説明

眼鏡フレーム

レンズ支持部分と、レンズ支持部分のそれぞれ第1および第2横側部から後方に延出する第1および第2テンプルとを有するフレーム本体とを備える眼鏡フレームである。フレーム本体は、第1部材および第2部材を有する。第1および第2部材は、部分的に同一の広がりを持ち、第1および第2部材の各々が、眼鏡フレームの外向きの表面の一部を画定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は、包括的には眼鏡フレームに、特に、複数部材から構成された眼鏡フレームに関する。本発明はまた、そのような眼鏡フレームを製造するための方法に関する。
【0002】
[関連技術の説明]
眼鏡フレームは通常、ブリッジの両側に1対の光学レンズを支持するフロントを有する。通常は1対のテンプルが、フロントから後方に延出している。テンプルをヒンジ構造によってフロントに連結して、それにより、テンプルが眼鏡フレームのフロントに対して折り畳み位置および開放位置間を移動できるようにしてもよい。多くの構造において、眼鏡フレームの各部材(すなわち、フロントおよびテンプル)は一体構造であり、金属またはプラスチックなどの単一材料で構成されている。他の構造では、内部補強部材を含んでもよい。そのような構造は、プラスチック眼鏡フレームのテンプルに特に一般的である。しかし、そのような補強部材は通常は見えないか、または顕著に見えることはなく、眼鏡フレームの外面を形成しない。
【0003】
[発明の概要]
本明細書に開示された発明の少なくとも1つの一態様は、眼鏡フレームを不透明な内側構造支持部分と、その内側部分を覆う外側の透明か、半透明の構造支持部分とで形成することを実現するものである。たとえば、外側部分を透明なアセテートまたはポリカーボネート材料から作り、内側部分の上に成形し、それにより、内側部分および外側部分間に明確な境界を生じることができる。
【0004】
1つの実施形態では、内側部分に高度立体造形された外面を設け、外側部分を透明か、半透明にして、内側の高度立体造形部分が外側部分を通して見えるようにする。いくつかの用例では、これによってフレームの高度立体造形部分をより小さくし、したがって、製造コストをより抑えることができる。外側部分は、内側部分の美的寄与を完全に排除することなく、より小さい内側部分に追加的な構造支持を与える。外側部分が透明である場合、内側部分の美的寄与が見えないように遮られることは実質的にない。したがって、フレームの部分を少なくとも部分的に所望材料から構成することができ、それがフレームアセンブリ全体に加えられる力のすべてに十分に耐えるほど強力である必要がない。
【0005】
本明細書に開示された本発明の1つの好適な実施形態は、フレーム部分と、第1および第2テンプルとを有するフレーム本体を備える眼鏡フレームを対象とする。フレーム部分は、第1および第2環状部を画定し、その環状部の各々は、光学レンズを支持するように構成されている。テンプルは、互いに間隔を置いて配置されて、フロントから後方に延出する。フレーム本体は、第1部材および第2部材を有する。第1部材および第2部材は、少なくとも部分的に同一の広がりを持ち、また第1および第2部材の各々は、フレーム本体の外面の一部分を画定する。
【0006】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明の別の実施形態は、少なくとも1つの光学レンズを支持するように構成されたフロントと、第1および第2テンプルとを有するフレーム本体を備える眼鏡フレームを対象とする。テンプルは、互いに間隔を置いて配置されて、フロントから後方に延出している。フレーム本体は、第1部材および第2部材を有する。第1および第2部材は、少なくとも部分的に同一の広がりを持ち、それぞれがフレーム本体の外面の少なくとも一部分を画定する。第1部材は十分に透明であり、それによ
り、第2部材の表面がこの第1部材を通して見える。
【0007】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明のさらに別の実施形態において、眼鏡フレームは、レンズ支持部分と、レンズ支持部分のそれぞれ第1および第2横側部から後方に延出した第1および第2テンプルとを有する。第1および第2テンプルの少なくとも一方は、第1部分と、その第1部分の上に配置された第2部分とを有し、第1部分は、テンプルの全長のわずかに約1/3にわたって延在している。
【0008】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明の付加的な実施形態において、眼鏡フレームは、環状支持部分と、その環状支持部分のそれぞれ第1および第2横側部から後方に延出した第1および第2テンプルとを有する。各テンプルは、第1材料で形成された内側部分と、第2の半透明材料で形成された外側部分とを有する。
【0009】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明の実施形態に従うと、眼鏡フレームを製造する方法は、フレーム本体を形成することを含む。フレーム本体は、フレーム部分と第1および第2テンプルとを有する。フレーム部分は、第1および第2環状部を画定し、環状部の各々は、光学レンズを支持する大きさおよび形状を有している。また、フレーム本体は、リセスを画定する。本方法は、インサート部分を形成することも含む。インサート部分は、フレーム本体のリセスを塞ぐ大きさおよび形状である。また、本方法は、インサート部分をリセス内に位置決めすることを含み、それにより、フレーム本体およびインサート部分の各々が、眼鏡フレームの外面の一部分を画定する。
【0010】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明の別の実施形態は、第1レンズ環状部を第1材料から形成すること、およびこのレンズ環状部の周囲に第2材料を成形することを含む、眼鏡フレームを製造する方法を対象とする。
【0011】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明のさらに別の実施形態は、環状支持部分を第1材料で形成することを含む、眼鏡フレームを製造する方法を対象とする。本方法は、少なくとも第1光学レンズを第1材料で形成することも含む。加えて、本方法は、第1光学レンズの周囲に補強部材を連結することを含む。最後に、本方法は、補強部材を環状支持で支持することを含む。
【0012】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明の別の実施形態は、少なくとも1つの環状部を画定するフロントを形成することを含む、眼鏡フレームを製造する方法を対象とする。本方法は、それぞれがリセスを有する1対のテンプルを形成することも含む。リセス内にインサート部分を設け、対のテンプルをフロントに組み付ける。
【0013】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明のさらに別の実施形態は、フレーム部分と第1および第2テンプルとを有するフレーム本体を備える眼鏡フレームを対象とする。フレーム部分は、光学レンズを支持するように構成された少なくとも1つの環状部を画定する。フレーム本体は、少なくとも部分的に同一の広がりを持つ第1層および第2層を有する。眼鏡フレームは、第1層を第2層に取り付けるための手段であって、それにより、各層がフレーム本体の外面の一部分を画定する、手段を有する。
