説明

眼鏡

【課題】フレームの体積を減らし、軽量化を図ると共に、前傾姿勢の場合にも有効な前方視界を確保し、しかもフレームからレンズの着脱を容易に行えるようにし、レンズ交換が非常に簡単に行えるようにした眼鏡を提供する。
【解決手段】レンズ1と、このレンズ1の側方端部に取り付けた左右一対の弾性変形可能なフレーム2と、これらフレーム2のそれぞれに取り付けた左右一対のテンプル3を備え、前記レンズ1の側方端部にフレーム嵌合部4を設け、前記フレーム2の前部にレンズ嵌合穴5を設け、前記フレーム嵌合部4をレンズ嵌合穴5に嵌脱することによって、前記レンズ1に前記フレーム2を着脱自在として取り付けたものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レンズが交換可能な眼鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の眼鏡としては、例えば図11、12に示したようなものが存在する。この眼鏡はサングラスとしており、曲面の透明な板状のレンズ21と、このレンズ21の上端縁の全幅にわたる長さとして、このレンズ21に嵌合固着されたフレーム22と、このフレーム22の左右両外端に折り畳み自在に取り付けられたテンプル23とからなるものとしている(特許文献1)。
【0003】
さらに、この種の眼鏡としては、例えば図13、14に示したようなものが存在する。この眼鏡はサングラスとしており、適正な曲面を有した可撓性および弾性を有する一眼式のレンズ31を備えており、このレンズ31の両側方端部上縁には左右一対のフレーム32を固着し、それぞれのフレーム32にはテンプル33を取り付けたものとしている。そして、前記レンズ31の両側方端部上縁には、ねじ孔(図示省略)が設けられ、前記フレーム32がビス34により着脱可能に固着されている(特許文献2)。
【特許文献1】米国特許第4824233号明細書(図2、図6)
【特許文献2】特開平6−175085号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された眼鏡は、レンズ21の上端縁の全幅にわたる長さとしたフレーム22を備えているので、このフレーム22によって、眼鏡の体積が大きくなると共に、眼鏡が重くなるという問題点を有していた。
【0005】
また、この特許文献1に記載された眼鏡は、前記フレーム22が着用者の前方視野を狭くし、特に自転車に乗ったときなどの前傾姿勢の場合には、前方が見にくいという問題点を有していた。
【0006】
さらに、上記特許文献2に記載された眼鏡は、レンズ31の両側方端部上縁にフレーム32がビス34により着脱可能に固着されているため、固着強度は充分なものとなっているが、組み立てに手間がかかり、着脱可能といってもその着脱が容易に行えず、レンズ交換が面倒であるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、フレームの体積を減らし、軽量化を図ると共に、前傾姿勢の場合にも有効な前方視界を確保し、しかもフレームからレンズの着脱を容易に行えるようにし、レンズ交換が非常に簡単に行えるようにした眼鏡を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、この発明の眼鏡は、レンズ1と、このレンズ1の側方端部に取り付けた左右一対の弾性変形可能なフレーム2と、これらフレーム2のそれぞれに取り付けた左右一対のテンプル3を備え、前記レンズ1の側方端部にフレーム嵌合部4を設け、前記フレーム2の前部にレンズ嵌合穴5を設け、前記フレーム嵌合部4をレンズ嵌合穴5に嵌脱することによって、前記レンズ1に前記フレーム2を着脱自在として取り付けている。
【0009】
そして、この発明の眼鏡は、前記フレーム嵌合部4には、上部に嵌合部4aを設けると共に、下部に嵌合部4bを設け、前記レンズ嵌合穴5には、上面に嵌合部5aを設けると共に、下面に嵌合部5bを設け、嵌合部4aと嵌合部5a、嵌合部4bと嵌合部5bとをそれぞれ凹凸嵌合自在としている。
【0010】
さらに、この発明の眼鏡は、前記レンズ嵌合穴5を、上壁2a、下壁2b、内壁2c、外壁2dで囲まれた形状にしている。
