘッド4および光投射部41の水平方向の配置を合わせるための支持アーム3の回転運動および/または直進移動のための位置決め手段は、手動での移動用に、および/または移動駆動部を用いて構成することができる。
【0043】
図2にのみ模式的に示すが、眼科用装置1は、アプリケーションヘッドに接続されている重量補償手段33、例えば図10〜図14に示す調整可能なカウンターウェイト33´またはばねを備えている。重量補償手段33は、アプリケーションヘッド4を所定の作用力を伴って眼6上に位置させることができるように、回転軸線rzを中心として回転する重量物を部分的にのみ釣り合わせるように構成されることが好ましい。
【0044】
図1にのみ模式的に示すが、眼科用装置1は、更に、ベースステーション2内に配置されている制御部23を備えている。制御部23によって、眼6上に位置させるためにアプリケーションヘッド4が移動させられる際にビーム偏向手段31が作動させられないことが保証される。また、制御部23は、ビームの偏向を制御し、また、移動駆動部を制御し監視するように構成されている。制御部23は、更に、力や運動やビームパラメータを監視する安全機能を備えている。
【0045】
一実施形態では、眼科用装置1は、更に、眼6の鉛直方向の位置を判定するための高さ判定手段22、例えばカメラや、支持アーム3に取り付けられた投射部からのアライメントレーザービームを備えており、ベースステーション2は、ベースステーション2、および、結び付けられた支持アーム3の鉛直方向の基本的な位置を設定するための高さ位置決め手段24、例えば直進移動駆動部を備えている。したがって、鉛直方向の位置を設定することにより、高さ位置決め手段24によって、支持アーム3のための水平方向の位置決め面の高さを調整することができるようになっている。設定された鉛直方向の位置で、支持アーム3は、直進移動および/または回転を通じた水平方向の所定の移動に制限される。支持アーム3は、設定された高さで横方向に移動させることができるが、本質的に水平方向の配置を維持する。高さ位置決め手段24は、例えば制御部23によって、高さ判定手段22により判定された眼6の鉛直方向の位置に基づいて制御される。手動で基本位置を設定することも可能である。基本位置を設定することにより、アプリケーションヘッド4に必要とされる移動ストロークを、例えば、10mm〜20mmに減らすことが可能である。図11〜図14にかかる実施形態では、支持アーム3は柱8に取り付けられている。柱3は、支持アーム3の鉛直方向の位置を設定するために鉛直方向に可動である。少なくとも図13および図14の実施形態では、柱8は、ヒンジRx、特にピボットヒンジまたはピボットジョイントを介してベースステーション2に接続され、鉛直な軸線rxを中心に回転可能であることが好ましい。
【0046】
図10〜図14にかかる実施形態では、図2を参照しながら前述したように、アプリケーションヘッド4との釣り合いをとるためのカウンターウェイト33´がアプリケーションヘッド4に取り付けられている。アプリケーションヘッド4と、取り付けられたカウンターウェイト33´とは、細長い部材9として形成されることが好ましい。
【0047】
図10〜図14にかかる実施形態は、基本的に図5および図6の実施形態に対応している。しかし、図10〜図14では、アプリケーションヘッド4および取り付けられたカウンターウェイト33´を有する細長い部材9が、ベースステーション2と、支持アーム3と、柱8とのいずれにも妨害されることなく、水平な回転軸線rzを中心にして自在に回転可能であることが、より明確に示されている。図11〜図14に示すように、ベースステーション2は、細長い部材9を通過させる凹部25を有している。少なくとも、細長い部材9は、鉛直な直立位置に回転させることができ、これにより、カウンターウェイト33´が凹部25でベースステーション2の近傍に位置させられ、アプリケーションヘッド4および光投射部41は、ベースステーション2から離れた側の最上部に位置する。図10〜図14の実施形態では、ベースステーション2は、患者の右側または左側に位置させることが可能であり、アプリケーションヘッド4は、細長い部材9を適切に位置させることにより、患者の体に垂直にまたは患者の体に沿って患者の眼の上方に配置可能である。例えば、図11および図12の実施形態では、アプリケーションヘッド4は、鉛直方向に向けられた回転軸線ryを中心に細長い部材9を回転させることで、患者のどちらの側にも、患者の体に対して垂直に、または患者の体に沿って位置させることが可能である。あるいは、図10〜図14の実施形態では、アプリケーションヘッド4は、縦軸線rφを中心とした突出部4Bの各回転と組み合わせた、水平な回転軸線rzを中心とした細長い部材9の回転を介して、患者の体に対して垂直に、または患者の体に沿って患者の眼の上方に配置可能である。眼科用装置1は、個別にまたは同時に、支持アーム3、細長い部材9、アプリケーションヘッド4、および/または突出部4Bの配置を判定するための配置検出部を備えることが好ましい。この配置検出部は、検出された配置に基づいてスキャナと、カメラと、計測モジュールとの設定を調整し釣り合わせるように構成された処理部に接続されている。
【0048】
図10〜図14にかかる実施形態では、細長い部材9は、支持アーム3の縦軸線に対して垂直に向けられた回転軸線ryを有するヒンジRyを介して支持アーム3に接続されている。ヒンジRyにより、回転軸線ryを中心とした回転yrotを介して、細長い部材9の、したがって、アプリケーションヘッド4の横方向の移動が可能になる。図11〜図14に示すように、アプリケーションヘッド4とカウンターウェイト33´とを備えた細長い部材9は、細長い部材9を、支持アーム3によって妨害されることなく回転軸線ryを中心として自在に回転させることができるように、支持アーム3からずらして配置されている。細長い部材9が鉛直な直立位置にある時に、細長い部材9が回転軸線ryを中心に自在に回転できるようにするために、凹部25は、円形面26を有するように相応に形成され/縁取りされている。