【0014】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明のさらに別の実施形態は、フレーム部分と第1および第2テンプルとを有するフレーム本体を備える眼鏡フレームを対象とする。フレーム部分は、第1および第2環状部を画定する。環状部の各々は、光学レンズを支持するように構成されている。テンプルは、互いに間隔を置いて配置されて、上記フロントから後方に延出している。フレーム本体は、第1部材および第2部材を有する。第1部材の前向き表面が第1形状を画定する。第2部材は、第1部材に結合されて、第1部材の前
向き表面の一部分と同一の広がりを持ち、それにより、第1部材および第2部材の各々は、フレーム本体の前向き表面の一部分を画定する。第2部材は、第1形状とほぼ同様の第2形状を画定する。
【0015】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明の別の実施形態は、フレーム部分と第1および第2テンプルとを有する第1フレーム本体部材を形成することを含む眼鏡フレームを製造する方法を対象とする。フレーム部分は、それぞれ光学レンズを支持するように構成された第1および第2環状部を画定する。第1フレーム本体部材の前向き表面が第1形状を画定する。本方法は、第1形状とほぼ同様の第2形状を画定する第2フレーム本体部材を形成すること、および第2フレーム本体部材を第1フレーム本体部材に取り付けることであって、それにより、第1フレーム本体部材および第2フレーム本体部材の各々が、眼鏡フレームの前向き表面の一部分を画定するように、取り付けること、をさらに含む。
【0016】
本明細書に開示された少なくとも1つの本発明のさらに別の実施形態は、第1および第2環状部を画定するフレーム本体を備える眼鏡フレームを対象とする。第1および第2環状部の各々は、光学レンズを支持するように構成される。フレーム本体は、第1部材および第2部材を有する。第1部材は第1形状を画定し、第2部材は、第1形状とほぼ同様の第2形状を画定する。眼鏡フレームは、第2部材を第1部材に取り付けるための手段であって、それにより、第1部材および第2部材の各々がフレーム本体の前向き表面の一部分を画定する、手段も有する。
【0017】
本発明を制限するのではなく、それを説明することを意図する好適な実施形態の図面を参照しながら、本発明の上記および他の特徴、態様および利点を以下に説明する。
【0018】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1〜図3は、本明細書に開示された少なくとも1つの本発明に従って構成された眼鏡フレーム20を示す。眼鏡フレーム20は、フロント22と1対のテンプル24とを有する。フロント22は、1対の光学レンズ28を支持するように構成された1対の開口、すなわち環状部26を画定する。フロント22はまた、対の環状部26の間に延在するブリッジ30を画定する。
【0019】
テンプル24は、フロント22の両横側部から後方に延出している。望ましくは、各テンプル24をヒンジ構造によってフロント22に連結して、それにより、テンプルがフロント22に対して折り畳み位置および開放位置間を移動できるようにする。
【0020】
各テンプル24のヒンジ構造は、テンプル24の前端部のそれぞれ上面および下面から延出する1対の円筒形突起32を有する。突起32は、フロント22の各横端部での対応する窪み34にはまるような寸法および形状になっている。したがって、各テンプル24は、対の突起32と対応する窪み34とによって画定される軸を中心に回動する。しかし、他のアセンブリを使用して、テンプル24をフロント22に回動可能に取り付けることもできる。
【0021】
図示の眼鏡フレーム20は、1対の光学レンズ28を支持する1対の環状部26を有するが、単一のトロイダルレンズを使用するようにした他の構造も可能である。そのような構造では、環状部26がレンズ全体か、またはその一部分だけを取り囲むであろう。さらに、図示の眼鏡フレーム20ではヒンジ構造を介してテンプル24がフロント22に連結されているが、代替構造において、テンプル24およびフロントを一体状に形成し、テンプル24がフロント22に対してほぼ固定されるようにしてもよい。
【0022】
好ましくは、フロント22およびテンプル24の各々が、2つの個別の材料から構成さ
れる。すなわち、好ましくはフロント22は、外側部分36および内側部分38を有し、テンプル24の各々は、外側部分40および内側部分42を有する。本記載全体で使用するとき、「外側部分」という用語は、対象部材、すなわち、フロント22およびテンプル24の外向き表面を画定する部分のことを言うものとする。したがって、「外側部分」は、眼鏡フレーム20の着用者から離れて外向きに面する表面を画定する部分36および40を含むものとする。「内側部分」という用語は、外側部分の内側に位置する部分38、42を含むものとする。一部の構造では、内側部分は、フレーム20の外面の一部分も画定するが、この内側部分は、眼鏡フレーム20の着用者側に内向きに面する。
【0023】
突起32および対応の窪み34からなる図示のヒンジ構造は、テンプル24の外側部分40をフロント22の外側部分36に連結する。しかし、代替のヒンジ構造では、フロント22の内側部分38およびテンプル24の内側部分42を互いに連結してもよい。さらに、フロント22およびテンプル24を外側部分36、40および内側部分38、42の両方を介して相互連結するヒンジ構造を設けてもよい。
【0024】
図示の眼鏡フレーム20において、眼鏡フレーム20のフロント22の外側部分36にリセス44が画定され、テンプル24の外側部分40にリセス46が画定されている。内側部分38、42は、それぞれフロント22およびテンプル24のリセス44、46を塞ぐ寸法および形状になっている。したがって、外側部分36、40は、それらのそれぞれの内側部分38、42と部分的に同一の広がりを持つ。
【0025】
図示の眼鏡フレーム20において、リセス44、46は、それぞれフロント22およびテンプル24の後向きの表面(すなわち、眼鏡フレーム20の着用者に面する表面)によって形成されている。しかし、代替構造では、眼鏡フレーム20の他の表面、たとえば、前面、上面または下面に形成されたリセス内に内側部分38、42を配置してもよい。
【0026】
図示の構造において、眼鏡フレーム20のフロント22のリセス44は、各環状部26を取り囲む。したがって、内側部分38も各環状部26を取り囲む。図示の眼鏡フレーム20において、各環状部26のリセス44は互いに分離している。しかし、代替構造では、各環状部26のリセス44を、したがって内側部分38を、たとえばブリッジ30を横切って延在する部分によって相互連結してもよい。
【0027】