【0011】
また、この発明の眼鏡は、前記内壁2cと外壁2dの少なくとも何れか一方に、中央を横切る切欠部13を形成して、これら内壁2cと外壁2dの少なくとも何れか一方を上下に分断している。
【0012】
さらに、この発明の眼鏡は、前記フレーム2の後部には、上端にテンプル嵌合凹部14を設けると共に、下端にテンプル嵌合凹部15を設け、前記テンプル3の前部には、フレーム嵌合凸部16、17を設け、前記テンプル嵌合凹部14にフレーム嵌合凸部16を嵌脱すると共に、前記テンプル嵌合凹部15にフレーム嵌合凸部17を嵌脱することによって、前記フレーム2に前記テンプル3を着脱自在として取り付けている。
【0013】
また、この発明の眼鏡は、前記テンプル嵌合凹部14に嵌合部14aを設けると共に、前記テンプル嵌合凹部15に嵌合部15aを設け、前記フレーム嵌合凸部16に嵌合部16aを設けると共に、前記フレーム嵌合凸部17に嵌合部17aを設け、嵌合部14aと嵌合部16a、嵌合部15aと嵌合部17aとをそれぞれ凹凸嵌合自在としている。
【0014】
さらに、この発明の眼鏡は、前記テンプル3の前部を、上下方向に弾性変形可能とした二股部3a、3bとしており、一方の二股部3aの先端に前記フレーム嵌合凸部16が設けられ、他方の二股部3bの先端に前記フレーム嵌合凸部17が設けられている。
【0015】
また、この発明の眼鏡は、前記テンプル嵌合凹部14に、水平方向に嵌合部14bを設け、前記フレーム嵌合凸部16の前端に、水平方向に前記嵌合部14bに対応する嵌合部16bを設け、前記嵌合部14bと嵌合部16bを凹凸嵌合自在としている。
【0016】
さらに、この発明の眼鏡は、前記テンプル嵌合凹部15に、水平方向に嵌合部15bを設け、前記フレーム嵌合凸部17の前端に、水平方向に前記嵌合部15bに対応する嵌合部17bを設け、前記嵌合部15bと嵌合部17bを凹凸嵌合自在としている。
【0017】
また、この発明の眼鏡は、前記テンプル嵌合凹部14に、水平方向に嵌合部14bを設けると共に、前記テンプル嵌合凹部15に、水平方向に嵌合部15bを設け、前記フレーム嵌合凸部16の前端に、水平方向に前記嵌合部14bに対応する嵌合部16bを設けると共に、前記フレーム嵌合凸部17の前端に、水平方向に前記嵌合部15bに対応する嵌合部17bを設け、前記嵌合部14bと嵌合部16b、前記嵌合部15bと嵌合部17bをそれぞれ凹凸嵌合自在としている。
【発明の効果】
【0018】
この発明の眼鏡は、以上に述べたように構成されているので、フレームの体積を減らすことができ、軽量化が図れると共に、前傾姿勢の場合にも有効な前方視界を確保することができ、しかもフレームからレンズの着脱を容易に行え、レンズ交換が非常に簡単に行えるものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の眼鏡を実施するための最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
この発明の眼鏡は、レンズ1と、このレンズ1の側方端部に取り付けた左右一対の弾性変形可能なフレーム2と、これらフレーム2のそれぞれに取り付けた左右一対のテンプル3を備えている。そして、前記レンズ1の側方端部にはフレーム嵌合部4を設け、前記フレーム2の前部にはレンズ嵌合穴5を設け、前記フレーム嵌合部4をレンズ嵌合穴5に嵌脱することによって、前記レンズ1の側方端部に前記フレーム2の前部を着脱自在として取り付けている。
【0021】
前記レンズ1は、ポリカーボネート等の耐衝撃性プラスチックからなる一眼式または二眼式のレンズ、硬質ガラスからなる一眼式レンズなどとすることができる。一眼式の場合は、レンズ1の中央の下部に略V字形状の切欠き部1aが形成され、この切欠き部1aに鼻当て部材6を着脱自在に嵌着したものとしている。また、二眼式の場合は、それぞれのレンズ1の内側方端部の略中央に一対となる鼻当て部材(図示せず)を固着したものとしている。
【0022】