【0049】
図11および図12にかかる実施形態では、支持アーム3は、水平方向に向けられたヒンジRz、例えばピボットヒンジやピボットジョイントを介して可動にベースステーション2、例えば柱8に接続されており、好ましくは、細長い部材9は、支持アーム3がベースステーション2、例えば柱8に動かないように接続された側から離れた側の支持アーム3の端部の水平方向に向けられたヒンジRz´を介して支持アーム3に接続されている。基本的に、水平方向に向けられた回転軸線rzは、支持アーム3の縦軸線に揃えられており、回転軸線rzによって、支持アーム3の縦軸線を中心とした細長い部材9の回転が可能になっている。回転可能な支持アーム3および/または細長い部材9の回転により、水平な軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転zrotが可能となる一方で、ヒンジRyにより、支持アーム3の縦軸線に平行なアプリケーションヘッド4の横方向の移動が可能になっている。
【0050】
図13および図14にかかる実施形態では、支持アーム3がベースステーション2、例えば柱8に動かないように接続されている。支持アーム3がベースステーション2に接続されている側から離れた側の支持アーム3の他方の端部で、細長い部材9が、水平方向に向けられたヒンジRzを介して支持アーム3に接続されている。水平方向に向けられたヒンジRzは、支持アーム3の縦軸線に垂直に配置された鉛直な回転軸線ryを有する鉛直方向に向けられたヒンジRyを介して支持アーム3に接続されている。水平方向に向けられたヒンジRzにより、水平な軸線rzを中心としたアプリケーションヘッド4の回転zrotが可能になる一方で、ヒンジRyにより、支持アーム3の縦軸線に水平なアプリケーションヘッド4の横方向の移動が可能になっている。細長い部材が、水平ではない位置にある時に、回転軸線ryを中心として細長い部材9が自在に回転できるようにするために、支持アーム3には円形面27が設けられている。
【0051】
眼科用装置1は、更に、各回転軸線を中心とした回転可能部材の回転位置を固定または固定解除するロックを有することが好ましく、具体的には、眼科用装置1を搬送し、または停止させるための、および、眼科用装置1に様々な光学的および/または機械的要素を取り付けるための複数の規定位置が設けられている。更に、手動での操作や制御のために、眼科用装置1は、可動部品、特に支持アーム3、細長い部材9、アプリケーションヘッド4、および/または突出部4Bに配置されたハンドルおよび/またはグリップ構造体を備えている。
【0052】
なお、「ヒンジ」という用語は、発明の範囲を制限しようとするものではなく、ドイツ語の「Drehgelenk」、すなわち、2つの機械的構造体を接続し、少なくとも一方の構造体の、他の構造体に対する、所定の回転軸線を中心とした回転を可能にするピボットジョイントと同じ広い意味を意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パルスを発生するための光源(21)を有するベースステーション(2)と、
前記ベースステーション(2)に取り付けられている支持アーム(3)と、
前記支持アーム(3)に取り付けられ、眼(6)上に位置させることができ、眼組織を点状に分解するために前記光パルスを集束させて投射するための光投射部(41)を有するアプリケーションヘッド(4)と、
前記ベースステーション(2)からの前記光パルスを、前記支持アーム(3)を介して前記アプリケーションヘッド(4)に伝達するための光伝達システム(22)と、
を備える眼科用装置(1)において、
前記支持アーム(3)は、水平方向に配置された剛な構成であり、一方の端部に、基本的に水平に向けられた回転軸線(rz)を有するヒンジ(Rz)を有し、当該ヒンジ(Rz)は、前記アプリケーションヘッド(4)を、当該回転軸線(rz)を中心とした回転によって前記眼(6)上に位置させることができるように取り付けられていることを特徴とする眼科用装置(1)。
【請求項2】
前記ヒンジ(Rz´)は、前記支持アーム(3)が前記ベースステーション(2)に取り付けられている側から離れた側の前記支持アーム(3)の端部に配置され、前記アプリケーションヘッド(4)は、前記ヒンジ(Rz´)を介して移動可能に前記支持アーム(3)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記アプリケーションヘッド(4)を前記眼(6)の上方に位置決めするための位置決め面に平行に前記支持アーム(3)を回転運動させ、および/または直進移動させる位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記ヒンジ(Rz)は、追加ヒンジ(Ry)を介して前記支持アーム(3)に接続され、前記追加ヒンジ(Ry)は、鉛直に向けられた回転軸線(ry)を有し、鉛直な当該回転軸線(ry)を中心とした前記アプリケーションヘッド(4)の回転(yrot)を可能にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記支持アーム(3)は、前記ヒンジ(Rz)を介して移動可能に前記ベースステーション(2)に接続されており、前記水平に向けられた回転軸線(rz)は、前記支持アーム(3)の縦軸線と揃えられており、前記支持アーム(3)の前記縦軸線を中心とした回転を可能にしていることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記アプリケーションヘッド(4)は、追加ヒンジ(Ry)を介して前記支持アーム(3)に接続されており、当該追加ヒンジは、前記支持アーム(3)の縦軸線に対して垂直に向けられた回転軸線(ry)を有し、当該回転軸線(ry)を中心とした前記アプリケーションヘッド(4)の回転を可能にしていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記支持アーム(3)はピボットジョイントを介して、前記ベースステーション(2)に接続されており、当該ピボットジョイントは、鉛直に向けられた回転軸線(rx,ry)を有し、鉛直な当該回転軸線(rx,ry)を中心とする前記支持アーム(3)の回転を可能にしていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記支持アーム(3)内に配置され、少なくとも2つの走査方向に前記光パルスを偏向するために使用されるビーム偏向手段(31)を備え、
前記光投射部(41)は、前記光投射部(41)を機械的に移動させることなく、眼組織を分解するために、偏向された光パルスを作用領域全域にわたって集束させて投射することができる寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記アプリケーションヘッド(4)内に配置され、少なくとも2つの走査方向に前記光パルスを偏向するために使用されるビーム偏向手段(31)を備え、
前記光投射部(41)は、前記光投射部(41)を機械的に移動させることなく、眼組織を分解するために、偏向された光パルスを作用領域全域にわたって集束させて投射することができる寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記アプリケーションヘッド(4)は、前記光投射部(41)の前記投射方向(v)に前記眼(6)の上面を観察できるようにする観察窓(44)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記ベースステーション(2)に移動可能に接続され、前記光投射部(41)の前記投射方向(v)に向けて、前記観察窓(44)の上方で旋回させることができる一つまたは複数の光学的な観察または計測モジュールを備えることを特徴とする請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記アプリケーションヘッド(4)の有する重量によって軽減された宛がい力を伴わせて前記アプリケーションヘッド(4)を前記眼(6)上に位置させることができるように、前記水平に向けられた回転軸線(rz)上で前記アプリケーションヘッド(4)を部分的に釣り合わせるために、重量補償手段(33)が前記アプリケーションヘッド(4)に接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項13】
前記光投射部(41)は、前記アプリケーションヘッド(4)の、投射方向(v)に向けられた突出部(4B)内に第1のレンズシステム(43)を備え、前記光投射部(41)は、前記アプリケーションヘッド(4)の、前記突出部(4b)からずれるように角度を付けられて前記支持アーム(3)の方に向けられた供給部(4A)内に第2のレンズシステム(42)を備え、前記第1のレンズシステムと前記第2のレンズシステムは、偏向ミラー(45)を介してカップリングされていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項14】
前記アプリケーションヘッド(4)は、前記投射方向(v)に向けられた突出部(4B)を備え、前記アプリケーションヘッド(4)は、前記突出部(4B)からずれるように角度を付けられて前記支持アーム(3)の方向に向けられた供給部(4A)を備え、前記突出部(4B)は、前記供給部(4A)に回転可能に接続されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項15】
前記水平に向けられた回転軸線(rz)を中心とした前記アプリケーションヘッド(4)の回転位置を固定または固定解除するためのロック(32)を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項16】
前記眼(6)の鉛直方向の位置を判定するための高さ判定手段(22)を備え、
前記ベースステーション(2)は、前記支持アーム(3)の鉛直方向の基本位置を設定するための高さ位置決め手段(24)を備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項17】
前記アプリケーションヘッド(4)は、グリップとグリップ構造体(46)の少なくとも一つを備え、前記アプリケーションヘッド(4)は、前記眼(6)上に位置させることができ、少なくとも部分的に光に対して透過性を有し、作用面と等距離に前記眼(6)との接触領域を生じるように構成され配置された接触体を備え、前記アプリケーションヘッド(4)は、圧力をかけて前記眼(6)上に前記アプリケーションヘッド(4)を固定するための固定手段を有し、前記光源(21)は、フェムト秒レーザーを有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項18】
前記ベースステーション(2)に取り付けられている柱(8)を備え、前記支持アーム(3)は、前記柱(8)に取り付けられ、前記柱(8)は、前記支持アーム(3)の鉛直方向の位置を設定するために鉛直に可動であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項19】