加えて、テンプル24のリセス46は望ましくは、テンプル24の全長の約1/3以下に延在する。したがって、内側部分42は、テンプル24の長さの約1/3以下に延在する。いくつかの実施形態では、この構造がさらなる利点を与える。たとえば、内側部分42が、外側部分40を形成する材料より高い剛性を有する材料から形成される実施形態では、内側部分42が限定的な長さであることにより、テンプルはより低剛性の外側部分の可撓性の大部分を保持することができる。1つの実施形態では、内側部分42は、チタンなどの高剛性金属から形成され、外側部分40は、チタンよりかなり低い剛性を有するポリカーボネートから形成される。
【0028】
他の構造では、リセス46およびインサート部分42をテンプル24に沿ってもっと長く延在させてもよい。さらに、図示の眼鏡フレーム20では、フロント22およびテンプル24の各々にそれぞれリセス44、46が画定されているが、他の構造では、インサート38、42をフロント22およびテンプル24の一方だけに設けてもよい。
【0029】
図3を参照すると、好ましくは眼鏡フレーム20のフロント22の外側部分36および内側部分38が協働して溝48を画定しており、この溝は、光学レンズ28を各環状部26内に保持するように構成されている。しかし、他の構造では、溝48を完全に外側部分36またはインサート部分38だけに画定してもよい。
【0030】
内側部分38、42は、任意の適当なやり方でそれぞれのリセス44、46内に固定されることができる。たとえば、制限するわけではないが、超音波または高周波(RF)溶接およびオーバーモールドなどの技法を使用して、内側部分38、42を外側部分36、40に機械的に固定することができる。別法として、接着剤などを使用して、内側部分38、42を他方部分36、40に化学的に接着してもよい。
【0031】
好ましくは、外側部分36、40は、十分な透明度を有する材料で形成され、それにより、外側部分36、40を通してインサート38、42を見ることができる。たとえば、外側部分36、40を実質的に透明にして、インサート38、42が他方部分36、40を通して、歪みがほとんど、またはまったくない状態で、見えるようにしてもよい。別法として、外側部分36、40を半透明にして、インサート38、42の外観が外側部分36、40により、完全に見えなくなることはないが、ぼかされるようにしてもよい。
【0032】
一部の構造では、内側部分38、42の一方または両方が、構造補強部材として機能することができる。任意選択であるが、内側部分38、42の一方または両方を外側部分36、40より剛直にすることができる。他の構造では、内側部分38、42の一方または両方を、弾性率が外側部分36、40より高い材料から構成することができる。そのような構造では、眼鏡フレーム20のフロント22の内側部分38は、環状部26の補強に役立ち、したがって、その内部に支持された光学レンズ28を適切に支持するのに役立つであろう。たとえば、制限するわけではないが、内側部分38がチタンなどの金属から形成されて、外側部分36がポリカーボネートから形成され、それにより、内側部分38が外側部分36より高い全剛度を有する場合、内側部分38はレンズ28の形状をより良好に保護する。
【0033】
より高い剛度を達成するために、内側部分38、42は、外側部分36、40の材料より本来的に剛直な材料から形成してもよい。別法として、内側部分38、42を外側部分36、40と同一か、または同様の材料から形成して、より高い剛度を達成するために処理をしてもよい。たとえば、インサート部分38、42および外側部分36、40の両方を熱可塑性材料から構成するが、内側部分38、42を結晶させる一方、外側部分36、40を非結晶にしてもよい。内側部分38、42の剛度をより高くするための他の適当な手段、たとえば、材料の配向の変更などを使用することもできる。
【0034】
以上に記載したような眼鏡フレーム20では、内側部分38、42を着色材料から形成する一方、外側部分36、40を透明か、半透明にしてもよい。したがって、そのような構造では、着色内側部分38、42が外側部分36、40を通して見えて、それにより、眼鏡フレーム20の選択部分全体を所望の色にすることができる。
【0035】
好都合なことに、そのような構造は、短い時間枠内で製造される眼鏡フレームの色の変更に融通性を与えることができる。図示の構造では、さまざまな色の眼鏡フレーム完成品の多数の在庫を持つ必要もなくなる。たとえば、眼鏡フレーム20の好適な製造方法では、フロント22およびテンプル24のそれぞれの外側部分36、40を、予想される長期的需要に基づいて前もって、または連続的に製造することができる。内側部分38、42は、所望の色(複数可)、または材料の眼鏡フレームの即時需要に合わせて、少量ずつ、またはバッチ単位で製造することができる。
【0036】
したがって、外側部分36、40は、特定のフレームスタイルの需要の長期的予想に十分に対応することができる量で製造される一方、さまざまな色の内側部分38、42の量は、眼鏡フレームの特定色の即時需要に合わせて、頻繁に変更することができる。図1〜図3の眼鏡フレーム20を構成する好適な方法を、図6〜図8を参照しながらより詳細に
後述する。
【0037】
図4および図5は、図1〜図3の眼鏡フレーム20の変更を示し、その変更は全体的に参照番号20’で表されている。眼鏡フレーム20’は、図1〜図3の眼鏡フレーム20と同様であり、したがって、同様な部材を表すために、同様な参照番号にプライム記号(’)を加えて使用する。
【0038】
眼鏡フレーム20’のフロント22’は内側部分38’を有し、これは好ましくは、外側部分36’の材料より剛直な材料から構成される。好ましくは、内側部分38’は、たとえば、鋼、チタンまたはマグネシウムなどの金属から構成され、外側部分38’はプラスチック材料から構成される。内側部分38’の剛度が高いことにより、光学レンズ28’が支持されると共に、光学レンズの歪みが抑制される。加えて、より剛直な内側部分38’は、光学レンズ28’が眼鏡フレーム20’から誤って外れることを防止する。
【0039】
好ましくは、レンズをプラスチック眼鏡フレーム内に挿入するのに一般的に使用される手順と異なり、内側部分38’は、光学レンズ28’を溝48’内に挿入する際に内側部分が歪まないようにする寸法および十分な剛性を有する。レンズ28’を溝48’内に挿入できるようにするために、溝48’はレンズ28’の厚みより幅広である。したがって、内側部分38’をたわませたり歪ませたりする必要なく、レンズ28’を溝48’にはめ込むことができる。
【0040】
レンズ28’を溝48’内に固定するために、ガスケット50などの保持部材を光学レンズ28’の背後で溝48’内に挿入することができる。望ましくは、保持部材50はある程度の可撓性を有し、光学レンズ28’と共に溝48’の全幅を満たすような寸法および形状である。望ましくは、保持部材50は、溝48’内に配置されたとき、少なくともわずかに圧縮され、それにより、保持部材がレンズ28’に力を加えて、確実にレンズ28’を溝48’内にしっかり保持できるようにする。
【0041】
上記構造が好適であるが、レンズ28’をインサート38’に保持するために他の適当な構造を使用してもよい。たとえば、半径方向のカットをインサート部分38’に貫設して、それにより、光学レンズ28’を溝48’内に挿入できるようにインサート部材38’をたわませることができるようにした一般的なリムロック構造を使用してもよい。カットの対向する側部のインサート部分38’の2側部を、例えばねじなどの締結具で互いに固定してもよい。当業者には明らかな他の構造も可能である。