前記レンズ1の側方端部のフレーム嵌合部4には、このレンズ1を切り欠いたり出っ張らせたりして、上部に嵌合部4aを設けると共に、このレンズ1を切り欠いたり出っ張らせたりして、下部に嵌合部4bを設けている。この嵌合部4aは、後に述べるフレーム2のレンズ嵌合穴5に設けられた嵌合部5aと、嵌合部4bは、後に述べるフレーム2のレンズ嵌合穴5に設けられた嵌合部5bと、それぞれ凹凸嵌合自在としたものとしている。なお、嵌合部4a、4bを凹部した場合には嵌合部5a、5bを凸部とし、嵌合部4a、4bを凸部した場合には嵌合部5a、5bを凹部とするなどしている。
【0023】
前記フレーム2は、ナイロン、その他の合成樹脂などからなり、前記したように弾性変形可能なものとしている。
【0024】
前記フレーム2の前部には、上壁2a、下壁2b、内壁2c、外壁2dで囲まれた形状にした前記レンズ嵌合穴5を設けている。このレンズ嵌合穴5の上面には、この上面を隆起させたり陥没させたりして、前記嵌合部4aと嵌脱自在とした前記嵌合部5aを設けると共に、レンズ嵌合穴5の下面には、この下面を隆起させたり陥没させたりして、前記嵌合部4bと嵌脱自在とした前記嵌合部5bを設けている。なお、前記レンズ嵌合穴5は、縦長形状の前記フレーム嵌合部4に合わせて縦長形状にしているが、縦長形状に限られることなく、前記フレーム嵌合部4の形状に応じた任意の形状にすることができる。
【0025】
さらに、図示したように、前記フレーム2の内壁2cには、前部に切欠部11を形成すると共に、後部に切欠部12を形成して、この内壁2cを細くすると共に、前記フレーム2の外壁2dには、中央を横切る切欠部13を形成して、この外壁2dを上下に分断している。前記内壁2cは、細くすることにより、弾性変形し易いものとなる。さらに、前記内壁2cは、細くすると共に、または細くしないでも、肉薄にすることにより、弾性変形し易いものとなる。なお、前記切欠部13は、ゴム弾性を有するような伸縮自在の部材で塞いでおくことができる。また、前記切欠部13を形成することなく、この部分をゴム弾性を有するような伸縮自在の部材で構成しておくことができる。
【0026】
また、図示していないが、前記フレーム2の内壁2cには、中央を横切る切欠部13を形成して、この内壁2cを上下に分断すると共に、前記フレーム2の外壁2dには、前部に切欠部11を形成すると共に、後部に切欠部12を形成して、この外壁2dを細くしてもよい。前記外壁2dは、細くすることにより、弾性変形し易いものとなる。さらに、前記外壁2dは、細くすると共に、または細くしないでも、肉薄にすることにより、弾性変形し易いものとなる。なお、この場合も、前記切欠部13は、ゴム弾性を有するような伸縮自在の部材で塞いでおくことができる。また、前記切欠部13を形成することなく、この部分をゴム弾性を有するような伸縮自在の部材で構成しておくことができる。
【0027】
さらに、図示していないが、前記フレーム2の内壁2cには、中央を横切る切欠部13を形成して、この内壁2cを上下に分断すると共に、前記フレーム2の外壁2dにも、中央を横切る切欠部13を形成して、この外壁2dを上下に分断してもよい。なお、この場合も、前記両切欠部13は、ゴム弾性を有するような伸縮自在の部材で塞いでおくことができる。また、前記両切欠部13を形成することなく、この部分をゴム弾性を有するような伸縮自在の部材で構成しておくことができる。
【0028】
また、前記フレーム2の後部には、上端に、この上端内側を窪ませて、テンプル嵌合凹部14を設けると共に、下端に、この下端内側を窪ませて、テンプル嵌合凹部15を設けている。前記テンプル3の前部には、この前部を突出させて、フレーム嵌合凸部16、17を設けている。そして、前記テンプル嵌合凹部14にフレーム嵌合凸部16を嵌脱すると共に、前記テンプル嵌合凹部15にフレーム嵌合凸部17を嵌脱することによって、前記フレーム2の後部に前記テンプル3の前部を着脱自在として取り付けている。
【0029】
前記テンプル嵌合凹部14には、垂直方向に嵌合部14aを設けると共に、前記テンプル嵌合凹部15には、垂直方向に嵌合部15aを設けている。この嵌合部14aは、後に述べるテンプル3のフレーム嵌合凸部16に設けられた嵌合部16aと、嵌合部15aは、後に述べるテンプル3のフレーム嵌合凸部17に設けられた嵌合部17aと、それぞれ凹凸嵌合自在としたものとしている。なお、嵌合部14a、15aを凹部した場合には嵌合部16a、17aを凸部とし、嵌合部14a、15aを凸部した場合には嵌合部16a、17aを凹部とするなどしている。