前記アプリケーションヘッド(4)は、細長い部材(9)として形成され、カウンターウェイト(33´)が、前記水平に向けられた回転軸線(rz)上で前記アプリケーションヘッド(4)を少なくとも部分的に釣り合わせるように前記細長い部材(9)に一体化され、前記細長い部材(9)は、前記支持アーム(3)の縦軸線に垂直に向けられた回転軸線(ry)を有するヒンジ(Ry)を介して前記支持アーム(3)に接続されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項20】
前記水平に向けられた回転軸線(rz)を有する前記ヒンジ(Rz)は、前記アプリケーションヘッド(4)を鉛直な姿勢へと回転させることができるように取り付けられていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項1】
光パルスを発生するための光源(21)を有するベースステーション(2)と、
前記ベースステーション(2)に取り付けられている支持アーム(3)と、
前記支持アーム(3)に取り付けられ、眼(6)上に位置させることができ、眼組織を点状に分解するために前記光パルスを集束させて投射するための光投射部(41)を有するアプリケーションヘッド(4)と、
前記ベースステーション(2)からの前記光パルスを、前記支持アーム(3)を介して前記アプリケーションヘッド(4)に伝達するための光伝達システム(22)と、
を備える眼科用装置(1)において、
前記支持アーム(3)は、水平方向に配置された剛な構成であり、一方の端部に、基本的に水平に向けられた回転軸線(rz)を有するヒンジ(Rz)を有し、当該ヒンジ(Rz)は、前記アプリケーションヘッド(4)を、当該回転軸線(rz)を中心とした回転によって前記眼(6)上に位置させることができるように取り付けられていることを特徴とする眼科用装置(1)。
【請求項2】
前記ヒンジ(Rz´)は、前記支持アーム(3)が前記ベースステーション(2)に取り付けられている側から離れた側の前記支持アーム(3)の端部に配置され、前記アプリケーションヘッド(4)は、前記ヒンジ(Rz´)を介して移動可能に前記支持アーム(3)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記アプリケーションヘッド(4)を前記眼(6)の上方に位置決めするための位置決め面に平行に前記支持アーム(3)を回転運動させ、および/または直進移動させる位置決め手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記ヒンジ(Rz)は、追加ヒンジ(Ry)を介して前記支持アーム(3)に接続され、前記追加ヒンジ(Ry)は、鉛直に向けられた回転軸線(ry)を有し、鉛直な当該回転軸線(ry)を中心とした前記アプリケーションヘッド(4)の回転(yrot)を可能にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記支持アーム(3)は、前記ヒンジ(Rz)を介して移動可能に前記ベースステーション(2)に接続されており、前記水平に向けられた回転軸線(rz)は、前記支持アーム(3)の縦軸線と揃えられており、前記支持アーム(3)の前記縦軸線を中心とした回転を可能にしていることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記アプリケーションヘッド(4)は、追加ヒンジ(Ry)を介して前記支持アーム(3)に接続されており、当該追加ヒンジは、前記支持アーム(3)の縦軸線に対して垂直に向けられた回転軸線(ry)を有し、当該回転軸線(ry)を中心とした前記アプリケーションヘッド(4)の回転を可能にしていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記支持アーム(3)はピボットジョイントを介して、前記ベースステーション(2)に接続されており、当該ピボットジョイントは、鉛直に向けられた回転軸線(rx,ry)を有し、鉛直な当該回転軸線(rx,ry)を中心とする前記支持アーム(3)の回転を可能にしていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記支持アーム(3)内に配置され、少なくとも2つの走査方向に前記光パルスを偏向するために使用されるビーム偏向手段(31)を備え、
前記光投射部(41)は、前記光投射部(41)を機械的に移動させることなく、眼組織を分解するために、偏向された光パルスを作用領域全域にわたって集束させて投射することができる寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記アプリケーションヘッド(4)内に配置され、少なくとも2つの走査方向に前記光パルスを偏向するために使用されるビーム偏向手段(31)を備え、
前記光投射部(41)は、前記光投射部(41)を機械的に移動させることなく、眼組織を分解するために、偏向された光パルスを作用領域全域にわたって集束させて投射することができる寸法に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記アプリケーションヘッド(4)は、前記光投射部(41)の前記投射方向(v)に前記眼(6)の上面を観察できるようにする観察窓(44)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記ベースステーション(2)に移動可能に接続され、前記光投射部(41)の前記投射方向(v)に向けて、前記観察窓(44)の上方で旋回させることができる一つまたは複数の光学的な観察または計測モジュールを備えることを特徴とする請求項10に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記アプリケーションヘッド(4)の有する重量によって軽減された宛がい力を伴わせて前記アプリケーションヘッド(4)を前記眼(6)上に位置させることができるように、前記水平に向けられた回転軸線(rz)上で前記アプリケーションヘッド(4)を部分的に釣り合わせるために、重量補償手段(33)が前記アプリケーションヘッド(4)に接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項13】