【0042】
全体的に金属材料から構成された眼鏡フレームは、プラスチック材料から構成された眼鏡フレームより相当に高価である。追加費用の一部は、原材料のコストの違いの結果である。金属眼鏡フレームがプラスチックフレームに比してより高価である1つのさらなる原因は、金属材料を眼鏡フレームの往々にして複雑な形状にすることがより困難であることにある。たとえば、眼鏡フレームのテンプルおよびフロント間の連結部のヒンジ製造は、金属フレームの場合のほうが相当に困難である。
【0043】
好都合なことに、上述した眼鏡フレーム20、20’の場合、全体的に金属製であるフレームと比べてコストを大幅に削減するために、金属製内側部分38、42、38’、42’を使用して金属フレームの外観を達成することができる。より高価な金属材料をより少なく使用すること、および比較的基本形状を有する内側部分38、42、38’、42’を使用することの両方によって、コスト削減が達成される。したがって、金属製内側部分38、42、38’、42’の形成は、フレーム全体を金属材料から形成する場合ほど複雑ではなく、また、フレーム20、20’のより複雑な部分(たとえば、ヒンジアセンブリ)をプラスチックから形成してもよい。したがって、図1〜図5に示されたような眼
鏡フレーム20、20’は、全体が金属またはプラスチック材料のいずれかで構成されたフレームに勝る明確な利点をもたらす。
【0044】
図6〜図10を参照すると、フレーム20、20’などの眼鏡フレームを構成するための多くの好適な方法が示されている。眼鏡フレームの構成における好適なステップを記載している多数のプロセス流れ図に関連して、本方法を説明する。当業者には明らかであるように、本発明を実行するためにステップのすべてが必ずしも必要ではなく、さらに、図示のものに加えて、追加ステップを実行することができる。
【0045】
図6は、図1〜図3の眼鏡フレーム20を構成するための1つの好適な方法52であって、フロント22およびテンプル24のそれぞれの外側部分36、40を最初に形成し、内側部分38、42を外側部分36、40のリセス44、46内に形成するようにしたプロセスを用いる好適な方法52を示す。
【0046】
本方法52は、フレーム20のフロント22の外側部分36を第1金型内で形成する第1ステップ54を含む。好適な実施形態では、制限するわけではないが、たとえばポリカーボネートなどの半透明または透明なプラスチック材料を射出成形することによって、外側部分22が形成される。
【0047】
ステップ56において次に、形成された外側部分22を第2金型内に位置決めする。次にステップ58において、インサート部分38を第2金型内で形成し、この場合、リセス44が金型表面の一部として作用する。そのような処理は「オーバーモールド」と呼ばれる。
【0048】
第1金型および第2金型は、互いに完全に分離していてもよく、あるいは、同一成形機の個別部分でもよい。たとえば、ステップ54により、外側部分36を第1金型内で成形して、それからプロセス中の加工材料として保管し、後にステップ56および58を施すことができる。別法として、外側部分36を成形機の第1部分内で成形して、第1金型から抜き出した直後に、第2金型に移してもよい。すなわち、外側部分36およびインサート部分38は、2つのサブステップを有する単一のプロセスステップで形成することができる。
【0049】
同様に、ステップ60において、テンプル24の外側部分40を第1金型内で形成する。ステップ62において、外側部分40を第2金型に移して、ステップ64においてテンプル24の内側部分42を、ステップ56および58に関連して上述したやり方と同様にして形成する。
【0050】
フロント22およびテンプル24を形成した後、ステップ66においてそれらを互いに組み付ける。上述したような1対の突起32および対応する窪み34を有するヒンジ構造の場合、テンプル24を所定位置にスナップ止めすることができる。別法として、テンプル24内のフロント22が別体のヒンジアセンブリによって連結される場合、当業者には明らかなように、追加のプロセスステップが必要であろう。
【0051】
ステップ68において、既知のようにしてレンズ28をフレーム20に組み付ける。好ましくは、フレーム20を形成するプラスチック材料の可撓性により、レンズ28を眼鏡フレーム20の溝48内の所定位置にスナップ嵌めすることができる。
【0052】
図7を参照すると、図1の眼鏡フレーム20などの眼鏡フレームを構成する代替方法が示されている。方法70において、フロント22およびテンプル24の内側部分38、42を最初に形成し、外側部分36、40を内側部分38、42の上に形成する。
【0053】
ステップ72において、フロント22のインサート部分38を第1金型内で形成する。ステップ74において、形成されたインサート部分38を第2金型内に位置決めし、ステップ76において、外側部分36を第2金型内でインサート部分38の上に形成する。好ましくは、ステップ72、74、76は、図6の方法52に関連して上述した方法とほぼ同様である。したがって、方法70において、インサート部分38および外側部分36を単一のプロセスステップとして形成してもよく、または、上述したように個別のプロセスステップとしてインサート部分38を形成してもよい。
【0054】
同様に、ステップ78において、テンプル24のインサート部分42を第1金型内で形成する。次にステップ80において、インサート部分42を第2金型内に置いて、ステップ82において、外側部分40を第2金型内でインサート部分42の上に形成する。
【0055】
図6の方法52と同様に、フロント22およびテンプル24を形成した後、ステップ84においてそれらを互いに組み付ける。ステップ86において、レンズ28をフレーム20に組み付ける。
【0056】
図8を参照すると、図1〜図3のフレーム20などの眼鏡フレームを構成する代替方法88が示されている。図示の方法88において、外側部分36、40と内側部分38、42とが互いに個別に形成される。形成されてから、それぞれの内側部分38、42および外側部分36、40を一緒に組み付ける。好適なプロセス88の特殊なステップを以下にさらに詳細に説明する。
【0057】
ステップ90において、フロント22の外側部分36を第1金型内で形成する。別個に、ステップ92において、インサート部分38を第2金型内で形成する。インサート部分38および外側部分36が形成されてから、ステップ94において、それらを互いに組み付ける。外側部分36およびインサート部分38は、射出成形によってプラスチック材料から形成することができ、または、他の適当な材料または処理で形成してもよい。
【0058】
図1〜図3に関連して上述したように、外側部分36およびインサート部分38を締結部材などで機械的に結合してもよく、または、たとえば、スナップ嵌め構造によって互いに固定してもよい。追加的か、もしくは代替として、外側部分36およびインサート部分38を接着剤などで化学的に互いに結合してもよい。任意選択であるが、ステップ96において、外側部分36およびインサート部分38を組み付けてから、眼鏡フレーム20のフロント22に高温を加え、それによって外側部分36およびインサート部分38の接触面間に化学結合または接着を誘発してもよい。