【0030】
前記フレーム2の後部上端には、直角状に隣り合った前壁2eと側壁2fおよび上壁2gで囲まれた前記テンプル嵌合凹部14を設け、フレーム2の後部下端には、直角状に隣り合った前壁2eと側壁2fおよび下壁2hで囲まれた前記テンプル嵌合凹部15を設けている。そして、このテンプル嵌合凹部14の上壁2gには前記嵌合部14aが設けられ、テンプル嵌合凹部15の下壁2hには前記嵌合部15aが設けられている。
【0031】
前記テンプル3の前部は、上下方向に弾性変形可能とした二股部3a、3bとしており、一方の二股部3aの先端に前記フレーム嵌合凸部16が設けられ、他方の二股部3bの先端に前記フレーム嵌合凸部17が設けられている。そして、前記フレーム嵌合凸部16の上部には、垂直方向に前記嵌合部16aが設けられ、前記フレーム嵌合凸部17の下部には、垂直方向に前記嵌合部17aが設けられている。
【0032】
さらに、前記テンプル嵌合凹部14、15のそれぞれの前壁2eは、曲面状にしたものとすると共に、前記フレーム嵌合凸部16、17のそれぞれの前端を、前記前壁2eに沿う曲面状にしたものとしている。そして、前記テンプル嵌合凹部14の嵌合部14aと、前記フレーム嵌合凸部16の嵌合部16aとが凹凸嵌合し、前記テンプル嵌合凹部15の嵌合部15aと、前記フレーム嵌合凸部17の嵌合部17aとが凹凸嵌合し、さらに前記テンプル嵌合凹部14の前壁2eと前記フレーム嵌合凸部16の前端とが摺接し、前記テンプル嵌合凹部15の前壁2eと前記フレーム嵌合凸部17の前端とが摺接して、前記フレーム2に対して前記テンプル3を水平方向に約90度、回動可能にしている。
【0033】
また、前記テンプル嵌合凹部14の前壁2eには、水平方向に嵌合部14bを設けると共に、前記テンプル嵌合凹部15の前壁2eには、水平方向に嵌合部14bを設け、前記フレーム嵌合凸部16の前端には、水平方向に前記嵌合部14bに対応する嵌合部16bを設けると共に、前記フレーム嵌合凸部17の前端には、水平方向に前記嵌合部15bに対応する嵌合部17bを設け、前記嵌合部14bと前記嵌合部16b、前記嵌合部15bと前記嵌合部17bとをそれぞれ凹凸嵌合自在としている。さらに、図示していないが、前記テンプル嵌合凹部14の前壁2eにのみ、水平方向に嵌合部14bを設け、前記フレーム嵌合凸部16の前端にのみ、水平方向に前記嵌合部14bに対応する嵌合部16bを設け、前記嵌合部14bと嵌合部16bを凹凸嵌合自在としてもよい。また、図示していないが、前記テンプル嵌合凹部15の前壁2eにのみ、水平方向に嵌合部15bを設け、前記フレーム嵌合凸部17の前端にのみ、水平方向に前記嵌合部15bに対応する嵌合部17bを設け、前記嵌合部15bと嵌合部17bを凹凸嵌合自在としてもよい。さらにまた、前記テンプル3の前部を二股部3a、3bとしていない場合には、図10に示したように、そのテンプル3の前部に設けられた前記フレーム嵌合凸部16、17の何れかに相当するフレーム嵌合凸部18の前端に、前記嵌合部16b、17bの何れかに相当する嵌合部18bを設け、前記テンプル嵌合凹部14、15を互いに連結してテンプル嵌合凹部19とし、このテンプル嵌合凹部19の前壁2eに、前記嵌合部14b、15bの何れかに相当する嵌合部19bを設け、前記嵌合部18bと嵌合部19bを凹凸嵌合自在としてもよい。この場合、前記フレーム嵌合凸部18の上部には、前記嵌合部16aに相当する嵌合部18aが設けられると共に、フレーム嵌合凸部18の下部には、前記嵌合部17aに相当する嵌合部18aが設けられている。さらに、前記テンプル嵌合凹部19は、直角状に隣り合った前壁2eと側壁2f、上壁2gおよび下壁2hで囲まれたものとしている。また、前記テンプル嵌合凹部19の上壁2gには、前記嵌合部14aに相当する嵌合部19aが設けられると共に、テンプル嵌合凹部19の下壁2hには、前記嵌合部15aに相当する嵌合部19aが設けられている。なお、前記嵌合部14b、15b、19bを凸部した場合には嵌合部16b、17b、18bを凹部とし、嵌合部14b、15b、19bを凹部した場合には嵌合部16b、17b、18bを凸部とするなどしている。