前記光投射部(41)は、前記アプリケーションヘッド(4)の、投射方向(v)に向けられた突出部(4B)内に第1のレンズシステム(43)を備え、前記光投射部(41)は、前記アプリケーションヘッド(4)の、前記突出部(4b)からずれるように角度を付けられて前記支持アーム(3)の方に向けられた供給部(4A)内に第2のレンズシステム(42)を備え、前記第1のレンズシステムと前記第2のレンズシステムは、偏向ミラー(45)を介してカップリングされていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項14】
前記アプリケーションヘッド(4)は、前記投射方向(v)に向けられた突出部(4B)を備え、前記アプリケーションヘッド(4)は、前記突出部(4B)からずれるように角度を付けられて前記支持アーム(3)の方向に向けられた供給部(4A)を備え、前記突出部(4B)は、前記供給部(4A)に回転可能に接続されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項15】
前記水平に向けられた回転軸線(rz)を中心とした前記アプリケーションヘッド(4)の回転位置を固定または固定解除するためのロック(32)を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項16】
前記眼(6)の鉛直方向の位置を判定するための高さ判定手段(22)を備え、
前記ベースステーション(2)は、前記支持アーム(3)の鉛直方向の基本位置を設定するための高さ位置決め手段(24)を備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項17】
前記アプリケーションヘッド(4)は、グリップとグリップ構造体(46)の少なくとも一つを備え、前記アプリケーションヘッド(4)は、前記眼(6)上に位置させることができ、少なくとも部分的に光に対して透過性を有し、作用面と等距離に前記眼(6)との接触領域を生じるように構成され配置された接触体を備え、前記アプリケーションヘッド(4)は、圧力をかけて前記眼(6)上に前記アプリケーションヘッド(4)を固定するための固定手段を有し、前記光源(21)は、フェムト秒レーザーを有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項18】
前記ベースステーション(2)に取り付けられている柱(8)を備え、前記支持アーム(3)は、前記柱(8)に取り付けられ、前記柱(8)は、前記支持アーム(3)の鉛直方向の位置を設定するために鉛直に可動であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項19】
前記アプリケーションヘッド(4)は、細長い部材(9)として形成され、カウンターウェイト(33´)が、前記水平に向けられた回転軸線(rz)上で前記アプリケーションヘッド(4)を少なくとも部分的に釣り合わせるように前記細長い部材(9)に一体化され、前記細長い部材(9)は、前記支持アーム(3)の縦軸線に垂直に向けられた回転軸線(ry)を有するヒンジ(Ry)を介して前記支持アーム(3)に接続されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の装置(1)。
【請求項20】
前記水平に向けられた回転軸線(rz)を有する前記ヒンジ(Rz)は、前記アプリケーションヘッド(4)を鉛直な姿勢へと回転させることができるように取り付けられていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の装置(1)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−517712(P2010−517712A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549353(P2009−549353)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000045
【国際公開番号】WO2008/098388
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(509015589)ツィーマ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】Ziemer Holding AG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000045
【国際公開番号】WO2008/098388
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(509015589)ツィーマ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】Ziemer Holding AG
【Fターム(参考)】
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