【0059】
同様に、ステップ98において、テンプル24の外側部分40を第1金型内で形成する。別個に、ステップ100において、テンプル24のインサート部分42を第2金型内で形成する。形成後、ステップ102において、好ましくはステップ94に関連して記載したやり方と同様にして、テンプル24の外側部分40およびインサート部分42を組み付ける。任意選択であるが、ステップ96に関連して記載したように、ステップ104において、外側部分40およびインサート部分42のアセンブリを加熱し、それによってその間の結合を高めてもよい。
【0060】
テンプル24内のフロント22を形成した後、ステップ106においてそれらを互いに組み付ける。ステップ106で眼鏡フレーム20を組み付けてから、ステップ108においてレンズ28をフレーム20に組み付ける。これらの組み付けステップ106、108は好ましくは、図6および図7に関連して記載した組み付けステップ66、68または84、86と実質的に同様である。
【0061】
図9は、図4および図5のフレーム20’のような眼鏡フレームを構成する好適な方法110を示す。図9の方法において、内側部分38’、42’を最初に金属材料から形成して、外側部分36’、40’を内側部分38’、42’の上に形成する。
【0062】
ステップ112において、フレーム20’のフロント22’のインサート部分38’を金属材料から形成する。上述したように金属材料は、鋼、アルミニウム、マグネシウム、チタン、または光学レンズを支持するのに適した他の金属材料にすることができる。インサートは、当業者には理解されるように、ダイカストまたはインベストメント鋳造などの任意数の適当な処理によって形成することができる。
【0063】
インサート部分38’を製造した後、ステップ114において、それを第1金型内に位置決めする。ステップ116において、外側部分36’をインサート部分38’の上に形成する。好ましくは、外側部分36’は、インサート部分38’の上に射出成形(たとえば、オーバーモールド)されるプラスチック材料から構成される。
【0064】
好ましくは、ステップ112でのフロント22’のインサート部分38’の場合と同様のやり方で、ステップ118においてテンプル24’のインサート部分42’を形成する。ステップ120において、形成されたインサート部分42’を第1金型内に位置決めし、ステップ122において、テンプル24’の外側部分40’をインサート部分42’の上に形成する。好ましくは、外側部分40’は、射出成形処理によってインサート部分42’上にオーバーモールドされる。
【0065】
フロント22’およびテンプル24’を形成してから、ステップ124’においてそれらを互いに組み付けて、組み付けられたフレーム20’を形成する。フレーム20’を組み付けてから、ステップ126においてレンズ28’をフレーム20’内に組み付ける。図4および図5に関連して上述したような保持部材50を使用するなどの適当な方法を使用して、レンズ28’をフレーム20’に組み付けることができる。
【0066】
図10は、図4および図5の眼鏡フレーム20’などの眼鏡フレームを構成するための代替方法128を示す。図10の方法128では、インサート部分38’を外側部分36’に組み付ける前に、金属インサート38’を形成するためにレンズ28’を組み付ける。
【0067】
ステップ130において、図9のステップ112に関連して上述した方法などの適当な方法によって、眼鏡フレーム20’のフロント22’の金属インサート部分38’を形成する。ステップ132において、保持部材50を使用するか、または上述したような標準スプリットリムロックを使用するなどの適当な方法により、レンズ28’をインサート部分38’に組み付ける。
【0068】
ステップ134において、眼鏡フレーム20’のフロント22’の外側部分36’を形成する。好ましくは、外側部分36’は、射出成形によってプラスチック材料から形成される。しかし、他の適当な方法および材料も使用することができる。
【0069】
ステップ136において、インサート部分38’およびレンズ28’のアセンブリを適当な構造によって外側部分36’に組み付ける。たとえば、スナップ嵌め構造や機械的締結具などによって、インサート38’を外側部分36’に機械的に固定することができる。1対の光学レンズを有する眼鏡フレームにおいて、インサート部分38’およびレンズ28’のアセンブリが2つ、ステップ136で形成される。
【0070】
ステップ130での金属インサート部分38’と同様にして、ステップ138においてテンプル24’の金属インサート42’を形成する。ステップ140において、テンプル24’の外側部分40’を第1金型内で形成し、ステップ142において、金属インサート部分42’および外側部分40’を組み付けて、テンプル24’を形成する。フロント22’および1対のテンプル24’を形成してから、ステップ144においてそれらを互いに組み付けて、図4および図5のフレーム20’などの、組み付けられた眼鏡フレームを形成する。
【0071】
図11〜図21は、全体的に参照番号150で示された眼鏡フレームの代替実施形態を示す。好ましくは、眼鏡フレーム150は内側および外側部分を有し、さらに好ましくは、互いに固定的に結合された2つの個別の材料部材からなる。好適な構造では、2つの材料部材は、少なくとも部分的に同一の広がりを持ち、さらに詳細に後述するように、それぞれが眼鏡フレーム150の前向き表面の少なくとも一部分を画定する。
【0072】
眼鏡フレーム150はフロント152を有し、これは、少なくとも1つの環状部を、好ましくは左右両側の環状部154を画定する。先行する実施形態の場合と同様に、環状部154は、光学レンズ(図示せず)を支持するように構成されている。図示のフロント152は、環状部154間に延在するブリッジ156を有する。しかし、他の構造では、フロント152は、上述したように、単一のトロイダル光学レンズを支持するように構成されてもよい。したがって、代替構造では、環状部(複数可)がレンズ(単数または複数)を必ずしも完全に取り囲まない。
【0073】
図示の構造において、1対のテンプル158がフロント152の両横側部から後方に延出する。先行する実施形態の場合と同様に、テンプル158は好ましくは、ヒンジ構造によってフロント152に連結されて、それにより、当業者には既知であるように、テンプル158はフロント152に対して折り畳み位置から開放位置に移動することができる。
【0074】
図11〜図13を参照すると、図示のフロント152は、内側フレーム部材160と、中央部材162、右上部材164R、左上部材164L、右下部材166Rおよび左下部材166Lを含む複数の外側のプレート状部材とを有する。好ましくは、プレート部材162、164および166は、内側フレーム部材160にしっかりと固定され、それにより、一体構造のフロント152を形成している。図示の実施形態では、多数のプレート部材162、164および166が設けられているが、たとえば、単一のプレート部材を含め、他のプレート部材を使用することもできるであろう。
【0075】