【0034】
そして、前記フレーム2に対してテンプル3を水平方向に回動するときに、前記テンプル嵌合凹部14の前壁2eの嵌合部14bと前記フレーム嵌合凸部16の前端の嵌合部16bと、前記テンプル嵌合凹部15の前壁2eの嵌合部15bと前記フレーム嵌合凸部17の前端の嵌合部17bとをそれぞれ凹凸嵌合させ、嵌合部14bと嵌合部16b、嵌合部15bと嵌合部17bがそれぞれ摺接するようにして、フレーム2に対してテンプル3が振れないようにしている。なお、前記フレーム2に対してテンプル3を水平方向に約90度、回動した状態では、前記嵌合部14bと嵌合部16b、嵌合部15bと嵌合部17bとの凹凸嵌合がそれぞれ解除されるようにしている。このようにすると、後に述べるようにフレーム2からテンプル3を外す場合に、テンプル3を約90度、回動した状態にしてから後に述べるような操作を行うと、前記嵌合部14bと嵌合部16b、嵌合部15bと嵌合部17bのそれぞれの間の抵抗がなくなり、フレーム2からテンプル3をより容易に外すことができる。
【0035】
以上のように構成されたこの発明の眼鏡は、レンズ1の側方端部に左右一対のフレーム2を着脱自在としているので、フレーム2の体積を減らすことができ、軽量化が図られるので、眼鏡が重くなるようなことはなく、またフレーム2が着用者の前方視野を狭くすることもなく、前傾姿勢の場合にも有効な前方視界を確保することができるものとなる。
【0036】
さらに、この発明の眼鏡は、フレーム2からレンズ1を外す場合には、図5に示した状態から、片方の手の指でフレーム2の内外壁2c、2dを摘まみ、もう片方の手の指でレンズ1の側方端部を摘まみ、フレーム2からレンズ1を引き抜こうとして力を入れると、フレーム2の内壁2cが図6の(b)に示したように弾性変形する。すると、フレーム2の嵌合部5a、5bの間が広がるので、嵌合部5aに嵌合したレンズ1の嵌合部4a、嵌合部5bに嵌合したレンズ1の嵌合部4bがそれぞれ抜け易くなり、図7に示したように、フレーム2からレンズ1を簡単に外すことができる。
【0037】
また、この発明の眼鏡は、フレーム2にレンズ1を取り付ける場合には、図7に示した状態から、片方の手の指でフレーム2の内外壁2c、2dを摘まみ、もう片方の手の指でレンズ1の側方端部を摘まみ、フレーム2のレンズ嵌合穴5にレンズ1のフレーム嵌合部4を押し込もうとして力を入れると、レンズ1の嵌合部4aがフレーム2の嵌合部5aを、レンズ1の嵌合部4bがフレーム2の嵌合部5bをそれぞれ押圧し、フレーム2の内壁2cが図6の(b)に示したように弾性変形する。すると、フレーム2の嵌合部5a、5bの間が広がるので、この嵌合部5aにレンズ1の嵌合部4aが、嵌合部5bにレンズ1の嵌合部4bがそれぞれ嵌め易くなり、図5に示したように、フレーム2にレンズ1を簡単に取り付けることができる。
【0038】
さらに、この発明の眼鏡では、前記フレーム2からレンズ1を外す場合やフレーム2にレンズ1を取り付ける場合においても、前記嵌合部4aと嵌合部5a、嵌合部4bと嵌合部5bのそれぞれの間に働く摩擦抵抗が小さくなるので、これらの部分の磨耗や変形を防止することができ、耐久性に優れたものとなる。
【0039】
なお、この発明の眼鏡では、前記フレーム2からレンズ1を外す場合やフレーム2にレンズ1を取り付ける場合において、フレーム2の内壁2cの細さ加減や薄さ加減によって、フレーム2の内壁2cの弾性変形のし易さを調節することができるので、眼鏡の用途などに応じて、フレーム2の内壁2cを適当な細さにすればよい。
【0040】
次に、この発明の眼鏡は、フレーム2からテンプル3を外す場合には、図8に示した状態から、片方の手の指でフレーム2を摘まみ、もう片方の手の指でテンプル3の二股部3a、3bを上下から摘んで力を入れて押さえる。すると、二股部3a、3bの間が狭まり、前記テンプル嵌合凹部14の嵌合部14aから前記フレーム嵌合凸部16の嵌合部16aが外れると共に、前記テンプル嵌合凹部15の嵌合部15aから前記フレーム嵌合凸部17の嵌合部17aが外れるので、この状態でテンプル3をフレーム2から引き離せば、図9に示したように、フレーム2からテンプル3を容易に外すことができる。
【0041】
また、この発明の眼鏡は、フレーム2にテンプル3を取り付ける場合には、図9に示した状態から、片方の手の指でフレーム2を摘まみ、もう片方の手の指でテンプル3の二股部3a、3bを上下から摘んで力を入れて押さえる。すると、二股部3a、3b間が狭まるので、この状態で前記テンプル嵌合凹部14の嵌合部14aに前記フレーム嵌合凸部16の嵌合部16aを合わせると共に、前記テンプル嵌合凹部15の嵌合部15aに前記フレーム嵌合凸部17の嵌合部17aを合わせて指の力を抜けば、二股部3a、3bの間が元の状態に広がり、嵌合部14aと嵌合部16a、嵌合部15aと嵌合部17aとがそれぞれ凹凸嵌合する。さらに、テンプル嵌合凹部14の前壁2eの嵌合部14bと、フレーム嵌合凸部16の前端の嵌合部16bとが凹凸嵌合し、テンプル嵌合凹部15の前壁2eの嵌合部15bと、フレーム嵌合凸部17の前端の嵌合部17bとが凹凸嵌合するので、図8に示したように、フレーム2にテンプル3を容易に取り付けることができる。
【0042】
そして、この発明の眼鏡では、フレーム2に取り付けたテンプル3は、前記したようにフレーム2に対して振れないようにして、水平方向に回動可能なものとなる。また、前記嵌合部14aと嵌合部16a、前記嵌合部15aと嵌合部17aとがそれぞれ凹凸嵌合した部分や、前記嵌合部14bと嵌合部16b、前記嵌合部15bと嵌合部17bとがそれぞれ凹凸嵌合した部分は、表面には露出していないので、塗装などの表面処理を行う場合にも影響を受け難く、良好な凹凸嵌合状態を保っておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の眼鏡の正面図である。
【図2】この発明の眼鏡の後方斜視図である。
【図3】この発明の眼鏡のテンプルを開いた状態の平面図である。
【図4】この発明の眼鏡のテンプルを折り畳んだ状態の平面図である。
【図5】この発明の眼鏡のレンズにフレ−ムを取り付けた後、またはレンズからフレ−ムを外す前の状態を示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその端面図である。
【図6】この発明の眼鏡のレンズにフレ−ムを取り付ける途中、またはレンズからフレ−ムを外す途中の状態を示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその端面図である。
【図7】この発明の眼鏡のレンズにフレ−ムを取り付ける前、またはレンズからフレ−ムを外した後の状態を示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその端面図である。
【図8】この発明の眼鏡のフレ−ムにテンプルを取り付けた後、またはフレームからテンプルを外す前の状態を示す斜視図である。
【図9】この発明の眼鏡のフレ−ムにテンプルを取り付ける前、またはフレームからテンプルを外した後の状態を示す斜視図である。
【図10】この発明の眼鏡のテンプルの前部を二股部としていない場合の実施例において、フレ−ムにテンプルを取り付ける前、またはフレームからテンプルを外した後の状態を示す斜視図である。
【図11】従来の眼鏡の一例を示す正面図である。
【図12】図11に示す眼鏡の側面図である。
【図13】従来の眼鏡の他の例を示す正面図である。
【図14】図13に示す眼鏡の平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 レンズ
2 フレーム
2a 上壁
2b 下壁
2c 内壁
2d 外壁
3 テンプル
3a 二股部
3b 二股部
4 フレーム嵌合部
4a 嵌合部
4b 嵌合部
5 レンズ嵌合穴
5a 嵌合部
5b 嵌合部
13 切欠部
14 テンプル嵌合凹部
14a 嵌合部
14b 嵌合部
15 テンプル嵌合凹部
15a 嵌合部
15b 嵌合部
16 フレーム嵌合凸部
16a 嵌合部
16b 嵌合部
17 フレーム嵌合凸部
17a 嵌合部