図示の構造において、中央プレート部材162および上下プレート部材164および166は、内側フレーム部材160の前向き表面160Aの形状に全体的に似た形状を成すように配置されている。望ましくは、プレート部材162、164、166は、内側フレーム160の前向き表面160Aの少なくとも一部分を覆う一方、眼鏡フレーム150を前方から見たとき、前向きの表面160Aの一部分を見ることができる。図示の構造では、プレート162、164、166は、個々のプレート162、164、166間の比較的小さい隙間168を除いて、内側フレーム部材160の前向き表面160Aのほぼ全体を覆う。したがって、内側フレーム部材160は、フロント152の第1材料部材を有し、プレート部材162、164、166はフロント152の第2材料部材を有する。これらの2つの部材を同一色にすることができる。代替として、これらの2部材を異なった色にすることができる。
【0076】
1つの好適な構造において、中央プレート部材162は、対の環状部162の上側および下側の両方のほぼ中央部分から眼鏡フレーム150のブリッジ156を横切って延在している。上側および下側プレート部材164、166は中央プレート部材162と協働し
て、それぞれ右側および左側の環状部154の残り部分をほぼ取り囲んでいる。したがって、プレート部材162、164、166は協働して、右側および左側の環状部154の各々をほぼ取り囲んでいる。加えて、上述したように、内側フレーム部材160も好ましくは各環状部154を取り囲み、1つの好適な構造では、光学レンズ(図示せず)を支持するように構成された1対の溝170を画定している。
【0077】
図12を参照すると、好ましくはプレート部材162、164、166の1つまたは複数の少なくとも一部分が、内側フレーム部材160の対応部分の前面領域より大きい前面領域を画定する。すなわち、プレート部材162、164、166の1つまたは複数の周縁部の少なくとも一部分が、内側フレーム部材160の対応の周縁部を越えて延出している。したがって、図示の構造では、プレート部材162、164、166が、より小さい内側フレーム部材160によって支持された保護装甲のように見える「装甲」外観が達成される。しかし、他の構造では、内側フレーム部材160の周縁部がプレート部材162、164、166の1つまたは複数の対応の周縁部を越えて延出してもよい。したがって、そのような構造では、内側フレーム部材160は、プレート部材162、164、166の組み合わせより大きい前面領域を有するであろう。
【0078】
図示の構造において、プレート部材162、164、166は、超音波溶接処理によって内側フレーム部材160の前向き表面160Aにしっかりと固定されている。そのような処理において、プレート部材162、164、166および内側フレーム部材160の一方または両方が超音波振動を受ける。プレート部材および内側フレーム部材160を互いに接触させるとき、結果的に生じる振動エネルギーが熱に変換され、それがプレート部材を溶かして内側フレーム部材160に溶接する。そのような処理は当該技術分野では既知であり、したがって、本発明を実施するためにさらなる説明は必要ないと思われる。
【0079】
超音波溶接処理が好ましいが、他の適当な処理または方法でプレート部材162、164、166を内側フレーム部材160に固定してもよい。たとえば、ねじまたはリベットなどの機械的締結具を使用してもよい。別法として、プレート部材162、164、166を内側フレーム部材160に固定するために、接着剤を使用してもよい。別の構造では、図1〜図10の眼鏡フレーム20、20’について説明した処理と同様に、プレート部材162、164、166を内側フレーム部材160の上にオーバーモールドしてもよい。
【0080】
1つの好適な構造において、内側フレーム部材160およびプレート部材162、164、166の両方が適当な処理、たとえば、射出成形によってプラスチック材料から構成される。すなわち、1つの好適な構成では、内側フレーム部材160およびプレート部材162、164、166が同一か、または同様の材料から構成される。しかし、他の構造では、内側フレーム部材160およびプレート部材162、164、166を異なった材料で構成してもよい。たとえば、プレート部材162、164、166を金属材料(たとえば、鋼、アルミニウム、チタンまたはマグネシウムなど)から構成する一方、内側フレーム部材160をプラスチック材料から構成してもよい。当業者であれば理解できるように、他の組み合わせも可能である。
【0081】
テンプル158も、内側フレーム部材と、眼鏡フレーム150のフロント152に関連して説明したものと同様な1つまたは複数の外側プレート部材とを有することができる。たとえば、テンプル158の前部分172が、内側フレーム部材として機能するテンプル158の残り部分にしっかりと固定された別のプレート部材を有してもよい。
【0082】
上述したように、好ましくは超音波溶接処理によってプレート部材162、164、166を内側フレーム部材160にしっかりと固定する。図20を参照すると、超音波溶接
処理を向上させるための好適な構造が示されている。望ましくは、内側フレーム部材160の前向き表面160Aに面する右下プレート部材166Rの後向き表面が、プレート部材166Rから後方向に延出する1対の突起180を有する。1対の対応の粗面領域182が、内側フレーム部材160の前向き表面160A上に設けられており、突起180に整合する大きさ、形状および間隔を有する。
【0083】
作用を説明すると、突起180は、超音波溶接処理中のエネルギー誘導部として機能する。エネルギー誘導部、すなわち突起180は、プレート部材166Rと内側フレーム部材160の前向き表面160Aとの間の接触表面積を小さくする。そのような構造は、エネルギーを狭い領域に集中させ、それにより、発生する熱を高め、したがって突起180を迅速に溶解させて、プレート部材166および内側フレーム部材160間に溶接接合部を形成することができる。粗面領域182は、溶接処理中に突起180を内側フレーム部材160に対して所望位置に保持する働きをする。
【0084】
図21を参照すると、図11〜図20の眼鏡フレーム150などの眼鏡フレームを構成するための好適な方法184がプロセス流れ図で示されている。ステップ186において、眼鏡フレーム150のフロント152の内側フレーム部材160を第1金型で形成する。上述したように、好ましくは内側フレーム部材160を射出成形によってプラスチック材料から形成する。ステップ188において、プレート部材162、164、166を1つの第2金型か、または複数の金型内で形成する。好ましくは、プレート部材162、164、166も、射出成形処理によってプラスチック材料から形成する。
【0085】
ステップ190において、好ましくは、上述したように超音波溶接処理によって、プレート162、164、166を内側フレーム部材160に固定する。しかし、プレート部材162、164、166を内側フレーム部材160に固定する他の適当な方法を使用することもできる。
【0086】
ステップ192において、テンプル158を第1金型内で形成する。好ましくは、テンプル158を射出成形処理によってプラスチック材料から形成する。任意選択であるが、ステップ194において、テンプルプレート部材を第2金型内で形成してもよい。好ましくは、テンプルプレート部材も、射出成形処理によってプラスチック材料から形成されるであろう。必要ならば、ステップ196において、好ましくは超音波溶接処理によってテンププレート部材をテンプル158に固定する。