17b 嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ(1)と、このレンズ(1)の側方端部に取り付けた左右一対の弾性変形可能なフレーム(2)と、これらフレーム(2)のそれぞれに取り付けた左右一対のテンプル(3)を備え、前記レンズ(1)の側方端部にフレーム嵌合部(4)を設け、前記フレーム(2)の前部にレンズ嵌合穴(5)を設け、前記フレーム嵌合部(4)をレンズ嵌合穴(5)に嵌脱することによって、前記レンズ(1)に前記フレーム(2)を着脱自在として取り付けたことを特徴とする眼鏡。
【請求項2】
前記フレーム嵌合部(4)には、上部に嵌合部(4a)を設けると共に、下部に嵌合部(4b)を設け、前記レンズ嵌合穴(5)には、上面に嵌合部(5a)を設けると共に、下面に嵌合部(5b)を設け、嵌合部(4a)と嵌合部(5a)、嵌合部(4b)と嵌合部(5b)とをそれぞれ凹凸嵌合自在としたことを特徴とする請求項1記載の眼鏡。
【請求項3】
前記レンズ嵌合穴(5)を、上壁(2a)、下壁(2b)、内壁(2c)、外壁(2d)で囲まれた形状にしたことを特徴とする請求項1または2記載の眼鏡。
【請求項4】
前記内壁(2c)と外壁(2d)の少なくとも何れか一方に、中央を横切る切欠部(13)を形成して、これら内壁(2c)と外壁(2d)の少なくとも何れか一方を上下に分断していることを特徴とする請求項3記載の眼鏡。
【請求項5】
前記フレーム(2)の後部には、上端にテンプル嵌合凹部(14)を設けると共に、下端にテンプル嵌合凹部(15)を設け、前記テンプル(3)の前部には、フレーム嵌合凸部(16、17)を設け、前記テンプル嵌合凹部(14)にフレーム嵌合凸部(16)を嵌脱すると共に、前記テンプル嵌合凹部(15)にフレーム嵌合凸部(17)を嵌脱することによって、前記フレーム(2)に前記テンプル(3)を着脱自在として取り付けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の眼鏡。
【請求項6】
前記テンプル嵌合凹部(14)に嵌合部(14a)を設けると共に、前記テンプル嵌合凹部(15)に嵌合部(15a)を設け、前記フレーム嵌合凸部(16)に嵌合部(16a)を設けると共に、前記フレーム嵌合凸部(17)に嵌合部(17a)を設け、嵌合部(14a)と嵌合部(16a)、嵌合部(15a)と嵌合部(17a)とをそれぞれ凹凸嵌合自在としたことを特徴とする請求項5記載の眼鏡。
【請求項7】
前記テンプル(3)の前部を、上下方向に弾性変形可能とした二股部(3a、3b)としており、一方の二股部(3a)の先端に前記フレーム嵌合凸部(16)が設けられ、他方の二股部(3b)の先端に前記フレーム嵌合凸部(17)が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の眼鏡。
【請求項8】
前記テンプル嵌合凹部(14)に、水平方向に嵌合部(14b)を設け、前記フレーム嵌合凸部(16)の前端に、水平方向に前記嵌合部(14b)に対応する嵌合部(16b)を設け、前記嵌合部(14b)と嵌合部(16b)を凹凸嵌合自在としたことを特徴とする請求項6または7記載の眼鏡。
【請求項9】
前記テンプル嵌合凹部(15)に、水平方向に嵌合部(15b)を設け、前記フレーム嵌合凸部(17)の前端に、水平方向に前記嵌合部(15b)に対応する嵌合部(17b)を設け、前記嵌合部(15b)と嵌合部(17b)を凹凸嵌合自在としたことを特徴とする請求項6または7記載の眼鏡。
【請求項10】
前記テンプル嵌合凹部(14)に、水平方向に嵌合部(14b)を設けると共に、前記テンプル嵌合凹部(15)に、水平方向に嵌合部(15b)を設け、前記フレーム嵌合凸部(16)の前端に、水平方向に前記嵌合部(14b)に対応する嵌合部(16b)を設けると共に、前記フレーム嵌合凸部(17)の前端に、水平方向に前記嵌合部(15b)に対応する嵌合部(17b)を設け、前記嵌合部(14b)と嵌合部(16b)、前記嵌合部(15b)と嵌合部(17b)をそれぞれ凹凸嵌合自在としたことを特徴とする請求項6または7記載の眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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