【0087】
ステップ198において、好ましくはそれぞれがステップ192、194、196に関連して説明したような処理によって形成されている1対のテンプルをフロント152に組み付けて、それによってフレームアセンブリ150を形成する。ステップ200において、当該技術分野では既知のように、1対の光学レンズ(図示せず)を、完成したフレームアセンブリ150に組み付ける。上記処理が好ましいが、眼鏡フレーム150を形成するための他の適当な処理も使用することができる。
【0088】
以上に記載した実施形態では、2つの材料部材を互いに固定し、それにより、所望の美的外観を達成できるように眼鏡フレームを形成する。そのため、好ましくは、眼鏡フレームの前側から見たとき、それぞれの部材の前向き表面が見える。したがって、第1および第2部材が好ましくは、全体的ではないが少なくとも部分的に同一の広がりを持つ。加えて、各部材は望ましくは、「立体的に造形」される。すなわち、好ましくは、部材の各々は、その部材に沿ったさまざまな点において、断面積および断面形状のいずれか一方、または両方が変化する。言い換えると、望ましくは、部材の各々は、眼鏡フレームの外観に寄与し、少なくとも完全にフレームの強化を目的として設けられているわけではない。したがって、好適な構造では、たとえば、補強ワイヤなどの典型的な補強部材と異なり、い
ずれの部材も一定の断面積または形状を有しない。
【0089】
好適な実施形態に関連して本発明を説明してきたが、開示された実施形態に本発明を制限する意図はない。本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に明らかな修正を加えることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲のみによって定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本明細書に開示されている本発明の1つのいくつかの特徴、態様および利点を有する眼鏡フレームの左前側の斜視図である。
【図2】図1の眼鏡フレームの分解組み付け図である。
【図3】図1の3−3線に沿った、図1の眼鏡フレームの断面図である。
【図4】図1の眼鏡フレームの変更例の分解組み付け図である。
【図5】図4の5−5線に沿った、図4の眼鏡フレームの断面図である。
【図6】図1の眼鏡フレームを構成するための好適な方法であって、フレーム本体およびテンプルの外側部分を最初に形成し、フレーム本体およびテンプルのインサート部分を上記外側部分の上に形成する好適な方法の流れ図である。
【図7】図1の眼鏡フレームを構成するための好適な方法であって、フレーム本体およびテンプルのインサート部分を最初に形成し、フレーム本体およびテンプルの外側部分を上記インサート部分の上に形成する好適な方法の流れ図である。
【図8】図1の眼鏡フレームを構成するための好適な方法であって、フレーム本体およびテンプルの外側部分、およびフレーム本体およびテンプルのインサート部分を個別に形成してから、それらを組み付ける好適な方法の流れ図である。
【図9】図4の眼鏡フレームを構成するための好適な方法であって、フレーム本体およびテンプルの金属インサート部分を最初に形成し、フレーム本体およびテンプルの外側部分を上記金属インサート部分の上に形成する好適な方法の流れ図である。
【図10】図4の眼鏡フレームを構成するための好適な方法であって、フレーム本体およびテンプルの金属インサート部分をフレーム本体およびテンプルの外側部分から分離して形成し、それからインサート部分と外側部分を互いに組み付ける好適な方法の流れ図である。
【図11】内側フレーム部材の外面に取り付けられたプレート状部材を有する眼鏡フレームの代替実施形態の前方左上側斜視図である。
【図12】図11の眼鏡フレームの後方右下側斜視図である。
【図13】内側フレーム部材をプレート状部材およびテンプルから分離して示す、図11の眼鏡フレームの前方左上側分解斜視図である。
【図14】図11の眼鏡フレームの正面立面図である。
【図15】図11の眼鏡フレームの背面立面図である。
【図16】図11の眼鏡フレームの左側面立面図である。
【図17】図11の眼鏡フレームの右側面立面図である。
【図18】図11の眼鏡フレームの上面図である。
【図19】図11の眼鏡フレームの底面図である。
【図20】内側フレームの一部分、および内側フレーム部材にまだ組み付けなければならないプレート部材の拡大図である。プレート部材は、内側フレーム部材に面する1対の突起を有し、内側フレーム部材は、プレート部材の突起に面する対応する対の粗面領域部分を有する。
【図21】図11の眼鏡フレームを構成するための好適な方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームにおいて、
フレーム部分と、第1および第2テンプルとを有するフレーム本体であって、
前記フレーム部分は、第1および第2環状部を画定し、該環状部の各々は、光学レンズを支持するように構成されており、
前記テンプルは、互いに間隔を置いて配置されて、前記フロントから後方に延出するフレーム本体を備え、
前記フレーム本体は、第1部材および第2部材を有し、該第1部材および該第2部材は、少なくとも部分的に同一の広がりを持ち、また該第1および第2部材の各々は、前記フレーム本体の外面の一部分を画定する、眼鏡フレーム。
【請求項2】
前記第1部材はリセスを画定し、前記第2部材は前記リセスを塞ぐ、請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項3】
前記第2部材は、前記第1部材に機械的に固定される、請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項4】
前記第2部材は、前記第1部材に化学的に固定される、請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項5】
前記第1部材は、前記テンプルの全長の約1/3以下にわたって延在する、請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項6】
前記第1部材は、前記テンプルの前記全長の約1/3にわたって延在する、請求項5に記載の眼鏡フレーム。
【請求項7】
前記第1部分は、金属材料製である、請求項5に記載の眼鏡フレーム。
【請求項8】
前記第2部分は、半透明材料製である、請求項5に記載の眼鏡フレーム。
【請求項9】
前記第2部分は、透明材料製である、請求項5に記載の眼鏡フレーム。
【請求項10】
眼鏡フレームを製造する方法であって、
フレーム本体がフレーム部分と第1および第2テンプルとを有し、前記フレーム部分が第1および第2環状部を画定し、該環状部の各々が光学レンズを支持する大きさおよび形状を有しており、また、該フレーム本体がリセスを画定するように、フレーム本体を形成すること、
インサート部分が前記フレーム本体の前記リセスを塞ぐ大きさおよび形状であるように、インサート部分を形成すること、および
前記フレーム本体および前記インサート部分の各々が、該眼鏡フレームの外面の一部分を画定するように、前記インサート部分を前記リセス内に位置決めすること、
を含む、眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項11】
前記インサートの前記形成および前記インサートの前記リセス内での前記位置決めは、同時に行われる、請求項10に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項12】
前記インサート部分を前記フレーム本体に固定することをさらに含む、請求項10に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項13】
前記固定ステップは、前記フレーム本体および前記インサート部分を加熱することを含む、請求項12に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項14】
前記加熱ステップは、前記インサート部分の前記位置決めから分離したプロセスステップである、請求項13に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項15】
前記固定ステップは、前記インサート部分を前記フレーム本体に機械的に固定することを含む、請求項12に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項16】
前記フレーム本体の前記形成は、第1金型内で行われ、前記インサートの前記形成は、前記第1金型から分離した第2金型内で行われる、請求項10に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項17】
前記フレーム本体の前記形成は、第1金型内で行われ、さらに、第2金型を製造するために前記第1金型の一部を利用すること、および前記インサート部分を前記第2金型内で形成することを含む、請求項10に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項18】
前記インサート部分は、前記フレーム本体を通して見える、請求項10に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項19】
フレーム部分と、第1および第2テンプルとを有するフレーム本体を備える眼鏡フレームにおいて、前記フレーム部分は、光学レンズを支持するように構成された少なくとも1つの環状部を画定し、
前記フレーム本体は、少なくとも部分的に同一の広がりを持つ第1層および第2層と、該第1層を該第2層に取り付けるための手段であって、それにより、前記第1および第2層の各々が、前記フレーム本体の外面の一部分を画定する、手段とを有する、眼鏡フレーム。
【請求項20】
眼鏡フレームにおいて、
少なくとも1つの環状部を画定する不連続フレーム部分を形成するように協働する複数のプレート状部材と、
該複数のプレート状部材の少なくとも一部分を相互連結する大きさおよび形状を有するフレーム部材と、
を備える眼鏡フレームであって、
前記プレート状部材の前記部分は、前記フレーム部材によって支持される、眼鏡フレーム。
【請求項21】
前記複数のプレート状部材は、前記フレーム部材の前向き表面に取り付けられる、請求項20に記載の眼鏡フレーム。
【請求項22】
前記複数のプレート状部材および前記フレーム部材は、プラスチック材料を有する、請求項20に記載の眼鏡フレーム。
【請求項23】
前記複数のプレート状部材は、前記フレーム部材と異なった色である、請求項20に記載の眼鏡フレーム。
【請求項24】
前記フレーム部材は、ほぼ透明である、請求項23に記載の眼鏡フレーム。
【請求項25】
眼鏡フレームを製造する方法であって、
フレーム部分と第1および第2テンプルとを有する第1フレーム本体部材を形成するこ
とであって、前記フレーム部分は、それぞれ光学レンズを支持するように構成された第1および第2環状部を画定し、該第1フレーム本体部材の前向き表面が第1形状を画定するように、第1フレーム本体部材を形成すること、
前記第1形状とほぼ同様の第2形状を画定する第2フレーム本体部材を形成すること、および
前記第2フレーム本体部材を前記第1フレーム本体部材の前記前向き表面に取り付けることであって、それにより、前記第1フレーム本体部材および前記第2フレーム本体部材の各々が、該眼鏡フレームの前向き表面の一部分を画定するように、取り付けること、
を含む、眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項26】
前記取り付けるステップは、
前記第1フレーム本体部材上に粗面部分を設けること、
前記第2フレーム本体部材上に突起を画定すること、
前記粗面部分を前記突起と接触させること、
前記第1フレーム本体部材および前記第2フレーム本体部材に超音波溶接処理を加えること、
を含む、請求項25に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項27】
前記第2フレーム本体部材の前記形成は、前記第2フレーム本体部材を形成するように協働する複数の個別部材片を製造することを含む、請求項25に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項28】
前記第1フレーム本体部材は、第1色の材料から形成され、前記第2フレーム本体部材は、前記第1色以外の色の材料から形成される、請求項25に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項29】
前記第1フレーム本体は、ほぼ透明な材料から形成される、請求項25に記載の眼鏡フレームを製造する方法。
【請求項30】
第1および第2環状部を画定するフレーム本体を備える眼鏡フレームであって、
該第1および第2環状部の各々は、光学レンズを支持するように構成され、
前記フレーム本体は、
第1部材および第2部材であって、該第1部材は第1形状を画定し、該第2部材は、前記第1形状とほぼ同様の第2形状を画定する、第1部材および第2部材と、
該第2部材を該第1部材に取り付けるための手段であって、それにより、前記第1および第2部材の各々が前記フレーム本体の前向き表面の一部分を画定する、手段と、
を有する、眼鏡フレーム。
【請求項31】
前記第2部材は、複数の個別プレートを有する、請求項30に記載の眼鏡フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2006−510065(P2006−510065A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563577(P2004−563577)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/039953
【国際公開番号】WO2004/059367
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(500291315)オークリー インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】